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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】塗料組成物及び型内被覆方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 175/04 20060101AFI20240514BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20240514BHJP
   B29C 45/16 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
C09D175/04
C09D7/63
B29C45/16
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023564669
(86)(22)【出願日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 JP2023017732
【審査請求日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】P 2022116863
(32)【優先日】2022-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001409
【氏名又は名称】関西ペイント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100230868
【弁理士】
【氏名又は名称】長▲濱▼ 宅磨
(72)【発明者】
【氏名】中岡 晴河
(72)【発明者】
【氏名】小村 克斗
【審査官】齊藤 光子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-211249(JP,A)
【文献】特開昭61-247721(JP,A)
【文献】特開昭63-141709(JP,A)
【文献】特表2017-534477(JP,A)
【文献】特開2022-71676(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0178582(US,A1)
【文献】特開2013-216777(JP,A)
【文献】特許第6949291(JP,B1)
【文献】国際公開第2021/145331(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D
B29C 45/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)イソシアネート反応性基含有化合物、(B)ポリイソシアネート化合物及び(C)カルボジイミド基含有化合物を含み、固形分濃度が90質量%以上である、ことを特徴とする、型内被覆塗料組成物。
【請求項2】
(A)イソシアネート反応性基含有化合物、(B)ポリイソシアネート化合物及び(C)カルボジイミド基含有化合物を含み、固形分濃度が90質量%以上である、ことを特徴とする、塗料組成物であって、
前記カルボジイミド基含有化合物(C)の数平均分子量が、500~5000の範囲内である、塗料組成物
【請求項3】
前記カルボジイミド基含有化合物(C)が、イソシアネート基を有する、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
【請求項4】
前記カルボジイミド基含有化合物(C)が、芳香環構造を有する、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
【請求項5】
成型された基材と金型内壁との間に型内被覆塗料組成物を注入し、該型内被覆塗料組成物を硬化させた後、被覆された成型物を金型から取り出す工程を含む型内被覆方法であって、
前記型内被覆塗料組成物が、(A)イソシアネート反応性基含有化合物、(B)ポリイソシアネート化合物及び(C)カルボジイミド基含有化合物を含み、固形分濃度が90質量%以上である、型内被覆方法。
【請求項6】
前記型内被覆塗料組成物が、内部離型剤(D)をさらに含む、請求項5記載の型内被覆方法。
【請求項7】
前記内部離型剤(D)が、脂肪酸アミドを含む、請求項6に記載の型内被覆方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料組成物及び型内被覆方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基材表面に、優れた外観及び性能等を付与することを目的として、該基材表面上に塗料組成物を塗装し、形成されたウェット塗膜を硬化させて塗膜を形成することが行なわれている。近年では、環境負荷軽減の観点から、塗料組成物中の揮発性有機化合物(VOC)の低減及び塗装時の空調エネルギーの低減等が求められている。
【0003】
さらに近年では、各種技術分野において、基材の塗装面における高い硬度とともに、塗膜と基材との高い密着性、特に耐水負荷後の密着性(耐水密着性)が求められている。また、上記塗料組成物が、屋外で使用される物品に塗装される場合には、通常、高い耐候性を有する塗膜を形成できることが求められる。
【0004】
特許文献1には、塗料ベース成分A及び硬化成分Bを含む二成分コーティング材料組成物であって、前記塗料ベース成分Aが、i. エステル基を含有するポリオールの群から選択され、且つ300~500mgKOH/gのヒドロキシル価を有し2を超えるヒドロキシル基官能価を有する、1種以上のポリオールA1、ii. エーテル基及びエステル基を含まない一般式(I):R-(OH)(式中、Rは5~18個の炭素原子を有するp価の分岐、環式又は直鎖、飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素ラジカルであり、ラジカルRは任意に1個以上の第三級アミノ基を含み、及びpは2~6である)の1種以上の脂肪族ポリオールA2、iii. 一般式(II):R-(C=O)-O-(AO)-R(式中、Rは6~30個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素ラジカルであり、RはH、ラジカルPO(OH)、又は任意に部分的にリン酸化された単糖又は二糖のラジカル又は任意に部分的にリン酸化されたアルジトールのラジカルであり、AOはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシドからなる群から選択される1種以上のアルキレンオキシドラジカルを表し、rは0又は1であり、sは0~30である)の1種以上の種A3、iv. 有機錫化合物の群から選択される1種以上の架橋触媒A4、v. 少なくとも2個の第二級アミノ基、及び120~280mgKOH/gのアミン価を有する任意の1種以上のポリアミンA5、及びix. 湿潤剤及び/又は分散剤、レオロジー助剤及び流れ制御剤からなる群から選択される任意の1種以上の添加剤A9、を含み、及び、前記硬化成分Bが、i. 平均2.4~5個のNCO基を有する1種以上のポリイソシアネートB1を含み、前記二成分コーティング材料組成物は、前記二成分コーティング材料組成物の総質量に対して、ASTM D2369(2015年)により、少なくとも96質量%の固形分を含み、及び前記硬化成分B中のNCO基の、前記塗料ベース成分A中のヒドロキシル基、第一級アミノ基及び第二級アミノ基の酸性水素原子に対するモル比が、1:1.15~1:0.95であることを特徴とする、二成分コーティング材料組成物が、外部離型剤を使用せずに、普通は金属の型表面からの損傷のない離型を可能にし、且つ一方で基材への極めて優れた接着を確実にし、及び例えばベースコート及びクリアコート等のさらなるコーティングフィルムで再コーティングでき、費用がかかり不便な洗浄及び/又は研磨工程なしで極めて優れた品質の表面を形成することができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2020-528103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、得られる塗料組成物中のVOC含有量は低いものの、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐候性が十分でない場合があった。
【0007】
本発明は、耐水密着性、硬度及び耐候性に優れた塗膜を形成可能であり、VOC含有量が低い塗料組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、イソシアネート反応性基含有化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及び、カルボジイミド基含有化合物(C)を含み、固形分濃度が90質量%以上である、ことを特徴とする、塗料組成物によれば、上記目的を達成できることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は下記<1>~<7>に関するものである。
<1>(A)イソシアネート反応性基含有化合物、(B)ポリイソシアネート化合物及び(C)カルボジイミド基含有化合物を含み、固形分濃度が90質量%以上である、ことを特徴とする、塗料組成物。
<2>上記カルボジイミド基含有化合物(C)が、イソシアネート基を有する、<1>に記載の塗料組成物。
<3>上記カルボジイミド基含有化合物(C)が、芳香環構造を有する、<1>又は<2>に記載の塗料組成物。
<4>上記カルボジイミド基含有化合物(C)の数平均分子量が、500~5000の範囲内である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の塗料組成物。
<5>成型された基材と金型内壁との間に型内被覆塗料組成物を注入し、該型内被覆塗料組成物を硬化させた後、被覆された成型物を金型から取り出す工程を含む型内被覆方法であって、
上記型内被覆塗料組成物が、〈1〉~〈4〉のいずれか1項に記載の塗料組成物である、型内被覆方法。
<6>上記型内被覆塗料組成物が、内部離型剤(D)をさらに含む、<5>に記載の型内被覆方法。
<7>上記内部離型剤(D)が、脂肪酸アミドを含む、<6>に記載の型内被覆方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、耐水密着性、硬度及び耐候性に優れた塗膜を形成可能であり、VOC含有量が低い塗料組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について詳述するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、本発明はこれらの内容に特定されるものではない。
【0012】
[塗料組成物]
本発明の塗料組成物は、イソシアネート反応性基含有化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)及びカルボジイミド基含有化合物(C)を含み、固形分濃度が90質量%以上である、塗料組成物である。
【0013】
なお、本明細書において、「固形分」は、80℃で30分間乾燥させた後に残存する、樹脂、硬化剤、顔料等の不揮発性成分を意味する。上記固形分は、例えば、アルミ箔カップ等の耐熱容器に試料を量り取り、容器底面に該試料を塗り広げた後、該試料を80℃で30分間乾燥させ、乾燥後に残存する成分の質量を秤量して求めることができる。
【0014】
また、本明細書において、「固形分濃度」は、組成物中の上記固形分の含有質量割合を意味する。このため、組成物の固形分濃度は、例えば、アルミ箔カップ等の耐熱容器に組成物を1.0g量り取り、容器底面に該組成物を塗り広げた後、該組成物を80℃で30分間乾燥させ、乾燥後に残存する組成物中の成分の質量を秤量して、乾燥前の組成物の全質量に対する乾燥後に残存する成分の質量の割合を求めることにより、算出することができる。
【0015】
本発明の塗料組成物中の固形分濃度は、90質量%以上である。固形分濃度が90質量%以上であることによって、得られる塗料組成物中のVOC含有量を低減することができる。本発明の塗料組成物の固形分濃度は、得られる塗料組成物中のVOC含有量の低減及び形成される塗膜の耐ワキ性等の観点から、95~100質量%の範囲内であることが好ましく、97~100質量%の範囲内であることがより好ましく、99~100質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0016】
[イソシアネート反応性基含有化合物(A)]
イソシアネート反応性基含有化合物(A)は、1分子中に少なくとも1個のイソシアネート反応性基を有する化合物である。上記イソシアネート反応性基としては、イソシアネート基に対して反応性を有している基であれば特に制限されない。該イソシアネート反応性基としては、例えば、水酸基、アミノ基、チオール基等が挙げられ、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐侯性等の観点から、水酸基及びアミノ基から選択される少なくとも1つを含むことが好ましく、水酸基を含むことがより好ましい。したがって、上記イソシアネート反応性基含有化合物(A)としては、水酸基含有化合物(A1)、アミノ基含有化合物(A2)、チオール基含有化合物(A3)等が挙げられ、水酸基含有化合物(A1)及びアミノ基含有化合物(A2)から選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、水酸基含有化合物(A1)を含むことがより好ましい。
【0017】
[水酸基含有化合物(A1)]
上記水酸基含有化合物(A1)は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有する化合物である。該水酸基含有化合物(A1)としては、水酸基含有オリゴマー及び水酸基含有ポリマーが挙げられ、例えば、水酸基含有ポリエステル樹脂、水酸基含有ポリカプロラクトン樹脂、水酸基含有ポリエーテル樹脂、水酸基含有ポリカーボネート樹脂、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有アクリル変性ポリエステル樹脂、水酸基含有ポリウレタン樹脂、水酸基含有エポキシ樹脂、水酸基含有アルキド樹脂等が挙げられる。なかでも、得られる塗料組成物中のVOC含有量の低減、並びに形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐侯性等の観点から、水酸基含有ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、通常、酸成分とアルコール成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。
【0018】
上記酸成分としては、上記水酸基含有ポリエステル樹脂の製造に際して、ポリカルボン酸として通常使用される化合物を使用することができる。かかるポリカルボン酸としては、例えば、脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸、芳香族多塩基酸等を挙げることができる。
【0019】
上記脂肪族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、該脂肪族化合物の酸無水物及び該脂肪族化合物のエステル化物である。脂肪族多塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸;該脂肪族多価カルボン酸の無水物;該脂肪族多価カルボン酸の炭素数1~6、好ましくは1~4の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。上記脂肪族多塩基酸はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0020】
上記脂環族多塩基酸は、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造と2個以上のカルボキシル基を有する化合物、該化合物の酸無水物及び該化合物のエステル化物である。脂環式構造は、主として4~6員環構造であることができる。脂環族多塩基酸としては、例えば、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、3-メチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、4-メチル-1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5-シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;該脂環族多価カルボン酸の無水物;該脂環族多価カルボン酸の炭素数1~6、好ましくは1~4の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。上記脂環族多塩基酸はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0021】
上記芳香族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、該芳香族化合物の酸無水物及び該芳香族化合物のエステル化物である。芳香族多塩基酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;該芳香族多価カルボン酸の無水物;該芳香族多価カルボン酸の炭素数1~6、好ましくは1~4の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。上記芳香族多塩基酸はそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0022】
また、上記脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸及び芳香族多塩基酸以外の酸成分を使用することもできる。かかる酸成分としては、特に限定されず、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等の脂肪酸;イソノナン酸、ネオデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p-tert-ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、10-フェニルオクタデカン酸等のモノカルボン酸;乳酸、3-ヒドロキシブタン酸、3-ヒドロキシ-4-エトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。これらの酸成分は、それぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0023】
上記アルコール成分としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを好適に使用することができる。該多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,2-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3-メチル-4,3-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ジメチロールプロピオン酸等の2価アルコール;これらの2価アルコールにε-カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルジオール化合物;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε-カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物;グリセリンの脂肪酸エステル化物等が挙げられる。
【0024】
また、上記多価アルコール以外のアルコール成分を使用することもできる。かかるアルコール成分としては、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、2-フェノキシエタノール等のモノアルコール;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、「カージュラE10P」(商品名、Hexion社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)等のモノエポキシ化合物と酸を反応させて得られるアルコール化合物等が挙げられる。
【0025】
上記水酸基含有ポリエステル樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、通常の方法に従って行なうことができる。例えば、上記酸成分と上記アルコール成分とを、窒素気流中、150~250℃程度で、5~10時間程度加熱し、該酸成分と該アルコール成分のエステル化反応又はエステル交換反応を行なう方法により、水酸基含有ポリエステルポリオール樹脂を製造することができる。
【0026】
上記酸成分及び上記アルコール成分をエステル化反応又はエステル交換反応せしめる際には、反応容器中に、これらの成分を一度に添加してもよいし、一方又は両者を数回に分けて添加してもよい。また、まず、上記水酸基含有ポリエステル樹脂を合成した後、得られる該水酸基含有ポリエステル樹脂に酸無水物を反応させてハーフエステル化させてカルボキシル基及び水酸基含有ポリエステル樹脂としてもよい。また、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂を合成した後、上記アルコール成分を付加させて該水酸基含有ポリエステル樹脂を製造してもよい。
【0027】
上記エステル化又はエステル交換反応の際には、反応を促進させるための触媒として、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等のそれ自体既知の触媒を使用することができる。
【0028】
また、上記水酸基含有ポリエステル樹脂は、該樹脂の製造中又は製造後に、脂肪酸、モノエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物等で変性することができる。
【0029】
上記脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等が挙げられ、上記モノエポキシ化合物としては、例えば、「カージュラE10P」(商品名、Hexion社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)を好適に用いることができる。
【0030】
また、上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン-2,4-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン-2,6-ジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;リジントリイソシアネート、4-(イソシアナトメチル)オクタメチレンジイソシアネート等の3価以上のポリイソシアネート等の有機ポリイソシアネートそれ自体;これらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、水等との付加物;これらの各有機ポリイソシアネート同士の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビウレット型付加物等が挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0031】
上記水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基価は、形成される塗膜の耐水密着性及び硬度等の観点から、1~600mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、100~580mgKOH/gの範囲内であることがより好ましく、300~560mgKOH/gの範囲内であることがさらに好ましい。
【0032】
また、上記水酸基含有ポリエステル樹脂の数平均分子量は、得られる塗料組成物中のVOC含有量の低減及び形成される塗膜の耐水密着性等の観点から、200~10,000の範囲内であることが好ましく、250~5,000の範囲内であることがより好ましく、300~2,500の範囲内の範囲内であることがさらに好ましい。
【0033】
また、上記水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐侯性等の観点から、-80~10℃の範囲内であることが好ましく、-70~5℃の範囲内であることがより好ましく、-60~0℃の範囲内であることがさらに好ましい。
【0034】
なお、本明細書において、数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC-8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G3000HXL」、「TSKgel G2500HXL」及び「TSKgel G2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
【0035】
ガラス転移温度は、例えば示差走査熱量計「DSC-50Q型」(島津製作所製、商品名)を用いて、試料を測定カップにとり、真空吸引して完全に溶剤を除去した後、3℃/分の昇温速度で-100℃~150℃の範囲で熱量変化を測定し、低温側における最初のベースラインの変化点を静的ガラス転移温度とすることによって、測定することができる。
【0036】
上記水酸基含有化合物(A1)が水酸基含有ポリエステル樹脂を含む場合には、該水酸基含有ポリエステル樹脂の含有量は、形成される塗膜の耐水密着性及び硬度等の観点から、水酸基含有化合物(A1)の合計固形分量を基準として、50~100質量%の範囲内であることが好ましく、60~100質量%の範囲内であることがより好ましく、75~100質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0037】
上記水酸基含有ポリカプロラクトン樹脂は、例えば、2価~4価の多価アルコールを開始剤として、ε-カプロラクトンを開環重合することによって得ることができる。該2価以上の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、ジメチロールアルカン酸とモノエポキシ化合物(例えば、HEXION Specialty Chemicals社製「カージュラE10P;合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル」)を反応させて得られた多価アルコール化合物等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0038】
また、上記水酸基含有ポリカプロラクトン樹脂としては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、「プラクセル205」、「プラクセル205H」、「プラクセルL205AL」、「プラクセル205U」、「プラクセル208」、「プラクセル210」、「プラクセル210N」、「プラクセル210CP」、「プラクセル212」、「プラクセルL212AL」、「プラクセル220」、「プラクセル220N」、「プラクセル220CPB」、「プラクセル220CPT」、「プラクセル220UA」、「プラクセル220NP1」、「プラクセルL220AL」、「プラクセル220EB」、「プラクセル230」、「プラクセル230N」、「プラクセル240」、「プラクセル303」、「プラクセル305」、「プラクセル308」、「プラクセル309」、「プラクセル312」、「プラクセル320」、「プラクセルL320AL」、「プラクセル410」(以上、商品名、ダイセル社製)、「TONE 0201」、「TONE 0230」、「TONE 0249」、「TONE 0301」、「TONE 0305」、「TONE 0310」、「TONE 1241」、「TONE 1278」、「TONE 2221」(以上、商品名、The Dow Chemical社製)、「Capa 2043」、「Capa 2101」、「Capa 2201」、「Capa 2205」、「Capa 2209」、「Capa 2201A」、「Capa 2203A」、「Capa 7201A」、「Capa 7203」、「Capa 3031」、「Capa 3050J」、「Capa 3091」、「Capa 4101」(以上、商品名、Ingevity社製)等を挙げることができる。
【0039】
上記水酸基含有ポリカプロラクトン樹脂の水酸基価は、形成される塗膜の耐水密着性及び硬度等の観点から、50~900mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、100~750mgKOH/gの範囲内であることがより好ましく、130~600mgKOH/gの範囲内であることがさらに好ましい。
【0040】
また、上記水酸基含有ポリカプロラクトン樹脂の数平均分子量は、得られる塗料組成物中のVOC含有量の低減、並びに形成される塗膜の耐水密着性及び硬度等の観点から、200~5000の範囲内であることが好ましく、250~3000の範囲内であることがより好ましく、300~2000の範囲内であることがさらに好ましい。
【0041】
上記水酸基含有化合物(A1)が水酸基含有ポリカプロラクトン樹脂を含む場合には、該水酸基含有ポリカプロラクトン樹脂の含有量は、形成される塗膜の耐水密着性及び硬度等の観点から、水酸基含有化合物(A1)の合計固形分量を基準として、5~100質量%の範囲内であることが好ましく、10~75質量%の範囲内であることがより好ましく、10~50質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0042】
上記水酸基含有ポリエーテル樹脂としては、後述する水酸基含有モノマーのアルキレンオキシド付加物、アルキレンオキシド又は環状エーテル(テトラヒドロフラン等)の開環(共)重合体等を使用することができる。具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール-プロピレングリコールの(ブロック又はランダム)共重合体、ポリヘキサメチレングリコール、ポリオクタメチレングリコール等が挙げられる。上記水酸基含有ポリエーテル樹脂は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0043】
上記水酸基含有ポリエーテル樹脂の水酸基価は、形成される塗膜の耐水密着性及び硬度等の観点から、50~600mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、70~500mgKOH/gの範囲内であることがより好ましく、90~400mgKOH/gの範囲内であることがさらに好ましい。
【0044】
上記水酸基含有ポリエーテル樹脂の数平均分子量は、得られる塗料組成物中のVOC含有量の低減、並びに形成される塗膜の耐水密着性及び硬度等の観点から、200~10000の範囲内であることが好ましく、300~5000の範囲内であることがより好ましく、400~3000の範囲内であることがさらに好ましい。
【0045】
上記水酸基含有化合物(A1)が水酸基含有ポリエーテル樹脂を含む場合には、該水酸基含有ポリエーテル樹脂の含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐侯性等の観点から、水酸基含有化合物(A1)の合計固形分量を基準として、5~100質量%の範囲内であることが好ましく、10~50質量%の範囲内であることがより好ましく、10~25質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0046】
上記水酸基含有ポリカーボネート樹脂は、常法により、公知のポリオール成分とカルボニル化剤とを重縮合反応させることにより得られる化合物である。ポリオール成分としては、ジオール成分、3価以上のアルコール等の多価アルコール成分を挙げることができる。
【0047】
上記ジオール成分としては、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール及び1,10-デカンジオール等の直鎖状ジオール;2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール等の分岐ジオール;1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール等の脂環式ジオール;p-キシレンジオール、p-テトラクロロキシレンジオール等の芳香族ジオール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のエーテル系ジオール;これらのジオール成分にε-カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール等を挙げることができる。これらのジオール成分は、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0048】
上記3価以上のアルコールとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンの2量体、ペンタエリスリトール;これらの3価以上のアルコールにε-カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンポリオール等を挙げることができる。これらの3価以上のアルコールは、単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0049】
上記カルボニル化剤としては、公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、アルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリルカーボネート、ホスゲン等を挙げることができ、これらの単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。これらのうち好ましいものとして、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等を挙げることができる。
【0050】
上記水酸基含有ポリカーボネート樹脂の水酸基価は、形成される塗膜の耐水密着性及び硬度等の観点から、50~600mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、70~500mgKOH/gの範囲内であることがより好ましく、90~400mgKOH/gの範囲内であることがさらに好ましい。
【0051】
上記水酸基含有ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は、得られる塗料組成物中のVOC含有量の低減、並びに形成される塗膜の耐水密着性及び硬度等の観点から、200~10000の範囲内であることが好ましく、300~5000の範囲内であることがより好ましく、400~3000の範囲内であることがさらに好ましい。
【0052】
上記水酸基含有化合物(A1)が水酸基含有ポリカーボネート樹脂を含む場合には、該水酸基含有ポリカーボネート樹脂の含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐侯性等の観点から、水酸基含有化合物(A1)の合計固形分量を基準として、5~100質量%の範囲内であることが好ましく、10~50質量%の範囲内であることがより好ましく、10~25質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0053】
上記水酸基含有アクリル樹脂は、例えば、水酸基含有重合性不飽和モノマー及び該水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーを、それ自体既知の方法、例えば、有機溶媒中での溶液重合法、水中でのエマルション重合法等の方法により共重合せしめることによって製造することができる。
【0054】
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物である。該水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2~8の2価アルコールとのモノエステル化物;該(メタ)アクリル酸と炭素数2~8の2価アルコールとのモノエステル化物のε-カプロラクトン変性体;N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール、さらに、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0055】
但し、本発明においては、後述する(xvii) 紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和モノマーに該当するモノマーは、上記水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーとして規定されるべきものであり、水酸基含有重合性不飽和モノマーからは除かれる。これらは、単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0056】
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、下記モノマー(i)~(xx)等を使用することができる。これらの重合性不飽和モノマーは単独でもしくは2種以上で組み合わせて使用することができる。
(i) アルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート:例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等
(ii) イソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー:イソボルニル(メタ)アクリレート等
(iii) アダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー:アダマンチル(メタ)アクリレート等
(iv) トリシクロデセニル基を有する重合性不飽和モノマー:トリシクロデセニル(メタ)アクリレート等
(v) 芳香環含有重合性不飽和モノマー:ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等
(vi) アルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー:ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等
(vii) フッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー:パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等
(viii) マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー
(ix) ビニル化合物:N-ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等
(x) カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー:(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート等
(xi) 含窒素重合性不飽和モノマー:(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン化合物との付加物等
(xii) 重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー:アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等
(xiii) エポキシ基含有重合性不飽和モノマー:グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等
(xiv) 分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート
(xv) スルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー:2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-スルホエチル(メタ)アクリレート、アリルスルホン酸、4-スチレンスルホン酸等;これらスルホン酸のナトリウム塩及びアンモニウム塩等
(xvi) リン酸基を有する重合性不飽和モノマー:アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリ(オキシエチレン)グリコール(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリ(オキシプロピレン)グリコール(メタ)アクリレート等
(xvii) 紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和モノマー:2-ヒドロキシ-4(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-(3-アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-(3-アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メタクリロイルオキシエチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール等
(xviii) 光安定性重合性不飽和モノマー:4-(メタ)アクリロイルオキシ1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-クロトノイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-クロトノイル-4-クロトノイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン等
(xix) カルボニル基を有する重合性不飽和モノマー:アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4~7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等
(xx) 酸無水物基を有する重合性不飽和モノマー:無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等
【0057】
本明細書において、重合性不飽和基とは、ラジカル重合しうる不飽和基を意味する。かかる重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルエーテル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、マレイミド基等が挙げられる。
【0058】
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」はアクリレート又はメタクリレートを意味する。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。また、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。
【0059】
上記水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は、形成される塗膜の耐水密着性及び硬度等の観点から、5~240mgKOH/gの範囲内であることが好ましく、20~220mgKOH/gの範囲内であることがより好ましく、25~200mgKOH/gの範囲内であることがさらに好ましい。
【0060】
また、上記水酸基含有アクリル樹脂の重量平均分子量は、得られる塗料組成物中のVOC含有量の低減及び形成される塗膜の耐水密着性等の観点から、500~50,000の範囲内であることが好ましく、1,000~30,000の範囲内であることがより好ましく、1,500~10,000の範囲内であることがさらに好ましい。
【0061】
また、上記水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐侯性等の観点から、-60~80℃の範囲内であることが好ましく、-50~70℃の範囲内であることがより好ましく、-40~60℃の範囲内であることがさらに好ましい。
【0062】
なお、本明細書において、上記水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、下記式により算出される値である。
1/Tg(K)=W1/T1+W2/T2+・・・Wn/Tn
Tg(℃)=Tg(K)-273
式中、W1、W2、・・・Wnは各モノマーの質量分率であり、T1、T2・・・Tnは各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度Tg(K)である。
なお、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度は、POLYMER HANDBOOK Fourth Edition,J.Brandrup,E.h.Immergut,E.A.Grulke編(1999年)による値であり、該文献に記載されていないモノマーのガラス転移温度は、該モノマーのホモポリマーを重量平均分子量が50,000程度になるようにして合成したときの静的ガラス転移温度とする。
【0063】
上記水酸基含有化合物(A1)が水酸基含有アクリル樹脂を含む場合には、該水酸基含有アクリル樹脂の含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐侯性等の観点から、水酸基含有化合物(A1)の合計固形分量を基準として、5~100質量%の範囲内であることが好ましく、10~75質量%の範囲内であることがより好ましく、15~50質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0064】
また、上記水酸基含有化合物(A1)としては、水酸基含有モノマーとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,2-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3-メチル-4,3-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールF、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、ソルビトール、マンニット、ヒドロキシアセトン、4-(2-ヒドロキシエチル)モルフォリン、ベンジルアルコール、2-フェニルエタノール、2-フェノキシエタノール、ナフタレン-1-オール、(1,3-ベンゾオキオール-5-イル)メタノール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、ノニルフェノールエトキシレート、モノスチレン化フェノール、ジスチレン化フェノール、トリスチレン化フェノール等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0065】
上記水酸基含有化合物(A1)が水酸基含有モノマーを含む場合には、該水酸基含有モノマーの含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐侯性等の観点から、水酸基含有化合物(A1)の合計固形分量を基準として、5~100質量%の範囲内であることが好ましく、5~50質量%の範囲内であることがより好ましく、5~30質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0066】
上記イソシアネート反応性基含有化合物(A)が上記水酸基含有化合物(A1)を含む場合には、該水酸基含有化合物(A1)の含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐侯性等の観点から、イソシアネート反応性基含有化合物(A)の合計固形分量を基準として、50~100質量%の範囲内であることが好ましく、60~100質量%の範囲内であることがより好ましく、70~100質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0067】
[アミノ基含有化合物(A2)]
アミノ基含有化合物(A2)は、分子中に少なくとも1個の1級アミノ基及び/又は2級アミノ基を有する化合物である。上記アミノ基含有化合物(A2)としては、例えば、エチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、N,N’-ビス-(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポリアミン;1,2-シクロヘキサンジアミン、1,3-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、4-メチル-1,3-シクロヘキサンジアミン、2-メチル-1,3-シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、3,3’-ジメチル-4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、N,N’-(イソホロンジアミノ)ビスプロピオニトリル、N,N’-ジ-sec-ブチル-4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,2-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジアミン等の脂環族ポリアミン;ピペラジン、N-(2-アミノエチル)ピペラジン等の複素環ポリアミン;2,4-トルエンジアミン、2,6-トルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン、4,4’-メチレンビス[N-(1-メチルプロピル)アニリン]、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-(1,3-フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’-(1,4-フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、アミノベンジルアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン;ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)ジアミン、トリメチロールプロパンポリ(オキシプロピレン)トリアミン、グリセリルポリ(オキシプロピレン)トリアミン等のポリエーテルポリアミン化合物;N,N’-(2-メチルペンタン-1,5-ジイル)ビスアスパラギン酸テトラエチル、N,N’-[メチレンビス(シクロヘキサン-4,1-ジイル)]ビスアスパラギン酸テトラエチル、N,N’-[メチレンビス(2-メチルシクロヘキサン-4,1-ジイル)]ビスアスパラギン酸テトラエチル、α-{2-[(1,4-ジエトキシ-1,4-ジオキソブタン-2-イル)アミノ]プロピル}-ω-{2-[(1,4-ジエトキシ-1,4-ジオキソブタン-2-イル)アミノ]プロポキシ}ポリ[オキシ(メチルエチレン)]等のポリアスパラギン酸エステル化合物;N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0068】
上記アミノ基含有化合物(A2)は、得られる塗料組成物中のVOC含有量の低減、並びに形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐侯性等の観点から、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、ポリエーテルポリアミン化合物及びポリアスパラギン酸エステル化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、脂環族ポリアミン及びポリアスパラギン酸エステルから選択される少なくとも1種の化合物を含むことがより好ましく、ポリアスパラギン酸エステル化合物を含むことがさらに好ましい。
【0069】
上記アミノ基含有化合物(A2)としては、市販品を使用することができる。市販品の商品名としては、例えば、「Baxxodur EC110」、「DETA」、「N4 Amine」、「Baxxodur EC210」、「Baxxodur EC201」、「Baxxodur EC330」、「Baxxodur EC331」、「Baxxodur PC136」、「Baxxodur EC130」、「Baxxodur EC280」、「Baxxodur EC301」、「Baxxodur EC302」、「Baxxodur EC303」、「Baxxodur EC310」、「Baxxodur EC311」(以上、商品名、BASF社製)、「Clearlink 1000」、「Unilink 4200」、「Unilink 4100」(以上、商品名、DORF KETAL社製)、「JEFFAMINE M-600」、「JEFFAMINE M-1000」、「JEFFAMINE M-2005」、「JEFFAMINE M-2070」、「JEFFAMINE M-3085」、「JEFFAMINE D-230」、「JEFFAMINE D-400」、「JEFFAMINE D-2000」、「JEFFAMINE D-4000」、「JEFFAMINE ED-600」、「JEFFAMINE ED-900」、「JEFFAMINE ED-2003」、「JEFFAMINE EDR-148」、「JEFFAMINE RT-1000」、「JEFFAMINE T-403」、「JEFFAMINE T-3000」、「JEFFAMINE T-5000」(以上、商品名、HUNTSMAN社製)、「MXDA」、「1,3-BAC」(以上、商品名、三菱ガス化学社製)、「WANAMINE MDA-100H」、「エタキュア100プラス」、「エタキュア300」、「エタキュア420」、「ビスアニリン-M」、「ビスアニリン-P」(以上、商品名、三井化学ファイン社製)、「VESTAMIN IPD」、「VESTAMIN TMD」、「VESTAMIN PACM」、「ANCAMINE 2049」、「AMICURE IC-321」、「AMICURE IC-322」(以上、商品名、EVONIK Industries社製)、「D.E.H.20」、「D.E.H.24」、「D.E.H.26」、「D.E.H.29」、「D.E.H.39」、「D.E.H.444」、「D.E.H.445」、「D.E.H.4042」、「D.E.H.4044」、「D.E.H.487」、「D.E.H.488」、「D.E.H.530」、「D.E.H.」(以上、商品名、The Dow Chemical社製)、「デスモフェン(Desmophen)NH1220」、「デスモフェン(Desmophen)NH1420」、「デスモフェン(Desmophen)NH1422」、「デスモフェン(Desmophen)NH1423」、「デスモフェン(Desmophen)NH1520」、「デスモフェン(Desmophen)NH1521」、「デスモフェン(Desmophen)NH1523」、「デスモフェン(Desmophen)NH1723LF」、「デスモフェン(Desmophen)NH2885」、「デスモフェン(Desmophen)NH2886」(以上、商品名、コベストロ社製)、「FEISPARTIC F22
0」、「FEISPARTIC F420」、「FEISPARTIC F520」、「FEISPARTIC F2850」、「FEISPARTIC F2872」、「FEISPARTIC F221」、「FEISPARTIC F321」、「FEISPARTIC F525」、「FEISPARTIC F421」、「FEISPARTIC F524」、「FEISPARTIC F330」、「FEISPARTIC D2925」、「FEISPARTIC D2903」(以上、商品名、Feiyang Protech社製)、「TSE-EZASP 7980」、「TSE-EZASP 7981」、「TSE-EZASP 9033」、「TSE-EZASP 8443」(以上、商品名、TSE Industries社製)、「Altor 200」、「Altor 201」、「Altor 202」、「Altor 205LV」(以上、商品名、Cargill社製)等が挙げられる。
【0070】
上記ポリアスパラギン酸エステル化合物としては、市販品を使用することができる。市販品の商品名としては、例えば、デスモフェン(Desmophen)NH1220」、「デスモフェン(Desmophen)NH1420」、「デスモフェン(Desmophen)NH1422」、「デスモフェン(Desmophen)NH1423」、「デスモフェン(Desmophen)NH1520」、「デスモフェン(Desmophen)NH1521」、「デスモフェン(Desmophen)NH1523」、「デスモフェン(Desmophen)NH1723LF」、「デスモフェン(Desmophen)NH2885」、「デスモフェン(Desmophen)NH2886」(以上、商品名、コベストロ社製)、「FEISPARTIC F220」、「FEISPARTIC F420」、「FEISPARTIC F520」、「FEISPARTIC F2850」、「FEISPARTIC F2872」、「FEISPARTIC F221」、「FEISPARTIC F321」、「FEISPARTIC F525」、「FEISPARTIC F421」、「FEISPARTIC F524」、「FEISPARTIC F330」、「FEISPARTIC D2925」、「FEISPARTIC D2903」(以上、商品名、Feiyang Protech社製)、「TSE-EZASP 7980」、「TSE-EZASP 7981」、「TSE-EZASP 9033」、「TSE-EZASP 8443」(以上、商品名、TSE Industries社製)、「Altor 200」、「Altor 201」、「Altor 202」、「Altor 205LV」(以上、商品名、Cargill社製)等が挙げられる。
【0071】
上記イソシアネート反応性基含有化合物(A)が上記アミノ基含有化合物(A2)を含む場合には、該アミノ基含有化合物(A2)の含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐候性等の観点から、イソシアネート反応性基含有化合物(A)の合計固形分量を基準として、5~100質量%の範囲内であることが好ましく、10~80質量%の範囲内であることがより好ましく、10~70質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0072】
[チオール基含有化合物(A3)]
上記チオール基含有化合物(A3)は、1分子中に少なくとも1個のチオール基を有する化合物である。上記チオール基含有化合物(A3)としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラメチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパンジプロパンチオール、ペンタエリスリトールトリプロパンチオール、ペンタエリスリトールテトラプロパンチオール、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、テトラメチレングリコールビス(3-メルカプトブチレート)、トリス-[(3-メルカプトブチロイルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)等を挙げることができる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0073】
上記チオール基含有化合物(A3)としては、市販品を使用することができる。市販品の商品名としては、例えば、「TMMP-LV」、「TEMPIC」、「PEMP-LV」、「DPMP」、「EGMP-4」、「BDMP」、「Multhiol Y-2」、「Multhiol Y-3」、「Multhiol Y-4」、「PXDT」(以上、商品名、SC有機化学社製)、「BDTG」、「HDTG」、「TMTG」、「PETG」、「EGTP」、「BDTP」、「TMTP」、「PETP」(以上、商品名、淀化学社製)、「アデカハードナーEH-317」(以上、商品名、アデカ社製)、「カレンズMT PEI」、「カレンズMT BDI」、「カレンズMT BD1」、「カレンズMT TPMB」、「カレンズMT NRI」(以上、商品名、昭和電工社製)、「jERキュアQX11」、「jERキュアQX40」(以上、商品名、三菱化学社製)等をあげることができる。
【0074】
上記イソシアネート反応性基含有化合物(A)が上記チオール基含有化合物(A3)を含む場合には、該チオール基含有化合物(A3)の含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐候性等の観点から、イソシアネート反応性基含有化合物(A)の合計固形分量を基準として、5~100質量%の範囲内であることが好ましく、10~50質量%の範囲内であることがより好ましく、10~30質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0075】
本発明の塗料組成物における、上記イソシアネート反応性基含有化合物(A)の含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐侯性等の観点から、該塗料組成物の総量を基準として、15~80質量%の範囲内であることが好ましく、20~70質量%の範囲内であることがより好ましく、25~50質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0076】
[ポリイソシアネート化合物(B)]
上記ポリイソシアネート化合物(B)は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、該ポリイソシアネートの誘導体等が包含される。
【0077】
ただし、本発明において、カルボジイミド基及び2個以上のイソシアネート基を有する化合物は、上記ポリイソシアネート化合物(B)には含まれず、カルボジイミド基含有化合物(C)に含まれるものとする。
【0078】
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、2,4,4-又は2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトヘキサン酸メチル(慣用名:リジンジイソシアネート)等の脂肪族ジイソシアネート;2,6-ジイソシアナトヘキサン酸2-イソシアナトエチル、1,6-ジイソシアナト-3-イソシアナトメチルヘキサン、1,4,8-トリイソシアナトオクタン、1,6,11-トリイソシアナトウンデカン、1,8-ジイソシアナト-4-イソシアナトメチルオクタン、1,3,6-トリイソシアナトヘキサン、2,5,7-トリメチル-1,8-ジイソシアナト-5-イソシアナトメチルオクタン等の脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
【0079】
上記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-もしくは1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)又はその混合物、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;1,3,5-トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5-トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2-(3-イソシアナトプロピル)-2,5-ジ(イソシアナトメチル)-ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2-(3-イソシアナトプロピル)-2,6-ジ(イソシアナトメチル)-ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3-(3-イソシアナトプロピル)-2,5-ジ(イソシアナトメチル)-ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5-(2-イソシアナトエチル)-2-イソシアナトメチル-3-(3-イソシアナトプロピル)-ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6-(2-イソシアナトエチル)-2-イソシアナトメチル-3-(3-イソシアナトプロピル)-ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5-(2-イソシアナトエチル)-2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-ビシクロ(2.2.1)-ヘプタン、6-(2-イソシアナトエチル)-2-イソシアナトメチル-2-(3-イソシアナトプロピル)-ビシクロ(2.2.1)ヘプタン等の脂環族トリイソシアネート等を挙げることができる。
【0080】
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3-もしくは1,4-キシリレンジイソシアネート又はその混合物、ω,ω’-ジイソシアナト-1,4-ジエチルベンゼン、1,3-もしくは1,4-ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)又はその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;1,3,5-トリイソシアナトメチルベンゼン等の芳香脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
【0081】
上記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、2,4’-もしくは4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート又はその混合物、2,4-もしくは2,6-トリレンジイソシアネート又はその混合物、4,4’-トルイジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート、1,3,5-トリイソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイソシアナトトルエン等の芳香族トリイソシアネート;4,4’-ジフェニルメタン-2,2’,5,5’-テトライソシアネート等の芳香族テトライソシアネート等を挙げることができる。
【0082】
上記ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトンイミン、イソシアヌレート、イミノオキサジアジンジオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)、クルードTDI等を挙げることができる。
【0083】
上記ポリイソシアネート及びその誘導体は、それぞれ単独で用いてもよく又は2種以上併用してもよい。これらポリイソシアネートのうち、脂肪族ジイソシアネート、脂肪族トリイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート及びこれらの誘導体をそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することが好適である。
【0084】
また、上記ポリイソシアネート化合物(B)としては、上記ポリイソシアネート又はその誘導体と、該ポリイソシアネートと反応し得る化合物とを、イソシアネート基過剰の条件で反応させてなるプレポリマーを使用してもよい。該ポリイソシアネートと反応し得る化合物としては、例えば、水酸基、アミノ基等の活性水素基を有する化合物が挙げられ、具体的には、例えば、多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、アミン、水等を使用することができる。上記多価アルコールとしては、上記水酸基含有ポリエステル樹脂の説明で使用した多価アルコールを使用することができる。
【0085】
上記ポリイソシアネート化合物(B)は、形成される塗膜の耐水密着性及び硬度等の観点から、該ポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基の上記イソシアネート反応性基含有化合物(A)中のイソシアネート反応性基に対する比が0.7~2.0の範囲内となる割合で使用することが好ましく、0.9~1.5の範囲内となる割合で使用することがより好ましい。
【0086】
また、本発明の塗料組成物における、上記ポリイソシアネート化合物(B)の含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐侯性等の観点から、該塗料組成物の総量を基準として、10~80質量%の範囲内であることが好ましく、20~75質量%の範囲内であることがより好ましく、30~70質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0087】
[カルボジイミド基含有化合物(C)]
カルボジイミド基含有化合物(C)は、1分子中に少なくとも1個のカルボジイミド基を有する化合物であって、例えば、イソシアネート基含有化合物のイソシアネート基同士を脱二酸化炭素反応せしめたものを使用することができる。
【0088】
上記カルボジイミド基含有化合物としては、市販品を使用することができる。市販品の商品名としては、「カルボジライトV-02B」、「カルボジライトV-05」、「Elastostab H01」、「カルボジライトV-03」、「カルボジライトV-07」、「カルボジライトV-09」、「カルボジライトV-09GB」、「カルボジライトV-09M」、「カルボジライトV-04PF」(以上、商品名、日清紡ケミカル社製)、「Stabaxol I」、「Stabaxol I LF」、「Stabaxol P」、「Stabaxol P100」、「Stabaxol P200」(以上、商品名、LANXESS社製)等を挙げることができる。
【0089】
カルボジイミド基含有化合物(C)は、得られる塗料組成物中のVOC含有量の低減及び形成される塗膜の耐ワキ性等の観点からは、無溶剤のカルボジイミド基含有化合物を含むことが好ましく、形成される塗膜の耐水密着性等の観点からは、イソシアネート基及び/又は芳香環構造を有することが好ましい。
【0090】
上記無溶剤のカルボジイミド基含有化合物としては、市販品を使用することができる。市販品の商品名としては、「カルボジライトV-02B」、「カルボジライトV-05」、「Elastostab H01」、「カルボジライトV-04PF」(以上、日清紡ケミカル社製、商品名)等を挙げることができる。
【0091】
上記カルボジイミド基含有化合物(C)が、イソシアネート基を有する場合、形成される塗膜の耐水密着性等の観点から、2個以上のイソシアネート基を有することが好ましく、2個のイソシアネート基を有することがより好ましい。
【0092】
上記イソシアネート基を有するカルボジイミド基含有化合物としては、市販品を使用することができる。市販品の商品名としては、「カルボジライトV-05」、「カルボジライトV-07」(以上、日清紡ケミカル社製、商品名)等を挙げることができる。
【0093】
また、上記芳香環構造を有するカルボジイミド基含有化合物としては、市販品を使用することができる。市販品の商品名としては、「カルボジライトV-05」、「Elastostab H01」、「カルボジライトV-04PF」、「カルボジライトV-09M」、「カルボジライトV-09GB」(以上、日清紡ケミカル社製、商品名)等を挙げることができる。
【0094】
また、上記カルボジイミド基含有化合物(C)の数平均分子量は、得られる塗料組成物中のVOC含有量の低減、並びに形成される塗膜の耐水密着性等の観点から、500~5000の範囲内であることが好ましく、600~3000の範囲内であることがより好ましく、700~1500の範囲内であることがさらに好ましい。
【0095】
また、本発明の塗料組成物における、上記カルボジイミド基含有化合物(C)の含有量は、形成される塗膜の耐水密着性等の観点から、該塗料組成物の総量を基準として、0.5~5質量%の範囲内であることが好ましく、0.8~4質量%の範囲内であることがより好ましく、1.0~3質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0096】
[内部離型剤(D)]
本発明の塗料組成物が型内被覆塗料組成物として使用される場合には、形成される塗膜と金型との離型性等の観点から、内部離型剤(D)を含有することが好ましい。上記内部離型剤(D)としては、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸等の飽和脂肪酸;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸ナトリウム等の飽和脂肪酸塩;ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、N,N-ジメチルラウリン酸アミド、N,N-ジメチルミリスチン酸アミド、N,N-ジメチルパルミチン酸アミド、N,N-ジメチルステアリン酸アミド、N,N-ジエチルラウリン酸アミド、N,N-ジエチルミリスチン酸アミド、N,N-ジエチルパルミチン酸アミド、N,N-ジエチルステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド;パルミトレイン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸;パルミトレイン酸亜鉛、パルミトレイン酸アルミニウム、パルミトレイン酸マグネシウム、パルミトレイン酸カルシウム、パルミトレイン酸ナトリウム、パルミトレイン酸カリウム、パルミトレイン酸バリウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸アルミニウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸バリウム等の不飽和脂肪酸塩;パルミトレイン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド、N,N-ジメチルオレイン酸アミド、N,N-ジエチルオレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタンアルキルエステル等のノニオン性界面活性剤;ポリテトラフルオロエチレン、フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエステル及びパーフルオロアルキルエステル塩等のフッ素系化合物;アルキル鎖又はオキシエチレン鎖等を有するリン酸モノエステルおよび/又はリン酸ジエステル等のリン酸エステル化合物;ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸モノグリセリド、パルミチン酸ジグリセリド、パルミチン酸トリグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、ベヘン酸ジグリセリド、ベヘン酸トリグリセリド、ベヘン酸ベヘニル、ペンタエリトリトールモノステアレート、ペンタエリトリトールテトラステアレート、ペンタエリトリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸メチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸イソプロピル、ビフェニルビフェネート、ソルビタンモノステアレート及びステアリン酸2-エチルへキシル等の脂肪酸エステル;大豆油レシチン、シリコーン油及び脂肪酸アルコール二塩基酸エステル類を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0097】
上記内部離型剤(D)としては、形成される塗膜の耐水密着性、耐候性、透明性、並びに形成される塗膜と金型との離型性等の観点から、脂肪酸アミドを含むことが好ましく、脂肪酸3級アミドを含むことがより好ましく、脂肪酸3級ジメチルアミドを含むことがさらに好ましい。
【0098】
上記脂肪酸アミドとしては、例えば、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、N,N-ジメチルラウリン酸アミド、N,N-ジメチルミリスチン酸アミド、N,N-ジメチルパルミチン酸アミド、N,N-ジメチルステアリン酸アミド、N,N-ジエチルラウリン酸アミド、N,N-ジエチルミリスチン酸アミド、N,N-ジエチルパルミチン酸アミド、N,N-ジエチルステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド;パルミトレイン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド、N,N-ジメチルオレイン酸アミド、N,N-ジエチルオレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド等を挙げることができる。
【0099】
上記脂肪酸アミドを含む内部離型剤としては、市販品を使用することができる。市販品の商品名としては、「INT-120IMC」(以上、商品名、AXEL PLASTICS社製)、「アマイド AP-1」、「ダイヤミッド Y」、「ダイヤミッド O-200」、「ダイヤミッド I-200」(以上、商品名、三菱ケミカル社製)、「ニュートロン」、「ニュートロン-2」、「ニュートロン-S」、「ニュートロン BNT-22H」、「ニュートロン PNT-34」、「ニュートロン SNT-F」(以上、商品名、日本精化社製)、「アルフローS-10」、「アルフローE-10」、「アルフローP-10」(以上、商品名、日油社製)、「アーモスリップCPパウダー」、「アーモスリップHTパウダー」、「アーモスリップE」(以上、商品名、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、「脂肪酸アマイドS」、「脂肪酸アマイドO-N」、「脂肪酸アマイドE」(以上、商品名、花王社製)等を挙げることができる。
【0100】
上記内部離型剤(D)が上記脂肪酸アミドを含む場合には、該脂肪酸アミドの含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、透明性、並びに形成される塗膜と金型との離型性等の観点から、内部離型剤(D)の総量を基準として、30~100質量%の範囲内であることが好ましく、50~100質量%の範囲内であることがより好ましく、70~100質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0101】
上記脂肪酸3級アミドとしては、例えば、N,N-ジメチルラウリン酸アミド、N,N-ジメチルミリスチン酸アミド、N,N-ジメチルパルミチン酸アミド、N,N-ジメチルステアリン酸アミド、N,N-ジエチルラウリン酸アミド、N,N-ジエチルミリスチン酸アミド、N,N-ジエチルパルミチン酸アミド、N,N-ジエチルステアリン酸アミド、N,N-ジメチルオレイン酸アミド等を挙げることができる。上記脂肪酸3級アミド含む内部離型剤としては、市販品を使用することができる。市販品の商品名としては、「INT-120IMC」(商品名、AXEL PLASTICS社製)等を挙げることができる。
【0102】
上記内部離型剤(D)が脂肪酸3級アミドを含む場合には、該脂肪酸3級アミドの含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、透明性、並びに形成される塗膜と金型との離型性等の観点から、内部離型剤(D)の総量を基準として、20~100質量%の範囲内であることが好ましく、35~100質量%の範囲内であることがより好ましく、50~100質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0103】
上記脂肪酸3級ジメチルアミドとしては、例えば、N,N-ジメチルラウリン酸アミド、N,N-ジメチルミリスチン酸アミド、N,N-ジメチルパルミチン酸アミド、N,N-ジメチルステアリン酸アミド、N,N-ジメチルオレイン酸アミド等を挙げることができる。上記脂肪酸3級ジメチルアミドを含む内部離型剤としては、市販品を使用することができる。市販品の商品名としては、「INT-120IMC」(商品名、AXEL PLASTICS社製)等を挙げることができる。
【0104】
上記内部離型剤(D)が脂肪酸3級ジメチルアミドを含む場合には、該脂肪酸3級ジメチルアミドの含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、透明性、並びに形成される塗膜と金型との離型性等の観点から、内部離型剤(D)の総量を基準として、20~100質量%の範囲内であることが好ましく、35~100質量%の範囲内であることがより好ましく、50~100質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0105】
本発明の塗料組成物が、上記内部離型剤(D)を含有する場合、該内部離型剤(D)の含有量は、形成される塗膜の耐候性、耐水密着性、透明性、並びに形成される塗膜と金型との離型性等の観点から、該塗料組成物の総量を基準として、0.4~1.5質量%の範囲内であることが好ましく、0.5~1.2質量%の範囲内であることがより好ましく、0.5~1.0質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0106】
[その他の成分]
本発明の塗料組成物は、上記に加えて、さらに紫外線吸収剤及び/又は光安定剤を含有することができる。また、本発明の塗料組成物は、必要に応じて、架橋剤、溶媒(有機溶剤、水)、顔料、触媒、脱水剤、酸化防止剤、表面調整剤、消泡剤、乳化剤、界面活性剤、防汚剤、湿潤剤、増粘剤、染料、耐擦り傷性向上剤、ツヤ調整剤等の塗装の分野で通常使用される他の添加成分等を適宜含有することができる。
【0107】
[紫外線吸収剤]
紫外線吸収剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等を使用できる。また、上記紫外線吸収剤は、重合性不飽和基を有するものであってもよい。
【0108】
上記ベンゾトリアゾール系吸収剤の具体例としては、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-{2’-ヒドロキシ-3’-(3’’,4’’,5’’,6’’-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5’-メチルフェニル}ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-5-[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0109】
上記トリアジン系吸収剤の具体例としては、2,4-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-4-イソオクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4((2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)-オキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンン、2-[4-((2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)-オキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
【0110】
上記サリチル酸誘導体系吸収剤の具体例としては、フェニルサリシレート、p-オクチルフェニルサリシレート、4-tert-ブチルフェニルサリシレート等が挙げられる。
【0111】
上記ベンゾフェノン系吸収剤の具体例としては、4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-スルホベンゾフェノントリヒドレート、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、ナトリウム2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5-スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、5-クロロ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジベンゾイルレゾルシノール、4,6-ジベンゾイルレゾルシノール、ヒドロキシドデシルベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4(3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0112】
また、上記紫外線吸収剤の市販品としては、例えば、「TINUVIN 1130」、「TINUVIN 900」、「TINUVIN 928」、「TINUVIN 384-2」、「TINUVIN 479」、「TINUVIN 477」、「TINUVIN 405」、「TINUVIN 400」、(BASF社製、商品名、TINUVINは登録商標)、「RUVA 93」(大塚化学社製、商品名)等が挙げられる。
【0113】
本発明の塗料組成物が、上記紫外線吸収剤を含有する場合、該紫外線吸収剤の含有量は、形成される塗膜の耐候性等の観点から、該塗料組成物の総量を基準として、0.5~10質量%の範囲内であることが好ましく、0.8~5.0質量%の範囲内であることがより好ましく、1.0~3.0質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0114】
[光安定剤]
上記光安定剤は、塗膜の劣化過程で生成する活性なラジカル種を捕捉するラジカル連鎖禁止剤として用いられるもので、例えば、ヒンダードアミン化合物の光安定剤等が挙げられる。
【0115】
上記ヒンダードアミン化合物としては、例えば、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケート、ビス(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケート、4-ベンゾイルオキシ-2,2’,6,6’-テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル){[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル}ブチルマロネート等のモノマータイプのもの;ポリ{[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノール]}等のオリゴマータイプのもの;4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジンエタノールとコハク酸とのポリエステル化物等のポリエステル結合タイプのもの等が挙げられるが、これらに限ったものではない。光安定剤としては、また、公知の重合性光安定剤も使用することが可能である。
【0116】
上記光安定剤の市販品としては、例えば、「TINUVIN 123」、「TINUVIN 152」、「TINUVIN 249」、「TINUVIN 292」(BASF社製、商品名、TINUVINは登録商標)、「HOSTAVIN 3058」(クラリアント社製、商品名、Hostavinは登録商標)、「アデカスタブLA-82」(株式会社ADEKA製、商品名、アデカスタブは登録商標)等が挙げられる。
【0117】
本発明の塗料組成物が、上記光安定剤を含有する場合、該光安定剤の含有量は、形成される塗膜の耐候性等の観点から、該塗料組成物の総量を基準として、0.5~10質量%の範囲内であることが好ましく、0.8~7.5質量%の範囲内であることがより好ましく、1.0~5.0質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0118】
[溶媒]
上記溶媒としては、例えば、有機溶剤、水等を使用することができる。該有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチル等のエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤;トルエン、キシレン、「スワゾール1000」(コスモ石油社製、商品名、高沸点石油系溶剤)等の芳香族系溶剤;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
【0119】
本発明の塗料組成物における、上記溶媒の含有量は、該塗料組成物の総量を基準として、0~10質量%の範囲内である。本発明の塗料組成物における、上記溶媒の含有量は、得られる塗料組成物中のVOC含有量の低減及び形成される塗膜の耐ワキ性等の観点から、0~5質量%の範囲内であることが好ましく、0~3質量%の範囲内であることがより好ましい。
【0120】
[顔料]
上記顔料としては、例えば、光輝性顔料、着色顔料、体質顔料等を挙げることができる。該顔料は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0121】
上記光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム(蒸着アルミニウムも含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、ガラスフレーク、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタン及び/又は酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタン及び/又は酸化鉄で被覆された雲母等が挙げられる。
【0122】
上記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、遮熱顔料等が挙げられる。
【0123】
上記体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイト等が挙げられる。
【0124】
本発明の塗料組成物が、上記顔料を含有する場合、該顔料の含有量は、形成される塗膜の耐水密着性、硬度及び耐候性等の観点から、該塗料組成物中の総量を基準として、0.1~40質量%の範囲内であることが好ましく、0.5~30質量%の範囲内であることがより好ましく、0.7~20質量%の範囲内であることがさらに好ましい。
【0125】
[触媒]
触媒としては、従来から公知のものを使用することができる。上記触媒としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジ(2-エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫サルファイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫脂肪酸塩、2-エチルヘキサン酸鉛、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、脂肪酸亜鉛類、オクタン酸ビスマス、2-エチルヘキサン酸ビスマス、オレイン酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、バーサチック酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス、ナフテン酸コバルト、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸銅、テトラ(2-エチルヘキシル)チタネート、テトラ(n-ブチル)チタネート、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、チタンブトキシドダイマー、ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート等の有機金属化合物;トリエチルアミン、N,N’-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジプロピレントリアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタン(DABCO)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0.]-7-ウンデセン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0.]-5-ノネン(DBN)、N-メチル-N’-(2-ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N-エチルモルフォリン、1,2-ジメチルイミダゾール、ジメチルエタノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N-メチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、2-ヒドロキシエチル-1,4-ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタン、1,1’-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]イミノ}ビス(2-プロパノール)、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2-モルホリノエチル)エーテル等の第3級アミン化合物、該第3級アミン化合物の中和塩;テトラアルキルアンモニウム、テトラアリールアンモニウム及びアルキルアリールアンモニウムのカルボキシレート、テトラアルキルアンモニウム、テトラアリールアンモニウム及びアルキルアリールアンモニウムのハロゲン化物等の第4級アンモニウム塩が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0126】
本発明の塗料組成物が、上記触媒を含有する場合、形成される塗膜の硬度及び耐候性等の観点から、触媒の配合量は、該塗料組成物の総量を基準として、0.005~2質量%の範囲内であることが好ましく、0.01~1質量%の範囲内であることがより好ましい。
【0127】
また、本発明の塗料組成物が上記触媒を含有する場合には、本発明の塗料組成物は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、2-エチル酪酸、ナフテン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、2-エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、無水イソ酪酸、無水イタコン酸、無水酢酸、無水シトラコン酸、無水プロピオン酸、無水マレイン酸、無水酪酸、無水クエン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水フタル酸等の有機酸;塩酸、リン酸等の無機酸;アセチルアセトン、イミダゾール系化合物等の金属配位性化合物等を含有してもよい。
【0128】
[脱水剤]
脱水剤としては、従来公知の無機系脱水剤及び有機系脱水剤を使用することができる。上記無機系脱水剤としては、例えば、水素化カルシウム、酸化カルシウム(生石灰)、塩化カルシウム、硫酸カルシウム(石膏)等のカルシウム化合物;酸化バリウム等のバリウム化合物;硫酸マグネシウム等のマグネシウム化合物;硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等のナトリウム化合物;硫酸銅等の銅化合物;シリカゲル等の無機珪素化合物;酸化アルミニウム(水硬性アルミナ、水素化アルミニウムリチウム、非結晶性シリカアルミナ、結晶性アルミノ珪酸塩(モレキュラーシーブ)等のアルミニウム化合物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合せて使用することができる。上記有機系脱水剤としては、例えば、オルソ蟻酸アルキル;オルソ酢酸アルキル;オルソほう酸アルキル;ビニルシラン;アルコキシシラン化合物;モノイソシアネート化合物;無水酢酸等の脂肪族酸無水物、無水安息香酸等の芳香族酸無水物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合せて使用することができる。
【0129】
本発明の塗料組成物が、上記脱水剤を含有する場合、形成される塗膜の耐ワキ性等の観点から、該脱水剤の配合量は、該塗料組成物の総量を基準として、0.1~2質量%の範囲内であることが好ましく、0.3~1質量%の範囲内であることがより好ましい。
【0130】
[塗料組成物による塗膜形成方法]
本発明の塗料組成物を基材上に塗装することによりウェット塗膜(未硬化の塗膜)を形成した後、該ウェット塗膜を硬化させることにより、目的の塗膜を形成することができる。上記基材は、形成される塗膜の耐水密着性等の観点から、樹脂材料から構成されることが好ましい。
【0131】
上記樹脂材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ-1、4-シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン-1、2-ジフェノキシエタン-4、4’-ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のようなポリエステル樹脂、エピコート(商品名:油化シェルエポキシ(株)製)等の市販品に代表されるエポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル-エチレン-スチレン(AES)樹脂、アクリロニトリル-スチレン-アクリレート(ASA)樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン樹脂(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、各種の繊維強化プラスチック材料(Fiber Reinforced Plastics:以下FRP材料又は単にFRPと略称する場合がある。)、及びこれらのポリマーアロイ等を挙げることができる。
【0132】
また上記基材は、例えば、上記樹脂材料上に、プライマー塗料、中塗り塗料又は上塗り塗料等が塗装され、予めプライマー層、中塗り層又は上塗り層等が形成されたものであってもよい。
【0133】
上記基材は、プラズマ処理、コロナ放電処理、活性エネルギー線処理、火炎処理、ブラスト処理、研磨処理等から選択された少なくとも1種の物理的方法による処理(物理的処理)を行ったものであってもよい。
【0134】
なお、本発明の塗料組成物は、直接基材上に塗布することが好ましい。
【0135】
また、本発明の塗料組成物が塗装される成型物の用途としては、特に制限されず、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体の外板部;バンパー、センターピラー、ミラー、ドアハンドル、インストルメント・パネル、ドアトリム、センターコンソール等の自動車用内外装部品;椅子、化粧鏡、窓枠、門扉等の家具建材関連部品;携帯電話、オーディオ機器等の家庭電気製品の外板部等を挙げることができる。
【0136】
本発明の塗料組成物を基材上に塗布する方法は、特に限定されるものではない。例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装機、浸漬塗装、アプリケーター、刷毛、ローラー、型内被覆等により塗布することができる。塗布の際、静電印加を行ってもよい。
【0137】
塗布膜厚は、硬化膜厚、5~2000μmの範囲内であることが好ましく、10~1500μmの範囲内であることがより好ましく、15~1000μmの範囲内であることがさらに好ましい。
【0138】
本発明の塗料組成物は塗料組成物を加熱することにより、塗布された基材上の塗料組成物を硬化させることができる。
【0139】
[加熱]
加熱は、この分野において公知の手法を適宜使用することができる。具体的には、例えば、熱風、熱ガス、赤外線ヒーター、IRラジエータ、オーブン、熱ローラー、ホットプレス及びマイクロ波等を使用して行うことができる。本発明においては、作業の容易性等の観点から、熱風、赤外線ヒーター、ホットプレス等により加熱を行うことが好ましい。
【0140】
上記加熱の温度は、生産性、作業性及び基材の熱安定性等の観点から、30~200℃の範囲内であることが好ましく、50~180℃の範囲内であることがより好ましく、70~160℃の範囲内であることがさらに好ましい。また、上記加熱の時間は20秒間~60分間の範囲内であることが好ましく、40秒間~10分間の範囲内であることがより好ましい。
【0141】
また、本発明の塗料組成物は、型内被覆方法(インモールドコート法)による塗装において好適に使用することができる。該型内被覆方法は、通常VOCの含有量が少ない塗料組成物を使用することができ、さらに塗装時の空調エネルギーを低減することができるため、環境負荷を軽減できるという利点を有する。
【0142】
[型内被覆方法]
本発明に係る型内被覆方法は、成型された基材と金型内壁との間に本発明の塗料組成物(以下、本発明の塗料組成物を型内被覆方法にて用いる場合、型内被覆塗料組成物と記す)を注入し、該型内被覆塗料組成物を硬化させた後、被覆された成型物を金型から取り出す工程を含むものである。
【0143】
型内被覆方法としては、金型内で成型及び被覆を行う従来の方法を特に制限無く用いることができる。具体的には例えば、特開2000-141407号公報、特表2008-525212号公報に記載の方法等を用いることができる。なお、樹脂材料を成型する際に使用する樹脂成型金型と、型内被覆塗料組成物の型内被覆の際に使用する型内被覆金型は同一であっても、異なっていてもよい。
【0144】
上記樹脂成型金型と型内被覆金型とが同一である場合、例えば、目的とする成型品の形状を有する樹脂成型金型間に、射出シリンダ内で加熱溶融した樹脂材料を射出し、樹脂成型金型内で冷却・加圧し、樹脂材料を成型物とし、さらに、樹脂材料による成型物表面から樹脂成型金型を離す。次いで、樹脂材料による成型物表面と型内被覆金型との間に、型内被覆塗料組成物を注入するのに十分な隙間を設け、樹脂材料による成型物表面と型内被覆金型内壁との間に上記型内被覆塗料組成物を注入し、型内被覆金型を閉じ、樹脂材料による成型物上に未硬化の型内被覆塗膜を形成する。次いで、該樹脂材料による成型物上に形成された未硬化の型内被覆塗膜を加熱し、目的とする形状に成型して、樹脂材料による成型物上に硬化した型内被覆塗膜を形成した、型内被覆成型物を得ることができる。
【0145】
上記樹脂成型金型と第1の塗膜被覆金型とが異なる場合、例えば、目的とする成型品の形状を有する樹脂成型金型間に、射出シリンダ内で加熱溶融した樹脂材料を射出し、樹脂成型金型内で冷却・加圧し、樹脂材料を成型物とし、さらに、樹脂材料による成型物表面から樹脂成型金型を離し、取り外す。次いで、型内被覆金型を樹脂成型物表面に近づけ、樹脂材料による成型物表面と型内被覆金型との間に、型内被覆塗料組成物を注入するのに十分な隙間を設け、樹脂材料による成型物表面と型内被覆金型内壁との間に上記型内被覆塗料組成物を注入し、型内被覆金型を閉じ、樹脂材料による成型物上に未硬化の型内被覆塗膜を形成する。次いで、該樹脂材料による成型物上に形成された未硬化の型内被覆塗膜を加熱し、目的とする形状に成型して、樹脂材料による成型物上に硬化した型内被覆塗膜を形成した、型内被覆成型物を得ることができる。
【0146】
また、上記型内被覆成型物と型内被覆金型との離型性等の観点から、上記金型に外部離型剤が塗布されていてもよい。該外部離型剤としては、例えば、フッ素系、シリコーン系、界面活性剤系及びワックス系等の外部離型剤を使用することができる。
【0147】
射出シリンダ内で樹脂を溶融する際の加熱温度は、樹脂材料の種類等により任意に決定されるが80~300℃とすることが好ましい。樹脂材料を射出する際の金型の温度は、成型時間、樹脂材料の種類等により任意に決定されるが、30~120℃とすることが好ましい。樹脂材料の成型時間は、樹脂材料が完全固化するまででもよいが、上記型内被覆塗料組成物を注入した際、成型の形状を損なわない程度の強度に固化していればよく、通常20秒間~60分間程度が好ましい。
【0148】
また、上記型内被覆塗料組成物を注入する量は、所望の膜厚が得られるだけの量であり、15~2000μmの硬化膜厚が得られるだけの量であることが好ましい。
【0149】
上記未硬化の型内被覆塗膜を加熱する際の加熱温度は、20~160℃の範囲内であることが好ましく、40~150℃の範囲内であることがより好ましく、60~140℃の範囲内であることがさらに好ましい。また、上記未硬化の型内被覆塗膜を加熱する際の加熱時間は、20秒~10分間の範囲内であることが好ましく、30秒~5分間の範囲内であることがより好ましく、40秒~4分間の範囲内であることがさらに好ましい。
【0150】
上記未硬化の型内被覆塗膜を加熱し、硬化する際には、加圧することが好ましい。上記加圧を行う場合、その圧力は、形成される塗膜の耐水密着性及び耐ワキ性等の観点から、2~14MPaの範囲内であることが好ましい。
【実施例
【0151】
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、これら製造例、実施例及び比較例は単なる例示であり、本発明の範囲を限定するためのものではない。製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は、特記しない限り、質量基準による。また、塗膜の膜厚は硬化塗膜に基づくものである。
【0152】
下記例で使用した各成分は以下の通りである。
【0153】
[カルボジイミド基含有化合物(C)の製造]
[製造例1]
温度計、サーモスタット、乾燥空気導入管、攪拌装置及び還流冷却器を備えた反応容器に、「カルボジライト V-05」(商品名、日清紡ケミカル社製、芳香環構造と2個のイソシアネート基とを有するカルボジイミド基含有化合物、固形分あたりのカルボジイミド当量262、数平均分子量800、固形分濃度100%)100.0部、「ネオスタン U-830」(商品名、日東化成社製、ジオクチル錫ジバーサテート、固形分濃度100%)0.04部及びメタノール20.0部を仕込み、乾燥空気気流中で反応容器の内容物を撹拌混合しながら、反応容器の内容物を60℃まで昇温させた。その後、反応容器の内容物を24時間熟成し、反応生成物のIR(赤外吸光)分析によりイソシアネート基が消失していることを確認した。次いで、60℃、減圧下で反応容器の内容物からメタノールを留去した後に、反応容器の内容物を室温まで冷却して、固形分当たりのカルボジイミド当量290、数平均分子量860、固形分濃度100%のカルボジイミド基含有化合物(C-1)を得た。得られたカルボジイミド基含有化合物は、芳香環構造を有し、イソシアネート基を有さない。
【0154】
[顔料分散液(P)の製造]
[製造例2]
撹拌装置を備える容器に、酢酸ブチル4.7部、「Raven 5000 ULTRA III POWDER」(商品名、BIRLA CARBON社製、カーボンブラック顔料、固形分濃度100%)1部、「SOLSPERSE 5000S」(商品名、LUBRISOL社製、フタロシアニン系顔料誘導体、固形分濃度100%)0.1部及び「DISPERBYK-2013」(商品名、ビックケミー社製、分散剤、固形分濃度100%)1部を入れ、容器の内容物を均一に混合した。次いで、得られた混合溶液と、分散メジアとして直径約1.3mmφのガラスビーズとを広口ガラスビン中に入れ密封し、ペイントシェイカーにて混合溶液を4時間分散して、顔料分散液(P-1)を得た。
【0155】
[塗料組成物の製造]
[実施例1]
攪拌装置を備えた容器に、「デスモフェン XP2488」(商品名、コベストロ社製、水酸基含有モノマーを26%含む水酸基含有ポリエステル樹脂、固形分濃度100%)34.2部、「デスモジュール N3900」(商品名、住化コベストロウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイミノオキサジアジンジオン、固形分濃度100%)60.4部、「カルボジライト V-05」(商品名、日清紡ケミカル社製、芳香環構造と2個のイソシアネート基とを有するカルボジイミド基含有化合物、固形分あたりのカルボジイミド当量262、数平均分子量800、固形分濃度100%)1.5部、「BYK-333」(商品名、ビックケミー社製、表面調整剤(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)、固形分濃度100%)0.1部、「TINUVIN 400」(商品名、BASF社製、トリアジン系紫外線吸収剤、固形分濃度85%)1.2部、「TINUVIN 292」(商品名、BASF社製、ヒンダードアミン化合物の光安定剤、固形分濃度100%)2.0部及び「ネオスタン U-830」(商品名、日東化成社製、ジオクチル錫ジバーサテート、固形分濃度100%)0.6部を配合し、容器の内容物を均一に混合して、固形分濃度99%の塗料組成物No.1を得た。
【0156】
[実施例2~25及び比較例1~5]
実施例1において、配合組成を下記表1-1及び表1-2に示すものとする以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物No.2~No.30を得た。
【0157】
【表1-1】
【0158】
【表1-2】
【0159】
なお、表中に記載の各成分は以下の通りである。
(注1)「デスモフェン VPLS 2249/1」:商品名、コベストロ社製、水酸基含有モノマーを44%含む水酸基含有ポリエステル樹脂、固形分濃度100%、
(注2)「プラクセル 303」:商品名、ダイセル社製、水酸基含有ポリカプロラクトン樹脂、固形分濃度100%、
(注3)「デスモフェン NH1220」:商品名、コベストロ社製、N,N’-(2-メチルペンタン-1,5-ジイル)ビスアスパラギン酸テトラエチル、固形分濃度100%、
(注4)「デスモフェン NH1423」:商品名、コベストロ社製、N,N’-[メチレンビス(シクロヘキサン-4,1-ジイル)]ビスアスパラギン酸テトラエチル、固形分濃度100%、
(注5)「CLEALINK 1000」:商品名、Dorf ketal社製、N,N’-ジ-sec-ブチル-4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、固形分濃度100%、
(注6)「TMMP-LV」:商品名、SC有機化学社製、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、固形分濃度100%、
(注7)「TMPIC」:商品名、SC有機化学社製、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]イソシアヌレート、固形分濃度100%、
(注8)「PEMP-LV」:商品名、SC有機化学社製、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、固形分濃度100%、
(注9)「デスモジュール N3400」:商品名、住化コベストロウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオンとイソシアヌレートの混合物、固形分濃度100%、
(注10)「デスモジュール NZ200」:商品名、住化コベストロウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートとイソホロンジイソシアネートのイソシアヌレートの混合物、固形分濃度100%、
(注11)「デスモジュール N3600」:商品名、住化コベストロウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート、固形分濃度100%、
(注12)「カルボジライト V-03」:日清紡ケミカル社製、芳香環構造を有さず、イソシアネート基を有さないカルボジイミド基含有化合物、固形分あたりのカルボジイミド当量216、数平均分子量2000、固形分濃度50%、
(注13)「カルボジライト V-09M」:日清紡ケミカル社製、芳香環構造を有し、イソシアネート基を有さないカルボジイミド基含有化合物、固形分あたりのカルボジイミド当量200、数平均分子量15000、固形分濃度70%。
【0160】
[試験用塗装板(T1)の作製]
[実施例26]
まず、射出成型シリンダ内に「ダイヤラック TW20」(商品名、テクノUMG社製、アクリロニトリル-スチレン-アクリレート樹脂(ASA樹脂))を充填し、230℃で「ダイヤラック TW20」を加熱溶融した。その後、60℃の金型間に加熱溶融された「ダイヤラック TW20」を射出し、30秒間圧力を保持し、「ダイヤラック TW20」を冷却した。次いで、固化した「ダイヤラック TW20」を金型から取り出し、100mm×100mm×2mmの平板状「ダイヤラック TW20」基材を得た。次いで、該平板状「ダイヤラック TW20」基材表面をイソプロピルアルコールで脱脂した後、該平板状「ダイヤラック TW20」基材表面上に実施例1で得た塗料組成物No.1を、アプリケーターを用いて硬化膜厚が100μmとなるように塗装して、塗膜を形成し、当該塗膜をただちに80℃で3分間加熱して硬化させることにより、試験用塗装板(T1-1)を作製した。
【0161】
[試験用塗装板(T2)の作製]
まず、射出成型シリンダ内に「Makroblend UT235M」(商品名、コベストロ社製、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリカーボネート樹脂のポリマーアロイ)を充填し、270℃で「Makroblend UT235M」を加熱溶融した。その後、70℃の金型間に加熱溶融された「Makroblend UT235M」を射出し、30秒間圧力を保持し、「Makroblend UT235M」を冷却した。次いで、固化した「Makroblend UT235M」を金型から取り出し、100mm×100mm×2mmの平板状「Makroblend UT235M」基材を得た。次いで、該平板状「Makroblend UT235M」基材表面をイソプロピルアルコールで脱脂した後、該平板状「Makroblend UT235M」基材表面上に実施例1で得た塗料組成物No.1を、アプリケーターを用いて硬化膜厚が100μmとなるように塗装して、塗膜を形成し、当該塗膜をただちに80℃で3分間加熱して硬化させることにより、試験用塗装板(T2-1)を作製した。
【0162】
[実施例27~50及び比較例6~10]
実施例26において、塗料組成物の種類を下記表2-1及び表2-2に示す通りとする以外は、実施例26と同様にして試験用塗装板(T1-2)~(T1-30)及び(T2-2)~(T2-30)を作製した。
【0163】
得られた各試験用塗装板について、耐水密着性、硬度及び耐候性の評価を行った。評価結果を表2-1及び表2-2に示す。
【0164】
[耐水密着性]
実施例26~50及び比較例6~10で得られた各試験用塗装板を40℃の温水に240時間浸漬させた後引き上げ、各試験用塗装板を20℃で24時間乾燥した。次いで、耐水試験後の各試験用塗装板の塗膜を素地に達するようにカッターで格子状に切り込み、大きさ2mm×2mmのゴバン目を100個作った。次いで、切り込みを入れた各試験用塗装板の表面に粘着セロハンテープを貼着し、温度:23±2℃、相対湿度:50±5%RHにおいて粘着セロハンテープを急激に剥離した。剥離後のゴバン目塗膜の残存状態を調べ、下記基準に基づき耐水試験後の密着性を評価した。A、B及びCが合格である。
A:ゴバン目塗膜が100個残存し、カッターの切り込みの縁において塗膜の小さな淵欠けや浮きが生じていない。
B:ゴバン目塗膜が100個残存し、カッターの切り込みの縁において塗膜の小さな淵欠けや浮きが生じている。
C:ゴバン目塗膜が90~99個残存している。
D:ゴバン目塗膜が80~89個残存している。
E:ゴバン目塗膜の残存数が79個以下である。
【0165】
[硬度]
実施例26~50及び比較例6~10で得られた各試験用塗装板のマルテンス硬さ(N/mm)を、「フィッシャースコープ(登録商標)HM2000S」(商品名、フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて測定し、下記基準に基づき評価した。測定条件は、圧子:四角錐型のビッカース圧子(材質:ダイヤモンド、対面角:136°)、最大試験荷重:20mN、押し込み速度:20mN/25秒、温度:21±2℃、相対湿度:50±5%RHとした。A、B及びCが合格である。
A:マルテンス硬さが125N/mm以上である。
B:マルテンス硬さが100N/mm以上、125N/mm未満である。
C:マルテンス硬さが75N/mm以上、100N/mm未満である。
D:マルテンス硬さが50N/mm以上、75N/mm未満である。
E:マルテンス硬さが50N/mm未満である。
【0166】
[耐候性]
実施例26~50及び比較例6~10で得られた各試験用塗装板について、マルチアングル分光測色計「CM-512m3」(コニカミノルタ社製)を用いて、塗膜面に垂直な軸に対し25°、45°及び75°の角度から光を照射し、反射した光のうち塗膜面に垂直な方向の光についてL、a、bを測色した。次いで、JIS K 5600-7-7(2008)に準じ、「スーパーキセノンウエザーメーター」(スガ試験機社製、耐候性試験機)を用いて、試験片ぬれサイクル:18分/2時間、ブラックパネル温度:61~65℃、ランプの照射時間:1,200時間の条件で、促進耐候性試験を行った。次いで、促進耐候性試験後の各試験用塗装板について、上記マルチアングル分光測色計「CM-512m3」(コニカミノルタ社製)を用いて、塗膜面に垂直な軸に対し25°、45°及び75°の角度から光を照射し、反射した光のうち塗膜面に垂直な方向の光についてL、a、bを測色した。次いで、促進耐候性試験前と促進耐候性試験後とのL、a、b測色値からJIS K 5600-4-6(1999)に従い25°、45°及び75°でのΔE(25°)、ΔE(45°)及びΔE(75°)を算出し、ΔE(25°)、ΔE(45°)及びΔE(75°)の中で最も値の大きいΔEについて下記基準に基づき評価した。ΔEが小さいほど試験板の変色が小さく、耐候性が良好である事を示す。A、B及びCが合格である。
A:ΔEが1.0未満である。
B:ΔEが1.0以上、1.5未満である。
C:ΔEが1.5以上、2.0未満である。
D:ΔEが2.0以上、3.0未満である。
E:ΔEが3.0以上である。
【0167】
【表2-1】
【0168】
【表2-2】
【0169】
[型内被覆塗料組成物の製造]
実施例51攪拌装置を備えた容器に、「デスモフェン XP2488」(商品名、コベストロ社製、水酸基含有モノマーを26%含む水酸基含有ポリエステル樹脂、固形分濃度100%)33.9部、「デスモジュール N3900」(商品名、住化コベストロウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイミノオキサジアジンジオン、固形分濃度100%)60.1部、「カルボジライト V-05」(商品名、日清紡ケミカル社製、芳香環構造と2個のイソシアネート基とを有するカルボジイミド基含有化合物、固形分あたりのカルボジイミド当量262、数平均分子量800、固形分濃度100%)1.5部、「Moldwiz INT-120IMC」(商品名、AXEL PLASTICS社製、脂肪酸3級ジメチルアミド含有混合物、固形分濃度100%)0.6部、「BYK-333」(商品名、ビックケミー社製、表面調整剤(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)、固形分濃度100%)0.1部、「TINUVIN 400」(商品名、BASF社製、トリアジン系紫外線吸収剤、固形分濃度85%)1.2部、「TINUVIN 292」(商品名、BASF社製、ヒンダードアミン化合物の光安定剤、固形分濃度100%)2.0部及び「ネオスタン U-830」(商品名、日東化成社製、ジオクチル錫ジバーサテート、固形分濃度100%)0.6部を配合し、容器の内容物を均一に混合して、固形分濃度99%の型内被覆塗料組成物No.1を得た。
【0170】
[実施例52~85及び比較例11~15]
実施例51において、配合組成を下記表3-1及び表3-2に示すものとする以外は、実施例51と同様にして、型内被覆塗料組成物No.2~No.40を得た。
【0171】
[型内被覆塗料組成物の評価]
得られた型内被覆塗料組成物について、透明性の評価を行なった。評価結果を表3-1及び表3-2に示す。
【0172】
[透明性]
あらかじめ「色彩・濁度同時測定器COH 400」(商品名、日本電色工業社製、ヘイズメーター)を用いて全光線透過率を測定しておいた透明ガラス板上に、実施例51~85及び比較例11~15で得られた型内被覆塗料組成物を、アプリケーターを用いて硬化膜厚が210±20μmになるように塗装して、塗膜を形成し、当該塗膜をただちに80℃で3分間加熱硬化し、透明性試験用塗装板を得た。得られた透明性試験用塗装板の全光線透過率を、「色彩・濁度同時測定器COH 400」(商品名、日本電色工業社製、ヘイズメーター)を用いて測定し、透明試験用塗装板の全光線透過率から、透明ガラス板の全光線透過率を差し引くことで、塗膜の全光線透過率とし、下記基準に基づき評価した。A、B及びCが合格である。
A:全光線透過率が90%以上である。
B:全光線透過率が88%以上、90%未満である。
C:全光線透過率が86%以上、88%未満である。
D:全光線透過率が84%以上、86%未満である。
E:全光線透過率が84%未満である。
【0173】
【表3-1】
【0174】
【表3-2】
【0175】
なお、表中に記載の各成分は以下の通りである。
(注14)「アマイド AP-1」:商品名、三菱ケミカル社製、ステアリン酸アミド、固形分濃度100%、
(注15)「ニュートロン PNT-34」:商品名、日本精化社製、N-オレイルパルミチン酸アミド、固形分濃度100%、
(注16)「ステアリン酸メチル95」:商品名、日油社製、ステアリン酸メチル、固形分濃度100%、
(注17)「ダイフリー FB-962」:商品名、ダイキン社製、フッ素系ポリマー、固形分濃度100%、
(注18)「ニューポール 50HB-5100」:商品名、三洋化成社製、ポリオキシアルキレンエーテル系オリゴマー、固形分濃度100%。
【0176】
[型内被覆成型物(M1)の作製]
[実施例86]
まず、射出成型シリンダ内に「ダイヤラック TW20」(商品名、テクノUMG社製、アクリロニトリル-スチレン-アクリレート樹脂(ASA樹脂))を充填し、230℃で「ダイヤラック TW20」を加熱溶融した。その後、60℃の樹脂成型金型間に加熱溶融された「ダイヤラック TW20」を射出し、30秒間圧力を保持し、「ダイヤラック TW20」を冷却した。次いで、固化した「ダイヤラック TW20」を金型から取り出し、100mm×100mm×2mmの平板状「ダイヤラック TW20」成型品を得た。次いで、一旦樹脂成型金型を開き、得られた平板状「ダイヤラック TW20」成型品と塗膜被覆金型との間に実施例51で得た型内塗料組成物No.1を注入した。塗膜被覆金型内を80℃に加熱して温度を保ったまま、成型圧力5MPaで加圧し1分間維持した後、減圧し、塗膜被覆金型を開放することで、平板状「ダイヤラック TW20」成型品上に硬化膜厚200μmで塗膜が被覆された型内被覆成型物(M1-1)を作製した。
【0177】
[型内被覆成型物(M2)の作製]
まず、射出成型シリンダ内に「Makroblend UT235M」(商品名、コベストロ社製、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリカーボネート樹脂のポリマーアロイ)を充填し、270℃で「Makroblend UT235M」を加熱溶融した。その後、70℃の樹脂成型金型間に加熱溶融された「Makroblend UT235M」を射出し、30秒間圧力を保持し、「Makroblend UT235M」を冷却した。次いで、固化した「Makroblend UT235M」を金型から取り出し、100mm×100mm×2mmの平板状「Makroblend UT235M」成型品を得た。次いで、一旦樹脂成型金型を開き、得られた平板状「Makroblend UT235M」成型品と塗膜被覆金型との間に実施例51で得た型内塗料組成物No.1を注入した。塗膜被覆金型内を80℃に加熱して温度を保ったまま、成型圧力5MPaで加圧し1分間維持した後、減圧し、塗膜被覆金型を開放することで、平板状「Makroblend UT235M」成型品上に硬化膜厚200μmで塗膜が被覆された型内被覆成型物(M2-1)を作製した。
【0178】
[実施例87~120及び比較例16~20]
実施例86において、塗料組成物の種類を下記表4-1及び表4-2に示す通りとする以外は、実施例86と同様にして型内被覆成型物(M1-2)~(M1-40)及び(M2-2)~(M2-40)を作製した。
【0179】
[型内被覆成型物の評価]
得られた各型内被覆成型物上の硬化塗膜について、耐水密着性、硬度、耐候性、耐ワキ性及び離型性の評価を行った。評価結果を表4-1及び表4-2に示す。
【0180】
[耐水密着性]
実施例86~120及び比較例16~20で得られた各型内被覆成型物を40℃の温水に240時間浸漬させた後引き上げ、各型内被覆成型物を20℃で24時間乾燥した。次いで、耐水試験後の各型内被覆成型物の塗膜を素地に達するようにカッターで格子状に切り込み、大きさ2mm×2mmのゴバン目を100個作った。続いて、切り込みを入れた各試験用塗装板の表面に粘着セロハンテープを貼着し、温度:23±2℃、相対湿度:50±5%RHにおいて粘着セロハンテープを急激に剥離した。剥離後のゴバン目塗膜の残存状態を調べ、下記基準に基づき耐水試験後の密着性を評価した。A、B及びCが合格である。
A:ゴバン目塗膜が100個残存し、カッターの切り込みの縁において塗膜の小さな淵欠けや浮きが生じていない。
B:ゴバン目塗膜が100個残存し、カッターの切り込みの縁において塗膜の小さな淵欠けや浮きが生じている。
C:ゴバン目塗膜が90~99個残存している。
D:ゴバン目塗膜が80~89個残存している。
E:ゴバン目塗膜の残存数が79個以下である。
【0181】
[硬度]
実施例86~120及び比較例16~20で得られた各型内被覆成型物上の硬化塗膜のマルテンス硬さ(N/mm)を、「フィッシャースコープ(登録商標)HM2000S」(商品名、(株)フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて測定し、下記基準に基づき評価した。測定条件は、圧子:四角錐型のビッカース圧子(材質:ダイヤモンド、対面角:136°)、最大試験荷重:20mN、押し込み速度:20mN/25秒、温度:21±2℃、相対湿度:50±5%RHとした。A、B及びCが合格である。
A:マルテンス硬さが125N/mm以上である。
B:マルテンス硬さが100N/mm以上、125N/mm未満である。
C:マルテンス硬さが75N/mm以上、100N/mm未満である。
D:マルテンス硬さが50N/mm以上、75N/mm未満である。
E:マルテンス硬さが50N/mm未満である。
【0182】
[耐候性]
実施例86~120及び比較例16~20で得られた各型内被覆成型物について、マルチアングル分光測色計「CM-512m3」(コニカミノルタ社製)を用いて、塗膜面に垂直な軸に対し25°、45°及び75°の角度から光を照射し、反射した光のうち塗膜面に垂直な方向の光についてL、a、bを測色した。次いで、JIS K 5600-7-7(2008)に準じ、「スーパーキセノンウエザーメーター」(スガ試験機社製、耐候性試験機)を用いて、試験片ぬれサイクル:18分/2時間、ブラックパネル温度:61~65℃、ランプの照射時間:1,200時間の条件で、促進耐候性試験を行った。次いで、促進耐候性試験後の各型内被覆成型物について、上記マルチアングル分光測色計「CM-512m3」(コニカミノルタ社製)を用いて、塗膜面に垂直な軸に対し25°、45°及び75°の角度から光を照射し、反射した光のうち塗膜面に垂直な方向の光についてL、a、bを測色した。次いで、促進耐候性試験前と促進耐候性試験後とのL、a、b測色値からJIS K 5600-4-6(1999)に従い25°、45°及び75°でのΔE(25°)、ΔE(45°)及びΔE(75°)を算出し、ΔE(25°)、ΔE(45°)及びΔE(75°)の中で最も値の大きいΔEについて下記基準に基づき評価した。ΔEが小さいほど塗膜の変色が小さく、耐候性が良好である事を示す。
A、B及びCが合格である。
A:ΔEが1.0未満である。
B:ΔEが1.0以上、1.5未満である。
C:ΔEが1.5以上、2.0未満である。
D:ΔEが2.0以上、3.0未満である。
E:ΔEが3.0以上である。
【0183】
[耐ワキ性]
実施例86~120及び比較例16~20で得られた各型内被覆成型物を肉眼で観察し、型内被覆成型物上の塗膜表面に発生しているワキの個数を数え、下記基準で耐ワキ性を評価した。A、B及びCが合格である。
A:型内被覆成型物上に1mm以上のワキが無く、1mm未満のワキが3個以下である。
B:型内被覆成型物上に1mm以上のワキが無く、1mm未満のワキが4~6個である。
C:型内被覆成型物上に1mm以上のワキが無く、1mm未満のワキが7個以上である。
D:型内被覆成型物上に1mm以上のワキが1~3個である。
E:型内被覆成型物上に1mm以上のワキが4個以上である。
【0184】
[離型性]
上記型内被覆成型物(M1)及び(M2)の作製において、塗膜被覆金型を解放する際に、型内被覆成型物の四隅の一角と塗膜被覆金型の隙間へスパチュラを差し込んで持ち上げ、型内被覆成型物を塗膜被覆金型から離型する離型試験を行った。型内被覆組成物を離型することができなかった場合はスパチュラを抜き、右隣の四隅の一角と塗膜被覆金型との隙間へ再度スパチュラを差し込み、同様に持ち上げて離型試験を行った。離型試験は、型内被覆組成物を離型するまで四隅すべてで行い、最高で計4回実施した。また、塗膜の剥離がみられた型内被覆成型物については、型内被覆成型物の表面を肉眼で観察し、塗膜の剥離個数を数え、下記基準で離型性を評価した。A、B、及びCが合格である。
A:離型試験1~2回目で金型から型内被覆成型物が離型し、かつ塗膜の剥離個数が0個である。
B:離型試験3~4回目で金型から型内被覆成型物が離型し、かつ塗膜の剥離個数が0個である。
C:離型試験1~4回目で金型から型内被覆成型物が離型し、かつ塗膜の剥離個数が1個である。
D:離型試験1~4回目で金型から型内被覆成型物が離型し、かつ塗膜の剥離個数が2個以上である。
E:4回離型試験を行っても金型から型内被覆成型物が離型しない、又は塗膜が基材から完全に剥離する。
【0185】
【表4-1】
【0186】
【表4-2】
【要約】
本発明は、耐水密着性、硬度及び耐候性に優れた塗膜を形成可能であり、VOC含有量が低い塗料組成物を提供することを目的とする。
(A)イソシアネート反応性基含有化合物、(B)ポリイソシアネート化合物及び、(C)カルボジイミド基含有化合物を含み、固形分濃度が90質量%以上である、ことを特徴とする、塗料組成物。前記カルボジイミド基含有化合物(C)が、イソシアネート基を有する、塗料組成物。前記カルボジイミド基含有化合物(C)が、芳香環構造を有する、塗料組成物。