(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】ドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/16 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
B23K26/16
(21)【出願番号】P 2024518121
(86)(22)【出願日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 JP2023046602
【審査請求日】2024-03-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114787
【氏名又は名称】ヤマザキマザック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】道中 健吾
(72)【発明者】
【氏名】小林 容志
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 智
(72)【発明者】
【氏名】田原 誠
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-119502(JP,A)
【文献】実開平05-084485(JP,U)
【文献】実開昭54-158827(JP,U)
【文献】特開2014-005111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートを具備し、
前記第1搬送プレートは、
第1前端部と、
第1後端部と、
前記第1方向に延在する第1凹部を有し、前記第1前端部と前記第1後端部とを接続する第1中間部分と
を備える
ドロス搬送コンベヤ。
【請求項2】
前記第1前端部に前記レーザが照射されることによって前記第1前端部が熱的に撓む方向と、前記第1凹部に前記レーザが照射されることによって前記第1中間部分が熱的に撓む方向とが逆である
請求項1に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項3】
前記第1方向に垂直な断面において、前記第1凹部は、略円弧形状、略V字形状、または、略U字形状を有する
請求項1または2に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項4】
前記第1搬送プレートの前記第1後端部は、前記第2搬送プレートの第2前端部と重なるように配置される
請求項
1または2に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項5】
前記第1搬送プレートの前記第1後端部と前記第2搬送プレートの第2前端部とがヒンジ結合される
請求項
1または2に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項6】
前記第1搬送プレートの裏面から前記第1搬送プレートの搬送面に向かう方向を第3方向と定義し、前記第3方向とは反対の方向を第4方向と定義するとき、前記第1凹部は前記第4方向に凹み、
前記第1前端部は、前記第3方向に凸である凸状搬送面を有し、
前記第1中間部分は、前記第4方向に凹む凹状搬送面を有する
請求項
1または2に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項7】
前記凹状搬送面の深さは、前記第1凹部の板厚よりも大きい
請求項6に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項8】
前記第1前端部は、前記第1方向に延在する凸状湾曲部を有する
請求項
1または2に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項9】
前記第1方向に沿う方向に見て、前記第1前端部と前記第1凹部とによって略S字形状が形成される
請求項
1または2に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項10】
前記第1中間部分は、前記第1凹部とは別に平板部を有する
請求項
1または2に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項11】
前記第1凹部と前記平板部とが前記第1方向に延在する屈曲部を介して接続されている
請求項10に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項12】
前記第1搬送プレートの搬送面の少なくとも一部がレーザ反射層の表面によって構成されている
請求項
1または2に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項13】
ワークに向けてレーザを照射するレーザヘッドを含むレーザ照射装置と、
前記ワークを支持するワーク支持部材に対して前記レーザヘッドを相対移動させる移動装置と、
前記レーザ照射装置、および、前記移動装置を制御する制御装置と、
ドロス搬送コンベヤと
を具備し、
前記ドロス搬送コンベヤは、
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートを備え、
前記第1搬送プレートは、
第1前端部と、
第1後端部と、
前記第1方向に延在する第1凹部を有し、前記第1前端部と前記第1後端部とを接続する第1中間部分と
を備える
レーザ加工装置。
【請求項14】
1群の前記搬送プレートを強制冷却する冷却装置を備える
請求項13に記載のレーザ加工装置。
【請求項15】
ワークにレーザを照射することにより、前記ワークを加工する工程と、
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含む1群の搬送プレートを用いて、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する工程と
を具備し、
前記第1搬送プレートは、
第1前端部と、
第1後端部と、
前記第1方向に延在する第1凹部を有し、前記第1前端部と前記第1後端部とを接続する第1中間部分と
を備え、
前記ワークを加工する工程は、
前記第1凹部に前記レーザが照射されることによって前記第1中間部分が熱的に撓む方向が、前記第1前端部に前記レーザが照射されることによって前記第1前端部が熱的に撓む方向と逆であることにより、前記第1搬送プレートの熱的な撓みが抑制された状態
で実行される
ワーク加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チップコンベヤを備えたレーザ加工機が知られている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、レーザ加工機のチップコンベヤが開示されている。特許文献1に記載のチップコンベヤは、コンベヤベルトを構成する多数のプレートを有する。各プレートは、ジョイントにより、他のプレートに折曲自在に連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実願平3-19091号(実開平4-108984号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、搬送プレートの熱変形を抑制可能なドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態におけるドロス搬送コンベヤは、第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートを具備する。前記第1搬送プレートは、第1前端部と、第1後端部と、前記第1方向に延在する第1凹部を有し、前記第1前端部と前記第1後端部とを接続する第1中間部分と、を備える。
【0007】
いくつかの実施形態におけるレーザ加工装置は、ワークに向けてレーザを照射するレーザヘッドを含むレーザ照射装置と、前記ワークを支持するワーク支持部材に対して前記レーザヘッドを相対移動させる移動装置と、前記レーザ照射装置、および、前記移動装置を制御する制御装置と、ドロス搬送コンベヤと、を具備する。前記ドロス搬送コンベヤは、第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートを備える。前記第1搬送プレートは、第1前端部と、第1後端部と、前記第1方向に延在する第1凹部を有し、前記第1前端部と前記第1後端部とを接続する第1中間部分と、を備える。
【0008】
いくつかの実施形態におけるワーク加工方法は、ワークにレーザを照射することにより、前記ワークを加工する工程と、第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含む1群の搬送プレートを用いて、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する工程と、を具備する。前記第1搬送プレートは、第1前端部と、第1後端部と、前記第1方向に延在する第1凹部を有し、前記第1前端部と前記第1後端部とを接続する第1中間部分と、を備える。前記ワークを加工する工程は、前記第1凹部に前記レーザが照射されることによって前記第1中間部分が熱的に撓む方向が、前記第1前端部に前記レーザが照射されることによって前記第1前端部が熱的に撓む方向と逆であることにより、前記第1搬送プレートの熱的な撓みが抑制された状態で実行される。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、搬送プレートの熱変形を抑制可能なドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略断面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図3】
図3は、第1搬送プレートの一例を模式的に示す概略断面図である。
【
図4】
図4は、第1搬送プレートの一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図5】
図5は、比較例における搬送プレートを示す概略斜視図である。
【
図6】
図6は、第1凹部にレーザが照射されることに起因して、第1凹部が熱的に第4方向に撓む様子を模式的に示す概略斜視図である、
【
図7】
図7は、第1前端部にレーザが照射されることに起因して、第1前端部が熱的に第3方向に撓む様子を模式的に示す概略斜視図である、
【
図8】
図8は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略斜視図である。
【
図9】
図9は、第1搬送プレートおよび第2搬送プレートを含む一群の搬送プレートが周回軌道に沿って移動可能な様子を模式的に示す概略斜視図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤを模式的に示す概略斜視図である。
【
図11】
図11は、1群の搬送プレートの一部分を模式的に示す分解斜視図である。
【
図12】
図12は、第1搬送プレートが、第1無端チェーンおよび第2無端チェーンに取り付けられた様子を模式的に示す図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤの転向部を拡大して示す概略断面図である。
【
図14】
図14は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図15】
図15は、第1搬送プレートおよび第2搬送プレートの一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図16】
図16は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図17】
図17は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図18】
図18は、第1搬送プレートおよび第2搬送プレートの一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図19】
図19は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図20】
図20は、第1搬送プレートおよび第2搬送プレートの一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図21】
図21は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図22】
図22は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図23】
図23は、第1搬送プレートおよび第2搬送プレートの一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図24】
図24は、第1搬送プレートの一例を模式的に示す概略平面図である。
【
図25】
図25は、1群の搬送プレートの一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図26】
図26は、1群の搬送プレートの周回軌道が登り傾斜を含む様子を模式的に示す概略断面図である。
【
図27】
図27は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略側面図である。
【
図28】
図28は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略平面図である。
【
図29】
図29は、ワーク支持部材の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図30】
図30は、第1の実施形態の第1変形例におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略斜視図である。
【
図31】
図31は、ワーク支持部材から加工済みワークが取り外される様子を模式的に示す概略平面図である。
【
図32】
図32は、第1の実施形態の第2変形例におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略斜視図である。
【
図33】
図33は、制御装置が複数の制御対象機器を制御可能な様子を模式的に示す図である。
【
図34】
図34は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略側面図である。
【
図35】
図35は、冷却装置を含むレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図36】
図36は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略断面図である。
【
図37】
図37は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図38】
図38は、1群の搬送プレートの一部分を模式的に示す分解斜視図である。
【
図39】
図39は、第1搬送プレートおよび第2搬送プレートを含む一群の搬送プレートが周回軌道に沿って移動可能な様子を模式的に示す概略斜視図である。
【
図40】
図40は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図41】
図41は、1群の搬送プレートの一部分を模式的に示す分解斜視図である。
【
図42】
図42は、1群の搬送プレートの一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図43】
図43は、第3の実施形態におけるワーク加工方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2、レーザ加工装置1、および、ワーク加工方法について説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部位、部材については同一の符号を付し、同一の符号が付された部位、部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0012】
(用語の定義)
図2に例示されるように、1群の搬送プレート3の各々は、搬送面3uを有する。本明細書において、搬送面とは、ドロス搬送時に、直接的に、あるいは、他部材を介して間接的に、ドロスを支持する面を意味する。より具体的には、搬送面3uは、ドロス搬送時に、概ね上方を向く面である。例えば、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1は、第1搬送プレート3-1によるドロス搬送時に、直接的に、あるいは、他部材を介して間接的に、ドロスを支持する。第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1は、第1搬送プレート3-1によるドロス搬送時に、概ね上方を向く。また、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2は、第2搬送プレート3-2によるドロス搬送時に、直接的に、あるいは、他部材を介して間接的に、ドロスを支持する。第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2は、第2搬送プレート3-2によるドロス搬送時に、概ね上方を向く。
【0013】
図2に例示されるように、1群の搬送プレート3の各々は、裏面3nを有する。本明細書において、裏面とは、各搬送プレートにおいて、搬送面3uとは反対側の面を意味する。より具体的には、裏面3nは、ドロス搬送時に、概ね下方を向く面である。例えば、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1は、第1搬送プレート3-1によるドロス搬送時に、第1搬送面3u-1の下方に位置する面である。第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1は、第1搬送プレート3-1によるドロス搬送時に、概ね下方を向く。また、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2は、第2搬送プレート3-2によるドロス搬送時に、第2搬送面3u-2の下方に位置する面である。より具体的には、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2は、第2搬送プレート3-2によるドロス搬送時に、概ね下方を向く。
【0014】
本明細書において、レーザ照射装置60から射出されるレーザが到達可能な領域のことを「加工領域RG1」と定義する(
図1を参照。)。加工領域RG1に配置されるワークWは、レーザによって加工される(より具体的には、切断または穿孔される。)。ワークWにレーザが照射されることによって生成されるドロスは、加工領域RG1において、1群の搬送プレート3によって受け取られる。
【0015】
(方向の定義)
本明細書において、第1搬送プレート3-1の延在方向(あるいは、各搬送プレート3の延在方向)を、第1方向DR1と定義する。本明細書において、1群の搬送プレート3の移動方向(あるいは、各搬送プレート3の移動方向)を、第2方向DR2と定義する。
図9に例示されるように、本明細書において、1群の搬送プレート3の周回軌道OBの内側(
図9においてドットによるハッチングが付加された部分を参照。)から、当該周回軌道OBの外側に向かう方向を第3方向DR3と定義し、第3方向DR3とは反対の方向を第4方向DR4と定義する。
図2に例示されるように、第3方向DR3は、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1から第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1に向かう方向である。また、第3方向DR3は、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2から第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2に向かう方向である。
図2に例示されるように、第4方向DR4は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1から第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1に向かう方向である。また、第4方向DR4は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2から第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2に向かう方向である。
【0016】
(第1の実施形態)
図1乃至
図35を参照して、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2A、および、レーザ加工装置1Aについて説明する。
図1は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略断面図である。
図2は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図3は、第1搬送プレート3-1の一例を模式的に示す概略断面図である。
図4は、第1搬送プレート3-1の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図5は、比較例における搬送プレート3’を示す概略斜視図である。
図6は、第1凹部Q1にレーザLBが照射されることに起因して、第1凹部Q1が熱的に第4方向DR4に撓む様子を模式的に示す概略斜視図である。
図7は、第1前端部3f-1にレーザLBが照射されることに起因して、第1前端部3f-1が熱的に第3方向DR3に撓む様子を模式的に示す概略斜視図である。
図8は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。
図9は、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2を含む一群の搬送プレート3が周回軌道OBに沿って移動可能な様子を模式的に示す概略斜視図である。
図10は、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aを模式的に示す概略斜視図である。
図11は、1群の搬送プレート3の一部分を模式的に示す分解斜視図である。
図12は、第1搬送プレート3-1が、第1無端チェーン21aおよび第2無端チェーン22aに取り付けられた様子を模式的に示す図である。
図13は、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aの転向部を拡大して示す概略断面図である。
図14は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図15は、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図16、および、
図17は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図18は、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図19は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図20は、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図21、および、
図22は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図23は、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図24は、第1搬送プレート3-1の一例を模式的に示す概略平面図である。
図25は、1群の搬送プレート3の一部分を模式的に示す概略断面図である。
図26は、1群の搬送プレート3の周回軌道OBが登り傾斜CLを含む様子を模式的に示す概略断面図である。
図27は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略側面図である。
図28は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略平面図である。
図29は、ワーク支持部材90の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図30は、第1の実施形態の第1変形例におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。
図31は、ワーク支持部材90から加工済みワークWbが取り外される様子を模式的に示す概略平面図である。
図32は、第1の実施形態の第2変形例におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。
図33は、制御装置8が複数の制御対象機器を制御可能な様子を模式的に示す図である。
図34は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略側面図である。
図35は、冷却装置95を含むレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【0017】
図2に例示されるように、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aは、1群の搬送プレート3を備える。
【0018】
1群の搬送プレート3は、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成されるドロスDを搬送する。1群の搬送プレート3は、ドロスDに加えて、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成される切り落とし片CFを搬送してもよい。
【0019】
なお、本明細書において、ドロスとは、レーザが照射されることにより溶解された材料(より具体的には、金属材料)の固化によって形成される不規則形状の塊(換言すれば、無作為形状の塊)を意味するものとする。
【0020】
1群の搬送プレート3は、第1方向DR1に延在する第1搬送プレート3-1と、第1方向DR1に延在する第2搬送プレート3-2と、を含む。1群の搬送プレート3の各々は、第1方向DR1を長手方向とする細長いプレートである。
図2に記載の例では、第2搬送プレート3-2は、第1搬送プレート3-1に隣接配置されている。
【0021】
第1搬送プレート3-1は、前端部(以下、「第1前端部3f-1」という。)と、後端部(以下、「第1後端部3e-1」という。)と、中間部分(以下、「第1中間部分3m-1」という。)と、を有する。なお、
図2に記載の例において、第1前端部3f-1は、移動方向前方側の端部(換言すれば、第2方向DR2側の端部)であり、第1後端部3e-1は、移動方向後方側の端部(換言すれば、第2方向DR2とは反対側の端部)である。
【0022】
第1中間部分3m-1は、第1前端部3f-1と第1後端部3e-1とを接続する。なお、
図3において、第1中間部分3m-1を把握し易くするために、第1中間部分3m-1には、ドットによるハッチングが付加されている。
【0023】
図3に例示されるように、第1中間部分3m-1は第1凹部Q1を有する。
図4に例示されるように、第1凹部Q1は、第1方向DR1に延在する。
【0024】
図2に記載の例において、ワークWを通過するレーザLBは、ドロス搬送コンベヤ2Aに達する。レーザLBのエネルギーの一部は熱エネルギーに変換され、当該熱エネルギーによって第1搬送プレート3-1が昇温される。当該昇温によって、第1搬送プレート3-1は熱変形し、第3方向DR3または第4方向DR4に撓む。
【0025】
比較例における搬送プレート3’(
図5を参照。)は、第1中間部分3m-1の全体が平部である。この場合、第1中間部分3m-1が第1凹部Q1を有する場合と比較して、昇温に起因する搬送プレート3’の熱変形が大きくなる。特に、(1)レーザLBの出力が高い(あるいは、レーザLBのエネルギー密度が大きい)、(2)第1方向DR1に沿う方向における搬送プレート3’の長さが長い、(3)第1中間部分3m-1の面積(換言すれば、平部の面積)が大きい、(4)ワークとドロス搬送コンベヤとの距離が近い、等の条件によっては、搬送プレート3’の熱変形が過大となる可能性がある。また、搬送プレート3’の熱変形が過大になることにより、搬送プレート3’を含む1群の搬送プレートの円滑な移動が妨げられる可能性がある。
【0026】
第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aにおいて、第1凹部Q1は、レーザ照射に起因して、第1搬送プレート3-1が、第3方向DR3または第4方向DR4に過度に撓むことを抑制する。よって、第1搬送プレート3-1を含む1群の搬送プレート3を円滑に移動させることができる。
【0027】
図1に例示されるように、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aは、上述のドロス搬送コンベヤ2Aと、ワークWに向けてレーザLBを照射するレーザヘッド61を含むレーザ照射装置60と、ワークWを支持するワーク支持部材90に対してレーザヘッド61を相対移動させる移動装置7と、レーザ照射装置60、および、移動装置7を制御する制御装置8と、を備える。なお、1つのコンピュータが制御装置8として機能してもよいし、複数のコンピュータが協働して、制御装置8として機能してもよい。
【0028】
第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aは、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aと同様の効果を奏する。
【0029】
(任意付加的な構成)
続いて、
図1乃至
図35を参照して、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2A、および、レーザ加工装置1A(あるいは、後述の第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2B、および、レーザ加工装置1B)において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0030】
(第1凹部Q1)
図3に記載の例では、第1凹部Q1は、第4方向DR4に凹む凹部である。換言すれば、第1凹部Q1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1から第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1に向かう方向に凹む凹部である。
図3に記載の例では、第1凹部Q1は、第1前端部3f-1よりも第4方向DR4側に位置する。また、第1凹部Q1は、第1後端部3e-1よりも第4方向DR4側に位置する。第1凹部Q1はドロスを搬送する搬送面と、搬送面とは反対側に配置される裏面と、を有する。
【0031】
第1凹部Q1の搬送面は、第4方向DR4に凹む凹状搬送面SD1である。
図3に記載の例では、凹状搬送面SD1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略円弧形状を有する。代替的に、凹状搬送面SD1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略V字形状を有していてもよいし、略U字形状を有していてもよいし、その他の形状を有していてもよい。
【0032】
第1凹部Q1の裏面は、第4方向DR4に突出する突出面SN1である。
図3に記載の例では、突出面SN1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略円弧形状を有する。代替的に、突出面SN1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略V字形状を有していてもよいし、略U字形状を有していてもよいし、その他の形状を有していてもよい。
【0033】
図6に例示されるように、第1搬送プレート3-1の第1凹部Q1にレーザLBが照射されると、第1中間部分3m-1(あるいは、第1搬送プレート3-1)は、熱的に第4方向DR4に撓む。なお、
図6において、第1搬送プレート3-1の撓み量は、実際の撓み量と比較して、強調して記載されている。
【0034】
図7に例示されるように、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1にレーザLBが照射されると、第1前端部3f-1(あるいは、第1搬送プレート3-1)は、熱的に第3方向DR3に撓む。なお、
図7において、第1搬送プレート3-1の撓み量は、実際の撓み量と比較して、強調して記載されている。
【0035】
図6および
図7に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1にレーザLBが照射されることによって第1前端部3f-1が熱的に撓む方向と、第1凹部Q1にレーザLBが照射されることによって第1中間部分3m-1が熱的に撓む方向とが逆である。よって、レーザLBを横切るように、第1搬送プレート3-1が第2方向DR2に移動すると、第1前端部3f-1へのレーザ照射に起因する撓みの少なくとも一部が、第1中間部分3m-1へのレーザ照射に起因する撓みによって打ち消される。こうして、第1搬送プレート3-1全体としての撓み量が小さくなり、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1と、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2の相対位置の変化が抑制される。その結果、第1搬送プレート3-1を含む1群の搬送プレート3を円滑に移動させることができる。
【0036】
(ドロス搬送コンベヤ2A)
図1に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Aの一部は、レーザ照射装置60の直下に配置されている。また、ドロス搬送コンベヤ2Aの1群の搬送プレート3は、加工領域RG1(より具体的には、レーザ照射装置60の直下の領域)を横切って移動可能なように構成されている。
【0037】
図1に記載の例では、1群の搬送プレート3は、加工領域RG1から排出領域RG2にドロスを搬送する。
図1に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々は、排出領域RG2において、反転する(より具体的には、水平軸まわりに180度ターンする。)。その結果、1群の搬送プレート3によって搬送されるドロスDは、排出領域RG2において、1群の搬送プレート3から容器13へ排出される。なお、1群の搬送プレート3によって、切り落とし片CF(
図2を参照。)が搬送される場合には、当該切り落とし片CFも、排出領域RG2において、1群の搬送プレート3から容器13へ排出される。
【0038】
図8に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Aは、第1無端部材21と、第2無端部材22と、駆動装置29と、を備える。第1無端部材21および第2無端部材22は、1群の搬送プレート3を支持する。より具体的には、1群の搬送プレート3は、第1無端部材21および第2無端部材22に取り付けられる。
【0039】
第1無端部材21および第2無端部材22は、駆動装置29によって、直接的または間接的に駆動される。より具体的には、第1無端部材21は、第1周回軌道B1(
図9を参照。)に沿って進行するように、駆動装置29によって、直接的または間接的に駆動され、第2無端部材22は、第1周回軌道B1に平行な第2周回軌道B2(
図9を参照。)に沿って進行するように、駆動装置29によって、直接的または間接的に駆動される。第1周回軌道B1と第2周回軌道B2との間の間隔G1(換言すれば、第1方向DR1に沿う方向における第1周回軌道B1と第2周回軌道B2との間の距離)は、例えば、1m以上3m以下である。
【0040】
図10に記載の例では、第1無端部材21は、第1無端チェーン21aであり、第2無端部材22は、第2無端チェーン22aである。
図10に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2は、第1スプロケット28a、第2スプロケット28b、第3スプロケット28c、および、第4スプロケット28dを含む複数のスプロケット28を有する。第1無端チェーン21aは、少なくとも、第1スプロケット28aおよび第2スプロケット28bに係合している(より具体的には、第1無端チェーン21aは、少なくとも、第1スプロケット28aおよび第2スプロケット28bに掛け回されている。)。また、第2無端チェーン22aは、少なくとも、第3スプロケット28cおよび第4スプロケット28dに係合している(より具体的には、第2無端チェーン22aは、少なくとも、第3スプロケット28cおよび第4スプロケット28dに掛け回されている。)。
【0041】
図10に記載の例では、第1無端チェーン21aは、少なくとも第1スプロケット28aを介して、駆動装置29によって駆動され、第2無端チェーン22aは、少なくとも第3スプロケット28cを介して、駆動装置29によって駆動される。
【0042】
1群の搬送プレート3は、周回軌道OBに沿って移動する。
図9に例示されるように、1群の搬送プレート3の周回軌道OBは、第1無端チェーン21aの第1周回軌道B1と平行であり、第2無端チェーン22aの第2周回軌道B2と平行である。
【0043】
(1群の搬送プレート3)
図2に例示されるように、1群の搬送プレート3の各々は、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成される複数片のドロスDの一部を搬送し、レーザLBによって昇温される。例えば、第1搬送プレート3-1、および、第2搬送プレート3-2の各々は、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成される複数片のドロスDの一部を搬送し、レーザLBによって昇温される。1群の搬送プレート3の各々は、1つの部品によって構成されていてもよく、複数の部品のアセンブリによって構成されていてもよい。
【0044】
図2に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Aは、第1搬送プレート3-1、第2搬送プレート3-2、および、第3搬送プレート3-3を含む1群の搬送プレート3を有する。1群の搬送プレート3の各々は、第1方向DR1に沿って延在する。1群の搬送プレート3に含まれる搬送プレート3の数は、例えば、20個以上、50個以上、あるいは、80個以上である。本明細書において、1群の搬送プレート3に含まれる搬送プレート3の数を「N」と定義する。「N」は、例えば、20以上の自然数である。
【0045】
「K」を、1以上「N-1」以下の任意の自然数と定義するとき、第K+1搬送プレートは、第K搬送プレートに隣接配置される。また、第1搬送プレート3-1は、第N搬送プレートに隣接配置される。こうして、1群の搬送プレート3は、全体として環状に配置される。例えば、第2搬送プレート3-2は、第1搬送プレート3-1に隣接配置されるとともに、第3搬送プレート3-3に隣接配置される。
【0046】
1群の搬送プレート3の各々は、前端部3fと、後端部3eと、前端部3fと後端部3eとを接続する中間部分3mと、を有する。なお、
図2に記載の例において、各搬送プレート3の前端部3fは、移動方向前方側の端部(換言すれば、第2方向DR2側の端部)であり、各搬送プレート3の後端部3eは、移動方向後方側の端部(換言すれば、第2方向DR2とは反対側の端部)である。
【0047】
図2に記載の例では、各搬送プレート3の前端部3fは、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、隣接配置される他の1つの搬送プレート3の後端部3eと重なるように配置され、各搬送プレート3の後端部3eは、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、隣接配置される他の別の1つの搬送プレートの前端部3fと重なるように配置される。
【0048】
例えば、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1は、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、他の搬送プレート3-Nの後端部3e-Nと重なるように配置される。より具体的には、他の搬送プレート3-Nの後端部3e-Nは、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1によって覆われる。
【0049】
例えば、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1は、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2と重なるように配置される。より具体的には、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1は、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2によって覆われる。
【0050】
例えば、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2は、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、第3搬送プレート3-3の第3前端部3f-3と重なるように配置される。より具体的には、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2は、第3搬送プレート3-3の第3前端部3f-3によって覆われる。
【0051】
図11に例示されるように、1群の搬送プレート3の各々は、左端部3aと、右端部3bとを有する。
図11に記載の例において、各搬送プレート3の左端部3aは、当該搬送プレート3の搬送面3uを後端部3eから前端部3fに向かう方向に見て、左側の端部であり、各搬送プレート3の右端部3bは、当該搬送プレート3の搬送面3uを後端部3eから前端部3fに向かう方向に見て、右側の端部である。
【0052】
第1搬送プレート3-1は、第1前端部3f-1と、第1後端部3e-1と、第1前端部3f-1と第1後端部3e-1とを接続する第1中間部分3m-1と、左端部3a-1と、右端部3b-1と、を有する。
【0053】
第2搬送プレート3-2は、第2前端部3f-2と、第2後端部3e-2と、第2前端部3f-2と第2後端部3e-2とを接続する第2中間部分3m-2と、左端部3a-2と、右端部3b-2と、を有する。
【0054】
第3搬送プレート3-3は、第3前端部3f-3と、第3後端部3e-3と、第3前端部3f-3と第3後端部3e-3とを接続する第3中間部分3m-3と、左端部3a-3と、右端部3b-3と、を有する。
【0055】
1群の搬送プレート3の各々の長さ(より具体的には、第1方向DR1に沿う方向における長さ)は、例えば、1m以上3m以下である。第1搬送プレート3-1の長さL1は、例えば、1m以上3m以下であり、第2搬送プレート3-2の長さは、例えば、1m以上3m以下である。
【0056】
1群の搬送プレート3の各々の幅(より具体的には、1群の搬送プレート3の各々の第2方向DR2に沿う方向における幅)は、例えば、40mm以上200mm以下である。第1搬送プレート3-1の幅W1は、例えば、40mm以上200mm以下であり、第2搬送プレート3-2の幅W2は、例えば、40mm以上200mm以下である。
【0057】
1群の搬送プレート3の各々の板厚は、例えば、5mm以下あるいは3mm以下である。
図3に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1の板厚は、略一定であり、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1の板厚は、略一定である。また、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1の板厚は、略一定である。
図3に記載の例では、第1搬送プレート3-1の板厚は、全体として、略一定である。
【0058】
1群の搬送プレート3の各々は、金属製である。1群の搬送プレート3の各々は、例えば、鉄鋼製、より具体的には、熱間圧延軟鋼板製、冷間圧延鋼板製または冷間圧延ステンレス鋼板製である。
【0059】
1群の搬送プレート3の各々の左端部3aは、第1無端部材21(より具体的には、第1無端チェーン21a)に取り付けられる。また、1群の搬送プレート3の各々の右端部3bは、第2無端部材22(より具体的には、第2無端チェーン22a)に取り付けられる。
【0060】
図11に記載の例では、第1搬送プレート3-1の左端部3a-1には、ボルトを挿入可能な孔部h1が形成され、第1搬送プレート3-1の右端部3b-1には、ボルトを挿入可能な孔部h2が形成されている。
図12に記載の例では、第1搬送プレート3-1の左端部3a-1は、ボルトBTを介して、第1無端チェーン21aに取り付けられ、第1搬送プレート3-1の右端部3b-1は、ボルトBTを介して、第2無端チェーン22aに取り付けられる。
図2から把握されるように、第1搬送プレート3-1は隣接する他の搬送プレートに結合していない。よって、第1搬送プレート3-1の損傷時に、第1搬送プレート3-1を新たな第1搬送プレートに交換するのが容易である。
【0061】
図11に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々の前端部3fは、第1方向DR1に延在する凸状湾曲部CPを有する。なお、
図11に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々の前端部3fは、第1方向DR1に垂直な断面において、略円弧形状を有する。代替的に、1群の搬送プレート3の各々の前端部3fは、第1方向DR1に垂直な断面において、略V字形状を有していてもよいし、略U字形状を有していてもよいし、その他の形状を有していてもよい。なお、逆V字形状は、見る方向を変えれば、V字形状になるため、本明細書において、略逆V字形状は、略V字形状に包含されるものとする。同様に、逆U字形状は、見る方向を変えれば、U字形状になるため、本明細書において、略逆U字形状は、略U字形状に包含されるものとする。
【0062】
図11に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々の後端部3eは、第3方向DR3に突出する立設部TPを有する。
図13に例示されるように、立設部TPは、各搬送プレート3の転向時に、後続の搬送プレートの凸状湾曲部CPの下方のドロスDを掻き出す。例えば、第1搬送プレート3-1の立設部TPは、第1搬送プレート3-1の転向時に、第2搬送プレート3-2の凸状湾曲部CP2の下方のドロスDを掻き出す。なお、第1の実施形態において、1群の搬送プレート3の各々の後端部3eの形状は、
図13に記載の例に限定されない。例えば、1群の搬送プレート3の各々の後端部3eの形状は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略円弧形状あるいは略円形状であってもよい。
【0063】
以下、搬送プレート3のいくつかの例について説明するが、搬送プレート3は、以下に説明されるいくつかの例に限定されない。また、複数の搬送プレート3のうち、第1搬送プレート3-1、および、第2搬送プレート3-2について代表的に説明するが、他の搬送プレートに、第1搬送プレート3-1と同様の構成を適用可能であることは言うまでもない。
【0064】
(搬送プレート3の第1例)
図14および
図15に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1は、第3方向DR3に凸であり第1方向DR1に延在する凸状湾曲部CP1を有する。第1前端部3f-1が凸状湾曲部CP1を有する場合、第3方向DR3の断面係数が大きくなるため、第1前端部3f-1の全体が平部である場合と比較して、レーザ照射に起因する第1搬送プレート3-1の撓みが抑制される。
【0065】
図14に記載の例では、第1搬送プレート3-1は、凸状湾曲部CP1(より具体的には、第3方向DR3に凸である凸状湾曲部CP1)と、第1凹部Q1(より具体的には、第4方向DR4に凹んだ凹状湾曲部QP1)とを有する。凸状湾曲部CP1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、例えば、略円弧形状を有する。また、凹状湾曲部QP1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、例えば、略円弧形状を有する。
【0066】
図14に記載の例では、凸状湾曲部CP1と第1凹部Q1(より具体的には、凹状湾曲部QP1)との間の境界部C1が、第1前端部3f-1と第1中間部分3m-1との境界部である。
図14に記載の例では、凸状湾曲部CP1と第1凹部Q1(より具体的には、凹状湾曲部QP1)とがダイレクトに接続されている。代替的に、
図16に例示されるように、凸状湾曲部CP1と第1凹部Q1(より具体的には、凹状湾曲部QP1)との間に第1平板部FP1-1が介在していてもよい。
図16に記載の例では、第1平板部FP1-1の前縁が凸状湾曲部CP1に接続され、第1平板部FP1-1の後縁が屈曲部BC1を介して第1凹部Q1に接続されている。
【0067】
図14および
図15に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1は、第3方向DR3に突出する第1立設部TP1を有する。第1立設部TP1は、第1方向DR1に延在する。第1後端部3e-1が第1立設部TP1を有する場合、第3方向DR3の断面係数が大きくなるため、レーザ照射に起因する第1搬送プレート3-1の撓みが、当該第1立設部TP1によって抑制される。代替的に、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1の形状は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略円弧形状あるいは略円形状であってもよい。
【0068】
図14および
図15に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1と、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1(より具体的には、第1立設部TP1)とが、第1屈曲部BA1を介して接続されている。第1屈曲部BA1は、第1方向DR1に延在する。
図14に記載の例では、第1屈曲部BA1が、第1中間部分3m-1と第1後端部3e-1との境界部である。
【0069】
図15に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1は、第3方向DR3に凸である凸状搬送面SU1を有する。凸状搬送面SU1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の一部を構成する。凸状搬送面SU1は第1方向DR1に延在する。
【0070】
図15に記載の例では、凸状搬送面SU1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略円弧形状を有する。代替的に、凸状搬送面SU1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略V字形状を有していてもよいし、略U字形状を有していてもよいし、その他の形状を有していてもよい。また、凸状搬送面SU1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略円弧形状を有する。代替的に、凸状搬送面SU1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略V字形状を有していてもよいし、略U字形状を有していてもよいし、その他の形状を有していてもよい。
【0071】
図7に例示されるように、第1搬送プレート3-1の凸状湾曲部CP1(あるいは、凸状搬送面SU1)にレーザLBが照射されると、第1前端部3f-1(あるいは、第1搬送プレート3-1)は、熱的に第3方向DR3に撓む。
【0072】
図15に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1(より具体的には、第1凹部Q1)は、第4方向DR4に凹む凹状搬送面SD1を有する。凹状搬送面SD1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の一部を構成する。凹状搬送面SD1は第1方向DR1に延在する。
【0073】
図15に記載の例では、凹状搬送面SD1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略円弧形状を有する。代替的に、凹状搬送面SD1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略V字形状を有していてもよいし、略U字形状を有していてもよいし、その他の形状を有していてもよい。また、凹状搬送面SD1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略円弧形状を有する。代替的に、凹状搬送面SD1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略V字形状を有していてもよいし、略U字形状を有していてもよいし、その他の形状を有していてもよい。
【0074】
図6に例示されるように、第1搬送プレート3-1の第1凹部Q1(あるいは、凹状搬送面SD1)にレーザLBが照射されると、第1中間部分3m-1(あるいは、第1搬送プレート3-1)は、熱的に第4方向DR4に撓む。
【0075】
第1搬送プレート3-1の凸状湾曲部CP1(あるいは、凸状搬送面SU1)にレーザLBが照射されることによって第1前端部3f-1が熱的に撓む方向と、第1凹部Q1(あるいは、凹状搬送面SD1)にレーザLBが照射されることによって第1中間部分3m-1が熱的に撓む方向とが逆である。第1搬送プレート3-1において、第1前端部3f-1の熱変形と第1中間部分3m-1の熱変形とが相対的に打ち消されることによって、第1搬送プレート3-1全体としての変形が抑制される。
【0076】
図14に記載の例では、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、第1凹部Q1の全体(あるいは、凹状搬送面SD1の全体)が、第1搬送プレート3-1に隣接配置される他の搬送プレート3-Nの後端部3e-Nと、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1との間に配置されている。
図14に例示されるように、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、第1凹部Q1の全体(あるいは、凹状搬送面SD1の全体)が、第1搬送プレート3-1に隣接配置される他の搬送プレート3-Nの後端縁E1と、第2搬送プレート3-2の前方先端縁E2との間に配置されていてもよい。
【0077】
図14に記載の例では、第1方向DR1に沿う方向に見て、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1と第1搬送プレート3-1の第1凹部Q1とによって略S字形状が形成されている。
【0078】
S字形状部分の一部にレーザLBが照射されることによって当該S字形状部分が熱的に撓む方向と、S字形状部分の他の一部にレーザLBが照射されることによって当該S字形状部分が熱的に撓む方向とが逆である。第1搬送プレート3-1のS字形状部分の一部の熱変形と当該S字形状部分の他の一部の熱変形とが相対的に打ち消されることによって、第1搬送プレート3-1全体としての変形が抑制される。
【0079】
図14に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1は、第1凹部Q1を有する。また、当該第1中間部分3m-1は、第1凹部Q1とは別に平板部FP1を有する。
図15に例示されるように平板部FP1は、第1方向DR1に延在する。
【0080】
第1中間部分3m-1が、平板部FP1に加えて第1凹部Q1を有する場合、第1中間部分3m-1の全体が平部である場合と比較して、平板部FP1の面積を小さくすることができる。よって、平板部FP1にレーザLBが照射されることに起因する熱変形を相対的に小さくすることができる。
【0081】
図14および
図15に記載の例では、第1凹部Q1と平板部FP1とが、屈曲部BB1を介して接続されている。屈曲部BB1は、第1方向DR1に延在する。第1凹部Q1と平板部FP1との間に屈曲部BB1が配置される場合、レーザ照射に起因する第1搬送プレート3-1の撓みが、当該屈曲部BB1によって抑制される。
【0082】
図14に記載の例では、第2搬送プレート3-2の前方先端縁E2が、平板部FP1に対向配置されている。
図14に記載の例では、第2搬送プレート3-2の前方先端縁E2と第1搬送プレート3-1の平板部FP1との間の隙間と、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2と第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1との間の隙間とを含むラビリンス通路が形成されるため、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2からのドロスの脱落が抑制される。
【0083】
図15に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2は、第3方向DR3に凸であり第1方向DR1に延在する凸状湾曲部CP2を有する。
【0084】
図15に記載の例では、第2搬送プレート3-2は、凸状湾曲部CP2に加えて、第4方向DR4に凹んだ第2凹部Q2を有する。より具体的には、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2は、第3方向DR3に凸であり第1方向DR1に延在する凸状湾曲部CP2を有し、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2は、第4方向DR4に凹み第1方向DR1に延在する第2凹部Q2(より具体的には、凹状湾曲部QP2)を有する。
【0085】
図15に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2は、第3方向DR3に突出し第1方向DR1に延在する第2立設部TP2を有する。
【0086】
図15に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2と、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2とが、第1方向DR1に延在する第2屈曲部BA2を介して接続されている。
【0087】
図15に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2は、第3方向DR3に凸であり第1方向DR1に延在する凸状搬送面SU2を有する。凸状搬送面SU2は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の一部を構成する。
【0088】
図15に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2(より具体的には、第2凹部Q2)は、第4方向DR4に凹み第1方向DR1に延在する凹状搬送面SD2を有する。凹状搬送面SD2は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の一部を構成する。
【0089】
図14に例示されるように、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、第2凹部Q2の全体(あるいは、凹状搬送面SD2の全体)が、第1搬送プレート3-1の後端縁E3と、第3搬送プレート3-3の前方先端縁E4との間に配置されていてもよい。
【0090】
図14に記載の例では、第1方向DR1に沿う方向に見て、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2と第2搬送プレート3-2の第2凹部Q2とによって略S字形状が形成されている。
【0091】
図14に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2は、第2凹部Q2とは別に平板部FP2を有する。平板部FP2は、第1方向DR1に延在する。
図15に記載の例では、第2凹部Q2と平板部FP2とが、第1方向DR1に延在する屈曲部BB2を介して接続されている。
【0092】
(搬送プレート3の第2例)
図17および
図18に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々の中間部分が有する凹部の形状が、
図14および
図15に記載の例とは異なる。搬送プレート3の第2例において、1群の搬送プレート3の各々の前端部および後端部の形状は、搬送プレート3の第1例における1群の搬送プレート3の各々の前端部および後端部の形状と同様である。よって、1群の搬送プレート3の各々の前端部および後端部の形状についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0093】
図17に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1は、第1凹部Q1を有する。第1凹部Q1は、第4方向DR4に凹み、第1方向DR1に延在する。
【0094】
図14に記載の例では、第1方向DR1に垂直な断面において、第1凹部Q1は、略円弧形状を有する。これに対し、
図17に記載の例では、第1方向DR1に垂直な断面において、第1凹部Q1は、略V字形状を有する。また、第1方向DR1に沿う方向に見て、第1凹部Q1は、略V字形状を有する。
【0095】
図18に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1(より具体的には、第1凹部Q1)は、第4方向DR4に凹む凹状搬送面SD1を有する。凹状搬送面SD1は第1方向DR1に延在する。凹状搬送面SD1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の一部を構成する。
図18に記載の例では、凹状搬送面SD1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略V字弧形状を有する。また、凹状搬送面SD1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略V字形状を有する。
【0096】
図18に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1は、第1凹部Q1とは別に平板部FP1を有する。平板部FP1は、第1方向DR1に延在する。第1中間部分3m-1は、第1平板部FP1-1と、第2平板部FP1-2とを有していてもよい。
【0097】
図18に記載の例では、平板部FP1(より具体的には、第1平板部FP1-1)と第1凹部Q1の前縁とが、屈曲部BC1を介して接続されている。また、
図18に記載の例では、第1凹部Q1の後縁と平板部FP1(より具体的には、第2平板部FP1-2)とが、屈曲部BB1を介して接続されている。
【0098】
図18に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2は、凸状湾曲部CP2(より具体的には、第3方向DR3に凸である凸状湾曲部CP2)を有する。また、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2は、第2凹部Q2を有する。第2凹部Q2は、第4方向DR4に凹み、第1方向DR1に延在する。
【0099】
第2凹部Q2の形状は、第1凹部Q1の形状と同様であるため、第2凹部Q2の形状についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0100】
(搬送プレート3の第3例)
図19および
図20に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々の中間部分が有する凹部の形状が、
図14および
図15に記載の例とは異なる。搬送プレート3の第3例において、1群の搬送プレート3の各々の前端部および後端部の形状は、搬送プレート3の第1例における1群の搬送プレート3の各々の前端部および後端部の形状と同様である。よって、1群の搬送プレート3の各々の前端部および後端部の形状についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0101】
図19に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1は、第1凹部Q1を有する。第1凹部Q1は、第4方向DR4に凹み、第1方向DR1に延在する。
【0102】
図19に記載の例では、第1方向DR1に垂直な断面において、第1凹部Q1は、略U字形状を有する。また、第1方向DR1に沿う方向に見て、第1凹部Q1は、略U字形状を有する。
【0103】
図20に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1(より具体的には、第1凹部Q1)は、第4方向DR4に凹む凹状搬送面SD1を有する。凹状搬送面SD1は第1方向DR1に延在する。凹状搬送面SD1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の一部を構成する。
図20に記載の例では、凹状搬送面SD1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略U字弧形状を有する。また、凹状搬送面SD1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略U字形状を有する。
【0104】
図20に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1は、第1凹部Q1とは別に平板部FP1を有する。平板部FP1は、第1方向DR1に延在する。第1中間部分3m-1は、第1平板部FP1-1と、第2平板部FP1-2とを有していてもよい。
【0105】
図20に記載の例では、平板部FP1(より具体的には、第1平板部FP1-1)と第1凹部Q1の前縁とが、屈曲部BC1を介して接続されている。また、
図20に記載の例では、第1凹部Q1の後縁と平板部FP1(より具体的には、第2平板部FP1-2)とが、屈曲部BB1を介して接続されている。
【0106】
図20に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2は、凸状湾曲部CP2(より具体的には、第3方向DR3に凸である凸状湾曲部CP2)を有する。凸状湾曲部CP2は、第1方向DR1に延在する。また、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2は、第2凹部Q2を有する。第2凹部Q2は、第4方向DR4に凹み、第1方向DR1に延在する。
【0107】
第2凹部Q2の形状は、第1凹部Q1の形状と同様であるため、第2凹部Q2の形状についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0108】
(搬送プレート3の第4例)
図14、
図16、
図17、
図19に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1が有する第1凹部Q1の数が1個である。代替的に、
図21に例示されるように、第1中間部分3m-1は、2個以上の第1凹部Q1を有していてもよい。
図21に記載の例では、第1中間部分3m-1は、第1凹部Q1-1と、第1凹部Q1の第2方向DR2側に配置された他の第1凹部Q1-2とを有する。第1凹部Q1-1は、第4方向DR4に凹み、第1方向DR1に延在する。また、他の第1凹部Q1-2は、第4方向DR4に凹み、第1方向DR1に延在する。
【0109】
図21に記載の例では、各第1凹部Q1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略円弧形状を有する。代替的に、各第1凹部Q1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略V字形状または略U字形状を有していてもよい。
【0110】
第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1が、第1凹部Q1-1に加えて、他の第1凹部Q1-2を有する態様は、上述の搬送プレート3の第1例、第2例、第3例、あるいは、後述の搬送プレート3の第5例のいずれにおいても採用可能である。
【0111】
(搬送プレート3の第5例)
図22に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部がレーザ反射層4-1の表面によって構成されている。
図22に記載の例では、第1搬送プレート3-1は、第1ベース部材35-1と、第1ベース部材35-1の少なくとも一部を覆うレーザ反射層4-1とを有する。レーザ反射層4-1は、レーザ反射率が高い材料(例えば、銅)によって構成される。第1ベース部材35-1は、例えば、鉄鋼、より具体的には、熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板または冷間圧延ステンレス鋼板によって構成される。
【0112】
レーザ反射層4-1のレーザ反射率は、第1搬送プレート3-1の第1ベース部材35-1のレーザ反射率よりも高い。なお、第1の実施形態(あるいは、後述の第2の実施形態)において、レーザ照射装置60から射出されるレーザLBの波長は、例えば、1060nm以上1080nm以下である。波長が1060nm以上1080nm以下のレーザに対する、レーザ反射層4-1のレーザ反射率は、例えば、70%以上、80%以上、あるいは、90%以上である。
【0113】
図22に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の一部(例えば、平板部FP1の搬送面)が、レーザ反射層4-1の表面によって構成されている。また、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の他の一部(例えば、凸状搬送面SU1、および/または、凹状搬送面SD1)が、レーザ反射層4-1のレーザ反射率と比較して、レーザ反射率の低い表面(例えば、第1ベース部材35-1の表面35u)によって構成されている。
【0114】
代替的に、
図23に例示されるように、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の全体が、レーザ反射層4-1の表面によって構成されていてもよい。なお、
図23において、レーザ反射層(4-1、4-2)を把握し易くするために、レーザ反射層(4-1、4-2)には、ドットによるハッチングが付加されている。
【0115】
図22に記載の例において、第1搬送面3u-1の少なくとも一部を構成するレーザ反射層4-1(例えば、第1搬送面3u-1の少なくとも一部を構成する銅層)は、レーザ照射装置60から射出されるレーザLBを効果的に反射する。こうして、第1搬送プレート3-1への入熱が抑制され、第1搬送プレート3-1の熱変形および撓みが抑制される。
【0116】
図22に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部がレーザ反射層4-2の表面によって構成されている。
図22に記載の例では、第2搬送プレート3-2は、第2ベース部材35-2と、第2ベース部材35-2の少なくとも一部を覆うレーザ反射層4-2とを有する。レーザ反射層4-2は、レーザ反射率が高い材料(例えば、銅)によって構成される。第2ベース部材35-2は、例えば、鉄鋼、より具体的には、熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板または冷間圧延ステンレス鋼板によって構成される。
【0117】
各搬送プレート3の搬送面3uの少なくとも一部が、レーザ反射層4の表面によって構成される態様は、搬送プレート3の第1例、第2例、第3例、第4例のいずれにおいても採用可能である。
【0118】
(第1凹部Q1のサイズ)
レーザ照射装置60から射出されるレーザLBを横切るように第1搬送プレート3-1が第2方向DR2に移動するとき、第1前端部3f-1へのレーザ照射に起因する撓みと、第1中間部分3m-1へのレーザ照射に起因する撓みとが、実質的に互いに相殺されるように、第1前端部3f-1の第2方向DR2の長さに対する第1凹部Q1の第2方向DR2の長さが設定されていることが好ましい。
【0119】
図24に例示されるように、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、第1搬送プレート3-1の第1凹部Q1のサイズ(換言すれば、第1凹部Q1の第2方向DR2の長さ)は、例えば、第1搬送プレート3-1の凸状湾曲部CP1のサイズ(換言すれば、凸状湾曲部CP1の第2方向DR2の長さ)の1/3倍以上3倍以下、あるいは、1/2倍以上2倍以下である。また、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、第1搬送プレート3-1の凹状搬送面SD1のサイズ(換言すれば、凹状搬送面SD1の第2方向DR2の長さ)は、例えば、第1搬送プレート3-1の凸状搬送面SU1のサイズ(換言すれば、凸状搬送面SU1の第2方向DR2の長さ)の1/3倍以上3倍以下、あるいは、1/2倍以上2倍以下である。なお、
図24において、凹状搬送面SD1を把握し易くするために、凹状搬送面SD1には、斜線によるハッチングが付加されている。また、凸状搬送面SU1を把握し易くするために、凸状搬送面SU1には、ドットによるハッチングが付加されている。
【0120】
図25に記載の例では、凹状搬送面SD1の深さL2(より具体的には、凹状搬送面SD1のうち最も第3方向DR3側に位置する点E5と、凹状搬送面SD1の最深部E6との間の第3方向DR3に沿う方向における距離)は、第1凹部Q1の板厚T1よりも大きい。凹状搬送面SD1の当該深さL2は、例えば、2mm以上、4mm以上、あるいは、6mm以上である。
【0121】
図25に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Aは、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1に隣接配置される他の搬送プレート3-Nを有する。第1搬送プレート3-1は、当該他の搬送プレート3-Nに対して、第1軸(以下、「前方傾動軸AX1」という。)のまわりに相対的に傾動可能である。また、第1搬送プレート3-1は、第2搬送プレート3-2に対して、第2軸(以下、「後方傾動軸AX2」という。)のまわりに相対的に傾動可能である。
【0122】
図25に例示されるように、第1搬送プレート3-1の前方傾動軸AX1および第1搬送プレート3-1の後方傾動軸AX2の両方を含む平面を第1平面PL1と定義する。
図25に記載の例では、凹状搬送面SD1の最深部E6は、第1平面PL1より第4方向DR4側に位置する。
【0123】
凹状搬送面SD1の最深部E6と第1平面PL1との間の距離L3は、例えば、2mm以上、4mm以上、あるいは、6mm以上である。
【0124】
図25に記載の例では、第1凹部Q1の第4方向DR4側の端E7は、第1搬送プレート3-1全体の中で、最も第4方向DR4側に位置する。
【0125】
(周回軌道OBの登り傾斜)
図26に例示されるように、一群の搬送プレート3の周回軌道OBは、加工領域RG1から排出領域RG2に向かうにつれて高さが高くなる登り傾斜CLを含んでいてもよい。周回軌道OBが登り傾斜CLを含む場合、排出領域RG2に、ドロス搬送コンベヤ2AからドロスDを受け取る容器13、あるいは、ドロス搬送コンベヤ2AからドロスDを受け取る第2搬送コンベヤ15(必要であれば、
図32を参照。)を配置し易い。
【0126】
(レーザ加工装置1A)
図1に例示されるように、レーザ加工装置1Aは、ドロス搬送コンベヤ2Aと、レーザ照射装置60と、移動装置7と、制御装置8と、を備える。付加的に、レーザ加工装置1Aは、ワーク支持部材90を備えていてもよい。
【0127】
ドロス搬送コンベヤ2Aについては説明済みであるため、ドロス搬送コンベヤ2Aについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0128】
図27に例示されるように、レーザ照射装置60は、レーザヘッド61を有し、レーザヘッド61はレーザを射出する射出口OPを有する。レーザ照射装置60は、レーザ光源63と、レーザ光源63からレーザヘッド61にレーザを伝達する光学部品65(例えば、光ファイバ等)と、を備えていてもよい。
【0129】
移動装置7は、レーザヘッド61を、ワーク支持部材90に対して、相対移動させる。また、移動装置7は、レーザヘッド61を、ワーク支持部材90に支持されたワークWに対して、相対移動させる。なお、ワーク支持部材90に支持されるワークWは、例えば、板材である。
【0130】
図27に記載の例では、移動装置7は、レーザヘッド61を支持する移動体(71a;73a)と、移動体(71a;73a)を移動させる駆動装置(71b;73b)と、を有する。
【0131】
図27に記載の例では、移動装置7は、第1移動装置71を有する。第1移動装置71は、レーザヘッド61を支持する第1移動体71aと、第1移動体71aを移動させる第1駆動装置71b(例えば、第1モータ)とを有する。
【0132】
図27に記載の例において、第1移動体71aは、Zサドルとして機能し、第1駆動装置71bは、Z軸駆動部として機能する。第1駆動装置71bは、第1移動体71aを、鉛直方向に平行な方向(換言すれば、Z軸方向)に移動させる。より具体的には、第1駆動装置71bは、第1移動体71aがワーク支持部材90に近づくように、第1移動体71aを下方に移動させることができる。また、第1駆動装置71bは、第1移動体71aがワーク支持部材90から遠ざかるように、第1移動体71aを上方に移動させることができる。
【0133】
図27に記載の例では、移動装置7は、第2移動装置73を有する。第2移動装置73は、第2移動体73aと、第2移動体73aを移動させる第2駆動装置73b(例えば、第2モータ)とを有する。第2移動体73aは、第1移動体71aを、鉛直方向に平行な方向に移動可能なように支持する。
【0134】
図27に記載の例において、第2移動体73aは、Yサドルとして機能し、第2駆動装置73bは、Y軸駆動部として機能する。第2駆動装置73bは、第2移動体73aを、水平面に平行な方向(より具体的には、Y軸方向)に移動させる。
【0135】
図28に記載の例では、移動装置7は、第3移動装置75を有する。第3移動装置75は、第3移動体75aと、第3移動体75aを移動させる第3駆動装置75b(例えば、第3モータ)とを有する。第3移動体75aは、第2移動体73aを、Y軸方向に平行な方向に移動可能なように支持する。
【0136】
図28に記載の例において、第3移動体75aは、Xサドルとして機能し、第3駆動装置75bは、X軸駆動部として機能する。第3駆動装置75bは、第3移動体75aを、水平面に平行な方向(より具体的には、Z軸およびY軸に垂直なX軸方向)に移動させる。
【0137】
図27に例示されるように、第3移動体75aは、門型構造体によって構成されていてもよい。
図28に記載の例では、第3移動体75aは、平面視において、加工領域RG1を横切るように移動可能である。第3移動体75aは、ベース70によって、X軸方向に平行な方向に移動可能なように支持されている。
【0138】
図29に記載の例において、ワーク支持部材90は、板材であるワークを支持する剣山を含む。当該剣山は、板材であるワークWを支持する複数の頂部92を有する。
【0139】
図29に記載の例では、ワーク支持部材90は、水平面(例えば、
図29におけるX-Y平面)に対して立ち姿勢となるように配置された複数の板部材91を有する。また、複数の板部材91の各々は、鋸刃状のエッジ部EGを有する。
【0140】
ワーク支持部材90は、水平面に対して立ち姿勢となるように配置された10枚以上の板部材91を有していてもよいし、水平面に対して立ち姿勢となるように配置された20枚以上の板部材91を有していてもよい。各板部材91は、例えば、金属製である。
【0141】
図29に記載の例では、ワーク支持部材90は、移送可能なパレットPTである。パレットPTは、複数の板部材91と、複数の板部材91が取り付けられる枠体93とを有する。枠体93の底部は、底部開口を規定する。ワークWにレーザLBが照射されることによって生成されるドロスDは、隣接する2つの板部材91の間の空間、および、枠体93によって規定される底部開口を通って、ドロス搬送コンベヤ2Aに向かって落下する。
【0142】
図30に例示されるように、レーザ加工装置1Aは、ワーク支持部材90を移送する移送装置11を備えていてもよい。移送装置11は、ワーク支持部材90を加工領域RG1から取出領域RG3に移送する。その後、取出領域RG3に配置されたワーク支持部材90から加工済みワークWb(より具体的には、加工済みの板材)が取り外される。
図31に例示されるように、当該取り外しは、加工済みワークWbを吸着可能な吸盤121を用いて行われてもよいし、加工済みワークWbを掬い上げることが可能なフォークを用いて行われてもよい。代替的に、当該取り外しは、ロボットあるいは作業者によって行われてもよい。
【0143】
図31に記載の例では、レーザ加工装置1Aは、加工前のワーク、および、加工済みワークWbを移送するワーク移送装置12(例えば、ロボットハンド)を有する。ワーク移送装置12は、板材であるワークを移送する板材移送装置12aであってもよい。板材移送装置12aは、板材であるワークを吸着する複数の吸盤121、または、板材であるワークを下方から支持するフォークを有していてもよい。
【0144】
図1に記載の例では、レーザ加工装置1Aは、ドロス搬送コンベヤ2AからドロスDを受け取る容器13を有する。当該容器13は、排出領域RG2において、ドロス搬送コンベヤ2Aの直下に配置されている。
【0145】
レーザ加工装置1Aは、ドロス搬送コンベヤ2AからドロスDを受け取る第2搬送コンベヤ15を有していてもよい。
図32に記載の例では、第2搬送コンベヤ15のドロス搬送面が、排出領域RG2において、ドロス搬送コンベヤ2Aの直下に配置されている。
図32に記載の例では、第2搬送コンベヤ15は、ドロス搬送コンベヤ2Aから受け取ったドロスを、容器13に搬送する。
【0146】
図33に記載の例において、制御装置8は、レーザ照射装置60、移動装置7(例えば、第1駆動装置71b、第2駆動装置73b、第3駆動装置75b)を制御する。制御装置8は、ワーク支持部材90を移送する移送装置11(
図30を参照。)、および/または、ワークWを移送するワーク移送装置12(
図31を参照。)を制御してもよい。また、制御装置8は、ドロス搬送コンベヤ2Aの駆動装置29を制御してもよい。
【0147】
図34に記載の例において、制御装置8は、レーザ照射装置60(例えば、レーザ光源63)に射出指令R1を送信することにより、レーザヘッド61からレーザLBを射出させる。より具体的には、制御装置8は、レーザ照射装置60(例えば、レーザ光源63)に射出指令R1を送信し、射出指令R1を受信するレーザ照射装置60は、レーザヘッド61(より具体的には、レーザヘッド61の射出口)からレーザLBを射出する。
【0148】
図34に記載の例において、制御装置8は、移動装置7に移動指令Sを送信することにより、レーザヘッド61を移動させる。より具体的には、制御装置8は、移動装置7に移動指令Sを送信し、移動指令Sを受信する移動装置7は、レーザヘッド61を移動させる。
【0149】
図34に例示されるように、制御装置8は、ハードウェアプロセッサ80(以下、単に、「プロセッサ80」という。)と、メモリ82と、通信回路84と、入力装置86(例えば、タッチパネル付きディスプレイ862)と、を備える。プロセッサ80と、メモリ82と、通信回路84と、入力装置86とは、バス88を介して互いに接続されている。ワークWの加工に必要なデータ(例えば、ワークWの形状データおよびワークWの加工位置データを含むワークデータ826等)は、入力装置86を介して制御装置8に入力されてもよいし、他のコンピュータから通信回路84を介して制御装置8に入力されてもよい。なお、入力装置86は、タッチパネル付きディスプレイ862に限定されない。例えば、制御装置8は、ボタン、スイッチ、レバー、ポインティングデバイス、キーボード等の入力装置86と、当該入力装置86に入力されたデータ、あるいは、その他の情報を表示するディスプレイと、を備えていてもよい。
【0150】
メモリ82は、ワークデータ826等のデータ、および、加工プログラム822等のプログラムを記憶する。メモリ82は、制御装置8のプロセッサ80によって読み取り可能な記憶媒体である。メモリ82は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリであってもよいし、磁気ディスクであってもよいし、その他の形式のメモリであってもよい。
【0151】
制御装置8のプロセッサ80がメモリ82に記憶された加工プログラム822を実行することにより、制御装置8は制御指令を生成する。また、通信回路84は、当該制御指令を、制御対象機器(より具体的には、レーザ照射装置60、移動装置7、移送装置11、ワーク移送装置12、駆動装置29等)に送信する。こうして、プロセッサ80が加工プログラム822を実行することにより、制御装置8は、レーザ照射装置60、移動装置7、移送装置11、ワーク移送装置12、駆動装置29等を制御することができる。
【0152】
制御装置8は、レーザ照射装置60および移動装置7のうちの少なくとも一方の制御に連動させて、第1群の搬送プレート3の移動速度を制御してもよい。
【0153】
例えば、制御装置8は、レーザ照射装置60がレーザLBの射出を停止している時に、第1群の搬送プレート3が第1速度(ゼロ以外の速度)で移動するように駆動装置29を制御し、レーザ照射装置60がレーザLBを射出する時に、第1群の搬送プレート3が第1速度よりも速い第2速度で移動するように駆動装置29を制御してもよい。
【0154】
例えば、制御装置8は、レーザ照射装置60が射出するレーザLBの出力の大きさ、あるいは、レーザ照射装置60によって行われる加工の種類(例えば、穴開け加工であるか、切断可能であるか等)に応じて、第1群の搬送プレート3の移動速度が変更されるよう、駆動装置29を制御してもよい。
【0155】
(冷却装置95)
図35に例示されるように、レーザ加工装置1Aは、1群の搬送プレート3を強制冷却する冷却装置95を有していてもよい。
【0156】
例えば、レーザ加工装置1Aは、1群の搬送プレート3にエアを吹き付ける空冷式の冷却装置95aを含んでいてもよい。
図35に記載の例では、冷却装置95aは、1群の搬送プレート3の各々の裏面3nにエアを吹き付けるエア噴射装置96を有する。代替的に、あるいは、付加的に、冷却装置95aは、1群の搬送プレート3の各々の搬送面3uにエアを吹き付けるエア噴射装置を有していてもよい。
【0157】
代替的に、あるいは、付加的に、レーザ加工装置1Aは、1群の搬送プレート3を液体によって冷却する液冷式の冷却装置95bを含んでいてもよい。
図35に記載の例では、冷却装置95bは、一群の搬送プレート3の周回軌道が横切るように配置された液槽97(例えば、水槽)を有する。一群の搬送プレート3は、液槽97内の液体(例えば、水)を通過することにより冷却される。さらに、一群の搬送プレート3の表面に付着した液体が、レーザ照射によって気化すること(気化熱)によって、搬送プレート3の昇温が抑制される。
【0158】
(第2の実施形態)
図36乃至
図42を参照して、第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2B、および、レーザ加工装置1Bについて説明する。
図36は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bを模式的に示す概略断面図である。
図37は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図38は、1群の搬送プレート3の一部分を模式的に示す分解斜視図である。
図39は、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2を含む一群の搬送プレート3が周回軌道OBに沿って移動可能な様子を模式的に示す概略斜視図である。
図40は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図41は、1群の搬送プレート3の一部分を模式的に示す分解斜視図である。
図42は、1群の搬送プレート3の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【0159】
第2の実施形態のドロス搬送コンベヤ2Bでは、1群の搬送プレート3の各々が、他の搬送プレートとヒンジ結合されている点において、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aとは異なる。
【0160】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済みの事項を第2の実施形態に適用できることは言うまでもない。逆に、第2の実施形態で説明される全ての事項は、第1の実施形態に適用可能である。
【0161】
図36および
図37に記載の例では、第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Bは、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレート3を具備し、1群の搬送プレート3は、第1方向DR1に延在する第1搬送プレート3-1と、第1搬送プレート3-1に隣接配置され第1方向DR1に延在する第2搬送プレート3-2とを含む。
図38に例示されるように、第1搬送プレート3-1は、第1前端部3f-1と、第1後端部3e-1と、第1前端部3f-1と第1後端部3e-1とを接続する第1中間部分3m-1と、を備える。第1中間部分3m-1は、第1方向DR1に延在する第1凹部Q1を有する。
【0162】
図36に記載の例では、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bは、上述のドロス搬送コンベヤ2Bと、ワークWに向けてレーザを照射するレーザヘッド61を含むレーザ照射装置60と、ワークWを支持するワーク支持部材90に対してレーザヘッド61を相対移動させる移動装置7と、レーザ照射装置60、および、移動装置7を制御する制御装置8と、を備える。
【0163】
よって、第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2B、および、レーザ加工装置1Bは、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2A、および、レーザ加工装置1Aと同様の効果を奏する。
【0164】
図38に例示されるように、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1と第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2とはヒンジ結合される。
図38に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1および第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2の両方を通過するようにロッド(以下、「第2ロッドRD2」という。)が配置されることにより、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1と第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2とがヒンジ結合される。また、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2および第3搬送プレート3-3の第3前端部3f-3の両方を通過するようにロッド(以下、「第3ロッドRD3」という。)が配置されることにより、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2と第3搬送プレート3-3の第3前端部3f-3とがヒンジ結合される。
【0165】
(任意付加的な構成)
続いて、
図1乃至
図42を参照して、第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2B、および、レーザ加工装置1Bにおいて採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0166】
(第1凹部Q1)
図37に記載の例では、第1凹部Q1は、第4方向DR4に凹む凹部である。第1凹部Q1はドロスを搬送する搬送面と、搬送面とは反対側に配置される裏面と、を有する。
【0167】
第1凹部Q1の搬送面は、第4方向DR4に凹む凹状搬送面SD1である。
図37に記載の例では、凹状搬送面SD1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略円弧形状を有する。代替的に、凹状搬送面SD1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略V字形状を有していてもよいし、略U字形状を有していてもよいし、その他の形状を有していてもよい。
【0168】
第1凹部Q1の裏面は、第4方向DR4に突出する突出面SN1である。
図37に記載の例では、突出面SN1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略円弧形状を有する。代替的に、突出面SN1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略V字形状を有していてもよいし、略U字形状を有していてもよいし、その他の形状を有していてもよい。
【0169】
(ドロス搬送コンベヤ2B)
図36に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Bの一部は、レーザ照射装置60の直下に配置されている。また、ドロス搬送コンベヤ2Bの1群の搬送プレート3は、加工領域RG1(より具体的には、レーザ照射装置60の直下の領域)を横切って移動可能なように構成されている。
【0170】
図36に記載の例では、1群の搬送プレート3は、加工領域RG1から排出領域RG2にドロスを搬送する。
図36に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々は、排出領域RG2において、反転する(より具体的には、水平軸まわりに180度ターンする。)。その結果、1群の搬送プレート3によって搬送されるドロスDは、排出領域RG2において、1群の搬送プレート3から排出される。なお、1群の搬送プレート3によって、切り落とし片CF(
図37を参照。)が搬送される場合には、当該切り落とし片CFも、排出領域RG2において、1群の搬送プレート3から排出される。
【0171】
図39に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Bは、第1無端部材21(より具体的には、第1無端チェーン21a)と、第2無端部材22(より具体的には、第2無端チェーン22a)と、駆動装置29と、を備える。第1無端部材21および第2無端部材22は、1群の搬送プレート3を支持する。より具体的には、1群の搬送プレート3は、第1無端部材21および第2無端部材22に取り付けられる。
【0172】
第1無端部材21および第2無端部材22は、駆動装置29によって、直接的または間接的に駆動される。第1無端部材21、第2無端部材22、および、駆動装置29については、第1の実施形態において説明済みであるため、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0173】
(1群の搬送プレート3)
1群の搬送プレート3は、周回軌道OBに沿って移動する。
図39に例示されるように、1群の搬送プレート3の周回軌道OBは、第1無端チェーン21aの第1周回軌道B1と平行であり、第2無端チェーン22aの第2周回軌道B2と平行である。
図36に記載の例では、1群の搬送プレート3は、環状の搬送体を形成するように連なるように配置されている。
【0174】
1群の搬送プレート3の各々の長さは、例えば、1m以上3m以下である。1群の搬送プレート3の各々の幅は、例えば、40mm以上200mm以下である。1群の搬送プレート3の各々の板厚(より具体的には、1群の搬送プレート3の各々の中間部分3mの板厚)は、例えば、5mm以下あるいは3mm以下である。1群の搬送プレート3の各々は、金属製である。1群の搬送プレート3の各々は、例えば、鉄鋼製、より具体的には、熱間圧延軟鋼板製、冷間圧延鋼板製または冷間圧延ステンレス鋼板製である。
【0175】
図38に記載の例では、第1搬送プレート3-1は、第1前端部3f-1と、第1後端部3e-1と、第1前端部3f-1と第1後端部3e-1とを接続する第1中間部分3m-1と、を有する。第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1には、第1ロッドRD1を受容する複数の第1前方受容部30f-1(より具体的には、第1ロッドRD1が挿入される複数の貫通孔部)が形成されている。また、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1には、第2ロッドRD2を受容する複数の第1後方受容部30e-1(より具体的には、第2ロッドRD2が挿入される複数の貫通孔部)が形成されている。
【0176】
図38に記載の例では、第2搬送プレート3-2は、第2前端部3f-2と、第2後端部3e-2と、第2前端部3f-2と第2後端部3e-2とを接続する第2中間部分3m-2と、を有する。第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2には、第2ロッドRD2を受容する複数の第2前方受容部30f-2(より具体的には、第2ロッドRD2が挿入される複数の貫通孔部)が形成されている。また、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2には、第3ロッドRD3を受容する複数の第2後方受容部30e-2(より具体的には、第3ロッドRD3が挿入される複数の貫通孔部)が形成されている。
【0177】
(第1搬送プレート3-1)
図37に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1は、第3方向DR3に凸である凸状搬送面SU1を有する。凸状搬送面SU1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の一部を構成する。
図37に記載の例において、凸状搬送面SU1は、第1前方受容部30f-1の上面である。凸状搬送面SU1は第1方向DR1に延在する。
図37に記載の例では、凸状搬送面SU1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略円弧形状を有する。また、凸状搬送面SU1は、第1方向DR1に垂直な断面において、略円弧形状を有する。
【0178】
第1搬送プレート3-1の凸状搬送面SU1にレーザLBが照射されると、第1前端部3f-1(あるいは、第1搬送プレート3-1)は、熱的に第3方向DR3に撓む。
【0179】
図37に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1(より具体的には、第1凹部Q1)は、第4方向DR4に凹む凹状搬送面SD1を有する。凹状搬送面SD1は第1方向DR1に延在する。
【0180】
第1搬送プレート3-1の凹状搬送面SD1にレーザLBが照射されると、第1中間部分3m-1(あるいは、第1搬送プレート3-1)は、熱的に第4方向DR4に撓む。
【0181】
第1搬送プレート3-1の凸状搬送面SU1にレーザLBが照射されることによって第1前端部3f-1が熱的に撓む方向と、第1凹部Q1(あるいは、凹状搬送面SD1)にレーザLBが照射されることによって第1中間部分3m-1が熱的に撓む方向とが逆であるため、第1搬送プレート3-1全体としての熱変形が抑制される。
【0182】
図37および
図38に記載の例では、第1方向DR1に垂直な断面において、第1凹部Q1、凹状搬送面SD1、および、突出面SN1の各々は、略円弧形状を有する。また、第1方向DR1に沿う方向に見て、第1凹部Q1、凹状搬送面SD1、および、突出面SN1の各々は、略円弧形状を有する。
【0183】
代替的に、
図40および
図41に例示されるように、第1方向DR1に垂直な断面において、第1凹部Q1、凹状搬送面SD1、および、突出面SN1の各々は、略U字形状を有していてもよい。また、第1方向DR1に沿う方向に見て、第1凹部Q1、凹状搬送面SD1、および、突出面SN1の各々は、略U字形状を有していてもよい。更に代替的に、第1方向DR1に沿う方向に見て、第1凹部Q1、凹状搬送面SD1、および、突出面SN1の各々は、略V字形状を有していてもよい。
【0184】
図40に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1は、第1凹部Q1を有する。また、当該第1中間部分3m-1は、第1凹部Q1とは別に平板部FP1を有する。また、第1凹部Q1と平板部FP1とが、屈曲部BC1を介して接続されている。
図41に例示されるように、第1凹部Q1、平板部FP1、および、屈曲部BC1の各々は、第1方向DR1に延在する。
【0185】
図41に例示されるように、第1中間部分3m-1は、第1平板部FP1-1と、第2平板部FP1-2と、第1平板部FP1-1と第2平板部FP1-2との間に配置される第1凹部Q1と、を有していてもよい。
図41に記載の例では、第1平板部FP1-1が第1前端部3f-1に接続され、第2平板部FP1-2が第1後端部3e-1に接続されている。
【0186】
図41に記載の例では、第2搬送プレート3-2、および、第3搬送プレート3-3の各々は、第1搬送プレート3-1と同様の形状を有する。
【0187】
(第1凹部Q1のサイズ)
図42に記載の例では、凹状搬送面SD1の深さL2(より具体的には、凹状搬送面SD1のうち最も第3方向DR3側に位置する点E5と、凹状搬送面SD1の最深部E6との間の第3方向DR3に沿う方向における距離)は、第1凹部Q1の板厚T1よりも大きい。凹状搬送面SD1の当該深さL2は、例えば、2mm以上、4mm以上、あるいは、6mm以上である。
【0188】
図42に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Bは、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1に隣接配置される他の搬送プレート3-Nを有する。第1搬送プレート3-1は、当該他の搬送プレート3-Nに対して、前方傾動軸AX1のまわりに相対的に傾動可能である。また、第1搬送プレート3-1は、第2搬送プレート3-2に対して、後方傾動軸AX2のまわりに相対的に傾動可能である。
【0189】
図42に例示されるように、第1搬送プレート3-1の前方傾動軸AX1および第1搬送プレート3-1の後方傾動軸AX2の両方を含む平面を第1平面PL1と定義する。
図25に記載の例では、凹状搬送面SD1の最深部E6は、第1平面PL1より第4方向DR4側に位置する。
【0190】
凹状搬送面SD1の最深部E6と第1平面PL1との間の距離L3は、例えば、2mm以上、4mm以上、あるいは、6mm以上である。
【0191】
図42に記載の例では、第1凹部Q1の第4方向DR4側の端E7は、第1搬送プレート3-1全体の中で、最も第4方向DR4側に位置する。
【0192】
(レーザ加工装置1B)
図36に例示されるように、レーザ加工装置1Bは、ドロス搬送コンベヤ2Bと、レーザ照射装置60と、移動装置7と、制御装置8と、を備える。付加的に、レーザ加工装置1Bは、ワーク支持部材90を備えていてもよい。レーザ照射装置60、移動装置7、制御装置8、および、ワーク支持部材90については、第1の実施形態において説明済みであるため、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0193】
(第3の実施形態)
図1乃至
図43を参照して、第3の実施形態におけるワーク加工方法について説明する。
図43は、第3の実施形態におけるワーク加工方法の一例を示すフローチャートである。
【0194】
第3の実施形態におけるワーク加工方法は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを用いて行われてもよいし、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bを用いて行われてもよいし、その他のレーザ加工装置を用いて行われてもよい。
【0195】
第1ステップST1において、ワークWが加工される。第1ステップST1は、ワーク加工工程である。ワーク加工工程では、ワークWにレーザLBが照射されることにより、ワークWが加工される。より具体的には、レーザ照射装置60のレーザヘッド61からワークWにレーザLBが照射されることにより、ワークWが加工される。レーザ照射装置60のレーザヘッド61から射出されるレーザLBの波長は、例えば、1060nm以上1080nm以下である。
【0196】
ワーク加工工程(第1ステップST1)において加工されるワークWは、例えば、板材である。ワーク加工工程は、レーザLBを射出するレーザヘッド61を移動させることにより、ワークWをレーザ切断することを含んでいてもよい。また、ワーク加工工程は、一時的に静止状態のレーザヘッド61からレーザLBを射出することにより、ワークWをレーザ穿孔することを含んでいてもよい。ワークWがレーザLBによって加工されることにより、ワークWから製品(例えば、板製品)が形成される。
【0197】
ワーク加工工程(第1ステップST1)において、ワークWにレーザLBが照射されることにより、ワークWからドロスDが生成される。付加的に、ワークWにレーザLBが照射されることにより、ワークWから切り落とし片CFが生成されてもよい。生成されたドロスD、および/または、切り落とし片CFは、加工領域RG1において、下方に落下する。下方に落下するドロスD、および/または、切り落とし片CFは、ドロス搬送コンベヤ2によって受け取られる。
【0198】
ワーク加工工程(第1ステップST1)において、ワークWを通過するレーザLBは、ドロス搬送コンベヤ2に達する。ドロス搬送コンベヤ2に達するレーザLBは、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2を含む1群の搬送プレート3を昇温させる。第1搬送プレート3-1、第2搬送プレート3-2等は、熱膨張によって変形する。
【0199】
第2ステップST2において、ドロスDが搬送される。第2ステップST2は、ドロス搬送工程である。ドロス搬送工程では、第1方向DR1に延在する第1搬送プレート3-1と、第1搬送プレート3-1に隣接配置され第1方向DR1に延在する第2搬送プレート3-2とを含む1群の搬送プレート3を用いて、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成されるドロスDが搬送される。より具体的には、1群の搬送プレート3は、加工領域RG1から排出領域RG2にドロスDを搬送する。
【0200】
図15、
図18、
図20、
図23、
図38、または、
図41に例示されるように、第1搬送プレート3-1は、第1前端部3f-1と、第1後端部3e-1と、第1前端部3f-1と第1後端部3e-1とを接続する第1中間部分3m-1と、を有する。また、第1中間部分3m-1は、第1方向DR1に延在する第1凹部Q1を有する。第2搬送プレート3-2は、第2前端部3f-2と、第2後端部3e-2と、第2前端部3f-2と第2後端部3e-2とを接続する第2中間部分3m-2と、を有する。また、第2中間部分3m-2は、第1方向DR1に延在する第2凹部Q2を有する。
【0201】
第2ステップST2(ドロス搬送工程)は、第1ステップST1(ワーク加工工程)と並列的に実行される。より具体的には、ドロス搬送コンベヤ2が駆動されている状態で(換言すれば、1群の搬送プレート3が周回軌道OBに沿って移動している状態で)、レーザ照射装置60からワークWにレーザLBが照射される。ワークWにレーザLBが照射されることによって、ドロスDおよび/または切り落とし片CFが、断続的または継続的に生成され、生成されたドロスDおよび/または切り落とし片CFは、順次、ドロス搬送コンベヤ2によって搬送される。
【0202】
図14、
図16、
図17、
図19、
図21、
図22、
図37、または、
図40に記載の例において、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、第1凹部Q1にレーザLBが照射されることによって第1中間部分3m-1が熱的に撓む方向が、第1前端部3f-1にレーザLBが照射されることによって第1前端部3f-1が熱的に撓む方向と逆であることにより、第1搬送プレート3-1の熱的な撓みが抑制された状態で実行される(必要であれば、
図6および
図7に示される熱的な撓みの方向を参照。)。よって、第1搬送プレート3-1は、レーザ照射に起因して熱変形するものの、熱塑性変形に至る大きな熱変形は抑制される。
【0203】
また、
図14、
図16、
図17、
図19、
図21、
図22、
図37、または、
図40に記載の例において、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、第2凹部Q2にレーザLBが照射されることによって第2中間部分3m-2が熱的に撓む方向が、第2前端部3f-2にレーザLBが照射されることによって第2前端部3f-2が熱的に撓む方向と逆であることにより、第2搬送プレート3-2の熱的な撓みが抑制された状態で実行される。よって、第2搬送プレート3-2は、レーザ照射に起因して熱変形するものの、熱塑性変形に至る大きな熱変形は抑制される。
【0204】
第3ステップST3において、1群の搬送プレート3が冷却される。第3ステップST3は、冷却工程である。冷却工程(第3ステップST3)は、例えば、自然冷却によって行われる。より具体的には、冷却工程は、ワークWの加工終了後、1群の搬送プレート3が室温に放置されることにより行われる。
【0205】
付加的に、冷却工程は、空冷式の冷却装置95a、および、液冷式の冷却装置95bのうちの少なくとも一方を用いて、1群の搬送プレート3を強制的に冷却することを含んでいてもよい。例えば、
図35に例示されるように、冷却工程は、空冷式の冷却装置95aが一群の搬送プレート3にエアを吹き付けることを含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、冷却工程は、液槽97内の液体(例えば、水)に、一群の搬送プレート3を通過させることを含んでいてもよい。また、冷却工程は、液冷式の冷却装置95bが一群の搬送プレート3に液体(例えば、水)を吹き付けることを含んでいてもよい。
【0206】
空冷式の冷却装置95a、および、液冷式の冷却装置95bのうちの少なくとも一方を用いて、1群の搬送プレート3を強制的に冷却することは、ワーク加工工程(第1ステップST1)およびドロス搬送工程(第2ステップST2)と並列的に実行されてもよい。
【0207】
第3の実施形態におけるワーク加工方法では、第1搬送プレート3-1の熱塑性変形が抑制されるため、冷却工程によって冷却された後の第1搬送プレート3-1は、熱変形前の元の形状に戻る。また、第3の実施形態におけるワーク加工方法では、第2搬送プレート3-2の熱塑性変形が抑制されるため、冷却工程によって冷却された後の第2搬送プレート3-2は、熱変形前の元の形状に戻る。上述の第1ステップST1乃至第3ステップST3が繰り返し実行されることにより、1群の搬送プレート3の各々に多少の塑性変形は生じ得るが、ドロス搬送コンベヤ2の動作に障害が発生する程の塑性変形は避けられる。
【0208】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0209】
1、1A、1B…レーザ加工装置、2、2A、2B…ドロス搬送コンベヤ、3…搬送プレート、3'…搬送プレート、3-1…第1搬送プレート、3-2…第2搬送プレート、3-3…第3搬送プレート、3-N…搬送プレート、3a、3a-1、3a-2、3a-3…左端部、3b、3b-1、3b-2、3b-3…右端部、3e…後端部、3e-1…第1後端部、3e-2…第2後端部、3e-3…第3後端部、3e-N…搬送プレート3-Nの後端部、3f…前端部、3f-1…第1前端部、3f-2…第2前端部、3f-3…第3前端部、3m…中間部分、3m-1…第1中間部分、3m-2…第2中間部分、3m-3…第3中間部分、3n…裏面、3n-1…第1裏面、3n-2…第2裏面、3u…搬送面、3u-1…第1搬送面、3u-2…第2搬送面、4、4-1、4-2…レーザ反射層、7…移動装置、8…制御装置、11…移送装置、12…ワーク移送装置、12a…板材移送装置、13…容器、15…第2搬送コンベヤ、21…第1無端部材、21a…第1無端チェーン、22…第2無端部材、22a…第2無端チェーン、28…スプロケット、28a…第1スプロケット、28b…第2スプロケット、28c…第3スプロケット、28d…第4スプロケット、29…駆動装置、30e-1…第1後方受容部、30e-2…第2後方受容部、30f-1…第1前方受容部、30f-2…第2前方受容部、35-1…第1ベース部材、35-2…第2ベース部材、35u…第1ベース部材の表面、60…レーザ照射装置、61…レーザヘッド、63…レーザ光源、65…光学部品、70…ベース、71…第1移動装置、71a…第1移動体、71b…第1駆動装置、73…第2移動装置、73a…第2移動体、73b…第2駆動装置、75…第3移動装置、75a…第3移動体、75b…第3駆動装置、80…ハードウェアプロセッサ、82…メモリ、84…通信回路、86…入力装置、88…バス、90…ワーク支持部材、91…板部材、92…頂部、93…枠体、95、95a、95b…冷却装置、96…エア噴射装置、97…液槽、121…吸盤、822…加工プログラム、826…ワークデータ、862…タッチパネル付きディスプレイ、AX1…前方傾動軸、AX2…後方傾動軸、B1…第1周回軌道、B2…第2周回軌道、BA1…第1屈曲部、BA2…第2屈曲部、BB1、BB2、BC1…屈曲部、BT…ボルト、C1…境界部、CF…切り落とし片、CL…登り傾斜、CP、CP1、CP2…凸状湾曲部、D…ドロス、DR1…第1方向、DR2…第2方向、DR3…第3方向、DR4…第4方向、E1…搬送プレート3-Nの後端縁、E2…第2搬送プレートの前方先端縁、E3…第1搬送プレートの後端縁、E4…第3搬送プレートの前方先端縁、E5…凹状搬送面のうち最も第3方向側に位置する点、E6…凹状搬送面の最深部、E7…第1凹部の第4方向側の端、EG…エッジ部、FP1…平板部、FP1-1…第1平板部、FP1-2…第2平板部、FP2…平板部、G1…第1周回軌道と第2周回軌道との間の間隔、L1…第1搬送プレートの長さ、L2…凹状搬送面の深さ、L3…凹状搬送面の最深部と第1平面との間の距離、LB…レーザ、OB…周回軌道、OP…射出口、PL1…第1平面、PT…パレット、Q1、Q1-1、Q1-2…第1凹部、Q2…第2凹部、QP1、QP2…凹状湾曲部、R1…射出指令、RD1…第1ロッド、RD2…第2ロッド、RD3…第3ロッド、RG1…加工領域、RG2…排出領域、RG3…取出領域、S…移動指令、SD1、SD2…凹状搬送面、SN1…突出面、SU1、SU2…凸状搬送面、T1…第1凹部の板厚、TP…立設部、TP1…第1立設部、TP2…第2立設部、W…ワーク、Wb…加工済みワーク、W1…第1搬送プレートの幅、W2…第2搬送プレートの幅、h1、h2…孔部
【要約】
ドロス搬送コンベヤは、第1方向に延在する第1搬送プレートと、第1搬送プレートに隣接配置され第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートを具備する。第1搬送プレートは、第1前端部と、第1後端部と、第1方向に延在する第1凹部を有し、第1前端部と第1後端部とを接続する第1中間部分と、を備える。