(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】ドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法
(51)【国際特許分類】
B23K 26/16 20060101AFI20240514BHJP
B23K 26/70 20140101ALI20240514BHJP
【FI】
B23K26/16
B23K26/70
(21)【出願番号】P 2024518696
(86)(22)【出願日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 JP2023046603
【審査請求日】2024-03-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114787
【氏名又は名称】ヤマザキマザック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】道中 健吾
(72)【発明者】
【氏名】小林 容志
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 智
(72)【発明者】
【氏名】田原 誠
【審査官】山内 隆平
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-119502(JP,A)
【文献】実開平5-84485(JP,U)
【文献】特開2007-075848(JP,A)
【文献】特開2014-005111(JP,A)
【文献】特開2004-066341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/16
B23K 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、
前記第1搬送プレートの少なくとも一部を覆い、前記レーザのエネルギに起因して前記第1搬送プレートが昇温されることを抑制する第1昇温抑制表面と、
前記第2搬送プレートの少なくとも一部を覆い、前記レーザの前記エネルギに起因して前記第2搬送プレートが昇温されることを抑制する第2昇温抑制表面と
を具備
し、
前記第1昇温抑制表面は、前記第1搬送プレートの第1裏面の少なくとも一部を覆う第1熱伝導層の表面を含み、
前記第1熱伝導層の熱伝導率は、前記第1搬送プレートの熱伝導率よりも高い
ドロス搬送コンベヤ。
【請求項2】
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、
前記第1搬送プレートの少なくとも一部を覆い、前記レーザのエネルギに起因して前記第1搬送プレートが昇温されることを抑制する第1昇温抑制表面と、
前記第2搬送プレートの少なくとも一部を覆い、前記レーザの前記エネルギに起因して前記第2搬送プレートが昇温されることを抑制する第2昇温抑制表面と
を具備し、
前記第1搬送プレートの主材料は鉄鋼であり、
前記第1昇温抑制表面は、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金によって構成されている
ドロス搬送コンベヤ。
【請求項3】
前記第1熱伝導層は、銅メッキ層、アルミメッキ層、または、放熱シートによって構成されている
請求項
1に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項4】
前記第1昇温抑制表面は、前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆う第1レーザ反射層の表面を含む
請求項
1乃至3のいずれか一項に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項5】
前記第1昇温抑制表面は、前記第1搬送プレートの第1中間部分の裏面の少なくとも一部に接触配置される第1放熱部材の表面を含む
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項6】
前記第1放熱部材は、複数の放熱突起、または、複数の放熱フィンを含む
請求項
5に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項7】
前記第1搬送プレートの後端部と前記第2搬送プレートの前端部とが重なるように配置される
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項8】
前記第1搬送プレートの後端部と前記第2搬送プレートの前端部とがヒンジ結合される
請求項1乃至
3のいずれか一項に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項9】
ワークに向けてレーザを照射するレーザヘッドを含むレーザ照射装置と、
前記ワークを支持するワーク支持部材に対して前記レーザヘッドを相対移動させる移動装置と、
前記レーザ照射装置、および、前記移動装置を制御する制御装置と、
ドロス搬送コンベヤと
を具備し、
前記ドロス搬送コンベヤは、
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、
前記第1搬送プレートの少なくとも一部を覆い、前記レーザのエネルギに起因して前記第1搬送プレートが昇温されることを抑制する第1昇温抑制表面と、
前記第2搬送プレートの少なくとも一部を覆い、前記レーザの前記エネルギに起因して前記第2搬送プレートが昇温されることを抑制する第2昇温抑制表面と
を備
え、
前記第1昇温抑制表面は、前記第1搬送プレートの第1裏面の少なくとも一部を覆う第1熱伝導層の表面を含み、
前記第1熱伝導層の熱伝導率は、前記第1搬送プレートの熱伝導率よりも高い
レーザ加工装置。
【請求項10】
ワークに向けてレーザを照射するレーザヘッドを含むレーザ照射装置と、
前記ワークを支持するワーク支持部材に対して前記レーザヘッドを相対移動させる移動装置と、
前記レーザ照射装置、および、前記移動装置を制御する制御装置と、
ドロス搬送コンベヤと
を具備し、
前記ドロス搬送コンベヤは、
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、
前記第1搬送プレートの少なくとも一部を覆い、前記レーザのエネルギに起因して前記第1搬送プレートが昇温されることを抑制する第1昇温抑制表面と、
前記第2搬送プレートの少なくとも一部を覆い、前記レーザの前記エネルギに起因して前記第2搬送プレートが昇温されることを抑制する第2昇温抑制表面と
を備え、
前記第1搬送プレートの主材料は鉄鋼であり、
前記第1昇温抑制表面は、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金によって構成されている
レーザ加工装置。
【請求項11】
1群の前記搬送プレートを強制冷却する冷却装置を備える
請求項
9または10に記載のレーザ加工装置。
【請求項12】
ワークにレーザを照射することにより、前記ワークを加工する工程と、
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含む1群の搬送プレートを用いて、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する工程と
を具備し、
前記ワークを加工する工程は、
前記レーザのエネルギに起因して前記第1搬送プレートが昇温されることが、前記第1搬送プレートの少なくとも一部を覆う第1昇温抑制表面によって抑制された状態、且つ、
前記レーザの前記エネルギに起因して前記第2搬送プレートが昇温されることが、前記第2搬送プレートの少なくとも一部を覆う第2昇温抑制表面によって抑制された状態
で実行さ
れ、
前記第1昇温抑制表面は、前記第1搬送プレートの第1裏面の少なくとも一部を覆う第1熱伝導層の表面を含み、
前記第1熱伝導層の熱伝導率は、前記第1搬送プレートの熱伝導率よりも高い
ワーク加工方法。
【請求項13】
空冷式の冷却装置、および、液冷式の冷却装置のうちの少なくとも一方を用いて、1群の前記搬送プレートを強制的に冷却する工程を具備し、
1群の前記搬送プレートを強制的に冷却する工程は、前記ワークを加工する工程、および、前記ドロスを搬送する工程と並列的に実行される
請求項
12に記載のワーク加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チップコンベヤを備えたレーザ加工機が知られている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、レーザ加工機のチップコンベヤが開示されている。特許文献1に記載のチップコンベヤは、コンベヤベルトを構成する多数のプレートを有する。各プレートは、ジョイントにより、他のプレートに折曲自在に連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実願平3-19091号(実開平4-108984号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、搬送プレートの熱変形を抑制可能なドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態におけるドロス搬送コンベヤは、第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、前記第1搬送プレートの少なくとも一部を覆い、前記レーザのエネルギに起因して前記第1搬送プレートが昇温されることを抑制する第1昇温抑制表面と、前記第2搬送プレートの少なくとも一部を覆い、前記レーザの前記エネルギに起因して前記第2搬送プレートが昇温されることを抑制する第2昇温抑制表面と、を具備する。
【0007】
いくつかの実施形態におけるドロス搬送コンベヤは、第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートを具備する。前記第1搬送プレートの主材料は、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金であり、前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部が、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金によって構成される。前記第2搬送プレートの主材料は、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金であり、前記第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部が、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金によって構成される。
【0008】
いくつかの実施形態におけるレーザ加工装置は、ワークに向けてレーザを照射するレーザヘッドを含むレーザ照射装置と、前記ワークを支持するワーク支持部材に対して前記レーザヘッドを相対移動させる移動装置と、前記レーザ照射装置、および、前記移動装置を制御する制御装置と、ドロス搬送コンベヤと、を具備する。前記ドロス搬送コンベヤは、第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、前記第1搬送プレートの少なくとも一部を覆い、前記レーザのエネルギに起因して前記第1搬送プレートが昇温されることを抑制する第1昇温抑制表面と、前記第2搬送プレートの少なくとも一部を覆い、前記レーザの前記エネルギに起因して前記第2搬送プレートが昇温されることを抑制する第2昇温抑制表面と、を備える。
【0009】
いくつかの実施形態におけるワーク加工方法は、ワークにレーザを照射することにより、前記ワークを加工する工程と、第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含む1群の搬送プレートを用いて、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する工程と、を具備する。前記ワークを加工する工程は、前記レーザのエネルギに起因して前記第1搬送プレートが昇温されることが、前記第1搬送プレートの少なくとも一部を覆う第1昇温抑制表面によって抑制された状態で実行される。前記ワークを加工する工程は、前記レーザの前記エネルギに起因して前記第2搬送プレートが昇温されることが、前記第2搬送プレートの少なくとも一部を覆う第2昇温抑制表面によって抑制された状態で実行される。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、搬送プレートの熱変形を抑制可能なドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略断面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図3】
図3は、比較例におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略斜視図である。
【
図5】
図5は、第1搬送プレートおよび第2搬送プレートを含む一群の搬送プレートが周回軌道に沿って移動可能な様子を模式的に示す概略斜視図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤを模式的に示す概略斜視図である。
【
図7】
図7は、1群の搬送プレートの一部分を模式的に示す分解斜視図である。
【
図8】
図8は、第1搬送プレートが、第1無端チェーンおよび第2無端チェーンに取り付けられた様子を模式的に示す図である。
【
図9】
図9は、第1搬送プレートおよび第2搬送プレートについて説明するための概略断面図である。
【
図10】
図10は、第1搬送プレートおよび第2搬送プレートについて説明するための概略斜視図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤの転向部を拡大して示す概略断面図である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図13】
図13は、昇温抑制表面の第1例について説明するための概略斜視図である。
【
図14】
図14は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図15】
図15は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図16】
図16は、昇温抑制表面の第2例について説明するための概略斜視図である。
【
図17】
図17は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図18】
図18は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図19】
図19は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図20】
図20は、昇温抑制表面の第4例について説明するための概略斜視図である。
【
図21】
図21は、昇温抑制表面の第4例について説明するための概略斜視図である。
【
図22】
図22は、昇温抑制表面の第4例について説明するための概略斜視図である。
【
図23】
図23は、昇温抑制表面の第4例について説明するための概略斜視図である。
【
図24】
図24は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図25】
図25は、1群の搬送プレートの周回軌道が登り傾斜を含む様子を模式的に示す概略断面図である。
【
図26】
図26は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略側面図である。
【
図27】
図27は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略平面図である。
【
図28】
図28は、ワーク支持部材の一例を模式的に示す概略斜視図である。
【
図29】
図29は、第1の実施形態の第1変形例におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略斜視図である。
【
図30】
図30は、ワーク支持部材から加工済みワークが取り外される様子を模式的に示す概略平面図である。
【
図31】
図31は、第1の実施形態の第2変形例におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略斜視図である。
【
図32】
図32は、制御装置が複数の制御対象機器を制御可能な様子を模式的に示す図である。
【
図33】
図33は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略側面図である。
【
図34】
図34は、冷却装置を含むレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図35】
図35は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略断面図である。
【
図36】
図36は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図37】
図37は、1群の搬送プレートの一部分を模式的に示す分解斜視図である。
【
図38】
図38は、第1搬送プレートおよび第2搬送プレートを含む一群の搬送プレートが周回軌道に沿って移動可能な様子を模式的に示す概略斜視図である。
【
図39】
図39は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図40】
図40は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図41】
図41は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【
図42】
図42は、第3の実施形態におけるワーク加工方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2、レーザ加工装置1、および、ワーク加工方法について説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部位、部材については同一の符号を付し、同一の符号が付された部位、部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0013】
(用語の定義)
図2に例示されるように、1群の搬送プレート3の各々は、搬送面3uを有する。本明細書において、搬送面とは、ドロス搬送時に直接的または間接的にドロスを支持する面を意味する。より具体的には、搬送面3uは、ドロス搬送時に、概ね上方を向く面である。
【0014】
図2に例示されるように、1群の搬送プレート3の各々は、裏面3nを有する。本明細書において、裏面とは、各搬送プレートにおいて、搬送面3uとは反対側の面を意味する。より具体的には、裏面3nは、ドロス搬送時に、概ね下方を向く面である。
【0015】
本明細書において、レーザ照射装置60から射出されるレーザが到達可能な領域のことを「加工領域RG1」と定義する(
図1を参照。)。加工領域RG1に配置されるワークWは、レーザによって加工される(より具体的には、切断または穿孔される。)。ワークWにレーザが照射されることによって生成されるドロスは、加工領域RG1において、1群の搬送プレート3によって受け取られる。
【0016】
(方向の定義)
本明細書において、第1搬送プレート3-1の延在方向(あるいは、各搬送プレート3の延在方向)を、第1方向DR1と定義する。本明細書において、1群の搬送プレート3の移動方向(あるいは、各搬送プレート3の移動方向)を、第2方向DR2と定義する。
図5に例示されるように、本明細書において、1群の搬送プレート3の周回軌道OBの内側(
図5においてドットによるハッチングが付加された部分を参照。)から、当該周回軌道OBの外側に向かう方向を第3方向DR3と定義し、第3方向DR3とは反対の方向を第4方向DR4と定義する。
図2に例示されるように、第3方向DR3は、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1から第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1に向かう方向である。また、第3方向DR3は、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2から第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2に向かう方向である。
図2に例示されるように、第4方向DR4は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1から第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1に向かう方向である。また、第4方向DR4は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2から第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2に向かう方向である。
【0017】
(第1の実施形態)
図1乃至
図34を参照して、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2A、および、レーザ加工装置1Aについて説明する。
図1は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略断面図である。
図2は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図3は、比較例におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
図4は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。
図5は、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2を含む一群の搬送プレート3が周回軌道OBに沿って移動可能な様子を模式的に示す概略斜視図である。
図6は、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aを模式的に示す概略斜視図である。
図7は、1群の搬送プレート3の一部分を模式的に示す分解斜視図である。
図8は、第1搬送プレート3-1が、第1無端チェーン21aおよび第2無端チェーン22aに取り付けられた様子を模式的に示す図である。
図9は、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2について説明するための概略断面図である。
図10は、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2について説明するための概略斜視図である。
図11は、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aの転向部を拡大して示す概略断面図である。
図12は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図13は、昇温抑制表面の第1例について説明するための概略斜視図である。
図14は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図15は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図16は、昇温抑制表面の第2例について説明するための概略斜視図である。
図17は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図18は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図19は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図20乃至
図23は、昇温抑制表面の第4例について説明するための概略斜視図である。
図24は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図25は、1群の搬送プレート3の周回軌道OBが登り傾斜CLを含む様子を模式的に示す概略断面図である。
図26は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略側面図である。
図27は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略平面図である。
図28は、ワーク支持部材90の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図29は、第1の実施形態の第1変形例におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。
図30は、ワーク支持部材90から加工済みワークWbが取り外される様子を模式的に示す概略平面図である。
図31は、第1の実施形態の第2変形例におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。
図32は、制御装置8が複数の制御対象機器を制御可能な様子を模式的に示す図である。
図33は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略側面図である。
図34は、冷却装置95を含むレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
【0018】
図2に例示されるように、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aは、1群の搬送プレート3を備える。
【0019】
1群の搬送プレート3は、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成されるドロスDを搬送する。1群の搬送プレート3は、ドロスDに加えて、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成される切り落とし片CFを搬送してもよい。
【0020】
なお、本明細書において、ドロスとは、レーザが照射されることにより溶解された材料(より具体的には、金属材料)の固化によって形成される不規則形状の塊(換言すれば、無作為形状の塊)を意味するものとする。
【0021】
1群の搬送プレート3は、第1方向DR1に延在する第1搬送プレート3-1と、第1方向DR1に延在する第2搬送プレート3-2と、を含む。1群の搬送プレート3の各々は、第1方向DR1を長手方向とする細長いプレートである。
図2に記載の例では、第2搬送プレート3-2は、第1搬送プレート3-1に隣接配置されている。
【0022】
図2に記載の例において、ワークWを通過するレーザLBは、ドロス搬送コンベヤ2Aに達する。
図3に例示されるように、搬送プレート3にレーザLBが達すると、当該搬送プレート3が熱変形する。
図3に記載の例では、複数の搬送プレート3の各々にレーザLBが達することに起因して、複数の搬送プレート3が不規則に第3方向DR3に撓んでいる(より具体的には、熱変形によって撓んでいる。)。搬送プレート3は、過度な撓みが抑制されるように設計されており、熱変形に対しても十分な耐性がある。特に、
図3に示されるような形状の搬送プレート3は、曲げ剛性が高く、撓みにくい。しかし、レーザLBの出力がより高くされ、あるいは、レーザLBのエネルギ密度がより大きくされると、
図3に示されるような形状の搬送プレート3であっても、熱変形が過大となる可能性がある。また、搬送プレート3の熱変形が過大になると、1群の搬送プレート3の円滑な移動が妨げられる可能性がある。
【0023】
図2に例示されるように、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aは、第1昇温抑制表面4-1と、第2昇温抑制表面4-2と、を備える。
【0024】
第1昇温抑制表面4-1は、第1搬送プレート3-1の表面の少なくとも一部を覆う。また、第1昇温抑制表面4-1は、レーザLBのエネルギに起因して第1搬送プレート3-1が昇温されることを抑制する。
図2に記載の例では、第1昇温抑制表面4-1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部を覆う第1レーザ反射層4r-1の表面を含む。
【0025】
第2昇温抑制表面4-2は、第2搬送プレート3-2の表面の少なくとも一部を覆う。また、第2昇温抑制表面4-2は、レーザLBのエネルギに起因して第2搬送プレート3-2が昇温されることを抑制する。
図2に記載の例では、第2昇温抑制表面4-2は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部を覆う第2レーザ反射層4r-2の表面を含む。
【0026】
第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aにおいて、第1搬送面3u-1の少なくとも一部を覆う第1レーザ反射層4r-1は、レーザ照射装置60から射出されるレーザLBを効果的に反射する。こうして、第1搬送プレート3-1への入熱が抑制され、第1搬送プレート3-1の熱変形および撓みが抑制される。また、第2搬送面3u-2の少なくとも一部を覆う第2レーザ反射層4r-2は、レーザ照射装置60から射出されるレーザLBを効果的に反射する。こうして、第2搬送プレート3-2への入熱が抑制され、第2搬送プレート3-2の熱変形および撓みが抑制される。よって、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2を含む1群の搬送プレート3を円滑に移動させることができる。
【0027】
図1に例示されるように、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aは、上述のドロス搬送コンベヤ2Aと、ワークWに向けてレーザLBを照射するレーザヘッド61を含むレーザ照射装置60と、ワークWを支持するワーク支持部材90に対してレーザヘッド61を相対移動させる移動装置7と、レーザ照射装置60、および、移動装置7を制御する制御装置8と、を備える。なお、1つのコンピュータが制御装置8として機能してもよいし、複数のコンピュータが協働して、制御装置8として機能してもよい。
【0028】
第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aは、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aと同様の効果を奏する。
【0029】
(任意付加的な構成)
続いて、
図1乃至
図34を参照して、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2A、および、レーザ加工装置1A(あるいは、後述の第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2B、および、レーザ加工装置1B)において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0030】
(ドロス搬送コンベヤ2A)
図1に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Aの一部は、レーザ照射装置60の直下に配置されている。また、ドロス搬送コンベヤ2Aの1群の搬送プレート3は、加工領域RG1(より具体的には、レーザ照射装置60の直下の領域)を横切って移動可能なように構成されている。
【0031】
図1に記載の例では、1群の搬送プレート3は、加工領域RG1から排出領域RG2にドロスを搬送する。
図1に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々は、排出領域RG2において、反転する(より具体的には、水平軸まわりに180度ターンする。)。その結果、1群の搬送プレート3によって搬送されるドロスDは、排出領域RG2において、1群の搬送プレート3から容器13へ排出される。なお、1群の搬送プレート3によって、切り落とし片CF(
図2を参照。)が搬送される場合には、当該切り落とし片CFも、排出領域RG2において、1群の搬送プレート3から容器13へ排出される。
【0032】
図4に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Aは、第1無端部材21と、第2無端部材22と、駆動装置29と、を備える。第1無端部材21および第2無端部材22は、1群の搬送プレート3を支持する。より具体的には、1群の搬送プレート3は、第1無端部材21および第2無端部材22に取り付けられる。
【0033】
第1無端部材21および第2無端部材22は、駆動装置29によって、直接的または間接的に駆動される。より具体的には、第1無端部材21は、第1周回軌道B1(
図5を参照。)に沿って進行するように、駆動装置29によって、直接的または間接的に駆動され、第2無端部材22は、第1周回軌道B1に平行な第2周回軌道B2(
図5を参照。)に沿って進行するように、駆動装置29によって、直接的または間接的に駆動される。第1周回軌道B1と第2周回軌道B2との間の間隔G1(換言すれば、第1方向DR1に沿う方向における第1周回軌道B1と第2周回軌道B2との間の距離)は、例えば、1m以上3m以下である。
【0034】
図6に記載の例では、第1無端部材21は、第1無端チェーン21aであり、第2無端部材22は、第2無端チェーン22aである。
図6に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2は、第1スプロケット28a、第2スプロケット28b、第3スプロケット28c、および、第4スプロケット28dを含む複数のスプロケット28を有する。第1無端チェーン21aは、少なくとも、第1スプロケット28aおよび第2スプロケット28bに係合している(より具体的には、第1無端チェーン21aは、少なくとも、第1スプロケット28aおよび第2スプロケット28bに掛け回されている。)。また、第2無端チェーン22aは、少なくとも、第3スプロケット28cおよび第4スプロケット28dに係合している(より具体的には、第2無端チェーン22aは、少なくとも、第3スプロケット28cおよび第4スプロケット28dに掛け回されている。)。
【0035】
図6に記載の例では、第1無端チェーン21aは、少なくとも第1スプロケット28aを介して、駆動装置29によって駆動され、第2無端チェーン22aは、少なくとも第3スプロケット28cを介して、駆動装置29によって駆動される。
【0036】
1群の搬送プレート3は、周回軌道OBに沿って移動する。
図5に例示されるように、1群の搬送プレート3の周回軌道OBは、第1無端チェーン21aの第1周回軌道B1と平行であり、第2無端チェーン22aの第2周回軌道B2と平行である。
【0037】
(1群の搬送プレート3)
図2に例示されるように、1群の搬送プレート3の各々は、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成される複数片のドロスDの一部を搬送し、レーザLBによって昇温される。例えば、第1搬送プレート3-1、および、第2搬送プレート3-2の各々は、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成される複数片のドロスDの一部を搬送し、レーザLBによって昇温される。1群の搬送プレート3の各々は、1つの部品によって構成されていてもよく、複数の部品のアセンブリによって構成されていてもよい。
【0038】
図2に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Aは、第1搬送プレート3-1、第2搬送プレート3-2、および、第3搬送プレート3-3を含む1群の搬送プレート3を有する。1群の搬送プレート3の各々は、第1方向DR1に沿って延在する。1群の搬送プレート3に含まれる搬送プレート3の数は、例えば、20個以上、50個以上、あるいは、80個以上である。本明細書において、1群の搬送プレート3に含まれる搬送プレート3の数を「N」と定義する。「N」は、例えば、20以上の自然数である。
【0039】
「K」を、1以上「N-1」以下の任意の自然数と定義するとき、第K+1搬送プレートは、第K搬送プレートに隣接配置される。また、第1搬送プレート3-1は、第N搬送プレートに隣接配置される。こうして、1群の搬送プレート3は、全体として環状に配置される。例えば、第2搬送プレート3-2は、第1搬送プレート3-1に隣接配置されるとともに、第3搬送プレート3-3に隣接配置される。
【0040】
1群の搬送プレート3の各々は、前端部3fと、後端部3eと、前端部3fと後端部3eとを接続する中間部分3mと、を有する。なお、
図2に記載の例において、各搬送プレート3の前端部3fは、移動方向前方側の端部(換言すれば、第2方向DR2側の端部)であり、各搬送プレート3の後端部3eは、移動方向後方側の端部(換言すれば、第2方向DR2とは反対側の端部)である。
【0041】
図2に記載の例では、各搬送プレート3の前端部3fは、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、隣接配置される他の1つの搬送プレート3の後端部3eと重なるように配置され、各搬送プレート3の後端部3eは、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、隣接配置される他の別の1つの搬送プレートの前端部3fと重なるように配置される。
【0042】
例えば、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1は、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、他の搬送プレート3-Nの後端部3e-Nと重なるように配置される。より具体的には、他の搬送プレート3-Nの後端部3e-Nは、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1によって覆われる。
【0043】
例えば、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1は、平面視において(換言すれば、第4方向DR4に沿う方向に見て)、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2と重なるように配置される。より具体的には、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1は、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2によって覆われる。
【0044】
例えば、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2は、平面視において、第3搬送プレート3-3の第3前端部3f-3と重なるように配置される。より具体的には、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2は、第3搬送プレート3-3の第3前端部3f-3によって覆われる。
【0045】
図7に例示されるように、1群の搬送プレート3の各々は、左端部3aと、右端部3bとを有する。
図7に記載の例において、各搬送プレート3の左端部3aは、当該搬送プレート3の搬送面3uを後端部3eから前端部3fに向かう方向に見て、左側の端部であり、各搬送プレート3の右端部3bは、当該搬送プレート3の搬送面3uを後端部3eから前端部3fに向かう方向に見て、右側の端部である。
【0046】
第1搬送プレート3-1は、第1前端部3f-1と、第1後端部3e-1と、第1前端部3f-1と第1後端部3e-1とを接続する第1中間部分3m-1と、左端部3a-1と、右端部3b-1と、を有する。
【0047】
第2搬送プレート3-2は、第2前端部3f-2と、第2後端部3e-2と、第2前端部3f-2と第2後端部3e-2とを接続する第2中間部分3m-2と、左端部3a-2と、右端部3b-2と、を有する。
【0048】
第3搬送プレート3-3は、第3前端部3f-3と、第3後端部3e-3と、第3前端部3f-3と第3後端部3e-3とを接続する第3中間部分3m-3と、左端部3a-3と、右端部3b-3と、を有する。
【0049】
1群の搬送プレート3の各々の長さ(より具体的には、第1方向DR1に沿う方向における長さ)は、例えば、1m以上3m以下である。第1搬送プレート3-1の長さL1は、例えば、1m以上3m以下であり、第2搬送プレート3-2の長さは、例えば、1m以上3m以下である。
【0050】
1群の搬送プレート3の各々の幅(より具体的には、1群の搬送プレート3の各々の第2方向DR2に沿う方向における幅)は、例えば、40mm以上200mm以下である。第1搬送プレート3-1の幅W1は、例えば、40mm以上200mm以下であり、第2搬送プレート3-2の幅W2は、例えば、40mm以上200mm以下である。
【0051】
1群の搬送プレート3の各々の板厚は、例えば、5mm以下または3mm以下である。
図7に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1の板厚は、略一定であり、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1の板厚は、略一定である。また、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1の板厚は、略一定である。
図7に記載の例では、第1搬送プレート3-1の板厚は、全体として、略一定である。
【0052】
1群の搬送プレート3の各々は、金属製である。1群の搬送プレート3の各々は、例えば、鉄鋼製、より具体的には、熱間圧延軟鋼板製、冷間圧延鋼板製または冷間圧延ステンレス鋼板製である。
【0053】
1群の搬送プレート3の各々の左端部3aは、第1無端部材21(より具体的には、第1無端チェーン21a)に取り付けられる。また、1群の搬送プレート3の各々の右端部3bは、第2無端部材22(より具体的には、第2無端チェーン22a)に取り付けられる。
【0054】
図7に記載の例では、第1搬送プレート3-1の左端部3a-1には、ボルトを挿入可能な孔部h1が形成され、第1搬送プレート3-1の右端部3b-1には、ボルトを挿入可能な孔部h2が形成されている。
図8に記載の例では、第1搬送プレート3-1の左端部3a-1は、ボルトBTを介して、第1無端チェーン21aに取り付けられ、第1搬送プレート3-1の右端部3b-1は、ボルトBTを介して、第2無端チェーン22aに取り付けられる。
図2から把握されるように、第1搬送プレート3-1は隣接する他の搬送プレートに結合していない。よって、第1搬送プレート3-1の損傷時に、第1搬送プレート3-1を新たな第1搬送プレートに交換するのが容易である。
【0055】
図9に記載の例では、第1搬送プレート3-1は、第1搬送面3u-1と、第1裏面3n-1とを有する。
【0056】
第1搬送面3u-1は、第1搬送プレート3-1によるドロス搬送時に、直接的に、あるいは、第1レーザ反射層等を介して間接的に、ドロスを支持する。第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1は、第1搬送プレート3-1によるドロス搬送時に、概ね上方を向く。第1裏面3n-1は、第1搬送プレート3-1において、第1搬送面3u-1とは反対側に配置される面である。第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1は、第1搬送プレート3-1によるドロス搬送時に、第1搬送面3u-1の下方に位置する面である。第1裏面3n-1は、第1搬送プレート3-1によるドロス搬送時に、概ね下方を向く。
【0057】
図9に記載の例では、第2搬送プレート3-2は、第2搬送面3u-2と、第2裏面3n-2とを有する。
【0058】
第2搬送面3u-2は、第2搬送プレート3-2によるドロス搬送時に、直接的に、あるいは、第2レーザ反射層等を介して間接的に、ドロスを支持する。第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2は、第2搬送プレート3-2によるドロス搬送時に、概ね上方を向く。第2裏面3n-2は、第2搬送プレート3-2において、第2搬送面3u-2とは反対側に配置される面である。第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2は、第2搬送プレート3-2によるドロス搬送時に、第2搬送面3u-2の下方に位置する面である。第2裏面3n-2は、第2搬送プレート3-2によるドロス搬送時に、概ね下方を向く。
【0059】
図9に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々の前端部3fは、第1方向DR1に延在する凸状湾曲部CPを有する。
【0060】
例えば、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1は、第1方向DR1に延在する凸状湾曲部CP1を有する。また、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1は、第1方向DR1に延在する凸状搬送面SU1を有する。凸状搬送面SU1は、凸状湾曲部CP1の第3方向DR3側の面である。
図10に記載の例において、凸状搬送面SU1は、第3方向DR3に凸な湾曲面であり、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の一部を構成する。
【0061】
例えば、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2は、第1方向DR1に延在する凸状湾曲部CP2を有する。また、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2は、第1方向DR1に延在する凸状搬送面SU2を有する。凸状搬送面SU2は、凸状湾曲部CP2の第3方向DR3側の面である。
図10に記載の例において、凸状搬送面SU2は、第3方向DR3に凸な湾曲面であり、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の一部を構成する。
【0062】
なお、第1の実施形態において、1群の搬送プレート3の各々の前端部3fの形状は、
図10に記載の例に限定されない。
【0063】
図9に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々の後端部3eは、第3方向DR3に突出する立設部TPを有する。
【0064】
例えば、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1は、第1方向DR1に延在し第3方向DR3に突出する第1立設部TP1を有する。
図11に記載の例において、第1立設部TP1は、第1搬送プレート3-1の転向時に、第2搬送プレート3-2の凸状湾曲部CP2の下方のドロスDを掻き出す。
【0065】
例えば、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2は、第1方向DR1に延在し第3方向DR3に突出する第2立設部TP2を有する。
図11に記載の例において、第2立設部TP2は、第2搬送プレート3-2の転向時に、第3搬送プレート3-3の凸状湾曲部CP3の下方のドロスを掻き出す。
【0066】
なお、第1の実施形態において、1群の搬送プレート3の各々の後端部3eの形状は、
図11に記載の例に限定されない。例えば、1群の搬送プレート3の各々の後端部3eの形状は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略円弧形状あるいは略円形状であってもよい。
【0067】
図9に記載の例において、1群の搬送プレート3の各々の中間部分3mは、前端部3fと後端部3eとを接続する。
【0068】
例えば、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1は、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1と、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1とを接続する。
図10に記載の例では、第1中間部分3m-1の前端は、第1方向DR1に延在する第1屈曲部BA1を介して第1前端部3f-1(より具体的には、凸状湾曲部CP1)に接続されている。また、第1中間部分3m-1の後端は、第1方向DR1に延在する第2屈曲部BB1を介して第1後端部3e-1(より具体的には、第1立設部TP1)に接続されている。
図10に記載の例では、第1中間部分3m-1は、第1平板部FP1を有する。また、第1中間部分3m-1は、第1方向DR1に延在する平状搬送面SF1を有する。平状搬送面SF1は、第1平板部FP1の第3方向DR3側の面である。平状搬送面SF1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の一部を構成する。
【0069】
例えば、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2は、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2と、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2とを接続する。
図10に記載の例では、第2中間部分3m-2の前端は、第1方向DR1に延在する第3屈曲部BA2を介して第2前端部3f-2(より具体的には、凸状湾曲部CP2)に接続されている。また、第2中間部分3m-2の後端は、第1方向DR1に延在する第4屈曲部BB2を介して第2後端部3e-2(より具体的には、第2立設部TP2)に接続されている。
図10に記載の例では、第2中間部分3m-2は、第2平板部FP2を有する。また、第2中間部分3m-2は、第1方向DR1に延在する平状搬送面SF2を有する。平状搬送面SF2は、第2平板部FP2の第3方向DR3側の面である。平状搬送面SF2は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の一部を構成する。
【0070】
なお、第1の実施形態において、1群の搬送プレート3の各々の中間部分3mの形状は、
図10に記載の例に限定されない。例えば、1群の搬送プレート3の各々の中間部分3mの少なくとも一部は、第1方向DR1に沿う方向に見て、略円弧形状、略V字形状あるいは略U字形状を有していてもよい。
【0071】
以下、昇温抑制表面のいくつかの例について説明するが、昇温抑制表面は、以下に説明されるいくつかの例に限定されない。また、以下において、第1搬送プレート3-1の昇温を抑制する第1昇温抑制表面4-1、および、第2搬送プレート3-2の昇温を抑制する第2昇温抑制表面4-2について代表的に説明し、他の搬送プレートの昇温を抑制する昇温抑制表面についての説明は省略する。
【0072】
(昇温抑制表面の第1例)
図12に記載の例では、第1昇温抑制表面4-1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部を覆う第1レーザ反射層4r-1の表面を含む。換言すれば、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部は、第1レーザ反射層4r-1によって覆われる。
【0073】
第1搬送プレート3-1の少なくとも一部を覆う第1レーザ反射層4r-1は、レーザ反射率が高い材料(例えば、銅、銀またはアルミニウム)によって構成される。第1搬送プレート3-1は、例えば、鉄鋼、より具体的には、熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板または冷間圧延ステンレス鋼板によって構成される。
【0074】
第1レーザ反射層4r-1のレーザ反射率は、第1搬送プレート3-1のレーザ反射率よりも高い。なお、第1の実施形態(あるいは、後述の第2の実施形態)において、レーザ照射装置60から射出されるレーザLBの波長は、例えば、1060nm以上1080nm以下である。波長が1060nm以上1080nm以下のレーザに対する、第1レーザ反射層4r-1のレーザ反射率は、例えば、70%以上、80%以上、あるいは、90%以上である。
【0075】
図12に記載の例では、第1レーザ反射層4r-1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の一部(例えば、第1中間部分3m-1の搬送面)を覆う。また、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の他の一部(例えば、第1前端部3f-1の搬送面)が、第1レーザ反射層4r-1によって覆われることなく露出している。
【0076】
図13に記載の例では、第1中間部分3m-1の搬送面(より具体的には、平状搬送面SF1)の少なくとも一部が第1レーザ反射層4r-1によって覆われている。よって、相対的に変形し易い第1中間部分3m-1の熱変形が、第1レーザ反射層4r-1によって抑制される。より具体的には、第1中間部分3m-1に向かって進行するレーザLBが第1レーザ反射層4r-1によって反射されることにより、第1中間部分3m-1への入熱が抑制される。なお、
図13において、レーザ反射層(4r-1、4r-2)を把握し易くするために、レーザ反射層(4r-1、4r-2)には、ドットによるハッチングが付加されている。
【0077】
図13に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1の搬送面(より具体的には、凸状搬送面SU1)の全体が、第1レーザ反射層4r-1によって覆われることなく、露出している。また、
図13に記載の例では、第1後端部3e-1(より具体的には、第1立設部TP1)の全体が、第1レーザ反射層4r-1によって覆われることなく、露出している。この場合、第1レーザ反射層4r-1が配置される面積が低減され、材料コストが低減される。
【0078】
代替的に、
図14に例示されるように、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の実質的に全体が、第1レーザ反射層4r-1によって覆われてもよい。なお、
図13に記載の例では、第1搬送プレート3-1の左端部3a-1および第1搬送プレート3-1の右端部3b-1にはレーザが照射されないため、当該左端部3a-1および右端部3b-1は、第1レーザ反射層4r-1によって覆われていない。もちろん、当該左端部3a-1および右端部3b-1が、第1レーザ反射層4r-1によって覆われていても構わない。
【0079】
図12、または、
図14に記載の例において、第1搬送面3u-1の少なくとも一部を覆う第1レーザ反射層4r-1(例えば、第1搬送面3u-1の少なくとも一部を覆う銅層またはアルミニウム層)は、レーザ照射装置60から射出されるレーザLBを効果的に反射する。こうして、第1搬送プレート3-1への入熱が抑制され、第1搬送プレート3-1の昇温が抑制される。また、第1搬送プレート3-1の熱変形および撓みが抑制される。
【0080】
第1レーザ反射層4r-1は、例えば、銅メッキ層、銀メッキ層またはアルミメッキ層等のメッキ層を含む。第1レーザ反射層4r-1は、湿式成膜法により第1搬送プレート3-1上に形成されたメッキ層であってもよいし、乾式成膜法(なお、乾式成膜法には、蒸着法が含まれる。)により第1搬送プレート3-1上に形成されたメッキ層であってもよい。代替的に、第1レーザ反射層4r-1は、第1搬送プレート3-1に取り付けられるレーザ反射板(例えば、銅あるいは銅合金の板、または、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の板)を含んでいてもよい。
【0081】
図12に記載の例では、第2昇温抑制表面4-2は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部を覆う第2レーザ反射層4r-2の表面を含む。換言すれば、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部は、第2レーザ反射層4r-2によって覆われる。
【0082】
第2搬送プレート3-2の少なくとも一部を覆う第2レーザ反射層4r-2は、レーザ反射率が高い材料(例えば、銅、銀またはアルミニウム)によって構成される。第2搬送プレート3-2は、例えば、鉄鋼、より具体的には、熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板または冷間圧延ステンレス鋼板によって構成される。
【0083】
第2レーザ反射層4r-2のレーザ反射率は、第2搬送プレート3-2のレーザ反射率よりも高い。波長が1060nm以上1080nm以下のレーザに対する、第2レーザ反射層4r-2のレーザ反射率は、例えば、70%以上、80%以上、あるいは、90%以上である。
【0084】
図12に記載の例では、第2レーザ反射層4r-2は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の一部(例えば、第2中間部分3m-2の搬送面)を覆う。また、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の他の一部(例えば、第2前端部3f-2の搬送面)が、第2レーザ反射層4r-2によって覆われることなく露出している。
【0085】
図13に記載の例では、第2中間部分3m-2の搬送面(より具体的には、平状搬送面SF2)の少なくとも一部が第2レーザ反射層4r-2によって覆われている。よって、相対的に変形し易い第2中間部分3m-2の熱変形が、第2レーザ反射層4r-2によって抑制される。
【0086】
図13に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2の搬送面(より具体的には、凸状搬送面SU2)の全体が、第2レーザ反射層4r-2によって覆われることなく、露出している。また、
図13に記載の例では、第2後端部3e-2(より具体的には、第2立設部TP2)の全体が、第2レーザ反射層4r-2によって覆われることなく、露出している。この場合、第2レーザ反射層4r-2が配置される面積が低減され、材料コストが低減される。
【0087】
代替的に、
図14に例示されるように、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の実質的に全体が、第2レーザ反射層4r-2によって覆われてもよい。なお、
図13に記載の例では、第2搬送プレート3-2の左端部3a-2および第2搬送プレート3-2の右端部3b-2にはレーザが照射されないため、当該左端部3a-2および右端部3b-2は、第2レーザ反射層4r-2によって覆われていない。もちろん、当該左端部3a-2および右端部3b-2が、第2レーザ反射層4r-2によって覆われていても構わない。
【0088】
図12、または、
図14に記載の例において、第2搬送面3u-2の少なくとも一部を覆う第2レーザ反射層4r-2は、レーザ照射装置60から射出されるレーザLBを効果的に反射する。こうして、第2搬送プレート3-2への入熱が抑制され、第2搬送プレート3-2の昇温が抑制される。また、第2搬送プレート3-2の熱変形および撓みが抑制される。
【0089】
第2レーザ反射層4r-2は、例えば、銅メッキ層、銀メッキ層またはアルミメッキ層等のメッキ層を含む。代替的に、第2レーザ反射層4r-2は、第2搬送プレート3-2に取り付けられるレーザ反射板(例えば、銅あるいは銅合金の板、または、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の板)を含んでいてもよい。
【0090】
(昇温抑制表面の第2例)
図15に記載の例では、第1昇温抑制表面4-1は、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1(すなわち、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1とは反対側の面)の少なくとも一部を覆う第1熱伝導層4c-1の表面を含む。換言すれば、第1搬送プレート3-1の第1裏面4n-1の少なくとも一部は、第1熱伝導層4c-1によって覆われる。
【0091】
第1熱伝導層4c-1の熱伝導率は、第1搬送プレート3-1の熱伝導率よりも高い。第1熱伝導層4c-1は、熱伝導率が高い材料(例えば、銅、銀またはアルミニウム)によって構成される。第1搬送プレート3-1は、例えば、鉄鋼、より具体的には、熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板または冷間圧延ステンレス鋼板によって構成される。第1熱伝導層4c-1の熱伝導率は、例えば、150W/m・K以上、200W/m・K以上、あるいは、300W/m・K以上である。
【0092】
図15に記載の例では、第1熱伝導層4c-1は、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の一部(例えば、第1中間部分3m-1の裏面)を覆う。また、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の他の一部(例えば、第1前端部3f-1の裏面)が、第1熱伝導層4c-1によって覆われることなく露出している。
【0093】
図16に記載の例では、第1中間部分3m-1の裏面(より具体的には、平状裏面SN1)の少なくとも一部が第1熱伝導層4c-1によって覆われている。よって、第1中間部分3m-1の熱が、第1熱伝導層4c-1によって効果的に拡散される。例えば、第1中間部分3m-1にレーザLBが入射することにより第1中間部分3m-1の温度が上昇する場合を想定する。この場合、第1中間部分3m-1のうちのレーザLBが照射された領域から、第1熱伝導層4c-1を介して、他の領域に、速やかに熱が拡散される。なお、
図16において、熱伝導層(4c-1、4c-2)を把握し易くするために、熱伝導層(4c-1、4c-2)には、ドットによるハッチングが付加されている。
【0094】
図16に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1の裏面(より具体的には、凹状裏面SD1)の全体が、第1熱伝導層4c-1によって覆われることなく、露出している。また、
図16に記載の例では、第1後端部3e-1(より具体的には、第1立設部TP1)の全体が、第1熱伝導層4c-1によって覆われることなく、露出している。この場合、第1熱伝導層4c-1が配置される面積が低減され、材料コストが低減される。
【0095】
代替的に、
図17に例示されるように、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の実質的に全体が、第1熱伝導層4c-1によって覆われてもよい。なお、
図16に記載の例では、第1搬送プレート3-1の左端部3a-1および第1搬送プレート3-1の右端部3b-1にはレーザが照射されないため、当該左端部3a-1および右端部3b-1は、第1熱伝導層4c-1によって覆われていない。もちろん、当該左端部3a-1および右端部3b-1が、第1熱伝導層4c-1によって覆われていても構わない。
【0096】
図15、または、
図17に記載の例において、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の少なくとも一部を覆う第1熱伝導層4c-1(例えば、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の少なくとも一部を覆う銅層、銀層またはアルミニウム層)は、第1搬送プレート3-1のうちのレーザLBが照射された領域から、第1搬送プレート3-1のうちの他の領域に、速やかに熱を拡散させる。こうして、第1搬送プレート3-1における局所的な温度上昇が抑制され、第1搬送プレート3-1の熱塑性変形が抑制される。また、第1熱伝導層4c-1の表面は、第1搬送プレート3-1の熱を第1搬送プレート3-1の周囲の空気に速やかに放熱する。
図15、または、
図17に記載の例では、第1熱伝導層4c-1における熱伝導、および、第1熱伝導層4c-1の表面からの放熱によって、第1搬送プレート3-1の昇温が抑制され、第1搬送プレート3-1の熱変形および撓みが抑制される。
【0097】
第1熱伝導層4c-1は、例えば、銅メッキ層、銀メッキ層またはアルミメッキ層等のメッキ層を含む。第1熱伝導層4c-1は、湿式成膜法により第1搬送プレート3-1上に形成されたメッキ層であってもよいし、乾式成膜法により第1搬送プレート3-1上に形成されたメッキ層であってもよい。代替的に、第1熱伝導層4c-1は、第1搬送プレート3-1に取り付けられる熱伝導板(例えば、銅あるいは銅合金の板、または、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の板)、あるいは、第1搬送プレート3-1に取り付けられる放熱シート(例えば、グラファイトシート、樹脂製の放熱シート、あるいは、フッ素系ゴム製の放熱シート)を含んでいてもよい。また、第1熱伝導層4c-1は、放熱用塗料によって構成された層を含んでいてもよい。
【0098】
図15に記載の例では、第2昇温抑制表面4-2は、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2(すなわち、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2とは反対側の面)の少なくとも一部を覆う第2熱伝導層4c-2の表面を含む。換言すれば、第2搬送プレート3-2の第2裏面4n-2の少なくとも一部は、第2熱伝導層4c-2によって覆われる。
【0099】
第2熱伝導層4c-2の熱伝導率は、第2搬送プレート3-2の熱伝導率よりも高い。第2熱伝導層4c-2は、熱伝導率が高い材料(例えば、銅、銀またはアルミニウム)によって構成される。第2搬送プレート3-2は、例えば、鉄鋼、より具体的には、熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板または冷間圧延ステンレス鋼板によって構成される。第2熱伝導層4c-2の熱伝導率は、例えば、150W/m・K以上、200W/m・K以上、あるいは、300W/m・K以上である。
【0100】
図15に記載の例では、第2熱伝導層4c-2は、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の一部(例えば、第2中間部分3m-2の裏面)を覆う。また、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の他の一部(例えば、第2前端部3f-2の裏面)が、第2熱伝導層4c-2によって覆われることなく露出している。
【0101】
図16に記載の例では、第2中間部分3m-2の裏面(より具体的には、平状裏面SN2)の少なくとも一部が第2熱伝導層4c-2によって覆われている。よって、第2中間部分3m-2の熱が、第2熱伝導層4c-2によって効果的に拡散される。
【0102】
図16に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2の裏面(より具体的には、凹状裏面SD2)の全体が、第2熱伝導層4c-2によって覆われることなく、露出している。また、
図16に記載の例では、第2後端部3e-2(より具体的には、第2立設部TP2)の全体が、第2熱伝導層4c-2によって覆われることなく、露出している。この場合、第2熱伝導層4c-2が配置される面積が低減され、材料コストが低減される。
【0103】
代替的に、
図17に例示されるように、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の実質的に全体が、第2熱伝導層4c-2によって覆われてもよい。
【0104】
図15、または、
図17に記載の例において、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の少なくとも一部を覆う第2熱伝導層4c-2は、第2搬送プレート3-2のうちのレーザLBが照射された領域から、第2搬送プレート3-2のうちの他の領域に、速やかに熱を拡散させる。こうして、第2搬送プレート3-2における局所的な温度上昇が抑制され、第2搬送プレート3-2の熱塑性変形が抑制される。また、第2熱伝導層4c-2の表面は、第2搬送プレート3-2の熱を第2搬送プレート3-2の周囲の空気に速やかに放熱する。
図15、または、
図17に記載の例では、第2熱伝導層4c-2における熱伝導、および、第2熱伝導層4c-2の表面からの放熱によって、第2搬送プレート3-2の昇温が抑制され、第2搬送プレート3-2の熱変形および撓みが抑制される。
【0105】
第2熱伝導層4c-2は、例えば、銅メッキ層、銀メッキ層またはアルミメッキ層等のメッキ層を含む。代替的に、第2熱伝導層4c-2は、第2搬送プレート3-2に取り付けられる熱伝導板(例えば、銅あるいは銅合金の板、または、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の板)、あるいは第2搬送プレート3-2に取り付けられる放熱シート(例えば、グラファイトシート、樹脂製の放熱シート、または、フッ素系ゴム製の放熱シート)を含んでいてもよい。また、第2熱伝導層4c-2は、放熱用塗料によって構成された層を含んでいてもよい。
【0106】
(昇温抑制表面の第3例)
昇温抑制表面の第3例は、昇温抑制表面の第1例と、昇温抑制表面の第2例との組み合わせである。換言すれば、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部は第1レーザ反射層4r-1によって覆われ、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の少なくとも一部は第1熱伝導層4c-1によって覆われる。また、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部は第2レーザ反射層4r-2によって覆われ、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の少なくとも一部は第2熱伝導層4c-2によって覆われる。
【0107】
より具体的には、
図18に例示されるように、第1昇温抑制表面4-1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部を覆う第1レーザ反射層4r-1の表面と、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の少なくとも一部を覆う第1熱伝導層4c-1の表面と、を含む。また、第2昇温抑制表面4-2は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部を覆う第2レーザ反射層4r-2の表面と、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の少なくとも一部を覆う第2熱伝導層4c-2の表面と、を含む。
【0108】
昇温抑制表面の第3例において、第1レーザ反射層4r-1、および、第2レーザ反射層4r-2の各々の構成として、昇温抑制表面の第1例において説明された事項の全てを採用可能である。また、昇温抑制表面の第3例において、第1熱伝導層4c-1、および、第2熱伝導層4c-2の各々の構成として、昇温抑制表面の第2例において説明された事項の全てを採用可能である。
【0109】
昇温抑制表面の第1例、昇温抑制表面の第2例、あるいは、昇温抑制表面の第3例において、第1搬送プレート3-1の主材料は、例えば、鉄鋼である。また、第2搬送プレート3-2の主材料は、例えば、鉄鋼である。なお、本明細書において、第1搬送プレート3-1の主材料とは、第1搬送プレート3-1の全重量に占める重量の割合が最も大きな材料を意味する。また、本明細書において、第2搬送プレート3-2の主材料とは、第2搬送プレート3-2の全重量に占める重量の割合が最も大きな材料を意味する。
【0110】
昇温抑制表面の第1例、昇温抑制表面の第2例、あるいは、昇温抑制表面の第3例において、第1昇温抑制表面4-1は、例えば、銅、銀またはアルミニウムによって構成される。より具体的には、第1昇温抑制表面4-1は、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金によって構成される。また、第2昇温抑制表面4-2は、例えば、銅、銀またはアルミニウムによって構成される。より具体的には、第2昇温抑制表面4-2は、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金によって構成される。
【0111】
第1搬送プレート3-1の主材料が鉄鋼であり、第1昇温抑制表面4-1が銅、銀またはアルミニウムによって構成される場合、第1搬送プレート3-1の強度要求、成形性要求、製造コスト要求、および、昇温抑制要求の全てを満たすことができる。
【0112】
第2搬送プレート3-2の主材料が鉄鋼であり、第2昇温抑制表面4-2が銅、銀またはアルミニウムによって構成される場合、第2搬送プレート3-2の強度要求、成形性要求、製造コスト要求、および、昇温抑制要求の全てを満たすことができる。
【0113】
(昇温抑制表面の第4例)
図19に記載の例では、第1昇温抑制表面4-1は、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の少なくとも一部に接触配置される第1放熱部材5-1の表面を含む。
【0114】
図19に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Aは、第1搬送プレート3-1によって支持される第1放熱部材5-1を備える。第1搬送プレート3-1は、当該第1放熱部材5-1に接触する接触面31tを有する。また、接触面31tは、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の少なくとも一部を含む。
【0115】
第1放熱部材5-1は、第1搬送プレート3-1に取り付けられる。第1放熱部材5-1は、溶接によって第1搬送プレート3-1に取り付けられてもよいし、ボルト、接着シート等の取付部材を介して第1搬送プレート3-1に取り付けられてもよい。
【0116】
図19に記載の例では、第1放熱部材5-1は、第1ヒートシンク50-1を含む。第1ヒートシンク50-1は、第1ベース部51-1と、第1ベース部51-1に配置された複数の第1放熱片52-1(例えば、後述の複数の放熱ピン52p-1、あるいは、後述の複数の放熱フィン52f-1)とを有していてもよい。第1放熱部材5-1は、第1ヒートシンク50-1に加えて、第1ヒートシンク50-1と第1搬送プレート3-1との間に配置される放熱シート(より具体的には、熱伝導率が高い熱伝導シート)を含んでいてもよい。第1ヒートシンク50-1は、例えば、アルミニウム製、銅製、または、セラミックス製である。
【0117】
図20に記載の例では、第1放熱部材5-1は、複数の放熱突起(より具体的には、複数の放熱ピン52p-1)を含む。複数の放熱突起(より具体的には、複数の放熱ピン52p-1)の各々は、例えば、第4方向DR4に突出する。代替的に、
図21に例示されるように、第1放熱部材5-1は、複数の放熱フィン52f-1を含んでいてもよい。複数の放熱フィン52f-1の各々は、例えば、第4方向DR4に突出する。
【0118】
図20または
図21に記載の例では、第1放熱部材5-1は、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1(より具体的には、第1平板部FP1)の少なくとも一部に接触配置されている。
【0119】
図19に記載の例において、第1放熱部材5-1は、第1搬送プレート3-1から熱を受け取り、受け取った熱を第1放熱部材5-1の周囲の空気に放熱する。こうして、第1放熱部材5-1の表面(すなわち、放熱面)によって、レーザ照射に起因する第1搬送プレート3-1の温度上昇が抑制され、第1搬送プレート3-1の熱変形および撓みが抑制される。
【0120】
図19に記載の例では、第2昇温抑制表面4-2は、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の少なくとも一部に接触配置される第2放熱部材5-2の表面を含む。
【0121】
図19に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Aは、第2搬送プレート3-2によって支持される第2放熱部材5-2を備える。第2搬送プレート3-2は、当該第2放熱部材5-2に接触する接触面32tを有する。また、接触面32tは、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の少なくとも一部を含む。
【0122】
第2放熱部材5-2は、第2搬送プレート3-2に取り付けられる。第2放熱部材5-2は、溶接によって第2搬送プレート3-2に取り付けられてもよいし、ボルト、接着シート等の取付部材を介して第2搬送プレート3-2に取り付けられてもよい。
【0123】
図19に記載の例では、第2放熱部材5-2は、第2ヒートシンク50-2を含む。第2ヒートシンク50-2は、第2ベース部51-2と、第2ベース部51-2に配置された複数の第2放熱片52-2(例えば、複数の放熱ピン、複数の放熱フィン)とを有していてもよい。第2放熱部材5-2は、第2ヒートシンク50-2に加えて、第2ヒートシンク50-2と第2搬送プレート3-2との間に配置される放熱シート(より具体的には、熱伝導率が高い熱伝導シート)を含んでいてもよい。第2ヒートシンク50-2は、例えば、アルミニウム製、銅製、または、セラミックス製である。
【0124】
図22に記載の例では、第2放熱部材5-2は、複数の放熱突起(より具体的には、複数の放熱ピン52p-2)を含む。複数の放熱突起(より具体的には、複数の放熱ピン52p-2)の各々は、例えば、第4方向DR4に突出する。代替的に、
図23に例示されるように、第2放熱部材5-2は、複数の放熱フィン52f-2を含んでいてもよい。複数の放熱フィン52f-2の各々は、例えば、第4方向DR4に突出する。
【0125】
図22または
図23に記載の例では、第2放熱部材5-2は、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2(より具体的には、第2平板部FP2)の少なくとも一部に接触配置されている。
【0126】
図19に記載の例において、第2放熱部材5-2は、第2搬送プレート3-2から熱を受け取り、受け取った熱を第2放熱部材5-2の周囲の空気に放熱する。こうして、第2放熱部材5-2の表面(すなわち、放熱面)によって、レーザ照射に起因する第2搬送プレート3-2の温度上昇が抑制され、第2搬送プレート3-2の熱変形および撓みが抑制される。
【0127】
(昇温抑制表面の第5例)
昇温抑制表面の第1例乃至第4例では、第1搬送プレート3-1とは別に第1昇温抑制表面4-1が設けられ、第2搬送プレート3-2とは別に第2昇温抑制表面4-2が設けられている。昇温抑制表面の第5例では、第1搬送プレート3-1自体が第1搬送プレート3-1の昇温を抑制する昇温抑制表面を有し、第2搬送プレート3-2自体が第2搬送プレート3-2の昇温を抑制する昇温抑制表面を有する。
【0128】
図24に記載の例において、第1搬送プレート3-1の主材料は、銅またはアルミニウムである。より具体的には、第1搬送プレート3-1は、銅あるいは銅合金製、または、アルミニウムあるいはアルミニウム合金製である。
【0129】
図24に記載の例において、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部が銅またはアルミニウムによって構成されている。第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の全体が銅またはアルミニウムによって構成されていてもよい。
図24に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部を構成する銅表面またはアルミニウム表面が、レーザ反射率の高い昇温抑制表面である。当該銅表面またはアルミニウム表面は、レーザ照射装置60から射出されるレーザLBを効果的に反射する。
【0130】
図24に記載の例において、第2搬送プレート3-2の主材料は、銅またはアルミニウムである。より具体的には、第2搬送プレート3-2は、銅あるいは銅合金製、または、アルミニウムあるいはアルミニウム合金製である。
【0131】
図24に記載の例において、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部が銅またはアルミニウムによって構成されている。第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の全体が銅またはアルミニウムによって構成されていてもよい。
図24に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部を構成する銅表面またはアルミニウム表面が、レーザ反射率の高い昇温抑制表面である。当該銅表面またはアルミニウム表面は、レーザ照射装置60から射出されるレーザLBを効果的に反射する。
【0132】
第1搬送プレート3-1の主材料が銅またはアルミニウムである場合、第1搬送プレート3-1のレーザ反射率は高く、第1搬送プレート3-1の熱伝導率は高い。よって、第1搬送プレート3-1自体によって、第1搬送プレート3-1の昇温が抑制される。
【0133】
第2搬送プレート3-2の主材料が銅またはアルミニウムである場合、第2搬送プレート3-2のレーザ反射率は高く、第2搬送プレート3-2の熱伝導率は高い。よって、第2搬送プレート3-2自体によって、第2搬送プレート3-2の昇温が抑制される。
【0134】
(周回軌道OBの登り傾斜)
図25に例示されるように、一群の搬送プレート3の周回軌道OBは、加工領域RG1から排出領域RG2に向かうにつれて高さが高くなる登り傾斜CLを含んでいてもよい。周回軌道OBが登り傾斜CLを含む場合、排出領域RG2に、ドロス搬送コンベヤ2AからドロスDを受け取る容器13、あるいは、ドロス搬送コンベヤ2AからドロスDを受け取る第2搬送コンベヤ15(必要であれば、
図31を参照。)を配置し易い。
【0135】
(レーザ加工装置1A)
図1に例示されるように、レーザ加工装置1Aは、ドロス搬送コンベヤ2Aと、レーザ照射装置60と、移動装置7と、制御装置8と、を備える。付加的に、レーザ加工装置1Aは、ワーク支持部材90を備えていてもよい。
【0136】
ドロス搬送コンベヤ2Aについては説明済みであるため、ドロス搬送コンベヤ2Aについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0137】
図26に例示されるように、レーザ照射装置60は、レーザヘッド61を有し、レーザヘッド61はレーザを射出する射出口OPを有する。レーザ照射装置60は、レーザ光源63と、レーザ光源63からレーザヘッド61にレーザを伝達する光学部品65(例えば、光ファイバ等)と、を備えていてもよい。
【0138】
移動装置7は、レーザヘッド61を、ワーク支持部材90に対して、相対移動させる。また、移動装置7は、レーザヘッド61を、ワーク支持部材90に支持されたワークWに対して、相対移動させる。なお、ワーク支持部材90に支持されるワークWは、例えば、板材である。
【0139】
図26に記載の例では、移動装置7は、レーザヘッド61を支持する移動体(71a;73a)と、移動体(71a;73a)を移動させる駆動装置(71b;73b)と、を有する。
【0140】
図26に記載の例では、移動装置7は、第1移動装置71を有する。第1移動装置71は、レーザヘッド61を支持する第1移動体71aと、第1移動体71aを移動させる第1駆動装置71b(例えば、第1モータ)とを有する。
【0141】
図26に記載の例において、第1移動体71aは、Zサドルとして機能し、第1駆動装置71bは、Z軸駆動部として機能する。第1駆動装置71bは、第1移動体71aを、鉛直方向に平行な方向(換言すれば、Z軸方向)に移動させる。より具体的には、第1駆動装置71bは、第1移動体71aがワーク支持部材90に近づくように、第1移動体71aを下方に移動させることができる。また、第1駆動装置71bは、第1移動体71aがワーク支持部材90から遠ざかるように、第1移動体71aを上方に移動させることができる。
【0142】
図26に記載の例では、移動装置7は、第2移動装置73を有する。第2移動装置73は、第2移動体73aと、第2移動体73aを移動させる第2駆動装置73b(例えば、第2モータ)とを有する。第2移動体73aは、第1移動体71aを、鉛直方向に平行な方向に移動可能なように支持する。
【0143】
図26に記載の例において、第2移動体73aは、Yサドルとして機能し、第2駆動装置73bは、Y軸駆動部として機能する。第2駆動装置73bは、第2移動体73aを、水平面に平行な方向(より具体的には、Y軸方向)に移動させる。
【0144】
図27に記載の例では、移動装置7は、第3移動装置75を有する。第3移動装置75は、第3移動体75aと、第3移動体75aを移動させる第3駆動装置75b(例えば、第3モータ)とを有する。第3移動体75aは、第2移動体73aを、Y軸方向に平行な方向に移動可能なように支持する。
【0145】
図27に記載の例において、第3移動体75aは、Xサドルとして機能し、第3駆動装置75bは、X軸駆動部として機能する。第3駆動装置75bは、第3移動体75aを、水平面に平行な方向(より具体的には、Z軸およびY軸に垂直なX軸方向)に移動させる。
【0146】
図26に例示されるように、第3移動体75aは、門型構造体によって構成されていてもよい。
図27に記載の例では、第3移動体75aは、平面視において、加工領域RG1を横切るように移動可能である。第3移動体75aは、ベース70によって、X軸方向に平行な方向に移動可能なように支持されている。
【0147】
図28に記載の例において、ワーク支持部材90は、板材であるワークを支持する剣山を含む。当該剣山は、板材であるワークWを支持する複数の頂部92を有する。
【0148】
図28に記載の例では、ワーク支持部材90は、水平面(例えば、
図28におけるX-Y平面)に対して立ち姿勢となるように配置された複数の板部材91を有する。また、複数の板部材91の各々は、鋸刃状のエッジ部EGを有する。
【0149】
ワーク支持部材90は、水平面に対して立ち姿勢となるように配置された10枚以上の板部材91を有していてもよいし、水平面に対して立ち姿勢となるように配置された20枚以上の板部材91を有していてもよい。各板部材91は、例えば、金属製である。
【0150】
図28に記載の例では、ワーク支持部材90は、移送可能なパレットPTである。パレットPTは、複数の板部材91と、複数の板部材91が取り付けられる枠体93とを有する。枠体93の底部は、底部開口を規定する。ワークWにレーザLBが照射されることによって生成されるドロスDは、隣接する2つの板部材91の間の空間、および、枠体93によって規定される底部開口を通って、ドロス搬送コンベヤ2Aに向かって落下する。
【0151】
図29に例示されるように、レーザ加工装置1Aは、ワーク支持部材90を移送する移送装置11を備えていてもよい。移送装置11は、ワーク支持部材90を加工領域RG1から取出領域RG3に移送する。その後、取出領域RG3に配置されたワーク支持部材90から加工済みワークWb(より具体的には、加工済みの板材)が取り外される。
図30に例示されるように、当該取り外しは、加工済みワークWbを吸着可能な吸盤121を用いて行われてもよいし、加工済みワークWbを掬い上げることが可能なフォークを用いて行われてもよい。代替的に、当該取り外しは、ロボットあるいは作業者によって行われてもよい。
【0152】
図30に記載の例では、レーザ加工装置1Aは、加工前のワーク、および、加工済みワークWbを移送するワーク移送装置12(例えば、ロボットハンド)を有する。ワーク移送装置12は、板材であるワークを移送する板材移送装置12aであってもよい。板材移送装置12aは、板材であるワークを吸着する複数の吸盤121、または、板材であるワークを下方から支持するフォークを有していてもよい。
【0153】
図1に記載の例では、レーザ加工装置1Aは、ドロス搬送コンベヤ2AからドロスDを受け取る容器13を有する。当該容器13は、排出領域RG2において、ドロス搬送コンベヤ2Aの直下に配置されている。
【0154】
レーザ加工装置1Aは、ドロス搬送コンベヤ2AからドロスDを受け取る第2搬送コンベヤ15を有していてもよい。
図31に記載の例では、第2搬送コンベヤ15のドロス搬送面が、排出領域RG2において、ドロス搬送コンベヤ2Aの直下に配置されている。
図31に記載の例では、第2搬送コンベヤ15は、ドロス搬送コンベヤ2Aから受け取ったドロスを、容器13に搬送する。
【0155】
図32に記載の例において、制御装置8は、レーザ照射装置60、移動装置7(例えば、第1駆動装置71b、第2駆動装置73b、第3駆動装置75b)を制御する。制御装置8は、ワーク支持部材90を移送する移送装置11(
図29を参照。)、および/または、ワークWを移送するワーク移送装置12(
図30を参照。)を制御してもよい。また、制御装置8は、ドロス搬送コンベヤ2Aの駆動装置29を制御してもよい。
【0156】
図33に記載の例において、制御装置8は、レーザ照射装置60(例えば、レーザ光源63)に射出指令R1を送信することにより、レーザヘッド61からレーザLBを射出させる。より具体的には、制御装置8は、レーザ照射装置60(例えば、レーザ光源63)に射出指令R1を送信し、射出指令R1を受信するレーザ照射装置60は、レーザヘッド61(より具体的には、レーザヘッド61の射出口)からレーザLBを射出する。
【0157】
図33に記載の例において、制御装置8は、移動装置7に移動指令Sを送信することにより、レーザヘッド61を移動させる。より具体的には、制御装置8は、移動装置7に移動指令Sを送信し、移動指令Sを受信する移動装置7は、レーザヘッド61を移動させる。
【0158】
図33に例示されるように、制御装置8は、ハードウェアプロセッサ80(以下、単に、「プロセッサ80」という。)と、メモリ82と、通信回路84と、入力装置86(例えば、タッチパネル付きディスプレイ862)と、を備える。プロセッサ80と、メモリ82と、通信回路84と、入力装置86とは、バス88を介して互いに接続されている。ワークWの加工に必要なデータ(例えば、ワークWの形状データおよびワークWの加工位置データを含むワークデータ826等)は、入力装置86を介して制御装置8に入力されてもよいし、他のコンピュータから通信回路84を介して制御装置8に入力されてもよい。なお、入力装置86は、タッチパネル付きディスプレイ862に限定されない。例えば、制御装置8は、ボタン、スイッチ、レバー、ポインティングデバイス、キーボード等の入力装置86と、当該入力装置86に入力されたデータ、あるいは、その他の情報を表示するディスプレイと、を備えていてもよい。
【0159】
メモリ82は、ワークデータ826等のデータ、および、加工プログラム822等のプログラムを記憶する。メモリ82は、制御装置8のプロセッサ80によって読み取り可能な記憶媒体である。メモリ82は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリであってもよいし、磁気ディスクであってもよいし、その他の形式のメモリであってもよい。
【0160】
制御装置8のプロセッサ80がメモリ82に記憶された加工プログラム822を実行することにより、制御装置8は制御指令を生成する。また、通信回路84は、当該制御指令を、制御対象機器(より具体的には、レーザ照射装置60、移動装置7、移送装置11、ワーク移送装置12、駆動装置29等)に送信する。こうして、プロセッサ80が加工プログラム822を実行することにより、制御装置8は、レーザ照射装置60、移動装置7、移送装置11、ワーク移送装置12、駆動装置29等を制御することができる。
【0161】
制御装置8は、レーザ照射装置60および移動装置7のうちの少なくとも一方の制御に連動させて、第1群の搬送プレート3の移動速度を制御してもよい。
【0162】
例えば、制御装置8は、レーザ照射装置60がレーザLBの射出を停止している時に、第1群の搬送プレート3が第1速度(ゼロ以外の速度)で移動するように駆動装置29を制御し、レーザ照射装置60がレーザLBを射出する時に、第1群の搬送プレート3が第1速度よりも速い第2速度で移動するように駆動装置29を制御してもよい。
【0163】
例えば、制御装置8は、レーザ照射装置60が射出するレーザLBの出力の大きさ、あるいは、レーザ照射装置60によって行われる加工の種類(例えば、穴開け加工であるか、切断可能であるか等)に応じて、第1群の搬送プレート3の移動速度が変更されるよう、駆動装置29を制御してもよい。
【0164】
(冷却装置95)
図34に例示されるように、レーザ加工装置1Aは、1群の搬送プレート3を強制冷却する冷却装置95を有していてもよい。
【0165】
例えば、レーザ加工装置1Aは、1群の搬送プレート3にエアを吹き付ける空冷式の冷却装置95aを含んでいてもよい。
図34に記載の例では、冷却装置95aは、1群の搬送プレート3の各々の裏面3nにエアを吹き付けるエア噴射装置96を有する。代替的に、あるいは、付加的に、冷却装置95aは、1群の搬送プレート3の各々の搬送面3uにエアを吹き付けるエア噴射装置を有していてもよい。
【0166】
代替的に、あるいは、付加的に、レーザ加工装置1Aは、1群の搬送プレート3を液体によって冷却する液冷式の冷却装置95bを含んでいてもよい。
図34に記載の例では、冷却装置95bは、一群の搬送プレート3の周回軌道が横切るように配置された液槽97(例えば、水槽)を有する。一群の搬送プレート3は、液槽97内の液体(例えば、水)を通過することにより冷却される。さらに、一群の搬送プレート3の表面に付着した液体が、レーザ照射によって気化すること(気化熱)によって、搬送プレート3の昇温が抑制される。
【0167】
(第2の実施形態)
図35乃至
図41を参照して、第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2B、および、レーザ加工装置1Bについて説明する。
図35は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bを模式的に示す概略断面図である。
図36は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bの一部分を模式的に示す概略断面図である。
図37は、1群の搬送プレート3の一部分を模式的に示す分解斜視図である。
図38は、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2を含む一群の搬送プレート3が周回軌道OBに沿って移動可能な様子を模式的に示す概略斜視図である。
図39乃至
図41は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bの一部分を模式的に示す概略断面図である。
【0168】
第2の実施形態のドロス搬送コンベヤ2Bでは、1群の搬送プレート3の各々が、他の搬送プレートとヒンジ結合されている点において、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aとは異なる。
【0169】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済みの事項を第2の実施形態に適用できることは言うまでもない。逆に、第2の実施形態で説明される全ての事項は、第1の実施形態に適用可能である。
【0170】
図35および
図36に記載の例では、第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Bは、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレート3を具備し、1群の搬送プレート3は、第1方向DR1に延在する第1搬送プレート3-1と、第1搬送プレート3-1に隣接配置され第1方向DR1に延在する第2搬送プレート3-2とを含む。
【0171】
図36に例示されるように、ドロス搬送コンベヤ2Bは、第1昇温抑制表面4-1と、第2昇温抑制表面4-2と、を備える。
【0172】
第1昇温抑制表面4-1は、第1搬送プレート3-1の少なくとも一部を覆う。また、第1昇温抑制表面4-1は、レーザLBのエネルギに起因して第1搬送プレート3-1が昇温されることを抑制する。
【0173】
第2昇温抑制表面4-2は、第2搬送プレート3-2の少なくとも一部を覆う。また、第2昇温抑制表面4-2は、レーザLBのエネルギに起因して第2搬送プレート3-2が昇温されることを抑制する。
【0174】
図35に記載の例では、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bは、上述のドロス搬送コンベヤ2Bと、ワークWに向けてレーザを照射するレーザヘッド61を含むレーザ照射装置60と、ワークWを支持するワーク支持部材90に対してレーザヘッド61を相対移動させる移動装置7と、レーザ照射装置60、および、移動装置7を制御する制御装置8と、を備える。
【0175】
よって、第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2B、および、レーザ加工装置1Bは、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2A、および、レーザ加工装置1Aと同様の効果を奏する。
【0176】
図37に例示されるように、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1と第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2とはヒンジ結合される。
図37に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1および第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2の両方を通過するようにロッド(以下、「第2ロッドRD2」という。)が配置されることにより、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1と第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2とがヒンジ結合される。また、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2および第3搬送プレート3-3の第3前端部3f-3の両方を通過するようにロッド(以下、「第3ロッドRD3」という。)が配置されることにより、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2と第3搬送プレート3-3の第3前端部3f-3とがヒンジ結合される。
【0177】
(任意付加的な構成)
続いて、
図1乃至
図41を参照して、第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2B、および、レーザ加工装置1Bにおいて採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0178】
(ドロス搬送コンベヤ2B)
図35に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Bの一部は、レーザ照射装置60の直下に配置されている。また、ドロス搬送コンベヤ2Bの1群の搬送プレート3は、加工領域RG1(より具体的には、レーザ照射装置60の直下の領域)を横切って移動可能なように構成されている。
【0179】
図35に記載の例では、1群の搬送プレート3は、加工領域RG1から排出領域RG2にドロスを搬送する。
図35に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々は、排出領域RG2において、反転する(より具体的には、水平軸まわりに180度ターンする。)。その結果、1群の搬送プレート3によって搬送されるドロスDは、排出領域RG2において、1群の搬送プレート3から排出される。なお、1群の搬送プレート3によって、切り落とし片CF(
図36を参照。)が搬送される場合には、当該切り落とし片CFも、排出領域RG2において、1群の搬送プレート3から排出される。
【0180】
図38に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Bは、第1無端部材21(より具体的には、第1無端チェーン21a)と、第2無端部材22(より具体的には、第2無端チェーン22a)と、駆動装置29と、を備える。第1無端部材21および第2無端部材22は、1群の搬送プレート3を支持する。より具体的には、1群の搬送プレート3は、第1無端部材21および第2無端部材22に取り付けられる。
【0181】
第1無端部材21および第2無端部材22は、駆動装置29によって、直接的または間接的に駆動される。第1無端部材21、第2無端部材22、および、駆動装置29については、第1の実施形態において説明済みであるため、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0182】
(1群の搬送プレート3)
1群の搬送プレート3は、周回軌道OBに沿って移動する。
図38に例示されるように、1群の搬送プレート3の周回軌道OBは、第1無端チェーン21aの第1周回軌道B1と平行であり、第2無端チェーン22aの第2周回軌道B2と平行である。
図35に記載の例では、1群の搬送プレート3は、環状の搬送体を形成するように連なるように配置されている。
【0183】
1群の搬送プレート3の各々の長さは、例えば、1m以上3m以下である。1群の搬送プレート3の各々の幅は、例えば、40mm以上200mm以下である。1群の搬送プレート3の各々の板厚(より具体的には、1群の搬送プレート3の各々の中間部分3mの板厚)は、例えば、5mm以下または3mm以下である。1群の搬送プレート3の各々は、金属製である。1群の搬送プレート3の各々は、例えば、鉄鋼製、より具体的には、熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板またはは冷間圧延ステンレス鋼板である。
【0184】
図37に記載の例では、第1搬送プレート3-1は、第1前端部3f-1と、第1後端部3e-1と、第1前端部3f-1と第1後端部3e-1とを接続する第1中間部分3m-1と、を有する。第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1には、第1ロッドRD1を受容する複数の前方受容部30f-1(より具体的には、第1ロッドRD1が挿入される複数の貫通孔部)が形成されている。また、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1には、第2ロッドRD2を受容する複数の後方受容部30e-1(より具体的には、第2ロッドRD2が挿入される複数の貫通孔部)が形成されている。
【0185】
図37に記載の例では、第2搬送プレート3-2は、第2前端部3f-2と、第2後端部3e-2と、第2前端部3f-2と第2後端部3e-2とを接続する第2中間部分3m-2と、を有する。第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2には、第2ロッドRD2を受容する複数の前方受容部30f-2(より具体的には、第2ロッドRD2が挿入される複数の貫通孔部)が形成されている。また、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2には、第3ロッドRD3を受容する複数の後方受容部30e-2(より具体的には、第3ロッドRD3が挿入される複数の貫通孔部)が形成されている。
【0186】
(昇温抑制表面の第1例)
図36に記載の例では、第1昇温抑制表面4-1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部を覆う第1レーザ反射層4r-1の表面を含む。換言すれば、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部は、第1レーザ反射層4r-1によって覆われる。
【0187】
第1搬送プレート3-1の少なくとも一部を覆う第1レーザ反射層4r-1は、レーザ反射率が高い材料(例えば、銅、銀またはアルミニウム)によって構成される。第1搬送プレート3-1は、例えば、鉄鋼、より具体的には、熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板または冷間圧延ステンレス鋼板によって構成される。
【0188】
第1レーザ反射層4r-1のレーザ反射率は、第1搬送プレート3-1のレーザ反射率よりも高い。第1レーザ反射層4r-1のレーザ反射率は、例えば、70%以上、80%以上、あるいは、90%以上である。
【0189】
第1レーザ反射層4r-1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の一部(例えば、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1の搬送面)のみを覆ってもよい。代替的に、第1レーザ反射層4r-1は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の全体を覆ってもよい。
図36に記載の例では、第1レーザ反射層4r-1は、第1搬送プレート3-1の平状搬送面SF1の少なくとも一部を覆う。
【0190】
第1レーザ反射層4r-1については、第1の実施形態において、説明済みであるため、第1レーザ反射層4r-1についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0191】
図36に記載の例では、第2昇温抑制表面4-2は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部を覆う第2レーザ反射層4r-2の表面を含む。換言すれば、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部は、第2レーザ反射層4r-2によって覆われる。
【0192】
第2搬送プレート3-2の少なくとも一部を覆う第2レーザ反射層4r-2は、レーザ反射率が高い材料(例えば、銅、銀またはアルミニウム)によって構成される。第2搬送プレート3-2は、例えば、鉄鋼、より具体的には、熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板または冷間圧延ステンレス鋼板によって構成される。
【0193】
第2レーザ反射層4r-2のレーザ反射率は、第2搬送プレート3-2のレーザ反射率よりも高い。第2レーザ反射層4r-2のレーザ反射率は、例えば、70%以上、80%以上、あるいは、90%以上である。
【0194】
第2レーザ反射層4r-2は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の一部(例えば、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2の搬送面)のみを覆ってもよい。代替的に、第2レーザ反射層4r-2は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の全体を覆ってもよい。
図36に記載の例では、第2レーザ反射層4r-2は、第2搬送プレート3-2の平状搬送面SF2の少なくとも一部を覆う。
【0195】
第2レーザ反射層4r-2については、第1の実施形態において、説明済みであるため、第2レーザ反射層4r-2についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0196】
(昇温抑制表面の第2例)
図39に記載の例では、第1昇温抑制表面4-1は、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1(すなわち、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1とは反対側の面)の少なくとも一部を覆う第1熱伝導層4c-1の表面を含む。換言すれば、第1搬送プレート3-1の第1裏面4n-1の少なくとも一部は、第1熱伝導層4c-1によって覆われる。
【0197】
第1熱伝導層4c-1の熱伝導率は、第1搬送プレート3-1の熱伝導率よりも高い。第1熱伝導層4c-1は、熱伝導率が高い材料(例えば、銅、銀またはアルミニウム)によって構成される。第1搬送プレート3-1は、例えば、鉄鋼、より具体的には、熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板または冷間圧延ステンレス鋼板によって構成される。
【0198】
第1熱伝導層4c-1は、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の一部(例えば、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1の裏面)のみを覆ってもよい。代替的に、第1熱伝導層4c-1は、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の全体を覆ってもよい。
【0199】
第1熱伝導層4c-1については、第1の実施形態において、説明済みであるため、第1熱伝導層4c-1についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0200】
図39に記載の例では、第2昇温抑制表面4-2は、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2(すなわち、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2とは反対側の面)の少なくとも一部を覆う第2熱伝導層4c-2の表面を含む。換言すれば、第2搬送プレート3-2の第2裏面4n-2の少なくとも一部は、第2熱伝導層4c-2によって覆われる。
【0201】
第2熱伝導層4c-2の熱伝導率は、第2搬送プレート3-2の熱伝導率よりも高い。第2熱伝導層4c-2は、熱伝導率が高い材料(例えば、銅、銀またはアルミニウム)によって構成される。第2搬送プレート3-2は、例えば、鉄鋼、より具体的には、熱間圧延軟鋼板、冷間圧延鋼板または冷間圧延ステンレス鋼板によって構成される。
【0202】
第2熱伝導層4c-2は、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の一部(例えば、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2の裏面)のみを覆ってもよい。代替的に、第2熱伝導層4c-2は、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の全体を覆ってもよい。
【0203】
第2熱伝導層4c-2については、第1の実施形態において、説明済みであるため、第2熱伝導層4c-2についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0204】
(昇温抑制表面の第3例)
昇温抑制表面の第3例は、昇温抑制表面の第1例と、昇温抑制表面の第2例との組み合わせである。例えば、
図39に例示されるように、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部は第1レーザ反射層4r-1によって覆われ、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の少なくとも一部は第1熱伝導層4c-1によって覆われる。また、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部は第2レーザ反射層4r-2によって覆われ、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の少なくとも一部は第2熱伝導層4c-2によって覆われる。
【0205】
昇温抑制表面の第1例、昇温抑制表面の第2例、あるいは、昇温抑制表面の第3例において、第1搬送プレート3-1の主材料は、例えば、鉄鋼である。また、第2搬送プレート3-2の主材料は、例えば、鉄鋼である。
【0206】
昇温抑制表面の第1例、昇温抑制表面の第2例、あるいは、昇温抑制表面の第3例において、第1昇温抑制表面4-1は、例えば、銅、銀またはアルミニウムによって構成される。より具体的には、第1昇温抑制表面4-1は、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金によって構成される。また、第2昇温抑制表面4-2は、例えば、銅、銀またはアルミニウムによって構成される。より具体的には、第2昇温抑制表面4-2は、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金によって構成される。
【0207】
(昇温抑制表面の第4例)
図40に記載の例では、第1昇温抑制表面4-1は、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の少なくとも一部に接触配置される第1放熱部材5-1の表面を含む。
【0208】
図40に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Bは、第1搬送プレート3-1によって支持される第1放熱部材5-1を備える。第1搬送プレート3-1は、当該第1放熱部材5-1に接触する接触面31tを有する。また、接触面31tは、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の少なくとも一部を含む。
【0209】
第1放熱部材5-1は、第1搬送プレート3-1に取り付けられる。第1放熱部材5-1は、溶接によって第1搬送プレート3-1に取り付けられてもよいし、ボルト、接着シート等の取付部材を介して第1搬送プレート3-1に取り付けられてもよい。
【0210】
図40に記載の例では、第1放熱部材5-1は、第1ヒートシンク50-1を含む。第1ヒートシンク50-1は、第1ベース部51-1と、第1ベース部51-1に配置された複数の第1放熱片52-1とを有していてもよい。第1放熱部材5-1は、第1ヒートシンク50-1に加えて、第1ヒートシンク50-1と第1搬送プレート3-1との間に配置される放熱シート(より具体的には、熱伝導率が高い熱伝導シート)を含んでいてもよい。第1ヒートシンク50-1は、例えば、アルミニウム製、銅製、または、セラミックス製である。
【0211】
図40に記載の例では、第1放熱部材5-1は、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1(より具体的には、第1平板部FP1)の少なくとも一部に接触配置されている。
【0212】
第1放熱部材5-1については、第1の実施形態において、説明済みであるため、第1放熱部材5-1についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0213】
図40に記載の例では、第2昇温抑制表面4-2は、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の少なくとも一部に接触配置される第2放熱部材5-2の表面を含む。
【0214】
図40に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Bは、第2搬送プレート3-2によって支持される第2放熱部材5-2を備える。第2搬送プレート3-2は、当該第2放熱部材5-2に接触する接触面32tを有する。また、接触面32tは、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の少なくとも一部を含む。
【0215】
第2放熱部材5-2は、第2搬送プレート3-2に取り付けられる。第2放熱部材5-2は、溶接によって第2搬送プレート3-2に取り付けられてもよいし、ボルト、接着シート等の取付部材を介して第2搬送プレート3-2に取り付けられてもよい。
【0216】
図40に記載の例では、第2放熱部材5-2は、第2ヒートシンク50-2を含む。第2ヒートシンク50-2は、第2ベース部51-2と、第2ベース部51-2に配置された複数の第2放熱片52-2とを有していてもよい。第2放熱部材5-2は、第2ヒートシンク50-2に加えて、第2ヒートシンク50-2と第2搬送プレート3-2との間に配置される放熱シート(より具体的には、熱伝導率が高い熱伝導シート)を含んでいてもよい。第2ヒートシンク50-2は、例えば、アルミニウム製、銅製、または、セラミックス製である。
【0217】
図40に記載の例では、第2放熱部材5-2は、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2(より具体的には、第2平板部FP2)の少なくとも一部に接触配置されている。
【0218】
第2放熱部材5-2については、第1の実施形態において、説明済みであるため、第2放熱部材5-2についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0219】
(昇温抑制表面の第5例)
昇温抑制表面の第1例乃至第4例では、第1搬送プレート3-1とは別に第1昇温抑制表面4-1が設けられ、第2搬送プレート3-2とは別に第2昇温抑制表面4-2が設けられている。昇温抑制表面の第5例では、第1搬送プレート3-1自体が第1搬送プレート3-1の昇温を抑制する昇温抑制表面を有し、第2搬送プレート3-2自体が第2搬送プレート3-2の昇温を抑制する昇温抑制表面を有する。
【0220】
図41に記載の例において、第1搬送プレート3-1の主材料は、銅またはアルミニウムである。より具体的には、第1搬送プレート3-1は、銅あるいは銅合金製、または、アルミニウムあるいはアルミニウム合金製である。
【0221】
図41に記載の例において、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部が、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金によって構成されている。第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の全体が、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金によって構成されていてもよい。
図41に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部を構成する銅表面またはアルミニウム表面が、レーザ反射率の高い昇温抑制表面である。
【0222】
図41に記載の例において、第2搬送プレート3-2の主材料は、銅またはアルミニウムである。より具体的には、第2搬送プレート3-2は、銅あるいは銅合金製、または、アルミニウムあるいはアルミニウム合金製である。
【0223】
図41に記載の例において、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部が銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金によって構成されている。第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の全体が、銅、銅合金、アルミニウム、または、アルミニウム合金によって構成されていてもよい。
図41に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部を構成する銅表面またはアルミニウム表面が、レーザ反射率の高い昇温抑制表面である。
【0224】
(レーザ加工装置1B)
図35に例示されるように、レーザ加工装置1Bは、ドロス搬送コンベヤ2Bと、レーザ照射装置60と、移動装置7と、制御装置8と、を備える。付加的に、レーザ加工装置1Bは、ワーク支持部材90を備えていてもよい。レーザ照射装置60、移動装置7、制御装置8、および、ワーク支持部材90については、第1の実施形態において説明済みであるため、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0225】
(第3の実施形態)
図1乃至
図42を参照して、第3の実施形態におけるワーク加工方法について説明する。
図42は、第3の実施形態におけるワーク加工方法の一例を示すフローチャートである。
【0226】
第3の実施形態におけるワーク加工方法は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを用いて行われてもよいし、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bを用いて行われてもよいし、その他のレーザ加工装置を用いて行われてもよい。
【0227】
第1ステップST1において、ワークWが加工される。第1ステップST1は、ワーク加工工程である。ワーク加工工程では、ワークWにレーザLBが照射されることにより、ワークWが加工される。より具体的には、レーザ照射装置60のレーザヘッド61からワークWにレーザLBが照射されることにより、ワークWが加工される。レーザ照射装置60のレーザヘッド61から射出されるレーザLBの波長は、例えば、1060nm以上1080nm以下である。
【0228】
ワーク加工工程(第1ステップST1)において加工されるワークWは、例えば、板材である。ワーク加工工程は、レーザLBを射出するレーザヘッド61を移動させることにより、ワークWをレーザ切断することを含んでいてもよい。また、ワーク加工工程は、一時的に静止状態のレーザヘッド61からレーザLBを射出することにより、ワークWをレーザ穿孔することを含んでいてもよい。ワークWがレーザLBによって加工されることにより、ワークWから製品(例えば、板製品)が形成される。
【0229】
ワーク加工工程(第1ステップST1)において、ワークWにレーザLBが照射されることにより、ワークWからドロスDが生成される。付加的に、ワークWにレーザLBが照射されることにより、ワークWから切り落とし片CFが生成されてもよい。生成されたドロスD、および/または、切り落とし片CFは、加工領域RG1において、下方に落下する。下方に落下するドロスD、および/または、切り落とし片CFは、ドロス搬送コンベヤ2によって受け取られる。
【0230】
ワーク加工工程(第1ステップST1)において、ワークWを通過するレーザLBは、ドロス搬送コンベヤ2に達する。ドロス搬送コンベヤ2に達するレーザLBは、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2を含む1群の搬送プレート3を昇温させる。第1搬送プレート3-1、第2搬送プレート3-2等は、熱膨張によって変形する。
【0231】
第2ステップST2において、ドロスDが搬送される。第2ステップST2は、ドロス搬送工程である。ドロス搬送工程では、第1方向DR1に延在する第1搬送プレート3-1と、第1搬送プレート3-1に隣接配置され第1方向DR1に延在する第2搬送プレート3-2とを含む1群の搬送プレート3を用いて、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成されるドロスDが搬送される。より具体的には、1群の搬送プレート3は、加工領域RG1から排出領域RG2にドロスDを搬送する。
【0232】
第2ステップST2(ドロス搬送工程)は、第1ステップST1(ワーク加工工程)と並列的に実行される。より具体的には、ドロス搬送コンベヤ2が駆動されている状態で(換言すれば、1群の搬送プレート3が周回軌道OBに沿って移動している状態で)、レーザ照射装置60からワークWにレーザLBが照射される。ワークWにレーザLBが照射されることによって、ドロスDおよび/または切り落とし片CFが、断続的または継続的に生成され、生成されたドロスDおよび/または切り落とし片CFは、順次、ドロス搬送コンベヤ2によって搬送される。
【0233】
図12、
図14、
図15、
図17、
図18、
図19、
図36、
図39、または、
図40に記載の例において、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、レーザLBのエネルギに起因して第1搬送プレート3-1が昇温されることが、第1搬送プレート3-1の少なくとも一部を覆う第1昇温抑制表面4-1によって抑制された状態で実行される。また、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、レーザLBのエネルギに起因して第2搬送プレート3-2が昇温されることが、第2搬送プレート3-2の少なくとも一部を覆う第2昇温抑制表面4-2によって抑制された状態で実行される。
【0234】
例えば、
図12、
図14、
図18、
図36、
図39、または、
図40に記載の例では、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、レーザLBのエネルギに起因して第1搬送プレート3-1が昇温されることが、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部を覆う第1レーザ反射層4r-1によって抑制された状態で実行される。例えば、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)の実行中に、レーザ照射装置60から射出されたレーザLBの一部が、第1レーザ反射層4r-1によって反射される。また、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、レーザLBのエネルギに起因して第2搬送プレート3-2が昇温されることが、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部を覆う第2レーザ反射層4r-2によって抑制された状態で実行される。例えば、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)の実行中に、レーザ照射装置60から射出されたレーザLBの一部が、第2レーザ反射層4r-2によって反射される。
【0235】
例えば、
図15、
図17、
図18、または、
図39に記載の例では、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、レーザLBのエネルギに起因して第1搬送プレート3-1が昇温されることが、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の少なくとも一部を覆う第1熱伝導層4c-1によって抑制された状態で実行される。例えば、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)の実行中に、第1搬送プレート3-1がレーザ照射されることに起因して生じた熱が、第1熱伝導層4c-1によって拡散される。また、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、レーザLBのエネルギに起因して第2搬送プレート3-2が昇温されることが、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の少なくとも一部を覆う第2熱伝導層4c-2によって抑制された状態で実行される。例えば、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)の実行中に、第2搬送プレート3-2がレーザ照射されることに起因して生じた熱が、第2熱伝導層4c-2によって拡散される。
【0236】
例えば、
図19、または、
図40に記載の例では、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、レーザLBのエネルギに起因して第1搬送プレート3-1が昇温されることが、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1の少なくとも一部に接触配置される第1放熱部材5-1によって抑制された状態で実行される。例えば、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)の実行中に、第1搬送プレート3-1がレーザ照射されることに起因して生じた熱が、第1搬送プレート3-1から第1放熱部材5-1に伝達され、第1放熱部材5-1は、第1搬送プレート3-1から受け取った熱を空気中に放熱する。また、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、レーザLBのエネルギに起因して第2搬送プレート3-2が昇温されることが、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2の少なくとも一部に接触配置される第2放熱部材5-2によって抑制された状態で実行される。例えば、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)の実行中に、第2搬送プレート3-2がレーザ照射されることに起因して生じた熱が、第2搬送プレート3-2から第2放熱部材5-2に伝達され、第2放熱部材5-2は、第2搬送プレート3-2から受け取った熱を空気中に放熱する。
【0237】
図12、
図14、
図15、
図17、
図18、
図19、
図24、
図36、
図39、
図40、または、
図41に記載の例において、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、第1搬送プレート3-1の昇温が抑制された状態で実行される。よって、第1搬送プレート3-1は、レーザ照射に起因して熱変形するものの、熱塑性変形に至る大きな熱変形は抑制される。また、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、第2搬送プレート3-2の昇温が抑制された状態で実行される。よって、第2搬送プレート3-2は、レーザ照射に起因して熱変形するものの、熱塑性変形に至る大きな熱変形は抑制される。
【0238】
第3ステップST3において、1群の搬送プレート3が冷却される。第3ステップST3は、冷却工程である。冷却工程(第3ステップST3)は、例えば、自然冷却によって行われる。より具体的には、冷却工程は、ワークWの加工終了後、1群の搬送プレート3が室温に放置されることにより行われる。
【0239】
付加的に、冷却工程は、空冷式の冷却装置95a、および、液冷式の冷却装置95bのうちの少なくとも一方を用いて、1群の搬送プレート3を強制的に冷却することを含んでいてもよい。例えば、
図34に例示されるように、冷却工程は、空冷式の冷却装置95aが一群の搬送プレート3にエアを吹き付けることを含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、冷却工程は、液槽97内の液体(例えば、水)に、一群の搬送プレート3を通過させることを含んでいてもよい。また、冷却工程は、液冷式の冷却装置95bが一群の搬送プレート3に液体(例えば、水)を吹き付けることを含んでいてもよい。
【0240】
空冷式の冷却装置95a、および、液冷式の冷却装置95bのうちの少なくとも一方を用いて、1群の搬送プレート3を強制的に冷却することは、ワーク加工工程(第1ステップST1)およびドロス搬送工程(第2ステップST2)と並列的に実行されてもよい。
【0241】
第3の実施形態におけるワーク加工方法では、第1搬送プレート3-1の熱塑性変形が抑制されるため、冷却工程によって冷却された後の第1搬送プレート3-1は、熱変形前の元の形状に戻る。また、第3の実施形態におけるワーク加工方法では、第2搬送プレート3-2の熱塑性変形が抑制されるため、冷却工程によって冷却された後の第2搬送プレート3-2は、熱変形前の元の形状に戻る。上述の第1ステップST1乃至第3ステップST3が繰り返し実行されることにより、1群の搬送プレート3の各々に多少の塑性変形は生じ得るが、ドロス搬送コンベヤ2の動作に障害が発生する程の塑性変形は避けられる。
【0242】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形または変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0243】
1、1A、1B…レーザ加工装置、2、2A、2B…ドロス搬送コンベヤ、3…搬送プレート、3-1…第1搬送プレート、3-2…第2搬送プレート、3-3…第3搬送プレート、3-N…搬送プレート、3a、3a-1、3a-2、3a-3…左端部、3b、3b-1、3b-2、3b-3…右端部、3e…後端部、3e-1…第1後端部、3e-2…第2後端部、3e-3…第3後端部、3e-N…搬送プレート3-Nの後端部、3f…前端部、3f-1…第1前端部、3f-2…第2前端部、3f-3…第3前端部、3m…中間部分、3m-1…第1中間部分、3m-2…第2中間部分、3m-3…第3中間部分、3n…裏面、3n-1…第1裏面、3n-2…第2裏面、3u…搬送面、3u-1…第1搬送面、3u-2…第2搬送面、4-1…第1昇温抑制表面、4-2…第2昇温抑制表面、4c-1…第1熱伝導層、4c-2…第2熱伝導層、4n-1…第1裏面、4n-2…第2裏面、4r-1…第1レーザ反射層、4r-2…第2レーザ反射層、5-1…第1放熱部材、5-2…第2放熱部材、7…移動装置、8…制御装置、11…移送装置、12…ワーク移送装置、12a…板材移送装置、13…容器、15…第2搬送コンベヤ、21…第1無端部材、21a…第1無端チェーン、22…第2無端部材、22a…第2無端チェーン、28…スプロケット、28a…第1スプロケット、28b…第2スプロケット、28c…第3スプロケット、28d…第4スプロケット、29…駆動装置、30e-1…後方受容部、30e-2…後方受容部、30f-1…前方受容部、30f-2…前方受容部、31t、32t…接触面、50-1…第1ヒートシンク、50-2…第2ヒートシンク、51-1…第1ベース部、51-2…第2ベース部、52-1…第1放熱片、52-2…第2放熱片、52f-1、52f-2…放熱フィン、52p-1、52p-2…放熱ピン、60…レーザ照射装置、61…レーザヘッド、63…レーザ光源、65…光学部品、70…ベース、71…第1移動装置、71a…第1移動体、71b…第1駆動装置、73…第2移動装置、73a…第2移動体、73b…第2駆動装置、75…第3移動装置、75a…第3移動体、75b…第3駆動装置、80…ハードウェアプロセッサ、82…メモリ、84…通信回路、86…入力装置、88…バス、90…ワーク支持部材、91…板部材、92…頂部、93…枠体、95、95a、95b…冷却装置、96…エア噴射装置、97…液槽、121…吸盤、822…加工プログラム、826…ワークデータ、862…タッチパネル付きディスプレイ、BA1…第1屈曲部、BB1…第2屈曲部、BA2…第3屈曲部、BB2…第4屈曲部、BT…ボルト、CF…切り落とし片、CP、CP1、CP2…凸状湾曲部、D…ドロス、EG…エッジ部、FP1…第1平板部、FP2…第2平板部、LB…レーザ、OB…周回軌道、OP…射出口、PT…パレット、R1…射出指令、RD1…第1ロッド、RD2…第2ロッド、RD3…第3ロッド、RG1…加工領域、RG2…排出領域、RG3…取出領域、S…移動指令、SD1、SD2…凹状裏面、SF1、SF2…平状搬送面、SN1、SN2…平状裏面、SU1、SU2…凸状搬送面、TP…立設部、TP1…第1立設部、TP2…第2立設部、W…ワーク、Wb…加工済みワーク、h1、h2…孔部
【要約】
ドロス搬送コンベヤは、第1方向に延在する第1搬送プレートと、第1搬送プレートに隣接配置され第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、第1搬送プレートの少なくとも一部を覆い、レーザのエネルギに起因して第1搬送プレートが昇温されることを抑制する第1昇温抑制表面と、第2搬送プレートの少なくとも一部を覆い、レーザのエネルギに起因して第2搬送プレートが昇温されることを抑制する第2昇温抑制表面と、を備える。