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特許7488432ドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】ドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/16 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
B23K26/16
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2024518866
(86)(22)【出願日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 JP2023046601
【審査請求日】2024-03-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000114787
【氏名又は名称】ヤマザキマザック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196003
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】道中 健吾
(72)【発明者】
【氏名】小林 容志
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 智
(72)【発明者】
【氏名】田原 誠
【審査官】柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-119502(JP,A)
【文献】実開平05-084485(JP,U)
【文献】特開2007-075848(JP,A)
【文献】特開平03-094990(JP,A)
【文献】特開2014-005111(JP,A)
【文献】実開昭54-158827(JP,U)
【文献】特開平02-274391(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0319983(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、
前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第1搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第1保護部材と、
前記第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第2搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第2保護部材と
を具備し、
前記第1保護部材は、
第1板部と、
第2板部と、
前記第1板部と前記第2板部との間に配置され、前記第1方向に延在する第1屈曲部と
を有し、
前記第2保護部材は、
第3板部と、
第4板部と、
前記第3板部と前記第4板部との間に配置され、前記第1方向に延在する第2屈曲部と
を有する
ドロス搬送コンベヤ。
【請求項2】
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、
前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第1搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第1保護部材と、
前記第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第2搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第2保護部材と
を具備し、
前記第1搬送プレートと前記第1保護部材との間に、空気層または断熱材が介在する
ロス搬送コンベヤ。
【請求項3】
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、
前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第1搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第1保護部材と、
前記第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第2搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第2保護部材と
を具備し、
前記第1保護部材は、前記第1搬送プレートに溶接されている
ロス搬送コンベヤ。
【請求項4】
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、
前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第1搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第1保護部材と、
前記第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第2搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第2保護部材と
を具備し、
前記第1保護部材に前記レーザが照射されることに応じて、前記第1保護部材は、前記第1搬送プレートから離れる方向に撓むように構成される
ロス搬送コンベヤ。
【請求項5】
前記第1搬送プレートの後端部は、前記第2搬送プレートの前端部と重なるように配置される
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項6】
前記第1搬送プレートの後端部と前記第2搬送プレートの前端部とがヒンジ結合される
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項7】
前記第1保護部材は、前記第1搬送プレートの前端部の少なくとも一部、または、前記第2搬送プレートの前記前端部の少なくとも一部を覆う第1カバー部を有する
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項8】
前記第1板部は、前記第1搬送プレートに接触配置され、
前記第2板部は、前記第1搬送プレートから離れる方向に立ち上がり、
前記第3板部は、前記第2搬送プレートに接触配置され、
前記第4板部は、前記第2搬送プレートから離れる方向に立ち上がる
請求項に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項9】
前記第1保護部材の前記第2板部と前記第2保護部材の前記第4板部との間に、前記ドロスを受容する第1受容空間が形成される
請求項に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項10】
前記第1保護部材のドロス支持面のレーザ反射率が、前記第1搬送プレートの前記第1搬送面のレーザ反射率よりも高い
請求項1乃至のいずれか一項に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項11】
1群の前記搬送プレートは、周回軌道に沿って移動することにより、加工領域から排出領域に前記ドロスを搬送するように構成され、
前記周回軌道は、前記加工領域から前記排出領域に向かうにつれて高さが高くなる登り傾斜を含む
請求項1乃至のいずれか一項に記載のドロス搬送コンベヤ。
【請求項12】
ワークに向けてレーザを照射するレーザヘッドを含むレーザ照射装置と、
前記ワークを支持するワーク支持部材に対して前記レーザヘッドを相対移動させる移動装置と、
前記レーザ照射装置、および、前記移動装置を制御する制御装置と、
ドロス搬送コンベヤと
を具備し、
前記ドロス搬送コンベヤは、
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、
前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第1搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第1保護部材と、
前記第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第2搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第2保護部材と
を有し、
前記第1保護部材は、
第1板部と、
第2板部と、
前記第1板部と前記第2板部との間に配置され、前記第1方向に延在する第1屈曲部と
を有し、
前記第2保護部材は、
第3板部と、
第4板部と、
前記第3板部と前記第4板部との間に配置され、前記第1方向に延在する第2屈曲部と
を有する
レーザ加工装置。
【請求項13】
ワークに向けてレーザを照射するレーザヘッドを含むレーザ照射装置と、
前記ワークを支持するワーク支持部材に対して前記レーザヘッドを相対移動させる移動装置と、
前記レーザ照射装置、および、前記移動装置を制御する制御装置と、
ドロス搬送コンベヤと
を具備し、
前記ドロス搬送コンベヤは、
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、
前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第1搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第1保護部材と、
前記第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第2搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第2保護部材と
を有し、
前記第1搬送プレートと前記第1保護部材との間に、空気層または断熱材が介在する
レーザ加工装置。
【請求項14】
ワークに向けてレーザを照射するレーザヘッドを含むレーザ照射装置と、
前記ワークを支持するワーク支持部材に対して前記レーザヘッドを相対移動させる移動装置と、
前記レーザ照射装置、および、前記移動装置を制御する制御装置と、
ドロス搬送コンベヤと
を具備し、
前記ドロス搬送コンベヤは、
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、
前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第1搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第1保護部材と、
前記第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第2搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第2保護部材と
を有し、
前記第1保護部材は、前記第1搬送プレートに溶接されている
レーザ加工装置。
【請求項15】
1群の前記搬送プレートを強制冷却する冷却装置を備える
請求項12乃至14のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
【請求項16】
ワークにレーザを照射することにより、前記ワークを加工する工程と、
第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含む1群の搬送プレートを用いて、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する工程と
を具備し、
前記ワークを加工する工程は、
前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆う第1保護部材によって、前記第1搬送プレートに前記レーザが達するのが抑制された状態、且つ、
前記第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部を覆う第2保護部材によって、前記第2搬送プレートに前記レーザが達するのが抑制された状態
で実行され、
前記第1保護部材は、
第1板部と、
第2板部と、
前記第1板部と前記第2板部との間に配置され、前記第1方向に延在する第1屈曲部と
を有し、
前記第2保護部材は、
第3板部と、
第4板部と、
前記第3板部と前記第4板部との間に配置され、前記第1方向に延在する第2屈曲部と
を有する
ワーク加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チップコンベヤを備えたレーザ加工機が知られている。
【0003】
関連する技術として、特許文献1には、レーザ加工機のチップコンベヤが開示されている。特許文献1に記載のチップコンベヤは、コンベヤベルトを構成する多数のプレートを有する。各プレートは、ジョイントにより、他のプレートに折曲自在に連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実願平3-19091号(実開平4-108984号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、搬送プレートの熱変形を抑制可能なドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態におけるドロス搬送コンベヤは、第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第1搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第1保護部材と、前記第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第2搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第2保護部材と、を具備する。
【0007】
いくつかの実施形態におけるレーザ加工装置は、ワークに向けてレーザを照射するレーザヘッドを含むレーザ照射装置と、前記ワークを支持するワーク支持部材に対して前記レーザヘッドを相対移動させる移動装置と、前記レーザ照射装置、および、前記移動装置を制御する制御装置と、ドロス搬送コンベヤと、を具備する。前記ドロス搬送コンベヤは、第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第1搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第1保護部材と、前記第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部を覆い、前記第2搬送プレートに前記レーザが達することを抑制する第2保護部材と、を有する。
【0008】
いくつかの実施形態におけるワーク加工方法は、ワークにレーザを照射することにより、前記ワークを加工する工程と、第1方向に延在する第1搬送プレートと、前記第1搬送プレートに隣接配置され前記第1方向に延在する第2搬送プレートとを含む1群の搬送プレートを用いて、前記ワークに前記レーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する工程と、を具備する。前記ワークを加工する工程は、前記第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆う第1保護部材によって、前記第1搬送プレートに前記レーザが達するのが抑制された状態で実行される。また、前記ワークを加工する工程は、前記第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部を覆う第2保護部材によって、前記第2搬送プレートに前記レーザが達するのが抑制された状態で実行される。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、搬送プレートの熱変形を抑制可能なドロス搬送コンベヤ、レーザ加工装置、および、ワーク加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略断面図である。
図2図2は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
図3図3は、比較例におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
図4図4は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略斜視図である。
図5図5は、第1搬送プレートおよび第2搬送プレートを含む一群の搬送プレートが周回軌道に沿って移動可能な様子を模式的に示す概略斜視図である。
図6図6は、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤを模式的に示す概略斜視図である。
図7図7は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
図8図8は、1群の搬送プレートの一部分を模式的に示す分解斜視図である。
図9図9は、第1搬送プレートが、第1無端チェーンおよび第2無端チェーンに取り付けられた様子を模式的に示す図である。
図10図10は、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤの転向部を拡大して示す概略断面図である。
図11図11は、第1保護部材が取り付けられた第1搬送プレートと、第2保護部材が取り付けられた第2搬送プレートと、第3保護部材が取り付けられた第3搬送プレートとを模式的に示す分解斜視図である。
図12図12は、保護部材の第1例を説明するための図である。
図13図13は、保護部材の第1例を説明するための図である。
図14図14は、保護部材の第1例を説明するための図である。
図15図15は、第1保護部材が取り付けられた第1搬送プレートと、第2保護部材が取り付けられた第2搬送プレートと、第3保護部材が取り付けられた第3搬送プレートとを模式的に示す分解斜視図である。
図16図16は、保護部材の第2例を説明するための図である。
図17図17は、保護部材の第2例を説明するための図である。
図18図18は、第1保護部材が取り付けられた第1搬送プレートと、第2保護部材が取り付けられた第2搬送プレートと、第3保護部材が取り付けられた第3搬送プレートとを模式的に示す分解斜視図である。
図19図19は、保護部材の第3例を説明するための図である。
図20図20は、保護部材の第4例を説明するための図である。
図21図21は、保護部材の第5例を説明するための図である。
図22図22は、保護部材の第6例を説明するための図である。
図23図23は、第1保護部材が取り付けられた第1搬送プレートと、第2保護部材が取り付けられた第2搬送プレートと、第3保護部材が取り付けられた第3搬送プレートとを模式的に示す分解斜視図である。
図24図24は、保護部材の第6例を説明するための図である。
図25図25は、第1保護部材が取り付けられた第1搬送プレートと、第2保護部材が取り付けられた第2搬送プレートと、第3保護部材が取り付けられた第3搬送プレートとを模式的に示す分解斜視図である。
図26図26は、保護部材の第7例を説明するための図である。
図27図27は、第1保護部材が取り付けられた第1搬送プレートと、第2保護部材が取り付けられた第2搬送プレートと、第3保護部材が取り付けられた第3搬送プレートとを模式的に示す分解斜視図である。
図28図28は、保護部材の第7例において、保護部材が撓む前の状態を模式的に示す概略断面図である。
図29図29は、保護部材の第7例において、保護部材が撓んだ後の状態を模式的に示す概略断面図である。
図30図30は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略平面図である。
図31図31は、1群の搬送プレートの周回軌道が登り傾斜を含む様子を模式的に示す概略断面図である。
図32図32は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略側面図である。
図33図33は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略平面図である。
図34図34は、ワーク支持部材の一例を模式的に示す概略斜視図である。
図35図35は、第1の実施形態の第1変形例におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略斜視図である。
図36図36は、ワーク支持部材から加工済みワークが取り外される様子を模式的に示す概略平面図である。
図37図37は、第1の実施形態の第2変形例におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略斜視図である。
図38図38は、制御装置が複数の制御対象機器を制御可能な様子を模式的に示す図である。
図39図39は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略側面図である。
図40図40は、冷却装置について説明するための図である。
図41図41は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置を模式的に示す概略断面図である。
図42図42は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。
図43図43は、第1保護部材が取り付けられた第1搬送プレートと、第2保護部材が取り付けられた第2搬送プレートと、第3保護部材が取り付けられた第3搬送プレートとを模式的に示す分解斜視図である。
図44図44は、第1搬送プレートおよび第2搬送プレートを含む一群の搬送プレートが周回軌道に沿って移動可能な様子を模式的に示す概略斜視図である。
図45図45は、第3の実施形態におけるワーク加工方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2、レーザ加工装置1、および、ワーク加工方法について説明する。なお、以下の実施形態の説明において、同一の機能を有する部位、部材については同一の符号を付し、同一の符号が付された部位、部材についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0012】
(用語の定義)
図2に例示されるように、1群の搬送プレート3の各々は、搬送面3uを有する。本明細書において、搬送面とは、ドロス搬送時に、直接的に、あるいは、保護部材4等を介して間接的にドロスを支持する面を意味する。より具体的には、搬送面3uは、ドロス搬送時に、概ね上方を向く面である。例えば、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1は、第1搬送プレート3-1によるドロス搬送時に、直接的に、あるいは、第1保護部材4-1を介して間接的にドロスを支持する。第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1は、第1搬送プレート3-1によるドロス搬送時に、概ね上方を向く。また、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2は、第2搬送プレート3-2によるドロス搬送時に、直接的に、あるいは、第2保護部材4-2を介して間接的にドロスを支持する。第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2は、第2搬送プレート3-2によるドロス搬送時に、概ね上方を向く。
【0013】
図2に例示されるように、1群の搬送プレート3の各々は、裏面3nを有する。本明細書において、裏面とは、各搬送プレートにおいて、搬送面3uとは反対側の面を意味する。より具体的には、裏面3nは、ドロス搬送時に、概ね下方を向く面である。例えば、第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1は、第1搬送プレート3-1によるドロス搬送時に、第1搬送面3u-1の下方に位置する面である。第1搬送プレート3-1の第1裏面3n-1は、第1搬送プレート3-1によるドロス搬送時に、概ね下方を向く。また、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2は、第2搬送プレート3-2によるドロス搬送時に、第2搬送面3u-2の下方に位置する面である。より具体的には、第2搬送プレート3-2の第2裏面3n-2は、第2搬送プレート3-2によるドロス搬送時に、概ね下方を向く。
【0014】
本明細書において、レーザ照射装置60から射出されるレーザが到達可能な領域のことを「加工領域RG1」と定義する(図1を参照。)。加工領域RG1に配置されるワークWは、レーザによって加工される(より具体的には、切断または穿孔される。)。ワークWにレーザが照射されることによって生成されるドロスは、加工領域RG1において、1群の搬送プレート3によって受け取られる。
【0015】
(方向の定義)
本明細書において、第1搬送プレート3-1の延在方向(あるいは、各搬送プレート3の延在方向)を、第1方向DR1と定義する。本明細書において、1群の搬送プレート3の移動方向(あるいは、各搬送プレート3の移動方向)を、第2方向DR2と定義する。図5に例示されるように、本明細書において、1群の搬送プレート3の周回軌道OBの内側(図5においてドットによるハッチングが付加された部分を参照。)から、当該周回軌道OBの外側に向かう方向を第3方向DR3と定義する。第3方向DR3は、各搬送プレート3において、裏面3nから搬送面3uに向かう方向と一致する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1乃至図40を参照して、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2A、および、レーザ加工装置1Aについて説明する。図1は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略断面図である。図2は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。図3は、比較例におけるレーザ加工装置の一部分を模式的に示す概略断面図である。図4は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。図5は、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2を含む一群の搬送プレート3が周回軌道OBに沿って移動可能な様子を模式的に示す概略斜視図である。図6は、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aを模式的に示す概略斜視図である。図7は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略断面図である。図8は、1群の搬送プレート3の一部分を模式的に示す分解斜視図である。図9は、第1搬送プレート3-1が、第1無端チェーン21aおよび第2無端チェーン22aに取り付けられた様子を模式的に示す図である。図10は、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aの転向部を拡大して示す概略断面図である。図11図15図18図23図25、および、図27の各々は、第1保護部材4-1が取り付けられた第1搬送プレート3-1と、第2保護部材4-2が取り付けられた第2搬送プレート3-2と、第3保護部材4-3が取り付けられた第3搬送プレート3-3とを模式的に示す分解斜視図である。図12乃至図14は、保護部材4の第1例を説明するための図である。図16および図17は、保護部材4の第2例を説明するための図である。図19は、保護部材4の第3例を説明するための図である。図20は、保護部材4の第4例を説明するための図である。図21は、保護部材4の第5例を説明するための図である。図22および図24は、保護部材4の第6例を説明するための図である。図26は、保護部材4の第7例を説明するための図である。図28は、保護部材4の第7例において、保護部材4が撓む前の状態を模式的に示す概略断面図である。図29は、保護部材4の第7例において、保護部材4が撓んだ後の状態を模式的に示す概略断面図である。図30は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略平面図である。図31は、1群の搬送プレート3の周回軌道OBが登り傾斜CLを含む様子を模式的に示す概略断面図である。図32は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略側面図である。図33は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aの一部分を模式的に示す概略平面図である。図34は、ワーク支持部材90の一例を模式的に示す概略斜視図である。図35は、第1の実施形態の第1変形例におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。図36は、ワーク支持部材90から加工済みワークWbが取り外される様子を模式的に示す概略平面図である。図37は、第1の実施形態の第2変形例におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略斜視図である。図38は、制御装置8が複数の制御対象機器を制御可能な様子を模式的に示す図である。図39は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを模式的に示す概略側面図である。図40は、冷却装置95について説明するための図である。
【0017】
図2に例示されるように、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aは、1群の搬送プレート3と、第1保護部材4-1と、第2保護部材4-2と、を備える。
【0018】
1群の搬送プレート3は、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成されるドロスDを搬送する。1群の搬送プレート3は、ドロスDに加えて、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成される切り落とし片CFを搬送してもよい。
【0019】
なお、本明細書において、ドロスとは、レーザが照射されることにより溶解された材料(より具体的には、金属材料)の固化によって形成される不規則形状の塊(換言すれば、無作為形状の塊)を意味するものとする。
【0020】
1群の搬送プレート3は、第1方向DR1に延在する第1搬送プレート3-1と、第1方向DR1に延在する第2搬送プレート3-2と、を含む。1群の搬送プレート3の各々は、第1方向DR1を長手方向とする細長いプレートである。図2に記載の例では、第2搬送プレート3-2は、第1搬送プレート3-1に隣接配置されている。
【0021】
図2に記載の例において、ワークWを通過するレーザLBは、ドロス搬送コンベヤ2Aに達する。図3に例示されるように、搬送プレート3にレーザLBが達すると、当該搬送プレート3が熱変形する。搬送プレート3は、過度な撓みが抑制されるように設計されており、熱変形に対しても十分な耐性がある。特に、図3に示されるような形状の搬送プレート3は、曲げ剛性が高く、撓みにくい。しかし、レーザLBの出力がより高くされ、あるいは、レーザLBのエネルギー密度がより大きくされると、図3に示されるような形状の搬送プレート3であっても、熱変形が過大となる可能性がある。また、搬送プレート3の熱変形が過大になると、1群の搬送プレート3の円滑な移動が妨げられる可能性がある。
【0022】
図2に例示されるように、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aは、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部を覆う第1保護部材4-1と、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部を覆う第2保護部材4-2と、を備える。第1保護部材4-1は、第1搬送プレート3-1にレーザLBが達することを抑制し、第2保護部材4-2は、第2搬送プレート3-2にレーザLBが達することを抑制する。一例として、図2に記載の例では、第1保護部材4-1は、第1搬送プレート3-1より熱変形しにくい形状になっており、第1搬送プレート3-1より熱変形に対してより耐性がある。また、一例として、図2に記載の例では、第2保護部材4-2は、第2搬送プレート3-2より熱変形しにくい形状になっており、熱変形に対してより耐性がある。
【0023】
第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aでは、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2の各々にレーザLBが達することが抑制されることにより、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2の各々の熱変形が抑制される。また、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2の各々が熱変形に起因して撓むことが抑制される。こうして、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2を含む1群の搬送プレート3を円滑に移動させることができる。
【0024】
また、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aでは、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2に、第1保護部材4-1および第2保護部材4-2が、それぞれ配置されるため、保護部材4が付加されることに起因して、第2搬送プレート3-2に対する第1搬送プレート3-1の相対運動(例えば、図10に例示される各搬送プレート3の転向時の相対運動)が妨げられることがない。
【0025】
図1に例示されるように、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aは、上述のドロス搬送コンベヤ2Aと、ワークWに向けてレーザLBを照射するレーザヘッド61を含むレーザ照射装置60と、ワークWを支持するワーク支持部材90に対してレーザヘッド61を相対移動させる移動装置7と、レーザ照射装置60、および、移動装置7を制御する制御装置8と、を備える。なお、1つのコンピュータが制御装置8として機能してもよいし、複数のコンピュータが協働して、制御装置8として機能してもよい。
【0026】
第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aは、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aと同様の効果を奏する。
【0027】
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図40を参照して、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2A、および、レーザ加工装置1A(あるいは、後述の第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2B、および、レーザ加工装置1B)において採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0028】
図1に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Aの一部は、レーザ照射装置60の直下に配置されている。また、ドロス搬送コンベヤ2Aの1群の搬送プレート3は、加工領域RG1(より具体的には、レーザ照射装置60の直下の領域)を横切って移動可能なように構成されている。
【0029】
図1に記載の例では、1群の搬送プレート3は、加工領域RG1から排出領域RG2にドロスを搬送する。図1に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々は、排出領域RG2において、反転する(より具体的には、水平軸まわりに180度ターンする。)。その結果、1群の搬送プレート3によって搬送されるドロスDは、排出領域RG2において、1群の搬送プレート3から排出される。なお、1群の搬送プレート3によって、切り落とし片CF(図2を参照。)が搬送される場合には、当該切り落とし片CFも、排出領域RG2において、1群の搬送プレート3から排出される。
【0030】
図4に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Aは、第1無端部材21と、第2無端部材22と、駆動装置29と、を備える。第1無端部材21および第2無端部材22は、1群の搬送プレート3を支持する。より具体的には、1群の搬送プレート3は、第1無端部材21および第2無端部材22に取り付けられる。
【0031】
第1無端部材21および第2無端部材22は、駆動装置29によって、直接的または間接的に駆動される。より具体的には、第1無端部材21は、第1周回軌道B1(図5を参照。)に沿って進行するように、駆動装置29によって、直接的または間接的に駆動され、第2無端部材22は、第1周回軌道B1に平行な第2周回軌道B2(図5を参照。)に沿って進行するように、駆動装置29によって、直接的または間接的に駆動される。第1周回軌道B1と第2周回軌道B2との間の間隔G1(換言すれば、第1方向DR1に沿う方向における第1周回軌道B1と第2周回軌道B2との間の距離)は、例えば、1m以上3m以下である。
【0032】
図6に記載の例では、第1無端部材21は、第1無端チェーン21aであり、第2無端部材22は、第2無端チェーン22aである。図6に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2は、第1スプロケット28a、第2スプロケット28b、第3スプロケット28c、および、第4スプロケット28dを含む複数のスプロケット28を有する。第1無端チェーン21aは、少なくとも、第1スプロケット28aおよび第2スプロケット28bに係合している(より具体的には、第1無端チェーン21aは、少なくとも、第1スプロケット28aおよび第2スプロケット28bに掛け回されている。)。また、第2無端チェーン22aは、少なくとも、第3スプロケット28cおよび第4スプロケット28dに係合している(より具体的には、第2無端チェーン22aは、少なくとも、第3スプロケット28cおよび第4スプロケット28dに掛け回されている。)。
【0033】
図6に記載の例では、第1無端チェーン21aは、少なくとも第1スプロケット28aを介して、駆動装置29によって駆動され、第2無端チェーン22aは、少なくとも第3スプロケット28cを介して、駆動装置29によって駆動される。
【0034】
1群の搬送プレート3は、周回軌道OBに沿って移動する。図5に例示されるように、1群の搬送プレート3の周回軌道OBは、第1無端チェーン21aの第1周回軌道B1と平行であり、第2無端チェーン22aの第2周回軌道B2と平行である。
【0035】
(1群の搬送プレート3)
1群の搬送プレート3の各々は、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成される複数片のドロスDの一部を搬送し、レーザLBによって昇温される。例えば、第1搬送プレート3-1、および、第2搬送プレート3-2の各々は、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成される複数片のドロスDの一部を搬送し、レーザLBによって昇温される。1群の搬送プレート3の各々は、1つの部品によって構成されていてもよく、複数の部品のアセンブリによって構成されていてもよい。
【0036】
図7に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Aは、第1搬送プレート3-1、第2搬送プレート3-2、および、第3搬送プレート3-3を含む1群の搬送プレート3を有する。1群の搬送プレート3の各々は、第1方向DR1に沿って延在する。1群の搬送プレート3に含まれる搬送プレート3の数は、例えば、20個以上、50個以上、あるいは、80個以上である。本明細書において、1群の搬送プレート3に含まれる搬送プレート3の数を「N」と定義する。「N」は、例えば、20以上の自然数である。
【0037】
「K」を、1以上「N-1」以下の任意の自然数と定義するとき、第K+1搬送プレートは、第K搬送プレートに隣接配置される。また、第1搬送プレート3-1は、第N搬送プレートに隣接配置される。こうして、1群の搬送プレート3は、全体として環状に配置される。例えば、第2搬送プレート3-2は、第1搬送プレート3-1に隣接配置されるとともに、第3搬送プレート3-3に隣接配置される。
【0038】
1群の搬送プレート3の各々は、前端部3fと、後端部3eと、前端部3fと後端部3eとの間に配置される中間部分3mと、を有する。なお、図7に記載の例において、各搬送プレート3の前端部3fは、移動方向前方側の端部(換言すれば、第2方向DR2側の端部)であり、各搬送プレート3の後端部3eは、移動方向後方側の端部(換言すれば、第2方向DR2とは反対側の端部)である。
【0039】
図8に例示されるように、1群の搬送プレート3の各々は、左端部3aと、右端部3bとを有する。図8に記載の例において、各搬送プレート3の左端部3aは、当該搬送プレート3の搬送面3uを後端部3eから前端部3fに向かう方向に見て、左側の端部であり、各搬送プレート3の右端部3bは、当該搬送プレート3の搬送面3uを後端部3eから前端部3fに向かう方向に見て、右側の端部である。
【0040】
第1搬送プレート3-1は、前端部(以下、「第1前端部3f-1」という。)と、後端部(以下、「第1後端部3e-1」という。)と、第1前端部3f-1と第1後端部3e-1との間に配置される中間部分(以下、「第1中間部分3m-1」という。)と、左端部3a-1と、右端部3b-1と、を有する。
【0041】
第2搬送プレート3-2は、前端部(以下、「第2前端部3f-2」という。)と、後端部(以下、「第2後端部3e-2」という。)と、第2前端部3f-2と第2後端部3e-2との間に配置される中間部分(以下、「第2中間部分3m-2」という。)と、左端部3a-2と、右端部3b-2と、を有する。
【0042】
第3搬送プレート3-3は、前端部(以下、「第3前端部3f-3」という。)と、後端部(以下、「第3後端部3e-3」という。)と、第3前端部3f-3と第3後端部3e-3との間に配置される中間部分(以下、「第3中間部分3m-3」という。)と、左端部3a-3と、右端部3b-3と、を有する。
【0043】
図7に記載の例では、各搬送プレート3の前端部3fは、平面視において(換言すれば、第3方向DR3とは反対の方向に見て)、隣接配置される他の1つの搬送プレートの後端部3eと重なるように配置され、各搬送プレート3の後端部3eは、平面視において(換言すれば、第3方向DR3とは反対の方向に見て)、隣接配置される他の別の1つの搬送プレートの前端部3fと重なるように配置される。
【0044】
例えば、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1は、平面視において(換言すれば、第3方向DR3とは反対の方向に見て)、他の搬送プレート3-Nの後端部と重なるように配置される。より具体的には、他の搬送プレート3-Nの後端部は、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1によって覆われる。また、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1は、平面視において、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2と重なるように配置される。より具体的には、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1は、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2によって覆われる。更に、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2は、平面視において(換言すれば、第3方向DR3とは反対の方向に見て)、第3搬送プレート3-3の第3前端部3f-3と重なるように配置される。より具体的には、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2は、第3搬送プレート3-3の第3前端部3f-3によって覆われる。
【0045】
1群の搬送プレート3の各々の長さ(より具体的には、第1方向DR1に沿う方向における長さ)は、例えば、1m以上3m以下である。第1搬送プレート3-1の長さL1(図8を参照。)は、例えば、1m以上3m以下であり、第2搬送プレート3-2の長さは、例えば、1m以上3m以下である。
【0046】
1群の搬送プレート3の各々の幅(より具体的には、1群の搬送プレート3の各々の第2方向DR2に沿う方向における幅)は、例えば、4cm以上20cm以下である。例えば、第1搬送プレート3-1の幅W1は、例えば、4cm以上20cm以下であり、第2搬送プレート3-2の幅は、例えば、4cm以上20cm以下である。
【0047】
1群の搬送プレート3の各々の板厚は、例えば、10mm以下あるいは5mm以下である。
【0048】
1群の搬送プレート3の各々は、金属製である。1群の搬送プレート3の各々は、例えば、鉄鋼製、より具体的には、熱間圧延軟鋼板製、冷間圧延鋼板製または冷間圧延ステンレス鋼板製である。
【0049】
1群の搬送プレート3の各々の左端部3aは、第1無端部材21(より具体的には、第1無端チェーン21a)に取り付けられる。また、1群の搬送プレート3の各々の右端部3bは、第2無端部材22(より具体的には、第2無端チェーン22a)に取り付けられる。
【0050】
図8に記載の例では、第1搬送プレート3-1の左端部3a-1には、ボルトを挿入可能な孔部h1が形成され、第1搬送プレート3-1の右端部3b-1には、ボルトを挿入可能な孔部h2が形成されている。図9に記載の例では、第1搬送プレート3-1の左端部3a-1は、ボルトBTを介して、第1無端チェーン21aに取り付けられ、第1搬送プレート3-1の右端部3b-1は、ボルトBTを介して、第2無端チェーン22aに取り付けられる。図7および図8から把握されるように、第1搬送プレート3-1は隣接する他の搬送プレートに結合していない。よって、第1搬送プレート3-1の損傷時に、第1搬送プレート3-1を新たな第1搬送プレートに交換するのが容易である。
【0051】
図7に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々の前端部3fは、第3方向DR3に凸である湾曲部CP(より具体的には、円弧形状部)を有する。なお、第1の実施形態において、1群の搬送プレート3の各々の前端部3fの形状は、図7に記載の例に限定されない。
【0052】
図7に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々の後端部3eは、第3方向DR3に突出する立設部TPを有する。図10に例示されるように、立設部TPは、各搬送プレート3の転向時に、後続の搬送プレートの湾曲部CPの下方のドロスDを掻き出す。例えば、第1搬送プレート3-1の第1立設部TP1は、第1搬送プレート3-1の転向時に、第2搬送プレート3-2の第2湾曲部CP2の下方のドロスDを掻き出す。なお、第1の実施形態において、1群の搬送プレート3の各々の後端部3eの形状は、図7に記載の例に限定されない。
【0053】
図7に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々は、湾曲部CPと立設部TPとを接続する中間部分3mを有する。湾曲部CPと中間部分3mとは屈曲部BAを介して接続され、立設部TPと中間部分3mとは屈曲部BBを介して接続されている。
【0054】
1群の搬送プレート3のうち、第1搬送プレート3-1、および、第2搬送プレート3-2について代表的に説明する。
【0055】
図8に記載の例では、第1搬送プレート3-1は、第1前端部3f-1と、第1後端部3e-1と、第1前端部3f-1と第1後端部3e-1との間に配置される第1中間部分3m-1と、を有する。
【0056】
第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1は、第3方向DR3に凸である第1湾曲部CP1(より具体的には、第1の円弧形状部)を有する。第1湾曲部CP1は、第1方向DR1に延在する。
【0057】
第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1は、第3方向DR3に突出する第1立設部TP1を有する。第1立設部TP1は、第1方向DR1に延在する。
【0058】
第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1は、第1平板部FP1を有する。第1平板部FP1は、第1方向DR1に延在する。
【0059】
第1湾曲部CP1と第1中間部分3m-1とは、第1方向DR1に延在する屈曲部BA1を介して接続され、第1立設部TP1と第1中間部分3m-1とは、第1方向DR1に延在する屈曲部BB1を介して接続される。
【0060】
図8に記載の例では、第2搬送プレート3-2は、第2前端部3f-2と、第2後端部3e-2と、第2前端部3f-2と第2後端部3e-2との間に配置される第2中間部分3m-2と、を有する。
【0061】
第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2は、第3方向DR3に凸である第2湾曲部CP2(より具体的には、第2の円弧形状部)を有する。第2湾曲部CP2は、第1方向DR1に延在する。
【0062】
第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2は、第3方向DR3に突出する第2立設部TP2を有する。第2立設部TP2は、第1方向DR1に延在する。
【0063】
第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2は、第2平板部FP2を有する。第2平板部FP2は、第1方向DR1に延在する。
【0064】
第2湾曲部CP2と第2中間部分3m-2とは、第1方向DR1に延在する屈曲部BA2を介して接続され、第2立設部TP2と第2中間部分3m-2とは、第1方向DR1に延在する屈曲部BB2を介して接続される。
【0065】
(複数の保護部材4)
図7に例示されるように、ドロス搬送コンベヤ2Aは、複数の保護部材4を備える。複数の保護部材4の各々は、対応する搬送プレート3の搬送面の少なくとも一部を覆い、当該搬送プレート3にレーザLBが達することを抑制する。複数の保護部材4の各々は、第1方向DR1に沿って延在する。
【0066】
より具体的には、ドロス搬送コンベヤ2Aは、第1保護部材4-1、第2保護部材4-2、第3保護部材4-3を含む複数の保護部材4を備える。第1保護部材4-1は、第1搬送プレート3-1の搬送面(すなわち、第1搬送面3u-1)の少なくとも一部を覆い、第1搬送プレート3-1にレーザLBが達することを抑制する。第1保護部材4-1は、第1方向DR1に沿って延在する。第1保護部材4-1は、第1搬送プレート3-1に直接的または間接的に取り付けられる。
【0067】
第2保護部材4-2は、第2搬送プレート3-2の搬送面(すなわち、第2搬送面3u-2)の少なくとも一部を覆い、第2搬送プレート3-2にレーザLBが達することを抑制する。第2保護部材4-2は、第1方向DR1に沿って延在する。第2保護部材4-2は、第2搬送プレート3-2に直接的または間接的に取り付けられる。
【0068】
第3保護部材4-3は、第3搬送プレート3-3の搬送面(すなわち、第3搬送面3u-3)の少なくとも一部を覆い、第3搬送プレート3-3にレーザLBが達することを抑制する。第3保護部材4-3は、第1方向DR1に沿って延在する。第3保護部材4-3は、第3搬送プレート3-3に直接的または間接的に取り付けられる。
【0069】
複数の保護部材4の各々は、金属製である。複数の保護部材4の各々は、例えば、鋼製である。複数の保護部材4の各々は、例えば、圧延鋼板(より具体的には、熱間圧延鋼板)によって構成される。複数の保護部材4の各々の材質は、1群の搬送プレート3の各々の材質と同じであってもよいし、1群の搬送プレート3の各々の材質と異なっていてもよい。複数の保護部材4の各々は、1層構造であってもよいし、多層構造を有していてもよい。
【0070】
複数の保護部材4の各々は、ボルトBT(必要であれば、図27を参照。)、ブラケット等の取付部材を介して、対応する搬送プレート3に取り付けられてもよい。代替的に、複数の保護部材4の各々は、溶接によって、対応する搬送プレート3に取り付けられてもよい。
【0071】
図11に記載の例では、第1保護部材4-1は、溶接によって(より具体的には、スポット溶接によって)、第1搬送プレート3-1に取り付けられている。図11には、第1保護部材4-1と第1搬送プレート3-1とを溶接する溶接部J1が示されている。第1保護部材4-1は、少なくとも、第1搬送プレート3-1の長手方向両端部領域および第1搬送プレート3-1の長手方向中央領域において、第1搬送プレート3-1に溶接されていてもよい。
【0072】
第1搬送プレート3-1に第1保護部材4-1が溶接される場合、溶接部J1にレーザLBが照射されても問題が生じない。また、第1搬送プレート3-1と第1保護部材4-1との間の接合領域に関し、自由度が高い。例えば、図11に例示されるように、第1搬送プレート3-1の長手方向中央領域において、第1保護部材4-1が第1搬送プレート3-1に溶接される場合、第1保護部材4-1が第1搬送プレート3-1から離れる方向に浮き上がりにくい。また、第1搬送プレート3-1に第1保護部材4-1が溶接される場合、部品点数の増加が抑制され、取付コストが低減される。
【0073】
図11に記載の例では、第1保護部材4-1が第1搬送プレート3-1にスポット溶接されているが、第1保護部材4-1は第1搬送プレート3-1に線状に溶接されてもよい。例えば、第1保護部材4-1の前縁および第1保護部材4-1の後縁の各々が、第1搬送プレート3-1に線状に溶接されてもよい(必要であれば、図22を参照。)。
【0074】
また、スポット溶接の場合は、線状の溶接に比べ第1保護部材4-1から第1搬送プレート3-1への熱の伝達が抑制されるとともに、第1保護部材4-1で放熱されるため、第1搬送プレート3-1が熱変形しにくい。第1保護部材4-1は、第1搬送プレート3-1に、3点以上でスポット溶接されていてもよい。3点以上でスポット溶接される場合、第1保護部材4-1が第1搬送プレート3-1から離れる方向に浮き上がりにくい。
【0075】
以下、保護部材4のいくつかの例について説明するが、保護部材4は、以下に説明されるいくつかの例に限定されない。また、複数の保護部材4のうち、第1保護部材4-1、および、第2保護部材4-2について代表的に説明するが、他の保護部材に、第1保護部材4-1と同様の構成を適用可能であることは言うまでもない。
【0076】
(保護部材4の第1例)
図11に記載の例では、第1保護部材4-1は、第1板部41-1と、第2板部42-1と、第1板部41-1と第2板部42-1との間に配置され第1方向DR1に延在する第1屈曲部43-1と、を有する。
【0077】
第1保護部材4-1が、2つの板部と、2つの板部の間に配置される屈曲部とを有する場合、第1保護部材4-1の断面二次モーメントが大きくなる。よって、第1保護部材4-1が撓みにくい。また、第1保護部材4-1の板厚を相対的に薄くすることができる。
【0078】
図12に記載の例では、第1板部41-1は、第1搬送プレート3-1に接触配置されている。第1板部41-1は、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1(より具体的には、第1搬送プレート3-1の第1平板部FP1)に面接触していてもよい。
【0079】
図12に記載の例では、第2板部42-1は、第1搬送プレート3-1から離れる方向に立ち上がるように配置されている。第2板部42-1は、第1板部41-1から第3方向DR3に立ち上がる。図12に記載の例では、第1板部41-1と第2板部42-1との間のなす角度は90度である。代替的に、第1板部41-1と第2板部42-1との間のなす角度は、90度以外の角度(例えば、60度以上120度以下の所定の角度)であってもよい。図12に記載の例では、第1保護部材4-1は、第1方向DR1に垂直な断面において略L字形状を有する。
【0080】
図12に記載の例では、第1保護部材4-1のドロス支持面S1が上方を向いている状態において、第1保護部材4-1の上端E1の高さ(より具体的には、第2板部42-1の上端E1の高さ)が、第1搬送プレート3-1の第1立設部TP1の上端E2の高さよりも高い。
【0081】
図12に記載の例では、第1保護部材4-1のドロス支持面S1が上方を向いている状態において、第1保護部材4-1の上端E1の高さ(より具体的には、第2板部42-1の上端E1の高さ)が、第1搬送プレート3-1の第1湾曲部CP1の上端E3の高さよりも高い。代替的に、第1保護部材4-1のドロス支持面S1が上方を向いている状態において、第1保護部材4-1の上端E1の高さが、第1搬送プレート3-1の第1湾曲部CP1の上端E3の高さよりも低くてもよい。
【0082】
図12に記載の例では、第1保護部材4-1のドロス支持面S1が上方を向いている状態において、第1保護部材4-1の後端部は、平面視において(換言すれば、第3方向DR3とは反対の方向に見て)、第2搬送プレート3-2の第2湾曲部CP2と重なっていない。代替的に、図2に例示されるように、第1保護部材4-1のドロス支持面S1が上方を向いている状態において、第1保護部材4-1の後端部EPは、平面視において(換言すれば、第3方向DR3とは反対の方向に見て)、第2搬送プレート3-2の第2湾曲部CP2と重なっていてもよい。
【0083】
図12に記載の例では、第1保護部材4-1の板厚(例えば、第1板部41-1の板厚)は、第1搬送プレート3-1の板厚よりも小さい。代替的に、図2に例示されるように、第1保護部材4-1の板厚は、第1搬送プレート3-1の板厚と同等であってもよい。
【0084】
図11に記載の例では、第2保護部材4-2は、第3板部41-2と、第4板部42-2と、第3板部41-2と第4板部42-2との間に配置され第1方向DR1に延在する第2屈曲部43-2と、を有する。
【0085】
図12に記載の例では、第3板部41-2は、第2搬送プレート3-2に接触配置されている。第3板部41-2は、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2(より具体的には、第2搬送プレート3-2の第2平板部FP2)に面接触していてもよい。
【0086】
図12に記載の例では、第4板部42-2は、第2搬送プレート3-2から離れる方向に立ち上がるように配置されている。第4板部42-2は、第3板部41-2から第3方向DR3に立ち上がる。図12に記載の例では、第2保護部材4-2は、第1方向DR1に垂直な断面において略L字形状を有する。第2保護部材4-2の形状およびサイズは、例えば、第1保護部材4-1の形状およびサイズと同じである。
【0087】
図12に記載の例では、第1保護部材4-1の第2板部42-1と第2保護部材4-2の第4板部42-2との間に、ドロスDを受容する第1受容空間SP1が形成されている。第1受容空間SP1の形状を把握し易くするために、図12において、第1受容空間SP1にドットによるハッチングが付加されている。
【0088】
図12に記載の例では、第2板部42-1が、第1板部41-1の前端部(換言すれば、第2方向DR2側の端部)に接続されている。代替的に、図13に例示されるように、第2板部42-1が、第1板部41-1の後端部(換言すれば、第2方向DR2とは反対方向側の端部)に接続されていてもよい。
【0089】
更に代替的に、第2板部42-1が、第1板部41-1の中間部に接続されていてもよい。換言すれば、第2板部42-1と第1板部41-1とが、T字状に接続されていてもよい。
【0090】
更に代替的に、図14に例示されるように、第1保護部材4-1は、第1板部41-1の前端部に接続される第2板部42-1に加えて、第1板部41-1の後端部に接続される後方板部44-1を有していてもよい。後方板部44-1は、第1搬送プレート3-1から離れる方向に立ち上がるように配置されている。図14に記載の例では、第1保護部材4-1は、第1方向DR1に垂直な断面において略U字形状を有する。
【0091】
図12に記載の例において、保護部材4は、対応する搬送プレート3の搬送面の少なくとも一部を覆う。こうして、レーザ照射に起因する搬送プレート3への入熱が抑制され、搬送プレート3の熱変形および撓みが抑制される。また、保護部材4は、少なくとも、2つの板部、および、2つの板部の間に配置される屈曲部を有する。よって、保護部材4の剛性によって、搬送プレートの熱変形、および、保護部材自体の熱変形が抑制される。
【0092】
(保護部材4の第2例)
図15に記載の例では、第1保護部材4-1は、第1板部41-1、第2板部42-1、および、第1屈曲部43-1に加えて、第1カバー部45-1を有する点で、図11に記載の例とは異なる。その他の点では、保護部材4の第2例は、保護部材4の第1例と同様である。
【0093】
図16に記載の例では、第1カバー部45-1は、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1(より具体的には、第1湾曲部CP1)の少なくとも一部を覆う。図16に記載の例では、第1保護部材4-1のドロス支持面S1が上方を向いている状態において、第1カバー部45-1は、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1(より具体的には、第1湾曲部CP1)の直上に配置されている。
【0094】
図16に記載の例では、第1カバー部45-1は、第1搬送プレート3-1の第1湾曲部CP1の全体を覆う。代替的に、第1カバー部45-1は、第1搬送プレート3-1の第1湾曲部CP1の一部のみを覆ってもよい。
【0095】
図15に記載の例では、第1カバー部45-1は、第1方向DR1に延在する屈曲部47-1を介して、第2板部42-1に接続されている。
【0096】
図16に記載の例では、第1カバー部45-1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、直線形状を有する。代替的に、第1カバー部45-1は、第1方向DR1に沿う方向に見て、湾曲形状を有していてもよい。図16に記載の例では、第1カバー部45-1と第2板部42-1との間のなす角度は90度である。代替的に、第1カバー部45-1と第2板部42-1との間のなす角度は、90度以外の角度(例えば、60度以上120度以下の所定の角度)であってもよい。
【0097】
図15に記載の例では、第2保護部材4-2は、第3板部41-2、第4板部42-2、および、第2屈曲部43-2に加えて、第2カバー部45-2を有する。図16に記載の例では、第2カバー部45-2は、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2の少なくとも一部(より具体的には、第2湾曲部CP2の少なくとも一部)を覆う。
【0098】
図16に記載の例では、第1カバー部45-1が、第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1(より具体的には、第1湾曲部CP1)の少なくとも一部を覆う。代替的に、図17に例示されるように、第1カバー部45-1は、第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2(より具体的には、第2湾曲部CP2)の少なくとも一部を覆ってもよい。
【0099】
保護部材4が、対応する搬送プレート3の前端部の少なくとも一部、または、後続する搬送プレート3の前端部の少なくとも一部を覆うカバー部を有する場合、レーザ照射に起因する搬送プレート3への入熱が更に抑制され、搬送プレート3の熱変形および撓みが更に抑制される。
【0100】
(保護部材4の第3例)
図18および図19に例示される保護部材4の第3例では、各保護部材4において第1方向DR1に延在する屈曲部が省略され、各保護部材4の板厚が相対的に厚い。その他の点では、保護部材4の第3例は、保護部材4の第1例と同様である。
【0101】
図18に記載の例では、第1保護部材4-1および第2保護部材4-2の各々は、厚板平板である。第1保護部材4-1の板厚(より具体的には、第1板部41-1の板厚)は、3.2mm以上である。また、第2保護部材4-2の板厚は、3.2mm以上である。
【0102】
第1保護部材4-1の板厚は、第1搬送プレート3-1の板厚より大きくてもよいし、第1搬送プレート3-1の板厚と同等であってもよい。第2保護部材4-2の板厚は、第2搬送プレート3-2の板厚より大きくてもよいし、第2搬送プレート3-2の板厚と同等であってもよい。
【0103】
図19に記載の例では、第1方向DR1に垂直な断面における各保護部材4の形状は、略長方形形状である。
【0104】
複数の保護部材4の各々の板厚が十分に大きい場合、複数の保護部材4の各々の断面二次モーメントが大きくなる。よって、複数の保護部材4の各々が撓みにくい。
【0105】
(保護部材4の第4例)
図20に記載の例では、各保護部材4のドロス支持面のレーザ反射率が、各搬送プレート3の搬送面3uのレーザ反射率よりも高い。なお、第1の実施形態(あるいは、後述の第2の実施形態)において、レーザ照射装置60から射出されるレーザの波長は、例えば、1060nm以上1080nm以下である。
【0106】
図20に記載の例では、第1保護部材4-1のドロス支持面S1のレーザ反射率が、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1のレーザ反射率よりも高い。波長が1060nm以上1080nm以下のレーザに対する、第1保護部材4-1のドロス支持面S1のレーザ反射率は、例えば、70%以上、80%以上、あるいは、90%以上である。
【0107】
第1保護部材4-1は、母材48-1と、当該母材48-1の少なくとも一部を覆うレーザ反射層49-1とを有していてもよい。図20に記載の例では、レーザ反射層49-1は、母材48-1の第3方向DR3側の表面を覆う。レーザ反射層49-1は、例えば、金属層である。レーザ反射層49-1の材質は、例えば、銅である。
【0108】
図20に記載の例では、第1保護部材4-1は、第1搬送プレート3-1を構成する材料と比較して、レーザ反射率が高い材料(例えば、銅)によって構成されるレーザ反射層49-1を有する。代替的に、第1保護部材4-1の全体が、第1搬送プレート3-1を構成する材料と比較して、レーザ反射率の高い材料によって構成されていてもよい。
【0109】
図20に記載の例では、第2保護部材4-2のドロス支持面S2のレーザ反射率が、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2のレーザ反射率よりも高い。波長が1060nm以上1080nm以下のレーザに対する、第2保護部材4-2のドロス支持面S2のレーザ反射率は、例えば、70%以上、80%以上、あるいは、90%以上である。
【0110】
第2保護部材4-2は、母材48-2と、当該母材48-2の少なくとも一部を覆うレーザ反射層49-2(例えば、銅層)とを有していてもよい。代替的に、第2保護部材4-2の全体が、第2搬送プレート3-2を構成する材料と比較して、レーザ反射率の高い材料(例えば、銅)によって構成されていてもよい。
【0111】
図20に記載の例では、複数の保護部材4の各々のドロス支持面は、レーザ照射装置60から射出されるレーザLBを効果的に反射する。こうして、各搬送プレート3への入熱が抑制され、各搬送プレート3の熱変形および撓みが抑制される。また、各保護部材4への入熱も抑制され、各保護部材4の熱変形および撓みが抑制される。
【0112】
各保護部材4のドロス支持面のレーザ反射率を、対応する搬送プレート3の搬送面3uのレーザ反射率よりも高くする態様は、保護部材4の第1例、第2例、第3例、および、後述の保護部材4の第5例、第6例、第7例においても採用可能である。
【0113】
(保護部材4の第5例)
図21に記載の例では、各保護部材4と、対応する搬送プレート3との間に断熱材46が介在する。例えば、第1保護部材4-1と第1搬送プレート3-1との間に断熱材46-1が介在し、第2保護部材4-2と第2搬送プレート3-2との間に断熱材46-2が介在する。
【0114】
断熱材46-1は、レーザLBが照射されることにより昇温する第1保護部材4-1から第1搬送プレート3-1に熱が伝達されることを抑制する。こうして、第1搬送プレート3-1の熱変形が抑制され、熱変形に起因する第1搬送プレート3-1の撓みが抑制される。断熱材46-1の熱伝導率は、第1保護部材4-1を構成する材料の熱伝導率よりも低い。また、断熱材46-1の熱伝導率は、第1搬送プレート3-1を構成する材料の熱伝導率よりも低い。
【0115】
断熱材46-2は、レーザLBが照射されることにより昇温する第2保護部材4-2から第2搬送プレート3-2に熱が伝達されることを抑制する。こうして、第2搬送プレート3-2の熱変形が抑制され、熱変形に起因する第2搬送プレート3-2の撓みが抑制される。断熱材46-2の熱伝導率は、第2保護部材4-2を構成する材料の熱伝導率よりも低い。また、断熱材46-2の熱伝導率は、第2搬送プレート3-2を構成する材料の熱伝導率よりも低い。
【0116】
各保護部材4と対応する搬送プレート3との間に断熱材46を介在させる態様は、上述の保護部材4の第1例、第2例、第3例、第4例、および、後述の保護部材4の第6例、第7例においても採用可能である。
【0117】
(保護部材の第6例)
図22に記載の例では、各保護部材4と、対応する搬送プレート3との間に空気層ALが介在する。例えば、第1保護部材4-1と第1搬送プレート3-1との間に空気層AL1が介在し、第2保護部材4-2と第2搬送プレート3-2との間に空気層AL2が介在する。
【0118】
空気層AL1は、レーザLBが照射されることにより昇温する第1保護部材4-1から第1搬送プレート3-1に熱が伝達されることを抑制する。こうして、第1搬送プレート3-1の熱変形が抑制され、熱変形に起因する第1搬送プレート3-1の撓みが抑制される。
【0119】
空気層AL2は、レーザLBが照射されることにより昇温する第2保護部材4-2から第2搬送プレート3-2に熱が伝達されることを抑制する。こうして、第2搬送プレート3-2の熱変形が抑制され、熱変形に起因する第2搬送プレート3-2の撓みが抑制される。
【0120】
図22に記載の例では、第1保護部材4-1は、第1板部41-1と、第2板部42-1と、第1板部41-1と第2板部42-1との間に配置され第1方向DR1に延在する第1屈曲部43-1と、を有する。図23に記載の例では、第1板部41-1および第2板部42-1によって山形状が規定され、第1屈曲部43-1は、当該山形状の稜線を規定する。
【0121】
図22に記載の例では、第1保護部材4-1の第1板部41-1は、第1搬送プレート3-1に接触配置されている。また、第1保護部材4-1の第2板部42-1は、第1搬送プレート3-1に接触配置されている。
【0122】
図22に記載の例では、第1保護部材4-1は、溶接によって、第1搬送プレート3-1に取り付けられている。より具体的には、第1保護部材4-1は、第1方向DR1に沿って延在する線状の溶接部J1を介して、第1搬送プレート3-1に取り付けられている。
【0123】
図22に記載の例では、第1保護部材4-1は、第1方向DR1に垂直な断面において略V字形状を有する。なお、逆V字形状は、見る方向を変えれば、V字形状になるため、本明細書において、略逆V字形状は、略V字形状に包含されるものとする。
【0124】
図23に記載の例では、第1搬送プレート3-1と第1保護部材4-1とを含む構造体SR1に、当該構造体SR1の外部と当該構造体SR1の内部の空気層AL1との間で、空気が移動することを許容する複数の開口4hが設けられている。図23に記載の例では、構造体SR1の第1端部(より具体的には、左端部)に、当該構造体SR1の外部と当該構造体SR1の内部とを連通する第1開口4h-1が設けられ、構造体SR1の第2端部(より具体的には、右端部)に、当該構造体SR1の外部と当該構造体SR1の内部とを連通する第2開口4h-2が設けられている。
【0125】
図22に記載の例では、第1方向DR1に垂直な断面における空気層AL1の形状は、略三角形形状である。代替的に、第1方向DR1に垂直な断面における空気層AL1の形状は、三角形形状以外の形状であってもよい。例えば、図24に例示されるように、第1方向DR1に垂直な断面における空気層AL1の形状は、略長方形形状であってもよい。
【0126】
図24に記載の例では、第1保護部材4-1は、第1板部41-1と、第2板部42-1と、第1板部41-1と第2板部42-1との間の第1屈曲部43-1と、第2板部42-1に対向配置される後方板部44-1と、を有する。また、第1保護部材4-1は、第1方向DR1に垂直な断面において略C字形状を有する。
【0127】
図25に記載の例では、第1搬送プレート3-1と第1保護部材4-1とを含む構造体SR1に、当該構造体SR1の外部と当該構造体SR1の内部の空気層AL1との間で、空気が移動することを許容する複数の開口4hが設けられている。
【0128】
保護部材4と対応する搬送プレート3との間に空気層ALを介在させる態様は、上述の保護部材4の第1例、第2例、第3例、第4例、第5例、および、後述の保護部材4の第7例においても採用可能である。
【0129】
(保護部材4の第7例)
図26に記載の例では、複数の保護部材4の各々にレーザLBが照射されることに応じて、当該保護部材4が対応する搬送プレート3から離れる方向に撓むように構成される。
【0130】
例えば、第1保護部材4-1にレーザLBが照射されることに応じて、第1保護部材4-1(より具体的には、第1保護部材4-1の長手方向中央部分4m-1)は、第1搬送プレート3-1から離れる方向(より具体的には、第3方向DR3)に撓むように構成される。また、第2保護部材4-2にレーザLBが照射されることに応じて、第2保護部材4-2(より具体的には、第2保護部材4-2の長手方向中央部分4m-2)は、第2搬送プレート3-2から離れる方向(より具体的には、第3方向DR3)に撓むように構成される。
【0131】
図27に記載の例では、第1保護部材4-1の第1端部4a-1(より具体的には、左端部)は、第1搬送プレート3-1に固定され、第1保護部材4-1の第2端部4b-1(より具体的には、右端部)は、第1搬送プレート3-1に固定されている。第1端部4a-1および第2端部4b-1の各々は、ボルトBT等の固定部材によって、第1搬送プレート3-1に固定されてもよいし、溶接によって、第1搬送プレート3-1に固定されてもよい。
【0132】
図26に記載の例において、第1保護部材4-1の厚さは、撓み易い厚さに設定されている。このため、第1保護部材4-1にレーザLBが照射されることにより第1保護部材4-1が熱膨張すると、第1保護部材4-1(より具体的には、第1保護部材4-1の長手方向中央部分4m-1)は、第1搬送プレート3-1から離れる方向に撓む。第1保護部材4-1が、第1搬送プレート3-1から離れる方向に撓むと、第1保護部材4-1と第1搬送プレート3-1との間には空気層AL1が形成される。当該空気層AL1は、レーザLBが照射されることにより昇温する第1保護部材4-1から、第1搬送プレート3-1に熱が伝達されることを抑制する。こうして、第1搬送プレート3-1の熱変形が抑制され、熱変形に起因する第1搬送プレート3-1の撓みが抑制される。
【0133】
図28および図29に記載の例では、第1保護部材4-1にレーザLBが照射されることに応じて、第1保護部材4-1の長手方向中央部分4m-1と、第1搬送プレート3-1の長手方向中央部分との間の間隔が拡大するように構成されている。より具体的には、第1保護部材4-1にレーザLBが照射されることに応じて、第1保護部材4-1の長手方向中央部分4m-1と第1搬送プレート3-1の長手方向中央部分とが接する状態から、第1保護部材4-1の長手方向中央部分4m-1が第1搬送プレート3-1の長手方向中央部分から離間する状態に状態変更される。当該間隔の拡大により(あるいは、当該状態変更により)、第1保護部材4-1と第1搬送プレート3-1との間に空気が導入される。こうして、第1保護部材4-1から第1搬送プレート3-1に熱が伝達されることが抑制されるとともに、第1保護部材4-1から空気への放熱が促進される。
【0134】
図26に記載の例では、第1保護部材4-1は、薄板によって構成されている。また、第2保護部材4-2は、薄板によって構成されている。
【0135】
(保護部材4の長さ)
複数の保護部材4の各々の第1方向DR1に沿う方向における長さは、対応する搬送プレート3の第1方向DR1に沿う方向における長さより短い。例えば、第1保護部材4-1の長さは、第1搬送プレート3-1の長さよりも短く、第2保護部材4-2の長さは、第2搬送プレート3-2の長さよりも短い。
【0136】
上述の保護部材4の第1例、第2例、第3例、第4例、第5例、第6例、第7例において、第1方向DR1に沿う方向における第1保護部材4-1の長さL2(図11を参照。)は、例えば、80cm以上200cm以下である。また、第1方向DR1に沿う方向における第2保護部材4-2の長さは、例えば、80cm以上200cm以下である。
【0137】
第1保護部材4-1が、第1板部41-1と第2板部42-1との間に配置される第1屈曲部43-1を有する場合、第1方向DR1に沿う方向における当該第1屈曲部43-1の長さは、例えば、80cm以上200cm以下である。
【0138】
複数の保護部材4の各々は、第1方向DR1に沿う方向においてレーザLBの軸線移動幅をカバーできていればよく、複数の保護部材4の各々は必要以上に長くなくてもよい。すなわち、図30に例示されるように、平面視において、レーザLBの軸線ATの第1方向DR1に沿う方向における移動可能範囲を第1範囲RA1と定義するとき、複数の保護部材4の各々の長さおよび配置は、少なくとも、第1範囲RA1の全体を第2方向DR2に横切ることが可能なように設定されていることが好ましい。
【0139】
逆に言えば、平面視において、第1範囲RA1から外れる位置にまで、複数の保護部材4の各々が延在している必要はない。当該観点から、図11に記載の例では、第1保護部材4-1の第1方向DR1に沿う長さL2は、第1搬送プレート3-1の第1方向DR1に沿う方向における長さL1より短い。例えば、第1保護部材4-1の第1方向DR1に沿う長さL2は、上述の第1範囲RA1(図30を参照。)の長さ以上であり、且つ、第1搬送プレート3-1の第1方向DR1に沿う方向における長さL1より短い。
【0140】
ただし、上述の長さL2は上述の長さL1と等しくてもよい。また、第1搬送プレート3-1の側端部が上述の無端部材(21、22)への取り付けのために補強されている等の何らかの事情によっては、上述の長さL2は、上述の第1範囲RA1(図30を参照。)の長さより短くても構わない。
【0141】
(保護部材4の幅)
複数の保護部材4の各々の第2方向DR2に沿う方向における幅は、対応する搬送プレート3の第2方向DR2に沿う方向における幅より短い。例えば、第1保護部材4-1の幅は、第1搬送プレート3-1の幅よりも短く、第2保護部材4-2の幅は、第2搬送プレート3-2の幅よりも短い。
【0142】
上述の保護部材4の第1例、第2例、第3例、第4例、第5例、第6例、第7例において、第1方向DR1に沿う方向における第1保護部材4-1の幅W2(図11を参照。)は、例えば、2cm以上6cm以下である。
【0143】
(周回軌道OBの登り傾斜)
図31に例示されるように、一群の搬送プレート3の周回軌道OBは、加工領域RG1から排出領域RG2に向かうにつれて高さが高くなる登り傾斜CLを含んでいてもよい。周回軌道OBが登り傾斜CLを含む場合、排出領域RG2に、ドロス搬送コンベヤ2からドロスDを受け取る容器13、あるいは、ドロス搬送コンベヤ2からドロスDを受け取る第2搬送コンベヤ15(必要であれば、図37を参照。)を配置し易い。
【0144】
(レーザ加工装置1A)
図1に例示されるように、レーザ加工装置1Aは、ドロス搬送コンベヤ2Aと、レーザ照射装置60と、移動装置7と、制御装置8と、を備える。付加的に、レーザ加工装置1Aは、ワーク支持部材90を備えていてもよい。
【0145】
ドロス搬送コンベヤ2Aについては説明済みであるため、ドロス搬送コンベヤ2Aについての繰り返しとなる説明は省略する。
【0146】
図32に例示されるように、レーザ照射装置60は、レーザヘッド61を有し、レーザヘッド61はレーザを射出する射出口OPを有する。レーザ照射装置60は、レーザ光源63と、レーザ光源63からレーザヘッド61にレーザを伝達する光学部品65(例えば、光ファイバ等)と、を備えていてもよい。
【0147】
移動装置7は、レーザヘッド61を、ワーク支持部材90に対して、相対移動させる。また、移動装置7は、レーザヘッド61を、ワーク支持部材90に支持されたワークWに対して、相対移動させる。なお、ワーク支持部材90に支持されるワークWは、例えば、板材である。
【0148】
図32に記載の例では、移動装置7は、レーザヘッド61を支持する移動体(71a;73a)と、移動体(71a;73a)を移動させる駆動装置(71b;73b)と、を有する。
【0149】
図32に記載の例では、移動装置7は、第1移動装置71を有する。第1移動装置71は、レーザヘッド61を支持する第1移動体71aと、第1移動体71aを移動させる第1駆動装置71b(例えば、第1モータ)とを有する。
【0150】
図32に記載の例において、第1移動体71aは、Zサドルとして機能し、第1駆動装置71bは、Z軸駆動部として機能する。第1駆動装置71bは、第1移動体71aを、鉛直方向に平行な方向(換言すれば、Z軸方向)に移動させる。より具体的には、第1駆動装置71bは、第1移動体71aがワーク支持部材90に近づくように、第1移動体71aを下方に移動させることができる。また、第1駆動装置71bは、第1移動体71aがワーク支持部材90から遠ざかるように、第1移動体71aを上方に移動させることができる。
【0151】
図32に記載の例では、移動装置7は、第2移動装置73を有する。第2移動装置73は、第2移動体73aと、第2移動体73aを移動させる第2駆動装置73b(例えば、第2モータ)とを有する。第2移動体73aは、第1移動体71aを、鉛直方向に平行な方向に移動可能なように支持する。
【0152】
図32に記載の例において、第2移動体73aは、Yサドルとして機能し、第2駆動装置73bは、Y軸駆動部として機能する。第2駆動装置73bは、第2移動体73aを、水平面に平行な方向(より具体的には、Y軸方向)に移動させる。
【0153】
図33に記載の例では、移動装置7は、第3移動装置75を有する。第3移動装置75は、第3移動体75aと、第3移動体75aを移動させる第3駆動装置75b(例えば、第3モータ)とを有する。第3移動体75aは、第2移動体73aを、Y軸方向に平行な方向に移動可能なように支持する。
【0154】
図33に記載の例において、第3移動体75aは、Xサドルとして機能し、第3駆動装置75bは、X軸駆動部として機能する。第3駆動装置75bは、第3移動体75aを、水平面に平行な方向(より具体的には、Z軸およびY軸に垂直なX軸方向)に移動させる。
【0155】
図32に例示されるように、第3移動体75aは、門型構造体によって構成されていてもよい。図33に記載の例では、第3移動体75aは、平面視において(換言すれば、第3方向DR3とは反対の方向に見て)、加工領域RG1を横切るように移動可能である。第3移動体75aは、ベース70によって、X軸方向に平行な方向に移動可能なように支持されている。
【0156】
図34に記載の例において、ワーク支持部材90は、板材であるワークを支持する剣山を含む。当該剣山は、板材であるワークWを支持する複数の頂部92を有する。
【0157】
図34に記載の例では、ワーク支持部材90は、水平面(例えば、図34におけるX-Y平面)に対して立ち姿勢となるように配置された複数の板部材91を有する。また、複数の板部材91の各々は、鋸刃状のエッジ部EGを有する。
【0158】
ワーク支持部材90は、水平面に対して立ち姿勢となるように配置された10枚以上の板部材91を有していてもよいし、水平面に対して立ち姿勢となるように配置された20枚以上の板部材91を有していてもよい。各板部材91は、例えば、金属製である。
【0159】
図34に記載の例では、ワーク支持部材90は、移送可能なパレットPTである。パレットPTは、複数の板部材91と、複数の板部材91が取り付けられる枠体93とを有する。枠体93の底部は、底部開口を規定する。ワークWにレーザLBが照射されることによって生成されるドロスDは、隣接する2つの板部材91の間の空間、および、枠体93によって規定される底部開口を通って、ドロス搬送コンベヤ2Aに向かって落下する。
【0160】
図35に例示されるように、レーザ加工装置1Aは、ワーク支持部材90を移送する移送装置11を備えていてもよい。移送装置11は、ワーク支持部材90を加工領域RG1から取出領域RG3に移送する。その後、取出領域RG3に配置されたワーク支持部材90から加工済みワークWb(より具体的には、加工済みの板材)が取り外される。図36に例示されるように、当該取り外しは、加工済みワークWbを吸着可能な吸盤121を用いて行われてもよいし、加工済みワークWbを掬い上げることが可能なフォークを用いて行われてもよい。代替的に、当該取り外しは、ロボットあるいは作業者によって行われてもよい。
【0161】
図36に記載の例では、レーザ加工装置1Aは、加工前のワーク、および、加工済みワークWbを移送するワーク移送装置12(例えば、ロボットハンド)を有する。ワーク移送装置12は、板材であるワークを移送する板材移送装置12aであってもよい。板材移送装置12aは、板材であるワークを吸着する複数の吸盤121、または、板材であるワークを下方から支持するフォークを有していてもよい。代替的に、作業者の手作業によって加工前のワークW、および、加工済みワークWbは移送されてもよい。
【0162】
図1に記載の例では、レーザ加工装置1Aは、ドロス搬送コンベヤ2AからドロスDを受け取る容器13を有する。当該容器13は、排出領域RG2において、ドロス搬送コンベヤ2Aの直下に配置されている。
【0163】
レーザ加工装置1Aは、ドロス搬送コンベヤ2AからドロスDを受け取る第2搬送コンベヤ15を有していてもよい。図37に記載の例では、第2搬送コンベヤ15のドロス搬送面が、排出領域RG2において、ドロス搬送コンベヤ2Aの直下に配置されている。図37に記載の例では、第2搬送コンベヤ15は、ドロス搬送コンベヤ2Aから受け取ったドロスを、容器13に搬送する。
【0164】
図38に記載の例において、制御装置8は、レーザ照射装置60、移動装置7(例えば、第1駆動装置71b、第2駆動装置73b、第3駆動装置75b)を制御する。制御装置8は、ワーク支持部材90を移送する移送装置11(図35を参照。)、および/または、ワークWを移送するワーク移送装置12(図36を参照。)を制御してもよい。また、制御装置8は、ドロス搬送コンベヤ2Aの駆動装置29を制御してもよい。
【0165】
図39に記載の例において、制御装置8は、レーザ照射装置60(例えば、レーザ光源63)に射出指令R1を送信することにより、レーザヘッド61からレーザLBを射出させる。より具体的には、制御装置8は、レーザ照射装置60(例えば、レーザ光源63)に射出指令R1を送信し、射出指令R1を受信するレーザ照射装置60は、レーザヘッド61(より具体的には、レーザヘッド61の射出口)からレーザLBを射出する。
【0166】
図39に記載の例において、制御装置8は、移動装置7に移動指令Sを送信することにより、レーザヘッド61を移動させる。より具体的には、制御装置8は、移動装置7に移動指令Sを送信し、移動指令Sを受信する移動装置7は、レーザヘッド61を移動させる。
【0167】
図39に例示されるように、制御装置8は、ハードウェアプロセッサ80(以下、単に、「プロセッサ80」という。)と、メモリ82と、通信回路84と、入力装置86(例えば、タッチパネル付きディスプレイ862)と、を備える。プロセッサ80と、メモリ82と、通信回路84と、入力装置86とは、バス88を介して互いに接続されている。ワークWの加工に必要なデータ(例えば、ワークWの形状データおよびワークWの加工位置データを含むワークデータ826等)は、入力装置86を介して制御装置8に入力されてもよいし、他のコンピュータから通信回路84を介して制御装置8に入力されてもよい。なお、入力装置86は、タッチパネル付きディスプレイ862に限定されない。例えば、制御装置8は、ボタン、スイッチ、レバー、ポインティングデバイス、キーボード等の入力装置86と、当該入力装置86に入力されたデータ、あるいは、その他の情報を表示するディスプレイと、を備えていてもよい。
【0168】
メモリ82は、ワークデータ826等のデータ、および、加工プログラム822等のプログラムを記憶する。メモリ82は、制御装置8のプロセッサ80によって読み取り可能な記憶媒体である。メモリ82は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性または揮発性の半導体メモリであってもよいし、磁気ディスクであってもよいし、その他の形式のメモリであってもよい。
【0169】
制御装置8のプロセッサ80がメモリ82に記憶された加工プログラム822を実行することにより、制御装置8は制御指令を生成する。また、通信回路84は、当該制御指令を、制御対象機器(より具体的には、レーザ照射装置60、移動装置7、移送装置11、ワーク移送装置12、駆動装置29等)に送信する。こうして、プロセッサ80が加工プログラム822を実行することにより、制御装置8は、レーザ照射装置60、移動装置7、移送装置11、ワーク移送装置12、駆動装置29等を制御することができる。
【0170】
制御装置8は、レーザ照射装置60および移動装置7のうちの少なくとも一方の制御に連動させて、第1群の搬送プレート3の移動速度を制御してもよい。
【0171】
例えば、制御装置8は、レーザ照射装置60がレーザLBの射出を停止している時に、第1群の搬送プレート3が第1速度(ゼロ以外の速度)で移動するように駆動装置29を制御し、レーザ照射装置60がレーザLBを射出する時に、第1群の搬送プレート3が第1速度よりも速い第2速度で移動するように駆動装置29を制御してもよい。
【0172】
例えば、制御装置8は、レーザ照射装置60が射出するレーザLBの出力の大きさ、あるいは、レーザ照射装置60によって行われる加工の種類(例えば、穴開け加工であるか、切断可能であるか等)に応じて、第1群の搬送プレート3の移動速度が変更されるよう、駆動装置29を制御してもよい。
【0173】
(冷却装置95)
図40に例示されるように、レーザ加工装置1Aは、1群の搬送プレート3を強制冷却する冷却装置95を有していてもよい。
【0174】
例えば、レーザ加工装置1Aは、1群の搬送プレート3にエアを吹き付ける空冷式の冷却装置95aを含んでいてもよい。図40に記載の例では、冷却装置95aは、1群の搬送プレート3の各々の裏面3nにエアを吹き付けるエア噴射装置96を有する。代替的に、あるいは、付加的に、冷却装置95aは、1群の搬送プレート3の各々の搬送面3uにエアを吹き付けるエア噴射装置を有していてもよい。
【0175】
代替的に、あるいは、付加的に、レーザ加工装置1Aは、1群の搬送プレート3を液体(例えば、水)によって冷却する液冷式の冷却装置95bを含んでいてもよい。図40に記載の例では、冷却装置95bは、一群の搬送プレート3の周回軌道が横切るように配置された液槽97(例えば、水槽)を有する。一群の搬送プレート3は、液槽97内の液体(例えば、水)を通過することにより冷却される。さらに、一群の搬送プレート3の表面に付着した液体が、レーザ照射によって気化すること(気化熱)によって、搬送プレート3の昇温が抑制される。
【0176】
(第2の実施形態)
図41乃至図44を参照して、第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2B、および、レーザ加工装置1Bについて説明する。図41は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bを模式的に示す概略断面図である。図42は、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bの一部分を模式的に示す概略断面図である。図43は、第1保護部材4-1が取り付けられた第1搬送プレート3-1と、第2保護部材4-2が取り付けられた第2搬送プレート3-2と、第3保護部材4-3が取り付けられた第3搬送プレート3-3とを模式的に示す分解斜視図である。図44は、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2を含む一群の搬送プレート3が周回軌道OBに沿って移動可能な様子を模式的に示す概略斜視図である。
【0177】
第2の実施形態のドロス搬送コンベヤ2Bでは、1群の搬送プレート3の各々が、他の搬送プレートとヒンジ結合されている点において、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Aとは異なる。
【0178】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。他方、第2の実施形態では、第1の実施形態で説明済みの事項についての繰り返しとなる説明は省略する。したがって、第2の実施形態において、明示的に説明をしなかったとしても、第1の実施形態において説明済みの事項を第2の実施形態に適用できることは言うまでもない。逆に、第2の実施形態で説明される全ての事項は、第1の実施形態に適用可能である。
【0179】
図41および図42に記載の例では、第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Bは、(1)第1方向DR1に延在する第1搬送プレート3-1と、第1搬送プレート3-1に隣接配置され第1方向DR1に延在する第2搬送プレート3-2とを含み、ワークWにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレート3と、(2)第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部を覆い、第1搬送プレート3-1にレーザが達することを抑制する第1保護部材4-1と、(3)第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部を覆い、第2搬送プレート3-2にレーザが達することを抑制する第2保護部材4-2と、を具備する。
【0180】
図41に記載の例では、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bは、上述のドロス搬送コンベヤ2Bと、ワークWに向けてレーザを照射するレーザヘッド61を含むレーザ照射装置60と、ワークWを支持するワーク支持部材90に対してレーザヘッド61を相対移動させる移動装置7と、レーザ照射装置60、および、移動装置7を制御する制御装置8と、を備える。
【0181】
よって、第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2B、および、レーザ加工装置1Bは、第1の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2A、および、レーザ加工装置1Aと同様の効果を奏する。
【0182】
図43に例示されるように、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1と第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2とはヒンジ結合される。図43に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1および第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2の両方を通過するようにロッド(以下、「第2ロッドRD2」という。)が配置されることにより、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1と第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2とがヒンジ結合される。また、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2および第3搬送プレート3-3の第3前端部3f-3の両方を通過するようにロッド(以下、「第3ロッドRD3」という。)が配置されることにより、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2と第3搬送プレート3-3の第3前端部3f-3とがヒンジ結合される。
【0183】
(任意付加的な構成)
続いて、図1乃至図44を参照して、第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2B、および、レーザ加工装置1Bにおいて採用可能な任意付加的な構成について説明する。
【0184】
図41に記載の例では、1群の搬送プレート3は、加工領域RG1から排出領域RG2にドロスを搬送する。図41に記載の例では、1群の搬送プレート3の各々は、排出領域RG2において、反転する(より具体的には、水平軸まわりに180度ターンする。)。その結果、1群の搬送プレート3によって搬送されるドロスDは、排出領域RG2において、1群の搬送プレート3から排出される。なお、1群の搬送プレート3によって、切り落とし片CF(図42を参照。)が搬送される場合には、当該切り落とし片CFも、排出領域RG2において、1群の搬送プレート3から排出される。
【0185】
図44に記載の例では、ドロス搬送コンベヤ2Bは、第1無端部材21(より具体的には、第1無端チェーン21a)と、第2無端部材22(より具体的には、第2無端チェーン22a)と、駆動装置29と、を備える。第1無端部材21および第2無端部材22は、1群の搬送プレート3を支持する。より具体的には、1群の搬送プレート3は、第1無端部材21および第2無端部材22に取り付けられる。
【0186】
第1無端部材21および第2無端部材22は、駆動装置29によって、直接的または間接的に駆動される。第1無端部材21、第2無端部材22、および、駆動装置29については、第1の実施形態において説明済みであるため、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0187】
(1群の搬送プレート3)
1群の搬送プレート3は、周回軌道OBに沿って移動する。図44に例示されるように、1群の搬送プレート3の周回軌道OBは、第1無端チェーン21aの第1周回軌道B1と平行であり、第2無端チェーン22aの第2周回軌道B2と平行である。図41に記載の例では、1群の搬送プレート3は、環状の搬送体を形成するように連なるように配置されている。
【0188】
1群の搬送プレート3の各々の長さは、例えば、1m以上3m以下である。1群の搬送プレート3の各々の幅は、例えば、4cm以上20cm以下である。1群の搬送プレート3の各々の板厚(より具体的には、1群の搬送プレート3の各々の中間部分3mの板厚)は、例えば、10mm以下あるいは5mm以下である。1群の搬送プレート3の各々は、金属製である。1群の搬送プレート3の各々は、例えば、鉄鋼製、より具体的には、熱間圧延軟鋼板製、冷間圧延鋼板製または冷間圧延ステンレス鋼板製である。
【0189】
1群の搬送プレート3のうち、第1搬送プレート3-1、および、第2搬送プレート3-2について代表的に説明する。
【0190】
図43に記載の例では、第1搬送プレート3-1は、第1前端部3f-1と、第1後端部3e-1と、第1前端部3f-1と第1後端部3e-1との間に配置される第1中間部分3m-1と、を有する。第1搬送プレート3-1の第1前端部3f-1には、ロッド(以下、「第1ロッドRD1」という。)を受容する複数の前方受容部30f-1(より具体的には、第1ロッドRD1が挿入される複数の貫通孔部)が形成されている。また、第1搬送プレート3-1の第1後端部3e-1には、第2ロッドRD2を受容する複数の後方受容部30e-1(より具体的には、第2ロッドRD2が挿入される複数の貫通孔部)が形成されている。図43に記載の例では、第1搬送プレート3-1の第1中間部分3m-1は、第1方向DR1に延在する第1平板部FP1を有する。
【0191】
図43に記載の例では、第2搬送プレート3-2は、第2前端部3f-2と、第2後端部3e-2と、第2前端部3f-2と第2後端部3e-2との間に配置される第2中間部分3m-2と、を有する。第2搬送プレート3-2の第2前端部3f-2には、第2ロッドRD2を受容する複数の前方受容部30f-2(より具体的には、第2ロッドRD2が挿入される複数の貫通孔部)が形成されている。また、第2搬送プレート3-2の第2後端部3e-2には、第3ロッドRD3を受容する複数の後方受容部30e-2(より具体的には、第3ロッドRD3が挿入される複数の貫通孔部)が形成されている。図43に記載の例では、第2搬送プレート3-2の第2中間部分3m-2は、第1方向DR1に延在する第2平板部FP2を有する。
【0192】
(複数の保護部材4)
図42に例示されるように、ドロス搬送コンベヤ2Bは、第1保護部材4-1、第2保護部材4-2、第3保護部材4-3を含む複数の保護部材4を備える。複数の保護部材4の各々は、対応する搬送プレート3の搬送面の少なくとも一部を覆い、当該搬送プレート3にレーザLBが達することを抑制する。複数の保護部材4の各々は、第1方向DR1に沿って延在する。複数の保護部材4の各々は、対応する搬送プレート3に直接的または間接的に取り付けられる。1群の搬送プレート3のすべての各々に対して、保護部材4が取り付けられることが好ましい。
【0193】
第2の実施形態におけるドロス搬送コンベヤ2Bの複数の保護部材4として、第1の実施形態において説明された複数の保護部材4を採用可能である。より具体的には、第2の実施形態において、第1の実施形態において説明された保護部材4の第1例、第2例、第3例、第4例、第5例、第6例、第7例を採用可能である。第2の実施形態において、複数の保護部材4の説明として、第1の実施形態における説明を援用し、複数の保護部材4についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0194】
(レーザ加工装置1B)
図41に例示されるように、レーザ加工装置1Bは、ドロス搬送コンベヤ2Bと、レーザ照射装置60と、移動装置7と、制御装置8と、を備える。付加的に、レーザ加工装置1Bは、ワーク支持部材90を備えていてもよい。レーザ照射装置60、移動装置7、制御装置8、および、ワーク支持部材90については、第1の実施形態において説明済みであるため、これらの構成についての繰り返しとなる説明は省略する。
【0195】
(第3の実施形態)
図1乃至図45を参照して、第3の実施形態におけるワーク加工方法について説明する。図45は、第3の実施形態におけるワーク加工方法の一例を示すフローチャートである。
【0196】
第3の実施形態におけるワーク加工方法は、第1の実施形態におけるレーザ加工装置1Aを用いて行われてもよいし、第2の実施形態におけるレーザ加工装置1Bを用いて行われてもよいし、その他のレーザ加工装置を用いて行われてもよい。
【0197】
第1ステップST1において、ワークWが加工される。第1ステップST1は、ワーク加工工程である。ワーク加工工程では、ワークWにレーザLBが照射されることにより、ワークWが加工される。より具体的には、レーザ照射装置60のレーザヘッド61からワークWにレーザLBが照射されることにより、ワークWが加工される。レーザ照射装置60のレーザヘッド61から射出されるレーザLBの波長は、例えば、1060nm以上1080nm以下である。
【0198】
ワーク加工工程(第1ステップST1)において加工されるワークWは、例えば、板材である。ワーク加工工程は、レーザLBを射出するレーザヘッド61を移動させることにより、ワークWをレーザ切断することを含んでいてもよい。また、ワーク加工工程は、一時的に静止状態のレーザヘッド61からレーザLBを射出することにより、ワークWをレーザ穿孔することを含んでいてもよい。ワークWがレーザLBによって加工されることにより、ワークWから製品(例えば、板製品)が形成される。
【0199】
ワーク加工工程(第1ステップST1)において、ワークWにレーザLBが照射されることにより、ワークWからドロスDが生成される。付加的に、ワークWにレーザLBが照射されることにより、ワークWから切り落とし片CFが生成されてもよい。生成されたドロスD、および/または、切り落とし片CFは、加工領域RG1において、下方に落下する。下方に落下するドロスD、および/または、切り落とし片CFは、ドロス搬送コンベヤ2によって受け取られる。
【0200】
ワーク加工工程(第1ステップST1)において、ワークWを通過するレーザLBは、ドロス搬送コンベヤ2に達する。ドロス搬送コンベヤ2に達するレーザLBは、第1搬送プレート3-1および第2搬送プレート3-2を含む1群の搬送プレート3を昇温させる。第1搬送プレート3-1、第2搬送プレート3-2等は、熱膨張によって変形する。
【0201】
第2ステップST2において、ドロスDが搬送される。第2ステップST2は、ドロス搬送工程である。ドロス搬送工程では、第1方向DR1に延在する第1搬送プレート3-1と、第1搬送プレート3-1に隣接配置され第1方向DR1に延在する第2搬送プレート3-2とを含む1群の搬送プレート3を用いて、ワークWにレーザLBが照射されることによって生成されるドロスDが搬送される。より具体的には、1群の搬送プレート3は、加工領域RG1から排出領域RG2にドロスDを搬送する。
【0202】
第2ステップST2(ドロス搬送工程)は、第1ステップST1(ワーク加工工程)と並列的に実行される。より具体的には、ドロス搬送コンベヤ2が駆動されている状態で(換言すれば、1群の搬送プレート3が周回軌道OBに沿って移動している状態で)、レーザ照射装置60からワークWにレーザLBが照射される。ワークWにレーザLBが照射されることによって、ドロスDおよび/または切り落とし片CFが、断続的または継続的に生成され、生成されたドロスDおよび/または切り落とし片CFは、順次、ドロス搬送コンベヤ2によって搬送される。
【0203】
図12図13図14図16図17図19図20図21図22図24図26、または、図42に記載の例において、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、第1搬送プレート3-1の第1搬送面3u-1の少なくとも一部を覆う第1保護部材4-1によって、第1搬送プレート3-1にレーザLBが達するのが抑制された状態で実行される。換言すれば、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、レーザ照射に起因する第1搬送プレート3-1への入熱が、第1保護部材4-1によって抑制された状態で実行される。よって、第1搬送プレート3-1は、少なくとも第1保護部材4-1に達するレーザに起因して熱変形するものの、熱塑性変形に至る大きな熱変形は抑制される。
【0204】
図12図13図14図16図17図19図20図21図22図24図26、または、図42に記載の例において、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、第2搬送プレート3-2の第2搬送面3u-2の少なくとも一部を覆う第2保護部材4-2によって、第2搬送プレート3-2にレーザLBが達するのが抑制された状態で実行される。換言すれば、ワーク加工工程(ワークWを加工する工程)は、レーザ照射に起因する第2搬送プレート3-2への入熱が、第2保護部材4-2によって抑制された状態で実行される。よって、第2搬送プレート3-2は、少なくとも第2保護部材4-2に達するレーザに起因して熱変形するものの、熱塑性変形に至る大きな熱変形は抑制される。
【0205】
第3ステップST3において、1群の搬送プレート3が冷却される。第3ステップST3は、冷却工程である。冷却工程(第3ステップST3)は、例えば、自然冷却によって行われる。より具体的には、冷却工程は、ワークWの加工終了後、1群の搬送プレート3が室温に放置されることにより行われる。
【0206】
付加的に、冷却工程は、空冷式の冷却装置95a、および、液冷式の冷却装置95bのうちの少なくとも一方を用いて、1群の搬送プレート3を強制的に冷却することを含んでいてもよい。例えば、図40に例示されるように、冷却工程は、空冷式の冷却装置95aが一群の搬送プレート3にエアを吹き付けることを含んでいてもよい。代替的に、あるいは、付加的に、冷却工程は、液槽97内の液体(例えば、水)に、一群の搬送プレート3を通過させることを含んでいてもよい。また、冷却工程は、液冷式の冷却装置95bが一群の搬送プレート3に液体(例えば、水)を吹き付けることを含んでいてもよい。
【0207】
空冷式の冷却装置95a、および、液冷式の冷却装置95bのうちの少なくとも一方を用いて、1群の搬送プレート3を強制的に冷却することは、ワーク加工工程(第1ステップST1)およびドロス搬送工程(第2ステップST2)と並列的に実行されてもよい。
【0208】
第3の実施形態におけるワーク加工方法では、第1搬送プレート3-1の熱塑性変形が抑制されるため、冷却工程によって冷却された後の第1搬送プレート3-1は、熱変形前の元の形状に戻る。また、第3の実施形態におけるワーク加工方法では、第2搬送プレート3-2の熱塑性変形が抑制されるため、冷却工程によって冷却された後の第2搬送プレート3-2は、熱変形前の元の形状に戻る。上述の第1ステップST1乃至第3ステップST3が繰り返し実行されることにより、1群の搬送プレート3の各々に多少の塑性変形は生じ得るが、ドロス搬送コンベヤ2の動作に障害が発生する程の塑性変形は避けられる。
【0209】
本発明は上記各実施形態または各変形例に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施形態または各変形例は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施形態または各変形例で用いられる種々の技術は、技術的矛盾が生じない限り、他の実施形態または他の変形例にも適用可能である。さらに、各実施形態または各変形例における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0210】
1、1A、1B…レーザ加工装置、2、2A、2B…ドロス搬送コンベヤ、3…搬送プレート、3-1…第1搬送プレート、3-2…第2搬送プレート、3-3…第3搬送プレート、3-N…搬送プレート、3a、3a-1、3a-2、3a-3…左端部、3b、3b-1、3b-2、3b-3…右端部、3e…後端部、3e-1…第1後端部、3e-2…第2後端部、3e-3…第3後端部、3f…前端部、3f-1…第1前端部、3f-2…第2前端部、3f-3…第3前端部、3m…中間部分、3m-1…第1中間部分、3m-2…第2中間部分、3m-3…第3中間部分、3n…裏面、3n-1…第1裏面、3n-2…第2裏面、3u…搬送面、3u-1…第1搬送面、3u-2…第2搬送面、3u-3…第3搬送面、4…保護部材、4-1…第1保護部材、4-2…第2保護部材、4-3…第3保護部材、4a-1…第1端部、4b-1…第2端部、4h…開口、4h-1…第1開口、4h-2…第2開口、4m-1…長手方向中央部分、4m-2…長手方向中央部分、7…移動装置、8…制御装置、11…移送装置、12…ワーク移送装置、12a…板材移送装置、13…容器、15…第2搬送コンベヤ、21…第1無端部材、21a…第1無端チェーン、22…第2無端部材、22a…第2無端チェーン、28…スプロケット、28a…第1スプロケット、28b…第2スプロケット、28c…第3スプロケット、28d…第4スプロケット、29…駆動装置、30e-1、30e-2…後方受容部、30f-1、30f-2…前方受容部、41-1…第1板部、41-2…第3板部、42-1…第2板部、42-2…第4板部、43-1…第1屈曲部、43-2…第2屈曲部、44-1…後方板部、45-1…第1カバー部、45-2…第2カバー部、46、46-1、46-2…断熱材、47-1…屈曲部、48-1、48-2…母材、49-1、49-2…レーザ反射層、60…レーザ照射装置、61…レーザヘッド、63…レーザ光源、65…光学部品、70…ベース、71…第1移動装置、71a…第1移動体、71b…第1駆動装置、73…第2移動装置、73a…第2移動体、73b…第2駆動装置、75…第3移動装置、75a…第3移動体、75b…第3駆動装置、80…ハードウェアプロセッサ、82…メモリ、84…通信回路、86…入力装置、88…バス、90…ワーク支持部材、91…板部材、92…頂部、93…枠体、95、95a、95b…冷却装置、96…エア噴射装置、97…液槽、121…吸盤、822…加工プログラム、826…ワークデータ、862…タッチパネル付きディスプレイ、AL、AL1、AL2…空気層、B1…第1周回軌道、B2…第2周回軌道、BA、BA1、BA2、BB、BB1、BB2…屈曲部、BT…ボルト、CF…切り落とし片、CP…湾曲部、CP1…第1湾曲部、CP2…第2湾曲部、D…ドロス、EG…エッジ部、EP…後端部、FP1…第1平板部、FP2…第2平板部、J1…溶接部、LB…レーザ、OB…周回軌道、OP…射出口、PT…パレット、R1…射出指令、RD1…第1ロッド、RD2…第2ロッド、RD3…第3ロッド、RG1…加工領域、RG2…排出領域、RG3…取出領域、S…移動指令、S1…ドロス支持面、S2…ドロス支持面、SP1…第1受容空間、SR1…構造体、TP…立設部、TP1…第1立設部、TP2…第2立設部、W…ワーク、Wb…加工済みワーク、h1、h2…孔部
【要約】
ドロス搬送コンベヤは、第1方向に延在する第1搬送プレートと、第1搬送プレートに隣接配置され第1方向に延在する第2搬送プレートとを含み、ワークにレーザが照射されることによって生成されるドロスを搬送する1群の搬送プレートと、第1搬送プレートの第1搬送面の少なくとも一部を覆い、第1搬送プレートにレーザが達することを抑制する第1保護部材と、第2搬送プレートの第2搬送面の少なくとも一部を覆い、第2搬送プレートにレーザが達することを抑制する第2保護部材と、を具備する。
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