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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】冷媒流路モジュール及び熱源ユニット
(51)【国際特許分類】
   F25B 41/40 20210101AFI20240515BHJP
   F24F 1/30 20110101ALI20240515BHJP
   F24F 1/56 20110101ALI20240515BHJP
   F25B 41/26 20210101ALI20240515BHJP
   F25B 41/20 20210101ALI20240515BHJP
【FI】
F25B41/40 A
F24F1/30
F24F1/56
F25B41/26 A
F25B41/20 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023001135
(22)【出願日】2023-01-06
【審査請求日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】P 2022191826
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 厚志
(72)【発明者】
【氏名】小池 史朗
(72)【発明者】
【氏名】濱舘 潤一
(72)【発明者】
【氏名】星山 典子
(72)【発明者】
【氏名】大野 旭
【審査官】五十嵐 公輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-241236(JP,A)
【文献】特開2007-101152(JP,A)
【文献】特開平08-042737(JP,A)
【文献】特開2001-133079(JP,A)
【文献】特開2019-218977(JP,A)
【文献】特開2017-058098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00-49/04
F24F 1/00-13/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒回路(30)の圧縮機(15)から吐出された冷媒が流れる吐出配管(51a,71)が接続され、円筒形状の流路を有する第1配管部(41)と、
前記圧縮機(15)に吸入される冷媒が流れる吸入配管(52a,72)が接続され、円筒形状の流路を有する第2配管部(42)と、を備え、
前記第1配管部(41)と前記第2配管部(42)とが一体に形成され
前記第1配管部(41)及び前記第2配管部(42)の端部が、それぞれ前記吐出配管(51a,71)及び前記吸入配管(52a,72)の端部に接続される、冷媒流路モジュール。
【請求項2】
前記第1配管部(41)と前記第2配管部(42)との間に配置され、前記第1配管部(41)及び前記第2配管部(42)と一体に形成された連結部(48)をさらに備える、請求項1に記載の冷媒流路モジュール。
【請求項3】
前記冷媒回路(30)が、第1熱交換器(16)と、第2熱交換器(21)と、前記圧縮機(15)から前記第1熱交換器(16)に向かう冷媒流路と前記圧縮機(15)から前記第2熱交換器(21)に向かう冷媒流路とを切り換える流路切換弁(18)と、をさらに含み、
前記冷媒流路モジュール(40)が、
前記流路切換弁(18)から前記第1熱交換器(16)に向かう冷媒が流れ、円筒形状の流路を有する第3配管部(43)と、
前記流路切換弁(18)から前記第2熱交換器(21)に向かう冷媒が流れ、円筒形状の流路を有する第4配管部(44)と、をさらに備え、
前記第1配管部(41)、前記第2配管部(42)、前記第3配管部(43)、及び前記第4配管部(44)が一体に形成され、
前記第3配管部(43)及び前記第4配管部(44)の端部が、それぞれ前記流路切換弁(18)から前記第1熱交換器(16)に向かう冷媒が流れる冷媒配管の端部及び前記流路切換弁(18)から前記第2熱交換器(21)に向かう冷媒が流れる冷媒配管の端部に接続される、請求項1に記載の冷媒流路モジュール。
【請求項4】
前記冷媒流路モジュールが、前記流路切換弁(18)をさらに備え、
前記流路切換弁(18)が、前記第1配管部(41)を前記第3配管部(43)又は前記第4配管部(44)に切り換えて接続する回転式の弁体を備え、
前記第1配管部(41)、前記第2配管部(42)、前記第3配管部(43)、及び前記第4配管部(44)が、前記流路切換弁(18)から同じ方向に向けて延びている、請求項3に記載の冷媒流路モジュール。
【請求項5】
圧縮機(15)と、第1熱交換器(16)と、第2熱交換器(21)と、前記圧縮機(15)から前記第1熱交換器(16)に向かう冷媒流路と前記圧縮機(15)から前記第2熱交換器(21)に向かう冷媒流路とを切り換える流路切換弁(18)と、を含む冷媒回路(30)の、前記圧縮機(15)から吐出された冷媒が流れる吐出配管(51a,71)が接続され、円筒形状の流路を有する第1配管部(41)と、
前記圧縮機(15)に吸入される冷媒が流れる吸入配管(52a,72)が接続され、円筒形状の流路を有する第2配管部(42)と、
前記流路切換弁(18)から前記第1熱交換器(16)に向かう冷媒が流れ、円筒形状の流路を有する第3配管部(43)と、
前記流路切換弁(18)から前記第2熱交換器(21)に向かう冷媒が流れ、円筒形状の流路を有する第4配管部(44)と、
前記冷媒回路(30)の前記流路切換弁(18)と、を備え、
前記第1配管部(41)、前記第2配管部(42)、前記第3配管部(43)、及び前記第4配管部(44)が一体に形成され、
前記流路切換弁(18)が、前記第1配管部(41)を前記第3配管部(43)又は前記第4配管部(44)に切り換えて接続する回転式の弁体を備え、
前記第1配管部(41)、前記第2配管部(42)、前記第3配管部(43)、及び前記第4配管部(44)が、前記流路切換弁(18)から同じ方向に向けて延び、
前記第1配管部(41)、前記第2配管部(42)、前記第3配管部(43)、及び前記第4配管部(44)のうちの少なくとも2つが、前記流路切換弁(18)から突出した部分で一体に形成されている、冷媒流路モジュール。
【請求項6】
アルミニウムを主成分とする材料からなる、請求項1~5のいずれか1項に記載の冷媒流路モジュール。
【請求項7】
前記圧縮機(15)と、請求項1~5のいずれか1項に記載の冷媒流路モジュール(40)と、を備える、熱源ユニット。
【請求項8】
前記圧縮機(15)及び前記冷媒流路モジュール(40)を収容するケーシング(61)を備え、
前記冷媒流路モジュール(40)が、前記ケーシング(61)、又は、前記ケーシング(61)に取り付けられた部材(63)に固定されている、請求項7に記載の熱源ユニット。
【請求項9】
冷媒回路(30)の圧縮機(15)と、
冷媒流路モジュール(40)と、
前記圧縮機(15)及び前記冷媒流路モジュール(40)を収容するケーシング(61)と、を備え、
前記冷媒流路モジュール(40)が、
前記圧縮機(15)から吐出された冷媒が流れる吐出配管(51a,71)が接続され、円筒形状の流路を有する第1配管部(41)と、
前記圧縮機(15)に吸入される冷媒が流れる吸入配管(52a,72)が接続され、円筒形状の流路を有する第2配管部(42)と、を備え、
前記第1配管部(41)と前記第2配管部(42)とが一体に形成され、
前記冷媒流路モジュール(40)が、前記ケーシング(61)に取り付けられた部材(63)に固定され、
前記部材(63)が、前記冷媒回路(30)を構成する冷媒配管のうち熱源ユニットの外部に配置される前記冷媒配管(13,14)と前記熱源ユニットの内部に配置される前記冷媒配管(55,56,75,76)とを接続する閉鎖弁(23,24)を、前記ケーシング(61)に取り付けるための取付部材である、熱源ユニット。
【請求項10】
前記圧縮機(15)と、請求項4又は5に記載の冷媒流路モジュール(40)と、を備え、
前記冷媒流路モジュール(40)の前記第1配管部(41)、前記第2配管部(42)、前記第3配管部(43)、及び前記第4配管部(44)が、前記流路切換弁(18)から上方に延びている、熱源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷媒流路モジュール及び熱源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧縮機、四方切換弁、室外熱交換器、絞り機構を配管接続した冷凍サイクル及びそれらを収納する筐体を備えた空気調和機の室外機が開示されている。この種の室外機においては、圧縮機の運転に伴って発生する振動の伝達を如何に抑制するかが問題となる。この問題を解決するため、特許文献1記載の室外機では、圧縮機と四方切換弁との間に接続された吐出配管及び吸入配管と、その他の配管や筐体等の構成部材とを防振弾性材からなる固定具で固定し、圧縮機から各配管に伝わる振動を固定具によって減衰している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-125699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の技術では、複数の配管の長手方向の途中同士を単に固定具で連結しているだけであり、しかもその作業は手作業により行われると考えられる。そのため、配管に対する固定具の位置、例えば配管の長手方向における固定具の位置にバラツキが生じる可能性がある。固定具の位置が設計上の位置から少しでもずれると振動の形態(揺れの方向や大きさ等)が想定外に変化し、所望の振動抑制効果を得ることができない恐れがある。
【0005】
本開示は、圧縮機に接続される吐出配管及び吸入配管を正確な位置で連結することが可能な冷媒流路モジュール及び熱源ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の冷媒流路モジュールは、冷媒回路の圧縮機から吐出された冷媒が流れる吐出配管が接続され、円筒形状の流路を有する第1配管部と、
前記圧縮機に吸入される冷媒が流れる吸入配管が接続され、円筒形状の流路を有する第2配管部と、を備え、
前記第1配管部と前記第2配管部とが一体に形成されている。
【0007】
上記構成の冷媒流路モジュールによれば、一体に形成された第1配管部と第2配管部とに吐出配管と吸入配管とをそれぞれ接続することで、吐出配管と吸入配管とは必ず決まった位置で互いに連結されることになる。そのため、設計上、想定された振動の形態を再現することができ、所望の振動抑制効果を得ることができる。また、第1配管部と第2配管部とが一体に形成されることで冷媒流路モジュールの曲げ剛性(断面二次モーメント)が増大するので、振動に伴う冷媒流路モジュールの変形が抑制される。そのため、吐出配管と吸入配管との相対的な位置の変動が抑制され、振動の解析等が容易となり、振動抑制のために寄与することができる。
【0008】
(2)上記(1)の冷媒流路モジュールにおいて、好ましくは、前記第1配管部と前記第2配管部との間に配置され、前記第1配管部及び前記第2配管部と一体に形成された連結部をさらに備える。
【0009】
この構成によれば、第1配管部と第2配管部とを連結部を介して一体に形成することで、冷媒流路モジュールの曲げ剛性をより高めることができる。また、連結部によって第1配管部と第2配管部との間隔を広げることができるので、第1配管部及び第2配管部の配置の自由度を高めることができる。
【0010】
(3)上記(1)又は(2)の冷媒流路モジュールにおいて、好ましくは、前記冷媒回路が、第1熱交換器と、第2熱交換器と、前記圧縮機から前記第1熱交換器に向かう冷媒流路と前記圧縮機から前記第2熱交換器に向かう冷媒流路とを切り換える流路切換弁と、をさらに含み、
前記冷媒流路モジュールが、
前記流路切換弁から前記第1熱交換器に向かう冷媒が流れ、円筒形状の流路を有する第3配管部と、
前記流路切換弁から前記第2熱交換器に向かう冷媒が流れ、円筒形状の流路を有する第4配管部と、をさらに備え、
前記第1配管部、前記第2配管部、前記第3配管部、及び前記第4配管部が一体に形成されている。
【0011】
この構成によれば、第1~第4配管部が一体に形成されることで、冷媒流路モジュールの曲げ剛性をより高めることができる。
【0012】
(4)上記(3)の冷媒流路モジュールにおいて、好ましくは、前記冷媒流路モジュールが、前記流路切換弁をさらに備え、
前記流路切換弁が、前記第1配管部を前記第3配管部又は前記第4配管部に切り換えて接続する回転式の弁体を備え、
前記第1配管部、前記第2配管部、前記第3配管部、及び前記第4配管部が、前記流路切換弁から同じ方向に向けて延びている。
【0013】
この構成によれば、第1~第4配管部に対して同じ方向(流路切換弁とは反対方向)から他の冷媒配管を接続することができ、冷媒回路の組立作業性を向上させることができる。
【0014】
(5)上記(4)の冷媒流路モジュールにおいて、好ましくは、前記第1配管部、前記第2配管部、前記第3配管部、及び前記第4配管部のうちの少なくとも2つが、前記流路切換弁から突出した部分で一体に形成されている。
【0015】
(6)上記(1)~(5)のいずれか1つに記載の冷媒流路モジュールにおいて、好ましくは、アルミニウムを主成分とする材料からなる。
【0016】
この構成によれば、成形可能な形状の自由度が高いアルミダイカスト等の製法を用いて第1配管部及び第2配管部を一体に形成した冷媒流路モジュールを容易に製造することができる。
【0017】
(7)本開示の熱源ユニットは、前記圧縮機と、上記(1)~(6)のいずれか1つに記載の冷媒流路モジュールと、を備える。
【0018】
(8)上記(7)の熱源ユニットにおいて、好ましくは、前記圧縮機及び前記冷媒流路モジュールを収容するケーシングを備え、
前記冷媒流路モジュールが、前記ケーシング、又は、前記ケーシングに取り付けられた部材に固定されている。
【0019】
この構成によれば、圧縮機から吐出配管及び吸入配管を介して伝わる振動を冷媒流路モジュールで遮断することができ、冷媒流路モジュールに接続される他の冷媒配管への振動の伝達を抑制することができる。
【0020】
(9)上記(8)の熱源ユニットにおいて、好ましくは、前記部材が、前記冷媒回路を構成する冷媒配管のうち前記熱源ユニットの外部に配置される前記冷媒配管と前記熱源ユニットの内部に配置される前記冷媒配管とを接続する閉鎖弁を、前記ケーシングに取り付けるための取付部材である。
【0021】
この構成によれば、ケーシングに固定され閉鎖弁を取り付けるための取付部材を用いて流路切換弁を固定することができる。
【0022】
(10)本開示の熱源ユニットは、
前記圧縮機と、上記(4)又は(5)に記載の冷媒流路モジュールと、を備え、
前記冷媒流路モジュールの前記第1配管部、前記第2配管部、前記第3配管部、及び前記第4配管部が、前記流路切換弁から上方に延びている。
【0023】
この構成によれば、熱源ユニットの組立の際に、第1~第4配管部の上側から他の冷媒配管を容易に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示の第1の実施形態に係る熱源ユニットを含む冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す模式図である。
図2】熱源ユニットの内部を示す平面図である。
図3】熱源ユニットの機械室を示す正面図である。
図4】冷媒流路モジュールの概略的な斜視図である。
図5】本開示の第2の実施形態に係る熱源ユニットを含む冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す模式図である。
図6】冷媒流路モジュールの概略的な斜視図である。
図7】冷媒流路モジュールの一部を切断した概略的な斜視図である。
図8】冷媒流路モジュールの使用例を説明する斜視図である。
図9】冷媒流路モジュールの他の使用例を説明する斜視図である。
図10】冷媒流路モジュールの変形例を示す概略的な斜視図である。
図11】冷媒流路モジュールの変形例を示す概略的な斜視図である。
図12】冷媒流路モジュールの変形例を示す概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本開示の第1の実施形態に係る熱源ユニットを含む冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す模式図である。図2は、熱源ユニットの内部を示す平面図である。
冷凍サイクル装置10は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行う冷媒回路30を備えている。本実施形態の冷凍サイクル装置10は、空気調和機である。この空気調和機10は、図1に示すように、室外ユニット(熱源ユニット)11と、室内ユニット(利用ユニット)12とを有する。室外ユニット11と室内ユニット12とは、それぞれ連絡管13,14によって接続されている。室外ユニット11、室内ユニット12、連絡管13,14によって冷媒回路30が形成される。なお、冷凍サイクル装置10は、空気調和機に限定されず、冷蔵庫、冷凍庫、給湯器等であってもよい。
【0026】
(冷媒回路の構成)
図1に示すように、室外ユニット11には、冷媒回路30を構成する圧縮機15、室外熱交換器(第1熱交換器)16、膨張弁17、及び四路切換弁(流路切換弁)18が設けられている。室外ユニット11には、室外ファン19も設けられている。室内ユニット12には、冷媒回路30を構成する室内熱交換器(第2熱交換器)21が設けられている。室内ユニット12には、室内ファン22も設けられている。
【0027】
圧縮機15は、例えばスクロール方式やロータリ方式などの容積式の圧縮機であり、圧縮機用モータを内蔵している。圧縮機15は、吸入配管52aから吸入した低圧冷媒を圧縮した後、吐出配管51aから吐出する。室外ユニット11において、圧縮機15の吐出側は、冷媒配管51を介して四路切換弁18の第1ポートP1に接続されている。圧縮機15の吸入側は、冷媒配管52を介して四路切換弁18の第3ポートP3に接続されている。なお、本実施形態の圧縮機15は、図2に示されるように、圧縮機本体15aと、圧縮機本体15aに付設されたアキュムレータ15bとを備えている。アキュムレータ15bは、実質的に圧縮機15の吸入部を構成している。アキュムレータ15bは、圧縮機本体15aに吸入される低圧冷媒をガス冷媒と液冷媒とを分離するための容器である。
【0028】
室外熱交換器16は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器、又は、マイクロチャネル型熱交換器等により構成される。室外熱交換器16のガス側端は、冷媒配管53を介して四路切換弁18の第4ポートP4に接続されている。室外熱交換器16の液側端は、冷媒配管54を介して膨張弁17の一端に接続されている。
【0029】
膨張弁17は、例えば、開度を調整可能な電動弁である。膨張弁17の他端は、冷媒配管55を介して液側閉鎖弁23に接続されている。
【0030】
室内熱交換器21は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器又はマイクロチャネル型熱交換器等により構成される。室内熱交換器21の液側端は、液側連絡管14を介して液側閉鎖弁23に接続されている。室内熱交換器21のガス側端は、ガス側連絡管13を介してガス側閉鎖弁24に接続されている。ガス側閉鎖弁24は、冷媒配管56を介して四路切換弁18の第2ポートP2に接続されている。
【0031】
四路切換弁18は、第1ポートP1と第4ポートP4とが互いに連通し且つ第2ポートP2と第3ポートP3とが互いに連通する第1の態様(図1に実線で示す態様)と、第1ポートP1と第2ポートP2とが互いに連通し且つ第3ポートP3と第4ポートP4とが互いに連通する第2の態様(図1に点線で示す態様)とに流路を切り換える。第1の態様では、圧縮機15から吐出された冷媒は室外熱交換器16へ流れ、第2の態様では、圧縮機15から吐出された冷媒は室内熱交換器21へ流れる。
【0032】
室外ファン19は、室外熱交換器16の近傍に配置されている。室外ファン19は、モータによって回転駆動し、室外熱交換器16に送風する。室外熱交換器16内を流れる冷媒は、室外ファン19によって送られた室外空気と熱交換し、蒸発又は凝縮する。
【0033】
室内ファン22は、室内熱交換器21の近傍に配置されている。室内ファン22は、モータによって回転駆動し、室内熱交換器21に送風する。室内熱交換器21内を流れる冷媒は、室内ファン22によって送られた室外空気と熱交換し、凝縮又は蒸発する。
【0034】
空気調和機10では、四路切換弁18が第1の態様の場合、冷房運転が行われ、四路切換弁18が第2の態様の場合、暖房運転が行われる。冷房運転では、圧縮機15から吐出されたガス冷媒が、四路切換弁18を経て凝縮器として機能する室外熱交換器16に流し、凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、膨張弁17において減圧されて気液二相冷媒となり、蒸発器として機能する室内熱交換器21に流入する。気液二相冷媒は、室内ファン22によって送られた空気と熱交換して蒸発し、ガス冷媒となる。熱交換によって冷却された空気は室内に供給される。室内熱交換器21から流出したガス冷媒は、四路切換弁18を経て圧縮機15に吸入される。
【0035】
暖房運転では、圧縮機15から吐出されたガス冷媒が、四路切換弁18を経て凝縮器として機能する室内熱交換器21に流入する。ガス冷媒は、室内ファン22によって送られた空気と熱交換して凝縮し、液冷媒となる。熱交換によって加熱された空気は室内に供給される。室内熱交換器21から流出した液冷媒は、膨張弁17において減圧されて気液二相冷媒となり、蒸発器として機能する室外熱交換器16に流入する。気液二相冷媒は、室外熱交換器16で蒸発し、ガス冷媒となる。ガス冷媒は、四路切換弁18を経て圧縮機15に吸入される。
【0036】
(室外ユニットの構造)
図2に示すように、室外ユニット11は、ケーシング61を備えている。ケーシング61は、直方体形状に形成され、平面視で矩形状に形成されている。ケーシング61の内部は、区画壁62によって機械室S1と、熱交換室S2とに区画されている。機械室S1には、圧縮機15が収容されている。機械室S1には、圧縮機15の他、閉鎖弁23,24、四路切換弁18、膨張弁17等も収容される。
【0037】
ケーシング61の熱交換室S2には、室外熱交換器16、及び、室外ファン19等が収容されている。室外熱交換器16は、平面視でL字形状に形成されている。室外熱交換器16は、熱交換室S2側に配置されたケーシング61の2つの隣接する側壁61a,61bに沿って配置されている。これらの側壁61a,61bには、空気取入口61a1,61b1が形成されている。室外ファン19は、空気取入口61b1が形成された一方の側壁61bに隣接した他の側壁61cに対向して配置されている。この側壁61cには、空気吹出口61c1が形成されている。
【0038】
室外ファン19が作動すると、空気取入口61a1,61b1からケーシング61内に空気が取り入れられ、空気吹出口61c1から排出される。図2に示す矢印aは、ケーシング61に取り入れられる空気の流れの方向を示す。
【0039】
(冷媒配管の構成)
図1に示すように、圧縮機15の吐出側と四路切換弁18の第1ポートP1との間に接続される冷媒配管51は、第1冷媒配管51aと第2冷媒配管51bとを含む。このうち第1冷媒配管51aは、一端が圧縮機15の吐出口に直接接続される吐出配管である。第2冷媒配管51bの一端は、四路切換弁18の第1ポートP1に接続される。第1冷媒配管51aの他端と第2冷媒配管51bの他端とは、冷媒流路モジュール40を介して接続されている。
【0040】
圧縮機15の吸入側と四路切換弁18の第3ポートP3との間に接続される冷媒配管52は、第3冷媒配管52aと第4冷媒配管52bとを含む。このうち第3冷媒配管52aは、一端が圧縮機15の吸入口(実質的にはアキュムレータ15bの吸入口;図2参照)に直接接続される吸入配管である。第4冷媒配管52bの一端は、四路切換弁18の第3ポートP3に接続されている。第3冷媒配管52aの他端と第4冷媒配管52bの他端とは冷媒流路モジュール40を介して接続されている。
【0041】
図3は、熱源ユニットの機械室を示す正面図である。
図2及び図3に示すように、冷媒流路モジュール40は、室外ユニット11のケーシング61における機械室S1に配置されている。冷媒流路モジュール40は、ケーシング61に取り付けられた取付部材63に固定されている。この取付部材63は、帯板状に形成され、長手方向の一端がケーシング61の側壁61d(側壁61bに対向する側壁)に固定され、他端が区画壁62に固定されている。したがって、取付部材63は、機械室S1を横切るように側壁61dと区画壁62とに架け渡されている。この取付部材63は、図2に示すように、液側閉鎖弁23及びガス側閉鎖弁24をケーシング61に取り付けるためにも用いられている。
【0042】
図4は、冷媒流路モジュールの概略的な斜視図である。
図4に示すように、冷媒流路モジュール40は、第1配管部41と第2配管部42と連結部48とを有している。第1配管部41は、円筒形状に形成されている。第1配管部41は、内部に円筒形状の流路を有している。第1配管部41の管軸心(円筒形状の中心)C1は、直線状であり、上下方向を向くように配置されている。第1配管部41の上端と下端とはそれぞれ開口している。第1配管部41の上端開口には、圧縮機15からの冷媒が流れる吐出配管51aが接続される。第1配管部41の下端開口には、四路切換弁18の第1ポートP1に繋がる第2冷媒配管51bが接続される。なお、第1配管部41及び第2配管部42と、冷媒配管51a,51b、52a,52bとは、ろう付けによって接続することができる。ただし、ろう付けに限定されず、例えば第1配管部41及び第2配管部42の端部に差込式の継手部を設け、当該継手部によって冷媒配管51a,51b、52a,52bを差し込むことによって接続してもよい。
【0043】
第2配管部42は、円筒形状に形成されている。第2配管部42は、内部に円筒形状の流路を有している。第2配管部42の管軸心(円筒形状の中心)は、直線状であり、上下方向を向くように配置されている。第2配管部42の上端と下端とはそれぞれ開口している。第2配管部42の上端開口には、圧縮機15への冷媒が流れる吸入配管52aが接続される。第2配管部42の下端開口には、四路切換弁18の第3ポートP3に繋がる第4冷媒配管52bが接続される。
【0044】
第1配管部41と第2配管部42とは、水平方向に間隔をあけて配置されている。第1配管部41の管軸心C1と第2配管部42の管軸心C2とは互いに平行である。第1配管部41の管軸心方向の長さと第2配管部42管軸心方向の長さとは同じである。
【0045】
連結部48は、第1配管部41と第2配管部42とを連結している。連結部48は、板状に形成されている。連結部48は、その板面が第1,第2配管部41,42の管軸心C1,C2と平行な方向に沿って配置されている。連結部48の板厚は、第1配管部41及び第2配管部42の外径及び内径よりも小さい。連結部48は、第1配管部41及び第2配管部42の管軸心方向の長さ全体にわたって設けられている。
【0046】
冷媒流路モジュール40は、アルミニウムを主成分とする材料、例えば、アルミニウム合金又は純アルミニウムで形成されている。冷媒流路モジュール40は、鋳造によって形成されている。具体的には、冷媒流路モジュール40は、ダイカストにより形成されている。冷媒流路モジュール40の、第1配管部41と第2配管部42と連結部48とは、1つの金型により同時に成形される。そのため、第1配管部41と第2配管部42と連結部48とは一体に形成される。ここで、「一体に形成」とは、複数の要素が同じ材料で分割面のない連続した形態で結合されていることをいう。したがって、複数の要素がねじ等で機械的に結合されたり、ろう付け等のように母材の溶融なく結合されたりする形態は除かれる。
【0047】
第1配管部41及び第2配管部42は、アルミニウムを主成分とする材料に限らず、マグネシウム、亜鉛等を主成分とする材料で形成されていてもよい。第1配管部41及び第2配管部42は、ステンレス鋼や鉄により形成されていてもよい。第1配管部41及び第2配管部42は、鋳造(ダイカスト)に限らず、切削加工等により形成されていてもよい。
【0048】
図3に示すように、冷媒流路モジュール40は、圧縮機15に一端が接続された吐出配管51a及び吸入配管52aに接続される。そのため、冷媒流路モジュール40は、圧縮機15の運転に伴って発生する振動が吐出配管51a及び吸入配管52aを介して伝達される。冷媒流路モジュール40は、ケーシング61に取り付けられた取付部材63に固定されているので、伝達された振動は冷媒流路モジュール40において遮断され、冷媒流路モジュール40に接続された他の冷媒配管51b,52bには伝達され難くなっている。
【0049】
冷媒流路モジュール40は、第1配管部41と第2配管部42とが連結部48を介して一体に形成されている。そのため、冷媒流路モジュール40は、第1配管部41と第2配管部42とが互いに分離している場合よりも、管軸心C1,C2に直交する方向の断面(図4におけるA-A線の断面)における横断面積及び断面二次モーメントが増大する。これにより、冷媒流路モジュール40は、曲げ剛性が高くなり、変形し難い構造となっている。
【0050】
圧縮機15を有する室外ユニット11においては、圧縮機15からどの程度の大きさの振動がどのように伝達されるかなど、振動の形態(振動モード)を解析し、当該振動の伝達が抑制されるように圧縮機15に繋がる配管の長さや経路の設計が行われる。本実施形態では、圧縮機15に繋がる吐出配管51a及び吸入配管52aの端部に冷媒流路モジュール40が接続されるので、吐出配管51aと吸入配管52aとは、管軸心方向における一定の位置で冷媒流路モジュール40により連結される。そのため、室外ユニット11の組立時等に、冷媒流路モジュール40の位置が設計上の位置から変動することはほとんどない。そのため、設計上、想定された振動の形態を再現することができ、所望の振動抑制効果を得ることができる。
【0051】
また、冷媒流路モジュール40は、第1配管部41と第2配管部42と連結部48とが一体に形成されることによって曲げ剛性が高められているので、圧縮機15の振動に伴う変形が抑制される。そのため、冷媒流路モジュール40に接続される冷媒配管51a,51b、52a,52bの相対的な位置の変化も抑制される。これにより、振動の解析が容易となり、振動抑制のための設計も容易となる。
【0052】
本実施形態では、第1配管部41と第2配管部42とが連結部48によって連結されているので、冷媒流路モジュール40の横断面積がより大きくなり、曲げ剛性(断面二次モーメント)がより高められる。
【0053】
図5は、本開示の第2の実施形態に係る熱源ユニットを含む冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す模式図である。図6は、冷媒流路モジュールの概略的な斜視図である。図7は、冷媒流路モジュールの一部を切断した概略的な斜視図である。
本実施形態の冷媒流路モジュール40は、第1配管部41及び第2配管部42だけでなく、第3~第5配管部43~45をも備えている。また、本実施形態の冷媒流路モジュール40は、四路切換弁18も備えている。
【0054】
本実施形態の四路切換弁18は、ロータリ型(回転型)である。四路切換弁18は、円筒形状のケース18aと、ケース18a内で回転する円柱形状の弁体18bとを有する。弁体18bは、円柱形状の中心C7を回転軸心として回転する。弁体18bの回転軸心方向において、ケース18aの一端面には、第1~第4ポートP1~P4が設けられている。弁体18bには複数の流路が形成されている。この流路は、弁体18bの回転によって、第1ポートP1を第2ポートP2及び第4ポートP4の一方に選択的に接続し、第3ポートP3を第4ポートP4又は第2ポートP2の一方に選択的に接続する。ロータリ型の四路切換弁18については従来公知の構成を採用することができる。本実施形態では、弁体18bの回転軸心C7が上下方向に沿って配置されている。
【0055】
第1配管部41は、第1の実施形態と同様に、直線状の管軸心C1を有している。第1配管部41の管軸心C1は、四路切換弁18の弁体18bの回転軸心C7と平行に配置されている。第1配管部41の一端は、四路切換弁18の第1ポートP1に接続されている。第1配管部41の他端は、圧縮機15から吐出された冷媒が流れる吐出配管71が接続されている。第1配管部41は、管軸心方向の途中にマフラー47を有する。マフラー47は、圧縮機15から吐出される冷媒の圧力脈動による騒音を抑制するものである。
【0056】
第2配管部42は、第1の実施形態と同様に直線状の管軸心C2を有している。第2配管部42の管軸心C2と第1配管部41の管軸心C1とは互いに平行に配置されている。第2配管部42の一端は、四路切換弁18の第3ポートP3に接続されている。第2配管部42の他端は、圧縮機15に吸入される冷媒が流れる吸入配管72が接続されている。
【0057】
第1配管部41と第2配管部42とは連結部48によって連結されている。本実施形態では、第2配管部42の管軸心方向の長さが、第1配管部41の管軸心方向の長さよりも短い。第2配管部42は、管軸心方向の途中に直交する方向に分岐する分岐部42aを有している。この分岐部42aは、四路切換弁18の第3ポートP3以外から圧縮機15に吸入される冷媒を合流させるために用いられる。この分岐部42aは、不使用の場合には蓋等によって閉鎖される。
【0058】
第3配管部43は、直線状の管軸心C3を有している。第3配管部43の管軸心C3と、第1,第2配管部41,42の管軸心C1,C2とは互いに平行に配置されている。第3配管部43の一端は、四路切換弁18の第4ポートP4に接続されている。第3配管部43の他端は、室外熱交換器16のガス側端に繋がる冷媒配管73に接続されている。本実施形態では、第3配管部43の管軸心方向の長さは、第1配管部41の管軸心方向の長さよりも短く、第2配管部42の管軸方向の長さと略同一である。
【0059】
第4配管部44は、約90°に屈曲する管軸心C4を有している。第4配管部44の一端は、四路切換弁18の第2ポートP2に接続されている。第4配管部44の他端は、ガス側閉鎖弁24に繋がる冷媒配管76に接続されている。第4配管部44は、第2ポートP2に接続された部分が上下方向に沿って配置され、冷媒配管76に接続された部分が水平方向に沿って配置されている。
【0060】
第5配管部45は、直線状の管軸心C5を有する。第5配管部45は、管軸心方向の端部又は中間部が四路切換弁18のケース18aに連結されている。第5配管部45の一端には膨張弁17の一端が直接接続されている。この膨張弁17の他端は、室外熱交換器16の液側端に繋がる冷媒配管74に接続されている。第5配管部45の他端は、液側閉鎖弁23に繋がる冷媒配管75に接続されている。したがって、第5配管部45は、四路切換弁18のポートには接続されていない。
【0061】
第1~第5配管部41~45は、一体に形成されている。また、四路切換弁18のケース18aは、第1~第5配管部41~45と一体に形成されている。具体的に、第1~第5配管部41~45及びケース18aは、アルミニウムを主成分とする材料でダイカスト等により金型成形されている。
【0062】
第1の実施形態では、第1配管部41と第2配管部42とが一体に形成されていたが、本実施形態では、これに加えて他の部材43~45,18aが一体に形成されているので、冷媒流路モジュール40の曲げ剛性がより高められており、圧縮機15からの振動に伴う変形が抑制される。
【0063】
本実施形態では、第1~第5配管部41~45が一体に形成されているので、これらが1個所に集約して配置される。そのため、冷媒流路モジュール40に接続される冷媒配管71~76や弁17をコンパクトに配置することができ、室外ユニット11内の限られたスペース(機械室S1)に効率よく配管することができる。
【0064】
また、本実施形態の冷媒流路モジュール40は、第1~第4配管部41~44が四路切換弁18から同じ方向、具体的には上方に延びている。そのため、第1~第4配管部41~44に対する冷媒配管の接続を同じ方向(上側)から容易に行うことができる。また、四路切換弁18の上面に第1~第4ポートP1~P4が設けられているので、四路切換弁18の下面には冷媒配管を接続する必要がなくなる。そのため、四路切換弁18を低い位置に配置することも可能となり、機械室S1内における四路切換弁18の設置の自由度を高めることができる。なお、本実施形態においても、冷媒流路モジュール40は、取付部材63に固定することができる。
【0065】
図8及び図9は、冷媒流路モジュールの使用例を説明する斜視図である。
図8図9とは、同じ形状の冷媒流路モジュール40の異なる使用形態を示している。この冷媒流路モジュール40は、第2の実施形態と同様に第1~第5配管部41~45を備えるほか、第6配管部46も備えている。第6配管部46は、第5配管部45と略同一の形状を有する。第6配管部46は、四路切換弁18のケース18aに連結されている。第6配管部46は、第1配管部41にも板状の連結部49を介して連結されている。
【0066】
室外ユニット11は、仕様等に応じて備えている弁等の数が異なる。図8に示す使用例では、第5配管部45には膨張弁17が接続されている。第6配管部46には、何も接続されていない。図9に示す使用例では、第5配管部45と第6配管部46との双方に膨張弁17が設けられている。また、図9に示す例では、第2配管部42の分岐部42aに開閉弁77が取り付けられている。
【0067】
このように仕様の異なる室外ユニット11に対して同一の冷媒流路モジュール40を用い、必要な配管部のみを用いて冷媒配管を接続したり弁等の機能部品を接続したりすることができる。そのため、部品共通化によるコストの削減を図ることができる。
【0068】
図10図12は、冷媒流路モジュールの変形例を示す概略的な斜視図である。
図10に示す冷媒流路モジュールは、第1~第4配管部41~44を備え、四路切換弁18を備えていない。第1~第4配管部41~44は四角形状に配置されている。第1~第4配管部41~44は、交差状に配置された第1連結部48aと第2連結部48bとによって連結されている。
【0069】
本実施形態では、第1~第4配管部41~44は同一の管軸心方向の長さを有している。ただし、これらは互いに異なる長さを有していてもよい。連結部は、互いに隣接する配管部同士を連結するものであってもよい。
【0070】
図11に示す冷媒流路モジュール40は、第1配管部41及び第2配管部42が、連結部を介することなく直接一体に形成されたものである。図12に示す冷媒流路モジュール40は、第1~第4配管部41~44が、連結部を介することなく直接一体に形成されたものである。いずれの変形例においても、複数の配管部同士が一体に形成されることで、管軸心に直交する方向の横断面積及び断面二次モーメントが増大し、曲げ剛性を高めることができる。そのため、圧縮機15から伝達される振動による変形を抑制することができる。
【0071】
[その他の実施形態]
上記実施形態において、冷媒流路モジュール40を構成する各配管部は、円筒形状に形成されていたが、例えば外周面が角形状(ブロック形状)に形成されていてもよい。
【0072】
第2の実施形態(図6)で説明した冷媒流路モジュール40は、四路切換弁18が下側に配置され、第1~第4配管部41~44が四路切換弁18から上方に延びていたが、これに限定されず、四路切換弁18が上側に配置され、四路切換弁18から下方に第1~第4配管部41~44が延びる形態であってもよい。
【0073】
[実施形態の作用効果]
(1)上記実施形態の冷媒流路モジュール40は、冷媒回路30の圧縮機15から吐出された冷媒が流れる吐出配管51a,71が接続され、円筒形状の流路を有する第1配管部41と、前記圧縮機15に吸入される冷媒が流れる吸入配管52a,72が接続され、円筒形状の流路を有する第2配管部42と、を備え、第1配管部41と第2配管部42とが一体に形成されている。このように、一体に形成された第1配管部41と第2配管部42とに吐出配管51a,71と吸入配管52a,72とをそれぞれ接続することで、吐出配管51a,71と吸入配管52a,72とは必ず決まった位置で互いに連結されることになる。そのため、設計上、想定された振動の形態を再現することができ、所望の振動抑制効果を得ることができる。第1配管部41と第2配管部42とが一体に形成されることで冷媒流路モジュール40の曲げ剛性(断面二次モーメント)が増大するので、振動に伴う冷媒流路モジュール40の変形が抑制される。そのため、吐出配管51a,71と吸入配管52a,72との相対的な位置の変動が抑制され、振動の解析等が容易となり、振動抑制のために寄与することができる。
【0074】
(2)上記実施形態では、冷媒流路モジュール40は、第1配管部41と第2配管部42との間に配置され、第1配管部41及び第2配管部42と一体に形成された連結部48をさらに備える。このように、第1配管部41と第2配管部42とを連結部48,48aを介して一体に形成することで、冷媒流路モジュール40の曲げ剛性をより高めることができる。連結部48,48aによって第1配管部41と第2配管部42との間隔を広げることができるので、第1配管部41及び第2配管部42の配置の自由度を高めることができる。
【0075】
(3)上記実施形態では、冷媒回路30が、第1熱交換器(室外熱交換器)16と、第2熱交換器(室内熱交換器)21と、圧縮機15から第1熱交換器16に向かう冷媒流路と圧縮機15から第2熱交換器21に向かう冷媒流路とを切り換える流路切換弁(四路切換弁)18と、をさらに含む。冷媒流路モジュール40は、流路切換弁18から第1熱交換器16に向かう冷媒が流れ、円筒形状の流路を有する第3配管部43と、流路切換弁18から第2熱交換器21に向かう冷媒が流れ、円筒形状の流路を有する第4配管部44と、をさらに備える。第1配管部41、第2配管部42、第3配管部43、及び第4配管部44は、一体に形成されている。このように第1~第4配管部41~44が一体に形成されることで、冷媒流路モジュール40の曲げ剛性をより高め、圧縮機15からの振動による変形を抑制することができる。
【0076】
(4)上記実施形態の冷媒流路モジュール40は、流路切換弁18をさらに備え、流路切換弁18が、第1配管部41を第3配管部43又は第4配管部44に切り換えて接続する回転式の弁体18bを備え、第1配管部41、第2配管部42、第3配管部43、及び第4配管部44が、流路切換弁18から同じ方向(例えば、上方)に向けて延びている。これにより、第1~第4配管部41~44に対して同じ方向(流路切換弁18とは反対方向)から他の冷媒配管を接続することができ、冷媒回路30の組立作業性を向上させることができる。
【0077】
(5)上記実施形態の冷媒流路モジュール40では、第1配管部41、第2配管部42、第3配管部43、及び第4配管部44のうちの少なくとも2つが、流路切換弁18から突出した部分で一体に形成されている。例えば、図6に示す実施形態では、第1配管部41と第2配管部42とが流路切換弁18から上方に突出した部分で連結部48を介して連結されている。この構成によって、流路切換弁18から突出する部分において配管部同士の曲げ剛性を高めることができる。なお、図6に示す実施形態に限らず、第1配管部41と、第3配管部43及び/又は第4配管部44とが流路切換弁18から突出した部分で一体に形成されていてもよく、第2配管部42と、第3配管部43及び/又は第4配管部44とが流路切換弁18から突出した部分で一体に形成されていてもよく、第3配管部43と第4配管部44とが流路切換弁18から突出した部分で一体に形成されていてもよい。
【0078】
(6)上記実施形態の冷媒流路モジュール40は、アルミニウムを主成分とする材料からなる。そのため、成形可能な形状の自由度が高いアルミダイカスト等の製法を用いて第1配管部41及び第2配管部42、或いは、第1~第4配管部41~44を一体に形成した冷媒流路モジュールを容易に製造することができる。
【0079】
(7)上記実施形態の熱源ユニット(室外ユニット)11は、圧縮機15及び冷媒流路モジュール40を収容するケーシング61を備え、
冷媒流路モジュール40が、ケーシング61、又は、ケーシング61に取り付けられた部材63に固定されている。これにより、圧縮機15から吐出配管51a,71及び吸入配管52a,72を介して伝わる振動を冷媒流路モジュール40で遮断することができ、冷媒流路モジュール40に接続される他の冷媒配管への振動の伝達を抑制することができる。
【0080】
(8)上記実施形態の熱源ユニット11では、ケーシング61に取り付けられた部材63が、冷媒回路30を構成する冷媒配管のうち熱源ユニット11の外部に配置される冷媒配管(連絡管)13,14と熱源ユニット11の内部に配置される冷媒配管55,56,75,76とを接続する閉鎖弁23,24を、ケーシング61に取り付けるための取付部材としても用いられている。そのため、ケーシング61に固定され閉鎖弁23,24を取り付けるための取付部材63を有効に活用して配管部41~44及び流路切換弁18を固定することができる。
【0081】
(9)上記実施形態の熱源ユニット11は、圧縮機15と、冷媒流路モジュール40と、を備え、第1配管部41、第2配管部42、第3配管部43、及び第4配管部44が、流路切換弁18から上方に延びている。そのため、熱源ユニット11の組立の際に、第1~第4配管部41~44の上側から他の冷媒配管を容易に接続することができる。
【0082】
なお、本開示は、以上の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0083】
11 :室外ユニット(熱源ユニット)
15 :圧縮機
16 :室外熱交換器(第1熱交換器)
17 :膨張弁
18 :四路切換弁(流路切換弁)
21 :室内熱交換器(第2熱交換器)
23 :液側閉鎖弁
24 :ガス側閉鎖弁
30 :冷媒回路
40 :冷媒流路モジュール
41 :第1配管部
42 :第2配管部
43 :第3配管部
44 :第4配管部
45 :第5配管部
48 :連結部
48a :第1連結部
48b :第2連結部
51a :吐出配管
52a :吸入配管
61 :ケーシング
63 :取付部材
71 :吐出配管
72 :吸入配管
【要約】
【課題】圧縮機に接続される吐出配管及び吸入配管を正確な位置で連結することが可能な冷媒流路モジュールを提供する。
【解決手段】冷媒流路モジュール40は、冷媒回路30の圧縮機15から吐出された冷媒が流れる吐出配管51a,71が接続され、円筒形状の流路を有する第1配管部41と、 圧縮機15に吸入される冷媒が流れる吸入配管52a,72が接続され、円筒形状の流路を有する第2配管部42と、を備え、第1配管部41と第2配管部42とが一体に形成されている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12