(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】チョコレート食品、チョコレート食品の製造方法、およびチョコレート食品の製造装置
(51)【国際特許分類】
A23G 1/21 20060101AFI20240515BHJP
A23G 1/50 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
A23G1/21
A23G1/50
(21)【出願番号】P 2022522172
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(86)【国際出願番号】 JP2021018008
(87)【国際公開番号】W WO2021230278
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】P 2020086360
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591034671
【氏名又は名称】株式会社たにぐち
(74)【代理人】
【識別番号】100130199
【氏名又は名称】松永 充弘
(72)【発明者】
【氏名】谷口 嘉人
【審査官】安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-186385(JP,U)
【文献】実開昭61-069985(JP,U)
【文献】YouTube [online], 2017.06.29 [検索日 2021.06.28], インターネット:<URL:https://www.youtube.com/watch?v=wSzxrcxlZmo>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 1/21
A23G 1/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チョコレート食品の製造装置であって、
伸縮性を有する素材で形成された棒状の型の一方の端部である第1型端部を保持し、他方の端部である第2型端部を自由端とする型保持部と、
前記型の周囲に溶融させたチョコレートを付着させる付着部と、
前記型の周囲に付着した前記チョコレートを硬化させる冷却部と、
前記チョコレートが付着した前記型の前記第2型端部側を把持し、前記型の軸方向に前記型を伸長させる伸長変形部と、
前記型から前記チョコレートを分離する分離部と、を備えた、
チョコレート食品の製造装置。
【請求項2】
前記付着部は、
溶融されたチョコレートを貯留するチョコレート槽を有し、前記チョコレート槽に貯留された前記チョコレートに、前記型を前記第2型端部側から浸漬させる浸漬部を有する、
請求項1に記載のチョコレート食品の製造装置。
【請求項3】
前記付着部は、
溶融させた前記チョコレートを吐出、落下、または噴射させて、前記型に前記チョコレートを接触させる、
請求項1または請求項2に記載のチョコレート食品の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状のチョコレート食品、管状のチョコレート食品の製造方法、および管状のチョコレート食品の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チョコレートを素材として様々なチョコレート食品が開発されている。チョコレート食品として、例えば、ケーキやデザート等を装飾するために用いられる可食性の装飾体や、飲料を飲むためのストローの機能を有する可食性の装飾体が知られている。
【0003】
例えば、実開昭61-186385号公報には、薄い板状のチョコレートを筒状に巻き取ることによって形成されるチョコレートストローが開示されている。また、実開昭61-29272号公報には、クッキーやビスケット等の可食物で形成されたストローの内外面をチョコレートで被覆したストローが開示されている。
【0004】
筒状のチョコレート食品をストローとして使用することにより、飲料品を装飾するだけでなく、プラスチック製ストローの代替品とすることもできる。これにより、プラスチック製ストローの使用量を抑制してプラスチック廃棄物の量を減少させることが可能となる。
【0005】
また、筒状のチョコレート食品は、飲料品だけでなく、例えば、ケーキやデザート等を装飾するための可食性の装飾体として使用することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開昭61-186385号公報
【文献】実開昭61-29272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、実開昭61-186385号公報に開示されたチョコレートストローは、薄い板状のチョコレートを筒状に巻き取ることによって形成されるため、ストローとして使用すると剥がれたり、隙間が生じやすく、使用時に空気や飲料が隙間から漏れるおそれがある。また、チョコレートストローの表面に段差があり、ストローとして使用しにくいという問題もある。
【0008】
また、実開昭61-186385号公報に開示されたチョコレートストローは、薄い板状のチョコレートを巻き取る工程に手数を要し、肉厚のチョコレートストローを製造する場合には巻き取り回数が増加するため、特に手数を要するという問題がある。
【0009】
さらに、実開昭61-186385号公報に開示されたチョコレートストローは、内径、外径および肉厚の変更を行いにくいという問題がある。例えば、板状のチョコレートの肉厚を厚くして筒状に巻き取ることにより、チョコレートストローの肉厚を厚くすることができものの、板状のチョコレートを湾曲させにくくなるため、小径のチョコレートストローを製造しにくくなる。
【0010】
また、実開昭61-29272号公報に開示されたチョコレートストローは、クッキーやビスケット等の可食物で形成されたストローの内外面をチョコレートで被覆するため、内径、外径および肉厚の変更を行いにくいという問題がある。特に、チョコレートストローの直径および肉厚を小さくすることが困難である。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、装飾性が高く、内径、外径および肉厚の変更を行うことが容易であり、ストローとしての機能を持たせることも可能な管状のチョコレート食品、管状のチョコレート食品の製造方法、および管状のチョコレート食品の製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のチョコレート食品は、
管状のチョコレート食品であって、
内側の面である内側面から外側の面である外側面まで連続するチョコレート層で形成された、管状本体と、
前記管状本体の一方の端部である第1端部から他方の端部である第2端部まで貫通するように形成される、開口部と、を備えた、
チョコレート食品である。
【0013】
本発明のチョコレート食品の製造方法は、
伸縮性を有する素材で形成された棒状の型を準備するステップと、
前記型の周囲に溶融させたチョコレートを付着させるステップと、
前記型の周囲に付着した前記チョコレートを硬化させるステップと、
前記型の両端を支持して前記型を伸長させることにより、前記型に付着した前記チョコレートを前記型に対して摺動可能にするステップと、
前記チョコレートと前記型を分離するステップと、
を含む、
チョコレート食品の製造方法である。
【0014】
本発明のチョコレート食品の製造装置は、
伸縮性を有する素材で形成された棒状の型の一方の端部である第1型端部を保持し、他方の端部である第2型端部を自由端とする型保持部と、
前記型の周囲に溶融させたチョコレートを付着させる付着部と、
前記型の周囲に付着した前記チョコレートを硬化させる冷却部と、
前記チョコレートが付着した前記型の前記第2型端部側を把持し、前記型の軸方向に前記型を伸長させる伸長変形部と、
前記型から前記チョコレートを分離する分離部と、を備えた、
チョコレート食品の製造装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のチョコレート食品によれば、装飾性が高く、内径、外径および肉厚の変更を行うことが容易であり、ストローとしての機能を持たせることも可能な管状のチョコレート食品とすることができる。
【0016】
本発明のチョコレート食品の製造方法によれば、装飾性が高く、内径、外径および肉厚の変更を行うことが容易であり、ストローとしての機能を持たせることも可能な管状のチョコレート食品を製造することができる。
【0017】
本発明のチョコレート食品の製造装置によれば、装飾性が高く、内径、外径および肉厚の変更を行うことが容易であり、ストローとしての機能を持たせることも可能な管状のチョコレート食品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態1に係るチョコレート食品の正面図である。
【
図3A】
図3Aは、変形例に係るチョコレート食品の断面図である。
【
図3B】
図3Bは、変形例に係るチョコレート食品の断面図である。
【
図3C】
図3Cは、変形例に係るチョコレート食品の断面図である。
【
図4】
図4は、チョコレート食品の製造工程を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、チョコレート食品の製造工程を示す図である。
【
図6】
図6は、チョコレート食品の製造工程を示す図である。
【
図7】
図7は、チョコレート食品の製造装置の概略図である。
【
図8A】
図8Aは、チョコレート食品の製造装置の一部を示す概略図である。
【
図8B】
図8Bは、チョコレート食品の製造装置の一部を示す概略図である。
【
図9A】
図9Aは、チョコレート食品の製造装置の一部を示す概略図である。
【
図9B】
図9Bは、チョコレート食品の製造装置の一部を示す概略図である。
【
図10】
図10は、チョコレート食品の製造装置の一部を示す概略図である。
【
図15A】
図15Aは、本発明の実施形態2に係るチョコレート食品の製造装置のうち、付着部の構成を示す概略図である。
【
図15B】
図15Bは、本発明の実施形態2に係るチョコレート食品の製造装置のうち、付着部の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態にかかるチョコレート食品は、
管状のチョコレート食品であって、
内側の面である内側面から外側の面である外側面まで連続するチョコレート層で形成された、管状本体と、
前記管状本体の一方の端部である第1端部から他方の端部である第2端部まで貫通するように形成される、開口部と、を備えている(第1の構成)。
【0020】
上記構成によれば、管状本体は、内側面から外側面まで連続するチョコレート層で形成されている。チョコレート層の内径、外径、および肉厚を変化させることにより、様々な内径、外径および肉厚を有する装飾性の高いチョコレート食品とすることができる。
また、管状本体のチョコレート層は、内側面から外側面まで連続しているため、隙間が生じにくく、ストローとして使用する場合に空気や飲料が漏れるおそれがない。
このため、装飾性が高く、内径、外径および肉厚の変更を行うことが容易であり、ストローとしての機能を持たせることも可能な管状のチョコレート食品とすることができる。
【0021】
上記第1の構成において、
前記管状本体の内側面は、
型で成型された面である成型面、を有してもよい(第2の構成)。
【0022】
上記構成によれば、管状本体の内側面は、型で成型された成型面を有している。
このため、管状本体の内側面が円滑となり、ストローとして使用しやすくなる。
【0023】
上記第1または第2の構成において、
前記管状本体の外側面は、
溶融された状態から型で成型せずに硬化させた面である非成型面、を有してもよい(第3の構成)。
【0024】
上記構成によれば、管状本体は、溶融された状態から型面で成型せずに硬化させた非成型面を有している。
このため、装飾性の高いチョコレート食品とすることができる。
【0025】
上記第1から第3のいずれかの構成において、
前記チョコレート層は、
溶融されたチョコレートが複数重ねられて形成されていてもよい(第4の構成)。
【0026】
上記構成によれば、チョコレート層は、溶融されたチョコレートが複数重ねられて形成されている。
このため、チョコレート層の肉厚を厚くすることができる。
【0027】
上記第1から第4のいずれかの構成において、
前記管状本体は、
内側面および/または外側面に設けられるとともに、可食性の素材によって形成される装飾部、を有してもよい(第5の構成)。
【0028】
上記構成によれば、管状本体は、内側面および/または外側面に設けられるとともに、可食性の素材によって形成される装飾部、を有している。
このため、装飾性の高いチョコレート食品とすることができる。
【0029】
本発明の一実施形態にかかるチョコレート食品の製造方法は、
伸縮性を有する素材で形成された棒状の型を準備するステップと、
前記型の周囲に溶融させたチョコレートを付着させるステップと、
前記型の周囲に付着した前記チョコレートを硬化させるステップと、
前記型の両端を支持して前記型を伸長させることにより、前記型に付着した前記チョコレートを前記型に対して摺動可能にするステップと、
前記チョコレートと前記型を分離するステップと、
を含んでいる(第6の構成)。
【0030】
上記構成によれば、チョコレート食品の製造方法は、型の両端を支持して型を伸長させることにより、型に付着したチョコレートを型に対して摺動可能にするステップを有している。このステップにより、硬化した状態では型に密着して離型させにくいチョコレートを容易に型から離型させることができ、チョコレートの損傷を抑えながら、チョコレートと型を分離させることができる。
このため、装飾性が高く、内径、外径および肉厚の変更を行うことが容易であり、ストローとしての機能を持たせることも可能な管状のチョコレート食品を製造することができる。
【0031】
上記第6の構成において、
前記型の周囲に溶融させた前記チョコレートを付着させるステップは、
溶融させた前記チョコレートに前記型を浸漬させるステップを含んでもよい(第7の構成)。
【0032】
上記構成によれば、チョコレート食品の製造方法は、溶融させたチョコレートに型を浸漬させるステップを含んでいる。
これにより、型の周囲に溶融させたチョコレートを容易に付着させることができる。
【0033】
上記第6または第7の構成において、
前記型の周囲に溶融させた前記チョコレートを付着させるステップは、
溶融させた前記チョコレートを吐出、落下、または噴射させて、前記型に前記チョコレートを接触させるステップを含んでもよい(第8の構成)。
【0034】
上記構成によれば、チョコレート食品の製造方法は、溶融させたチョコレートを吐出、落下、または噴射させて、型にチョコレートを接触させるステップを含んでいる。
これにより、型の周囲に溶融させたチョコレートを容易に付着させることができる。
【0035】
上記第6から第8のいずれかの構成において、
溶融させた前記チョコレートに前記型を付着させるステップは、複数回行われてもよい(第9の構成)。
【0036】
上記構成によれば、溶融させたチョコレートに型を付着させるステップは、複数回行われる。
これにより、チョコレートの肉厚を厚くすることができる。
【0037】
上記第6から第9のいずれかの構成において、
前記型の両端を支持して前記型を伸長させることにより、前記型に付着した前記チョコレートを前記型に対して摺動可能にするステップは、
前記型の先端部を被覆する前記チョコレートの一部を除去するステップと、
前記チョコレートが除去されることで露出した前記型の先端部を把持するステップと、を含んでもよい(第10の構成)。
【0038】
上記構成によれば、型の両端を支持して型を伸長させる場合、事前に型の先端部を被覆するチョコレートの一部を除去し、チョコレートが除去されることで露出した型の先端部を把持して型を伸長させる。
これにより、チョコレートの損傷を抑えながら、型の両端を支持して型を伸長させることができる。
【0039】
上記第6から第9のいずれかの構成において、
前記型の両端を支持して前記型を伸長させることにより、前記型に付着した前記チョコレートを前記型に対して摺動可能にするステップは、
前記型の先端部が前記チョコレートで被覆された状態のまま、前記型の先端部を把持するステップを含んでもよい(第11の構成)。
【0040】
上記構成によれば、型の両端を支持して型を伸長させる場合、型の先端部がチョコレートで被覆された状態のまま、型の先端部を把持し、その状態で型を伸長させる。
チョコレートの上から把持することにより、把持した部分のチョコレートと把持していない部分のチョコレートとが分離されて型を伸長させることができるため、型の両端を支持して型を伸長させるステップを迅速に行うことができる。
【0041】
上記第6から第11のいずれかの構成において、
前記型に付着した前記チョコレートの外側面に、可食性の素材によって形成される装飾部を設けるステップをさらに有してもよい(第12の構成)。
【0042】
上記構成によれば、チョコレート食品の外側面に、可食性の素材によって形成される装飾部が設けられる。
このため、装飾性の高いチョコレート食品とすることができる。
【0043】
本発明の一実施形態にかかるチョコレート食品の製造装置は、
伸縮性を有する素材で形成された棒状の型の一方の端部である第1型端部を保持し、他方の端部である第2型端部を自由端とする型保持部と、
前記型の周囲に溶融させたチョコレートを付着させる付着部と、
前記型の周囲に付着した前記チョコレートを硬化させる冷却部と、
前記チョコレートが付着した前記型の前記第2型端部側を把持し、前記型の軸方向に前記型を伸長させる伸長変形部と、
前記型から前記チョコレートを分離する分離部と、を備えている(第13の構成)。
【0044】
上記構成によれば、伸長変形部は、チョコレートが付着した型の第2型端部側を把持し、型の軸方向に型を伸長させる。これにより、型に付着して離型させにくいチョコレートを容易に型から離型させることができ、チョコレートの損傷を抑えながら、チョコレートと型を分離させることができる。
このため、装飾性が高く、内径、外径および肉厚の変更を行うことが容易であり、ストローとしての機能を持たせることも可能な管状のチョコレート食品を製造することができる。
【0045】
上記第13の構成において、
前記付着部は、
溶融されたチョコレートを貯留するチョコレート槽を有し、前記チョコレート槽に貯留された前記チョコレートに、前記型を前記第2型端部側から浸漬させる浸漬部を有してもよい(第14の構成)。
【0046】
上記構成によれば、付着部は浸漬部を有し、浸漬部は、型保持部が保持する型をチョコレート槽内の溶融されたチョコレートに浸漬させる。
これにより、多数の型を同時に使用して、型にチョコレートを付着させることができる。
【0047】
上記第13または第14の構成において、
前記付着部は、
溶融させた前記チョコレートを吐出、落下、または噴射させて、前記型に前記チョコレートを接触させてもよい(第15の構成)。
【0048】
上記構成によれば、付着部は、溶融させたチョコレートを吐出、落下、または噴射させて、型にチョコレートを接触させる。
これにより、多数の型を同時に使用して、型にチョコレートを付着させることができる。
【0049】
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係るチョコレート食品100を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。例示した寸法は一例であり、例示した寸法に限定されるものではない。
【0050】
以下の図では、矢印Uは上方向を示し、矢印Dは下方向を示す。矢印Fは前方向、矢印Bは後方向を示す。矢印Rは右方向、矢印Lは左方向を示す。
【0051】
[全体構成]
まず、チョコレート食品100の全体構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るチョコレート食品100の正面図である。
図1では、チョコレート食品100を上下方向に向けて配置した状態を示している。本実施形態のチョコレート食品100は、例えば冷たい飲料品を提供する際に飲料品を装飾する装飾体としての機能を有するとともに、飲料を飲むためのストローとしての機能を備えている。
【0052】
チョコレート食品100の原料となるチョコレートは、カカオマス、砂糖、ココアバター等の主要原料と、必要に応じて植物性油脂等の添加剤を配合したものである。「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(日本チョコレート・ココア協会)に定められるチョコレート生地および準チョコレート生地、または、油脂加工食品を用いることができるが、当業者がチョコレート生地として普通に用いるものであれば、これに限定されない。また、本出願が効力を有する外国においては、当該国におけるチョコレートの原料に関する規格に適応したものを用いることができるが、当該国における当業者がチョコレート生地として普通に用いるものであれば、これに限定されない。
【0053】
図1に示すように、チョコレート食品100は、管状本体10、および開口部50を備えている。
【0054】
管状本体10は、断面形状が円形(
図2参照)の管状体であり、内側の面である内側面30から外側の面である外側面40まで連続するチョコレート層20で形成されている。一方の端部を第1端部11とし、他方の端部を第2端部12とすると、本実施形態の管状本体10の外径は、第1端部11から第2端部12までほぼ一定である。
【0055】
開口部50は、管状本体10の第1端部11から第2端部12まで貫通するように形成されている。開口部50の断面形状は円形である(
図2参照)。本実施形態の管状本体10の内径は、第1端部11から第2端部12まで実質的に一定である。
【0056】
第1端部11および第2端部12の端面は、長さを揃えたり、整形のため、切断面によって形成されている。
【0057】
図2は、
図1のA―A線における断面図である。
図2に示すように、本実施形態の管状本体10は、内側面30の断面形状が円形であり、外側面40の断面形状が円形である。本実施形態のチョコレート層20の肉厚は、円周方向および第1端部11から第2端部12まで、ほぼ一定である。チョコレート層20は、内側面30から外側面40までチョコレートが連続するように形成されている。
【0058】
内側面30は、型で成型された面である成型面32を有している。本実施形態では、内側面30の全体が成型面32となっている。
【0059】
外側面40は、溶融された状態から型で成型せずに硬化させた面である非成型面42を有している。本実施形態では、外側面40の全体が非成型面42となっている。外側面40には、耐熱性を向上させたり、光沢を得るための添加物(例えば、シェラック)等を塗布したり、可食性を有する印刷やトッピング等で加飾した加飾部を設けるようにしてもよい。
【0060】
外側面40に印刷を施す場合は、外側面40が硬化する前に、可食印刷されたフィルムを貼り付け、硬化後にフィルムを剥がして転写する手段や、硬化後に可食インクを用いてインクジェットで印刷する手段をとることができる。また、外側面40にトッピングを施す場合は、外側面40がやや溶融した状態で表面に付着させるように取り付ける手段や、外側面40が硬化した後に接着材の役目を担う別の可食素材(チョコレートを用いることも可能)を用いて接着させるように取り付ける手段をとることができる。
【0061】
チョコレート食品100の長さ、内径、外径、肉厚、および断面形状は、用途や機能に応じて適宜変更することができる。チョコレート食品100に、飲料品(例えば、アイスカフェラテ)を装飾する装飾体としての機能を持たせるとともに、飲料を飲むためのストローとしての機能を持たせる場合、例えば、管状本体10の長さ約200mm、内径約6mm、外径約8mm、肉厚約1mmに設定することができる。また、飲料がタピオカのような粒状物を含む場合、使用者が粒状物を吸引できる程度の長さおよび内径に設定することができる。
【0062】
管状本体10の断面形状は、第1端部11から第2端部12までほぼ一定形状としたが、管状本体10の断面形状を第1端部11から第2端部12まで変化させるようにしてもよい。例えば、管状本体10は、第1端部11側の肉厚よりも第2端部12側の肉厚が厚く形成されていてもよい。
【0063】
チョコレート食品100にストローとしての機能を持たせずに、例えばケーキやデザート等を装飾する可食性の装飾体として使用する場合には、チョコレート食品100の長さ、内径、外径、肉厚、および断面形状を適宜変更することができる。また、例えば、チョコレート食品100の外径を50mm程度とし、それを輪切りにすることにより、リング状の装飾体を形成することもできる。
【0064】
チョコレート食品100の断面形状は、円形に限定されない。例えば、変形例に係るチョコレート食品100Aの管状本体10Aおよび開口部50Aの断面形状を、
図3Aに示すように、略四角形としたり、
図3Bに示すように楕円形としたり、
図3Cに示すように略三角形などの形状とすることができる。
【0065】
チョコレート食品100は、直線状に限定されず、成型時または成型後に湾曲等の変形を加えてもよい。
【0066】
[製造方法]
次に、本発明の実施形態に係るチョコレート食品の製造方法について説明する。
図4は、チョコレート食品の製造工程を示すフローチャートである。
図5および
図6は、チョコレート食品の製造工程を示す図である。
【0067】
図4に示すように、チョコレート食品の製造工程が開始されると(スタート)、まずステップSA1で、伸縮性を有する素材で形成された棒状の型210を準備する(
図5a参照)。伸縮性を有する素材として、例えば食品衛生試験に適合したシリコン樹脂を選択することができる。棒状の型210の周囲には、筒状のチョコレート食品100が形成されるため、棒状の型210は、チョコレート食品100よりも長く、かつ、チョコレート食品100の内径に対応したものを選択する。
【0068】
ステップSA2では、型210の周囲に溶融させたチョコレート400を付着させる(
図5b参照)。型210の周囲に溶融させたチョコレート400を付着させるステップには、例えば、加熱して溶融されたチョコレート400に対して、型210を一方の端部(第2型端部212)から浸漬するステップを含めることができる。また、チョコレート食品100のチョコレート層20の肉厚を増大させること等を目的として、溶融させたチョコレート400に型210を浸漬するステップを複数回行うことができる。
【0069】
なお、型210の周囲に溶融させたチョコレート400を付着させる方法として、浸漬のほか、例えば、型210に対してチョコレート400を噴射して塗布する方法を選択することもできる。また、溶融させたチョコレート400を吐出や落下させて、チョコレート400の流れを形成し、このチョコレート400の流れに型210を接触させて、型210の周囲に溶融させたチョコレート400を付着させてもよい。チョコレート400の流れに型210を接触させる場合、チョコレート400の流れに対して型210を接近させてもよく、反対に、チョコレート400の流れを型210に対して接近させてもよい。さらに、複数の付着方法を組み合わせてもよい。
【0070】
ステップSA3では、型210の周囲に付着したチョコレート400を硬化させる。このステップSA3では、型210を鉛直方向に支持した状態で行うようにしてもよい。これにより、多数の型を同時に使用することができるとともに、チョコレートの表面が円滑になるように硬化させることができる。また、チョコレート400を迅速に硬化させるため、冷気によって強制的に冷却させる方法を採用してもよい。
【0071】
ステップSA4では、型210の両端(第1型端部211、第2型端部212)を支持して型210を伸長させることにより、型210に付着したチョコレート400を型210に対して摺動可能にする(
図6a、
図6b参照)。
【0072】
溶融状態で型210に付着したチョコレート400の温度が低下して硬化すると、チョコレート400の体積が収縮するため、シリコン樹脂等で形成した型210にチョコレート400が食い込むように密着した状態となる。この密着状態のままでは、チョコレート400と型210を互いに逆方向に引いたとしても引き抜くことは困難である。また、チョコレート400に力を加えることにより、チョコレート400が割れるなどの損傷が生じる。
【0073】
このため、本発明に係るチョコレート食品の製造方法では、チョコレート400には力を加えず、型210の両端(第1型端部211、第2型端部212)を支持して型210を伸長させる(
図6a参照)。型210を十分に伸長させることによって型210は全体的に縮径し、型210の表面がチョコレート400から離れるため、チョコレート400と型210の表面との密着状態が解除される。一旦チョコレート400と型210の表面との密着状態が解除されれば、型210を伸長状態から自然長の状態に戻しても、チョコレート400は型210に対して摺動可能な状態となる(
図6b参照)。
【0074】
なお、型210にチョコレート400を付着させた状態では(
図5b参照)、チョコレート400は、型210の先端部(第2型端部212)を被覆している。このため、ステップSA4において、型210の先端部(第2型端部212)を被覆するチョコレート400の一部(除去部420)を除去するステップ(
図5c参照)、および、チョコレート400の一部(除去部420)を除去されることで露出した型210の先端部(第2型端部212)を把持するステップを含めてもよい。チョコレート400の一部(除去部420)を除去するステップと型210の先端部(第2型端部212)を把持するステップは、同時に行ってもよい。
【0075】
あるいは、ステップSA4において、型210の先端部(第2型端部212)がチョコレート400で被覆された状態のまま、型210の先端部(第2型端部212)を把持するステップを行ってもよい。この場合、型210の先端部(第2型端部212)付近のチョコレート400が割れることとなるが、チョコレート400が割れることよって型210の先端部(第2型端部212)を被覆するチョコレート400の一部(除去部420)が除去されることとなり、型210の両端(第1型端部211、第2型端部212)を支持して型210を伸長させることができる。
【0076】
ステップSA5では、型210に対して摺動可能となったチョコレート400を型210から分離する(
図6c参照)。これにより、本発明に係るチョコレート食品100を製造することができる(エンド)。
【0077】
なお、成型時または成型後において、チョコレート食品100に湾曲部等の変形部が形成されるようにしてもよい。
【0078】
チョコレート食品100の表面に印刷やトッピングなどの加飾を行う場合は、例えば、型210の周囲に付着したチョコレート400を硬化させるステップ(ステップSA3)と同時、あるいは、ステップSA3とステップSA4の間に、チョコレート食品100の表面に印刷やトッピングなどの加飾を行うステップを含めてもよいし、または、チョコレート400を型210から分離(ステップSA5)した後、梱包するまでの間にインクジェット印刷やトッピングの工程を入れてもよい。
【0079】
チョコレート食品100の表面に印刷を行う場合は、ステップSA3においてチョコレート400の表面が硬化する前に、可食印刷されたフィルムを貼り付け転写する方法や、ステップSA3以降において可食インクを用いてインクジェットで印刷する方法を用いることができる。また、チョコレート食品100の表面にトッピングを施す場合は、ステップSA3においてチョコレート400の表面がやや溶融した状態で表面に付着させるように取り付ける方法や、ステップSA3以降において、硬化したチョコレート400の表面に接着材の役目を担う別の可食素材(チョコレートを用いることも可能)を用いて接着させるように取り付ける方法を用いることができる。
【0080】
[製造装置]
次に、本発明の実施形態に係るチョコレート食品の製造装置300について説明する。
図7は、チョコレート食品の製造装置の概略図である。
図8Aから
図14Bは、それぞれチョコレート食品の製造装置300の一部を示す概略図である。
【0081】
図7に示すように、製造装置300は、型保持部220、付着部225(浸漬部240)、冷却部250、先端除去部260、伸長変形部270、および分離部280を備えている。型保持部220は、搬送装置291によって、付着部225(浸漬部240)、冷却部250、先端除去部260、伸長変形部270、および分離部280を順番に通過するように搬送される。型保持部220がこれらの工程を通過していくことにより、チョコレート食品100が製造される。
【0082】
図8Aおよび
図8Bは、型保持部220を示している。
図8Aは、型保持部220の側面図であり、
図8Bは、型保持部220の底面図である。
図8Aおよび
図8Bに示すように、型保持部220は、複数の型210、および保持部215を有している。
【0083】
型210は棒状の形状を有しており、伸縮性を有する素材で形成されている。伸縮性を有する素材として、例えば食品衛生試験に適合したシリコン樹脂を選択することができる。型210の周囲には、筒状のチョコレート食品100が形成されるため、型210は、チョコレート食品100よりも長く、かつ、チョコレート食品100の内径に対応したものを選択する。
【0084】
保持部215は、複数の型210を支持している。複数の型210は、等間隔に配置されており、第1型端部211が保持され、第2型端部212が自由端とされている。保持部215は、複数の型210の長手方向が鉛直方向に向くように支持している。
【0085】
図9Aおよび
図9Bは、付着部225(浸漬部240)を示しており、浸漬部240は、チョコレート槽230を有している。
図9Aは、搬送装置291で搬送されてきた型保持部220がチョコレート槽230の上方に到達した状態を示している(
図7参照)。
【0086】
チョコレート槽230は、溶融されたチョコレート400を貯留している。チョコレート槽230は、加熱保温機能または保温機能を有しており、チョコレート400を溶融した状態で貯溜することができる。
【0087】
図9Bは、型保持部220に支持された複数の型210が、チョコレート槽230に貯溜されたチョコレート400に浸漬されている状態を示している。浸漬部240は、型210をチョコレート400に第2型端部212側から浸漬させる。
【0088】
ここで、チョコレート槽230は、型保持部220が保持する型210に対して上方に移動し、型210をチョコレート400に浸漬させるようにしてもよく、型保持部220がチョコレート槽230に対して下降することにより、型210をチョコレート400に浸漬させるようにしてもよい。これにより、多数の型を同時に使用して、型にチョコレートを付着させることができる。
【0089】
型210に付着させるチョコレート400の肉厚を厚くするため、浸漬部240は、チョコレート槽230に貯留されたチョコレート400に、型210を複数回浸漬させてもよい。
【0090】
また、型210に付着させるチョコレート400の肉厚を調整するため、例えばココアバター、または植物性油脂の油脂量を変えてチョコレート400の粘度を変更するようにしてもよい。
【0091】
図10は、冷却部250を示している。冷却部250には、浸漬部240でチョコレート400に浸漬された型保持部220が搬送され、型210の周囲に付着したチョコレート400を硬化させる。冷却部250では、型210を鉛直方向に支持した状態でチョコレート400を硬化させる。また、冷却部250では、チョコレート400を急速に硬化させるため、冷気によってチョコレート400を強制的に冷却させている。なお、型210に付着したチョコレート400は、型210の先端部(第2型端部212)を被覆している。
【0092】
図11Aおよび
図11Bは、先端除去部260を示している。先端除去部260には、冷却部250で型210の周囲に付着したチョコレート400が硬化された型保持部220が搬送される。先端除去部260は、カッター262を有している。
【0093】
図11Aは、型210の先端部(第2型端部212)にカッター262が接近し、型210の先端部(第2型端部212)を被覆しているチョコレート400を除去している状態を示している。
【0094】
図11Bは、型210の先端部(第2型端部212)を被覆するチョコレート400の一部が除去され、型210の先端部(第2型端部212)が露出している状態を示している。型210の先端部(第2型端部212)が露出することにより、次の伸長変形部270において、型210の先端部(第2型端部212)を支持しやすくなる。
【0095】
図12Aから
図13Bは、伸長変形部270を示している。伸長変形部270では、支持部272が型210の第2型端部212を支持して型210を伸長させることにより、型210に付着したチョコレート400を型210に対して摺動可能にする。
【0096】
図12Aは、支持部272が各型210の第2型端部212を支持している状態を示している。
【0097】
図12Bは、支持部272が各型210の第2型端部212を支持した状態で下降し、チョコレート400に力を加えないようにしながら、各型210を伸長させている状態を示している。型210を十分に伸長させることによって型210は全体的に縮径し、チョコレート400と型210の表面との密着状態が解除される。
【0098】
図13Aは、支持部272が各型210の第2型端部212を支持した状態で上昇し、型210を伸長状態から自然長の状態に戻した状態を示している。一旦チョコレート400と型210の表面との密着状態が解除されれば、型210を伸長状態から自然長の状態に戻しても、チョコレート400は型210に対して摺動可能な状態となる。
【0099】
図13Bは、支持部272が各型210の第2型端部212から離脱した状態を示している。この状態では、チョコレート400と型210は接触状態となっているため、チョコレート400は型210から落下しない。
【0100】
図14Aおよび
図14Bは、分離部280を示している。分離部280は、型210に対して摺動可能となったチョコレート400を型210から分離する。分離部280は、分離アーム282を有している。また、分離部280の下方には、分離されたチョコレート食品100を製造装置300の外部に搬送する搬送装置293が配置されている。
【0101】
図14Aは、各型210に支持された状態のチョコレート400の上方に分離アーム282が位置している状態を示している。
【0102】
図14Bは、各型210に支持された状態のチョコレート400を下方に移動させながら、分離アーム282が下降し、分離アーム282が各型210の下方に到達した状態を示している。各型210に支持されていたチョコレート400は、各型210から分離されてチョコレート食品100となり、搬送装置293によって製造装置300の外部に搬送される。
【0103】
チョコレート食品100の表面に印刷やトッピングなどの加飾を行う場合は、例えば、浸漬部240で型210の周囲にチョコレート400を付着させる工程を終えた後から冷却部250の間において行うことができる。型210の周囲に付着したチョコレート400を硬化させながら、あるいは、型210の周囲に付着したチョコレート400が硬化した後に、チョコレート食品100の表面に印刷やトッピングなどの加飾を行うことができる。これにより、装飾性の高いチョコレート食品とすることができる。
【0104】
チョコレート食品100の表面に印刷を行う場合は、浸漬部240から冷却部250においてチョコレート400の表面がフィルムの貼り付け可能な状態で、可食印刷されたフィルムを貼り付け転写する手段を用いることができる。あるいは、型210の周囲に付着したチョコレート400が硬化した後に、可食インクを用いてインクジェットで印刷する手段を用いることができる。また、チョコレート食品100の表面にトッピングを施す場合は、冷却部250においてチョコレート400の表面がやや溶融した状態で表面に付着させるように取り付ける手段を用いることができる。あるいは、型210の周囲に付着したチョコレート400が硬化した後に、硬化したチョコレート400の表面に接着材の役目を担う別の可食素材(チョコレートを用いることも可能)を用いて接着させるように取り付ける手段を用いることができる。
【0105】
以上説明した本実施形態に係るチョコレート食品100によれば、装飾性が高く、内径、外径および肉厚の変更を行うことが容易であり、ストローとしての機能を持たせることも可能な管状のチョコレート食品とすることができる。
【0106】
また、本実施形態に係るチョコレート食品の製造方法および製造装置によれば、装飾性が高く、内径、外径および肉厚の変更を行うことが容易であり、ストローとしての機能を持たせることも可能な管状のチョコレート食品を製造することができる。
【0107】
[実施形態2]
実施形態2では、付着部225Aの構成が実施形態1の付着部225(浸漬部240)の構成と異なっている。実施形態2の付着部225Aは、溶融させたチョコレート400を吐出、落下、または噴射させて、型210にチョコレート400を接触させることにより、型210にチョコレート400を付着させる。
図15Aおよび
図15Bは、本発明の実施形態2に係るチョコレート食品の製造装置のうち、付着部の構成を示す概略図である。
【0108】
図15Aは、型保持部220Aの保持部215Aに保持された型210の側方から、型210に対してチョコレート400を吐出または噴射して接触させることにより、型210にチョコレート400を付着させる構成を示している。チョコレート400を吐出または噴射させる方向は、側方に限定されず、下方からであってもよい。また、
図15Aに示すように、保持部215Aに吐出孔217を複数形成し、吐出孔217から溶融したチョコレート400を吐出または噴射することにより、型210の上方からチョコレート400を付着させるようにしてもよい。
【0109】
図15Bは、図示しない吐出口からチョコレート400を自然落下させてチョコレート400の流れを形成し、その流れの中に型210を通過させることにより、型210にチョコレート400を付着させる構成を示している。チョコレート400を吐出する方向は鉛直方向に限定されず、斜め下方に向けて吐出させて斜め下向きのチョコレート400の流れを形成してもよい。また、
図15Bでは、チョコレート400の流れに対して型210を移動させているが、これに限定されない。例えば、型210の移動を停止させ、チョコレート400の流れを型210に対して移動させてもよく、型210とチョコレート400の流れを互いに同方向または反対方向に移動させてもよい。
【0110】
[変形例]
本発明に係るチョコレート食品、チョコレート食品の製造方法、およびチョコレート食品の製造装置は、上記説明した本実施形態に限定されない。例えば、チョコレート食品の形状や寸法、型210の形状等は本実施形態のものに限定されない。上述した実施形態は本発明を実施するための例示に過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態を適宜変形して実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本発明は、管状のチョコレート食品、管状のチョコレート食品の製造方法、および管状のチョコレート食品の製造装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0112】
100 チョコレート食品
10 管状本体
11 第1端部
12 第2端部
20 チョコレート層
30 内側面
40 外側面
50 開口部