(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】安全バリアを有するケーブルウェイ・ステーション
(51)【国際特許分類】
B61B 7/00 20060101AFI20240515BHJP
G05B 9/02 20060101ALI20240515BHJP
E05F 7/00 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
B61B7/00 Z
G05B9/02 Z
E05F7/00 F
(21)【出願番号】P 2022564081
(86)(22)【出願日】2021-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2021060193
(87)【国際公開番号】W WO2021214035
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-03-20
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】000228523
【氏名又は名称】日本ケーブル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス・グラスムック
(72)【発明者】
【氏名】ゲルト・ドゥール
【審査官】大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-106867(JP,U)
【文献】特開平08-099631(JP,A)
【文献】特開2017-105451(JP,A)
【文献】実開平03-042772(JP,U)
【文献】特開昭56-131454(JP,A)
【文献】特表昭56-500367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 7/00
G05B 9/02
E05F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのケーブルウェイ(S)のためのケーブルウェイ・ステーション(1)であって、前記ケーブルウェイ・ステーション(1)においては、少なくとも1つの開放可能な安全バリア(2)が提供され、前記少なくとも1つの安全バリア(2)の開放状態を検知するためのセンサ(3)が、前記ケーブルウェイ・ステーション(1)において提供され、前記センサ(3)が、前記開放状態に応じてセンサ信号(Y)をケーブルウェイ駆動部(5)の制御ユニット(4)へ送信し、前記制御ユニット(4)が、前記センサ信号(Y)に応じて前記ケーブルウェイ駆動部(5)を制御する、前記ケーブルウェイ・ステーション(1)において、前記制御ユニット(4)が、前記安全バリア(2)の開位置に対応する前記センサ信号(Y)が受信された場合に、前記ケーブルウェイ駆動部(5)を停止するために、または前記ケーブルウェイ駆動部(5)の駆動速度を低減するために提供され、前記安全バリア(2)が、遠隔操作可能な起動ユニット(6)を有し、前記起動ユニット(6)が、前記安全バリア(2)を、前記ケーブルウェイ駆動部(5)が停止されるか、または前記駆動速度が低減される前記開位置から、前記ケーブルウェイ駆動部(5)が再びアクティブ化されることが可能であるか、または前記駆動速度が再び増大されることが可能である閉位置へとリセットするために、遠隔制御ユニット(7)を用いて制御されることが可能であることを特徴とするケーブルウェイ・ステーション(1)。
【請求項2】
前記制御ユニット(4)が、前記起動ユニット(6)による前記安全バリア(2)の前記開位置から前記閉位置への遠隔リセットの後に、前記閉位置に対応するセンサ信号(Y)が受信された場合に、再び前記ケーブルウェイ駆動部(5)を自動的にアクティブ化するように、または再び前記駆動速度を増大するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のケーブルウェイ・ステーション(1)。
【請求項3】
アラーム・ユニット(8)が、前記ケーブルウェイ・ステーション(1)において、および/または前記ケーブルウェイ・ステーション(1)の外部に提供されて、前記安全バリア(2)の前記開位置が前記センサ(3)によって検知された場合に、好ましくは視覚的および/または音響アラームを作動させることを特徴とする、請求項1または2に記載のケーブルウェイ・ステーション(1)。
【請求項4】
前記安全バリア(2)の前記起動ユニット(6)が、少なくとも1つの固定型および/またはポータブル遠隔制御ユニット(7a、7b)を介してワイヤレスにおよび/または有線で制御されることが可能であり、好ましくは、少なくとも1つの固定型および/またはポータブル遠隔制御ユニット(7a、7b)が、前記ケーブルウェイ・ステーション(1)において、好ましくは操作室(9)内に、および/または前記ケーブルウェイ・ステーション(1)の外部に、好ましくはいくつかのケーブルウェイ・ステーション(1)のための中央操作室(17)内に配置されることを特徴とする、請求項1から3の一項に記載のケーブルウェイ・ステーション(1)。
【請求項5】
前記センサ(3)が、ワイヤレスまたは有線の様式で前記制御ユニット(4)に接続されていることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載のケーブルウェイ・ステーション(1)。
【請求項6】
少なくとも1つのカメラ(10)を有し、かつ評価ユニット(11)を有するカメラ・システム(K)が、前記センサ(3)として提供され、前記少なくとも1つの安全バリア(2)が、前記少なくとも1つのカメラ(10)の取り込み範囲(A)に配置され、前記評価ユニット(11)が、前記安全バリア(2)の少なくとも前記開放状態を検知するために前記少なくとも1つのカメラ(10)によって取り込まれた画像を評価するように、および前記センサ信号(Y)を前記制御ユニット(4)へ送信するように構成されていることを特徴とする、請求項1から5の一項に記載のケーブルウェイ・ステーション(1)。
【請求項7】
少なくとも1つのカメラ(10)が、前記ケーブルウェイ・ステーション(1)において提供され、前記少なくとも1つの安全バリア(2)が、前記少なくとも1つのカメラ(10)の取り込み範囲(A)に配置され、前記カメラ(10)によって取り込まれた画像および/またはビデオを表示するためのディスプレイ・ユニットが、前記ケーブルウェイ・ステーション(1)において、好ましくは操作室(9)内に、および/または前記ケーブルウェイ・ステーション(1)の外部に、好ましくは、いくつかのケーブルウェイ・ステーション(1)のための中央操作室(17)内に提供されることを特徴とする、請求項1から6の一項に記載のケーブルウェイ・ステーション(1)。
【請求項8】
前記安全バリア(2)の領域に配置される機械式接触スイッチ、誘導センサ、静電容量センサ、光バリア、レーザ・センサ、磁気センサ、または超音波センサが、前記センサ(3)として提供されることを特徴とする、請求項1から7の一項に記載のケーブルウェイ・ステーション(1)。
【請求項9】
少なくとも1つのカメラ(10)を有し、かつ評価ユニット(11)を有するカメラ・システム(K)が、少なくとも1つのセンサ(3)として提供され、少なくとも1つの安全バリア(2)が、前記少なくとも1つのカメラ(10)の取り込み範囲(A)に配置され、前記評価ユニット(11)が、前記安全バリア(2)の開放状態を検知するために前記少なくとも1つのカメラ(10)によって取り込まれた画像を評価するように、およびセンサ信号(Y)を生成するための前記センサ(3)を備えた前記安全バリア(2)を有する、ケーブルウェイ・ステーション(1)のための安全システムであって、前記安全バリア(2)が、遠隔操作可能な起動ユニット(6)を有し、それによって前記安全バリア(2)が、遠隔制御ユニット(7)によって開位置から閉位置へとリセットされることが可能であることを特徴とする安全システム。
【請求項10】
前記安全バリア(2)の前記開位置が前記センサ(3)によって検知された場合に、好ましくは視覚的および/または音響アラームを作動させるためのアラーム・ユニット(8)を有することを特徴とする、請求項9に記載の安全システム。
【請求項11】
前記安全バリア(2)の前記起動ユニット(6)を制御するための固定型および/またはモバイル遠隔制御ユニット(7a、7b)を有することを特徴とする、請求項9または10に記載の安全システム。
【請求項12】
前記安全システムが、少なくとも1つのカメラ(10)と、前記カメラ(10)によって取り込まれた画像および/またはビデオを表示するためのディスプレイ・ユニットとを含み、前記少なくとも1つの安全バリア(2)が、前記少なくとも1つのカメラ(10)の取り込み範囲(A)に配置されていることを特徴とする、請求項9から11の一項に記載の安全システム。
【請求項13】
前記安全バリア(2)の領域に配置される機械式接触スイッチ、誘導センサ、静電容量センサ、光バリア、レーザ・センサ、磁気センサ、または超音波センサが、前記センサ(3)として提供されることを特徴とする、請求項9から12の一項に記載の安全システム。
【請求項14】
開放可能な安全バリア(2)が配置されている少なくとも1つのケーブルウェイ・ステーション(1)を用いて少なくとも1つのケーブルウェイ(S)を操作するための方法であって、前記安全バリア(2)の開放状態が監視され、前記少なくとも1つのケーブルウェイ(S)のケーブルウェイ駆動部(5)が、前記開放状態に応じて制御ユニット(4)によって制御される、方法において、前記安全バリア(2)が閉位置から開位置へと動かされた場合に、前記ケーブルウェイ駆動部(5)が前記制御ユニット(4)によって停止されるか、または前記ケーブルウェイ駆動部(5)の駆動速度が低減され、前記安全バリア(2)が、遠隔制御ユニット(7)を用いて、前記ケーブルウェイ駆動部(5)が停止されるか、または前記駆動速度が低減される前記開位置から、前記ケーブルウェイ駆動部(5)が再びアクティブ化されることが可能であるか、または前記駆動速度が再び増大されることが可能である前記閉位置へとリセットされることを特徴とする方法。
【請求項15】
前記遠隔制御ユニット(7)を用いて前記安全バリア(2)が前記閉位置へとリセットされた場合に、前記ケーブルウェイ駆動部(5)が、前記制御ユニット(4)によって自動的に再アクティブ化されるか、または前記ケーブルウェイ駆動部(5)の前記駆動速度が再び増大されることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記安全バリア(2)が開かれた場合に、好ましくは視覚および/または音響アラームが、前記ケーブルウェイ・ステーション(1)において、および/または前記ケーブルウェイ・ステーション(1)の外部で作動されることを特徴とする、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記安全バリア(2)が、好ましくは、前記ケーブルウェイ・ステーション(1)の操作室(9)内に、および/もしくは、いくつかのケーブルウェイ・ステーション(1)のための、前記ケーブルウェイ・ステーション(1)の外部の中央操作室(17)内に配置されている固定型遠隔制御ユニット(7a)を介して、またはポータブル遠隔制御ユニット(7a)、および好ましくはモバイル電話もしくはポータブル・コンピュータを介して制御されることを特徴とする、請求項14から16の一項に記載の方法。
【請求項18】
前記安全バリア(2)の前記開放状態が、カメラ・システム(K)を使用して監視され、カメラ(10)の取り込み範囲(A)に配置されている前記安全バリア(2)の画像が、少なくとも1つのカメラ(10)によって取り込まれ、前記画像が、前記開放状態を検知するために画像認識を用いて評価ユニット(11)によって評価されることを特徴とする、請求項14から17の一項に記載の方法。
【請求項19】
前記カメラ(10)の取り込み範囲(A)に配置されている前記安全バリア(2)の画像および/またはビデオが、少なくとも1つのカメラ(10)によって取り込まれ、好ましくは、前記ケーブルウェイ・ステーション(1)の操作室(9)内に、および/または前記ケーブルウェイ・ステーション(1)の外部の中央操作室(17)内に配置されているディスプレイ・ユニット上に表示されることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのケーブルウェイのためのケーブルウェイ・ステーションに関し、そのステーションにおいては、少なくとも1つの開放可能な安全バリアが提供され、その少なくとも1つの安全バリアの開放状態を検知するためのセンサが、ケーブルウェイ・ステーションにおいて提供され、前記センサは、開放状態に応じてセンサ信号を生成し、センサ信号をケーブルウェイ駆動部の制御ユニットへ送信し、その制御ユニットは、取得されたセンサ信号に応じてケーブルウェイ駆動部を制御する。さらに、本発明は、開放可能な安全バリアを有するケーブルウェイ・ステーションのための安全システム、および開放可能な安全バリアが配置されている少なくとも1つのケーブルウェイ・ステーションを有する少なくとも1つのケーブルウェイを操作するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルウェイは、2つまたは複数のケーブルウェイ・ステーションの間において人および物資を輸送するために使用される。この目的のために、椅子またはゴンドラなど、多数のケーブル・カーが、ケーブルウェイ・ステーション同士の間において、巡回するかまたは往復するかのいずれかで移動させられる。ケーブル・カーは、少なくとも1本の牽引ケーブルを用いてケーブルウェイ・ステーション同士の間において移動させられる。ケーブル・カーは、(空中ケーブルウェイのケースにおいては)少なくとも1本の支持ケーブルから吊るされることが可能であるか、または移動を可能にする様式でレール上もしくは地上(ケーブル鉄道)に配置されることが可能であり、少なくとも1本の牽引ケーブルを用いて移動させられることが可能である。しかしながら、ケーブル・カーは、牽引ケーブルに解放可能にクランプで留められること、または固定されること、および牽引ケーブルを用いて移動させられることも可能である。巡回するケーブル・カーのケースにおいては、ケーブル・カーはしばしば、たとえば解放可能なケーブル・クランプを用いて、ケーブルウェイ・ステーションにおいて牽引ケーブルから切り離され、より低い速度でケーブルウェイ・ステーションを通って移動させられて、人々が乗ることもしくは降りることを容易にするか、または物資を積み込むこともしくは降ろすことを容易にする。
【0003】
ケーブルウェイ・ステーションにおいては、通常は、さまざまな立ち入り制限を有するさまざまなエリアがある。たとえば、ケーブルウェイの操作要員にとって、および乗客にとっての両方で立ち入りが許可されているエリア、たとえば入り口/出口エリアがあり得る。多くの場合、操作要員のみ立ち入りが許可されていて、かつ乗客の立ち入りは許可されていない、または望ましくないエリアもある。これらは、たとえば、入り口/出口エリアの外部のエリアであることがあり、そのエリアにおいては、怪我の直接のリスクはないが、そこでは、たとえば操作上の理由のために、操作員ではない人の立ち入りが禁止されている。さらに、ケーブルウェイ・ステーションにおいては、安全上の理由のために、すべての人、すなわち、操作要員など、操作に関与する人、そしてまた乗客など、操作員ではない人の両方で立ち入りが禁止されているエリアがある場合もある。そのような危険エリアは、詳細には、可動部分が配置されている、駆動部の周囲のエリア、および/または電流が流れているエリアを含む。
【0004】
そのような危険エリアに入ることは、深刻な怪我をもたらす可能性があり、そういう理由で、それらの危険エリアは、一般に安全バリアによって隔てられている。現在まで、たいていはそのような安全バリアが使用されており、それによって、開いた際にはケーブルウェイの駆動部の緊急停止が作動される。知られているケーブルウェイに関しては、典型的には、ケーブルウェイの運行中に、その運行を監視してケーブルウェイを制御する1名の現場操作員が常にいなければならないと安全規定に記載されている。システムのタイプおよびサイズに応じて、操作要員は、円滑な運行を確実にするために存在している1人または複数の人を含む場合がある。操作要員は一般に、操作室からケーブルウェイを制御し、操作室はまた、監視されているエリア、とりわけ入り口/出口エリアおよび危険エリアの良好な視覚的概観を提供する。加えて、操作要員はまた、一般には、たとえばチェアリフトの椅子またはゴンドラ・リフトのゴンドラなど、ケーブル・カーに乗客が乗り降りするのを支援する。
【0005】
これまでは、たとえば、立ち入り制限エリアに乗客が不注意にまたは故意に入ったことに起因して安全バリアが作動された場合には、ケーブルウェイの緊急停止が自動的に作動され、同時にアラームも作動されることになっていた。たとえば、作動は、安全バリアが開かれた場合に起動される機械式接触スイッチを用いて行われることが可能である。この接触スイッチは、たとえば、ケーブルウェイ駆動部のエネルギー供給を遮断し、それによって駆動部はすぐに停止される。ケーブルウェイ・ステーションに既に存在している操作要員は、典型的には、どのような状況のもとで誰によって安全バリアが開かれたかを判定するために安全バリアの周囲のエリアをチェックする。チェックが完了されて、立ち入り禁止エリアに人がもはやいないということが確認された後に、ケーブルウェイの運行が継続されることが可能である。この目的のために、安全バリアは、操作要員によって閉位置へと手動でリセットされたであろう。その結果として、接触スイッチによって電気接触が復旧されたであろう。ケーブルウェイの再始動は一般に、やはり手動で、たとえば、ケーブルウェイ・ステーションの操作室におけるコントローラを介して実行される。
【0006】
自動化テクノロジーの分野における技術開発に起因して、近年における輸送の分野におけるトレンドは、自動化された運行に向かっている。たとえば、いくつかの都市においては、無人運転の地下鉄システムが既に稼働しており、完全に自動化されたシステムが、内部の輸送プロセスにおいて頻繁に使用されている。そのようなシステムにおいては、輸送プロセスの制御は、完全に自動的に実行され、要員は基本的に、円滑な運行を監視するために、そして場合によっては緊急事態のためにのみ必要である。したがって、これまでの非常に要員集約的であったケーブルウェイの分野においては、トレンドは、運行に関する可能な限り最大限の自動化、および/またはより少ない操作要員を用いて、徐々に、この目的に向かって努力することに向かっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため、従来技術から進んで、ケーブルウェイの操作を簡略化すること、そして同時に安全な運行を確実にすることが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、その目的は、制御ユニットが、安全バリアの開位置に対応するセンサ信号が受信された場合にケーブルウェイ駆動部を停止するように、またはケーブルウェイ駆動部の駆動速度を低減するように構成されることで達成され、安全バリアは、遠隔操作可能な起動ユニットを有し、その起動ユニットは、安全バリアを、ケーブルウェイ駆動部が停止されるか、または駆動速度が低減される開位置から、ケーブルウェイ駆動部が再びアクティブ化されることが可能であるか、または駆動速度が再び増大されることが可能である閉位置へとリセットするために、遠隔制御ユニットを用いて制御されることが可能である。結果として、操作要員が安全バリアを閉位置へと手動でリセットすることは、もはや必要ではない。代わりに、これは、今では遠隔から行われることが可能である。結果として、安全バリアが起動された場合には、駆動部が通常どおり完全に停止されることが可能であるか、または、たとえば、立ち入り禁止エリアに入った際の怪我のリスクがない場合には、低減された速度での運行が行われることも可能である。安全バリアの遠隔制御されたリセットの後には、ケーブルウェイ駆動部が再びアクティブ化されることが可能であるか、または、たとえば、ケーブルウェイ・ステーション内の操作室から、速度が再び増大されることが可能である。
【0009】
好ましくは、制御ユニットは、起動ユニットによる安全バリアの開位置から閉位置への遠隔制御されたリセットの後に、閉位置に対応するセンサ信号が受信された場合にケーブルウェイ駆動部を自動的に再アクティブ化するように、または再び駆動速度を増大するように構成される。その結果として、基本的に、少なくとも部分的に自動化された運行が可能にされ得る。なぜなら、安全バリアを遠隔制御で閉じることは、ケーブルウェイの運行の再開を同時にもたらすことが可能であり、別途アクティブ化が行われる必要がないからである。
【0010】
アラーム・ユニットが、好ましくは、やはりケーブルウェイ・ステーションにおいて、および/またはケーブルウェイ・ステーションの外部に提供され、それによって、安全バリアの開位置がセンサによって検知された場合に、好ましくは視覚的および/または音響アラームが作動される。結果として、操作要員、および/または任意選択でその他の乗客が注意喚起されることが可能である。
【0011】
好ましくは、安全バリアの起動ユニットは、少なくとも1つの固定型および/またはポータブル遠隔制御ユニットを介してワイヤレスにおよび/または有線で制御されることが可能である。この目的のために、少なくとも1つの固定型および/またはポータブル遠隔制御ユニットは、好ましくは、ケーブルウェイ・ステーションにおいて、および/またはケーブルウェイ・ステーションの外部に配置される。固定型および/またはポータブル遠隔制御ユニットは、好ましくは、ケーブルウェイ・ステーション内の操作室内に、および/またはいくつかのケーブルウェイ・ステーションのための中央操作室内に配置される。モバイル電話またはポータブル・コンピュータが、有利には、ポータブル遠隔制御ユニットとして提供されることが可能である。結果として、場所とは無関係な、安全バリアの非常に柔軟な制御が生み出されることが可能である。結果として、以前のように、操作要員が安全バリアを自らリセットすることは、もはや必要ではない。むしろ、このリセットは、操作室もしくは中央操作室から、またはモバイル・デバイスを介して任意の場所から行われることが可能である。
【0012】
センサは、好ましくは、ワイヤレスまたは有線の様式で制御ユニットに接続される。とりわけ、インストールの手間がほとんどかからない非常にシンプルなシステムが、ワイヤレス接続によって生み出される。
【0013】
特に有利な実施形態によれば、少なくとも1つのカメラを有し、かつ評価ユニットを有するカメラ・システムが、センサとして提供され、少なくとも安全バリアは、少なくとも1つのカメラの取り込み範囲に配置され、評価ユニットは、安全バリアの開放状態を検知するために少なくとも1つのカメラによって取り込まれた画像を評価するように、およびセンサ信号を制御ユニットへ送信するように構成されている。結果として、開放状態は、画像認識を用いて検知されることが可能であり、その結果として、別個のセンサが安全バリア上に直接配置される必要はない。有利な様式においては、たとえば、複数の安全バリアが、カメラ・システムを用いて監視されることも可能である。
【0014】
好ましくは、少なくとも1つのカメラが、ケーブルウェイ・ステーションにおいて提供され、少なくとも1つの安全バリアは、少なくとも1つのカメラの取り込み範囲に配置され、カメラによって取り込まれた画像および/またはビデオを表示するためのディスプレイ・ユニットが、ケーブルウェイ・ステーションにおいて、好ましくは操作室において、および/またはケーブルウェイ・ステーションの外部に、好ましくは、いくつかのケーブルウェイ・ステーションのための中央操作室において提供される。結果として、操作要員は、安全バリアのエリアを、たとえば操作室から、視覚的に監視し、潜在的な危険が検知されない場合には、遠隔制御ユニットを用いて安全バリアを閉位置へとリセットすることが可能である。
【0015】
代替として、または追加として、安全バリアのエリアに配置される機械式接触スイッチ、誘導センサ、静電容量センサ、光バリア、レーザ・センサ、磁気センサ、または超音波センサが、センサとして提供されることも可能である。結果として、用途に応じて、適切なスイッチが使用されることが可能であり、たとえば、保護されていないエリアにおいては、耐候性センサが使用されることが可能である。カメラ・システムに加えて、さらなるセンサが提供される場合には、冗長システムが提供されることも可能であり、それによって、ケーブルウェイの運行の信頼性、およびその結果としての安全性が高められることが可能である。結果として、比較的シンプルで堅牢なシステムが生み出されることが可能である。
【0016】
目的はまた、遠隔制御ユニットを用いて安全バリアを開位置から閉位置へとリセットするための遠隔操作可能な起動ユニットを安全バリアが有している安全システムによって達成される。
【0017】
目的はさらに、ケーブルウェイを操作するための方法によって達成され、安全バリアが閉位置から開位置へと動かされた場合に、ケーブルウェイ駆動部が制御ユニットによって停止されるか、またはケーブルウェイ駆動部の駆動速度が低減され、安全バリアは、遠隔制御ユニットを用いて、ケーブルウェイ駆動部が停止されるか、または駆動速度が低減される開位置から、ケーブルウェイ駆動部が再びアクティブ化されることが可能であるか、または駆動速度が再び増大されることが可能である閉位置へとリセットされる。
【0018】
以降においては、
図1から
図3を参照しながら、本発明がより詳細に記述され、
図1から
図3は、例として、本発明の概略的かつ非限定的で有利な実施形態を示している。図面は、下記の図を示している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】ケーブルウェイのケーブルウェイ・ステーションの平面図である。
【
図2】3つのケーブルウェイのためのケーブルウェイ・ステーションの平面図である。
【
図3】それぞれが1つのケーブルウェイ用である、いくつかの空間的に隔てられているケーブルウェイ・ステーションを中央操作室とともに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、ゴンドラ・リフトとして設計されているケーブルウェイSのケーブルウェイ・ステーション1である。ケーブルウェイ・ステーション1の基本的な構造および機能は知られており、そういう理由で、この時点での詳細な記述は省略されている。そのため、図解は大幅に簡略化されており、本発明にとって不可欠なコンポーネントのみが示されている。ケーブルウェイSは、牽引ケーブル12を用いて移動されるいくつかのケーブル・カーFを有する。示されている例においては、ケーブルウェイSは、巡回するケーブルウェイとして設計されており、このケーブルウェイにおいては、ケーブル・カーFは、牽引ケーブル12に連結され、そして牽引ケーブル12から切り離される。このケースにおいては、牽引ケーブルは、滑車輪13を中心にして180°偏向され、滑車輪13によって駆動される。この目的のために、滑車輪13を駆動するケーブルウェイ駆動部5、たとえば電気駆動部が提供される。もちろん、これは一例にすぎず、いくつかのケーブルウェイ・ステーション1、たとえば、2つの終端ステーションおよび1つまたは複数の中央ステーションがケーブルウェイにおいて提供されることも可能であり、ケーブルウェイ駆動部5がそれぞれのケーブルウェイ・ステーションにおいて提供されることが可能である。180°未満のケーブル偏向も、原理上は考えられるであろう。一般には、少なくとも2つのケーブルウェイ・ステーションが通常は提供され、それらの間をケーブル・カーFが巡回して、たとえば、人Pおよび/または物体を輸送し、少なくとも1つのケーブルウェイ・ステーション1においてケーブルウェイ駆動部5が提供される。
【0021】
制御ユニット4がケーブルウェイ・ステーション1において提供され、この制御ユニットは、ケーブルウェイSのケーブルウェイ駆動部5に接続されるか、またはその中に統合される。制御ユニット4は、滑車輪13の動きを、そしてその結果として牽引ケーブル12の動きを制御する目的でケーブルウェイ駆動部5を制御するために使用されることが可能である。結果として、ケーブル・カーFが牽引ケーブル12に接続されている場合にそれらのケーブル・カーFが移動される速度が制御されることが可能である。知られているように、巡回するケーブルウェイのケーブル・カーFは、牽引ケーブル12の速度とは無関係に、たいていはより低い速度でケーブルウェイ・ステーション1を通って移動されることが可能であるように、ケーブルウェイ・ステーション1へと入る際に牽引ケーブル12から切り離されることも可能である。それらのケーブル・カーFがケーブルウェイ・ステーション1から出る際に、それらのケーブル・カーFは、牽引ケーブル12に再び連結されることが可能である。結果として、ケーブルウェイ・ステーション1内でのケーブル・カーFに対するさらに快適な出入りを可能にすることができ、それでもなお、牽引ケーブル12の変わらぬ高い速度によって、高い運搬能力が達成されることが可能である。切り離された状態においては、ケーブル・カーFは、たとえば、ガイド・レール(図示せず)上のローラを用いて導かれることが可能であり、そのガイド・レールは、ケーブルウェイ・ステーション1の上部領域に配置されている。ケーブルウェイ・ステーション1内での移動中に牽引ケーブル12から切り離されたケーブル・カーFの駆動は、たとえば、知られている摩擦駆動を介して行われることが可能である。そのため、本発明の範囲内で、制御ユニット4は、牽引ケーブル12の駆動だけでなく、とりわけ、ケーブルウェイ・ステーション1内での切り離された状態におけるケーブル・カーFの駆動も制御する。
【0022】
原則として、ケーブルウェイ・ステーション1においては操作室9も提供され、その部屋から担当の操作要員Bがケーブルウェイを、とりわけケーブルウェイ駆動部5を制御する。この目的のために、たとえば、制御コンソール14が、たとえば、制御ユニット4に接続されているコンピュータの形態で、操作室9において提供されることが可能である。操作室9は通常、ケーブルウェイSの操作を担当する操作要員Bが、非常に重要なエリア、とりわけ入り口および/または出口エリアを見ることが可能であるような様式で配置される。特定の状況のもとで、人に関する安全を危険にさらす予期せぬ出来事が発生した場合、たとえば、乗客がケーブル・カーFに対して乗り降りする際に転落した場合には、操作要員Bが介入して、たとえば、制御コンソール14を介してケーブルウェイ駆動部5を停止すること、または少なくとも速度を低減することが可能である。
【0023】
知られている様式で、1つまたは複数の開放可能な安全バリア2がケーブルウェイ・ステーション1において提供されて、人または物体が承認なく特定のエリアに位置しているかどうか、および/または入ったかどうかを検知することも可能である。そのような安全バリア2は、多くの場合、安全に関して特に重要であるエリアにおいて、たとえば、可動部分が配置されているケーブルウェイSのケーブルウェイ駆動部5のエリアにおいて配置される。安全バリア2は、多くの場合、ケーブルウェイSの出口エリアにも配置され、その出口エリアにおいては、ケーブル・カーFは、牽引ケーブル12に再び連結されて、再び速度を増大する。
【0024】
ケーブル・カーの出口エリアにおいては、安全バリア2は、たとえば、ケーブル・カーのガイド輪郭として使用されることが可能である。安全バリア2の形状は、たとえば、ケーブル・カーの外形またはその一部に実質的に相補的な様式で適合されることが可能である。正常な運行においては、ケーブル・カーFは、ケーブル・カーと、進行方向に対して横向きの安全バリア2との間において最小の可能な距離を伴って安全バリア2を通過し、安全バリア2が起動または作動されることはない。しかしながら、ケーブルウェイSの運行中に、特定の危険な状況、たとえば、ケーブル・カーのドアがロックされていないか、もしくは完全にはロックされていない場合、物体がケーブル・カーのドアに挟まれている場合、または人がケーブル・カーによって引きずられている場合などが発生する可能性がある。これらのケースにおいては、ケーブル・カーの、またはその一部の外形は通常、もはや正常な運行におけるケーブル・カーの外形と一致しない。結果として、安全バリア2が起動される。なぜなら、安全バリア2は、たとえば、横方向に突き出ている(完全には閉じられていない)ケーブル・カーのドア、物体、または人によって起動または作動されるからであり、そして正常な運行中に閉位置から開位置へと動かされる。
【0025】
しかしながら、個人の安全または怪我のリスクに関して重要ではないが、たとえば、操作上の理由のために、承認されていない人、たとえば乗客に立ち入りが許可されていないケーブルウェイ・ステーション1のエリアが、安全バリア2を用いて隔てられることも可能である。安全バリア2は、とりわけ、特に安全に関連している、および/または操作要員Bにとって不十分にしか見えないエリアにおいて有利であることがある。原理上は、通行立ち入りを阻止するのに適している安全バリア2として、多くの異なる要素、たとえば、ドア、バーなどが使用されることが可能である。しかしながら、安全バリア2の具体的な実施形態は、本発明にとっては無関係である。
【0026】
図1において示されている例においては、3つの安全バリア2が配置されている。このケースにおいては、駆動部への、とりわけ駆動部の可動部分への立ち入りを阻止するために、滑車輪13の下のケーブルウェイ駆動部5の領域において1つの安全バリア2が配置されている。コンポーネントをよりよく認識できるように、滑車輪13は、安全バリアの領域において一部を切り取って示されている。さらなる安全バリア2が、ケーブルウェイ・ステーション1の出口エリアに配置されており、その出口エリアにおいては、ケーブル・カーFは、牽引ケーブル12に再び連結されて、ケーブルウェイ・ステーション1内の低い速度から牽引ケーブル12の比較的高い速度へとケーブル・カーFの速度を増大する。出口エリアにおける安全バリア2は、たとえば、上で説明されたように、ケーブル・カーFのためのガイド輪郭として提供されることが可能である。第3の安全バリア2が、操作室9に隣接して配置されており、乗客の立ち入り可能な入り口/出口エリアを、承認された操作員ではない人、とりわけ乗客の立ち入りが許可されていないエリアから隔てている。
【0027】
ケーブルウェイSの正常な運行においては、安全バリア2は一般に、通行が阻止されている閉位置にあり、たとえば、人または物体によって起動された場合に、閉位置から開位置へと動かされることが可能である。関連付けられている安全バリア2の開放状態を検知することが可能であるセンサ3が、それぞれの安全バリア2に割り振られている。センサ3は、制御ユニット4に接続されており、開放状態に応じてセンサ信号Yを制御ユニット4へ送信する。信号送信は、有線またはワイヤレスであることが可能である。制御ユニット4は、取得されたセンサ信号Yを処理し、そのセンサ信号Yに応じてケーブルウェイ駆動部5を制御する。最もシンプルなケースにおいては、安全バリア2に近接して配置された機械式接触スイッチ、誘導センサ、静電容量センサ、光バリア、レーザ・センサ、磁気センサ、または超音波センサが、
図1における駆動部の領域における安全バリア2上に示されているようなセンサ3として提供されることが可能である。
【0028】
安全バリア2が、閉位置から開位置へと動かされることによって起動された場合には、センサ3は、その開位置を検知し、対応するセンサ信号Yを制御ユニット4へ送信する。最もシンプルなケースにおいては、これは、たとえば、接触スイッチの接触が遮断されているということを意味し得る。開位置に対応するセンサ信号Yが受信された場合に、制御ユニット4は、たとえば、ケーブルウェイ駆動部5の緊急停止を作動することが可能である。これは、とりわけ、怪我のリスクに関して特に重要であるエリアの、たとえば、
図1におけるケーブルウェイ駆動部5の近くの、またはケーブルウェイ・ステーション1からのケーブル・カーFの出口エリアにおける安全バリア2が起動された場合に有利である。しかしながら、さほど重要ではないエリアのケースにおいては、たとえば、ケーブルウェイ駆動部5の速度における低減が単に行われることが可能である。
【0029】
今までは、安全バリア2が起動された場合には、たとえば、あまりにも遅れてケーブル・カーFに乗り込むことを望んだ乗客によって出口エリアにおいて安全バリア2が起動されたことに起因して、ケーブルウェイSの緊急停止が一般的に作動されていた。しかしながら、物体、たとえば、客室のドアに挟まれた物体によって作動が行われる可能性もある。担当の操作要員Bは、問題の安全バリア2のエリアを以前は自ら視覚的にチェックし、安全バリア2を作動させる要因を特定していた。正常な運行状態が存在しているか、または復旧されていると彼らが判定した場合には、安全バリア2は、手作業によって手動で閉じられた。ケーブルウェイ駆動部5は次いで、通常はケーブルウェイ・ステーション1の操作室9から、担当の操作要員Bのうちの同じ人または別の人によって、やはり手作業によって手動でアクティブ化された。特に、操作室9と安全バリア2との間における距離が長いケースにおいて、たとえば、操作要員Bのうちの1人のみによって操作および監視が実行される場合には、これは、ケーブルウェイSの運行が再開されることが可能になるまでの比較的長い待ち時間につながる可能性がある。
【0030】
そのため、本発明の範囲内で、遠隔操作可能な起動ユニット6が、少なくとも1つの安全バリア2に割り振られ、それに伴って安全バリア2は、手動の介入なしに、適切な遠隔制御ユニット7を用いて開位置の状態から再び閉位置の状態へと動かされることが可能である。
図1による例においては、3つの示されている安全バリア2のそれぞれが、遠隔操作可能な起動ユニット6を割り振られている。このコンテキストにおける「遠隔操作」または「離れた場所から」は、とりわけ、操作要員の人物が安全バリア2において現場に配置される必要なしに、安全バリア2を開位置から再び閉位置へとリセットするために、起動ユニット6を用いて安全バリア2に影響を与える行動を取ることが可能であるということを意味する。本発明のコンテキストにおいては、安全バリア2の閉位置は一般に、ケーブルウェイSの制限されない正常運行が可能である正常な状態にある安全バリア2の位置を意味する。本発明のコンテキストにおいては、開位置は一般に、ケーブルウェイSの制限された運行が引き起こされる、閉位置から逸脱している安全バリア2の任意の所与の位置を意味すると理解される。閉位置および開位置は、少なくとも1つのセンサ3を用いて検知される。
【0031】
固定型遠隔制御ユニット7aは、たとえば、遠隔制御ユニット7として提供されることが可能であり、この遠隔制御ユニット7は、たとえば、ケーブルウェイ・ステーション1の操作室9内に、またはケーブルウェイから空間的に隔てられている制御センターにおいて配置され、操作室9または制御センターにおける人物によって操作される。中央操作室17は、たとえば、制御センターとして提供されることが可能であり、この制御センターは、
図3において詳細に説明されるように、互いから空間的に隔てられているいくつかのケーブルウェイを制御するために提供される。固定型遠隔制御ユニット7aは、たとえば、制御コンソール14において統合されることが可能である。しかしながら、
図1において左上に示されているように、モバイル遠隔制御ユニット7bが提供されることも可能であり、このモバイル遠隔制御ユニット7bを用いて、起動ユニット6が、操作室9から独立して、その場で制御されることが可能である。たとえば、スマートフォンなど、適切なモバイル電話、またはタブレット・コンピュータなど、適切なポータブル・コンピュータが考えられ得る。
【0032】
起動ユニット6は、たとえば、電気駆動部など、適切な駆動ユニットを有することが可能であり、その駆動ユニットを介して安全バリア2がリセットされる。もちろん、油圧駆動部、空気圧駆動部、または電磁駆動部など、その他の駆動部も可能である。起動ユニット6の制御は、制御信号が遠隔制御ユニット7から起動ユニット6へ直接送信されることによって、直接行われることが可能である。この信号送信は、ワイヤレスであること、たとえば無線を介すること、または従来の有線であること、たとえば電線を介することが可能である。しかしながら、制御は、制御信号が遠隔制御ユニット7から制御ユニット4へ送信されること、そして制御ユニット4が起動ユニット6を制御することによって、制御ユニット4を介して間接的に中央で行われることも可能である。
【0033】
安全バリア2が遠隔制御ユニット7を介して閉位置へと再び動かされた後には、その閉位置がセンサ3によって検知され、対応するセンサ信号Yが制御ユニット4へ送信される。結果として、運行可能状態が復旧され、その状態においては、たとえば、操作要員Bによる手動制御を用いて、ケーブルウェイ駆動部5が再始動されることが可能であるか、または速度が再び増大されることが可能である。しかしながら、好ましくは、制御ユニット4は、安全バリア2が開かれている場合に駆動部が停止されたのか、または速度が低減されただけなのかに応じて、閉位置に対応するセンサ信号Yが受信された場合にケーブルウェイ駆動部5を自動的に始動するか、またはケーブルウェイ駆動部5の速度を増大する。安全バリア2が閉位置へと再び動かされた場合、すなわち、安全バリア2が正常状態と再びみなされた場合にのみ、ケーブルウェイ駆動部5の始動または速度における増大が可能であるということが重要である。開位置においては、これは、安全上の理由のために可能ではない。有利には、起動ユニット6は、関連する安全バリア2のエリアにいかなるリスクももはやないということを操作要員Bが確かめると初めて安全バリア2を閉じるように起動される。
【0034】
アクティブ化された安全バリア2のエリアが見えないか、または不十分にしか見えない場合には、安全バリア2がカメラ10によって監視されることが有利であり得る。安全バリア2は、カメラ10の取り込み範囲に配置され、取り込まれた画像は、好ましくはビデオの形態で、たとえば適切なディスプレイ・ユニットへ、たとえば操作室9におけるモニタへ、または(たとえば
固定型もしくはモバイル)遠隔制御ユニット7へ送信される。操作要員Bは次いで、操作室9から直接、または遠隔制御ユニット7を用いて状況を監視することが可能であり、遠隔制御ユニット7を用いて安全バリア2を閉位置へと動かして、それに従ってケーブルウェイSの運行を復旧すること、とりわけケーブルウェイ駆動部5をアクティブ化することが可能である。結果として、同じレベルの安全性を保持しながら、ケーブルウェイSの有利な部分的に自動化された運行が達成されることが可能であり、ケーブルウェイSが再始動される前の待ち時間が短縮されることが可能である。
【0035】
アラーム・ユニット8も、好ましくは、ケーブルウェイ・ステーション1において提供され、このアラーム・ユニット8は、開位置に対応するセンサ信号Yが受信された場合に、好ましくは視覚的または音響アラーム信号を作動する。このケースにおいても、アラーム・ユニット8へのセンサ信号Yの直接の、ワイヤレスの、または有線の送信が行われることが可能であるか、またはアラーム・ユニット8は、センサ信号Yを受信する制御ユニット4を介して間接的にアクティブ化されることが可能である。たとえば、安全バリア2の作動を知らせるためのアラーム・ユニット8として一種のサイレンが提供されることも可能である。たとえば、追加として、または代替として、信号灯、たとえば標識灯が提供されることも可能である。好ましくは、安全バリア2ごとに1つの信号灯が配置されることが可能であり、それによって、特定のアクティブ化された安全バリア2の検知が容易にされる。しかしながら、アラーム・ユニット8は、ケーブルウェイ・ステーション1の外部に、たとえば中央操作室17(
図3)に配置されることも可能である。
【0036】
少なくとも1つのカメラ10と、評価ユニット11とを有するカメラ・システムKがセンサ3として使用されるならば、特に有利である。カメラ10は、少なくとも1つの安全バリア2が少なくとも1つのカメラ10の取り込み範囲Aに配置されるような方法で配置される。それが可能である場合には、その空間配置を前提として、
図1において破線を用いて示されているように、いくつかの安全バリア2がカメラ10の取り込み範囲Aに配置されることも、もちろん可能である。評価ユニット11は、安全バリア2の開放状態を検知する目的で、およびその開放状態に対応するセンサ信号Yを制御ユニット4へ送信する目的で、少なくとも1つのカメラ10によって取り込まれた画像を評価するために提供されている。
【0037】
この目的のために、画像認識は、知られている様式で、たとえば、それぞれの安全バリア2の開放状態を検知するように設計されているハードウェアおよび/またはソフトウェアの形態で評価ユニット11において実施される。そのようなカメラ・システムKの使用は、従来技術において、たとえば「マシン・ビジョン」という用語によって知られている。評価ユニット11は、たとえば、示されているようにカメラ10とともに1つのユニットを形成することが可能であるが、たとえば、制御ユニット4へと統合されることも、または別個のユニットとして設計されることも可能である。カメラ・システムKを使用することによって、たとえば、安全バリア2の付近にある従来のセンサが省略されることが可能である。安全性を高めるために、カメラ・システムKおよびセンサ3は、冗長性の理由のために並列に使用されることも可能である。
【0038】
本発明のさらに有利な実施形態が、以降で
図2を参照しながら、より詳細に説明されている。
図2は、3つのケーブルウェイS1~S3のための単一のケーブルウェイ・ステーション1を示している。このような構成は、たとえば、いくつかの異なる方向に乗客を輸送することができる共通の乗り込み地点を作るためには有利であり得る。このケースにおいては、乗客は、どのケーブルウェイS1~S3に乗るかをケーブルウェイ・ステーション1において決定し、対応するケーブル・カーFに乗り込むことが可能である。3つの構造的に別々のケーブルウェイ・ステーション1の代わりに共通のものを使用することによって、よりコスト効率のよい省スペースの設計が実現されることが可能である。加えて、中央でケーブルウェイS1~S3を制御および監視することが可能であり、それによって、よりシンプルで、よりコスト効率のよい運行が達成されることが可能である。
【0039】
過去においては、ケーブルウェイSiを制御し、運行を監視するためには、ケーブルウェイ・ステーション1ごとにケーブルウェイ要員Bのうちの少なくとも1人が必要とされていたところ、これは今や、示されている実施形態においては、より少ない数の人員を用いて可能である。そのため、示されている例においては、1つの操作室9のみが提供されており、その操作室9から中央制御ユニット4を介して3つのケーブルウェイS1~S3が制御されることが可能である。それぞれのケーブルウェイS1~S3は、それぞれの滑車輪13を駆動するための、およびケーブルウェイ・ステーション1内で牽引ケーブルから切り離されているケーブル・カーFを駆動するための別々のケーブルウェイ駆動部5を割り振られている。ケーブルウェイ駆動部5は、中央制御ユニット4によって制御され、その結果として、たとえば、3つのケーブルウェイS1~S3のケーブル・カーF同士の動きが、互いに同期または調整されることが可能である。別々のケーブルウェイ駆動部5に起因して、すべてのケーブルウェイS1~S3が常に運行していなければならないとは限らない可能性があり、むしろ、たとえば、3つのケーブルウェイS1~S3のうちの1つまたは2つのみが運行していてもよい。もちろん、すべてのケーブルウェイS1~S3のための共有されるケーブルウェイ駆動部5が提供されることも可能である。
【0040】
本発明によれば、遠隔制御ユニット7を用いて制御されることが可能である起動ユニット6を有する1つの開放可能な安全バリア2が、ケーブルウェイS1~S3の出口エリアのそれぞれに割り振られている。もちろん、遠隔操作可能な起動ユニット6を有する1つだけの安全バリア2を提供することも可能である。安全バリア2は、たとえば、前に説明されているように、ケーブル・カーFの客室のためのガイド輪郭として提供されることが可能である。遠隔制御ユニット7は、このケースにおいては、操作室9内の固定型遠隔制御ユニット7aの形態で配置されており、とりわけ制御コンソール14へと統合されている。制御コンソール14は、ケーブルウェイ駆動部5を制御するための中央制御ユニット4に接続されている。それぞれの安全バリア2は、センサ3として機能するカメラ・システムKのカメラ10を割り振られている。安全バリア2のうちのそれぞれは、関連付けられているカメラ10の取り込み範囲Aに配置されている。
【0041】
このケースにおいては、カメラ・システムKの評価ユニット11は、制御ユニット4へと統合されている。
図1を参照しながら既に記述されているように、安全バリア2の開放状態は、画像認識を用いてカメラ・システムKを介して監視され、安全バリア2の開位置が検知された場合に、対応するセンサ信号Yが中央制御ユニット4へ送信される。特定の実施形態に応じて、制御ユニット4は、センサ信号Yに応じてすべてのケーブルウェイS1~S3のケーブルウェイ駆動部5を停止するか、またはその速度を低減する。別々のケーブルウェイ駆動部5のケースにおいては、安全バリア2が起動された特定のケーブルウェイSiのみを停止すること、またはその速度を低減することも、もちろん可能である。
【0042】
次いで、安全バリア2の作動を知らせるために、ケーブルウェイ・ステーション1の内部および/または外部に1つまたは複数のアラーム・ユニット(図示せず)が提供されることが好ましい。乗客にとっても知覚可能であるライトまたはサイレンの形態のケーブルウェイ・ステーション1における一般的なアラーム信号に加えて、それぞれのケースにおいて起動される安全バリア2は、操作室9において適切な様式で、たとえば、モニタ上に示されることも可能である。結果として、起動された安全バリア2がより迅速に識別されることが可能であるので、より迅速な反応が行われることが可能である。
【0043】
すべての安全バリア2が操作室9から見えるわけではない場合には、カメラ・システムKが、センサ3としてのその機能に加えて、少なくとも作動された安全バリア2の領域における状況を、好ましくはビデオ送信として、操作室9における操作要員Bに示すためにも使用されるならば、有利である。結果として、倒れている人、または挟まれた物体など、潜在的な危険な状況が是正されたかどうかが、操作室9から判定されることが可能であり、関連する安全バリア2は、操作室9から直接、遠隔制御ユニット7bを用いて閉位置へと再び動かされることが可能である。カメラ・システムKは、安全バリア2を引き続き監視し、閉位置に達した場合に、対応するセンサ信号Yを制御ユニット4へ送信する。結果として、正常な運行状態が復旧され、その状態においては、たとえば、それぞれのケーブルウェイSiのケーブルウェイ駆動部5が再始動されることが可能であるか、または速度が再び増大されることが可能であり、これは、たとえば、操作室9から操作要員Bによって能動的に行われることが可能である。有利な実施形態においては、制御ユニット4は、センサ信号Yが受信された場合には、取得されたセンサ信号Yに応じてケーブルウェイ駆動部5を自律的に制御して、所与のケーブルウェイSiもしくはケーブルウェイS1~S3のうちのすべての運行を自動的に復旧するか、または再びその速度を増大する。
【0044】
作動された安全バリア2の領域に危険の可能性が依然として存在している場合には、操作要員Bは、安全バリア2の領域における状況を自ら評価し、運行上安全な状態を復旧することが可能である。このケースにおいては、ケーブルウェイSiまたはすべてのケーブルウェイS1~S3をできる限り迅速に運行へと戻すために、
図2においては示されていない(たとえば、
図1を参照されたい)モバイル遠隔制御ユニット7bを介して安全バリア2が閉じられることが可能であるならば、有利であり得る。このことから、従来のケーブルウェイに比較したケーブルウェイの運行の効率が、本発明によって高められることが可能であり、同時に高い運行上の安全性が達成されることが可能であるということがわかる。さらなる有利な実施形態によれば、以降で
図3を参照しながら説明されているように、互いから離れて配置されているケーブルウェイ・ステーション1同士における安全バリア2のうちのいくつかを起動するために遠隔操作性が利用されることも可能である。
【0045】
図3においては、スキー場の一部分が、高度に簡略化された様式で示されている。道路15が、このスキー場の谷間を通っている。このスキー場においては、3本のケーブルウェイS1~S3が提供されており、それぞれが、ふもと側ステーションとして設計されているターミナル・ステーションの形態の第1のケーブルウェイ・ステーション1aを有しており、また、頂き側ステーションとして設計されているターミナル・ステーションの形態の第2のケーブルウェイ・ステーション1bを有している。もちろん、中央ステーションの形態のさらなるケーブルウェイ・ステーション1が、間に提供されることも可能である。ケーブルウェイS1~S3は、巡回するケーブルウェイとして具体化されており、それぞれが、複数のケーブル・カーFを有し、それらのケーブル・カーFは、知られている様式で牽引ケーブル12を用いてケーブルウェイ・ステーション1a、1bの間を移動されて、ふもと側ステーションから頂き側ステーションへ(およびその逆へ)人および/または物体を輸送することが可能である。牽引ケーブル12を導くために、いくつかのケーブルウェイ支柱16が、知られている様式でケーブルウェイ・ステーション1a、1bの間に配置されている。もちろん、図解は大幅に簡略化されており、本発明を理解するために不可欠である特徴のみを示している。
【0046】
それぞれのケーブルウェイS1~S3の少なくとも1つのケーブルウェイ・ステーション1a、1bにおいては、破線によって示されている滑車輪13を用いて牽引ケーブル12を駆動するために、それぞれのケースにおいてケーブルウェイ駆動部5(図示せず)も提供されている。そしてケーブルウェイ駆動部5のうちのそれぞれは、既に詳細に記述されているように、制御ユニット4(図示せず)によって制御される。よりシンプルな設置のために、ケーブルウェイ駆動部5は一般に、ふもと側ステーション1aにおいて提供される。ケーブルウェイS1~S3の構造および機能は、
図1および
図2を参照しながら既に記述されており、そういう理由で、これは、この時点ではもはや詳細に論じられない。
【0047】
示されている例においては、1つまたは複数の安全バリア2(図示せず)が、3つのケーブルウェイS1~S3のケーブルウェイ・ステーション1a、1bにおいて提供されており、その運行のモードは、
図1および
図2を参照しながら既に記述されている。本発明によれば、安全バリア2はそれぞれ、起動ユニット6を有し、この起動ユニット6は、1つ(または複数)の遠隔制御ユニット7を用いて起動されて、安全バリア2を作動後に開位置(この位置においては、ケーブルウェイ駆動部5が中断されるか、または少なくとも速度が低減される)から閉位置(この位置においては、ケーブルウェイ駆動部5が再びアクティブ化されることが可能であるか、または速度が再び増大されることが可能である)へとリセットすることを可能にすることができる。しかしながら、もちろん、ケーブルウェイ・ステーションSiの1つだけの安全バリア2が、遠隔操作可能な起動ユニット6を割り振られていれば、本発明にとっては、やはり十分であろう。遠隔制御ユニット7を用いた安全バリア2の遠隔制御されるリセット、およびその後のそれぞれのケーブルウェイSiのケーブルウェイ駆動部5の再始動は、たとえば、別々のステップにおいて行われることが可能である。しかしながら、有利な実施形態においては、安全バリア2の閉位置が、関連付けられているセンサ3によって検知され、対応するセンサ信号Yが、関連付けられている制御ユニット4によって受信されるならば、制御ユニット4によって自動的にリセットが行われることも可能である。
【0048】
示されている例においては、ケーブルウェイ・ステーション1a、1bのそれぞれの中におそらくは提供されている操作室9(
図1および
図2を参照されたい)に対する代替または追加として、中央操作室17が提供されている。このケースにおける中央操作室17は、ケーブルウェイS1~S3のケーブルウェイ・ステーション1a、1bから空間的に隔てられており、たとえば、スキー場内の別個の建物にある。しかしながら、ケーブルウェイ・ステーション1a、1bの操作室9のうちの1つ、またはスキー場の完全に外部に配置されている中央操作室17が、中央操作室17として提供されることも可能である。中央操作室17においては、固定型遠隔制御ユニット7aが提供されており、その固定型遠隔制御ユニット7aを用いて、ケーブルウェイS1~S3のすべてのケーブルウェイ・ステーション1a、1bの安全バリア2の起動ユニット6が遠隔制御されて、安全バリア2を開位置から閉位置へと動かすことが可能である。
【0049】
好ましくは、閉位置に達した後に、中央操作室17から、たとえば、制御ユニット4を制御することが可能である中央操作室17における中央制御コンソール(図示せず)を提供することによって、ケーブルウェイ駆動部5が再びアクティブ化されることも可能であり、または速度が再び増大されることが可能である。しかしながら、好ましい実施形態によれば、安全バリア2の閉位置がそれぞれのセンサ3によって検知され、対応するセンサ信号Yが制御ユニット4へ送信されると、それぞれのケーブルウェイ駆動部5の再始動が自動的に実行される。中央操作室17を使用することによって、ケーブルウェイS1~S3は、有利なことに中央で制御されることが可能であり、ケーブルウェイS1~S3の少なくとも部分的に自動化された運行が達成されることが可能であり、それによって操作要員Bは、安全バリア2を閉じるためにケーブルウェイ・ステーション1a、1bにおいて直接現場に存在している必要はない。
【0050】
中央操作室17内の示されている固定型遠隔制御ユニット7aに対する代替として、または追加として、安全バリア2がモバイル遠隔制御ユニット7bによっても操作されることも考えられるであろう。結果として、安全バリア2の閉鎖、および好ましくはそれぞれのケーブルウェイ駆動部5の再始動は、たとえば、
図3において示されているような、ケーブルウェイ・ステーション1a、1bの、および中央操作室17の場所とは無関係に実行されることが可能である。それぞれのケーブルウェイS1~S3の制御ユニット4との間でのモバイル遠隔制御ユニット7bの通信は、好ましくはワイヤレスに、たとえば、適切な無線接続を介して行われる。適切なモバイル電話、とりわけスマートフォン、および/またはポータブル・コンピュータ、とりわけタブレット・コンピュータが、たとえば、モバイル遠隔制御ユニット7bとして提供されることが可能である。
【0051】
ケーブルウェイ・ステーション1a、1bにおける操作要員Bの存在を伴わずとも安全バリア2のエリアを視覚的に監視することが可能であるためには、カメラ10(
図1を参照されたい)を用いて安全バリア2のエリアが監視されるならば有利であり、取り込まれた画像またはビデオは、好ましくはリアルタイム送信を用いて、ディスプレイ・ユニット上に表示される。ディスプレイ・ユニットは、たとえば、中央操作室17内に提供されること、たとえば、モニタの形態で中央制御コンソールへと統合されることが可能である。しかしながら、適切なモバイル遠隔制御ユニット7bが、ディスプレイ・ユニットとしての役割を果たすことも可能である。結果として、必要な場合には、たとえば、安全バリア2がケーブルウェイ・ステーション1a、1bのうちの1つにおいて作動され、ケーブルウェイ駆動部5が停止された場合には、作動された安全バリア2のエリアにおける状況が、中央操作室17におけるディスプレイ・ユニットを介して(またはモバイル遠隔制御ユニット7bを介して)チェックされることが可能である。
【0052】
カメラ10の送信された画像またはビデオのおかげで、依然として潜在的な危険があるかどうかが容易に判定されることが可能である。必要な場合には、たとえば、安全バリア2が作動された場合に乗客が負傷した場合には、操作要員Bおよび/または緊急時対応要員が現場に送られることが可能である。送信された画像またはビデオに基づいて、もはやいかなる危険もないと判定された場合には、安全バリア2は、それぞれの固定型および/またはモバイル遠隔制御ユニット7a、7bを用いて閉位置へと再び動かされることが可能であり、ケーブルウェイ駆動部5は、好ましくは自動的に再始動されることが可能である。
【0053】
安全バリア2の領域に配置されている機械式接触スイッチ、誘導センサ、静電容量センサ、光バリア、レーザ・センサ、磁気センサ、超音波センサなどが、安全バリア2の開放状態を検知するためのセンサ3として提供されている場合には、別個のカメラ10が、安全バリア2の視覚的な監視のために必要とされる。少なくとも1つのカメラ10を有する、かつ評価ユニット11を有するカメラ・システムKがセンサ3として提供されている場合には、カメラ・システムKのカメラ10は、有利には、取り込まれた画像および/またはビデオをディスプレイ・ユニットへ送信するために使用されることも可能である。そのため、本発明を用いれば、操作要員Bがそれぞれのケーブルウェイ・ステーション1a、1bにおいて永続的に存在していることは、もはや必要ではない。ただし、たとえば、ケーブルウェイS1~S3の運行中断に対処する必要がある場合だけは除く。これは、遠隔操作を介して対処されることが可能ではない。
【0054】
好ましくは、安全バリア2が起動された場合にアラームを作動するために、ケーブルウェイ・ステーション1a、1bの内部および/または外部に1つまたは複数のアラーム・ユニット8が提供されることも可能である。たとえば、アラーム・ユニット8は、安全バリア2の作動を知らせるためにケーブルウェイ・ステーション1a、1b内に提供されることが可能である。しかしながら、アラーム・ユニット8はまた、有利には、安全バリア2が作動された旨の、そしてまた好ましくは、安全バリア2のうちのどれが作動されたかのアラーム信号を用いて操作要員Bに知らせるために中央操作室17において提供される。