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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】ヒンジキャップ及び金型構造
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20240515BHJP
   B29C 45/37 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
B65D47/08 100
B29C45/37
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020096136
(22)【出願日】2020-06-02
(65)【公開番号】P2021187529
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000220206
【氏名又は名称】東京ライト工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 元
(72)【発明者】
【氏名】植平 庄治
(72)【発明者】
【氏名】市川 悟
【審査官】森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-202894(JP,A)
【文献】実開平05-081048(JP,U)
【文献】特開2015-042567(JP,A)
【文献】特開2017-128338(JP,A)
【文献】特開2001-354254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/08
B29C 45/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器口部に装着するための内筒部、
前記内筒部の外側に形成された外筒部、
前記外筒部の上部に設けられるとともに前記内筒部が形成された天井部、及び、
前記天井部に設けられ、前記内容物を吐出する吐出部、
を有する本体部と、
下部が前記本体部の前記外筒部の前記上部に当接しているときに前記本体部に対して閉じた状態となり、前記下部が前記本体部の前記外筒部の前記上部から離れているときに前記本体部に対して開いた状態となる筒状部、及び、前記吐出部を覆う栓部を含む頂部を有する筒状の蓋部と、
前記本体部の前記外筒部と前記蓋部の前記筒状部とを一体に連結し、前記蓋部が開閉自在に回動する支点となるヒンジ部と
を備え、
前記本体部の前記外筒部の外周面には、前記ヒンジ部を挟むように、前記外筒部の周方向に交差し、前記外筒部の前記上部側から前記上部とは前記本体部の軸方向に沿って反対側の下部側に向かって広がるテーパ状の1対の第1の段差部が前記ヒンジ部の近傍に設けられ、
前記1対の第1の段差部の前記本体部の前記外筒部の中心軸に向かう高さは、前記外筒部の前記上部側から前記外筒部の前記下部側に向かうにつれて大きくなり、
前記蓋部の前記筒状部の外周面には、前記ヒンジ部を挟むように、前記筒状部の周方向に交差し、前記筒状部の外周面の前記下部側から前記下部とは反対側の前記筒状部の上部側に向かって広がるテーパ状の第2の段差部が前記ヒンジ部の近傍に設けられ、
前記1対の第2の段差部の前記蓋部の前記筒状部の中心軸に向かう高さは、前記筒状部の前記下部側から前記筒状部の前記上部側に向かうにつれて大きくなる、ヒンジキャップ。
【請求項2】
前記1対の第1の段差部は、前記ヒンジ部から前記本体部の前記外筒部の前記中心軸を見たとき、前記外筒部の前記中心軸に対してそれぞれ3°以上傾斜し、
前記1対の第2の段差部は、前記ヒンジ部から前記蓋部の前記筒状部の前記中心軸を見たとき、前記筒状部の前記中心軸に対してそれぞれ3°以上傾斜する、請求項1に記載のヒンジキャップ。
【請求項3】
前記本体部の前記外筒部の外周面は、
前記ヒンジ部側に、前記外筒部の前記上部側から前記下部側に向かうにつれて前記外筒部の前記中心軸に近づく0°よりも大きい勾配の第1の領域と、
前記第1の段差部を境にして、前記ヒンジ部から離れた側に、前記上部側から前記下部側に向かうにつれて前記中心軸から遠ざかる0°よりも大きい勾配の第2の領域と
を有し、
前記第1の領域は、前記外筒部の前記上部側から前記下部側に向かうにつれて薄肉である、請求項1又は請求項2に記載のヒンジキャップ。
【請求項4】
前記第1の段差部と前記第1の領域との間には、前記第1の段差部と前記第1の領域との間の角度を90°以上する面取部が形成されている、請求項3に記載のヒンジキャップ。
【請求項5】
前記蓋部の前記筒状部の外周面は、
前記ヒンジ部側に、前記筒状部の前記下部側から前記上部側に向かうにつれて前記筒状部の前記中心軸に近づく0°よりも大きい勾配の第3の領域と、
前記第2の段差部を境にして、前記ヒンジ部から離れた側に、前記下部側から前記上部側に向かうにつれて前記中心軸から遠ざかる0°よりも大きい勾配の第4の領域と
を有し、
前記第3の領域は、前記筒状部の前記下部側から前記筒状部の前記上部側に向かうにつれて薄肉である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のヒンジキャップ
【請求項6】
前記第2の段差部と前記第3の領域との間には、前記第2の段差部と前記第3の領域との間の角度を90°以上する面取部が形成されている、請求項5に記載のヒンジキャップ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のヒンジキャップを製造するための金型構造であって、
前記本体部の前記外筒部の前記第1の段差部を境にして、前記本体部の前記外筒部の周方向に沿って前記ヒンジ部とは反対側を成型するとともに、前記蓋部の前記筒状部の前記第2の段差部を境にして、前記蓋部の前記筒状部の周方向に沿って前記ヒンジ部とは反対側を成型する第1の金型部と、
前記本体部の前記外筒部の前記第1の段差部を境にして、前記本体部の前記外筒部の周方向の前記ヒンジ部側を成型するとともに、前記蓋部の前記筒状部の前記第2の段差部を境にして、前記蓋部の前記筒状部の周方向に沿って前記ヒンジ部側を成型する第2の金型部と
を備え、
前記第1の金型部及び前記第2の金型部は、型締め装置により相対的に接離可能であり、
前記第1の金型部を通して、射出装置により供給される樹脂材で、前記第1の金型部及び前記第2の金型部により形成されるキャビティに前記樹脂材を充填可能で、前記第1の段差部の前記中心軸に向かう高さを前記外筒部の前記上部側から前記外筒部の前記下部側に向かうにつれて大きくし、前記第2の段差部の前記中心軸に向かう高さを前記筒状部の前記下部側から前記筒状部の前記上部側に向かうにつれて大きくするように成型する、金型構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ヒンジキャップ及び金型構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているような、容器に取り付けて用いられる樹脂材製のヒンジキャップは、金型装置の金型構造を用いて一体成型により製造される。
【0003】
一般に、ヒンジキャップのうち、容器に取り付けられる本体部の外筒部の外周面に、外筒部の一端に設けられる天井部から外筒部の他端に向かって周長が大きくなるテーパ部があり、蓋部の筒状部の下部から頂部(上部)に向かって周長が大きくなるテーパ部があるヒンジキャップを製造する場合、ヒンジキャップは、ヒンジキャップの本体部の中心軸に交差する方向にスライドする金型構造を用いて製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭61-255823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ヒンジキャップが本体部の中心軸に交差する方向にスライドする金型構造を用いて製造される場合、ヒンジキャップの製造作業には、金型構造の金型部をヒンジキャップの本体部の中心軸に交差する方向に開くスペースを要する。金型構造を用いてこのようなヒンジキャップを製造する場合であっても、ヒンジキャップの取り数をより多くすることが望まれる。
【0006】
この発明は、製造時の取り数をより多く確保可能なヒンジキャップ、及び、そのヒンジキャップを製造する金型構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係るヒンジキャップは、本体部と、蓋部と、ヒンジ部とを有する。本体部は、内容物が収容される容器口部に装着するための内筒部、前記内筒部の外側に形成された外筒部、前記外筒部の上部に設けられるとともに前記内筒部が形成された天井部、及び、前記天井部に設けられ、前記内容物を吐出する吐出部を有する。蓋部は、下部が前記本体部の前記外筒部の前記上部に当接しているときに前記本体部に対して閉じた状態となり、前記下部が前記本体部の前記外筒部の前記上部から離れているときに前記本体部に対して開いた状態となる筒状部、及び、前記筒状部の上部に一体的で、前記吐出部を覆う栓部を含む頂部を有する。ヒンジ部は、前記本体部の前記外筒部と前記蓋部の前記筒状部とを一体に連結し、前記蓋部が開閉自在に回動する支点となる。前記本体部の前記外筒部の外周面には、前記ヒンジ部を挟むように、前記外筒部の周方向に交差し、前記外筒部の前記上部側から前記上部とは前記本体部の軸方向に沿って反対側の下部側に向かって広がるテーパ状の1対の第1の段差部が前記ヒンジ部の近傍に設けられている。前記1対の第1の段差部の前記本体部の前記外筒部の中心軸に向かう高さは、前記外筒部の前記上部側から前記外筒部の前記下部側に向かうにつれて大きくなる。前記蓋部の前記筒状部の外周面には、前記ヒンジ部を挟むように、前記筒状部の周方向に交差し、前記筒状部の外周面の前記下部側から前記下部とは反対側の前記筒状部の上部側に向かって広がるテーパ状の第2の段差部が前記ヒンジ部の近傍に設けられている。前記1対の第2の段差部の前記蓋部の前記筒状部の中心軸に向かう高さは、前記筒状部の前記下部側から前記筒状部の前記上部側に向かうにつれて大きくなる。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、製造時の取り数をより多く確保可能なヒンジキャップ、及び、そのヒンジキャップを製造する金型構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】容器に取り付けたキャップを示す背面図。
図1B】容器に取り付けたキャップを示す側面図。
図2A図1Bに示す位置のキャップの本体部に対して蓋部を解放した状態を示す概略図。
図2B図2A中の矢印2Bに示す方向から見たキャップの概略図。
図2C図2A中の矢印2Cに示す方向から見たキャップの概略図。
図3A図2C中の符号IIIで示す位置の拡大図。
図3B図3Aに示す部位を含むキャップの本体部を示す斜視図。
図3C図3Aに示す例の変形例であって、図2C中の符号IIIで示す位置の拡大図。
図3D図3Cに示す部位を含むキャップの本体部を示す斜視図。
図4】ヒンジキャップ用の金型構造の型締め時の状態を示す概略図。
図5】ヒンジキャップ用の金型構造の型開き時、かつ、離型時の状態を示す概略図。
図6A】ヒンジキャップ用の金型構造の図3A及び図3Bで示す段差部を形成するときの第2の金型部の図5中の符号VIで示す位置の拡大図。
図6B】ヒンジキャップ用の金型構造の図3C及び図3Dで示す段差部を形成するときの第2の金型部の図5中の符号VIで示す位置の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態について説明する。
【0011】
図1Aから図2Cには一実施形態の樹脂材製のヒンジキャップ(キャップ)10を示す。図1A及び図1Bに示すヒンジキャップ10は、蓋部14を本体部12に嵌合した、ヒンジキャップ10の閉状態を示す。図1Aは、ヒンジキャップ10の背面を示す。図1Bは、ヒンジキャップ10の側面を示す。なお、図1Aは、図1B中の矢印1Aで示す方向から見た図である。図2Aから図2Cに示すヒンジキャップ10は、蓋部14を本体部12に嵌合を解放した、ヒンジキャップ10の開状態を示す。
【0012】
ヒンジキャップ10は、本体部12と、蓋部14と、ヒンジ部16とを有し、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材で形成される。ヒンジキャップ10は、後述する金型構造110を用いる射出成型により一体成型により製造される。ヒンジ部16は、蓋部14が本体部12に対して開閉自在に回動する支点となる。
【0013】
ヒンジキャップ10に対し、例えば図1A及び図1Bに示すようにXYZ直交座標系を設定する。本実施形態に係るヒンジキャップ10は、あるYZ平面で形成される仮想的な面IFに対して対称に形成されている。ヒンジキャップ10の蓋部14は、X軸に平行なヒンジ部16の回動軸(軸部)72を支軸として回動軸72の軸回りに回動して、本体部12に対して開閉自在となる。
【0014】
図1Aから図2Cに示すように、本体部12は、外筒部(スカート部)22と、内筒部24と、インナーリング26と、天井部28と、開口30と、吐出部(吐出筒)32とを有する。外筒部22、天井部28、及び、吐出部32は、本体部12の外殻を形成する。外筒部22は環状の上部(一端)22a及び環状の下部(他端)22bを有する筒状である。外筒部22の上部22aには、天井部28が設けられている。天井部28の中央部には筒状の吐出部32が天井部28からZ軸に沿う方向に突出する。ここでは、開口30及び吐出部32が外筒部22及び天井部28の中心に位置するものとして説明するが、開口30及び吐出部32は、外筒部22及び天井部28の中心からY軸方向にずれていてもよい。
【0015】
内筒部24の外側には外筒部22が形成されている。内筒部24の内側の天井部28にはインナーリング26が垂設され、インナーリング26は容器口部に嵌入する。本実施形態では、図2Cに示すように、ヒンジキャップ10の本体部12を下側(下部22b側)から見たときに、外筒部22及び内筒部24は、同心状に形成されている。
【0016】
本実施形態では、開口30は、外筒部22及び天井部28の略中心部で、インナーリング26の内側に形成されている。吐出部32は、開口30に連通する筒状である。本体部12は、本実施形態では内筒部24において容器8の口部に装着される。インナーリング26の外周面は、例えば容器8の開口壁の内周面に嵌合し、容器8に収容される内容物が漏れないようにしている。
【0017】
本実施形態では、外筒部22の上部22aと天井部28との境界には、蓋部14の後述する筒状部42の環状の下部(他端)42aが着脱可能に嵌められる段差となる嵌合部34が形成されている。嵌合部34の外縁は、蓋部14の筒状部42の下部42aの内周面に沿う。このため、例えば本体部12に対し蓋部14がXY平面に沿って移動するように蓋部14に負荷がかけられたとしても、本体部12に対して蓋部14が移動することが抑制される。
【0018】
蓋部14は、筒状部42と、頂部44と、栓部46と、指かけ部48とを有する。筒状部42、頂部44及び指かけ部48は、蓋部14の外殻を形成する。本実施形態ではZ軸方向に見て、指かけ部48の外周が、本体部12の外筒部22の下部22bの外周からはみ出さないように形成されている。指かけ部48の外周の形状は、キャッピングや物流に対する適正を考慮している。
【0019】
蓋部14は、筒状部42の軸方向に沿って上部42bとは反対側の下部42aが本体部12の外筒部22の上部22aに当接しているときに本体部12に対して閉じた状態となる。蓋部14は、筒状部42の下部42aが本体部12の外筒部22の上部22aから離れているときに本体部12に対して開いた状態となる。
【0020】
筒状部42は、上部42bが頂部44により閉塞され、下部42aが開放された有底筒状に一体的に形成されている。頂部44は、ヒンジキャップ10を閉状態にしたときに本体部12の天井部28及び吐出部32を閉塞する。栓部46は、頂部44から垂下し、本体部12の吐出部32の外周面に嵌合可能である。このため、栓部46は、吐出部32を覆い、容器8に収容された内容物が意図せず吐出部32を通してヒンジキャップ10の外側に出されることを防止する。指かけ部48は、筒状部42と頂部44との間の一部に形成されている。指かけ部48は、ヒンジ部16とY軸方向に沿って反対側の位置(正面側)に設けられている。
【0021】
本体部12の外筒部22の外周面は、金型構造110による製造時の抜き勾配を考慮し、外筒部22のZ軸に沿う中心軸C(本実施形態では吐出部32のZ軸に沿う中心軸C)に対し、僅かに傾斜する傾斜面として形成される第1の傾斜部52と、一部が略平面として形成され、第1の傾斜部52よりも中心軸Cに対する勾配が大きいテーパ部54とを有する。第1の傾斜部52は、後述する第1の領域52cと第2の領域52dとで、中心軸Cに対する傾斜方向が異なる。テーパ部54は、外筒部22の外周面が、下部22b側から上部22a側に向かうにつれて中心軸Cに近づく。第1の傾斜部52及びテーパ部54はZ軸の軸回りに連続し、本体部12の外筒部22の環状の外周面を形成する。本体部12の外筒部22のテーパ部54は、ヒンジ部16から周方向に遠い位置、例えば、ヒンジ部16に対して、Y軸方向に沿って吐出部32を挟んで反対側の位置(正面側)に形成されている。このため、ヒンジ部16がヒンジキャップ10の背面側に形成されているとしたとき、テーパ部54は、ヒンジキャップ10の正面側に形成されている。テーパ部54の面積は、第1の傾斜部52の面積に比べて小さい。このため、第1の傾斜部52は、本体部12の外筒部22の外周面の大半を形成する。本実施形態では、第1の傾斜部52は、XY平面上で円環の一部となる。本実施形態では、Z軸回りの方向を外筒部22の周方向とする。
【0022】
なお、本体部12の外筒部22の第1の傾斜部52は、金型構造110の抜き勾配を考慮し、中心軸Cに対して例えば0.5°に設定されている。
【0023】
蓋部14の筒状部42の外周面は、栓部46のZ軸に沿う中心軸C1に対し、僅かに傾斜する傾斜面として形成される第2の傾斜部62と、一部が略平面として形成され、第2の傾斜部62よりも中心軸C1に対する勾配が大きいテーパ部64とを有する。第2の傾斜部62は、後述する第1の領域62cと第2の領域62dとで、中心軸C1に対する傾斜方向が異なる。テーパ部64は、筒状部42の外周面が、下部42a側から上部42b側に向かうにつれて中心軸C1に近づく。第2の傾斜部62とテーパ部64とは、蓋部14の筒状部42の外周面の周方向に連続する。蓋部14の筒状部42のテーパ部64は、ヒンジ部16から周方向に遠い位置、例えば、ヒンジ部16に対して栓部46を挟んで反対側の位置(正面側)に形成されている。ヒンジ部16がヒンジキャップ10の背面側に形成されているとしたとき、テーパ部64は、ヒンジキャップ10の正面側に形成されている。テーパ部64の面積は、第2の傾斜部62の面積に比べて小さい。このため、第2の傾斜部62は、蓋部14の筒状部42の外周面の大半を形成する。本実施形態では、第2の傾斜部62は、XY平面上で円環の一部となる。
【0024】
なお、蓋部14の筒状部42の第2の傾斜部62は、金型構造110の抜き勾配を考慮し、中心軸Cに対して例えば0.5°に設定されている。
【0025】
本体部12の外筒部22のテーパ部54は、本体部12の外筒部22の上部22a又は天井部28から下部22b側に向かうにつれてXY平面に平行な外周長が長くなる、テーパ状に形成されている。蓋部14の筒状部42のテーパ部64は、蓋部14の頂部44に向かうにつれてXY平面に平行な位置での外周長が長くなる、テーパ状に形成されている。図1Bに示すように、本体部12のテーパ部54と、蓋部14のテーパ部64とは、本体部12に対して蓋部14を閉じた状態で、中心軸C(Z軸)に対する傾斜の向きが異なる。本体部12に対して蓋部14が閉じた状態で、ヒンジキャップ10を図1Bに示すように側方から見たとき、本体部12のテーパ部54と蓋部14のテーパ部64との境界が容易に認識される。
【0026】
本体部12の外筒部22の天井部28側の上部22aの環状の外周部と、蓋部14の筒状部42の頂部44とは反対側の下部42aの環状の外周部とは、略同一の大きさで略同一形状に形成されている。このため、本体部12に対して蓋部14を閉じたとき、本体部12の外筒部22の天井部28側の上部22aの環状の外周部と、蓋部14の筒状部42の頂部44とは反対側の下部42aの環状の外周部との間の段差が殆どない。
【0027】
ヒンジ部16は、本体部12及び蓋部14と一体的に形成されている。本体部12に対して蓋部14は、ヒンジ部16での回動により一体化された状態で開閉可能である。
【0028】
ヒンジ部16は、回動軸(軸部)72と、それぞれ羽状の1対のフラップ74,76とを有する。
【0029】
回動軸72は、X軸方向に水平に延びている。回動軸72は、ヒンジキャップ10が閉状態において、本体部12の外筒部22及び蓋部14の筒状部42に対して外側に突出するとともに、本体部12の外筒部22及び蓋部14の筒状部42を連結する。そして、蓋部14は、回動軸72により本体部12に対して回動可能であり、本体部12に対して開閉可能である。
【0030】
1対のフラップ74,76は、それぞれ略扇形状又は略三角形状の薄板として形成されている。フラップ74は本体部12に連結されているとともに蓋部14に連結されている。フラップ76は本体部12に連結されているとともに蓋部14に連結されている。これら1対のフラップ74,76は、可撓性を有し、本体部12に対して蓋部14が開閉する際に弾性変形して、蓋部14の開閉状態を維持しようとする応力が働くように形成されている。
【0031】
本体部12に蓋部14を嵌合させるには、蓋部14を本体部12に被せるように押し付ければ、吐出部32の外周に栓部46の内周面が嵌合し、本体部12と蓋部14の間が密封する。
【0032】
図1A図1B図2C図3A及び図3Bに示すように、第1の傾斜部52は、外筒部22のZ軸の軸回りとなる周方向に交差し、ヒンジ部16を間に配置する1対の段差部52a,52bを有する。段差部52a,52bは、本体部12の外筒部22の外周面のヒンジ部16を挟むようにヒンジ部16に対してZ軸周りの周方向に離れた両側に設けられている。段差部52a,52bは、本体部12の中心軸Cの軸方向に沿って外筒部22の外周面の上部22a側から下部(他端)22b側に向かうにつれて、周方向に離されるテーパ状に形成されている。このため、段差部52a,52bは、本体部12の中心軸Cの軸方向に沿って外筒部22の外周面の上部22a側から下部22b側に向かうにつれて、X軸方向(幅方向)に離間する。
【0033】
本体部12の外筒部22の外周面の第1の傾斜部52は、1対の段差部52a,52bを境界として2つの領域に分けることができる。2つの領域は、ヒンジ部16を間に挟むヒンジ部16側の第1の領域52cと、ヒンジ部16から離れた側の第2の領域52dである。
【0034】
第1の傾斜部52の段差部52a,52b間のX軸方向の幅(周方向の幅)は外筒部22の上部22a側から下部22b側に向かうにつれて次第に大きくなる。段差部52a,52bは、ヒンジ部16の近傍に設けられている。このため、第1の傾斜部52の段差部52a,52b間の外周面の周方向に沿う外周間距離は、背面側(ヒンジ部16側)の第1の領域52cを含む経路の方が、正面側(テーパ部54を含む側)の第2の領域52dを含む経路に比べて短く形成される。
【0035】
ヒンジ部16を含む第1の領域52cは、外筒部22の上部22a側から下部22b側に向かうにつれて外筒部22の中心軸Cに近づく0°よりも大きい勾配を有する。勾配は0.5°以上であることが好適である。
【0036】
第1の領域52cは、第2の領域52dに比べて薄肉である。また、第1の領域52cは、外筒部22の上部22a側から下部22b側に向かうにつれて薄肉である。このため、段差部52a,52bの中心軸Cに向かう高さは、外筒部22の上部22a側から下部22b側に向かうにつれて大きくなる。
【0037】
ヒンジ部16とは反対側の第2の領域52dは、ヒンジ部16側から離れた側に、外筒部22の上部22a側から下部22b側に向かうにつれて外筒部22の中心軸Cに対して遠ざかる0°よりも大きい勾配を有する。勾配は0.5°以上であることが好適である。後述する金型構造110において、ヒンジキャップ10を製造する際の抜き勾配を0°よりも大きくすることで、本体部12の外筒部22の外周面に離型傷が入り難く、ヒンジキャップ10の美粧性を損なうことが防止される。
【0038】
上述したように、ヒンジキャップ10は、あるYZ平面で形成される仮想的な面IFに対して対称に形成されている。あるYZ平面には、本体部12の中心軸Cを含む。このため、段差部52a,52bは、外筒部22の上部22a側から上部22aとは反対側の下部22b側に向かって広がるテーパ状(略ハ字状)に形成されている。1対の第1の段差部52a,52bは、ヒンジキャップ10の正面側(ヒンジ部16に対して反対側)にはなく、ヒンジ部16が存在する背面側にある。このため、外筒部22の下部22bにおいて、1対の第1の段差部52a,52bの間の周方向距離は、本体部12の外筒部22の外周の周長の半分よりも短い。
【0039】
第1の段差部52a,52bは、ヒンジ部16側から外筒部22の中心軸Cを見たとき、角度θ1が、その中心軸Cに対して各3°以上傾斜することが好適であり、各5°以上傾斜することがより好適である。第1の段差部52a,52bの勾配を中心軸Cに対して角度θ1を3°以上に傾斜させることで、第1の段差部52a,52bを境にして上下方向に移動する金型構造110の第1の段差部52a,52bを形成する、後述する第1の傾斜部形成部132a、領域形成部162、1対の縁部172のかじりや摩耗を低減することができる。
【0040】
図3A及び図3Bに示すように、一例として、本体部12の外筒部22の下部22bにおいて、1対の段差部52a,52bは、本体部12の外筒部22の下部22bにおける中心軸Cから放射状に延びる状態に形成されている。この場合、1対の段差部52a,52bと領域52cを形成する傾斜部(傾斜面)52e,52fとの間の角度αは、略直角(略90°)である。
【0041】
図3C及び図3Dに示すように、第1の段差部52a,52bと第1の領域52cとの間の傾斜部(傾斜面)52e,52fは、第1の段差部52a,52bをなだらかにする傾斜部(面取部)として形成されていることが好適である。角度αは、90°よりも大きい鈍角であることが好適である。
【0042】
段差部52a,52bと第1の領域52cとの間に傾斜部(面取部)52e,52fを形成することで、ヒンジキャップ10の段差部52a,52bの手触り感を、ユーザが痛いと感じることがないようにすることができる。傾斜部(面取部)52e,52fを形成することで、段差部52a,52bを目立ち難くし、ヒンジキャップ10の外観の美粧性が向上する。
【0043】
図1A及び図1Bに示すように、第2の傾斜部62は、筒状部42のZ軸の軸回りとなる周方向に交差し、ヒンジ部16を間に配置する1対の段差部62a,62bを有する。段差部62a,62bは、蓋部14の筒状部42の外周面のヒンジ部16を挟むようにヒンジ部16に対してZ軸周りの周方向に離れた両側に設けられている。段差部62a,62bは、蓋部14の筒状部42の中心軸C1の軸方向に沿って下部42a側から頂部44(上部42b)側に向かうにつれて、周方向に離されるテーパ状に形成されている。このため、ヒンジキャップ10が閉状態のとき、段差部62a,62bは、蓋部14の中心軸C1の軸方向に沿って筒状部42の外周面の下部42aから頂部44に向かうにつれて、X軸方向(幅方向)に離間する。
【0044】
蓋部14の筒状部42の外周面は、1対の段差部62a,62bを境界として2つの領域に分けることができる。2つの領域は、ヒンジ部16を間に挟むヒンジ部16側の第1の領域(第3の領域)62cと、ヒンジ部16から離れた側の第2の領域(第4の領域)62dである。
【0045】
第2の傾斜部62の段差部62a,62b間のX軸方向の幅(周方向の幅)は筒状部42の下部42a側から上部42b側に向かうにつれて次第に大きくなる。段差部62a,62bは、ヒンジ部16の近傍に設けられている。このため、段差部62a,62b間の外周面に沿う外周間距離は、背面側(ヒンジ部16側)の第1の領域62cを含む経路の方が、正面側(テーパ部64を含む側)の第2の領域62dを含む経路に比べて短く形成される。
【0046】
ヒンジ部16を含む第1の領域62cは、筒状部42の下部42a側から上部42b側に向かうにつれて筒状部42の中心軸C1に近づく0°よりも大きい勾配を有する。勾配は0.5°以上であることが好適である。
【0047】
第1の領域62cは、第2の領域62dに比べて薄肉である。また、第1の領域62cは、筒状部42の下部42a側から上部42b側に向かうにつれて薄肉である。このため、段差部62a,62bの中心軸Cに向かう方向の高さは、筒状部42の下部42a側から上部42b側に向かうにつれて大きくなる。
【0048】
ヒンジ部16とは反対側の第2の領域62dは、ヒンジ部16側から離れた側に、筒状部42の下部42a側から上部42b側に向かうにつれて筒状部42の中心軸C1に対して遠ざかる0°よりも大きい勾配を有する。勾配は0.5°以上であることが好適である。後述する金型構造110において、抜き勾配を0°よりも大きくすることで、蓋部14の筒状部42の外周面に離型傷が入り難く、ヒンジキャップ10の美粧性を損なうことが防止される。
【0049】
上述したように、ヒンジキャップ10は、あるYZ平面で形成される仮想的な面IFに対して対称に形成されている。あるYZ平面には、蓋部14の中心軸C1を含む。このため、段差部62a,62bは、筒状部42の外周面の下部42aから上部42bに向かって広がるテーパ状(略ハ字状)に形成されている。1対の第2の段差部62a,62bは、ヒンジキャップ10の正面側(ヒンジ部16に対して反対側)にはなく、ヒンジ部16が存在する背面側にある。このため、筒状部42の上部42bにおいて、1対の第2の段差部62a,62bの間の周方向距離は、蓋部14の筒状部42の外周面の周長の半分よりも短い。
【0050】
第2の段差部62a,62bは、ヒンジ部16側から筒状部42の中心軸C1を見たとき、角度θ2がその中心軸C1に対して各3°以上傾斜することが好適であり、各5°以上傾斜することがより好適である。第2の段差部62a,62bの勾配を中心軸C1に対して角度θ2を3°以上に傾斜させることで、第2の段差部62a,62bを境にして上下方向に移動する金型構造110の第2の段差部62a,62bを形成する、後述する第2の傾斜部形成部134a、領域形成部164、1対の縁部174のかじりや摩耗を低減することができる。
【0051】
第2の段差部62a,62bと第1の領域62cとの間には、第1の段差部52a,52bと第1の領域52cとの間の傾斜部(面取部)52e,52fと同様に、第2の段差部62a,62bをなだらかにする傾斜部(面取部)62e,62fが形成されていることが好適である。
【0052】
段差部62a,62bと第2の領域62cとの間に傾斜部(面取部)62e,62fを形成することで、ヒンジキャップ10の段差部62a,62bの手触り感を、ユーザが痛いと感じることがないようにする。また、傾斜部(面取部)62e,62fを形成することで、段差部62a,62bを目立ち難くし、ヒンジキャップ10の外観の美粧性が向上する。
【0053】
本体部12の外筒部22の外周面のうち、下部22b又はその近傍には、外筒部22の外周面に沿うエッジ53が形成されている。エッジ53は、ヒンジキャップ10の製造時の金型構造110の当接面(パーティングライン)124,144の線跡として形成される。第1の傾斜部52の段差部52a,52bは、エッジ53に連続する。
【0054】
蓋部14の筒状部42のうち、頂部44に近接した部位には、筒状部42の外周面に沿うエッジ63が形成されている。エッジ63は、ヒンジキャップ10の製造時の金型構造110の当接面(パーティングライン)124,144の線跡として形成される。第2の傾斜部62の段差部62a,62bは、エッジ63に連続する。
【0055】
本体部12の外筒部22の外周面のエッジ53は、外筒部22の外周面であっても、下部22b又はその近傍に形成されているため、ヒンジキャップ10の外観に影響を与えることが抑制される。蓋部14の筒状部42のエッジ63は、筒状部42と頂部44との境界に形成されているため、ヒンジキャップ10の外観に影響を与えることが抑制されている。さらに、段差部52a,52b,62a,62bは、意匠の一部として認識される。したがって、意匠的側面において、ヒンジキャップ10は、良好な外観、すなわち、美粧性を得ることができる。
【0056】
ヒンジ部16は、回動軸72とフラップ74,76とが一体化された例について説明した。回動軸72が本体部12と蓋部14とに連結され、1対のフラップ74,76がそれぞれ回動軸72と別体として本体部12と蓋部14とに連結されていてもよい。
【0057】
ヒンジキャップ10のヒンジ部16は、いわゆる3点ヒンジとして形成されていてもよい。このため、ヒンジ部16の形状は、図1から図2Cに示す例に限定されるものではない。
【0058】
ヒンジキャップ10は、図1A及び図1Bに示すように容器8の口部に取り付けられて使用される。本実施形態のヒンジキャップ10は、例えば本体部12の内筒部24で容器8の口部に嵌合や螺合等により固定される。
【0059】
次に、図4から図6Bを用いてヒンジキャップ10を成型するための金型装置の金型構造110について説明する。金型構造110は、金型装置の例えば公知の型締め装置に配置されるとともに、例えば公知の射出装置に連結されて使用される。
【0060】
図4及び図5に示すように、金型構造110は、第1の金型部112と、第2の金型部114とを有する。金型構造110は、第1の金型部112と、第2の金型部114との当接面(パーティングライン)124,144同士が型締め装置により移動し、当接及び離隔可能である。ここでは、第1の金型部112及び第2の金型部114は、当接面124,144同士が対向した状態で、Z軸に沿って直線的に相対的に移動する。
【0061】
本実施形態に係るヒンジキャップ10は、図2Aから図2C図4及び図5に示すように、本体部12に対して蓋部14が開いた状態で成型される。
【0062】
第1の金型部112は、本実施形態では、一例として樹脂材が供給されるいわゆる固定型(キャビティ型)として用いられる。
【0063】
第1の金型部112の第1のブロック112aは、第1の成型部(キャビティ)122と、第1の成型部122を取り囲む第1の当接面124とを有する。
【0064】
第1の成型部122は、ヒンジキャップ10の本体部12の外形(外観)の一部(ヒンジ部16から離れた正面側の外形)を形成する第1の本体部形成部132と、ヒンジキャップ10の蓋部14の外形の一部(ヒンジ部16から離れた正面側の外形)を形成する第1の蓋部形成部134と、ヒンジ部16の内面16a側を形成する第1のヒンジ部形成部136とを有する。第1のヒンジ部形成部136で形成されるヒンジ部16の内面16a側は、図1A及び図1Bに示すように本体部12に対して蓋部14が閉じたときに中心軸Cの側を向く。
【0065】
第1の本体部形成部132は、第1の傾斜部52の一部である第2の領域52dを形成する第1の傾斜部形成部132aと、第1の傾斜部形成部132aに連続的に形成され、テーパ部54を形成する第1のテーパ部形成部132bとを有する。第1の傾斜部形成部132aは、第2の領域52dが、外筒部22の中心軸Cに対して上部22a側から下部22b側に向かって広がるように、0°よりも大きい勾配を有する状態に形成される。勾配は0.5°以上であることが好適である。
【0066】
第1の蓋部形成部134は、第2の傾斜部62の一部である第2の領域62dを形成する第2の傾斜部形成部134aと、第2の傾斜部形成部134aに連続的に形成され、テーパ部64を形成する第2のテーパ部形成部134bとを有する。第2の傾斜部形成部134aは、第2の領域62dが、筒状部42の中心軸C1に対して下部42aから上部42bに向かって広がるように、0°よりも大きい勾配を有する状態に形成される。勾配は0.5°以上であることが好適である。
【0067】
第2の金型部114は、第2のブロック114aを有する。第2の金型部114は例えば、いわゆる可動型(コア型)として用いられる。第2の金型部114の第2のブロック114aは、第2の成型部142と、第2の成型部142を取り囲む第2の当接面144とを有する。
【0068】
第2の成型部142は、ヒンジキャップ10の本体部12の外形の一部(ヒンジ部16を含む背面側の外形)を形成する第2の本体部形成部152と、ヒンジキャップ10の蓋部14の外形(外観)の一部(ヒンジ部16を含む背面側の外形)を形成する第2の蓋部形成部154と、ヒンジ部16の外面16b側を形成する第2のヒンジ部形成部156とを有する。第2のヒンジ部形成部156で形成されるヒンジ部16の外面16b側は、図1A及び図1Bに示すように本体部12に対して蓋部14が閉じたときに中心軸Cとは反対側を向く。
【0069】
第1の本体部形成部132、第1の蓋部形成部134、第1のヒンジ部形成部136には、抜き勾配がつけられている。第2の本体部形成部152、第2の蓋部形成部154、第2のヒンジ部形成部156には、抜き勾配がつけられている。抜き勾配は第1の金型部112及び第2の金型部114の相対的な移動方向に対して0.5°であることが好適である。
【0070】
第1のヒンジ部形成部136及び第2のヒンジ部形成部156は、協働してヒンジキャップ10のヒンジ部16の回動軸(軸部)72及び1対のフラップ74,76を形成する。
【0071】
第2の金型部114の第2の当接面144は、第1の金型部112の第1の当接面124に対して相対的に接離可能に移動する。第1の金型部112の第1の当接面124が第2の金型部114の第2の当接面144に所定の状態に当接した状態において、第2の本体部形成部152は、第1の本体部形成部132と協働して、ヒンジキャップ10の本体部12の外形となるキャビティ(空間)を形成する。第1の金型部112の第1の当接面124が第2の金型部114の第2の当接面144に当接した状態において、第2の蓋部形成部154は、第1の蓋部形成部134と協働して、ヒンジキャップ10の蓋部14の外形となるキャビティ(空間)を形成する。第1の金型部112の第1の当接面124が第2の金型部114の第2の当接面144に当接した状態において、第2のヒンジ部形成部156は、第1のヒンジ部形成部136と協働してヒンジキャップ10のヒンジ部16の外形となるキャビティ(空間)を形成する。
【0072】
第2のヒンジ部形成部156は、本体部12の外筒部22の外周面の1対の段差部52a,52b間の第1の領域52cを形成する領域形成部162と、蓋部14の筒状部42の外周面の1対の段差部62a,62b間の第1の領域62cを形成する領域形成部164とを有する。
【0073】
領域形成部162は、ヒンジ部16を含む第1の領域52cが、外筒部22の中心軸Cに対して上部22a側から下部22b側に向かうにつれて外筒部22の中心軸Cに近づく0°よりも大きい勾配を有する状態に形成されている。勾配は0.5°以上であることが好適である。
【0074】
領域形成部164は、ヒンジ部16を含む第1の領域62cが、筒状部42の中心軸C1に対して下部42aから上部42bに向かうにつれて筒状部42の中心軸C1に近づく0°よりも大きい勾配を有する状態に形成されている。勾配は0.5°以上であることが好適である。
【0075】
第2のヒンジ部形成部156は、さらに、ヒンジ部16の本体部12の略ハ字状の1対の段差部52a,52b及び蓋部14の略ハ字状の1対の段差部62a,62bを形成する、それぞれ1対の縁部172,174を有する。1対の縁部172は、領域形成部162の周方向に隣接する。1対の縁部174は、領域形成部164の周方向に隣接する。
【0076】
図6Aに示す1対の縁部172を有する第2のヒンジ部形成部156は、図3A及び図3Bに示すように、本体部12の外筒部22の下部22bにおいて、1対の段差部52a,52bと第1の領域52cとの間の傾斜部52e,52fが本体部12の外筒部22の下部22bにおける中心軸Cから放射状に延びる状態に形成する。すなわち、図3A及び図3Bに示すように、1対の段差部52a,52bと領域52cを形成する面との間の角度αが略直角(略90°)であるキャップ10を成型する場合、縁部172は、図6Aに示すものを用いる。
【0077】
図6Bに示す1対の縁部172を有する第2のヒンジ部形成部156は、図3C及び図3Dに示すように、本体部12の外筒部22の下部22bにおいて、1対の段差部52a,52bと第1の領域52cとの間の傾斜部52e,52fが本体部12の外筒部22の下部22bにおける中心軸Cから放射状に延びる状態から傾斜する状態に形成する。すなわち、図3C及び図3Dに示すように、1対の段差部52a,52bと領域52cを形成する面との間の角度αが鈍角であるキャップ10を成型する場合、縁部172は、図6Bに示すものを用いる。このとき、縁部172は、傾斜面172aにより、傾斜部52e,52fを形成する。縁部174は、傾斜面174aにより、傾斜部62e,62fを形成する。
【0078】
このように、縁部172を図6Aに示す状態に形成すれば、段差部52aの角度αが略直角となり、図6Bに示す状態に形成すれば、段差部52aの角度αが鈍角となる。このため、図6Aに示す状態の縁部172、図6Bに示す状態の縁部172を有する第2の金型部114を適宜に選択することで、ヒンジキャップ10の本体部12の1対の段差部52a,52bと領域52cとの間の角度αを略90°以上の所望の角度に形成することができる。
【0079】
同様に、縁部174の形状を適宜に形成することで、ヒンジキャップ10の蓋部14の1対の段差部62a,62bと領域62cとの間の角度を90°以上の所望の角度に形成することができる。
【0080】
図1Aに示す角度θ1,θ2は、ヒンジキャップ10が閉状態において、例えば0°よりも大きく6°よりも小さい適宜の角度(例えば、3°から5°等)であるように金型構造110のそれぞれ1対の縁部172,174によりヒンジ部16の周囲の段差部52a,52b,62a,62bが形成される。この場合、第1の金型部112及び第2の金型部114が近接するとき、及び、離隔するときに、第1のヒンジ部形成部136を含む第1の金型部112、及び、第2のヒンジ部形成部156を含む第2の金型部114の接触が抑制され、両者の摩耗を抑制する。
【0081】
次に、金型装置を用いて行う、金型構造110によるヒンジキャップ10の作用について説明する。
【0082】
ヒンジキャップ10を製造する場合、金型装置の型締め装置に金型構造110を配置し、第1の金型部112の第1の当接面124と第2の金型部114の第2の当接面144とを対向させる。金型構造110の第1金型部112及び第2金型部114は、金型装置の型締め装置の動作により相対的に移動可能であるとともに、型閉め後の適切なタイミングで射出装置からヒンジキャップ10の形状のキャビティに樹脂材が供給され、キャビティに樹脂材が充填される。このとき、金型構造110の、ヒンジキャップ10の本体部12及び蓋部14のキャビティ、及び、ヒンジキャップ10のヒンジ部16のキャビティは連通する。金型構造110は、第1の本体部形成部132、第2の本体部形成部152、第1の蓋部形成部134、第2の蓋部形成部154で本体部12及び蓋部14を形成する。同時に、金型構造110は、第1の本体部形成部132、第2の本体部形成部152、第1の蓋部形成部134、第2の蓋部形成部154、第1のヒンジ部形成部136及び第2のヒンジ部形成部156でヒンジ部16を形成する。金型構造110内での冷却によりキャップ10が形成される。その後、型締め装置の動作により金型構造110を開くと、金型構造110からキャップ10が取り出される。
【0083】
ヒンジキャップ10の形状のキャビティに樹脂材が流し入れられて充填されたとき、第1の金型部112の第1の本体部形成部132と第2の金型部114の第2のヒンジ部形成部156の領域形成部162及び1対の縁部172は、本体部12の外筒部22、天井部28、開口30、及び、吐出部(吐出筒)32を形成する。また、第1の金型部112
の第1のテーパ部形成部132bは、ヒンジキャップ10の本体部12の外筒部22のテーパ部54を形成する。
【0084】
金型構造110は、本体部12の外筒部22の外周面のうち、下部22b又はその近傍の部位に外筒部22の外周面に沿うエッジ53を形成し、蓋部14の筒状部42のうち、上部42bに筒状部42の外周面に沿うエッジ63を形成する。すなわち、エッジ53は、第1の金型部112の当接面124及び第1の成型部122の第1の本体部形成部132の境界と、第2の金型部114の当接面144及び第2の成型部142の第2の本体部形成部152の境界との線跡として形成される。エッジ63は、第1の金型部112の当接面124及び第1の成型部122の第1の蓋部形成部134の境界と、第2の金型部114の当接面144及び第2の成型部142の第2の蓋部形成部154の境界との線跡として形成される。エッジ53,63は、ヒンジキャップ10が図2Aから図2Cに示す状態で、XY平面に平行に形成されることが好適である。
【0085】
第2の金型部114の1対の縁部172が、第1の金型部112の第1の傾斜部形成部132aにそれぞれ当接し、パーティングラインPL1が生じる。
【0086】
第1の金型部112の第1の傾斜部形成部132aと第2の金型部114の第2のヒンジ部形成部156の領域形成部162及び1対の縁部172は、本体部12の外筒部22の第1の傾斜部52を形成する。第1の金型部112の第1の傾斜部形成部132aは、縁部172との間に第1の傾斜部52の第2の領域52dを形成する。第2の金型部114の第2のヒンジ部形成部156の領域形成部162及び1対の縁部172は、第1の傾斜部52のハ字状の領域52cを形成する。第2の金型部114の1対の縁部172と、第1の金型部112の第1の傾斜部形成部132aとの境界におけるパーティングラインPL1の線跡として、1対の段差部52a,52bの角部を形成する。領域52cの両端の段差部52a,52bは、上述したエッジ53に連続するエッジとして形成される。
【0087】
第1の金型部112の第1の蓋部形成部134と第2の金型部114の第2のヒンジ部形成部156の領域形成部164及び1対の縁部174は、蓋部14の筒状部42を形成する。
【0088】
第1の金型部112の第2のテーパ部形成部134bは、ヒンジキャップ10の蓋部14の筒状部42のテーパ部64を形成する。
【0089】
第2の金型部114の1対の縁部174が、第1の金型部112の第2の傾斜部形成部134aにそれぞれ当接し、パーティングラインPL2が生じる。
【0090】
第1の金型部112の第2の傾斜部形成部134aと第2の金型部114の第2のヒンジ部形成部156の領域形成部164及び1対の縁部174は、蓋部14の筒状部42の第2の傾斜部62を形成する。第1の金型部112の第2の傾斜部形成部134aは、第2の傾斜部62の第2の領域62dを形成する。第2の金型部114の第2のヒンジ部形成部156の領域形成部164及び1対の縁部174は、第2の傾斜部62のハ字状の領域62cを形成する。第2の金型部114の1対の縁部174と、第1の金型部112の第1の傾斜部形成部134aとの境界におけるパーティングラインPL2の線跡として、1対の段差部62a,62bの角部を形成する。領域62cの両端の段差部62a,62bは、上述したエッジ63に連続するエッジとして形成される。
【0091】
第2の金型部114の第2の成型部142の第2の蓋部形成部154は、ヒンジキャップ10の蓋部14の頂部44を形成する。
【0092】
第1の金型部112及び第2の金型部114は、ヒンジ部16の回動軸72を形成する軸部形成空間と、第1の金型部112と第2の金型部114との間に軸部形成空間に連続し第1のヒンジ部形成部136に向かって凸状のアーチ状の1対の曲面状空間とに充填される樹脂材により、ヒンジキャップ10のヒンジ部16を形成する。
【0093】
このように、第1の金型部112は、ヒンジキャップ10の外観のうち、図2A中にハッチングHを付していない領域を形成する。具体的には、第1の金型部112は、ヒンジキャップ10の本体部12の筒状の外筒部22の外周面の第1の傾斜部52の第2の領域52d及びテーパ部54を形成し、ヒンジキャップ10の蓋部14の筒状部42の外周面の第2の傾斜部62の第2の領域62d及びテーパ部64を形成するとともに、本体部12の外筒部22及び蓋部14の筒状部42を連結するヒンジ部16の内面16aを形成する。
【0094】
第2の金型部114は、ヒンジキャップ10の外観のうち、図2A中にハッチングHを付した領域を形成する。具体的には、第2の金型部114は、本体部12の外筒部22の上部22aとは反対側の下部22b及びテーパ部54と反対側のヒンジ部16に連続する領域52cを形成し、蓋部14の頂部44及びテーパ部64と反対側のヒンジ部16に連続する領域62cを形成するとともに、ヒンジ部16の外面16bを形成する。
【0095】
このようにして金型構造110内のキャビティに樹脂材が充填され、ヒンジキャップ10が成型される。
【0096】
本体部及び蓋部の正面が中心軸Cに対して互いに反対方向に傾斜するテーパ部を有するヒンジキャップは、製品(ヒンジキャップ)の外観部をZ軸方向でなく、適宜のXY平面に沿ってスライドする金型構造で製造することが一般的である。しかし、XY平面に沿ってスライドする金型構造の金型装置では、スライド駒の可動範囲が必要で製品ピッチを広くする必要があり、金型構造の配置数すなわち、製品の取り数が少なくなり得る。これは、製品(ヒンジキャップ)の価格が上がってしまうことになり得る。
【0097】
本実施形態の金型構造110は、ヒンジキャップ10を製造するときに、外観がストレート形状であるキャップの場合と同様にスライド構造を採用せず、キャップ10に上述したエッジ52a,52b,53,62a,62b,63を形成するように、Z軸方向に移動させる構造(上下抜き構造)を採用する。このため、本実施形態の金型構造110は、テーパ部54,64が存在しない外観が抜き勾配に傾斜が設定されているだけの略ストレート形状である場合と同様の製品ピッチで金型構造110を設置できる。したがって、本実施形態に係る金型構造110を用いることで、製品(ヒンジキャップ10)の価格の上昇を抑制できる。
【0098】
また、ヒンジキャップ10の、本体部12の外筒部22の外周面、及び、蓋部14の筒状部42の外周面の形状は、何れも周方向の、1対の段差部52a,52bを境にして、中心軸Cに対する上下方向の勾配が反転する。このような形状を有するヒンジキャップ10を製造するための金型構造110の離型方向は、ヒンジキャップ10の上下方向(Z軸方向)に沿う方向のみである。このため、金型構造110は、外観がストレート形状であるキャップの場合と同様にスライド構造を採用せず、金型構造110を複雑な構造にする必要がない。したがって、本実施形態に係る金型構造110を用いることで、金型構造110による製品(ヒンジキャップ10)の取り数(CAV数)を減らすことなく、ヒンジキャップ10を合理的に生産することができる。
【0099】
以上説明したように、本実施形態によれば、製造時の取り数を多く確保可能なヒンジキャップ10、及び、そのヒンジキャップ10を製造する金型構造110を提供することができる。
【0100】
本実施形態の金型構造110では、第1の金型部112を固定型とし、第2の金型部114を可動型としてヒンジキャップ10を形成する例について説明した。金型構造110は、第1の金型部112を通してキャビティに樹脂材を充填する状態で、第1の金型部112及び第2の金型部114の両方を相対的に移動させる可動型としてヒンジキャップ10を製造してもよい。
【0101】
本実施形態では、金型構造110は、図1Aから図2Cに示す形状のヒンジ部16を有するヒンジキャップ10を製造するものとして説明した。キャップ10のヒンジ部16は、本体部12の外筒部22の上部22aと蓋部14の筒状部42の下部42aとがキャップ10の中心軸に対して周方向に離間した2点で支持された支持部を有し、支持部間に略L字状の帯状部材が配置された、ヒンジ部16を有することも好適である。金型構造110は、このようなヒンジ部16を形成するように構成されていてもよい。
【0102】
本実施形態の金型構造110は、ヒンジ部16を含むヒンジ部16の周囲のいわゆるアンダーカット部分を、固定され又は可動可能な第1の金型部112でなく、可動可能な第2の金型部114で形成することができればよい。
【0103】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下、この特許出願の特許出願時の特許請求の範囲を付記する。
[1]
内容物が収容される容器口部に装着するための内筒部、
前記内筒部の外側に形成された外筒部、
前記外筒部の上部に設けられるとともに前記内筒部が形成された天井部、及び、
前記天井部に設けられ、前記内容物を吐出する吐出部、
を有する本体部と、
筒状部、及び、前記吐出部を覆う栓部を含む頂部を有する筒状の蓋部と、
前記本体部の前記外筒部と前記蓋部の前記筒状部とを一体に連結し、前記蓋部が開閉自在に回動する支点となるヒンジ部と
を備え、
前記本体部の前記外筒部の外周面には、前記ヒンジ部を挟むように、前記外筒部の周方向に交差し、前記外筒部の前記上部側から前記上部とは前記本体部の軸方向に沿って反対側の下部側に向かって広がるテーパ状の1対の第1の段差部が前記ヒンジ部の近傍に設けられ、
前記蓋部の前記筒状部の外周面には、前記ヒンジ部を挟むように、前記筒状部の周方向に交差し、前記筒状部の外周面の前記下部側から前記上部側に向かって広がるテーパ状の第2の段差部が前記ヒンジ部の近傍に設けられている、ヒンジキャップ。
[2]
前記1対の第1の段差部は、前記ヒンジ部から前記本体部の前記外筒部の中心軸を見たとき、前記外筒部の前記中心軸に対してそれぞれ3°以上傾斜し、
前記1対の第2の段差部は、前記ヒンジ部から前記蓋部の前記筒状部の中心軸を見たとき、前記筒状部の前記中心軸に対してそれぞれ3°以上傾斜する、付記[1]に記載のヒンジキャップ。
[3]
前記本体部の前記外筒部の外周面は、
前記ヒンジ部側に、前記外筒部の前記上部側から前記下部側に向かうにつれて前記外筒部の中心軸に近づく0°よりも大きい勾配の第1の領域と、
前記第1の段差部を境にして、前記ヒンジ部から離れた側に、前記上部側から前記下部側に向かうにつれて前記中心軸から遠ざかる0°よりも大きい勾配の第2の領域と
を有し、
前記第1の段差部と前記第1の領域との間には、面取部が形成されている、付記[1]又は付記[2]に記載のヒンジキャップ。
[4]
前記蓋部の前記筒状部の外周面は、
前記ヒンジ部側に、前記筒状部の前記下部側から前記上部側に向かうにつれて前記筒状部の中心軸に近づく0°よりも大きい勾配の第3の領域と、
前記第2の段差部を境にして、前記ヒンジ部から離れた側に、前記下部側から前記上部側に向かうにつれて前記中心軸から遠ざかる0°よりも大きい勾配の第4の領域と
を有し、
前記第2の段差部と前記第3の領域との間には、面取部が形成されている、付記[1]乃至付記[3]のいずれか1に記載のヒンジキャップ。
[5]
付記[1]乃至付記[4]のいずれか1に記載のヒンジキャップを製造するための金型構造であって、
前記本体部の前記外筒部の前記第1の段差部を境にして、前記本体部の前記外筒部の周方向に沿って前記ヒンジ部とは反対側を成型するとともに、前記蓋部の前記筒状部の前記第2の段差部を境にして、前記蓋部の前記筒状部の周方向に沿って前記ヒンジ部とは反対側を成型する第1の金型部と、
前記本体部の前記外筒部の前記第1の段差部を境にして、前記本体部の前記外筒部の周方向の前記ヒンジ部側を成型するとともに、前記蓋部の前記筒状部の前記第2の段差部を境にして、前記蓋部の前記筒状部の周方向に沿って前記ヒンジ部側を成型する第2の金型部と
を備え、
前記第1の金型部及び前記第2の金型部は、型締め装置により相対的に接離可能であり、
前記第1の金型部を通して、射出装置により供給される樹脂材で、前記第1の金型部及び前記第2の金型部により形成されるキャビティに前記樹脂材を充填可能である、金型構造。
【符号の説明】
【0104】
10…キャップ、12…本体部、14…蓋部、16…ヒンジ部、22…外筒部、28…天井部、32…吐出部、34…嵌合部、42…筒状部、44…頂部、48…指かけ部、52…傾斜部、52a,52b…段差部、52c…第1の領域、52d…第2の領域、52e,52f…傾斜部、54…テーパ部、62…傾斜部、62a,62b…段差部、62c…第1の領域、62d…第2の領域、62e,62f…傾斜部、64…テーパ部、72…回動軸、74,76…フラップ、110…金型構造、112…第1の金型部、112a…第1のブロック、114…第2の金型部、114a…第2のブロック、122…第1の成型部、124…当接面、132…第1の本体部形成部、132a…傾斜部形成部、132b…第1のテーパ部形成部、134…第1の蓋部形成部、134a…傾斜部形成部、134b…テーパ部形成部、136…第1のヒンジ部形成部、142…第2の成型部、144…当接面、152…第2の本体部形成部、154…第2の蓋部形成部、156…第2のヒンジ部形成部、C1…中心軸、θ1,θ2,α…角度。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6A
図6B