(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】レドックスフロー電池
(51)【国際特許分類】
H01M 8/18 20060101AFI20240515BHJP
H01M 8/02 20160101ALI20240515BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20240515BHJP
【FI】
H01M8/18
H01M8/02
H01M8/04 Z
(21)【出願番号】P 2020156531
(22)【出願日】2020-09-17
(62)【分割の表示】P 2019125395の分割
【原出願日】2019-07-04
【審査請求日】2020-09-17
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】505389547
【氏名又は名称】株式会社岐阜多田精機
(74)【代理人】
【識別番号】110000615
【氏名又は名称】弁理士法人Vesta国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多田 憲生
【合議体】
【審判長】粟野 正明
【審判官】井上 猛
【審判官】山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-146306(JP,A)
【文献】特開2016-020864(JP,A)
【文献】特開2017-037148(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00-8/0297
H01M 8/08-8/2495
G01J 3/00-3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫酸バナジウム水溶液を電解液として用いるレドックスフロー電池において、
充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間または放電により5価バナ
ジウムを4価バナジウムに変化させる間、前記4価バナジウム及び5価バナジウムからな
る電解液の色彩を検出
する正極側カラーセンサと、
充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナ
ジウムを3価バナジウムに変化させる間、前記2価バナジウム及び3価バナジウムからな
る電解液の色彩を検出
する負極側カラーセンサと
を具備し、
前記正極側カラーセンサ及び前記負極側カラーセンサは、前記電解液の循環管路に色彩
検出部を配設し、そこに配設した白色LEDの透過光または散乱光、反射光の受光により
検出した前記電解液の色彩から、前記正極及び前記負極の初期充電または補充電から満充
電の間の放電残量
があるかを検出し、前記放電残量を、前記電解液の循環管路に配設した補助セルであるレドックスフロー電池の充放電特性
によって補正して放電残量を算出することを特徴とするレドックスフロー電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫酸バナジウム水溶液が電解液として使用でき、充放電状態の程度を測定できるレドックスフロー電池に関するものである。レドックスフロー電池は、2種類のイオン溶液を陽イオン交換膜で隔て、両方の溶液に設けた電極(炭素製)上で酸化反応と還元反応を同時に進めることによって、充放電を行うものである。
レドックスフロー電池の全体の構成は、正極電極と、負極電極と、これら両電極間に介在される隔膜とを備え、正極電解液及び負極電解液を供給して充放電を行うものである。
前記負極電解液は、チタンイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、及び亜鉛イオンから選択される少なくとも一種の金属イオンを含有し、前記正極電解液が含有する添加金属イオンは、アルミニウムイオン、カドミウムイオン、インジウムイオン、スズイオン、アンチモンイオン、イリジウムイオン、金イオン、鉛イオン、ビスマスイオン及びマグネシウムイオンの少なくとも一種を含有する。
【0002】
詳しくは、正極電解液は、マンガンイオンと、添加金属イオンとを含有し、負極電解液は、チタンイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、及び亜鉛イオンから選択される少なくとも一種の金属イオンを含有する。そして、正極電解液が含有する添加金属イオンは、アルミニウムイオン、カドミウムイオン、インジウムイオン、スズ(イオン、アンチモンイオン、イリジウムイオン、金イオン、鉛イオン、ビスマスイオン及びマグネシウム(Mg)イオンの少なくとも一種である。
【0003】
上記に例示した各金属イオン以外にも、リチウムイオン、ベリリウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、スカンジウムイオン、ニッケルイオン、亜鉛イオン、ガリウムイオン、ゲルマニウムイオン、ルビジウムイオン、ストロンチウムイオン、イットリウムイオン、ジルコニウムイオン、ニオブイオン、テクネチウムイオン、ロジウムイオン、セシウムイオン、バリウムイオン、ランタノイド元素(但しセリウムを除く)のイオン、ハフニウムイオン、タンタルイオン、レニウムイオン、オスミウムイオン、白金イオン、タリウムイオン、ポロニウムイオン、フランシウムイオン、ラジウム(イオン、アクチニウムイオン、トリウムイオン、プロトアクチニウムイオン、ウランイオンが添加金属イオンとして挙げられる。
【背景技術】
【0004】
特許文献1、特許文献2に掲載されたレドックスフロー電池とは活物質が液状であり、正極、負極の電池活物質を液透過型の電解槽に流通せしめ、酸化還元反応を利用して充放電を行うものである。他の二次電池と比べて次の利点を有している。
(1)活物質量を増加させるには貯蔵容器容量を大きくすればよく、出力を大きくしない 限り、電解槽自体は大きくする必要がない。
(2)正極、負極活物質は容器に完全に分離して貯蔵でき、自己放電の可能性が少ない。
(3)使用する液透過型炭素多孔質電極においては、活物質イオンの充放電特性(電極反 応)は、単に、電極表面で電子の交換を行うのみで、電極に析出することなく、電池 の反応が単純である。
【0005】
このレドックスフロー型電池は、イオン交換膜からなる隔膜とその両側に設けられたカーボンクロス電極(正極及び負極)と、更にその外側に設けられたエンドプレートからなり、正極電解液及び負極電解液はそれぞれ正極電解液容器及び負極電解液容器から正極と負極に送られる。
初充電においては、正極ではバナジウム4価は5価に酸化され、負極ではバナジウム4価は3価に還元され、負極ではバナジウム3価は2価に還元されるが、正極では過充電及び酸素発生を生ずる。これを避けるため、正極液が完全充電状態になったときにその電解液を4価のバナジウム液と交換する必要があった。この状態で、電池を充電状態にすると正極側ではバナジウムの4価から5価への酸化が行われ、他方負極側ではバナジウムの3価から2価への還元が行われる。放電状態では逆の反応が生じることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平5-242905号公報
【文献】特開2018-137238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
1個のセルスタックを長く接続すると、セルスタックを通過する電解液の流体抵抗が加算され、そこを通過する電解液の流体圧力が高くなる。しかし、例えば、電解液の流体圧力を高くすると、セルスタックの入力から加工液漏れが発生したり、予定していないイオンの結合によって、電池の寿命を短くする可能性がある。
また、ソーラーパネルの出力は、天候によって大きく変化する。例えば、1個のセルが
1.1~1.6[V]の出力とすると、1個のセルスタックが44[V]から64[V]となり、仮にインバータの入力が60[V]から400[V]であると、ソーラーパネルの出力を利用する場合には、60[V]未満の電力を捨ててしまうことになり、効率の良い利用はできなかった。
それ故、ソーラーパネルの出力を効率よく利用するには、DC-DCコンバータ等のコンデンサの容量の大きなものが必要となり。昇圧のために電力が必要となった。
【0008】
そこで、上記従来の問題点を解消すべく、特に、二次電池が放電中で、充電をしていない端子の状態でも、或いは二次電池が充電中で、放電をしている端子の状態でも、現在の電解液の状態から、正確に電解液の充放電電圧の状態を把握できるレドックスフロー電池の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明の硫酸バナジウム水溶液を電解液として用いるレドックスフロー電池において、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間または放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間の、前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の色彩を検出し、前記色彩から前記電解液の正極の充電状態を特定する正極側のカラーセンサと、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間の、前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の色彩をカラーセンサで検出し、前記色彩から前記電解液の負極の充電状態を特定する負極側のカラーセンサとを具備し、前記正極側のカラーセンサ及び/または前記負極側のカラーセンサは、前記電解液の循環管路に配設した発光ダイオードの透過光または反射光の検出値により、放電残量の波長(周波数)を算出し、前記波長(周波数)から放電残量を特定する。
【0010】
正極側のカラーセンサは、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させ、また、放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の色彩を有し、前記色彩から前記電解液の正極の充電状態を検出するものである。即ち、前記電解液の循環管路に配設した色彩検出部で、色彩をカラーセンサで検出するものである。
また、負極側のカラーセンサは、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の色彩を有し、前記色彩から前記電解液の負極の充電状態を検出するものである。即ち、前記電解液の循環管路に配設した色彩検出部で、色彩をカラーセンサで検出するものである。
特に、本発明で使用する電解液である硫酸バナジウム水溶液は、充電放電によって『価』が変化させるものであり、電解液としての硫酸バナジウム水溶液自体が原理的には劣化しないことになるから、硫酸バナジウム水溶液に劣化が生じない。
【0011】
硫酸バナジウム水溶液を電解液として用いるレドックスフロー電池においては、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間、または放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間、前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の色彩を検出し、前記色彩から前記電解液の正極の充電状態を特定する正極側のカラーセンサと、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間、または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間、前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の色彩をカラーセンサで検出し、前記色彩から前記電解液の負極の充電状態を特定する負極側のカラーセンサは、前記電解液の循環管路に配設した発光ダイオード(LED)の透過光または散乱光、反射光のうちの何れか1以上のカラーセンサで検出する検出値により、現在の充電状況を正確に知ることができる。
【0012】
そして、レドックスフロー電池において、前記正極側のカラーセンサ及び/または前記負極側のカラーセンサが、前記電解液の色彩を基に充電電力量を算出するものであるから、必要に応じて設置した予備の電解液容器の切替えのタイミングが明確となり、複数の予備電解液容器の切替えを正確に行うことができる。しかし、硫酸バナジウム水溶液を電解液として用いるレドックスフロー電池では、正極と負極がバナジウムイオンの『価』数の増減によって充放電ができるものであるから、電解液としての硫酸バナジウム水溶液が原理的には劣化しないから、硫酸バナジウム水溶液に劣化が生じない。したがって、複数の予備の電解液容器に入っている電解液は、通常の使用状態とすることができる。
【0013】
ここで、カラーセンサとは、硫酸バナジウム水溶液からなる電解液を循環管路に配設した色彩検出部で検出するもので、前記硫酸バナジウム水溶液の澱みのない箇所で電解液の色彩を判断するもので、硫酸バナジウム水溶液外において光ファイバーで測定しても良いし、硫酸バナジウム水溶液中で測定してもよい。3原色の受光素子を用いてLEDの透過光または散乱光、反射光のうちの何れか1以上の検出値により、放電残量を算出する手段としてもよい。何れにせよ、白色発光により硫酸バナジウム水溶液からなる電解液を明るくし、受光素子を用いてLEDの透過光または散乱光、反射光のうちの何れか1以上の検出値を求める者であればよい。
【0014】
本発明の硫酸バナジウム水溶液を電解液として用いるレドックスフロー電池において、
前記正極側のカラーセンサ及び/または前記負極側のカラーセンサは、前記電解液の循環
管路に色彩検出部を配設し、そこに配設した白色LEDの透過光または散乱光、反射光に
より、正極及び/または負極の初期充填または補充電から満充電の間の放電残量があるかを検出し、前記放電残量を、前記電解液の循環管路に配設した補助セルであるレドックスフロー電池の充放電特性によって補正して放電残量を算出するものである。
【0015】
ここで、初期充填または補充電から満充電の間の放電残量にあるかの検出とは、満充電であるか否かを、充電初期を基準として、放電が継続できる時間を放電残量と定義するものである。
【0016】
また、色彩検出部は、電解液である硫酸バナジウム水溶液の色彩を判断するもので、透過光または散乱光、反射光の1以上の方法で色彩の判断を行えばよく、それを二次電池特有の放電残量で補正し、計算するものである。二次電池特有の放電残量は、レドックスフロー電池全体で検出しても良いし、その一部から検出してもよい。
ここで、色彩検出部に配設した白色LEDは、色の区別を正確に行うものであり、フィルタを使用してもよい。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明の硫酸バナジウム水溶液を電解液として用いるレドックスフロー電池において、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間、放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間、及び/または前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の色彩をカラーセンサで検出し、前記色彩から前記電解液の正極の充電状態を特定する正極側のカラーセンサと、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間、放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間、及び/または前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の色彩をカラーセンサで検出し、前記色彩から前記電解液の負極の充電状態を特定する負極側のカラーセンサとを具備し、前記正極側のカラーセンサ及び/または前記負極側のカラーセンサは、前記電解液の循環管路に配設した発光ダイオードの透過光、散乱光または反射光の検出値により、放電残量の波長(周波数)を算出し、前記波長(周波数)から放電残量を特定するものである。
【0018】
正極反応は VO2+ + H2O →/← VO2
+ + e- + 2H+
(4価(青)) (5価(黄))
負極反応は VO3+ + e- →/← VO2+
(3価(緑)) (2価(紫))
但し、矢印→は充電、矢印←は放電である。
硫酸バナジウム水溶液を電解液として用いるレドックスフロー電池では、正極と負極がバナジウムイオンの『価』数の増減によって充放電ができるものであるから、電解液としての硫酸バナジウム水溶液が原理的には劣化しないことになるから、硫酸バナジウム水溶液に劣化が生じない。
【0019】
硫酸バナジウム水溶液を電解液として用いるレドックスフロー電池に使用する負極の2価バナジウムは「紫色(380~450nm)」、3価バナジウムは「緑色(495~570nm)」、また、正極の4価バナジウムは「青色(450~495nm)」、5価バナジウムは「黄色(570~590nm)」である。
負極は充電完了のとき2価バナジウムは「紫色」となり、放電完了したとき、3価バナジウムは「緑色」となる。また、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。正極は充電完了のとき2価バナジウムは「黄色」となり、放電完了したとき、4価バナジウムは「青色」となる。
【0021】
硫酸バナジウム水溶液を電解液として用いるレドックスフロー電池に使用する負極の2価バナジウムは「紫色(380~450nm)」、3価バナジウムは「緑色(495~570nm)」、また、正極の4価バナジウムは「青色(450~495nm)」、5価バナジウムは「黄色(570~590nm)」である。負極の充電完了のとき2価バナジウムは「紫色」となり、放電完了したとき、3価バナジウムは「緑色」となる。また、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。正極は充電完了のとき2価バナジウムは「黄色」となり、放電完了したとき、4価バナジウムは「青色」となる。
【0022】
したがって、正極の4価バナジウムは「青色(450~495nm)」、5価バナジウムは「黄色(570~590nm)」となり、
図8に示す「黄色」と「青色」との間の色彩領域を移動することになる。
負極の2価バナジウムの「紫色」、3価バナジウムの「緑色」を結んだ領域上を移動することになる。正極の4価バナジウムの「青色」、5価バナジウムの「黄色」を結んだ領域上を移動することになる。
【0023】
そこで、発光素子からは特定の波長の発光を出力させ、受光素子を構成するフォトダイオードは、受光素子の出力のピーク値から、負極においては2価バナジウムの「紫色」から3価バナジウムの「緑色」、または、正極においては4価バナジウムの「青色」から5価バナジウムの「黄色」として変化する。
したがって、負極においては2価バナジウムの「紫色」と3価バナジウムの「緑色」とを結ぶ領域上に現在の充放電残量が検出できる。また、正極においては4価バナジウムの「青色」と5価バナジウムの「黄色」とを結ぶ領域上と推定される特定の波長に充放電残量があることがわかる。
【0024】
特に、充電中であっても、放電中であっても、充放電残量を測定できる。したがって、通常の二次電池であれば、充電時間と通電電流から充電時間が計算できるのが一般的であるが、硫酸バナジウム水溶液を電解液として用いるレドックスフロー電池ではそのレドックスフロー電池対する負荷が加わっている時でも、負荷が加わっていない時でも、その時点の充放電残量を測定できる。
硫酸バナジウム水溶液の色を判別するものであるから、色彩で判断され、読み取り誤差を少なくすることができる。
また、発光にはLEDが特定の周波数で発光し、しかも、フォトカプラを構成するフォトダイオードはその特定の周波数を検出するから、その発光色の周波数を正確に検出することができる。
【0025】
仮に、2個の色彩により負極と正極の放電残量が異なったとき、充電残量の少ない放電残量の検出値を、その検出値として採用しても良いし、放電残量の検出値の平均値を出してもよい。或いは、放電残量の検出値の大きい電力側を検出値としてもよい
即ち、現在の硫酸バナジウム水溶液からなる電解液の色彩が何れの波長にあるかを検出し、誤差があるときには、負極における2価バナジウムの「紫色」から3価バナジウムの「緑色」の電解液、同様に、正極における4価バナジウムの「青色」から5価バナジウムの「黄色」の電解液は、例えば、負極は2価バナジウムの「紫色」と3価バナジウムの「緑色」または負極は2価バナジウムの「紫色」と3価バナジウムの「緑色」を変化することになる。少なくとも、電解液の色彩が何れにあるかを検出する光検出能力を有していればよい。
【0026】
ここで、充電残量の少ない放電残量を検出値とする場合には、繰り返しの充電で両者を一致させることになる。また、放電残量の検出値の平均値を出すものについても、放電残量の検出値の大きいものを検出値としたものでも、繰り返しの充電で両者を一致させることができる。即ち、負荷の変動で検出値に大小の変化があっても、連続的に充放電を行うことにより、正極及び負極のバランスが取れた定常状態となる。
【0027】
本発明の硫酸バナジウム水溶液を電解液として用いるレドックスフロー電池において、前記正極側のカラーセンサ及び/または前記負極側のカラーセンサにおける前記電解液の循環管路に配設した白色発光ダイオードの透過光、散乱光または反射光による検出は、前記正極側のカラーセンサ及び/または前記負極側のカラーセンサの検出値が、硫酸バナジウム水溶液を電解液の「紫色」と「緑色」、「青色」と「黄色」の領域の何れにあるかを検出すると共に、前記電解液の循環管路に配設したレドックスフロー電池の一部または全部の充放電特性から特定して放電残量を算出するものである。
【0028】
例えば、初期充填または補充電から満充電の間の「紫色」から「緑色」の領域、「青色」から「黄色」の領域の何れにあるかを平均値または最小値または最大値を検出すると共に、それらの平均値または最小値または最大値からなる放電残量に対し、前記電解液の循環管路に配設した二次電池、例えば、レドックスフロー電池の一部または全部の充放電特性から特定して放電残量を算出するものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池の動作を説明する説明図である。
【
図2】
図2は本発明の他の実施の形態のレドックスフロー電池の動作を説明する説明図である。
【
図3】
図3は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池のセルスタックの原理を説明する構成図で、(a)はセルスタックの部分展開図、(b)は部分組立図、(c)はレドックスフロー電池としての部分組立図である。
【
図4】
図4は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池のインペラポンプの原理を説明する構成図である。
【
図5】
図5は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池の液体循環ポンプを1台使用した動作を説明する説明図である。
【
図6】
図6は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池の液体循環ポンプを2台使用した動作を説明する説明図である。
【
図7】
図7は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池の原理を説明する「紫色」と「緑色」、「黄色」と「青色」の波長・感度特性図である。
【
図8】
図8は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池で使用するカラートライアングルの原理を説明する説明図である。
【
図9】
図9は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池で使用する電解液容器に装着する電解液分配器を説明する説明図である。
【
図10】
図10は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池で使用する電解液容器に装着する電解液分配器の電解液容器に対する取付けを説明する説明図である。
【
図11】
図11は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池で使用する電解液容器に装着するフロートセンサの説明図である。
【
図12】
図12は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池で使用する電解液容器に装着するフロートセンサ及び電解液分配器の配設を説明する説明図である。
【
図13】
図13は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池で使用する制御動作を示すブロック図である。
【
図14】
図14は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池で使用する制御動作を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池で使用する1対の電解液容器を使用する説明図である。
【
図16】
図16は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池で使用する2対の電解液容器を使用する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0031】
[実施の形態]
図1において、公知のソーラーパネル301は太陽電池の集合体で、1個の起電力は小さいが、それを複数直列に接続することで特定の電圧まで昇圧させている。レドックスフロー電池300を充電するには、ソーラーパネル301側の起電力の印加電圧で、概略的に1.4~1.6倍程度になるように電圧を印加している。最初の充電電圧を低く、充電の進行に合わせて充電電圧を高くさせるものもある。1個の電池(1セル)の発電できる電力は、概略、一辺が数10cmならば、10~100ワット程度である。住宅用として用いられる太陽光発電システムでは、複数のソーラーパネル301が用いられていて、接続箱を介してパワーコンディショナーに接続されている。ソーラーパネル301で発電された電力はインバータ304を介して家庭内で消費され、または売電の電線を介して他の家庭に送電され、売電の規定によって、売電電力網と繋がっている。この場合は売電電力網へと電力が供給される。なお、この接続箱の説明は省略し、逆流防止用ダイオード302,303のみ説明する。
【0032】
また、逆流防止用ダイオード302,303はレドックスフロー電池300を充電する際には、レドックスフロー電池300をソーラーパネル301で短絡させないように、逆流防止用ダイオード302,303を両端に接続している。この逆流防止用ダイオード302,303の順方向電圧降下は、レドックスフロー電池300を充電する際に、ソーラーパネル301側の起電力を大きくすることにより無視できる。
【0033】
しかし、逆流防止用ダイオード302,303は、逆耐電圧が高いので、ソーラーパネル301の保護として使用できる。パワーダイオードを使用すれば、耐圧電圧を高くできるし、ダイオードをn個直列に接続すれば、逆耐電圧をn倍等等のすることができる。
【0034】
インバータ304は、直流を所定の周波数、所定の電圧の交流に変換する装置で、技術的には、PWM変調等を行っている。交流の電圧や周波数は、交流のままでは変換がし難いので、交流を一旦直流に変換し、再度交流に戻す技術を採用している。この交流から直流に変換し、再度交流に戻す装置のことを「インバータ回路」または「インバータ装置」と云い、一般に、交流から直流にする回路を「コンバータ」、直流から再度交流に変換する回路を、ここでは「インバータ」という。
図1において、商用電源305は単相100[V]であるが、売電として200[V]としてもよいし、他の電圧としてもよい。
【0035】
レドックスフロー電池300の出力電圧はVa[V]、ソーラーパネル301の出力電圧はVb[V]とするとき、ソーラーパネル301の端子でレドックスフロー電池300を充電するときには、Vb>Vaであり、リード線27B、セルスタック60の正極65を通して、セルスタック60の負極64及びリード線26Bを経て、更に、セルスタック20のリード線26B、正極25を通して、セルスタック20の負極24とリード線26Aの充電回路となる。
また、ソーラーパネル301の出力が低下し、Vb<Vaになると、レドックスフロー電池300の電圧が維持される。ソーラーパネル301の出力がなくなっても、レドックスフロー電池300の充電電力があれば、そのレドックスフロー電池300の電圧が維持される。
Vb<Vaになると、逆流防止用ダイオード302,303は逆方向バイアス状態となる。即ち、逆流防止用ダイオード302,303はオフ状態となる。このとき、インバータ304はレドックスフロー電池300のリード線27B、正極65と、セルスタック20の負極24のリード線26Aからレドックスフロー電池300からの電力を取出し、50Hzまたは60Hzの商用電源(売電)305側に出力を行うことができる。
なお、ソーラーパネル301の出力を常時インバータ304の出力とし、その余剰電力をレドックスフロー電池300の充電用に使用することもできる。
【0036】
そして、ソーラーパネル301によって逆流防止用ダイオード302及び逆流防止用ダイオード303を順方向に流しても、レドックスフロー電池300の放電残量(充電電化量)が少ないとき、まず、レドックスフロー電池300の電力量を充電により増加させる。
殊に、
図10に示す色彩検出部44の電解液の色彩を「黄色」を100%、・・・「青色」を0%側、また、色彩検出部44の電解液の色彩を「紫色」を100%、・・・「緑色」を0%と設定したとき、放電残量が少ない0%側の放電完了の「青色」、「緑色」になるように、レドックスフロー電池300の充電を行う。
【0037】
また、ソーラーパネル301の出力増によって逆流防止用ダイオード302及び逆流防止用ダイオード303を順方向に流しても、レドックスフロー電池300の放電残量が多いとき、レドックスフロー電池300の電力量を増加させる必要がないので、例えば、色彩検出部44の電解液の色彩をその色彩に対応したLED表示を行い、充電によるレドックスフロー電池300の放電残量を増加させないこともできる。
通常状態では、放電残量が「黄色」で100%の残量、「紫色」で100%の残量とするものであり、閾値の設定により、前記100%を90%または80%等に変更することができる。何れにせよ、レドックスフロー電池300の放電残量をディスプレイ17の点灯するLED18で数値表現等の段階表現できればよい。
【0038】
これをまとめると、この実施の形態の太陽光発電を行うソーラーパネル301と、硫酸バナジウム水溶液15,35及び硫酸バナジウム水溶液55,75を電解液として使用するレドックスフロー電池300と、前記ソーラーパネル301及び/または前記レドックスフロー電池300の直流出力を交流に変換するインバータ304とを具備し、前記ソーラーパネル301の起電力が高く、前記ソーラーパネル301に接続した1対の逆流防止用ダイオード302,303の一対のカソード側から前記インバータ304の入力及び前記レドックスフロー電池300の充電入力を得、前記ソーラーパネル301の出力が低くなったとき、前記ソーラーパネル301と前記インバータ304及び前記レドックスフロー電池300との電気的接続を遮断するものである。
【0039】
ソーラーパネル301の出力は、天候によって大きく変化する。例えば、1個のセルが
1.1~1.6[V]の出力とすると、1個のセルスタックが44[V]から64[V]となり、仮にインバータの入力が60[V]から400[V]であると、ソーラーパネルの出力を利用する場合には、60[V]未満の電力を捨ててしまうことになり、効率の良い太陽光の利用はできなかった。
ソーラーパネル301の出力を効率よく利用するには、DC-DCコンバータ等のコンデンサの容量の大きなものが必要となり、かつ、昇圧のために電力が必要となった。
そこで、上記従来の問題点を自動的に解消すべく、特に、二次電池に充電をしていない
定電圧状態でも、1個のセルスタックの電解液の流れを並列接続のごとき接続にすることにより低流体抵抗とし、その出力を直列とする二次電圧を高くすることによって、ソーラーパネルの電力を直接通常のインバータを介して売電でき、インバータの使用できる入力電圧を高くすることができる
【0040】
これらソーラーパネル301、インバータ304、レドックスフロー電池300を含めて、レドックスフロー電池構成体と呼ぶこととする。
このように、レドックスフロー電池300の出力電圧はVa[V]、ソーラーパネル301の出力電圧はVb[V]とするとき、Va≦Vbとして運転される。1対の逆流防止用ダイオード302,303を使用すると、1対の逆流防止用ダイオード302,303の順方向電圧降下により、Va≦VbはVa<Vbとなる。
【0041】
本実施の形態のレドックスフロー電池300では、負極側の光ファイバー46(
図10参照)で色彩検出部44の電解液の色彩(色)を導いている。その端部を色彩検出部44からカラーセンサ17に色彩を導き、各出力をディスプレイとしてのLED18に放電残量を出力している。
放電残量は、光ファイバー46の上端にあるカラーセンサ17に「黄色」を90~100%の残量、「紫色」を90~100%の残量と表示させることができる。
何れにせよ、レドックスフロー電池300の放電残量の大きさを、表現することができる。
【0042】
色彩検出部44の電解液の色彩から、電解液の「紫色」と「緑色」の領域、「黄色」と「青色」の領域の何れかに該当する色彩が存在すると、光ファイバー46の上端にあるカラーセンサ17で検出できる。このとき、LED等のディスプレイ18との数値は、原理的には、同一であるべきである。しかし、その数値が大きく離れるときがある。その理由としては、負極側または正極側の電解液に異物が混入したとき、光ファイバー46及びカラーセンサ17の異常のときである。
ディスプレイ18との数値が大きく開いたときには、本実施の形態のレドックスフロー電池300の異常であるから、それに気づいて早く修理する必要がある。電解液に異物が入ったときも、何れも、レドックスフロー電池300としての特性がなくなるので、早く修理する必要がある。
勿論、光ファイバー46及びカラーセンサ17からなる色彩ディスプレイは、現実には両色彩から計算した値が正確に合致しないから、ディスプレイ18を負極側と正極側の2個配設するよりも1個の方が廉価である。
【0043】
したがって、ソーラーパネル301によって逆流防止用ダイオード302及び逆流防止用ダイオード303を順方向に流れるときに、レドックスフロー電池300の放電残量が多いとき、レドックスフロー電池300の放電残量が少ないときの動作を分割し、例えば、放電残量が60%以下の場合に、レドックスフロー電池300の電力量を100%に持ち上げてから通常制御に入るようにしている。例えば、色彩検出部44の電解液の色彩を「黄色」100%以下のとき、または、色彩検出部44の電解液の色彩を「紫色」100%以下のとき、放電残量が100%になるようにする場合がある。
この場合には、ソーラーパネル301によって逆流防止用ダイオード302及び逆流防止用ダイオード303を順方向に流し、ソーラーパネル301でレドックスフロー電池300を充電しながら、インバータ304で商用電源305に対する売電として使用する。
【0044】
放電残量を、例えば、光ファイバー46の端部にあるカラーセンサ17により「黄色」を100%未満の残量、「紫色」を100%未満の残量と設定した場合、インバータ制御によりインバータ304の入力を断ち、レドックスフロー電池300を充電することができる。この場合には、レドックスフロー電池300に100%の充電された状態からスタートすることになり、レドックスフロー電池300の充電に要する電力のみを供給する。本来の余剰電力は、インバータ304側を動作させ、ソーラーパネル301の出力が低下しても、インバータ304はその制御を継続する。
このように、カラーセンサ17によるディスプレイとしてのLED18が電解液の「黄色」、「紫色」に相当するとき、インバータ304の入力を断ち、レドックスフロー電池300を100%の充電完了からスタートすることができる。また、レドックスフロー電池300に1日分の残量を持たせ、レドックスフロー電池300からも出力することができる。
【0045】
図1に示すように、負極側の電解液容器11,31,51,71には硫酸バナジウム水溶液15,25,55,75が充填されている。硫酸バナジウム水溶液15,25,55,75は液体循環ポンプ12,32,52,72によって、必要数の隔膜23A、23Bを積層したセルスタック20,60と電解液容器15,25,55,75との間を、循環管路13a、液体循環ポンプ12、循環管路13b、循環管路13cによって電解液の循環管路を形成している。同時に、セルスタック20,60と電解液容器11,15との間を循環管路53a、液体循環ポンプ52、循環管路53b、循環管路53cによって電解液の循環管路を形成している。なお、循環管路13と、循環管路33については、添字のa,b,c,dを省略する場合がある。
【0046】
同様に、正極側の電解液容器11,31,51,71には硫酸バナジウム水溶液15,25,55,75が充填されている。硫酸バナジウム水溶液15,25,55,75は液体循環ポンプ12,32,52,72によって、必要数の隔膜を積層したセルスタック20,60と電解液容器15,25,55,75との間を循環管路33a,73a、液体循環ポンプ12,32,52,72、循環管路33b,73b、循環管路33c,73cによって循環する循環管路を形成している。
【0047】
次に、本実施の形態として、
図3(a)乃至(c)に示すセルスタック20,60の積層工程について説明する。
複数の正極電極102、隔膜103、負極電極104、双極板105、一対の集電板、一対のクッション層、金属層が形成された双極板105及びその外周に装着されたフレーム101を有する単セル(最小単位のセル)の集合によりセルスタック20,60を構成している。
更に詳しくは、一対のエンドプレート101及びそのエンドプレート101を締付ける締付機構107を用意する。この締付機構107は、締付軸108と、その締付軸108の両端に螺合されるナット110と、そのナット110とエンドプレート101の間に介在される。
【0048】
セルスタック20,60の全体は、上部に熱交換器として機能するフィンに沿ってファン111の風路を配設しているセルスタック容器120に格納されている。セルスタック容器120には、セルスタック20,60を冷却する必要数の冷却用のファン111が配設され、必要に応じて冷却を行えるようになっている。
セルスタック20,60の底面側も、セルスタック20,60からセルスタック容器120が浮き上がる波構造112となっている。即ち、セルスタック20,60は、セルスタック容器120に格納され、セルスタック20,60とセルスタック容器120によって冷却されるようになっている。
【0049】
そして、エンドプレート101に締付軸108とナット110を取付ける。締付軸108を取付けたエンドプレート101を設置面に平行にして、そのエンドプレート101に集電板を配置し、その上にクッション層を介在させて、金属層が形成された双極板105を具えるセルフレームを積層する。続けて、正極電極102、負極電極104、隔膜104、負極電極104(正極電極102)からなる単セルを繰り返し積層する。この積層工程は、集電構造上に、順次正極電極102、隔膜103、負極電極104を一枚ずつ積み重ねる。所定数のセルフレームや正極電極102、隔膜103、負極電極104を積層した積層体をエンドプレート101上の集電構造に載せることを繰り返して行っても良い。そして、所望のセル数を積層した後、再び、金属層が形成された双極板105を有するセルフレームを最後のセルに抱き合わせ、クッション層を介在させて集電板を積層する。
【0050】
双極板105に、双極板105よりも導電率の高い金属材料からなる金属層を形成することで、電極板102,102と双極板105とを導通させ易くなる。加えて、可撓性を有するクッション層を双極板105と集電板との間、特に、双極板に形成される金属層と集電板との間に介在させることで、負圧下においても、金属層と集電板との導通面積を多くとることができる。したがって、集電板と双極板105との間における抵抗を低減できるとともに、抵抗の上昇を抑制することもできる。
集電板と双極板105との間の抵抗を低減でき、かつ、負圧下における抵抗の上昇を抑制できるので、電池出力の低下や、電池容量の低下等、抵抗による電気的損失を低減することができる。したがって、電気的損失の少ない電池となる。
【0051】
セルスタック20,60は、電極板102が交互に配設され、負極24,64と正極25,65との間の隔膜23A,23Bにより負極側セル路21,61または正極側セル路22,82に分かれ、リード線26A,27Bによって充放電回路が形成されている。
即ち、セルスタック20,60は、電解液容器11,31,51,71の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75が循環する負極側セル路21,61と、正極側セル路22,62を形成し、液体循環ポンプ12,32,52,72によって電解液が循環されている。
【0052】
本実施の形態のレドックスフロー電池300は、その端子電圧が低いとき、ソーラーパネル301から充電を行う。正確には、逆流防止用ダイオード302,303の順方向電圧降下の2倍をソーラーパネル301の出力に加算した電圧以上で、ソーラーパネル301からレドックスフロー電池300の充電を行う。
レドックスフロー電池300の端子電圧が、ソーラーパネル301の出力電圧値のとき、インバータ304は直流を交流に変換して、商用電源305側に電力を出力する。
【0053】
このとき、ソーラーパネル301の出力が低下したとすると、ソーラーパネル301は逆流防止用ダイオード302,303で逆バイアス状態になるから、ソーラーパネル301はレドックスフロー電池300から保護される。ところが、レドックスフロー電池300はインバータ304の入力となっているから、レドックスフロー電池300の充電電圧を使用してしまう可能性がある。
そこで、
図1、
図2に示すように、ソーラーパネル301とインバータ304の接続点に、逆流防止用ダイオード302を順方向に接続し、また、ソーラーパネル301とインバータ304の接続点に接続する側のリード線26A、27Bに、逆流防止用ダイオード302を順方向に接続する。
【0054】
これによって、ソーラーパネル301の起電力はインバータ304に出力され、インバータ304側の負荷の少ないとき、ソーラーパネル301の起電力の大きいときには、レドックスフロー電池300の充電を行うこともできる。
したがって、インバータ304の負荷が軽い場合には、ソーラーパネル301の起電力はレドックスフロー電池300の充電を主として行い、通常状態では、ソーラーパネル301の起電力は、インバータ304の負荷に合わせて出力し、余剰電力で、レドックスフロー電池300の充電を行う。
夜間のようなソーラーパネル301の起電力がないとき、レドックスフロー電池300の放電により、インバータ304から出力する。この出力は家庭内負荷として、家庭外負荷として使用できる。
【0055】
本実施の形態で使用している液体循環ポンプ12,32,52,71は、実施例ではスムーズフローポンプ(株式会社タクミナ製造)を使用したが、例えば、オール樹脂水中ポンプセムポン、ソレノイド駆動式ダイヤフラム定量ポンプ(セムコーポレーション)等のように合成樹脂で電解液の流路全体がカバーされているものであればよい。液体循環ポンプ機能の全体が樹脂で覆われていればよい。何れにせよ、液体送給用のポンプを構成する構成材が、合成樹脂により構成されてもよく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリエステル等で電硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を送給する構成を形成している。
【0056】
特に、
図2は
図1の実施例のセルスタック20,60をそのまま使用し、その直流出力をセルスタック20とセルスタック60との直列接続としたものである。セルスタック20の負極側セル路21は負極を出力し、セルスタック20の正極側セル路22は正極を出力する。また、セルスタック60の負極側セル路61は負極を出力し、セルスタック60の正極側セル路62は正極を出力する。
そして、電解液容器11は2台の液体循環ポンプ12,52を介して負極側セル路21が負極側セル路21に電解液を送給する。また、電解液容器31は2台の液体循環ポンプ32,72を介して正極側セル路22が負極側セル路62に電解液を送給する。
【0057】
本実施の形態のレドックスフロー電池は、2個以上のセルスタック20,60の出力を直列接続した少なくともリード線26A,26B,27A,27Bからなる出力回路と、前記セルスタック20,60を通過する電解液を収容する正極側電解液容器31,71と、前記セルスタック20,60を通過する前記電解液を収容する負極側電解液容器11,51と、前記セルスタック20,60を通過する電解液の流れが充電と放電共に同一方向とする正極側充放電循環路33,73と、セルスタック20,60を通過する前記電解液の流れが充電と放電共に同一方向とする負極側充放電循環路13,53と、正極側充放電循環路33,73の前記電解液を、前記セルスタック20,60、正極側電解液容器31,71との間の流速を増加させる正極側液体循環ポンプ12,32,52,72と、負極側充放電循環路13,53の前記電解液を、前記セルスタック20,60、負極側電解液容器11,31,51,71との間の流速を増加させる負極側液体循環ポンプ12,32,52,71とを具備するものである。
【0058】
図5に示す共通する液体循環ポンプ12,32,52,72について説明する。
液体循環ポンプ12は、負極側セル路21から循環管路13a、液体循環ポンプ12、循環管路13bから電解液容器11の硫酸バナジウム水溶液15に入り、循環管路13aを介する負極性の循環路を形成する。
また、液体循環ポンプ52は、負極側セル路61から循環管路53a、液体循環ポンプ52、循環管路53bから電解液容器15の硫酸バナジウム水溶液15に入り、循環管路13c、循環管路13dを介して負極性の循環路を形成する。
【0059】
液体循環ポンプ32は、正極側セル路22から循環管路33a、液体循環ポンプ32、循環管路33bから電解液容器31の硫酸バナジウム水溶液35に入り、循環管路33cを介する負極性の循環路を形成する。
また、液体循環ポンプ72は、正極側セル路62から循環管路73a、液体循環ポンプ72、循環管路73bから電解液容器31の硫酸バナジウム水溶液35に入り、循環管路13c、循環管路13dを介して負極性の循環路を形成する
このように、液体循環ポンプ12,32,52,72は、負極側セル路21,61の硫酸バナジウム水溶液15,55,35,65を循環させ、負極側セル路21,61に対してバナジウムイオンの『価』数の違いを明確にする循環経路を形成している。
【0060】
図5は、負極側セル路21から循環管路13a、1台の液体循環ポンプ12、循環管路13b、電解液容器11、循環管路13c、負極側セル路21と硫酸バナジウム水溶液15が循環する。同時に、正極側は、液体循環ポンプ32の回転により、正極側セル容器31から循環管路33a、1台の液体循環ポンプ32、循環管路33b、正極側セル容器31と硫酸バナジウム水溶液25が循環する循環系を示すものである。
また、負極側セル路61から循環管路53a、1台の液体循環ポンプ52、循環管路53b、電解液容器51、循環管路53c、負極側セル路61と硫酸バナジウム水溶液51が循環する。同時に、液体循環ポンプ72の回転により、正極側セル容器62から循環管路73a、1台の液体循環ポンプ72、循環管路73b、電解液容器71、循環管路73c、負極側セル容器61と硫酸バナジウム水溶液15が循環する循環系を示すものである。
【0061】
図6は液体循環ポンプ12,32,52,72の他の例で、2台使用した動作を説明する説明図である。
負極側セル路21,61から循環管路13a、液体循環ポンプ12a、循環管路13bによって、電解液容器11aの中の硫酸バナジウム水溶液15aが挿入循環管路53aから排出し、そして、撹拌し、撹拌した硫酸バナジウム水溶液15を管路61aから吸収し、更に、循環管路13
b1、液体循環ポンプ12b、循環管路13
b2から電解液容器11bの硫酸バナジウム水溶液15b中の挿入循環管路53bから排出し、撹拌した硫酸バナジウム水溶液15,55を管路61bから吸収し、循環管路13cを介して、負極側セル路21,61に戻る液体の第1の循環経路及び第2の循環経路である。負極側セル路21,61の硫酸バナジウム水溶液15を循環させ、負極側セル路21に対してバナジウムイオンの『価』数の違いを明確にする循環経路を形成している。
【0062】
図1及び
図2に示す液体循環ポンプ12,32,52,72としてのインペラポンプの概略図を
図4としてまとめる。他に、ギヤポンプ、ベーンポンプ等も使用でき、本発明を実施するには、インペラポンプに限定さるものではない。
図4において、インペラポンプは電動機を収容した本体部201と、吸入口206及び吐出口207を本体部201のフランジ204に、ポンプ部209のフランジ203を取付けている。インペラ208は本体部201の電動機のシャフトに取付けられており、電動機と同一回転数で回転する。
なお、インペラ208の吐出口207の逆方向に配設されているのは、座部202である。
したがって、本体部201の内部の電動機が回転すると、電解液に遠心力が加わり、吐出口207から放射方向に飛び出し、吸入口206側を負圧とする。よって、インペラポンプは液体循環ポンプ12,32,52,72として機能する。
通常、液体循環ポンプ12,32,52,72は、空気を巻き込まない構成として使用される。
【0063】
ここで、液体循環ポンプ12,32,52,72を定速回転とし、負極側セル路21,61から循環管路13a、液体循環ポンプ12、循環管路13b、電解液容器11、循環管路13c、負極側セル路21,61と硫酸バナジウム水溶液15,55が循環する。同時に、液体循環ポンプ12,32,52,72の回転により、正極側セル路22から循環管路33a、液体循環ポンプ32、循環管路33b、電解液容器31、循環管路33c、正極側セル路22,62と硫酸バナジウム水溶液35,75が循環する。
このとき、ソーラーパネル301は、レドックスフロー電池300に充放電を行い、インバータ304は、特定のプログラムに従って、売電の交流発電機305側に電力を供給する。ソーラーパネル301の出力は、所定の直流電圧として、リード線26Aによって負の電圧を、リード線27Bに正の電圧を印加する。
【0064】
また、液体循環ポンプ12と液体循環ポンプ32を正圧側と負圧側に2台配設しても、インペラ208の吸入口206側から吐出口207の間には、インペラ208とポンプ部209が密閉状態にないから、流体抵抗が小さく液体の流れを流れ難くすることがなく、1/2台の負荷で運転できる。
そして、液体循環ポンプ12の2台と、液体循環ポンプ32の2台を同時駆動させたときは、インペラ208の吸入口206側から吐出口207の間には各々2倍の流速の電解液の流れが生じるから、0.5倍と2倍の能力で駆動させることができる。液体循環ポンプ12の3台及び液体循環ポンプ32の3台配設した場合も同様となり、必要に応じて設定された能力で駆動させることができる。
液体循環ポンプ12,32,52,71が直列使用する説明としているが、それらを並列接続としてもよいし、直並列接続としてもよい。
【0065】
図6は負極側セル路21から循環管路13a、1台の液体循環ポンプ12a、循環管路13b、電解液容器11aの循環管路13
b1、他の1台の液体循環ポンプ12b、電解液容器11bの循環管路13
b2、電解液容器11bの循環管路13c、負極側セル路21と循環する。
【0066】
また、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65は、次の化学式のように変化する 。
正極反応は VO2+ + H2O →/← VO2
+ + e- + 2H+
(4価(青)) (5価(黄))
負極反応は VO3+ + e- →/← VO2+
(3価(緑)) (2価(紫))
但し、矢印→は充電、矢印←は放電である。
硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65を電解液として用いるレドックスフロー電池300では、正極と負極がバナジウムイオンの『価』数の増減によって充放電ができる。
このように、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65を電解液として用いるレドックスフロー電池300では、正極と負極がバナジウムイオンの『価』数の増減によって充放電ができるから、電解液としての硫酸バナジウム水溶液15,35が原理的には劣化しないから、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65に劣化が生じない。
【0067】
硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65を電解液として用いるレドックスフロー電池300に使用する負極の2価バナジウムは「紫色」、3価バナジウムは「緑色」、また、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。負極は充電完了のとき2価バナジウムは「紫色」となり、放電完了したとき、3価バナジウムは「緑色」となる。また、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。正極は充電完了のとき2価バナジウムは「黄色」となり、放電完了したとき、4価バナジウムは「青色」となる。
【0069】
硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65を電解液として用いるレドックスフロー電池300に使用する負極は、2価バナジウムが「紫色」、3価バナジウムが「緑色」、また、正極は4価バナジウムが「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。負極は充電完了のとき2価バナジウムは「紫色」となり、放電完了したとき、3価バナジウムは「緑色」となる。また、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。正極は充電完了のとき2価バナジウムは「黄色」となり、放電完了したとき、4価バナジウムは「青色」となる。
【0070】
したがって、これを
図8のカラートライアングルで示すと、正極の4価バナジウムは「青色(450~495nm)」、5価バナジウムは「黄色(570~590nm)」となり、
図7に示す「黄色」と「青色」との間の領域上の色を移動することに
なる。
なお、
図7は波長と感度の関係を示すものである。
【0071】
図示のように光の三原色の「赤色(Red波長:625~740nm)」、「緑色(Green波長:500~560nm)」、「青色(Blue波長:445~485nm)」は光の三原色であるが、本実施の形態では、「黄色」と「青色」、「紫色」と「緑色」の間の色彩をカラーセンサ17で検出するものであるから、色彩の検出として光の三原色を使用していない。勿論、カラーセンサ17は色彩を3色としてもよい。
【0072】
そこで、「黄色」と「青色」または「紫色」と「緑色」の変化として、波長380~780[nm]の単色の「黄色変化」または「青色の変化」とみることができる。それぞれ単色の変化、複数色の変化としてカラーセンサ17で検出することができる。
また、発明者らの実験によれば、波長380~780[nm]の単色の検出で実現できることを確認した。
【0073】
例えば、分光測色計(CM-700d;コニカミノルタ株式会社)16の入力にde:8°の受光を行うように光ファイバー(8φ)の下端からの光を導いている。充電開始と放電完了を測定し、正極の反応を
図8のカラートライアングルに示すと充電完了により5価「黄」となり、放電完了により4価の「青」とな
る。
通常の放電残量は、充電完了の「黄」と放電完了の「青」とを領域上で、「黄」が100%の容量であり、「青」が0%の放電残量であった。
発明者らの実験によれば、読み取り誤差が大きいが、略比例関係が確認された。
【0074】
分光測色計(CM-700d;コニカミノルタ株式会社)としてのカラーセンサ17は、Strawberry Linux(登録商標)社製のカラーセンサ(TCS34725)搭載回路で、代替を試みている。その他、オプテックス・エフエー社製のDM-18TN等も、樹脂コーティングすれば使用できることを確認した。
TCS34725を搭載したカラーセンサ16のモジュールは、カラーセンサ17を環境の色が変化しないように、また、白色LEDを搭載することで暗闇でも色彩の判別ができるようしている。
【0075】
白色発光ダイオード、即ち、LED45は、基準色の発光光に近似し、色彩検出部44の周囲が暗くなるのを防止している。また、透過光、散乱光または反射光により、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65を電解液の色彩を正確に検出できるようにしている。そのため、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65中に電解液が均一に分散し易いようになっている。色彩検出部44に配設されている光ファイバーの下端は、透過光、散乱光または反射光により、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65を電解液の色彩を正確に検出するものである。オプティカルファイバーの上端は、分光測色計(CM-700d;コニカミノルタ株式会社)の検出孔に接続している。
【0076】
図8のカラートライアングルに示す正極側の充電完了により5価「黄」となり、放電完了により4価の「青」とな
る。
また、負極側からみれば
、充電完了の「紫」と放電完了の「緑」とを領域上で、「紫」が100%の容量であり、「緑」が0%の放電残量になる。
これらは独立に正極側の正電極と負極側の負電極に現れる
。したがって、同一情報を正極側と負極側の2系統から取得できることになる。
特に、正極側の充電完了により「黄」から「青」に、また、負極側の「紫」から「緑」
への変化を特定の色彩を固定することにより、領域として検出することもできる。
【0077】
本実施の形態では「黄」から「青」、「紫」から「緑」とし、その間を8個または3個に分割し、放電残量の評価に使用している。勿論、任意に分割すればよい。「黄」から「青」で説明すると、「黄色」が100%の充電された電力を保持する放電残量になる。逆に、「青色」が0%の放電残量になる。そこで、
100%(黄)、75%、50%、25%、0%(青)
と、「黄」から「青」で、また、「黄」から「青」で各5段階に区割けして説明することもできる。
【0078】
正極の4価バナジウムの「青色(450~495nm)」、5価バナジウムの「黄色(570~590nm)」の間を単純に5個または10個に区分することもできる。
【0079】
光ファイバー46の上端にあるカラーセンサ17は3色を検出し、各色16ビットの分解能を有している。
白色LED(380~780色彩)は負極側電解液容器11,51,に入った電解液である硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65の色彩の判別ができるよう発光しており、白色LEDを搭載することで暗闇でも色彩の判別ができるようしている。
このカラーセンサ17の「赤色(Red)」、「緑色(Green)」、「青色(Blue)」の3色は、白色LED(380~780色彩)を得ていることから、相手方の出力とするフォトカプラとしての構成を示しており、勿論、積極的にフォトカプラとして構成してもよい。
【0080】
そこで、負極においては2価バナジウムの「紫色」と3価バナジウムの「緑色」とを結ぶ領域上に現在の充放電残量がある。また、正極においては4価バナジウムの「青色」と5価バナジウムの「黄色」とを結ぶ領域下と推定される特定の波長に振幅に放電残量がある。
特に、充電中であっても、放電中であっても、放電残量を測定できる。したがって、通常の二次電池であれば、充電時間と通電電流から充放電残量を測定するのが一般的であるが、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65を電解液として用いるレドックスフロー電池ではレドックスフロー電池の負荷が加わっていると、加わっていないとに関係なく、その時点の充放電残量を測定できる。
【0081】
しかも、2価バナジウムの「紫色」と3価バナジウムの「緑色」とを結ぶ領域、4価バナジウムの「青色」と5価バナジウムの「黄色」とを結ぶ領域下で、当該硫酸バナジウム水溶液の色を判別するものであるから、色彩で判断され、読み取り誤差を少なくすることができる。
また、発光にはLDE18が特定の周波数(白色)で発光し、しかも、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65が循環するセルスタック20,60の負極側セル路21と、その特定の周波数を検出するから、その発光色の周波数を少ない誤差で検出することができる。
【0082】
特に、2個の発光色の検出が異なったとき、放電残量の少ない充放電残量の検出値を採用し、再度の充電のタイミングを効率よく行うようにする。
現在の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65からなる電解液の色が1走査の何れの波長380~700[nm]にあるかを検出する。
【0083】
即ち、負極における2価バナジウムの「紫色(380~450nm)」から3価バナジウムの「緑色(495~570nm)」の電解液、同様に、正極における4価バナジウムの「青色(450~495nm)」から5価バナジウムの「黄色(570~590nm)」の電解液は、例えば、負極は2価バナジウムの「紫色」(380nm)と3価バナジウムの「緑色(495nm)」または負極は2価バナジウムの「紫色(450nm)」と3価バナジウムの「緑色」(570nm)と領域を変化することになる。少なくとも、電解液の色が380~700[nm]の何れにあるかを検出する光検出能力を有していればよい。
【0084】
即ち、電解液の波長が380~700[nm]を
100%(黄),90%,80%,・・・・,20%,10%,0%(青)
と均等に区分してもよいし、〇(黄),△,×(青)の3種類に重み付けを行ってもよい。通常、5段階程度に評価するのが望ましい。
【0085】
このように、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65を電解液として用いるレドックスフロー電池300では、正極と負極がバナジウムイオンの『価』数の増減によって充放電ができるものであるから、電解液としての硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65が原理的には劣化しないから、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65に劣化が生じない。
レドックスフロー電池300では、正極と負極がバナジウムイオンの『価』数の増減によって充放電ができるものであるから、電解液としての硫酸バナジウム水溶液15,35が原理的には劣化しないから、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65に劣化が生じない。
【0086】
次に、電解液容器11,31,51,71の端部を均一化する電解液分配器50について説明する。
図1及び
図2、
図9乃至
図15に示すように、合成樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタラート等の耐電解液で形成されたパイプからなる循環管路13,33,53,73で、液体循環ポンプ12,32,52,71に接続され、電解液容器11,31,51,71から硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65の電解液を循環させている。これらの循環系を均一化するために、電解液分配器50を標準化し、何れの電解液容器11,31,51,71にも適用できるようにしている。
【0087】
耐電解液で形成された熱可塑性樹脂としては、例えば、エンジニアリング・プラスチック(エンプラ)に属するポリアミド46(PA46)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂(ナイロン等)、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等や、スーパー・エンジニアリング・プラスチック(スーパーエンプラ)に属するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリサルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂、非晶ポリアリレート(PAR)樹脂、液晶ポリマ(LCP)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリアミドイミド樹脂等や、汎用樹脂に属するポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリ酢酸ビニル(PVAc)樹脂、ABS樹脂、アクリルニトリルスチレン(AS)樹脂、アクリル(PMMA)樹脂等を使用できる。これらは1種を単独で用いても良いし2種以上を組み合わせて用いても良い。このような熱可塑性樹脂を使用した場合には、必要に応じて熱可塑性樹脂を可塑化するための可塑剤がある。
【0088】
まず、電解液分配器50は、循環管路13,33に挿入循環管路53を接続している。また、循環管路13,33は挿入循環管路53(13)と一体的に形成されていてもよい。
循環管路13,33が排出する挿入循環管路53(13)に穿設された開口孔54は複数配設されている。循環管路53が下降を防止して分岐されている開口孔54は、循環管路53の開口断面積よりもその面積が大きくなっている。
電解液容器11,31に接続された挿入循環管路53(13)は、図示しないコネクタ、接着剤等の接続手段を使用して接続されている。勿論、シール性を高くするために、図示しないパッキング等も使用される。しかし、本発明を実施する場合には、電解液容器11,31と挿入循環管路53は一体に接続され、必要に応じて彎曲させるのが望ましい。
【0089】
電解液分配器50の循環管路13a,33aは、液体循環ポンプ12,32,52,72に接続されており、電解液分配器50の外部から循環管路13a,33aを通り、大径管路80の内部に電解液が液体循環ポンプ12,32,52,71によって上から下に向かって循環する。
即ち、循環管路13a,33aは電解液分配器50の上端部を挿通し、電解液分配器50と挿入循環管路93及び循環管路51、循環管路82(13b)が合成樹脂管によって一体に形成されている。この電解液分配器50の長さは、電解液容器11,31の長さの比率の7/10~10/10、好ましくは、8/10~9/10の位置範囲とするのが望ましい。
また、電解液分配器50の長さは、1/10~810、好ましくは、2/10~4/10の範囲とするのが望ましい。電解液分配器50と管路51(13b)、管路82(13b)が合成樹脂管によって一体に形成される。
【0090】
電解液分配器50の循環管路51(13b)、管路82(13b)は、循環管路13cとして形成され、循環管路51(13b)の下端は、電解液分配器50から電解液容器11,31を通り、具体的には、下方の循環管路51(13b)から循環管路82(13b)に電解液が移動するようにしている。
また、フィルタ84は塵埃の除去、硫酸バナジウム水溶液15,35の呼吸用としている。電解液分配器50の締め付け具81は、堅固に電解液容器11,31に固定するため弾性パッキン、弾性フィルタ及び加工液が漏れないようなシール構造となっている。そして、締め付け具81によって電解液容器11,31に堅固に取り付け可能となっている。
そして、電解液分配器50の下部には色彩検出部44が形成されていて、その基板48の一面に白色LED45が固定されている。白色LED45は基板全面を合成樹脂でモールドされたものである。
【0091】
次に、電解液分配器50の動作を説明する。
液体循環ポンプ12,32,52,72に接続されている電解液分配器50の透明大径管体92内の電解液は、液体循環ポンプ12,32,52,72から送出され、循環管路13a,33a、挿入循環管路93を通り、挿入循環管路93に穿設された開口孔94から、透明大径管体92の内部に流れ、整流部49となって色彩検出部44に供給される。色彩検出部44では、白色のLED45が電気的に導かれ、そこに整流部49で整流された電解液が供給され、色彩検出部44は所定の色彩を出力する。色彩検出部44では光ファイバー46の端部から色彩検出部44の内部光を透過光、散乱光または反射光として検出している。
【0092】
整流部49は電解液の流れを、部分的に乱すことなく流すもので、公知の形状が使用できる。また、色彩検出部44を流れる硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65の流量により、光ファイバー46の端部から色彩検出部44の内部光を透過光、散乱光または反射光として検出し、色彩検出部44で光ファイバー46が透過光、散乱光または反射光を検出するとき、光ファイバー46の接着剤で固定した先端が、格別焦点を調節することなく、焦点距離を外すことにより、色彩のみを検出できるようにしている。また、色彩検出部44の内部を白色とすることにより、透過光、散乱光または反射光を明確に判別できる。
【0093】
また、大径の透明大径管体86の下端側は合成樹脂で公知の手段によって端部材40を一体に接合されている。その底面には、電解液を流す整流部49がスリットとして形成されている。そして、挿入循環管路93(13a)の下部は端部材40として、複数の開口孔94が設けられた状態で、電解液の通路を形成されている。即ち、液体循環ポンプ12,32,52,71から送られた電解液は、挿入循環管路93を下降し、複数の開口孔94から挿入循環管路93を出て、透明大径管体86に入り、スリット49aを下降し、白色LED45及び光ファイバー46の先端で検出される。
【0094】
なお、カラーセンサ17としてオプテックス・エフエー社製のDM-18TN等を使用する場合には、白色LED45及び図示しない「赤色」、「青色」、「緑色」の3個のフォトダイオードからなるフォトカプラでは、380~700[nm]の波長をスイープ(Sweep)させ、電解液の色が何れにあるかを検出する光検出能力を有している。
本実施の形態では、セコニックスペクトロマスターC-7000によって実測し、負極における2価バナジウムの「紫色」から3価バナジウムの「緑色」、同様に、正極における4価バナジウムの「青色」から5価バナジウムの「黄色」を測定し、その「紫色」と「緑色」と、「青色」と「黄色」との間を測定し、放電と充電を3~20に分割している。
【0095】
したがって、放電と充電を3~20の均等目盛に分割される。即ち、カラーセンサ17によって検出した放電残量の値を3~20に分割する。
レドックスフロー電池300の放電残量をディスプレイ17で直接表示してもよいが、通常、運転に必要な電力を数値表現できればよいから、例えば、レドックスフロー電池300の放電残量は、最小限度の3段に設定できればよい。特に、充電しなければならない事態が発生し難いので、20段以上に細かく設定してもよい。但し、その重要度は高くない。
【0096】
本実施の形態では、液体循環ポンプ12,32,52,71は、合成樹脂で全体がカバーされ、ポンプ機能のみの全体が樹脂またはゴムで覆われていている物でもよいし、それらから構成されていてもよい。
負極における2価バナジウムの「紫色」から3価バナジウムの「緑色」の電解液の循環に1台、正極における4価バナジウムの「青色」から5価バナジウムの「黄色」の電解液の循環に1台を必要とし、その「紫色」と「緑色」と、「青色」と「黄色」との間を測定し、放電と充電を「紫色」から「緑色」と、「青色」から「黄色」に前述したように、3~20の評価に分割できる。
したがって、液体循環ポンプ12,32,52,71は、少なくとも2台は必要である。いずれにせよ、液体循環ポンプ12、液体循環ポンプ32は2台追加したり、4台追加したりする場合には偶数台となる。これを対で見れば1対以上となる。
【0097】
次に、フロートセンサ100について説明する。
負極側の電解液容器11,31,51,71には硫酸バナジウム水溶液15,35,55,65が、正極側の電解液容器11,31,51,71には硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75が充填されている。電解液容器11,31,51,71と電解液容器31の液位を検出し、電解液容器11,31,51,71と電解液容器11,31,51,71の電解液の液面を知るフロートセンサ100は、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75が収容されている電解液容器11,31,51,71または電解液容器11,31,51,71に配設されている。フロートセンサ100に形成された螺子部105によって、電解液容器11,31,51,71に締め付けられている。
フロートセンサ100は中心には中心移動杆101が配設され、中心移動杆101の周囲をフロート123が上下動するようになっている。フロート123には永久磁石が埋設されており、中心移動杆101に埋設されたリードスイッチ124からなるフロートセンサ100が配設されている。
なお、ガイド筒105は、中心移動杆101の周囲をフロート123が上下動するとき、周囲にフロート123が衝突しないようにしている。
【0098】
したがって、例えば、正極側の電解液容器31,71には硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を入れる容器の上面から天板に設けた中心移動杆101の取付孔に取付けられる。フロートセンサ100は、内部にリードスイッチ124が埋設された発泡合成樹脂からなるフロートセンサ100で、フロートセンサ100が距離Lだけ自在に移動し、フロートセンサ100のフロートセンサ100が距離Lの移動範囲に電解液の液面があり、所定の液位でフロートセンサ100がオン・オフ信号を出力する。
なお、水位センサ摘み128は、負極側の電解液容器11,51,の螺子込みを行うものであり、フィルタ109は負極側の電解液容器11,51の変動する水位の呼吸用である。
また、本実施の形態では、フロートセンサ100を電解液分配器50と別に設けたものであるが、本発明を実施する場合は、電解液分配器50にフロートセンサ100を組み付けることができる。例えば、挿入循環管路93(13a)、管路81(13b)にフロート123を取付けても良いし、或いは、電解液分配器50の内部にフロートセンサ100を設けてもよい。
【0099】
図9は例えば、負極側セル路21の電解液容器11、正極側セルの電解液容器31に通気孔109を設けた電解液分配器50を堅固に締め付け、また、電解液容器11、電解液容器31にもフロートセンサ100を堅固に螺合する。このとき、必要に応じて、ゴムパッキン等を用いてシール性の良い接合を行う。したがって、電解液容器11,31,51,71には液体循環ポンプ12,32,52,72に接続される電解液容器11,31,51,71に対して2本の循環管路13または循環管路33が配設されている。
【0100】
1本の光ファイバー46と、フロートセンサ100のリード線107が引き出されており、また、カラーセンサ17の信号、液体循環ポンプ12、液体循環ポンプ32の信号を制御器(CPU)に接続している。
【0101】
電解液容器11,31,51,71には、各々取手19a,19bが形成されていて、移動自在になっている。負極側セル路21の電解液容器11,31,51,71と正極側セル22の電解液容器31の2個を1対としている。電解液容器11,31,51,71は、負極側セル路21、正極側セル路22に分割されたセルスタック20に電解液を循環させる。
【0102】
このとき、液体循環ポンプ12,32,52,71は各々1台配設したが、前述のように、各々2台または2台以上直列に配設してもよい。当然ながら、硫酸バナジウム水溶液15及び硫酸バナジウム水溶液15,25,55,75の拡販を均一化する液体循環ポンプを1台以上配設してもよい。
【0103】
例えば、
図13に示すように、液体循環ポンプ12を負極側セル路21の電解液容器11と正極側セル路22の電解液容器31の2個を1対としたり、
図15に示すように、負極側セル路21の電解液容器11と正極側セル路22の電解液容器31の2個を1対とする2対設けたり、図示ないが3対、或いは4対設けることもできる。
【0104】
本実施の形態では、電解液分配器50とフロートセンサ100、電解液容器11,31,51,71を標準化しているから、電池収納本体400との選択で標準化したレドックスフロー電池300が形成できる。
図13は本発明の実施の形態のレドックスフロー電池300で使用する電解液容器11,31,51,71に装着するフロートセンサ100及び電解液分配器50の配設を枠体に対して行う説明図である。
電池収納本体400の電池枠体401は、断面4角金属杆を合成樹脂でモールドして、酸に腐食し難いように構成している。電池枠体401の内側には、電解液容器11または電解液容器31が上から挿入自在な容器空間402,403が一体化され、また、制御器格納空間404も一体化され、容器空間402,403及び制御器格納空間404が一体となって、電解液容器11及び電解液容器31の1/3~2/3の高さの位置までを電解液漏れを生じた場合には、その内側の容器空間402,403及び制御器格納空間404が一体となった容器で液漏れを防止している。
【0105】
また、本実施の形態の容器空間402,403及び制御器格納空間404で一体となった容器は、合成樹脂のフイルム等を用いてブロー成型しているが、容器空間402,403及び制御器格納空間404の下部を連通させるよう整形してもよい。
制御器格納空間404の上部には、負極側セル路21を格納する空間が形成されていて、そこにセルスタック20,60が接続されている。
本実施の形態では、制御器格納空間404の上部がセルスタック40Bを格納する空間及び蓋体406の裏面で電解液のコントローラを構成している。
【0106】
蓋体206の上面には、マイクロコンピュータからなる制御装置CPU、及びその制御線が、下面には
図15に示す液体循環ポンプ12,32,52,72並びに各配管が配設されている。
例えば、電解液分配器50の白色のLED45のリード線、フロートセンサ100のリード線、容器空間402,403及び制御器格納空間404が一体となった容器の湿度センサまたは水漏れセンサ、水センサ等がマイクロコンピュータCPUに接続されている。また、正常に運転しているか否か、充電中であるか、放電中であるかの表示等も行われている。
【0107】
図13は1個の電解液容器11と1個の電解液容器31とし、電解液容器11,31を基本的に正極及び負極1対の2個とし、かつ、同一形状とすることにより、異なった部品点数を少なくしたものである。また、
図14は、2個の電解液容器11と2個の電解液容器31とし、電解液容器11,31を基本的に2倍とし、かつ、同一形状とすることにより、異なった部品点数を少なくしたものである。
本実施の形態の特徴は、1個の電解液容器11,31,51,71を何倍かに使用できるようにしたものである。他の構成は、
図13と相違するものではない。1個の電解液容器11,31,51,71は4倍、6倍、8倍、・・・しても、1対毎に増加できることを示すものである。
【0108】
また、
図14では、電解液容器11を2個、電解液容器31を2個配設したものである。
勿論、負極側は、負極側セル路21、循環管路13a、液体循環ポンプ12、循環管路13b、硫酸バナジウム水溶液15、循環管路13c、正極側セル路21と循環して正極側セル路21に戻る。また、正極側は、液体循環ポンプ32対して直列に正極側セル路22、循環管路33a、液体循環ポンプ32、循環管路33b、硫酸バナジウム水溶液35、循環管路33c、負極側セル路21と循環して、正極側セル路22に戻る系統を付け加えるものである。
【0109】
このとき、負極側セル路21の硫酸バナジウム水溶液15の出口と正極側セル路22の硫酸バナジウム水溶液35の出口を同一端部としたり、負極側セル路21の硫酸バナジウム水溶液15の両者の出口を反対側端部とすることができる。
【0110】
本実施の形態における硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300において、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間または放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間、及び/または4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の色彩をカラーセンサ17で検出し、前記色彩から前記電解液の正極の充電状態を特定する正極側充放電状態検出部と、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間、及び/または2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の色彩をカラーセンサ17で検出し、前記色彩から前記電解液の負極の充電状態を特定する負極側充放電状態検出部を具備し、前記正極側充放電状態検出部及び/または前記負極側充放電状態検出部は、前記電解液の循環管路に配設したLEDの透過光または散乱光、反射光のうちの何れか1以上の検出値により、放電残量の波長(周波数)を算出し、前記波長(周波数)から放電残量を特定する。
【0111】
正極反応は VO2+ + H2O →/← VO2
+ + e- + 2H+
(4価(青)) (5価(黄))
負極反応は VO3+ + e- →/← VO2+
(3価(緑)) (2価(紫))
但し、矢印→は充電、矢印←は放電である。
硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300では、正極と負極がバナジウムイオンの『価』数の増減によって充放電ができるものであるから、電解液としての硫酸バナジウム水溶液が原理的には劣化しないから、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75事態に劣化が生じない。
【0112】
硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300に使用する負極の2価バナジウムは「紫」、3価バナジウムは「緑色」、また、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。負極は充電完了のとき2価バナジウムは「紫色」となり、放電完了したとき、3価バナジウムは「緑色」となる。また、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。正極は充電完了のとき2価バナジウムは「黄色」となり、放電完了したとき、4価バナジウムは「青色」となる。
【0113】
したがって、これを
図8のカラートライアングルで示すと、正極の4価バナジウムは「青色(450~495nm)」、5価バナジウムは「黄色(570~590nm)」間の変化となり、
図8に示す「黄色」と「青色」との間の領域上の色彩を移動することになる。
同様に、負極の2価バナジウムは「紫色(380~450nm)」、3価バナジウムの「緑色(495~570nm)」で、5価バナジウムの「黄色」、3価バナジウムの「緑色」を結んだ領域上の色を移動することになる。正極の4価バナジウムの「青色」、5価バナジウムの「黄色」を結んだ領域上を移動することになる。
【0114】
硫酸バナジウム水溶液15,35を電解液として用いるレドックスフロー電池300に使用する負極の2価バナジウムは「紫色(380~450nm)」、3価バナジウムは「緑色(495~570nm)」、また、正極の4価バナジウムは「青色(450~495nm)」、5価バナジウムは「黄色(570~590nm)」である。負極は充電完了のとき2価バナジウムは「紫色」となり、放電完了したとき、3価バナジウムは「緑色」となる。また、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。正極は充電完了のとき2価バナジウムは「黄色」となり、放電完了したとき、4価バナジウムは「青色」となる。
【0115】
したがって、これを
図8のカラートライアングルで示すと、正極は4価バナジウムは「青色(450~495nm)」、5価バナジウムは「黄色(570~590nm)」となり、
図5に示す「黄色」と「青色」との間の領域上の色を移動することになる。
負極の2価バナジウムの「紫色」、3価バナジウムの「緑色」
との間の領域上を移動することに
なる。
【0116】
発光素子を構成する白色LED45に対し、380~700[nm]を含む周波数の波長を出力させる。受光素子は、特定の波長380~700[nm]の発光光に対して受光素子の出力のピークが特定の波長380~700[nm]の何れかにあるから、前記ピーク値から負極においては2価バナジウムの「紫色(380~450nm)」から3価バナジウムの「緑色(495~570nm)」、また、正極においては4価バナジウムの「青色(450~495nm)」から5価バナジウムの「黄色(570~590nm)」として変化する。
したがって、負極においては2価バナジウムの「紫色」と3価バナジウムの「緑色」とを結ぶ領域上に現在の充放電残量がある。また、正極においては4価バナジウムの「青色」と5価バナジウムの「黄色」とを結ぶ領域下と推定される特定の波長に振幅に充放電残量があることがわかる。
【0117】
特に、充電中であっても、放電中であっても、充放電残量を測定できる。したがって、通常の二次電池であれば、充電時間と通電電流から充放電残量を測定するのが一般的であるが、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300ではレドックスフロー電池300の負荷が加わっていると、加わっていないとに関係なく、その時点の充放電残量を測定できる。
しかも、2価バナジウムの「紫色」と3価バナジウムの「緑色」とを結ぶ領域、4価バナジウムの青色と5価バナジウムの「黄色」とを結ぶ領域下で、当該硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75の色を判別するものであるから、色彩で判断され、読み取り誤差を少なくすることができる。
また、発光にはLDEが特定の周波数で発光し、しかも、フォトカプラを構成するフォトダイオードはその特定の周波数を検出するから、その発光色の周波数をシャープに検出することができる。
【0118】
特に、2個の発光色の放電残量が異なったとき、充電残量を少なくする放電残量の検出値を採用し、再度の充電のタイミングを効率よく行う。
例えば、現在の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75からなる電解液の色が1回約380~700[nm]の走査のうち何れにあるかを検出する。
即ち、負極における2価バナジウムの「紫色(380~450nm)」から3価バナジウムの「緑色(495~570nm)」の電解液、同様に、正極における4価バナジウムの「青色(450~495nm)」から5価バナジウムの「黄色(570~590nm)」の電解液は、例えば、負極は2価バナジウムの「紫色(380nm)」と3価バナジウムの「緑色(495nm)」または負極は2価バナジウムの「紫色(450nm)」と3価バナジウムの「緑色(570nm)」と領域を変化することになる。少なくとも、電解液の色が380~700[nm]の何れにあるかを検出する光検出能力を有していればよい。
【0119】
本実施の形態における硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300において、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間または放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間、及び/または前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の色彩をカラーセンサ17で検出し、前記色彩から前記電解液の正極の充電状態を特定する正極側充放電状態検出部と、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間、及び/または前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の色彩をカラーセンサ17で検出し、前記色彩から前記電解液の負極の充電状態を特定する硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75の色彩と負極側のカラーセンサ17の検出値によって決せられる充放電状態検出部を具備し、前記正極側充放電状態検出部及び/または前記負極側充放電状態検出部は、前記電解液の循環管路に配設した発光ダイオードの透過光または散乱光、反射光の検出値により、放電残量の波長(周波数)を算出し、前記波長(周波数)の検出値の小さい方を充電電力量として特定したものである。
【0120】
この実施の形態の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300は、正極側充放電状態検出部及び/または負極側充放電状態検出部は、電解液の循環管路11,31,51,71に配設した透過光または反射光の検出値により、放電残量の波長(周波数)を算出し、前記波長(周波数)の検出値の小さい方を放電残量として特定した。
硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75として用いるレドックスフロー電池300では、正極と負極がバナジウムイオンの『価』数の増減によって充放電ができるものであるから、電解液としての硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75が原理的には劣化しないから、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75に劣化が生じ難い。
【0121】
また、硫酸バナジウム水溶液15,25,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300においては、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間または放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間、前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の色彩をカラーセンサ17で検出し、前記色彩から前記電解液の正極の充電状態を特定する正極側充放電状態検出部と、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間、前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の色彩をカラーセンサ17で検出し、前記色彩から前記電解液の負極の充電状態を特定する負極側充放電状態検出部は、前記電解液の循環管路に配設した発光ダイオードの透過光または反射光のピーク値を基に充電電力量の波長(周波数)を色彩から算出するものであるから、現在の充電状況を正確に知ることができる。
【0122】
そして、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300においては、正極側充放電状態検出部及び/または負極側充放電状態検出部が、電解液の循環管路13,33,53,73に配設した発光ダイオードの透過光または反射光のピーク値により、正極側充放電状態検出部または負極側充放電状態検出部の検出値の小さい方を充電電力量として算出するから、電池の使用において電圧が異常に低下することがない。
【0123】
また、前記電解液の色彩を基に充電電力量を算出するものであるから、予備の電解液容器の切り替えタイミング時期が明確となり、複数の予備電解液容器の切り替えを正確に行うことができる。
本実施の形態の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300において、正極側充放電状態検出部及び/または負極側充放電状態検出部における電解液の循環管路13,33,53,73に配設した白色発光ダイオード45の散乱光または反射光の検出は、正極側充電状態検出部及び/または負極側充電状態検出部の検出値が、現在の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75からなる電解液の色が380~700スキャニング[nm]の何れにあるかを検出する。
【0124】
即ち、負極における2価バナジウムの「紫色(380~450nm)」から3価バナジウムの「緑色(495~570nm)」の電解液、同様に、正極における4価バナジウムの「青色(450~495nm)」から5価バナジウムの「黄色(570~590nm)」の電解液は、例えば、負極は2価バナジウムの「紫色(380nm)」と3価バナジウムの「緑色(495nm)」または負極は2価バナジウムの「紫色(450nm)」と3価バナジウムの「緑色(570nm)」と領域を変化することになる。少なくとも、電解液の色が380~700[nm]の何れにあるかを検出する光検出能力を有していればよい。
【0125】
本実施の形態の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300において、正極側の検出充放電状態検出部及び/または負極側の充放電状態検出部における電解液の循環管路13,33,53,73に配設した白色LEDの負極側充電状態検出部の検出値が、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液の「紫色(380~450nm)」と「緑色(495~570nm)」を結ぶ何れかの位置、「青色(450~495nm)」と「黄色(570~590nm)」を結ぶ何れかの位置にあるかを検出し、放電残量を算出するものである。
【0126】
このとき、「紫色(380~450nm)」から「緑色」(495~570nm)の領域から得られる放電残量と、「青色」(450~495nm)から「黄色(570~590nm)」の領域から得られる放電残量とを単純平均して電解液の放電残量を出しても良いし、放電残量の放電量が少ない電力量または多い電力量を選択してもよい。
何れにせよ、繰り返し使用している間に両者間の差が少なくなるので、何れを選択しても大きな違いはない。
【0127】
図15は本実施の形態の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300の事例であり、
図1または
図2との相違点のみ説明する。
液体循環ポンプ12,32,52,71は定速回転とし、循環管路13bを介して硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を収容する電解液容器11、循環管路13cを介してセルスタック20の負極側セル路21、循環管路13dを介して負極側セル路21の順で回動する。
同様に、液体循環ポンプ12,32,52,71は定速回転とし、循環管路33aを介して硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を収容する電解液容器31、循環管路33cを介してセルスタック20の正極側セル路22B、循環管路33cを介してセルスタック20の負極側セル路21を回動する。
【0128】
ここで、負極側セル路21から循環管路13a、液体循環ポンプ12、循環管路13b、電解液容器11の硫酸バナジウム水溶液15,25,55,75が循環する電解液容器11及び負極側セル路21、負極側セル路21及び負極側セル路21、循環管路13dの循環管路、並びに、正極側セル路22から循環管路33a、液体循環ポンプ32、循環管路33b、電解液容器31の硫酸バナジウム水溶液35が循環する電解液容器31及び正極側セル路22、循環管路33dの循環管路を循環する。
なお、本実施の形態では、液体循環ポンプ12,32,52,71を増加させない事例である。
【0129】
このように、セルスタック20,60は、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75と、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75の循環管路を独立させ、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を各々と独立させて硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75と硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75の電解液容器11と電解液容器31の容積を大きくすることにより、出力時間を長くすることができる。
セルスタック20,60の循環方向に直列接続することによって、出力電圧を決定することができる。セルスタック20,60の電圧は、隔膜板23を挟む正極電極24及び負極電極25によって決定され、正極電極24及び負極電極25の面積は、定格の通電電流を決定する。
【0130】
即ち、
図15は、セルスタック20側の正極電極24及び負極電極25の面積と、セルスタック20側の正極電極24及び負極電極25の面積とを同一とし、定格の通電電流を変化させず、セルスタック20側の消費電力を大きくしたものである。
セルスタック20とセルスタック20の電力は、セルスタック20を小消費電力とし、本実施の形態の硫酸バナジウム水溶液15,35を電解液として用いるレドックスフロー電池300の制御機器の電力に使用するものである。
【0131】
本発明を実施する場合には、必ずしも、セルスタック20に分離する必要はないが、この実施の形態のようにセルスタック20の構成を追加すると、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75として循環しており、充放電回数、電解液の再使用は変化していないから、セルスタック20とを混合していても、不利になることはない。
特に、セルスタック20側から本実施の形態のレドックスフロー電池の制御用の電力を使用すれば、セルスタック20Aの劣化を低減することができる。
なお、セルスタック20の出力電圧V1とセルスタック20の出力電圧V2とは、V1>V2の関係があるが、V1≧V2とすることもできる。
またそれらの定格電流を変化させることもできる。
【0132】
本発明を実施する場合のセルスタック20,60は、電気的特性をレドックスフロー電池300の起電力の変化及び充電完了の際のレドックスフロー電池300の起電力の変化をみて、電気的特性等の違いを理解するためのものである。
特に、レドックスフロー電池300の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75は、電解液として循環しており、充放電回数、電解液の再使用は変化しないから、セルスタック20,60は比例関係となる。しかし、レドックスフロー電池300等の二次電池の特性を使用する電力によって変化させることができる。
【0133】
本実施の形態の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300において、正極側充放電状態検出部及び/または負極側充放電状態検出部における前記電解液の循環管路13,33に配設した白色LED45の透過光、散乱光または反射光による検出は、前記正極側充電状態検出部及び/または前記負極側充電状態検出部の検出値が、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液の「紫色(380~450nm)」と「緑色(495~570nm)」、「青色(450~495nm)」と「黄色(570~590nm)」の領域の何れにあるかを検出すると共に、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75の電解液の循環管路15,35に配設した補助セルの充放電特性から、放電残量を算出したり、それによって補正してもよい。
【0134】
図13は本実施の形態の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300の制御構成について説明する。
レドックスフロー電池300及びソーラーパネル301及びインバータ304、商用電源305は、
図1及び
図2と同じであるから、その説明を割愛する。
【0135】
制御装置CPUには、図示していないが、電解液容器11及び電解液容器31からの電解液の漏れ、また、セルスタック20からセルスタック容器120に対する漏れを検出する必要数量の湿度センサの出力を二値入力している。
また、必要数量のフロートセンサ100が制御装置CPUの二値入力としている。そして、必要数の白色LED45を点灯させる出力を、必要数のカラーセンサ17の検出出力を制御装置CPUから出力している。更に、レドックスフロー電池300の放電残量をディスプレイ18で表示するもので、表示対象を3~20に分割している。液体循環ポンプ12及び液体循環ポンプ32についても、必要数の対の液体循環ポンプ12,32,52,72に電力を供給している。本実施の形態においては、通常、100%の電力で回転させて充電及び放電を行い。また、充電及び放電が少ないときには、1/3~1/10の回転数で充電及び放電を行う。
【0136】
本実施の形態の硫酸バナジウム水溶液15,35を電解液として用いるレドックスフロー電池300は、
図14のフローチャートのように制御される。
【0137】
ステップS1でレドックスフロー電池300の湿度センサから硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75が漏れ出していないかを判断し、漏れ出しているのであれは、ステップS2で硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300の正負の端子開放し、レドックスフロー電池300からの充放電を停止し、ステップS3でLEDからなるディスプレイ18を点滅または片側または両側を赤色として連続点灯を行う。
このとき、カラーセンサ17は何ら作用していない。湿度センサが動作すると、ステップS1乃至ステップS3のルーチンの処理を繰り返し実行する。
【0138】
ステップS1で湿度センサから硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75が漏れ出していないと判断したとき、ステップS4でカラーセンサ17によつてステップS5で、LEDからなるディスプレイ18に数値または色彩を点灯させ、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75の放電残量を示す。このディスプレイ18に数値または色彩を点灯させるのは、レドックスフロー電池300の使用中の問題ではなく、周囲の二次電池の維持管理に対する監視効果として提供するデータである。
ステップS6のフロートセンサ100の値が所定の範囲内(高い値と低い値に挟まれた範囲)であるか判断し、実施例においては、フロートセンサ100の値が所定の液位よりも高い値のとき、液体循環ポンプ12の回転速度を低下させる。
【0139】
逆に、フロートセンサ100の値が所定の液位よりも低い値のとき、液体循環ポンプ12の回転速度を高くする。ステップS6及びステップS7で液体循環ポンプ15,35,55,75も同様に速度制御される。
ステップS8で硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75をレドックスフロー電池300の電解液として用いている。ここで、レドックスフロー電池300の放電負荷が小さいとき、言い換えれば、レドックスフロー電池300の充電負荷が小さいとき、これは、充電電流または放電電流が小さいとき、ステップS9で液体循環ポンプ12,32,52,71の電流を1/2~1/10程度に低下させる。少なくとも、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75が循環させている。
【0140】
また、ステップS8でレドックスフロー電池300の電解液として硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を用いているが、レドックスフロー電池300の放電負荷が大きいとき、即ち、レドックスフロー電池300の充電負荷が大きいとき、充電電流または放電電流が大きいことを意味するから、ステップS10で液体循環ポンプ12,32,52,71の電流を100%に上昇し、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75が電解液としての機能を果たせるように循環させている。
勿論、ステップS8では、レドックスフロー電池300の充放電負荷が大きいときと、小さいときに区別し、2つに分けていたが、本発明を実施する場合には、1乃至5に分割してもよい。
【0141】
上記実施の形態の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300において、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間または放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間、前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の色彩をカラーセンサ17で検出し、前記色彩から前記電解液の正極の充電状態を特定する正極側充放電状態検出部と、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間、前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の色彩をカラーセンサ17で検出し、前記色彩から前記電解液の負極の充電状態を特定する負極側充放電状態検出部とを具備し、前記正極側充放電状態検出部及び/または前記負極側充放電状態検出部は、前記電解液の循環管路に配設した色彩検出部の白色LED45の透過光または散乱光、反射光のうちの何れか1以上のカラーセンサ17の検出値により、放電残量を算出する。
【0142】
硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300では、正極と負極がバナジウムイオンの『価』数の増減によって充放電ができるものであるから、電解液としての硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75が原理的には劣化しないことになるから、電解液に劣化が生じない。
硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300に使用する負極の2価バナジウムは「紫色」、3価バナジウムは「緑色」、また、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。
負極は充電完了のとき2価バナジウムは「紫色」となり、放電完了したとき、3価バナジウムは「緑色」となる。また、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。正極は充電完了のとき2価バナジウムは「黄色」となり、放電完了したとき、4価バナジウムは「青色」となる。
【0144】
硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300に使用する負極の2価バナジウムは「紫色」、3価バナジウムは「緑色」、また、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。負極の充電完了のとき2価バナジウムは「紫色」となり、放電完了したとき、3価バナジウムは「緑色」となる。また、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」である。正極は充電完了のとき2価バナジウムは「黄色」となり、放電完了したとき、4価バナジウムは「青色」となる。
【0145】
したがって、正極の4価バナジウムは「青色」、5価バナジウムは「黄色」となり、
図8に示す「黄色」と「青色」との間の色彩領域を移動することになる。
負極の2価バナジウムの「紫色」、3価バナジウムの「緑色」を結んだ領域上を移動することになる。正極の4価バナジウムの「青色」、5価バナジウムの「黄色」を結んだ領域上を移動することになる。
【0146】
そこで、発光素子からは特定の波長の発光を出力させ、受光素子を構成するフォトダイオードは、受光素子の出力のピーク値から、負極においては2価バナジウムの「紫色」から3価バナジウムの「緑色」、または、正極においては4価バナジウムの「青色」から5価バナジウムの「黄色」として変化する。
したがって、負極においては2価バナジウムの「紫色」と3価バナジウムの「緑色」とを結ぶ領域上に現在の充放電残量が検出できる。また、正極においては4価バナジウムの「青色」と5価バナジウムの「黄色」とを結ぶ領域上と推定される特定の波長に充放電残量があることがわかる。
【0147】
特に、充電中であっても、放電中であっても、充放電残量を測定できる。したがって、通常の二次電池であれば、充電時間と通電電流から充電時間が計算できるのが一般的であるが、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300ではそのレドックスフロー電池対する負荷が加わっている時でも、負荷が加わっていない時でも、その時点の充放電残量を測定できる。
硫酸バナジウム水溶液の色を判別するものであるから、色彩で判断され、読み取り誤差を少なくすることができる。
また、発光にはLED18が特定の周波数で発光し、しかも、フォトカプラを構成するフォトダイオードはその特定の周波数を検出するから、その発光色の周波数を正確に検出することができる。
【0148】
仮に、2個の色彩により負極と正極の放電残量が異なったとき、充電残量の少ない放電残量の検出値を、その検出値として採用しても良いし、放電残量の検出値の平均値を出してもよい。或いは、放電残量の検出値の大きい電力側を検出値としてもよい
即ち、現在の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75からなる電解液の色彩が何れの波長にあるかを検出し、誤差があるときには、負極における2価バナジウムの「紫色」から3価バナジウムの「緑色」の電解液、同様に、正極における4価バナジウムの「青色」から5価バナジウムの「黄色」の電解液は、例えば、負極は2価バナジウムの「紫色」と3価バナジウムの「緑色」または負極は2価バナジウムの「紫色」と3価バナジウムの「緑色」を変化することになる。少なくとも、電解液の色彩が何れにあるかを検出する光検出能力を有していればよい。
【0149】
ここで、充電残量の少ない放電残量を検出値とする場合には、繰り返しの充電で両者を一致させることになる。また、放電残量の検出値の平均値を出すものについても、放電残量の検出値の大きいものを検出値としたものでも、繰り返しの充電で両者を一致させることができる。即ち、負荷の変動で検出値に大小の変化があっても、連続的に充放電を行うことにより、正極及び負極のバランスが取れた定常状態となる。
【0150】
前記正極側充放電状態検出部及び/または前記負極側充放電状態検出部は、前記電解液の循環管路13,33に色彩検出部44を配設し、そこに配設した白色LED45の透過光または散乱光、反射光により、正極及び/または負極の初期充填または補充電から満充電の間の放電残量があるかを検出する。
この硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300の正極側充放電状態検出部及び/または負極側充放電状態検出部は、電解液の循環管路13,33に色彩検出部44を配設し、そこに配設した白色LED45の透過光または散乱光、反射光により、正極及び/または負極の初期充填または補充電から満充電の間の放電残量があるかを検出する。
前記電解液の循環管路13,33に色彩検出部44を配設しているから、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75の澱みができない箇所であるから、カラーセンサ17によって色彩を正確に判断できる。
【0151】
本実施の形態の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として用いるレドックスフロー電池300において、正極側充放電状態検出部及び/または負極側充放電状態検出部における電解液の循環管路13,33に配設した白色LEDの透過光、散乱光または反射光による検出は、前記正極側充電状態検出部及び/または前記負極側充電状態検出部の検出値が、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液の「紫色」と「緑色」、「青色」と「黄色」の領域の何れにあるかを検出すると共に、前記電解液の循環管路13,33に配設したレドックスフロー電池の一部または全部の充放電特性から特定して放電残量を算出するものである。
【0152】
例えば、初期充填または補充電から満充電の間の「紫色」から「緑色」の領域、「青色」から「黄色」の領域の何れにあるかを平均値または最小値または最大値を検出すると共に、それらの平均値または最小値または最大値からなる放電残量に対し、前記電解液の循環管路に配設した二次電池、例えば、レドックスフロー電池300の一部または全部の充放電特性から特定して放電残量を算出するものである。
【0153】
また、レドックスフロー電池構成体から見れば、レドックスフロー電池300の出力電圧はVe[V]、ソーラーパネル301の出力電圧はVf[V]とするとき、Ve≦Vfとして運転される。1対の逆流防止用ダイオード302,303を使用すると、1対の逆流防止用ダイオード302,303の順方向電圧降下により、Va≦VbはVa<Vbとなる。
そして、これは実施の形態の太陽光発電を行うソーラーパネル301と、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として使用するレドックスフロー電池300と、前記ソーラーパネル301及び/または前記レドックスフロー電池300の直流出力を交流に変換するインバータ304とを具備し、前記ソーラーパネル301の起電力が高く、前記ソーラーパネル301に接続した1対の逆流防止用ダイオード302,303の一対のカソード側から前記インバータ304の入力及び前記レドックスフロー電池300の充電入力を得、前記ソーラーパネル301の出力が低くなったとき、前記ソーラーパネル301と前記インバータ304及び前記レドックスフロー電池300との電気的接続を遮断するものである。
【0154】
この実施の形態の太陽光発電を行うソーラーパネル301と、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液として使用するレドックスフロー電池300と、前記ソーラーパネル301及び/または前記レドックスフロー電池300の直流出力を交流に変換するインバータ304とを具備するものであり、前記ソーラーパネル301の起電力が順方向電圧降下を含み、Ve≦Vfのときには、前記ソーラーパネル301に接続した1対の逆流防止用ダイオード302,303の一対のカソード側からインバータ304の入力及びレドックスフロー電池300の充電入力を得ている。
前記ソーラーパネル301の出力が低くなったとき、ソーラーパネル301とインバータ304及びレドックスフロー電池300との電気的接続を遮断している。このとき、レドックスフロー電池300の出力はインバータ304の出力として取り出されるが、商用電源305の負荷が夜間に軽負荷となることから、その容量によって夜間の電力をレドックスフロー電池300から供給できる。
また、レドックスフロー電池300の容量の大きいときには、電力会社に電力を販売できる。
【0155】
上記実施の形態は、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間または放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間の前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の流れからなる正極側の循環管路33,33a,33b,33cからなる充放電循環路と、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間の前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の流れからなる負極側の循環管路13,13a,13b,13cからなる充放電循環路とを有する硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液とするレドックスフロー電池300にあって、前記電解液を循環させる液体循環ポンプ12,32から送出し、前記電解液を拡散させる合成樹脂製の透明大径管体52からなる筒体及び前記透明大径管体52からなる筒体を収容する電解液容器11,31,51,71と、前記液体循環ポンプ12,32,52,71から送出した前記電解液の加圧力で前記電解液容器11,31,51,71内の前記電解液を前記電解液容器11,31,51,71外に排出する前記透明大径管体86からなる筒体に並行して配設した排出管とを具備する。
【0156】
この発明の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液とするレドックスフロー電池は、4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の流れからなる正極側の循環管路33,33a,33b,33cからなる充放電循環路は、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間または放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間の前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の流れからなるものである。
また、2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の流れからなる負極側の循環管路13,13a,13b,13cからなる充放電循環路は、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間の前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる。
【0157】
即ち、正極側の循環管路33,33a,33b,33c,33dからなる充放電循環路は二次電池として正電極を形成するもので、電流を取り出す端子である。また、負極側の循環管路13,13a,13b,13c,33dからなる充放電循環路は二次電池として負電極を形成するもので、電流が流れ込む端子である。正極側及び負極側の充放電循環路には、独立した正極側の循環管路33,33a,33b,33cからなる充放電循環路と、負極側の循環管路13,13a,13b,13cからなる充放電循環路が形成され、そこを流れる電解液によって起電力が生成されている。
【0158】
そして、上記透明大径管体86からなる筒体及び透明大径管体92からなる筒体を収容する電解液容器11,31,51,71は、前記電解液を循環させる液体循環ポンプ12,32,52,72から送出された前記電解液を平均化するように拡散させるもので、前記透明大径管体92からなる筒体を収容する電解液容器11,31,51,71は前記電解液の収容容器である。
なお、透明循環管路92と挿入循環管路93は、基本的に循環管路33,33a,33b,33c,33dと相違するものではない。
更に、上記排出管81,82は、前記液体循環ポンプ12,32,52,72から送出した前記電解液の加圧力で前記電解液容器11,31,51,71内の前記電解液を前記電解液容器11,31,51,71外、即ち、管路を介してセルスタック20,60に循環させるもので、前記透明大径管体52からなる筒体に並行して配設した配設方法が好適である。
【0159】
殊に、硫酸バナジウム水溶液15,25,55,75を電解液とするレドックスフロー電池300の正極側の循環管路33,33a,33b,33cからなる充放電循環路は、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間または放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間の前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の流れからなる。また、負極側の循環管路13,13a,13b,13cからなる充放電循環路は、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間の前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の流れからなる。
液体循環ポンプ12,32,52,72から送出した前記電解液を循環し、前記電解液を拡散させる透明大径管体85からなる筒体及び前記透明大径管体85からなる筒体を収容する電解液容器11,31,51,71は、前記液体循環ポンプ12,32,52,72から送出した前記電解液の加圧力で前記電解液容器11,31,51,71内の前記電解液を前記電解液容器11,31,51,71外の管路を介してセルスタックに循環させる。
【0160】
したがって、液体循環ポンプ12,32,52,71から送出した前記電解液は、液体循環ポンプ12,32,52,72から送出した前記電解液容器11,31,51,71の前記電解液を循環し、前記透明大径管体86からなる筒体及び前記透明大径管体86からなる筒体を収容する電解液容器11,31,51,71を循環する前記電解液を拡散させる。よって、セルスタック20,60に循環する前記電解液容器11,31,51,71の前記電解液が価数の異なるバナジウムとして均一に分布する。
また、液体循環ポンプ12,32,52,72から送出した前記電解液は、2重に重ねた前記筒体及び前記筒体を収容する電解液容器11,31,51,71によって、前記電解液が複雑な流れとなるから、価数の異なるバナジウムの混ざりがよくなり、それを、前記電解液として循環する結果、セルスタック20に循環する電解液容器11,31,51,71の前記電解液が均一に分布することになり、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液とするレドックスフロー電池300の起電力が安定する。
【0161】
上記実施の形態のレドックスフロー電池300の前記電解液を循環させる液体循環ポンプ12,32,52,71は、前記透明大径管体52からなる筒体の上部に収容すべく取り付けたものである。
ここで、レドックスフロー電池300の前記電解液を循環させる液体循環ポンプ12,32,52,72は、前記透明大径管体86からなる筒体の上部に収容し、前記透明大径管体92からなる筒体の上部に一体化させることにより、外形を前記透明大径管体92からなる筒体のおおきさにまとめることができる。
【0162】
このレドックスフロー電池300の前記電解液を循環させる液体循環ポンプ12,32,52,72は、前記筒体の上部に収容すべく取り付けたものであるから、前記透明大径管体92からなる筒体の上部に収容する液体循環ポンプ12,32,52,72を取り付けたものであるから、前記透明大径管体952からなる筒体の上部に液体循環ポンプ12,32,52,72が収まると、前記透明大径管体92からなる筒体に各種部品を収容でき、故障時に部品交換が透明大径管体92からなる筒体単位で可能になる。
【0163】
この発明のレドックスフロー電池300の前記電解液の色彩を決定するLED照明と、その白色LED45からなるLED照明のもとで前記電解液の色彩を検出するカラーセンサ17は、LED照明は周囲の光源とするもので、白色が好ましいが、他の色彩も使用できないものではない。カラーセンサ17は、電解液の色彩を判断するもので、明暗は当然ながら、色彩が判断れきればよい。
この発明のレドックスフロー電池300の前記電解液の色彩を決定する白色LED45からなるLED照明と、前記LED照明のもとで前記電解液の色彩を検出するカラーセンサ17を具備するから、レドックスフロー電池300の前記電解液の色彩をLED照明と、前記LED照明のもとでカラーセンサ17により検出するものであるから、前記電解液の深さに影響を受けず、かつ、使用年数にも影響を受けないのでメンテナンスの必要性がない。
【0164】
また、この発明のレドックスフロー電池300は、更に、透明大径管体86からなる筒体内の前記電解液の液面位置を検出するフロートセンサを前記透明大径管体86からなる筒体内に設けたものである。
ここで、フロートセンサ100は所定の液位で動作するものであるから、2台のセンサによって動作させたり、湿度センサ、水位センサ等とすることができる。
この発明のレドックスフロー電池300は、更に、前記筒体内の前記電解液の液面位置を検出するフロートセンサ100を前記透明大径管体86からなる筒体内に設けものであるから、前記透明径管体または断面四角形の管体からなる筒体で、前記フロートセンサ100の管理ができ、その管理状態で移動が可能であるから、緩衝材等で保護する手間が省ける。
【0165】
そして、この発明のレドックスフロー電池300は、更に、透明大径管体92からなる筒体の上部に呼吸孔及びフィルタ84を組付けたものであるから、外気温の変化に対する電解液の外気温の容積変化は、前記電解液容器11,31,51,71の容積変化と相殺されるから、本来の呼吸用の空気の変化量に対してその変化が少ない。また、フィルタ84を通過する空気量は、少ない空気量の変化となり、塵埃等を引き込むことがない。
更に、前記透明大径管体92からなる筒体内の上部に呼吸孔及びフィルタ84を組付けたものである。
ここで、前記透明大径管体92からなる筒体内の上部に呼吸孔は、前記透明大径管体92からなる筒体内の上面に限定されるものではなく、側面の上部位置であってもよい。また、フィルタ84は前記電解液の吸湿性のないものが好ましく、液体をはじくことにより、液体の遮断効果を得ることができる。
【0166】
前記電解液の液体循環ポンプ12,32,52,71は、電解液容器11,31,51,71の全体が形成する上平面側に配設したものである。
ここで、電解液容器11,31,51,71の全体が形成する上平面側とは、電解液容器11,31,51,71の上面の平面上の平面またはその裏面を意味する。前記液体循環ポンプ12,32の取り付けは、上平またはその下の位置とすることができ、電解液容器11,31,51,71の作業性が確保できるものであれば、何れの位置でもよい。特に、可動部分として部品交換が容易な位置であれはばよい。
この発明のレドックスフロー電池300の前記液体循環ポンプ12,31,51,71は、電解液容器11,31,51,71の全体が形成する上平面側に配設したものであるから、電解液容器11,31,51,71の全体が形成する上面側に配設するものであるから、メンテナンスが自在であり、その作業性を上げることができる。
【0167】
本実施の形態のレドックスフロー電池は、2個以上のセルスタック20,60の出力を直列接続したリード線26A、26B、リード線27A、27Bからなる出力回路と、前記セルスタック20,60を通過する電解液を収容する正極側電解液容器31,71と、前記セルスタック20,60を通過する前記電解液を収容する負極側電解液容器11,51と、前記セルスタック20,60を通過する前記電解液の流れが充電と放電共に同一方向とする正極側充放電循環路33,73と、前記セルスタック20,60を通過する前記電解液の流れが充電と放電共に同一方向とする負極側充放電循環路13,53と、前記正極側充放電循環路13,33,53,73の前記電解液を、前記セルスタック20,60、前記正極側電解液容器31,71との間の流速を増加させる正極側液体循環ポンプ12,32,52,72と、前記負極側充放電循環路13,33,53,73の前記電解液を、前記セルスタック20,60、前記負極側電解液容器11,31,51,71との間の流速を増加させる負極側液体循環ポンプ12,32,52,71とを具備するものである。
【0168】
本実施の形態のレドックスフロー電池300は、2個以上のセルスタック20,60の出力を直列接続したリード線26A、リード線27Bからなる出力回路が出力電圧を決定できる。また、直列接続したリード線26A、リード線27Bからなる出力回路は、前記セルスタック20,60を通過する電解液の流体抵抗を考慮して決定することができる。
また、前記セルスタック20,60を通過する電解液を収容する正極側電解液容器31,71及び負極側電解液容器11,51は、電解液を収容するもので、その電電解液に対する充電容量によって充電電気量が決定される。
【0169】
そして、前記セルスタック20,60を通過する前記電解液の流れが充電と放電共に同一方向とする正極側充放電循環路及び負極側充放電循環路11,31,51,71は、前記電解液の流れが充電と放電共に単一方向であるから、前記正極側電解液容器11,31,51,71及び前記負極側電解液容器11,31,51,71、前記正極側充放電循環路33,73及び前記負極側充放電循環路31,51、前記正極側液体循環ポンプ12,32,52,71及び前記負極側液体循環ポンプ12,32,52,72側では、レドックスフロー電池300の充放電を制御するものではなく、外部から、例えば、ソーラーパネル301等からその起電力によって自然に充放電できる。
即ち、例えば、レドックスフロー電池300等の二次電池の充電電圧が低くとも、1個のセルスタック20,60の電解液の流れを並列接続様に接続し、その出力を直列とする二次電圧を高くすることによって、インバータ304の使用できる入力電圧を高くできるものである。
【0170】
更に、インバータ304の入力は、レドックスフロー電池300の充放電に関係なく、ソーラーパネル301等の起電力によって自然に交流に変換(変調)することができる。
前記正極側充放電循環路33,73の前記電解液流速を増加させる正極側液体循環ポンプ32,72及び前記負極側充放電循環路13,53の前記電解液流速を増加させる負極側液体循環ポンプ12,52は、前記電解液を循環させる前記正極側充放電循環路33,73及び前記負極側充放電循環路13,53の何れかの位置に正極側液体循環ポンプ32,72、負極側液体循環ポンプ12,52を配設すればよいので設計自由度、メンテナンス自由度が高い。
【0171】
本実施の形態のレドックスフロー電池300は、前記正極側電解液容器31,71または前記負極側電解液容器11,51は、単一の前記正極側電解液容器31,71または前記負極側電解液容器11,51に対して複数の正極側充放電循環路33,73及び複数の負極側充放電循環路13,53を前記セルスタック20,60の隔膜を除き独立配管したものである。
したがって、このレドックスフロー電池300の前記正極側電解液容器31,71または前記負極側電解液容器11,51は、単一の前記正極側電解液容器31,71または前記負極側電解液容器11,51に対して複数の正極側充放電循環路33,73及び複数の負極側充放電循環路13,53を前記セルスタック20,60の隔膜を除き独立配管したものであるから、標準化が可能であり、逆に、前記正極側電解液容器11,51または前記負極側電解液容器11,51の形状及び容積は、任意のものとすることができる。
【0172】
本実施の形態のレドックスフロー電池は、前記正極側電解液容器31,71及び前記負極側電解液容器13,53、前記正極側充放電循環路33,73及び前記負極側充放電循環路13,53、前記正極側液体循環ポンプ及び前記負極側液体循環ポンプは、単一のセルスタック20,60に対して1個以上設けているから、単一のセルスタック20,60に対する液体圧力の上昇が少なくて住む。また、充放電が場所によって変化しないので、部分電流によって電15極が温度上昇することがない。
故に、正極側電解液容器11,31,51,71及び負極側電解液容器11,31,51,71、前記正極側充放電循環路31,71及び前記負極側充放電循環路11,31,51,71、前記正極側液体循環ポンプ32,71及び前記負極側液体循環ポンプ12,52は、単一のセルスタック20,60に対して1個以上設け他ものである。
【0173】
上記実施の形態は、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間または放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間の前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の流れからなる正極側の循環管路33,33a,33b,33c、73,73a,73b,73cからなる充放電循環路と、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間の前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の流れからなる負極側の循環管路13,13a,13b,13c、53,53a,53b,53cからなる充放電循環路とを有する硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液とするレドックスフロー電池300にあって、前記電解液を循環させる液体循環ポンプ12,32,52,72から送出し、前記電解液を拡散させる合成樹脂製の透明大径管体92からなる筒体及び前記透明大径管体92からなる筒体を収容する電解液容器11,31,51,71と、前記液体循環ポンプ12,32,52,72から送出した前記電解液の加圧力で前記電解液容器11,31,51,71内の前記電解液を前記電解液容器11,31,51,71外に排出する前記透明大径管体92からなる筒体に並行して配設した排出管とを具備する。
【0174】
この発明の硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液とするレドックスフロー電池300は、4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の流れからなる正極側の循環管路33,33a,33b,33c、73,73a,73b,73cからなる充放電循環路は、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間または放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間の前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の流れからなるものである。
また、2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の流れからなる負極側の循環管路13,13a,13b,13c、53,53a,53b,53cからなる充放電循環路は、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間の前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる。
【0175】
即ち、正極側の循環管路33,33a,33b,33c、73,73a,73b,73cからなる充放電循環路は二次電池として正電極を形成するもので、電流を取り出す端子である。また、負極側の循環管路13,13a,13b,13c、53,53a,53b,53cからなる充放電循環路は二次電池として負電極を形成するもので、電流が流れ込む端子である。正極側及び負極側の充放電循環路13,33,53,73には、独立した正極側の循環管路33,33a,33b,33c、73,73a,73b,73cからなる充放電循環路と、負極側の循環管路13,13a,13b,13c、53,53a,53b,53cからなる充放電循環路が形成され、そこを流れる電解液によって起電力が生成されている。
【0176】
そして、上記透明大径管体92からなる筒体及び透明大径管体92からなる筒体を収容する電解液容器11,31,51,71は、前記電解液を循環させる液体循環ポンプ12,32から送出された前記電解液を平均化するように拡散させるもので、前記透明大径管体92からなる筒体を収容する電解液容器11,31,51,71は前記電解液の収容容器である。
更に、上記排出管81,82は、前記液体循環ポンプ12,32,52,72から送出した前記電解液の加圧力で前記電解液容器11,31,51,71内の前記電解液を前記電解液容器11,31,51,71外、即ち、管路を介してセルスタックに循環させるもので、前記透明大径管体92からなる筒体に並行して配設した配設方法が好適である。
【0177】
殊に、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液とするレドックスフロー電池300の正極側の循環管路33,33a,33b,33c、73,73a,73b,73cからなる充放電循環路は、充電により4価バナジウムを5価バナジウムに変化させる間または放電により5価バナジウムを4価バナジウムに変化させる間の前記4価バナジウム及び5価バナジウムからなる電解液の流れからなる。また、負極側の循環管路13,13a,13b,13c、53,53a,53b,53cからなる充放電循環路は、充電により3価バナジウムを2価バナジウムに変化させる間または放電により2価バナジウムを3価バナジウムに変化させる間の前記2価バナジウム及び3価バナジウムからなる電解液の流れからなる。
液体循環ポンプ12,32,52,72から送出した前記電解液を循環し、前記電解液を拡散させる透明大径管体92からなる筒体及び前記透明大径管体92からなる筒体を収容する電解液容器11,31,51,71は、前記液体循環ポンプ12,32,52,72から送出した前記電解液の加圧力で前記電解液容器11,31,51,71内の前記電解液を前記電解液容器11,31外の管路を介してセルスタックに循環させる。
【0178】
したがって、液体循環ポンプ12,32,52,72から送出した前記電解液は、液体循環ポンプ12,32,52,72から送出した前記電解液容器11,31,51,71の前記電解液を循環し、前記透明大径管体92からなる筒体及び前記透明大径管体92からなる筒体を収容する電解液容器11,31,51,71を循環する前記電解液を拡散させる。よって、セルスタック20に循環する前記電解液容器11,31,51,71の前記電解液が価数の異なるバナジウムとして均一に分布する。
また、液体循環ポンプ12,32,52,72から送出した前記電解液は、2重に重ねた前記筒体及び前記筒体を収容する電解液容器11,31,51,71によって、前記電解液が複雑な流れとなるから、価数の異なるバナジウムの混ざりがよくなり、それを、前記電解液として循環する結果、セルスタック20に循環する電解液容器11,31,51,71の前記電解液が均一に分布することになり、硫酸バナジウム水溶液15,35,55,75を電解液とするレドックスフロー電池300の起電力が安定する。
【0179】
上記実施の形態のレドックスフロー電池300の前記電解液を循環させる液体循環ポンプ12,32,52,72は、前記透明大径管体92からなる筒体の上部に収容すべく取り付けたものである。
ここで、レドックスフロー電池300の前記電解液を循環させる液体循環ポンプ11,31,51,71は、前記透明大径管体92からなる筒体の上部に収容し、前記透明大径管体92からなる筒体の上部に一体化させることにより、外形を前記透明大径管体92からなる筒体のおおきさにまとめることができる。
【0180】
このレドックスフロー電池300の前記電解液を循環させる液体循環ポンプ12,32,52,72は、前記筒体の上部に収容すべく取り付けたものであるから、前記透明大径管体92からなる筒体の上部に収容する液体循環ポンプ12,32,52,72を取り付けたものであるから、前記透明大径管体92からなる筒体の上部に液体循環ポンプ12,32,52,72が収まると、前記透明大径管体92からなる筒体に各種部品を収容でき、故障時に部品交換が透明大径管体92からなる筒体単位で可能になる。
【0181】
この発明のレドックスフロー電池300の前記電解液の色彩を決定するLED照明と、その白色LED45からなるLED照明のもとで前記電解液の色彩を検出するカラーセンサ17は、LED照明は周囲の光源とするもので、白色が好ましいが、他の色彩も使用できないものではない。カラーセンサ17は、電解液の色彩を判断するもので、明暗は当然ながら、色彩が判断れきればよい。
この発明のレドックスフロー電池300の前記電解液の色彩を決定する白色LED45からなるLED照明と、前記LED照明のもとで前記電解液の色彩を検出するカラーセンサ17を具備するから、レドックスフロー電池300の前記電解液の色彩をLED照明と、前記LED照明のもとでカラーセンサ17により検出するものであるから、前記電解液の深さに影響を受けず、かつ、使用年数にも影響を受けないのでメンテナンスの必要性がない。
【0182】
また、この発明のレドックスフロー電池300は、更に、透明大径管体92からなる筒体内の前記電解液の液面位置を検出するフロートセンサを前記透明大径管体92からなる筒体内に設けたものである。
ここで、フロートセンサ100は所定の液位で動作するものであるから、2台のセンサによって動作させたり、湿度センサ、水位センサ等とすることができる。
この発明のレドックスフロー電池300は、更に、前記筒体内の前記電解液の液面位置を検出するフロートセンサ100を前記透明大径管体92からなる筒体内に設けものであるから、前記透明径管体または断面四角形の管体からなる筒体で、前記フロートセンサ100の管理ができ、その管理状態で移動が可能であるから、緩衝材等で保護する手間が省ける。
【0183】
そして、この発明のレドックスフロー電池300は、更に、透明大径管体92からなる筒体の上部に呼吸孔及びフィルタ84を組付けたものであるから、外気温の変化に対する電解液の外気温の容積変化は、前記電解液容器11,31,51,71の容積変化と相殺されるから、本来の呼吸用の空気の変化量に対してその変化が少ない。また、フィルタ84を通過する空気量は、少ない空気量の変化となり、塵埃等を引き込むことがない。
更に、前記透明大径管体92からなる筒体内の上部に呼吸孔及びフィルタ84を組付けたものである。
ここで、前記透明大径管体92からなる筒体内の上部に呼吸孔は、前記透明大径管体92からなる筒体内の上面に限定されるものではなく、側面の上部位置であってもよい。また、フィルタ84は前記電解液の吸湿性のないものが好ましく、液体をはじくことにより、液体の遮断効果を得ることができる。
【0184】
前記電解液の液体循環ポンプ12,32,52,72は、電解液容器11,31,51,71の全体が形成する上平面側に配設したものである。
ここで、電解液容器11,31,51,71の全体が形成する上平面側とは、電解液容器11,31,51,71の上面の平面上の平面またはその裏面を意味する。前記液体循環ポンプ12,32の取り付けは、上平またはその下の位置とすることができ、電解液容器11,31,51,71の作業性が確保できるものであれば、何れの位置でもよい。特に、可動部分として部品交換が容易な位置であれはばよい。
この発明のレドックスフロー電池300の前記液体循環ポンプ12,32,52,72は、前記電解液容器11,31,51,71の全体が形成する上平面側に配設したものであるから、前記電解液容器11,31,51,71の全体が形成する上面側に配設するものであるから、メンテナンスが自在であり、その作業性を上げることができる。
【0185】
本実施の形態のレドックスフロー電池は、2個以上のセルスタック20,60の出力を直列接続したリード線26A、26B、リード線27A、27Bからなる出力回路と、前記セルスタック20,60を通過する電解液を収容する正極側電解液容器31,71と、前記セルスタック20,60を通過する前記電解液を収容する負極側電解液容器11,51と、前記セルスタック20,60を通過する前記電解液の流れが充電と放電共に同一方向とする正極側充放電循環路33,33a,33b,33c,33d、73,73a,73b,73c,73dと、前記セルスタック20,60を通過する前記電解液の流れが充電と放電共に同一方向とする負極側充放電循環路13,13a,13b,13c,13d、53,53a,53b,53c,53dと、前記正極側充放電循環路33,33a,33b,33c,33d、73,73a,73b,73c,73dの前記電解液を、前記セルスタック20,60、前記正極側電解液容器31,71との間の流速を増加させる正極側液体循環ポンプ32,72と、前記負極側充放電循環路13,13a,13b,13c,13d、53,53a,53b,53c,53dの前記電解液を、前記セルスタック20,60、前記負極側電解液容器11,51との間の流速を増加させる負極側液体循環ポンプ12,52とを具備するものである。
【0186】
本実施の形態のレドックスフロー電池300は、2個以上のセルスタック20,60の出力を直列接続したリード線26A、リード線27Bからなる出力回路が直流出力電圧を決定できる。また、直列接続したリード線26A、リード線27Bからなる出力回路は、前記セルスタック20,60を通過する電解液の流体抵抗を考慮して決定することができる。
また、前記セルスタック20,60を通過する電解液を収容する正極側電解液容器31,71及び負極側電解液容器11,51は、電解液を収容するもので、その電電解液に対する充電容量によって充電電気量が決定される。
【0187】
そして、前記セルスタック20,60を通過する前記電解液の流れが充電と放電共に同一方向とする正極側充放電循環路33,33a,33b,33c,33d、73,73a,73b,73c,73d及び負極側充放電循環路13,13a,13b,13c,13d、53,53a,53b,53c,53dは、前記電解液の流れが充電と放電共に単一方向であるから、前記正極側電解液容器33,33a,33b,33c,33d、73,73a,73b,73c,73d及び前記負極側電解液容器13,13a,13b,13c,13d、53,53a,53b,53c,53d、前記正極側充放電循環路33,33a,33b,33c,33d、73,73a,73b,73c,73d及び前記負極側充放電循環路13,13a,13b,13c,13d、53,53a,53b,53c,53d、前記正極側液体循環ポンプ12,32,52,71及び前記負極側液体循環ポンプ12,32,52,72側では、レドックスフロー電池300の充放電を制御するものではなく、外部から、例えば、ソーラーパネル301等からその起電力によって自然に充放電できる。
即ち、例えば、レドックスフロー電池300等の二次電池の充電電圧が低くとも、1個のセルスタック20,60の電解液の流れを並列接続様に接続し、その出力を直列とする二次電圧を高くすることによって、インバータ304の使用できる入力電圧を高くできるものである。
【0188】
更に、インバータ304の入力は、レドックスフロー電池300の充放電に関係なく、ソーラーパネル301等の起電力によって自然に交流に変換(変調)することができる。
前記正極側充放電循環路33,33a,33b,33c,33d、73,73a,73b,73c,73dの前記電解液流速を増加させる正極側液体循環ポンプ12,32,52,72及び負極側充放電循環路13,13a,13b,13c,13d、53,53a,53b,53c,53dの前記電解液流速を増加させる負極側液体循環ポンプ12,52は、前記電解液を循環させる前記正極側充放電循環路13,33,53,73及び前記負極側充放電循環路13,53の何れかの位置に正極側液体循環ポンプ32,72、負極側液体循環ポンプ12,52を配設すればよいので設計自由度、メンテナンス自由度が高い。
特に、レドックスフロー電池300のセルスタック20,60が短くでき、流体抵抗が高くしなくても、正極側充放電循環路33,33a,33b,33c,33d、73,73a,73b,73c,73d及び負極側充放電循環路13,13a,13b,13c,13d、53,53a,53b,53c,53dの電流容量を確保できる。
【0189】
本実施の形態のレドックスフロー電池300は、正極側電解液容器31,71または負極側電解液容器11,51は、単一の前記正極側電解液容器31,71または前記負極側電解液容器11,51に対して複数の正極側充放電循環路及び複数の負極側充放電循環路13,13a,13b,13c,13d、53,53a,53b,53c,53dを前記セルスタック20,60の隔膜を除き独立配管したものである。
したがって、このレドックスフロー電池300の正極側電解液容器31,71または負極側電解液容器11,51は、単一の前記正極側電解液容器31,71または前記負極側電解液容器11,51に対して複数の正極側充放電循環路33,33a,33b,33c,33d、73,73a,73b,73c,73d及び複数の負極側充放電循環路13,13a,13b,13c,13d、53,53a,53b,53c,53dを前記セルスタック20,60の隔膜を除き独立配管したものであるから、標準化が可能であり、逆に、前記正極側電解液容器31,71または前記負極側電解液容器11,51の形状及び容積は、任意のものとすることができる。
【0190】
この発明のレドックスフロー電池300の正極側電解液容器31,71及び前記負極側電解液容器11,51、正極側充放電循環路33,33a,33b,33c,33d、73,73a,73b,73c,73d及び負極側充放電循環路、前記正極側液体循環ポンプ32,72及び前記負極側液体循環ポンプ12,52は、単一のセルスタック20,60に対して1個以上設けているから、単一のセルスタック20,60に対する液体圧力の上昇が少なくて住む。また、充放電が場所によって変化しないので、部分電流によって電15極が温度上昇することがない。
故に、正極側電解液容器31,71及び負極側電解液容器11,51、前記正極側充放電循環路33,33a,33b,33c,33d、73,73a,73b,73c,73d及び負極側充放電循環路13,13a,13b,13c,13d、53,53a,53b,53c,53d、正極側液体循環ポンプ32,71及び前記負極側液体循環ポンプ12,52は、単一のセルスタック20,60に対して1個以上設け他ものである。
【符号の説明】
【0191】
11,31,51,71 電解液容器
12,32,52,72 液体循環ポンプ
13,13a,13b,13c,13d 循環管路
15,35,55,75 硫酸バナジウム水溶液
33,33a,33b,33c,33d 循環管路
53,53a,53b,53c,53d 循環管路
73,73a,73b,73c,73d 循環管路
17 カラーセンサ
20,60 セルスタック
21 負極側セル路
22 正極側セル路
61 負極側セル路
62 正極側セル路
44 色彩検出部
45 白色LED
46 光ファイバー
50 電解液分配器
92 透明大径管体
93 挿入循環管路
100 フロートセンサ
121 中心移動杆
123 フロート
124 リードスイッチ
300 レドックスフロー電池
400 電池収納本体