(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】効率的に伝送するイーサネット装置
(51)【国際特許分類】
H04L 47/43 20220101AFI20240515BHJP
【FI】
H04L47/43
(21)【出願番号】P 2022182207
(22)【出願日】2022-11-15
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】202210618516.7
(32)【優先日】2022-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521521943
【氏名又は名称】モーターコム・エレクトロニック・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Motorcomm Electronic Technology Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルー、ウェンフイ
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0182709(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 47/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの上位層装置から一つのデータパケットを受信する度に、同一のLAN内でデータ送信を必要とする他のイーサネット装置が小さなパケットの集約機能をサポートしていると判定した場合、上記のデータパケットに含まれている各小さなパケットを集約して少なくとも一つの集約イーサネットフレームを形成させるようにカプセル化して、対応する上記の他のイーサネット装置へ送信するデータ送信モジュールと、
同一のLAN内において、上記の小さなパケットの集約機能をサポートしている上記の他のイーサネット装置から送信されたデータフレームを受信する度に、かつ上記のデータフレームが通常のイーサネットフレームであると判定した場合、上記のデータフレームに対して予め設定された一つの通常の構文解析ルールによってデータ解析を行い、または、上記のデータフレームが上記の集約イーサネットフレームであると判定した場合、上記のデータフレームに対して予め設定された一つの集約の構文解析ルールによってデータを解析するデータ受信モジュールとを含
み、
上記のデータパケットは、順に配列された複数のロードパケットを含み、
上記のデータ送信モジュールは、
データ伝送を必要とする上記の他のイーサネット装置が上記の小さなパケットの集約機能をサポートしないと判定した場合、第1の信号を出力し、および、上記の他のイーサネット装置が上記の小さなパケットの集約機能をサポートしていると判定した場合、第2の信号を出力する第1の判定ユニットと、
上記の第1の判定ユニットに接続され、上記の第1の信号によって、上記の各ロードパケットをそれぞれにカプセル化し、通常のイーサネットフレームを形成させ、順に上記の他のイーサネット装置へ送信する第1の送信ユニットと、
上記の第1の判定ユニットに接続され、上記の第2の信号によって、大きいパケットに属する上記のロードパケットに対して、通常的にカプセル化し、上記の通常のイーサネットフレームを形成させ、および、小さなパケットに属する連続した上記のロードパケットに対して集約にカプセル化し、集約イーサネットフレームを形成させ、かつ、それらを上記のデータパケットにおける配列順によって上記の他のイーサネット装置へ順に送信する第2の送信ユニットとを含み、
上記の第2の送信ユニットは、
上記の第2の信号によって、上記の各ロードパケットのデータ長をそれぞれ取得し、上記のデータ長が予め設定された一つの閾値より大きい上記のロードパケットを上記の大きいパケットとして構成し、上記のデータ長が上記の閾値より大きくない上記のロードパケットを上記の小さなパケットとして構成する比較サブユニットと、
上記の比較サブユニットに接続され、上記の大きいパケットに属する上記のロードパケットをカプセル化し、上記の通常のイーサネットフレームを形成させるようにする第1のカプセル化サブユニットと、
上記の比較サブユニットに接続され、連続した上記の各小さなパケットを集約し、集約された上記のデータ長が予め設定された最大伝送長に達するまで、または連続したすべての小さなパケットの集約が完了するまで、各々の上記のロードパケットの前にシャーディングヘッドを追加し、カプセル化して上記の集約イーサネットフレームを形成させる第2のカプセル化サブユニットと、
上記の第1のカプセル化サブユニットと第2のカプセル化サブユニットとにそれぞれに接続され、カプセル化前に上記の各ロードパケットにおける配列順に従って、上記の各通常のイーサネットフレームと上記の各集約イーサネットフレームを上記の他のイーサネット装置に送信する送信サブユニットとを含むこと、
を特徴とする効率的に伝送するイーサネット装置。
【請求項2】
上記のデータ送信モジュールと上記のデータ受信モジュールとにそれぞれ接続され、装置が起動する毎に、所在している上記のLAN内で自身の装置情報をブロードキャストし、上記のLAN内における他のイーサネット装置の上記の小さなパケットの集約機能をサポートしているかどうかを示すパラメータを含む上記の装置情報を取得するデータ取得モジュールを含み、
上記のデータ送信モジュールと上記のデータ受信モジュールは、上記の装置情報によって、データを伝送する上記の他のイーサネット装置が上記の小さなパケットの集約機能をサポートしているかどうかを判定することを特徴とする請求項1に記載のイーサネット装置。
【請求項3】
上記のデータ取得モジュールは、リンク層検出プロトコルを介して、所在している上記のLAN内において自身の上記の装置情報をブロードキャストすることを特徴とする請求項2に記載のイーサネット装置。
【請求項4】
上記のデータ受信モジュールは、
上記のデータフレームを送信した上記の他のイーサネット装置が上記の小さなパケットの集約機能をサポートしていると判定した場合、第3の信号を出力し、および、上記の小さなパケットの集約機能をサポートしないと判定した場合、第4の信号を出力する第2の判定ユニットと、
上記の第2の判定ユニットに接続され、上記の第3の信号に従って、受信した上記のデータフレームに対して上記の通常の構文解析ルールによってデータ解析を行う第1の受信ユニットと、
上記の第2の判定ユニットに接続され、上記の第4の信号に従って、上記のデータフレームのフレームタイプが通常のイーサネットフレームであると判定した場合、上記のデータフレームに対して上記の通常の構文解析ルールによってデータ解析を行い、上記のデータフレームのフレームタイプが上記の集約イーサネットフレームであると判定した場合、上記のデータフレームに対して上記の集約の構文解析ルールによってデータ解析を行う第2の受信ユニットと、
を含むことを特徴とする請求項
1に記載のイーサネット装置。
【請求項5】
上記の通常のイーサネットフレームのフレーム構造は、順に、コードリーディング、フレーム先頭文字、ロードパケット、冗長検査、およびフレームスペーシングを含み、
上記の集約イーサネットフレームのフレーム構造は、上記のコードリーディング、上記のフレーム先頭文字、少なくとも二つの集約データ、上記の冗長検査、および上記のフレームスペーシングを順に含み、各集約データは、上記のシャーディングヘッドと上記のロードパケットを順に含むことを特徴とする請求項
4に記載のイーサネット装置。
【請求項6】
上記の通常のイーサネットフレームの上記のフレーム先頭文字と上記の集約イーサネットフレームの上記のフレーム先頭文字とはそれぞれ異なる値を有し、上記の第2の受信ユニットは上記のフレーム先頭文字に基づいて上記のデータフレームのフレームタイプを判定することを特徴とする請求項
5に記載のイーサネット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置の技術分野に関し、特に、効率的に伝送できるイーサネット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イーサネットは、今日のローカルエリアネットワークで使用される最も一般的な通信プロトコル規格であり、1970年代初頭に確立されたものである。イーサネットは、伝送速度が10/100/1000/2500/10000Mbpsの一般的なローカルエリアネットワーク規格である。基本的に、イーサネット装置は、ツイストペアケーブルや同軸ケーブルなどの共有伝送媒体と、マルチポートハブ、ブリッジ、またはスイッチで構成される。スター構成またはバス構成では、ハブ/スイッチ/ブリッジが、ケーブルを介してコンピューター、プリンター、およびワークステーションを相互に接続させる。
【0003】
イーサネット装置が起動後、他のイーサネット装置との通信は大きく二つの段階に分けられる。
図1に示すように、第1の段階はイーサネット装置の検出プロセスである。起動後、イーサネット装置はLLDP(Link Layer Discovery Protocol、リンク層発見プロトコル)を使用して、アドレス管理、装置識別、インターフェイス識別など主な能力とする情報を同じローカルエリアネットワークに接続されている他の装置に送信される。同時に、同じローカルエリアネットワーク内の他の装置の対応する情報もLLDPプロトコルを介して取得される。第2の段階では、第1の段階で取得した情報と相手側のイーサネット装置の能力とに基づき、相手側が処理できるイーサネットデータパケット(イーサネットフレーム)を送信することで、イーサネット装置の間の通信を実現する。
【0004】
イーサネットデータの送信プロセスで使用されるイーサネットデータパケットは、イーサネットフレームとも呼ばれ、そのフォーマットは
図2に示めすように、一つのイーサネットフレームには、コードリーディング、フレーム先頭文字、データ、冗長検査、およびフレームスペーシングと5つの部分が含まれる。このうち、コーデリーディングの長さは7バイトで、デフォルト値は7バイトの0x55で、フレーム先頭文字の長さは1バイトで、デフォルト値は0x5Dで、データには、イーサネットフレーム制御フィールド(長さが18バイト)および上位層ロードデータ(長くなり)が含まれ、長さが変えるもので、冗長検査の長さは4バイトで、フレームスペーシングの長さは最も小さいのは12バイトである。通常、イーサネットのMTU(Maximum Transmission Unit、最大伝送ユニット)は1500バイトで、つまり、一つのイーサネットデータフレームは最大1500バイトに達することができる。
【0005】
要約すると、各イーサネットデータフレームには2種類のデータが含まれていることがわかる。一つは一部の制御フィールドの固定コストであり、もう一つは受信した上位層からのロードデータである。その中で、上位層のロードデータの長さは可変であるが、制御フィールドの固定コストは比較的固定されており、各イーサネットフレームには少なくとも42バイトの固定コストが必要である。実際の適用では、音声通話のデータパケットやオンラインゲームのデータパケットなど、大量の短い(約100バイト)上位層の適用データを生成するシナリオが多数ある。100バイトの上位層ロードデータを例にとると、各イーサネットフレームの長さは142バイトであり、このときの伝送効率は約70.4%と低くなる。
【発明の概要】
【0006】
従来技術に存在する問題を解決するために、本発明は、効率的な伝送イーサネット装置を提供し、そのイーサネット装置は、
一つの上位層装置から一つのデータパケットを受信する度に、同一のローカルエリアネットワーク(以下、LANと称する)内でデータ送信を必要とする他のイーサネット装置が小さなパケットの集約機能をサポートしていると判定した場合、上記のデータパケットに含まれている複数の小さなパケットを集約して少なくとも一つの集約イーサネットフレームを形成するようにカプセル化して、対応する上記の他のイーサネット装置へ送信するデータ送信モジュールと、
同一のLAN内において、上記の小さなパケットの集約機能をサポートしている上記の他のイーサネット装置から送信されたデータフレームを受信する度に、かつ上記のデータフレームが通常のイーサネットフレームであると判定した場合、上記のデータフレームに対して予め設定された一つの通常の構文解析ルールによってデータ解析を行い、または、データフレームが集約イーサネットフレームであると判定した場合、上記のデータフレームに対して予め設定された一つの集約の構文解析ルールによってデータを解析するデータ受信モジュールとを含む。
【0007】
好ましくは、さらに、上記のデータ送信モジュールと上記のデータ受信モジュールとにそれぞれ接続され、装置が起動する毎に、所在している上記のLAN内で自身の装置情報をブロードキャストし、上記のLAN内における他のイーサネット装置の上記の小さなパケットの集約機能をサポートしているかどうかを示すパラメータを含む装置情報を取得するデータ取得モジュールを含み、
上記のデータ送信モジュールと上記のデータ受信モジュールは、上記の装置情報によって、データを伝送する上記の他のイーサネット装置が上記の小さなパケットの集約機能をサポートしているかどうかを判定する。
【0008】
好ましくは、上記のデータ取得モジュールは、リンク層検出プロトコルを介して、所在している上記のLAN内において自身の装置情報をブロードキャストする。
【0009】
好ましくは、上記のデータパケットは、順に配列された複数のロードパケットを含み、
データ送信モジュールは、
データ伝送を必要とする上記の他のイーサネット装置は上記の小さなパケットの集約機能をサポートしないと判定した場合、第1の信号を出力し、および、上記の他のイーサネット装置は上記の小さなパケットの集約機能をサポートしていると判定した場合、第2の信号を出力する第1の判定ユニットと、
上記の第1の判定ユニットに接続され、上記の第1の信号によって、上記の各ロードパケットをそれぞれにカプセル化し、通常のイーサネットフレームを形成させ、順に上記の他のイーサネット装置へ送信する第1の送信ユニットと、
第1の判定ユニットに接続され、上記の第2の信号によって、大きいパケットに属する上記のロードパケットに対して、通常的にカプセル化し、上記の通常のイーサネットフレームを形成させ、および、小さなパケットに属する連続した上記のロードパケットに対して集約にカプセル化し、集約イーサネットフレームを形成させ、かつ、それらを上記のデータパケットにおける配列順によって上記の他のイーサネット装置へ順に送信する第2の送信ユニットと
を含む。
【0010】
好ましくは、上記の第2の送信ユニットは、
上記の第2の信号によって、上記の各ロードパケットのデータ長をそれぞれ取得し、上記のデータ長が予め設定された一つの閾値より大きいロードパケットを上記の大きいパケットとして構成し、上記のデータ長が閾値より大きくないロードパケットを上記の小さなパケットとして構成する比較サブユニットと、
上記の比較サブユニットに接続され、上記の大きいパケットに属する上記のロードパケットをカプセル化し、上記の通常のイーサネットフレームを形成させるようにする第1のカプセル化サブユニットと、
上記の比較サブユニットに接続され、連続した上記の各小さなパケットを集約し、集約された上記のデータ長が予め設定された最大伝送長に達するまで、または連続したすべての小さなパケットの集約が完了するまで、各々の上記のロードパケットの前にシャーディングヘッドを追加し、カプセル化して集約イーサネットフレームを形成させる第2のカプセル化サブユニットと、
上記の第1のカプセル化サブユニットと第2のカプセル化サブユニットとにそれぞれに接続され、カプセル化前に上記の各ロードパケットにおける配列順に従って、上記の各通常のイーサネットフレームと上記の各集約イーサネットフレームを上記の他のイーサネット装置に送信する送信サブユニットと、
を含む。
【0011】
好ましくは、上記のデータ受信モジュールは、
上記のデータフレームを送信した上記の他のイーサネット装置が上記の小さなパケットの集約機能をサポートしていると判定した場合、第3の信号を出力し、および、上記の小さなパケットの集約機能をサポートしないと判定した場合、第4の信号を出力する第2の判定ユニットと、
上記の第2の判定ユニットに接続され、上記の第3の信号に従って、上記の受信したデータフレームに対して上記の通常の構文解析ルールによってデータ解析を行う第1の受信ユニットと、
上記の第2の判定ユニットに接続され、上記の第4の信号に従って、上記のデータフレームのフレームタイプが通常のイーサネットフレームであると判定した場合、上記のデータフレームに対して上記の通常の構文解析ルールによってデータ解析を行い、上記のデータフレームのフレームタイプが上記の集約イーサネットフレームであると判定した場合、上記のデータフレームに対して上記の集約の構文解析ルールによってデータ解析を行う第2の受信ユニットと、
を含む。
【0012】
好ましくは、上記の通常のイーサネットフレームのフレーム構造は、順に、コードリーディング、フレーム先頭文字、ロードパケット、冗長検査、およびフレームスを含み、
上記の集約イーサネットフレームのフレーム構造は、上記のコードリーディング、上記のフレーム先頭文字、少なくとも二つの集約データ、上記の冗長検査、および上記のフレームスペーシングを順に含み、各集約データは、上記のシャーディングヘッドと上記のロードパケットを順に含む。
【0013】
好ましくは、上記の通常のイーサネットフレームの上記のフレーム先頭文字と上記の集約イーサネットフレームの上記のフレーム先頭文字とはそれぞれ異なる値を有し、上記の第2の受信ユニットは上記のフレーム先頭文字に基づいて上記のデータフレームのフレームタイプを判定する。
【0014】
上記の手段により、イーサネット装置に小さなパケットの集約機能を構成することにより、イーサネットの小さなロードパケットを伝送する際に複数の小さなロードパケットを一つのイーサネットフレームに集約してカプセル化することができ、小さなロードパケットを伝送する時のイーサネットの伝送効率を効果的に向上させるとともに、旧式の装置や小さなパケットの集約機能をサポートしていないイーサネット装置との互換性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】は既存のイーサネット装置同士の間の通信のプロセスを示す図である。
【
図2】は従来のイーサネットフレームにおけるフレームの構造を示す図である。
【
図3】は本発明による実施形態に係る効率的に伝送できるイーサネット装置の構成を示す図である。
【
図4】は本発明による実施形態に係るそれぞれ小さなパケットの集約機能をサポートする2つのイーサネット装置同士の間の通信のプロセスを示す図である。
【
図5】は本発明による実施形態に係る、小さなパケットの集約機能をサポートするイーサネット装置と、小さなパケットの集約機能をサポートしないイーサネット装置との間の通信のプロセスを示す図である。
【
図6】は本発明による実施形態に係る集約されたイーサネットフレームのフレーム構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。本発明の範囲を当該実施形態にて開示した構成に限定するものではない。本発明は、当該実施形態にて開示した構成を種々の態様に変形して実施することができる。
【0017】
本発明の実施形態において、既存技術に存在する上記の問題を考慮して、効率的な伝送できるイーサネット装置を提供し、
図3に示すように、
上位層装置からデータパケットを受信する度に、同一のLAN内でデータ送信を必要とする他のイーサネット装置が小さなパケットの集約機能をサポートしていると判定した場合、データパケットに含まれている複数の小さなパケットを集約して少なくとも一つの集約イーサネットフレームを形成するようにカプセル化して、対応する他のイーサネット装置へ送信するデータ送信モジュール1と、
同一のLAN内において、小さなパケットの集約機能をサポートしている他のイーサネット装置から送信されたデータフレームを受信する度に、かつそのデータフレームが通常のイーサネットフレームであると判定した場合、データフレームを予め設定された一つの通常の構文解析ルールによってデータ解析を行い、または、データフレームが集約イーサネットフレームであると判定した場合、データフレームを予め設定された一つの集約の構文解析ルールによってデータを解析するデータ受信モジュール2とを含む。
【0018】
具体的に、本実施形態に係る効率的に伝送できるイーサネット装置は、
図4及び
図5に示すように、二つの段階を含み、その中で、第1の段階はイーサネット装置の検出プロセルであり、
本発明の好ましい実施形態において、さらに、データ送信モジュール1とデータ受信モジュール2とにそれぞれ接続され、装置が起動する毎に、所在しているLAN内で自身の装置情報をブロードキャストし、LAN内における他のイーサネット装置の小さなパケットの集約機能をサポートしているかどうかを示すパラメータを含む装置情報を取得するデータ取得モジュール3を含み、
データ送信モジュール1とデータ受信モジュール2は、装置情報によって、データを伝送する他のイーサネット装置が小さなパケットの集約機能をサポートしているかどうかを判定する。
【0019】
本発明の好ましい実施形態において、データ取得モジュール3は、リンク層検出プロトコルを介して、所在しているLAN内において自身の装置情報をブロードキャストし、その自身の装置情報は小さなパケットの集約機能をサポートしているかどうかを示すパラメータを含み、各イーサネット装置は、LAN内でブロードキャストされる各イーサネットの装置情報によって、起動中の各イーサネット装置が小さなパケットの集約機能をサポートしているかどうかの情報を取得することができ、以上により、イーサネット装置の性能の違いに応じた通信が可能になる。ここで、上記のパラメータの具体的な形態は限定されていないが、単にLAN内のコンセンサスを取るだけである。
【0020】
第2の段階はイーサネット装置の伝送プロセスであり、さらに、データ送信プロセスとデータ受信プロセスを含み、
上記のデータ送信プロセスは、上位層装置から送信されたデータパケットを同一のLAN内における他のイーサネット装置へ伝送するプロセスであり、本発明の好ましい実施形態において、上位層装置から送信されたデータパケットに、通常、複数の連続したロードパケットが含まれており、
そして、データ送信モジュール1は、
データ伝送を必要とする他のイーサネット装置は小さなパケットの集約機能をサポートしないと判定した場合、第1の信号を出力し、および、他のイーサネット装置は小さなパケットの集約機能をサポートしていると判定した場合、第2の信号を出力する第1の判定ユニット11と、
第1の判定ユニット11に接続され、第1の信号によって、各ロードパケットをそれぞれにカプセル化し、通常のイーサネットフレームを形成させ、順に他のイーサネット装置へ送信する第1の送信ユニット12と、
第1の判定ユニット11に接続され、第2の信号によって、大きいパケットに属するロードパケットに対して通常的にカプセル化し、通常のイーサネットフレームを形成させ、および、小さなパケットに属する連続したロードパケットに対して集約にカプセル化し、集約イーサネットフレームを形成させ、かつ、それらをデータパケットにおける配列順によって他のイーサネット装置へ順に送信する第2の送信ユニット13と
を含む。
【0021】
具体的には、同一のLAN内において、小さなパケットの集約機能をサポートするイーサネット装置とサポートしないイーサネット装置をともに備える可能性があることを考慮して、その小さなパケットの集約機能をサポートしないイーサネット装置に対して、集約イーサネットフレームを送信すれば、データ解析に失敗することになる可能性がある。これを踏まえて、機器の互換性を確保するために、本実施形態において、小さなパケットの集約機能をサポートしないイーサネット装置に対して、通常のイーサネットフレームとしてデータパケットを伝送し、小さなパケットの集約機能をサポートするイーサネット装置に対しては、小さなロードパケット集約とカプセル化機能を有効にし、小さなロードパケットの伝送効率を可能な限り向上させるようにする。
【0022】
さらに、具体的には、第2の送信ユニット13は、
第2の信号によって、各ロードパケットのデータ長をそれぞれ取得し、そのデータ長が予め設定された一つの閾値より大きいロードパケットを大きいパケットとして構成し、データ長が閾値より大きくないロードパケットを小さなパケットとして構成する比較サブユニット131と、
比較サブユニット131に接続され、大きいパケットに属するロードパケットをカプセル化し、通常のイーサネットフレームを形成させるようにする第1のカプセル化サブユニット132と、
比較サブユニット131に接続され、連続した各小さなパケットを集約し、集約されたデータ長が予め設定された最大伝送長に達するまで、または連続したすべての小さなパケットの集約が完了するまで、各々のロードパケットの前にシャーディングヘッドを追加し、カプセル化して集約イーサネットフレームを形成させる第2のカプセル化サブユニット133と、
第1のカプセル化サブユニット132と第2のカプセル化サブユニット133とにそれぞれに接続され、カプセル化前に各ロードパケットにおける配列順に従って、各通常のイーサネットフレームと各集約イーサネットフレームを他のイーサネット装置に送信する送信サブユニット134と、
を含む。
【0023】
具体的には、本実施形態において、例えば、上位層装置から一度に送信されたデータパケットに順に配列されている十個のロードパケットが含まれていることを例とし、例えば、その中で、第1のロードパケットは大きいパケットとし、第2のロードパケットから第6のロードパケットまでは小さなパケットとし、第7のロードパケットは大きいパケットとし、第8のロードパケットと第9のロードパケットを小さなパケットとする。こういう場合、第1のロードパケットが第1の通常のイーサネットフレームを形成し、第2のロードパケットから第6のロードパケットまでは集約してカプセル化を行うが、ここで、説明の都合の上、各小さなパケットにおけるデータ長が同じとし、例えば、四つの小さなパケットが集約された後のデータ長が予め設定された最大伝送長に達したら、第2のロードパケットから第5のロードパケットを集約して第1の集約イーサネットフレームを形成させるようにカプセル化しかできないことになり、第6のロードパケットが小さなパケットであっても、第7のロードパケットは大きいパケットであるため、第6のロードパケットのみはカプセル化され第2の通常イーサネットフレームになり、第7のロードパケットはカプセル化されて第3の通常のイーサネットフレームになり、第8のロードパケットと第9のロードパケットはカプセル化されて第2の集約イーサネットフレームに形成されることになり、そして、第1の通常のイーサネットフレーム、第1の集約イーサネットフレーム、第2の通常のイーサネットフレーム、第3の通常のイーサネットフレーム、と第2の集約イーサネットフレームは順に他のイーサネット装置へ送信されることにより、当該のデータパケットの送信プロセスが完了とする。
【0024】
同様に、以上の例を用いて、例えば三つの小さなパケットで、集約された後のデータ長が予め設定された最大伝送長に達した場合、第2のロードパケットから第4のロードパケットまでを集約してカプセル化し第1の集約イーサネットフレームに形成させ、第5のロードパケットと第6のロードパケットを集約してカプセル化し、第2の集約イーサネットフレームに形成させ、第7のロードパケットをカプセル化し第3の通常のイーサネットフレームに形成させ、第8のロードパケットと第9のロードパケットを集約してカプセル化し第3の集約イーサネットフレームに形成させてから、順に第1の通常のイーサネットフレーム、第1の集約イーサネットフレーム、第2の集約イーサネットフレーム、第2の通常のイーサネットフレーム、と第3の集約イーサネットフレームを他のイーサネットフレームに送信することにより、当該のデータパケットの送信プロセスが完了とする。
【0025】
上記のデータ受信プロセスは、他のイーサネット装置から送信されたデータフレームを受信するプロセスであり、具体的に、本発明の好ましい実施形態において、データ受信モジュール2は、
データフレームを送信した他のイーサネット装置が小さなパケットの集約機能をサポートしていると判定した場合、第3の信号を出力し、および、小さなパケットの集約機能をサポートしないと判定した場合、第4の信号を出力する第2の判定ユニット21と、
第2の判定ユニット21に接続され、第3の信号に従って、受信したデータフレームに対して通常の構文解析ルールによってデータ解析を行う第1の受信ユニット22と、
第2の判定ユニット22に接続され、第4の信号に従って、受信したデータフレームのフレームタイプが通常のイーサネットフレームであると判定した場合、データフレームに対して通常の構文解析ルールによってデータ解析を行い、データフレームのフレームタイプが集約イーサネットフレームであると判定した場合、データフレームに対して集約の構文解析ルールによってデータ解析を行う第2の受信ユニット23と、
を含む。
【0026】
具体的には、イーサネットのデータフレームは種類によってカプセル化構造が異なるため、対応するデータ解析ルールも異なってき、本実施形態において、他のイーサネット装置から送信されたデータフレームを受信した際に、まず、データフレームを送信した他のイーサネット装置が小さなパケットの集約機能をサポートしているかどうかを判定し、小さなパケットの集約機能をサポートしない場合は、通常のイーサネットフレームしか送信できないため、通常の解析ルールを直接呼び出して受信したフレームを解析することができ、小さなパケットの集約機能をサポートしている場合、データの送信プロセスから分かるように、通常のイーサネットフレームと集約イーサネットフレームのいずれかが送信される場合があるため、解析の前に、フレームのタイプを識別する必要があり、識別結果に基づいて、通常の解析ルールを使用して解析するのか、集約の解析ルールを使用して解析するのかを決定する。
【0027】
本発明の好ましい実施形態において、
図2に示すように、通常のイーサネットフレームのフレーム構造は、順に、コードリーディング、フレーム先頭文字、ロードパケット、冗長検査、およびフレームスペーシングを含む。
【0028】
図6に示すように、集約イーサネットフレームのフレーム構造は、コードリーディング、フレーム先頭文字、少なくとも二つの集約データ、冗長検査、フレームスペーシングを順に含み、各集約データはシャーディングヘッドとロードパケットを順に含む。
【0029】
本発明の好ましい実施形態において、通常のイーサネットフレームのフレーム先頭文字と集約イーサネットフレームのフレーム先頭文字とはそれぞれ異なる値を有し、第2の受信ユニットはフレーム先頭文字に基づいてデータフレームのフレームタイプを判定する。
【0030】
具体的には、本実施形態において、通常のイーサネットフレームのコードリーディング、冗長検査、およびフレームスペーシングの定義は、集約イーサネットフレームのと同じで、相違点は、通常のイーサネットフレーム先頭文字は通常0x5Dであり、集約イーサネットフレームのフレーム先頭文字は、例えば0x5Fを含む0x5Dと異なる値をとるように設定できる。
【0031】
ここで、上記のシャーディングヘッドは、好ましくは2バイト長とし、シャーディングされたロードパケットの長さと、それが最後のシャーディングされたロードパケットであるかどうかを制御する。
【0032】
好ましい実施形態として、データ長がそれぞれ100バイトで、最大伝送長が1500バイトに達する連続した小さなロードパケットを例にとると、本発明の効率的な伝送イーサネット装置を使用した場合、一つの集約イーサネットフレームは1452バイトのデータを伝送することが可能である。具体的な計算式は次の通りであり、
8(コードリーディング)+(100(ロードパケット)+2(シャーディングヘッド))×14+4(冗長検査)+12(フレームスペーシング)=1452、
つまり、一つの集約イーサネットフレームは、1400/1452×100%=96.4%の伝送効率で、100バイトの小さなロードパケットを14個伝送することができる。
【0033】
一方、従来技術では、100バイトのロードパケットを14個送信するのに1736バイトが必要であり、計算式は次の通りであり、
(8(コードリーディング)+100(ロードパケット)+4(冗長検査)+12(フレームスペーシング))×14=1736、
その伝送効率は1400/1736×100=80.6%である。
【0034】
本実施の形態では、ほぼ16%の伝送効率が向上していることから、本発明のイーサネット装置は、小さなロードパケットのイーサネットの伝送効率を大幅に改善でき、かつロードパケットが小さいほど、伝送効率が向上することが分かる。
【0035】
上記の説明は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の実施形態および保護範囲を限定することを意図するものではなく、当業者は、本明細書の内容および付図を使用することによってなされる同等の置換または、明らかな変更から得られる解決策は、すべて本発明の保護範囲に含まれるものを認識すべきである。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
一つの上位層装置から一つのデータパケットを受信する度に、同一のLAN内でデータ送信を必要とする他のイーサネット装置が小さなパケットの集約機能をサポートしていると判定した場合、上記のデータパケットに含まれている各小さなパケットを集約して少なくとも一つの集約イーサネットフレームを形成させるようにカプセル化して、対応する上記の他のイーサネット装置へ送信するデータ送信モジュールと、
同一のLAN内において、上記の小さなパケットの集約機能をサポートしている上記の他のイーサネット装置から送信されたデータフレームを受信する度に、かつ上記のデータフレームが通常のイーサネットフレームであると判定した場合、上記のデータフレームに対して予め設定された一つの通常の構文解析ルールによってデータ解析を行い、または、上記のデータフレームが上記の集約イーサネットフレームであると判定した場合、上記のデータフレームに対して予め設定された一つの集約の構文解析ルールによってデータを解析するデータ受信モジュールとを含む効率的に伝送するイーサネット装置。
[2]
上記のデータ送信モジュールと上記のデータ受信モジュールとにそれぞれ接続され、装置が起動する毎に、所在している上記のLAN内で自身の装置情報をブロードキャストし、上記のLAN内における他のイーサネット装置の上記の小さなパケットの集約機能をサポートしているかどうかを示すパラメータを含む上記の装置情報を取得するデータ取得モジュールを含み、
上記のデータ送信モジュールと上記のデータ受信モジュールは、上記の装置情報によって、データを伝送する上記の他のイーサネット装置が上記の小さなパケットの集約機能をサポートしているかどうかを判定することを特徴とする[1]に記載のイーサネット装置。
[3]
上記のデータ取得モジュールは、リンク層検出プロトコルを介して、所在している上記のLAN内において自身の上記の装置情報をブロードキャストすることを特徴とする[2]に記載のイーサネット装置。
[4]
上記のデータパケットは、順に配列された複数のロードパケットを含み、
上記のデータ送信モジュールは、
データ伝送を必要とする上記の他のイーサネット装置が上記の小さなパケットの集約機能をサポートしないと判定した場合、第1の信号を出力し、および、上記の他のイーサネット装置が上記の小さなパケットの集約機能をサポートしていると判定した場合、第2の信号を出力する第1の判定ユニットと、
上記の第1の判定ユニットに接続され、上記の第1の信号によって、上記の各ロードパケットをそれぞれにカプセル化し、通常のイーサネットフレームを形成させ、順に上記の他のイーサネット装置へ送信する第1の送信ユニットと、
上記の第1の判定ユニットに接続され、上記の第2の信号によって、大きいパケットに属する上記のロードパケットに対して、通常的にカプセル化し、上記の通常のイーサネットフレームを形成させ、および、小さなパケットに属する連続した上記のロードパケットに対して集約にカプセル化し、集約イーサネットフレームを形成させ、かつ、それらを上記のデータパケットにおける配列順によって上記の他のイーサネット装置へ順に送信する第2の送信ユニットと
を含むことを特徴とする[1]に記載のイーサネット装置。
[5]
上記の第2の送信ユニットは、
上記の第2の信号によって、上記の各ロードパケットのデータ長をそれぞれ取得し、上記のデータ長が予め設定された一つの閾値より大きい上記のロードパケットを上記の大きいパケットとして構成し、上記のデータ長が上記の閾値より大きくない上記のロードパケットを上記の小さなパケットとして構成する比較サブユニットと、
上記の比較サブユニットに接続され、上記の大きいパケットに属する上記のロードパケットをカプセル化し、上記の通常のイーサネットフレームを形成させるようにする第1のカプセル化サブユニットと、
上記の比較サブユニットに接続され、連続した上記の各小さなパケットを集約し、集約された上記のデータ長が予め設定された最大伝送長に達するまで、または連続したすべての小さなパケットの集約が完了するまで、各々の上記のロードパケットの前にシャーディングヘッドを追加し、カプセル化して上記の集約イーサネットフレームを形成させる第2のカプセル化サブユニットと、
上記の第1のカプセル化サブユニットと第2のカプセル化サブユニットとにそれぞれに接続され、カプセル化前に上記の各ロードパケットにおける配列順に従って、上記の各通常のイーサネットフレームと上記の各集約イーサネットフレームを上記の他のイーサネット装置に送信する送信サブユニットと、
を含むことを特徴とする[4]に記載のイーサネット装置。
[6]
上記のデータ受信モジュールは、
上記のデータフレームを送信した上記の他のイーサネット装置が上記の小さなパケットの集約機能をサポートしていると判定した場合、第3の信号を出力し、および、上記の小さなパケットの集約機能をサポートしないと判定した場合、第4の信号を出力する第2の判定ユニットと、
上記の第2の判定ユニットに接続され、上記の第3の信号に従って、受信した上記のデータフレームに対して上記の通常の構文解析ルールによってデータ解析を行う第1の受信ユニットと、
上記の第2の判定ユニットに接続され、上記の第4の信号に従って、上記のデータフレームのフレームタイプが通常のイーサネットフレームであると判定した場合、上記のデータフレームに対して上記の通常の構文解析ルールによってデータ解析を行い、上記のデータフレームのフレームタイプが上記の集約イーサネットフレームであると判定した場合、上記のデータフレームに対して上記の集約の構文解析ルールによってデータ解析を行う第2の受信ユニットと、
を含むことを特徴とする[5]に記載のイーサネット装置。
[7]
上記の通常のイーサネットフレームのフレーム構造は、順に、コードリーディング、フレーム先頭文字、ロードパケット、冗長検査、およびフレームスペーシングを含み、
上記の集約イーサネットフレームのフレーム構造は、上記のコードリーディング、上記のフレーム先頭文字、少なくとも二つの集約データ、上記の冗長検査、および上記のフレームスペーシングを順に含み、各集約データは、上記のシャーディングヘッドと上記のロードパケットを順に含むことを特徴とする[6]に記載のイーサネット装置。
[8]
上記の通常のイーサネットフレームの上記のフレーム先頭文字と上記の集約イーサネットフレームの上記のフレーム先頭文字とはそれぞれ異なる値を有し、上記の第2の受信ユニットは上記のフレーム先頭文字に基づいて上記のデータフレームのフレームタイプを判定することを特徴とする[7]に記載のイーサネット装置。