(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】包装ケース
(51)【国際特許分類】
B65D 85/57 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
B65D85/57 C
(21)【出願番号】P 2022197916
(22)【出願日】2022-12-12
【審査請求日】2022-12-12
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514043816
【氏名又は名称】精密産品有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】留 国典
(72)【発明者】
【氏名】留 君銘
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110562612(CN,A)
【文献】特開2001-278373(JP,A)
【文献】特開2002-308367(JP,A)
【文献】特表2013-500910(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0196918(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0170078(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0114147(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/57
G11B 23/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状物体を収容するための包装ケースであって、
前記包装ケースは、ケース底部、ケース蓋部、リッジ状部材及びトレイを含み、
前記ケース底部及び前記ケース蓋部は、前記リッジ状部材にヒンジ連結されて、リッジ状部材とともに密閉ケース体を構成しており、前記トレイはシート状物体を保持するために用いられ、
前記リッジ状部材には、一対のヒンジベースが設けられ、前記トレイは、該トレイに設けられたトレイ軸によって前記ヒンジベースに接続され、前記ヒンジベース内に前記トレイ軸の自己適応回動及び振動回避のためのキャビティが設けられ、前記トレイ軸には軸方向に沿って一対の柱状のトレイ軸止め部が設けられ、前記トレイ軸止め部の間のトレイ軸の軸方向長さ部分は、ヒンジベースに対応するように設けられ、前記キャビティに収容されており、
前記ヒンジベースは、接続シートと、下端が前記リッジ状部材に接続され、上端にフック状部材が設けられた一対のストッパシートを含み、
トレイがヒンジベースの周りに反転可能になるように、トレイ軸のトレイ軸止め部の直径はストッパシートの最大の横方向幅よりも大きくし、
前記ケース底部とケース蓋部にいずれもガイド固定アセンブリが設けられ、前記トレイに前記ガイド固定アセンブリと係合する突起部が設けられて
おり、
前記リッジ状部材には、前記リッジ状部材の縦方向の両端に、且つ前記ヒンジベースの縦方向の外側に位置する一対のトレイ軸保護装置が設けられ、前記一対のトレイ軸保護装置はケース状であり、前記トレイ軸の軸方向端部に面して開放されており、
さらに、前記トレイ軸保護装置は、その内部空間において、前記トレイ軸の軸方向端部に面して設けられて弾性を有する保護弾性シートと、前記トレイ軸の軸方向端部と対向するように設けられて前記保護弾性シートを支持するための保護弾性シート支持部とが設けられており、
前記トレイ軸の軸方向端部が前記保護弾性シートに向かって移動して当接すると、前記保護弾性シートは自身の弾性により前記トレイ軸の軸方向端部に伴って移動し、前記保護弾性シート支持部は前記保護弾性シートを支持することで、前記トレイ軸が移動し続けることを阻止することを特徴とする包装ケース。
【請求項2】
前記ガイド固定アセンブリには、前記トレイの突起部と合わせるガイド溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装ケース。
【請求項3】
前記ガイド固定アセンブリは、円弧状の面取りが設けられた一対のガイドブロックを含み、前記ガイド溝は、前記一対のガイドブロックの包装ケースの縦方向に沿った間隔において形成されることを特徴とする請求項2に記載の包装ケース。
【請求項4】
前記ガイドブロックにおける前記ガイド溝に面する側に斜面が設けられていることを特徴とする
請求項3に記載の包装ケース。
【請求項5】
前記ガイド固定アセンブリは、同じ構造である上ガイド固定アセンブリと下ガイド固定アセンブリを含み、前記ケース蓋部とケース底部にはいずれもケースエッジ部材が設けられ、前記上ガイド固定アセンブリは前記ケース蓋部のケースエッジ部材に設けられ、前記下ガイド固定アセンブリは前記ケース底部のケースエッジ部材に設けられ、前記上ガイド固定アセンブリと前記下ガイド固定アセンブリとは位置が対応することで、前記上ガイド固定アセンブリのガイドブロックと前記下ガイド固定アセンブリのガイドブロックは、前記包装ケースが閉じる場合に吻合して突き合わせられることを特徴とする
請求項3に記載の包装ケース。
【請求項6】
前記一対のストッパシートのフック状部材は対向して設けられ、前記接続シートは、前記一対のストッパシートの間に設けられ、それぞれ、前記一対のストッパシートと接続されて、トレイ軸を収容するキャビティを構成しており、前記接続シートは上向きに湾曲する円弧状シートであることを特徴とする請求項1に記載の包装ケース。
【請求項7】
前記一対のストッパシートは、前記トレイの一方端が前記ケースエッジ部材に当接すると、前記トレイの他方端に位置するトレイ軸が前記ストッパシートに接触しないように、互いに間隔をおいて設けられることを特徴とする
請求項5に記載の包装ケース。
【請求項8】
前記トレイには、シート状物体を保持するための、第1のボスと第2のボスが設けられ、前記第1のボスと前記第2のボスとは、互いにずらした関係で前記トレイの反対する面にあることを特徴とする請求項1に記載の包装ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、物体収納の技術分野に関し、特にシート状物体を収納するための包装ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ユーザーは、包装ケースを使用して、例えばスターカード、切手、マルチメディアメモリディスク、又はデータメモリカードなどのシート状物体を収納する。これらの物体が薄く、破損しやすいため、ユーザーの、包装ケースの耐衝撃性能及び収納された物体に対する保護性能に対する要求が高い。
【0003】
従来技術におけるシート状物体を収容可能な収納容器において、包装容器本体にヒンジ連結するトレイを有し、このトレイがシート状物体を収容するためにも使用可能であるものがあったが、このような容器は、使用時に以下の問題があった。即ち、その第一は、トレイが反転する時に引っ掛かりやすく、トレイと包装容器本体とをヒンジ連結するトレイ軸は極めて折れやすいことであり、その第二は、トレイは、包装容器の蓋体の反転に追従して往復に移動し且つ移動する軌跡が不規則であり、トレイが不正常な位置にあると蓋体の反転が阻害され、蓋体を反転し続けるとトレイと包装容器とをヒンジ連結するトレイ軸は折れてしまい、さらに、容器を閉じた後、トレイは不安定になり、包装容器内に揺れ、容器が落下する場合、トレイが容器内から飛び出すことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、従来技術におけるトレイと包装容器本体とのヒンジトレイ軸が折れやすく、トレイが不安定であるという問題を解決する、包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本出願はシート状物体を収容するための包装ケースを提供し、この包装ケースは、ケース底部、ケース蓋部、リッジ状部材及びトレイを含み
前記ケース底部とケース蓋部は、前記リッジ状部材にヒンジ連結され、前記ケース底部とケース蓋部は、リッジ状部材とともに密閉ケース体を構成しており、前記トレイはシート状物体を保持するために用いられ、
前記リッジ状部材には、一対のヒンジベースが設けられ、前記トレイは、該トレイに設けられたトレイ軸によって前記ヒンジベースに接続され、前記ヒンジベース内に前記トレイ軸の自己適応回動及び振動回避のためのキャビティが設けられ、前記トレイ軸には軸方向に沿って一対の柱状のトレイ軸止め部が設けられ、前記トレイ軸止め部の間のトレイ軸の軸方向長さ部分は、ヒンジベースに対応するように設けられ、前記キャビティに収容され、
トレイがヒンジベースの周りに反転可能になるように、トレイ軸のトレイ軸止め部の直径は前記ストッパシートの最大の横方向幅よりも大きくし、
前記ケース底部とケース蓋部にいずれもガイド固定アセンブリが設けられ、前記トレイに前記ガイド固定アセンブリと係合する突起部が設けられている。
【0006】
好ましくは、前記ガイド固定アセンブリには、前記トレイの突起部と合わせるガイド溝が設けられている。
【0007】
好ましくは、トレイ軸には、前記リッジ状部材の縦方向の両端に、且つ前記ヒンジベースの縦方向の外側に位置する一対のトレイ軸保護装置がさらに設けられ、前記一対のトレイ軸保護装置はケース状であり、前記トレイ軸の軸方向端部に面して開放され、
前記トレイ軸保護装置は、その内部空間において、前記トレイ軸の軸方向端部に面して設けられて弾性を有する保護弾性シートと、前記トレイ軸の軸方向端部と対向するように設けられて前記保護弾性シートを支持するための保護弾性シート支持部とが設けられており、
前記トレイ軸の軸方向端部が前記保護弾性シートに向かって移動して当接すると、前記保護弾性シートは自身の弾性により前記トレイ軸の軸方向端部に伴って移動し、前記保護弾性シート支持部は前記保護弾性シートを支持することで、前記トレイ軸が移動し続けることを阻止する。
【0008】
好ましくは、前記ガイド固定アセンブリは、円弧状の面取りが設けられた一対のガイドブロックを含み、前記ガイド溝は、前記一対のガイドブロックの包装ケースの縦方向に沿った間隔において形成される。
【0009】
好ましくは、前記ガイドブロックの前記ガイド溝に面する側に斜面が設けられている。
【0010】
好ましくは、前記ガイド固定アセンブリは、同じ構造である上ガイド固定アセンブリと下ガイド固定アセンブリを含み、前記ケース蓋部とケース底部にはいずれもケースエッジ部材が設けられ、前記上ガイド固定アセンブリは前記ケース蓋部のケースエッジ部材に設けられ、前記下ガイド固定アセンブリは前記ケース底部のケースエッジ部材に設けられ、前記上ガイド固定アセンブリと前記下ガイド固定アセンブリとは位置が対応することで、前記上ガイド固定アセンブリのガイドブロックと前記下ガイド固定アセンブリのガイドブロックは、前記包装ケースが閉じる場合に吻合して突き合わせられる。
【0011】
好ましくは、前記ヒンジベースは、接続シートと、下端が前記リッジ状部材に接続され、上端にフック状部材が設けられた一対のストッパシートを含み、前記一対のストッパシートのフック状部材は対向して設けられ、前記接続シートは、前記一対のストッパシートの間に設けられ、それぞれ、前記一対のストッパシートと接続されてトレイ軸を収容するキャビティを構成しており、前記接続シートは上向きに湾曲する円弧状シートである。
【0012】
好ましくは、前記一対のストッパシートは、前記トレイの一方端が前記ケースエッジ部材に当接すると、前記トレイの他方端に位置するトレイ軸が前記ストッパシートに接触しないように、互いに間隔をおいて設けられる。
【0013】
好ましくは、前記トレイには、シート状物体を保持するための、第1のボスと第2のボスが設けられ、前記第1のボスと前記第2のボスとは、互いにずらした関係で前記トレイの反対する面にある。
【0014】
従来技術と比べ、本出願の実施例の利点は、次のとおりである、即ち、
本実施例のヒンジベース内にトレイ軸の自己適応回動及び振動回避のためのキャビティが設けられ、トレイが反転する場合、トレイ軸は、自己適応的にストッパシートと接続シートの内壁に沿って移動可能であり、トレイ軸がヒンジベース内で引っ掛かることにより折れることを回避でき、一対のストッパシートは離間して設けられ、両方は、前記トレイの一方端が前記ケースエッジ部材に当接すると、前記トレイの他方端に位置するトレイ軸が前記ストッパシートに接触しないように、一定の距離を有するので、包装ケースが落下する場合、トレイ軸はヒンジベースに衝突して折れることが回避でき、前記トレイ軸には、軸方向に沿って一対の柱状のトレイ軸止め部が設けられるため、包装ケースが落下する場合、トレイがヒンジベースから飛び出すことを回避し、ケースエッジ部材にガイド固定アセンブリが設けられ、ケース蓋部を閉状態に反転する場合、トレイにおける突起部はちょうどガイド固定アセンブリのガイド溝内に進入することができ、トレイを所定の軌跡に沿って移動させ、トレイは不正常な位置にあることによるトレイ軸の折れを回避し、さらに、包装ケースが閉じた後、ガイド固定アセンブリは、トレイを固定することができ、トレイの移動を制限し続け、トレイが勝手に揺れないことを保証し、トレイの表裏面にいずれもボスが設けられ、両面でメディアディスクを保持可能であり、ケース底部にもボスがあり、もう1つのメディアディスクを保持可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本出願の具体的な実施の形態又は従来技術における技術案をより明らかに説明するために、以下は、具体的な実施の形態又は従来技術の記載にとって必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載における図面は本発明のいくつかの実施の形態のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、これらの図面に基づき、他の図面を取得できる。
【
図1】本出願の実施の形態による包装ケース開状態の概略図である。
【
図2A】本出願の実施の形態による包装ケースのヒンジベースとトレイ軸の取り付けの概略図である。
【
図2B】本出願の実施の形態による包装ケースのトレイ軸の構成概略図である。
【
図2C】本出願の実施の形態による包装ケースのヒンジベースの構成概略図である。
【
図3A】本出願の実施の形態による包装ケースのトレイ軸保護装置の構成概略図である。
【
図3B】本出願の実施の形態による包装ケースのトレイ軸保護装置とトレイ軸との係合の概略図である。
【
図4A】本出願の実施の形態による包装ケースのトレイの反転状態の概略図である。
【
図5A】本出願の実施の形態による包装ケースの落下状態の概略図である。
【
図5D】本出願の実施の形態による包装ケースのガイドブロックの構成概略図である。
【
図5E】
図5Aにおける領域Aの落下状態の拡大概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本出願の技術案について、図面を結合して明瞭かつ完全に説明するが、明らかに、説明された実施例は、全ての実施例ではなく、本出願の一部の実施例である。本出願における実施例に基づき、当業者が進歩性に値する労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0017】
本出願の記載において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などの用語が指示する方位又は位置関係は図面に基づいて示された方位又は位置関係であり、単に本出願の説明及び説明の簡略化の便宜上のものであり、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを指示したり、暗示したりすることを意図するものではなく、従って、本出願を制限するものと理解されるべきではないことを説明する必要がある。なお、「第1」、「第2」、「第3」という用語は目的を説明するためだけに用いられるものであり、比較的重要であることを指示又は暗示するものと理解してはならない。
【0018】
明確な定義と制限がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は、広義的に理解すべきであり、例えば、固定接続でもよいし、着脱可能に接続でもよいし、又は一体的に接続でもよいし。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接に接続してもよいし、中間物を介して間接に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者にとって、本出願における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解すればよい。
【0019】
ここで、「縦方向」という用語は、包装ケースの最大の長さの方向に沿っていることを意味し、これは、トレイ軸の軸方向と同じ方向であり、「横方向」という用語は、包装ケースの幅方向に沿って「縦方向」で示す方向に対して垂直であることを意味する。
【実施例1】
【0020】
図1を参照し、本出願によるシート状物体を収納するための包装ケースを提供しており、この包装ケースはケース底部1、ケース蓋部2、リッジ状部材3及びトレイ4を含み、ケース底部1とケース蓋部2はリッジ状部材3の対向する2つの横方向のエッジにヒンジ連結され、ケース底部1と、ケース蓋部2はいずれもケースエッジ部材5を有し、ケース底部1とケース蓋部2はリッジ状部材3とともに密閉ケース体を構成し、この密閉ケース体内にシート状物体が貯蔵され、ケース底部1、ケース蓋部2は、リッジ状部材3の周りに反転可能であり、包装ケースを開状態と閉状態の間に往復に切り替えることができる。前記トレイ4は、シート状物体を保持して収容するためのものである。
【0021】
図1及び
図2A~
図2Cを参照し、リッジ状部材3には、一対の分離したヒンジベース7が設けられ、トレイ4は、該当トレイ4に設けられたトレイ軸6によってヒンジベース7と接続され、ヒンジベース7内にトレイ軸6の自己適応回動及び振動回避のためのキャビティが設けられ、トレイ軸6はヒンジベース7のキャビティに設けられ、トレイ4をヒンジベース7の周りに反転させることができる。
【0022】
図2A~
図2C及び
図4A~
図4Dを参照し、ヒンジベース7は、接続シート17と、下端がリッジ状部材3に接続され、上端にフック状部材18が設けられた一対のストッパシート16とを含み、前記一対のストッパシート16は、互いに横方向にある距離をおく、即ち、この一対のストッパシート16のフック状部材18は互いに対向しているが、接触せず、一対のストッパシート16のフック状部材18の間に一本の隙間が残されている、ように設けられた。なお、特に、
図2Aと2Bに示すように、トレイ軸6には軸方向に沿って一対の柱状のトレイ軸止め部61が設けられ、トレイ軸止め部61の間のトレイ軸6の軸方向長さ部分はヒンジベース7に対応するように設けられ、前記軸方向長さ部分は、前記フック状部材18の間の隙間を通して一対のストッパシート16の間に進入することができ、ストッパシート16の縦方向長さよりも僅かに長いように設けられることで、ストッパシート16はトレイ軸止め部61の間のトレイ軸6の軸方向長さ部分を介して、トレイ軸6に対する噛合いを実現することができる。接続シート17は一対のストッパシート16の間に設けられ、接続シート17は、一対のストッパシート16とそれぞれ接続され、ストッパシート16とともにこの部分の軸方向長さを収容するキャビティを構成しており、接続シート17は上向きに湾曲する円弧状シートであり、従来技術では、トレイ軸はヒンジベース内で引っ掛かり現象がよく発生し、ユーザーは少しでも気にせず、さらにトレイを反転し続けるとトレイ軸が折れ、
図4A~
図4Dを参照し、本実施例のヒンジベース7により、トレイ4が反転される場合、トレイ軸止め部61の間のトレイ軸6の軸方向長さ部分が接続シート17の円弧状構造に沿って動き、トレイ4を円滑に反転させる位置を自己適応的に探すことができ、トレイ軸6が引っ掛かった場合にユーザーはトレイ4を反転し続けることによるトレイ軸6の折れを回避する。
【0023】
ケース底部1とケース蓋部2はいずれもケースエッジ部材5を有し、包装ケースを閉じる場合、ケース底部1とケース蓋部2とのケースエッジ部材5は突き合わせて、リッジ状部材3とともに閉鎖したケース体を構成し、従来技術では、包装ケースが落下すると、トレイ軸がヒンジベースに衝突してトレイ軸が折れることがよく発生し、本実施例のヒンジベース7の一対のストッパシート16が離間して設けられており、この一対のストッパシート16は、トレイ4の一方端がケースエッジ部材5に当接すると、トレイ4の対向する他方端に位置するトレイ軸止め部61の間のトレイ軸6の軸方向長さ部分がストッパシート16と接触しない距離だけ離間しているので、閉状態にある包装ケースが落下すると、トレイ4の一方端は先にケースエッジ部材5に当接するが、トレイ軸6はヒンジベース7のストッパシート16に接触せず、このように、トレイ軸6は不意に落下したり、衝突を受けたりして折れることを回避できる。
【0024】
具体的には、
図2Aと2Bを参照し、トレイ軸6のトレイ軸止め部61の直径は前記ストッパシート16の最大の横方向幅よりも大きくし、これにより、トレイ軸止め部61はヒンジベース7の一対のストッパシート16の外側に接触することによって、トレイ軸6がヒンジベース7の縦方向に沿って移動しすぎることを制限することができる。このように、包装ケースは
図5Aに示す方向に沿って落下すると、トレイ軸止め部61がストッパシート16に突き当たることで、トレイ4の下向きの運動を止め、トレイ4が直接にヒンジベース7から飛び出すことを回避する。
【0025】
再び
図3Aと3Bを参照し、包装ケースは、リッジ状部材3の縦方向の両端に、且つヒンジベース7の縦方向の外側に位置する箇所に一対のトレイ軸保護装置8がさらに設けられ、前記一対のトレイ軸保護装置8はケース状であり、トレイ軸6の軸方向端部に面して開放されている。トレイ軸保護装置8は、その内部空間において、トレイ軸6の軸方向端部に面して設けられて弾性を有する保護弾性シート81と、トレイ軸6の軸方向端部に対向するように設けられて保護弾性シート81を支持するための保護弾性シート支持部82とが設けられている。
【0026】
図4B~4D、及び5A~5Dを参照し、トレイ軸6の軸方向端部が包装ケースの落下により保護弾性シート81に向かって移動して当接すると、保護弾性シート81は自身の弾性によりトレイ軸6の軸方向端部に伴って移動して、保護弾性シート支持部82に支持された後に移動を停止し、これにより、トレイ軸6の軸方向における移動に対して、制振と停止の機能を果たすことを実現でき、例えば包装ケースが落ちる場合に損害しないようにトレイ軸6を保護する。
【0027】
図1と
図5A~5Eを参照し、ケース蓋部2、ケース底部1におけるリッジ状部材3から離れたケースエッジ部材5には、ケース蓋部2のケースエッジ部材5に設けられた上ガイド固定アセンブリ12と、ケース底部1のケースエッジ部材5に設けられた下ガイド固定アセンブリ11とがそれぞれ設けられ、上ガイド固定アセンブリ12と下ガイド固定アセンブリ11は同じ構成であり、位置が対応している。
図5Dを参照し、上ガイド固定アセンブリ12と下ガイド固定アセンブリ11は、いずれも位置が対応する箇所に、円弧状の面取りが設けられた一対のガイドブロック13を含み、各対のガイドブロック13の間には、包装ケースの縦方向に沿った間隔でガイド溝14が形成され、ガイドブロック13のガイド溝14に面する側に斜面が設けられ、トレイ4の末端に、サイズと外形がガイド溝14と一致する突起部15が設けられるため、包装ケースが閉状態である場合、突起部15は、上ガイド固定アセンブリ12のガイドブロック13及び下ガイド固定アセンブリ12のガイドブロック13によって形成されたガイド溝14に保持され、上ガイド固定アセンブリ12と下ガイド固定アセンブリ11とは位置が対応し、即ち、ケース蓋部2における上ガイド固定アセンブリ12の位置とケース底部1における下ガイド固定アセンブリ11の位置とは完全に対応することで、上ガイド固定アセンブリ12のガイドブロック13と下ガイド固定アセンブリ12のガイドブロック13を、包装ケースが閉じる場合に吻合して突き合わせる。従来技術では、ケース蓋部が反転する場合、トレイはケース蓋部に伴って移動し、この場合トレイの移動の軌跡が不規則であり、ケース蓋部を閉状態に反転する場合、トレイの不規則の動きにより、ケース底部のある位置に引っかかって、ケース蓋部を反転し続けるとトレイ軸が折れることになり、本実施例では、ケース蓋部2を閉状態に反転する場合、トレイ4における突起部15はちょうどガイド溝14内に進入することができ、トレイ4を所定の軌跡に沿って移動させ、トレイ4が不正常な位置にあることによるトレイ軸6の折れを回避し、さらに、包装ケースが閉じた後、ガイドブロック13は、トレイ4における突起部15を係止することができ、そして、トレイ4の移動を制限し、トレイ4が勝手に揺れないことを保証し、
図5Aと
図5Cを参照し、ガイドブロック13がトレイの揺れを制限できるため、包装ケースが落下すると、トレイ4の突起部15はガイドブロック13に当接し、トレイ4が包装ケースから飛び出すことを回避する。
【0028】
好ましくは、トレイ4は、1つ又は複数の同じトレイ4として設けられてもよく、それぞれのトレイ4は、1つのトレイ軸を共用し、ヒンジベース7の周りで独立して反転可能である。
図1を参照し、それぞれのトレイ4には、メディアディスクを保持するための第1のボス9と第2のボス10が設けられ、第1のボス9と第2のボス10とは互いにずらした関係でそれぞれのトレイ4の反対する面にそれぞれに位置し、即ち、それぞれのトレイ4の表裏面にいずれもシート状物体を保持することができる。
【0029】
なお、当業者であれば、それぞれのトレイ4の形状は、収納されるシート状物体の形状に応じて変更することができ、例えば、正方向、矩形、楕円形などであってもよく、且つそれぞれのトレイは、特定の形状と厚さを有する物体を収容するために、局所領域に凹溝を設けることができる、ということは理解されるべきである。上記の変形の形態のいずれも、本発明の範囲を逸脱しない。
【0030】
以上のように、本実施例のヒンジベース内にトレイ軸の自己適応回動及び振動回避のためのキャビティが設けられ、トレイが反転する場合、トレイ軸は、自己適応的にストッパシートと接続シートの内壁に沿って移動可能であり、トレイ軸はヒンジベース内での引っ掛かることにより折れることを回避でき、一対のストッパシートは離間して設けられ、両方は、前記トレイの一方端が前記ケースエッジ部材に当接すると、前記トレイの他方端に位置するトレイ軸が前記ストッパシートに接触しないように、一定の距離を有し、包装ケースが落下する場合、トレイ軸がヒンジベースに衝突して折れることが回避でき、ケースエッジ部材にガイド固定アセンブリが設けられ、ケース蓋部を閉状態に反転する場合、トレイにおける突起部はちょうどガイド固定アセンブリのガイド溝内に進入することができ、トレイを所定の軌跡に沿って移動させ、トレイが不正常な位置にあることによるトレイ軸の折れを回避し、さらに、包装ケースが閉じた後、ガイド固定アセンブリは、トレイを固定することができ、トレイの移動を制限し続け、トレイが勝手に揺れないことを保証し、トレイの表裏面にいずれもボスが設けられ、両面でメディアディスクを保持可能であり、ケース底部にもボスがあり、もう1つのメディアディスクを保持可能である。
【0031】
最後に、説明すべきは、以上の各実施例は本出願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではなく、前記各実施例を参照しながら本出願を詳細に説明したが、当業者であれば、前記各実施例に記載の技術案に対する修正、又はその一部もしくは全ての技術的特徴に対する均等の置換が可能であることは、当然理解されるものであり、これらの修正又は置換は、該当する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させるものではないということである。
【符号の説明】
【0032】
1 ・・・ケース底部;
2 ・・・ケース蓋部;
3 ・・・リッジ状部材;
4 ・・・トレイ;
5 ・・・ケースエッジ部材;
6 ・・・トレイ軸;
7 ・・・ヒンジベース;
8 ・・・トレイ軸保護装置;
9 ・・・第1のボス;
10 ・・・第2のボス;
11 ・・・下ガイド固定アセンブリ;
12 ・・・上ガイド固定アセンブリ;
13 ・・・ガイドブロック;
14 ・・・ガイド溝;
15 ・・・突起部;
16 ・・・ストッパシート;
17 ・・・接続シート;
18 ・・・フック状部材;
61 ・・・トレイ軸止め部;
81 ・・・保護弾性シート;
82 ・・・保護弾性シート支持部。