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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】包装ケース
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/57 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
B65D85/57 C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022198280
(22)【出願日】2022-12-13
(65)【公開番号】P2023088879
(43)【公開日】2023-06-27
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】17/551,231
(32)【優先日】2021-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514043816
【氏名又は名称】精密産品有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】留 国典
(72)【発明者】
【氏名】留 君銘
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110562613(CN,A)
【文献】特開2001-278373(JP,A)
【文献】特表2010-500953(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110562612(CN,A)
【文献】登録実用新案第3089666(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0114147(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状物体を収容するための包装ケースであって、
前記包装ケースは、ケース底部、ケース蓋部、リッジ状部材及びトレイを含み、
前記ケース底部と前記ケース蓋部は、それぞれ前記リッジ状部材にヒンジ連結されて、リッジ状部材とともに密閉ケース体を構成しており、前記トレイはシート状物体を保持するために用いられ、
前記ケース底部には、一対のヒンジベースが設けられ、前記トレイは、該トレイに設けられたトレイ軸によって前記ヒンジベースに接続されことにより、前記ヒンジベースの周りに反転可能になっており、前記ヒンジベース内に前記トレイ軸の自己適応回動及び振動回避のためのキャビティが設けられ、
前記ヒンジベースは、接続シートと、下端が前記ケース底部に接続され、上端にフック状部材が設けられた一対のストッパシートとを含み、前記一対のストッパシートのフック状部材は対向して設けられ、前記接続シートは、前記一対のストッパシートの間に設けられ、上向きに湾曲する円弧状シートであり、前記トレイ軸には軸方向に沿って一対の柱状のトレイ軸止め部が設けられ、前記トレイ軸止め部の間のトレイ軸の軸方向長さ部分はヒンジベースに対応するように設けられ、前記接続シートは、それぞれ、前記一対のストッパシートと接続されて、トレイ軸を収容するキャビティを構成しており、前記軸方向長さ部分は前記キャビティに収容され、
トレイ軸のトレイ軸止め部は直径が前記ストッパシートの最大の横方向幅よりも大きく、
前記トレイ軸のトレイ軸止め部は、前記接続シートを介して前記ヒンジベースの一対の前記ストッパシートの外側に接触可能であることを特徴とする包装ケース。
【請求項2】
前記ケース底部と前記ケース蓋部とはいずれもケースエッジ部材を有し、前記一対のストッパシートは、前記トレイの横方向の一方端が前記ケースエッジ部材に当接すると、前記トレイの他方端に位置するトレイ軸における前記トレイ軸止め部の間にある軸方向長さ部分が前記ストッパシートに接触しないように、横方向に沿って離間して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装ケース。
【請求項3】
シート状物体を収容するための包装ケースであって、
前記包装ケースは、ケース底部、ケース蓋部、リッジ状部材及びトレイを含み、
前記ケース底部と前記ケース蓋部は、それぞれ前記リッジ状部材にヒンジ連結されて、リッジ状部材とともに密閉ケース体を構成しており、前記トレイはシート状物体を保持するために用いられ、
前記ケース底部には、一対のヒンジベースが設けられ、前記トレイは、該トレイに設けられたトレイ軸によって前記ヒンジベースに接続されることにより、前記ヒンジベースの周りに反転可能になっており、前記ヒンジベース内に前記トレイ軸の自己適応回動及び振動回避のためのキャビティが設けられ、
前記ヒンジベースは、接続シートと、下端が前記ケース底部に接続され、上端にフック状部材が設けられた一対のストッパシートとを含み、前記一対のストッパシートのフック状部材は対向して設けられ、前記接続シートは、前記一対のストッパシートの間に設けられ、上向きに湾曲する円弧状シートであり、前記トレイ軸には軸方向に沿って一対の柱状のトレイ軸止め部が設けられ、前記トレイ軸止め部の間のトレイ軸の軸方向長さ部分はヒンジベースに対応するように設けられ、前記接続シートは、それぞれ、前記一対のストッパシートと接続されて、トレイ軸を収容するキャビティを構成しており、前記軸方向長さ部分は前記キャビティに収容され、
トレイ軸のトレイ軸止め部は直径が前記ストッパシートの最大の横方向幅よりも大きく、
トレイ軸には、前記ケース底部の縦方向の両端に、且つ前記ヒンジベースの縦方向の外側に位置する一対のトレイ軸保護装置がさらに設けられ、前記一対のトレイ軸保護装置は、ケース状であり、前記トレイ軸の軸方向端部に面して開放されており、
前記トレイ軸保護装置は、その内部空間において、前記トレイ軸の軸方向端部に面して設けられて弾性を有する保護弾性シートと、前記トレイ軸の軸方向端部と対向するように設けられて前記保護弾性シートを支持するための保護弾性シート支持部とが設けられており、
前記トレイ軸の軸方向端部が前記保護弾性シートに向かって移動して当接すると、前記保護弾性シートは自身の弾性により前記トレイ軸の軸方向端部に伴って移動し、前記保護弾性シート支持部は前記保護弾性シートを支持することで、前記トレイ軸が移動し続けることを阻止することを特徴とする包装ケース。
【請求項4】
前記トレイには、シート状物体を保持するための第1の凸部と第2の凸部が設けられ、前記第1の凸部と前記第2の凸部はそれぞれ、トレイの2つの反対する面から相対的に外向きに凸となることを特徴とする請求項1に記載の包装ケース。
【請求項5】
前記包装ケースに押圧保持部が設けられ、前記トレイに押圧保持部が通る凹部が設けられ、前記包装ケースは開状態と閉状態を有し、前記包装ケースが開状態から閉状態になると、前記押圧保持部は前記凹部を通してシート状物体に当接することを特徴とする請求項4に記載の包装ケース。
【請求項6】
前記押圧保持部は、前記ケース蓋部の横方向におけるケースエッジ部材に接続される第1の押圧保持部と、前記リッジ状部材に接続される第2の押圧保持部とを含むことを特徴とする請求項5に記載の包装ケース。
【請求項7】
前記凹部は、前記リッジ状部材から離れた第1の凹部を含み、前記第1の押圧保持部はL字状構造であり、前記第1の押圧保持部の前端が前記ケース蓋部の横方向におけるケースエッジ部材に接続されており、前記包装ケースが開状態である場合、前記第1の押圧保持部の末端は上向きになり、前記包装ケースが閉状態である場合、前記第1の押圧保持部の末端は下向きに前記第1の凹部を通してシート状物体に当接することを特徴とする請求項6に記載の包装ケース。
【請求項8】
前記凹部は、前記リッジ状部材に近接する第2の凹部をさらに含み、前記第2の押圧保持部はL字状構造であり、前記第2の押圧保持部の前端が前記リッジ状部材に接続されており、前記包装ケースが開状態である場合、前記第2の押圧保持部の末端は前記ケース底部の方向に水平に向けられ、前記包装ケースが閉状態である場合、前記第2の押圧保持部の末端は下向きに前記第2の凹部を通してシート状物体に当接することを特徴とする請求項6に記載の包装ケース。
【請求項9】
トレイは1つ又は複数の同じトレイになるように設置され、それぞれのトレイはいずれもヒンジベースの周りで独立して反転可能であることを特徴とする請求項1に記載の包装ケース。
【請求項10】
前記トレイは、それぞれ前記第1の凸部と前記第2の凸部に対応する、2つの同じである第1のパネルと第2のパネルを含み、前記第1のパネルと前記第2のパネルとは、接続されて同一の平面に位置し、ケース底部の投影において部分的に重なっていることを特徴とする請求項4に記載の包装ケース。
【請求項11】
前記第1のパネルと第2のパネルは、形状が正方向、矩形、円形、楕円形であり、及び/又は、スターカード、切手、マルチメディアメモリディスク、又はデータメモリカードを収容するために、その上に凹溝を有することを特徴とする請求項10に記載の包装ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、物体収納の技術分野に関し、特にシート状物体を収納するための包装ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ユーザーは、包装ケースを使用して、例えばスターカード、切手、マルチメディアメモリディスク、又はデータメモリカードなどのシート状物体を収納する。これらの物体が薄く、破損しやすいため、ユーザーの、包装ケースの耐衝撃性能及び収納された物体に対する保護性能に対する要求が高い。
【0003】
従来技術では、複数のシート状物体を収容可能な収納容器であって、容器体にヒンジ連結されたトレイを有し、このトレイがシート状物体を収容するためにも使用可能である、収納容器を提供しているが、このような容器は、使用時に、トレイと容器体とをヒンジ連結する軸は、トレイを反転する時に極めて折れやすいこと、トレイの以外に、容器内には、別のシート状物体を保管する空間がないこと、あるいは別のシート状物体を保管可能であるが、該シート状物体が容器から脱落しやすいことという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、従来技術におけるトレイと容器体とのヒンジ軸が折れやすく、シート状物体が脱落しやすいという問題を解決する、シート状物体に用いる包装ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本出願はシート状物体を収容するための包装ケースを提供し、この包装ケースは、ケース底部、ケース蓋部、リッジ状部材及びトレイを含み、
前記ケース底部とケース蓋部は、それぞれ前記リッジ状部材にヒンジ連結されて、リッジ状部材とともに密閉ケース体を構成しており、前記トレイはシート状物体を保持するために用いられ、
前記ケース底部には、一対のヒンジベースが設けられ、前記トレイは、該トレイに設けられたトレイ軸によって前記ヒンジベースに接続されことにより、前記ヒンジベースの周りに反転可能になっており、前記ヒンジベース内にトレイ軸の自己適応回動及び振動回避のためのキャビティが設けられ、
前記ヒンジベースは、接続シートと、下端が前記ケース底部に接続され、上端にフック状部材が設けられた一対のストッパシートとを含み、前記一対のストッパシートのフック状部材は対向して設けられ、前記接続シートは、前記一対のストッパシートの間に設けられ、上向きに湾曲する円弧状シートであり、前記トレイ軸に小径部分が設けられ、前記接続シートは前記一対のストッパシートと接続されてトレイ軸を収容するキャビティを構成しており、前記小径部分の縦方向長さ部分はキャビティに収容される。
【0006】
好ましくは、前記ケース底部と前記ケース蓋部とはいずれもケースエッジ部材を有し、前記一対のストッパシートは、前記トレイの一方端が前記ケースエッジ部材に当接すると、前記トレイの他方端に位置するトレイ軸の小径部分が前記ストッパシートに接触しないように、離間して設けられている。
【0007】
好ましくは、トレイ軸には、前記小径部分の縦方向の両側に位置するトレイ軸止め部がさらに設けられ、トレイ軸のトレイ軸止め部の直径はストッパシートの最大の横方向幅よりも大きいため、トレイ軸止め部は、ヒンジベースの一対のストッパシートの外側に接触することによって、前記トレイ軸が前記ヒンジベース方向への縦方向の移動を制限ことができる。
【0008】
好ましくは、前記トレイには、シート状物体を保持するための第1の凸部と第2の凸部が設けられ、前記第1の凸部と前記第2の凸部はそれぞれ、トレイの2つの反対する面から相対的に外向きに凸となる。
【0009】
好ましくは、前記包装ケースに押圧保持部が設けられ、前記トレイに押圧保持部が通る凹部が設けられ、前記包装ケースは開状態と閉状態を有し、前記包装ケースが開状態から閉状態になると、前記押圧保持部は前記凹部を通して、シート状物体に当接する。
【0010】
好ましくは、前記押圧保持部は、前記ケース蓋部の横方向におけるケースエッジ部材に接続される第1の押圧保持部と、前記リッジ状部材に接続される第2の押圧保持部とを含む。
【0011】
好ましくは、前記凹部は、前記リッジ状部材から離れた第1の凹部を含み、前記第1の押圧保持部はL字状構造であり、前記第1の押圧保持部の前端が前記ケース蓋部の横方向におけるケースエッジ部材に接続されており、前記包装ケースが開状態である場合、前記第1の押圧保持部の末端は上向きになり、前記包装ケースが閉状態である場合、前記第1の押圧保持部の末端は下向きに前記第1の凹部を通してシート状物体に当接することを特徴とする請求項6に記載の包装ケース。
【0012】
好ましくは、前記リッジ状部材に近接する第2の凹部をさらに含み、前記第2の押圧保持部はL字状構造であり、前記第2の押圧保持部の前端が前記リッジ状部材に接続されており、前記包装ケースが開状態である場合、前記第2の押圧保持部の末端は前記ケース底部の方向に水平に向けられ、前記包装ケースが閉状態である場合、前記第2の押圧保持部の末端は下向きに前記第2の凹部を通してシート状物体に当接する。
【0013】
好ましくは、トレイは1つ又は複数の同じトレイになるように設置され、それぞれのトレイはいずれもヒンジベースの周りで独立して反転可能である。
【0014】
好ましくは、前記トレイは、それぞれ前記第1の凸部と前記第2の凸部に対応する、2つの同じである第1のパネルと第2のパネルを含み、前記第1のパネルと前記第2のパネルとは、接続されて同一の平面に位置し、ケース底部の投影において部分的に重なっている。
【0015】
好ましくは、前記第1のパネルと第2のパネルは、形状が正方向、矩形、円形、楕円形であり、又は、スターカード、切手、マルチメディアメモリディスク、或いはデータメモリカードを収容するために、その上に凹溝を有する。
【0016】
従来技術と比べ、本出願の実施例の利点は、次のとおりである、即ち、
本出願のヒンジベース内にトレイ軸の自己適応回動及び振動回避のためのキャビティが設けられ、トレイを反転する場合、トレイ軸は、自己適応的にストッパシートと接続シートの内壁に沿って移動可能であり、トレイ軸がヒンジベース内での引っ掛かることにより折れることを回避でき、一対のストッパシートは離間して設けられ、両者は、前記トレイの一方端が前記ケースエッジ部材に当接すると、前記トレイの他方端に位置するトレイ軸が前記ストッパシートに接触しないように、一定の距離を有し、包装ケースが落下する場合、トレイ軸がヒンジベースに衝突して折れることが回避でき、一対のヒンジベースの間には、一対のトレイ保護壁が設けられることで、包装ケースが落下する場合、トレイがヒンジベース内から飛び出すことが回避でき、トレイの表裏面にはいずれも凸部が設けられることにより、両面でシート状物体を保持可能であり、ケース底部にも凸部が設けられることにより、もう1つのシート状物体を保持可能であり、2つの押圧保持部を設けることで、ケースが閉じた場合にシート状物体をケース底部に押し付け、収納されたシート状物体の脱落を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本出願の具体的な実施の形態又は従来技術における技術案をより明らかに説明するために、以下は、具体的な実施の形態又は従来技術の記載にとって必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載における図面は本発明のいくつかの実施の形態のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、これらの図面に基づき、他の図面を取得できる。
図1】本出願の実施の形態による包装ケースの開状態の概略図である。
図2A】本出願の実施の形態による包装ケースのヒンジベースとトレイ軸との取り付けの概略図である。
図2B】本出願の実施の形態による包装ケースのトレイ軸の構成概略図である。
図2C】本出願の実施の形態による包装ケースのヒンジベースの構成概略図である。
図2D】本出願の実施の形態による包装ケースのトレイ軸保護装置の構成概略図である。
図2E】本出願の実施の形態による包装ケースのトレイ軸保護装置とトレイ軸との係合の概略図である。
図3A】本出願の実施の形態による包装ケースの第1の押圧保持部の構成概略図である。
図3B】本出願の実施の形態による包装ケースの第2の押圧保持部の構成概略図である。
図4A】本出願の実施の形態による包装ケースのトレイの反転状態の概略図である。
図4B】本出願の実施の形態による包装ケースのトレイの反転状態の断面概略図である。
図4C図4Bにおける領域Bの部分拡大図である。
図4D図4Bにおける領域Aの部分拡大図である。
図5A】本出願の実施の形態による包装ケースの落下状態1の概略図である。
図5B図5Aの線B-Bによる断面図である。
図5C図5Bにおける領域Cの部分拡大図である。
図5D図5Aにおける領域Aの部分拡大図である。
図5E図5Bにおける領域Dの部分拡大図である。
図5F図5Aにおける領域Bの部分拡大図である。
図6A】本出願の実施の形態による包装ケースの落下状態2の概略図である。
図6B図6Aにおける領域Cの部分拡大図である。
図6C】本出願の実施の形態による包装ケースの落下状態2の部分拡大図である。
図6D図6Aにおける領域Dの部分拡大図である。
図7A】本出願の実施の形態による包装ケースの閉状態の概略図である。
図7B図7Aにおける領域Fの断面拡大図である。
図7C図7Aにおける領域Eの断面拡大図である。
図8A図7Aにおける線C-Cによる断面図である。
図8B図8Aにおける領域Eの部分拡大図である。
図8C図8Aにおける領域Fの部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本出願の技術案について、図面を結合して明瞭かつ完全に説明するが、明らかに、説明された実施例は、全ての実施例ではなく、本出願の一部の実施例である。本出願における実施例に基づき、当業者が進歩性に値する労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0019】
本出願の記載において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などの用語が指示する方位又は位置関係は図面に基づいて示された方位又は位置関係であり、単に本出願の説明及び説明の簡略化の便宜上のものであり、言及された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されなければならないことを指示したり、暗示したりすることを意図するものではなく、従って、本出願を制限するものと理解されるべきではないことを説明する必要がある。なお、「第1」、「第2」、「第3」という用語は目的を説明するためだけに用いられるものであり、比較的重要であることを指示又は暗示するものと理解してはならない。
【0020】
明確な定義と制限がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は、広義的に理解すべきであり、例えば、固定接続でもよいし、着脱可能に接続でもよいし、又は一体的に接続でもよいし。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接に接続してもよいし、中間物を介して間接に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者にとって、本出願における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解すればよい。
【0021】
ここで、「縦方向」という用語は、包装ケースの最大の長さの方向に沿っていることを意味し、これは、トレイ軸の軸方向と同じ方向であり、「横方向」という用語は、包装ケースの幅方向に沿って「縦方向」で示す方向に対して垂直であることを意味する。
【0022】
図1を参照し、本出願によるシート状物体を収納するための包装ケースを提供しており、この包装ケースは、ケース底部1、ケース蓋部2、リッジ状部材3及びトレイ4を含み、ケース底部1とケース蓋部2はリッジ状部材3の対向する2つの横方向のエッジにヒンジ連結され、ケース底部1と、ケース蓋部2はいずれもケースエッジ部材5を有し、ケース底部1とケース蓋部2はリッジ状部材3とともに密閉ケース体を形成し、この密閉ケース体内にはシート状物体が貯蔵され、ケース底部1、ケース蓋部2はリッジ状部材3の周りに反転可能であり、包装ケースを開状態と閉状態との間に往復に切り替えることができる。
【0023】
図2A図2Eを参照し、ケース底部1の内エッジには、一対の分離したヒンジベース7が設けられ、トレイ4は、該当トレイ4に設けられたトレイ軸6によってヒンジベース7と接続され、ヒンジベース7内にトレイ軸6の自己適応回動及び振動回避のためのキャビティが設けられ、トレイ軸6はヒンジベース7のキャビティに設けられ、トレイ4をヒンジベース7の周りに反転させることができる。
【0024】
ヒンジベース7は、接続シート18と、下端がケース底部1に接続され、上端にフック状部材19が設けられた一対のストッパシート17とを含み、前記一対のストッパシート17は対向して設けられ、即ち、この一対のストッパシート17のフック状部材19は互いに対向しているが、接触せず、一対のストッパシート17のフック状部材19の間に一本の隙間が残されている。なお、特に、図2Aと2Bに示すように、トレイ軸6には軸方向に沿って一対の柱状のトレイ軸止め部61が設けられ、トレイ軸止め部61の間のトレイ軸6の軸方向長さ部分は、ヒンジベース7に対応するように設けられ、前記フック状部材19の間の隙間を通して一対のストッパシート17の間に進入することができ、ストッパシート17の縦方向長さよりも僅かに長いことで、ストッパシート17はこの部分の軸方向長さを介してトレイ軸6に対する噛合いを実現することができ、接続シート18は一対のストッパシート17の間に設けられ、接続シート18は一対のストッパシート17とそれぞれ接続され、ストッパシート17とともに、トレイ軸のトレイ軸止め部61の間の軸方向長さを収容するキャビティを形成し、接続シート18は上向きに湾曲する円弧状シートであり、従来技術では、トレイ軸6はヒンジベース内で引っ掛かる現象がよく発生し、ユーザーは少しでも気にせず、さらにトレイを反転し続けると、トレイ軸が折れてしまう。しかし、本出願の実施例によれば、図4A図4Dに参照し、前記ヒンジベース7により、トレイ4が反転される場合、トレイ軸止め部61の間のトレイ軸6の軸方向長さ部分が接続シート18の円弧状構造に対して適合可能であり、接続シート18の円弧状構造に沿って動くとともに、反転過程全体において接続シート18と接触したまま支持され、そのため、トレイ4を円滑に反転させる位置を自己適応的に探すことができ、トレイ軸6が引っ掛かった場合ユーザーがトレイ4を反転し続けることによるトレイ軸6の折れを回避する。なお、トレイ軸止め部61はトレイ軸6と一体に形成されてもよいし、トレイ軸6の適切な軸方向の位置に固定されて取り付け可能な独立の部材であってもよい。
【0025】
具体的には、図2Aと2Bを参照し、トレイ軸6のトレイ軸止め部61の直径は前記ストッパシート17の最大の横方向幅よりも大きく、これにより、トレイ軸止め部61はヒンジベース7の一対のストッパシート17の外側に接触することによって、トレイ軸6がヒンジベース7の縦方向に沿って移動しすぎることを制限することができる。このように、包装ケースは図6Aに示す方向に沿って落下すると、トレイ軸止め部61がストッパシート17に突き当たることで、トレイ4の下向きの運動を止め、トレイ4が直接にヒンジベース7から飛び出すことを回避する。
【0026】
再び図2Dと2Eを参照し、包装ケースは、ケース底部1の縦方向の両端に、且つヒンジベース7の縦方向の外側に位置する箇所に一対のトレイ軸保護装置8がさらに設けられ、前記一対のトレイ軸保護装置8はケース状であり、トレイ軸6の軸方向端部に面して開放されている。トレイ軸保護装置8は、その内部空間において、トレイ軸6の軸方向端部に面して設けられ、弾性を有する保護弾性シート81と、トレイ軸6の軸方向端部に対向するように設けられ、保護弾性シート81を支持するための保護弾性シート支持部82とが設けられている。
【0027】
図4B~4Dと6A、6B及び6Cを参照し、トレイ軸6の軸方向端部が包装ケースの落下により保護弾性シート81に向かって移動して当接すると、保護弾性シート81は自身の弾性によりトレイ軸6の軸方向端部に伴って移動して、保護弾性シート支持部82によって支持された後に移動を停止し、これにより、トレイ軸6の軸方向における移動に対して、制振と停止の機能を果たすことを実現でき、例えば包装ケースが落ちる場合に損害しないようにトレイ軸6を保護する。
【0028】
なお、図1図4Aを参照し、ケース底部1とケース蓋部2は、いずれもケースエッジ部材5を有し、包装ケースを閉じる場合、ケース底部1とケース蓋部2とのケースエッジ部材5は突き合わせて、リッジ状部材3とともに閉鎖したケース体を構成する。従来技術では、包装ケースが落下すると、トレイ軸がヒンジベースに衝突してトレイ軸が折れることがよく発生し、図5A図5Eを参照し、本実施例のヒンジベース7の一対のストッパシート17が離間して設けられており、この一対のストッパシート17は、トレイ4の包装ケースの横方向に沿った一方端がケースエッジ部材5に当接する場合に(図5B、5E及び5F)、トレイ4の対向する他方端に位置するトレイ軸止め部61の間のトレイ軸6の軸方向長さ部分がストッパシート17と接触しない(図5B図5C及び図5D)距離だけ離間しているので、閉状態にある包装ケースが落下すると、トレイ4の一方端は先にケースエッジ部材5に当接するが、トレイ軸6はヒンジベース7のストッパシート17と接触せず、このように、トレイ軸6が不意に落下したり、衝突を受けたりして折れることを回避できる。
【0029】
図1A図4Aを参照し、トレイ4は、1つ又は複数が設定可能であり、それぞれのトレイ4は、1つのトレイ軸を共用し、いずれもヒンジベース7の周りで独立して反転する。それぞれのトレイ4には、シート状物体を保持するための、トレイの中心に対して対称な第1の凸部9と第2の凸部11が設けられ、且つ第1の凸部9と第2の凸部11はそれぞれ、それぞれのトレイ4の2つの反対する面から相対的に外向きに凸となる、即ち、それぞれのトレイ4の表裏両面に、いずれも1つの外向きに凸となる凸部が設けられることにより、1つのシート状物体を保持する。
【0030】
それぞれのトレイ4がシート状物体を保持して収容するための領域は、第1の凸部9と第2の凸部11にそれぞれ対応する2つの同じパネル、即ち第1のパネル10と第2のパネル12をそれぞれ含み、第1のパネル10と第2のパネル12とは接続され、第1のパネル10と第2のパネル12とはケース底部1の投影において部分的に重なる状態である。好ましくは、第1のパネル10と第2のパネル12の形状は、第1のパネル10と第2のパネル12とは接続された位置に1つのリッジ状部材3から離れた第1の凹部13と1つのリッジ状部材3に近接する第2の凹部14とがそれぞれ形成されているように、円形にしてもよい。当業者であれば、第1のパネル10と第2のパネル12の形状は、保持・収容されるシート状物体の形状に応じて変更することができ、例えば、正方向、矩形、楕円形などであってもよく、且つ特定の形状と厚さを有する物体を収容するために、パネルの局所領域に凹溝を設けることができる、ということは理解されるべきである。上記の変形の形態のいずれも、本発明の範囲を逸脱しない。
【0031】
図1図3A図3B図6A図6D図7A図7C、及び図8A図8Cを参照し、本実施例の包装ケースには、第1の押圧保持部15と第2の押圧保持部16が設けられ、特に、図3Aに示すように、第1の押圧保持部15はL字状構造であり、第1の押圧保持部15の前端(L字状構造における1つの部分の端部)はケース蓋部2の横方向におけるケースエッジ部材5に接続されており、シート状物体の包装ケースが開状態であってケース蓋部2が平置きした場合、第1の押圧保持部15の末端(L字状構造におけるもう1つの部分の端部)が上向きになり、シート状物体の包装ケースが閉状態である場合、第1の押圧保持部15の末端はケース蓋部2の反転に伴って下向きになり、第1の凹部13を通してシート状物体21に当接する。なお、特に、図3Bに示すように、第2の押圧保持部16は、同様に、L字状構造であり、第2の押圧保持部16の前端(L字状構造における1つの部分の端部)がリッジ状部材3に接続されており、シート状物体の包装ケース開状態であってリッジ状部材3が平置した場合、第2の押圧保持部16の末端(L字状構造におけるもう1つの部分の端部)は水平に配向しケース底部1対して平行になり、包装ケースが閉状態である場合、第2の押圧保持部16の末端は、リッジ状部材3の反転に伴って、下向きに第2の凹部14を通してシート状物体に当接することにより、包装ケースが閉状態である場合、第1の押圧保持部15と第2の押圧保持部16とはシート状物体21をケース底部1に押し付けることで、シート状物体21が包装ケースの内から脱落することが防止する。
【0032】
最後に、説明すべきは、以上の各実施例は本出願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではなく、前記各実施例を参照しながら本出願を詳細に説明したが、当業者であれば、前記各実施例に記載の技術案に対する修正、又はその一部もしくは全ての技術的特徴に対する均等の置換が可能であることは、当然理解されるものであり、これらの修正又は置換は、該当する技術案の本質を本出願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させるものではないということである。
【符号の説明】
【0033】
1 ・・・ケース底部;
2 ・・・ケース蓋部;
3 ・・・リッジ状部材;
4 ・・・トレイ;
5 ・・・ケースエッジ部材;
6 ・・・トレイ軸;
7 ・・・ヒンジベース;
8 ・・・トレイ軸保護装置;
81 ・・・保護弾性シート;
82 ・・・保護弾性シート支持部;
9 ・・・第1の凸部;
10 ・・・第1のパネル;
11 ・・・第2の凸部;
12 ・・・第2のパネル;
13 ・・・第1の凹部;
14 ・・・第2の凹部;
15 ・・・第1の押圧保持部;
16 ・・・第2の押圧保持部;
17 ・・・ストッパシート;
18 ・・・接続シート;
19 ・・・フック状部材;
21 ・・・シート状物体;
61 ・・・トレイ軸止め部。




図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C