(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】美容健康機器
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20240515BHJP
A61N 5/06 20060101ALI20240515BHJP
A61N 1/44 20060101ALI20240515BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20240515BHJP
A61N 1/30 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N5/06 Z
A61N1/44
A61H23/02 341
A61N1/30
(21)【出願番号】P 2023125884
(22)【出願日】2023-08-01
【審査請求日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】P 2023016211
(32)【優先日】2023-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515145607
【氏名又は名称】アーリーバード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南野 平太
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特許第7074935(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0165710(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00-1/44
A61N 5/06
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の筋肉に所定の刺激を付与する美容健康機器であって、
前記使用者が把持する持手部が設けられたハウジングと、前記ハウジングに設けられ、前記使用者に当接するプローブ群と、前記ハウジングと前記プローブ群とを着脱可能に接続する着脱手段と、を備え、
前記ハウジングは、前記プローブ群が取付けられるヘッド部と、前記プローブ群に、前記ヘッド部を介して電気的に接続され、前記プローブ群の挙動を制御する制御手段と、を有し、
前記プローブ群は、前記使用者の顔面に当接する顔面プローブと、前記使用者の頭皮に当接する頭皮プローブと、を有し、
前記顔面プローブ及び前記頭皮プローブは、前記着脱手段により、その何れか一方が、前記ヘッド部に対して、互いに換装可能に取付けられ、
前記制御手段は、前記ヘッド部に取付けられた前記顔面プローブ又は前記頭皮プローブに、微弱電流を発生させる電流発生器を含み、
前記着脱手段は、前記ヘッド部に設けられたヘッド側接続部と、前記顔面プローブ及び前記頭皮プローブにそれぞれ設けられたプローブ側接続部と、を有し、
前記ヘッド側接続部は、前記ヘッド部から突設され、前記使用者に当接する電極部を含み、
前記プローブ側接続部は、前記電極部が挿通される主挿通孔を含み、
前記電極部は、前記主挿通孔に挿通された状態において、その前面が外部に露出し、前記制御手段により、微弱電流、マイナスイオン、超音波振動の少なくとも何れか一つが印加され
、
前記ヘッド部には、前記顔面プローブ又は前記頭皮プローブを介して、前記使用者に向かって赤色LEDを発光する、LEDランプが設けられ、
前記ヘッド側接続部は、前記ヘッド部から前方に突設された前記LEDランプを含み、
前記プローブ側接続部は、前記LEDランプが、その前面が外部に露出するように挿通される、副挿通孔を含む、美容健康機器。
【請求項2】
前記LEDランプ及び前記副挿通孔は、複数設けられている、
請求項1に記載の美容健康機器。
【請求項3】
前記ヘッド側接続部は、ヘッド側磁着部を含み、
前記プローブ側接続部は、前記ヘッド側磁着部に磁着するプローブ側磁着部を含む、
請求項2に記載の美容健康機器。
【請求項4】
前記ヘッド側磁着部及び前記プローブ側磁着部の何れか一方は、他方に向かって突設する突起として構成され、他方は、一方が嵌合する溝として構成されている、
請求項3に記載の美容健康機器。
【請求項5】
前記突起の外周面は、弾性部材で被覆されている、
請求項4に記載の美容健康機器。
【請求項6】
前記頭皮プローブは、前記頭皮プローブは、前記使用者に向かって突設された、複数の針状の電極部を含み、前記各電極部は、柔軟性を有する素材により形成された略柱状体である、請求項1に記載の美容健康機器。
【請求項7】
前記ヘッド部及び前記プローブ群には、前記ヘッド部に取付けられた前記プローブ群の種類を識別するための識別センサが設けられ、
前記制御手段は、前記識別センサを介して、取付けられた前記プローブ群の挙動について、その種類に対応した制御モードに切替え可能に構成されている、請求項1に記載の美容健康機器。
【請求項8】
前記制御手段は、前記顔面プローブ又は前記頭皮プローブにマイナスイオンを印加するイオン発生器を含む、請求項1に記載の美容健康機器。
【請求項9】
前記制御手段は、前記顔面プローブ又は前記頭皮プローブに超音波振動を印加する超音波発生器を含む、請求項1に記載の美容健康機器。
【請求項10】
前記制御手段は、前記電流発生器により発生される微弱電流の強度を可変する、強度可変部を含む、請求項1に記載の美容健康機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の肌や頭髪、頭皮に一定の美容・健康効果を与える美容健康機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、その一端に一対のローラ部が設けられた、ハンディタイプの美顔器が広く用いられてきた。
【0003】
しかし、上記の美顔器は、一対のローラ部を用いて、手動により使用者の顔面をマッサージする機能のみを有しているものがほとんどであり、機能性に乏しい、という問題点があった。
【0004】
このような問題点を解決するために、多機能な美容健康機器が種々提案されており、例えば、特許文献1には、保湿用・美白用化粧料のより有効な作用をもたらすイオン導入器付き超音波美顔器に関する発明が記載されている。
【0005】
このイオン導入器付き超音波美顔器は、超音波振動器やイオン導入用電極、超音波振動器の一端部に設けられたヘッド部、電源、操作パネル、赤外線発生器等により構成されている。
これにより、使用者は、イオン導入器、超音波振動器及び赤外線発生器と、使用する化粧料の有機的な組み合わせを図り、効果的な美容作用を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の発明を含めた製品は、多機能ではあるものの、使用者の顔面に一定の美容効果を与えることを目的としており、頭皮や頭髪に対しても一定の美容効果を与えることが考慮されていない、という問題点があった。
【0008】
本発明は上記のような実状に鑑みてなされたものであり、使用者の顔面及び頭皮に効果的な施術を行うことができ、利便性を向上させた美容健康機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、使用者の筋肉に所定の刺激を付与する美容健康機器であって、
前記使用者が把持する持手部が設けられたハウジングと、前記ハウジングに設けられ、前記使用者に当接するプローブ群と、前記ハウジングと前記プローブ群とを着脱可能に接続する着脱手段と、を備え、
前記ハウジングは、前記プローブ群が取付けられるヘッド部と、前記プローブ群に、前記ヘッド部を介して電気的に接続され、前記プローブ群の挙動を制御する制御手段と、を有し、
前記プローブ群は、前記使用者の顔面に当接する顔面プローブと、前記使用者の頭皮に当接する頭皮プローブと、を有し、
前記顔面プローブ及び前記頭皮プローブは、前記着脱手段により、その何れか一方が、前記ヘッド部に対して、互いに換装可能に取付けられ、
前記制御手段は、前記ヘッド部に取付けられた前記顔面プローブ又は前記頭皮プローブに、微弱電流を発生させる電流発生器を含む。
【0010】
本発明によれば、顔面プローブ及び頭皮プローブの何れか一方が、着脱手段により、ヘッド部に対して互いに換装可能に装着されることで、使用者の使用目的(施術部位)に合わせた効果的な施術を行うことが可能となる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記着脱手段は、前記ヘッド部に設けられたヘッド側接続部と、前記顔面プローブ及び前記頭皮プローブにそれぞれ設けられたプローブ側接続部と、を有し、前記ヘッド側接続部は、前記ヘッド部から突設され、前記使用者に当接する電極部を含み、前記プローブ側接続部は、前記電極部が挿通される主挿通孔を含む。
【0012】
このような構成とすることで、電極部自体を着脱手段の一構成要素とし、電極部が顔面プローブ及び頭皮プローブそれぞれで共有される構成となるため、プローブ群の構成を簡素化できると共に、着脱手段の構成も簡素化できる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記ヘッド部には、前記顔面プローブ又は前記頭皮プローブを介して、前記使用者に向かって赤色LEDを発光する、LEDランプが設けられている。
【0014】
このような構成とすることで、使用者は、プローブ群を用いた施術の際、赤色LEDを顔面又は頭皮に照射させることで、ニキビ・しわ・しみ・くすみ跡等を改善させることができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記ヘッド側接続部は、前記ヘッド部から突設された前記LEDランプを含み、前記プローブ側接続部は、前記LEDランプが挿通される副挿通孔を含む。
【0016】
このような構成とすることで、LEDランプ自体を着脱手段の一構成要素とし、ヘッド部やプローブ群の構成を複雑化することなく、取付け状態を安定化することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記LEDランプ及び前記副挿通孔は、複数設けられている。
【0018】
このような構成とすることで、ヘッド部とプローブ群との取付け状態を、より安定化することができる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記ヘッド側接続部は、ヘッド側磁着部を含み、前記プローブ側接続部は、前記ヘッド側磁着部に磁着するプローブ側磁着部を含む。
【0020】
このような構成とすることで、ヘッド部とプローブ群との取付け状態を、より安定化することができる。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記ヘッド側磁着部及び前記プローブ側磁着部の何れか一方は、他方に向かって突設する突起として構成され、他方は、一方が嵌合する溝として構成されている。
【0022】
このような構成とすることで、ヘッド部とプローブ群との取付け状態を、より安定化することができる。
【0023】
本発明の好ましい形態では、前記突起の外周面は、弾性部材で被覆されている。
【0024】
このような構成とすることで、ヘッド部とプローブ群との取付け状態を、より安定化することができる。
【0025】
本発明の好ましい形態では、前記頭皮プローブは、前記使用者に向かって突設された、複数の針状の電極部を含み、前記各電極部は、柔軟性を有する素材により形成された略柱状体である。
【0026】
このような構成とすることで、使用者が、頭皮プローブの各電極部を自身の頭皮に当接させ、頭皮上で移動させながら施術を行う際、各電極部が柔軟に湾曲することで、頭皮プローブの中央付近に配置された等も、頭皮の形状に合わせて確実に当接し、効果的な施術を行うことができる。
【0027】
本発明の好ましい形態では、前記ヘッド部及び前記プローブ群には、前記ヘッド部に取付けられた前記プローブ群の種類を識別するための識別センサが設けられ、前記制御手段は、前記識別センサを介して、取付けられた前記プローブ群の挙動について、その種類に対応した制御モードに切替え可能に構成されている。
【0028】
このような構成とすることで、使用者は、モードの切替えにあたり、特段の操作を要せず、プローブ群の何れかに適した施術を、迅速に切替えて行うことができ、本美容健康機器の利便性が向上する。
【0029】
本発明の好ましい形態では、前記制御手段は、前記顔面プローブ又は前記頭皮プローブにマイナスイオンを印加するイオン発生器を含む。
【0030】
このような構成とすることで、顔面や頭皮に塗布した美容液に含まれる美容成分をイオン化し、マイナスイオンに帯電させ、電気の反発力を利用して、角質層を越えた皮膚の奥深くまで、美容成分を浸透させることが可能となる。
【0031】
本発明の好ましい形態では、前記制御手段は、前記顔面プローブ又は前記頭皮プローブに超音波振動を印加する超音波発生器を含む。
【0032】
このような構成とすることで、イオン発生器によるイオン導入の際、超音波振動を皮膚にさらに印加することができ、美容成分を、キャビテーション効果により、より効果的に、皮膚の奥まで浸透させることが可能となる。
【0033】
本発明の好ましい形態では、前記制御手段は、前記電流発生器により発生される微弱電流の強度を可変する、強度可変部を含む。
【0034】
このような構成とすることで、使用者は、施術部位の凝りの度合い等に合わせて、適切な電流強度を選択することができ、本美容健康機器の利便性が向上する。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、使用者の顔面及び頭部に効果的な施術を行うことができ、利便性を向上させた美容健康機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の実施形態に係るハウジングを示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るプローブ群を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るプローブ群を示す図であって、(a)顔面プローブの正面図、(b)頭皮プローブの正面図、(c)プローブ群の背面図、(d)PP´線断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る充電スタンドを示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る制御手段の機能ブロック図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る美容健康機器の使用方法の説明図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る美容健康機器の使用方法の説明図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る美容健康機器の使用方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る美容健康機器について説明する。
なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではない。
また、これらの図において、符号Xは、本実施形態に係る美容健康機器を示す。
【0038】
<構成>
図1~
図4に示すように、美容健康機器Xは、使用者の筋肉に所定の刺激を付与するものであって、使用者が把持する持手部hが設けられたハウジング1と、ハウジング1に設けられ、使用者に当接するプローブ群2と、ハウジング1とプローブ群2とを着脱可能に接続する着脱手段3と、充電スタンド4と、を備えている。
なお、ハウジング1やプローブ群2、着脱手段3は、例えば、使用者が浴槽に浸かりながらの使用を想定し、防水加工が施されている。
【0039】
<<ハウジング>>
ハウジング1は、特に
図1に示すように、持手部hが設けられたハウジング本体Bと、プローブ群2が取付けられるヘッド部Hと、プローブ群2に、ヘッド部Hを介して電気的に接続され、プローブ群2の挙動を制御する制御手段C(
図5参照)と、を有している。
なお、以下説明の便宜上、ハウジング本体Bにおいて、後述する電源スイッチb1等が設けられている面を前面と称することとする。
また、制御手段Cの具体的な構成については、
図5を用いて後述する。
【0040】
ハウジング本体Bは、後面側にやや湾曲した、略細長棒状体であり、ヘッド部Hよりも下部が、持手部hとして構成されている。
また、ハウジング本体Bの前面には、電流強度等を示す表示ランプdが設けられ、底面には、充電スタンド4を介してバッテリーWを充電するための、雌側充電端子(図示せず)が設けられている。
【0041】
なお、ハウジング本体B(持手部h)は上記した形状により、持ち易く、且つ顔面や頭皮にプローブ群2を密着させやすくなる。
また、ハウジング本体Bの前面に表示されている「SCALP」、「FACE」等の文字情報は、シルク印刷等の手法により印字することができる。
【0042】
ヘッド部Hは、ハウジング本体Bの上部から前方に向かって突設されており、その前面が、正面視で略小判型の面として構成されている。
また、ヘッド部Hには、ヘッド側識別電極S1が、その先端部が外部に露出した態様で設けられている。
さらに、ヘッド部Hには、制御手段Cとプローブ群2とを電気的に接続するための接続電極j1が、その先端部が外部に露出した態様で設けられている。
なお、ヘッド部Hの前面は、後述するヘッド側接続部31を除き略平坦な面として構成されている。
【0043】
ここで、ヘッド部Hには、その表面から前方に向かって、電極部E及びLEDランプLが突設されている。
また、ヘッド部Hには、複数のヘッド側磁着部M1が設けられている。
【0044】
電極部Eは、例えば、研磨されたステンレス鋼のような、優れた導電性を有する素材により形成されており、ヘッド部Hの略中央から突設された略円柱状体として構成されている。
また、電極部Eには、後述する制御モード(顔面モード或いは頭皮モード)に応じて、制御手段Cにより、微弱電流(EMS)やマイナスイオン、超音波振動が印加される。
【0045】
LEDランプLは、電極部Eの上下に、電極部Eの外形状に沿った湾曲形状を呈して一対設けられており、ヘッド部Hに取付けられたプローブ群2を介して、使用者に向かって赤色LEDを発光する。
【0046】
各ヘッド側磁着部M1は、後述する複数のプローブ側磁着部M2がそれぞれ嵌合する略円柱状の磁性体溝として構成されている。
また、ヘッド側磁着部M1は、本実施形態においては、上方及び下方に左右一対設けられており、上方の左右一対のヘッド側磁着部M1の直径は、下方の左右一対のヘッド側磁着部M1の直径よりも小さく構成されている。
即ち、各ヘッド側磁着部M1は、ヘッド部Hの正面視中央を中心に、非点対称となるように配置されている。
【0047】
<<プローブ群>>
プローブ群2は、特に
図2及び
図3に示すように、使用者の顔面に当接する顔面プローブ21と、使用者の頭皮に当接する頭皮プローブ22と、を有している。
なお、各プローブ21、22を総称する際には、プローブ群2と称する。
【0048】
顔面プローブ21は、略小判型の外形状を有する略板状体の顔面プローブ本体21aと、顔面プローブ本体21aの表面に設けられた顔面プローブ電極部21bと、プローブ側識別電極S21と、プローブ側磁着部M2と、制御手段Cと顔面プローブ21とを電気的に接続するための接続電極j2と、を含む。
【0049】
頭皮プローブ22は、顔面プローブ21と同様に、略小判型の外形状を有する略板状体の頭皮プローブ本体22aと、頭皮プローブ本体22aの表面に設けられた頭皮プローブ電極部22bと、プローブ側識別電極S22と、プローブ側磁着部M2と、制御手段Cと頭皮プローブ22とを電気的に接続するための接続電極j2と、を含む。
【0050】
ここで、上記したヘッド側識別電極S1と、プローブ側識別電極S21、S22と、により、取付けられたプローブ群2の種類(即ち、顔面プローブ21又は頭皮プローブ22)を、ハウジング1において識別するための識別センサSが構成されている。
【0051】
顔面プローブ電極部21bは、例えば、研磨されたステンレス鋼のような、優れた導電性を有する素材により形成されており、略平板状の構成体として、顔面プローブ本体21aの外周に沿って複数配置されている。
【0052】
頭皮プローブ電極部22bは、シリコン等の柔軟性を有する素材により形成され、円錐形状の略細長棒状体(針状の構成体)として、頭皮プローブ本体22aの側面から複数本、立設されて構成されている。
なお、頭皮プローブ電極部22bは、例えば、研磨されたステンレス鋼のような、優れた導電性を有する素材により形成されても良い。
【0053】
プローブ側識別電極S21、S22は、プローブ群2の何れかをヘッド部Hに取付けた際、ヘッド側識別電極S1と接するように、顔面プローブ本体21a、頭皮プローブ本体22aそれぞれの背面側に配置されている。
また、接続電極j2も、プローブ群2の何れかをヘッド部Hに取付けた際、接続電極j1と接するように、顔面プローブ本体21a、頭皮プローブ本体22aそれぞれの背面側に配置されている。
なお、プローブ側識別電極S21、S22及び接続電極j2は、その先端部が外部に露出した態様で、顔面プローブ本体21a、頭皮プローブ本体22aそれぞれに設けられている。
【0054】
プローブ側磁着部M2は、顔面プローブ本体21a、頭皮プローブ本体22aそれぞれの背面側から後方に突設された略円柱状体の磁性体突起であり、各ヘッド側磁着部M1に嵌合するように、複数配置されている。
また、プローブ側磁着部M2は、本実施形態においては、ヘッド側磁着部M1と同様に、上方及び下方に左右一対設けられており、上方の左右一対のプローブ側磁着部M2の直径は、下方の左右一対のプローブ側磁着部M2の直径よりも小さく構成されている。
さらに、各プローブ側磁着部M2は、各ヘッド側磁着部M1との摩擦力を増大させるため、その外周面全体に、ゴム等による弾性部材が被覆されている。
【0055】
なお、
図3(c)に示すように、顔面プローブ21と頭皮プローブ22とで、背面視で視認可能な構成は共通している。
また、
図3(d)においては、プローブ群2の共通する構成のみを示している。即ち、顔面プローブ電極部21bや頭皮プローブ電極部22bの図示を省略している。
【0056】
<<着脱手段>>
着脱手段3は、
図1~
図3に示すように、ヘッド部Hに設けられたヘッド側接続部31と、プローブ群2それぞれに設けられたプローブ側接続部32と、を有している。
【0057】
ヘッド側接続部31は、上記した電極部Eと、各LEDランプLと、ヘッド側磁着部M1と、を含む。
【0058】
プローブ側接続部32は、プローブ群2の略中央に設けられた略円形状の主挿通孔32aと、主挿通孔32aの上下に、主挿通孔32aの外形状に沿った湾曲形状を呈して一対設けられた副挿通孔32bと、各プローブ側磁着部M2と、を含む。
【0059】
主挿通孔32aには、プローブ群2の何れかをヘッド部Hに取付ける際、電極部Eが挿通される。
各副挿通孔32bには、プローブ群2の何れかをヘッド部Hに取付ける際、各LEDランプLが挿通される。
各プローブ側磁着部M2には、プローブ群2の何れかをヘッド部Hに取付ける際、各ヘッド側磁着部M1が嵌合される。
【0060】
ここで、上記した通り、各ヘッド側磁着部M1は、ヘッド部Hの正面視中央を中心に、非点対称となるように配置されており、各プローブ側磁着部M2は、これに対応した配置となされている。
このため、ヘッド部Hに取付けられるプローブ群2の上下方向が、一義的に定まることとなる。
これにより、プローブ群2が上下反転した状態で取付けられることを防止し、ヘッド側識別電極S1とプローブ側識別電極S21、S22、及び接続電極j1と接続電極j2を、確実に接触させることができる。
【0061】
<<充電スタンド>>
充電スタンド4は、
図4に示すように、その上面がやや傾斜した略楕円柱状体として概略構成され、その上面には、ハウジング1が立設状態で挿し込まれる窪み部gが設けられている。
また、充電スタンド4の前面側には、充電スタンド4自体に電力を供給するためのスタンド用充電端子kが設けられている。
【0062】
窪み部gの底部には、ハウジング1の雌側充電端子と接続される、雄側充電端子(図示せず)が設けられている。
【0063】
<<制御手段>>
制御手段Cは、
図5に示すように、ヘッド部Hに取付けられたプローブ群2に、微弱電流を発生させる電流発生手段C1と、プローブ群2にマイナスイオンを印加するイオン発生手段C2と、プローブ群2に超音波振動を印加する超音波発生手段C3と、美容健康機器X全体の動作を制御する中央処理部Pと、中央処理部Pに電力を供給するバッテリーWと、を含む。
【0064】
なお、電流発生手段C1により発生する微弱電流は、表情筋又は頭筋を鍛えるために用いられる。
また、イオン発生手段C2により発生するマイナスイオンは、美容成分のイオン化し、美容成分を好適に肌面や頭髪に浸透させるために用いられる。
また、超音波発生手段C3により発生する超音波は、美容成分の分子を細かくする他、温熱効果により、毛穴の隙間を拡大する、又は頭髪のキューティクルを開くことによってよりトリートメント剤を浸透させやすくするために用いられる。
【0065】
上記した各構成は、それぞれ、所定の電気回路基板等として構成され、ハウジング本体Bの内部に格納されている。
なお、
図5において、電極部E(及び後述する顔面プローブ電極部21bや頭皮プローブ電極部22b)が当接する使用者の肌Z(顔面又は頭皮)を、模式的に示している。
【0066】
また、制御手段Cは、中央処理部Pに電気的に接続されて、ハウジング1の電源のON/OFFを制御する電源スイッチb1や、強度可変部b2、波長可変部b3を含む。
なお、電源スイッチb1や強度可変部b2、波長可変部b3は、それぞれ押圧操作可能な物理ボタンとして構成され、ハウジング本体Bの外周面(前面)に設けられている。
【0067】
なお、
図5に示すように、中央処理部Pの入力側には、電源スイッチb1や強度可変部b2、波長可変部b3、ヘッド側識別電極S1、接続電極j1が接続されている。
また、中央処理部Pの出力側には、電極部E(電流発生手段C1やイオン発生手段C2、超音波発生手段C3)、LEDランプL、表示ランプdが接続されている。
【0068】
<使用方法>
以下、
図6~
図8を用いて、美容健康機器Xの使用方法について説明する。
【0069】
使用者は、顔面への施術を行う際、顔面プローブ21を、着脱手段3を用いてヘッド部Hに取付ける。
即ち、
図6(a)に示すように、使用者は、顔面プローブ21の主挿通孔32aに電極部Eを挿通させ、各副挿通孔32bに各LEDランプLを挿通させる。また、これにより、自然に各プローブ側磁着部M2が、各ヘッド側磁着部M1に嵌合する。
これにより、
図6(b)に示すように、顔面プローブ21がヘッド部Hに取付られる。
【0070】
このとき、ヘッド側識別電極S1とプローブ側識別電極S21とが接触することで、制御手段Cは、電流発生手段C1やイオン発生手段C2、超音波発生手段C3の挙動について、顔面プローブ21に対応した制御モード(顔面施術モード)に切替える。
顔面施術モードは、電極部E及び顔面プローブ電極部21bそれぞれに、微弱電流、マイナスイオン及び超音波を印加するモードであり、超音波の印加により発生する温熱について、40~42度程度(顔面を介して適度な温かさを感じる程度)の温度となるように設定されている。
【0071】
このように、顔面施術モードでは、電極部E及び顔面プローブ電極部21bを介して、微弱電流、マイナスイオン及び超音波振動が、顔面の一定の領域に同時に印加される。
これにより、この一定の領域に対して、美容成分のイオン化・浸透を同時に行うと共に、むくみ取りや表情筋のトレーニング等を並行して行うことができる。
【0072】
また、顔面施術モードは、微弱電流について、頭皮施術モードに比して、その強度が低く、その周波数については高く設定されている。
通常、頭皮よりも顔面の方が電流による痛みを感じ易いため、このような設定とすることで、顔面への施術に際しては、使用者に極力痛みを感じさせることなく、好適に筋肉に刺激を与えることができる。
なお、使用者は、顔面施術モードは、顔面のみならず、頭皮以外の腕部や腹部といった肌面全体の施術にも適用することができる。
【0073】
使用者は、頭皮への施術を行う際、頭皮プローブ22を、着脱手段3を用いてヘッド部Hに取付ける。
即ち、
図7(a)に示すように、使用者は、頭皮プローブ22の主挿通孔32aに電極部Eを挿通させ、各副挿通孔32bに各LEDランプLを挿通させる。また、これにより、自然に各プローブ側磁着部M2が、各ヘッド側磁着部M1に嵌合する。
これにより、
図7(b)に示すように、頭皮プローブ22がヘッド部Hに取付られる。
なお、
図7(b)に示すように、頭皮プローブ22をヘッド部Hに取付けた状態において、頭皮プローブ電極部22bは、電極部Eよりも前方に突設する。
【0074】
このとき、ヘッド側識別電極S1とプローブ側識別電極S22とが接触することで、制御手段Cは、電流発生手段C1やイオン発生手段C2、超音波発生手段C3の挙動について、頭皮プローブ22に対応した制御モード(頭皮施術モード)に切替える。
頭皮施術モードは、電極部Eに超音波を印加し、頭皮プローブ電極部22bに微弱電流及びマイナスイオンを印加するモードであり、超音波の印加により発生する温熱について、50度程度(頭髪のキューティクルが開く程度)の温度となるように設定されている。
【0075】
このように、頭皮施術モードでは、電極部Eを介して、超音波振動が頭髪に印加され、頭皮プローブ電極部22bを介して、微弱電流及びマイナスイオンが頭皮に印加される。
これにより、頭髪に対して、トリートメント剤の浸透を促進すると共に、頭皮に対して、マッサージによる血行促進等を並行して行うことができる。
なお、頭皮施術モードにおいて、強度可変部b2を長押しすることで、微弱電流の発生のみをOFFにすることができる。
【0076】
使用者は、強度可変部b2を押圧操作することで、電流発生手段C1により印加される微弱電流の強度を可変することができる。
詳述すれば、本実施形態においては、電流強度を3段階に可変可能に構成され、使用者が強度可変部b2を押圧操作する毎に、電流強度が各段階に可変される。
【0077】
また、電流強度の段階は、表示ランプdにより表示され、段階(電流強度)が上がる毎に下方のランプから順次点灯していく。
そして、ランプが全て点灯した段階で、強度可変部b2を押圧操作すると、再度下方のランプのみ点灯した状態(電流強度が最も弱い段階)に戻ることとなる。
なお、使用者が強度可変部b2を長押し操作することで、電流発生手段C1による電流の印加をOFFにすることができ、再度長押し操作することで、電流の印加をONにすることができる。
【0078】
使用者は、波長可変部b3を押圧操作することで、電流発生手段C1により印加される微弱電流の波長を可変することができる。
詳述すれば、本実施形態においては、波長を三種類に可変可能に構成され、使用者が波長可変部b3を押圧操作する毎に、波長が三種何れかに巡回的に可変される。
【0079】
また、波長の種類は、表示ランプdにより表示され、波長の種類に応じてランプの色が変化する。
例えば、電源をONにした際の初期設定としての波長を白色、初期設定の波長よりも短い波長を青色、初期設定の波長よりも長い波長を緑色等とすることができる。
【0080】
使用者は、ハウジング1を充電する際、
図8に示すように、充電スタンド4の窪み部gにハウジング1の下端部を挿込み、雌側充電端子と雄側充電端子とを接続する。
なお、充電状態は、表示ランプdにより表示され、バッテリー残量の増加に応じて、下方のランプから順次点灯していく。
【0081】
<効果>
本実施形態によれば、顔面プローブ21及び頭皮プローブ22の何れか一方が、着脱手段3により、ヘッド部Hに対して互いに換装可能に装着されることで、使用者の使用目的(施術部位)に合わせた効果的な施術を行うことが可能となる。
【0082】
また、顔面プローブ電極部21b、頭皮プローブ電極部22bそれぞれ、適用対象の部位に適した形状とされていることで、各部位に好適な施術を行うことができる。
【0083】
また、微弱電流、超音波(温熱)、マイナスイオンによる効果を同時に施術部位に付与することで、顔面に対しては表情筋を鍛えながら美容液の浸透を促し、頭皮・頭髪に対しては頭筋を鍛えながら、トリートメント剤の浸透を促すことができる。
【0084】
また、ヘッド側接続部31が電極部Eを含み、プローブ側接続部32が主挿通孔32aを含むことで、プローブ群2の構成を簡素化できると共に、着脱手段3の構成も簡素化できる。
【0085】
また、顔面プローブ21と頭皮プローブ22とで電極部EやLEDランプLを共有することで、美容健康機器X全体のコストダウンに資する。
【0086】
また、LEDランプLにより、使用者は、プローブ群2を用いた施術の際、赤色LEDを顔面又は頭皮に照射させることで、ニキビ・しわ・しみ・くすみ跡等を改善させることができる。
【0087】
また、ヘッド側接続部31がLEDランプLを含み、プローブ側接続部32が副挿通孔32bを含むことで、ヘッド部Hやプローブ群2の構成を複雑化することなく、取付け状態を安定化することができる。
【0088】
また、LEDランプL及び副挿通孔32bが複数設けられていることで、ヘッド部Hとプローブ群2との取付け状態を、より安定化することができる。
【0089】
また、ヘッド側磁着部M1及びプローブ側磁着部M2により、ヘッド部Hとプローブ群2との取付け状態を、より安定化することができる。
【0090】
また、ヘッド側磁着部M1が溝として構成され、プローブ側磁着部M2が突起として構成されていることで、ヘッド部Hとプローブ群2との取付け状態を、より安定化することができる。
【0091】
また、頭皮プローブ電極部22bの構成により、使用者が、各電極部22bを自身の頭皮に当接させ、頭皮上で移動させながら施術を行う際、各電極部22bが柔軟に湾曲することで、頭皮プローブ22の中央付近に配置された電極部22b等も、頭皮の形状に合わせて確実に当接し、効果的な施術を行うことができる。
【0092】
また、識別センサSにより、使用者は、モードの切替えにあたり、特段の操作を要せず、プローブ群2の何れかに適した施術を、迅速に切替えて行うことができ、美容健康機器Xの利便性が向上する。
【0093】
また、イオン発生手段C2により、顔面や頭皮に塗布した美容液に含まれる美容成分をイオン化し、マイナスイオンに帯電させ、電気の反発力を利用して、角質層を越えた皮膚の奥深くまで、美容成分を浸透させることが可能となる。
【0094】
また、超音波発生手段C3により、イオン発生手段C2によるイオン導入の際、超音波振動を皮膚にさらに印加することができ、美容成分を、キャビテーション効果により、より効果的に、皮膚の奥まで浸透させることが可能となる。
【0095】
また、強度可変部b2により、使用者は、施術部位の凝りの度合い等に合わせて、適切な電流強度を選択することができ、美容健康機器Xの利便性が向上する。
【0096】
なお、上述の実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0097】
X 美容健康機器
1 ハウジング
B ハウジング本体
H ヘッド部
E 電極部
L LEDランプ
2 プローブ群
21 顔面プローブ
22 頭皮プローブ
3 着脱手段
31 ヘッド側接続部
32 プローブ側接続部
S 識別センサ
S1 ヘッド側識別電極
S21 プローブ側識別電極
S22 プローブ側識別電極
4 充電スタンド
C 制御手段
C1 電流発生手段
C2 イオン発生手段
C3 超音波発生手段
P 中央処理部
W バッテリー
【要約】 (修正有)
【課題】使用者の顔面及び頭部に効果的な施術を行うことができ利便性を向上させた美容健康機器を提供する。
【解決手段】使用者の筋肉に所定の刺激を付与する美容健康機器Xは、使用者が把持する持手部hが設けられたハウジングと、ハウジングに設けられ、使用者に当接するプローブ群と、ハウジングとプローブ群とを着脱可能に接続する着脱手段3と、を備え、ハウジングは、プローブ群が取付けられるヘッド部Hと、プローブ群に、ヘッド部を介して電気的に接続され、プローブ群の挙動を制御する制御手段と、を有し、プローブ群は、使用者の顔面に当接する顔面プローブと、使用者の頭皮に当接する頭皮プローブと、を有し、顔面プローブ及び頭皮プローブは、着脱手段により、その何れか一方が、ヘッド部Hに対して、互いに換装可能に取付けられ、制御手段は、ヘッド部に取付けられた顔面プローブ又は頭皮プローブに、微弱電流を発生させる電流発生手段を含む。
【選択図】
図1