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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】医薬品
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/135 20060101AFI20240515BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 31/4704 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 31/245 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 31/445 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 31/045 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 31/56 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 31/542 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 31/4402 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 31/4465 20060101ALI20240515BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240515BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20240515BHJP
   A61P 23/02 20060101ALI20240515BHJP
   A61P 9/14 20060101ALI20240515BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240515BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 31/24 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 45/06 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 47/28 20060101ALI20240515BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
A61K31/135
A61K9/08
A61K9/06
A61K31/4704
A61K31/245
A61K31/445
A61K31/167
A61K31/045
A61K31/56
A61K31/542
A61K31/4402
A61K31/4465
A61P43/00 121
A61P17/04
A61P23/02
A61P9/14
A61P29/00
A61P17/14
A61K31/24
A61K45/06
A61K47/12
A61K47/26
A61K47/28
A61P43/00 113
A61K45/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019217776
(22)【出願日】2019-12-02
(65)【公開番号】P2021088509
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】P 2018225573
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019076245
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019211159
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000163006
【氏名又は名称】興和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 隆宏
【審査官】長谷川 茜
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-193850(JP,A)
【文献】特開2013-215448(JP,A)
【文献】特開2006-131597(JP,A)
【文献】特開昭63-201118(JP,A)
【文献】国際公開第2011/074015(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3108384(JP,U)
【文献】特表平11-501045(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0264335(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B):
(A)次の成分(A-1)及び(A-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(A-1)局所麻酔成分
(A-2)ジフェンヒドラミン及びその塩よりなる群から選ばれる1種以上
(B)次の成分(B-1)~(B-3)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)テルペン類
(B-2)グリチルレチン酸類
(B-3)ステロイド類
を含有する液状又は半固形状の組成物が、金属製の部材を備える容器に収容されてなり、前記金属製の部材が、容器内部に収容された液状又は半固形状の組成物と少なくとも一時的に接触し得るように容器に備えられた、医薬品。但し、下記(1)~(4)に記載のものを除く。
(1)前記液状又は半固形状の組成物が、ジフェンヒドラミン塩酸塩 2質量%、イソプロピルメチルフェノール 0.5質量%、エタノール 20質量%、1,3-ブチレングリコール 10質量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 1質量%及び精製水 66.5質量%を含有する液体組成物である、前記医薬品。
(2)前記液状又は半固形状の組成物が、ジフェンヒドラミン塩酸塩 2質量%、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル 0.15質量%、エタノール 20質量%、1,3-ブチレングリコール 10質量%、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 1質量%及び精製水 66.9質量%を含有する液体組成物である、前記医薬品。
(3)前記液状又は半固形状の組成物が、ジフェンヒドラミン塩酸塩 2質量%、グリチルリチン酸二カリウム 0.3質量%、エタノール 20質量%、1,3-ブチレングリコール 10質量%及び精製水 67.7質量%を含有する液体組成物である、前記医薬品。
(4)噴射剤を含む場合。
【請求項2】
成分(A-1)が、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカイン及びそれらの無機酸塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の医薬品。
【請求項3】
成分(B-1)が、p-メンタン骨格を有するモノテルペノイド、p-メンタンの異性体を骨格として有するモノテルペノイド及びボルナン骨格を有するモノテルペノイドよりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の医薬品。
【請求項4】
成分(B-2)が、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸及びそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項5】
成分(B-3)が、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン及びそれらのカルボン酸エステル誘導体よりなる群から選ばれる1種以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項6】
液状又は半固形状の組成物が、水を更に含有するものである、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項7】
金属製の部材を備える容器が、金属製のボールを備えるロールオン容器である、請求項1~のいずれか1項に記載の医薬品。
【請求項8】
次の成分(A)及び(B):
(A)局所麻酔成分
(B)次の成分(B-1)~(B-3)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)テルペン類
(B-2)グリチルレチン酸類
(B-3)ステロイド類
を含有する液状又は半固形状の組成物が、金属製の部材を備える容器に収容されてなり、前記金属製の部材が、容器内部に収容された液状又は半固形状の組成物と少なくとも一時的に接触し得るように容器に備えられた、医薬品。但し、噴射剤を含む場合を除く。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品等に関する。
【背景技術】
【0002】
ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカインなどの局所麻酔成分は、いずれも、芳香族基とアミノ基とが中間鎖を介して結合した類似の化学構造を有する。局所麻酔成分は、皮膚や粘膜などの局所に適用された場合に、知覚神経を麻痺させるなどして患部の疼痛、掻痒を緩和するとされている。
また、イソチペンジル、クロルフェニラミン、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン成分も、局所麻酔成分と同様、芳香族基とアミノ基とが中間鎖を介して結合した類似の化学構造を有する。抗ヒスタミン成分は、皮膚や粘膜などの局所に適用された場合に、抗ヒスタミン作用により鎮痒作用を発揮する。さらに、例えばジフェンヒドラミンなどはリドカインと化学構造が似ており局所麻酔作用を発揮するとされている。
そのため、これらの局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分は、湿疹、皮膚炎、ただれ、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん等の症状に対する鎮痒消炎薬や、みずむし・たむし用薬、外用痔疾用薬等の外用剤の有効成分として広く利用されている。
【0003】
局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分を外用剤の有効成分として利用する場合、ローション剤、ゲル剤等の外用塗布剤のような、液状あるいは半固形状の組成物として患部に塗布等することにより、患部の位置、形状や範囲に応じて柔軟に必要な量だけ薬剤を投与できるようになる。これまでに、局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分を含有する液状あるいは半固形状の組成物を、スポンジ状の塗布部を有する塗布容器等に収容したもの等が販売されているが、スポンジ状の塗布部が長期間の使用に伴い摩損、劣化等することがあった。
これに対し、プラスチック製や金属製のボールを塗布部に備え、塗布対象部分に当該ボールを押し付けて転動させることにより容器中の組成物を塗布する容器(いわゆるロールオン容器)であれば、より長期間の使用にも耐え得られ、品質安定性の良好な医薬品を提供し得ると考えられてきた。
【0004】
ところで、特許文献1には、局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分を含有する液体組成物と、この液体組成物が充填され、金属塗布ボールを有するロールオン容器とを備えた外用剤製品が記載されている。
しかしながら、特許文献1には、局所麻酔成分とテルペン類の組み合わせは開示されておらず、また、組成物と金属塗布ボールとの相互作用についても一切開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-193850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の状況に鑑み、本発明者は、局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分を含有する液状又は半固形状の組成物がロールオン容器に収容されてなる医薬品を開発することとした。局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分を含有する組成物が塗布されるような患部は、炎症等により往々にして熱を帯びている。そのため、ロールオン容器のボールとして金属製のものを採用することが患部に冷却感を与えて使用感を良好にするものと考えられた。
そこで、本発明者が、リドカインに代表される局所麻酔成分(以下、「成分(A-1)」と称することがある。)、あるいはジフェンヒドラミンに代表される抗ヒスタミン成分(以下、「成分(A-2)」と称することがある。また、成分(A-1)と成分(A-2)とをまとめて「成分(A)」と称することがある。)を含有する液状又は半固形状の組成物が、金属製のボールを備えるロールオン容器に収容されてなる医薬品を開発するため、まずは局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分を含有する液状又は半固形状の組成物と金属製部材とを接触させてその保存安定性を確認したところ、長期間の保存により経時的に金属製部材表面に変色が発生し、保存安定性に問題が生じることが明らかとなった。斯かる問題を解決する技術は、金属製のボールを備えるロールオン容器のみならず、広範な種類の金属製の部材を備える容器に適用可能となり得る。
したがって、本発明は、局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分を含有する液状又は半固形状の組成物を金属製部材具備容器に収容した場合における金属製部材表面の変色を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分を含有する液状又は半固形状の組成物に、さらに、メントール、カンフル、イソプロピルメチルフェノールに代表されるテルペン類(以下、「成分(B-1)」と称することがある。)、グリチルリチン酸に代表されるグリチルレチン酸類(以下、「成分(B-2)」と称することがある。)、あるいはデキサメタゾン酢酸エステルに代表されるステロイド類(以下、「成分(B-3)」と称することがある。また、成分(B-1)と成分(B-2)と成分(B-3)とをまとめて「成分(B)」と称することがある。)を含有せしめることにより、金属製部材表面の変色が抑制されることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)次の成分(A-1)及び(A-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(A-1)局所麻酔成分
(A-2)抗ヒスタミン成分
(B)次の成分(B-1)~(B-3)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)テルペン類
(B-2)グリチルレチン酸類
(B-3)ステロイド類
を含有する液状又は半固形状の組成物が、金属製の部材を備える容器に収容されてなる医薬品を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分を含有する液状又は半固形状の組成物を金属製部材具備容器に収容した場合において、長期間の保存により生じ得る金属製部材表面の変色を抑制できる。従って、保存安定性に優れた医薬品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、「w/v%」は質量対容積百分率を意味し、具体的には、100mLの組成物当りに含まれる各成分の質量(g)を意味する。
【0011】
<成分(A-1)>
本明細書において「局所麻酔成分」は、局所麻酔作用を有するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には例えば、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン、テトラカイン、プロカイン、ブピバカイン、プロピトカイン、ベンゾカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカインそのもののほか、それらの薬学上許容される塩、さらにはアミノ安息香酸エチル、ジブカイン、テトラカイン、プロカイン、ブピバカイン、プロピトカイン、ベンゾカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカインそのものやそれらの薬学上許容される塩と、水やアルコール等との溶媒和物も包含する概念である。ここで、塩としては、薬学上許容される塩であれば特に限定されず、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
なお、これらは1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
これらの局所麻酔成分は公知の成分であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを使用してもよい。市販品としては例えば、塩酸リドカイン(岩城製薬(株)製)などが挙げられる。
【0012】
成分(A-1)としては、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカイン及びそれらの無機酸塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカイン及びそれらの塩酸塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン、ジブカイン塩酸塩、プロカイン、プロカイン塩酸塩、メピバカイン、メプリルカイン塩酸塩、リドカイン及びリドカイン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上がさらに好ましく、アミノ安息香酸エチル、ジブカイン、ジブカイン塩酸塩、リドカイン及びリドカイン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上が特に好ましい。
【0013】
本発明において、液状又は半固形状の組成物中の成分(A-1)の含有量は特に限定されず、所望の薬効等に応じて適宜検討して決定すればよい。本発明においては、成分(A-1)をフリー体換算で組成物全容量に対して合計で0.001~20w/v%含有するのが好ましく、0.01~10w/v%含有するのがより好ましく、0.1~3w/v%含有するのが特に好ましい。
中でも、成分(A-1)としてジブカイン及びその薬学上許容される塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、そのフリー体換算で組成物全容量に対して合計で0.001~5w/v%含有するのが好ましく、0.01~1w/v%含有するのがより好ましく、0.1~0.5w/v%含有するのが特に好ましい。
また、成分(A-1)としてリドカイン及びその薬学上許容される塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、そのフリー体換算で組成物全容量に対して合計で0.01~10w/v%含有するのが好ましく、0.1~5w/v%含有するのがより好ましく、0.5~2w/v%含有するのが特に好ましい。
さらに、成分(A-1)としてアミノ安息香酸エチルを用いる場合においては、そのフリー体換算で組成物全容量に対して合計で0.01~5w/v%含有するのが好ましく、0.05~2w/v%含有するのがより好ましく、0.1~1w/v%含有するのが特に好ましい。
【0014】
<成分(A-2)>
本発明において、「抗ヒスタミン成分」としては、ヒスタミンH1受容体拮抗作用を有するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には例えば、アゼラスチン、アリメマジン、イソチペンジル、イプロヘプチン、エバスチン、エピナスチン、エメダスチン、オキサトミド、オロパタジン、カルビノキサミン、クレマスチン、クロルフェニラミン、ケトチフェン、ジフェテロール、ジフェニルピラリン、ジフェンヒドラミン、シプロヘプタジン、セチリジン、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、フェキソフェナジン、フェネタジン、プロメタジン、ベポタスチン、ホモクロルシクリジン、メキタジン、メトジラジン、メブヒドロリン及びロラタジン、それらの薬学上許容される塩並びにそれらの溶媒和物からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。なお、塩としては、薬学上許容される塩であれば特に限定されないが、無機酸や有機酸、無機塩基や有機塩基等との塩が挙げられ、例えば、塩酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ジフェニルジスルホン酸塩、テオクル酸塩、サリチル酸塩、タンニン酸塩、ベシル酸塩、ナパジシル酸塩、リン酸塩等が挙げられる。また、抗ヒスタミン成分の化学構造中に不斉炭素が存する場合は、種々の光学異性体を有するが、本発明においては、いずれの光学異性体をも含み、単一の光学異性体でもよく、各種光学異性体の混合物でもよい。また、上記のとおり、アゼラスチン等のヒスタミンH1受容体拮抗作用を有する各種化合物やその塩と水やアルコール等との溶媒和物も「抗ヒスタミン成分」に包含される。
なお、これらは1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
これらの抗ヒスタミン成分は公知の成分であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを使用することができる。市販品としては例えば、塩酸ジフェンヒドラミン(金剛化学(株)製)などが挙げられる。
【0015】
本発明に用いられる抗ヒスタミン成分としては、具体的には例えば、アゼラスチン塩酸塩等のアゼラスチン又はその塩;アリメマジン酒石酸塩等のアリメマジン又はその塩;イソチペンジル塩酸塩等のイソチペンジル又はその塩;イプロヘプチン塩酸塩等のイプロへプチン又はその塩;エバスチン又はその塩;エピナスチン塩酸塩等のエピナスチン又はその塩;エメダスチンフマル酸塩等のエメダスチン又はその塩;オキサトミド又はその塩;オロパタジン塩酸塩等のオロパタジン又はその塩;カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩等のカルビノキサミン又はその塩;クレマスチンフマル酸塩等のクレマスチン又はその塩;d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩等のクロルフェニラミン又はその塩;ケトチフェンフマル酸塩等のケトチフェン又はその塩;ジフェテロール塩酸塩、ジフェテロールリン酸塩等のジフェテロール又はその塩;ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩等のジフェニルピラリン又はその塩;ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩等のジフェンヒドラミン又はその塩;シプロヘプタジン塩酸塩水和物等のシプロヘプタジン又はその塩;セチリジン塩酸塩等のセチリジン又はその塩;トリプロリジン塩酸塩等のトリプロリジン又はその塩;トリペレナミン塩酸塩等のトリペレナミン又はその塩;トンジルアミン塩酸塩等のトンジルアミン又はその塩;フェキソフェナジン又はその塩;フェネタジン塩酸塩等のフェネタジン又はその塩;プロメタジン塩酸塩、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩等のプロメタジン又はその塩;ベポタスチンベシル酸塩等のベポタスチン又はその塩;ホモクロルシクリジン塩酸塩等のホモクロルシクリジン又はその塩;メキタジン又はその塩;メトジラジン塩酸塩等のメトジラジン又はその塩;メブヒドロリンナパジシル酸塩等のメブヒドロリン又はその塩;ロラタジン又はその塩等が挙げられる。本発明においては、イソチペンジル、クロルフェニラミン、ジフェニルピラリン及びジフェンヒドラミン並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、イソチペンジル塩酸塩、クロルフェニラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン塩酸塩及びジフェンヒドラミンサリチル酸塩よりなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、イソチペンジル塩酸塩、クロルフェニラミン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン及びジフェンヒドラミン塩酸塩よりなる群から選ばれる1種以上が特に好ましい。
【0016】
本発明において、液状又は半固形状の組成物中の成分(A-2)の含有量は特に限定されず、所望の薬効等に応じて適宜検討して決定すればよい。本発明においては、成分(A-2)をフリー体換算で組成物全容量に対して合計で0.001~15w/v%含有するのが好ましく、0.01~10w/v%含有するのがより好ましく、0.1~3w/v%含有するのが特に好ましい。
中でも、成分(A-2)としてクロルフェニラミン及びその薬学上許容される塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、そのフリー体換算で組成物全容量に対して合計で0.005~2w/v%含有するのが好ましく、0.05~1w/v%含有するのがより好ましく、0.1~0.5w/v%含有するのが特に好ましい。
また、成分(A-2)としてジフェンヒドラミン及びその薬学上許容される塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、そのフリー体換算で組成物全容量に対して合計で0.05~10w/v%含有するのが好ましく、0.1~5w/v%含有するのがより好ましく、0.5~2w/v%含有するのが特に好ましい。
【0017】
<成分(B-1)>
本発明において、「テルペン類」とは、テルペン炭化水素のほか、テルペンアルコール、テルペンアルデヒド、テルペンケトン、テルペンオキシド、テルペンラクトンなどを包含する総称(テルペノイド)を意味し、その構造は特に限定されるものではなく、モノテルペン、セスキテルペン又はそれらの誘導体等が挙げられる。また、環式でも鎖式でもよい。
斯様なテルペン類としては、具体的には例えば、イソプロピルメチルフェノール、イソボルネオール、イロン、オシメン、カルベオール、カルボタナセトン、カルボメントン、カルボン、カレン、カロン、カンフェン、カンフル、ゲラニオール、サビネン、サフラナール、シクロシトラール、シトラール、シトロネラール、シトロネル酸、シトロネロール、シネオール、シメン、シルベストレン、チモール、イソツジョール、ツジョン、テルピネオール、テルピネン、テルピノレン、トリシクレン、ネロール、ピネン、ピノカンフェオール、ピノール、ピペリテノン、フェランドラール、フェランドレン、フェンチェン、フェンチルアルコール、ペリリルアルコール、ペリルアルデヒド、ボルネオール、ミルセン、メントール、メントン、ヨノール、ヨノン、リナロール、リモネン等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。なお、これらのテルペン類に光学異性体が存在する場合は、特に指定しない限りいずれの異性体も含まれる。すなわち、本発明において、テルペン類の成分名として特定の光学異性体を指定しない限り、斯かる成分表記は各種光学異性体単独及びそれらの任意の割合の混合物の全てを包含し、単一の光学異性体であってもよく各種光学異性体の任意の割合の混合物であってもよい(例えば、「メントール」との記載はdl-メントールとl-メントールのいずれをも包含するものである。)。
【0018】
上記テルペン類の中では、変色抑制作用の観点から、環式のテルペノイドが好ましく、環式のモノテルペノイドがより好ましく、単環式又は2環式のモノテルペノイドがさらに好ましく、p-メンタン骨格を有するモノテルペノイド(例えば、シメン、チモール、テルピネン、テルピノレン、フェランドレン、リモネンなどの、p-メンタンの不飽和誘導体;カルベオール、テルピネオール、メントールなどのp-メンタン骨格を有するモノテルペンアルコール;カルボン、メントンなどの、p-メンタン骨格を有するモノテルペンケトン;ペリルアルデヒドなどの、p-メンタン骨格を有するモノテルペンアルデヒド;シネオールなどの、p-メンタン骨格を有するモノテルペンエーテルなど)、p-メンタンの異性体を骨格として有するモノテルペノイド(例えば、3-メチル-4-イソプロピルフェノール(イソプロピルメチルフェノール)などの、p-メンタンの異性体の不飽和誘導体など)又はボルナン骨格を有するモノテルペノイド(例えば、ボルネオールなどのボルナン骨格を有するモノテルペンアルコール;カンフルなどの、ボルナン骨格を有するモノテルペンケトンなど)がさらにより好ましく、チモール、メントール、イソプロピルメチルフェノール、カンフル及びボルネオールよりなる群から選ばれる1種以上がさらにより好ましく、チモール、l-メントール、dl-メントール、イソプロピルメチルフェノール、d-カンフル、dl-カンフル及びd-ボルネオールよりなる群から選ばれる1種以上がさらにより好ましく、l-メントール、dl-メントール、イソプロピルメチルフェノール、d-カンフル及びdl-カンフルよりなる群から選ばれる1種以上が特に好ましい。
【0019】
なお、テルペン類を液状又は半固形状の組成物に含有せしめる場合、テルペン類をそのまま用いるほか、テルペン類を含む精油を用いてもよい。
斯様な精油としては、例えば、アニス油、イランイラン油、イリス油、ウイキョウ油、オレンジ油、カナンガ油、カミツレ油、カヤプト油、カラウェー油、クベブ油、グレープフルーツ油、ケイヒ油、コリアンダー油、サフラン油、サンショウ油、シソ油、シトリオドラ油、シトロネラ油、ショウキョウ油、ショウズク油、樟脳油、ジンジャーグラス油、スペアミント油、セイヨウハッカ油、ゼラニウム油、ダイウイキョウ油、チョウジ油、テレビン油、トウヒ油、ネロリ油、バジル油、ハッカ油、パルマローザ油、ピメント油、プチグレン油、ベイ油、ペニローヤル油、ヘノポジ油、ベルガモット油、ボアドローズ油、ホウショウ油、マジョラン油、マンダリン油、メリッサ油、ユーカリ油、ライム油、ラベンダー油、リナロエ油、レモン油、レモングラス油、ローズ油、ローズマリー油、ローマカミツレ油等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、イランイラン油、ウイキョウ油、オレンジ油、カミツレ油、ケイヒ油、シソ油、シトロネラ油、ショウキョウ油、樟脳油、セイヨウハッカ油、ゼラニウム油、チョウジ油、テレビン油、トウヒ油、ネロリ油、ハッカ油、パルマローザ油、ベルガモット油、ユーカリ油、ラベンダー油、リナロエ油、レモン油、ローズ油、ローズマリー油、ローマカミツレ油等が好ましく、樟脳油、セイヨウハッカ油、テレビン油、ハッカ油、ユーカリ油がより好ましく、ハッカ油、ユーカリ油が特に好ましい。
【0020】
本発明において、液状又は半固形状の組成物中の成分(B-1)の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、変色抑制作用の観点から、成分(B-1)を組成物全容量に対して合計で0.001~20w/v%含有するのが好ましく、0.01~15w/v%含有するのがより好ましく、0.1~10w/v%含有するのが特に好ましい。
中でも、成分(B-1)としてカンフルを用いる場合においては、変色抑制作用の観点から、カンフルを組成物全容量に対して合計で0.001~15w/v%含有するのが好ましく、0.01~10w/v%含有するのがより好ましく、0.1~7w/v%含有するのが特に好ましい。また、成分(B-1)としてメントールを用いる場合においては、変色抑制作用の観点から、メントールを組成物全容量に対して合計で0.05~10w/v%含有するのが好ましく、0.1~7w/v%含有するのがより好ましく、0.5~5w/v%含有するのが特に好ましい。さらに、成分(B-1)としてイソプロピルメチルフェノールを用いる場合においては、変色抑制作用の観点から、イソプロピルメチルフェノールを組成物全容量に対して合計で0.01~6w/v%含有するのが好ましく、0.05~4w/v%含有するのがより好ましく、0.1~2w/v%含有するのが特に好ましい。
【0021】
また、本発明において、液状又は半固形状の組成物に含まれる成分(A)と成分(B-1)の含有比は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、変色抑制作用の観点から、成分(A)をフリー体換算で1質量部に対し、成分(B-1)を0.0001~600質量部含有するのが好ましく、0.0005~400質量部含有するのがより好ましく、0.005~200質量部含有するのが特に好ましい。
中でも、成分(A)として成分(A-1)を用いる場合においては、成分(A-1)をフリー体換算で1質量部に対し、成分(B-1)を0.005~50質量部含有するのが好ましく、0.01~30質量部含有するのがより好ましく、0.05~15質量部含有するのが特に好ましい。また、成分(A)として成分(A-2)を用いる場合においては、成分(A-2)をフリー体換算で1質量部に対し、成分(B-1)を0.0005~500質量部含有するのが好ましく、0.001~300質量部含有するのがより好ましく、0.01~100質量部含有するのが特に好ましい。
【0022】
<成分(B-2)>
本発明において、「グリチルレチン酸類」とは、グリチルレチン酸及びその誘導体(例えば、グリチルリチン酸等の、グリチルレチン酸の糖付加誘導体など)並びにそれらの塩(例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;アンモニウム塩など)よりなる群から選ばれる1種以上を意味する。
本発明においてグリチルレチン酸類としては、変色抑制作用の観点から、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸及びそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸二ナトリウム及びグリチルリチン酸三ナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸及びグリチルリチン酸二ナトリウムよりなる群から選ばれる1種以上がさらに好ましく、グリチルリチン酸が特に好ましい。
【0023】
なお、グリチルレチン酸類を液状又は半固形状の組成物に含有せしめる場合、グリチルレチン酸類をそのまま用いるほか、グリチルレチン酸類を含有するカンゾウ(甘草)やその抽出物を用いてもよい。ここで「カンゾウ」(甘草)とは、Glycyrrhiza uralensis Fischer又はGlycyrrhiza glabra Linne(Leguminosae)の根及びストロンを意味し、その周皮を除いたもの(皮去りカンゾウ)も包含する概念である(第十七改正日本薬局方)。カンゾウは必要に応じてその形態を調節することができ、小片、小塊に切断若しくは破砕、又は粉末に粉砕することができ、例えば、カンゾウを粉末とした「カンゾウ末」も用いることができる。また、組成物の製造時の取扱の便宜等を考慮して、カンゾウに何らかの抽出処理を施した「カンゾウの抽出物」を用いてもよい。ここで、当該「カンゾウの抽出物」には、抽出処理に加えて、加熱、乾燥、粉砕等の加工処理を施したものも包含される。具体的には、カンゾウを必要に応じて適当な大きさとした後に、適当な浸出液(抽出溶媒)を加えて浸出した液や、当該浸出液を濃縮した液(軟エキス、チンキ等)、さらにこれらを乾燥させたもの(乾燥エキス等)なども「カンゾウの抽出物」に包含される。
本発明において、カンゾウ又はその抽出物としては、第十七改正日本薬局方に記載のカンゾウ、カンゾウ末、カンゾウエキス、カンゾウ粗エキスが好ましい。
【0024】
カンゾウの抽出物の製造方法は特に限定されず、例えば第十七改正日本薬局方 製剤総則の「エキス剤」、「浸剤・煎剤」、「チンキ剤」、「流エキス剤」の項の記載など、公知の植物抽出物の製造方法を参考にして製造できる。具体的には例えば、カンゾウを必要に応じて切断、加熱、乾燥、粉砕等したうえ、適当な抽出溶媒を加えて抽出を行うことで、製造することができる。得られた抽出物は、必要に応じさらに濃縮、乾燥等させてもよい。
【0025】
上記抽出溶媒としては例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール等の低級一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン等の低級多価アルコール;ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル等のニトリル類;ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のアルカン類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲノアルカン類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;水(熱水を含む)等が挙げられる。これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明においては、水、エタノール等の低級一価アルコール、又は水/低級一価アルコールの混液が好ましく、水、エタノール又は水/エタノールの混液が特に好ましい。
抽出操作は特に限定されず、植物からの抽出操作に利用される公知の方法を採用することができ、具体的には例えば、抽出溶媒への浸漬(冷浸、温浸、パーコレーション等)、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出などが挙げられる。なお、抽出効率を上げるため、攪拌や抽出溶媒中でホモジナイズしてもよい。
抽出温度は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが好ましい。
抽出時間は特に限定されず、使用する抽出溶媒、抽出操作等により異なるが、1時間~14日間程度とするのが好ましい。
【0026】
本発明において、液状又は半固形状の組成物中の成分(B-2)の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、変色抑制作用の観点から、成分(B-2)をフリー体換算で組成物全容量に対して0.001~15w/v%含有するのが好ましく、0.01~4w/v%含有するのがより好ましく、0.1~2w/v%含有するのが特に好ましい。
中でも、成分(B-2)としてグリチルレチン酸及びその塩よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、変色抑制作用の観点から、グリチルレチン酸のフリー体換算で組成物全容量に対して合計で0.01~5w/v%含有するのが好ましく、0.05~3w/v%含有するのがより好ましく、0.1~1w/v%含有するのが特に好ましい。また、成分(B-2)としてグリチルリチン酸及びその塩よりなる群から選ばれる1種以上を用いる場合においては、変色抑制作用の観点から、グリチルリチン酸のフリー体換算で組成物全容量に対して合計で0.05~15w/v%含有するのが好ましく、0.1~3w/v%含有するのがより好ましく、0.5~1w/v%含有するのが特に好ましい。
【0027】
また、本発明において、液状又は半固形状の組成物に含まれる成分(A)と成分(B-2)の含有比は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、変色抑制作用の観点から、成分(A)をフリー体換算で1質量部に対し、成分(B-2)をフリー体換算して合計で0.001~150質量部含有するのが好ましく、0.005~70質量部含有するのがより好ましく、0.01~30質量部含有するのが特に好ましい。
中でも、成分(A)として成分(A-1)を用いる場合においては、成分(A-1)をフリー体換算で1質量部に対し、成分(B-2)をフリー体換算して合計で0.005~100質量部含有するのが好ましく、0.01~50質量部含有するのがより好ましく、0.05~20質量部含有するのが特に好ましい。また、成分(A)として成分(A-2)を用いる場合においては、成分(A-2)をフリー体換算で1質量部に対し、成分(B-2)をフリー体換算して合計で0.005~100質量部含有するのが好ましく、0.01~50質量部含有するのがより好ましく、0.05~10質量部含有するのが特に好ましい。
【0028】
<成分(B-3)>
本発明において、「ステロイド類」としては、ステロイド骨格を有する化合物であれば特に限定されず、例えば副腎皮質ホルモンが挙げられ、具体的には例えば、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン等やそれらの誘導体(例えば、酢酸エステル、ピバル酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、吉草酸エステルなどのカルボン酸エステル誘導体など)が挙げられる。こうしたステロイド類としては、より具体的には例えば、アムシノニド、クロベタゾン酪酸エステル、クロベタゾールプロピオン酸エステル、コルチゾン、コルチゾン酢酸エステル、ジフルコルトロン吉草酸エステル酢酸エステル、ジフルプレドナート、ジフロラゾン酢酸エステル、デキサメタゾン、デキサメタゾン酢酸エステル、デキサメタゾン吉草酸エステル、デキサメタゾンプロピオン酸エステル、トリアムシノロンアセトニド、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酢酸エステルプロピオン酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルドロキシコルチド、フルメタゾンピバル酸エステル、プレドニゾロン、プレドニゾロン酢酸エステル、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン酢酸エステル等が挙げられる。
なお、これらは1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて使用できる。
これらのステロイド類は公知の成分であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを使用してもよい。市販品としては例えば、デキサメタゾン酢酸エステル(サノフィ(株)製)などが挙げられる。
【0029】
成分(B-3)としては、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン及びそれらのカルボン酸エステル(より詳細には、酢酸、酪酸及び吉草酸よりなる群から選ばれる1種以上のカルボン酸のエステル)誘導体よりなる群から選ばれる1種以上が好ましく、コルチゾン、コルチゾン酢酸エステル、デキサメタゾン、デキサメタゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、プレドニゾロン、プレドニゾロン酢酸エステル及びプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルよりなる群から選ばれる1種以上が特に好ましい。
【0030】
本発明において、液状又は半固形状の組成物中の成分(B-3)の含有量は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、変色抑制作用の観点から、成分(B-3)を組成物全容量に対して0.001~10w/v%含有するのが好ましく、0.01~5w/v%含有するのがより好ましく、0.1~3w/v%含有するのが特に好ましい。
中でも、成分(B-3)としてデキサメタゾン酢酸エステルを用いる場合においては、変色抑制作用の観点から、組成物全容量に対して合計で0.01~15w/v%含有するのが好ましく、0.05~10w/v%含有するのがより好ましく、0.1~1.5w/v%含有するのが特に好ましい。また、成分(B-3)としてプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルを用いる場合においては、変色抑制作用の観点から、組成物全容量に対して合計で0.1~6w/v%含有するのが好ましく、0.5~4w/v%含有するのがより好ましく、1~2w/v%含有するのが特に好ましい。
【0031】
また、本発明において、液状又は半固形状の組成物に含まれる成分(A)と成分(B-3)の含有比は特に限定されず、適宜検討して決定すればよいが、変色抑制作用の観点から、成分(A)をフリー体換算で1質量部に対し、成分(B-3)を合計で0.001~100質量部含有するのが好ましく、0.005~50質量部含有するのがより好ましく、0.01~30質量部含有するのが特に好ましい。
中でも、成分(A)として成分(A-1)を用いる場合においては、成分(A-1)をフリー体換算で1質量部に対し、成分(B-3)を合計で0.005~60質量部含有するのが好ましく、0.01~40質量部含有するのがより好ましく、0.05~20質量部含有するのが特に好ましい。また、成分(A)として成分(A-2)を用いる場合においては、成分(A-2)をフリー体換算で1質量部に対し、成分(B-3)を合計で0.005~60質量部含有するのが好ましく、0.05~40質量部含有するのがより好ましく、0.1~20質量部含有するのが特に好ましい。
【0032】
<液状又は半固形状の組成物>
本発明において、「液状又は半固形状の組成物」とは、常温(15~25℃の範囲内のうちいずれかの温度)において液状あるいは半固形状の組成物を意味する。
本発明において組成物の具体的性状は特に限定されず、溶液、コロイド溶液(ゾル(懸濁液や乳濁液))、ゲル等のいずれであってもよい。また、溶媒あるいは基剤の種類・性質等は特に限定されず、親水性であっても油性等の疎水性であってもよく、さらには異なる複数種の溶媒・基剤を適宜混合・乳化等して用いてもよい。こうした溶媒・基剤としては、具体的には例えば、後記の添加物として例示された成分等が挙げられる。
【0033】
本発明においては、医薬品の使用時の安全性等の観点から、液状又は半固形状の組成物が、水を含有するのが好ましい。ここで、組成物中の水の量は、特に限定されないが、医薬品の使用時の安全性や変色抑制作用の観点から、組成物全質量に対し1質量%以上であるのが好ましく、5質量%以上であるのがより好ましく、20~80質量%であるのがさらに好ましく、30~60質量%であるのが特に好ましい。
【0034】
また、本発明においては、医薬品の使用感の観点から、液状又は半固形状の組成物が、低級アルコールを含有するのが好ましい。ここで、「低級アルコール」とは、炭素数1~6の直鎖又は分岐鎖の1価のアルコールを意味し、具体的には例えば、エタノール、イソプロパノール、n-プロパノール等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いればよい。これらの中でも、エタノール、イソプロパノール及びこれらの混合物が好ましい。ここで、組成物中の低級アルコールの含有量は、特に限定されないが、医薬品の使用感や変色抑制作用の観点から、組成物全質量に対し5質量%以上であるのが好ましく、20~65質量%であるのがより好ましく、30~60質量%であるのがさらに好ましく、40~55質量%であるのが特に好ましい。
本発明においては、医薬品の使用時の安全性、使用感の観点から、液状又は半固形状の組成物が、水及び低級アルコールの両者を含有するのが好ましい。
【0035】
組成物は、薬効成分として、上記以外の成分を含んでいてもよい。斯かる薬効成分としては特に限定されないが、例えば、クロタミトン、サリチル酸類、殺菌剤、防腐剤、収れん・保護剤、アンモニア水、ビタミンE類、パンテノール、ビタミンA類、ロートエキス、血管収縮剤、サルファ剤、消炎剤等、生薬、抗白癬菌剤、角質溶解剤等が挙げられる。
【0036】
サリチル酸類としては、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル等が挙げられる。
殺菌剤としては、ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、アクリノール、アルキルポリアミノエチルグリシン、セチルピリジニウム塩化物、デカリニウム塩化物、デカリニウム酢酸塩、ベルベリン塩化物、ベルベリン安息香酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩、クロルへキシジングルコン酸塩液、セトリミド、レゾルシン等が挙げられる。
防腐剤としては、安息香酸、クロロブタノール、酢酸、フェノール、ヨードチンキ等が挙げられる。
収れん・保護剤としては、カラミン、酸化亜鉛、クロルヒドロキシアルミニウム等が挙げられる。
ビタミンE類としては、トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル等が挙げられる。
ビタミンA類としては、ビタミンA油、レチノールパルミチン酸エステル、肝油、強肝油等が挙げられる。
【0037】
血管収縮剤としては、エピネフリン液、エフェドリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩、ナファゾリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩等が挙げられる。
サルファ剤としては、スルファジアジン、スルフイソミジン、スルフイソミジンナトリウム、ホモスルファミン等が挙げられる。
消炎剤等としては、アラントイン、アルミニウム・クロルヒドロキシアラントイネート、アルジオキサ、イクタモール、リゾチーム塩化物、乾燥硫酸アルミニウムカリウム、ジメチルイソプロピルアズレン、卵黄油、硫酸アルミニウムカリウム等が挙げられる。
生薬としては、シコン、セイヨウトチノキ種子、ハマメリス、加工ダイサン等が挙げられる。
抗白癬菌剤としては、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、フェニル-11-ヨード-10-ウンデシノエート、エキサラミド、クロトリマゾール、エコナゾール硝酸塩、ミコナゾール硝酸塩、チオコナゾール、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、シクロピロクスオラミン、シッカニン、トリコマイシン、ピロールニトリン、チアントール、2,4,6-トリブロムフェニルカプロン酸エステル、トリメチルセチルアンモニウムペンタクロロフェネート、トルシクラート、トルナフタート、ハロプロジン、イオウ、木槿皮等が挙げられる。
角質溶解剤としては、尿素、フタル酸ジエチル等が挙げられる。
【0038】
また、本発明において、液状又は半固形状の組成物には、組成物剤形、投与方法等に応じて医薬品分野、化粧品分野等において用いられる添加物を配合してもよい。こうした添加物としては、例えば、ゲル化剤、多価アルコール、油脂類、乳化剤、可溶化剤、pH調整剤、抗酸化剤、軟化剤、増粘剤、保湿剤、防腐剤、安定化剤、経皮吸収促進剤、矯味剤・甘味剤等が挙げられる。
【0039】
ゲル化剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー等のアクリル酸系高分子;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等の水溶性あるいは水膨潤性のセルロース系高分子;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、マクロゴール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
油脂類としては、例えば、スクワラン、パラフィン、流動パラフィン、軽質流動パラフィン、ワセリン等の炭化水素類;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル等の脂肪酸エステル類;べへニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類;ベヘニン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;カルナウバロウ、鯨ロウ、セラック、ホホバ油、ミツロウ、サラシミツロウ、モンタンロウ、ラノリン、精製ラノリン、還元ラノリン等のロウ類;シリコーン油等が挙げられる。
【0040】
乳化剤としては、例えば、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド等の多価アルコール脂肪酸エステル又は多価アルコールアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンフィトスタノール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシエチレンエーテル;ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のエーテルエステル等の非イオン性界面活性剤又はラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤などが挙げられる。
可溶化剤としては、例えば、上記の乳化剤として例示した非イオン性界面活性剤又はイオン性界面活性剤に加え、グリセリン、流動パラフィン、クロタミトン、マクロゴール等が挙げられる。
【0041】
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、無水クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、酒石酸ナトリウム、乳酸、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、氷酢酸等の有機酸又はその塩;塩酸、硫酸、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機酸又はその塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の水酸化アルカリ;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン類等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エリソルビン酸、塩酸システイン、クエン酸、トコフェロール、酢酸トコフェロール、大豆レシチン、没食子酸プロピル等が挙げられる。
軟化剤としては、例えば、アラントイン、アーモンド油、オリブ油、グリセリン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、精製ラノリン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ナタネ油、ヒマシ油、プロピレングリコール、ポリブテン等が挙げられる。
増粘剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、コロイド性ケイ酸アルミニウム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、グァーガム、ゼラチン、アラビアゴム、アルギン酸、アルブミン等が挙げられる。
保湿剤としては、ヒアルロン酸ナトリウム、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、尿素、ショ糖、エリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸ベンジル、安息香酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ベンジル、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、アミノエチルスルホン酸等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、アジピン酸、アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、硬化油、システイン等が挙げられる。
経皮吸収促進剤としては、例えば、アジピン酸ジイソプロピル等の脂肪酸エステル類が挙げられる。
矯味剤・甘味剤としては、例えば、アセスルファムカリウム、ステビア、ソーマチン、スクラロース、パノース、トレハロース、エリスリトール、ラクチトール、還元パラチノース、カップリングシュガー、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、パラチノースオリゴ糖、ラフィノース、アスパルテーム、果糖、キシリトール、黒砂糖、サッカリン若しくはその塩、ソルビトール、乳糖、白糖、ハチミツ、ブドウ糖、マルチトール、マルトース、マンニトール、水アメ等が挙げられる。
【0042】
本発明において、液状又は半固形状の組成物の剤形は、液状又は半固形状である限りにおいて特に限定されるものではなく、その利用目的等に応じて、例えば、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形から適宜選択できる。こうした剤形としては、具体的には例えば、皮膚等に適用する製剤(外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤等)、経口投与する製剤(経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤等)などの、第十七改正日本薬局方 製剤総則に記載の剤形が挙げられる。
本発明において医薬製剤としては、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形であるのが好ましく、リニメント剤、ローション剤、外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形であるのがより好ましく、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤よりなる群から選ばれる剤形であるのが特に好ましい。
【0043】
本発明において、液状又は半固形状の組成物の製造方法は特に限定されず、配合する成分の種類や量、組成物の性状、容器の形状、組成物剤形、投与経路や用途等に応じて、例えば第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法により製造することができる。
【0044】
本発明において、「容器」とは、液状又は半固形状の組成物を直接的に収容する包装体を意味する。容器の形状は、液状又は半固形状の組成物を収容可能であることを限度として特に限定されず、組成物の具体的性状、剤形、投与経路や用途等に応じて適宜検討して決定すればよい。
このような容器の形状としては、例えば、エアゾール剤用容器、ポンプスプレー剤用容器、ボトル容器(より詳細には、ロールオン容器、ジャーボトル容器、スポンジ状の塗布部材(ヘッド)を備えるボトル容器など)、チューブ容器等が挙げられる。本発明においては、容器の長期間使用時における耐久性の観点から、ロールオン容器が好ましい。
なお、これらの容器はいずれも公知であり(例えばロールオン容器としては、特開2005-186997号公報等に開示がある)、公知の方法により製造すればよく、また、市販品を用いてもよい。
【0045】
本発明で用いる容器は、金属製の部材を備えるものである。
ここで、「金属製の部材」とは、容器内部に収容された液状又は半固形状の組成物と少なくとも一時的に当該部材が接触し得るように容器に備えられた、当該接触し得る領域の少なくとも一部に金属製の部分を有する部材を意味し、具体的には例えば、エアゾール剤用容器、ポンプスプレー容器における容器本体(好ましくは組成物収容部の少なくとも一部)やディップチューブ(好ましくは内周部の少なくとも一部);ロールオン容器における容器本体(好ましくは組成物収容部の少なくとも一部)や塗布ボールの少なくとも一部;ジャーボトル容器における容器本体(好ましくは組成物収容部の少なくとも一部)や蓋の少なくとも一部;スポンジ状の塗布部材(ヘッド)を備えるボトル容器における容器本体(好ましくは組成物収容部の少なくとも一部)やスポンジ周りのキャップの少なくとも一部等が挙げられる。
【0046】
また、本発明において「金属」としては特に限定されず、例えば、鉄、スチール、ステンレス等が挙げられる。なお、金属は必要に応じて表面処理がなされていてもよい。かかる表面処理としては例えば、耐腐食性付与処理、防錆処理等が挙げられる。
本発明において、金属としては加工性や耐食性、使用感の点から、スチール、ステンレスが好ましく、ステンレスが特に好ましい。ステンレスとしては具体的な種類は特に限定されず、例えばオーステナイト系、オーステナイト・フェライト系、フェライト系、マルテンサイト系、析出硬化系などが挙げられ、具体的なJIS記号としては、例えばSUS201、SUS202、SUS301、SUS302、SUS303、SUS304、SUS305、SUS316、SUS316N、SUS317、SUS317J1、SUS329J1、SUS429、SUS430、SUS440A、SUS630等が挙げられる。本発明においてステンレスとしては、SUS304、SUS316が特に好ましい。
【0047】
本発明において金属製の部材を備える容器としては、金属製のボールを備えるロールオン容器が好ましい。金属製のボールを備えるロールオン容器とは、金属製のボールを回転可能に抱持し、塗布対象部分にボールを押し付けて転動させた場合に、容器に収容された組成物が塗布対象部分に塗布されるものである。
ボールの形状は特に限定されないが、回転を容易にする観点から、真球又は略真球が好ましい。また、金属製のボールを備えるロールオン容器において、当該金属製のボールは1個でも複数でもよい。上記ボールの直径は、好ましくは1~20mmであり、より好ましくは4~8mmである。
【0048】
金属製の部材を備える容器における、金属製部材以外の部分の材質としては特に限定されず、収容される液状又は半固形状の組成物との相性、容器の形態等に応じて適宜選択すればよい。具体的には例えば、ガラス、プラスチック、セルロース、パルプ、ゴム等が挙げられるが、加工性、耐久性等の観点から、プラスチック製等であるのが好ましい。
プラスチック製の容器である場合の樹脂としては、合成樹脂、天然樹脂の別を問わず熱可塑性樹脂であるのが好ましく、具体的には例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いるのが好ましく、さらにこれらの混合体(ポリマーアロイ)であってもよい。
組成物を容器に収容する方法は特に限定されるものではなく、容器内への組成物の投入等の適当な手段により達成できる。
【0049】
本発明の医薬品は、局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分を組成物中に含有することから、鎮痒等に有効である。従って、本発明の医薬品は、鎮痒消炎薬、みずむし・たむし用薬、外用痔疾用薬、毛髪用薬等として、より具体的には、湿疹、皮膚炎、ただれ、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん等の症状に対する鎮痒消炎薬;みずむし(水虫)、いんきんたむし、ぜにたむし用薬;きれ痔(さけ痔)・いぼ痔の痛み、かゆみ、はれ、出血、ただれの緩和及び消毒のための外用痔疾用薬などとすることができる。本発明においては、湿疹、皮膚炎、ただれ、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん等の症状に対する鎮痒消炎薬;若はげ(壮年性脱毛症)、円形脱毛症、びまん性脱毛症、粃糠性脱毛症、発毛促進、育毛、脱毛(抜毛)の予防、薄毛、ふけ、かゆみ、病後・産後の脱毛等の症状に対する毛髪用薬に最も好適に使用できる。
【0050】
組成物あるいは医薬品の服用経路は特に限定されず、適用する疾患、製剤の種類、服用者の性別、年齢、症状等に応じて適宜検討して決定することができるが、非経口投与、特に外用投与が好ましい。また、組成物あるいは医薬品は、1日につき、1~4回程度に分けて、食前、食間、食後、就寝前等に服用することができる。
【0051】
なお、本明細書は、これらに何ら限定されるものでは無いが、例えば以下の態様を開示する。
[1A] 次の成分(A)及び(B):
(A)次の成分(A-1)及び(A-2)よりなる群から選ばれる1種以上;
(A-1)局所麻酔成分
(A-2)抗ヒスタミン成分
(B)次の成分(B-1)~(B-3)よりなる群から選ばれる1種以上;
(B-1)テルペン類
(B-2)グリチルレチン酸類
(B-3)ステロイド類
を含有する液状又は半固形状の組成物が、金属製の部材を備える容器に収容されてなる医薬品。
[2A] 局所麻酔成分が、ジブカイン、プロカイン、メピバカイン、メプリルカイン、リドカイン及びそれらの無機酸塩並びにそれらの溶媒和物よりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]に記載の医薬品。
[3A] 抗ヒスタミン成分が、イソチペンジル、クロルフェニラミン、ジフェニルピラリン及びジフェンヒドラミン並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]又は[2A]に記載の医薬品。
[4A] テルペン類が、p-メンタン骨格を有するモノテルペノイド、p-メンタンの異性体を骨格として有するモノテルペノイド及びボルナン骨格を有するモノテルペノイドよりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[3A]のいずれかに記載の医薬品。
[5A] グリチルレチン酸類が、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸及びそれらの塩よりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[4A]のいずれかに記載の医薬品。
【0052】
[6A] ステロイド類が、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン及びそれらのカルボン酸エステル誘導体よりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[5A]のいずれかに記載の医薬品。
[7A] 成分(B)が、成分(B-1)及び(B-2)よりなる群から選ばれる1種以上である、[1A]~[6A]のいずれかに記載の医薬品。
【0053】
[8A] 液状又は半固形状の組成物が、水を更に含有するものである、[1A]~[7A]のいずれかに記載の医薬品。
[9A] 液状又は半固形状の組成物が、低級アルコールを更に含有するものである、[1A]~[8A]のいずれかに記載の医薬品。
[10A] 金属製の部材を備える容器が、金属製のボールを備えるロールオン容器である、[1A]~[9A]のいずれかに記載の医薬品。
【実施例
【0054】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、以下の試験例において各成分の使用量は、換算量を特に断らない限り、表示した成分そのものの量を示す。
【0055】
[試験例1]安定性試験
以下に示すサンプル溶液(液状の組成物)1-1~1-5をそれぞれ調製した。得られたサンプル溶液を、金属球(ステンレスSUS304製の金属球:ステンレス球 SUS1/4:アズワン(株))を内部に設置したガラス瓶(2K規格瓶)中に、金属球が半分程度浸るように注いだ後、密栓した。
この状態のガラス瓶を室温条件下で20日間保存した。保存後の金属球表面の変色の有無を中心にサンプルの状態を目視により確認し、以下の基準に従い評価した。評価結果が「-」に近いほど、医薬品としたときの保存安定性に優れているといえる。
【0056】
(評価基準)
-:金属球表面に変色は確認されなかった。
±:金属球表面に、極くわずかな色調の変化を伴う斑点が確認された。
+:金属球表面に、やや暗めの色調への変化を伴う斑点が確認された。
++:金属球表面に薄い褐色の斑点が確認された。
+++:金属球表面に褐色の斑点が確認された。
++++:金属球表面に濃い褐色の斑点が確認され、さらにサンプル溶液にも着色が見られた。
結果を表1に示す。
【0057】
〔サンプル溶液1-1〕
エタノールと精製水とを等しい重量で混合した溶液(以下、「50%エタノール水溶液」と称する。)に、50%エタノール水溶液全質量に対し10質量%となる量のリドカイン塩酸塩(塩酸リドカイン:岩城製薬(株)製。以下、本実施例において同様である。)を、追加の成分として溶解させ、サンプル溶液1-1とした。
〔サンプル溶液1-2〕
50%エタノール水溶液に、50%エタノール水溶液全質量に対し10質量%となる量のリドカイン塩酸塩と、10質量%となる量のイソプロピルメチルフェノール(イソプロピルメチルフェノール:大阪製薬(株)製。以下、本実施例において同様である。)を、追加の成分として溶解させ、サンプル溶液1-2とした。
【0058】
〔サンプル溶液1-3〕
50%エタノール水溶液に、50%エタノール水溶液全質量に対し10質量%となる量のリドカイン塩酸塩と、10質量%となる量のグリチルリチン酸(グリチルリチン酸K2:丸善製薬(株)製。以下、本実施例において同様である。)を、追加の成分として溶解させ、サンプル溶液1-3とした。
〔サンプル溶液1-4〕
50%エタノール水溶液に、50%エタノール水溶液全質量に対し10質量%となる量のリドカイン塩酸塩と、10質量%となる量のデキサメタゾン酢酸エステル(デキサメタゾン酢酸エステル:サノフィ(株)製。以下、本実施例において同様である。)を、追加の成分として分散させ、サンプル溶液1-4とした。
〔サンプル溶液1-5〕
50%エタノール水溶液を、そのままサンプル溶液1-5とした。
【0059】
【表1】
【0060】
サンプル溶液1-1と1-5との対比より、サンプル溶液1-1の場合に見られた金属球表面の変色は、リドカインに起因するものであることが明らかとなった。
そして、サンプル溶液1-1と1-2、1-3、1-4との対比より、サンプル溶液中に、リドカインに加えてさらにイソプロピルメチルフェノール(1-2)、グリチルリチン酸(1-3)あるいはデキサメタゾン酢酸エステル(1-4)を含有せしめることにより、リドカインに起因する金属球表面の変色を抑制できることが明らかとなった。
【0061】
以上の試験結果から、リドカインに代表される局所麻酔成分を含有する液状の組成物に、さらにイソプロピルメチルフェノールに代表されるテルペン類、グリチルリチン酸に代表されるグリチルレチン酸類、あるいはデキサメタゾン酢酸エステルに代表されるステロイド類を含有せしめることにより、金属製部材表面の変色が抑制されることが明らかとなった。
【0062】
[試験例2]安定性試験
以下に示すサンプル溶液2-1~2-5を用い、保存条件を80℃で2日間としたほかは試験例1と同様に試験を実施した。
結果を表2に示す。
【0063】
〔サンプル溶液2-1〕
50%エタノール水溶液に、50%エタノール水溶液全質量に対し1質量%となる量のリドカイン塩酸塩を、追加の成分として溶解させ、サンプル溶液2-1とした。
〔サンプル溶液2-2〕
50%エタノール水溶液に、50%エタノール水溶液全質量に対し1質量%となる量のリドカイン塩酸塩、及び1質量%となる量のl-メントール(L-メントール:高砂香料工業(株)製。以下、本実施例において同様である。)を、追加の成分として溶解させ、サンプル溶液2-2とした。
【0064】
〔サンプル溶液2-3〕
50%エタノール水溶液に、50%エタノール水溶液全質量に対し1質量%となる量のリドカイン塩酸塩、及び1質量%となる量のイソプロピルメチルフェノールを、追加の成分として溶解させ、サンプル溶液2-3とした。
〔サンプル溶液2-4〕
50%エタノール水溶液に、50%エタノール水溶液全質量に対し1質量%となる量のリドカイン塩酸塩、及び1質量%となる量のグリチルリチン酸を、追加の成分として溶解させ、サンプル溶液2-4とした。
〔サンプル溶液2-5〕
50%エタノール水溶液を、そのままサンプル溶液2-5とした。
【0065】
【表2】
【0066】
試験例2においても、試験例1と同様、サンプル溶液中に、リドカインに加えてさらにイソプロピルメチルフェノール(2-3)、あるいはグリチルリチン酸(2-4)を含有せしめることにより、リドカインに起因する金属球表面の変色を抑制できることが確認された。また、同様の作用は、イソプロピルメチルフェノールと同じくテルペン類であるl-メントールにも確認された。
【0067】
以上の試験結果から、リドカインに代表される局所麻酔成分を含有する液状の組成物に、さらにl-メントールやイソプロピルメチルフェノールに代表されるテルペン類、あるいはグリチルリチン酸に代表されるグリチルレチン酸類を含有せしめることにより、金属製部材表面の変色が抑制されることが確認された。
【0068】
[試験例3]安定性試験
以下に示すサンプル溶液3-1~3-5を用い、保存条件を40℃で20日間としたほかは試験例1と同様に試験を実施した。
結果を表3に示す。
【0069】
〔サンプル溶液3-1〕
50%エタノール水溶液に、50%エタノール水溶液全質量に対し1質量%となる量のジフェンヒドラミン塩酸塩(塩酸ジフェンヒドラミン:金剛化学(株)製。以下、本実施例において同様である。)を、追加の成分として溶解させ、サンプル溶液3-1とした。
〔サンプル溶液3-2〕
50%エタノール水溶液に、50%エタノール水溶液全質量に対し1質量%となる量のジフェンヒドラミン塩酸塩、及び1質量%となる量のdl-カンフル(DL-カンフル:福建青松)を、追加の成分として溶解させ、サンプル溶液3-2とした。
〔サンプル溶液3-3〕
50%エタノール水溶液に、50%エタノール水溶液全質量に対し10質量%となる量のジフェンヒドラミン塩酸塩、及び1質量%となる量のl-メントールを、追加の成分として溶解させ、サンプル溶液3-3とした。
〔サンプル溶液3-4〕
50%エタノール水溶液に、50%エタノール水溶液全質量に対し1質量%となる量のジフェンヒドラミン塩酸塩、及び1質量%となる量のデキサメタゾン酢酸エステルを、追加の成分として溶解/分散させ、サンプル溶液3-4とした。
〔サンプル溶液3-5〕
50%エタノール水溶液を、そのままサンプル溶液3-5とした。
【0070】
【表3】
【0071】
サンプル溶液3-1と3-5との対比より、サンプル溶液3-1の場合に見られた金属球表面の変色は、ジフェンヒドラミンに起因するものであることが明らかとなった。
そして、サンプル溶液3-1と3-2、3-3、3-4との対比より、サンプル溶液中に、ジフェンヒドラミンに加えてさらにカンフル(3-2)、メントール(3-3)、あるいはデキサメタゾン酢酸エステル(3-4)を含有せしめることにより、ジフェンヒドラミンに起因する金属球表面の変色を抑制できることが明らかとなった。
【0072】
以上の試験結果から、局所麻酔成分の場合と同様、ジフェンヒドラミンに代表される抗ヒスタミン成分を液状の組成物に含有せしめた場合にも、金属製部材表面に変色が生じることが明らかとなった。また、液状の組成物にさらにカンフルやメントールに代表されるテルペン類、デキサメタゾン酢酸エステルに代表されるステロイド類などの追加の成分を含有せしめることにより、金属製部材表面の変色が抑制されることも明らかとなった。
【0073】
以上の試験例1~3の結果から、局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分を含有する液状又は半固形状の組成物に、さらにテルペン類、グリチルレチン酸類あるいはステロイド類を含有せしめることにより、金属製部材表面の変色が抑制されることが明らかとなった。
【0074】
製造例1
常法により、下記表4に記載の成分及び分量(g)を100g中に含有する液状の組成物(処方例1~8)を製造し、ポリエチレン製のロールオン容器(SUS316製の金属球を備えるものである。)に収容し、それぞれ製造例1-1~1-8の医薬品を製造できる。
【0075】
【表4】
【0076】
製造例2
常法により、下記表5に記載の成分及び分量(g)を100mL中に含有する液状の組成物(処方例9~10)を製造し、ポリエチレン容器に収容し、それぞれ製造例2-1~2-2の医薬製剤とした。
【0077】
【表5】
【0078】
製造例3
常法により、下記表6に記載の成分及び分量(g)を100mL中に含有する液状の組成物(処方例11~12)を製造し、ポリエチレン容器に収容し、それぞれ製造例3-1~3-2の医薬製剤とした。
【0079】
【表6】
【0080】
製造例4
常法により、下記表7に記載の成分及び分量(g)を100g中に含有する半固形状の組成物(処方例13~14)を製造し、ポリエチレン容器に収容し、それぞれ製造例4-1~4-2の医薬製剤とした。
【0081】
【表7】
【0082】
製造例5
常法により、下記表8に記載の成分及び分量(g)を100g中に含有する半固形状の組成物(処方例15~16)を製造し、ポリエチレン容器に収容し、それぞれ製造例5-1~5-2の医薬製剤とした。
【0083】
【表8】
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明によれば、局所麻酔成分や抗ヒスタミン成分を含有し、保存安定性に優れる医薬品を提供できるため、例えば医薬品産業等において利用できる。