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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】ハンディ清掃用具
(51)【国際特許分類】
   A47L 13/20 20060101AFI20240515BHJP
   A47L 13/38 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
A47L13/20 B
A47L13/38 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020103007
(22)【出願日】2020-06-15
(65)【公開番号】P2021194255
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 伴
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3183849(JP,U)
【文献】登録実用新案第3101698(JP,U)
【文献】特開2011-177208(JP,A)
【文献】特開2011-131108(JP,A)
【文献】特開平08-215124(JP,A)
【文献】実開平04-089252(JP,U)
【文献】実開昭59-061763(JP,U)
【文献】特開2006-312095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 13/20
A47L 13/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
握持部を有する柄部と、該柄部に設けた空洞部内に収容し長手方向に摺動可能な摺動部と、前記柄部及び前記摺動部に取り付け可能な清掃部とから構成されるハンディ清掃用具であって、
前記柄部には、前記空洞部に沿って条溝が表面側に形成され、固定係止部が裏側に形成され、
前記摺動部は、前記空洞部内に収容される基体と、該基体の先端部の上側に設けた係止片とから構成され、
前記係止片は、前記基体から上方に立ち上げられ、前記条溝内を移動するリブと、該リブの上端に設けられ、表面側に可動係止部を突出する平面部とを備え、
前記清掃部は、両端部に第1、第2の被係止部を有する屈曲自在の条片部と、該条片部の片面全長に渡って取り付けた払拭体とから成り、
前記清掃部に対して、前記払拭体を外側にし、前記条片部を折り返して向かい合う状態にして、前記固定係止部に前記第1の被係止部を係止し、前記可動係止部に前記第2の被係止部を係止することで、前記柄部及び前記摺動部に対して前記清掃部を取り付け可能としたことを特徴とするハンディ清掃用具。
【請求項2】
前記固定係止部及び前記第1の被係止部の係止は、複数の個所で係止可能としたことを特徴とする請求項1に記載のハンディ清掃用具。
【請求項3】
前記固定係止部及び前記可動係止部は突部又は孔部であり、前記第1、第2の被係止部は前記突部又は前記孔部と係合する前記孔部又は前記突部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハンディ清掃用具。
【請求項4】
前記摺動部の後端部に操作片が設けられていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のハンディ清掃用具。
【請求項5】
前記係止片の先端には、突片が設けられており、
前記条片部の内側の屈折個所に設けた折線には、挿入孔部が設けられており、
前記柄部及び前記摺動部に対して前記清掃部を取り付けた後に、前記柄部から前記摺動部が突出されると、突出に併せて前記突片が前記挿入孔部に挿入することを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のハンディ清掃用具。
【請求項6】
前記払拭体はポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンの混合体から成ることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のハンディ清掃用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具、電化製品等を清掃するためのハンディ清掃用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、グリップ部に連続するループ部に、袋状をしたパイル材、不織布、組織体から成る払拭体を取り付け、タンス等の家具、テレビ等の電化製品や置物等の埃を払ったりして清掃するハンディ清掃具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-148767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のハンディ清掃具は、長さが制限されるため、高い場所を清掃する場合は踏み台等で使用する必要がある。また、奥行がある場所を掃除する場合には奥まで払拭体が届かないという問題がある。
【0005】
また、高い場所や奥行がある場所を掃除するために、グリップ部が長いハンディ清掃具を用いることも可能であるが、グリップ部が長いと通常使用時には使い勝手が悪く、また収納性も悪いという問題もある。
【0006】
本発明の目的は、上述の課題を解消し、用途に応じて清掃部を伸縮可能なハンディ清掃用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係るハンディ清掃用具は、握持部を有する柄部と、該柄部に設けた空洞部内に収容し長手方向に摺動可能な摺動部と、前記柄部及び前記摺動部に取り付け可能な清掃部とから構成されるハンディ清掃用具であって、前記柄部には、前記空洞部に沿って条溝が表面側に形成され、固定係止部が裏側に形成され、前記摺動部は、前記空洞部内に収容される基体と、該基体の先端部の上側に設けた係止片とから構成され、前記係止片は、前記基体から上方に立ち上げられ、前記条溝内を移動するリブと、該リブの上端に設けられ、表面側に可動係止部を突出する平面部とを備え、前記清掃部は、両端部に第1、第2の被係止部を有する屈曲自在の条片部と、該条片部の片面全長に渡って取り付けた払拭体とから成り、前記清掃部に対して、前記払拭体を外側にし、前記条片部を折り返して向かい合う状態にして、前記固定係止部に前記第1の被係止部を係止し、前記可動係止部に前記第2の被係止部を係止することで、前記柄部及び前記摺動部に対して前記清掃部を取り付け可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るハンディ清掃用具は、用途に応じて適宜に清掃部を伸縮することが可能である。高い場所や奥行のある場所を掃除する際は、柄部に対して摺動部を先端側まで移動した状態で掃除を行い、払拭体の上下面を使って清掃を行う際は、柄部に対して摺動部を格納した状態で掃除を行うことで、清掃場所に応じて効率的に掃除を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ハンディ清掃用具の分解斜視図、側面図である。
図2】柄部に摺動部を組み付けた状態の斜視図である。
図3】柄部に摺動部を組み付けた状態の錠止孔近傍の拡大断面図である。
図4】柄部、摺動部に清掃部を取り付けた状態の斜視図である。
図5】ハンディ清掃用具の組立状態の斜視図である。
図6】ハンディ清掃用具の組立状態の他の態様の斜視図である。
図7】柄部に摺動部を組み付け、錠止片を押し込んだ状態の錠止孔近傍の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1はハンディ清掃用具を分解した各部材の斜視図及び摺動部の側面図であり、(a)は柄部1を表側から見た状態、(b)は裏側から見た状態の斜視図である。(c)は摺動部2の斜視図、(d)は摺動部2の側面図であり、(e)は清掃部3の斜視図である。
【0011】
ハンディ清掃用具は、握持部を有する柄部1と、この柄部1内に収容し長手方向に摺動可能な摺動部2と、柄部1及び摺動部2に係止可能な清掃部3とから構成されており、これらの部材は例えば合成樹脂材から成っている。
【0012】
図1(a)、(b)に示す柄部1は棒状体であり、その後端部は裏面側に丸みを帯びた握持部1aと、先端部は偏平な枠状体で、握持部1aから長手方向に延在する枠部1bとから構成されている。
【0013】
また、柄部1の最後端には引掛孔が形成されており、壁等に設けたフック体にこの引掛孔を挿入させることで、ハンディ清掃用具を壁に引っ掛けた状態で保管することができる。
【0014】
柄部1の内部は、長手方向に沿った空洞部1cを備え、先端側である枠部1bの空洞部1cの断面は矩形状、後端側である握持部1aの空洞部1cの断面は略三角形状をしている。
【0015】
枠部1bの表面側には、稍々段落ちした平面部1dが設けられ、この平面部1dの中央の長手方向に沿って所定幅の条溝1eが形成されている。この条溝1eの先端側は解放されており、条溝1eの後端部には、条溝1eよりも幅が広い錠止孔1fが設けられている。更に、条溝1eの先端の近傍にも同様な錠止孔1gが設けられている。
【0016】
また、枠部1bの裏側の平面部1hの例えば2個所には、固定係止部1i、1jが突出されている。固定係止部1i、1jは、円柱状の首部と、この首部の上に連続し、首部よりも径の大きい円柱状の頭部とから成る突部とされている。
【0017】
摺動部2は薄板状であり、弾発性を有する基体2aは、柄部1の空洞部1c内を長手方向に摺動可能とされており、板状の基体2aの先端部の上側には係止片2bが設けられている。
【0018】
係止片2bは断面T字状とされ、基体2aから上方に立ち上げられ、柄部1の条溝1e内を移動するリブ2cと、このリブ2cの上端に設けられ、基体2aと平行な平面部2fとから構成されている。
【0019】
そして、表面側の平面部2fには、前述の固定係止部1i、1jと同形状の可動係止部2gが突出されており、係止片2bの先端には、突片2hが平面部2fの長手方向に沿って突出している。
【0020】
また、基体2aの後端部の上側に、摺動部2を指で前後に操作するための操作片2iが設けられている。基体2aの後端部は薄板から成る二層構造とされ、上片2jは上方に膨らみ、上方に付勢される弾性力を有し、この上片2j上に錠止孔1f、1gと同じ大きさの四角形の台座2kが設けられ、その台座2k上に条溝1e内を移動するリブ2lを介して操作片2iが配置されている。
【0021】
清掃部3では、例えば合成樹脂材から成り、屈曲自在の薄板から成る条片部3aの片面全長に沿って、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらの混合体から成る綿毛状の払拭体3bが取り付けられている。
【0022】
そして、条片部3aの両端部に固定係止部1i、1j、可動係止部2gに係合するための孔部から成る被係止部3c、3dが形成され、更に中間部にも同様の孔部から成る被係止部3e、3fが形成されている。
【0023】
また、条片部3aの両端は外側に折曲され、中間には条片部3aを内側に屈折するための折線3g、3h、3iが設けられている。また、折線3g、3iの中央には、挿入孔部3jが設けられている。
【0024】
図2は柄部1に摺動部2を組み込んだ状態の斜視図、図3(a)は錠止孔1fの近傍の拡大横断面図、(b)は拡大縦断面図である。柄部1の空洞部1cに摺動部2の基体2aが挿入され、係止片2bのリブ2c、操作片2iのリブ2lを条溝1e内に配置し、係止片2b、操作片2iは平面部1d上に位置する。これにより、摺動部2は操作片2iによって前後に摺動可能、つまり摺動部2は柄部1に対し伸縮自在となる。
【0025】
操作片2iは、握持部1aの空洞部1cの底部から立設する一対の支部1kにより下方に対し位置決めされる。基体2aの後端部の上片2jによる弾性力により、台座2kが錠止孔1fに嵌合されると、操作片2iは錠止孔1fにより錠止され、摺動部2は前後方向の移動が規制される。
【0026】
図4図2に示すように組み付けた柄部1及び摺動部2に、清掃部3を取り付けた状態の斜視図である。操作片2iは錠止孔1fに錠止されており、清掃部3は、条片部3aの被係止部3c、3eを柄部1の固定係止部1i、1jにそれぞれ嵌入することにより、条片部3aの片側を柄部1の裏側の2個所において取り付ける。
【0027】
なお、柄部1の先端側の固定係止部1jと、条片部3aの中心側の被係止部3e、3fを設けずに、柄部1の後端側の固定係止部1iに、条片部3aの外側の被係止部3c又は被係止部3dを嵌入するだけで、摺動部2に清掃部3を取り付けるようにしてもよい。
【0028】
続いて、図5に示すように、清掃部3を条片部3aの折線3hにより、払拭体3bが外側を向くようにループ状に折り返して、被係止部3dを係止片2b上の可動係止部2gに嵌入する。この取り付けにおいて、固定係止部1i、1jは平面部1h上に、可動係止部2gは平面部2f上に形成されているので、条片部3aを平面部1hに沿って密着させ、安定して取り付けることができる。
【0029】
このようにして、ハンディ清掃用具の組立ては終了し、柄部1の握持部1aを持って、清掃部3の払拭体3bにより所望個所の清掃が可能となる。
【0030】
図5に示すハンディ清掃用具の形態は、例えば家具と壁間に払拭体3bを押し込んで清掃をするときの形態であり、払拭体3bの上下面を使って清掃を行うことが可能である。
【0031】
ハンディ清掃用具の使用目的に応じて、清掃部3の取付位置を操作片2iの移動により調整することが可能である。図5に示す状態から、摺動部2を移動させて、柄部1から摺動部2が突出されると、突出に併せて係止片2bの先端に設けた突片2hが、条片部3aの挿入孔部3jに挿入される。突片2hが挿入孔部3jに挿入されることで、清掃時に清掃部3が横ずれして柄部1から外れることを防止する。
【0032】
図6に示すハンディ清掃用具の形態は、柄部1に対して摺動部2を先端側まで移動した状態であり、高い場所や奥行のある場所を掃除することが可能である。また、大型の家具やロッカーの上面等を掃除する際は、払拭体3bは片面だけで十分であるので、広い面積で清掃可能な図6に示す形態を用いることが好ましい。
【0033】
柄部1に対して摺動部2を移動する際には、図7(a)の拡大横断面図、(b)の拡大縦断面図に示すように、先ず操作片2iを押し下げて台座2kによる錠止を解除する。続いて、操作片2iを操作して移動させる。
【0034】
そして、操作片2iを前方に押して、摺動部2を柄部1の先端側まで移動して、操作片2iを先端の錠止孔1gに錠止し、清掃部3の位置を固定する。なお、操作片2iを錠止するための錠止孔1f、1gの数を更に多くすれば、清掃部3を更に任意の長さに段階的に調節することができる。
【0035】
このように、清掃部3を柄部1の先端側に移動して錠止すると、払拭体3bにより狭い個所や遠い個所をも清掃可能となる。また、柄部1から突出した摺動部2は、薄板状でかつ弾発性のある基体2aがしなるため、清掃部3を清掃個所に押し付けると柔軟にかつ弾発的に変形して、効率良く清掃することが可能である。
【0036】
なお、清掃部3の条片部3aは折線3hを中心に、被係止部3c、3d、3e、3fは左右対称に配置されているので、払拭体3bの使用度合いによって、左右を入れ換えて使用することができる。
【0037】
また、実施例の説明では、固定係止部1i、1j、可動係止部2gは突部とし、被係止部3c、3d、3e、3fは孔部としたが、これらは逆の形状としても支障はない。
【0038】
このように、本発明に係るハンディ清掃用具は、用途に応じて適宜に清掃部3を伸縮することが可能である。高い場所や奥行のある場所を掃除する際は、柄部1に対して摺動部2を先端側まで移動した状態で掃除を行い、払拭体3bの上下面を使って清掃を行う際は、柄部1に対して摺動部2を格納した状態で掃除を行うことで、清掃場所に応じて効率的に掃除を行うことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 柄部
1a 握持部
1b 枠部
1c 空洞部
1e 条溝
1f、1g 錠止孔
1i、1j 固定係止部
2 摺動部
2a 基
2b 係止片
2g 可動係止部
2i 操作片
3 清掃部
3a 条片部
3b 払拭体
3c、3d、3e、3f 被係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7