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  • 特許-コネクタ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6473 20110101AFI20240515BHJP
   H01R 13/6471 20110101ALI20240515BHJP
【FI】
H01R13/6473
H01R13/6471
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020165566
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022057354
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀人
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-085686(JP,A)
【文献】特開平09-199231(JP,A)
【文献】特開2017-139080(JP,A)
【文献】特開2010-027354(JP,A)
【文献】特開2002-050438(JP,A)
【文献】特表2012-508958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/40-13/533
H01R 13/56-13/72
H01R 12/00-12/91
H01R 24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上のコンタクトのグループにより構成されるコンタクト群と、
前記コンタクトのグループとグループの間を電気的に分離する内部シールドと、
前記コンタクト群と前記内部シールドが圧入固定されるボディと、
前記コンタクト群と前記内部シールドと前記ボディを覆うシェルを含み、
前記ボディは、
前記内部シールドが圧入されるスリットを含み、
前記スリットは、
ボディの相手方コネクタと対向する面である前面側には貫通せず、上面側および底面側に貫通する形状であり、
前記内部シールドは、
前記スリットを通じて前記ボディの上面側および底面側に露出して前記シェルの内側面に接触する凸部と、
前記コンタクトのグループとグループの間を仕切るように配置されるシールド板と、
前記シールド板同士を接続するブリッジ部を含む
コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタであって
前記凸部は、
前記シールド板のそれぞれの上端面および下端面に設けられる
コネクタ。
【請求項3】
請求項1に記載のコネクタであって、
前記内部シールドは
前記コネクタの引き抜き方向に延伸され、GND線と接続される端子を含み、
前記端子は、
前記シールド板のそれぞれの前記コネクタの引き抜き方向の端面の一部を前記コネクタの引き抜き方向に延伸して形成される
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタの従来技術として例えば特許文献1がある。
【0003】
コネクタにおける差動インピーダンスはコンタクト間距離と周囲の誘電体およびGND間距離とのバランスでコントロールされる。従来、端の信号ラインでは、コンタクト周囲のシールドGNDは片側だけに存在するため、差動インピーダンスのバランスが乱れることが多かった。
【0004】
特許文献1のコネクタは、差動インピーダンスのバランスを取るために、信号ラインと同サイズのGNDコンタクトを隣に配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-225475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のコネクタの構成では、ピン数が増大し、コネクタサイズが大きくなるという課題があった。
【0007】
そこで本発明では、ピン数を増大させることなく差動インピーダンスのバランスを向上することができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコネクタは、2以上のコンタクトのグループにより構成されるコンタクト群と、コンタクトのグループとグループの間を電気的に分離する内部シールドと、コンタクト群と内部シールドが圧入固定されるボディと、コンタクト群と内部シールドとボディを覆うシェルを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコネクタによれば、ピン数を増大させることなく差動インピーダンスのバランスを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1のコネクタの斜視図。
図2】実施例1のコネクタの分解斜視図。
図3】実施例1のコネクタの内部シールドの斜視図。
図4】実施例1のコネクタの内部シールドとコンタクト群の位置関係を示す斜視図。
図5】実施例1のコネクタを構成する部品のうち、コンタクト群、内部シールド、ボディ、シェルのみを組み合わせて所定の位置で切断した場合の斜視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0012】
図1に実施例1のコネクタ1の斜視図を、図2に実施例1のコネクタ1の分解斜視図をそれぞれ示す。図2に示すように本実施例のコネクタ1は、2以上のコンタクトのグループにより構成されるコンタクト群11と、コンタクト群11の各コンタクトが挿入されるコンタクト挿入口121とコンタクトに接続される各芯線および芯線が挿通されるケーブル122を含む組立体12と、コンタクトのグループとグループの間を電気的に分離する内部シールド13と、コンタクト群11と内部シールド13が圧入固定されるボディ14と、コンタクト群11と組立体12と内部シールド13とボディ14を覆うシェル15と、シェル15を覆うケース16を含む構成である。
【0013】
ボディ14は、略直方体形状であって、例えば樹脂などで構成される。ボディ14の背面(コネクタ引き抜き方向にある面)には、内部シールド13が圧入されるスリット141が設けられている。なお、スリット141はボディ14の前面側には貫通せず、内部シールド13はボディ14の前面側では露出しない構成となっている。また、ボディ14の前面から背面に貫通し、コンタクト群11の各コンタクトが圧入されるコンタクト挿通穴142が設けられている。
【0014】
シェル15は略直方体の金属製のケースであって、シェル15の前面および背面(コネクタ1の接続方向と引き抜き方向にそれぞれ位置する面)はそれぞれ開口されて、開口部151、152が形成されており、ボディ14の前面は、開口部151から露出する。
【0015】
シェル15と同様に、ケース16の前面および背面(コネクタ1の接続方向と引き抜き方向にそれぞれ位置する面)はそれぞれ開口されて、開口部161、162が形成されておりボディ14の前面は、開口部161から露出する。ケース16は絶縁体材料(例えば樹脂)で構成される。
【0016】
図3図4図5を参照して内部シールド13の形状について説明する。内部シールド13は、コンタクトのグループとグループの間を仕切るように配置されるシールド板131、132(図4参照)と、シールド板同士を接続するブリッジ部133と、シールド板131、132のそれぞれの上端面および下端面に設けられ、シェル15の内側面に接触する凸部134(図5参照)と、シールド板131、132のそれぞれの背面側(コネクタ1の引き抜き方向)の端面の一部をコネクタ1の背面側(コネクタ1の引き抜き方向)に延伸して形成され、GND線と接続される端子135を含む形状である。
【0017】
図4に示すように、コンタクト群11を第1のコンタクトグループ11-1、第2のコンタクトグループ11-2、第3のコンタクトグループ11-3からなるものとすると、シールド板131は、第1のコンタクトグループ11-1と第2のコンタクトグループ11-2の間を仕切る(遮断する)ように配置される。シールド板132は、第2のコンタクトグループ11-2と第2のコンタクトグループ11-3の間を仕切る(遮断する)ように配置される。
【0018】
図5に示すように、スリット141はボディ14の上面側及び底面側に貫通しており、凸部134は、ボディ14から露出して、直接シェル15の内側面に接触する。
【0019】
実施例1に開示したように、コンタクトのグループとグループの間を仕切る(電気的に遮断する)ように、コネクタ1の内部に内部シールド13(シールド板131、132)を配置し、当該内部シールド13に、シェル15と接続される凸部134、GND線と接続される端子135を設けたことにより、以下の効果が生じる。
(1)どの差動信号コンタクトの周囲にもGNDが均一距離に配置されるので、差動インピーダンスのバランスが安定し、伝送特性品質の向上が期待できる。
(2)信号ラインの隣にGNDコンタクトを配置する必要がないため、ピン数、コネクタサイズを増大させることなく、差動インピーダンスのバランスを安定させることができる。
(3)内部シールド13によってコンタクト間を遮断するため、別の差動信号が相互に与えていたノイズの影響が抑制され、クロストークを低減することができる。
図1
図2
図3
図4
図5