(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】情報提示システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240515BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020174296
(22)【出願日】2020-10-16
【審査請求日】2023-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】504050275
【氏名又は名称】株式会社 ミックウェア
(72)【発明者】
【氏名】志甫谷 加織里
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-200214(JP,A)
【文献】特開2020-086580(JP,A)
【文献】特開平11-108685(JP,A)
【文献】特開2015-106234(JP,A)
【文献】特開2003-196380(JP,A)
【文献】特開2005-128703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のローカル情報を格納するローカル情報データベースと、
前記ローカル情報は、所定のエリアを識別するエリア情報と、所定のカテゴリを識別するカテゴリ情報と、前記カテゴリの属性を識別する属性情報と、前記属性の内容を示す内容情報と、前記内容情報の特性を示すパラメータ値とを対応付ける情報であり、
ユーザが居住する位置を含む第1エリアを識別する前記エリア情報である第1エリア情報と、比較対象の第2エリアを識別する前記エリア情報である第2エリア情報とを特定するクエリを取得する取得部と、
前記クエリに基いて、前記ローカル情報データベースから、前記第1エリア情報を対応付ける前記ローカル情報である第1ローカル情報と、前記第2エリア情報を対応付ける前記ローカル情報である第2ローカル情報とを抽出する抽出部と、
前記第1ローカル情報が対応付ける前記パラメータ値である第1パラメータ値と、前記第2ローカル情報が対応付ける前記パラメータ値である第2パラメータ値との差分を算出し、前記差分の正負に基いて前記ユーザにとって良い情報なのか、または前記ユーザにとって悪い情報なのかを示すギャップ属性情報を決定する決定部と、
前記第2ローカル情報と前記ギャップ属性情報とを対応付けるギャップ情報を生成する生成部と、
前記クエリに対するレスポンスとして、前記ギャップ情報に基いて前記ギャップ属性情報を明示した情報を提示する提示部とを備える、
情報提示システム。
【請求項2】
複数のローカル情報を格納するローカル情報データベースと、
前記ローカル情報は、所定のエリアを識別するエリア情報と、所定のカテゴリを識別するカテゴリ情報と、前記カテゴリの属性を識別する属性情報と、前記属性の内容を示す内容情報と、前記内容情報の特性を示すパラメータ値とを対応付ける情報であり、
地点に関する複数のPOI情報を格納するPOI情報データベースと、
前記POI情報は、前記地点の位置情報と、前記カテゴリ情報と、前記属性情報と、前記内容情報と、前記パラメータ値とを対応付ける情報であり、
ユーザが居住する位置を含む第1エリアを識別する前記エリア情報である第1エリア情報と、比較対象エリアを示す第2エリア情報とを特定するクエリを取得する取得部と、
前記クエリに基いて、前記ローカル情報データベースから、前記第1エリア情報を対応付ける前記ローカル情報である第1ローカル情報を抽出し、前記POI情報データベースから前記第2エリア情報が示す前記比較対象エリア内に含まれる、前記位置情報を対応付ける前記POI情報を抽出する抽出部と、
前記第1ローカル情報が対応付ける前記パラメータ値である第1パラメータ値と、前記POI情報が対応付ける前記パラメータ値である第2パラメータ値との差分を算出し、前記差分の正負に基いて前記ユーザにとって良い情報なのか、または前記ユーザにとって悪い情報なのかを示すギャップ属性情報を決定する決定部と、
前記POI情報と前記ギャップ属性情報とを対応付けるギャップ情報を生成する生成部と、
前記クエリに対するレスポンスとして、前記ギャップ情報に基いて前記POI情報が対応付ける前記位置情報が示す地図画像の前記地点に、前記ギャップ属性情報を明示した情報を重畳して提示する提示部とを備える、
情報提示システム。
【請求項3】
前記決定部は、更に、前記差分が0の場合、前記ユーザにとってギャップがない情報であることを示す前記ギャップ属性情報を決定する請求項1または請求項2に記載の情報提示システム。
【請求項4】
前記ユーザを識別するユーザIDと、前記第1エリア情報とを対応付けて記憶するユーザ情報データベースと、
前記クエリには、前記第1エリア情報を特定する情報として前記ユーザIDが含まれ、前記クエリに基いて、前記ユーザ情報データベースから、前記ユーザIDと対応付けられている前記第1エリア情報を特定する特定部とを更に備える、
請求項3に記載の情報提示システム。
【請求項5】
前記第2エリア情報は、前記提示部が提示する前記地図画像が示す範囲を特定する情報である、
請求項2に記載の情報提示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地域ならではの慣習、ルール、水準(レベル)等に関する情報であって、地域間で比較が可能な情報(以下、「ローカル情報」という。)に基く情報提示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、ユーザが居住している地域の交通規則等の慣習と、ユーザがこれから訪れる地域の慣習とのギャップ(相違点)を抽出し、抽出したギャップをユーザに提示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されている技術では、ユーザは、提示されたギャップの内容を読まないと、ユーザにとって良いギャップ(以下「ポジティブ・ギャップ」という)なのか、ユーザにとって悪いギャップ(以下「ネガティブ・ギャップ」という)なのかがわからない。なぜなら、基本的に人は、自分の住んでいる地域のローカル情報は知っているが、ギャップとして示された他の地域のローカル情報は、知らない情報だからである。
【0005】
例えば、第1エリアに居住するユーザが他の地域である第2エリアを訪問し、第2エリアを散策している間に急にトイレに行きたくなったとする。ここで、第1エリアと第2エリアの公共トイレ事情は次のとおりとする。
【0006】
第1エリアの公共トイレは、どれも定期的に清掃されている。そして、利用した多くの人が綺麗だと認めている。また、第1エリアの公共トイレには、トイレットペーパーが用意されている。そして第1エリアの公共トイレは、誰もが無料で利用できる。つまり、第1エリアの公共トイレは綺麗で、トイレットペーパーが用意されていて、無料であるのが普通である。
【0007】
一方、第2エリアの公共トイレは、定期的に清掃されていない。そして、利用した多くの人が汚いと認めている。また、第2エリアの公共トイレには、トイレットペーパーが用意されていない。第2エリアでは、無料で利用できる公共トイレとは別に、有料トイレが設置されている。有料トイレは、定期的に清掃されていて綺麗な状態が維持されている。有料トイレには、トイレットペーパーが用意されている。つまり、第2エリアの人々にとって、公共トイレが汚くて、トイレットペーパーが用意されていないのは普通のことであり、綺麗でトイレットペーパーが用意されているトイレを使いたい場合は、有料トイレを利用するのが普通、ということである。
【0008】
この場合、特許文献1に開示されている技術を利用すれば、第1エリアと第2エリアとのギャップとして、トイレに関するギャップ情報を提供することができる。つまり、第2エリアでは、無料の公共トイレと有料トイレがあること、公共トイレは汚くて、トイレットペーパーが用意されていないこと、有料トイレは綺麗で、トイレットペーパーが用意されている、という内容がギャップ情報として提供され得る。
【0009】
しかし、ユーザにとって緊急を要する状況では、ユーザは知らされたギャップ情報を読むよりも、まずは、地図アプリを使って、ユーザが現在いる周辺にトイレがないか探索することが考えられる。そして、ユーザは、できるだけ現在位置から近い公共トイレに行くことが考えられる。つまり、ユーザはギャップ情報を提示されたとしても、ユーザにとってそのギャップ情報がポジティブ・ギャップなのか、ネガティブ・ギャップなのかがわからなければ、提示されたギャップ情報を読まない可能性がある。
【0010】
そこで、本発明は、比較対象エリアのギャップ情報がユーザにとって良いのか悪いのかを明示して情報提示できるようにした情報提示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記の目的を達成するために、本発明の一態様に係る情報提示システムは、ローカル情報データベースと、取得部と、抽出部と、決定部と、生成部と、提示部とを備える。ローカル情報データベースは、複数のローカル情報を格納する。ローカル情報は、所定のエリアを識別するエリア情報と、所定のカテゴリを識別するカテゴリ情報と、カテゴリの属性を識別する属性情報と、属性の内容を示す内容情報と、内容情報の特性を示すパラメータ値とを対応付ける情報である。取得部は、ユーザが居住する位置を含む第1エリアを識別するエリア情報である第1エリア情報と、比較対象の第2エリアを識別するエリア情報である第2エリア情報とを特定するクエリを取得する。抽出部は、クエリに基いて、ローカル情報データベースから、第1エリア情報を対応付けるローカル情報である第1ローカル情報と、第2エリア情報を対応付けるローカル情報である第2ローカル情報とを抽出する。決定部は、抽出された第1ローカル情報に対応付けられているパラメータ値である第1パラメータ値と、第2ローカル情報に対応付けられているパラメータ値である第2パラメータ値との差分を算出し、差分の正負に基いてユーザにとって良い情報なのか、またはユーザにとって悪い情報なのかを示すギャップ属性情報を決定する。生成部は、第2ローカル情報とギャップ属性情報とを対応付けるギャップ情報を生成する。提示部は、クエリに対するレスポンスとして、ギャップ情報に基いてギャップ属性情報を明示した情報を提示する。
【0012】
(2)上記の目的を達成するために、本発明の一態様に係る情報提示システムは、ローカル情報データベースと、POI情報データベースと、取得部と、抽出部と、決定部と、生成部と、提示部とを備える。ローカル情報データベースは、複数のローカル情報を格納する。ローカル情報は、所定のエリアを識別するエリア情報と、所定のカテゴリを識別するカテゴリ情報と、カテゴリの属性を識別する属性情報と、属性の内容を示す内容情報と、内容情報の特性を示すパラメータ値とを対応付ける情報である。POI情報データベースは、地点に関する複数のPOI情報を格納する。POI情報は、地点の位置情報と、カテゴリ情報と、属性情報と、内容情報と、パラメータ値とを対応付ける情報である。取得部は、ユーザが居住する位置を含む第1エリアを識別するエリア情報である第1エリア情報と、比較対象エリアを示す第2エリア情報とを特定するクエリを取得する。抽出部は、クエリに基いて、ローカル情報データベースから、第1エリア情報を対応付けるローカル情報である第1ローカル情報を抽出し、POI情報データベースから第2エリア情報が示す比較対象エリア内に含まれる、位置情報を対応付けるPOI情報を抽出する。決定部は、抽出された第1ローカル情報が対応付けるパラメータ値である第1パラメータ値と、POI情報が対応付けるパラメータ値である第2パラメータ値との差分を算出し、差分の正負に基いてユーザにとって良い情報なのか、またはユーザにとって悪い情報なのかを示すギャップ属性情報を決定する。生成部は、POI情報とギャップ属性情報とを対応付けるギャップ情報を生成する。提示部は、クエリに対するレスポンスとして、ギャップ情報に基いてPOI情報が対応付ける位置情報が示す地図画像の地点に、ギャップ属性情報を明示した情報を重畳して提示する。
【0013】
(3)本発明の一態様は、上記した(1)または(2)の情報提示システムにおいて、決定部は、更に、差分が0の場合、ユーザにとってギャップがない情報であることを示す前記ギャップ属性情報を決定するとしてもよい。
【0014】
(4)本発明の一態様は、上記した(3)の情報提示システムにおいて、ユーザ情報データベースと、特定部とを更に備えるとしてもよい。ユーザ情報データベースは、ユーザを識別するユーザIDと、第1エリア情報を対応付けて記憶する。クエリには、第1エリア情報を特定する情報としてユーザIDが含まれる。特定部は、クエリに基いて、ユーザ情報データベースから、ユーザIDと対応付けられている第1エリア情報を特定する。
【0015】
(5)本発明の一態様は、上記した(2)の情報提示システムにおいて、前記第2エリア情報は、前記提示部が提示する前記地図画像が示す範囲を特定する情報である、としてもよい。
【0016】
(6)本発明の一態様は、上記した(1)から(5)のいずれかの情報提示システムにおいて、受付部を更に備えるとしてもよい。受付部は、ギャップ属性情報の指定を受け付ける。提示部は、更に、ギャップ情報に基いて、指定されたギャップ属性情報を明示した内容情報を提示する。
【0017】
(7)本発明の一態様は、上記した(6)の情報提示システムにおいて、受付部は、更に、カテゴリ情報の指定を受け付けてもよい。提示部は、更に、ギャップ属性情報に基いて、指定されたカテゴリ情報に対応する内容情報を提示する。
【発明の効果】
【0018】
本発明を適用することで、提示する比較対象エリアのギャップ情報がユーザにとって良いのか悪いのかを明示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態に係る情報提示システム10の構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る通信端末1の構成を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る通信端末1のGUI画面の一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るサーバ2の構成を示す図である。
【
図7】属性情報33に関するパラメータ値35の対応表の一例を示す図である。
【
図9】第1実施形態に係る通信端末1の動作フローの一例を示す図である。
【
図10】第1実施形態に係るサーバ2の動作フローの一例を示す図である。
【
図11】ギャップ情報に基くギャップ属性情報を明示した情報提示の一例を示す図である。
【
図12】ギャップ情報に基くギャップ属性情報を明示した情報提示の一例を示す図である。
【
図13】ギャップ情報に基くギャップ属性情報を明示した情報提示の一例を示す図である。
【
図14】第2実施形態に係る通信端末1のGUI画面の一例を示す図である。
【
図15】第2実施形態に係るサーバ2の構成を示す図である。
【
図16】ユーザ情報データベース25に格納されているユーザ情報の一例を示す図である。
【
図17】POI情報データベース26に格納されているPOI情報の一例を示す図である。
【
図18】POI情報データベース26に格納されているPOI情報の一例を示す図である。
【
図20】第2実施形態に係る通信端末1の動作フローの一例を示す図である。
【
図21】第2実施形態に係るサーバ2の動作フローの一例を示す図である。
【
図22】ギャップ情報に基くギャップ属性情報を明示した情報提示の一例を示す図である。
【
図23】ギャップ情報に基くギャップ属性情報を明示した情報提示の一例を示す図である。
【
図24】ギャップ情報に基くギャップ属性情報を明示した情報提示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係る情報提示システムについて図面を用いて説明する。
図1に示すように、情報提示システム10は、通信端末1とサーバ2とを含む。図示していないが、通信端末1は複数存在していてもよい。通信端末1とサーバ2は、ネットワーク3を介して通信を行う。ネットワーク3は、IP(Internet Protocol)網であり、様々な広域通信ネットワークを含む。ネットワーク3には、例えば、携帯電話網、無線LAN(Local Area Network)等、高速無線通信規格に準じた無線通信網も含まれる。
【0021】
通信端末1は、
図2に示すように、端末制御部101、端末記憶部102、表示部103、音声出力部104、提示部105、受付部106、端末通信部107を備える。通信端末1が備える各機能部は、バス接続されている。通信端末1は、通信機能を備えたコンピュータである。例えば、ユーザ自身が保有するスマートフォンが好適であるが、タブレット、ノートパソコン、デスクトップパソコンであってもよい。
【0022】
端末制御部101は、通信端末1の全体制御を行う。図示していないが、端末制御部101のハードウェアは、CPUとメモリで構成される。端末制御部101は、CPUとメモリ用いて、端末記憶部102に記憶する各種プログラムを実行することで、通信端末1の全体制御を行う。端末記憶部102は、各種プログラム、各種情報を記憶する。例えば、サーバ2から受信するギャップ情報、ギャップ情報に基く情報提示のためのプログラムを記憶する。端末記憶部102のハードウェアは、不揮発性メモリが好適であるが、ハードディスク等、他の記憶媒体であってもよい。
【0023】
表示部103は、プログラムの実行によって生成されたGUI(Graphical User Interface)画面、各種情報の映像表示を行う機能を有する。音声出力部104は、プログラムの実行によって生成された各種情報を音声で出力する機能を有する。
【0024】
提示部105は、表示部103と音声出力部104で構成される。提示部105は、表示部103の映像表示による情報提示と、音声出力部104の音声出力による情報提示とを組み合わせて情報を提示するとしてもよいし、表示部103または音声出力部104のいずれか一方を用いて情報を提示するとしてもよい。
【0025】
受付部106は、ユーザ操作による各種指示の入力を受け付ける機能を有する。図示していないが、例えば、通信端末1は、タッチパネルディスプレイを備えていてもよい。通信端末1が、タッチパネルディスプレイを備える場合、表示部103は、端末制御部101がプログラムを実行することによって生成したGUI画面をタッチパネルディスプレイに表示する。また、受付部106は、ユーザがGUI画面に対して行った入力操作に基いて各種指示の入力を受け付ける。
【0026】
第1実施形態に係るギャップ情報の提示に用いるGUI画面の一例を、
図3に示す。GUI画面には、第1エリア情報、第2エリア情報、カテゴリ情報及びギャップ属性情報の指定を受け付けるためのドロップダウンメニュー、検索ボタンが設けられている。第1エリア情報及び第2エリア情報のドロップダウンメニューでは、指定が可能な都市名を表示する。ユーザは、ユーザが居住する位置を含む都市名を第1エリア情報として指定し、比較対象の都市名を第2エリア情報として指定する。指定した後にユーザが検索ボタンを押すと、端末制御部101は、指定された第1エリア情報及び第2エリア情報を含むクエリを生成して、サーバ2にクエリを送信する制御を行う。
【0027】
サーバ2は、受信したクエリに基いて、ギャップ情報を生成し、通信端末1に送信する。通信端末1は、サーバ2から受信したギャップ情報に基いて、指定されたギャップ属性情報を明示した情報の提示をする。
【0028】
カテゴリ情報のドロップダウンメニューは、指定が可能なカテゴリ情報を一覧で示し、ユーザはその一覧の中から所望のカテゴリ情報を指定することができる。表示部103は、ユーザが指定したカテゴリ情報に関するギャップ情報に絞って情報を提示する。
【0029】
ギャップ属性情報のドロップダウンメニューでは、「ポジティブ」、「ネガティブ」、「イコーリティ」の3つのギャップ属性情報のうちのいずれかをユーザは指定することができる。「イコーリティ」とは、エリア間のローカル情報の比較において、ギャップがなかったことを示すギャップ属性情報である。
【0030】
表示部103は、ユーザが指定したギャップ属性情報を含むギャップ情報を提示する。ギャップ情報の具体的な表示例については、後述する。
【0031】
端末通信部107は、ネットワーク3を介して端末制御部101が生成したクエリをサーバ2に送信し、送信したクエリに対するレスポンスとしてサーバ2からギャップ情報を受信する通信機能を有する。
【0032】
サーバ2は、
図4に示すように、サーバ通信部21、制御部22、サーバ記憶部23、ローカル情報データベース24を備える。制御部22は、取得部221、抽出部222、決定部223、生成部224を備える。サーバ2が備える各機能部は、バス接続されている。サーバ2は、通信機能を備えたコンピュータである。サーバ2は、単一のコンピュータで構成されていてもよいし、複数のコンピュータ群で構成されていてもよい。
【0033】
サーバ通信部21は、ネットワーク3を介して通信端末1からクエリを受信し、生成部224で生成されたギャップ情報を、通信端末1に送信する通信機能を有する。
【0034】
制御部22は、サーバ2の全体制御を行う。図示していないが、制御部22のハードウェアは、CPUとメモリで構成される。サーバ記憶部23は、サーバ2に含まれる各機能部の制御を行う制御プログラム、通信端末1から受信したクエリを一時記憶する機能を有する。サーバ記憶部23のハードウェアは、ハードディスク等の不揮発性記憶媒体で構成される。
【0035】
ローカル情報データベース24は、複数のローカル情報を格納する機能を有する。ローカル情報は、地域ならではの慣習、ルール、水準(レベル)等に関する情報である。ローカル情報データベース24のハードウェアは、ハードディスク等の不揮発性記憶媒体で構成される。ローカル情報データベース24は、制御部22の制御によって、ローカル情報の格納、更新、削除が行われる。ローカル情報の格納は、サーバ管理者がサーバ2に対する入力操作に基いて実行してもよいし、他の機器で生成したローカル情報をサーバ2に入力することで実行してもよい。
【0036】
図5から
図7を用いて、ローカル情報について説明する。
図5及び
図6に示すように、ローカル情報は、エリア情報31、カテゴリ情報32、属性情報33、内容情報34、パラメータ値35を対応付ける情報である。
【0037】
エリア情報31は、所定のエリアを識別する情報である。エリア情報31は、例えば、都市名、島名、県名、国名等の地名である。エリア情報31は、所定のエリアを識別することが可能な識別情報であればどのような形態であってもよい。例えば、地名そのものではなく、数字、記号で構成された識別情報であってもよい。
【0038】
カテゴリ情報32は、何に関するローカル情報なのかを示す分類情報である。例えば、
図5に示すように、トイレ、バス、電車、タクシー等がカテゴリ情報32である。カテゴリ情報32は、1つのエリアについて複数設定することが可能である。対象エリアについて、カテゴリ情報32が示す分類に属するローカル情報がない場合、設定されない。例えば、小豆島では、電車は走っていないため、小豆島のローカル情報には、電車のカテゴリ情報32は含まない。
【0039】
カテゴリ情報32は、エリア間で比較対象となり得る情報であれば、様々な情報が対象となり得る。例えば、銀行、喫茶店、レストラン等の店舗情報もカテゴリ情報32になり得る。
【0040】
属性情報33は、カテゴリ情報32の属性を識別する情報である。例えば、カテゴリ情報32である「トイレ」の属性情報33として、「料金」、「紙の備え付け」、「清潔度」が設定される。例えば、属性情報33の「料金」は、トイレが無料なのか、有料なのか、無料と有料がそれぞれあるのか、といった属性情報33の複数の状態のうちのいずれかを示す内容情報34が対応付けられる。属性情報33の「紙の備え付け」であれば、「紙の備え付け」は有るのか、無いのか、有料トイレだと有るのか、といった内容情報34が対応付けられる。
【0041】
公共交通機関であるバス、電車等のカテゴリ情報32には、運賃、混雑度、遅延度、清潔度等の属性情報33が対応付けられる。タクシーのカテゴリ情報32には、初乗り運賃、信頼度の属性情報33が対応付けられる。また、図示していないカテゴリ情報32として、銀行等の店舗が考えられるが、店舗のカテゴリ情報32に設定される属性情報33としては、例えば、営業時間、利用できるトイレの有無、バリアフリー対応の有無等が対応付けられ得る。
【0042】
内容情報34は、属性情報33の複数の状態のうちのいずれかを示す情報である。属性情報33の複数の状態とは、例えば、トイレの料金に関する属性情報33の場合、「無料」、「無料と有料」、「有料」である。内容情報34は、
図7に示すように、パラメータ値35と対応付けられている。
【0043】
パラメータ値35は、内容情報34の特性を示す値である。
図7の対応表に示すように、パラメータ値35は、複数の内容情報34に対して左から順番に「4」、「3」、「2」、「1」という数値が対応付けられている。そして、内容情報34は、ユーザにとって良い情報が左から順番に並べられている。つまり、数値の高いパラメータ値35が対応付けられている内容情報34は、その値よりも低いパラメータ値35が対応付けられている内容情報34よりユーザにとって良い状態を示す情報である。
【0044】
例えば、トイレの「料金」の属性情報33の内容情報34が「無料」であれば、パラメータ値35は「3」、「無料と有料」であればパラメータ値35は「2」、「有料」であれば、パラメータ値35は「1」という数値を設定している。これは、トイレの「料金」は、有料よりも無料の方がユーザにとって良い、という価値観に基く。
【0045】
例えば、トイレの「清潔度」の属性情報33の内容情報34が「非常に綺麗」であれば、パラメータ値35は「4」、「綺麗」であればパラメータ値35は「3」、「汚い」であればパラメータ値35は「2」、「非常に汚い」であればパラメータ値35は「1」という値を設定している。これは、トイレの「清潔度」は、汚いよりも綺麗な方がユーザにとって良い、という価値観に基く。
【0046】
例えば、バスの運賃を示す属性情報33の内容情報34が、「1ドル以下」であれば、パラメータ値35は「4」、「1ドル以上3ドル未満」であれば、パラメータ値35は「3」、「3ドル以上5ドル未満」であれば、パラメータ値35は「2」、「5ドル以上10ドル未満」であれば、パラメータ値35は「1」が対応付けられている。これは、バスの運賃は、安い方がユーザにとって良いという価値観に基く。
【0047】
また、タクシーの利用については、地域によっては、現地人ではない外国人が利用するとぼったくり、強盗等の事件に発展する可能性がある。そこで、
図7に示すように、タクシーの信頼度をローカル情報の対象とすることも可能である。タクシーの信頼度を示す属性情報33の内容情報34が、「問題無し」であれば、パラメータ値35は「4」、「普通」であれば、パラメータ値35は「3」、「ぼったくりに注意」であれば、パラメータ値35は「2」、「現地人以外は危険」であれば、パラメータ値35は「1」が対応付けられている。これは、タクシーの信頼度として、危険であるより問題が無い方が、ユーザにとって良いという価値観に基づく。
【0048】
このようにパラメータ値35は、一般的にユーザにとって良い状態を示す内容情報34に対して、値を高く設定し、悪い状態を示す内容情報34に対して、値を低く設定している。なお、例示した価値観は、固定されたものではなく、ユーザにとっての良し悪しに対する観点も適宜変更し得る。
【0049】
内容情報34及びパラメータ値35は、ユーザからの口コミ情報、アンケート情報等に基いて設定される。よって、ユーザの評価が変われば、ローカル情報の内容情報34及びパラメータ値も変化する。内容情報34及びパラメータ値35の更新は、サーバ2の管理者が定期的に行ってもよいし、各ユーザが入力した口コミ情報を自動的に集計する仕組みを構築して、サーバ2が口コミ情報を集計する度に、自動的に更新するようにしてもよい。
【0050】
制御部22は、取得部221、抽出部222、決定部223、生成部224を備える。制御部22が備える各機能部は、サーバ記憶部23に記憶する各種制御プログラムを制御部22が実行することで実現する。取得部221は、サーバ通信部21が受信したクエリを取得する機能を有する。クエリには、第1エリア情報と第2エリア情報が含まれている。
【0051】
抽出部222は、第1エリア情報と対応付けられている第1ローカル情報と、第2エリア情報と対応付けられている第2ローカル情報をローカル情報データベース24から抽出する機能を有する。
【0052】
決定部223は、第1ローカル情報と第2ローカル情報に含まれるパラメータ値の差分を算出し、差分の正負及び差分が0であることに基いて「ポジティブ」、「ネガティブ」、「イコーリティ」のいずれかの属性であることを示すギャップ属性情報42を決定する機能を有する。
【0053】
生成部224は、決定部223で決定したギャップ属性情報42と、ギャップ属性情報に対応する第2ローカル情報の内容情報を対応付けるギャップ情報を生成する機能を有する。
【0054】
図8は、
図5に示す神戸市のローカル情報と
図6に示すバンコク市のローカル情報とに基いて生成したギャップ情報の一例を示す図である。ギャップ情報は、ギャップID40、カテゴリ情報32、属性情報33、内容情報34、差分41、ギャップ属性情報42を対応付ける情報である。
【0055】
ギャップID40は、生成部224がギャップ情報を生成した時に付与される識別情報である。内容情報34は、比較対象の第2エリアの第2ローカル情報に含まれる内容情報34である。差分41は、第2ローカル情報のパラメータ値35から、対応する属性情報33の第1ローカル情報のパラメータ値35を差し引いた値である。
【0056】
ギャップ属性情報42は、差分41の正負及び差分が0であるかに基いて一意に決定される情報である。差分41が、例えば-1の場合、符号が負であるため、ギャップ属性情報42は「ネガティブ」と決定する。差分41が、例えば2の場合、符号が正であるため、ギャップ属性情報42は「ポジティブ」と決定する。差分41が、0の場合、ギャップ属性情報42は「イコーリティ」と決定する。
【0057】
例えば、第1ローカル情報のトイレの属性情報33「清潔度」が、「非常に綺麗」という内容情報34で、パラメータ値が「4」で、比較対象である第2ローカル情報であるトイレの属性情報33「清潔度」が、「汚い」という内容情報34で、パラメータ値が「2」である場合、差分は、2-4=-2である。この場合、符号が負であるため、決定部223は、ギャップ属性情報42を「ネガティブ」に決定する。
【0058】
図9及び
図10を用いて第1実施形態に係る情報提示システム10の動作について説明する。動作の説明に用いる記号「S」は、ステップを意味する。
【0059】
まず、通信端末1の動作について説明する。
図9に示すように、受付部106が、ユーザの入力操作に基いて、第1エリア情報、第2エリア情報、カテゴリ、ギャップ属性の指定を受け付ける(S1)。S1の処理に続いて、端末制御部101は、第1エリア情報、第2エリア情報を含むクエリを生成し、端末通信部107は、クエリをサーバ2に送信する(S2)。
【0060】
S2の処理の後、端末通信部107は、クエリに対するレスポンスとして、サーバ2からギャップ情報を受信する(S3)。S3の処理の後、端末制御部101は、受信したギャップ情報と、指定されたカテゴリ及びギャップ属性に基いて、ギャップ属性を明示した情報を生成し、提示部105はこれを提示する(S4)。S4の処理の後、通信端末1は動作を終了する。
【0061】
サーバ2の動作について説明する。
図10に示すように、サーバ通信部21はクエリを受信し、取得部221はこれを取得する(S11)。S11の処理に続いて、抽出部222は、クエリに含まれる第1エリア情報と対応付けられている第1ローカル情報と、第2エリア情報と対応付けられている第2ローカル情報をローカル情報データベース24から抽出する(S12)。
【0062】
S12の処理の後、決定部223は、第1ローカル情報が対応付けるパラメータ値35である第1パラメータ値と、第2ローカル情報が対応付けるパラメータ値35である第2パラメータ値との差分41を算出する。決定部223は、算出した差分41の正負及び差分41が0であることに基いてギャップ属性情報42を決定する(S13)。
【0063】
S13の処理の後、生成部224は、決定部223で決定したギャップ属性情報42と、ギャップ属性情報42に対応する第2ローカル情報の内容情報34を対応付けるギャップ情報を生成する(S14)。
【0064】
S14の処理の後、サーバ通信部21は、生成部224が生成したギャップ情報を通信端末1に送信する(S15)。S15の処理の後、サーバ2は動作を終了する。
【0065】
ここで、提示部105が提示する情報の具体例について、
図11から
図13を用いて説明する。
図11に示すように、ユーザがカテゴリを「トイレ」、ギャップ属性を「ネガティブ」で指定すると、提示部105は、ギャップ情報に基いて、カテゴリ情報32が「トイレ」、ギャップ属性情報42が「ネガティブ」である情報を抽出して提示する。
【0066】
提示部105が提示する情報の内容は、内容情報34に基いて端末制御部101が生成する。提示部105が提示する情報の内容は、「バンコクのトイレ ネガティブ・ギャップ情報 ・有料と無料があります。有料トイレには紙があります。汚いです。」である。
【0067】
情報提示システム10は、ユーザが所望するネガティブなギャップ情報について、ネガティブであることを明示して提示するので、ユーザは提示された情報を読む前から、ネガティブなギャップ情報であることを理解した上で、提示された情報を読んで活用することができる。
【0068】
なお、ユーザによって、居住するエリアは異なることから、比較対象の第2エリア情報は同じでも、指定された第1エリアが異なることによって、提示されるギャップ情報がポジティブ・ギャップなのか、ネガティブ・ギャップなのか、或いはイコーリティ・ギャップなのかは変化する。つまり、
図11に示す提示例は、神戸市に住むユーザにとっては、ネガティブ・ギャップ情報であるが、他の地域の住人にとっては、ネガティブ・ギャップとして提示されない場合もある。例えば、有料トイレしかないエリアに住む住人にとっては、有料と無料のトイレがあることは、ポジティブ・ギャップとして提示され得る。
【0069】
また、
図12に示すように、ユーザがカテゴリを「タクシー」、ギャップ属性を「すべて」で指定すると、提示部105は、ギャップ情報に基いて、バンコクのタクシーに関するギャップ情報を提示する。提示部105が提示する情報の内容は、「バンコクのタクシーギャップ情報 <ポジティブ・ギャップ>・初乗り運賃は1ドル以上3ドル未満です。<ネガティブ・ギャップ>・ぼったくりに注意。」である。
【0070】
ユーザがギャップ属性として「すべて」を指定した場合、情報提示システム10は、ギャップ属性毎に分けてギャップ情報を提示するため、ユーザは、ユーザにとってのメリット・デメリットを容易に理解することができる。
【0071】
また、
図13に示すように、ユーザがカテゴリとして「すべて」、ギャップ属性として「イコーリティ」を指定すると、提示部105は、ギャップ情報に基いて、バンコクのすべてのカテゴリに関するイコーリティ・ギャップ情報を提示する。提示部105が提示する情報の内容は、「バンコクのイコーリティ・ギャップ情報 ・バスの混雑度は混んでいます。・電車の最低運賃は、1ドル以上3ドル未満です。・電車の混雑度は、混んでいます・電車の遅延度は、やや遅れます。電車の清潔度は、綺麗です。」である。
【0072】
ユーザがカテゴリとして「すべて」を指定した場合、情報提示システム10は、第1エリアと第2エリアに共通する比較可能なすべてのカテゴリに関するギャップ情報を提示する。ギャップ属性として「イコーリティ」を指定すると、提示部105は、ギャップ属性が「イコーリティ」のギャップ属性が対応付けられている内容情報34を提示するので、ユーザは、比較対象エリアについて、自身の居住エリアと同等のサービスを容易に見つけることができる。
【0073】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態に係る情報提示システム10について図面を用いて説明する。なお、第1実施形態に係る情報提示システム10と同じ符号の機能部については、説明を省略する。
【0074】
第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、以下の5点である。
(1)予めユーザは、ユーザの属性に関する情報(以下、「ユーザ情報」という)をサーバ2に登録する。ユーザ情報は、ユーザIDとユーザの居住地域である第1エリア情報とを対応付ける情報である。サーバ2は、複数のユーザ情報を格納するユーザ情報データベース25を備える。通信端末1は、ユーザ情報の登録が完了すると、サーバ2からユーザIDを受信して端末記憶部102に記憶する。
(2)サーバ2は、通信端末1から受信したクエリに含まれるユーザIDに基いて、ユーザ情報データベース25に格納されているユーザ情報から第1エリア情報を特定する。
(3)比較対象の第2エリア情報は、通信端末1のGUI画面に表示する地図画像により特定する。地図画像の範囲は、ユーザの操作に基いて指定される。
(4)ギャップ情報は、第1エリア情報と、第2エリア情報に含まれるPOI(Point Of Interest)情報との比較で生成される。
(5)ギャップ情報に基く、ギャップ属性情報を明示した情報は、ユーザが指定した第2エリア情報の地図画像に重畳して、POI情報の一部として提示する。
【0075】
第2実施形態に係るギャップ情報の提示に用いるGUI画面の一例を、
図14に示す。GUI画面には、ユーザが指定した第2エリア情報の地図画像と、カテゴリ情報及びギャップ属性情報の指定を受け付けるためのドロップダウンメニューと検索ボタンが設けられている。第2エリア情報の指定は、公知の地図画像の範囲指定表示技術を用いて指定することができる。
【0076】
例えば、通信端末1のタッチパネルディスプレイにユーザの指を接触して、指がなぞる方向に地図画像を移動させる、或いは、二本の指をタッチパネルディスプレイに接触して、二本の指が広がるように異なる方向になぞることで地図画像を拡大させる、或いは、その逆で二本の指を近づける方向になぞることで、地図画像を縮小させることで、ユーザは所望の第2エリア情報を指定することができる。なお、通信端末1にマウスや十字キーコントローラ等の入力装置が備わっている場合、ユーザは、これらの入力装置を用いて所望の第2エリア情報を指定してもよい。
【0077】
ユーザは、タッチパネルディスプレイに所望の地図画像を表示した状態で検索ボタンを押すと、端末制御部101は、ユーザ情報と対応付けられているユーザIDと、表示した地図画像の範囲を特定する第2エリア情報を含むクエリを生成して、サーバ2に送信する制御を行う。第2エリア情報は、例えば、表示した地図画像の範囲を特定する経緯度情報である。
【0078】
第2実施形態に係るサーバ2の構成を、
図15に示す。第1実施形態に係るサーバ2と異なる点は、ユーザ情報データベース25、POI情報データベース26、特定部225を更に備えている点である。
【0079】
ユーザ情報データベース25は、登録された複数のユーザ情報を格納する機能を有する。ユーザ情報データベース25のハードウェアは、ハードディスク等の不揮発性記憶媒体で構成される。ユーザ情報データベース25は、制御部22の制御によって、ユーザ情報の格納、更新、削除が行われる。ユーザ情報の格納は、ユーザが保有する通信端末1へのユーザ自身の入力操作によって行われる。入力されたユーザ情報は、通信端末1からサーバ2に送信され、ユーザ情報データベース25に格納される。
【0080】
図16に示すように、ユーザ情報データベース25に格納されているユーザ情報は、ユーザID50、エリア情報31、言語51、性別52、年代53等のユーザの属性に関する情報で構成される。ユーザID50は、各ユーザ情報を識別するための識別情報である。ユーザID50は、ユーザ情報が格納されたときに付与される。
【0081】
言語51は、ユーザが使用する言語を特定する情報である。性別52は、ユーザの性別を特定する情報である。年代53は、ユーザの年齢が含まれる年代を特定する情報である。なお、ユーザ情報は、上記の各項目に限定されず、ユーザの属性に関する情報であれば、項目として含めることができる。また、ユーザ情報は、ユーザID50とエリア情報31のみで構成されていてもよい。
【0082】
POI情報データベース26は、複数のPOI情報を格納する機能を有する。POI情報は、地点情報として、人が関心を示すさまざまな情報を対応付ける情報である。例えば、その地点に存在する店の名前、営業時間、提供されるサービスに関する情報が対応付けられ得る。また、その地域ならではの慣習、ルール、水準(レベル)等に関するローカル情報がPOI情報の一部として対応付けられ得る。例えば、ローカル情報に含まれるカテゴリ情報32と、既存のPOI情報が対応付けているカテゴリ情報32とを対応付けることも可能である。
【0083】
POI情報データベース26のハードウェアは、ハードディスク等の不揮発性記憶媒体で構成される。POI情報データベース26は、制御部22の制御によって、POI情報の格納、更新、削除が行われる。POI情報の格納は、サーバ管理者がサーバ2に対する入力操作に基いて実行してもよいし、他の機器で生成したPOI情報をサーバ2に入力することで実行してもよい。
【0084】
特定部225は、制御部22が備える機能部である。取得部221が取得したクエリには、前記第1エリア情報を特定する情報としてユーザID50が含まれる。特定部225は、ユーザ情報データベース25から、ユーザID50と対応付けられている第1エリア情報を特定する機能を有する。
【0085】
図17を用いて、POI情報について説明する。
図17に示すように、POI情報は、POIID60、位置情報61、カテゴリ情報32、属性情報33、内容情報34、パラメータ値35を対応付ける情報である。
【0086】
POIID60は、POI情報を識別する識別情報である。位置情報61は、地点の位置を特定する情報であり、例えば、経緯度で表される。カテゴリ情報32、属性情報33、内容情報34、パラメータ値35は、第1実施形態で説明したローカル情報と同様である。
【0087】
なお、
図18に示すように、POI情報は、POIID60、位置情報61、カテゴリ情報32、エリア情報31を対応付けた情報であってもよい。これにより、ローカル情報データベース24に格納されているローカル情報のうち、エリア情報31から特定されるローカル情報の属性情報33、内容情報34、パラメータ値35をPOI情報に対応付けることができる。
【0088】
図19は、
図5に示す神戸市のローカル情報と
図17または
図18に示すPOI情報とに基いて生成したギャップ情報の一例を示す図である。ギャップ情報は、ギャップID40、POIID60、位置情報61、カテゴリ情報32、属性情報33、内容情報34、差分41、ギャップ属性情報42を含む。
【0089】
図20及び
図21を用いて第2実施形態に係る情報提示システム10の動作について説明する。まず、通信端末1の動作について説明する。
図20に示すように、受付部106が、ユーザの入力操作に基いて、第2エリア、カテゴリ、ギャップ属性の指定を受け付ける(S21)。
【0090】
S21の処理に続いて、端末制御部101は、ユーザID50、第2エリア情報を含むクエリを生成し、端末通信部107は、クエリをサーバ2に送信する(S22)。
【0091】
S22の処理の後、端末通信部107は、クエリに対するレスポンスとして、サーバ2からギャップ情報を受信する(S23)。S23の処理の後、端末制御部101は、受信したギャップ情報と、指定されたカテゴリ及びギャップ属性に基いて、ギャップ属性を明示した情報を生成し、提示部105はこれを地図画像に重畳して提示する(S24)。S24の処理の後、通信端末1は動作を終了する。
【0092】
サーバ2の動作について説明する。
図21に示すように、サーバ通信部21はクエリを受信し、取得部221はこれを取得する(S31)。S31の処理に続いて、制御部22は、クエリに含まれるユーザIDに基いて、ユーザ情報データベース25からユーザIDが対応付けられているユーザ情報に含まれる第1エリア情報を特定する(S32)。S32の処理に続いて、抽出部222は、第1エリア情報と対応付けられている第1ローカル情報を抽出する(S33)。
【0093】
S33の処理に続いて、抽出部222は、第2エリアに含まれるPOI情報をPOI情報データベース26から抽出する(S34)。
【0094】
S34の処理の後、決定部223は、第1ローカル情報とPOI情報に含まれるパラメータ値35の差分41を算出する。決定部223は、算出した差分41の正負及び差分41が0であることに基いてギャップ属性情報42を決定する(S35)。
【0095】
S35の処理の後、生成部224は、決定部223で決定したギャップ属性情報42と、ギャップ属性情報42に対応するPOI情報の内容情報34を含むギャップ情報を生成する(S36)。
【0096】
S36の処理の後、サーバ通信部21は、生成部224が生成したギャップ情報を通信端末1に送信する(S37)。S37の処理の後、サーバ2は動作を終了する。
【0097】
ここで、提示部105が提示する情報の具体例について、
図22から
図24を用いて説明する。
図22に示すように、ユーザがカテゴリを「トイレ」、ギャップ属性を「ネガティブ」で指定すると、提示部105は、ギャップ情報に基いて、カテゴリ情報32が「トイレ」、ギャップ属性情報42が「ネガティブ」である情報を抽出して提示する。
【0098】
提示部105が提示する情報の内容は、内容情報34に基いて端末制御部101が生成する。提示部105は、地図画像上の有料トイレがある位置に、「有料トイレ」と表示した吹き出しと、地図画像上の公共トイレがある位置に、「非常に汚い、紙がない」と表示した吹き出しを重畳して表示する。吹き出しには、ネガティブ・ギャップであることを示す背景色を表示する。吹き出し内に、「ネガティブ」と文字で表示してもよい。
【0099】
第2実施形態に係る情報提示システム10は、ユーザが所望するネガティブなギャップ情報について、地図画像に重畳して、ネガティブであることを明示して提示するので、ユーザは提示された情報を読む前から、ネガティブ・ギャップであることを理解した上で、提示された情報を活用することができる。
【0100】
例えば、
図22に示すようにギャップ情報が提示された場合、ユーザの近くに公共トイレがあったとしても、有料トイレに向かう判断ができる。
【0101】
また、
図23に示すように、ユーザがカテゴリを「トイレ」、ギャップ属性を「ポジティブ」で指定すると、提示部105は、ギャップ情報に基いて、該当するトイレがないことを提示する。つまり、ユーザにとってポジティブなトイレは、地図画像に示す範囲にはない、ということがわかる。
【0102】
また、
図24に示すように、ユーザがカテゴリを「トイレ」、ギャップ属性を「イコーリティ」で指定すると、提示部105は、ギャップ情報に基いて、第1エリアと同等の属性を持つトイレを提示する。つまり、ユーザにとって同等の属性のトイレが示されるので、ユーザは、ギャップのないトイレを容易に見つけることができる。
【0103】
以上、本発明の第1実施形態と第2実施形態について説明したが、上記の情報提示システムの機能構成及び処理は、第1実施形態または第2実施形態に限定されるものではない。
【0104】
例えば、クエリに、カテゴリ情報、ギャップ属性情報を含むことで、サーバ2が生成するギャップ情報を、カテゴリ情報とギャップ属性情報で絞った情報にして、通信端末1に送信してもよい。ギャップ情報のデータ量が大きくなる場合に有効である。
【0105】
情報提示システム10は、ネットワーク3を介さずに、通信端末1及びサーバ2が備える各機能部を備えた1つのコンピュータで実現してもよいし、専用通信回線で接続した複数のコンピュータ群で実現してもよい。
【0106】
本発明は、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。
【0107】
本発明は、例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良いし、追記した構成要素を適宜組み合わせてもよい。例えば、実施形態1において、第1エリア情報は、ユーザが受付部106に入力した指定により特定していたが、第2実施形態のように、予めユーザ情報をユーザ情報データベース25に登録しておくことで、ユーザの第1エリア情報の指定を省略した情報提示システム10も本発明に含まれる。
【0108】
このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、ローカル情報のギャップに関する情報を提示する情報提示システムに適用できる。
【符号の説明】
【0110】
1 通信端末
2 サーバ
3 ネットワーク
10 情報提示システム
21 サーバ通信部
22 制御部
23 サーバ記憶部
24 ローカル情報データベース
25 ユーザ情報データベース
26 POI情報データベース
31 エリア情報
32 カテゴリ情報
33 属性情報
34 内容情報
35 パラメータ値
40 ギャップID
41 差分
42 ギャップ属性情報
50 ユーザID
51 言語
52 性別
53 年代
101 端末制御部
102 端末記憶部
103 表示部
104 音声出力部
105 提示部
106 受付部
107 端末通信部