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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】天板付き什器
(51)【国際特許分類】
   A47B 17/00 20060101AFI20240515BHJP
   A47B 13/00 20060101ALI20240515BHJP
   A47B 7/02 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
A47B17/00 Z
A47B13/00 B
A47B13/00 Z
A47B7/02 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020178082
(22)【出願日】2020-10-23
(65)【公開番号】P2022069104
(43)【公開日】2022-05-11
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】森田 さやか
(72)【発明者】
【氏名】河合 春樹
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-229824(JP,A)
【文献】特開2000-287763(JP,A)
【文献】米国特許第05971508(US,A)
【文献】特開2001-186932(JP,A)
【文献】特開2000-279232(JP,A)
【文献】特開2001-070056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B13/00
A47B17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、
前記天板を支持する支持構造体と、
前記天板よりも下方で、上下方向に沿って配置された板状の区画板部と、を有し、
前記区画板部は、少なくとも一方の面に沿って設けられ、配線を収容可能な配線収容空間を形成する配線収容部を有し、
前記配線収容部は、可撓性を有する材料で形成された配線収容部材を有し、
前記配線収容空間は、前記配線収容部材によって形成され、下端および左右方向の端部が閉鎖され、上方に開口する天板付き什器。
【請求項2】
前記区画板部は、前記天板の後部で、上下方向および左右方向に沿って配置され、
前記配線収容部は、前記区画板部の後面に設けられている請求項1に記載の天板付き什器。
【請求項3】
前記配線収容部は、上下方向から見て前記天板の後端部よりも前側となる位置に配置されている請求項2に記載の天板付き什器。
【請求項4】
前記区画板部は、前記支持構造体の後端部に接触して固定されている請求項2または3に記載の天板付き什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付き什器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、天板の上で使用する電子機器の配線を収容可能な配線収容部を有するデスクなどの天板付き什器が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献に開示された天板付き什器では、天板の下方に配線収容部(ダクト収容部)が設けられている。天板付き什器における使用者が使用時に対向する手前側を前側とし、反対側となる奥側を後側とすると、特許文献1に開示されている天板付き什器では、天板の後側に天板の下方を隠す幕板(目隠し部材)が設けられ、配線収容部が幕板の前側に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3347094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような天板付き什器では、配線収容部を天板の下方に、幕板などの天板の下方に上下方向に沿って設けられた部材とは別に配置するため、配線収容部が天板の下のスペースを狭くしてしまうという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、天板の下のスペースを広く確保することができる天板付き什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る天板付き什器は、天板と、前記天板を支持する支持構造体と、前記天板よりも下方で、上下方向に沿って配置された板状の区画板部と、を有し、前記区画板部は、少なくとも一方の面に沿って設けられ、配線を収容可能な配線収容空間を形成する配線収容部を有し、前記配線収容部は、可撓性を有する材料で形成された配線収容部材を有し、前記配線収容空間は、前記配線収容部材によって形成され、下端および左右方向の端部が閉鎖され、上方に開口する
【0007】
本発明では、配線収容空間を形成する配線収容部が区画板部の少なくとも一方の面に沿って設けられることにより、区画板部と配線収容部とを一体化させることができる。このため、区画板部と配線収容部とを別々に設置する場合と比べて、設置スペースを省略することができ、天板の下のスペースを広く確保することができる。
また、本発明に係る天板付き什器では、前記配線収容部は、可撓性を有する材料で形成され前記配線収容空間を形成する配線収容部材を有する。
このような構成とすることにより、配線収容部の配線収容空間の形状を収容される配線に合わせて変形させることができるため、配線収容部が必要以上に大きくなることが無く、天板の下側のスペースを広く確保することができる。また、配線収容部が壁や什器、人にぶつかった際に、収容された配線への外的衝撃を緩和することができる。
また、本発明に係る天板付き什器では、前記配線収容空間は、上方に開口する。
このような構成とすることにより、配線収容空間を上方から使用することができる。区画板部が天板の後端部に沿って設けられ、配線収容部が区画板部の後側に配置されている場合には、天板付き什器の後方から配線収容部に容易にアクセスすることができる。
【0008】
また、本発明に係る天板付き什器は、前記区画板部は、前記天板の後部で、上下方向および左右方向に沿って配置され、前記配線収容部は、前記区画板部の後面に設けられていてもよい。
このような構成とすることにより、天板の下の区画板部よりも前側のスペースを広く確保することができる。また、配線収容部を使用者にとって邪魔にならない位置に配置することができる。さらに、天板の下側からではなく、天板付き什器の後方から配線収容部にアクセスおよび視認できるため、配線収容部への配線の出し入れ作業や、配線収容部の内部の確認を容易に行うことができる。
【0009】
また、本発明に係る天板付き什器では、前記配線収容部は、上下方向から見て前記天板の後端部よりも前側となる位置に配置されていてもよい。
このような構成とすることにより、配線収容部が天板の後側に位置して使用者の邪魔にならないとともに、配線収容部が天板の後端部よりも後方に突出しないようにできる。また、配線収容部が天板の後端部よりも後方に突出しないようにすることにより、2つの天板付き什器を、対向させた場合に、それぞれの配線収容部が干渉することなく、それぞれの天板の後端部を突き合わせるように配置することができる。
【0010】
また、本発明に係る天板付き什器では、前記区画板部は、前記支持構造体の後端部に接触して固定されていてもよい。
このような構成とすることにより、区画板部の位置が固定されて配線収容部の位置も固定されるため、配線収容部が前方に移動することを防止できる。
できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、天板の下のスペースを広く確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態による天板付き什器を示す斜視図である。
図2】天板付き什器を下方から見た斜視図である。
図3図1のA-A線断面図である。
図4】2つの天板付き什器を前後方向に向かい合わせに配置した様子を示す斜視図である。
図5】複数の天板付き什器をスタッキングさせた様子を示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態の変形例による天板付き什器の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態による天板付き什器について、図1図5に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態による天板付き什器1は、天板2と、天板2を支持する支持構造体3と、天板2の後部で上下方向および左右方向に沿って配置された板状の幕板4(区画板部)と、を有している。幕板4には、配線収容空間5aを形成する配線収容部5が設けられている。配線収容空間5aは、天板2の上に載置された電子機器61の配線62を収容可能に構成されている。電子機器61の配線62は、天板付き什器1に隣接して設置される電源装置63に接続されている。電子機器61の配線62のうちの中間部分が配線収容空間5aに収容されている。電子機器61の配線62とは、電源ケーブルや、LANケーブル、他の機器類と接続するためのケーブル、ケーブルと接続されたアダプタ62aなどが含まれる。図1には、天板付き什器1と共に使用する椅子7が示されている。
【0016】
以下の説明では、天板付き什器1において、天板付き什器1を使用する使用者が対向する手前側を前側とし、その反対側の奥側を後側とする。前側と後側とを結ぶ水平方向(奥行き方向)を前後方向とし、前後方向に直交する水平方向(幅方向)を左右方向とする。水平方向および前後方向に直交する方向を上下方向とする。
【0017】
図1および図2に示すように、天板2は、板面が長方形となる平板状に形成されている。天板2を板面が水平面となる向きに配置される。
【0018】
支持構造体3は、床に設置され、下端部3aが床と接触し、上端部3bが天板2の下面2aに固定されている。支持構造体3は、天板2の下側に配置されている。支持構造体3は、前側支持構造体31と、第1後側支持構造体32と、第2後側支持構造体33と、後側連結杆34と、を有している。
【0019】
前側支持構造体31は、上下方向に延びる棒状の一対の前側脚部311,312と、一対の前側脚部311,312を連結し、天板2に固定される前側天板固定部313と、を有している。一対の前側脚部311,312のうちの一方を第1前側脚部311とし、他方を第2前側脚部312とする。第1前側脚部311は、天板2の前側かつ左右方向の一方側の角部2cの近傍に配置されている。第1前側脚部311は、天板2の左右方向の一方側の側端部23よりも左右方向の一方側に位置し、天板2の前端部21よりも後側に位置している。第2前側脚部312は、天板2の前側かつ左右方向の他方側の角部2dの近傍に配置されている。第2前側脚部312は、天板2の左右方向の他方側の側端部24よりも左右方向の他方側かつ天板2の前端部21よりも後側に配置されている。第2前側脚部312は、第1前側脚部311よりも前側に位置している。第1前側脚部311および第2前側脚部312は、上方から見た平面視において天板2の左右方向の外側に位置している。第1前側脚部311および第2前側脚部312それぞれの下端部には、キャスタ314が取り付けられている。
【0020】
前側天板固定部313は、棒状に形成され、第1前側脚部311と第2前側脚部312の上端部同士を連結している。前側天板固定部313は、左右方向の一方側から他方側に向かって漸次後側に向かう斜め方向に延びている。前側支持構造体31は、第1前側脚部311と、第2前側脚部312と、前側天板固定部313とが全体でコの字形(U字形)の外形を形成している。上述しているように、前側天板固定部313は、天板2に固定される。前側天板固定部313には、前側支持構造体31を天板2に固定するための固定金具が取り付けられていてもよい。固定金具が例えばネジなどの固定具で天板2に固定されたり、天板2に接着されたりすることで前側支持構造体31が天板2と固定されるように構成されていてもよい。
【0021】
第1後側支持構造体32は、上下方向に延びる棒状の第1後側脚部321と、第1後側脚部321と連結され天板2に固定される第1後側天板固定部322と、を有している。第1後側脚部321は、天板2の後側かつ左右方向の一方側の角部2eの近傍に配置されている。第1後側脚部321は、天板2の左右方向の一方側の側端部23よりも左右方向の他方側に位置し、天板2の後端部22よりも前側に位置している。第1後側脚部321は、上方から見た平面視において天板2の内側に位置している。第1後側脚部321の下端部には、キャスタ323が取り付けられている。第1後側脚部321の上側部分には、幕板4を固定する固定金具324が取り付けられている。
【0022】
第1後側天板固定部322は、棒状に形成され、第1後側脚部321の上端部から前側に水平に延びる。第1後側支持構造体32は、第1後側脚部321と第1後側天板固定部322とが全体でL字形の外形を形成している。第1後側天板固定部322には、第1後側支持構造体32を天板2に固定するための固定金具325が取り付けられている。固定金具325が例えばネジなどの固定具で天板2に固定されたり、天板2に接着されたりすることで第1後側支持構造体32が天板2と固定される。第1後側天板固定部322は、後端部が第1後側脚部321に接続され、前端部が前側天板固定部313の後側に配置されている。
【0023】
第2後側支持構造体33は、第1後側支持構造体32と同様の部材で、第1後側支持構造体32とは天板2に対する取付位置が異なる。第2後側支持構造体33は、第1後側脚部321および第1後側天板固定部322と同様の第2後側脚部331および第2後側天板固定部332を有している。第2後側脚部331は、天板2の後側かつ左右方向の他方側の角部2fの近傍に配置されている。第2後側脚部331は、天板2の左右方向の他方側の側端部24よりも左右方向の他方側に位置し、天板2の後端部22よりも前側に位置している。第2後側脚部331も、上方から見た平面視において天板2の内側に位置している。第2後側脚部331の下端部にも、キャスタ333が取り付けられている。第2後側脚部331の上側部分にも、幕板4を固定する固定金具334が取り付けられている。
【0024】
第2後側天板固定部332は、後端部が第2後側脚部331に接続され、前端部が前側天板固定部313の後側に配置されている。第2後側天板固定部332にも、第2後側支持構造体33を天板2に固定するための固定金具335が取り付けられている。
【0025】
後側連結杆34は、棒状の部材で左右方向に水平に延びている。後側連結杆34は、一方の端部341が第1後側脚部321の高さ方向の中間部に連結され、他方の端部342が第2後側脚部331の高さ方向の中間部に連結されている。
【0026】
本実施形態による天板付き什器1は、床面に沿ってキャスタ314,314,323,333を走行させることで容易に移動させることができる。これにより、複数の天板付き什器1を設置する場合には、複数の天板付き什器1の配置を容易に変更することができる。天板付き什器1とともに設置される椅子7にもキャスタ71が取り付けられている。
【0027】
上述しているように、第1前側脚部311および第2前側脚部312が上方から見る平面視で天板2よりも左右方向の外側に突出している。そして、第1前側脚部311と第2前側脚部312とは前後方向にずれた位置に配置されている。このため、複数の天板付き什器1をそれぞれ同じ向きで互いの天板2の側端部どうしを対向させるように左右方向に並べて配置する場合には、左右方向の一方に配置された天板付き什器1の第2前側脚部312と、左右方向の他方側に配置された天板付き什器1の第1前側脚部311とが前後方向にずれて配置され、干渉することがない。これにより、左右方向に隣り合う天板付き什器1をそれぞれの天板2の側端部どうしを接触させて配置することができる。
【0028】
図1-3に示すように、幕板4は、板面が矩形の平板状の本体部41と、本体部41に取り付けられた配線収容部5と、を有している。本体部41は、板面が前後方向を向く向きで、天板2の後部から上下方向および左右方向に沿って配置され、第1後側脚部321および第2後側脚部331の固定金具324,334に固定されている。本体部41は、第1後側脚部321および第2後側脚部331の後側に配置されている。
【0029】
本体部41の幅寸法は、第1後側脚部321の左右方向の一方側の側端部と第2後側脚部331の左右方向の他方側の側端部との間隔よりも少し大きく、天板2の幅寸法よりも少し小さく形成されている。本体部41の高さ寸法は、天板2の下面2aから後側連結杆34の下端までの寸法よりも大きく形成されている。本体部41は、上端41aが天板2の下面2aの高さに配置され、下端41bが後側連結杆34よりも下側に配置され(図3参照)、左右方向の一方側の側端部41cが第1後側脚部321よりも左右方向の一方側に配置され、左右方向の他方側の側端部41dが第2後側脚部331よりも左右方向の他方側に配置され(図1、2参照)ている。図3に示すように、本体部41の後面41eは、天板2の後端部22よりも前側に位置している。本体部41の前面41fは、第1後側脚部321および第2後側脚部331と接触している。
【0030】
図1および図3に示すように、配線収容部5は、配線収容部材51を有している。配線収容部材51は、可撓性を有する1枚の不織布である。配線収容部材51は、略長方形に形成されている。配線収容部材51は、略長方形の縦方向の中間部に横方向に延びる折り曲げ線54で折り曲げられ、折り曲げ線54の一方側と他方側とが重ね合わされている。折り曲げ線54の一方側は貼り付け部52であり、他方側は重なり部53である。貼り付け部52は、本体部41の後面41eに貼り付けられる。貼り付け部52の縦寸法は、重なり部53の縦寸法よりも大きい。図1に示すように、重なった貼り付け部52と重なり部53とは、横方向の縁部55,55が縫い合わされている。貼り付け部52と重なり部53とに挟まれたポケット56を形成している。このポケット56が配線収容空間5aとなる。本実施形態では、貼り付け部52と重なり部53とは、横方向の中間部57も縫い合わされていて、2つのポケット56,56が形成されている。すなわち、配線収容空間5aは、幕板4に左右方向に2つ並んで設けられている。
【0031】
折り曲げられた状態の配線収容部材51は、縦方向が上下方向、横方向が左右方向となり、折り曲げ線54が下端となる向きで本体部41の後面41eに貼り付けられる。上述しているように、重なり部53が貼り付け部52の後側に配置される。重なり部53の上端部は、貼り付け部52の上端部よりも下側に位置している。貼り付け部52は、幕板4と略同じ大きさで、本体部41の後面41eの全体を覆うように本体部41に貼り付けられる。すなわち、配線収容部5は、幕板4の後面42に沿って設けられている。
【0032】
配線収容部材51は、可撓性を有することにより、重なり部53と貼り付け部52との間をあけるように重なり部53を後方に移動させると、重なり部53の形状が変形して、配線収容空間5a(ポケット56)が上方に開口する。上述しているように、天板付き什器1では、天板2の上に載置した電子機器61の配線62を配線収容空間5aに収容することができる。配線収容空間5aに配線62を収容しない不使用時には、貼り付け部52と重なり部53とを接触した状態とできる。この状態では、重なり部53も天板2の後端部22よりも前側に配置され、上方から見た平面視では、幕板4の本体部41および配線収容部5はともに天板2の内側に配置される。本実施形態では、本体部41の側端部41c,41dも配線収容部材51で覆われている。
【0033】
図4に示すように、2つの天板付き什器1を互いに前後方向に向かい合わせて配置する場合、天板2の後端部22どうし、配線収容部5どうしが対向することになる。本実施形態による天板付き什器1は、上述しているように、配線収容部5を使用していない状態の幕板4は、上方から見る平面視で天板2の内側に配置されている。このため、2つの天板付き什器1を対向して配置する場合には、それぞれの幕板4(配線収容部5)が干渉することなく、天板2の後端部22どうしを接触するように配置することができる。
【0034】
図5に示すように、天板付き什器1は、複数台をそれぞれの天板2を上下方向に重ねるようにしてスタッキング可能に構成されている。上述しているように、天板付き什器1の後側部分に配置される第1後側脚部321、第2後側脚部331、配線収容部5を使用していない状態の幕板4は、上方から見る平面視で天板2の内側に配置されている。第1前側脚部311と第2前側脚部312との間隔は、天板2の左右方向の寸法よりも大きく設定されている。このため、天板付き什器1を、同じ向きに配置した他の天板付き什器1を持ち上げるようにし、その他の天板付き什器1の第1前側脚部311と第2前側脚部312との間に前方から入れることで天板2が上下方向に重なってスタッキングされる。図2に示すように、本実施形態では、天板2の下面2aには、下側に重なった天板2の上面2bと、上側に重なった天板2の下面2aに固定された前側天板固定部313、第1後側天板固定部322および第2後側天板固定部332とが直接接触することを防止するスペーサ25が設けられている。スペーサ25は、ゴムなどの弾性部材で形成されていると好ましい。
【0035】
上記の本実施形態による天板付き什器1では、配線収容空間が形成された配線収容部5が幕板4(区画板部)の後面に沿って設けられることにより、幕板4と配線収容部5とを一体化させることができる。このため、幕板4と配線収容部5とを別々に設置する場合と比べて、設置スペースを省略することができ、天板2の下のスペースを広く確保することができる。
【0036】
上記の本実施形態による天板付き什器1では、幕板4が天板2の後部で上下方向および左右方向に沿って配置され、配線収容部5が幕板4の後面42に設けられている。このような構成とすることにより、天板2の下の幕板4よりも前側のスペースを広く確保することができる。また、配線収容部5を使用者にとって邪魔にならない位置に配置することができる。さらに、天板2の下側からではなく、天板付き什器1の後方から配線収容部5にアクセスおよび視認できるため、配線収容部5への配線62の出し入れ作業や、配線収容部5の内部の確認を容易に行うことができる。
【0037】
上記の本実施形態による天板付き什器1では、配線収容部5は、上下方向から見て天板2の後端部22よりも前側となる位置に配置されている。このような構成とすることにより、配線収容部5が天板の後側に位置して使用者の邪魔にならないとともに、配線収容部5が天板2の後端部22よりも後方に突出しないようにできる。また、配線収容部5が天板2の後端部22よりも後方に突出しないようにすることにより、2つの天板付き什器1を、対向させた場合に、それぞれの配線収容部5が干渉することなく、それぞれの天板2の後端部22を突き合わせるように配置することができる。さらに、複数の天板付き什器1をスタッキングする際に、隣接する幕板4(配線収容部5)が干渉することを防止できる。
【0038】
上記の本実施形態による天板付き什器1では、幕板4は、支持構造体3の後に接触して固定されている。このような構成とすることにより、幕板4の位置が固定されて配線収容部5の位置も固定されるため、配線収容部5が支持構造体3の前方に移動することを防止できる。
【0039】
上記の本実施形態による天板付き什器1では、配線収容部5は、可撓性を有する材料で形成され配線収容空間を形成する配線収容部材51を有している。このような構成とすることにより、配線収容部5の形状を収容される配線62に合わせて変形させることができるため、配線収容部5が必要以上に大きくなることが無く、天板2の下側のスペースを広く確保することができる。また、配線収容部5が壁や什器、人にぶつかった際に、収容された配線62への外的衝撃を緩和することができる。また、複数の天板付き什器1をスタッキングする際に、隣接する一方の天板付き什器1の配線収容部5が他方の天板付き什器1の幕板4どうしが接触しても、配線収容部材51が緩衝材となり、幕板4が損傷することを防止できる。
【0040】
上記の本実施形態による天板付き什器1では、配線収容部5の配線収容空間5aは、上方に開口する。このような構成とすることにより、配線収容空間5aを上方から使用することができる。本実施形態では、幕板4が天板2の後端部22に沿って設けられ、配線収容部5が幕板4の後面42に沿って設けられているため、天板付き什器1の後方から配線収容空間5aに容易にアクセスすることができる。
【0041】
以上、本発明による天板付き什器1の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、幕板4は、天板2の後部で、上下方向および左右方向に沿って配置され、配線収容部5は、幕板4の後面42に沿って設けられている。これに対し、幕板以外の板状の部材(区画板部)が天板2の下方で上下方向に沿って配置されていてもよい。区画板部は、天板2の前後方向の中間部から垂れ下がっていてもよい。配線収容部5は、区画板部の前面に沿って設けられていてもよいし、前面および後面の両方に沿って設けられていてもよい。
【0042】
例えば、図6に示す天板付き什器101のように、区画板部104が天板102の前後方向(奥行き方向)の中間部から垂れ下がり、配線収容部105が区画板部104の両面に沿って設けられていてもよい。このような場合には、前後方向の両側から天板付き什器101を使用し、天板付き什器101の前側部分に設置された電子機器61の配線62が前側の配線収容部105に収容され、天板付き什器101の後側部分に設置された電子機器61の配線62が後側の配線収容部105に収容されるようにしてもよい。
【0043】
上記の本実施形態による天板付き什器1では、配線収容部5は、上下方向から見て天板2の後端部22よりも前側となる位置に配置されている。これに対し、配線収容部5は上下方向から見て天板2の外側に配置されていてもよい。また、上記の実施形態では、不使用時の配線収容部5が上下方向から見て天板2の後端部22よりも前側となる位置に配置されている。これに対し、配線62を収容した配線収容部5が上下方向から見て天板2の後端部22よりも前側となる位置に配置されていてもよい。
【0044】
上記の本実施形態による天板付き什器1では、幕板4は、支持構造体3の後に接触して固定されている。これに対し、幕板4は、支持構造体3の後に接触していなくてもよいし、天板2に固定されて支持構造体3に固定されていなくてもよい。
【0045】
上記の本実施形態による天板付き什器1では、配線収容部5は、可撓性を有する材料すなわち配線収容部材51で形成されている。これに対し、配線収容部5を形成する材料は、樹脂や鋼材など適宜設定されてよい。また、配線収容部5は、配線収容部材51に代わる可撓性を有する材料で形成されていてもよい。
【0046】
上記の本実施形態による天板付き什器1では、配線収容空間5aは、上方に開口する。これに対し、配線収容空間5aは、後方や前方、側方(左右方向の一方側、他方側)に開口していてもよい。上記の実施形態では、配線収容空間5aは、幕板4に左右方向に2つ並んで設けられている。これに対して、配線収容空間5aは、左右方向の片方だけに設けられていてもよいし、2つ以上設けられていてもよい。また、幕板4の左右方向全体にわたって1つの配線収容空間5aが設けられていてもよい。
【0047】
上記の本実施形態による天板付き什器1では、キャスタ314,323,333が設けられて、床面を走行可能であるが、キャスタが設けられていなくてもよい。また、天板2を支持する支持構造体3の形態は、上記以外であってもよい。上記の実施形態による天板付き什器1では、スタッキング可能であるが、このような構成でなくてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1,101 什器
2,102 天板
3 支持構造体
4 幕板(区画板部)
5,105 配線収容部
5a 配線収容空間
22 後端部
42 後面
51 配線収容部材
62 配線
104 区画板部
図1
図2
図3
図4
図5
図6