(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】配管システム、配管情報システム、及び、管継手システム
(51)【国際特許分類】
F16L 55/00 20060101AFI20240515BHJP
F16L 21/08 20060101ALI20240515BHJP
F16L 37/091 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
F16L55/00 D
F16L21/08 B
F16L37/091
(21)【出願番号】P 2020559181
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(86)【国際出願番号】 JP2019047046
(87)【国際公開番号】W WO2020121870
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】P 2018234282
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】高橋 薫
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第1762541(EP,A1)
【文献】国際公開第2017/053712(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0209716(US,A1)
【文献】特表2018-513358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/00
F16L 21/08
F16L 37/091
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状体と、
前記管状体を軸線方向一方側から差し込むための差込空間が形成された、管継手と、
前記管継手に、又は、前記管継手及び前記管状体の両方に、設けられ、前記差込空間内における前記管状体の軸線方向位置を、1つ若しくは複数の段階で、又は、連続的に、検知できるように構成された、位置センサ部と、
を備え、
前記管継手は、内筒部と、前記内筒部よりも外周側に離間した外筒部と、を備えており、
前記差込空間は、前記内筒部の外周面と前記外筒部の内周面との間に環状をなすように区画されており、
前記位置センサ部は、前記外筒部の内周面上に設けられている、配管システム。
【請求項2】
前記管継手は、前記差込空間に対し外周側に隣接するとともに前記外筒部を構成するリング状部材を有しており、
前記位置センサ部は、前記リング状部材に設けられている、請求項1に記載の配管システム。
【請求項3】
管状体と、
前記管状体を軸線方向一方側から差し込むための差込空間が形成された、管継手と、
前記管継手に、又は、前記管継手及び前記管状体の両方に、設けられ、前記差込空間内における前記管状体の軸線方向位置を、1つ若しくは複数の段階で、又は、連続的に、検知できるように構成された、位置センサ部と、
を備え、
前記管継手は、前記差込空間に対し外周側に隣接するリング状部材を有しており、
前記リング状部材は、前記差込空間の内部を外部から視認できるように構成された、透明な窓部を有しており、
前記窓部の外周面は、軸線方向に平行に延在する、第1平滑面部を有しており、
前記位置センサ部は、前記第1平滑面
部上に配置されており、
前記位置センサ部は、光学式のセンサである、配管システム。
【請求項4】
前記配管システムは、前記管状体に設けられた被検知部を、さらに備え、
前記位置センサ部は、前記被検知部を検知することにより、前記差込空間内における前記管状体の軸線方向位置を、1つ若しくは複数の段階で、又は、連続的に、検知できるように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の配管システム。
【請求項5】
前記位置センサ部は、前記差込空間内における前記管状体の軸線方向位置を、複数の段階で検知できるように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の配管システム。
【請求項6】
前記配管システムは、前記管継手に設けられ、漏水を検知できるように構成された、漏水センサ部を、さらに備えており、
前記漏水センサ部は、前記位置センサ部とは別体又は一体に構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の配管システム。
【請求項7】
前記位置センサ部は、前記差込空間内における前記管状体の軸線方向位置の検知結果を含む位置検知情報を、電気的に、外部へ送信できるように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の配管システム。
【請求項8】
前記位置センサ部は、前記位置検知情報を、無線通信により、外部へ送信できるように構成されている、請求項7に記載の配管システム。
【請求項9】
所定の受信装置が前記位置センサ部から所定の距離内に位置するときに、前記位置センサ部からの前記位置検知情報が、前記所定の受信装置によって受信可能になるように構成されている、請求項8に記載の配管システム。
【請求項10】
前記配管システムは、前記管継手の前記窓部の外周側に装着された、装着ベース部材を、さらに備えており、
前記装着ベース部材は、その内周面に、前記管継手の軸線方向に平行に延在する、第2平滑面部を有しており、
前記位置センサ部は、前記装着ベース部材の前記第2平滑面部に沿って延在するように、前記装着ベース部材の内部に埋設されており、
前記装着ベース部材の前記第2平滑面部は、前記管継手の前記窓部の前記第1平滑面部に当接している、請求項3に記載の配管システム。
【請求項11】
前記配管システムは、前記管継手に設けられた、無線タグを、さらに備えており、
前記無線タグは、前記位置センサ部から出力される、前記差込空間内における前記管状体の軸線方向位置の検知結果を含む位置検知情報を、取得するように構成されているとともに、受信装置によって前記無線タグから前記位置検知情報を無線通信により受信できるように構成されている、請求項10に記載の配管システム。
【請求項12】
前記無線タグは、前記装着ベース部材の内部に埋設されており、
前記無線タグのアンテナは、前記装着ベース部材の内部を周方向に延在している、請求項11に記載の配管システム。
【請求項13】
前記管継手の前記第1平滑面部は、前記管継手の全周にわたって周方向に延在しており、
前記装着ベース部材の前記第2平滑面部は、前記管継手の周方向の少なくとも一部にわたって、周方向に延在しているとともに前記第1平滑面部に当接している、請求項10~12のいずれか一項に記載の配管システム。
【請求項14】
請求項7~9及び11~12のいずれか一項に記載の配管システムと、
前記位置センサ部からの前記位置検知情報を受信できるように構成された、受信装置と、
を備えた、配管情報システム。
【請求項15】
管状体を軸線方向一方側から差し込むための差込空間が形成された、管継手と、
前記管継手に設けられ、前記差込空間内における前記管状体の軸線方向位置を、1つ若しくは複数の段階で、又は、連続的に、検知できるように構成された、位置センサ部と、
を備え、
前記管継手は、内筒部と、前記内筒部よりも外周側に離間した外筒部と、を備えており、
前記差込空間は、前記内筒部の外周面と前記外筒部の内周面との間に環状をなすように区画されており、
前記位置センサ部は、前記外筒部の内周面上に設けられている、管継手システム。
【請求項16】
管状体を軸線方向一方側から差し込むための差込空間が形成された、管継手と、
前記管継手に設けられ、前記差込空間内における前記管状体の軸線方向位置を、1つ若しくは複数の段階で、又は、連続的に、検知できるように構成された、位置センサ部と、
を備え、
前記管継手は、前記差込空間に対し外周側に隣接するリング状部材を有しており、
前記リング状部材は、前記差込空間の内部を外部から視認できるように構成された、透明な窓部を有しており、
前記窓部の外周面は、軸線方向に平行に延在する、第1平滑面部を有しており、
前記位置センサ部は、前記第1平滑面
部上に配置されており、
前記位置センサ部は、光学式のセンサである、管継手システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば給水や給湯等のための配管に用いられる、配管システム、配管情報システム、及び、管継手システムに関するものである。
本願は、2018年12月14日に、日本に出願された特願2018-234282号に基づく優先権を主張するものであり、その内容の全文をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
従来の管継手として、管状体が差し込まれることにより、管状体と接続されるように構成されたものがある(例えば、特許文献1)。このような管継手においては、管状体との接続状態の確認は、目視により行われるのが一般的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の管継手においては、例えば、管継手が目視しにくい位置に配設される場合に確認作業が困難になる等の問題があった。そのため、管状体と管継手との接続状態を、目視以外の方法で確認できる技術が、求められていた。
【0005】
この発明は、管状体と管継手との接続状態を目視せずに確認することができる、配管システム、配管情報システム、及び、管継手システムを、提供すること目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の配管システムは、
管状体と、
前記管状体を軸線方向一方側から差し込むための差込空間が形成された、管継手と、
前記管継手に、又は、前記管継手及び前記管状体の両方に、設けられ、前記差込空間内における前記管状体の軸線方向位置を、1つ若しくは複数の段階で、又は、連続的に、検知できるように構成された、位置センサ部と、
を備えている。
【0007】
本発明の配管情報システムは、
上記の配管システムと、
前記位置センサ部からの前記位置検知情報を受信できるように構成された、受信装置と、
を備えている。
【0008】
本発明の管継手システムは、
管状体を軸線方向一方側から差し込むための差込空間が形成された、管継手と、
前記管継手に設けられ、前記差込空間内における前記管状体の軸線方向位置を、1つ若しくは複数の段階で、又は、連続的に、検知できるように構成された、位置センサ部と、
を備えている。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、管状体と管継手との接続状態を目視せずに確認することができる、配管システム、配管情報システム、及び、管継手システムを、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る配管システム、及び、本発明の第1実施形態に係る管継手システムを、機能ブロックとともに示す、部分断面側面図である。
【
図2】
図1の管継手システムの一部を拡大して示す、断面図である。
【
図3】
図1の管状体と管継手との接続状態を3段階で示しており、
図3(a)は適正状態、
図3(b)は要点検状態、
図3(c)は即要対応状態を、それぞれ示している。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る配管システム、及び、本発明の第2実施形態に係る管継手システムを、機能ブロックとともに示す、部分断面側面図である。
【
図5】
図4の管状体と管継手との接続状態を3段階で示しており、
図5(a)は適正状態、
図5(b)は要点検状態、
図5(c)は即要対応状態を、それぞれ示している。
【
図6】本発明の第3実施形態に係る配管システム、及び、本発明の第3実施形態に係る管継手システムを、機能ブロックとともに示す、部分断面側面図である。
【
図7】本発明の第4実施形態に係る配管システムの一部を拡大して示す、断面図である。
【
図10】本発明の任意の実施形態に係る配管システムを備え得る、本発明の第1実施形態に係る配管情報システムを、概略的に示す、概略図である。
【
図11】本発明の任意の実施形態に係る配管システムを備え得る、本発明の第2実施形態に係る配管情報システムを、概略的に示す、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の配管システム、配管情報システム、及び、管継手システムは、例えば給水や給湯等のための配管に好適に用いることができる。
以下に、図面を参照しつつ、この発明に係る配管システム、配管情報システム、及び、管継手システムの実施形態を例示説明する。各図において共通する構成要素には同一の符号を付している。
【0012】
〔配管システム、管継手システム〕
まず、本発明の配管システムの実施形態、及び、本発明の管継手システムの実施形態について、
図1~
図6を参照しつつ、説明する。
【0013】
-第1実施形態-
図1~
図3は、本発明の第1実施形態に係る配管システム6、及び、本発明の第1実施形態に係る管継手システム8を、説明するための図面である。
本実施形態の管継手システム8は、管継手1と、位置センサ部3と、漏水センサ部4と、を備えている。
本実施形態の配管システム6は、管継手システム8(ひいては、管継手1、位置センサ部3、及び、漏水センサ部4)と、管状体2と、被検知部5と、を備えている。
【0014】
図1及び
図2は、管継手1に管状体2が差し込まれる前の状態を示している。
図1において、管継手1の管軸線Oに対して上側は、管継手1の軸線方向に沿う断面を示しており、管軸線Oに対して下側は、管継手1の側面を示している。
図2は、
図1の一部を拡大して示している。
本明細書において、管継手1の管軸線Oは、管継手1の内部に区画される管路の中心軸線である。管継手1の軸線方向とは、管継手1の管軸線Oに平行な方向である。また、本明細書では、管継手1の軸線方向に垂直な方向を、「軸直方向」という。また、本明細書において、管継手1の「内周側」は、管継手1の管軸線Oに近い側を指し、管継手1の「外周側」は、管継手1の管軸線Oから遠い側を差す。
【0015】
本例において、管継手1における軸線方向一方側には、管状体2が軸線方向一方側から差し込まれることにより管状体2と接続されるように構成された、差込接続口30が形成されている。差込接続口30に接続される管状体2は、例えば、樹脂製のパイプが好適であり、ポリブテン製又は架橋ポリエチレン製の給水給湯用パイプが特に好適である。
以下では、説明の便宜上、管継手1の軸線方向両側のうち、差込接続口30の入口側(軸線方向一方側。
図1及び
図2の左側。)を、「軸線方向第1側」といい、差込接続口30の奥側(軸線方向他方側。
図1及び
図2の右側。)を、「軸線方向第2側」という。
図1及び
図2の例では、管継手1は、略I字型(全体が略1つの直線状)に構成されている。しかし、管継手1は、略L字型、略T字型、略Y字型、略十字型など、任意の形状に構成されてよい。
また、図の例において、管継手1は、差込接続口30を1つのみ有しているが、管継手1は、差込接続口30を複数有していてもよい。
【0016】
本例の管継手1は、本体部材17と、外筒部材15と、封止部材14と、キャップ11と、ロック爪13と、樹脂リング12と、を備えている。
【0017】
本体部材17は、筒状に構成され、その内周面によって、水や湯等の流体のための管路(流路)を区画している。本体部材17は、例えば、金属(例えば、黄銅)又は樹脂で構成される。
図1及び
図2に示すように、本例の本体部材17は、軸線方向第1側に位置する軸線方向第1側部分171と、軸線方向第2側に位置する軸線方向第2側部分172と、軸線方向第1側部分171及び軸線方向第2側部分172どうしの間に位置する軸線方向中間部分176とを、有している。
本体部材17の軸線方向第1側部分171は、内筒部(以下、「内筒部171」ともいう。)を構成している。外筒部材15は、本体部材17の外周側に配置されている。より具体的に、外筒部材15の軸線方向第2側部分152は、本体部材17の外周面に嵌め込まれている。そして、外筒部材15のうち、軸線方向第2側部分152から軸線方向第1側へ延びる延出部分151は、本体部材17の内筒部171よりも外周側に離間しており、外筒部(以下、「外筒部151」ともいう」)を構成している。本体部材17の内筒部171の外周面と、外筒部材15の外筒部151の内周面との間には、環状の差込空間16が区画されている。差込空間16は、軸線方向第1側が開放され、軸線方向第2側が閉鎖されており、管状体2が軸線方向第1側から軸線方向第2側へ差し込まれるように構成されている。
【0018】
本明細書では、管状体2が差込空間16へ差し込まれる方向、すなわち軸線方向に沿って軸線方向第1側から軸線方向第2側へ向かう方向を「差込方向ID」といい、管状体2が差込空間16から引き抜かれる方向、すなわち軸線方向に沿って軸線方向第2側から軸線方向第1側へ向かう方向を「引抜方向PD」という。
【0019】
内筒部171と、封止部材14と、外筒部151と、キャップ11と、ロック爪13と、樹脂リング12とは、差込接続口30を構成している(
図2)。
1つの差込接続口30につき、1つの差込空間16が形成される。仮に管継手1が複数の差込接続口30を有する場合、各差込接続口30に差込空間16が1つずつ形成される。
【0020】
本例においては、
図1に示すように、本体部材17の軸線方向第2側部分172には、その外周面に、テーパおねじ又は平行おねじからなるねじ部172aが形成されており、テーパめねじ又は平行めねじを有する管部材(図示せず)と螺合により接続可能に構成されている。ただし、図の例に限られず、軸線方向第2側部分172には、その内周面に、テーパめねじ又は平行めねじからなるねじ部172aが形成されて、テーパおねじ又は平行おねじを有する管部材(図示せず)と螺合により接続可能に構成されてもよい。あるいは、本体部材17の軸線方向第2側部分172においても、本例の軸線方向第1側部分171と同様に、差込接続口30を構成してもよい。
本例においては、
図2に示すように、本体部材17の軸線方向中間部分176は、軸線方向第2側から軸線方向第1側に向かう順番に、トルク入力部分173、小径部分174、及び、大径部175を、有している。本体部材17のトルク入力部分173は、外周面が軸直方向において略多角形状(図の例では略六角形状)をなしており、これにより、レンチ(スパナ)等の工具からのトルクをしっかりと入力できるように構成されている。本体部材17の小径部174は、トルク入力部分173及び大径部175よりも小さな外径を有している。外筒部材15の軸線方向第2側部分152は、圧入によって本体部材17の小径部174の外周面上に嵌め込まれており、本体部材17のトルク入力部分173と大径部175とによって軸線方向の移動が規制されている。本体部材17の大径部175は、本体部材17の軸線方向第1側部分(内筒部)171よりも大きな外径を有している。大径部175の軸線方向第1側の端面が、差込空間16の軸線方向第2側の端を区画している。
図3(a)は、
図1及び
図2の管継手1に、管状体2が差し込まれた状態を示している。管状体2が差込空間16に指し込まれる際に、管状体2は、大径部175に当たることによって、差込方向IDへのさらなる移動が規制される。
なお、本体部材17は、トルク入力部分173(
図2)を有していなくてもよい。
【0021】
図2に示すように、本例において、本体部材17の内筒部171には、その外周面に、それぞれ周方向に延びる、1つ又は複数の環状溝171aが形成されている。図の例では、2つの環状溝171aが、それぞれ異なる軸線方向位置に設けられているが、環状溝171aの数は、1つのみでもよいし、3つ以上でもよい。図の例において、環状溝171aは、差込空間16における軸線方向の中間に位置しているとともに、外筒部材15の外筒部151と重複する軸線方向位置にある。各環状溝171a内には、周方向に延びる環状の封止部材14が収容されている。封止部材14は、例えばOリング等からなる。外筒部151は、各環状溝171a及び各封止部材14と、径方向に対向している。
図2に示すように、管状体2が差込空間16に差し込まれていない状態において、封止部材14の外径は、本体部材17の内筒部171の外径よりも、若干大きくされている。
図3(a)に示すように、管状体2が差込空間16内に差し込まれると、封止部材14は、管状体2の内周面に密着するように圧縮変形し、内筒部171の外周面と管状体2の内周面との間を流体密に封止する。
【0022】
外筒部材15は、筒状に構成されたリング状部材であり、本体部材17の外周側かつキャップ11の内周側に配置されている。外筒部材15は、例えば樹脂からなる。外筒部材15は、透明な樹脂(例えば、透明ナイロン)から構成されると好適であるが、不透明な樹脂から構成されてもよい。
図2に示すように、外筒部材15の軸線方向第2側部分152は、その内径が、外筒部材15の延出部分151の内径よりも小さくされているとともに、本体部材17の大径部175の外径よりも小さくされている。
外筒部材15の延出部分(外筒部)151は、差込空間16の外周側に隣接して位置しており、言い換えれば、差込空間16の外周側の端を区画している。外筒部材15の延出部分(外筒部)151には、その外周面に、周方向に延びる突条から構成されたストッパ突起部151cが形成されている。図の例において、外筒部材15のストッパ突起部151cは、本体部材17の大径部175よりも、軸線方向第1側に位置している。図の例において、ストッパ突起部151cは、全周にわたって延びており、すなわち環状に構成されている。さらに、外筒部材15の延出部分(外筒部)151の外周面には、ストッパ突起部151cよりも軸線方向第1側において、それぞれ周方向に延びる突条から構成された一対の嵌合突起部151a、151bが、互いに異なる軸線方向位置に形成されている。図の例において、嵌合突起部151a、151bは、それぞれ全周にわたって延びており、すなわち環状に構成されている。
【0023】
キャップ11は、例えば樹脂からなり、筒状に構成され、本体部材17の内筒部171の外周側に設けられている。
図2に示すように、キャップ11の軸線方向第2側部分112は、外筒部材15の延出部分(外筒部)151のうちの、ストッパ突起部151cより軸線方向第1側の部分の外周面に、圧入により嵌め込まれている。
キャップ11の軸線方向第2側の端面は、外筒部材15のストッパ突起部151cに当たることによって、軸線方向第2側へのさらなる移動が規制されている。
キャップ11の軸線方向第2側部分112の内周面には、それぞれ周方向に延びる溝から構成された一対の嵌合凹部112a、112bが、互いに異なる軸線方向位置に形成されている。図の例において、嵌合凹部112a、112bは、それぞれ全周にわたって延びており、すなわち環状に構成されている。キャップ11の嵌合凹部112a、112bは、それぞれ、外筒部材15の嵌合突起部151a、151bと嵌合している。
キャップ11の軸線方向第1側部分111は、外筒部材15よりも軸線方向第1側に位置している。
【0024】
ロック爪13は、例えば金属からなり、環状に構成されたリング状部材である。
図1及び
図2に示すように、ロック爪13は、管継手1の軸線方向断面において、略V字型をなしており、より具体的には、軸線方向第1側に突出した、横向きの略V字型に折れ曲がった形状を有している。ロック爪13は、その内周側の端部に、爪部131aを有している。
ロック爪13は、外筒部材15に対する軸線方向第1側で、キャップ11の軸線方向第1側部分111の内周側かつ本体部材17の内筒部171の外周側に配置されており、また、差込空間16の外周側に隣接して位置している。ロック爪13の外周側の端部は、外筒部材15とキャップ11との間の隙間に配置されている。
図示は省略するが、ロック爪13には、ロック爪13の外周端縁に開口するスリットと、ロック爪13の内周端縁に開口するスリットとが、周方向に交互に設けられている。これにより、ロック爪13は、拡径方向の弾性変形が可能に構成されている。ロック爪13の内周側の端部には、ロック爪13の内周端縁に開口するスリットによって互いから周方向に離間された、複数の爪部131aが形成されている。
各爪部131aは、それぞれ、内周側かつ軸線方向第2側(差込空間16の奥側)を向いている。
図2に示すように、管状体2が差込空間16に差し込まれる前の状態において、ロック爪13の内径(爪部131aの先端における径)は、外筒部材15の外筒部151の内径よりも、若干小さくされており、爪部131aが差込空間16内に突き出た状態となる。これにより、ロック爪13は、
図3(a)に示すように、差込空間16に管状体2が差し込まれると、爪部131aが、差し込まれた管状体2の外周面に食い込むように構成されている。
なお、ロック爪13は、軸線方向断面において上述のような横向きの略V字型をなしている限り、任意の構成を有していてもよい。例えば、ロック爪13は、ロック爪13の外周端縁に開口するスリットを有していなくてもよい。
【0025】
樹脂リング12は、例えば樹脂からなり、環状に構成されたリング状部材である。樹脂リング12は、ロック爪13に対する軸線方向第1側で、キャップ11の内周側かつ内筒部100の外周側に配置されている。また、樹脂リング12は、差込空間16に対し外周側に隣接しており、言い換えれば、差込空間16の外周側の端を区画している。樹脂リング12は、キャップ11の内周側、かつ、差込空間16の外周側に配置された、リング状部材12、13、15(樹脂リング12、ロック爪13、外筒部材15)の中で、最も軸線方向第1側に配置されている。
樹脂リング12は、本実施形態において、後述のように、ロック爪13の管状体2への食い込みを解放できる機能(解放機能)を有している。
【0026】
上述のように構成された管継手1において、
図3(a)に示すように、管状体2が差込空間16に差し込まれると、ロック爪13の爪部131aが管状体2の外周面に僅かに食い込む。また、このとき、管状体2の内周面と本体部材17の内筒部171の外周面との間が、封止部材14によって流体密に封止される。このようにして、管状体2が管継手1の差込接続口30に、ワンタッチで(差し込むだけで)接続される。
一方、管状体2を管継手1から取り外す際には、軸線方向第1側から冶具(図示せず)を樹脂リング12に向けてキャップ11内へ軸線方向に挿入し、樹脂リング12を軸線方向第2側へ押し込む。すると、樹脂リング12はロック爪13の爪部13aを押圧して、爪部13aの管状体2への食い込みを解放させる。この状態で、管状体2を軸線方向第1側へ引き抜くと、管状体2を管継手1から取り外すことができる。
【0027】
位置センサ部3は、本実施形態において、管継手1に設けられている。より具体的に、本実施形態において、位置センサ部3は、環状(リング状)に構成されており、管継手1の外筒部材15に埋設されている。位置センサ部3は、例えば、外筒部材15を射出成形等により成形する際に、外筒部材15を成形するための金型にインサートされることにより、外筒部材15と一体に構成される。あるいは、位置センサ部3は、例えば、外筒部材15の成形後に、外筒部材15に形成された凹部に収容され、接着等により固定されることにより、外筒部材15と一体に構成される。図の例において、位置センサ部3の内周面は、外筒部材15の内周面に露出している(
図2)。
位置センサ部3は、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置(ひいては、差込空間16内への管状体2の差込量)を、複数(本例では、3つ)の段階で、検知できるように構成されている。
ここで、「差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、複数の段階で、検知できるように構成されている」とは、差込空間16内における複数の異なる軸線方向位置(点位置、又は、軸線方向に沿って幅を有する領域)のそれぞれにおいて、管状体2の所定部分(例えば、軸線方向第2側の端部)が位置しているか否かを検知できるようにされていることを指しており、言い換えれば、管状体2の所定部分が、差込空間16内における複数の異なる軸線方向位置のうち、いずれの軸線方向位置にあるかを、検知できるようにされていることを指す。
図1において機能ブロックで示すように、位置センサ部3は、位置検知部31と、通信部32と、記憶部33と、を有している。
【0028】
本例では、位置センサ部3が、複数(本例では、3つ)の位置検知部31(31a~31c)を有しており、また、これらの位置検知部31を支持する環状(リング状)の支持部34を、有している(
図2)。位置センサ部3は、これら複数(本例では、3つ)の位置検知部31(31a~31c)により、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置(ひいては、差込空間16内への管状体2の差込量)を、複数(本例では、3つ)の段階で、検知できるように構成されている。
これら3つの位置検知部31a~31cは、それぞれ支持部34に埋設されており、軸線方向に沿って配列されている。支持部34は、例えば、金属からなる。本例において、各位置検知部31a~31cは、それぞれ、管状体2に設けられた被検知部5が、自身の近傍(本例では、より具体的に、自身の内周側)に位置するときに、被検知部5を検知できるように構成されている。
より具体的に、本例において、各位置検知部31a~31cは、金属を検知できるように構成されている。一方、管状体2に設けられた被検知部5は、金属を含む材料で構成されている。被検知部5は、例えば、管状体2の外周面上に貼られた金属テープ、又は、管状体2の外周面上に塗布された、金属を含む塗料又はインク等によって、構成されることができる。被検知部5は、管状体2の周方向に沿って環状に設けられていると好適である。被検知部5の厚さは、例えば、1mm以下であると好適であり、0.5mm以下であるとより好適であり、ほぼ0mmであるとさらに好適である。なお、各図では、見易さのために、被検知部5の厚みを誇張して示している。本例において、被検知部5は、管状体2の軸線方向第2側の端部において、管状体2の外周面上に設けられている(
図1)。
【0029】
図1~
図3の例において、3つの位置検知部31のうち、最も軸線方向第2側にある第1位置検知部31aは、差込空間16の軸線方向第2側(奥側)の端(ひいては、大径部175の軸線方向第1側の端)と重複するか又はこれに隣接する軸線方向位置にある。そして、第1位置検知部31aは、管状体2の軸線方向第2側の端部(ひいては、そこに設けられた被検知部5)が、差込空間16の軸線方向第2側の端部に位置している状態において、被検知部5を検知できるように、構成されている(
図3(a))。本例において、管状体2の軸線方向第2側の端部が差込空間16の軸線方向第2側(奥側)の端部に位置している状態とは、管継手1と管状体2との接続状態が適正状態にあることを、意味する。言い換えれば、位置センサ部3は、第1位置検知部31aが被検知部5を検知したことをもって、管状体2の軸線方向第2側の端部が差込空間16の軸線方向第2側(奥側)の端部に位置している状態、ひいては、適正状態を、検知できるように構成されている(
図3(a))。
第1位置検知部31aに対して軸線方向第1側に隣接する第2位置検知部31bは、1つ又は複数(図の例では2つ)の封止部材14のうち、最も軸線方向第2側の封止部材14に対し、軸線方向第2側に隣接する位置にある。そして、第2位置検知部31bは、管状体2の軸線方向第2側の端部(ひいては、そこに設けられた被検知部5)が、最も軸線方向第2側の封止部材14に対し、軸線方向第2側に隣接する位置にある状態において、被検知部5を検知できるように、構成されている(
図3(b))。本例において、管状体2の軸線方向第2側の端部が、最も軸線方向第2側の封止部材14に対し、軸線方向第2側に隣接する位置にある状態とは、管状体2が差込空間16から抜け出し始めており、管状体2の軸線方向第2側の端部が封止部材14に近づいてきているため、管継手1と管状体2との接続状態が、点検を要する状態(要点検状態)にあることを、意味する。言い換えれば、位置センサ部3は、第2位置検知部31bが被検知部5を検知したことをもって、管状体2の軸線方向第2側の端部が、最も軸線方向第2側の封止部材14に対し、軸線方向第2側に隣接する位置にある状態、ひいては、要点検状態を、検知できるように構成されている(
図3(b))。
3つの位置検知部31のうち、最も軸線方向第1側(
図3の左側)にある第3位置検知部31cは、最も軸線方向第2側(
図3の右側)の封止部材14の軸線方向第2側の端から、最も軸線方向第1側の封止部材14の軸線方向第1側の端までの、軸線方向領域内にある。そして、第3位置検知部31cは、管状体2の軸線方向第2側の端部(ひいては、そこに設けられた被検知部5)が、最も軸線方向第2側の封止部材14の軸線方向第2側の端から、最も軸線方向第1側の封止部材14の軸線方向第1側の端までの、軸線方向領域内にある状態において、被検知部5を検知できるように、構成されている(
図3(c))。本例において、管状体2の軸線方向第2側の端部が、最も軸線方向第2側の封止部材14の軸線方向第2側の端から、最も軸線方向第1側の封止部材14の軸線方向第1側の端までの、軸線方向領域内にある状態とは、管状体2が差込空間16からの抜け出しが相当進んでおり、管状体2の軸線方向第2側の端部が封止部材14に掛かっているおそれがあり、ひいては、漏水のおそれがあるため、管継手1と管状体2との接続状態が、すぐに対応を要する状態(即要対応状態)にあることを、意味する。言い換えれば、位置センサ部3は、第3位置検知部31cが被検知部5を検知したことをもって、管状体2の軸線方向第2側の端部が、最も軸線方向第2側の封止部材14の軸線方向第2側の端から、最も軸線方向第1側の封止部材14の軸線方向第1側の端までの、軸線方向領域内にある状態、ひいては、即要対応状態を、検知できるように構成されている(
図3(c))。
【0030】
通信部32は、例えば、通信インタフェースにより構成される。位置センサ部3は、通信部32によって、外部(例えば、所定の装置)との間で、電気的に通信(送信、又は、送信及び受信の両方)できるように構成されている。ここで、「電気的に通信」とは、例えば、有線通信、及び/又は、無線通信を、指す。本例において、位置センサ部3は、位置検知情報を、通信部32によって、電気的に、外部に送信できるように構成されている。位置検知情報は、位置検知部31から出力される、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置の検知結果を含む。位置センサ部3は、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置の検知結果として、複数の位置検知部31(31a~31c)のうち、被検知部5を検知した位置検知部31のみから、検知結果を出力してもよいし、あるいは、各位置検知部31から、被検知部5を検知したか否かの判断結果を出力してもよい。また、位置検知情報は、位置センサ部3の識別情報(ID)を含むと、好適である。また、位置検知情報は、検知した日時を含んでもよい。
記憶部33は、例えば、ROM及び/又はRAMから構成されている。記憶部33は、例えば、位置センサ部3の識別情報(ID)を、記憶している。また、記憶部33は、位置検知部31からの検知結果を(例えば、一時的に)記憶するように構成されていてもよい。その場合、例えば、位置センサ部3は、位置検知情報を、外部に送信するタイミングになるまで蓄積するように構成されていてもよい。
なお、位置センサ部3は、記憶部33を有していなくてもよい。
【0031】
漏水センサ部4は、本実施形態において、管継手1に設けられている。より具体的に、
図2の例において、漏水センサ部4は、本体部材17(より具体的に、図の例では、トルク入力部分173)に埋設されており、外筒部材15に接するように配置されている。
漏水センサ部4は、漏水を検知できるように構成されている。なお、漏水としては、例えば、管状体2と封止部材14との間が流体密でなくなり、そこを水が通過している状態や、管継手1において亀裂が生じ、そこから水が漏れている状態などが、生じ得る。
図1において機能ブロックで示すように、漏水センサ部4は、漏水検知部41と、通信部42と、記憶部43と、を有している。
【0032】
漏水検知部41は、漏水を検知できるように構成されている。
漏水検知部41は、例えば、通水持の振動を検知することによって漏水を検知するように構成されていると、好適である。より具体的に、漏水検知部41は、通水時の振動(具体的には、例えば、振動の波長又は周波数)を、例えば随時又は定期的に、検知し、通水時の振動(具体的には、例えば、振動の波長又は周波数)が、漏水が生じていない通常状態における通水時の振動とは異なると判断した場合に、漏水が生じたと判断する(漏水を検知する)ように構成されると、好適である。この場合、漏水が生じていない通常状態における通水時の振動(具体的には、例えば、振動の波長又は周波数)の定義や、通水時の振動が通常状態における通水時の振動とは異なると判断するための判断基準については、予め設定されているとよい。なお、通水時の振動は、基本的に、配管システム6の全体にわたって一様に生じるため、漏水センサ部4(漏水検知部41)が通水持の振動によって漏水を検知するように構成されている場合、漏水センサ部4は、配管システム6上のどの位置に配置されても、同等に、漏水を検知することができる。したがって、漏水センサ部4は、配管システム6上の任意の位置に配置されてよい。例えば、漏水センサ部4は、管継手1の外表面上に設けられてもよいし、あるいは、管状体2の外表面上に設けられてもよい。ただし、
図2の例のように、管継手1の内部に設けられているほうが、好適である。また、仮に管継手1が複数の差込接続口30を有する場合、及び/又は、仮に配管システム6が複数の管継手1を有する場合に、漏水センサ部4は、各差込接続口30につき1つずつ設けられてもよいが、配管システム6を構成する差込接続口30の総数よりも少ない数だけ設けられてもよく、例えば、各管継手1につき1つずつ設けられてもよいし、あるいは、配管システム6の全体に対して1つのみ設けられてもよい。
なお、漏水検知部41は、水を検知することによって漏水を検知するように構成されていてもよい。この場合、漏水センサ部4は、管継手1の内部において、漏水発生時に漏れた水が通り得る経路に面する(露出する)ように配置されていると好適である。例えば、
図2の例において、漏水発生時に漏れた水は、本体部材17と外筒部材15との間の経路を通り得るため、漏水センサ部4は、本体部材17と外筒部材15との間の経路(境界面)に面するように、本体部材17又は外筒部材15の内部に配置されていると好適であり、具体的には、
図2の例のように本体部材17の内部において外筒部材15に接するように配置されているか、あるいは、外筒部材15の内部において本体部材17と接するように配置されていると、好適である。
【0033】
通信部42は、例えば、通信インタフェースにより構成される。漏水センサ部4は、通信部42によって、外部(例えば、所定の装置)との間で、電気的に通信(送信、又は、送信及び受信の両方)できるように構成されている。本例において、漏水センサ部4は、漏水検知情報を、通信部42によって、電気的に、外部に送信できるように構成されている。漏水検知情報は、漏水検知部41から出力される、漏水の検知結果を含む。漏水センサ部4は、漏水の検知結果として、漏水が生じているか否かの判断結果を、漏水検知部41から出力してもよいし、あるいは、漏水が生じていると判断した場合のみ、漏水が生じているとの判断結果を、漏水検知部41から出力してもよい。また、漏水検知情報は、漏水センサ部4の識別情報(ID)を含むと、好適である。また、漏水検知情報は、検知した日時を含んでもよい。
記憶部43は、例えば、ROM及び/又はRAMから構成されている。記憶部43は、例えば、漏水センサ部4の識別情報(ID)を、記憶している。また、記憶部43は、漏水検知部41からの検知結果を(例えば、一時的に)記憶するように構成されていてもよい。その場合、例えば、漏水センサ部4は、漏水検知情報を、外部に送信するタイミングになるまで蓄積するように構成されていてもよい。
なお、漏水センサ部4は、記憶部43を有していなくてもよい。
【0034】
なお、本例において、漏水センサ部4は、位置センサ部3とは別体に構成されているが、漏水センサ部4は、位置センサ部3と一体に構成されていてもよい。この場合、漏水センサ部4の通信部42及び記憶部43は、それぞれ、位置センサ部3の通信部32及び記憶部33によって構成(兼用)されていてもよい。
【0035】
ここで、本実施形態の効果を説明する。
本実施形態では、上述のように、位置センサ部3が、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置(ひいては、管状体2の差込量)を、検知できるように構成されている。
これにより、ユーザは、位置センサ部3からの検知結果を確認するだけで、管状体2と管継手1との接続状態を、目視せずに、確認することができる。そのため、仮に管継手1が目視しにくい位置(例えば、天井の上、壁の裏側等)に配設された場合であっても、管状体2と管継手1との接続状態を確認することが可能になる。よって、確認作業の効率を向上できる。
また、ユーザは、管状体2と管継手1とを接続する際だけでなく、その後の配管システム6の使用期間中においても、管状体2と管継手1との接続状態を、いつでも確認することができる。よって、管状体2と管継手1とがいったん接続された後において、管状体2が管継手1から抜け始めても、ユーザは、それをすぐに把握し、必要な対応を取ることができる。よって、管状体2と管継手1との接続の信頼性を向上できる。
また、位置センサ部3によって管状体2と管継手1との接続状態を自動で検知するので、仮に管状体2と管継手1との接続状態を人が目視で確認する場合に比べて、より精度良く、確実に、管状体2と管継手1との接続状態を把握することができる。よって、管状体2と管継手1との接続の信頼性を向上できる。
なお、一般的に、管継手(ひいては管状体)が大口径の場合(例えば、管継手の呼び径が30~50程度の場合)、流量が多いため、管状体と管継手との接続状態が適正でないと、被害が大きくなるおそれがある。そのため、管継手が大口径の場合、管状体と管継手との接続が適切に完了したか否かを確実に確認できることや、接続完了後の使用期間中において管状体の抜け出しをすぐに把握できることに対する、ニーズが特に大きい。したがって、本実施形態の配管システム6及び管継手システム8は、特に、管継手(ひいては管状体)が大口径の場合に使用されると、これらのニーズに応えることができるので、好適である。
【0036】
-第2実施形態-
図4~
図5は、本発明の第2実施形態に係る配管システム6、及び、本発明の第2実施形態に係る管継手システム8を、説明するための図面である。以下、本発明の第2実施形態に係る配管システム6及び管継手システム8について、第1実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第1実施形態は、複数の位置検知部31(31a~31c)で1つの被検知部5を検知することにより、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を複数の段階で検知できるようにするものであるが、第2実施形態は、1つの位置検知部31で複数の被検知部5(5a~5c)を検知することにより、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を複数の段階で検知できるようにするものである。
なお、管継手1の構成は、第1実施形態と同様でよい。
また、漏水センサ部4の構成は、第1実施形態と同様でよい。
【0037】
本実施形態において、位置センサ部3は、管継手1に設けられており、より具体的には、樹脂リング12の軸線方向第2側の端部に設けられている。図の例において、位置センサ部3は、樹脂リング12に埋設されており、位置センサ部3の内周面は、樹脂リング12の内周面に露出している。
位置センサ部3は、第1実施形態と同様に、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置(ひいては、差込空間16内への管状体2の差込量)を、複数(本例では、3つ)の段階で、検知できるように構成されている。
本実施形態において、位置センサ部3は、位置検知部31を、(複数ではなく)1つのみ有している。一方、管状体2には、複数(より具体的に、本例では、3つ)の被検知部5(5a~5c)が設けられており、これらの被検知部5a~5cが、軸線方向に沿って配列されている。
位置検知部31は、管状体2に設けられた被検知部5(5a~5c)が、自身の近傍(本例では、より具体的に、自身の内周側)に位置するときに、被検知部5(5a~5c)を検知及び識別できるように構成されている。
より具体的に、本例において、位置検知部31は、色を検知できるように構成されている。一方、管状体2に設けられた各被検知部5a~5cは、それぞれ異なる色を有している。各被検知部5a~5cは、例えば、管状体2の外周面上に貼られたテープ、又は、管状体2の外周面上に塗布された塗料又はインク等によって、構成されることができる。なお、各図では、見易さのために、被検知部5の厚みを誇張して示している。本例において、これらの被検知部5a~5cは、管状体2の軸線方向第2側の端部から軸線方向第1側へ離れた位置において、軸線方向に沿って配列されている。そして、位置検知部31は、管状体2に設けられた被検知部5(5a~5c)が、自身の近傍(本例では、より具体的に、自身の内周側)に位置するときに、被検知部5(5a~5c)の色を検知できるように構成されている。なお、例えば、記憶部33には、各被検知部5a~5cの色が予め記憶されており、位置検知部31は、検出した色と、記憶部33に予め記憶された各被検知部5a~5cの色とを、比較することにより、どの被検知部5a~5cを検知したのかを特定(すなわち、検知した被検知部5を識別)するように構成されていると、よい。
【0038】
図5の例において、3つの被検知部5a~5cのうち、最も軸線方向第1側(
図5の左側)にある第1被検知部5aは、管状体2の軸線方向第2側(
図5の右側)の端部が、差込空間16の軸線方向第2側の端部に位置している状態において、位置検知部31の内周側に位置し、位置検知部31によって検知されるように、構成されている(
図5(a))。本例において、管状体2の軸線方向第2側の端部が差込空間16の軸線方向第2側(奥側)の端部に位置している状態とは、管継手1と管状体2との接続状態が適正状態にあることを、意味する。言い換えれば、位置センサ部3は、位置検知部31が第1被検知部5aを検知したことをもって、管状体2の軸線方向第2側の端部が差込空間16の軸線方向第2側(奥側)の端部に位置している状態、ひいては、適正状態を、検知できるように構成されている(
図5(a))。
第1被検知部5aに対して軸線方向第2側に隣接する第2被検知部5bは、管状体2の軸線方向第2側の端部が、最も軸線方向第2側の封止部材14に対し、軸線方向第2側に隣接する位置にある状態において、位置検知部31の内周側に位置し、位置検知部31によって検知されるように、構成されている(
図5(b))。本例において、管状体2の軸線方向第2側の端部が、最も軸線方向第2側の封止部材14に対し、軸線方向第2側に隣接する位置にある状態とは、管状体2が差込空間16から抜け出し始めており、管状体2の軸線方向第2側の端部が封止部材14に近づいてきているため、管継手1と管状体2との接続状態が、点検を要する状態(要点検状態)にあることを、意味する。言い換えれば、位置センサ部3は、位置検知部31が第2被検知部5bを検知したことをもって、管状体2の軸線方向第2側の端部が、最も軸線方向第2側の封止部材14に対し、軸線方向第2側に隣接する位置にある状態、ひいては、要点検状態を、検知できるように構成されている(
図5(b))。
3つの位置検知部31のうち、最も軸線方向第2側にある第3被検知部5cは、管状体2の軸線方向第2側の端部が、最も軸線方向第2側の封止部材14の軸線方向第2側の端から、最も軸線方向第1側の封止部材14の軸線方向第1側の端までの、軸線方向領域内にある状態において、位置検知部31の内周側に位置し、位置検知部31によって検知されるように、構成されている(
図5(c))。本例において、管状体2の軸線方向第2側の端部が、最も軸線方向第2側の封止部材14の軸線方向第2側の端から、最も軸線方向第1側の封止部材14の軸線方向第1側の端までの、軸線方向領域内にある状態とは、管状体2が差込空間16からの抜け出しが相当進んでおり、管状体2の軸線方向第2側の端部が封止部材14に掛かっているおそれがあり、ひいては、漏水のおそれがあるため、管継手1と管状体2との接続状態が、すぐに対応を要する状態(即要対応状態)にあることを、意味する。言い換えれば、位置センサ部3は、位置検知部31が第3被検知部5cを検知したことをもって、管状体2の軸線方向第2側の端部が、最も軸線方向第2側の封止部材14の軸線方向第2側の端から、最も軸線方向第1側の封止部材14の軸線方向第1側の端までの、軸線方向領域内にある状態、ひいては、即要対応状態を、検知できるように構成されている(
図5(c))。
【0039】
位置センサ部3の通信部32及び記憶部33については、第1実施形態と同様でよい。
【0040】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第1実施形態に比べ、位置検知部31の数を少なくすることができるので、構成の簡単化やコストの低減が可能である。
【0041】
-第3実施形態-
図6は、本発明の第3実施形態に係る配管システム6、及び、本発明の第3実施形態に係る管継手システム8を、説明するための図面である。以下、本発明の第3実施形態に係る配管システム6及び管継手システム8について、第1実施形態や第2実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第1実施形態や第2実施形態は、管継手1の樹脂リング12が、ロック爪13の管状体2への食い込みを解放できる機能(解放機能)を有しているものであるが、第3実施形態は、管継手1の樹脂リング12が、解放機能を有していないものである。
なお、樹脂リング12以外の部分の構成については、第1実施形態や第2実施形態と同様でよい。
図6では、第1実施形態(
図1)において、樹脂リング12の構成のみを、解放機能無しのものに変更した例を、示している。
【0042】
図6の例において、樹脂リング12は、キャップ11に対し軸線方向第1側(
図6の左側)に位置するとともに、キャップ11と軸線方向に対向する、係止部121を、有している。このような構成により、樹脂リング12は、仮に治具等により軸線方向第2側へ押されても、係止部121がキャップ11に当たっていることによって、キャップ11に対する軸線方向第2側への相対移動が規制される。これにより、樹脂リング12が、ロック爪13の爪部13aを押圧するのが、防止される。
なお、樹脂リング12は、本例とは異なる構成によって、解放機能が無いものとされてもよい。
【0043】
本実施形態の管継手1によれば、第1実施形態や第2実施形態の効果に加え、冶具等による管状体2の取り外しをできなくすることができる。
一般的に、管継手(ひいては管状体)が大口径の場合(例えば、管継手の呼び径が30~50程度の場合)、管状体を管継手にいったん接続した後は、管状体が管継手から取り外されることはない。したがって、第3実施形態の配管システム6及び管継手システム8は、特に、管継手(ひいては管状体)が大口径の場合に使用されると、好適である。
なお、一方、管継手(ひいては管状体)が比較的小口径の場合(例えば、管継手の呼び径が30未満の場合)、管状体を管継手にいったん接続した後も、管状体を管継手から取り外せることへの要求が高い。したがって、解放機能付きの樹脂リング12を用いる第1実施形態及び第2実施形態は、特に、管継手(ひいては管状体)が比較的小口径の場合に使用されると、好適である。
【0044】
-第4実施形態-
図7~
図9は、本発明の第4実施形態に係る配管システム6、及び、本発明の第4実施形態に係る管継手システム8を、説明するための図面である。以下、本発明の第4実施形態に係る配管システム6及び管継手システム8について、上述の各実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第4実施形態において、管継手1は、差込空間16に対し外周側に隣接するリング状部材として外筒部材15を有している。外筒部材15は、差込空間16の内部を外部から視認できるように構成された、透明な窓部151eを有している。外筒部材15は、その全体が透明な材料で構成されることにより、窓部151eが透明に構成されてもよいし、あるいは、窓部151eを含む一部分のみが透明な材料で構成されることにより、窓部151eが透明に構成されてもよい。窓部151eは、差込空間16のうち少なくとも軸線方向第2側の端部を外部から視認できるように構成されていると好適であり、差込空間16のうち少なくとも軸線方向第2側の一部分を外部から視認できるように構成されているとより好適であり、差込空間16のうち、少なくとも、軸線方向第2側の端部から最も軸線方向第2側の封止部材14までの部分を、外部から視認できるように構成されているとさらに好適である。
図7の例において、窓部151eは、外筒部材15のうち、キャップ11の軸線方向第2側の端部から差込空間16の軸線方向第2側の端部(具体的には、本体部材17の大径部175の軸線方向第1側の端部)までの軸線方向領域に位置する部分である。
窓部151eの外周面は、軸線方向に平行に延在する、第1平滑面部151dを有している。第1平滑面部151dは、周方向に延在している。
位置センサ部3は、第1平滑面部151d上に配置されている(
図7~
図8)。本実施形態において、位置センサ部3は、光学式のセンサであると好適であるが、他の方式のセンサであってもよい。
本実施形態によれば、位置センサ部3が第1平滑面部151d上に配置されているので、位置センサ部3の傾きや位置ずれを抑制でき、位置センサ部3を安定的に管継手1に取り付けることができる。よって、位置センサ部3が、安定的に、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、検知することができる。
また、本実施形態によれば、位置センサ部3は、窓部151eの外周面上に配置されているので、窓部151eを介して、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、問題なく検知することができる。
なお、第1平滑面部151dの軸線方向の長さL3(
図8)は、位置センサ部3の軸線方向の長さL1(
図8)と同じ又はそれよりも長いと、好適である。これにより、位置センサ部3をより安定的に取り付けることができ、ひいては、より安定的に検知することができる。第1平滑面部151dの軸線方向の長さL3(
図8)は、例えば、2~4mmがよい。位置センサ部3の軸線方向の長さL1(
図8)は、例えば、1~3mmがよい。また、位置センサ部3を平面視したときの位置センサ部3の周方向の長さL2(
図9)は、1.5~3.5mmがよい。
また、外筒部材15の窓部151eにおける、第1平滑面部151dから内周面までの径方向厚さT(
図8)は、任意でよいが、例えば、3~6mmが挙げられる。
【0045】
第4実施形態において、配管システム6は、管継手1の窓部151eの外周側に装着された、装着ベース部材91を、さらに備えている(
図7~
図9)と、好適である。装着ベース部材91は、その内周面に、管継手1の軸線方向に平行に延在する、第2平滑面部91dを有している。位置センサ部3は、装着ベース部材91の内部に埋設されている。位置センサ部3は、装着ベース部材91の第2平滑面部91dに沿って延在するように(具体的には、第2平滑面部91dに平行となるように)、装着ベース部材91の内部に埋設されていると、好適である。装着ベース部材91の第2平滑面部91dは、管継手1の窓部151eの第1平滑面部151dに当接していると、好適である。
装着ベース部材91の第2平滑面部91dが、管継手1の窓部151eの第1平滑面部151dに当接していることにより、装着ベース部材91を管継手1に装着する際に、簡単に、装着ベース部材91を管継手1に対して位置決めすることができ、装着ベース部材91が管継手1に対して傾くのを抑制できる。また、位置センサ部3が、装着ベース部材91の第2平滑面部91dに沿って延在するように(具体的には、第2平滑面部91dに平行となるように)、装着ベース部材91の内部に埋設されていることにより、位置センサ部3を管継手1に対して位置決めすることができ、位置センサ部3が管継手1に対して傾くのを抑制できる。
なお、位置センサ部3は、装着ベース部材91の第2平滑面部91dに露出していると好適であるが、装着ベース部材91の第2平滑面部91dに露出していなくてもよい。
第2平滑面部91dの軸線方向の長さL4(
図8)は、第1平滑面部151dの軸線方向の長さL3(
図8)と同じ又はそれよりも長いと、好適である。
【0046】
第4実施形態においては、
図7及び
図8に示す例のように、装着ベース部材91が、外筒部材15のストッパ突起部151cの軸線方向第2側の端面に当てられていると、好適である。これにより、装着ベース部材91を管継手1に装着する際に、簡単に、装着ベース部材91(ひいては位置センサ部3)を管継手1に対して軸線方向に位置決めすることができる。
【0047】
装着ベース部材91は、例えば、金属製であると、好適であるが、他の材料で構成されていてもよい。
【0048】
第4実施形態において、管継手1の第1平滑面部151dは、管継手1の全周にわたって周方向に延在していると、好適である。
一方、装着ベース部材91(ひいては、第2平滑面部91d)は、管継手1の周方向の少なくとも一部にわたって、周方向に延在している。すなわち、装着ベース部材91(ひいては、第2平滑面部91d)は、管継手1の全周にわたって周方向に延在していることにより、軸直方向断面において環状に構成されていてもよいし、あるいは、管継手1の周方向の一部のみにわたって周方向に延在していることにより、軸直方向断面においてC字状に構成されていてもよい。装着ベース部材91の第2平滑面部91dは、装着ベース部材91の周方向の全長にわたって、第1平滑面部に当接していると、好適である。
このような構成により、装着ベース部材91(ひいては位置センサ部3)を安定的に管継手1に対して位置決めすることができる。
なお、装着ベース部材91が軸直方向断面においてC字状に構成される場合、装着ベース部材91を管継手1に嵌め込むだけで装着ベース部材91を装着できるので、装着がしやすくなる。
【0049】
第4実施形態において、配管システム6は、管継手1に設けられた、無線タグ94を、さらに備えていると、好適である。無線タグ94は、位置センサ部3から出力される、差込空間内16における管状体2の軸線方向位置の検知結果を含む位置検知情報を、取得するように構成されている。また、無線タグ94は、受信装置71(例えば、後述の受信装置71(
図11))によって、無線タグ94から位置検知情報を無線通信により受信できるように構成されている。
無線タグ94は、例えば、RFIDタグ又はICタグ等として構成される。
また、受信装置71としては、例えば、RFIDタグリーダ又はICタグリーダが挙げられる。
このような構成により、受信装置71を持つユーザは、位置センサ部3からの検知情報を、受信装置71によって、取得することができる。これにより、天井裏などの閉鎖環境に管継手1が施工されても、遠隔での接続確認が可能となる。ここで、施工者だけでなく、第三者による施工完了確認も可能である。また、受信装置71が反応する方向でどこに管継手1が設置されているかを探る等して、天井裏などの隠蔽部にある管継手1の位置を把握することも可能になる、というメリットもある。
この場合、配管システム6は、位置センサ部3から出力される位置検知情報を処理して無線タグ94に蓄積する、処理部93をさらに備えると、好適である。位置センサ部3、処理部93、及び無線タグ94どうしの間の通信は、有線通信であってもよいし、あるいは、無線通信であってもよい。
【0050】
第4実施形態において、無線タグ94は、
図7~
図9に示す例のように、装着ベース部材91の内部に埋設されていると、好適である。この場合、無線タグ94のアンテナ95は、装着ベース部材91の内部を周方向に延在していると、好適である。アンテナ95は、管継手1の周方向の一部のみにわたって延在していてもよいし、あるいは、管継手1の全周にわたって延在していてもよい。
このような構成により、受信装置71を持つユーザと管継手1との間の距離を長くとることができるので、ユーザの利便性を向上できる。
なお、無線タグ94のうち、アンテナ95以外の部分(例えば、ICチップ96)は、装着ベース部材91の内部において任意の部分に配置されてよい。例えば、装着ベース部材91は、外周側へ突出する突出部92を有し(
図9)、無線タグ94のうち、アンテナ95以外の部分(例えば、ICチップ96)が、突出部92の内部に配置されてもよい。
また、この場合、処理部93も、装着ベース部材91の内部に埋設されていると、好適である。処理部93は、装着ベース部材91の内部において任意の部分に配置されてよく、例えば、
図7の例のように、装着ベース部材91の突出部92の内部に配置されてもよい。
【0051】
軸線方向断面における位置センサ部3の視野角θ(
図7)を調整することにより、位置センサ部3による差込空間16の軸線方向の視野長さD(
図7)を調整することができ、それにより、差込不足の程度を検知可能である。視野角θとしては、例えば、60°~125°が好適である。視野長さDとしては、例えば、5~18mmが好適である。
【0052】
第4実施形態において、装着ベース部材91と、装着ベース部材91の内部に埋設される各要素(図の例では、位置センサ部3、無線タグ94、及び、処理部93等)とは、装着ユニット9を構成している。装着ユニット9は、配管システム6のうち、管継手システム8に備えられている。
【0053】
なお、上述した第1実施形態~第3実施形態では、位置センサ部3が、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、3つの段階で、検知できるように構成されているが、本明細書で説明する各例において、位置センサ部3は、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、任意の複数(例えば、2つ又は4つ以上)の段階で、検知できるように構成されてよい。このような場合、例えば、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、1つの段階で検知する場合に比べて、管状体と管継手との接続状態を、より詳細に、把握することが可能になる。
ただし、本明細書で説明する各例において、位置センサ部3は、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、1つの段階で、検知できるように構成されてもよい。
ここで、「差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、1つの段階で、検知できるように構成され」るとは、差込空間16内における所定の1つの軸線方向位置(点位置、又は、軸線方向に沿って幅を有する領域)において、管状体2の所定部分(例えば、軸線方向第2側の端部)が位置しているか否かを、検知できるようにされていることを指す。
なお、位置センサ部3が、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、1つ又は複数の段階で、検知できるように構成される場合、位置センサ部3によって検出される管状体2の軸線方向位置(点位置、又は、軸線方向に沿って幅を有する領域)は、
図1~
図5の例に限らず、任意に設定してよい。
また、本明細書で説明する各例において、位置センサ部3は、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、連続的に、検知できるように構成されてもよい。
ここで、「差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、連続的に、検知できるように構成され」るとは、差込空間16内における各点状の軸線方向位置(点位置)のそれぞれにおいて、管状体2の所定部分(例えば、軸線方向第2側の端部)が位置しているか否かを検知できるようにされていることを指す。この場合、管状体2の所定部分が、差込空間16内におけるどの軸線方向位置にあるかを、より正確に検知することができる。
【0054】
なお、位置センサ部3(ひいては位置検知部31)は、上述した各例とは異なる任意の手法によって、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、1つ若しくは複数の段階で、又は、連続的に、検知できるように構成されてよい。
例えば、第1実施形態(
図1)において、位置センサ部3は、金属を検知する代わりに、第2実施形態(
図4)のように、被検知部5又は管状体2の色を検知することにより、管状体2の軸線方向位置を検知できるように構成されてもよい。
また、本明細書で説明する各例において、管状体2の外表面に予め形成された傷等の凹凸(段差)のある部分を被検知部5とし、位置センサ部3を、被検知部5の凹凸(段差)を検知することにより、管状体2の軸線方向位置を検知できるように構成してもよい。
あるいは、位置センサ部3は、管状体2又は被検知部5に対し超音波又は近赤外線等を照射したときの反射や透過の変化量を、検知することにより、管状体2の軸線方向位置を検知できるように構成されてもよい。
あるいは、位置センサ部3は、レーザー光によって、管状体2の軸線方向位置を検知できるように構成されてもよい。
あるいは、位置センサ部3は、管状体2又は被検知部5が差込空間16内における所定の軸線方向位置に到達したときに管状体2又は被検知部5との係合によって切り換えられるように構成された物理的なスイッチによって、管状体2の軸線方向位置を検知できるように構成されてもよい。
あるいは、管状体2及び差込空間16内のそれぞれの所定部分に導体を設けておき、位置センサ部3を、管状体2上の導体(被検知部5を構成する。)と差込空間16内の導体とが接触したときに通電するような構成によって、管状体2の軸線方向位置を検知できるように構成してもよい。
【0055】
上述した第1実施形態~第4実施形態(
図1~
図9)においては、位置センサ部3が、管状体2に設けられた被検知部5を検知することにより、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を検知できるように構成されている。これにより、仮に位置センサ部3が管状体2自体を検知するように構成されている場合に比べて、管状体と管継手との接続状態を、より確実に、検知することが可能になり、また、位置センサ部3の構成を簡単化することが可能になる。
ただし、管状体2には、被検知部5が設けられていなくてもよく、例えば、位置センサ部3は、被検知部5が設けられていない通常の管状体2を検知するように構成されていてもよい。この場合は、管状体2に被検知部5を設ける工程を不要にすることができるという利点がある。
【0056】
上述した第1実施形態~第3実施形態(
図1~
図6)のように、位置センサ部3が、管継手1における、差込空間16に対し外周側に隣接するリング状部材12、13、15(より具体的に、第1及び第3実施形態では外筒部材15、第2実施形態では樹脂リング12)に設けられている場合は、仮に位置センサ部3が上記リング状部材12、13、15よりも外周側に位置する部材(図の例では、キャップ11)に設けられた場合に比べて、位置センサ部3が、差込空間16に隣接した位置に配置されるので、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を、より確実に検知することができる。また、仮に位置センサ部3が差込空間16に対し内周側に位置する部材(図の例では、本体部材17の内筒部171)に設けられた場合に比べて、位置センサ部3が、水との接触や水圧等により破損するおそれを低減できる。
ただし、位置センサ部3は、管継手1の内部における任意の位置に設けられてよい。この場合、位置センサ部3は、管継手1を構成する任意の部材に埋設されてもよいし、あるいは、管継手1を構成する任意の部材の表面上に接着等により固定されてもよい。なお、第2実施形態(
図4)のように、位置センサ部3を樹脂リング12に設ける場合、樹脂リング12は、
図4に示すものよりも長く形成されていると、位置センサ部3による検知がしやすくなる場合があるので好適である。
また、位置センサ部3は、管継手1及び管状体2の両方に、設けられてもよい。
【0057】
上述した第1実施形態~第4実施形態(
図1~
図9)においては、漏水センサ部4が設けられているため、漏水検知も可能である。
ただし、漏水センサ部4は、設けられていなくてもよい。
【0058】
上述した第1実施形態~第4実施形態(
図1~
図9)においては、位置センサ部3及び漏水センサ部4が、それぞれの検知情報(位置検知情報、漏水検知情報)を、電気的に(すなわち、有線通信及び/又は無線通信により)、外部へ送信できるように構成されている。これにより、ユーザが、位置センサ部3及び漏水センサ部4からの検知情報を、簡単に取得することができる。なお、第4実施形態においては、上述のように、位置センサ部3が、位置検知情報を、無線タグ94を介して、無線通信により、外部へ送信できるように構成されている。
特に、位置センサ部3及び漏水センサ部4は、それぞれ、差込空間16内における管状体2の軸線方向位置を検知してからすぐに(リアルタイムで)、それぞれの検知情報を、外部へ送信するように構成されていると、好適である。これにより、ユーザは、位置センサ部3及び/又は漏水センサ部4からの検知情報を、リアルタイムで取得することができる。よって、ユーザは、配管システム6に不具合(管状体2の抜けや漏水)が生じ始めたときに、迅速に対応することが可能になる。
なお、位置センサ部3及び漏水センサ部4は、それぞれ、それぞれの検知情報(位置検知情報、漏水検知情報)を、無線通信により、外部へ送信できるように構成されていると、好適である。これにより、有線通信により送信する場合に比べて、通信ケーブル等の配設が不要になるので、通信インフラを簡単化することができる。なお、第4実施形態においては、上述のように、位置センサ部3が、位置検知情報を、無線タグ94を介して、無線通信により、外部へ送信できるように構成されている。
なお、配管システム6は、後に
図11を参照しながら説明するように、所定の受信装置71が位置センサ部3及び/又は漏水センサ部4から所定の距離内に位置するときに、当該位置センサ部3及び/又は漏水センサ部4からの検知情報(位置検知情報、漏水検知情報)が、当該所定の受信装置71によって受信可能になるように構成されていると、好適である。これにより、仮に常に(随時又は定期的に)検知情報を受信装置71によって受信するように構成されている場合(例えば、後述の
図10の例)に比べて、通信インフラを簡単化又は省略できる。ここで、「所定の受信装置71」とは、例えば、位置センサ部3及び/又は漏水センサ部4との通信を確立できるように構成された装置を指す。
【0059】
上述した第1実施形態~第4実施形態(
図1~
図9)においては、管継手1の差込接続口30が、封止部材14と管状体2の内周面とが接触することにより管状体2と管継手1との間を止水するように構成された、内面止水構造を有している。
ただし、上述した各例において、管継手1の差込接続口30は、封止部材14と管状体2の外周面とが接触することにより管状体2と管継手1との間を止水するように構成された、外面止水構造を有していてもよい。この場合、封止部材14は、差込空間16に対して外周側に隣接して配置される。また、この場合、内筒部171は無くてもよく、差込空間16は、例えば、外筒部151の内周面によって区画される。
【0060】
〔配管情報システム〕
つぎに、本発明の配管情報システムの実施形態について、
図10~
図11を参照しつつ、説明する。本発明の配管情報システムの実施形態は、上述した本発明の任意の実施形態に係る配管システム(ひいては、本発明の任意の実施形態に係る管継手システム)を備えることができる。
【0061】
-第1実施形態-
図10は、本発明の第1実施形態に係る配管情報システム7を説明するための図面である。
本実施形態の配管情報システム7は、上述した任意の例の配管システム6と、受信装置71としてのローカルサーバ72と、遠隔サーバ73と、監視端末74と、を備えている。
【0062】
本実施形態において、配管システム6は、1つ又は複数の位置センサ部3と、1つ又は複数の漏水センサ部4とを、有している。各位置センサ部3と各漏水センサ部4とは、それぞれ、それぞれの検知情報(位置検知情報、漏水検知情報)を、電気的に(無線通信及び/又は有線通信により)、外部へ送信できるように構成されている。なお、位置センサ部3は、配管システム6の第4実施形態(
図7~
図9)のように、無線タグ94を介して、位置検知情報を、無線通信により、外部へ送信できるように構成されていてもよい。各位置センサ部3からの位置検知情報には、検知結果に加えて、それぞれの位置センサ部3の識別情報(ID)が含まれると、好適である。また、各漏水センサ部4からの漏水検知情報には、検知結果に加えて、それぞれの漏水センサ部4の識別情報(ID)が含まれると、好適である。
【0063】
ローカルサーバ72は、配管システム6が配設された建物に設置されており、例えば、通信部721と、処理部722と、記憶部723とを、備える。
通信部721は、例えば、通信インタフェースにより構成される。ローカルサーバ72は、通信部721によって、配管システム6における各位置センサ部3及び各漏水センサ部4、並びに、遠隔サーバ73との間で、通信できるように構成されている。より具体的に、ローカルサーバ72は、通信部721によって、配管システム6における各位置センサ部3及び各漏水センサ部4からの検知情報を受信できるように構成されている。各位置センサ部3及び各漏水センサ部4からの検知情報の受信は、随時(検知されたタイミングで)行われると好適であるが、例えば、所定のタイミングで(例えば定期的に)行われてもよい。また、ローカルサーバ72は、通信部721によって、各位置センサ部3及び各漏水センサ部4からの検知情報を、遠隔サーバ73に送信できるように構成されている。ローカルサーバ72から遠隔サーバ73への検知情報の送信は、例えば、所定のタイミングで(例えば定期的に)行われる。
処理部722は、例えば、CPUにより構成される。処理部722は、例えば、記憶部723に記憶されたプログラムを実行して、ローカルサーバ72の全体の制御を行う。
記憶部723は、例えば、ROM及び/又はRAMから構成される。記憶部723は、処理部722が実行するためのプログラムや処理部722が用いるパラメータなどを記憶しているとともに、各位置センサ部3及び各漏水センサ部4からの検知情報を蓄積するためのデータベース(DB)724を有している。ローカルサーバ72は、例えば、遠隔サーバ73への送信タイミングになるまでに各位置センサ部3及び各漏水センサ部4から受信した検知情報を、データベース724内に蓄積し、送信タイミングになると、データベース724内に蓄積された検知情報を、遠隔サーバ73へ送信するように構成される。
【0064】
遠隔サーバ73は、配管システム6が配設された建物から離れた位置に設置されており、例えば、通信部731と、処理部732と、記憶部733とを、備える。遠隔サーバ73は、例えば、IT事業者によって運用される。
通信部731は、例えば、通信インタフェースにより構成される。遠隔サーバ73は、通信部731によって、ローカルサーバ72及び監視端末74との間で、通信できるように構成されている。より具体的に、遠隔サーバ73は、通信部731によって、ローカルサーバ72からの検知情報を受信できるように構成されている。また、遠隔サーバ73は、通信部731によって、ローカルサーバ72からの検知情報に基づいて所定の解析をした結果(解析結果)を、監視端末74に送信できるように構成されている。遠隔サーバ73から監視端末74への解析結果の送信は、例えば、所定のタイミングで(例えば定期的に)行われてもよいし、あるいは、不具合(管状体2の抜け及び/又は漏水)が発生したとの解析結果が得られたときのみ行われてもよい。
処理部732は、例えば、CPUにより構成される。処理部732は、例えば、記憶部733に記憶されたプログラムを実行して、遠隔サーバ73の全体の制御を行う。
記憶部733は、例えば、ROM及び/又はRAMから構成される。記憶部733は、処理部732が実行するためのプログラムや処理部732が用いるパラメータなどを記憶しているとともに、ローカルサーバ72から受信する検知情報を蓄積するためのデータベース(DB)734を有している。遠隔サーバ73は、例えば、データベース734内に蓄積した検知情報に基づいて、所定の解析を行うように構成される。かつ/又は、遠隔サーバ73は、例えば、監視端末74への送信タイミングになるまでにローカルサーバ72から受信した検知情報を、データベース734内に蓄積し、送信タイミングになると、データベース734内に蓄積された検知情報を、解析結果と併せて、監視端末74へ送信するように構成される。
【0065】
監視端末74は、例えば、コンピュータから構成される。監視端末74は、例えば、配管システム6の製造者又はメンテナンス業者等によって運用される監視センター等に設置される。監視端末74は、例えば、遠隔サーバ73から受信する解析結果に基づいて、配管システム6に不具合(管状体2の抜け及び/又は漏水)が発生したと判断した場合に、報知できるように構成される。報知は、例えば、表示部(図示せず)への表示、及び/又は、音発生部(図示せず)による音の発生などにより、行うことができる。
【0066】
第1実施形態の配管情報システム7は、上述のように構成されているので、製造者又はメンテナンス業者等は、監視端末74からの報知があると、例えば、所定の工事店に配管システム6の工事を発注する等して、迅速な対応をとることができる。
【0067】
なお、第1実施形態において、配管情報システム7は、ローカルサーバ72と遠隔サーバ73とのいずれか一方のみを備え、それを受信装置71としてもよい。
また、本実施形態において、配管システム6は、漏水センサ部4を備えていなくてもよい。
【0068】
-第2実施形態-
図11は、本発明の第2実施形態に係る配管情報システム7を説明するための図面である。
本実施形態の配管情報システム7は、上述した任意の例の配管システム6と、受信装置71と、を備えている。
【0069】
本実施形態において、配管システム6は、1つ又は複数の位置センサ部3と、1つ又は複数の漏水センサ部4とを、有している。各位置センサ部3と各漏水センサ部4とは、それぞれ、それぞれの検知情報(位置検知情報、漏水検知情報)を、電気的に(無線通信及び/又は有線通信により)、外部へ送信できるように構成されている。なお、位置センサ部3は、配管システム6の第4実施形態(
図7~
図9)のように、無線タグ94を介して、位置検知情報を、無線通信により、外部へ送信できるように構成されていてもよい。各位置センサ部3からの位置検知情報には、検知結果に加えて、それぞれの位置センサ部3の識別情報(ID)が含まれると、好適である。また、各漏水センサ部4からの漏水検知情報には、検知結果に加えて、それぞれの漏水センサ部4の識別情報(ID)が含まれると、好適である。
この配管情報システム7は、所定の受信装置71が、位置センサ部3(又は無線タグ94)及び/又は漏水センサ部4から所定の距離内に位置するときに、位置センサ部3及び/又は漏水センサ部4からの検知情報(位置検知情報、漏水検知情報)が、当該所定の受信装置71によって受信可能になるように構成されている。より具体的に、この受信装置71は、例えば自身を中心とする所定半径(例えば、数m~数十m)の球状のエリア内に、電波を発信しており、その電波発信エリア内に位置センサ部3(又は無線タグ94)及び/又は漏水センサ部4が位置する状態において、当該位置センサ部3及び/又は漏水センサ部4からの検知情報を受信できるように構成されている。
受信装置71は、
図11に示す例のように、人が持ち運びできるような携帯式に構成されていると、好適である。
位置センサ部3(又は無線タグ94)及び漏水センサ部4は、例えば、受信装置71との通信が可能な間のみにおいて、検知情報を、受信装置71に対して送信するように構成されていると、好適であるが、常に(随時、又は、定期的に)、検知情報を外部に発信するように構成されていてもよい。
【0070】
第2実施形態の配管情報システム7は、上述のように構成されているので、例えば、受信装置71を持ったユーザ(検査者等)が配管システム6の近くを歩くだけで、受信装置71によって検知情報を収集し、収集した情報に基づいて検査を行うことが、可能になる。配管システム6は、天井C(
図11)の上側や壁の裏側等、目視できないところに配設されている場合が多いため、本実施形態の配管情報システム7は、そのような場合でも問題なく検知情報の収集が可能であるという利点がある。
また、受信装置71が位置センサ部3(又は無線タグ94)及び/又は漏水センサ部4に近づいたときのみ、受信装置71にて検知情報の受信が行われるので、上述の第1実施形態(
図10)のように、常時、受信装置71にて検知情報が受信されるような場合に比べて、通信インフラを簡単化又は省略でき、ひいては、コストの低減が可能である。
【0071】
なお、第2実施形態において、配管情報システム7は、受信装置71から検知情報を受信するように構成された装置(サーバ等)を、さらに備えてもよい。
また、本実施形態において、配管システム6は、漏水センサ部4を備えていなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の配管システム、配管情報システム、及び、管継手システムは、例えば給水や給湯等のための配管に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0073】
1:管継手、
11:キャップ、 111:キャップの軸線方向第1側部分、 112:キャップの軸線方向第2側部分、 112a、112b:嵌合凹部、
12:樹脂リング(リング状部材)、 121:係止部、
13:ロック爪(リング状部材)、 131a:爪部、
14:封止部材、
15:外筒部材(リング状部材)、 151:外筒部材の延出部分(外筒部)、 151a、151b:嵌合突起部、 151c:ストッパ突起部、 151d:第1平滑面部、 151e:窓部、 152:外筒部材の軸線方向第2側部分、
16:差込空間、
17:本体部材、 171:本体部材の軸線方向第1側部分(内筒部)、 171a:環状溝、 172:本体部材の軸線方向第2側部分、 172a:ねじ部、 173:本体部材のトルク入力部分、 174:本体部材の小径部、 175:本体部材の大径部、 176:本体部材の軸線方向中間部分、
30:差込接続口、
2:管状体、
3:位置センサ部、 31、31a~31c:位置検知部、 32:通信部、 33:記憶部、 34:支持部、
4:漏水センサ部、 41:漏水検知部、 42:通信部、 43:記憶部、
5:被検知部、
6:配管システム、
7:配管情報システム、 71:受信装置、
72:ローカルサーバ、 721:通信部、 722:処理部、 723:記憶部、 724:データベース、
73:遠隔サーバ、 731:通信部、 732:処理部、 733:記憶部、 734:データベース、
74:監視端末、
8:管継手システム、
9:装着ユニット、 91:装着ベース部材、 91:第2平滑面部、 92:突出部、 93:処理部、 94:無線タグ、 95:アンテナ、 96:ICチップ、
ID:差込方向、 PD:引抜方向、 O:管継手の管軸線、
C:天井