(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】半導体製造装置用部材
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240515BHJP
C04B 37/02 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
H01L21/68 N
C04B37/02 Z
(21)【出願番号】P 2021097247
(22)【出願日】2021-06-10
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 靖也
(72)【発明者】
【氏名】久野 達也
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-194616(JP,A)
【文献】特許第6108051(JP,B1)
【文献】特開2006-080389(JP,A)
【文献】特開2020-119997(JP,A)
【文献】特開2017-224710(JP,A)
【文献】特開平07-335731(JP,A)
【文献】特開2018-148162(JP,A)
【文献】特開2021-044305(JP,A)
【文献】特開2021-044302(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0098564(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
C04B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円盤状又は円環状のセラミックヒータと、
金属ベースと、
前記金属ベースと前記セラミックヒータとを接着する接着材と、
前記接着材の周囲を囲むように前記セラミックヒータと前記金属ベースとの間に設けられた接着性の保護材と、
前記接着材と前記保護材との間に設けられ、前記接着材と前記保護材とが接着するのを防止する接着防止層と、
を備え
、
前記金属ベースのうち前記セラミックヒータに対向する面の縁の内側には、円周突起部が設けられ、前記保護材は、前記セラミックヒータと前記円周突起部と前記金属ベースとによって囲まれた空間に設けられている、
半導体製造装置用部材。
【請求項2】
前記接着防止層は、空隙層又は接着力のない材料で形成された非接着層である、
請求項1に記載の半導体製造装置用部材。
【請求項3】
前記セラミックヒータのうち前記金属ベースに対向する面の縁には、面取り部が設けられ、前記保護材は、前記面取り部と前記金属ベースとによって囲まれた空間に設けられている、
請求項1又は2に記載の半導体製造装置用部材。
【請求項4】
円盤状又は円環状のセラミックヒータと、
金属ベースと、
前記金属ベースと前記セラミックヒータとを接着する接着材と、
前記接着材の周囲を囲むように前記セラミックヒータと前記金属ベースとの間に設けられた接着性の保護材と、
を備え、
前記接着材は、主要部と、前記主要部の周囲に沿って設けられ、前記保護材と接着された幅狭な副部と、前記主要部と前記副部との間に設けられた接着防止部と、を有する、
半導体製造装置用部材。
【請求項5】
前記接着防止部は、円周に沿って断続的に又は連続して設けられている、
請求項
4に記載の半導体製造装置用部材。
【請求項6】
前記接着防止部は、空隙部又は接着力のない材料で形成された非接着部である、
請求項
4又は
5に記載の半導体製造装置用部材。
【請求項7】
前記金属ベースは、前記金属ベースの側面及び前記セラミックヒータに対向する面のうち少なくとも前記保護材が形成されている部分に絶縁膜を有する、
請求項1~
6のいずれか1項に記載の半導体製造装置用部材。
【請求項8】
前記セラミックヒータは、フォーカスリングが載置される円環状の部材であり、
前記接着材は、円環状であり、
前記保護材は、前記接着材の内周側及び外周側にそれぞれ設けられている、
請求項1~
7のいずれか1項に記載の半導体製造装置用部材。
【請求項9】
前記セラミックヒータは、ウエハが載置される円盤状の部材であり、
前記接着材は、円形であり、
前記保護材は、前記接着材の外周側に設けられている、
請求項1~
7のいずれか1項に記載の半導体製造装置用部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハにプラズマを利用してCVDやエッチングなどを行うためにウエハ処理装置が用いられる。特許文献1には、円盤状の中心側金属ベースと円環状の外周側金属ベースとが連結された金属ベースと、中心側金属ベースの上面に設けられた円盤状の中心側静電チャックヒータと、外周側金属ベースの上面に設けられた円環状の外周側静電チャックヒータとを備えたウエハ処理装置が開示されている。このウエハ処理装置では、中心側静電チャックヒータの上面に円盤状のウエハを静電吸着すると共に、外周側静電チャックヒータの上面に円環状のフォーカスリングを静電吸着する。また、ウエハの温度とフォーカスリングの温度とは、それぞれ個別に制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外周側金属ベースと外周側静電チャックヒータとは接着シートによって接着されている。接着シートは、使用環境において腐食することがある。そのため、接着シートの周囲(内周部と外周部)を囲むように保護材を充填することにより、接着シートの腐食を防止することが考えられる。こうした技術は、本発明者らの知る限り、現在のところ公知になっていない。接着シートの周囲を囲むように保護材を充填すると、接着シートと保護材とは緊密に接着して一体化する。この状態で外周側静電チャックヒータが高温になると、接着シートも保護材も半径外方向に伸びようとする。ここで、接着シートのCTE(熱膨張係数)が保護材のCTEよりも大きい場合、接着シートの伸び量が保護材の伸び量よりも大きいため、接着シートの内周部では保護材が接着シートに引っ張られる。その結果、接着シートか保護材の少なくとも一方において剥離や亀裂が発生することがある。一方、接着シートのCTEが保護材のCTEよりも小さい場合、保護材の伸び量が接着シートの伸び量よりも大きいため、接着シートの外周部では接着シートが保護材に引っ張られる。その結果、接着シートか保護材の少なくとも一方において剥離や亀裂が発生することがある。この点は、中心側金属ベースと中心側静電チャックヒータとの間の接着シートについても同様である。なお、こうした問題は静電吸着機能の有無に関わりなく発生する。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、セラミックヒータと金属ベースとを接着する接着材を保護材で保護すると共に接着材と保護材との熱膨張差に起因する不具合の発生を防止することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の半導体製造装置用部材は、
円盤状又は円環状のセラミックヒータと、
金属ベースと、
前記金属ベースと前記セラミックヒータとを接着する接着材と、
前記接着材の周囲を囲むように前記セラミックヒータと前記金属ベースとの間に設けられた接着性の保護材と、
前記接着材と前記保護材との間に設けられ、前記接着材と前記保護材とが接着するのを防止する接着防止層と、
を備えたものである。
【0007】
この半導体製造装置用部材は、接着材の周囲を囲む接着性の保護材を備えている。また、接着材と保護材との間に、接着材と保護材とが接着するのを防止する接着防止層を備えている。接着材は保護材によって保護されているため、半導体製造装置用部材の使用環境での接着材の耐食性が向上する。また、接着材のCTEが保護材のCTEより大きくても小さくても、CTEの小さい方がCTEの大きい方に引っ張られることがないかほとんどないため、接着材や保護材に剥離や亀裂が発生するのを防止することができる。したがって、接着材を保護材で保護すると共に接着材と保護材との熱膨張差に起因する不具合の発生を防止することができる。
【0008】
本発明の第1の半導体製造装置用部材において、前記接着防止層は、空隙層であってもよいし、接着力のない材料で形成された非接着層であってもよい。空隙層は、接着材と保護材とをセパレートする役割を果たす。接着力のない材料で形成された非接着層は、接着材及び保護材の一方が他方を引っ張るのを阻止又は抑制する役割を果たす。なお、「接着力のない材料」は、接着力が全くない材料のほか、接着材及び保護材の一方が他方を引っ張ることのできない程度の弱い接着力を有する材料も含む(以下同じ)。
【0009】
本発明の第1の半導体製造装置用部材であって、前記セラミックヒータのうち前記金属ベースに対向する面の縁には、面取り部が設けられていてもよく、前記保護材は、前記面取り部と前記金属ベースとによって囲まれた空間に設けられていてもよい。こうすれば、保護材の使用量を略一定に制御することができる。
【0010】
本発明の第1の半導体製造装置用部材において、前記金属ベースのうち前記セラミックヒータに対向する面の縁の内側には、円周突起部が設けられていてもよく、前記保護材は、前記セラミックヒータと前記円周突起部と前記金属ベースとによって囲まれた空間に設けられていてもよい。このようにしても、保護材の使用量を略一定に制御することができる。
【0011】
本発明の第2の半導体製造装置用部材は、
円盤状又は円環状のセラミックヒータと、
金属ベースと、
前記金属ベースと前記セラミックヒータとを接着する接着材と、
前記接着材の周囲を囲むように前記セラミックヒータと前記金属ベースとの間に設けられた接着性の保護材と、
を備え、
前記接着材は、主要部と、前記主要部の周囲に沿って設けられ、前記保護材と接着された幅狭な副部と、前記主要部と前記副部との間に設けられた接着防止部と、を有する、
ものである。
【0012】
この半導体製造装置用部材は、接着材の周囲を囲む接着性の保護材を備えている。また、接着材は、主要部と、主要部の周囲に沿って設けられ、前記保護材と接着された幅狭な副部と、主要部と副部との間に設けられた接着防止部と、を有する。接着材は保護材によって保護されているため、半導体製造装置用部材の使用環境での接着材の耐食性が向上する。また、接着材のCTEが保護材のCTEより大きくても小さくても、CTEの小さい方がCTEの大きい方に引っ張られる力は接着材の幅狭な副部と保護材との間に働く比較的小さな力のため、接着材や保護材に剥離や亀裂が発生するのを防止することができる。したがって、接着材を保護材で保護すると共に接着材と保護材との熱膨張差に起因する不具合の発生を防止することができる。
【0013】
本発明の第2の半導体製造装置用部材において、前記接着防止部は、円周に沿って断続的に設けられていてもよいし、円周に沿って連続して設けられていてもよい。このようにしても上述した効果を得ることができる。
【0014】
本発明の第2の半導体製造装置用部材において、前記接着防止部は、空隙部であってもよいし、接着力のない材料で形成された非接着部であってもよい。空隙部は、接着材の主要部と副部とをセパレートする役割を果たす。接着力のない材料で形成された非接着部は、接着材の主要部が副部を介して保護材を引っ張ったり保護材に引っ張られたりするのを阻止又は抑制する役割を果たす。
【0015】
本発明の第1及び第2の半導体製造装置用部材において、前記金属ベースは、前記金属ベースの側面及び前記セラミックヒータに対向する面のうち少なくとも前記保護材が形成されている部分に絶縁膜を有していてもよい。こうすれば、金属ベースを介して予期せぬ放電が起きるのを防止することができる。絶縁膜は、使用環境下での耐食性を有していることが好ましい。絶縁膜としては、例えばセラミック溶射膜などが挙げられる。こうした絶縁膜は、金属ベースのセラミックヒータに対向する面のうち接着材が形成されている部分に及ぶように設けてもよい。
【0016】
本発明の第1及び第2の半導体製造装置用部材において、前記セラミックヒータは、フォーカスリングが載置される円環状の部材であってもよく、前記接着材は、円環状であってもよく、前記保護材は、前記接着材の内周側及び外周側にそれぞれ設けられていてもよい。つまり、半導体製造装置用部材として、フォーカスリング載置台を採用してもよい。フォーカスリング載置台では、接着材のCTEが保護材のCTEよりも小さい場合には、少なくとも接着材の外周部とその外側に設けられた保護材との間に接着防止層を設けるようにしてもよく、接着材のCTEが保護材のCTEよりも大きい場合には、少なくとも接着材の内周部とその内側に設けられた保護材との間に接着防止層を設けるようにしてもよい。
【0017】
本発明の第1及び第2の半導体製造装置用部材において、前記セラミックヒータは、ウエハが載置される円盤状の部材であってもよく、前記接着材は、円形であってもよく、前記保護材は、前記接着材の外周側に設けられていてもよい。つまり、半導体製造装置用部材として、ウエハ載置台を採用してもよい。ウエハ載置台では、接着材のCTEが保護材のCTEよりも小さい場合に、本発明の構成を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図4】接着シート25のCTEの方が内周側及び外周側保護材27i,27oのCTEよりも大きい場合の説明図。
【
図5】接着シート25のCTEの方が内周側及び外周側保護材27i,27oのCTEよりも小さい場合の説明図。
【
図6】フォーカスリング載置台20の変形例の断面図。
【
図7】フォーカスリング載置台20の変形例の断面図。
【
図8】フォーカスリング載置台20の変形例の断面図。
【
図9】フォーカスリング載置台20の変形例の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。
図1はウエハ処理装置10の縦断面図、
図2はフォーカスリング載置台20の平面図、
図3は
図2のA-A断面図(部分拡大図付き)、
図4は接着シート25のCTEの方が内周側及び外周側保護材27i,27oのCTEよりも大きい場合の説明図、
図5は接着シート25のCTEの方が内周側及び外周側保護材27i,27oのCTEよりも小さい場合の説明図である。以下の説明において、上下、左右、前後などを用いて説明することがあるが、上下、左右、前後は、相対的な位置関係に過ぎない。
【0020】
ウエハ処理装置10は、ウエハWにプラズマを利用してCVDやエッチングなどを行うために用いられるものであり、半導体プロセス用のチャンバ80の内部に設けられた設置板82に固定されている。ウエハ処理装置10は、ウエハ載置台12とフォーカスリング載置台20とを備えている。以下、フォーカスリングは「FR」と略すことがある。
【0021】
ウエハ載置台12は、ウエハ用セラミックヒータ14と、ウエハ用冷却板16とを備えている。ウエハ用冷却板16は、ウエハ用セラミックヒータ14のウエハ載置面である表面14aとは反対側の裏面14bに接着シート15を介して接着されている。接着シート15は、円形の両面接着テープである。接着シート15の材質としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0022】
ウエハ用セラミックヒータ14は、円盤状の部材であり、セラミック基体14cに抵抗発熱体14dが埋設されたものである。セラミック基体14cは、アルミナ、窒化アルミニウム、イットリアなどに代表されるセラミック材料からなる円盤状のプレートである。セラミック基体14cの表面14aには、ウエハWが載置される。抵抗発熱体14dは、導電性のあるコイル又は印刷パターンで作製され、平面視したときに全面にわたって一筆書きの要領で一端から他端まで交差することなく配線されている。抵抗発熱体14dの一端と他端は、設置板82、ウエハ用冷却板16及び接着シート15を貫通しセラミック基体14cに差し込まれた図示しない一対の給電棒に接続されている。抵抗発熱体14dには、この給電棒を介して電圧が印加されるようになっている。
【0023】
ウエハ用冷却板16は、アルミニウムやアルミニウム合金などに代表される金属からなる円盤状のプレートであり、内部に冷媒が循環可能な図示しない冷媒通路を備えている。この冷媒通路は、設置板82を貫通する図示しない冷媒供給路及び冷媒排出路に接続されており、冷媒排出路から排出された冷媒は温度調整されたあと再び冷媒供給路に戻される。ウエハ用冷却板16は、ウエハ用冷却板16の下端部(設置板82に近い側の端部)の外周面から半径外向きに突き出したウエハ用冷却板フランジ部16aを備えている。ウエハ用冷却板フランジ部16aには、周方向に沿って複数の貫通孔16bが設けられている。
【0024】
FR載置台20は、ウエハ載置台12とは別体であり、ウエハ載置台12の外周に配置されている。FR載置台20は、FR用セラミックヒータ22と、FR用冷却板24とを備えている。FR用冷却板24は、FR用セラミックヒータ22のFR載置面である表面22aとは反対側の裏面22bに接着シート25を介して接着されている。接着シート25は、円環状の両面接着テープである。接着シート25の材質としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0025】
FR用セラミックヒータ22は、セラミック基体22cに抵抗発熱体22dが埋設されたものである。セラミック基体22cは、セラミック基体14cと同様の材料からなるリング状のプレートである。セラミック基体22cの表面22aには、フォーカスリングFRが載置される。抵抗発熱体22dは、導電性のあるコイル又は印刷パターンで作製され、平面視したときに全面にわたって一筆書きの要領で一端から他端まで交差することなく配線されている。抵抗発熱体22dの一端と他端は、設置板82、FR用冷却板24及び接着シート25を貫通しセラミック基体22cに差し込まれた図示しない一対の給電棒に接続されている。抵抗発熱体22dには、この給電棒を介して電圧が印加されるようになっている。
【0026】
FR用冷却板24は、アルミニウムやアルミニウム合金などに代表される金属からなるリング状のプレートであり、内部に冷媒が循環可能な図示しない冷媒通路を備えている。この冷媒通路は、設置板82を貫通する冷媒供給路及び冷媒排出路に接続されており、冷媒排出路から排出された冷媒は温度調整されたあと再び冷媒供給路に戻される。FR用冷却板24は、FR用冷却板24の下面には、周方向に沿って複数の凸部24aが設けられている。ウエハ載置台12は、FR用冷却板24の裏面に設けられた凸部24aをウエハ用冷却板フランジ部16aの貫通孔16bに嵌め込んだ状態で、設置板82の裏面からボルト84を凸部24aのネジ穴に締結することにより、FR載置台20を介して設置板82に固定される。
【0027】
FR用セラミックヒータ22とFR用冷却板24との間のうち接着シート25の内周側には、接着シート25の内周部(内周面)を囲むように接着性の内周側保護材27iが設けられている。接着シート25と内周側保護材27iとの間には、接着防止層である内周側空隙層28iが設けられている。FR用セラミックヒータ22とFR用冷却板24との間のうち接着シート25の外周側には、接着シート25の外周部(外周面)を囲むように接着性の外周側保護材27oが設けられている。接着シート25と外周側保護材27oとの間には、接着防止層である外周側空隙層28oが設けられている。内周側保護材27i及び外周側保護材27oは、ウエハ処理装置10が使用される環境の雰囲気(例えばプロセスガスやプラズマなどの雰囲気)において接着シート25よりも耐食性の高い材料で形成されている。そのため、内周側保護材27i及び外周側保護材27oは、使用環境の雰囲気から接着シート25を保護する役割を果たす。例えば、接着シート25の材料としてエポキシ樹脂を用いた場合、内周側保護材27i及び外周側保護材27oの材料としてシリコーン樹脂を用いることができる。
【0028】
FR用冷却板24は、内周側絶縁膜29i及び外周側絶縁膜29oを有している。内周側絶縁膜29iは、FR用冷却板24の内周面と、FR用冷却板24のFR用セラミックヒータ22に対向する面のうち内周側保護材27iが形成されている部分に設けられている。本実施形態では、内周側絶縁膜29iは、接着シート25に入り込んでいる。外周側絶縁膜29oは、FR用冷却板24の外周面と、FR用冷却板24のFR用セラミックヒータ22に対向する面のうち外周側保護材27oが形成されている部分に設けられている。本実施形態では、外周側絶縁膜29oは、接着シート25に入り込んでいる。絶縁膜29i,29oは、使用環境下での耐食性を有していることが好ましい。絶縁膜29i,29oとしては、例えば溶射膜を採用することができる。溶射膜の材質としては、絶縁性のセラミックス(例えばアルミナやイットリアなど)が挙げられる。
【0029】
このFR載置台20は、例えば以下の方法により製造することができる。まず、FR用セラミックヒータ22、FR用冷却板24及び両面テープを準備する。両面テープは、最終的には接着シート25になるものであり、両面に剥離紙を備えたものである。続いて、両面テープの一方の面から剥離紙を剥がして接着面を露出させ、FR用冷却板24の表面に両面テープの接着面を貼り付ける。続いて、両面テープのもう一方の面から剥離紙を剥がして接着面を露出させ、そこにFR用セラミックヒータ22の裏面22bを載せて接着させる。これにより、FR用セラミックヒータ22とFR用冷却板24とが接着シート25によって接着された状態になる。その後、FR用セラミックヒータ22とFR用冷却板24との間であって接着シート25の周囲(内周側と外周側)に、接着性の充填材を充填する。充填材は、最終的には内周側及び外周側保護材27i,27oになるものである。このとき、充填材と接着シート25との間に空隙が生じるようにする。その後、充填材を硬化させて内周側及び外周側保護材27i,27oとする。こうすることにより、FR載置台20が得られる。
【0030】
次に、ウエハ処理装置10の使用例について
図1を用いて説明する。チャンバ80は、内部にウエハ処理装置10を設置するための設置板82を備えている。設置板82には、上述したようにウエハ処理装置10が設置されている。チャンバ80の天井面には、プロセスガスを多数のガス噴射孔からチャンバ80の内部へ放出するシャワーヘッド90が配置されている。
【0031】
ウエハ処理装置10の表面14aには、円盤状のウエハWが載置される。ウエハWの温度は、ウエハ用セラミックヒータ14の抵抗発熱体14dへ供給する電力やウエハ用冷却板16の図示しない冷媒通路へ供給する冷媒の温度を調節することによって制御することができる。ウエハWの温度制御は、図示しない温度検出センサによってウエハWの温度を検出し、その温度が目標温度となるようにフィードバックすることにより実行される。
【0032】
ウエハ処理装置10の表面22aには、フォーカスリング(FR)が載置される。フォーカスリングは、ウエハWと干渉しないように上端部の内周に沿って段差を備えている。フォーカスリングの温度は、FR用セラミックヒータ22の抵抗発熱体22dへ供給する電力やFR用冷却板24の図示しない冷媒通路へ供給する冷媒の温度を調節することによって制御することができる。フォーカスリングの温度制御は、図示しない温度検出センサによってフォーカスリングの温度を検出し、その温度が目標温度となるようにフィードバックすることにより実行される。
【0033】
この状態で、チャンバ80の内部を所定の真空雰囲気(又は減圧雰囲気)になるように設定し、シャワーヘッド90からプロセスガスを供給しながらウエハ載置台12のウエハ用冷却板16とシャワーヘッド90との間に高周波電力を供給してプラズマを発生させる。そして、そのプラズマを利用してウエハにCVD成膜を施したりエッチングを施したりする。なお、設置板82の下方空間は大気雰囲気である。
【0034】
ウエハWがプラズマ処理されるのに伴ってフォーカスリングも消耗するが、フォーカスリングは厚さが厚いため、フォーカスリングの交換は複数枚のウエハWを処理したあとに行われる。
【0035】
ここで、FR載置台20の接着シート25のCTEの方が内周側及び外周側保護材27i,27oのCTEよりも大きい場合について、接着シート25や内周側及び外周側保護材27i,27oの挙動について、
図4を参照しながら説明する。FR載置台20が高温になると、接着シート25も内周側及び外周側保護材27i,27oも半径外方向(
図4の矢印方向)に伸びようとする。このとき、接着シート25の伸び量(
図4の黒矢印)は、内周側及び外周側保護材27i,27oの伸び量(
図4の白矢印)よりも大きい。もし内周側保護材27iと接着シート25とが接着されていたとすると、内周側保護材27iが接着シート25に引っ張られるため、接着シート25か内周側保護材27iの少なくとも一方において剥離や亀裂が発生することがある。しかし、本実施形態では、内周側保護材27iと接着シート25との間には接着防止層である内周側空隙層28iが設けられている。そのため、内周側保護材27iが接着シート25に引っ張られることはなく、接着シート25や内周側保護材27iに剥離や亀裂が発生するのを防止することができる。
【0036】
また、FR載置台20の接着シート25のCTEの方が内周側及び外周側保護材27i,27oのCTEよりも小さい場合について、接着シート25や内周側及び外周側保護材27i,27oの挙動について、
図5を参照しながら説明する。FR載置台20が高温になると、接着シート25も内周側及び外周側保護材27i,27oも半径外方向(
図5の矢印方向)に伸びようとする。このとき、内周側及び外周側保護材27i,27oの伸び量(
図5の白矢印)は、接着シート25の伸び量(
図5の黒矢印)よりも大きい。もし外周側保護材27oと接着シート25とが接着されていたとすると、接着シート25が外周側保護材27oに引っ張られるため、接着シート25か外周側保護材27oの少なくとも一方において剥離や亀裂が発生することがある。しかし、本実施形態では、外周側保護材27oと接着シート25との間には接着防止層である外周側空隙層28oが設けられている。そのため、接着シート25が外周側保護材27oに引っ張られることはなく、接着シート25や外周側保護材27oに剥離や亀裂が発生するのを防止することができる。
【0037】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のFR載置台20が本発明の半導体製造装置用部材に相当し、FR用セラミックヒータ22がセラミックヒータに相当し、FR用冷却板24が金属ベースに相当し、接着シート25が接着材に相当し、内周側及び外周側保護材27i,27oが保護材に相当し、内周側及び外周側空隙層28i,28oが接着防止層に相当し、内周側及び外周側絶縁膜29i,29oが絶縁膜に相当する。
【0038】
以上説明したFR載置台20では、接着シート25は内周側及び外周側保護材27i,27oによって保護されているため、FR載置台20の使用環境での接着シート25の耐食性が向上する。また、接着シート25のCTEが内周側及び外周側保護材27i,27oのCTEより大きくても小さくても、CTEの小さい方がCTEの大きい方に引っ張られることがないため、接着シート25や内周側及び外周側保護材27i,27oに剥離や亀裂が発生するのを防止することができる。このように接着シート25を内周側及び外周側保護材27i,27oで保護すると共に、接着シート25と内周側及び外周側保護材27i,27oとの熱膨張差に起因する不具合(例えば剥離や亀裂など)の発生を防止することができる。
【0039】
また、内周側空隙層28iは接着シート25と内周側保護材27iとをセパレートする役割を果たし、外周側空隙層28oは接着シート25と外周側保護材27oとをセパレートする役割を果たす。
【0040】
更に、FR用冷却板24は、FR用冷却板24の側面及びFR用セラミックヒータ22に対向する面のうち内周側及び外周側保護材27o,27iが形成されている部分に内周側絶縁膜29i及び外周側絶縁膜29oを有しているため、FR用冷却板24を介して予期せぬ放電が起きるのを防止することができる。
【0041】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0042】
例えば、上述した実施形態において、
図6に示すように、FR用セラミックヒータ22のうちFR用冷却板24に対向する面の内周縁及び外周縁に、それぞれ内周側及び外周側面取り部22i,22oを設けてもよい。
図6では、上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。この場合、内周側保護材127iは、内周側面取り部22iとFR用冷却板24とによって囲まれた空間に設けられ、外周側保護材127oは、外周側面取り部22oとFR用冷却板24とによって囲まれた空間に設けられる。そのため、各保護材127i,127oの使用量(充填量)を略一定に制御することができる。なお、面取り部
22i,22oは、C面取り加工により形成されていてもよいし、R面取り加工により形成されていてもよい。
【0043】
上述した実施形態において、
図7に示すように、FR用冷却板24のうちFR用セラミックヒータ22に対向する面の内周縁の近く(内側)に内周側円周突起部24iを設け、外周縁の近く(内側)に外周側円周突起部24oを設けてもよい。内周側及び外周側突起部24i,24oは、FR用セラミックヒータ22と同心円となるように設けられていてもよい。
図7では、上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。この場合、内周側保護材227iは、FR用セラミックヒータ22と内周側円周突起部24iとFR用冷却板24とによって囲まれた空間に設けられ、外周側保護材227oは、FR用セラミックヒータ22と外周側円周突起部24oとFR用冷却板24とによって囲まれた空間に設けられる。そのため、各保護材227i,227oの使用量(充填量)を略一定に制御することができる。
【0044】
上述した実施形態では、接着防止層として内周側及び外周側空隙層28i,28oを設けたが、
図8に示すように、内周側及び外周側空隙層28i,28oに接着力のない材料(例えばアルミナやイットリアなどのセラミック粉末、シリコーン系の離型剤など)を充填して内周側及び外周側非接着層38i,38oとしてもよい。
図8では、上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。このようにしても、接着シート25及び内周側保護材27iの一方が他方を引っ張るのを阻止又は抑制すると共に、接着シート25及び外周側保護材27oの一方が他方を引っ張るのを阻止又は抑制することができる。
【0045】
上述した実施形態では、接着シート25と内周側保護材27iとの間に内周側空隙層28iを設け、接着シート25と外周側保護材27oとの間に外周側空隙層28oを設けたが、その代わりに、
図9の構成を採用してもよい。
図9では、上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。接着シート125は、円環状で幅広な主要部125mと、主要部125mの内周部に沿って設けられた円環状で幅狭な内周側副部125iと、主要部125mの外周部に沿って設けられた円環状で幅狭な外周側副部125oと、を備える。内周側副部125iは内周側保護材27iと接着しているが、内周側副部125iと主要部125mとの間には接着防止部である内周側空隙部48iが設けられている。外周側副部125oは外周側保護材27oと接着しているが、外周側副部125oと主要部125mとの間には接着防止部である外周側空隙部48oが設けられている。接着シート125は内周側及び外周側保護材27i,27oによって保護されているため、FR載置台20の使用環境での接着シート
125の耐食性が向上する。また、接着シート125のCTEが内周側及び外周側保護材27i,27oのCTEより大きくても小さくても、CTEの小さい方がCTEの大きい方に引っ張られる力は接着シート125の幅狭な内周側副部125iと内周側保護材27iとの間や幅狭な外周側副部125oと外周側保護材27oとの間に働く比較的小さな力である。そのため、接着シート125や内周側及び外周側保護材27i,27oに剥離や亀裂が発生するのを防止することができる。
【0046】
内周側及び外周側空隙部48i,48oは、
図9に示すように円周に沿って連続して設けられていてもよいが、断続的に設けてもよい。例えば、主要部125mと内周側副部125iとを半径方向に架橋する架橋部を、円環状の主要部125mの中心から放射状に複数設けることにより、内周側空隙部48iを円周に沿って断続的に設けてもよい。外周側空隙部48oについても同様である。また、内周側及び外周側空隙部48i,48oに接着力のない材料(例えばアルミナやイットリアなどのセラミック粉末)を充填して内周側及び外周側非接着部としてもよい。
【0047】
上述した実施形態のFR載置台20において、接着シート25のCTEが内周側及び外周側保護材27i,27oのCTEよりも小さい場合には、外周側空隙層28oのみを設けてもよい。すなわち、内周側空隙層28iを設けず、接着シート25の内周部と内周側保護材27iとを接着してもよい。このとき、高温になると、内周側保護材27iが半径外方向に伸びる量は接着シート25が伸びる量よりも大きいため、接着シート25は内周側保護材27iによって圧縮されるが、こうした圧縮応力が発生したとしても特に問題にならない。また、接着シート25のCTEが内周側及び外周側保護材27i,27oのCTEよりも大きい場合には、内周側空隙層28iのみを設けてもよい。すなわち、外周側空隙層28oを設けず、接着シート25の外周部と外周側保護材27oとを接着してもよい。このとき、高温になると、接着シート25が半径外方向に伸びる量は外周側保護材27oが伸びる量よりも大きいため、外周側保護材27oは接着シート25によって圧縮されるが、こうした圧縮応力が発生したとしても特に問題にならない。
【0048】
上述した実施形態では、FR載置台20に本発明を適用したが、ウエハ載置台12に本発明を適用してもよい。例えば、ウエハ載置台12を
図10のように構成してもよい。
図10では、上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。円盤状のウエハ用セラミックヒータ14と、円盤状(ハット状)のウエハ用冷却板16とは、円形の接着シート15によって接着されている。円環状で接着性の保護材17は、接着シート15の周囲(外周部)を囲むようにセラミックヒータ14とウエハ用冷却板16との間に設けられている。接着防止層である空隙層18は、接着シート15と保護材17との間に設けられ、接着シート15と保護材17とが接着するのを防止する。接着シート15は保護材17によって保護されているため、ウエハ載置台12の使用環境での接着シート15の耐食性が向上する。また、接着シート15のCTEが保護材17のCTEより大きくても小さくても、CTEの小さい方がCTEの大きい方に引っ張られることがないため、接着シート15や保護材17に剥離や亀裂が発生するのを防止することができる。
図10の構成によれば、接着シート15を保護材17で保護すると共に、接着シート15と保護材17との熱膨張差に起因する不具合の発生を防止することができる。なお、ウエハ載置台12では、接着シート15のCTEが保護材17のCTEよりも小さい場合に、空隙層18を設けるようにしてもよい。
【0049】
図10のウエハ載置台12において、
図6と同様に、ウエハ用セラミックヒータ14のうちウエハ用冷却板16に対向する面の外周縁に面取り部を設け、保護材17を面取り部とウエハ用冷却板16とによって囲まれた空間に設けてもよい。あるいは、
図7と同様に、ウエハ用冷却板16のうちウエハ用セラミックヒータ14に対向する面の外周縁の近く(内側)に円周突起部を設け、保護材17をウエハ用セラミックヒータ14と円周突起部とウエハ用冷却板16とによって囲まれた空間に設けてもよい。こうすれば、保護材17の使用量を略一定に制御することができる。
【0050】
図10のウエハ載置台12において、
図8と同様に、空隙層18に接着力のない材料(例えばアルミナやイットリアなどのセラミック粉末)を充填して非接着層としてもよい。
【0051】
図10のウエハ載置台12において、
図9と同様に、接着シート15を、円形の主要部と、主要部の外周に沿って設けられた幅狭な副部と、を備えるようにし、副部は保護材17と接着しているが、副部と主要部との間には接着防止部である空隙部を設けてもよい。この場合、接着シート15は保護材17によって保護されているため、ウエハ載置台12の使用環境での接着シート15の耐食性が向上する。また、接着シート15のCTEが保護材17のCTEより大きくても小さくても、CTEの小さい方がCTEの大きい方に引っ張られる力は接着シート15の幅狭な副部と保護材17との間に働く比較的小さな力である。そのため、接着シート15や保護材17に剥離や亀裂が発生するのを防止することができる。
【0052】
上述した実施形態において、ウエハ用セラミックヒータ14のうち表面14aと抵抗発熱体14dとの間に静電電極を設け、静電電極に直流電圧を印加することによりウエハWを表面14aに吸着させてもよい。あるいは、FR用セラミックヒータ22のうち表面22aと抵抗発熱体22dとの間に静電電極を設け、静電電極に直流電圧を印加することによりフォーカスリングを表面22aに吸着させてもよい。
【0053】
上述した実施形態では、内周側及び外周側保護材27i,27oが劣化した場合、これらを除去した後、そこに接着性の充填材を充填して新たな内周側及び外周側保護材27i,27oを形成してもよい。劣化した内周側及び外周側保護材27i,27oを除去する場合、これらの保護材27i,27oは接着シート25に接着していないため、比較的容易に除去することができる。この点は、
図6~
図8においても同様である。
【0054】
上述した実施形態では、ウエハ用冷却板16とFR用冷却板24とを別部材としたが、ウエハ用冷却板16とFR用冷却板24とを一体化して一つの部材としてもよい。
【0055】
上述した実施形態では、接着材として、接着シート25を例示したが、接着シート25の代わりに、流動性のある樹脂を硬化させたものなどを用いてもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 ウエハ処理装置、12 ウエハ載置台、14 ウエハ用セラミックヒータ、14a 表面、14b 裏面、14c セラミック基体、14d 抵抗発熱体、15 接着シート、16 ウエハ用冷却板、16a ウエハ用冷却板フランジ部、16b 貫通孔、17 保護材、18 空隙、20 フォーカスリング(FR)載置台、22 FR用セラミックヒータ、22a 表面、22b 裏面、22c セラミック基体、22d 抵抗発熱体、22i 内周側面取り部、22o 外周側面取り部、24 FR用冷却板、24a 凸部、24i 内周側円周突起部、24o 外周側円周突起部、25 接着シート、27i 内周側保護材、27o 外周側保護材、28i 内周側空隙層、28o 外周側空隙層、29i 内周側絶縁膜、29o 外周側絶縁膜、48i 内周側空隙部、48o 外周側空隙部、80 チャンバ、82 設置板、84 ボルト、90 シャワーヘッド、125 接着シート、125i 内周側副部、125m 主要部、125o 外周側副部、127i 内周側保護材、127o 外周側保護材、227i 内周側保護材、227o 外周側保護材。