(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】リボンを搬送するための搬送装置及び方法
(51)【国際特許分類】
C03B 35/24 20060101AFI20240515BHJP
B65H 20/10 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
C03B35/24
B65H20/10 A
(21)【出願番号】P 2021532402
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(86)【国際出願番号】 US2019064201
(87)【国際公開番号】W WO2020123204
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-12-01
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ビッソン,アントワーヌ ガストン デニス
(72)【発明者】
【氏名】ゲイロ,キース レイモンド
(72)【発明者】
【氏名】イマーマン,ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ライ,ローヒット
【審査官】永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/161104(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B35/24
B65H20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送装置であって、
前記搬送装置は
、
1つ以上の支持部材であって、内部通路を画定する内面と、前記内部通路と流体連通し、前記支持部材の支持面を通って延在する、複数のアパーチャとを備え、前記支持面における前記複数のアパーチャの開口は、前記支持面の支持エリアを画定し、前記支持エリアはある長さを備え、前記長さの方向は、前記内部通路の流路に沿って延在し、前記支持エリアは更に、前記長さの前記方向に対して垂直な方向に延在する幅を備え、前記長さは、前記幅より大きい、1つ以上の支持部材
、及び
ガス流を、前記内部通路の前記流路に沿って配向するように位置決めされた、流入ポート
を備え、
前記流入ポートに最も近い前記支持エリアの第1の端部部分における、前記長さの前記方向に対して垂直な第1の平面に沿った、前記内部通路の第1の断面積は、前記流入ポートから最も遠い前記支持エリアの第2の端部部分における、前記長さの前記方向に対して垂直な第2の平面に沿った、前記内部通路の第2の断面積より大きい、搬送装置。
【請求項2】
前記長さの前記方向に対して垂直な対応する平面に沿った、前記内部通路の断面積は、前記第1の断面積から前記第2の断面積まで、前記長さの前記方向に沿って漸減する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記支持エリアは、前記支持エリアの前記長さの前記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた
凸面を備え、前記軸に対して垂直な平面に沿った前記凸面の外形は、前記軸に対して垂直な前記平面内の半径に沿って延在する、請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
搬送装置であって、
前記搬送装置は
、
1つ以上の支持部材であって、内部通路を画定する内面と、前記内部通路と流体連通し、前記支持部材の支持面を通って延在する、第1の複数のアパーチャとを備え、前記支持面における前記第1の複数のアパーチャの開口は、前記支持面の支持エリアを画定し、前記支持エリアはある長さを備え、前記長さの方向は、前記内部通路の流路に沿って延在し、前記支持エリアは更に、前記長さの前記方向に対して垂直な方向に延在する幅を備え、前記長さは、前記幅より大きい、1つ以上の支持部材
、及び
前記1つ以上の支持部材の前記内部通路内に延在するチューブであって、前記チューブは、前記チューブの流路の流れ方向に沿って離間した、第2の複数のアパーチャを備える、チューブ
を備える、搬送装置。
【請求項5】
前記第2の複数のアパーチャの寸法は、前記チューブの前記流路の前記流れ方向に沿って漸減する、請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記第2の複数のアパーチャのうちの隣接するアパーチャの間の間隔は、前記チューブの前記流路の前記流れ方向に沿って漸増する、請求項4又は5に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記支持エリアは、前記支持エリアの前記長さの前記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた
凸面を備え、前記軸に対して垂直な平面に沿った前記凸面の外形は、前記軸に対して垂直な前記平面内の半径に沿って延在する、請求項4~6のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項8】
搬送装置であって、
前記搬送装置は
、
1つ以上の支持部材であって、内部通路を画定する内面と、前記内部通路と流体連通し、前記支持部材の支持面を通って延在する、複数のアパーチャとを備え、前記支持面における前記複数のアパーチャの開口は、前記支持面の支持エリアを画定し、前記支持エリアはある長さを備え、前記長さの方向は、前記内部通路の流路に沿って延在し、前記支持エリアは更に、前記長さの前記方向に対して垂直な方向に延在する幅を備え、前記支持エリアの前記幅は、約10ミリメートル~約100ミリメートルであり、前記長さは、前記幅より大きく、前記支持エリアは、前記支持エリアの前記長さの前記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた
凸面を備え、前記軸に対して垂直な平面に沿った前記凸面の外形は、約25ミリメートル~約500ミリメートルの範囲内である、前記軸に対して垂直な前記平面内の半径に沿って延在する、1つ以上の支持部材
、及び
ガス流を、前記内部通路の前記流路に沿って配向するように位置決めされた、流入ポート
を備え、
前記流入ポートに最も近い前記支持エリアの第1の端部部分における、前記長さの前記方向に対して垂直な第1の平面に沿った、前記内部通路の第1の断面積は、前記流入ポートから最も遠い前記支持エリアの第2の端部部分における、前記長さの前記方向に対して垂直な第2の平面に沿った、前記内部通路の第2の断面積より大きい、搬送装置。
【請求項9】
約1×10
6ポアズ~約1×10
10ポアズの粘度を有する材料のリボンを、請求項1~8のいずれか1項に記載の搬送装置を用いて搬送する、方法であって、
前記方法は
、約1×10
6ポアズ~約1×10
10ポアズの粘度を有する前記材料のリボンを、経路方向の移動経路に沿って移動させるステップであって、前記経路方向は、重力の方向と一致せず、また1つ以上の支持部材の各支持エリアの長さの方向を横断して延在する、ステップ
、及び
ガスを、前記1つ以上の支持部材の内部通路から、複数のアパーチャに通すことによって、移動中の前記材料のリボンと、前記1つ以上の支持部材の各前記支持エリアとの間に、対応するガスクッションを提供するステップ
を含む、方法。
【請求項10】
前記搬送装置は、移動中の前記材料のリボンの温度を、約100℃~約150℃の合計温度低下分だけ低下させる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の支持部材によって支持される、移動中の前記材料のリボンの大面は、100マイクロメートル以下の平坦度を有する、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
約1×10
6ポアズ~約1×10
10ポアズの粘度を有する材料のリボンを、1つ以上の支持部材を用いて搬送する、方法であって、
前記1つ以上の支持部材のうちの各前記支持部材は、支持面と、内部通路を画定する内面と、前記内部通路と流体連通し、前記支持面を通って延在する、第1の複数のアパーチャとを備え、前記支持面における前記第1の複数のアパーチャの開口は、前記支持面の支持エリアを画定し、前記支持エリアはある長さを備え、前記長さの方向は、前記内部通路の流路に沿って延在し、前記支持エリアは更に、前記長さの前記方向に対して垂直な方向に延在する幅を備え、前記長さは、前記幅より大きく、
前記方法は
、
約1×10
6ポアズ~約1×10
10ポアズの粘度を有する前記材料のリボンを、経路方向の移動経路に沿って移動させるステップであって、前記経路方向は、重力の方向と一致せず、また前記1つ以上の支持部材の各前記支持エリアの前記長さの前記方向を横断して延在する、ステップ
、
ガスを、前記1つ以上の支持部材の前記内部通路から、前記第1の複数のアパーチャに通すことによって、移動中の前記材料のリボンと、前記1つ以上の支持部材の各前記支持エリアとの間に、ガスクッションを提供するステップ
、及び
ガス流を、前記1つ以上の支持部材の前記内部通路の前記流路に沿って配向するステップ
を含み、
前記流路の上流位置における、前記長さの前記方向に対して垂直な第1の平面に沿った、前記内部通路の第1の断面積は、前記流路の下流位置における、前記長さの前記方向に対して垂直な第2の平面に沿った、前記内部通路の第2の断面積より大きい、方法。
【請求項13】
前記長さの前記方向に対して垂直な対応する平面に沿った、前記内部通路の断面積は、前記第1の断面積から前記第2の断面積まで、前記長さの前記方向に沿って漸減する、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の支持部材は更に、前記1つ以上の支持部材の前記内部通路内に延在するチューブを備え、前記チューブは、前記チューブの流路の流れ方向に沿って離間した、第2の複数のアパーチャを備え、前記ガスは、前記チューブの前記流路に沿って移動した後、前記第2の複数のアパーチャを通って前記1つ以上の支持部材の前記内部通路内へと移動し、続いて前記1つ以上の支持部材の前記内部通路から前記第1の複数のアパーチャを通る、請求項12
又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本開示は、米国特許法第119条の下で、2018年12月13日出願の米国仮特許出願第62/778,982号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、その全体が参照により本出願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は一般に搬送装置及び方法に関し、より詳細には、リボンを搬送するための搬送装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
複数のローラ又は静止支持バーを用いて、ある粘弾性範囲内のリボンを水平に搬送することが知られている。しかしながら、ローラ及び静止支持バーは、リボンを弾性状態のガラスリボンへと冷却する間、リボンを支持してリボンの略平坦な大面を維持できない場合がある。その結果、得られた冷却後のガラスリボンに望ましくない特徴が存在する場合があり、これは冷却中にガラスが略平坦に維持されていれば回避され得たものである。更に、いくつかの用途では、水平搬送中にリボンの冷却を増大させたいという希望がある場合もある。しかしながら、ローラ又は静止支持バーは、所望の冷却速度での冷却を提供できない場合がある。更に、ローラ又は静止支持バーを使用すると、ローラ又は静止支持バーの材料が経年劣化するに従って、望ましくないデブリが生成される場合があり、ローラ又は静止支持バーの頻繁な交換、及び周囲のエリアの清掃が必要となる。
【0004】
リボンとリボンの重量を支持する支持体との間にエアクッションを用いて、リボンを水平に支持することも知られている。しかしながらこのような支持体は、支持体の中央領域内において、空気を迅速に逃がすことができない場合があり、これにより、ガスがガスクッション内に蓄積されるに従って、リボンを膨らませる効果をもたらす。この膨らませる効果は、ガラスリボンへの冷却中に、リボンを略平坦な大面を有する状態に維持したいという希望を妨げる。更に、ガスクッション内でのガスの蓄積により、ガスクッションの平均温度が上昇する場合があり、これは対流熱伝達によるリボンの効率的な冷却を妨げる。更に、エアクッションを生成するように設計された典型的な支持体は、支持面に沿ったアパーチャを通して一定の流量を提供するとは考えられない場合があり、これは、ガラスリボンへの冷却中に、リボンを略平坦な大面を有する状態に維持したいという希望を妨げる。
【発明の概要】
【0005】
「発明を実施するための形態」に記載されるいくつかの実施形態の基本的な理解を提供するために、本開示の簡潔な概要を以下に提示する。
【0006】
いくつかの実施形態では、搬送装置は1つ以上の支持部材を備えることができ、上記支持部材は、内部通路を画定する内面と、上記内部通路と流体連通し、上記支持部材の支持面を通って延在する、複数のアパーチャとを備える。上記支持面における上記複数のアパーチャの開口は、上記支持面の支持エリアを画定できる。上記支持エリアはある長さを備えることができ、上記長さの方向は、上記内部通路の流路に沿って延在する。上記支持エリアは更に、上記長さの上記方向に対して垂直な方向に延在する幅を備えることができる。上記長さは、上記幅より大きくすることができる。流入ポートは、ガス流を、上記内部通路の上記流路に沿って配向するように位置決めできる。上記流入ポートに最も近い上記支持エリアの第1の端部部分における、上記長さの上記方向に対して垂直な第1の平面に沿った、上記内部通路の第1の断面積は、上記流入ポートから最も遠い上記支持エリアの第2の端部部分における、上記長さの上記方向に対して垂直な第2の平面に沿った、上記内部通路の第2の断面積より大きくすることができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、上記長さの上記方向に対して垂直な対応する平面に沿った、上記内部通路の断面積は、上記第1の断面積から上記第2の断面積まで、上記長さの上記方向に沿って漸減できる。
【0008】
いくつかの実施形態では、上記断面積は、一定の割合で漸減できる。
【0009】
いくつかの実施形態では、上記第1の断面積を取り囲む上記内面の第1の外形は、上記第2の断面積を取り囲む上記内面の第2の外形とは幾何学的に異なっていてよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、上記第1の外形は第1の台形形状を備えることができ、上記第2の外形は第2の台形形状を備えることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、上記第1の台形形状は平行四辺形を含むことができ、上記第2の台形形状は鋭角台形(acute trapezoid)を含むことができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、上記第1の断面積を取り囲む上記内面の第1の外形は、第1の台形形状を備えることができ、上記第2の断面積を取り囲む上記内面の第2の外形は、第2の台形形状を備えることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、上記第1の台形形状は平行四辺形を含むことができ、上記第2の台形形状は鋭角台形を含むことができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、上記支持エリアの上記幅の方向に沿った、上記内面のセグメントの幅は、上記支持エリアの上記長さに沿って略同一とすることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、上記支持エリアの上記幅は、約10ミリメートル~約100ミリメートルとすることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、上記支持エリアは、上記支持エリアの上記長さの上記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた凹面を備えることができ、上記軸に対して垂直な平面に沿った上記凸面の外形は、上記軸に対して垂直な上記平面内の半径に沿って延在できる。
【0017】
いくつかの実施形態では、上記半径は、約25ミリメートル~約500ミリメートルとすることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、上記凸面の上記外形は、円弧に沿って延在できる。
【0019】
いくつかの実施形態では、上記1つ以上の支持部材は、第1の支持部材及び第2の支持部材を含む、1ペアの隣接する支持部材を含むことができる。上記第1の支持部材の上記支持エリアは、上記第2の支持部材の上記支持エリアから、約50ミリメートル~約500ミリメートルの最小距離だけ離間させることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、搬送装置は1つ以上の支持部材を備えることができ、上記支持部材は、内部通路を画定する内面と、上記内部通路と流体連通し、上記支持部材の支持面を通って延在する、第1の複数のアパーチャとを備える。上記支持面における上記第1の複数のアパーチャの開口は、上記支持面の支持エリアを画定でき、上記支持エリアはある長さを備えることができ、上記長さの方向は、上記内部通路の流路に沿って延在できる。上記支持エリアは更に、上記長さの上記方向に対して垂直な方向に延在する幅を備えることができる。上記長さは、上記幅より大きくすることができる。上記1つ以上の支持部材の上記内部通路内にチューブが延在できる。上記チューブは、上記チューブの流路の流れ方向に沿って離間した、第2の複数のアパーチャを備えることができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、上記第2の複数のアパーチャの寸法は、上記チューブの上記流路の上記流れ方向に沿って漸減できる。
【0022】
いくつかの実施形態では、上記第2の複数のアパーチャのうちの隣接するアパーチャの間の間隔は、上記チューブの上記流路の上記流れ方向に沿って漸増できる。
【0023】
いくつかの実施形態では、上記支持エリアの上記幅は、約10ミリメートル~約100ミリメートルとすることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、上記支持エリアは、上記支持エリアの上記長さの上記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた凹面を備えることができ、上記軸に対して垂直な平面に沿った上記凸面の外形は、上記軸に対して垂直な上記平面内の半径に沿って延在できる。
【0025】
いくつかの実施形態では、上記半径は、約25ミリメートル~約500ミリメートルとすることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、上記凸面の上記外形は、円弧に沿って延在できる。
【0027】
いくつかの実施形態では、上記1つ以上の支持部材は、第1の支持部材及び第2の支持部材を含む、1ペアの隣接する支持部材を含むことができる。上記第1の支持部材の上記支持エリアは、上記第2の支持部材の上記支持エリアから、約50ミリメートル~約500ミリメートルの最小距離だけ離間させることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、搬送装置は1つ以上の支持部材を備えることができ、上記支持部材は、内部通路を画定する内面と、上記内部通路と流体連通し、上記支持部材の支持面を通って延在する、複数のアパーチャとを備える。上記支持面における上記複数のアパーチャの開口は、上記支持面の支持エリアを画定できる。上記支持エリアはある長さを備えることができ、上記長さの方向は、上記内部通路の流路に沿って延在する。上記支持エリアは更に、上記長さの上記方向に対して垂直な方向に延在する幅を備えることができる。上記支持エリアの上記幅は、約10ミリメートル~約100ミリメートルとすることができる。上記長さは、上記幅より大きくすることができる。上記支持エリアは、上記支持エリアの上記長さの上記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた凹面を備えることができる。上記軸に対して垂直な平面に沿った上記凸面の外形は、約25ミリメートル~約500ミリメートルの範囲内である、上記軸に対して垂直な上記平面内の半径に沿って延在できる。
【0029】
いくつかの実施形態では、上記凸面の上記外形は、円弧に沿って延在できる。
【0030】
いくつかの実施形態では、上記1つ以上の支持部材は、第1の支持部材及び第2の支持部材を含む、1ペアの隣接する支持部材を含むことができる。上記第1の支持部材の上記支持エリアは、上記第2の支持部材の上記支持エリアから、約50ミリメートル~約500ミリメートルの最小距離だけ離間させることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、約1×106ポアズ~約1×1010ポアズの粘度を有する材料のリボンを、上述の実施形態のいずれに記載の搬送装置を用いて搬送するための、方法を提供できる。上記方法は、約1×106ポアズ~約1×1010ポアズの粘度を有する上記材料のリボンを、経路方向の移動経路に沿って移動させるステップを含むことができる。上記経路方向は、重力の方向と一致しなくてよい。上記経路方向は、1つ以上の支持部材の各支持エリアの長さの方向を横断して延在してよい。上記方法は更に、ガスを、上記1つ以上の支持部材の内部通路から、複数のアパーチャに通すことによって、移動中の上記材料のリボンと、上記1つ以上の支持部材の各上記支持エリアとの間に、対応するガスクッションを提供するステップを含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、上記搬送装置は、移動中の上記材料のリボンの温度を、約100℃~約150℃の合計温度低下分だけ低下させることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、上記1つ以上の支持部材によって支持される、移動中の上記材料のリボンの大面は、100マイクロメートル以下の平坦度を有することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、上記経路方向は、上記1つ以上の支持部材の各上記支持エリアの上記長さの上記方向に対して略垂直に延在できる。
【0035】
いくつかの実施形態では、上記経路方向は、重力の方向に対して略垂直とすることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、約1×106ポアズ~約1×1010ポアズの粘度を有する材料のリボンを、1つ以上の支持部材を用いて搬送するための、方法を提供できる。上記1つ以上の支持部材のうちの各上記支持部材は、支持面と、内部通路を画定する内面と、上記内部通路と流体連通し、上記支持面を通って延在する、第1の複数のアパーチャとを備えることができる。上記支持面における上記第1の複数のアパーチャの開口は、上記支持面の支持エリアを画定できる。上記支持エリアはある長さを備えることができ、上記長さの方向は、上記内部通路の流路に沿って延在できる。上記支持エリアは更に、上記長さの上記方向に対して垂直な方向に延在する幅を備えることができ、上記長さは、上記幅より大きくすることができる。上記方法は、約1×106ポアズ~約1×1010ポアズの粘度を有する上記材料のリボンを、経路方向の移動経路に沿って移動させるステップを含むことができる。上記経路方向は、重力の方向と一致しなくてよい。上記経路方向は、上記1つ以上の支持部材の各上記支持エリアの上記長さの上記方向を横断して延在できる。上記方法は更に、ガスを、上記1つ以上の支持部材の上記内部通路から、上記第1の複数のアパーチャに通すことによって、移動中の上記材料のリボンと、上記1つ以上の支持部材の各上記支持エリアとの間に、ガスクッションを提供するステップを含むことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、上記搬送方法は、移動中の上記材料のリボンの温度を、約100℃~約150℃の合計温度低下分だけ低下させることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、上記1つ以上の支持部材によって支持される、移動中の上記材料のリボンの大面は、100マイクロメートル以下の平坦度を有することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、上記経路方向は、上記1つ以上の支持部材の各上記支持エリアの上記長さの上記方向に対して略垂直に延在できる。
【0040】
いくつかの実施形態では、上記経路方向は、重力の方向に対して略垂直とすることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、上記方法は更に、ガス流を、上記1つ以上の支持部材の上記内部通路の上記流路に沿って配向するステップを含むことができる。上記流路の上流位置における、上記長さの上記方向に対して垂直な第1の平面に沿った、上記内部通路の第1の断面積は、上記流路の下流位置における、上記長さの上記方向に対して垂直な第2の平面に沿った、上記内部通路の第2の断面積より大きくすることができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、上記長さの上記方向に対して垂直な対応する平面に沿った、上記内部通路の断面積は、上記第1の断面積から上記第2の断面積まで、上記長さの上記方向に沿って漸減できる。
【0043】
いくつかの実施形態では、上記断面積は、一定の割合で漸減できる。
【0044】
いくつかの実施形態では、上記第1の断面積を取り囲む上記内面の第1の外形は、上記第2の断面積を取り囲む上記内面の第2の外形とは幾何学的に異なっていてよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、上記第1の外形は第1の台形形状を備えることができ、上記第2の外形は第2の台形形状を備えることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、上記第1の台形形状は平行四辺形を含むことができ、上記第2の台形形状は鋭角台形を含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、上記第1の断面積を取り囲む上記内面の第1の外形は、第1の台形形状を備えることができ、上記第2の断面積を取り囲む上記内面の第2の外形は、第2の台形形状を備えることができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、上記第1の台形形状は平行四辺形を含むことができ、上記第2の台形形状は鋭角台形を含むことができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、上記支持エリアの上記幅の方向に沿った、上記内面のセグメントの幅は、上記支持エリアの上記長さに沿って略同一とすることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、上記1つ以上の支持部材は更に、上記1つ以上の支持部材の上記内部通路内に延在するチューブを備えることができる。上記チューブは、上記チューブの流路の流れ方向に沿って離間した、第2の複数のアパーチャを備えることができる。上記ガスは、上記チューブの上記流路に沿って移動した後、上記第2の複数のアパーチャを通って上記1つ以上の支持部材の上記内部通路内へと移動し、続いて上記1つ以上の支持部材の上記内部通路から上記第1の複数のアパーチャを通ることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、上記第2の複数のアパーチャの寸法は、上記チューブの上記流路の上記流れ方向に沿って漸減できる。
【0052】
いくつかの実施形態では、上記第2の複数のアパーチャのうちの隣接するアパーチャの間の間隔は、上記チューブの上記流路の上記流れ方向に沿って漸増できる。
【0053】
いくつかの実施形態では、上記支持エリアの上記幅は、約10ミリメートル~約100ミリメートルとすることができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、上記支持エリアは、上記支持エリアの上記長さの上記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた凹面を備えることができ、上記軸に対して垂直な平面に沿った上記凸面の外形は、上記軸に対して垂直な上記平面内の半径に沿って延在できる。
【0055】
いくつかの実施形態では、上記半径は、約25ミリメートル~約500ミリメートルとすることができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、上記凸面の上記外形は、円弧に沿って延在できる。
【0057】
いくつかの実施形態では、上記1つ以上の支持部材は、第1の支持部材及び第2の支持部材を含む、1ペアの隣接する支持部材を含むことができる。上記第1の支持部材の上記支持エリアは、上記第2の支持部材の上記支持エリアから、約50ミリメートル~約500ミリメートルの最小距離だけ離間させることができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、上記支持エリアの上記幅は、約10ミリメートル~約100ミリメートルとすることができる。上記支持エリアは、上記支持エリアの上記長さの上記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた凹面を備えることができる。上記軸に対して垂直な平面に沿った上記凸面の外形は、約25ミリメートル~約500ミリメートルの範囲内である、上記軸に対して垂直な上記平面内の半径に沿って延在できる。
【0059】
いくつかの実施形態では、上記凸面の上記外形は、円弧に沿って延在できる。
【0060】
いくつかの実施形態では、上記1つ以上の支持部材は、第1の支持部材及び第2の支持部材を含む、1ペアの隣接する支持部材を含むことができる。上記第1の支持部材の上記支持エリアは、上記第2の支持部材の上記支持エリアから、約50ミリメートル~約500ミリメートルの最小距離だけ離間させることができる。
【0061】
本明細書で開示される実施形態の更なる特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」に記載され、その一部は「発明を実施するための形態」から当業者に明らかとなるか、又は以下の「発明を実施するための形態」、特許請求の範囲、及び添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実践することによって認識されるであろう。以上の「発明の概要」及び以下の「発明を実施するための形態」はいずれも、本明細書で開示される実施形態の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図した実施形態を提示するものであることを理解されたい。添付の図面は、更なる理解を提供するために含まれているものであり、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成する。図面は、本開示の様々な実施形態を図示しており、本記述と併せて、これらの実施形態の原理及び動作を説明する。
【0062】
これらの及びその他の特徴、態様、及び利点は、添付の図面を参照して以下の「発明を実施するための形態」を読むと、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】本開示の実施形態による搬送装置の例示的実施形態を備えるガラス製造装置の例示的実施形態
【
図2】
図1の線2‐2に沿った搬送装置の上面平面図であり、リボンは隠れ線で示されている
【
図3】
図2の線3‐3に沿った支持部材の例示的実施形態の断面図
【
図4】
図3の線4‐4に沿って見た、
図3の支持部材のチューブの例示的実施形態
【
図5】
図3の線4‐4に沿って見た、
図3の支持部材のチューブの別の例示的実施形態
【
図6】
図3の線4‐4に沿って見た、
図3の支持部材のチューブの更に別の例示的実施形態
【
図7】
図2及び3に示されている支持部材の対応する実施形態の、
図2及び3の線7‐7に沿った断面図
【
図8】
図2及び3に示されている支持部材の別の対応する実施形態の、
図2及び3の線7‐7に沿った断面図
【
図9】
図2のビュー9において得られる、1ペアの隣接する支持部材の一部分の拡大図
【
図10】
図2の線10‐10に沿った、支持部材の別の例示的実施形態の断面図
【発明を実施するための形態】
【0064】
これより、例示的実施形態を示す添付の図面を参照して、実施形態をより詳細に説明する。可能な場合は常に、図面全体を通して、同一又は同様の部品を指すために同一の参照番号を使用する。しかしながら、本開示は多数の異なる形態で実現してよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈してはならない。
【0065】
図1は、成形装置103及び搬送装置105を備えるガラス製造装置101の概略図を示す。図示されている実施形態では、搬送装置105はガラス製造装置101の一部とすることができ、上記搬送装置は、ある量の溶融材料109からリボン107を成形する成形装置103と一列に設けてよい。搬送装置105は、ガラス製造装置101の一部として一列に設けられている場合、リボン107を成形装置103によって成形した後に分割する前に、リボン107を水平又は対角線方向に支持するよう設計される。例えばリボンは、
図1に示されているように水平に延在するように、重力の方向108に対して略垂直な方向に沿って延在できる。あるいはリボン107は、重力の方向108と一致しなくてよい方向に沿って延在できる。いくつかの実施形態では、リボンは重力の方向108に対してゼロでない角度で延在でき、これにより、リボンを、重力の方向108に対して対角線方向又は垂直に支持できる。本出願の目的のために、重力の方向(direction of gravity)は、結果として生じる重力の方向108のベクトル成分ではなく、結果として得られる重力の方向108のベクトルを含む。
【0066】
図示されていないが、搬送装置105を、成形装置と関連付けられていなくてよい、スタンドアロン型の装置として提供してよい。例えばリボン107は、後続の手順の間、搬送装置105によって水平又は対角線方向に支持できる、分割されたリボンを含むことができる。例えば、後続の加工手順のために、及び/又はガラスリボンをある場所から別の場所に輸送するために、既に成形されたガラスリボンを、保管用パッケージから開梱するか、ガラスリボンのロールから引き出すか、又はその他の様式で搬送装置105に導入してよい。
【0067】
本開示の成形装置は、アップドロー、ダウンドロー(例えばフュージョンダウンドロー)、スロットドロー、又はその他の成形装置を含むことができる。例として、
図1は成形装置103を圧延装置として図示しており、上記ある量の溶融材料109は、1ペアの回転ロール111の間に画定された間隙を通過できる。回転ロール111は、上記ある量の溶融材料109から、回転ロール111の間の間隙に対応する厚さ113を有するリボン107を成形する。図示されている実施形態では、対応する回転ロール111の回転軸112a、112bは互いに対して平行とすることができ、これによりリボン107に、リボン107の幅201(
図2参照)にわたって略一定の厚さ113を提供する。いくつかの実施形態では、厚さ113は約700マイクロメートル~約6ミリメートルとすることができるが、更なる実施形態では他の厚さを設けてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、リボン107の幅201は、約100mm以上、例えば約500mm以上、例えば約1000mm以上、例えば約2000mm以上、例えば約3000mm以上、例えば約4000mm以上とすることができるが、更なる実施形態では、上述の幅未満の、又は上述の幅より大きな他の幅を提供することもできる。例えばいくつかの実施形態では、リボン107の幅201は、約100mm~約4000mm、例えば約500mm~約4000mm、例えば約1000mm~約4000mm、例えば約2000mm~約4000mm、例えば約3000mm~約4000mm、例えば約100mm~約3000mm、例えば約500mm~約3000mm、例えば約1000mm~約3000mm、例えば約2000mm~約3000mm、例えば約2000mm~約2500mm、並びにこれらの間の全ての範囲及び部分範囲内とすることができる。
【0069】
本開示の搬送装置は、1つ以上の支持部材を備えることができる。例えば
図1に示されているように、搬送装置105は、複数の支持部材115a~fを含む1つ以上の支持部材を備えることができる。図示されている実施形態では、6個の支持部材115a~fが図示されているが、更なる実施形態では6個より多い又は少ない支持部材を設けてもよい。図示されているように、1つ以上のガス供給ライン117を、ガス源114と支持部材115a~fとの間を流体連通させるように設けてよい。ガス源114は、特定の用途に応じて、窒素、空気、又は他のガスを供給するように設計できる。図示されていないが、いくつかの実施形態では、1つ以上のガスマニホルド及び/又はコントローラを、対応する各支持部材115に供給されるガスの量を調節するように設計してよく、これにより、各支持部材115a~fの支持特性の個別のカスタマイズされた調整、支持部材115a~fの支持特性の同時調整、及び/又は支持部材115a~fのうちの1つ以上のサブセットの支持特性の調整が可能となる。
【0070】
図1の支持部材115cの断面図によって概略的に図示されているように、1つ以上の支持部材115a~fのうちのいずれか又は全ては、内部通路123を画定する内面121と、内部通路123と流体連通し、支持部材115a~fの支持面127を通って延在する、複数のアパーチャ125とを備えることができる。例えば図示されているように、アパーチャ125は、内面121における単一の第1の開口133と、支持面127における反対側の単一の第2の開口135とを備える、単一のチャネル131を備えることができる。このような構成により、加圧されたガスは、内部通路123から単一の第1の開口133を通り、単一のチャネル131を通って、支持面127の第2の開口135を出ることができ、これにより、支持部材とリボン107の第1の大面130との間にガスクッション129を形成できる。
【0071】
図示されていないが、図面に図示されているアパーチャ125と組み合わせて、又はアパーチャ125に代えて、多様な別のアパーチャ構成を使用してよい。例えばアパーチャ125は、支持面127及び/又は内面において複数の開口を有する、分岐したアパーチャを含むことができる。例えば図示されていないが、アパーチャが内面121の単一の開口を始点とし、単一のチャネルが複数のチャネルへと分岐し、上記複数のチャネルが支持面127において、複数の開口のうちの1つの対応する開口を含むように、アパーチャを分岐させることができる。更なる実施形態では、図示されているように、アパーチャ125のチャネル131は、内面121の第1の開口133から支持面127の第2の開口135まで延在する一定の断面積を有することができる。図示されていないが、別の実施形態では、アパーチャ125は、チャネルの長さに沿って一定でない断面積を有することができる。例えばチャネルの断面積を、第1の開口133から第2の開口135への方向に増大(例えば段階的に増大)又は減少(例えば段階的に減少)させることができる。また更なる実施形態では、インサートをチャネル内に配置してよい。いくつかの実施形態では、インサートが設けられている場合、このインサートは1つ以上の開口を含むことができ、及び/又は多孔質材料を含むことができ、加圧されたガスをこの多孔質材料に通すことができる。
図9に示されているように、第2の開口135は円形オリフィスを備えることができるが、更なる実施形態では他の形状を設けてもよい。また更に、上記開口は、上記開口を出るリング状の流体の流れを提供するために、トーラスチャネルを備えてよい。
【0072】
支持面127は、凹面、平面、凸面、及び/又は他の表面構成を備えることができる。例えば
図7に示されているように、凸状の支持面127の外形709を、支持面127の支持エリア209の長さ205の方向203に沿って延在する軸207に対して垂直な平面に沿って画定してよい。
図7に示されているように、本開示のいずれの実施形態の支持面127の外形(例えば709)は、上記軸に対して垂直な平面内の、変動する半径707に沿って延在できる。あるいは
図8に示されているように、凸状の支持面127の外形805を、支持エリア209の長さ205の方向203に沿って延在する支持エリア209の軸207に対して垂直な平面に沿って画定してよい。本開示のいずれの実施形態の外形(例えば外形805)は、軸207に対して垂直な平面内の、略一定の半径803に沿って延在でき、従って上記凸面の外形805は円弧に沿って延在する。よって
図7~8に示されているように、支持エリア209は、支持エリア209の長さ205の方向203に沿って延在する軸207の周囲に半径方向に位置決めされた凸面を備えることができる。いくつかの実施形態では、支持エリア209全体が凸面を備えることができるが、更なる実施形態では、支持エリアのいくつかの部分が平面及び/又は凹面を備えてもよい。上述のように、支持エリア209の凸面の実施形態は、変動する半径707(例えば
図7参照)又は一定の半径803(例えば
図8)を備えることができる。本開示のいずれの実施形態において、軸207に対して垂直な平面に沿った凸面の外形709、805は、約25ミリメートル(mm)~約500mmの、軸207に対して垂直な平面内の半径707、803に沿って延在できるが、更なる実施形態では、上記半径を約25mm未満及び/又は約500mm超とすることができる。更に、いくつかの実施形態では、支持エリア209全体が、約25mm~約500mmの半径に沿って延在する凸面を含んでよいが、上記凸面のいくつかの部分が500mm超の半径を備えてよく、及び/又は上記凸面のいくつかの部分が25mm未満の半径を備えてよい。例えば上記凸面の半径は、この表面が支持エリア209の中央部分において平面と移行するに従って、無限大に近づくことができる。更なる実施形態では、リボン107が隣接する支持部材間でリボン107がわずかにたわむ可能性がある実施形態では、上記半径を支持エリア209の前端部703又は後端部705において大幅に小さく(例えば5~10mmに)することによって、上記前端部及び/又は上記後端部の接触を回避できる。
【0073】
1つ以上のアパーチャ125の特徴は、上述の支持エリア209の凸面又は他の表面プロファイルに対応するように設計できる。
図7に示されているように、複数のアパーチャのうちの1つ以上のアパーチャ125のチャネル131はある軸に沿って延在してよく、上記軸は、軸207の方向を含みかつリボン107の移動経路139の経路方向137に対して垂直な平面701内に含まれている。
図7に示されているように、前端部703及び/又は後端部705は、前端部及び後端部にアパーチャが存在しないことによって、隣接する支持部材間でカテナリー曲線としてわずかにたわむ可能性があるリボン107と、これらの位置で接触するのを回避するために、比較的小さな半径を備えてよい。あるいは
図8に示されているように、1つ以上のアパーチャ125のチャネル131はある軸に沿って延在してよく、上記軸は、軸207の方向を含むがリボン107の移動経路139の経路方向137に対して垂直でない平面801a、801b内に含まれている。例えば
図8に示されているように、前端部807を通って延在する1つ以上のアパーチャ125の平面801aは、移動経路139の経路方向137のベクトル方向の反対の方向ベクトル成分を有する移動経路の経路方向137に対して、ある角度で延在してよい。更に図示されているように、後端部809を通って延在する1つ以上のアパーチャ125の平面801bは、移動経路139の経路方向137のベクトル方向と一致してよい方向ベクトル成分を有する移動経路の経路方向137に対して、ある角度で延在してよい。
図8に示されているように、垂直でなく、また経路方向137と一致しないアパーチャを設けることによって、そのようにしなければ支持部材の側壁811、813によって内部通路123と連通できない可能性があるアパーチャを有する前端部807及び/又は後端部809においてさえ、支持の提供を補助できる。いくつかの実施形態では、前端部807及び/又は後端部809における小さな半径を不要とすることができる。というのは、これらの位置において、アパーチャ125と関連付けられたガスクッションによってリボン107を更に支持できるためである。
【0074】
図2に示されているように、支持面127における第2の開口135は、支持面127の支持エリア209を画定できる。本開示の目的のために、支持エリア209は、複数のアパーチャのうちの外側のアパーチャそれぞれの開口の最も外側の点に触れる支持エリア209の外周211によって、範囲を定められたエリアとみなされる。例えば
図9に示されているように、複数の開口が複数の行及び列に沿って整列された開口のマトリックスを構成する場合に、外周211は、上記複数の開口のうち、開口の最も外側の列901a、901bの第2の開口135それぞれの、最も外側の接点に触れる、直線状セグメント211a、211bを含むことができる。同様に、
図2に示されているように、支持エリア209の外周211は、最も外側の行213a、213bの第2の開口135それぞれの最も外側の接点に触れる、直線状セグメント211c、211dを含むことができる。
【0075】
支持エリアは更に、支持エリア209の長さ205の方向203に対して垂直な方向に延在する幅903を備えることができる。
図9に示されているように、いくつかの実施形態では、支持エリア209の幅903は、リボン107の移動経路139の経路方向137に延在できる。本開示のいずれの実施形態による支持エリア209の幅903は、約10ミリメートル(mm)~約100mm、約10mm~約50mm、又は約10mm~約40mmとすることができる。更なる実施形態では、幅903は約10mm未満又は約100mm超とすることができる。
【0076】
図2に概略図で示されているように、本開示のいくつかの実施形態の支持エリア209の長さ205は、支持エリア209の幅903より大きくすることができる。支持部材115a~cによって示されているように、支持部材のうちのいずれか又は全ては、リボン107の幅201以上である支持エリア209の長さ205を含んでよい。リボン107の幅201以上の長さ205を設けることにより、リボン107の幅にわたってガスクッションによる均一の支持圧力を提供でき、これにより、リボン107の幅に沿ったリボンの望ましくない屈曲を回避できる。代替実施形態では、支持部材115d~fによって示されているように、支持部材のうちのいずれか又は全ては、支持部材の幅201未満の、支持部材の支持エリア209の長さ205を含んでよい。例えば、移動経路139に沿った対応する位置において、複数の支持部材はリボン107の幅201に沿って離間していてよい。いくつかの実施形態では、複数の支持部材は、リボンの幅に沿った支持されていないエリアを原因とする屈曲を実質的に回避するために十分な近さで離間していてよい。また更に、いくつかの実施形態では、図示されているように、移動経路の複数の位置に沿って離間している、支持部材の隣接するセットは、互いに対して互い違いになるように配置できる。例えば支持部材115eのセットは、支持部材115dのセットに対して、リボン107の幅に沿って互い違いになるように配置できる。同様に、支持部材115fのセットは、支持部材115eのセットに対して、リボン107の幅に沿って互い違いになるように配置されていてよい。支持部材の隣接するセットを互い違いになるように配置することによって、リボン107の幅201にわたる効果的な支持を増強でき、これにより、リボン107の幅201にわたるリボン107の屈曲を更に回避できる。
【0077】
本開示の支持部材は、支持部材の対応するペアを含むことができる。例えば
図2は、隣接する支持部材の多数のペア(例えば115a‐b、115b‐c、115c‐d、115d‐e、115e‐f)を図示している。議論を目的として、
図9は、
図8に示されている隣接する支持部材のペア115b‐cの複数の部分の拡大図を示す。隣接する支持部材のペア115b‐cは、第1の支持部材115b及び第2の支持部材115cを含む。第1の支持部材115bの支持エリア209は、第2の支持部材115cの支持エリア209から、約50ミリメートル(mm)~約500mmの最小距離905だけ離間させることができる。本開示のいくつかの又は全ての実施形態において、上記最小距離は、約50mm未満又は約500mm超とすることもできる。本出願の目的のために、隣接する支持部材間の最小距離は、第1の支持部材の支持エリアの周縁と、第2の支持部材の支持エリアの周縁との間の、最も短い距離を意味する。例えば
図9を参照すると、第1の支持部材115bの支持エリア209の外周211の直線状セグメント211aは、第2の支持部材115cの支持エリア209の外周211の直線状セグメント211bに対して平行であってよい。最小距離905は、第1の支持部材115bの支持エリア及び第2の支持部材115cの支持エリアの対応する外周211の平行な直線状セグメントの間の距離を含む。いくつかの実施形態では、約50mm~約500mmの最小距離905を提供することにより、約50mmの最小距離を提供でき、これにより、リボン107の膨らみを回避して、冷却中のリボンの大面の平面の維持を容易にすることができる。実際のところ、約50mmの最小距離は、ガスクッション129を通したガスの循環の逃げを可能とすることができ、これにより、望ましくないリボンの膨らみをもたらし得るガスの蓄積を防止できる。同時に、最小距離を500mm以内に維持することにより、冷却中のリボンの大面の平面の維持を妨げる可能性がある、支持部材間でのリボン107の望ましくないたわみを回避することもできる。
【0078】
図2に示されているように、長さ205の方向203は、リボンの移動経路139の経路方向137に対して略垂直に延在できる。長さ205を、経路方向137に対して略垂直な方向203に設けることによって、リボン107の幅201の方向にリボンが屈曲するのを防止するための支持の長さを最小限に抑えることができる。更に、長さ205の方向203を、リボン107の移動経路139の経路方向137に対して略垂直に延在するように設けることにより、支持エリアの長さを経路方向に対して他の角度に位置決めすることによって発生し得る、リボン107の幅201にわたるいずれの張力の不均衡を回避するのを補助できる
図1~8の支持部材115aは、本開示の例示的実施形態による支持部材を含む。
図3~8に示されている支持部材115aの構成は、支持部材115b~fのうちのいずれか1つ又は全てにも、組み込むことができる。
図3は、支持部材115aの軸207に沿って支持部材115aの長さ205の方向203に延在する平面に沿った、
図2の線3‐3に沿った支持部材115aの断面図を示す。
図3に示されているように、支持部材115aは、内部通路123を画定する内面121と、内部通路123と流体連通し、支持部材115aの支持面127を通って延在する、第1の複数のアパーチャ125とを備える。支持面127における第1の複数のアパーチャ125の第2の開口135は、支持面127の支持エリア209を画定する。支持エリア209は長さ205を備えることができる。この長さの方向203は、内部通路123の流路に沿って延在できる。本開示のいずれの実施形態の流路は、支持部材の軸207を含むことができる。支持エリア209は更に、長さ205の方向203に対して垂直な方向に延在する幅903を備え、長さ205は幅903より大きくすることができる。
【0079】
図3に示されているように、支持部材115aは、内部通路123内に延在するチューブ301を備えることができる。チューブ301は、チューブ301の流路の流れ方向305に沿って離間した第2の複数のアパーチャ303を備えることができる。いくつかの実施形態では、図示されているように、流路は支持部材115aの軸207を含むことができる。更にいくつかの実施形態では、チューブ301の流路の流れ方向305は、支持エリア209の長さ203の方向を含むことができる。
【0080】
支持部材115aは流入ポート307を備えることができ、これは、チューブ301の、第2の複数のアパーチャ303のうちの最初のアパーチャから流れ方向305に沿って上流の一部分を含んでよい。更なる実施形態では、流入ポート307は、チューブ301とは別の連結用特徴部分又は他の特徴部分を備えてよく、これはチューブ301に接続されていてよい。
図3に示されているように、支持部材115aは単一の流入ポート307を含んでよい。いくつかの実施形態では、チューブ301は、流入ポート307を備える流入端部を構成する第1の端部と、チューブの反対側の端部の、キャップされた端部309とを備えることができる。図示されている実施形態では、単一の流入ポート307を設けてよい。図示されていないが、更なる実施形態は複数の流入ポートを備えてよい。例えば、キャップされた端部309は、更なる実施形態では1つの第2の流入ポートを備えてよく、及び/又は流入端部とチューブの反対側の端部との間の位置に中間流入ポートを設けてよい。
【0081】
図4~5に示されているように、本開示のいずれの実施形態のチューブ301は、第2の複数のアパーチャ303を、互いから共通の距離401だけ互いから等しく離間した、アパーチャの隣接するペアとして設けてよい。あるいは、本開示のいずれの実施形態は、複数のアパーチャを、隣接するアパーチャの2つのペアが互いから異なる距離だけ離間した状態で、提供してよい。例えば
図6に示されているように、複数のアパーチャは、互いから第1の距離601だけ離間した1ペアの隣接するアパーチャ303と、互いから第2の距離603だけ離間した別の1ペアの隣接するアパーチャ303とを含む。
図6に示されているように、第2の複数のアパーチャのうちの隣接するアパーチャの間の間隔は、チューブ301の流路の流れ方向305に沿って、第1の距離601から、第1の距離601より大きな第2の距離603まで漸増する。
【0082】
いくつかの実施形態では、第2の複数のアパーチャ303のアパーチャの最大寸法は略同一とすることができる。例えば
図4及び6を参照すると、上記最大寸法は、アパーチャ303の直径403を含み、これは全てがほぼ同一の直径である。あるいは、あるアパーチャの最大寸法は、第2の複数のアパーチャ303のうちの別の1つのアパーチャの最大寸法と異なっていてよい。例えば
図5に示されているように、上流のアパーチャの直径501は、下流のアパーチャの直径503と異なっていてよい(例えばより大きくてよい)。いくつかの実施形態では、
図5に示されているように、第2の複数のアパーチャ303の最大寸法(例えば直径)は、直径501を含む上流のアパーチャ125から、上流のアパーチャ125の直径501より小さな直径503を含む下流のアパーチャ125まで、チューブ301の流路の流れ方向305に沿って漸減する。
【0083】
図1、2、及び10~12の支持部材115bは、本開示の例示的実施形態による支持部材を含む。
図10~12に示されている支持部材115bの構成は、支持部材115a及び115c~fのうちのいずれか1つ又は全てにも、組み込むことができる。
図10は、支持部材115bの軸207に沿って支持部材115aの長さ205の方向203に延在する平面に沿った、
図2の線10‐10に沿った支持部材115bの断面図を示す。
図11は、流入ポート1001に最も近い支持エリア209の第1の端部部分1003aにおける、長さ205の方向203に対して垂直な第1の平面を含む
図10の線11‐11に沿った、内部通路123の第1の断面積を示す。
図10の切断線11‐11の方向は内部通路123の反対側の端部を向いているため、線11‐11における内面121の長方形の外形、及び線12‐12における内面121の投影された台形の外形が、同一の図(即ち
図11)に示されている。
図12は、流入ポート1001から最も遠い支持エリア209の第2の端部部分1003bにおける、長さ205の方向203に対して垂直な第2の平面を含む
図12の線12‐12に沿った、内部通路123の第2の断面積を示す。図示されているように、
図11に示されている内部通路123の第1の断面積は、
図12に示されている内部通路123の第2の断面積より大きくすることができる。更にいくつかの実施形態では、長さ205の方向203に対して垂直な対応する平面に沿った、内部通路123の断面積は、長さ205の方向203に沿って、(
図11に示されている)第1の断面積から(
図12に示されている)第2の断面積まで漸減する。いくつかの実施形態では、
図10によって理解されるように、長さ205の方向203に対して垂直な対応する平面に沿った、内部通路123の断面積は、長さ205の方向203に沿って、(
図11に示されている)第1の断面積から(
図12に示されている)第2の断面積まで、一定の割合で漸減できる。
【0084】
図11は、第1の断面積を取り囲む内面121の第1の外形1101を示し、
図12は、第2の断面積を取り囲む内面121の第2の外形1201を示す。いくつかの実施形態では、第1の外形は第2の外形と幾何学的に同様であってよい。例えば、第1の外形及び第2の外形はそれぞれ、サイズが異なる正方形又は他の共通の多角形の形状を有してよい。いくつかの実施形態では、内面121の第1の外形1101は、第2の断面積を取り囲む内面121の第2の外形1201と幾何学的に同様でなく、異なっていてもよい。幾何学的に異なる第1の外形及び第2の外形を提供することにより、いくつかの実施形態では、アパーチャ125と内部通路123との連通を促進できる。例えば
図11及び12に示されているように、内面121の上部セグメントの幅は、支持エリアの長さ205に沿って略同一とすることができる。例えば、
図11に示されているように、第1の外形1101のセグメント1105(例えば図示されている長方形の辺)の幅1103は、アパーチャ125と連通する内面121の上部セグメントに沿って、第2の外形1201のセグメント1205(例えば図示されている等脚台形の長い方の底辺)の幅1203と略同一とすることができる。内面121の上部セグメントに、支持エリア209の長さ205に沿って略同一の幅を設け、第1の外形1101のセグメント1105の幅1103を、第2の外形1201のセグメント1205の幅1203と略同一とすることにより、支持エリア209の長さ205に沿ったアパーチャ125と内部通路123との連通を促進できる。
【0085】
いくつかの実施形態では、第1の外形1101は第1の台形形状を有することができ、第2の外形1201は第2の台形形状を有することができる。例えば
図11に示されているように、第1の外形1101の第1の台形形状は平行四辺形(例えば長方形)を含むことができ、
図12に示されているように、第2の外形1201の第2の台形形状は鋭角台形(例えば等脚台形)を含むことができるが、第1の外形1101及び/又は第2の外形1201に他の台形形状を提供することもできる。例えばいくつかの実施形態では、第1の台形形状は、両側辺と長い方の底辺との間に共通の角度を有する第1の等脚台形を含むことができ、第2の台形形状は、両側辺と長い方の底辺との間に、上記第1の等脚台形の両側辺と長い方の底辺との間の上記共通の角度よりも小さな共通の角度を有する、第2の等脚台形を含むことができる。
図12に示されているように、等脚台形の長い方の底辺は、アパーチャと内部通路123との間の連通を提供するためにアパーチャ125と連通する、内面121の上部セグメントを含むことができる。
【0086】
図11~12に示されているように、本開示のいずれの実施形態の支持エリア209は、略平坦であってよい部分を備えることができる。あるいは、支持部材115bの支持エリア209及びアパーチャ125は、例えば上述の
図7~8に関して上述されている構成のうちのいずれを備えることができる。
【0087】
これより、約1×10
6ポアズ~約1×10
10ポアズの粘度を有する材料のリボンを、上述のいずれの実施形態の搬送装置105を用いて搬送する方法を説明する。
図1を参照すると、上記方法は任意に、材料のリボン107を製造する成形装置103を備えることができる。上記方法は、約1×10
6ポアズ~約1×10
10ポアズの粘度を有する材料のリボン107を、経路方向137の移動経路139に沿って移動させるステップを含むことができ、上記経路方向137は、重力の方向108と一致しなくてよく、また1つ以上の支持部材115a~fの各支持エリア209の長さ205の方向203を横断して延在する。上記方法は更に、ガスを、1つ以上の支持部材115a~fの内部通路123から、複数のアパーチャ125に通すことによって、移動中の材料のリボン107と、1つ以上の支持部材115a~fの各支持エリア209との間に、対応するガスクッション129を提供するステップを含むことができる。本開示のいずれの実施形態において、ガスクッション129は、リボン107の第1の大面130を支持エリア209から、約100マイクロメートル~約1mmの最小間隙だけ隔てることができるが、更なる実施形態では、約100マイクロメートル未満又は1mm超である他の間隙を設けてもよい。いくつかの実施形態では、ガスクッションは、リボン107が支持エリア209に対して移動する際、及び支持エリア209がリボン107の重量を支持する際の、リボン107と支持エリア209との間の接触を防止できる。
【0088】
いくつかの実施形態では、ガスは、アパーチャ125を通して均一に供給でき、これにより、体積流量を、支持エリア209に面するリボン107の第1の大面130に沿った全ての位置においておおよそ同一とすることができる。例えば、支持エリア209の単位長さあたりの、アパーチャ125を通したガスの体積流量は、支持エリア209の長さ205に沿って略同一とすることができ、これにより、リボン107の幅201に沿って略同一の圧力を提供することで、リボン107の搬送及び冷却中、第1の大面130及び第2の大面132を略平坦に維持するのを補助できる。
【0089】
いくつかの実施形態では、1つ以上の支持部材115a~fのガスクッション129を含む搬送装置105は、移動中の材料のリボン107の温度を、約100℃~約150℃の合計温度低下分だけ低下させることができる。従って、
図1を参照すると、搬送装置105を出る位置141におけるリボン107の温度は、搬送装置105に入るリボン107の位置143よりも、約100℃~約150℃低くすることができる。その結果、ガスクッション129を含む搬送装置105の複合的な効果によって、リボンの搬送中にリボン107を支持するためにガスクッションを使用しない応用例に比べて、搬送装置105にわたってリボンをより迅速に冷却できる。リボン107のより迅速な冷却によって、リボン107のより迅速な生産に適応でき、また、ガスクッションを用いずにリボンを冷却するために採用され得る比較的大きな搬送装置のフロアスペースを削減できる。
【0090】
また更に、ガスクッション、並びに支持部材の構成及び特徴により、1つ以上の支持部材115a~fによって支持された移動中の材料のリボン107の大面(第1の大面130、第2の大面132)は、100マイクロメートル以下の平坦度を有することができる。例えば上記平坦度は、0マイクロメートル超かつ約100マイクロメートルまでとすることができる。このような平坦度は、多様なリボン寸法、例えば長さ及び幅のうちの一方の寸法が約155ミリメートル(mm)であり、長さ及び幅のうちのもう一方の寸法が約75mmであるリボンの一部分によって達成できるが、更なる実施形態では他のサイズを提供することもできる。更なる実施形態では、リボンのサンプルは、長さ又は幅の寸法が約300mmであり、長さ及び幅のうちのもう一方の寸法が約700mmであるサンプルサイズ以内とすることができる。更なる実施形態、例えば上述の300mm×700mmという比較的大きな寸法を有する実施形態では、100マイクロメートル超の平坦度を提供してもよい。リボンの大面の平坦度は、三次元測定機(coordinate measuring machine:CMM)によって測定できる。
【0091】
いくつかの実施形態では、リボン107の移動経路139の経路方向137は、1つ以上の支持部材115a~fの各支持エリア209の長さ205の方向203に対して略垂直に延在でき、これにより、幅にわたるリボンの屈曲を防止するのを補助できる。更に、リボン107が経路方向137に引っ張られることによって発生するリボン内の張力も、リボン107が移動している方向におけるリボン107の屈曲を防止できる。いくつかの実施形態では、経路方向137を、重力の方向108に対して略垂直とすることによって、リボンの大面の略平坦な表面の維持を更に促進できる。リボンを冷却する際にリボンの略平坦な表面を維持することにより、望ましくない応力特性が冷却済みガラスリボン内に定着するのを防止するのを補助できる。
【0092】
更に、1つ以上の支持部材115a~fの支持エリア209の幅903は、約10ミリメートル(mm)~約100mm、例えば約10mm~約50mm、例えば約10mm~約40mmとすることができる。上述の支持エリア209の幅903は、リボンが支持部材の隣接するペアの間に広がっているときに、リボンを略平坦な配向に維持しながらリボンの幅にわたる屈曲を防止するために十分なリボン107の支持のために、十分な大きさのものとなり得る。更に、上述の支持エリア209の幅903は、熱交換の増進、及び略平坦な配向から外れたリボン107の膨らみを引き起こすことになり得るガスクッション内のガスの蓄積の防止のために、ガスクッションを通したガスの迅速な循環を可能とするために十分な小ささのものとなり得る。
【0093】
上述の方法の1つ以上の支持部材115a~fは、支持面127と、内部通路123を画定する内面121とを備えることができる。支持部材115a~fは更に、内部通路123と流体連通し、支持面127を通って延在する、複数のアパーチャ125を備えることができる。支持面127における第1の複数のアパーチャ125の開口は、支持面127の支持エリア209を画定できる。上述のように、支持エリア209は長さ205を有することができ、長さ205の方向203は内部通路123の通路に沿って延在する。更に上述したように、支持エリア209は更に、長さ205の方向203に対して垂直な方向に延在する幅903を有することができ、長さ205は幅903より大きくてよい。
【0094】
更なる実施形態では、本開示のいずれの方法は、支持部材のうちの1つ以上を上述の支持部材115aとして提供でき、チューブ301が支持部材115aの内部通路123内に延在する。チューブ301は、チューブ301の流路の流れ方向305に沿って離間した第2の複数のアパーチャ303を備えることができる。ガスは、流入ポート307からチューブ301の流路に沿って移動した後、第2の複数のアパーチャ303を通過して支持部材115aの内部通路123に入る。次にガスは、内部通路123から第1の複数のアパーチャ125を通過し、支持エリア209とリボン107の第1の大面130との間にガスクッション129を形成する。
【0095】
内部通路123内に延在するチューブ301を有する支持部材115aを提供することにより、支持エリア209の長さ205に沿ったアパーチャを通る均一なガス流量の提供を補助できる。チューブ301を用いない場合、流入ポート1001から最も遠いアパーチャから逃げたガスが、流入ポート1001により近いアパーチャよりも高い体積流量で流れることが観察された。理論によって束縛されるものではないが、これは、流入ポート1001からの空気流が、流入ポート1001から最も遠い内部通路123の端部に衝突することによって、流入ポート1001により近いアパーチャを通る空気の流量に比べて、流入ポート1001から最も遠いアパーチャを通る空気流をより高い流量に増大させる圧力スパイクが引き起こされた結果であると思われる。チューブ301を内部通路123内に設けることにより、アパーチャ125を通る空気流量を、支持エリア209の長さ205に沿って略一定することができる。更にいくつかの実施形態では、第2の複数のアパーチャ303の最大寸法(例えば直径501、503)は、
図5に示されているように、チューブ301の流路の流れ方向305に沿って漸減できる。アパーチャの寸法がこのように漸減することにより、流入ポートから最も遠いチューブ301のアパーチャ303を通る流量に比べて、流入ポート307に最も近いチューブ301のアパーチャ303を通る流量を更に増大させることができ、これにより、支持エリア209の長さ205に沿ったアパーチャ125を通る略一定の空気流量を更に促進できる。また更にいくつかの実施形態では、第2の複数のアパーチャ303のうちの隣接するアパーチャの間の距離601、603は、チューブ301の流路の流れ方向305に沿って漸増できる。隣接するアパーチャ間の間隔がこのように漸増することにより、流入ポート307から最も遠いチューブのセグメントを通るアパーチャ303を通る流量に比べて、流入ポート307により近いチューブのセグメントのアパーチャを通る流量を更に増大させることができ、これにより、支持エリア209の長さ205に沿ったアパーチャ125を通る略一定の空気流量を更に促進できる。
【0096】
更なる実施形態では、本開示のいずれの方法は、支持部材のうちの1つ以上を、
図10~12に関して上述した支持部材115bとして提供できる。いくつかの実施形態では、上述のように、流路の上流部分における、長さ205の方向203に対して垂直な第1の平面に沿った内部通路123の第1の断面積(
図11参照)は、流路の下流部分における、長さ205の方向203に対して垂直な第2の平面に沿った内部通路の第2の断面積(
図12参照)より大きくてよい。上述のように、長さ205の方向203に対して垂直な対応する平面に沿った、内部通路123の断面積は、長さ205の方向に沿って、第1の断面積から第2の断面積へと漸減できる。いくつかの実施形態では、上述のように、上記断面積は一定の割合で漸減できる。(例えば一定の割合で)漸減する断面積を有する支持部材115bを提供することにより、支持エリア209の長さ205に沿ったアパーチャを通る均一なガス流量の提供を補助できる。流入ポート1001から最も遠いアパーチャ125を通ってガスが比較的高い流量で逃げるという上述の問題には、流入ポート1001から、内部通路123の反対側の閉鎖された端部に向かう、内部通路123内のガスの流れ方向1005に沿った内部通路123を通る流れを、徐々に強く制限することによって対処できる。このような制限の増大は、支持エリア209の長さ205の方向203に対して垂直なセクションに沿って、流入ポート1001から内部通路の反対側の閉鎖された端部に向かう方向203の通路の断面積を、徐々に減少させることによって達成できる。流入ポート1001から、支持エリア209の長さ205の方向203に沿って、漸減する内部通路123の断面積を提供することによって、アパーチャ125を通る空気流量を、支持エリア209の長さ205に沿って略一定とすることができる。
【0097】
上述のように、いくつかの実施形態では、第1の断面積(
図11参照)を取り囲む内面121の第1の外形1101は、第2の断面積(
図12参照)を取り囲む内面121の第1の外形1201と、幾何学的に同様でなくてよい。例えば、第1の外形1101のセグメント1105と、第2の外形1201のセグメント1205とを、略同一とすることによって、アパーチャ125と内部通路123との間の流体連通を促進できる。例として、第1の外形1101は、第1の台形形状、例えば長方形を含む図示されている平行四辺形を有することができる。更に、第2の外形1201は、図示されている等脚台形を含む第2の台形形状を有することができるが、更なる実施形態では、鋭角台形又は他の台形形状を提供してもよい。図示されているように、鋭角台形(例えば等脚台形)は、第2の外形1201のセグメント1205を含む、長い方の底辺を備え、その一方で第1の外形1101の長方形の1辺は、第1の外形1101のセグメント1105を含む。従って、第2の外形1201のセグメント1205を形成する、鋭角台形の長い方の底辺は、第1の外形1101のセグメント1105を形成する長方形の上記辺の長さに略等しい長さを有することができ、これにより、アパーチャと内部通路123との連通を可能にし、その一方で更に、
図11の第1の断面積より小さな
図12の第2の断面積を提供する。
【0098】
単独で、又は本開示のいずれの実施形態と組み合わせて、約10ミリメートル(mm)~約100ミリメートル、約10mm~約50mm、又は約10mm~約40mmの支持エリア209の幅903を用いて、熱交換率を低下させる、及び/又は平坦な配向から外れるリボン107の膨らみを引き起こす可能性がある、望ましくないガスの蓄積を伴わずに、ガスクッション129を通るガスの迅速な循環を補助するための、方法を提供できる。リボンの膨らみを回避することによって、いくつかの実施形態では、100マイクロメートル以下の略平坦な大面130、132を維持でき、これにより、リボンを略平坦な配向にセットすることで、リボンの冷却時に膨らみの存在が許容された場合にガラスリボン内に定着する可能性がある望ましくない特性(例えば応力の集中、光学的な不連続性)を低減できる。更に、約10mm~約100ミリメートル、約10mm~約50mm、又は約10mm~約40mmの幅903を有する支持エリア209を備えた支持部材115a~fの使用による、ガスクッション129を通るガスの迅速な循環は、リボン107の熱交換の強化を支援できる。これは、ガスクッション129内に存在する加熱された空気を、リボン107と支持部材115a~fの支持エリア209との間のエリアから迅速に除去できるためである。
【0099】
いくつかの実施形態では、
図7~8に関して上述したように、支持エリア209は、支持エリア209の長さ205の方向203に沿って延在する軸207の周りに半径方向に位置決めされた凸面を備えることができる。軸207に対して垂直な平面に沿った上記凸面の外形は、約25mm~約500mmである、上記軸に対して垂直な平面内の半径707、803に沿って、延在できる。約25mm~約500mmの半径707、803を有する凸面を提供することにより、隣接する支持部材の間に存在し得るわずかなカテナリー曲線に適応でき、これにより、幅903及び/又は支持エリア209の長さ205にわたる全ての位置において略同一の最小の(例えば約100マイクロメートルから約1mmまでで選択される)間隙を提供でき、これにより、下層の支持エリア209と接触しないようにリボン107を十分に離間させるのを補助できる。更に、又はあるいは、約25mm~約500mmの半径707、803を有する凸面を提供することにより、隣接する支持部材の間に存在し得るわずかなカテナリー曲線に適応でき、これにより、支持エリア209の幅903及び/又は長さ205にわたる全ての位置において、ガスクッションによって印加される略等しい圧力を提供できる。この略一定の圧力によって、リボン107をガラスリボンへと冷却する際の、リボン107内での応力集中又は他の不完全性の形成を回避できる。いくつかの実施形態では、上記半径は、材料のリボン107の粘度、隣接する支持部材のペアの間にまたがる材料のリボン107の重量、及び隣接する支持部材の支持エリア間の間隔に適合するように、調整できる。材料のリボン107の粘度が上昇するに従って、支持部材を更に離間させることができ、半径は、リボン107の大面130、132の平坦度に有意な影響を及ぼし得ない幅広い半径を含んでよい。更なる実施形態では、リボン107の粘度が低下するに従って、支持部材の間隔を狭めてよく、より大きな半径によって、リボン107の大面130、132の平坦度の維持を補助できる。
【0100】
更に、
図9に関して上述したように、1ペアの隣接する支持部材の、第1の支持部材の支持エリアと第2の支持部材の支持エリアとの間の最小距離905は、約50mm~約500mmとすることができる。これらの支持エリアの間の最小距離905は、隣接する支持部材間でのたわみによってリボン107の大面の有意なカテナリー曲線を発生させ得る特定の用途において、大きくなりすぎるのを回避するために調整できる。むしろ、最小距離905は、リボン107の大面130、132の略平坦な表面(例えば100マイクロメートル以下)の維持を促進できるよう、十分に小さくすることができる。更に最小距離905は、支持部材間の距離が小さすぎる場合に発生し得るリボンの膨らみを防止しながら、熱交換(及びこれに関連する冷却速度)を増強するために、ガスクッション129を通るガスの迅速な循環を促進できるよう、十分に大きくすることもできる。支持部材間の距離が小さすぎる場合、支持部材は、全ての支持部材を合わせた幅を有する支持テーブルとして効果的に作用する場合があり、これによってリボン107の膨らみが発生する。
【0101】
本開示のいずれの方法は、1つ以上の支持部材115a~fによって支持される移動中の材料のリボン107の大面が、100マイクロメートル以下、又は0マイクロメートル超かつ100マイクロメートル以下の平坦度を有するように、リボンを支持できる。リボン107を100マイクロメートル以下の平坦度で支持することによって、リボンを粘性又は粘弾性状態から、望ましくない特性(例えば応力集中、光学的な不連続性)が低減された弾性状態へと遷移させることができ、上記望ましくない特性は、ガラスを粘性又は粘弾性状態から、100マイクロメートル以下の平坦度を有しない遷移状態へと冷却した場合に、ガラスリボン内に定着する可能性があるものである。本開示の目的のために、ガラスリボンへと冷却されることになるリボン107の材料の粘性又は粘弾性状態は、約1×106ポアズ~約1×1010ポアズの粘度を有する。
【0102】
本開示のいずれの方法において、1つ以上の支持部材のガスクッションは、移動中の材料のリボンの温度を全体的に低下させることができ、これにより、下流のプロセスへの導入前にリボンが標的温度を達成できる条件での、リボンのより迅速な冷却を促進できる。例えば特定の体積流量において、ガスクッションによって支持されていないリボンは、ガスクッションの助けを借りずに十分な冷却速度を達成できる。例えばリボンが比較的低い粘度を有する、又は比較的速い速度で移動する、いくつかの実施形態では、リボンの重量を支えるガスクッションを用いた冷却により、温度を低下させることができ、その結果として、下流プロセスへの導入前に粘度を所定のレベルまで上昇させることができる。
【0103】
ガスクッションによって提供される冷却速度は、リボンからガスのクッションへの熱の対流熱伝達の速度に依存し得る。更に、上記冷却速度は、リボンから、アパーチャ125を通って流れる空気によっても冷却できる1つ以上の支持部材への、熱放射の放射熱伝達によっても影響され得る。冷却速度の微調整は、例えば、ガスクッションに供給される、アパーチャ125を通過する流体の流体流量を調整することによって達成できる。更なる実施形態では、アパーチャ125を通過する前にガスを加熱又は冷却することによって、冷却速度を更に調整できる。また更に、支持エリアの幅の調整が、温度調整の速度に影響を及ぼし得る。例えば、約10ミリメートル(mm)~約100ミリメートル、約10mm~約50mm、又は約10mm~約40mmの支持エリアの幅を提供すると、対流熱伝達において効果的ではない可能性がある上昇した温度が達成される前に、ガスを支持部材とリボンとの間のエリアから迅速に逃がすことができることにより、ガスクッション内でのガスの滞留時間の削減を補助できる。
【0104】
いくつかの実施形態では、ガスクッション129を含む搬送装置105は、約100℃~約150℃の合計温度低下分だけの、リボン107の温度低下を提供できるが、更なる実施形態では他の合計温度低下分を提供してもよい。更なる実施形態では、支持されるリボンは約500℃~約1200℃の温度を有してよく、またガスクッションを含む搬送装置(例えば1つ以上の支持部材115a~fによる全体的な冷却)によって、約100℃~約150℃の合計温度低下分だけ冷却されてよい。ある特定の温度におけるリボンの粘度は、特定のガラス組成に依存し得ることが理解されるだろう。いくつかの実施形態では、冷却されるガラスリボンは、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス、アルミノボロシリケートガラス、アルミノシリケートガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、ガラスセラミック、又は他のタイプのガラスを含むことができる。
【0105】
様々な実施形態を、その特定の例示的かつ具体的な実施形態を参照して詳細に説明したが、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、本開示の特徴の多数の修正及び組み合わせが可能であるため、本開示はこのように限定されるものとみなしてはならないことを理解されたい。
【0106】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0107】
実施形態1
搬送装置であって、
上記搬送装置は:
1つ以上の支持部材であって、内部通路を画定する内面と、上記内部通路と流体連通し、上記支持部材の支持面を通って延在する、複数のアパーチャとを備え、上記支持面における上記複数のアパーチャの開口は、上記支持面の支持エリアを画定し、上記支持エリアはある長さを備え、上記長さの方向は、上記内部通路の流路に沿って延在し、上記支持エリアは更に、上記長さの上記方向に対して垂直な方向に延在する幅を備え、上記長さは、上記幅より大きい、1つ以上の支持部材;及び
ガス流を、上記内部通路の上記流路に沿って配向するように位置決めされた、流入ポート
を備え、
上記流入ポートに最も近い上記支持エリアの第1の端部部分における、上記長さの上記方向に対して垂直な第1の平面に沿った、上記内部通路の第1の断面積は、上記流入ポートから最も遠い上記支持エリアの第2の端部部分における、上記長さの上記方向に対して垂直な第2の平面に沿った、上記内部通路の第2の断面積より大きい、搬送装置。
【0108】
実施形態2
上記長さの上記方向に対して垂直な対応する平面に沿った、上記内部通路の断面積は、上記第1の断面積から上記第2の断面積まで、上記長さの上記方向に沿って漸減する、実施形態1に記載の搬送装置。
【0109】
実施形態3
上記断面積は、一定の割合で漸減する、実施形態2に記載の搬送装置。
【0110】
実施形態4
上記第1の断面積を取り囲む上記内面の第1の外形は、上記第2の断面積を取り囲む上記内面の第2の外形とは幾何学的に異なる、実施形態1~3のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0111】
実施形態5
上記第1の外形は第1の台形形状を備え、上記第2の外形は第2の台形形状を備える、実施形態4に記載の搬送装置。
【0112】
実施形態6
上記第1の台形形状は平行四辺形を含み、上記第2の台形形状は鋭角台形(acute trapezoid)を含む、実施形態5に記載の搬送装置。
【0113】
実施形態7
上記第1の断面積を取り囲む上記内面の第1の外形は、第1の台形形状を備え、上記第2の断面積を取り囲む上記内面の第2の外形は、第2の台形形状を備える、実施形態1~3のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0114】
実施形態8
上記第1の台形形状は平行四辺形を含み、上記第2の台形形状は鋭角台形を含む、実施形態7に記載の搬送装置。
【0115】
実施形態9
上記支持エリアの上記幅の方向に沿った、上記内面のセグメントの幅は、上記支持エリアの上記長さに沿って略同一である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0116】
実施形態10
上記支持エリアの上記幅は、約10ミリメートル~約100ミリメートルである、実施形態1~9のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0117】
実施形態11
上記支持エリアは、上記支持エリアの上記長さの上記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた凹面を備え、上記軸に対して垂直な平面に沿った上記凸面の外形は、上記軸に対して垂直な上記平面内の半径に沿って延在する、実施形態1~10のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0118】
実施形態12
上記半径は、約25ミリメートル~約500ミリメートルである、実施形態11に記載の搬送装置。
【0119】
実施形態13
上記凸面の上記外形は、円弧に沿って延在する、実施形態11又は12に記載の搬送装置。
【0120】
実施形態14
上記1つ以上の支持部材は、第1の支持部材及び第2の支持部材を含む、1ペアの隣接する支持部材を含み、
上記第1の支持部材の上記支持エリアは、上記第2の支持部材の上記支持エリアから、約50ミリメートル~約500ミリメートルの最小距離だけ離間している、実施形態1~13のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0121】
実施形態15
搬送装置であって、
上記搬送装置は:
1つ以上の支持部材であって、内部通路を画定する内面と、上記内部通路と流体連通し、上記支持部材の支持面を通って延在する、第1の複数のアパーチャとを備え、上記支持面における上記第1の複数のアパーチャの開口は、上記支持面の支持エリアを画定し、上記支持エリアはある長さを備え、上記長さの方向は、上記内部通路の流路に沿って延在し、上記支持エリアは更に、上記長さの上記方向に対して垂直な方向に延在する幅を備え、上記長さは、上記幅より大きい、1つ以上の支持部材;及び
上記1つ以上の支持部材の上記内部通路内に延在するチューブであって、上記チューブは、上記チューブの流路の流れ方向に沿って離間した、第2の複数のアパーチャを備える、チューブ
を備える、搬送装置。
【0122】
実施形態16
上記第2の複数のアパーチャの寸法は、上記チューブの上記流路の上記流れ方向に沿って漸減する、実施形態15に記載の搬送装置。
【0123】
実施形態17
上記第2の複数のアパーチャのうちの隣接するアパーチャの間の間隔は、上記チューブの上記流路の上記流れ方向に沿って漸増する、実施形態15又は16に記載の搬送装置。
【0124】
実施形態18
上記支持エリアの上記幅は、約10ミリメートル~約100ミリメートルである、実施形態15~17のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0125】
実施形態19
上記支持エリアは、上記支持エリアの上記長さの上記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた凹面を備え、上記軸に対して垂直な平面に沿った上記凸面の外形は、上記軸に対して垂直な上記平面内の半径に沿って延在する、実施形態15~18のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0126】
実施形態20
上記半径は、約25ミリメートル~約500ミリメートルである、実施形態19に記載の搬送装置。
【0127】
実施形態21
上記凸面の上記外形は、円弧に沿って延在する、実施形態19又は20に記載の搬送装置。
【0128】
実施形態22
上記1つ以上の支持部材は、第1の支持部材及び第2の支持部材を含む、1ペアの隣接する支持部材を含み、
上記第1の支持部材の上記支持エリアは、上記第2の支持部材の上記支持エリアから、約50ミリメートル~約500ミリメートルの最小距離だけ離間している、実施形態15~21のいずれか1つに記載の搬送装置。
【0129】
実施形態23
搬送装置であって、
上記搬送装置は:
1つ以上の支持部材であって、内部通路を画定する内面と、上記内部通路と流体連通し、上記支持部材の支持面を通って延在する、複数のアパーチャとを備え、上記支持面における上記複数のアパーチャの開口は、上記支持面の支持エリアを画定し、上記支持エリアはある長さを備え、上記長さの方向は、上記内部通路の流路に沿って延在し、上記支持エリアは更に、上記長さの上記方向に対して垂直な方向に延在する幅を備え、上記支持エリアの上記幅は、約10ミリメートル~約100ミリメートルであり、上記長さは、上記幅より大きく、上記支持エリアは、上記支持エリアの上記長さの上記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた凹面を備え、上記軸に対して垂直な平面に沿った上記凸面の外形は、約25ミリメートル~約500ミリメートルの範囲内である、上記軸に対して垂直な上記平面内の半径に沿って延在する、1つ以上の支持部材
を備える、搬送装置。
【0130】
実施形態24
上記凸面の上記外形は、円弧に沿って延在する、実施形態23に記載の搬送装置。
【0131】
実施形態25
上記1つ以上の支持部材は、第1の支持部材及び第2の支持部材を含む、1ペアの隣接する支持部材を含み、
上記第1の支持部材の上記支持エリアは、上記第2の支持部材の上記支持エリアから、約50ミリメートル~約500ミリメートルの最小距離だけ離間している、実施形態23又は24に記載の搬送装置。
【0132】
実施形態26
約1×106ポアズ~約1×1010ポアズの粘度を有する材料のリボンを、実施形態1~25のいずれか1つに記載の搬送装置を用いて搬送する、方法であって、
上記方法は:約1×106ポアズ~約1×1010ポアズの粘度を有する上記材料のリボンを、経路方向の移動経路に沿って移動させるステップであって、上記経路方向は、重力の方向と一致せず、また1つ以上の支持部材の各支持エリアの長さの方向を横断して延在する、ステップ;及び
ガスを、上記1つ以上の支持部材の内部通路から、複数のアパーチャに通すことによって、移動中の上記材料のリボンと、上記1つ以上の支持部材の各上記支持エリアとの間に、対応するガスクッションを提供するステップ
を含む、方法。
【0133】
実施形態27
上記搬送装置は、移動中の上記材料のリボンの温度を、約100℃~約150℃の合計温度低下分だけ低下させる、実施形態26に記載の方法。
【0134】
実施形態28
上記1つ以上の支持部材によって支持される、移動中の上記材料のリボンの大面は、100マイクロメートル以下の平坦度を有する、実施形態26又は27に記載の方法。
【0135】
実施形態29
上記経路方向は、上記1つ以上の支持部材の各上記支持エリアの上記長さの上記方向に対して略垂直に延在する、実施形態26~28のいずれか1つに記載の方法。
【0136】
実施形態30
上記経路方向は、重力の方向に対して略垂直である、実施形態26~29のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
実施形態31
約1×106ポアズ~約1×1010ポアズの粘度を有する材料のリボンを、1つ以上の支持部材を用いて搬送する、方法であって、
上記1つ以上の支持部材のうちの各上記支持部材は、支持面と、内部通路を画定する内面と、上記内部通路と流体連通し、上記支持面を通って延在する、第1の複数のアパーチャとを備え、上記支持面における上記第1の複数のアパーチャの開口は、上記支持面の支持エリアを画定し、上記支持エリアはある長さを備え、上記長さの方向は、上記内部通路の流路に沿って延在し、上記支持エリアは更に、上記長さの上記方向に対して垂直な方向に延在する幅を備え、上記長さは、上記幅より大きく、
上記方法は:
約1×106ポアズ~約1×1010ポアズの粘度を有する上記材料のリボンを、経路方向の移動経路に沿って移動させるステップであって、上記経路方向は、重力の方向と一致せず、また上記1つ以上の支持部材の各上記支持エリアの上記長さの上記方向を横断して延在する、ステップ;及び
ガスを、上記1つ以上の支持部材の上記内部通路から、上記第1の複数のアパーチャに通すことによって、移動中の上記材料のリボンと、上記1つ以上の支持部材の各上記支持エリアとの間に、ガスクッションを提供するステップ
を含む、方法。
【0138】
実施形態32
上記搬送する方法は、移動中の上記材料のリボンの温度を、約100℃~約150℃の合計温度低下分だけ低下させる、実施形態31に記載の方法。
【0139】
実施形態33
上記1つ以上の支持部材によって支持される、移動中の上記材料のリボンの大面は、100マイクロメートル以下の平坦度を有する、実施形態31又は32に記載の方法。
【0140】
実施形態34
上記経路方向は、上記1つ以上の支持部材の各上記支持エリアの上記長さの上記方向に対して略垂直に延在する、実施形態31~33のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
実施形態35
上記経路方向は、重力の方向に対して略垂直である、実施形態31~34のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
実施形態36
ガス流を、上記1つ以上の支持部材の上記内部通路の上記流路に沿って配向するステップを更に含み、
上記流路の上流位置における、上記長さの上記方向に対して垂直な第1の平面に沿った、上記内部通路の第1の断面積は、上記流路の下流位置における、上記長さの上記方向に対して垂直な第2の平面に沿った、上記内部通路の第2の断面積より大きい、実施形態31~35のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
実施形態37
上記長さの上記方向に対して垂直な対応する平面に沿った、上記内部通路の断面積は、上記第1の断面積から上記第2の断面積まで、上記長さの上記方向に沿って漸減する、実施形態36に記載の方法。
【0144】
実施形態38
上記断面積は、一定の割合で漸減する、実施形態37に記載の方法。
【0145】
実施形態39
上記第1の断面積を取り囲む上記内面の第1の外形は、上記第2の断面積を取り囲む上記内面の第2の外形とは幾何学的に異なる、実施形態36~38のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
実施形態40
上記第1の外形は第1の台形形状を備え、上記第2の外形は第2の台形形状を備える、実施形態39に記載の方法。
【0147】
実施形態41
上記第1の台形形状は平行四辺形を含み、上記第2の台形形状は鋭角台形を含む、実施形態40に記載の方法。
【0148】
実施形態42
上記第1の断面積を取り囲む上記内面の第1の外形は、第1の台形形状を備え、上記第2の断面積を取り囲む上記内面の第2の外形は、第2の台形形状を備える、実施形態36~38のいずれか1つに記載の方法。
【0149】
実施形態43
上記第1の台形形状は平行四辺形を含み、上記第2の台形形状は鋭角台形を含む、実施形態42に記載の方法。
【0150】
実施形態44
上記支持エリアの上記幅の方向に沿った、上記内面のセグメントの幅は、上記支持エリアの上記長さに沿って略同一である、実施形態36~43のいずれか1つに記載の方法。
【0151】
実施形態45
上記1つ以上の支持部材は更に、上記1つ以上の支持部材の上記内部通路内に延在するチューブを備え、上記チューブは、上記チューブの流路の流れ方向に沿って離間した、第2の複数のアパーチャを備え、上記ガスは、上記チューブの上記流路に沿って移動した後、上記第2の複数のアパーチャを通って上記1つ以上の支持部材の上記内部通路内へと移動し、続いて上記1つ以上の支持部材の上記内部通路から上記第1の複数のアパーチャを通る、実施形態31~35のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
実施形態46
上記第2の複数のアパーチャの寸法は、上記チューブの上記流路の上記流れ方向に沿って漸減する、実施形態45に記載の方法。
【0153】
実施形態47
上記第2の複数のアパーチャのうちの隣接するアパーチャの間の間隔は、上記チューブの上記流路の上記流れ方向に沿って漸増する、実施形態45又は46に記載の方法。
【0154】
実施形態48
上記支持エリアの上記幅は、約10ミリメートル~約100ミリメートルである、実施形態31~47のいずれか1つに記載の方法。
【0155】
実施形態49
上記支持エリアは、上記支持エリアの上記長さの上記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた凹面を備え、上記軸に対して垂直な平面に沿った上記凸面の外形は、上記軸に対して垂直な上記平面内の半径に沿って延在する、実施形態31~48のいずれか1つに記載の方法。
【0156】
実施形態50
上記半径は、約25ミリメートル~約500ミリメートルである、実施形態49に記載の方法。
【0157】
実施形態51
上記凸面の上記外形は、円弧に沿って延在する、実施形態49又は50に記載の方法。
【0158】
実施形態52
上記1つ以上の支持部材は、第1の支持部材及び第2の支持部材を含む、1ペアの隣接する支持部材を含み、
上記第1の支持部材の上記支持エリアは、上記第2の支持部材の上記支持エリアから、約50ミリメートル~約500ミリメートルの最小距離だけ離間している、実施形態31~51のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
実施形態53
上記支持エリアの上記幅は、約10ミリメートル~約100ミリメートルであり、上記支持エリアは、上記支持エリアの上記長さの上記方向に沿って延在する軸の周囲に半径方向に位置決めされた凹面を備え、上記軸に対して垂直な平面に沿った上記凸面の外形は、約25ミリメートル~約500ミリメートルの範囲内である、上記軸に対して垂直な上記平面内の半径に沿って延在する、実施形態31~35のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
実施形態54
上記凸面の上記外形は、円弧に沿って延在する、実施形態53に記載の方法。
【0161】
実施形態55
上記1つ以上の支持部材は、第1の支持部材及び第2の支持部材を含む、1ペアの隣接する支持部材を含み、
上記第1の支持部材の上記支持エリアは、上記第2の支持部材の上記支持エリアから、約50ミリメートル~約500ミリメートルの最小距離だけ離間している、実施形態53又は54に記載の方法。
【符号の説明】
【0162】
101 ガラス製造装置
103 成形装置
105 搬送装置
107 リボン
108 重力の方向
109 溶融材料
111 回転ロール
112a、112b 回転軸
113 厚さ
114 ガス源
115、115a~f 支持部材
115b 第1の支持部材
115c 第2の支持部材
117 ガス供給ライン
121 内面
123 内部通路
125 アパーチャ
127 支持面
129 ガスクッション
130 第1の大面
131 チャネル
132 第2の大面
133 第1の開口
135 第2の開口
137 経路方向
139 移動経路
141 リボン107の、搬送装置105を出る位置
143 リボン107の、搬送装置105に入る位置
201 リボン107の幅
203 長さ205の方向203
205 支持エリア209の長さ
207 軸
209 支持エリア
211 支持エリア209の外周
211a、211b、211c、211d 直線状セグメント
213a、213b 開口の最も外側の行
301 チューブ
303 第2の複数のアパーチャ
305 チューブ301の流路の流れ方向
307、1001 流入ポート
309 キャップされた端部
401 第2の複数のアパーチャ303の間の距離
501、503 第2の複数のアパーチャ303の直径
601 隣接するアパーチャ303の間の第1の距離
603 隣接するアパーチャ303の間の第2の距離
701、801a、801b 平面
703 支持エリア209の前端部
705 支持エリア209の後端部
707 変動する半径
709、805 支持面127の外形
803 一定の半径
807 前端部
809 後端部
811、813 支持部材の側壁
901a、901b 開口の最も外側の列
903 支持エリア209の幅
905 第1の支持部材115bの支持エリア209と、第2の支持部材115cの支持エリア209との間の最小距離
1003a 第1の端部部分
1003b 第2の端部部分
1101 内面121の第1の外形
1103 セグメント1105の幅
1105 第1の外形1101のセグメント
1201 内面121の第2の外形
1203 セグメント1205の幅
1205 第2の外形1201のセグメント