(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】テアフラビンを含む脂肪細胞の分化促進用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/353 20060101AFI20240515BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20240515BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20240515BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240515BHJP
A61K 36/82 20060101ALI20240515BHJP
A61K 36/28 20060101ALI20240515BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240515BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240515BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240515BHJP
【FI】
A61K31/353
A61K8/49
A61K8/9789
A61Q19/00
A61K36/82
A61K36/28
A61P43/00 105
A61P17/00
A23L33/105
(21)【出願番号】P 2021555605
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(86)【国際出願番号】 KR2020004636
(87)【国際公開番号】W WO2020218755
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0048189
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0029539
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】アモーレパシフィック コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】100, Hangang-daero, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク, ピル ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ラ, チャン ス
【審査官】愛清 哲
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/093651(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0091991(KR,A)
【文献】特表2005-523242(JP,A)
【文献】国際公開第2002/039956(WO,A2)
【文献】国際公開第2006/078600(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106256357(CN,A)
【文献】特開2017-192346(JP,A)
【文献】Theaflavin-Enriched Fraction Stimulates Adipogenesis in Human Subcutaneous Fat Cells,Int.J.Mol.Sci,2019年04月25日,20,2034,pp.1-11,doi:10.3390/ijms20082034
【文献】Antiobesity and lipid lowering effects of theaflavins on high-fat diet induced obese rats,JOURNAL OF FUNCTIONAL FOODS,2013年,5,pp.1142-1150,http://dx.doi.org/10.1016/j.jff.2013.03.011
【文献】NMRを用いた茶成分のメタボロミクス,天然有機化合物討論会講演要旨集,2015年,第57回,pp.453-458,https://doi.org/10.24496/tennenyuki.57.0_PosterP59
【文献】Purification and Characterization of Polyphenol Oxidase from Garland Chrysanthemum (Chrysanthemum coronarium L.),J.Agric.Food Chem.,2003年,51,pp.5467-5471,10.1021/jf0212542
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61K 8/00- 8/99
A61K 36/00-36/9068
A61P 43/00
A61P 17/00-17/18
A61Q 19/00-19/10
A23L 33/00-33/29
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物を有効成分として含む、脂肪細胞の分化促進用組成物
であって、
前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の組成物中での濃度は、0.5~10,000mg/kgであり、
テアフラビン-3,3’-ジガレートを含まない、
組成物。
【請求項2】
テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物を有効成分として含む発酵緑茶抽出物を含む、脂肪細胞の分化促進用組成物であって、
前記発酵緑茶抽出物は、
(a)緑茶及び春菊を混合して混合物を調製するステップ;
(b)前記混合物を減圧状態で発酵及び乾燥するステップ;及び
(c)前記発酵及び乾燥された混合物を抽出するステップを含む方法によって製造されたものであり、
ここで、前記ステップ(c)においては、
抽出溶媒は水及び炭素数1~5のアルコールからなる群より選択される1種以上であり、
抽出温度は20~80℃であり、
抽出時間は1~24時間である、
組成物。
【請求項3】
前記発酵緑茶抽出物は、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3’-ガレート、及びテアフラビン-3,3’-ジガレートを含むテアフラビン類を含み、 前記テアフラビンを前記テアフラビン類の総重量に対し30~50重量%含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の投与量は、
0.5~10,000mg/kg/日である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物は、脂肪細胞の分化促進による肌ボリュームアップ用である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は、脂肪細胞の分化促進による皮下脂肪減少抑制用である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は、経皮投与用である、請求項1~
6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物は、化粧料組成物である、請求項1~
6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は、薬学組成物である、請求項1~
6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物は、食品組成物である、請求項1~
6のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、テアフラビンを含む脂肪細胞の分化促進用組成物に関して記述する。
【0002】
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2019年4月25日付で出願された大韓民国特許出願第10-2019-0048189号及び2020年3月10日付で出願された大韓民国特許出願第10-2020-0029539号に基づく優先権を主張するものであり、その出願内容全体が本出願に参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
皮下脂肪は、皮膚の構造を支える主な皮膚器官の一つであって、内臓脂肪とは異なり、年を取るにつれて徐々にその効力を失って、構造体としての機能を喪失することが知られている。このため、顔部位の肌凹み現象を抑制及び補完すべく種々の方法にて抗老化を実現しようとしたが、皮下脂肪による抗老化を実現する方法としてエステティックからアプローチする施術方法を除いては、現在まで皮下脂肪の脂肪分化を促進できる明確な方法は存在していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0091991号公報
【文献】韓国公開特許第10-2008-0052675号公報
【文献】国際公開第02/39956号
【文献】国際公開第2006/078600号
【文献】中国特許出願公開第106256357号明細書
【非特許文献】
【0005】
【文献】PARK, P. J. et al., Theaflavin-Enriched Fraction Stimulates Adipogensis in Human Subcutaneous Fat Cells, International journal of molecular sciences, 15 April 2019, vol.20, thesis no.:2034, page 9.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一観点において、本発明が解決しようとする課題は、種々の緑茶由来のポリフェノールの中でも他の物質に変化し易く、その機能を確信できなかったテアフラビンによってヒト由来の皮下脂肪に処理したときに、皮下脂肪に特異的に脂肪を蓄積できる効果を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面において、本発明は、テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物を有効成分として含む、脂肪細胞の分化促進用組成物を提供する。
【発明の効果】
【0008】
一観点において、本発明は、脂肪細胞の分化を促進して肌弾力、しわ改善、肌ボリュームアップ、皮膚再生、皮下脂肪減少を改善する効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】各抽出物別のHPLC成分の分析結果である:(A)標準化学物質(1;テアフラビン(theaflavin、TF)、2;テアフラビン-3-ガレート(theaflavin-3-gallate、TF3G)、3;テアフラビン-3’-ガレート(theaflavin-3’-gallate、TF3’G)、及び4;テアフラビン-3,3’-ジガレート(theaflavin-3、3’-digallate、TFDG))、(B)非発酵緑茶抽出物(GT)、(C)テアフラビン濃縮生発酵抽出物(CoF-GT)、(D)緑茶発酵抽出物(F-GT)。
【
図2】テアフラビン濃縮生発酵抽出物(CoF-GT)、緑茶発酵抽出物(F-GT)、テアフラビン(TF)、テアフラビン-3,3’-ジガレート(TFDG)の細胞増殖効能の分析結果を示した図である。
【
図3】テアフラビン濃縮生発酵抽出物(CoF-GT)、緑茶発酵抽出物(F-GT)、テアフラビン(TF)、テアフラビン-3,3’-ジガレート(TFDG)の細胞生存性(72時間)効能の分析結果を示した図である。
【
図4】テアフラビン(TF)及びテアフラビン-3,3’-ジガレート(TFDG)の皮下脂肪分化促進効果を確認した図である。
【
図5】テアフラビン濃縮生発酵抽出物(CoF-GT)及び緑茶発酵抽出物(F-GT)の皮下脂肪分化促進効果を確認した図である。
【
図6】テアフラビン(TF)、テアフラビン-3,3’-ジガレート(TFDG)、テアフラビン濃縮生発酵抽出物(CoF-GT)、及び緑茶発酵抽出物(F-GT)をそれぞれ処理してから皮下脂肪の脂肪生成量を測定した結果を示した図である。
【
図7】テアフラビン(TF)、テアフラビン-3,3’-ジガレート(TFDG)、テアフラビン濃縮生発酵抽出物(CoF-GT)、及び緑茶発酵抽出物(F-GT)をそれぞれ処理してからの遺伝子発現の分析結果を示した図である。
【
図8】テアフラビン(TF)、テアフラビン-3,3’-ジガレート(TFDG)、テアフラビン濃縮生発酵抽出物(CoF-GT)、及び緑茶発酵抽出物(F-GT)をそれぞれ処理してからのアディポネクチン(Adiponectin)生成量の測定結果を示した図である。
【
図9】テアフラビン(TF)の濃度別の細胞増殖効能(24時間)及び細胞生存性(72時間)効能の分析結果を示した図である。
【
図10】テアフラビン(TF)の濃度別の脂肪細胞の分化促進効能の分析結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付した図面を参照しつつ、本出願の実施例についてより詳細に説明することとする。しかし、本出願に開示された技術は、ここで説明される実施例に限定されるものではなく、他の形態に具体化されてもよい。なお、ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底かつ完全となり得るよう、そして、当業者に本出願の思想が十分に伝えられるようにするために提供されるものである。図面において各構成要素を明確に表現するために、構成要素の幅や厚さなどの大きさを多少拡大して示した。また、説明の便宜のために、構成要素の一部のみを図示したりもしたが、当業者であれば、構成要素の残りの部分についても容易に把握することができるであろう。また、当該分野における通常の知識を有する者であれば、本出願の技術的思想を逸脱しない範囲内で、本出願の思想を種々の他の形態に具現できるであろう。
【0011】
一実施例において、本発明は、テアフラビン(theaflavin)、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物を有効成分として含む組成物を提供することができる。
【0012】
本明細書において「異性体」は、特に光学異性体(optical isomers)(例えば、本質的に純粋なエナンチオマー(essentially pure enantiomers)、本質的に純粋なジアステレオマー(essentially pure diastereomers)又はそれらの混合物)だけでなく、配座異性体(conformation isomers)(すなわち、1つ以上の化学結合のその角度のみ異なる異性体)、位置異性体(position isomers)(特に、互変異性体(tautomers))、又は幾何異性体(geometric isomers)(例えば、シス-トランス異性体)を含む。
【0013】
本明細書において「本質的に純粋な(essentially pure)」とは、例えば、エナンチオマー又はジアステレオマーと関連して用いた場合、エナンチオマー又はジアステレオマーを例として挙げることのできる具体的な化合物が約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約97%以上、又は約98%以上、さらに好ましくは約99%以上、最も好ましくは約99.5%以上(w/w)存在することを意味する。
【0014】
本明細書において「薬学的に許容可能」とは、通常の医薬的服用量(Medicinal dosage)で用いる際に相当な毒性効果を避けることにより、動物、より具体的には、ヒトに用いることができるという政府又はこれに準ずる規制機構の承認を受けることができ、又は承認を受け、又は一般的な薬局方に列挙され、又はその他一般的な薬局方に記載されたものと認定されることを意味する。
【0015】
本明細書において「薬学的に許容可能な塩」は、薬学的に許容可能であり、親化合物(parent compound)の好ましい薬理活性を有する本発明の一側面に係る塩を意味する。前記塩は、(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などといった無機酸から形成されるか;又は、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンテンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2,2,2]-oct-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert-ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸といった有機酸から形成される酸付加塩(acid addition salt);又は、(2)親化合物に存在する酸性プロトンが置換されるときに形成される塩を含んでよい。
【0016】
本明細書において「水和物(hydrate)」は、水が結合している化合物を意味し、水と混合物との間に化学的な結合力のない内包化合物を含む広範囲な概念である。
【0017】
本明細書において「溶媒和物」は、溶質の分子やイオンと溶媒の分子やイオンとの間に生じた高次の化合物を意味する。
【0018】
他の一実施例は、脂肪細胞の分化促進用組成物の製造に用いるための前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の用途を提供することができる。他の一実施例は、前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物を、これを必要とする対象に有効量で投与することを含む脂肪細胞の分化促進方法を提供することができる。他の一実施例は、脂肪細胞の分化促進用組成物に用いるための有効成分として、前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物を提供することができる。他の一実施例は、脂肪細胞の分化促進に用いるためのテアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物を提供することができる。また、脂肪細胞の分化促進のための有効成分として、前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の非治療的用途を提供することができる。
【0019】
本発明は、前記テアフラビン(theaflavin)、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物を有効成分として含むことで、ヒト由来、例えば、顔部位の皮下脂肪細胞に処理した場合、次のような効能を示すことができる。具体的に、テアフラビンは、水溶性で水に溶け易いため他の剤形と混ざり合い易く、ヒト由来の皮下脂肪細胞に処理した結果、濃度に係わらず細胞増殖及び毒性に変化を起こさない。他のテアフラビン類が既存の抗肥満効能と知られた脂肪分化の抑制効能を示すのに対し、本発明の有効成分であるテアフラビンは濃度依存的に皮下脂肪の分化を促進させる。一実施例として、前記組成物は、脂肪細胞の分化促進による肌ボリュームアップ用であってよい。一実施例として、前記組成物は、脂肪細胞の分化促進による皮下脂肪減少抑制用であってよい。
【0020】
一実施例において、前記組成物が含むテアフラビン(theaflavin)、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の含量は制限されないが、例えば、組成物の総重量に対し0.01~100重量%であってよく、具体的には、0.01~50重量%であってよい。より具体的に、テアフラビン(theaflavin)、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物は、組成物の総重量に対し0.01重量%以上、0.1重量%以上、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上、40重量%以上、45重量%以上、50重量%以上、55重量%以上、60重量%以上、65重量%以上、70重量%以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、又は95重量%以上であってよい。より具体的に、テアフラビン(theaflavin)、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の含量は、組成物の総重量に対し100重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、1重量%以下、又は0.1重量%以下であってよい。
【0021】
一実施例において、前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の組成物中の濃度は、0.01~10,000mg/kgであってよく、これは組成物の投与経路に応じて変わり得る。一実施例において、前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の投与量は、0.01~10,000mg/kg/日であってよく、これは組成物の投与経路に応じて変わり得る。より具体的に、前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の濃度又は1日投与量は、0.01mg/kg以上、0.1mg/kg以上、0.5mg/kg以上、1mg/kg以上、2mg/kg以上、3mg/kg以上、4mg/kg以上、5mg/kg以上、10mg/kg以上、15mg/kg以上、20mg/kg以上、25mg/kg以上、30mg/kg以上、35mg/kg以上、40mg/kg以上、45mg/kg以上、50mg/kg以上、55mg/kg以上、60mg/kg以上、65mg/kg以上、70mg/kg以上、75mg/kg以上、80mg/kg以上、85mg/kg以上、90mg/kg以上、95mg/kg以上、100mg/kg以上、200mg/kg以上、300mg/kg以上、400mg/kg以上、500mg/kg以上、600mg/kg以上、700mg/kg以上、800mg/kg以上、900mg/kg以上、1,000mg/kg以上、2,000mg/kg以上、3,000mg/kg以上、4,000mg/kg以上、5,000mg/kg以上、6,000mg/kg以上、7,000mg/kg以上、8,000mg/kg以上、9,000mg/kg以上であってよい。より具体的に、前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の濃度は、10,000mg/kg以下、9,000mg/kg以下、8,000mg/kg以下、7,000mg/kg以下、6,000mg/kg以下、5,000mg/kg以下、4,000mg/kg以下、3,000mg/kg以下、2,000mg/kg以下、1,000mg/kg以下、900mg/kg以下、800mg/kg以下、700mg/kg以下、600mg/kg以下、500mg/kg以下、400mg/kg以下、300mg/kg以下、200mg/kg以下、100mg/kg以下、95mg/kg以下、90mg/kg以下、85mg/kg以下、80mg/kg以下、75mg/kg以下、70mg/kg以下、65mg/kg以下、60mg/kg以下、55mg/kg以下、50mg/kg以下、45mg/kg以下、40mg/kg以下、35mg/kg以下、30mg/kg以下、25mg/kg以下、20mg/kg以下、15mg/kg以下、10mg/kg以下、5mg/kg以下、1mg/kg以下、0.5mg/kg以下、又は0.1mg/kg以下であってよい。
【0022】
具体的に、経口投与時における前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の濃度又は1日投与量は、0.01~1,000mg/kgであってよいが、これに制限されない。皮膚塗布時における前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の濃度又は1日投与量は、0.01~3,000mg/kgであってよいが、これに制限されない。皮下への直接投与時における前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の濃度又は1日投与量は、0.01~100mg/kgであってよいが、これに制限されない。
【0023】
一実施例において、前記テアフラビンは、発酵緑茶抽出物に含まれたものであってよい。すなわち、前記組成物は、テアフラビンを含む発酵緑茶抽出物を含むものであってよい。
【0024】
茶は、ツバキ科(Theaceae)、ツバキ属(Camellia)に属する茶の木(Camellia sinensis O、Kuntze)の芽や葉を加工したものであって、茶の生葉には75~80%の水分と20~25%の固形分が含有されており、固形分にはカテキン、カフェイン、アミノ酸、繊維素、ペクチンなどの有機物と、脂質、樹脂類、精油、ビタミン、クロロフィルなどの多様な成分が含有されている。茶は、通常、発酵の程度に応じて発酵度が0%である不発酵茶(緑茶)、20~60%である半発酵茶(白茶、花茶、包種茶及びウーロン茶)及び80%以上の発酵茶(紅茶)に大別している。伝統的な発酵茶は、茶葉に含有された酵素による発酵を用いることから酵素発酵茶という。酵素発酵茶である紅茶類は、茶葉を採葉してから萎凋過程を経て葉を柔らかくし香りの生成に必要な生化学反応が起きるように誘導し、揉捻過程を経て酸化酵素とポリフェノールとの反応を促進させ、発酵工程でカテキン類の酸化重合を促進させることでテアフラビン類を生成し褐色化を伴って香と味が生成される。酵素発酵茶は、発酵が進むにつれて酸化酵素によってエピカテキン、エピガロカテキンガレートなどのカテキン類の酸化重合反応が起きて赤黄色を帯びるテアフラビン類(theaflavins)を生成し、主にテアフラビン(theaflavin)、テアフラビン-3-ガレート(theaflavin-3-gallate)、テアフラビン-3’-ガレート(theaflavin-3’-gallate)及びテアフラビン-3,3’-ジガレート(theaflavin-3,3’-digallate)などの4種が報告されている。これらのテアフラビン類は、抗酸化活性、抗突然変異などの効果などを有すると知られており、酸化酵素の作用によって酸化重合物が生成され、これによって茶の赤色度が増加し香や味に差異が生じ、生成物の体内生理活性にも差異がある。
【0025】
本明細書において「発酵緑茶」は、発酵された状態の緑茶を意味するものとし、発酵の程度による差異をすべて包括する。
【0026】
本発明の一実施例に係る前記発酵緑茶抽出物は、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3’-ガレート、及びテアフラビン-3,3’-ジガレートを含むテアフラビン類を含み、このとき、本発明の有効成分であるテアフラビンを、前記テアフラビン類の総重量に対し30~50重量%含んでよい。
【0027】
一実施例として、前記発酵緑茶抽出物は、(a)緑茶及び春菊を混合してなる混合物を調製するステップ;(b)前記混合物を減圧状態で発酵及び乾燥するステップ;及び(c)前記発酵及び乾燥された混合物を抽出するステップを含む方法によって製造されたものであってよい。
【0028】
本発明に係る発酵緑茶を製造する方法の一実施例として、前記(a)ステップは、緑茶及び春菊を混合してなる混合物を調製するステップである。
【0029】
本発明において緑茶は、緑茶葉、緑茶木の幹及び緑茶木の根からなる群より選ばれる1種以上を含んでよく、例えば、緑茶葉を含んでよい。また、前記緑茶は、酵素反応の促進のために生育中の緑茶を用いてよい。
【0030】
本発明の一実施例において、前記春菊は、緑茶の発酵を促進させる発酵添加組成物として用いられてよい。前記春菊にはポリフェノール酸化酵素及びパーオキシダーゼが含まれており、緑茶の発酵を促進できる。本発明の一実施例において、前記春菊は、粉末化した春菊磨砕物又は搾汁液の状態で用いられてよい。前記粉末化した春菊磨砕物は当業界において公知のものであれば特に限定されないが、破砕機(crusher)で1次粉砕された粉末を粉末機(grinder)で1~500μm程度の微粒子に再粉砕して製造するか、又は1次粉砕なしにボールミル(ball mill)やハンマーミル(hammer mill)などで微粉末に製造したものであってよい。前記搾汁液は当業界において公知のものであれば特に限定されない。
【0031】
一実施例として、前記緑茶及び春菊は、1:1~99:1の重量比で混合してよく、具体的には、20:1~5:1の重量比で混合してよく、より具体的には、10:1の重量比で混合してよい。前記春菊が緑茶の重量よりも多く含まれると、緑茶発酵を短時間で行うことはできるものの、酸化速度が速くなってテアフラビン類の減少が生じることがあり、また緑茶及び春菊が99:1の重量比を超えると、緑茶に含まれた酵素に支配されてテアフラビン類のうちのテアフラビンの含量が増加しない。
【0032】
一実施例として、前記緑茶及び春菊を混合してなる混合物は、更に、蒸留水、イオン水、上水、ミネラルを含む地下水、及び30%未満のアルコールを溶媒として含んでよい。前記溶媒は、一実施例として、緑茶100重量部に対し50~200重量部で含まれてよく、具体的には、80~150重量部で含まれてよい。
【0033】
一実施例において、前記(b)ステップは、前記(a)ステップで調製した混合物を減圧状態で発酵及び乾燥させるステップである。本明細書において「発酵」は、緑茶に自然に存在する酸化酵素の作用で起きることを意味する。前記減圧状態は、酸素との接触が遮られた状態のことを言い、一実施例において、10~50mmHgの減圧状態で発酵及び乾燥させてよい。具体的に、前記減圧状態での発酵は20~50℃の温度で1~10時間行われてよく、より具体的には、2~5時間行われてよい。前記発酵温度が20℃未満であると、発酵時間が長引くことがあり、また50℃を超えると、酵素の失活速度が速くなって不完全な発酵がなされることがある。また、前記(b)ステップは、発酵された混合物を乾燥し、前記乾燥は凍結乾燥であってよい。前記凍結乾燥はその方法を特に限定するものではなく、当業界において公知の方法で行われてよい。
【0034】
一実施例において、前記(c)ステップは、前記(b)ステップで発酵及び乾燥された混合物を抽出するステップである。前記抽出は、抽出溶媒を用いて行われ、抽出溶媒は、水及び炭素数1~5のアルコールからなる群より選ばれる1種以上を含み、具体的には、水及びエタノールからなる群より選ばれる1種以上を含んでよい。抽出温度及び抽出時間は特に限定するものではないが、例えば、抽出温度は常温~80℃であり、抽出時間は1~24時間である。前記(c)ステップにおいて発酵及び乾燥混合物は多様な方法によって抽出されてよく、例えば、熱水抽出物又は炭素数1~5の低級アルコール抽出物を用いた方法であってよい。
【0035】
例えば、第1具現例として、前記発酵及び乾燥された混合物重量の10~30倍数程度の水を添加し100℃で4時間1次抽出を行ない、同様な方法で4時間2次抽出した後、1次及び2次抽出液を合わせてろ過した後、そのろ液を濃縮器で濃縮する。前記濃縮された抽出液を噴霧乾燥器又は真空冷凍凍結乾燥器を利用して乾燥させる。第2具現例として、70%のエタノール抽出物の製造方法は、発酵及び乾燥された混合物重量の10~30倍数程度の70%エタノールを添加し50~80℃で30分~3時間抽出した後、ろ過し、そのろ液を濃縮器で濃縮する。前記濃縮された抽出液を噴霧乾燥器又は真空冷凍凍結乾燥器を用いて乾燥させる。第3具現例として、95%のエタノール抽出物の製造方法は、発酵及び乾燥された混合物重量の10~30倍数程度の95%エタノールを添加し室温で1日~3日間放置し、6時間毎にシェイキング(shaking)作業を繰り返し行って抽出した後、同様な方法で2回繰り返し行って抽出液を得る。前記1次及び2次抽出液を合わせてろ過した後、そのろ液を濃縮器で濃縮する。前記濃縮された抽出液を噴霧乾燥器又は真空冷凍凍結乾燥器を用いて乾燥させる。
【0036】
一般に発酵緑茶抽出物は、発酵が進むにつれて酸化酵素によってエピカテキン、エピガロカテキンガレートなどのカテキン類の酸化重合反応が起きて赤黄色を帯びるテアフラビン類(theaflavins)を生成し、前記テアフラビン類は、テアフラビン(theaflavin)、テアフラビン-3-ガレート(theaflavin-3-gallate)、テアフラビン-3’-ガレート(theaflavin-3’-gallate)、及びテアフラビン-3,3’-ジガレート(theaflavin-3,3’-digallate)を含む。
【0037】
前記一実施例に係る本発明の発酵緑茶は、テアフラビン類のうちのテアフラビンを他のテアフラビン類に対し高含量で含むことで、ヒト由来の皮下脂肪細胞の分化を促進させて高い脂肪細胞生成誘導効能を示す。具体的に、前記発酵緑茶抽出物は、テアフラビン類の総重量に対しテアフラビンを30~50重量%含んでよい。
【0038】
一実施例として、本発明に係る組成物が含む前記発酵緑茶抽出物の含量は特に制限されないが、一例として、組成物の総重量に対し0.01~99.9重量%、具体的には、0.1~50重量%含んでよい。前記含量で含む場合、本発明の意図した効果を示すうえで適切であるだけでなく、組成物の安定性及び安全性をいずれも満たすことができ、且つコスト対効果の面でも好ましい。
【0039】
一実施例において、前記本発明に係る組成物は化粧料組成物であってよい。前記化粧料組成物は、化粧品学又は皮膚科学的に許容可能な媒質又は基剤を含有して剤形化されてよい。これは局所適用に適合したあらゆる剤形であって、経皮投与用であってよい。例えば、溶液、ゲル、固体、練り無水生成物、水相に油相を分散させて得たエマルジョン、懸濁液、マイクロエマルジョン、マイクロカプセル、微細顆粒球若しくはイオン型(リポソーム)及び非イオン型の小胞分散剤の形態で、又はクリーム、スキン、ローション、パウダー、軟膏、スプレー若しくはコンシールスティックの形態で提供されてよい。また、泡沫(foam)の形態で、又は圧縮された推進剤を更に含有したエアロゾル組成物の形態でも用いられてよい。他の例として、フィラー(filler)のような注射剤、坐剤、パッチなどの剤形であってよいが、これらに制限されるものではない。これらの組成物は、当該分野の通常的な方法によって製造されてよい。
【0040】
一実施例として、前記本発明に係る組成物は、前記有効成分と共に主効果を損なわない範囲内で、好ましくは、主効果に相乗効果を与え得る他の成分を含有しても構わなく、本発明の有効成分に加え、他の成分をその他化粧料組成物の剤形又は使用目的に応じて当業者が難なく適宜選定して配合してよい。また、一実施例として、本発明に係る化粧料組成物は、前記成分と共に必要に応じて通常の化粧料組成物に配合される他の成分を含んでよい。例えば、保湿剤、エモリエント剤、有機及び無機顔料、有機粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、植物抽出物、pH調整剤、アルコール、色素、香料、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、精製水などが挙げられる。本発明に係る化粧料組成物に含まれてよいその他の配合成分はこれらに限定されるものではなく、前記成分の配合量は、本発明の目的及び効果を損なわない範囲内であってよい。
【0041】
本発明の実施例に係る組成物は、前記有効成分を含む食品組成物であってよい。例えば、前記有効成分を含む発酵乳、チーズ、ヨーグルト、ジュース、生菌製剤、及び健康食品などといった機能性食品として加工されてよく、その他、多様な食品添加剤の形態で用いられてよい。一実施例として、組成物は、健康食品用組成物であってよい。一実施例として、前記健康食品用組成物は、丸剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、キャラメル剤又はドリンク剤などに剤形化することができる。他の一実施例として、液剤、粉末、顆粒、錠剤又はティーバッグなどの形態に加工されてもよい。前記組成物は、単純飲用、注射投与、スプレー方式又はスクイーズ方式などの様々な方法で投与されてよい。前記組成物は、本発明の主効果を損なわない範囲内で主効果に相乗効果を与え得る他の成分などを含有してよい。例えば、物性改善のために、香料、色素、殺菌剤、酸化防止剤、防腐剤、保湿剤、増粘剤、無機塩類、乳化剤、及び合成高分子物質などの添加剤を更に含んでよい。その他にも、水溶性ビタミン、油溶性ビタミン、高分子ペプチド、高分子多糖、及び海草エキスなどの補助成分を更に含んでよい。前記成分は、剤形又は使用目的に応じて当業者が適宜選定して配合してよく、その添加量は、本発明の目的及び効果を損なわない範囲内で選択されてよい。例えば、前記成分の添加量は、組成物の全重量を基準に、0.0001重量%~99.9重量%であってよい。
【0042】
本発明の実施例に係る組成物は、前記有効成分を含む薬剤学的組成物であってよい。前記薬剤学的組成物は、防腐剤、安定化剤、水和剤又は乳化促進剤、浸透圧調節のための塩及び/又は緩衝剤などの薬剤学的補助剤、並びにその他治療的に有用な物質を更に含有してよい。
【0043】
一実施例として、前記薬剤学的組成物は、経口投与剤であってよく、前記経口投与剤は、例えば、錠剤、丸剤、硬質及び軟質カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳化剤、シロップ剤、粉剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、ペレット剤などがある。これらの剤形は、有効成分の他、界面活性剤、希釈剤(例:ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及びグリシン)、滑沢剤(例:シリカ、タルク、ステアリン酸及びそのマグネシウム又はカルシウム塩、並びにポリエチレングリコール)を含有してよい。錠剤は、更に、マグネシウムアルミニウムシリケート、澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカンス、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びポリビニルピロリジンといった結合剤を含有してよく、場合に応じて、澱粉、寒天、アルギン酸又はそのナトリウム塩といった崩解剤、吸収剤、着色剤、香味剤、及び甘味剤などの薬学的添加剤を含有してよい。前記錠剤は、通常の混合、顆粒化又はコーティング方法によって製造されてよい。
【0044】
一実施例として、前記薬剤学的組成物は、非経口投与剤であってよく、前記非経口投与剤は、直腸、局所、皮下、径皮投与型剤形であってよい。例えば、フィラー(filler)のような注射剤、点滴剤、軟膏、スキン、ローション、ゲル、クリーム、スプレー、懸濁剤、乳剤、坐剤、パッチなどの剤形であってよいが、これらに制限されるものではない。
【0045】
一実施例として、前記薬剤学的組成物の投与量は、治療を受ける対象の年齢、性別、体重と、治療する特定の疾患又は病理状態、疾患又は病理状態の深刻度、投与経路及び処方者の判断に応じて異なり得る。このような因子に基づく投与量の決定は当業者の水準内にある。例えば、前記投与量は、0.01~10,000mgを一日に1回~3回に分けて投与してよいが、前記投与量は、如何なる方法でも本明細書の範囲を限定するものではない。
【0046】
以下、実施例、比較例、及び試験例を参照して本発明を詳しく説明する。なお、これらは単に本発明をより具体的に説明するために例示したものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例、比較例及び試験例によって制限されないことは当業者にとって自明であろう。
【0047】
[実施例1]テアフラビン含量が強化されたCoF-GT(生緑茶・共発酵)分画の生産
生緑茶及び春菊の葉を脱イオン水で2回洗浄し過度な水を軽くたたいて除去した。これらの葉を液体窒素に浸漬してから破砕して-80℃で保管した。CoF-GTは次のようにして製造した。CoF-GTは、生緑茶粉末(100g)と冷凍された生春菊(50mg)との混合物を発酵した。3時間の反応後、混合物を70%エチルアルコール(v/v)で2時間抽出した。固形分及び残渣を90メッシュ篩に通してから0.22μmフィルタ(Dow Corning、Corning、ny、USA)でろ過した。ろ過されたサンプルをHei-VAP回転濃縮蒸発器(Heidolph Instruments、Schwabach、Germany)で蒸発させてからFreeZone凍結乾燥器(Labconco、Kansas City、MO、USA)を用いて粉末化した。
【0048】
[比較例1]通常に発酵されたF-GT(緑茶一般発酵)分画の生産
F-GTは、生緑茶の葉を脱イオン水で2回洗浄し過度な水を軽くたたいて除去した。葉を液体窒素に浸漬してから破砕して-80℃で保管した。37.5℃の熱ジャケットz-ブレード混合器(IKA、Staufen im Breisgau、Germany)で冷凍された生緑茶粉末(100g)を発酵して製造した。3時間の反応後、混合物を70%エチルアルコール(v/v)で2時間抽出した。固形分及び残渣を90メッシュ篩に通してから0.22μmフィルタ(Dow Corning、Corning、NY、USA)でろ過した。ろ過されたサンプルをHei-VAP回転濃縮蒸発器(Heidolph Instruments、Schwabach、Germany)で蒸発させてからFreeZone凍結乾燥器(Labconco、Kansas City、MO、USA)を用いて粉末化した。
【0049】
[試験例1]CoF-GT及びF-GT分画のHPLC分析
各サンプル(8g)を30分間超音波処理後に100ml DMSO/メタノール/エタノール(5:45:50、v/v)の混合物に溶解させてから遠心分離をした後、0.45μmポリテトラフルオロエチレン(PTFE)注射器フィルタ(Pall Corp.、Port Washington、NY、USA)でろ過した。82mlの試料を50mlサンプルルーフに充填し光ダイオードアレイ検出器付きのAKTApurifier 10(GE Healthcare、Stockholm、Sweden)に注入して275と365nmで分析した。精製分離はAQ-HG octadecylsilylコラム(120Å、10μm、20×250mm、column volume=78.5ml)(YMC Co.、Kyoto、Japan)で行った。純粋な水(溶媒A)及びアセトニトリル(溶媒B)で勾配溶出を行った。1回に8.2mlのサンプル溶液を注入し、移動相の流速は10ml/minであった。全ての溶媒はろ過し、脱気し、適切な圧力下で用いられた。サンプルの注入後に分画(110ml)を収集した。各サイクルに4つの分画物を得、10回のサイクルに亘って個別のボトルに収集した。毎回4番目の分画を一つに集めてHei-VAP回転式蒸発器(Heidolph Instruments)で溶媒を除去し、凍結乾燥して粉末化した後、分析を行うまで-20℃で保存した。
【0050】
前記発酵茶のテアフラビン成分の検出のためにHPLC(High performance liquid chromatography)を用いて前記実施例1及び比較例1で製造した発酵緑茶抽出物のテアフラビン(theaflavin、TF)、テアフラビン-3-ガレート(theaflavin-3-gallate、TF-3G)、テアフラビン-3’-ガレート(theaflavin-3’-gallate、TF-3’G)、及びテアフラビン-3,3’-ジガレート(theaflavin-3,3’-digallate、TF-3,3’DG)の含量分析を行った。テアフラビン標準品はWako社から購入し、試料は50%エタノール溶媒に溶解して超音波抽出後に0.45μm PVDFフィルタでろ過して機器に注入した。機器はHPLC(Waters Alliance 2695 system、Waters、USA)を用い、検出波長を270nm領域にして分析を行った。コラムはOptimapak C18(150×4.6mm、5μm)を用い、0.05%トリフルオロ酢酸(Trifluoroacetic acid、TFA)とアセトニトリル(Acetonitrile、ACN)溶媒を用いたグラジエントモードで分析を行い、溶媒の濃度組成比を下記の表1に表した。全ての分析溶媒はHPLC級試薬を用い、データ処理はウォーターズ社のEmpower 3プログラムを用いて行った。
【0051】
【0052】
その結果、
図1に見られるように既存の緑茶発酵技法(比較例1)を適用した緑茶発酵抽出物(F-GT)の場合には、主な4種のポリフェノール成分が一様に増加するが、共発酵技法を適用したテアフラビン生発酵抽出物(CoF-GT、実施例1)はテアフラビン(1)の含量が優先して多く生成された。
【0053】
[試験例2]細胞培養と分化及び細胞生存性の分析
細胞培養と分化
ヒト由来皮下脂肪細胞(human Subcutaneous Fat cells、hSCF)と未分化皮下脂肪細胞培養培地をZenBio(Research Triangle Park、NC、USA)から購入した。hSCFは培養期間の間5%CO2培養器で培養された。分化を誘導するために10μg/mlインスリン、0.5mM 3-イソブチル-1-メチルキサンチン(3-isobutyl-1-methylxanthine)、1μmデキサメタゾン(dexamethasone)、1μgトログリタゾン(troglitazone)(いずれもSigma-Aldrich(USA)から購入)と共に10%の胎児血清(PAA、Walkersville、MD、USA)を含有したダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s modified Eagle’s medium;Lonza、Walsvill、MD、MD、USA)で21日間培養された。培地は隔日に取り替えした。
【0054】
細胞生存性分析
hSCFの生存性はメーカの指針に従ってEZ-Cytox検査キット(DAEIL LAB SERVICE、ソウル、大韓民国)で測定された。簡単に、7日間培養された細胞に対し、薬物処理後にそれぞれ24時間と72時間にわたって0.1、0.5、1、5及び10μg/mlの多様な濃度でテアフラビン濃縮生発酵抽出物(CoF-GT)、緑茶発酵抽出物(F-GT)、テアフラビン(TF)及びテアフラビン-3,3’-ジガレート(TFDG)をそれぞれ処理した。EZ-Cytox溶液(10μl)を各ウェルに加え、37℃で2時間培養した。450nmにおける吸光度を分光光度計(Syergenergy H2;BioTek、Winosk、VT、USA)で測定した。実験は3回繰り返し行われ、データは吸光度値を対照群に対しての比較活性比率(%)で表した。
【0055】
前記各処理物質のhSCFsに影響力を示す濃度を確認した結果、前記処理物質はいずれも、24時間処理の増殖効果実験(
図2)と72時間処理の毒性確認実験(
図3)の全濃度区間において若干の細胞増殖効果を除いた如何なる毒性効果も示さない安全な物質であることを確認した。
【0056】
[試験例3]ORO(Oil Red O)染色によるトリグリセリド(Triglyceride、TG)含量分析
皮下脂肪細胞の分化結果は、Oil Red O染色によって脂肪生成を定性及び定量的に確認した。
【0057】
hSCFを冷たいリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄し3.7%ホルムアルデヒド(Sigma-Aldrich)で1時間にわたって固定した。固定された細胞は60%プロピレングリコール(propylene glycol、Sigma-Aldrich)で30分間洗浄してからOil Red O(0.7% ORO stockは60%プロピレングリコールで希釈して調製)の溶液で染色した。再び、細胞を85%のプロピレングリコールで3回洗浄してから流れる水道水で濯いだ。OROで染色された脂肪滴(lipid droplet、LD)をIX71顕微鏡(Olympus、Tokyo、Japan)で観察及び写真化した。LDを定量化するために70%プロピレングリコール(Sigma-Aldrich)で染色された細胞を洗浄し、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol)に4% Nonidet P-40(Sigma-Aldrich)を混ぜ合わせた溶液を細胞に処理して、20分間OROで染色された細胞からOROのみを抽出した。抽出物の吸光度は、分光光度計で490nmにおいて測定した。
【0058】
hSCFsが脂肪滴(lipid droplet)を生成する成熟した脂肪(mature adipocytes)に分化するには約21日の時間が必要である。したがって、テアフラビン(TF)及びテアフラビン-3,3’-ジガレート(TFDG)をそれぞれ0.5、2μg/ml、テアフラビン濃縮生発酵抽出物(CoF-GT)及び緑茶発酵抽出物(F-GT)をそれぞれ1、5、10μg/mlで処理した培地において21日間それぞれ培養した。その結果、本発明の一実施例であるテアフラビン(TF)及びテアフラビン濃縮生発酵抽出物(CoF-GT)の場合、濃度依存的に脂肪生成を増加させることをOil Red O染色法によって確認し、これと対照的にTFDGとF-GTを処理した場合、既存緑茶の抗肥満効果である脂肪分解が起きることを確認した(
図4)。前記
図3及び
図4の染色された脂肪の量を定量化するために、トリグリセリド(triglyceride、TG)の量を測定して
図6にグラフで表した。
【0059】
[試験例4]リアルタイム定量PCR(Realtime quantitative polymerization chain reaction;RT-qPCR)
総RNAは、メーカの指示に従ってTRIzol試薬(TRIzol、Life Technologies、Carlsbad、CA、USA)を用いて抽出し、相補的DNA(complementary DNA;cDNA)は逆転写キット(Reverse transcription Kit、Promega、Madison、WI、USA)を用いて合成した。cDNAは、TaqMan(登録商標)プローブ(Taqman probe)を用い、7500高速リアルタイムPCRシステム(Fast7500 Real-time PCR、Life Technologies)でRT-qPCR増幅のテンプレートとして用いられ、PPARγ(Peroxisome Proliferator Activated Receptor Gamma #Hs01115513_m1)、アディポネクチン(adiponectin、ADIPOQ;#Hs00605917_m1)及びグリセルアルデヒド(glyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenase、GAPDH;#4352339E)は対照遺伝子として用いられた。データは独立して繰り返された3回の実験で得、標本の値はGAPDH水準に対する相対的な数に変化して提示される。
【0060】
脂肪分化に関連する遺伝子であるPPARγとアディポネクチン(Adipoq)の量を測定した結果、
図7に示すように前記試験例3の染色結果及びテアフラビン量と類似した結果を確認した。
【0061】
[試験例5]培地に溶出されたアディポネクチンの分析
皮下脂肪の分化後にコンディション確認のために、培地に溶出される脂肪細胞特異的ホルモン(adipocyte cytokine、adipokine)の一つであるアディポネクチン(adiponectin)の量の増加をELISA(Enzyme-linked immunosorbent assay)測定法によって確認した。
【0062】
hSCFに多様な濃度のテアフラビン(TF)、テアフラビン-3,3’-ジガレート(TFDG)、テアフラビン濃縮生発酵抽出物(CoF-GT)、及び緑茶発酵抽出物(F-GT)をそれぞれ処理して21日間分化した。培養培地を収去して15分間13,000rpmで遠心分離後に異物を除去した。ELISA(Enzo Life Sciences、Farmingdale、NY、USA)は、メーカの指針に従って用いて溶出されたアディポネクチンの水準を測定した。その結果、
図8に示したように脂肪分化後に培地に溶出される脂肪細胞由来のホルモン(adipokine)の一つである、アディポネクチンが、テアフラビン-3,3’-ジガレート(TFDG)及び緑茶発酵抽出物(F-GT)を処理した場合には減少するのに対し、本発明の一実施例であるテアフラビン(TF)及びテアフラビン濃縮生発酵抽出物(CoF-GT)の処理時には、その濃度が増加するに伴いアディポネクチンの量も増加した。これは先の試験例3及び4の実験結果とも一致する結果である。
【0063】
[試験例6]テアフラビン(TF)の濃度別の細胞培養と分化及び細胞生存性分析
前記試験例2と同様な方法によって0.01~100μg/mlのテアフラビン(TF)がhSCFsに影響力を示す濃度を確認し、これを
図9に示した。その結果、24時間処理の増殖効果実験と72時間処理の毒性確認実験のいずれも、処理されたすべての濃度において若干の細胞増殖効果を除いた如何なる毒性効果も示さない安全な物質であることを確認した。
【0064】
[試験例7]テアフラビン(TF)の濃度別のトリグリセリド(Triglyceride、TG)増加効能分析
前記試験例3と同様な方法によってテアフラビン(TF)0~100μg/mlに対し、濃度別の皮下脂肪細胞の分化効能を分析した。
【0065】
その結果、
図10に示したように、テアフラビン(TF)は50μg/mlまでは濃度依存的に脂肪分化を促進し、100μg/mlで脂肪分化能力が50μg/mlよりも多少減少した。
【0066】
以下、本明細書の一実施例に係る組成物の剤形例を説明するが、他の種々の剤形への応用も可能であり、これは、本明細書を限定するためではない単に具体的に説明するためのものである。
【0067】
[剤形例1]柔軟化粧水(スキンローション)
下記の表に記載された組成にて通常の方法に従い柔軟化粧水を製造した。
【0068】
【0069】
[剤形例2]栄養化粧水(ミルクローション)
下記の表に記載された組成にて通常の方法に従い栄養化粧水を製造した。
【0070】
【0071】
[剤形例3]マッサージクリーム
下記の表に記載された組成にて通常の方法に従いマッサージクリームを製造した。
【0072】
【0073】
[剤形例4]錠剤
テアフラビン100mg、ラクトース400mg、とうもろこし澱粉400mg及びステアリン酸マグネシウム2mgを混合した後、通常の錠剤の製造方法に従い打錠して錠剤を製造した。
【0074】
[剤形例5]カプセル剤
テアフラビン100mg、ラクトース400mg、とうもろこし澱粉400mg及びステアリン酸マグネシウム2mgを混合した後、通常のカプセル剤の製造方法に従いゼラチンカプセルに充填してカプセル剤を製造した。
【0075】
[剤形例6]顆粒剤
テアフラビン50mg、無水結晶ブドウ糖250mg及び澱粉550mgを混合し、流動層造粒機を用いて顆粒に成形した後、分包に充填した。
【0076】
[剤形例7]ドリンク剤
テアフラビン50mg、ブドウ糖10g、クエン酸0.6g、及び液状オリゴ糖25gを混合した後、精製水300mlを加えて、各瓶に200mlずつ充填する。瓶に充填した後、130℃で4~5秒間殺菌してドリンク剤を製造した。
【0077】
[剤形例8]キャラメル剤形
テアフラビン50mg、とうもろこしシロップ(corn syrup)1.8g、脱脂牛乳0.5g、大豆レシチン0.5g、バター0.6g、植物性硬化油0.4g、砂糖1.4g、マーガリン0.58g、及び食塩20mgを混合し、キャラメル成形した。
【0078】
[剤形例9]健康食品
【0079】
【0080】
前記ビタミン及び無機質混合物の組成比は、比較的に健康食品に適合した成分を例にして混合組成したが、その配合比を任意に変形実施しても構わなく、通常の健康食品の製造方法に従い前記成分を混合した後、顆粒を製造し、通常の方法に従い健康食品の組成物の製造に用いてよい。
【0081】
[剤形例10]健康飲料
【0082】
【0083】
前記表のように総体積900mlになるように残量の精製水を添加して、通常の健康飲料の製造方法に従い前記成分を混合してから約1時間85℃で撹拌加熱し、これにより調製された溶液をろ過して得られたろ液を滅菌された2リットルの容器に入れて密封滅菌した後に冷蔵保管して健康飲料の組成物の製造に用いてよい。
【0084】
[剤形例11]注射剤
下記の表に記載された組成にて通常の方法に従い注射剤を製造した。
【0085】
【0086】
本発明は、一実施例として、次の実施形態を提供することができる。
【0087】
第1実施形態は、テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物を有効成分として含む、脂肪細胞の分化促進用組成物を提供することができる。
【0088】
第2実施形態は、第1実施形態において、当該組成物は、テアフラビンを含む発酵緑茶抽出物を含むものである、組成物を提供することができる。
【0089】
第3実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態の一つ以上において、前記発酵緑茶抽出物は、テアフラビン、テアフラビン-3-ガレート、テアフラビン-3’-ガレート、及びテアフラビン-3,3’-ジガレートを含むテアフラビン類を含み、前記テアフラビンを前記テアフラビン類の総重量に対し30~50重量%含む、組成物を提供することができる。
【0090】
第4実施形態は、第1実施形態乃至第3実施形態の一つ以上において、前記発酵緑茶抽出物は、
(a)緑茶及び春菊を混合して混合物を調製するステップ;
(b)前記混合物を減圧状態で発酵及び乾燥するステップ;及び
(c)前記発酵及び乾燥された混合物を抽出するステップを含む方法によって製造されたものである、組成物を提供することができる。
【0091】
第5実施形態は、第1実施形態乃至第4実施形態の一つ以上において、前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の組成物中での濃度は、0.01~10,000mg/kgである、組成物を提供することができる。
【0092】
第6実施形態は、第1実施形態乃至第5実施形態の一つ以上において、前記テアフラビン、その異性体、その薬学的に許容可能な塩、その水和物又はその溶媒和物の投与量は、0.01~10,000mg/kg/日である、組成物を提供することができる。
【0093】
第7実施形態は、第1実施形態乃至第6実施形態の一つ以上において、当該組成物は、脂肪細胞の分化促進による肌ボリュームアップ用である、組成物を提供することができる。
【0094】
第8実施形態は、第1実施形態乃至第7実施形態の一つ以上において、当該組成物は、脂肪細胞の分化促進による皮下脂肪減少抑制用である、組成物を提供することができる。
【0095】
第9実施形態は、第1実施形態乃至第8実施形態の一つ以上において、当該組成物は、経皮投与用である、組成物を提供することができる。
【0096】
第10実施形態は、第1実施形態乃至第9実施形態の一つ以上において、当該組成物は、化粧料組成物である、組成物を提供することができる。
【0097】
第11実施形態は、第1実施形態乃至第10実施形態の一つ以上において、当該組成物は、薬学組成物である、組成物を提供することができる。
【0098】
第12実施形態は、第1実施形態乃至第11実施形態の一つ以上において、当該組成物は、食品組成物である、組成物を提供することができる。
【0099】
前記実施形態は本発明の説明のために開示されたものであり、前記説明は本発明の範囲を制限するものではない。したがって、本発明の意味及び範囲を逸脱しない限り、種々の修正、変形、及び置き換えが当該技術分野の通常の技術者から生じることがある。