(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】組立式車両ホイール
(51)【国際特許分類】
B60B 1/14 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
B60B1/14 J
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022111789
(22)【出願日】2022-07-12
(62)【分割の表示】P 2021081040の分割
【原出願日】2016-12-29
【審査請求日】2022-07-12
(32)【優先日】2015-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518227005
【氏名又は名称】マキシオン・ホイールズ ユー.エス.エイ.エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】ミツヤス,フェルナンド
(72)【発明者】
【氏名】オリヴェイラ,マルシオ
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/074065(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02495110(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0197371(US,A1)
【文献】特表2005-511371(JP,A)
【文献】特表2005-509552(JP,A)
【文献】特開2010-132277(JP,A)
【文献】特表2005-507334(JP,A)
【文献】特開2005-035330(JP,A)
【文献】米国特許第07984551(US,B2)
【文献】米国特許第07587825(US,B2)
【文献】米国特許第07559145(US,B2)
【文献】米国特許第07059685(US,B2)
【文献】国際公開第2014/132169(WO,A1)
【文献】特開2015-006849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組立式車両ホイールで使用されるように適合されたホイールディスクであって、前記ホイールディスクが、
軸を画定し、中央装着部分と、外側リム接続フランジと、前記中央装着部分を前記外側リム接続フランジに接続する半径方向外側に延在する複数のスポークと、各対の隣接するスポークの間に設けられる通気開口部とを有するスチールホイールディスクであって、前記中央装着部分が中央ハブ孔および複数のラグボルト装着用孔を有し、前記外側リム接続フランジが前記軸に平行であり、側方縁部を有し、前記スポークの各々が、中央壁、前記中央壁の各端部から延在する概して軸方向外向きの側壁、および各々の前記側壁から軸方向外向きに延在する折り返し形状の外側壁を有し、前記通気開口部が、前記外側リム接続フランジの前記側方縁部および隣接するスポーク対の前記外側壁によって画定される、スチールホイールディスクを備え、
前記通気開口部の輪郭が3種類の円弧を含んで形成され、前記3種類の円弧は、前記通気開口部の前記輪郭のうち前記軸に最も近い部分に位置し且つ前記軸に向かって凸である中央円弧と、前記中央円弧の両側に形成された2つの側部の円弧とを有
し、
前記スポークの外側壁は、それぞれ前記スポークが凹む凹形部を画定する、
ホイールディスク。
【請求項2】
請求項1に記載のホイールディスクにおいて、前記中央円弧の両側に形成された前記側部の円弧の半径は等しい、ホイールディスク。
【請求項3】
請求項1に記載のホイールディスクにおいて、前記中央円弧の両側に形成された前記側部の円弧の半径は等しく、前記スポークの前記外側壁はそれぞれ凹形部を画定する、ホイールディスク。
【請求項4】
請求項1に記載のホイールディスクにおいて、前記スポークの前記中央壁が概して凹形である、ホイールディスク。
【請求項5】
請求項1に記載のホイールディスクにおいて、前記中央装着部分が各対の隣接するラグボルト孔の間に配置されるリブを有し、前記リブは、前記ホイールディスクの表面に対して傾斜する面を有する壁部分を有し、前記壁部分は前記中央ハブ孔から半径方向外側に延びる、ホイールディスク。
【請求項6】
請求項1に記載のホイールディスクにおいて、前記スポークおよび前記ラグボルト孔の数が同数であり、前記スポークの各々が前記ラグボルト孔のうちの対応するラグボルト孔に位置合わせされる、ホイールディスク。
【請求項7】
請求項1に記載のホイールディスクにおいて、前記中央装着部分が、各々の前記ラグボルト孔の後ろ側のところに画定される装着面を有し、前記装着面が、前記ハブ孔のところで第1の角距離を画定するように、所定の長さ部分にわたって、各ラグボルト孔のところで互いに対して半径方向外向きにテーパ状になっている一対の側壁を有し、隣接する対のラグボルト孔の間の一対の隣接する側壁が、前記ハブ孔のところで第2の角距離を画定するように互いに対して半径方向外向きにテーパ状になっており、前記第1および第2の角距離が互いに概して等しいか、または、前記第1および第2の角距離が互いにわずかに異なる、ホイールディスク。
【請求項8】
請求項1に記載のホイールディスクにおいて、前記中央壁の幅及び前記外側壁の幅が、前記関連する壁が前記中央装着部分から前記外側フランジまで略半径方向外方へ伸びるにつれて、有意な及び/又は全体の部分に沿って狭くなるか又は減少することにより、前記中央壁は、前記中央装着部分に概して近い点での第1の幅と、該第1の幅より大幅に小さい前記外側フランジに概して近い点での第2の幅とを有し、前記外側壁は、前記中央装着部分に概して近い点での第3の幅と、該第3の幅より大幅に小さい前記外側フランジに概して近い点での第4の幅とを有する、ホイールディスク。
【請求項9】
組立式車両ホイールであって、前記組立式車両ホイールが、
適切な材料から形成されたホイールリムと、
前記ホイールリムに固定され、軸を画定するスチールホイールディスクであって、前記スチールホイールディスクが、中央装着部分と、外側リム接続フランジと、前記中央装着部分を前記外側リム接続フランジに接続する半径方向外側に延在する複数のスポークと、各対の隣接するスポークの間に設けられる通気開口部とを有し、前記中央装着部分が中央ハブ孔および複数のラグボルト装着用孔を有し、前記外側リム接続フランジが前記軸に平行であり、側方縁部を有し、前記スポークの各々が、中央壁、前記中央壁の各端部から延在する概して軸方向外向きの側壁、および各々の前記側壁から軸方向外向きに延在する折り返し形状の外側壁を有し、前記通気開口部が、前記外側リム接続フランジの前記側方縁部および隣接するスポーク対の前記外側壁によって画定される、スチールホイールディスクとを備え、
前記通気開口部の輪郭が3種類の円弧を含んで形成され、前記3種類の円弧は、前記通気開口部の前記輪郭のうち前記軸に最も近い部分に位置し且つ前記軸に向かって凸である中央円弧と、前記中央円弧の両側に形成された2つの側部の円弧とを有
し、
前記スポークの外側壁は、それぞれ前記スポークが凹む凹形部を画定する、
組立式車両ホイール。
【請求項10】
請求項9に記載の組立式車両ホイールにおいて、前記中央円弧の両側に形成された前記側部の円弧の半径は等しい、組立式車両ホイール。
【請求項11】
請求項9に記載の組立式車両ホイールにおいて、前記中央円弧の両側に形成された前記側部の円弧の半径は等しく、前記スポークの前記外側壁はそれぞれ凹形部を画定する、組立式車両ホイール。
【請求項12】
請求項9に記載の組立式車両ホイールにおいて、前記スポークの前記中央壁が概して凹形である、組立式車両ホイール。
【請求項13】
請求項9に記載の組立式車両ホイールにおいて、前記中央装着部分が各対の隣接するラグボルト孔の間に配置されるリブを有し、前記リブは、前記ホイールディスクの表面に対して傾斜する面を有する壁部分を有し、前記壁部分は前記中央ハブ孔から半径方向外側に延びる、組立式車両ホイール。
【請求項14】
請求項9に記載の組立式車両ホイールにおいて、前記スポークおよび前記ラグボルト孔の数が同数であり、前記スポークの各々が前記ラグボルト孔のうちの対応するラグボルト孔に位置合わせされる、組立式車両ホイール。
【請求項15】
請求項9に記載の組立式車両ホイールにおいて、前記中央装着部分が、各々の前記ラグボルト孔の後ろ側のところに画定される装着面を有し、前記装着面が、前記ハブ孔のところで第1の角距離を画定するように、所定の長さ部分にわたって、各ラグボルト孔のところで互いに対して半径方向外向きにテーパ状になっている一対の側壁を有し、隣接する対のラグボルト孔の間の一対の隣接する側壁が、前記ハブ孔のところで第2の角距離を画定するように互いに対して半径方向外向きにテーパ状になっており、前記第1および第2の角距離が互いに概して等しいか、または、前記第1および第2の角距離が互いにわずかに異なる、組立式車両ホイール。
【請求項16】
請求項9に記載の組立式車両ホイールにおいて、前記中央壁の幅及び前記外側壁の幅が、前記関連する壁が前記中央装着部分から前記外側フランジまで略半径方向外方へ伸びるにつれて、有意な及び/又は全体の部分に沿って狭くなるか又は減少することにより、前記中央壁は、前記中央装着部分に概して近い点での第1の幅と、該第1の幅より大幅に小さい前記外側フランジに概して近い点での第2の幅とを有し、前記外側壁は、前記中央装着部分に概して近い点での第3の幅と、該第3の幅より大幅に小さい前記外側フランジに概して近い点での第4の幅とを有する、組立式車両ホイール。
【請求項17】
請求項9に記載の組立式車両ホイールにおいて、前記ホイールリム及び前記ホイールディスクが、溶接により一体に固定される、組立式車両ホイール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、概して、組立式(fabricated)車両ホイールに関し、より詳細には、改良された組立式車両ホイール、そのような組立式車両ホイールで使用されるためのホイールディスク、ならびにそのようなホイールディスクおよび組立式車両ホイールを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]従来の組立式車両ホイールは、通常、2ピース構造であり、インナーディスクおよび外側の「フル」リムを有する。ディスクは、スチール、アルミニウム、または他の合金から鋳造、鍛造、または加工され得、内側にある環状のホイール装着部分、および外側にある環状部分を有する。ホイール装着部分が内側の装着面または装着用パッドを画定し、中央パイロット孔または中央ハブ孔、ならびにホイールを車両のアクスルに装着するた
めにホイール装着部分を貫通して形成された複数のラグ受け孔を有する。リムは、スチール、アルミニウム、または他の合金から加工され、内側のタイヤビードシート保持フランジ(tirebeadseatretainingflange)、内側のタイヤビードシート、軸方向に延在するウェル、外側のタイヤビードシート、および外側のタイヤビードシート保持フランジを有する。一部の例では、ディスクに固定される装着用カップを有する3ピースのホイール構造が使用される。いずれの構造タイプでも、ディスクの外側にある環状部分が、通常、溶接によりリムに固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]本発明は、実質的に本明細書で例示および/または説明されるような、改良された組立式車両ホイール、およびそのような組立式車両ホイールを製造するための方法に関連する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]一実施形態によると、組立式車両ホイールで使用されるためのホイールディスク、および/または、同ホイールディスクを製造するための方法が、個別におよび/または組み合わせで、以下の特徴および/または要素のうちの1つまたは複数を含むことができる:軸を画定し、中央装着部分と、外側リム接続フランジと、中央装着部分を外側リム接続フランジに接続する径方向外側に延在する複数のスポークと、各対の隣接するスポークの間に設けられる通気開口部とを有するスチールホイールディスクであって、中央装着用パッドが中央ハブ孔および複数のラグボルト装着用孔を有し、外側リム接続フランジが軸に平行であり、側方縁部を有し、スポークの各々が、中央壁、中央壁の各端部から延在する概して軸方向外向きの側壁、および各々の側壁から延在する外向きに延在する折り返し形状の外側壁を有し、通気開口部が、外側リム接続フランジの側方縁部および隣接するスポーク対の外側壁によって画定され、ここでは、スポークの中央壁によって画定される幅が、概して中央装着部分から外側リム接続フランジまでスポークの中央壁が延びるにつれて径方向長さの有意な部分に沿って内側にテーパ状になっているか、あるいはここでは、スポークの外側壁によって画定される幅が、概して中央装着部分から外側リム接続フランジまでスポークの外側壁が延びるにつれて径方向長さの有意な部分に沿って内側にテーパ状になっている。
【0005】
[0005]この実施形態によると、通気開口部が、3つの半径によって画定される中央孔を有する。
[0006]この実施形態によると、通気開口部が、隣接するスポーク対の外側壁によって画定
される部分に沿う凹形部を有する。
【0006】
[0007]この実施形態によると、スポークの中央壁が概して凹形である。
[0008]この実施形態によると、中央装着部分が、各々のラグボルト孔の後ろ側のところに画定される装着用パッドを有し、装着用パッドが、ハブ孔のところで第1の角距離を画定するように、有意な部分にわたって、各ラグボルト孔のところで互いに対して径方向外向きにテーパ状になっている一対の側壁を有し、隣接する対のラグボルト孔の間の一対の隣接する側壁が、ハブ孔のところで第2の角距離を画定するように径方向外向きにテーパ状になっており、ここでは、第1および第2の角距離が互いに概して等しいか、または、第1および第2の角距離が互いにわずかに異なる。
【0007】
[0009]この実施形態によると、中央装着部分が各対の隣接するラグボルト孔の間に配置されるリブを有し、リブは、有意な部分にわたって略平坦な壁部分を有し、壁部分は中央ハブ孔から径方向外側に延びる。
【0008】
[0010]この実施形態によると、スポークおよびラグボルト孔の数が同数であり、スポークの各々がラグボルト孔のうちの対応するラグボルト孔に位置合わせされる。
[0011]別の実施形態によると、組立式車両ホイールおよび/または同組立式車両ホイールを製造するための方法が、個別におよび/または組み合わせで、以下の特徴および/または要素のうちの1つまたは複数を含むことができる:ホイールリム;ならびに、ホイールリムに固定され、軸を画定するスチールホイールディスクであって、このホイールディスクが、中央装着部分と、外側リム接続フランジと、中央装着部分を外側リム接続フランジに接続する径方向外側に延在する複数のスポークと、各対の隣接するスポークの間に設けられる通気開口部とを有し、中央装着部分が中央ハブ孔および複数のラグボルト装着用孔を有し、外側リム接続フランジが軸に平行であり、側方縁部を有し、スポークの各々が、中央壁、中央壁の各端部から延在する概して軸方向外向きの側壁、および各々の側壁から延在する外向きに延在する折り返し形状の外側壁を有し、通気開口部が、外側リム接続フランジの側方縁部および隣接するスポーク対の外側壁によって画定される、スチールホイールディスク。ここでは、スポークの中央壁によって画定される幅が、概して中央装着用パッドから外側リム接続フランジまでスポークの中央壁が延びるにつれて径方向長さの有意な部分に沿って内側にテーパ状になっているか、あるいはここでは、スポークの外側壁によって画定される幅が、概して中央装着部分から外側リム接続フランジまでスポークの外側壁が延びるにつれて径方向長さの有意な部分に沿って内側にテーパ状になっている。
【0009】
[0012]この実施形態によると、通気開口部が、3つの半径によって画定される中央孔を有する。
[0013]この実施形態によると、通気開口部が、隣接するスポーク対の外側壁によって画定される部分に沿う凹形部を有する。
【0010】
[0014]この実施形態によると、スポークの中央壁が概して凹形である。
[0015]この実施形態によると、中央装着部分が、各々のラグボルト孔の後ろ側のところに画定される装着用パッドを有し、装着用パッドが、ハブ孔のところで第1の角距離を画定するように、有意な部分にわたって、各ラグボルト孔124のところで互いに対して径方向外向きにテーパ状になっている一対の側壁を有し、隣接する対のラグボルト孔の間の一対の隣接する側壁が、ハブ孔のところで第2の角距離を画定するように径方向外向きにテーパ状になっており、ここでは、第1および第2の角距離が互いに概して等しいか、または、第1および第2の角距離が互いにわずかに異なる。
【0011】
[0016]この実施形態によると、中央装着部分が各対の隣接するラグボルト孔の間に配置されるリブを有し、リブは、有意な部分にわたって略平坦な壁部分を有し、壁部分は中央ハ
ブ孔から径方向外側に延びる。
【0012】
[0017]この実施形態によると、スポークおよびラグボルト孔の数が同数であり、スポークの各々がラグボルト孔のうちの対応するラグボルト孔に位置合わせされる。
[0018]この実施形態によると、ホイールリムがスチールから形成され、ホイールディスクが溶接によりホイールリムに固定される。
【0013】
[0019]別の実施形態によると、組立式車両ホイールおよび/または同組立式車両ホイールを製造するための方法が、個別におよび/または組み合わせで、以下の特徴および/または要素のうちの1つまたは複数を含むことができる:ホイールリム;ならびに、ホイールリムに固定され、軸を画定するスチールホイールディスクであって、このホイールディスクが、中央装着部分と、外側リム接続フランジと、中央装着部分を外側リム接続フランジに接続する径方向外側に延在する複数のスポークと、各対の隣接するスポークの間に設けられる通気開口部とを有し、中央装着部分が中央ハブ孔および複数のラグボルト装着用
孔を有し、外側リム接続フランジが軸に平行であり、側方縁部を有し、スポークの各々が、中央壁、中央壁の各端部から延在する概して軸方向外向きの側壁、および各々の側壁から延在する外向きに延在する折り返し形状の外側壁を有し、通気開口部が、外側リム接続フランジの側方縁部および隣接するスポーク対の外側壁によって画定される、スチールホイールディスク。ここでは、スポークの中央壁が概して凹形であり、またここでは、通気開口部が、隣接するスポーク対の外側壁によって画定される部分に沿う凹形部を有する。
【0014】
[0020]この実施形態によると、スポークの中央壁によって画定される幅が、概して中央装着部分から外側リム接続フランジまでスポークの中央壁が延びるにつれて径方向長さの有意な部分に沿って内側にテーパ状になっているか、あるいはここでは、スポークの外側壁によって画定される幅が、概して中央装着部分から外側リム接続フランジまでスポークの外側壁が延びるにつれて径方向長さの有意な部分に沿って内側にテーパ状になっている。
【0015】
[0021]この実施形態によると、通気孔開口部が、3つの半径によって画定される中央孔を有する。
[0022]この実施形態によると、中央装着部分が、各々のラグボルト孔の後ろ側のところに画定される装着用パッドを有し、装着用パッドが、ハブ孔のところで第1の角距離を画定するように、有意な部分にわたって、各ラグボルト孔124のところで互いに対して径方向外向きにテーパ状になっている一対の側壁を有し、隣接する対のラグボルト孔の間の一対の隣接する側壁が、ハブ孔のところで第2の角距離を画定するように径方向外向きにテーパ状になっており、ここでは、第1および第2の角距離が互いに概して等しいか、または、第1および第2の角距離が互いにわずかに異なる。
【0016】
[0023]この実施形態によると、中央装着部分が各対の隣接するラグボルト孔の間に配置されるリブを有し、リブは、有意な部分にわたって略平坦な壁部分を有し、壁部分は中央ハブ孔から径方向外側に延びる。
【0017】
[0024]この実施形態によると、スポークおよびラグボルト孔の数が同数であり、スポークの各々がラグボルト孔のうちの対応するラグボルト孔に位置合わせされる。
[0025]この実施形態によると、ホイールリムがスチールから形成され、ホイールディスクが溶接によりホイールリムに固定される。
【0018】
[0026]添付図面に照らして読む場合の本発明および好適な実施形態の以下の詳細な説明から、本発明の他の利点が当業者には明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】[0027]従来の組立式スチール車両ホイールの実施形態を示す正面図である。
【
図1B】[0028]
図1Aに示される従来の組立式スチール車両ホイールを示す選択された図である。
【
図1C】
図1Aに示される従来の組立式スチール車両ホイールを示す選択された図である。
【
図1D】
図1Aに示される従来の組立式スチール車両ホイールを示す選択された図である。
【
図1E】
図1Aに示される従来の組立式スチール車両ホイールを示す選択された図である。
【
図1F】
図1Aに示される従来の組立式スチール車両ホイールを示す選択された図である。
【
図2A】[0029]本発明による改良された組立式スチール車両ホイールの実施形態を示す正面図である。
【
図2B】[0030]
図2Aに示される本発明による改良された組立式スチール車両ホイールを示す選択された図である。
【
図2C】
図2Aに示される本発明による改良された組立式スチール車両ホイールを示す選択された図である。
【
図2D】
図2Aに示される本発明による改良された組立式スチール車両ホイールを示す選択された図である。
【
図2E】
図2Aに示される本発明による改良された組立式スチール車両ホイールを示す選択された図である。
【
図2F】
図2Aに示される本発明による改良された組立式スチール車両ホイールを示す選択された図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0031]次に図面を参照すると、
図1Aに、例えば溶接などの、適切な手段により一体に固定されるリム12およびディスク14を有する全体として10で示される従来の組立式スチール車両ホイールが示されている。示される実施形態では、従来技術の車両ホイール10がホイール軸Xを画定し、ビードシートを取り付けた状態の車両ホイールとして示されている。車両ホイール10が、リム12の内側表面に隣接して配置されて溶接によりリム12に固定されるように構成される概して軸方向に延在する外側「リム接続」フランジ16を有する。車両ホイール10は、各々の特許の開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、McCorryらの米国特許第7,984,551号、Colemanらの米国特許第7,587,825号、Jackeらの米国特許第7,559,145号、およびKermelkらの米国特許第7,059,685号のうちの1つまたは複数で開示される車両ホイールに類似してよい。ディスク14が、中央装着部分20と、径方向外側に延在する複数のスポーク22と、外側フランジ16とを有する。ディスク14の中央装着部分20が、複数のラグボルト孔24と、中央ハブ孔26とをさらに有する。車両ホイール10が、各スポーク対22の間に設けられる通気開口部30を有する。
【0021】
[0032]
図2Aが、本発明による、全体として100で示される組立式スチール車両ホイールの実施形態を示す。
図2Aで示されるように、車両ホイールが、例えば溶接などの、適切な手段により一体に固定されるリム102およびディスク104を有する。示される実施形態では、従来技術の車両ホイール100がホイール軸X1を画定し、ビードシートを取り付けた状態の車両ホイールとして示されている。車両ホイール100が、リム102の内側表面に隣接して配置されて溶接によりリム102に固定されるように構成される概して軸方向に延在する外側「リム接続」フランジ106を有する。ディスク104が、中央装着部分120と、径方向外側に延在する複数のスポーク122と、外側フランジ106とを有する。ディスク104の中央装着部分120が、複数のラグボルト孔124と、中央ハブ孔126とをさらに有する。車両ホイール10が、各スポーク対122の間に設けられる通気開口部130を有する。
【0022】
[0033]次に
図1Bおよび2Bを参照すると、
図1Bが、従来の組立式スチール車両ホイール10のディスク14のスポーク22の幾何形状を示しており、対して、
図2Bが、改良された組立式スチール車両ホイール100のディスク104のスポーク122の幾何形状を示している。
図1Bに示されるように、および、
図1Dに最もよく示されるように、スポーク22が、略平坦なまたは略平面の中央壁または中央部分22Aと、中央壁22Aの各端部から延在する概して軸方向外向きの側壁22Bと、各々の側壁22Bから延在する外向きに延在する略折り返し形状の前方壁または外側壁22Cとを有する。
図1Dで最も良好に見られるように、中央壁22Aおよび外側壁22Cが、互いに実質的に平行に、および、側壁22Bに対して実質的に垂直に、延在する。
【0023】
[0034]
図1Bに示されるように、中央壁22Aの幅W1がほんのわずかに狭くなっており、つまり、中央装着部分20の近くかまたはそれに隣接するポイントA1から外側フランジ16の近くかまたはそれに隣接するポイントA2まで概して壁22Aが径方向外側に延びるにつれて有意な部分および/または全体に沿って縮小される。同様に、外側壁22Cの幅W2がほんのわずかに狭くなっており、つまり、中央装着部分20の近くかまたはそれに隣接するポイントB1から外側フランジ16の近くかまたはそれに隣接するポイントB2まで概して壁22Bが径方向外側に延びるにつれて有意な部分および/または全体に沿って縮小される。付随の壁22Aおよび22Bの縮小は約2%から約5%の範囲である。見られるように、幅W1は、外側フランジ16に統合されるところのその最も外側の端部分のところでほんのわずかに増大する。
【0024】
[0035]
図2Bに示される本発明の実施形態で示されるように、および、
図2Dで最もよく示されるように、スポーク122が、略平坦なまたは略平面の中央壁または中央部分122Aと、中央壁122Aの各端部から延在する概して軸方向外向きの側壁122Bと、各々の側壁122Bから延在する外向きに延在する略折り返し形状の前方壁または外側壁122Cとを有する。
図2Dで最も良好に見られるように、中央壁122Aおよび外側壁122Cが、互いに概して平行に、および、側壁122Bに対して概して垂直に、延在する。スポーク122の壁122A~122Cの具体的な詳細の構成および/または向きは、
図2Dに関連させて後で詳細に考察される。
【0025】
[0036]
図2Bに示されるように、中央壁122Aの幅さらには外側壁122Cの幅が大幅に狭くなっており、つまり、中央装着部分120から外側フランジ116まで概して付随の壁22Aおよび22Bが径方向外側に延びるにつれて有意な部分および/または全体に沿って大幅に縮小される。具体的には、中央壁122Aが、中央装着部分120の概して近くかまたはそれに隣接するポイントA1’のところに第1の幅W3を有し、外側フランジ116の概して近くかまたはそれに隣接するポイントA2’のところに、第1の幅W3より大幅に小さい第2の幅W4を有する。この差は好適には少なくとも10%未満であり、約10%未満から約50%未満の範囲であってよい。より好適には、この差は約15%未満から約35%未満の範囲である。
【0026】
[0037]同様に、外側壁122Cが、中央装着部分120の概して近くかまたはそれに隣接するポイントB1’のところに第1の幅W5を有し、外側フランジ116の概して近くかまたはそれに隣接するポイントB2’のところに、第1の幅W5より大幅に小さい第2の幅W6を有する。この差は好適には少なくとも10%未満であり、より好適には、約10%未満から約50%未満の範囲であってよい。より好適には、この差は約15%未満から約35%未満の範囲である。見られるように、中央部分122Aの幅は、外側フランジ116に統合されるところのその最も外側の端部分のところでほんのわずかに増大する。従来のスポーク22の幾何形状と比較した場合の、図示されて説明されるこの「新しい」スポーク122の幾何形状の1つまたは複数の考えられるおよび/または理解される利点または特徴が、応力分布が改善されることおよびディスク104の性能が最適化されることとなり得る(例えば、等しい旋回荷重および径方向荷重を考察すると、ディスク104が個別の部分ではなくシステムとして機能または動作する)。また、スポーク122のこの幾何形状により、付随のディスク104の重量が低減され得、および/または、同様のサイズの従来技術のディスク14の通気開口部30と比較してディスク104がより大きい通気開口部130を有することができる。別法として、所望される場合、車両ホイール100のスポーク122の構成、構造、ストラクチャ、材料および/または形状が、示されて説明されるもの以外であってもよい。例えば、中央壁122Aまたは外側壁122Cのうちの一方のみが、径方向外側に延びるにつれて有意な部分に少なくとも沿って幅を縮小されてもよい。
【0027】
[0038]次に
図1Cおよび2Cを参照すると、
図1Cが、従来の組立式スチール車両ホイール10のディスク14の通気開口部30の幾何形状を示しており、対して、
図2Cが、改良された組立式スチール車両ホイール100のディスク104の通気開口部130の幾何形状を示している。
図1Cに示されるように、通気開口部30が、外側フランジ16の側方縁部16Aおよび隣接するスポーク対22の外側壁22Cによって画定される。見られるように、通気開口部30が単一の中央孔半径Rを有し、通気開口部30の側壁がスポーク22の外側壁22Cによって画定され、
図1Cで太線で示される凸角Cを有する。
【0028】
[0039]
図2Cに示されるように、通気開口部130が、外側フランジ116の側方縁部116Aおよび隣接するスポーク対122の外側壁122Cによって画定される。見られるように、通気開口部130が3つの中央孔半径R1、R2およびR3によって画定され、通気開口部130の側壁がスポーク122の外側壁122Cによって画定され、
図1Cで太線で示される凹形部C1を有する。示される実施形態では、半径R2およびR3が等しい。従来の通気開口部30の幾何形状と比較した場合の、この「新しい」通気開口部130の幾何形状の1つまたは複数の考えられるおよび/または理解される利点または特徴が、それぞれ
図1Cおよび2CのR1からR1~R3へと、中央通気開口部の半径を増大することにより、付随の3つの角によりより滑らかな領域が作られ、それにより車両ホイール100の関連の部分での応力集中が低減される、こととなり得る。また、それぞれ
図1Cおよび2Cに示されるように、従来の通気開口部30の凸角Cから通気開口部130の凹形部C1へとスポークの側部を変更することにより、付随の車両ホイール100の荷重分布を改善することが達成され得る。
【0029】
[0040]次に
図1Dおよび2Dを参照すると、
図1Dが、
図1dの線1D-1Dに沿う、従来の組立式スチール車両ホイール10のディスク14のスポーク14Aの中央幾何形状を示しており、対して、
図2Dが、
図2dの線2D-2Dに沿う、改良された組立式スチール車両ホイール20のディスク24のスポーク24Aの中央幾何形状を示している。
図1Dに見られるように、従来のホイール10のスポーク22の中央壁22Aの幾何形状が、太線Lで示されるように、実質的に平坦であるかまたは非常にわずかにのみ凸形である。
【0030】
[0041]
図2Dに見られるように、車両ホイール100のスポーク122の中央壁122Aの幾何形状が太線L1で示されるように略凹形である。従来のスポーク22の中央壁の幾何形状と比較した場合の、この「新しい」スポーク122の中央壁の幾何形状の1つまたは複数の考えられるおよび/または理解される利点または特徴が、
図1Dで線Lによって示される略平坦な領域から
図2Dで線L1によって示される凹形領域へとスポーク中央の幾何形状を変更することにより、従来のスポーク幅(すなわち、W1)と比較して付随の新しいスポーク幅(すなわち、W3~W4)が縮小されていることを考慮しながらスポークの同等のスティフネスを維持することが可能となり得る。また、中央壁122Aからス
ポーク122の付随の側壁122Bへの「湾曲する」移行部分のところでの付随する側部の半径での「ホットスポット」の大きさを縮小することにより、新しい中央壁幾何形状により応力分布を改善することが可能となり得る。
【0031】
[0042]次に
図1Eおよび2Eを参照すると、
図1Eが、従来の組立式スチール車両ホイール10のディスク14の中央装着部分20の幾何形状を示しており、対して、
図2Eが、改良された組立式スチール車両ホイール100のディスク104の中央装着部分120の幾何形状を示している。
図1Eに見られるように、中央装着部分20が、
図1Eでは各々のラグボルト孔24の後ろ側のところに画定されて示される幾何形状を有する装着用パッドまたは装着面32(
図1Eでは、考察のために斜交平行線を付される)と、
図1Eでは各対の隣接するラグボルト孔24の間に設けられて示される幾何形状を有する「補強」リブ34とを有する。具体的には、装着用パッド32が、ハブ孔26のところで角距離D
2を画定するように各々のラグボルト孔24のところで互いに実質的に平行に延在する一対の側壁32Aを有する。隣接する対のラグボルト孔24の間の一対の隣接する側壁32Aが、ハブ孔26のところで角距離D1を画定するようにホイール軸Xを基準として径方向外向きにテーパ状になっている。見られるように、角距離D2が角距離D1より有意に大きい。具体的には、ディスク14のハブ孔部分のところで、角距離D2が角距離D1より約8倍から15倍大きい。
【0032】
[0043]
図2Eに見られるように、中央装着用パッド120が、
図2Eでは各々のラグボルト孔124のところに画定されて示される幾何形状を有する装着用パッドまたは装着面132(
図1Eでは、考察のために斜交平行線を付される)と、
図2Eでは各対の隣接するラグボルト孔124の間に設けられて示される幾何形状を有する「補強」リブ134とを有する。具体的には、装着用パッド132が、ハブ孔26のところで角距離D2’を画定するように各々のラグボルト孔124のところで有意な部分にわたって互いに対して径方向外向きに実質的にテーパ状になっている一対の側壁132Aを有する。隣接する対のラグボルト孔24の間の一対の隣接する側壁132Aが、ハブ孔126のところで角距離D1’を画定するように、ホイール軸X1を基準として径方向外向きにほんのわずかなテーパ状部分を有するように、互いに概して平行に延在する。見られるように、角距離D2’が角距離D1’よりわずかに大きい。しかし、所望される場合、角距離D1’およびD2’が示される角距離以外の角距離であってもよい。例えば、距離D1’およびD2’が互いに概して等しくてよいか、または、角距離D2’が角距離D1’よりわずかに小さくてもよい。従来の中央装着部分20の幾何形状と比較した場合の、この「新しい」中央装着部分20の幾何形状の1つまたは複数の考えられるおよび/または理解される利点または特徴は、領域のスティフネスを増大することが達成され得ること、また、隣接する対のラグボルト孔124の間のリブ134のところで得られるスペースが増大してそれによりリブの適合性を向上させることが可能になることである。
【0033】
[0044]次に
図1Fおよび2Fを参照すると、
図1Fが、従来の組立式スチール車両ホイール10のディスク14のリブ34の幾何形状の2つの図を示しており、対して、
図2Fが、改良された組立式スチール車両ホイール100のディスク104のリブ134の幾何形状の2つの図を示している。
図1Fに見られるように、リブ34が、高くなっているところで、つまり、ハブ孔26から径方向外側に延在しているところで、概して湾曲する壁部分34Aを有する。
図2Fに見られるように、高くなっているところで、つまり、ハブ孔126から径方向外側に延在しているところで、有意な部分にわたって、略平坦なまたは略平面の壁部分134Aを有する。従来のリブ34の幾何形状と比較した場合の、車両ホイール100のリブ134の幾何形状の1つまたは複数の考えられるおよび/または理解される利点または特徴は、リブ134の付随の新しい幾何形状によりスティフネスを増大させることができ、従来のリブの幾何形状と比較して、付随の車両ホイールの応力低減を改善することが可能となることである。
【0034】
[0045]別法として、所望される場合、リム102および/またはディスク104の構成、構造、ストラクチャ、材料、製造および/または形状を含めた、車両ホイール100の構成、構造、ストラクチャ、材料、製造および/または形状が、示されて説明されるもの以外であってもよい。加えて、ディスク104が、
図2A~2Fのうちの少なくとも1つまたは複数に関連させて上で示して説明した特徴および/または要素のうちの少なくとも1つまたは複数のみを有してもよい。
【0035】
[0046]本発明の原理および動作形態をその種々の実施形態において説明してきた。しかし、本発明が、本発明の範囲から逸脱することなく、具体的に示されて説明された手法以外の手法で実施されてもよいことに留意されたい。