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特許7488888方法、および、ねじ山を製造するための歯車ユニットを備える装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】方法、および、ねじ山を製造するための歯車ユニットを備える装置
(51)【国際特許分類】
   B23G 1/16 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
B23G1/16 D
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022516332
(86)(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 EP2020075523
(87)【国際公開番号】W WO2021048389
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】102019124707.1
(32)【優先日】2019-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】505455004
【氏名又は名称】エミューゲ ヴェルク リチャード グリンペル ゲーエムベーハー ウント カンパニー ケージー ファブリック ファープレーツィシオンスヴェルクツォイゲ
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】リーバルト、ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ヘクトル、ディートマー
(72)【発明者】
【氏名】フンク、トーマス
【審査官】山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-520996(JP,A)
【文献】特開平07-185975(JP,A)
【文献】特開昭64-058425(JP,A)
【文献】特開昭51-066586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0291195(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23G 1/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースに所定のねじ山ピッチを有するねじ山を製造する方法であって、
a)ねじ山を製造するために工具が使用される場合であって、
a1)前記工具が少なくとも1つのねじ切り領域(4)を備え、
a2)前記ねじ切り領域(4)が前記工具を通って延びる工具軸(A)を中心として、所定のねじ山ピッチ(P)と製造されるねじ山(50)の所定の巻き方向(W)で走行し、
b)第1作業フェーズにおいて前記工具が作業動作で前記ワークピースに移動されるものであり、
b1)前記作業動作は、工具軸(A)を中心とする所定の回転方向の回転動作と、前記工具軸を中心とする前記工具の完全な1回転が所定のねじ山ピッチによる前記工具の軸方向の送り量に対応するように、前記ねじ切り領域のねじ山ピッチに応じて前記回転動作と同期された、前記工具の軸方向の前進方向(VB)における前記工具の軸方向の送り動作と、備え、
b2)前記ねじ切り領域は、第1作業フェーズの間、前記ワークピースに、所定のねじ山ピッチで延びるねじ山の巻きを製造し、
c)前記工具は、前記第1作業フェーズに続く第2作業フェーズの間、減速動作(AB)において反転点(UP)までワークピースの中にさらに移動され、
c1)減速動作の少なくとも一部の間、好ましくは減速動作の全体の間、完全な1回転に対する前記工具の軸方向の送り量は、ねじ山ピッチより量が小さく、反転点でゼロであり、
c2)前記工具のねじ切り領域が、前記減速動作の間に、少なくとも1つの、特に閉じた又は環状の周辺溝(51、52、53)を前記ワークピースに製造し、
d)前記作業動作の間、時間経過に伴う前記工具の前記回転動作の回転速度は、前記回転速度が所定の最大回転速度(nmax)で一定のままである第1平坦域を通過し、
e)前記減速動作の間、時間経過に伴う前記工具の前記回転動作の実際の回転速度が、回転速度が同じ所定の最大回転速度(nmax)で一定のままである第2平坦域を通過し、
f)前記工具の前記回転動作の前記所定の最大回転速度は、ねじ切り領域における少なくとも57m/分、特に少なくとも85m/分の周速度が得られるように選ばれる、
方法。
【請求項2】
ねじ直径6mmの場合、前記最大回転速度は、少なくとも3,000rpm、特に少なくとも4,500rpmが選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記回転速度が前記最大回転速度を下回る中間の時間区間(Δt)が、前記第1平坦域の時間区間(Δt)と前記第2平坦域の時間区間(Δt)の間に位置する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記中間の時間区間(Δt)の区間長さと、前記第2平坦域の時間区間(Δt)の区間長さとの比(Δt/Δt)が0.5~2.4の範囲内である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2平坦域の時間区間(Δtの区間長さが、0.01秒~0.25秒、特に0.02秒~0.13秒の範囲内にあるように選ばれ、および/または、前記中間の時間区間(Δtの区間長さが、0.05秒~0.15秒、特に0.06秒~0.10秒にあるように選ばれる請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記ねじ切り領域で達成される最大周速度が、57m/分~189m/分、特に85m/分~132m/分の範囲内にある、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記最大回転速度は、前記第1作業フェーズもしくは前記作業動作の開始時、あるいは前記工具の前記ワークピースにへの入口点で既に到達している、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ワークピースに所定のねじ山を有するねじ山を製造するための、特に請求項1から7のいずれかに記載の、方法であって、
a)ねじ山を製造するために工具が使用される場合であって、
a1)前記工具が少なくとも1つのねじ切り領域(4)を備え、
a2)前記ねじ切り領域(4)が前記工具を通って延びる工具軸(A)を中心として、所定のねじ山ピッチ(P)と製造されるねじ山(50)の所定の巻き方向(W)で走行し、
b)第1作業フェーズにおいて前記工具が作業動作で前記ワークピースに移動されるものであり、
b1)前記作業動作は、工具軸(A)を中心とする所定の回転方向の回転動作と、前記工具軸を中心とする前記工具の完全な1回転が所定のねじ山ピッチによる前記工具の軸方向の送り量に対応するように、前記ねじ切り領域のねじ山ピッチに応じて前記回転動作と同期された、前記工具の軸方向の前進方向(VB)における前記工具の軸方向の送り動作と、備え、
b2)前記ねじ切り領域は、第1作業フェーズの間、前記ワークピースに、所定のねじ山ピッチで延びるねじ山の巻きを製造し、
c)前記工具は、前記第1作業フェーズに続く第2作業フェーズの間、減速動作(ABB)において反転点(UP)までワークピースの中にさらに移動され、
c1)減速動作の少なくとも一部の間、好ましくは減速動作の全体の間、完全な1回転に対する前記工具の軸方向の送り量は、ねじ山ピッチより量が小さく、反転点でゼロであり、
c2)前記工具のねじ切り領域が、前記減速動作の間に、少なくとも1つの、特に閉じた又は環状の周辺溝(51、52、53)を前記ワークピースに製造し、
d)前記工具は、前記作業動作および前記減速動作において機械駆動装置によって駆動され、前記機械駆動装置と前記工具との間に、前記回転動作のための変速ユニット、特に、所定のまたは決定可能な変速比を有する変速歯車ユニットが介在(または結合)されており、
e)前記変速比は前記機械駆動装置の前記回転速度と前記工具の前記回転速度との商に対応し、最大で1:3であり、
f)前記機械駆動装置の前記回転動作の最大回転速度は、変速比と、前記工具における前記回転動作の前記所定の最大回転速度との積に相当し、前記機械駆動装置のプログラムにプログラムされている、
方法。
【請求項9】
変速比が一般に1:3と1:10との間、特に1:4と1:8との間、好ましくは1:4と1:5との間で選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ねじ切り領域が、製造される前記ねじ山のタッピングプロファイルに対応する有効なプロファイルを有し、および/または、前記ねじ切り領域が少なくとも1つのタッピング歯(41,42,8)、好ましくは2つのタッピング歯を有し、当該または少なくとも1つのタッピング歯が前記減速動作中に少なくとも1つの、特に閉じた又は環状の円周溝または周辺溝を前記ワークピースに製造する、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記第2作業フェーズの少なくとも大部分または前記第2作業フェーズの全体の間、前記工具が前記第1作業フェーズにおける前記作業動作の間と同じ前進方向に移動される、および/または、前記減速動作が前記減速動作と同じ回転方向の回転動作を備える、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記回転動作の前記回転速度が反転点でゼロであり、および/または、前記減速動作中の前記工具の軸方向の送り量の全体または累積がねじ山ピッチの0.1倍~2倍の間で選ばれる、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記減速動作の間、前記軸方向の送り動作は、前記工具の前記軸方向の送り量と回転角度との間の、予め記憶された固有の関係、特に関数または関数の関数のシーケンスにしたがって、前記工具の前記回転動作の回転角度に応じて制御される、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記減速動作の間、複数の連続する減速ステップにおいて、前記工具の前記軸方向の送り量と回転角度との間の相互に異なる関係、特に関数が選択または設定される、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
複数の減速ステップの間、前記軸方向の進入深さまたは前記軸方向の送り量に関して回転角度の線形関数が選択され、および/または、ピッチ、すなわち回転角度に対する前記軸方向の進入深さまたは前記軸方向の送り量の微分が、これらの減速ステップのそれぞれにおいて一定であり、かつある減速ステップから次の減速ステップへと量が減少するように設定される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ねじ切りプロセスのためのNCコマンド、例えばG33パス条件が、ねじ山のねじ山ピッチで用いられ、複数の減速ステップにおいて、ねじ切りプロセスのためのNCコマンド、好ましくは同じコマンド、例えばG33パス条件が、同様にねじ山ピッチパラメータとしてそれぞれの一定のピッチとともに用いられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
複数の減速ステップの間、前記軸方向の侵入深さまたは前記軸方向の送り量は、回転角度の、特に3次の、スプライン関数であり、および/または、連続する減速ステップの異なる関数が連続し、微分可能な関数の場合、好ましくは連続的に微分可能に結合されている、請求項14から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
特に平滑化ステップの間、前記軸方向の送り量は、回転角度のサブ区間における加速動作の間、ゼロであり、および/または、前記作業動作の前記前進方向と反対方向である後進方向における回転角度のサブ区間で行われる、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記反転点に到達した後、前記工具の反転動作が、前記工具を前記ワークピースの外に移動させる手段によって開始され、この反転動作は、前記工具の前記ねじ切り領域が製造された前記ねじ山の巻きに戻って案内される第1反転フェーズと、前記ねじ切り領域が前記ワークピースの前記ねじ山の巻きを通って外に案内される第2反転フェーズと、を備え、この反転動作は好ましくは、反対の回転方向および反対の送り量を有する前記作業動作および前記減速動作に関して対称であり、および/または、前記第1反転フェーズにおける前記反転動作は、好ましくは、前記第2作業フェーズの間の前記減速動作におけるように、同じ量の、しかし回転方向および送り方向において反転した、特に前記工具の前記軸方向の送り量と回転角度との間の関数、または一連の関数を用いて制御され、任意選択で、存在する場合には、平滑化ステップを省略または短縮しうる、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記反転動作中に、タッピングおよびチップ除去歯(8)が、異物、特にチップまたはチップ根をねじ山から除去し、特に前記ワークピース表面、特に前記ねじ山の内部を滑らかにすることもでき、および/または特にチップ除去手順の間に前記ねじ山の巻きの内壁からの隙間が生じないようにする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
a)工具はさらに、ドリル領域(3)を備え、
b)前記第1作業フェーズにおける作業動作の間に、前記工具の前記ドリル領域が前記ワークピースにコア穴を製造し、前記ねじ切り領域が前記ドリル領域によって製造された前記コア穴の内壁に、所定のネジピッチで延びるねじ山の巻きを製造し、前記ドリル領域および前記ねじ切り領域は、好ましくは移動に関して互いに剛性的に結合され、互いに対する相対位置を変えることなく一緒に前記作業動作を実行し、および/または、前記ドリル領域は、好ましくは、前記ねじ切り領域よりもさらに前方、特に前端または自由端に位置する領域に配置され、および/または、前記ねじ切り領域は、前記ドリル領域よりも前記工具軸に対してさらに半径方向外側に突出している、請求項1から20のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ山の製造方法およびその方法を実行するための装置に関する。
【発明の概要】
【0002】
ねじ山は、一定のねじピッチの螺旋状のねじ山の巻き(ターン)を有し、雌ねじとして、あるいは雄ねじとして製造できる。雌ねじを形成するためには、通常、まずワークピースに止まり穴または貫通穴となるコア穴(またはコア穿孔)を形成し、そのコア穴の内壁にねじ山の巻きを形成する。ねじ山が形成されたコア穴は、タップ穴とも呼ばれる。
【0003】
使用されるねじ切り工具と作業方法の概要は、Handbuch der Gewindetechnik und Frastechnik、編集者EMUGE-FRANKEN、出版社Publicis Corporate Publishing、2004年発行(ISBN 3-89578-232-7)に記載されており、以下これを「EMUGEハンドブック」と称する。ねじ山の製造に関するCNC機械のプログラミングの原則は、EMUGEハンドブック、第8章、ページ281、および第10章、ページ357~359に記載されている。ねじ山の製造には、材料除去法および非切削法の両方と、タッピング工具が知られている。材料除去によるねじ山の製造は、ねじ山の巻きの領域においてワークピースの材料を除去するものである。非切削によるねじ山の製造は、ワークピースを変形させ、圧力を使用してワークピースにねじ山の巻きを製造するものである。
【0004】
材料除去または切削によるねじ山の製造には、軸方向に作動するタップ(EMUGEハンドブック、第8章、ページ181~298参照)および円形に作動するねじ山ミリングカッタ(フライス)(EMUGEハンドブック、第10章、ページ325~372参照)が含まれる。軸方向に作動する冷間成形タップ(EMUGEハンドブック、第9章、ページ299~324参照)や円形に作動する円形ねじ切りフォーマは、非切削のねじ切り工具の一例である。
【0005】
同じ工具を使用して、ワークピースの固体材料に1回の作業で、すなわちコア穴を事前に穿孔することなく、ねじ穴を形成する組み合わせ工具も現在知られている。このような組み合わせ工具は、前端にコア穴を生成する穴あけ領域と、軸方向に隣接し、穴あけ領域によって生成されたコア穴にねじを生成するねじ切り領域からなり、以下、穴あけ・ねじ切り複合工具とも呼ばれる。このような組み合わせ工具は、例えば、DE 1 818 609 U1、DE2323316A1、DE3241382A1、DE1020053A1、及びDE102016008478A1という文献から公知である。
【0006】
ねじ穴を製造するための組み合わせ工具における同時に動作する穴あけ領域とねじ切り領域の異なる組み合わせが知られており、特に、1つの工具における軸方向に動作する穴あけ領域と軸方向に動作する冷間成形のタップ領域の組み合わせもまた知られている。
【0007】
ワンショットタッピング工具と呼ばれ、それによってコア穴の穿孔および内ねじの切削が共通の工具ストロークで行われる組み合わせ工具は、DE 10 2016 008 478 A1から公知である。タッピングストロークが行われ、その後、逆方向の反転ストロークが行われる。タッピングストロークでは、一方ではメインカッタがドリル付きコア穴を生成し、他方ではタッピングプロファイルがドリル付きコア穴の内壁に、使用可能な目標ネジ深さが得られるまで内ネジを生成する。タッピングストロークは,これに同期したタッピング工具の回転速度でタッピング送りを行う。その後に行われる反対方向の反転ストロークでは,タッピング工具はタッピング孔から反転方向に,正確にはそれと同期した反対の反転フィードと反転回転速度で引き抜かれる。その結果、タッピングツールのタッピングプロファイルは、ストレスなく、内ねじのねじ山の中で移動することが保証されます。反転ストロークは、タッピングストロークの直後に行われず、その代わりに、最初に溝形成ステップまたは溝形成ストロークがあり、その中で、ねじピッチのない周方向溝が内ねじに隣接して形成され、タッピング工具のタッピングプロファイルがストレスなく回転できるようにする。タッピング工具は、タッピングストロークの目標ねじ深さを超えて、目標内径深さに達するまで、正確には、タッピング送りおよびタッピング回転速度とは互いに同期していない溝形成送りおよび溝形成回転速度で移動される。これにより、タッピング回転速度を0にしても、カッタに過大な応力がかかり、工具の破損やタッピングプロファイルの破壊が発生することはない。タッピングプロファイルのメインカッターとねじ切り歯により,溝形成ストロークで円周溝が形成される。同時に,反転ストロークに必要な回転方向の反転を可能にするために,溝形成回転速度も0にする。反転ストロークが開始されると、公知のタッピング工具は、ねじ切り歯が、周方向溝に開口するねじターンの出口にストレスなく移動できるように作動される。しかしながら、DE102016008478A1は、これがどのように起こるべきかを開示していない。次に、タップ工具は、タップ方向と反対方向の反転方向で、正確にはそれに同期した反転送りおよび反転回転速度で、タップ穴から抜き取られ、その結果、ねじ切り歯は、材料の除去なしにタップ穴から抜き取られることができる。
【0008】
EP2361712A2は、数値制御工作機械上でねじ切り工具を用いてねじを製造する方法と、特に数値制御工作機械のための対応する結合装置とを開示しており、ねじ切り工具が工具スピンドルによって回転されると同時に、工作物の穴の中にねじを製造するためにねじピッチに従って軸方向に前進されるようになっている。ねじの製造速度を上げるために、本発明は、工具スピンドルとねじ切り工具との間に積極的に配置された伝達歯車によって、ねじ切り工具の回転速度が工具スピンドルの回転速度に対して増倍されることを提供する。その結果、機械制御システムの同期化能力に関する所定の性能に対して、より短いねじ切りサイクルを得ることが可能である。したがって、この方法は、使用される各工作機械の同期限界において高いコストをかけずに何も変更することができないので、より経済的にすることもできます。工具はコレットに固定され、コレットは、ボールベアリングを介して伝達歯車のハウジングに対して回転できるように取り付けられたコレットホルダーに保持されます。機械主軸は、ニードルベアリングを介してハウジングと相対的に回転できるように取り付けられており、ハウジングの内部で、3つのギアホイールが配置された内輪とベアリングボルトを介して接続されています。3つの歯車は、内側でコレットホルダーに回転不能に結合された内歯車に噛み合っています。3つの歯車は、外側で、ハウジングに連結されているため回転できない外輪の内側にある歯車輪に噛み合っています。内輪は、外側は外輪の内側にベアリングを介して回転可能に取り付けられ、内側はコレットホルダーの端部領域の外側に対応するベアリングを介して取り付けられ、後者に対して回転することができるようになっています。ギアホイールとギアリムは、トランスミッションギアを形成し、それらの歯はギアの変速比を定義します。
【0009】
このように構成されたカップリング装置は、出願人がSPEEDSYNCHRO(登録商標)という名称で製造・販売している(https://speedsynchro.com参照)。機械のスピンドルの回転速度は,ねじ切り工具の回転速度と変速比4.412の商に対応し,軸方向の送り量は,ねじピッチと変速比4.412の積に対応する。また、ねじ切り加工中、特に反転時に発生する軸方向の力を補償するために、エラストマー要素による軸方向の最小長さ補償(出願人はSoftsyncho(登録商標)と呼んでいる)も含まれている。
【0010】
本発明の目的は、ワークピースにねじ山を製造するための新規な方法を提供することである。
【0011】
本発明による位置実施形態では、ワークピースに所定のねじ山ピッチを有するねじ山を製造する方法であって、
a)ねじ山を製造するために工具が使用される場合であって、
a1)工具が少なくとも1つのねじ切り領域を備え、
a2)ねじ切り領域が工具を通って延びる工具軸を中心として、所定のねじ山ピッチと製造されるねじ山の所定の巻き方向で走行し、
b)第1作業フェーズにおいて工具が作業動作でワークピースに移動されるものであり、
b1)作業動作は、工具軸を中心とする所定の回転方向の回転動作と、工具軸を中心とする工具の完全な1回転が所定のねじ山ピッチによる工具の軸方向の送り量に対応するように、ねじ切り領域のねじ山ピッチに応じて回転動作と同期された、工具の軸方向の前進方向における工具の軸方向の送り動作と、備え、
b2)ねじ山領域は、第1作業フェーズの間、ワークピースに、所定のねじ山ピッチで延びるねじ山の巻きを製造し、
c)工具は、第1作業フェーズに続く第2作業フェーズの間、減速動作(円周溝製造動作、アンダーカット動作)において反転点までワークピースの中にさらに移動され、
c1)減速動作の少なくとも一部の間、好ましくは減速動作の全体の間、完全な1回転に対する工具の軸方向の送り量は、ねじ山ピッチより量が小さく、反転点でゼロであり、
c2)工具のねじ切り領域が、減速動作の間に、少なくとも1つの、特に閉じた又は環状の周辺溝をワークピースに製造する、
方法が提供される。
【0012】
したがって、円周溝もしくは周辺溝またはアンダーカットが、一般に、第2作業フェーズの減速動作中にワークピースに製造され、その結果、第2作業フェーズにおける手順は、作業手順または動作とは別に、周辺溝もしくは円周溝の製造またはアンダーカット動作とも呼ぶことができ、純粋な切削工具の場合にはリリーフ切削動作とも称することができる。
【0013】
本発明による一実施形態において、
作業動作の間、時間経過に伴う工具の回転動作の(実際の)回転速度は、前記回転速度が所定の(または制御背プログラムにおいてプログラムまたは入力された)最大回転速度で一定のままである第1平坦域を通過し、
減速動作の間、時間経過に伴う工具の回転動作の(実際の)回転速度が、回転速度が同じ所定の最大回転速度で一定のままである第2平坦域を通過し、
工具の回転動作の所定の最大回転速度は、ねじ切り領域における少なくとも57m/分、特に少なくとも85m/分の工具経路送り速度が得られるように少なくとも十分に大きく選ばれ、これはねじ直径6mmに対して少なくとも3,000rpm、特に少なくとも4,500rpmの最大回転速度に相当する、
方法を提供する。
【0014】
好ましくは上述の実施形態と組み合わされる、本発明による一実施形態において、
工具は、作業動作および減速動作において機械駆動装置によって駆動され、機械駆動装置と工具との間に、回転動作のための変速ユニット、特に、所定のまたは決定可能な変速比を有する変速歯車ユニットが介在(または結合)されており、
変速比は機械駆動装置の回転速度と工具の回転速度との商に対応し、工具が機械駆動装置より少なくとも3倍早く回転するように最大で1:3であり、
機械駆動装置の回転動作の最大回転速度は、変速比と、工具における回転動作の所定の最大回転速度との積に相当し、機械駆動装置のプログラムにプログラムされている、
方法が提供される。
【0015】
本発明によるさらなる実施形態および開発は、それぞれの従属請求項の主題である。
【0016】
本発明による特徴および主題の請求される組み合わせは、選択されたバージョンおよび請求項への選択された参照に限定されない。その代わりに、例えば工具のような請求項のカテゴリーの各特徴は、例えば方法のような異なる請求項のカテゴリーでも請求することができる。さらに、特許請求の範囲の各特徴は、その参照先からも独立して、特許請求の範囲の1つ以上の他の特徴との任意の所望の組合せで請求することができる。さらに、明細書または図面に記載または開示されている各特徴は、それが存在する文脈とは無関係にまたは無関係に、それ自体で、請求項または明細書または図面に記載または開示されている1つまたは複数の他の特徴との個別または任意の組み合わせで請求することが可能である。
【0017】
一実施形態では、回転速度が最大回転速度を下回る中間の時間区間は、回転速度の第1平坦域の時間区間と、回転速度の第2平坦域の時間区間との間に存在する。
【0018】
一実施形態では、中間の時間区間の間隔長さと、第2平坦域の時間区間の区間長さとの比が0.5~2.4の範囲内である
【0019】
一実施形態では、第2平坦域の間隔長さが、0.01秒~0.25秒、特に0.02秒~0.13秒の範囲内にあるように選ばれ、および/または、一実施形態では、中間の時間区間の区間長さが、0.05秒~0.15秒、特に0.06秒~0.10秒にあるように選ばれる。
【0020】
一実施形態では、最大回転速度は、第1作業フェーズもしくは作業動作の開始時、あるいは工具のワークピースへの入口点で既に到達している。
【0021】
一実施形態では、ねじ切り領域で達成される最大工具経路送り速度が、57m/分~189m/分、特に85m/分~132m/分の範囲内になるように選択される。
【0022】
一実施形態では、変速比が一般に1:3と1:10との間、特に1:4と1:8との間、好ましくは1:4と1:5との間で選択される。
【0023】
ねじ切り領域は、一般に、製造されるねじ山のタッピングプロファイルに対応する有効なプロファイルを有している。
【0024】
一実施形態では、ねじ切り領域は、少なくとも1つのタッピング歯、好ましくは2つのタッピング歯を、好ましくは工具の前部領域に有する。
【0025】
一実施形態において、タッピング歯は、好ましくは、前領域に、または前部タッピング歯として設けられ、前部タッピング歯プロファイルフランクおよび後部タッピング歯プロファイルフランクを有するタッピング歯プロファイルを有し、前部タッピング歯プロファイルフランクにすぐ隣接して、前部タッピング歯フランクに、前部フランクリリーフ面を有し、後部タッピング歯プロファイルフランクにすぐ隣接して、後部タッピング歯フランクに、後部フランクリリーフ面を有している。前方のフランクのリリーフ面は、螺旋線に沿って、または螺旋線と平行に、前部タッピング歯プロファイルフランクを通って延びる前部タッピング歯プロファイルフランクの包絡線に対して、離れてまたは後方にオフセットされている。後部フランクは、工具軸に垂直に向けられ、タッピング歯プロファイルまたは後部のタッピング歯プロファイルの最も後ろの点を通って延びる後部横断面に対して前方にオフセットまたは離間される。螺旋線は、ねじ山ピッチ角度によって後方横断面に対して後方に傾斜している。
【0026】
タッピング歯がこのように離間されているので、ワークピース表面上のタッピング歯の摩擦は、作業動作中および減速動作中の両方で、その前部タッピング歯緩和表面およびその後部タッピング歯緩和表面の両方で防止または少なくとも大幅に低減される。
【0027】
「前方(Forward)」または「前方(front)」は、したがって、ここでも以下でも、前進動作の方向またはねじ切り領域の手先の動きに従うものとして理解されるべきであり、「後方(backward)」および「後方(rear)」は、反対の方向、すなわち前進動作の方向に対して反対または後進動作の方向またはねじ切り領域の巻き方向に対抗するものとして理解されるべきであろう。
【0028】
実施形態において、前面フランクリリーフ面は、一般に0゜と10゜の間、特に0゜と2゜の間の間隔に位置する前面フランクリリーフ角度によって、前面タッピング歯フランク包絡線に対して後方に傾斜またはオフセットされている。有利な実施形態では、後部フランクリリーフ面は、後部横断面に対して、一般に0゜と6゜の間、特に2゜と5゜の間に位置する角度だけ後方に傾斜しているか、またはオフセットされている。および/または、ねじピッチ角よりも大きく、一般にねじピッチ角と6゜、特に4゜と5゜の間の間隔に位置する後部フランクリリーフ角によって、螺旋線に沿ってまたは平行に延びる後部タッピング歯側面包絡線に対して後方に傾斜またはオフセットされています。
【0029】
フランクリリーフ面は、螺旋状に延びる、すなわち直線的に巻き戻すことができ、または(異なる)曲線形状をとることもでき、特に少なくとも場所において互いに対してさらに顕著にテーパし、または互いに対してそれほど顕著にテーパしないことも可能である。このような実施形態では、対応するフランクリリーフ角は、フランクリリーフ面によって(外部に)超えない限界線または面を確立することができる。
【0030】
さらなる実施形態において、ねじ切り領域は、特にその後部領域において、または最後部のタッピング歯として、少なくとも1つのタッピング歯および切り屑除去歯を有する。このタッピング歯および切り屑除去歯は、ねじ山を生成または仕上げるための活性プロファイルとしてのタッピング歯プロファイルを有するタッピング歯要素を、ねじ山の方向に見た前部領域において有する。このタッピングおよび切り屑除去歯は、さらに、巻き方向に見た後方領域に、反転動作で製造されるねじから切り屑を除去するための切り屑除去要素を有し、この切り屑除去要素は、好ましくは製造されるねじのタッピングプロファイルに対応し、および/またはその前方領域でタッピング歯形に対応する、アクティブプロファイルとしての切り屑除去プロファイルを有している。
【0031】
切り屑除去要素は、好ましくは、タッピング歯要素のタッピング歯形に対応する切り屑除去歯形を有する、特に、タッピング歯形と同じ活性歯形を有する、または少なくとも切り屑除去歯形のフランクにおいて同じ活性歯形を有する切り屑除去カッタを有する。有利な実施形態では、切屑排出要素は、さらに、ハンドリングと反対方向に見て、切屑排出カッタの下流に配置された溝状の切屑排出面を有し、切屑排出カッタと切屑排出面のアクティブプロファイルが重ね合わされて切屑排出要素の全体の切屑排出プロファイルを形成している。切り屑排出面は、好ましくは、巻き方向で見て、半径方向外側に立ち上がり、特に一定のプロファイルを有するか、または緩和された表面を有さない歯稜に合流することができ、特に、切り屑排出面および/または歯稜の切り屑排出プロファイル頭部は、切り屑排出カッターの切り屑排出プロファイル頭部より小さくなっている。
【0032】
タッピング歯および切り屑除去歯の歯面は、関連する前部タッピング歯面包絡線または後部タッピング歯面包絡線に沿って少なくとも大部分または完全に延びることができ、または緩和された表面を有しない。
【0033】
工具の特に有利な実施形態では、ねじ切り領域は、説明したように、少なくとも1つのタッピング歯と、少なくとも1つのタッピング歯およびチップ除去歯の両方を有し、タッピング歯およびチップ除去歯は、巻き方向で見てねじ切り領域の最後の歯であり、したがって反転動作の最初の歯である。
【0034】
さらなる実施形態において、少なくとも1つのタッピング歯またはタッピングおよびチップ除去歯は、良好な表面品質を有する表面を生成するために、その前部領域において、ハンドルの方向において、またはタッピング歯要素において、ネジカッターを備え、好ましくはまた、巻き向において、ネジカッターから下流に配置されたネジ溝形成面を備え、ネジカッターのアクティブプロファイルおよびネジ溝形成面は、タッピングプロファイルに対応して、前部領域において、好ましくはタッピング歯プロファイルを形成するために重ね合わされる。
【0035】
ねじ溝表面は、巻き方向と反対方向に半径方向外側に上昇することができ、好ましくは、特に較正領域として機能する歯稜に、または一定のプロファイルを有するか、または緩和された表面を有さないものに融合される。ねじ溝面および/または歯稜のタッピング歯形ヘッドは、その後、ねじ切りカッタのタッピング歯形ヘッドよりも小さくすることができる。
【0036】
有利な実施形態では、工具は、さらに、コア穴を生成するための少なくとも1つの穴あけ領域を備えている。穴あけ領域は、ねじ切り領域よりもさらに前方、特に前端または自由端に位置する領域に配置される。穴あけ領域とねじ切り領域は、移動に関して互いに剛性的に結合され、及び/又は、共通の工具キャリア又は工具シャンクに固定又は形成されている。作業動作の間、工具の穴あけ領域は、好ましくは、ワークピースにコア穴を生成し、ねじ切り領域は、このコア穴の表面に、所定のねじピッチで走行するねじの回転を生成する。ねじ切り領域は、一般に、工具軸に対して径方向に、穴あけ領域よりもさらに外側に突出する。その結果、工具を半径方向に前進させることなくねじ山を生成することができ、ねじ山を損傷することなく、反転時に穴あけ領域を再びコア穴を介して抜き出すことができる。
【0037】
減速動作は、好ましくは、作業動作と同じ回転方向を有する回転動作からなる。
【0038】
原則として、減速手順または第2作業フェーズは、第1作業フェーズのねじピッチに対応する軸方向の送りから開始される。減速手順は、最初のねじピッチを最後または反転点でゼロまで減速させると理解すべきであり、回転角の全区間にわたって、回転角に応じた軸方向送り量の減少(減速の加速)を、特にねじピッチ以下の値まで含んではならない。その代わりに、回転角の区間では、回転角に対する軸方向送り量がゼロであるか、あるいは一時的に負の値、すなわちその方向を反転させることも可能である。
【0039】
好ましい実施形態では、減速動作の間、軸方向送り動作は、工具の軸方向送り量と回転角との間の予め記憶された射影相関、特に関数または関数のシーケンスに従って、工具の回転動作の回転角に応じて制御される。
【0040】
軸方向送り量(または軸方向侵入深さ)と回転角との間の相関関係を定義する関数は、連続的な定義範囲および値範囲を有することができ、また、離散的な定義範囲および値範囲を有することができ、離散的に予め保存されているかまたは予め計算された値の組または値のテーブルを有することができる。
【0041】
実施形態では、回転動作の回転速度も反転点でゼロであり、及び/又は減速動作中の工具の全体又は累積軸方向送り量は、0.1倍~2倍のねじピッチの間に選択又は設定される。
【0042】
好ましい実施形態では、減速移動の間、複数の連続する減速ステップにおいて、工具の軸方向送り量と回転角との間の異なる相関関係、特に関数が選択または設定される。
【0043】
特に有利な実施形態では、複数の、特にすべての減速ステップの間、軸方向侵入深さまたは軸方向送り量および/または(プログラム)ピッチに対して回転角度の線形関数が選択され、すなわち回転角度に対する軸方向侵入深さまたは軸方向送り量の導関数が、これらの減速ステップのそれぞれにおいて一定で、ある減速ステップから続く減速ステップに向かって量が減少している。
【0044】
この実施形態は、ねじ切り加工用のNC指令、例えばG33パス条件が、ねじのねじピッチと共に用いられ、複数の減速ステップにおいて、ねじ切り加工用のNC指令、好ましくは同じ指令、例えばG33パス条件が、同様に、ねじピッチパラメータとしてそれぞれの一定のピッチと共に用いられることによって、特に簡単に実施することができる。
【0045】
実施形態において、複数の、特にすべての減速ステップの間、軸方向侵入深さまたは軸方向送り量は、回転角の特に3次スプライン関数である。
【0046】
実施形態において、連続する減速ステップの異なる関数は、連続的であり、微分可能な関数の場合、好ましくは連続的に微分可能な方法で結合される。
【0047】
実施形態において、特に平滑化ステップの間、軸方向送り量は、回転角のサブ区間における加速移動の間ゼロであり、及び/又は、作業移動の前進方向と反対の後方方向における回転角のサブ区間で行われる。
【0048】
実施形態において、反転点に到達した後、工具の反転動作が、工具がワークピースの外に移動される手段によって開始され、反転動作は、最初に、工具のねじ切り領域が、生成されたねじのターン内に戻って案内される第1反転フェーズと、次に、ねじ切り領域がワークピースの外にねじターンを通して外に案内される第2反転フェーズから構成される。
【0049】
反転動作は、好ましくは、作業動作と減速動作に関して対称的であり、回転方向が逆で、送りが逆である動作経路で実行される。
【0050】
有利な実施形態では、第1反転フェーズにおける反転動作は、同じ量の、しかし回転方向および送り方向において反転した、特に第2作業フェーズにおける減速動作と同様に工具の軸方向送り量と回転角との間の関数または一連の関数で、予め記憶された噴射相関を用いて制御され、場合によっては平滑化ステップがある場合には省略または短縮することができる。
【0051】
実施形態において、反転動作の間、工具の叩き歯および切り屑除去歯は、今度は、その切り屑除去要素で、異物、特に切り屑または切り屑根をネジから除去し、特に、ワークピースの表面、特にネジの内側を滑らかにし、および/または特に、切り屑除去手順の間に、ネジターンの内壁から、切り屑が引っかかり得るいかなるギャップも発生しないようにすることも可能である。
【0052】
本発明は、例示的な実施形態の助けを借りて、以下にさらに説明される。ここでは、図面も参照され、その中で、それぞれの場合、模式的に示される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】タップ穴の製造中の穴あけ加工とねじ切り加工を組み合わせた工具を示す。
図2】特に図1による穴あけ加工とねじ切り加工を組み合わせた工具でタップ穴を製造するための方法またはサイクルの連続したステップを示す。
図3】特に図1による穴あけ加工とねじ切り加工を組み合わせた工具でタップ穴を製造するための方法またはサイクルの連続したステップを示す。
図4】特に図1による穴あけ加工とねじ切り加工を組み合わせた工具でタップ穴を製造するための方法またはサイクルの連続したステップを示す。
図5】特に図1による穴あけ加工とねじ切り加工を組み合わせた工具でタップ穴を製造するための方法またはサイクルの連続したステップを示す。
図6】特に図1による穴あけ加工とねじ切り加工を組み合わせた工具でタップ穴を製造するための方法またはサイクルの連続したステップを示す。
図7】特に図1による穴あけ加工とねじ切り加工を組み合わせた工具でタップ穴を製造するための方法またはサイクルの連続したステップを示す。
図8】特に図1による穴あけ加工とねじ切り加工を組み合わせた工具でタップ穴を製造するための方法またはサイクルの連続したステップを示す。
図9】特に図1による穴あけ加工とねじ切り加工を組み合わせた工具でタップ穴を製造するための方法またはサイクルの連続したステップを示す。
図10】特に図1による穴あけ加工とねじ切り加工を組み合わせた工具でタップ穴を製造するための方法またはサイクルの連続したステップを示す。
図11】特に図1による穴あけ加工とねじ切り加工を組み合わせた工具で製造されたタップ穴、またはタップ穴を製造するための方法またはサイクル、特に図2図10よる方法を示す。
図12】タップ穴の生産サイクルの制御を回転角度の関数として軸方向侵入深さのグラフで示したものである。
図13】減速手順として、図12に示すグラフの前進時の終端部を示す。
図14】加速手順として、図12に示すグラフの後進移動における終端部を示す。
図15】駆動装置と工具との間に変速ユニットがない場合の、侵入深さと回転速度とを時間の関数として示した図である。
図16】本発明による駆動ユニットと工具との間に変速ユニットがある場合の、時間の関数としての侵入深さおよび回転速度の図である。
図17】穴あけ加工とねじ切りを組み合わせた工具を駆動ユニットに結合するための変速ユニットを備えた工具結合装置の一実施形態を縦断面で示す図である。
図18】前方からの透視図において、穴あけ加工およびねじ切り工具のタッピングおよびチップ除去歯を示す。
図19図18のタッピングおよびチップ除去歯を後方から透視して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1図19において相互に対応する部品およびサイズには、同一の参照符号を付している。
【0055】
本発明による工具および方法の第1の例示的な実施形態は、図1図11を参照して以下に説明される。
【0056】
図1および図2図10に示す工具2は、ワークピース6にタップ穴5を製造するために使用される。工具2は、複合工具であり、ワークピースにねじ山の所定のコア穴直径を有するコア穴と、そのコア穴に雌ねじ、すなわちコア穴の周囲壁または内壁に雌ねじのねじ山の巻き50と、の両方を製造する。このために、一方では工具軸を中心とする回転動作、他方では工具軸に沿った軸方向送り動作で構成された作業動作または作業ストロークまたはねじ切り動作で、工具をワークピース6内に移動させる。
【0057】
図11は、本発明による方法または工具、例えば図1による工具を用いて製造されうる、ねじ山の巻き50およびタッピングプロファイル55を有する、タップ穴5の例示的な実施形態を示す。
【0058】
ねじ山ピッチPと直径Dを有するねじ山の巻き50のねじピッチ角δは、工具軸Aに垂直な横断面Eに対して測定され、次式から計算できる。
P=π・Dtan・δ
【0059】
ねじピッチ角δの典型的な値は、例えば1°から5°の間である。
【0060】
工具2は、一方では工具2を通って延びる工具軸Aを中心に回転可能または回転移動可能であり、他方では工具軸Aに沿ってまたは工具軸Aに対して軸方向に並進移動可能である。これら2つの動きは、工具2がワークピース6の表面60から穴深さLまで入る間、好ましくは、監視ユニット、特に機械制御システムによって、調整または同期化される。工具軸Aは、タップ穴5の製造の間、ワークピース6に対して静止し、一定の位置を保つ。タップ穴5のねじ山の中心軸Mは、加工中、工具軸Aと同軸であるか、または工具軸Aと一致する。
【0061】
工具2は、好ましくは、図示しない回転駆動装置、特に工作機械および/または工作機械駆動装置または工作機械スピンドルによって、好ましくは工具軸Aに対して軸方向に延びるまたは形成された工具シャンク21の結合領域によって、工具軸Aを中心とする前進回転方向VDおよび反対の後進回転方向RDの回転または回転移動で駆動されうる。工具2はさらに、特に工作機械および/または工作駆動装置または工作機械スピンドルに設けられてもよい軸方向駆動装置によって、工具軸Aに対して軸方向の前進移動VBまたは軸方向の後進移動RBで軸方向に移動されうる。
【0062】
シャンク21の結合領域から離れた工具2の自由端領域には、作業領域20が設けられている。作業領域20は、工具2の前端部に設けられたドリル領域3と、ドリル領域に対して後方またはシャンク21に向かって工具軸Aに対して軸方向にオフセットされたねじ切り領域4とを含む。
【0063】
ドリル領域3は、前方(メイン)ドリル切れ刃31および32を備え、これらは、斜めに、特に円錐状に軸方向前方に延在するように構成され、ドリル先端33に、特にドリル先端33に向かって先細りになる円錐に収束する。これらの前方ドリル切れ刃31および32は、前進回転方向VDに切削し、例示的な実施形態では右側に切削するように設計されており、前進回転方向VDの回転移動と同時の前進移動VB中に、工具2の軸方向前にあるワークピース6の材料の切り屑を除去する。
【0064】
さらに、通常、軸方向に比較的短く設計されるドリル領域3は、好ましくは、その外壁に詳細には説明しないガイド領域を備え、これは、製造された穿孔内における工具2の自己ガイドに役立ち、この目的のために、コア穴の壁に当たるか、壁から僅かに離れている。ガイド領域の代わりに、またはガイド領域に加えて、工具軸Aに対して半径方向外側に隣接するワークピース6のそれらの領域から材料を除去することによってコア穴の周壁を加工または調整する外周切れ刃またはシリンダ壁切れ刃も提供されうる。これらのシリンダ壁切れ刃は、シリンダ壁またはコア穴の内壁の適切な表面特性を達成するのに役立ち、特に、コア穴の内径の半分に相当する工具軸Aからの半径方向距離d/2で工具軸Aに対して(摩擦を減らすために)主に平行またはわずかに後方に傾斜して延在する。ガイド領域31または外周切れ刃もしくはシリンダ壁切れ刃は、前方ドリル切れ刃31および32に直接隣接するように形成および/または構成でき、またはそれらからわずかに軸方向にオフセットさせることもできる。
【0065】
ドリル領域3は、外径jまたはドリル直径dを有し、その結果、ワークピース6にこの内径dを有する穿孔またはコア穴を製造する。ドリル切れ刃31および32は、タップ穴5のコア穴を製造するので、コア穴切れ刃とも呼ばれる。ドリル切れ刃またはコア穴切れ刃31および32の工具軸Aに対する最も外側の半径方向の寸法は、コア穴の内径dを決定する。図11によるタップ穴5におけるねじの無い下部または最も内側の穿孔サブ領域56もまた、ドリル領域3によって示される形態を有する。
【0066】
工具2はさらに、ドリル領域3またはドリル切れ刃もしくはコア穴切れ刃31および32の後方に上流に配置されるか、または軸方向の前進移動VBと反対方向に軸方向にオフセットされた、螺旋線(または螺旋、ねじの巻き)に沿って延びるまたは形成されるねじ切り領域4を備え、そのピッチはねじ山ピッチPに相当し、その巻き方向は製造すべき雌ねじ又はねじの巻き50の巻き方向に相当する。螺旋線は、この意味で、純粋に数学的な一次元の線として理解されるべきではなく、技術的に理解されるべきであり、ねじ切り領域4の対応する寸法に対応する数学的な線を横切るある程度の範囲を有すると理解されるべきである。数学的には、むしろ、互いに平行に延びる螺旋状の線群あるいは場合によっては螺旋状の帯と言うべきである。右ねじまたは左ねじとしてのねじ切り領域4の巻き方向は、軸方向の前進移動VBと前進回転方向VDの重ね合わせに対応する。
【0067】
ねじ切り領域4は、一般に、ドリル領域よりも、工具軸Aに対して径方向外側にさらに突出するか、工具軸Aからの径方向外側の距離がドリル領域3よりも大きく、または、外径Dがドリル領域3の外径dよりも大きくなっている。
【0068】
ねじ切り領域4は、1つ以上の、すなわち1以上の数nの、切削および/または成形するように設計されたタッピング歯を備える。好ましくは、n=2である。各タッピング歯は、螺旋線に沿って延びるように設計、整列、構成される。各タッピング歯は、一般に、螺旋線に沿った投影においてタッピング歯の最外寸法または外側プロファイルの結果として得られるもしくは表される有効なプロファイルとしてのタッピング歯プロファイルを有し、切削によって又は成形によって又はプレスによって、ねじ切り動作中にワークピースに反映される。複数(n>1)のタッピング歯がねじ切り領域4に含まれる場合、これらのタッピング歯は、それらが少なくともほぼ螺旋線(または軸方向)に沿って互いにオフセットされるように構成される。螺旋線に沿ったこのような構成には、例えば、ねじ山の側面(flanks)の異なる処理で、または有効なタッピングプロファイルの異なる分布もしくは重なりで、有効なタッピングプロファイルを得るために、または全体タッピングプロファイルを形成するために、タッピング歯が理想的な線に対してわずかに横方向にオフセットされた実施形態も含まれる。タッピング歯のこの構成に関して唯一重要なことは、それらの構成が、作業動作中にワークピースに同じねじ山ピッチPでねじ山の巻きに反映されることである。
【0069】
図1に示される例示的な実施形態では、例えば、ねじ山ピッチPの半分または概して1/nだけ互いに対して軸方向にオフセットされている、すなわち、したがって半回転または180°だけ角度方向にオフセットされている、2つのタッピング歯41および42が提供される。タッピング歯、特に41および42は、ドリル切れ刃またはコア穴切れ刃30および31よりも工具軸Aから半径方向外側にさらに突出している。ねじ切り領域4およびねじ山の巻き50の外径、ひいてはタップ穴5の外径は、Dで示される。ねじ切り歯の最外寸法とコア穴切れ刃の最外半径寸法の差は、特に、製造される雌ねじのタッピングプロファイルのプロファイル深さに対応し、言い換えると、ねじ山の谷の半径D/2とコア穴の半径d/2との差に対応する。
【0070】
雌ねじのタッピングプロファイル、すなわち、ねじ山の巻き50を通る断面は、ワークピースを完全に通過する間に、タッピング歯、例えば41および42の個々の有効なプロファイルから構成されたまたは重ね合わされた有効なタッピングプロファイルによって製造される。
【0071】
工具軸Aへの軸方向投影で測定される有効なタッピングプロファイルのタッピングプロファイル幅は、cで示され、タッピングプロファイルの側面間の最大間隔に対応する。工具軸Aへの軸方向投影で測定されるねじ山の巻き50の2つの連続するタッピングプロファイルの軸方向の間隔は、ねじ山ギャップbである。ねじ山ギャップbとねじ山幅cの和は、ねじ山ピッチPに相当する。
【0072】
タッピング歯41および42は、一般に、特にチップ溝または冷却溝および/または潤滑油溝を形成する分離溝25によって互いに分離されている。分離溝25は、ドリル領域3から始まり、ねじ切り領域4を通って、特にシャンク領域まで続き、好ましくは、一定または可変のねじれ角、典型的には0°~50°、特に20°~35°のねじれ角でねじられている。
【0073】
有利な実施形態では、以下の方法は、本発明による工具2または別の工具を使用して実施される。
【0074】
第1作業フェーズまたはねじ切りフェーズの間、工具2はドリル領域3によってコア穴を製造し、そのすぐ軸方向後方に、少なくとも部分的に同時に、ねじ切り領域4によってコア穴壁にねじ山の巻き50を製造する。この第1作業フェーズにおいて、工具軸Aに沿った軸方向の送り速度vは、完全な1回転の間、軸方向の送り量がねじ山ピッチPに対応するように、工具軸Aを中心とする回転動作の回転速度と調整および同期される。ワークピース表面60から工具軸Aの方向に測定される軸方向の侵入深さ(または軸方向の送り量)Tは、この第1作業フェーズにおいて、ねじ山深さTに対応する。変数Tは、従来のNC機械制御におけるz軸に対応する。
【0075】
次に、第1作業フェーズの直後の第2作業フェーズにおいて、減速手順(または減速動作)において、工具2の360°の回転角度、すなわち完全な1回転において、軸方向の送り量Vがねじ山ピッチPより小さく、ゼロまで減少するように、回転角度の区間において、工具2が減速される。減速手順または第2作業フェーズは、通常、第1作業フェーズのねじ山ピッチPに対応する360°の回転角度に関連する軸方向の送り量、すなわちV=Pから始まり、その後、360°の回転角度あたりの軸方向の送り量をねじ山ピッチPより小さい値、すなわちV<Pに減少させる。減速手順は、最初のねじ山ピッチV=Pを最後または反転点でゼロすなわちV=0に減速することと理解され、回転角度の全区間にわたって回転角度に依存する軸方向の送り量Vの減速(減速の加速)を含む必要はない。代わりに、回転角度に対する軸方向の送り量がゼロであるか、一時的に負である、すなわちその方向を逆にする回転角度の区間も可能である。好ましい実施形態では、この減速手順は、以下でより詳細に説明されるように、定義されたサブステップで行われる。
【0076】
第2作業フェーズにおけるこの減速動作は、ねじ切り領域4に、実際に非典型的または非機能的な方法で、コア穴壁に少なくとも1つの円周溝または周辺溝(またはアンダーカット(undercut))を製造させる。したがって、第2作業フェーズにおける手順は、減速手順として以外に、周辺溝の製造または円周溝の製造またはアンダーカット動作としても、あるいは純粋な切削工具の場合にはリリーフ切削(relief-cutting)動作としても説明することができる。
【0077】
図1には、同じ外半径D/2を有し、好ましくは同じ有効タッピングプロファイルを有する、既にねじ山の巻き50の最終プロファイルに対応しているねじ切り歯41および42が示されている。図1による工具のねじ切り歯41および42は、第2作業フェーズにおいて、連続的な外径Dおよび軸方向長さaを有する周辺溝53を製造し、これは反転点までの第2作業フェーズにおける減速動作の軸方向の全送り量から生じる。
【0078】
これに対し、図11には、2つの周辺溝51および52が示されており、第1周辺溝51はコア穴直径dとねじ山の外径Dとの間にある外径d’を有し、第2周辺溝52は、ねじ山の外径Dに対応する外径を有する。
【0079】
そのような周辺溝51および52は、第2作業フェーズにおいて、例えば、P/2だけオフセットされた例えば図1に示されるような2つのねじ切り歯41および42を用いて製造することができ、これらは次のように変更されるうる。図1における第1ねじ切り歯41がちょうど外半径d’/2を有し、それゆえ完全なプロファイル深さまで又は最終のねじ山の谷までねじ山の巻き50を製造しない初期切削歯または初期溝入れ歯であるが、第2ねじ切り歯42は完全な外径Dすなわち完全なタッピングプロファイル深さ(完全な歯)を有する。
【0080】
この例示的な実施形態では、周辺溝は、このように、2つのサブ溝、すなわち、第1ねじ切り歯41によって製造されるより小さい直径を有する第1周辺溝51と、第2ねじ切り歯42によって製造される完全な直径Dで形成された第2周辺溝52とから構成される。
【0081】
これらの実施形態は、例として挙げられたに過ぎない。ねじ切り歯の数または分布(図示せず)が異なる場合、それに応じて異なる周辺溝が生じる。
【0082】
軸方向に連続的または中断されないように1つ又は複数の周辺溝、例えば図11の周辺溝51および52や図1の周辺溝53を製造することが望まれる場合、ねじ山ギャップbを縮めるか又はもはや製造しないように、1回転または360°の回転で、軸方向の送り量Vは特にPに対して少なくともb/nだけ減少する。ここで、nは、ねじ形成領域4のねじ切り歯の数である。
【0083】
例えば、動作パラメータの適切な選択によって、または追加の軸方向の平滑化動作によっても、タッピングプロファイルにおける外形幅、特に側面(flanks)が周辺溝においてもはや見えないか又は消えるように、および/または、周辺溝が円筒形のみを有するように、アンダーカット動作または減速動作は実行されうる。こうして、製造されるワークピースのねじ山のねじ込み性が改善または促進されうる。
【0084】
図1図11に示される例示的な実施形態では、2つのねじ切り歯41および42または円周溝51および52を有するn=2であり、軸方向の送り量Vは、減速手順において好ましくはP-b/2よりも小さくなるよう設定される。ねじ切り歯、ここでは41および42、の有効なタッピングプロファイルは、その後、動作中に重ね合わされたときにもはやねじ山を製造しないが、代わりに、第2作業フェーズにおける減速動作中に、それぞれの経路上で関連するねじ切り歯の外径に対応する外径を全体に有する少なくとも1つの連続した周辺溝を製造する。
【0085】
工具2のドリル領域3のおかげで、穴あけ中にドリル領域3の外形が反映されるタップ穴5の底部には、前部に穿孔サブ領域56が存在する。第2作業フェーズ後の総深さ又は穴深さ又はタップ穴5の総軸方向寸法は、Tで示され、第1作業フェーズにおける軸方向の送り量としてのねじ山深さTと、第2作業フェーズにおける軸方向の送り量としての軸方向の溝長さaと、ドリル領域3によって製造される残りの穿孔サブ領域56の軸方向の深さと、の合計に本質的に対応する。
【0086】
タップ穴5の総深さ又は穴深さTに達した場合、工具2は停止し、反転点UPに達する。次に、反転点UPで直ちに反転または後進移動RBが開始され、これによって工具2は、まず、第1反転フェーズにおいて1つ又は複数の円周溝51,52,53を通ってねじ山の巻き50まで後進され、次に、第2反転フェーズにおいて、ねじ山またはねじ山の巻き50を通って移動または緩められ、タップ穴5から、そしてワークピース6から外される。直径が小さいため、反転動作中にドリル領域3によってねじ山が損傷することもない。第1反転フェーズの好ましい設計の詳細については後で説明する。
【0087】
後進移動RBの第2反転フェーズでは、工具2の軸方向の送り量および回転移動は、ねじ山を損傷しないように、ねじ山ピッチPにしたがって再び互いに同期され、後進移動RBの矢印方向における軸方向の送りの方向は、進移動または作業動作VBの矢印方向と切り替えられまたは反対にされ、回転動作の回転方向が同様に反転され、すなわち前進回転方向VDに変わって後進回転方向VRが設定される。
【0088】
ねじ山の巻き50を有するねじ山のねじ山軸または中心軸はMで示され、前記作業動作中、すなわち第1作業フェーズおよび第2作業フェーズの両方において、また反転動作中、すなわち第1反転フェーズおよび第2反転フェーズの両方において工具2の工具軸Aと一致し、または同軸である。
【0089】
図12は、例えば図11によるタップ穴のような、コア穴を事前に開けることなくワークピース、すなわちワークピースの固体材料にタップ穴を製造するために用いられる制御シーケンスのプロセス(または方法)の例示的な実施形態示を図表によって示す。
【0090】
本発明によるタップ穴を製造するために、本発明による工具、例えば図1による工具とは別に、それ自体既知であり、冒頭で述べたDE102016008478A1から既知であるドリル工具とタッピング工具が複合された工具、または冒頭で述べたDE102005022503A1から既知であるドリル工具と冷間成形タッピング工具(盛り上げタッピング工具)が複合された工具も使用されうる。
【0091】
図12による関数T(φ)のグラフにおいて、本発明の一般性を制限するものではないが、特に、本発明によるタップ穴の製造、すなわち完全なタップ穴の製造サイクル、特に、例えば図1図10を参照して既に説明したように第1作業フェーズ、第2作業フェーズ、反転点、第1反転フェーズおよび第2反転フェーズを有するタップ穴の製造サイクルが、例示的な実施形態において示されている。
【0092】
図12の図表において、縦軸またはy軸にmm単位でプロットされているのは、軸方向、すなわち工具軸Aおよび工具軸Aと同軸のねじ山中心軸Mに沿って延び、測定される軸方向の送り量の座標としての侵入深さ(または縦座標または軸方向座標)Tである。侵入深さTの値は、特にワークピース6のワークピース表面60(図2にも示されている上の軸方向の侵入位置に対応する上記の値から最小値まで減少するため、負の値としてプロットされる。図1の例では、数値範囲は、最高値としてのT=0mmから最低値としての例えばT=-17mmまでを例示しているが、もちろん、所望のねじの長さと工具の設計に応じて、他の値も可能である。
【0093】
工具軸Aを中心とする工具2の回転動作の(合計)回転確度φは、横軸またはx軸に度[°]でプロットされている。回転角度φは、軸方向の侵入位置T=0mmの入口点EP=(0,0)における侵入回転角度または初期回転確度φ=0°から始まり、x軸上に最後の値として入力された値φ=8000°まで右に向かって正の値に増加する。回転確度φは、前進回転移動VBまたは前記回転方向では、正の値に増加し、前進回転方向と反対方向の後進回転移動RDまたは後進回転方向では、減少する。ここで±360°は、工具2がその工具軸Aを中心に完全に1回転することに相当する。
【0094】
関数T(φ)は、軸方向座標(またはワークピース6における深さ)Tにおける軸方向の送り動作と、座標φにおける回転動作との依存性または同期性を記述するものであり、典型的には、工作機械の数値制御システムまたはNC制御システムなどの制御システムにおいて、特に以前に計算されて保存された値テーブルの形態で、あるいはそれぞれの計算の関数として保存される。CNC技術における従来の命名法によれば、T座標はz軸(スピンドル軸)に対応し、その正の方向は、例えば図1に座標Tで示されているように、従来はワークピースから工具に延びる。
【0095】
関数T(φ)のグラフ(φ;T(φ))は、図12によれば、まずは、タップまたは冷間成形タップに典型的で、ねじ山の巻きの製造に対応する直線区間すなわち直線の形であり、出発点φ=0°およびT=0mmから、本発明の一般性を制限するものではないが図示の例では-16mmであるねじ山の巻きまたは実際のねじ切りが終了するφおよびT(φ)のねじ山終了点まで延びる。
【0096】
したがって、φ=0からφ=φ、およびT=T(0)特に0mmからT=T(φ)特に-16mmまでの区間の一次関数T(φ)は、以下のように表すことができる。
|T(φ)|=(P/360°)φ
ここで、Pはねじ山ピッチである。
【0097】
この範囲での勾配または微分dT/dφは一定であり、P/360°による値に対応する。したがって、ねじ山ピッチについては以下となる。
P=360°|dT/dφ|
【0098】
図12で選択した例では、プロットされた角度値φ=3600°に対応するねじ深さの値はT=-10mmであり、直線の傾きは-1mm/360°であるので、ねじ山ピッチはP=1mmである。回転に同期した軸方向の送りにより侵入深さTまたはねじ山中心軸Mに沿って、360°の完全な1回転において、工具2のすべての構成要素はねじ山ピッチPだけ移動される。
【0099】
関数T(φ)の直線区間は、通常の同期タップまたは冷間成形タップの運動学に対応し、例えば予めプログラムされたパス条件(アドレス文字GまたはG関数)として、例えばG33、特にG331およびG332としてCNC制御システムに保存することができ、ここで、ねじ山ピッチPは、典型的にはCNC命名法ではアドレス文字Kが用いられるz軸に平行な補間パラメータとして入力される。ねじ切りプロセスは、特に第1作業フェーズにおいてねじ山の巻き50を製造するために、この直線区間において行われ、そのうちの侵入深さTが増加する種々の位置または区間が特に図3から図6に示されており、その結果、ねじ山深さTのねじ山が、回転角度φの区間長さ又は範囲φ、特にφ=0°からφ=φにわたって、侵入深さTの区間長さ、特にT=0からTまでの区間長さとして製造される。図12の例では、ねじ切りプロセス(第1作業フェーズ)は、φ=0°からφ=φまでおよび対応する侵入深さT=0mmからT=-16mmまで行われる。図12のφ=0からφ=φの間での直線の傾きは、ねじ山ピッチPにしたがって回転角度φと同期する工具2の軸方向の送り速度に対応する。
【0100】
時間Tの関数としての回転角度φ(t)、したがって時間tの関数としての侵入深さT(t)の時間依存性は、原則として、ねじ切りプロセス中に、広い範囲にわたって変化させることができる。しかしながら、回転速度dφ/dtおよび軸方向の送り速度dT/dtは、作業動作VBの間、それぞれ一定であることが好ましい。したがって、回転速度dφ/dtが変更されると、軸方向の送り速度dT/dt、すなわち時間tに応じた侵入深さTの微分は、軸方向の送り量Zの同期が式Z=P/360°に従って維持されるように、相応に調整されなければならない。これらは、タップや冷間成形タップなどの軸方向に動作するねじ切り工具によってねじ山を製造するときに、工作機械制御システムまたはNC制御システムで実施される既知の運動学である。
【0101】
ねじ切りプロセス(第1作業フェーズ)に続いて、次に、特に第2作業フェーズにおいて、回転角度の値φとφとの間の回転角度の範囲Δφと、図18の例ではT(φ)=-16mmからT(φ)=-17まで及ぶ関連する侵入深さの範囲ΔTとで、減速手順または減速動作ABが行われる。減速動作ABの終わりでは、工具2が回転動作および軸方向の送り動作の両方の観点から短時間停止する反転点UPに到達する。反転点UPでは、φ=φ+Δφとなる回転角度の最大範囲φと、タップ穴を生成するための最大侵入深さTとに到達する。
【0102】
減速手順または減速動作ABの間、軸方向の送り速度は、関数T(φ)の図示されたグラフの傾きに対応する回転角度に応じて、正確には、好ましくは厳密に単調(勾配が常に減少する)または単調(勾配が減少し、ところによりゼロにもなる)であるが、サブ領域において一時的に再びわずかに増加してもよい依存関係または関数にしたがって減少される。勾配は、好ましくは、個別に定義されたプログラムまたは記憶されたサブステップまたは減速ステップSの所定の数nで連続的に減少し、ここで、合計または数nは、n>1の自然数、一般に200>n>2、特に20>n>5が選ばれ、iは減速ステップSの添え字で1とnの間、すなわち1≦i≦nである。
【0103】
各サブステップまたは減速ステップSにおいて、ねじ切りプロセスの制御に対応する軸方向の送り量T(または送り速度dT/dt)と回転角度φ(または回転速度dφ/dt)との同期は、好ましくは、1≦i≦nの各減速ステップSに、関連する回転角度区間[φi-1,φ]にわたって関連する値区間[Ti-1,T]を有する関連する所定の関数T(φ)を割り当てるかまたはプログラムすることによって、設定またはプログラムされる。
【0104】
関数T(φ)は、線形であることが好ましく、したがってグラフは(理想的には)直線である。
【0105】
ここで、プログラムまたは保存された勾配は、各減速ステップSから次の減速ステップSi+1まで、段階的にまたは連続的に減少する、すなわち|dT/dφ|>|dTi+1/dφ|である。勾配はそれぞれ、勾配パラメータに対応する。
【0106】
有利な実施形態では、この勾配パラメータは、CNC制御システムにおいてねじ山ピッチとして、すなわち特にパス条件G33、特にG331およびG332においてz軸またはねじ山軸Mに沿った補間パラメータとしてプログラムされる。その結果、制御プログラムに予め設定されているパス条件またはG関数を使用することができ、ねじ山ピッチの入力パラメータのみを連続して変更または再プログラムする必要がある。
【0107】
したがって、各減速ステップSにおいて、関連する勾配パラメータ
P=|dTi/dφ|
がプログラムまたは設定され、ここで、1≦i≦nのすべてのiに対して、
i+1<Pi
である。さらに、
i<P
すなわち、第2作業フェーズまたは減速動作ABの間の勾配は、第1作業フェーズの間のねじ山ピッチPよりも小さい。しかしながら、特に、本発明の一般性を制限することなく、Pi=P(n-1)/nであることが可能である。最後の値Pは、一般に、値Pのうち最も小さい値であっても、常に0よりも大きい。
【0108】
iの値は、例えば、ねじ切り動作からリリーフ切削領域への途切れのない継続的な動作が可能となるように選択することができる。特に、工具の速度が可能な限り維持されることが意とされている。その結果、例えば近似関数で再現可能な様々な条件を定式化できる。
【0109】
式は、
T(φ)=Ti-1-(P/360°)(φ-φi-1
であり、ここで、1≦i≦nのすべてのiについての減速ステップSにおいて、φ∈[φi-1,φ]に対して、T(φi-1)=Ti-1およびT(φ)=Tを境界条件として適用している。
【0110】
第2作業フェーズにおける減速動作ABのための回転角度範囲Δφは、一般に、第1作業フェーズにおけるねじ切りための回転角度範囲φよりも小さくなるように選ばれ、特にΔφ<0.5φ、好ましくはΔφ<0.2φとなるように選択される。これは特に、使用可能な使用可能なねじ山長さがどの程度大きいかに依存しうる。もう1つの影響する要因は、アンダーカットで意図される機能である。単に減速するだけでなく、チップを切り出すためにさらに回転する必要がある場合、さらに回転を追加することができる(以下の図21および図22を参照)。
【0111】
第2作業フェーズにおける減速動作ABの侵入深さ範囲(または最大侵入深さ)ΔTは、一般に、第1作業フェーズにおけるねじ切りの侵入深さ範囲またはねじ山長さTよりも小さくなるように選択され、特にΔT<0.5T、好ましくはΔT<0.2Tとなるように選択される。
【0112】
減速動作ABの侵入深さ範囲ΔTは、特に、Pに等しくなるように選択することができる。タップ穴深さをより小さく保つために、Pよりも小さい侵入深さ範囲ΔT、例えば0.5Pまたは0.25Pも可能である。また、チップ除去の観点から、より大きなアンダーカット高さ又はより大きな侵入深さ範囲ΔT、特に最大2Pを選択し、例外的にさらに大きなを大きくしたり、侵入深さ範囲ΔTを2Pまで、例外的にさらに大きなものを選択することも好ましい場合がある。
【0113】
回転角度範囲Δφおよび関連する侵入深さ範囲ΔTにおける減速動作ABの例示的な実施形態では、一例として、また本発明の一般性を制限するものではないが、n=10が選ばれ、したがって10の減速ステップS~S10が関連する勾配パラメータP~P10とともに提供される。回転角度範囲Δφは、n=10の回転角度区間[φ,φ]、[φ,φ]、・・・、[φi-1,φ]、[φ,φi+1]、・・・、[φ,φ10]に分けられ、これらの区間に関連付けられるのは、侵入深さ範囲ΔTが分割された対応する侵入深さ区間[T,T]、[T,T]、・・・、[Ti-1,T]、[T,Ti+1]、・・・、[T,T10]であり、侵入深さ範囲ΔTは、図12の例では、T(φ)=―16mmからT(φ10)=-17mmまで延びる、および/または、ねじ山ピッチP=-1mmに対応する範囲である。各区間は、サブステップSに対応する。i
【0114】
特にCNC制御システムのねじ山ピッチまたは補間パラメータとしての関連する勾配パラメータPが、各減速ステップSのこれらの区間のそれぞれに割り当てられ、すなわち、2つの区間[φ,φ]および[T,T]に対するピッチP、区間の組[φ,φ]および[T,T]に対するピッチP、そして最後の区間の組[φ,φ10]および[T,T10]に対するピッチP10まで、同様に割り当てられる。
【0115】
ピッチ値P~P10は、i=1からi=nまで、特にn=10において、Pi+1<Pとなるように選択される。各サブ区間または減速ステップSでは、ねじ山ピッチPからP10は一定であるため、関数T(φ)グラフの本質的に直線なサブ領域では、同期した「ねじ切り動作」が生じる、すなわち軸方向の送り速度がP/360°の商に相当する。
【0116】
好ましくは1≦i≦n(ここでは、例えばn=10)のすべてのiについての減速ステップSにおける侵入深さ区間は同じになるように選択されるので、区間T-T=T-T=T-Ti-1=Ti+1-T=T-Tn-1の長さは同一または等距離、すなわちT-Ti-1=ΔT/nとなる。
【0117】
この例示的な実施形態では、各サブ領域またはサブ区間の軸方向の送り量は一定であるように選択され、Ti+1-Tはすべてのiについて同じか等距離であるように選択されるので、ピッチPひいては軸方向の送り速度を減少させると、減速ステップSにおける回転角度範囲ΔTにおいて、回転角度区間φi+1-φは大きく、すなわちφi+1-φ>φi+1-φとなる。すなわち、回転角度間隔φ-φは回転角度間隔φ-φより小さく、回転角度間隔φi+1-φは回転角度間隔φ-φi-1より大きい。最大の角度間隔または角度範囲は、回転角度値φ10-φの間の最後のサブ領域によってカバーされる。これは、各サブ領域または減速ステップSiにおいて減速される連続的な減速手順に対応する。
【0118】
減速動作ABの間、工具2が反転点UP=(φ,T)または(φ10,T10)で静止する、すなわちφ=φもしくはT=Tまたはφ=φ10もしくはT=T10でdφ/dt=0およびdT/dt=0になるように、回転速度dφ/dtおよび軸方向の送り速度dT/dtの時間依存性が選択または制御またはプログラムされる。反転点UPにおける工具2の様子を図7に示す。時間tに応じた回転速度dφ/dtおよび軸方向の送り速度dT/dtの0への減少は、例えば、減速動作ABの間に連続的に行われ、あるいは、例えば、最後の減速ステップSまたはS10においてのみ行われうる。
【0119】
実際には、減速ステップS~S10において、または減速動作ABの間、グラフの線は正確には直線ではなく、わずかに丸みを帯びているが、これは、駆動システム、特に制御システムおよび機械駆動装置のイナーシャ、および移動される構成要素の質量イナーシャの物理的な結果である。しかしながら、減速動作自体が理想的に表現されるか、またはプログラムが記憶されると、記述されたシーケンスは、個々の減速ステップSi、例えばS~S10において、ステップ状に減少するピッチ、すなわちステップ状に減少するそれぞれの一定の送り速度を有する線形関数または連結された線形セクションの結果をもたらす。
【0120】
後進または反転動作が開始される前に、クリーニング手順と同様の別の中間手順が実行されうる。ここでは、例えば、工具のさらなる回転によってチップの根元の残留物を助教したり、よりきれいな円筒状の領域を得るために周辺溝からねじ山の先端の残留物を掃除したりすることができる。そうすれば、ねじをよりよくねじ込むことができる。
【0121】
反転点UPに到達した後、特に図12に示されるような実施形態では、反転動作または後進動作RBが開始され、これは、例えば図8に示されるように、第1反転フェーズにおいて、ねじ山の巻き50における係合点までの加速動作BBと、例えば図9に示されるように、第2反転フェーズにおいて、工具2が同期してねじ山の巻き50を通って外向きに緩められる後進動作RBと、を備える。有利な実施形態では、図12による制御曲線または機能は、逆の順序で、および/または、反転点UPに関して対称的に使用または実行することができる。
【0122】
後進動作RBまたはBBでは、回転動作は、前進回転方向VDから後進回転方向RDへ反転される、すなわち、φ=φまたはφ=φ10から始まる回転角度φは、好ましくは反転点UPにおいて負の方向に減少または反転され、最終的に再び開始値φ=0に達し、工具2がワークピース6から出る。依存性または関数T(φ)は、好ましくは変更されないと仮定され、回転角度が減少するにつれて小さくなるようにし、すなわち反転点UPにおけるT=TまたはT=T10から、φ=0の侵入位置EPにおけるT=0に戻って減少し、したがって侵入位置EPは同時に出口位置でもある。特に、第1反転フェーズは第2作業フェーズに対応し、第2反転フェーズは第1作業フェーズに対応する。
【0123】
第2作業フェーズのための実施形態は、特に、第1反転フェーズのために逆の順序で使用することもできる。したがって、逆の順序の同じ依存関係または関数T(φ)を、反転点UPから始まる第1反転フェーズで、減速動作ABの反転における加速動作BBに対して使用することができる。
【0124】
しかしながら、他の関数T(φ)およびサブステップも使用することができ、これらは、好ましくは、ねじ山の巻き50を通って戻るための工具の正しい係合点に到達できるように、減速動作ABも開始した又は第1作業フェーズが終了した点(φ、T)に戻る。
【0125】
最終角度値φまたはφ10から開始して、加速フェーズは、好ましくは、同じ増分のステップを有する加速動作BBを伴う第1反転フェーズとして、逆の順序で実行される。ただし、これらのステップは、n+1≦j≦2nの加速ステップSであり、n=10の場合はS11からS20までである。これらの加速ステップSのそれぞれには、関連する回転角度区間[φ10,φ11]、[φ11,φ12]、・・・、[φj-1,φ]、[φ,φj+1]、・・・、[φ19,φ20]が割り当てられ、ただし、i=j=nが設定されている場合、第1反転フェーズからのφが第2反転フェーズからのφに単純に対応する。ピッチパラメータも同様に同じままであるが、逆の順序、すなわち、図12による制御曲線のサブ区間について、深さ値Tに達するまで右から左へ、P10からP、PからPまで実行される。角度値φ10の後に新しい角度値φ11が想定され、区間[φ10,φ11]は、ねじ山ピッチP10で、区間[T10,T]に対応し、続く角度区間[φ11,φ12]は、対応ねじ山ピッチPで、侵入深さ区間[T,T]に対応し、以下、ねじ山ピッチPで、[T,T]に対応する最後の区間[φ19,φ20]まで同様である。
【0126】
これに続いて、曲線の直線部分は、TからT=0までの侵入深さTに対応して、φからφ=0まで図12と逆方向に横断する。後進動作での図12の直線の傾きに対応する軸方向の送り速度は、反対方向で再びP/360°になる。その結果、工具は、前進動作において製造されたねじ山を正反対の向きに案内され、製造されたねじ山の巻きにいかなる損傷も生じない。したがって、後進動作は、前進動作とまったく同じ方法で同期されるが、回転方向は逆であり、角度φは角度φからその値がφ=0まで後方に再び減少し、また軸方向の送り速度が逆であり、ねじ山深さT=TからT=0まで数学的に増加する。
【0127】
両方の作業フェーズにおける前進動作VBと同じ制御曲線または関数T(φ)を、両方の反転フェーズにおける後進動作RBに使用することは、一方では、工具2を位置および移動の点で正確に制御することができ、特にねじ山の巻き50における係合点において正しい位置に位置され、このように反転中に力を非常に低く保つことができ、および/または、高い戻り速度もしくは引き込み速度を可能にできるという利点がある。
【0128】
T(φ)について説明された依存性または関数の実装の一実施形態において、侵入深さTの値は、測定された入力パラメータまたは制御システムもしくはプログラムによって事前決定された入力パラメータとして用いられ、関連する回転角度φの値は、割り当てられたピッチパラメータPおよびPによって依存関係から結果として得られる。
【0129】
タップまたはねじ山の成形機のNCプログラムは、したがって、特にG33、特にG331およびG332で、入力する必要があるねじ山ピッチを有するパス条件を選択することができ、その後、新しいねじ山ピッチパラメータへの切り替えが行われる侵入深さの一連の値または値のセットを提供することができ、ねじ山ピッチパラメータは、次の侵入深さの値まで維持される。
【0130】
次に図13は、図12の図表の右下領域の拡大図における、回転角度範囲Δφと関連する侵入深さ範囲ΔTにおける減速動作ABの例示的な実施形態を示す。図13において、n=10が、例として、かつ本発明の一般性を制限することなく選択されており、したがって、10の減速ステップS~S10が、関連するピッチパラメータP~P10とともに示されている。
【0131】
回転角度範囲Δφは、n=10の回転角度区間[φ,φ]、[φ,φ]、・・・、[φi-1,φ]、[φ,φi+1]、・・・、[φ,φ10]に分けられ、これらの区間に関連付けられるのは、侵入深さ範囲ΔTが分割された対応する侵入深さ区間[T,T]、[T,T]、・・・、[Ti-1,T]、[T,Ti+1]、・・・、[T,T10]であり、侵入深さ範囲ΔTは、図12の例では、T(φ)=―16mmからT(φ10)=-17mmまで延びる、および/または、ねじ山ピッチP=-1mmに対応する範囲である。各区間は、サブステップSに対応する。
【0132】
図12とは異なり、図13では、φから始まる回転角度の差が図に記されている。図13において、φの回転角度の軸に図12と同じ値をプロットする必要がある場合、横軸のすべての値にφを加算する必要があり、それは図12では例えば5800°である。減速動作ABは、回転角度値φと関連する侵入する深さ値Tから始まり、最終的な回転角度値φ10と関連する侵入深さ値T10で終了する。
【0133】
特にCNC制御システムのねじ山ピッチまたは補間パラメータとしての関連する勾配パラメータPが、各減速ステップSのこれらの区間のそれぞれに割り当てられ、すなわち、2つの区間[φ,φ]および[T,T]に対するピッチP、区間の組[φ,φ]および[T,T]に対するピッチP、そして最後の区間の組[φ,φ10]および[T,T10]に対するピッチP10まで、同様に割り当てられる。
【0134】
ピッチ値P~P10は、i=1から図13ではi=10まで、また図12ではi=nまで、Pi+1<Pとなるように選択される。各サブ区間または減速ステップSでは、ねじ山ピッチPからP10は一定のままであるため、関数T(φ)グラフの本質的に直線なサブ領域では、同期した「ねじ切り動作」が生じる、すなわち軸方向の送り速度がP/360°の商に相当する。
【0135】
1≦i≦n(ここでは、例えばn=10)のすべてのiについての減速ステップSにおける侵入深さ区間は同じになるように選択されたので、区間T-T=T-T=T-Ti-1=Ti+1-T=T-Tn-1の長さは同一または等距離、すなわちT-Ti-1=ΔT/nが選択され、図13に示される例示的な実施形態では-1mm/10=-0.1mmである。
【0136】
図13の例示的な実施形態では、各サブ領域またはサブ区間の軸方向の送り量は一定であるように選択され、Ti+1-Tはすべてのiについて同じか等距離であるように選択されるので、ピッチPひいては軸方向の送り速度を減少させると、減速ステップSにおける回転角度範囲ΔTにおいて、回転角度区間φi+1-φは大きく、すなわちφi+1-φ>φi+1-φとなる。すなわち、回転角度間隔φ-φは回転角度間隔φ-φより小さく、回転角度間隔φi+1-φは回転角度間隔φ-φi-1より大きい。最大の角度間隔または角度範囲は、回転角度値φ10-φの間の最後のサブ領域によってカバーされる。これは、各サブ領域または減速ステップSiにおいて減速される連続的な減速手順に対応する。
【0137】
減速動作ABの間、工具2が反転点UP=(φ,T)または(φ10,T10)で静止する、すなわちφ=φもしくはT=Tまたはφ=φ10もしくはT=T10でdφ/dt=0およびdT/dt=0になるように、回転速度dφ/dtおよび軸方向の送り速度dT/dtの時間依存性が選択または制御またはプログラムされる。
【0138】
時間tに応じた回転速度dφ/dtおよび軸方向の送り速度dT/dtの0への減少は、例えば、減速動作ABの間に連続的に行われ、あるいは、例えば、最後の減速ステップSまたはS10においてのみ行われうる。
【0139】
実際には、図13の減速ステップS~S10において、グラフの線は正確には直線ではなく、わずかに丸みを帯びているが、これは、駆動システム、特に、遷移を滑らかにするための補間ルーチンを含む制御システムおよび機械駆動装置のイナーシャ、および移動される構成要素の質量イナーシャの物理的な結果である。しかしながら、減速動作自体が理想的に表現されるか、またはプログラムが記憶されると、記述されたシーケンスは、個々の減速ステップSi、例えばS~S10において、ステップ状に減少するピッチ、すなわちステップ状に減少するそれぞれの一定の送り速度を有する線形関数または連結された線形セクションの結果をもたらす。
【0140】
図14は、逆の順序の同じ依存関係または関数T(φ)を、反転点UPから始まる第1反転フェーズで、例えば図12および13による減速動作ABの反転における加速動作BBに対して使用する方法の例示的な実施形態を示す。
【0141】
しかしながら、図5とは異なる関数T(φ)およびサブステップも使用することができ、これらは、好ましくは、ねじ山の巻き50を通って戻るための工具の正しい係合点に到達できるように、減速動作ABも開始した又は第1作業フェーズが終了した点(φ、T)に戻る。
【0142】
最終角度値φまたはφ10から開始して、加速フェーズは、好ましくは、同じ増分のステップを有する加速動作BBを伴う第1反転フェーズとして、逆の順序で実行される。ただし、これらのステップは、n+1≦j≦2nの加速ステップSであり、n=10の場合はS11からS20までである。
【0143】
これらの加速ステップSのそれぞれには、関連する回転角度区間[φ10,φ11]、[φ11,φ12]、・・・、[φj-1,φ]、[φ,φj+1]、・・・、[φ19,φ20]が割り当てられ、ただし、i=j=nが設定されている場合、第1反転フェーズからのφが第2反転フェーズからのφに単純に対応する。ピッチパラメータも同様に同じままであるが、逆の順序、すなわち、図5において、図13による制御曲線のサブ区間について、深さ値Tに達するまで右から左へ、P10からP、PからPまで実行される。図14によれば、角度値φ10の後に新しい角度値φ11が想定され、区間[φ10,φ11]は、ねじ山ピッチP10で、区間[T10,T]に対応し、続く角度区間[φ11,φ12]は、対応ねじ山ピッチPで、侵入深さ区間[T,T]に対応し、以下、ねじ山ピッチPで、[T,T]に対応する最後の区間[φ19,φ20]まで同様である。
【0144】
これに続いて、曲線の直線部分は、TからT=0までの侵入深さTに対応して、φからφ=0まで図12と逆方向に横断する。後進動作での図1の直線の傾きに対応する軸方向の送り速度は、反対方向で再びP/360°になる。その結果、工具は、前進動作において製造されたねじ山を正反対の向きに案内され、製造されたねじ山の巻きにいかなる損傷も生じない。したがって、後進動作は、前進動作とまったく同じ方法で同期されるが、回転方向は逆であり、角度φは角度φからその値がφ=0まで後方に再び減少し、また軸方向の送り速度が逆であり、ねじ山深さT=TからT=0まで数学的に増加する。
【0145】
両方の作業フェーズにおける前進動作VBと同じ制御曲線または関数T(φ)を、両方の反転フェーズにおける後進動作RBに使用することは、一方では、工具2を位置および移動の点で正確に制御することができ、特にねじ山の巻き50における係合点において正しい位置に位置され、このように反転中に力を非常に低く保つことができ、および/または、高い戻り速度もしくは引き込み速度を可能にできるという利点がある。
【0146】
T(φ)について説明された依存性または関数の実装の一実施形態において、侵入深さTの値は、測定された入力パラメータまたは制御システムもしくはプログラムによって事前決定された入力パラメータとして用いられ、関連する回転角度φの値は、割り当てられたピッチパラメータPおよびPによって依存関係から結果として得られる。
【0147】
タップまたはねじ山の成形機のCNCプログラムは、したがって、特にG33、特にG331およびG332で、入力する必要があるねじ山ピッチを有するパス条件を選択することができ、その後、新しいねじ山ピッチパラメータへの切り替えが行われる侵入深さの一連の値または値のセットを提供することができ、ねじ山ピッチパラメータは、次の侵入深さの値まで維持される。
【0148】
シーケンスは、例えば次のようになる。
作業動作:
・侵入深さT=0で、ねじ山ピッチパラメータPを選択し、T=Tまでこれを維持する。回転速度が設定される。
・T=Tで、ねじ山ピッチパラメータPに変更し、T=Tまでそれを維持する。
・1≦i≦nのすべてのiについて、T=Tで、ねじ山ピッチパラメータPi+1に変更し、T=Ti+1までそれを維持する。
・T=Tで、回転速度を0にする。
そして好ましくは、
反転動作:
・T=Tで、設定された速度または回転速度で、軸方向の送り動作および回転動作を反転させ、ねじ山ピッチパラメータPでそれぞれ反対方向に再開し、T=Tn-1までそれを維持する。
・1≦j≦n-1の降順インデックスとしてのすべてのjについて、T=Tで、ねじ山ピッチパラメータPに変更し、それをT=Tj-1まで維持する。
・T=Tで、ねじ山ピッチパラメータPを選択し、T=0までそれを維持する。
【0149】
特に線形補間に対応する、第2作業フェーズにおける作業動作および/または第1反転フェーズにおける反転動作のこの実施形態が、既存の機械プログラムにおけるその単純な実施のために有利であるとしても、すべての実施形態における本発明において、他の依存関係または関数または補間もまた、Tとφまたはそれらの組み合わせとの間の相関のために、個々のサブステップまたはサブ区間で提供されうる。
【0150】
説明した線形補間では、線形曲線区間またはグラフ区間は連続的に結合される、すなわち各区間の開始点(φ,T)はそれぞれの先行区間の終了点に対応し、最初の区間ではねじ切りの直線グラフの終了点(φ,T)に対応する。これらの結合点は、グリッド点とも呼ばれる。
【0151】
すべての実施形態または補間において、線形区間の代わりに連続微分可能に結合される(またはリンクされる、相互接続される)曲線区間またはグラフ区間を選択することも可能である。これは、各区間の開始点が先行する区間の終了点と一致する、すなわち、区間間の結合点において連続的な遷移が生じるだけでなく、さらに、グラフ区間またはその関数もこれらの結合点において微分可能であり、それらの微分が同じ値を有することを意味している。その結果、個々の減速ステップまたは区間において、グラフ間の滑らかな又は連続的に微分可能な遷移が達成され、これは、動作シーケンスにとって有益である。第1作業フェーズにおけるねじ切り動作から第2作業フェーズにおける減速動作ABへの回転角度φでの遷移、またはそれに対応して好ましくは第1反転フェーズから第2反転フェーズへの遷移も、好ましくは連続的に微分可能に、または同じピッチが選択される。
【0152】
このような連続的に微分可能な補間に適した関数の例としては、1より高次の多項式、特に例えば3次スプラインのような3次多項式が挙げられる。ここではスプライン補間を適用することができる。スプライン関数として3次多項式関数T(φ)=aφ+aφ+aφ+aを用いることで、通常のスプライン補間の境界条件で例えば3階微分まで連続な関数が作成される。
【0153】
さらに、減速手順または少なくとも減速ステップSの大部分のための、連続的な、特に厳密に単調に、または代替的に単調に減少する関数、例えば指数関数または対数関数も使用することが可能である。例えば、以下の指数関数を使用することができる。
【数1】
ここで、fdはフランク径(flank diameter)、xは連続した自然数である。
【0154】
記述された関数の理論曲線は、特に、対応する数の個々のNC制御データセットによって再現することができる。
【0155】
T(φ)について説明された依存性または関数の実装の一実施形態において、回転角度φの値は、測定された入力パラメータまたは制御システムもしくはプログラムによって事前決定された入力パラメータとして用いられ、関連する回転角度φの値は、割り当てられたピッチパラメータPおよびPによって依存関係から結果として得られる。
【0156】
In a third variant, time can also be predetermined as an input parameter and the values of the angle of rotation φ(t) and the penetration depth T(t) are formed from the dependency with time (t) and the dependency with each other by means of the pitch parameters P and Pi.
第3の変形例では、時間を入力パラメータとして事前決定することもでき、回転角度φ(t)および侵入深さT(f)の値は時間(t)との依存関係と、ピッチパラメータPとPによる相互の依存関係から形成される。
【0157】
一実施形態では、制御または同期は、プロセス変数である侵入深さおよび回転角度の測定を伴わないオープンループ制御で行われうる。侵入深さの値は、ここでは、値テーブルを用いたり、または記憶されている公式を使用した計算により、各回転角度の値に割り当てられ、回転駆動および軸方向駆動はそれに応じて制御される。
【0158】
さらなる実施形態では、侵入深さおよび回転角度の2つのプロセス変数のうちの少なくとも1つの測定も行うことができ、測定値は、例えば図12に示される目標曲線にしたがって、閉ループでの調整を行うために、制御システムにフィードバックできる。回転角度φは、通常、回転角度センサまたは回転角度と明らかに相関する物理変数の測定を用いて、駆動部、特に駆動スピンドルの領域で決定される。しかしながら、原理的には、工具2において直接回転角度を測定することも可能である。侵入深さTは、軸方向の位置センサによって測定することができ、ここでもまた一般的には駆動部、特に駆動スピンドル、あるいは特定の実施形態では工具またはワークピース自体で測定することができる。
【0159】
さらなる実施形態では、平滑化ステップまたは一定の循環ステップは、第2作業フェーズにおいて追加的に行うことができ、その間、侵入深さT(φ)は一定であるか、または少なくとも前進方向にさらなる送り動作が実行されない。回転動作の回転方向は、好ましくは、平滑化ステップの間、同じままであり、したがって反転されない。
【0160】
一実施形態では、回転角度φn-1で最大侵入深さΔTに達すると、次のステップSの対応値T(φ)は、反転点UPでの回転角度φまで一定に保たれる、すなわちT(φn-1)=Tn-1=T=T(φ)である。
【0161】
さらなる実施形態では、最大侵入深さΔTは、対応する値がT(φn-2)=Tn-2である回転角度φn-2で到達される。値T(φ)は、その後、回転角度φn-1まで、すなわち軸方向の送り方向が逆になるまで、次のステップSn-1で再び減少し、侵入深さ値T(φn-1)=Tn-1<Tn-2に減少される。したがって、工具は円周溝内でわずかに反転した送り状態で走行する。穿孔の底から離れる負のT方向に定義された動作は、ねじ込み性の観点から、アンダーカットまたは周辺溝をさらに改善するのに有利になりうる。回転角度φn-1を超えると、対応する値T(φ)は、反転点UPにおける回転角度φまで、次のステップSで再び一定に、すなわちT(φn-1)=Tn-1=T=T(φ)に保持される。しかしながら、特に周辺溝が既に(大部分)製造されている場合、平滑化の間、比較的大きなおよび/または速い戻り動作および/または軸方向の往復動作も行うことができ、これは、ねじ山ピッチPよりもさらに大きい360°あたりの軸方向の送り量を可能にする。したがって、工具とそのタッピング歯は、ステップSにおいてピッチのない円形または円筒形の経路で回転する、あるいはステップSn-1において再び正のピッチでワークピースの外側にわずかな量だけ回転する。この動作は、特に、周辺溝を滑らかにし、ワークピースの表面をきれいにし、生成されたタップ穴からチップ材料できるだけ排出し、場合によっては、加工力によって生じたワークピースと工具との間の応力を緩和するために役立つ。したがって、減速動作ABの最後のステップとしてのステップSおよび最後から2番目のステップSn-1は、平滑化ステップと呼ぶこともできる。平滑化ステップSの全回転角度φ-φn-1、または、平滑化ステップSおよびSn-1の全回転角度φ-φn-2は、広い範囲、例えば180°と2000°との間で自由に選ぶことができ、通常は、穿孔する単調減少区間(遷移領域)の回転角度φn-1-φまたはφn-2-φよりも大きく、例えば3倍大きくなるように選ぶことができる。反転動作RBの間、第1反転フェーズにおいて、例えば、平滑化ステップの一部または全部を省略することもできる。
【0162】
本発明による手段により、リリーフカット(周辺溝)への遷移およびリリーフカット自体において、有利な動作シーケンスを得ることができる。工具の作業速度は、可能な限り高速で均一(一定)にすることができる。機械(制御システムを含む)は、高度に動的な方法で動作を再現することができる。さらに、リリーフカットまたは周辺溝に、ねじ込み可能な形状を製造することができる。
【0163】
機械の比率を考慮すると、質量イナーシャと、駆動装置および制御システムのイナーシャが物理的に存在することが分かる。アンダーカットすなわち周辺溝においてもねじ山の外側の速度を高く保つために、機械は、特にz軸(変数T)および回転軸(変数φ)の連続した動作経路によって、好ましくは高い工具経路送り速度でこの動作を実現できる。
これは、有効な工具の歯および切れ刃の高速で安定した速度に表れる。これにより、均一なチップの除去が可能になる。
【0164】
機械をプログラムするために、理論的な動作経路を対応するNCセットに変換できる。ここで、わずかな偏差または近似(例えば複合螺旋動作などの形で)が発生することがある。
【0165】
上記のようなねじ切りプロセスの技術的実装では、侵入深さT=T(t)および回転角度φ=φ(t)または回転速度もしくは回転数n=n(t)の時間tに対する時間依存性も確立する必要がある。その結果、ワークピースに生じる工具経路送り速度v(t)(周速、加工速度、送り速度、切削速度)、すなわち軌跡の接線方向の速度が確立される。
【0166】
工具経路送り速度v(t)は、半径rすなわちタップ穴径と、ベクトル方程式v=r×ωに従う回転速度ω(t)=dφ(t)/dt=2πn(t)と、に依存し、したがって同じ回転速度nでは半径rが大きい方が、すなわちM6ねじ(r=3mm)よりM8ねじ(r=4mm)の方が高くなる。
【0167】
穴あけとねじ切りを同時に行う本発明による本工具および本プロセスでは、ドリル領域3およびねじ切り領域4に対して均一な工具経路送り速度v(t)を設定し、工具および工具経路送り速度を最適に調整しなければならい。特に、タップ穴が十分な品質で、かつ、十分な耐用年数の工具で製造されることが保証されなければならない。また、過度の加速とそれによる工具への負荷を避けることも重要である。これは、多くの初期の試験で損傷や完全な破損があったドリル領域3では特に重要である。
【0168】
したがって、理想的には、少なくともほぼ一定の最大工具経路送り速度vmaxが、プロセス中にできるだけ長く又はできるだけ長い期間にわたって到達または維持されることが意図されている。これは、特に減速動作またはアンダーカット動作ABに適用される。
【0169】
工具は、一般に、その性能と形状に関して、この最大値vmaxに最適化されている。この最大工具経路送り速度vmaxは、少なくともほぼ一定の最大回転速度nmaxに対応するが、このれは、既に述べたように、工具の半径または直径に依存する。
【0170】
EMUGEハンドブックのページ170~177によると、ワークピースの材質とドリルの材質(超硬またはHSS)に応じて、コア穴をあけるために異なる切削速度を選択する必要があり、例えばスパイラルドリルでは、非硬化鋼や鋳鉄では90~100m/min、アルミニウム合金では最大150m/minである(minは分、すなわち60秒を意味する)。
【0171】
従来技術からのこれらの推奨値によれば、同じ材料におけるスパイラルドリルとタップの切削速度の値は、大幅に異なる場合がある。しかしながら、本発明による複合工具の場合、半径がわずかに異なるだけのドリル切れ刃とタッピング歯の切削速度または工具経路送り速度は、実施的に同じでなければならない。さらに、複合工具のドリル領域3およびねじ切り領域4の軸方向長さは、EMUGEハンドブックの個々の工具の場合よりも著しく短くなるように選択しなければならないので、EMUGEハンドブックのタップおよびスパイラルドリルの形状は、本発明による複合工具およびプロセスに変換することはできない。そうでなければ、一体化した穴あけプロセスと一体化したアンダーカットプロセスにより、実際のねじ山に十分な軸方向長さが残らないからである。これらの軸方向に短くされたドリル領域およびタッピング領域は、DE102016008478A1による公知のタッピング工具にも見ることができる。
【0172】
したがって、上記の複合工具とそれに関連するタップ穴製造プロセスを最適化するには、適切な工具経路送り速度を見つけなければならない。一方で、可能な限り高い加工速度または可能な限り低いサイクルタイムを得るよう努力する必要があるが、他方で、速度を工具および制御システムによって制御することが可能でなければならない、すなわち、最適化の一部として、経済性と技術要件との間の妥協点を見出すことが必要である。
【0173】
本発明者らは、試験と分析を行い、ここでは、最新の高品質機械プログラム制御システムSIEMENS 840Dを備えた最新の高品質製造機械GROB G552において、周知のEMUGE工具製造業者の品質で基本的に図1にしたがって構築した様々な工具のプロトタイプを使用した。
【0174】
本発明者らによる広範な試験と分析の結果、工具経路送り速度vmaxは、57m/min~189m/min、特に85m/min~132m/minの値区間が、特にアルミニウム材料において、最終的に好都合であることが証明された。最大回転速度に対する以下の好ましい回転速度範囲(単位:rpm(1/min=1/60Hz))は、これらの工具経路送り速度範囲から導き出される。
【0175】
M6ねじ(直径6mm)の場合、工具の最大回転速度nmaxは3,000rpmと10,000rpmの間、好ましくは4,500rpmと7,000rpmの間である。ねじの直径が異なる場合、回転速度または回転速度範囲は、6mmと他のねじの直径との比率に応じて変化する、すなわち例えばM6の代わりにM8の場合、係数6/8=0.75で変化する。したがって、例えばM8(直径8mm)のねじの場合、工具の最大速度nmaxは、2,250rpmと7,500rpmの間、好ましくは3,375rpmと5,250rpmの間である。
【0176】
既に説明したように、技術的には、主要な目的またはプロセス条件は、できるだけ長い期間にわたって所望の工具経路送り速度を達成し、したがって、ねじ切りの間、すなわち作業動作VBを伴う第1作業フェーズと、またとりわけアンダーカット動作の間、すなわち減速動作を伴う第2作業フェーズと、の両方において最大回転速度ををできるだけ一定に維持することである。これは、言い換えれば、回転速度の時間依存関数n(t)において、最大回転速度で可能な限り長い平坦域(プラトー(plateau))が、第2作業フェーズ(アンダーカット動作)を含む作業動作中に可能な限り長い期間にわたって確保されることが意図されていることを意味する。したがって、工具にとって最適な最大回転速度で可能な限り長い加工を行うことができ、工具に過度の負荷や加速度がかかるのを防止することができる。
【0177】
さらにまた、さらなる目的またはプロセス条件において、早ければ所定の安全距離でワークピースに進入するときに、最大回転速度が達成されることが意図される。
【0178】
驚くべきことに、特にM6およびM8で、4,000rpm~6,000rpmの上記の好ましい最高回転速度の場合、このハイエンド機械であっても、アンダーカット動作において一定の最大回転速度ひいては工具経路送り速度を達成することは不可能であり、これにより、寿命が短くなり、時には工具の故障も生じる。工作機械では、軸位置の目標値と実際値との不一致である輪郭誤差が、回転速度の上昇に伴い大きくなる。正確には、この誤差を打ち消すには、輪郭誤差を解消する割合を示す係数Kvを大きくすればよい。しかしながら、機械の制御システムが不安定になり、オーバーシュートが発生し、機械が振動し始めるため、係数Kvの増加には制限が設定されている、
【0179】
一実施形態において、本発明は、機械のスピンドルと工具との間に変速ユニットを介在または配置し、少なくとも1:3の所定の変速比で、駆動軸または入力軸としての機械のスピンドルの回転速度を、工具との出力または出力軸、ひいては工具自体におけるより高い回転速度に変換するという考えに基づいている。機械のスピンドルの回転速度は、ここでは、変速比と工具の回転速度の積と同じである。これらの対策により、驚くべきことに、第1作業フェーズ(ねじ切り)の間および第2作業フェーズ(アンダーカットまたは円周溝の製造)の間の両方で、最大回転速度で十分な回転速度プラトーを得ることができた。
【0180】
変速比は、一般に、1:3から1:10、特に1:4と1:8の間、好ましくは1:4と1:5の間で選択される。より高い変速比では、それ以上の大幅な改善が得られないことが示された。
【0181】
工作機械制御システムが、変速ユニットがなくても上記の目的を達成する必要がある場合、その説明も本発明の実施に含まれ、したがってその保護範囲に含まれることになる。
【0182】
変速ユニットの有無の違いは、図15および図16を参照した例示的な実施形態から明らかです。使用される変速ユニットについての例示的な実施形態を図17に示す。
【0183】
図15のねじ切りサイクルは、工作機械の機械駆動装置または機械のスピンドルと工具との間の変速ユニットを用いて本発明にしたがって実行されている。駆動部すなわちこの場合は機械駆動部または機械のスピンドルの回転速度と、出力部すなわちこの場合は工具2またはその工具ホルダの回転速度と、の比に相当する変速ユニットの変速比は、ここでは1より小さくなるように、すなわち速度増分が行われるように選ばれている。図16に示される例では、本発明にしたがって修正された出願人のSpeedsynchro(登録商標)が使用された、約4.4の変速比を有する変速ユニットが選択された。工具の回転速度4500/min=75/s=75Hzに対応して、スピンドルの最大回転速度は1020/min=17/s=17Hzに設定された。
【0184】
図16のねじ切りサイクルは、工作機械のスピンドルと工具との間に変速ユニットがない状態、すなわちスピンドルの回転速度が工具の回転速度に対応する状態で行われた。スピンドルの最大回転速度は、4500/min=75/s=75Hzが設定された。
【0185】
経験的に計算された侵入深さT=T(t)またはz軸座標の時間依存性または制御、および時間(t)の関数としての回転速度n=n(t)が、図15および図16に入口点EPと反転点UPとの間および再び戻るときのねじ切りサイクル全体にわたって示される。侵入深さT(t)=T(φ(t))は、既に詳細に説明した選択された依存関係T(φ)によって時間tの関数として結果として得られる。回転速度n(t)は、回転角度φ=φ(t)の一次時間微分に相当する角速度ω=ω(t)=dφ/dtと、2πn(t)=dφ/dtのように相関がある。角速度ωまたは回転速度n(t)および軸方速度v(t)は、特に図12で行われるように同期される。
【0186】
図15には、回転速度n(t)として、一方は工具2の回転速度n(t)、他方は機械のスピンドルの回転速度n(t)の2つの異なる回転速度が時間経過とともにプロットされている。
【0187】
2つの回転速度n(t)とn(t)は、変速ユニットの変速比I=n(t)/n(t)、すなわち入力の回転速度n(t)と出力の回転速度n(t)の商、を介して連動している。変速比は、一般に1/3または1:3より小さく選ばれ、図16の本例示的な実施形態では、変速ユニットの変速比IはおよそI=1/4.4である。
【0188】
これに対して、図16では、変速ユニットがないために、工具2の回転速度n(t)と機械のスピンドルの回転速度n(t)が同じ、すなわちn(t)=n(t)であるため、回転速度n(t)としてただ1つの回転速度、すなわち工具2の回転速度n(t)が時間経過とともにプロットされている。
【0189】
図15および図16には、時間tの時間軸上に11個の時点tからt10がプロットされている。
【0190】
最も早い時点tは、入口点EPにおけるねじ切りサイクルの開始に対応する。入口点EPはワークピース表面上のT(t)にあり、z軸の移動が始まるT=0mmからここでは例えば-2mmの安全な距離である。ねじ山が製造される作業動作VBの第1作業フェーズは、時点t0から始まる。侵入深さT(t)は、例えば図12に示されるように、ねじ山ピッチを介して回転角度φ(t)または回転速度n(t)と同期している。ねじ切り領域4がねじ山の巻き50を製造する図5および図6は、この時間区間に属している。
【0191】
時点tにおいて、この第1作業フェーズが終了し、アンダーカット動作または減速動作ABの第2作業フェーズに移行する。ここで、ねじ山深さTは、この場合、例えば約11mmであり、T(t)において到達する。
【0192】
時点tと時点tの間の第2作業フェーズにおいて、減速動作またはアンダーカット動作ABが行われ、反転UPで終了する。侵入深さT(t)は、侵入深さ範囲ΔT=T(t)-T(t)によって、かなり遅くなりながら図示の例では-14mmである反転点UPでの最低値T(t)まで(量的に)増加する。ここで、タップ穴深さTに到達する。時点tから始まり、反転点UPに対応する時点tまで、周辺溝またはアンダーカット、特に図1および図10における53、図11における51および52を製造するために、減速手順またはアンダーカット動作が行われ、特に図12および図13による減速動作ABおよび/または侵入深さT=T(φ)と回転角度φ(図15および図16の曲線T(t)と混同してはならない)との間の本発明による所定の依存性を有する減速動作が行われる。
【0193】
具体的には、0.1mm間隔でのねじ山ピッチPの変更は、0.9mm~0.05mmのピッチ範囲(ねじ山自体はP=1mm)でプログラムされたねじ山コマンドG331によって設定することができる。機械の内部ルーチンは、通常、入力コマンドを補間して、各軸の連続した曲線を形成する。アンダーカット動作におけるピッチを小さくすることで、特に穿孔の底のチップの根元が後進移動の障害にならなくなるまで減少する。
【0194】
反転点UPにおいて、侵入深さT(t)は最深かつ(量的に)最大の値Tに達し、回転角とφ(t)も同様に最大または最も幅広い値φに達する。軸方向速度v(t)=dT/dtおよび回転速度n(t)=dφ/dt/2πはそれぞれ、反転点UPにおいて一時的にゼロ値をとる、すなわち工具2は例えば図7に示されるように一時的に停止状態となる。
【0195】
時点tでの反転点UPを過ぎて、時点t~tの間である、減速動作BBを伴う第1反転フェーズと、時点t~t10の間である第2反転フェーズと、に分かれる工具2の反転動作RBが開始する。時点t10およびT(t10)=T(t)、この例では-2mmでワーク表面に到達する。図15および図16に示される例示的な実施形態では、本発明の一般性を制限することなく、送り動作VBおよび反転動作RBの制御は、反転点UPに対して本質的に対称に構成される、すなわち、侵入深さT=T(t)のグラフは、反転点UPの時点tを通って延びる垂直な対称軸に関して本質的に軸対称または鏡面対称であり、回転速度n(t)およびn(t)のグラフはそれぞれ、反転点UPの点(t,0)に関して本質的に点対称である。
【0196】
図15および16の例示的な実施形態では、侵入深さT=T(φ)の回転角度φへの依存性または回転角度φとの同期性は、に対する依存性または同期性は、図12図13および図14によるアンダーカット動作ABにおける変化するねじ山ピッチパラメータで選択される。
【0197】
図15および図16からすぐに分かるように、機械制御システムにプログラムされた工具の最大回転速度nmaxは、この場合は4,500rpmであり、理論的には同じであるにもかかわらず、時間の経過に伴う回転速度n(t)の実際の曲線はかなり異なっている。これについては、以下で詳しく説明する。
【0198】
図15による変速ユニットを備える本発明による実施形態では、機械制御システムは、T=0mmの時点を越えると、所定の最大回転加速度にしたがって回転速度n(t)を増加させ、入口点EPにおける時点tの少し前に、機械のスピンドルの回転速度の最大値nS,maxと、工具の回転速度の対応する乗算された最大値に到達する。工具の回転速度のこの最大値は、工具の理論的なプログラムされた最大回転速度nmax、ここでは4,500rpmに完全に達するか、これに対応するスピンドルのnS,max=Inmax=1,020rpmに達する。
【0199】
この最大回転速度nmaxは、時点tとtとの間の時間区間Δtの平坦域にわたって一定に保持される、すなわち区間長さΔtのtとtとの時間区間においてn(t)=nmaxまたはこれに対応してn(t)=nS,maxに保持される。
【0200】
時点t4で回転速度n(t)は再び減少し、最小回転速度nminで局所的な最小値となるが、この最小値と回転速度は、減速動作AB内、すなわちここでは時点t2の直後に存在する。
【0201】
最大回転速度nmaxと最小回転速度nminとの間の回転速度差は、Δnで表され、すなわちΔn=nmax-nminであり、0.8nmaxを越えるべきではない。Δnは、使用する機械や機械制御システムに依存する。
【0202】
アンダーカット動作ABを制御した結果として最小回転速度nminに到達した後、回転速度n(t)はその後、直ちに再び上昇し、2回目は時点tで最大回転速度nmaxに再び到達し、時点tとtとの間の時間区間Δtの第2平坦域にわたって一定に保たれ、すなわち区間長さΔtのtとtとの間の時間区間においてn(t)=nmaxまたは対応してn(t)=nS,maxに保たれる。
【0203】
回転速度nw(t)の時間曲線は、変速比Iが他の値、特にI=3~8の値範囲内の場合、および最大回転速度nmaxが他の値、特に3,000~10,000rpmの値範囲内の場合、異なる組み合わせでも、定性的に同じである。特に、中間の時間区間Δtを有する2つの平坦域ΔtおよびΔtも存在する。
【0204】
第2平坦域Δtの区間長さの絶対値は、変速比Iおよび最大回転速度nmaxに依存し、また機械制御システムにも依存する。特に、第2平坦域の区間長さΔ3は、0.01s~0.25s、特に0.02s~0.13sの範囲内で選択することができる。
【0205】
回転速度n(t)は、時点tを越えると減少し、時点tの反転点UPで0になる。
【0206】
2つの平坦域、すなわち最大回転速度nmaxの継続時間ΔtとΔtとの間に位置する、時点tとtとの間の中間の時間区間Δtも機械に依存し、一般的には防止する必要はないが、最小にすることが望ましい。
【0207】
種々の変速比Iおよび最大回転速度nmaxでの中間時間区間Δtの区間長さの絶対値は、特に0.05sと0.15sの間、好ましくは0.06sと0.10sにあり、したがって、通常はΔtにおけるほどには変化しない。
【0208】
特にここでは、時間区間Δtの第1平坦域もねじ山長さに依存するので、平坦域間の時間区間Δt2と第2平坦域Δtの時間区間との間の比Δt/Δtも興味深いものである。比Δt/Δtは、一般に、異なる変速比Iおよび最大回転速度nmaxで0.3~3.4の範囲内、特に0.5~2.4の範囲内にある。
【0209】
この時点tとtとの間の作業動作中の回転速度n(t)の曲線は、図15に見られるように、時点tとt1010との間の反転動作において、反転点UPに対して対称に繰り返され、最大回転速度-nmaxの2つの平坦域、すなわち、時点tと時点tとの間の平坦域Δtおよび時点tと時点t10との間の平坦域Δtと、時点tと時点tとの間の最小回転速度-nminを伴うより低い回転速度の中間領域と、を有する。
【0210】
図16による変速ユニットを有しない実施形態では、機械制御システムは、所定の最大回転加速度にしたがって回転速度n(t)を、T=0の時点から時点tを越えて時点tまで、この時点tにおいて時間的に局所的かつ全体的に最大値達するまで増加させるが、平坦域はなく、すなわち回転速度がその最大値に留まる時間区間はない。その代わり、回転速度n(t)の最大値は、再びすぐに離れる、すなわち回転速度n(t)は時点tを越えてすぐに再び減少する。さらに、実際に達成される回転速度n(t)の最大値n(t)は、プログラムされた最大回転速度nmax以下である。
【0211】
時点tにおいて、回転速度n(t)は、減速動作AB内に既に位置する局所最小nminに達する、すなわちここでは時点tのすぐ後に到達する。回転速度n(t)は、アンダーカット動作ABの制御の結果として再び上昇し、時点tで第2の局所的な最大に達し、時刻tの反転点UPでのみ0まで減少する。この時点tでの最大値は、時点tでの最大値よりも小さく、時間的なものである、すなわち、ここでも一定の回転速度の平坦域は形成されない。
【0212】
時点tと時点tとの間の作業動作中の回転速度n(t)のこの曲線は、反転点UPに関して点対称に、時点tと時点t10との間の反転動作において、時点tと時点tでの2つの最大量と、時点tでの中間最小量-nminを伴って繰り返される。反転動作でも最大回転速度-nmaxは達成されず、所望の回転速度の平坦域は形成されない。
【0213】
回転速度におけるフランクな傾斜(slopes)または勾配(pitches)は、両方の例示的な実施形態において、および一般に、機械のスピンドルの最大回転加速度によって制限または決定される。
【0214】
図15に示すような変速ユニットを備えた実施形態では、図16のような変速ユニットを有しない実施形態と比較して、ねじ山の品質、機械摩擦、工具応力、およびその結果としておそらく工具寿命の改善が見られた。
【0215】
ここで、工具結合装置が、図17における本発明による第1実施形態に示されている。図示された例示的な実施形態は、出願人からのSpeedsynchro(登録商標)チャックまたは例えばEP2361712A1に開示されるチャックを改変することによって製造される。公知のチャックとは対照的に、反転点UPの近傍で実行される制御ステップの精度を損なわないように、エストラマーによる長さ補償保証のない剛性カップリングが製造される。
【0216】
工具結合装置は、工具2を駆動装置、特に工作機械のスピンドルに結合するために設けられ、出力軸12と、ハウジング100と、駆動軸107と、工作機械のスピンドル(図示せず)または(回転)駆動装置に結合されるアダプタ91と、駆動軸107と出力軸12との間の変速ユニット16と、を備える。
【0217】
工具2はコレット10に保持され、コレット10は出力軸(またはチャックヘッド)12の一方側に形成されたホルダーに保持されている。工具2を保持するために、コレット10は出力軸12のねじ山にねじ込まれたクランプナット11によって内側に圧縮または引張される。もちろん、コレットの代わりに別の保持手段、例えばクイックチェンジインサートや焼き嵌めチャックも提供されうる。
【0218】
出力軸12は、連続体または一体体として、コレット10のためのホルダからさらにハウジング100の開口部を通って、駆動軸107のハウジング100の内部に配置されたほぼ環状の保持領域117の内部まで、ハウジング100内を延在する。駆動軸107は、保持領域117以外に、保持領域117に向かって広がりる例えば複数の接続ねじを介してそれに着脱可能に連結される中空シャンク127を備え、複数のねじのうちの1つは参照符号67で示されている。工作機械(または駆動装置)の機械のスピンドル(図示せず)を保持および結合するための保持空間92を有するアダプタ91は、出力軸12の中空シャンク127の端部に着脱可能に固定される。アダプタ91は、種々の形状の機械スピンドルに適合させることができる。交換可能なアダプタ91を備えるこのモジュールシステムによって、結合装置は種々のアダプタを使用して種々の機械スピンドルに結合されうる。ハウジング100の2つの開口部は、駆動軸12および出力軸107の周囲にシールを備えたクロージャ(詳細には説明しない)によって閉じられている。
【0219】
出力軸12は、コレット10を介してこれに回転不能に保持された工具2とともに、またアダプタ91を有する駆動軸107も、それぞれ中心軸ZAを中心に前進方向回転VD(または図示しない後進回転方向)に回転可能である。機械のスピンドルひいてはそれに回転不能に結合されたアダプタ91、および保持領域117を有する駆動軸107は、それぞれ入力回転速度または機械スピンドルの機械回転速度nで回転し、出力軸12は、コレット10を介してそこに回転不能に保持される工具2とともに、それぞれ出力回転速度または工具回転速度nで中心軸ZAを中心にして回転する。
【0220】
ハウジング100の内部に配置される変速ユニット16が、駆動軸107と出力軸12との間に介在する。変速ユニット16は、変速ユニット16の変速比Iにしたがって、同じ回転方向で、機械の回転速度nを工具の回転速度nに変換する。図17に示される例示的な実施形態では、変速ユニット16は、歯車、特に遊星歯車を用いて設計される。変速ユニット16の歯車は、中央の歯車64と、ハウジング100に設けられ、内歯68を有する外側リング歯車108と、中間歯車、例えばそれらのうちの3つ、図17ではそのうちの2つの歯車61および62を見ることができ、歯車64と内歯68との間に配置され、それぞれの外歯が、内側の歯車64の外歯および外歯68に係合する中央の歯車64は、ハウジング100の中央領域に配置され、出力軸12に回転不能に接続されている。歯車61および62は、軸ボルトを介して駆動軸107の保持領域117に回転可能に取り付けられ、そのうちの歯車61のための軸ボルト65のみが見える。歯車の歯は、変速比Iを決定する。しかしながら、そのような遊星歯車の代わりに、別の歯車、例えば摩擦歯車または他の歯付き歯車システムを設けることも可能である。
【0221】
したがって、出力軸12は、好ましくは一体的な剛体として変速ユニット16の歯車を通って延在し、それぞれ転がり軸受、特に玉軸受を介して、すなわち工具2に面する側ではハウジング100に対してまたはハウジング100内で転がり軸受96Bを介して、アダプタ91に面する他方の側では駆動軸107に対してまたはその内部で転がり軸受96Aを介して回転可能に取り付けられている。その結果、本発明によるプロセスに有利な優れた同心円特性を有する非常に剛性が高く安定した構造が得られる。駆動軸107は、好ましくはその保持領域117において、アダプタ91に面する側のさらなる転がり軸受97Aおよび工具2に面する側またはハウジング100の内部のさらなる転がり軸受97Bによって、それぞれ、変速ユニット16の歯車に両側かつ比較的近接して回転可能に取り付けられている。
【0222】
変速ユニット16の歯車が作用・反作用して生じるトルクを吸収するために、トルク吸収手段または反トルク手段として、図17の上部に図示され、ハウジング100に剛体的に接続された回転防止ユニット9が設けられている。回転防止手段9は、中心軸ZAに平行な軸Bに沿った軸方向配置で、案内部118に案内される固定ボルト103と、静止した非回転基準システム、例えば機械フレームまたは機械ハウジングに接続するための接続部104と、を備える。図示された非接続状態において、接続部104は、ハウジング100に接続された案内部118に支持されたバネ119によって、軸Bに沿って前方に押圧される。その結果、ロック要素105が駆動軸107の中空シャンク127の外側にある外輪106のロックソケット(ロック溝)109に嵌まり込む。案内部118の端部にあるスナップリング129は、バネ119のバネ力に対する固定手段を形成する。これに対し、図示しない接続状態では、接続部104が軸線Bに沿ってバネ119に対して後方に押され、ロック要素105をロックソケット109から移動させ、その結果、ユニットは動作可能な状態となる。
【0223】
中心軸ZAに沿ってアダプタ91から移送管99を通って工具2への出力軸のインナーダクト13に延びる内部冷却剤および/または潤滑剤の供給システムが存在する
【0224】
本発明による工具結合装置の実施形態は、好ましくは、本発明による工具および本発明による方法のために提供されるが、種々の回転工具または方法ために独立して使用することもできる。
【0225】
図18および19は、本発明による工具2の最後または最後尾のタッピング歯として使用することができるタッピングまたはチップ除去歯8の例示的な実施形態を示している。
【0226】
タッピングおよびチップ除去歯8は、ねじ山の巻きまたはねじ山の巻きのタッピングプロファイルの完全な製造または最終化または仕上げのための第1機能または主機能で提供される。この目的のために、タッピングおよびチップ除去歯8は、送り方向または前進方向または巻き方向Wで見たときに前方に配置されるその前方領域に、タッピング歯プロファイルヘッドK、前方タッピング歯プロファイルフランクF1および後部タッピング歯プロファイルフランクF2を有するタッピング歯プロファイルGBを有するねじ山切れ刃85を備える。図示された例示的な実施形態では、タッピング歯プロファイルGPは台形である。しかしながら、任意の、特にすべての既知のタッピングプロファイルは、すべての実施形態において工具で表現され、製造されうる。実施形態において、タッピング歯プロファイルGPの全体は、切削によって製造され、したがって、ねじ山切れ刃85タッピングプロファイルの全体を反映する。図示されていない実施形態では、タッピングおよびチップ除去歯8は、ねじ山を製造する際に、少なくとも1つの溝形成要素によってのみ、材料を除去せず、成形することによってのみ働くこともできる。
【0227】
実施形態では、例えば図18に示すように、通常、タッピングプロファイルGPの下部は切削によって製造され、したがってねじ山切れ刃85はタッピングプロファイルのこの部分を反映し、タッピングプロファイルの残りの部分はインプレッション(impression)または冷間成形によって材料を除去せずに製造される。この目的のために、そのような実施形態では、タッピングおよびチップ除去歯8は、歯の後部のねじ山切れ刃85の後方に、特に平坦であるかまたは円筒形の表面上に位置する歯の隆起(リッジ)83まで溝形成スロープを伴って上昇する平坦な溝形成面84の形態で、ねじ山切れ刃85から始まって外側に向かって増加する溝形成領域を備える。この歯の隆起83は、このねじ山溝形成領域の校正領域を形成し、好ましくは最終タッピング歯プロファイルヘッドK’を形成するか又はワークピース内のねじ山の巻きの最終ねじ山底を反映する。歯の隆起83のタッピング歯プロファイルヘッドK’の幅は、ねじ山切れ刃85のタッピング歯プロファイルヘッドKの幅よりも小さく、タッピング歯プロファイルフランクF1およびF2は、タッピング歯プロファイルヘッドK’まで初期螺子形成表面を越えて続く。その結果、タッピング歯プロファイルGP’は、ねじ山の溝形成面84の端部、またはねじ山の溝形成面84と歯の隆起83との間の遷移領域で得られる。
【0228】
それぞの場合において、タッピンはプロファイルGPを反映するタッピング歯要素が、ねじ山切れ刃85だけで、ねじや山切れ刃85とねじ山溝形成面84の組み合わせで、またはねじ形成要素だけで、タッピングおよびチップ除去歯8の前方領域に設けられる。
【0229】
タッピングおよびチップ除去歯8はさらに、チップ除去歯としての第2機能、または第2反転フェーズおよび第1反転フェーズにおける後進動作RBの間に、すでに製造されたねじ山の巻きまたは代替的に円周溝にあるチップまたはチップ根または他の残留物を除去する目的でも提供されている。このため、タッピングおよびチップ除去歯8は、送り方向または前進方向VBまたは巻き方向Wに見たときに後方に配置されたその後部領域に、チップ除去プロファイルヘッドRK、前方チップ除去プロファイルフランクRF1および後部チップ除去プロファイルフランクRF2を有するチップ除去プロファイルRPを有するチップ除去切れ刃86を備える。チップ除去プロファイルRPは、特に、タッピング歯プロファイルGPに対応するか、またはそれと同一または少なくとも類似することができる。ねじ山の巻きまたは円周溝にある異物、特にチップまたはチップ根は、チップ除去切れ刃86によって分離または切断される。
【0230】
チップ除去機能は、例えば図19によれば、チップ除去プロファイルヘッドRP’を有するチップ除去プロファイルRP’まで、ねじ山切れ刃75から歯の隆起83まで立ち上がる初期溝形成面74に類似して、チップ除去切れ刃86から、そのチップ除去プロファイルヘッドRKから歯の隆起83まで立ち上がるチップ除去面88によって追加的に実現される。チップ除去面88は、チップ根などの残存物をワークピース表面に押し付け、および/または、ワークピース表面、特にねじ山の巻きを滑らかにし、工具を移動させる際に安定させる役割も果たすことができる。
【0231】
チップ除去切れ刃86は、それ自体で、またはチップ除去面88との組み合わせで、タッピングおよびチップ除去歯8の後部領域、すなわち領域反転動作中にねじ山の巻きで最初に発生する領域を形成する領域に、チップ除去要素を形成する。チップ除去要素86もしくは86および88は、共通の有効なプロファイルとして、チップ除去手順の間に隙間が生じないように製造された、好ましくはねじ山のタッピングプロファイルに対応するチップ除去プロファイルRPを形成する。
【0232】
タッピングおよびチップ除去歯8の歯のフランク81および82は、関連する前方タッピング歯のフランクの包絡線G1および後部タッピング歯のフランクの包絡線G2に沿って少なくとも大部分または完全にその全長にわたって延びるように、またはリリーフ面もしくはリリーフ角を持たないように、特に砥石で研削されて構成される。
【0233】
歯の隆起83は、好ましくは、リリーフ面を有しない。その結果、反転動作または後進動作の間、タッピングおよびチップ除去歯8は製造されたねじ山の巻きを隙間なく走行し、そのような隙間にチップや残留物が詰まることなく、ワーク表面のチップ根などの残留物を完全に押し込むことができるので、チップ除去機能が最適化される。
【0234】
完全なタッピング歯プロファイルと完全なチップ除去プロファイルを有するタッピング歯とチップ除去歯8の設計は、可能な限りチップ除去要素が前進動作中に働かないように、2つの機能を分離することも可能である。前方側と後ろ側の成形面、すなわち溝形成面84とチップ除去面88は、チップが詰まったときの破損に対して、またz方向にプログラムされた小さな送りによって減速域で生じる後部フランクへの圧力に対して、切れ刃コーナと切れ刃エッジを安定化させることにもなる。原則的に、このような「完全な」チップ除去のためには、いくつかのセクションにリリーフ表面を持たない完全なプロファイルだけでも十分であり、それにもかかわらず、タッピングおよびチップ除去歯8の摩擦を減らすために、歯のフランク81および82のいくつかのセクションにリリーフ面またはクリアランスを提供することが可能である。
【0235】
2つのタッピング歯41および42を有する図1による工具の場合、タッピング歯8およびチップ除去歯8は、好ましくは後部のタッピング歯42として使用される。
【0236】
このようなタッピングおよびチップ除去歯を有する工具2の場合、後者が減速中に押圧し、その結果、穿孔力を低下させることが判明した。変速ユニット、特に改良されたSpeedsynchro(登録商標)と本発明によるプロセスとの組み合わせにより、不利に先行力を打ち消すチップ除去歯のこの力は、低減される。
【0237】
対称的に、特に図1による工具2の前方のタッピング歯41、または一般にさらに前方に位置するタッピング歯が、好ましくはアンダーカット動作の間にもできるだけ摩擦を発生させず、したがって好ましくは2方向に離れて設定されることが意図される。前方タッピング歯、特に41は、したがって、その前方のフランクのリリーフ面を、螺旋線に沿ってまたは平行に延び、前部タッピング歯プロファイルのフランクを通る前部タッピング歯のフランクの包絡線に対して後方に離すかまたはオフセットし、その後部のフランクのリリーフ面を工具軸Aに対して垂直に向けられ、後部のタッピング歯プロファイルのフランクの後端点を通り、ねじ山のピッチ角度によってねじ山の螺旋線に対して傾斜し、前方にオフセットし、または離した後部の横面に対して相対させればよい。その結果、前方のタッピング歯41は、アンダーカッド動作の間にも、そのフランク領域がワークピース表面に対して擦れることはない。
【0238】
本発明による装置は、ほとんどがドリル領域を有する複合工具と関連して説明されてきたが、ドリル領域を有しない単純なねじ切り工具を用いたアンダーカット動作による加工にも有利であり、この場合、ねじ切り領域は円周溝またはアンダーカットを製造する。
【符号の説明】
【0239】
2 工具
3 ドリル領域
4 ねじ切り領域
5 タップ穴
6 ワークピース
8 タッピングおよびチップ除去歯
9 回転防止ユニット
10 コレット
11 クランプナット
12 出力軸(またはチャックヘッド)
13 インナーダクト
16 変速ユニット
20 作業領域
21 工具シャンク
25 分離溝
31,32 (主)ドリル切れ刃
33 ドリル先端
41,42 タッピング/ねじ切り歯
50 ねじ山の巻き
51,52,53 周辺溝
55 タッピングプロファイル
56 穿孔サブ領域
60 ワークピース表面
61,62,63,64 歯車
65 軸ボルト
67 接続ねじ
68 内歯
74 初期溝形成面
75 ねじ山切れ刃
81,82 歯のフランク
83 歯の隆起
84 ねじ山の溝形成面
85 ねじ山切れ刃
86 チップ除去切れ刃
88 チップ除去面
90 機械ロータ(または駆動軸、シャンク)
91 アダプタ
92 保持空間
96A,97A 軸受
97A,97B 軸受
99 移送管
100 ハウジング
101 再度ハウジング
102 フード
103 固定ボルト
104 接続部
105 ロック要素
106 外側要素
107 駆動軸
108 リング歯車
109 ロックソケット
111 停止面
112 突起
113 停止面
117 保持領域
118 案内部
119 バネ
127 中空シャンク
129 スナップリング
φ 回転角度
φ 回転角範囲
φ 最大回転角範囲
ΔT 侵入深さ範囲/最大侵入深さ
a 溝長さ
A 工具軸
AB 減速動作
b ねじ山ギャップ
B 軸
BB 加速動作
C ねじ山幅/有効なタッピングプロファイルのタッピングプロファイル幅
D ねじ山の外径
d コア穴直径
d’ 外径
EP 入口点
F1,F2 タッピング歯のプロファイルのフランク
GP,GP’ タッピング歯のプロファイル
K,K’ タッピング歯のプロファイルヘッド
M ねじ山の中心軸
n 回転速度
max 最大回転速度
スピンドルの回転速度
W 工具の回転速度
P ねじ山のピッチ
P1~P10 ピッパラメータ/ピッチ値
RB 反転/後進動作
RD 後進回転方向
RF1,RF2 チップ除去プロファイルフランク
RK,RK’ チップ除去プロファイルヘッド
RP,RP’ チップ除去プロファイル
、S~S10 減速ステップ
T 侵入深さ/軸方向の送り量
ねじ山ピッチ/ねじ山長さ
総深さ/穴深さ/軸方向寸法
max 最大侵入深さ
UP 反転点
VB 前進動作
VB 前進回転方向
W 巻き方向
ZA 中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19