IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルプス電気株式会社の特許一覧

特許7488891ケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法
<>
  • 特許-ケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法 図1
  • 特許-ケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法 図2
  • 特許-ケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法 図3
  • 特許-ケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法 図4
  • 特許-ケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法 図5
  • 特許-ケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法 図6
  • 特許-ケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法 図7
  • 特許-ケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】ケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/397 20210101AFI20240515BHJP
   A63B 22/06 20060101ALI20240515BHJP
   A63B 69/16 20060101ALI20240515BHJP
   A63B 71/06 20060101ALI20240515BHJP
【FI】
A61B5/397
A63B22/06 J
A63B69/16
A63B71/06 J
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022519898
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(86)【国際出願番号】 JP2021008180
(87)【国際公開番号】W WO2021225025
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2020082718
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 丈一
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-110730(JP,A)
【文献】特表2017-517715(JP,A)
【文献】特開2007-268016(JP,A)
【文献】寺嶋辰一郎, 井上剛,ペダリング運動におけるリアルタイム筋活動表示のための筋電信号処理方法,第46回知能システムシンポジウム講演論文集(CD-ROM),日本,公益社団法人 計測自動制御学会,2019年03月06日,p.1-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/389-5/397
A63B 22/06
A63B 69/16
A63B 71/06
G01P 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の脚部に取り付けられる筋電位センサと、
前記筋電位センサの出力信号から筋電位波形を求める波形処理を行う波形処理部と、
前記波形処理によって求められる筋電位波形の複数周期における振幅の平均値を振幅中心として前記筋電位波形を各周期に区切ったときの前記各周期の期間に基づいてケイデンスを導出するケイデンス導出部と、
ケイデンスを表す1分間のクランク回転数と1周期の期間を関連付けた第1テーブルデータ、又は、ケイデンスを表す1分間のクランク回転数と、1秒間のクランクの回転数とを関連付けた第2テーブルデータを格納する格納部と
を含
前記ケイデンス導出部は、前記第1テーブルデータにおいて前記各周期の期間に対応する前記クランク回転数を前記ケイデンスとして導出する、又は、前記第2テーブルデータにおいて前記1秒間のクランクの回転数に対応する前記1分間のクランク回転数を前記ケイデンスとして導出する、ケイデンス測定装置。
【請求項2】
前記波形処理部は、前記波形処理として、前記筋電位センサの出力信号を実効値の信号波形に変換する処理を行うことによって前記出力信号から前記筋電位波形を求める、請求項1に記載のケイデンス測定装置。
【請求項3】
前記波形処理部は、前記波形処理として、前記筋電位センサの出力信号から前記生体の前記筋電位波形に含まれる周波数成分の波形である成分波形を抽出する処理と、前記成分波形を実効値の信号波形に変換する処理を行うことによって前記出力信号から前記筋電位波形を求める、請求項2に記載のケイデンス測定装置。
【請求項4】
生体の脚部に取り付けられる筋電位センサの出力信号から筋電位波形を求める波形処理を行うことと、
前記波形処理によって求められる筋電位波形の複数周期における振幅の平均値を振幅中心として前記筋電位波形を各周期に区切ったときの前記各周期の期間に基づいてケイデンスを導出することと
を含
前記ケイデンスを導出することは、ケイデンスを表す1分間のクランク回転数と1周期の期間を関連付けた第1テーブルデータにおいて前記各周期の期間に対応する前記クランク回転数を前記ケイデンスとして導出することである、又は、ケイデンスを表す1分間のクランク回転数と、1秒間のクランクの回転数とを関連付けた第2テーブルデータにおいて前記1秒間のクランクの回転数に対応する前記1分間のクランク回転数を前記ケイデンスとして導出することである、ケイデンス測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自転車式運動器具に取り付けられたペダリング測定部が回転速度センサを備え、回転速度センサの出力信号に基づいてクランク部の回転速度であるケイデンスを測定する自転車式運動器具がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-110730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の自転車式運動器具は、ケイデンスを測定するために回転速度センサを用いているため、構成が簡易ではない。
【0005】
そこで、構成が簡易なケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態のケイデンス測定装置は、生体の脚部に取り付けられる筋電位センサと、前記筋電位センサの出力信号から筋電位波形を求める波形処理を行う波形処理部と、前記波形処理によって求められる筋電位波形の複数周期における振幅の平均値を振幅中心として前記筋電位波形を各周期に区切ったときの前記各周期の期間に基づいてケイデンスを導出するケイデンス導出部とを含む。
【発明の効果】
【0007】
構成が簡易なケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態のケイデンス測定装置100の構成を示す図である。
図2】波形処理部122が実行する波形処理を説明する図である。
図3】波形処理部122が実行する波形処理を説明する図である。
図4】波形処理部122が実行する波形処理を説明する図である。
図5】波形処理部122が実行する波形処理を説明する図である。
図6】ケイデンス導出部123が実行する処理を説明する図である。
図7】ケイデンスと1周期の期間とを関連付けたテーブルデータを示す図である。
図8】ケイデンス測定装置100が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法を適用した実施形態について説明する。
【0010】
<実施形態>
図1は、実施形態のケイデンス測定装置100の構成を示す図である。図1にはスマートフォン10も示す。図1ではケイデンス測定装置100の構成を詳細に示すため、ケイデンス測定装置100をスマートフォン10よりも大きく示すが、実際のケイデンス測定装置100は、スマートフォン10よりも小型で軽量である。
【0011】
ケイデンス測定装置100は、筋電位センサ110、MCU(Micro Control Unit)120、通信部130、及びバッテリ140を含む。ケイデンス測定装置100は、一例として、自転車又は自転車式運動器具のペダルを漕ぐ利用者の太ももに、例えばテープ等によって貼り付けることによって取り付けられ、ケイデンスを測定する。ケイデンスとは、ペダルのクランク軸の1分間における回転数である。ケイデンス測定装置100は、筋電位センサ110で利用者の脚部の表面の筋電位を測定できればよく、一例として大腿四頭筋の筋電位を測定するように貼り付けられる。
【0012】
筋電位センサ110は、利用者の太ももに貼り付けられる複数の生体電極と、アナログ増幅回路とを有し、複数の生体電極を用いて双曲誘導方式で検出した筋電位を表す波形信号をアナログ増幅器で増幅して出力する。筋電位センサ110の出力は、出力信号の一例であり、MCU120に入力される。
【0013】
MCU120は、主制御部121、波形処理部122、ケイデンス導出部123、及びメモリ124を有する。MCU120は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含むマイクロコンピュータによって実現される。主制御部121、波形処理部122、ケイデンス導出部123は、MCU120が実行するプログラムの機能(ファンクション)を機能ブロックとして示したものである。また、メモリ124は、MCU120のメモリを機能的に表したものである。
【0014】
主制御部121は、MCU120の制御を統括する処理部であり、波形処理部122、ケイデンス導出部123が実行する処理以外の処理を実行する。具体的には、例えば、主制御部121は、筋電位センサ110の出力信号にA/D(Analog to Digital)変換処理を行い、デジタル波形信号に変換する処理や、その他の処理を行う。
【0015】
波形処理部122は、筋電位センサ110の出力信号に対して波形処理を行うことによって筋電位波形を表すデータを取得する。波形処理部122が行う波形処理については、図2乃至図5を用いて後述する。
【0016】
ケイデンス導出部123は、波形処理部122が取得する筋電位波形からケイデンスを導出する。ケイデンス導出部123が行う波形処理については、図6を用いて後述する。
【0017】
メモリ124は、格納部の一例であり、MCU120が処理を行うために必要なプログラム、データ、及びその他のデータ等を格納するとともに、主制御部121、波形処理部122、ケイデンス導出部123が処理等で用いるデータ等を一時的に格納する。
【0018】
通信部130は、一例としてBLE(Bluetooth Low Energy)(登録商標)の通信部であり、スマートフォン10とデータ通信を行う。ケイデンス測定装置100の測定結果は、通信部130を介してスマートフォン10に送信される。一例として、スマートフォン10は、ケイデンス測定装置100用のアプリケーションプログラムがインストールされており、アプリケーションプログラムがケイデンス測定装置100から受信したデータをスマートフォン10のディスプレイ等に表示等する。
【0019】
バッテリ140は、筋電位センサ110、MCU120、通信部130に電力供給を行う電源である。バッテリ140は、一例として二次電池であればよく、ケイデンス測定装置100に内蔵した状態、又は、ケイデンス測定装置100から取り外した状態で充電可能である。
【0020】
図2乃至図5は、波形処理部122が実行する波形処理を説明する図である。図2乃至図5において、横軸は時間を表し、縦軸は波形の振幅を示す。図2(A)は、主制御部121がA/D変換によって生成したデジタル波形信号の波形を示し、図2(B)は、図2(A)のうちの一部分(3秒間の部分)を横軸方向に拡大して示す。図2(A)、(B)に示すデジタル波形信号は、筋電位(EMG:ElectroMyoGraphy)を表すが、ノイズ等も含まれている。
【0021】
図3は、図2(B)に示すデジタル波形信号に対して波形処理部122がバンドパスフィルタ処理を行った後の成分波形を示す。バンドパスフィルタ処理は、デジタル波形信号のうちの筋電位波形が取り得る周波数帯である20Hz~350Hzのみを通過させ、20Hz未満の成分と350Hzよりも高い成分とを除去するフィルタ処理(波形処理)である。
【0022】
図4は、図3に示す成分波形に波形処理部122が波形処理を行うことによって得られる筋電位波形を示す図である。図3に示す成分波形の振幅を実効値(RMS(Root Mean Square))の信号波形に変換する波形処理を行うことにより、図4に示す筋電位波形が得られる。筋電位波形は、図3に示す成分波形の振幅の正成分と負成分とをそれぞれ二乗して平方根を取ることによって得られる。
【0023】
図5は、図4に示す筋電位波形に波形処理部122がローパスフィルタ処理を行って得る筋電位波形を示す図である。人間が自転車のペダルを漕ぐ場合の1分間の回転数は、200rpm(回転/分)以下であるといわれている。200rpmは約3.35Hzである。このため、図4に示す筋電位波形から3.35Hz以下の成分を抽出するために、3.35Hzをカットオフ周波数とするローパスフィルタ処理を行っている。
【0024】
図6は、ケイデンス導出部123が実行する処理を説明する図である。図6において、期間Tは、筋電位波形のうちの3秒間の期間である。期間Tを一例として3秒間に設定したのは、利用者がペダルを漕ぐ周期が複数周期含まれる期間と考えられるからである。
【0025】
ケイデンス導出部123は、期間Tの振幅データの平均値Aを求め、期間T内の筋電位波形の振幅中心を平均値Aとして、期間Tを複数の周期に区切る。図6では、期間Tには3つの周期T1、T2、T3が含まれ、周期T1の前には1周期に満たない余りの部分がある。ケイデンス導出部123は、期間T1、T2、T3を求める。
【0026】
図7は、ケイデンスと1周期の期間(ms(ミリ秒))とを関連付けたテーブルデータを示す図である。図7に示すテーブルデータは、クランク回転数としてのケイデンスの1回転あたりの期間(1周期の期間)とを関連付けたデータである。図7には、一例としてケイデンスが115~122(回転/分)である場合の1周期の期間(0.517ms~0.492ms)を示す。
【0027】
ケイデンス導出部123は、テーブルデータを参照し、期間T1~T3の各々に最も1周期の期間が近いケイデンスを導出する。この結果、一例として、期間T1のケイデンスは120(回転/分)、期間T2のケイデンスは119(回転/分)、期間T3のケイデンスは118(回転/分)とケイデンス導出部123が導出したこととする。以上のようにして、ケイデンス測定装置100は、筋電位波形からケイデンスを求める。
【0028】
図8は、ケイデンス測定装置100が実行する処理を示すフローチャートである。前提として、ケイデンス測定装置100は、利用者の太ももに貼り付けられており、ケイデンス測定装置100の電源はオンにされて、筋電位センサ110は筋電位の測定を行っていることとする。図8に示す処理は、実施形態のケイデンス測定方法によって実現される処理である。
【0029】
主制御部121は、筋電位センサ110の出力信号にA/D変換処理を行い、デジタル波形信号に変換する処理を行う(ステップS1)。より具体的には、一例として、主制御部121は、筋電位センサ110の出力信号に対して0.1msのサンプリング周期でA/D変換を行うことでデジタル波形信号を生成し、デジタル波形信号の振幅データをメモリ124に格納する。
【0030】
波形処理部122は、所定数以上のデジタル波形信号の振幅データが蓄積されているかどうかを判定する(ステップS2)。所定数以上のデジタル波形信号の振幅データは、ここでは一例として3秒間以上のデジタル波形信号の振幅データをいう。後に図6のように3秒間の期間Tに含まれる複数の周期の期間を求めるからである。
【0031】
波形処理部122は、所定数以上のデジタル波形信号の振幅データが蓄積されている(S2:YES)と判定すると、デジタル波形信号に対してバンドパスフィルタ処理を行う(ステップS3)。これにより、図3に示すように、デジタル波形信号のうちの筋電位波形が取り得る周波数帯である20Hz~350Hzのみを通過させた成分波形が得られる。なお、ステップS2において、波形処理部122は、所定数以上のデジタル波形信号の振幅データが蓄積されていない(S2:NO)と判定すると、フローをステップS1にリターンする。さらに振幅データが蓄積されるのを待つためである。
【0032】
波形処理部122は、成分波形の振幅を実効値(RMS)の信号波形に変換する波形処理を行う(ステップS4)。これにより、図4に示すような筋電位波形が得られる。
【0033】
波形処理部122は、筋電位波形にローパスフィルタ処理を行う(ステップS5)。これにより、ステップS4で得られた筋電位波形のうちの3.35Hz以下の成分が抽出され、図5に示すような筋電位波形が得られる。
【0034】
ケイデンス導出部123は、期間Tの振幅データの平均値Aを算出する(ステップS6)。期間T(図6参照)は、ステップS2において所定数以上が得られたデジタル波形信号の振幅データを含む期間である。すなわち、期間Tは、ステップS2で決まる。
【0035】
ケイデンス導出部123は、期間Tに含まれる各周期の期間を計測する(ステップS7)。ステップS7の処理は、図6を用いて説明したように、一例として期間Tに含まれる複数の期間T1、T2、T3を計測する処理である。期間T1、T2、T3の計測は、筋電位波形の振幅データが平均値Aと等しくなるサンプリング点同士の時間方向の間隔を求めることで行えばよい。この場合に、筋電位波形に平均値Aの振幅データと等しくなるサンプリング点がない場合には、平均値Aを挟む2つのサンプリング点の補間等を行えばよい。
【0036】
ケイデンス導出部123は、テーブルデータを参照し、期間T1~T3の各々に最も1周期の期間が近いケイデンスを導出する(ステップS8)。
【0037】
主制御部111は、通信部130にケイデンスを表すデータをスマートフォンに対して送信させる(ステップS9)。これにより、スマートフォン10は、ケイデンスを表すデータを取得し、ディスプレイに表示する。利用者は、スマートフォン10のディスプレイを見ることで、ケイデンスを知ることができる。
【0038】
主制御部111は、処理を終了するかどうか判定する(ステップS10)。処理を終了するのは、ケイデンス測定装置100の測定処理を終了する操作が行われたときである。主制御部111は、処理を終了しない(S10:NO)と判定すると、フローをステップS1にリターンする。また、主制御部111は、処理を終了する(S10:YES)と判定すると、一連の処理を終了する。
【0039】
以上のように、ケイデンス測定装置100は、筋電位センサ110で検出される筋電位を表す出力信号に対してフィルタ処理や実効値への変換処理等の波形処理を行うことで筋電位波形を求め、筋電位波形に含まれる周期からケイデンスを導出する。この際に、従来のように回転速度センサを用いる必要はなく、また加速度センサ等を用いる必要もない。このため、ケイデンス測定装置100は、非常に簡易な構成で実現できる。
【0040】
したがって、構成が簡易なケイデンス測定装置100及びケイデンス測定方法を提供することができる。ケイデンス測定装置100は、筋電位センサ110、MCU120、通信部130、及びバッテリ140のみで実現できるため、非常に小型で軽量である。このため、利用者が太ももにテープ等で貼り付けても脱落しにくく、長時間にわたって安定的にケイデンスを測定し続けることができる。また、利用者の太ももに貼り付けても違和感は非常に少なく、装着性に優れる。
【0041】
また、ケイデンス測定装置100で測定した筋電位波形をスマートフォン10に送信し、スマートフォン10のアプリケーションプログラムが行う処理で、利用者の筋肉の疲労度等を推定し、ケイデンスとともにディスプレイに表示してもよい。このようにすれば、利用者は、ケイデンスとともに自己の筋肉の疲労度を定量的に把握することができる。
【0042】
なお、以上では、ケイデンス導出部123が期間Tに含まれる各周期の期間を計測し、テーブルデータを参照して期間T1~T3の各々に最も1周期の期間が近いケイデンスを導出する形態について説明した。しかしながら、図7に示すテーブルデータの代わりに、1秒間のクランクの回転数とケイデンスとを関連付けたテーブルデータをメモリ124に格納しておき、図5に示す筋電位波形に対してフーリエ変換を行うことで得られる各周期の期間の逆数(1秒間におけるクランクの回転数)にテーブルデータにおいて最も近いケイデンスを導出してもよい。
【0043】
以上、本発明の例示的な実施形態のケイデンス測定装置及びケイデンス測定方法について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【0044】
なお、本国際出願は、2020年5月8日に出願した日本国特許出願2020-082718号に基づく優先権を主張するものであり、その全内容は本国際出願にここでの参照により援用されるものとする。
【符号の説明】
【0045】
100 ケイデンス測定装置
110 筋電位センサ
120 MCU
122 波形処理部
123 ケイデンス導出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8