(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】太陽光発電電池及び太陽光発電モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0224 20060101AFI20240515BHJP
H01L 31/05 20140101ALI20240515BHJP
【FI】
H01L31/04 262
H01L31/04 570
(21)【出願番号】P 2023166738
(22)【出願日】2023-09-28
【審査請求日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】202310173021.2
(32)【優先日】2023-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】ジングオ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リーチン リウ
(72)【発明者】
【氏名】ジーチウ グオ
(72)【発明者】
【氏名】インリー ダワン
(72)【発明者】
【氏名】シーリアン ホアン
【審査官】河村 麻梨子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/075456(WO,A1)
【文献】特表2018-535557(JP,A)
【文献】特開2007-287861(JP,A)
【文献】特開2018-032491(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第114823961(CN,A)
【文献】特開2018-056563(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1239793(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/0224、31/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電電池(1)であって、
半導体基板(13)と、パッシベーション層(14)と、複数のメイングリッドライン(11)と、複数の溶接スポット(12)とを備え、
前記パッシベーション層(14)は、前記半導体基板(13)の表面に設けられ、
前記メイングリッドライン(11)は、前記パッシベーション層(14)に設けられ、前記メイングリッドライン(11)は、第1方向(X)に沿って延在し、複数の前記メイングリッドライン(11)は、第2方向(Y)に沿って間隔を空けて分布され、前記第1方向(X)と前記第2方向(Y)とのうち、一方は、前記太陽光発電電池(1)の長さ方向であり、他方は、前記太陽光発電電池(1)の幅方向であり、
前記溶接スポット(12)は、タブ線(2)と電気的に接続するために用いられ、前記太陽光発電電池(1)の厚さ方向(Z)において、前記溶接スポット(12)は、前記メイングリッドライン(11)の前記パッシベーション層(14)から離間する側に設けられ、又は、前記溶接スポット(12)は、前記パッシベーション層(14)上に設けられ、前記メイングリッドライン(11)は、前記第1方向(X)に沿って間隔を空けて分布された接続線(111)を含み、隣接する前記接続線(111)は、前記溶接スポット(12)を介して互いに電気的に接続され、
前記太陽光発電電池(1)の厚さ方向(Z)において、前記溶接スポット(12)の最高点と前記パッシベーション層(14)の表面との間の鉛直距離は、L1であり、前記メイングリッドライン(11)と前記パッシベーション層(14)の表面との間の鉛直距離は、L2であり、L1とL2は、L1≧L2を満た
し、
前記太陽光発電電池(1)の厚さ方向(Z)において前記メイングリッドライン(11)の一部が前記半導体基板(13)に近づく方向へ折り曲げられることで第1折曲部(112)が形成されていることを特徴とする太陽光発電電池。
【請求項2】
L1とL2は、0≦L1―L2≦0.5mmを満たすことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電電池。
【請求項3】
前記太陽光発電電池(1)の厚さ方向(Z)においてL1>L2の場合に、前記メイングリッドライン(11)は、前記第1方向(X)に沿って延在する直方体構造であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電電池。
【請求項4】
前記第2方向(Y)における前記第1折曲部(112)の投影形状は、U形、V形又はS形であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電電池。
【請求項5】
前記半導体基板(13)には、凹溝(131)が設けられ、前記第1折曲部(112)の少なくとも一部は、前記凹溝(131)内に位置することを特徴とする請求項4に記載の太陽光発電電池。
【請求項6】
前記第2方向(Y)において前記メイングリッドライン(11)の一部が前記溶接スポット(12)から遠ざかる方向へ折り曲げられることで第2折曲部(113)が形成され、
前記太陽光発電電池(1)の厚さ方向(Z)における前記第2折曲部(113)の投影形状は、U形、V形又はS形であることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電電池。
【請求項7】
前記第2方向(Y)における前記メイングリッドライン(11)の投影形状は、矩形状であることを特徴とする請求項6に記載の太陽光発電電池。
【請求項8】
前記太陽光発電電池(1)の厚さ方向(Z)において前記メイングリッドライン(11)の一部が前記半導体基板(13)に近づく方向へ窪むことで窪み部(114)が形成され、
前記太陽光発電電池(1)の厚さ方向(Z)における前記窪み部(114)の断面の輪郭形状は、円弧形、U形又はV形であることを特徴とする請求項1又は6に記載の太陽光発電電池。
【請求項9】
太陽光発電モジュールであって、
複数の太陽光発電電池(1)と、第1太陽光発電ガラス(20)と、背部支持構造(50)とを備え、
隣接する前記太陽光発電電池(1)は、タブ線(2)を介して互いに電気的に接続され、前記太陽光発電電池(1)は、自身の厚さ方向(Z)に沿って互いに背向する第1表面及び第2表面を含み、前記第1表面は、太陽光へ向かう側に位置し、
前記第1太陽光発電ガラス(20)は、前記第1表面に設けられ、前記第1太陽光発電ガラス(20)と前記第1表面との間には、第1接着フィルム(30)が設けられ、
前記背部支持構造(50)は、前記第2表面に設けられ、前記背部支持構造(50)と前記第2表面との間には、第2接着フィルム(40)が設けられ、
前記背部支持構造(50)は、バックボード又は第2太陽光発電ガラスであり、
前記太陽光発電電池(1)は、半導体基板(13)、パッシベーション層(14)、複数のメイングリッドライン(11)及び複数の溶接スポット(12)を含み、前記タブ線(2)は、前記溶接スポット(12)に電気的に接続され、
前記パッシベーション層(14)は、前記半導体基板(13)の表面に設けられ、
前記メイングリッドライン(11)は、前記パッシベーション層(14)に設けられ、前記メイングリッドライン(11)は、第1方向(X)に沿って延在し、複数の前記メイングリッドライン(11)は、第2方向(Y)に沿って間隔を空けて分布され、前記第1方向(X)と前記第2方向(Y)とのうち、一方は、前記太陽光発電電池(1)の長さ方向であり、他方は、前記太陽光発電電池(1)の幅方向であり、
前記太陽光発電電池(1)の厚さ方向(Z)において、前記溶接スポット(12)は、前記メイングリッドライン(11)の前記パッシベーション層(14)から離間する側に設けられ、又は、前記溶接スポット(12)は、前記パッシベーション層(14)上に設けられ、前記メイングリッドライン(11)は、前記第1方向(X)に沿って間隔を空けて分布された接続線(111)を含み、隣接する前記接続線(111)は、前記溶接スポット(12)を介して互いに電気的に接続され、
前記太陽光発電電池(1)の厚さ方向(Z)において、前記溶接スポット(12)の最高点と前記パッシベーション層(14)の表面との間の鉛直距離は、L1であり、前記メイングリッドライン(11)と前記パッシベーション層(14)の表面との間の鉛直距離は、L2であり、L1とL2は、L1≧L2を満た
し、
前記太陽光発電電池(1)の厚さ方向(Z)において前記メイングリッドライン(11)の一部が前記半導体基板(13)に近づく方向へ折り曲げられることで第1折曲部(112)が形成されていることを特徴とする太陽光発電モジュール。
【請求項10】
前記タブ線(2)の直径dは、0.1mm≦d≦0.5mmを満たすことを特徴とする請求項9に記載の太陽光発電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電技術分野に関し、特に太陽光発電電池及び太陽光発電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電モジュールは、複数の太陽光発電電池及び複数のタブ線を備える。隣接する太陽光発電電池は、タブ線を介して互いに電気的に接続されることにより、複数の太陽光発電電池同士の直列・並列接続を実現する。太陽光発電電池は、半導体基板、パッシベーション層、パッシベーション層の表面に塗布されるメイングリッドライン及び溶接スポットを含み、複数の溶接スポットは、メイングリッドラインの延在方向に沿って間隔を開けて設けられ、メイングリッドラインを複数の接続線に仕切る。タブ線は、溶接スポットに固定接続され、且つメイングリッドライン上に被覆されることにより、太陽光発電電池での電流を収集する。
【0003】
従来技術では、タブ線が直接太陽光発電電池の表面に貼り付けられ、一定の溶接温度でタブ線、溶接スポットが溶接固定された後、タブ線、太陽光発電電池が室温まで冷却されると、タブ線と太陽光発電電池との熱膨張係数が異なるため、タブ線が収縮して太陽光発電電池を反り変形させ、太陽光発電電池の損傷のリスクを増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、太陽光発電電池の溶接冷却後の変形損傷リスクを低減する太陽光発電電池及び太陽光発電モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1態様は、太陽光発電電池を提供する。当該太陽光発電電池は、半導体基板と、パッシベーション層と、複数のメイングリッドラインと、複数の溶接スポットとを備え、
パッシベーション層は、半導体基板の表面に設けられ、
メイングリッドラインは、パッシベーション層に設けられ、メイングリッドラインは、第1方向に沿って延在し、複数のメイングリッドラインは、第2方向に沿って間隔を空けて分布され、第1方向と第2方向とのうち、一方は、太陽光発電電池の長さ方向であり、他方は、太陽光発電電池の幅方向であり、
溶接スポットは、タブ線と電気的に接続するために用いられ、太陽光発電電池の厚さ方向において、溶接スポットは、メイングリッドラインのパッシベーション層から離間する側に設けられ、又は、溶接スポットは、パッシベーション層上に設けられ、メイングリッドラインは、第1方向に沿って間隔を空けて分布された接続線を含み、隣接する接続線は、溶接スポットを介して互いに電気的に接続され、
太陽光発電電池の厚さ方向において、溶接スポットの最高点とパッシベーション層の表面との間の鉛直距離は、L1であり、メイングリッドラインとパッシベーション層の表面との間の鉛直距離は、L2であり、L1とL2は、L1≧L2を満たす。
【0006】
本発明において、L1≧L2、タブ線が溶接スポットに置かれると、太陽光発電電池の厚さ方向において、及び/又は、第1方向において、及び/又は、第2方向において、タブ線とメイングリッドラインとの間に隙間が存在し、タブ線と溶接スポットとが溶接固定されてから室温まで冷却された後、タブ線上の自然に湾曲した部分が熱膨張・冷収縮の特性でストレートに引っ張られるため、タブ線が収縮して溶接スポットを引っ張って変形させて半導体基板を反り変形させるリスクが低減され、これによって太陽光発電電池が溶接冷却後で変形損傷するリスクが低減される。
【0007】
幾つかの実施例において、L1とL2は、0≦L1―L2≦0.5mmを満たす。
【0008】
幾つかの実施例において、太陽光発電電池の厚さ方向においてL1>L2の場合に、メイングリッドラインは、第1方向に沿って延在する直方体構造である。
【0009】
幾つかの実施例において、太陽光発電電池の厚さ方向においてメイングリッドラインの一部が半導体基板に近づく方向へ折り曲げられることで第1折曲部が形成され、
第2方向における第1折曲部の投影形状は、U形、V形又はS形である。
【0010】
幾つかの実施例において、半導体基板には、凹溝が設けられ、第1折曲部の少なくとも一部は、凹溝内に位置する。
【0011】
幾つかの実施例において、第2方向においてメイングリッドラインの一部が溶接スポットから遠ざかる方向へ折り曲げられることで第2折曲部が形成され、
太陽光発電電池の厚さ方向における第2折曲部の投影形状は、U形、V形又はS形である。
【0012】
幾つかの実施例において、第2方向におけるメイングリッドラインの投影形状は、矩形状である。
【0013】
幾つかの実施例において、太陽光発電電池の厚さ方向においてメイングリッドラインの一部が半導体基板に近づく方向へ窪むことで窪み部が形成され、
太陽光発電電池の厚さ方向における窪み部の断面の輪郭形状は、円弧形、U形又はV形である。
【0014】
本発明の第2態様は、太陽光発電モジュールを提供する。当該太陽光発電モジュールは、複数の太陽光発電電池と、第1太陽光発電ガラスと、背部支持構造とを備え、
隣接する太陽光発電電池は、タブ線を介して互いに電気的に接続され、太陽光発電電池は、自身の厚さ方向に沿って互いに背向する第1表面及び第2表面を含み、第1表面は、太陽光へ向かう側に位置し、
第1太陽光発電ガラスは、第1表面に設けられ、第1太陽光発電ガラスと第1表面との間には、第1接着フィルムが設けられ、
背部支持構造は、第2表面に設けられ、背部支持構造と第2表面との間には、第2接着フィルムが設けられ、
背部支持構造は、バックボード又は第2太陽光発電ガラスであり、
太陽光発電電池は、半導体基板、パッシベーション層、複数のメイングリッドライン及び複数の溶接スポットを含み、タブ線は、溶接スポットに電気的に接続され、
パッシベーション層は、半導体基板の表面に設けられ、
メイングリッドラインは、パッシベーション層に設けられ、メイングリッドラインは、第1方向に沿って延在し、複数のメイングリッドラインは、第2方向に沿って間隔を空けて分布され、第1方向と第2方向とのうち、一方は、太陽光発電電池の長さ方向であり、他方は、太陽光発電電池の幅方向であり、
太陽光発電電池の厚さ方向において、溶接スポットは、メイングリッドラインのパッシベーション層から離間する側に設けられ、又は、溶接スポットは、パッシベーション層上に設けられ、メイングリッドラインは、第1方向に沿って間隔を空けて分布された接続線を含み、隣接する接続線は、溶接スポットを介して互いに電気的に接続され、
太陽光発電電池の厚さ方向において、溶接スポットの最高点とパッシベーション層の表面との間の鉛直距離は、L1であり、メイングリッドラインとパッシベーション層の表面との間の鉛直距離は、L2であり、L1とL2は、L1≧L2を満たす。
【0015】
本発明では、タブ線とメイングリッドラインとの間に隙間が存在してタブ線の変形代を増加させ、タブ線が収縮して溶接スポットを引っ張って変形させて半導体基板を反り変形させるリスクが低減され、太陽光発電モジュールの加工、取り付け、使用過程において、環境の温度の変化や太陽光発電モジュール自身の温度の変化によるタブ線の収縮損傷、太陽光発電電池の変形のリスクが低減されるため、太陽光発電モジュールの動作安定性が向上し、太陽光発電モジュールの使用寿命が延長される。
【0016】
幾つかの実施例において、タブ線の直径dは、0.1mm≦d≦0.5mmを満たす。
【0017】
以上の一般的な記述及び後述する細部の記述が単に例示であり、本発明を制限できないことは、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に関わる太陽光発電モジュールの一実施例における断面図である。
【
図2】本発明に関わる太陽光発電モジュールの別の実施例における断面図である。
【
図3】本発明に関わる太陽光発電電池の一実施例における表面構造模式図である。
【
図4】
図3における太陽光発電電池が一実施例においてタブ線(タブ線は、収縮状態である)に接続される局所構造模式図である。
【
図5】
図3における太陽光発電電池が別の実施例においてタブ線(タブ線は、非収縮状態である)に接続される局所構造模式図である。
【
図6】
図5におけるタブ線の収縮後の構造模式図である。
【
図7】
図3における太陽光発電電池が別の実施例においてタブ線(タブ線は、収縮状態である)に接続される局所構造模式図である。
【
図8】
図3における太陽光発電電池が別の実施例においてタブ線(タブ線は、収縮状態である)に接続される局所構造模式図である。
【
図9】
図3における太陽光発電電池が別の実施例においてタブ線(タブ線は、収縮状態である)に接続される局所構造模式図である。
【
図10】
図3における太陽光発電電池が別の実施例においてタブ線(タブ線は、収縮状態である)に接続される局所構造模式図である。
【
図11】本発明に関わる太陽光発電電池が別の実施例においてタブ線に接続される構造模式図である。
【
図12】
図11における太陽光発電電池の表面構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここでの図面は、明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成し、本発明に合致する実施例を示し、明細書と共に本発明の仕組みを説明するために用いられる。
【0020】
本発明の解決手段をよりよく理解するために、以下に図面を参照しながら本発明の実施例を詳細に説明する。
【0021】
明らかなように、説明される実施例は、本発明の一部の実施例だけであり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をせずに得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0022】
本発明の実施例において使用される用語は、特定の実施例を説明する目的だけであり、本発明を制限することを意図するものではない。本発明の実施例及び添付の特許請求の範囲に使用される単数の形式の「一種」、「前記」及び「当該」も、コンテキストが他の意味を明確に示さない限り、複数の形式を含むことを意図する。
【0023】
理解すべきことは、本明細書に使用される用語「及び/又は」が関連対象を説明する関連関係だけであり、3種類の関係が存在してもよいことを示す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、A及びBが同時に存在すること、Bが単独で存在するという3種類の状況を示すことができる。また、本明細書における記号「/」は、一般的に前後関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0024】
注意すべきことは、本発明の実施例に記載された「上」、「下」、「左」、「右」等の方位言葉は、図面に示された角度で記述され、本発明の実施例に対する限定として理解されるべきではない。また、コンテキストにおいて、更に注意すべきことは、1つの素子が他の素子の「上」又は「下」に接続されることを言及する場合に、それは、他の素子の「上」又は「下」に直接接続され得るだけでなく、中間素子を介して他の素子の「上」又は「下」に間接的に接続されてもよい。
【0025】
本発明の実施例は、太陽光発電モジュールを提供する。
図1と
図2に示すように、太陽光発電モジュールは、第1太陽光発電ガラス20、第1接着フィルム30、太陽光発電電池ストリング10、第2接着フィルム40及び背部支持構造50を備え、太陽光発電モジュールの厚さ方向において、第1接着フィルム30と第2接着フィルム40は、太陽光発電電池ストリング10の両側において対向配置され、且つ第1接着フィルム30は、太陽光発電電池ストリング10の太陽光へ向かう側に位置し、第1太陽光発電ガラス20は、第1接着フィルム30の太陽光発電電池ストリング10から離間する側に設けられ、背部支持構造50は、第2接着フィルム40の太陽光発電電池ストリング10から離間する側に設けられている。太陽光発電電池ストリング10は、複数の太陽光発電電池1を含み、隣接する太陽光発電電池1は、タブ線2を介して互いに電気的に接続されることにより、太陽光発電モジュールの動作効率及び動作性能を向上させる。
【0026】
一実施例において、背部支持構造50は、バックボードであってもよい。即ち、背部支持構造50が光不透過材質によって製造されることにより、太陽光発電モジュールの太陽光へ向かわない側の構造強度が高められ、太陽光発電モジュールの取り付けが容易になる。これにより、太陽光発電モジュールの取り付け構造が簡素化され、太陽光発電モジュールの取付サイクルタイムが短縮される。その際、太陽光発電モジュールは、単層ガラスユニットである。
【0027】
別の実施例において、背部支持構造50は、第2太陽光発電ガラスである。即ち、背部支持構造50が光透過材質によって製造されることで、太陽光発電モジュールの太陽光へ向かわない側は、一部の光線を吸収可能である。これにより、太陽光発電モジュールの太陽光に対する利用率が向上し、更に太陽光発電モジュールの光電変換効率が向上する。その際、太陽光発電モジュールは、二層ガラスユニットである。本発明の実施例では、背部支持構造50の具体的な材質、種類、太陽光発電モジュールのタイプについて特に限定しない。
【0028】
タブ線2の直径dは、0.1mm≦d≦0.5mmを満たす。具体的に、タブ線2の直径は、0.1mm、0.2mm、0.35mm、0.46mm、0.5mm等であってもよい。これにより、タブ線2の加工が容易になり、タブ線2の材料コスト及び加工コストが低減される。それとともに、0.1mm≦d≦0.5mmを満たし、タブ線2のサイズの柔軟性を向上させる。これにより、タブ線2の交換可能性が向上し、後段階のタブ線2に対するメンテナンス及び交換が容易になり、更に太陽光発電モジュールのメンテナンスコストが低減される。
【0029】
太陽光発電電池1の厚さは、140μm以下である。具体的に、太陽光発電電池1の厚さは、100μm、115μm、126μm、132μm、140μm等であってもよい。これにより、太陽光発電電池1の加工が容易になり、太陽光発電電池1の材料コスト及び加工コストが低減される。
【0030】
太陽光発電電池1の太陽光へ向かう側は、太陽光発電電池1の正面であり、太陽光発電電池1の太陽光へ向かわない側は、太陽光発電電池1の裏面である。
【0031】
一実施例において、
図1に示すように、タブ線2は、一方端が太陽光発電電池1の裏面に位置し、他方端が太陽光発電電池1の厚さ方向に沿って折り曲げられて延在し、隣接する太陽光発電電池1の正面に接続されることにより、タブ線と隣接する太陽光発電電池1との接続信頼性を向上させる。
【0032】
別の実施例において、
図2に示すように、タブ線2は、太陽光発電電池1の裏面に位置する。その際、太陽光発電電池1は、バックコンタクト電池であり、タブ線2が太陽光発電電池1の裏面に位置して太陽光発電電池1の正面に対するタブ線2による遮蔽を減少するため、太陽光発電電池1の正面における太陽光の受光面積が向上し、更に太陽光発電電池1の光電変換効率が向上する。
【0033】
太陽光発電電池ストリング10が
図1に示す構造である場合に、即ち、タブ線2の一端が太陽光発電電池1の裏面に溶接固定され、他端が隣接する太陽光発電電池1の正面に位置して固定された場合に、太陽光発電電池ストリング10が溶接完了されて室温まで冷却された後、タブ線2が熱膨張・冷収縮の特性で収縮する。太陽光発電電池1の正面、裏面の何れにもタブ線2が固定接続されたため、タブ線2の収縮による太陽光発電電池1の反り変形への影響は、小さい。
【0034】
太陽光発電電池1がバックコンタクト電池である場合に、即ち、太陽光発電電池1において裏面のみがタブ線2に固定接続された場合に、太陽光発電電池ストリング10が溶接完了されて室温まで冷却された後、タブ線2が熱膨張・冷収縮の特性で収縮し、太陽光発電電池1がタブ線2によって引っ張られてタブ線2の所在する方向へ反り変形するため、太陽光発電電池1の損傷のリスクが存在する。
【0035】
バックコンタクト電池の反り変形問題を解決すべく、本発明の実施例の第2態様は、太陽光発電電池1を提供する。
図3~
図12に示すように、太陽光発電電池1は、半導体基板13、パッシベーション層14、複数のメイングリッドライン11及び複数の溶接スポット12を備え、タブ線2は、溶接スポット12に電気的に接続され、パッシベーション層14は、半導体基板13の表面に設けられ、メイングリッドライン11は、パッシベーション層14の表面に設けられ、メイングリッドライン11は、第1方向Xに沿って延在し、且つ複数のメイングリッドライン11は、第2方向Yに沿って間隔を空けて分布され、第1方向Xと第2方向Yとのうち、一方は、太陽光発電電池1の長さ方向であり、他方は、太陽光発電電池1の幅方向である。
【0036】
一実施例において、
図3と
図4に示すように、太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおいて、溶接スポット12は、メイングリッドライン11のパッシベーション層14から離間する側に設けられ、即ち、太陽光発電電池1の作製過程において、パッシベーション層14上にメイングリッドライン11を作製してから、メイングリッドライン11上に溶接スポット12を作製する。溶接スポット12の最高点とパッシベーション層14の表面との間の鉛直距離がL1であり、且つメイングリッドライン11とパッシベーション層14の表面との間の鉛直距離がL2である場合に、L1>L2を満たす。
【0037】
タブ線2が溶接スポット12に置かれると、太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおいて、タブ線2とメイングリッドライン11との間に隙間が存在するため、タブ線2には、溶接スポット12と接続するための接続領域21と、隙間の上方に位置する、宙吊り状態である宙吊り領域22とが形成される。タブ線2が溶接スポット12に置かれており、且つタブ線2が太陽光発電電池1に溶接固定されていないとき、宙吊り領域22の少なくとも一部は、隙間内に湾曲可能である。これにより、タブ線2の変形代が増加する。タブ線2と溶接スポット12とが溶接固定されてから室温まで冷却された後、タブ線2上の自然に湾曲した一部の宙吊り領域22が熱膨張・冷収縮の特性でストレートに引っ張られるため、タブ線2が収縮して溶接スポット12を引っ張って変形させて半導体基板13を反り変形させるリスクが低減され、更に太陽光発電電池1が溶接冷却後で変形損傷するリスクが低減される。それとともに、太陽光発電モジュールの加工、取り付け、使用過程において、環境の温度の変化や太陽光発電モジュール自身の温度の変化によるタブ線2の収縮損傷、太陽光発電電池1の変形のリスクが低減されるため、太陽光発電モジュールの動作安定性が向上し、太陽光発電モジュールの使用寿命が延長される。
【0038】
別の実施例において、
図3、
図5と
図6に示すように、溶接スポット12は、パッシベーション層14に設けられ、メイングリッドライン11は、第1方向Xに沿って間隔を空けて分布された接続線111を含み、隣接する接続線111は、溶接スポット12を介して互いに電気的に接続され、即ち、太陽光発電電池1の作製過程において、溶接スポット12とメイングリッドライン11とは、同時に作製される。ここで、L1≧L2を満たす。タブ線2が溶接スポット12に置かれると、太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおいて、及び/又は、第1方向Xにおいて、及び/又は、第2方向Yにおいて、タブ線2とメイングリッドライン11との間に隙間が存在することにより、タブ線2が収縮して溶接スポット12を引っ張って変形させて半導体基板13を反り変形させるリスクが低減され、更に太陽光発電電池1が溶接冷却後で変形損傷するリスクが低減される。それとともに、環境の温度の変化や太陽光発電モジュール自身の温度の変化によるタブ線2の収縮損傷、太陽光発電電池1の変形のリスクが低減されるため、太陽光発電モジュールの動作安定性が向上し、太陽光発電モジュールの使用寿命が延長される。
【0039】
メイングリッドライン11の具体的な構造は、
図5~
図12に示される。一実施例において、太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおいて、L1>L2である場合に、
図5と
図6に示すように、メイングリッドライン11は、第1方向Xに沿って延在する直方体構造である。即ち、第1方向Xにわたって、メイングリッドライン11の厚さは、一致する。これにより、メイングリッドライン11の構造を簡素化し、メイングリッドライン11の作製コストを低減する。本実施例において、タブ線2が溶接スポット12に置かれると、タブ線2とメイングリッドライン11の間は、太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおいて隙間を有する。
【0040】
別の実施例において、メイングリッドライン11の構造は、
図7と
図9に示される。太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおいて、メイングリッドライン11の一部が半導体基板13に近づく方向へ折り曲げられることで第1折曲部112が形成されることにより、タブ線2とメイングリッドライン11の間は、太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおいて隙間を有する。
【0041】
本実施例において、L1=L2である場合に、
図7に示すように、メイングリッドライン11の一部がタブ線2に対して支持作用を果たすことができ、タブ線2の伸縮代を増加させるとともに、タブ線2と太陽光発電電池1との接続構造の信頼性を向上させ、タブ線2と溶接スポット12との接触面積が小さいことによって損傷が発生するリスクを低減する。L1>L2である場合に、
図9に示すように、メイングリッドライン11には、第1折曲部112が設けられることにより、メイングリッドライン11及びタブ線2の厚さを増加可能であるとともに、タブ線2とメイングリッドライン11との間の距離を大きくすることができる。これにより、メイングリッドライン11が薄いことによって太陽光発電電池1の使用寿命が短く且つ動作効率が悪いリスクが低減され、太陽光発電電池1の動作安定性が向上する。
【0042】
ここで、第2方向Yにおける第1折曲部112の投影形状は、U形、V形、S形又は他の変形構造であり、本発明では、第1折曲部112の具体的な形状について特に限定しない。
【0043】
具体的に、
図7と
図9に示すように、半導体基板13には、凹溝131が設けられ、第1折曲部112の少なくとも一部は、凹溝131内に位置する。
【0044】
本実施例において、パッシベーション層14の一部が凹溝131内に位置することにより、パッシベーション層14には、太陽光発電電池1の厚さ方向Zに沿って窪んだピットが存在する。第1折曲部112の少なくとも一部がピット内に位置することにより、第1折曲部112がパッシベーション層14へ干渉することでメイングリッドライン11の一部が突起してタブ線2に当接するリスクは、低減される。これにより、メイングリッドライン11がパッシベーション層14の表面に設けられる平坦性が向上し、第1折曲部112とタブ線2との間の距離の正確性及び安定性が向上する。
【0045】
別の実施例において、メイングリッドライン11の構造は、
図8と
図10に示される。太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおいて、メイングリッドライン11の一部が半導体基板13に近づく方向へ窪むことで窪み部114が形成される。即ち、第1方向Xに沿い、メイングリッドライン11の厚さは、一致していない。メイングリッドライン11の厚さが窪み部114において減小することにより、タブ線2とメイングリッドライン11との間は、太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおいて隙間を有する。
【0046】
本実施例において、メイングリッドライン11に窪み部114が設けられることにより、タブ線2とメイングリッドライン11との間に隙間が存在する需要を満たすとともに、メイングリッドライン11、半導体基板13の構造を簡素化し、それによって半導体基板13、パッシベーション層14、メイングリッドライン11の作製プロセスを簡素化し、更に半導体基板13、パッシベーション層14、メイングリッドライン11の作製コストを低減し、半導体基板13、パッシベーション層14、メイングリッドライン11の作製サイクルタイムを短縮する。また、メイングリッドライン11に窪み部114が設けられることにより、溶接スポット12の高さを小さくすることができるため、溶接スポット12の加工難易度、加工コストや材料コストを低減するとともに、溶接スポット12の構造安定性を向上させ、加工、取り付け、運搬、使用過程において溶接スポット12で外力の作用を受けて損傷するリスクを低減し、それによって溶接スポット12の使用寿命を延長し、更に太陽光発電電池1、太陽光発電モジュールの使用寿命を延長し、太陽光発電電池1、太陽光発電モジュールの動作安定性を向上させる。
【0047】
ここで、太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおける、窪み部114の断面の輪郭形状は、円弧形、U形、V形又は他の変形構造であり、本発明では、窪み部114の具体的な形状について特に限定しない。
【0048】
別の実施例において、メイングリッドライン11の構造は、
図11と
図12に示される。第2方向Yにおいて、メイングリッドライン11の一部が溶接スポット12から遠ざかる方向へ折り曲げられることで第2折曲部113が形成される。即ち、第1方向Xと第2方向Yとで規定された平面内において、メイングリッドライン11の一部がタブ線2の両側へ湾曲変形することで第2折曲部113が形成される。これにより、タブ線2とメイングリッドライン11との間は、第1方向X及び/又は第2方向Yにおいて隙間を有する。その際、第2方向Yにおいて、第2折曲部113は、宙吊り領域22の一方側又は両側に位置する。
【0049】
本実施例において、メイングリッドライン11は、第1方向Xと第2方向Yとで規定された平面内で折り曲げられた第2折曲部113が設けられ、L1は、L2に等しくてもよい。これにより、溶接スポット12、メイングリッドライン11の加工工程が簡素化され、更にメイングリッドライン11の加工難易度及び加工コストが低減される。
【0050】
第2折曲部113の数は、1つ又は複数であってもよく、複数の第2折曲部113は、第1方向Xに沿って分布され、且つ隣接する第2折曲部113の折り曲げ方向は、逆である。太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおける第2折曲部113の投影形状は、U形、V形、S形又は他の変形構造であり、本発明の実施例では、第2折曲部113の具体的な数、形状について特に限定しない。
【0051】
また、第1方向Xにわたって、メイングリッドライン11の厚さは、一致する。即ち、第2方向Yにおけるメイングリッドライン11の投影形状は、矩形状である。これにより、メイングリッドライン11の構造が簡素化され、メイングリッドライン11の加工コストが更に低減される。
【0052】
メイングリッドライン11の作製過程において、メイングリッドライン11の構造は、上記実施例の何れか1つであってもよく、又は、上記実施例のうちの2つ又はより多くの実施例を組み合わせてメイングリッドライン11の構造の多様性及び柔軟性を増加させてもよい。
【0053】
上記何れかの実施例において、L1とL2は、0≦L1―L2≦0.5mmを満たす。具体的に、L1とL2との差分は、0mm、0.1mm、0.2mm、0.35mm、0.4mm、0.5mm等であってもよい。
【0054】
本実施例において、L1―L2>0.5mmの場合に、溶接スポット12の高さが大きく、溶接スポット12の加工難易度が増加し、且つ溶接スポット12の加工材料が増加するため、溶接スポット12の加工コスト及び材料コストが増加する。したがって、0≦L1―L2≦0.5mmとする。これにより、タブ線2とメイングリッドライン11の間に隙間が存在することが満たされるとともに、溶接スポット12の加工難易度及び加工コストが低減される。
【0055】
以上のように、
図4に示すように、溶接スポット12がメイングリッドライン11上に設けられたときに、L1>L2であり、その際、メイングリッドライン11は、メイングリッドライン11とタブ線2との間の距離を大きくするとともに溶接スポット12の高さを小さくするために、
図7に示す第1折曲部112を有してもよく、及び/又は、メイングリッドライン11は、メイングリッドライン11とタブ線2との間の距離を大きくするとともに溶接スポット12の高さを小さくするために、
図8に示す窪み部114を有してもよく、及び/又は、メイングリッドライン11は、メイングリッドライン11とタブ線との間が第1方向X及び/又は第2方向Yにおいて隙間を有して更にタブ線2の宙吊り領域22のサイズを向上させるために、
図12に示す第2折曲部113を有してもよい。
【0056】
溶接スポット12がパッシベーション層14上に設けられ、溶接スポット12がメイングリッドライン11を
図6に示す複数の接続線111に仕切り、且つL1=L2である場合に、メイングリッドライン11は、メイングリッドライン11とタブ線2との間が太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおいて隙間を有するように、
図7に示す第1折曲部112を有し、及び/又は、メイングリッドライン11は、メイングリッドライン11とタブ線2との間が太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおいて隙間を有するように、
図8に示す窪み部114を有し、及び/又は、グリッドライン11は、メイングリッドライン11とタブ線2との間が第1方向X及び/又は第2方向Yにおいて隙間を有するように、
図12に示す第2折曲部113を有する。
【0057】
図6に示すように、溶接スポット12がパッシベーション層14に設けられ、溶接スポット12がメイングリッドライン11を複数の接続線111に仕切り、且つL1>L2である場合に、第1方向Xにわたって、メイングリッドライン11の厚さは、太陽光発電電池1の厚さ方向Zにおいて一致し、又は、メイングリッドラインは、
図7に示す第1折曲部112と、
図8に示す窪み部114と、
図12に示す第2折曲部113とのうちの1つ又は複数を有する。
【0058】
また、一実施例において、第2方向Yに沿って分布された複数のメイングリッドライン11、溶接スポット12の構造は、同じである。これにより、メイングリッドライン11、溶接スポット12の加工を容易にし、メイングリッドライン11、溶接スポット12の加工サイクルタイムを短縮しつつ、メイングリッドライン11、溶接スポット12の加工コストを低減する。
【0059】
別の実施例において、第2方向Yに沿って分布された複数のメイングリッドライン11、溶接スポット12の構造は、異なる。即ち、実際の加工生産過程において、一部のメイングリッドライン11、溶接スポット12は、従来技術の加工方式を採用する。つまり、メイングリッドライン11、溶接スポット12が同時に作製され、且つタブ線2が溶接スポット12に固定接続された後、タブ線2と一部のメイングリッドライン11の間に隙間が存在しない。それとともに、もう一部のメイングリッドライン11、溶接スポット12の構造は、上記何れかの実施例のうちの1つ又は複数を組み合わせたものであり、タブ線2と幾つかのメイングリッドライン11の間にスリットが存在するようにする。
【0060】
本実施例において、タブ線2と一部のメイングリッドライン11の間にスリットが存在することにより、メイングリッドライン11の総加工コストを低減するとともに、タブ線2の収縮による太陽光発電電池1の反り変形への影響を軽減し、更に太陽光発電電池の使用寿命及び動作安定性を向上させる。
【0061】
上述したのは、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を制限するためのものではない。当業者にとって、本発明は、様々な変更や変化を有することができる。本発明の精神及び原則内でなされた如何なる修正、均等物による置換、改良等は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0062】
1 太陽光発電電池
11 メイングリッドライン
111 接続線
112 第1折曲部
113 第2折曲部
114 窪み部
12 溶接スポット
13 半導体基板
131 凹溝
14 パッシベーション層
2 タブ線
21 接続領域
22 宙吊り領域
10 太陽光発電電池ストリング
20 第1太陽光発電ガラス
30 第1接着フィルム
40 第2接着フィルム
50 背部支持構造
【要約】
【課題】本発明は、太陽光発電電池及び太陽光発電モジュールに関する。
【解決手段】太陽光発電電池は、半導体基板と、半導体基板の表面に設けられるパッシベーション層と、パッシベーション層上に設けられるメイングリッドライン及び溶接スポットとを備え、溶接スポットは、タブ線と電気的に接続するために用いられ、太陽光発電電池の厚さ方向において、溶接スポットは、メイングリッドラインのパッシベーション層から離間する側に設けられ、又は、溶接スポットは、パッシベーション層上に設けられ、メイングリッドラインは、第1方向に沿って間隔を空けて分布された接続線を含み、隣接する接続線は、溶接スポットを介して互いに電気的に接続され、太陽光発電電池の厚さ方向において、溶接スポットの最高点とパッシベーション層の表面との間の鉛直距離L1と、メイングリッドラインとパッシベーション層の表面との間の鉛直距離L2は、L1≧L2を満たす。
【選択図】
図6