(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/105 20230101AFI20240515BHJP
【FI】
G06Q10/105
(21)【出願番号】P 2024012269
(22)【出願日】2024-01-30
【審査請求日】2024-01-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512313953
【氏名又は名称】株式会社ビズリーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】藤村 拓也
(72)【発明者】
【氏名】大河原 陽平
(72)【発明者】
【氏名】安積 健太
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特許第7373091(JP,B1)
【文献】特開2005-285021(JP,A)
【文献】特開2019-096188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 10/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、
受付ステップでは、人材名及び職務情報の少なくとも一方を含む入力情報を受け付け、ここで、前記人材名は、組織に従事する管理対象者が登録された組織データベースに含まれる前記管理対象者の氏名であり、前記職務情報は、職務に関連する語句を含んだ単語又は文であり、
情報作成ステップでは、前記入力情報と参照情報とに基づいて、関連組織、募集要件、及び職務内容の少なくとも1つを募集条件として含むポジション情報を作成し、ここで、前記参照情報は、前記入力情報と前記募集条件との相関関係を含み、
管理ステップでは、前記ポジション情報と、前記組織データベースに含まれる前記組織又は前記管理対象者に関する組織情報とを関連付けて管理するための関連付け情報を生成する、情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記参照情報は、前記入力情報を入力とし前記ポジション情報を出力とすることが可能なように学習されたポジション情報作成モデルであり、
前記情報作成ステップでは、前記入力情報を前記ポジション情報作成モデルに入力し、前記ポジション情報作成モデルに前記ポジション情報を出力させる、情報処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記ポジション情報は、スキルを前記募集要件として含み、
前記スキルは、予め用意されたスキルリストに登録されたスキルワードから選択される、情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記関連付け情報は、前記ポジション情報が対象とするポジションの現任者、候補者、充足率、及び選考状況の少なくとも1つを含む、情報処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記関連付け情報は、前記ポジション情報が含む前記募集条件と、前記管理対象者の登録情報との一致の度合いを示すマッチング指標を含む、情報処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記管理ステップでは、前記関連付け情報に基づいて、前記組織データベースに含まれる前記管理対象者の中から、前記ポジション情報が対象とするポジションへの候補者を提示するとともに、前記候補者の前記ポジション情報に対する前記マッチング指標を表示させる、情報処理システム。
【請求項7】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記管理ステップでは、前記関連付け情報に基づいて、前記ポジション情報における前記募集条件の修正を提示する、情報処理システム。
【請求項8】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記管理ステップでは、前記管理対象者に対し、当該管理対象者の前記登録情報に対する前記マッチング指標が予め定めた閾値を超える前記ポジション情報を提示する、情報処理システム。
【請求項9】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記関連付け情報は、前記ポジション情報が含む前記募集条件と、組織外の求職者が登録された求職者データベースに含まれる前記求職者の登録情報との一致の度合いを示すマッチング指標を含み、
前記管理ステップでは、前記関連付け情報に基づいて、前記求職者の中から、前記ポジション情報で募集されるポジションへの候補者を提示する、情報処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサは、さらに次のステップを実行するように構成され、
求人票作成ステップでは、前記ポジション情報を学習モデルである求人票作成モデルに入力し、前記求人票作成モデルに前記ポジション情報が対象とするポジションに対応した求人票を出力させる、情報処理システム。
【請求項11】
請求項10に記載の情報処理システムにおいて、
前記求人票作成ステップでは、前記求人票作成モデルに、前記求人票としての第1求人票と第2求人票とを出力させ、ここで、前記第2求人票に含まれる情報又は当該情報が公開される範囲は、前記第1求人票に含まれる情報又は当該情報が公開される範囲とは異なる、情報処理システム。
【請求項12】
請求項10に記載の情報処理システムにおいて、
前記求人票作成ステップでは、前記求人票作成モデルに、前記組織データベースに含まれる前記管理対象者を対象とする組織内公募用の前記求人票を出力させる、情報処理システム。
【請求項13】
請求項11に記載の情報処理システムにおいて、
前記求人票作成ステップでは、前記求人票作成モデルに、組織外の求職者が登録された求職者データベース組織に含まれる前記求職者を対象とする外部向けの前記求人票を出力させる、情報処理システム。
【請求項14】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記プロセッサは、さらに次のステップを実行するように構成され、
検索ステップでは、前記募集条件を検索条件として、前記組織データベースから前記入力情報に関連する前記管理対象者を検索する、情報処理システム。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理システムにおいて、
前記関連付け情報は、前記ポジション情報が含む前記募集条件と、前記管理対象者の登録情報との一致の度合いを示すマッチング指標を含み、
前記マッチング指標は、前記管理対象者の前記登録情報におけるカテゴリごとの一致の度合いを示すサブマッチング指標を含む、情報処理システム。
【請求項16】
情報処理方法であって、
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の情報処理システムが実行する各ステップを備える、情報処理方法。
【請求項17】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるように、テンプレートの自動作成によって、文章の作成を支援する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
組織内で必要なポジションを募集する条件には、例えば、関連組織(部署名)、募集要件、職務内容等が含まれる。そのため、上述の技術によって文章のテンプレートが自動作成される場合でも、ポジションに応じた募集条件を作成することはできず、管理者には募集条件を作成するための労力が生じる。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、効率よく募集条件を作成し、管理することができる情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成される。受付ステップでは、人材名及び職務情報の少なくとも一方を含む入力情報を受け付ける。人材名は、組織に従事する管理対象者が登録された組織データベースに含まれる管理対象者の氏名であり、職務情報は、職務に関連する語句を含んだ単語又は文である。情報作成ステップでは、入力情報と参照情報とに基づいて、関連組織、募集要件、及び職務内容の少なくとも1つを募集条件として含むポジション情報を作成する。参照情報は、入力情報と募集条件との相関関係を含む。管理ステップでは、ポジション情報と、組織データベースに含まれる組織又は管理対象者に関する組織情報とを関連付けて管理するための関連付け情報を生成する。
【0007】
このような態様によれば、例えば、募集するポジションに在籍している人材名、又は募集するポジションに関する職務情報を入力することで、必要な募集条件を含むポジション情報が効率よく作成できる。また、ポジション情報の組織データベースに対する関連付け情報が生成されることで、作成されたポジション情報に対する状況把握、必要なアクションの実行等の管理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】管理者端末20及び管理対象者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】求職者端末40のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】サーバ装置10(制御部11)、管理者端末20(制御部21)、管理対象者端末30(制御部31)及び求職者端末40(制御部41)によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図6】入力情報の受付画面PDの一例を示す図である。
【
図7】入力情報の受付画面PDの別の例を示す図である。
【
図8】管理者端末20に表示される募集状況表示画面RDの一例を示す図である。
【
図9】充足率の推移を示すグラフの一例を示す図である。
【
図10】管理者端末20に表示される候補者リストCLの一例を示す図である。
【
図11】入力情報の受付画面PDのさらに別の例を示す図である。
【
図12】管理対象者端末30に表示される社内公募サジェスト画面PSの一例を示す図である。
【
図14】管理者端末20に表示される検索結果リストSLの一例を示す図である。
【
図15】管理者端末20に表示される検索画面SDの一例を示す図である。
【
図16】情報処理システム1によって実行される第1実施形態の情報処理(ポジション情報に基づく求人票の作成処理)の流れを示すアクティビティ図である。
【
図17】情報処理システム1によって実行される第2実施形態の情報処理(管理対象者の検索処理)の流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、ハードウェア構成について説明する。
【0014】
<情報処理システム1>
図1は、情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は、通信回線2と、サーバ装置10と、複数の管理者端末20と、複数の管理対象者端末30と、複数の求職者端末40とを備える。サーバ装置10と、管理者端末20と、管理対象者端末30と、求職者端末40とは、通信回線2を通じて通信可能に構成されている。サーバ装置10、管理者端末20、管理対象者端末30、及び求職者端末40の通信回線2との接続は有線でも無線でもよい。
【0015】
情報処理システム1は、組織内の人事管理の対象人材(複数の管理対象者)と、組織内で管理対象者に関係を有する複数の管理者とが利用する人事システムの一部と、求職者が利用する求人・求職システムの一部とを構成する。一実施形態において、情報処理システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。以下、これらの構成要素について説明する。
【0016】
<サーバ装置10>
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、通信バス14とを備える。制御部11、記憶部12、及び通信部13は、サーバ装置10の内部において通信バス14を介して電気的に接続されている。
【0017】
<制御部11>
制御部11は、サーバ装置10に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部11は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部11は、記憶部12に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ装置10に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部11は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部11を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0018】
<記憶部12>
記憶部12は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部12は、制御部11によって実行されるサーバ装置10に係る種々のプログラム、変数等を記憶している。
【0019】
<通信部13>
通信部13は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、BLUETOOTH(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ装置10は、通信部13及びネットワークを介して、外部から種々の情報を通信してもよい。
【0020】
サーバ装置10は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態のサーバ装置10としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上述の機能や処理を提供してもよい。
【0021】
<管理者端末20>
図3は、管理者端末20及び管理対象者端末30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3Aに示されるように、管理者端末20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25と、通信バス26とを備える。制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、及び出力部25は、管理者端末20の内部において通信バス26を介して電気的に接続されている。制御部21、記憶部22及び通信部23の説明は、サーバ装置10における各部の説明と同様のため省略する。
【0022】
<入力部24>
入力部24は、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。操作入力は、命令信号として通信バス26を介して制御部21に転送される。制御部21は、必要に応じて、転送された命令信号に基づいて所定の制御や演算を実行しうる。入力部24は、管理者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部24は、出力部25と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。入力部24がタッチパネルとして実施される場合、ユーザは、入力部24に対してタップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。入力部24としては、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、トラックパッド、QWERTYキーボード等が採用可能である。
【0023】
<出力部25>
出力部25は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。出力部25は、管理者端末20の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。具体的には、出力部25は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又はプラズマディスプレイ等の表示デバイスとして実施されうる。これらの表示デバイスは、管理者端末20の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。
【0024】
<管理対象者端末30>
図3Bに示されるように、管理対象者端末30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、通信バス36とを備える。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、及び出力部35は、管理対象者端末30の内部において通信バス36を介して電気的に接続されている。制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34及び出力部35の説明は、管理者端末20における各部の説明と同様のため省略する。
【0025】
<求職者端末40>
図4は、求職者端末40のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に示されるように、求職者端末40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、入力部44と、出力部45と、通信バス46とを備える。制御部41、記憶部42、通信部43、入力部44、及び出力部45は、求職者端末40の内部において通信バス46を介して電気的に接続されている。制御部41、記憶部42、通信部43、入力部44及び出力部45の説明は、管理者端末20における各部の説明と同様のため省略する。
【0026】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。記憶部12に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部11によって具体的に実現されることで、制御部11(情報処理システム1が備えるプロセッサ)に含まれる各機能部として実行されうる。
【0027】
図5は、サーバ装置10(制御部11)、管理者端末20(制御部21)、管理対象者端末30(制御部31)及び求職者端末40(制御部41)によって実現される機能を示すブロック図である。
【0028】
図5Aに示されるように、サーバ装置10(制御部11)は、基本表示制御部111と、受付部112と、情報作成部113と、管理部114と、求人票作成部115と、検索部116と、人工知能部120とを備える。
図5Bに示されるように、管理者端末20(制御部21)は、表示部211と、操作受付部212とを備える。
図5Cに示されるように、管理対象者端末30(制御部31)は、表示部311と、操作受付部312とを備える。
図5Dに示されるように、求職者端末40(制御部41)は、表示部411と、操作受付部412とを備える。
【0029】
<基本表示制御部111>
基本表示制御部111は、種々の情報を管理者端末20、管理対象者端末30又は求職者端末40に表示させるように構成される。例えば、基本表示制御部111は、各ユーザ(管理者U1,U2、管理対象者U3,U4又は求職者U5,U6)の要求に応じて、データベースに登録されている人材の登録情報等を、管理者端末20の表示部211、管理対象者端末30の表示部311又は求職者端末40の表示部411に表示させる。
【0030】
「管理対象者」は、組織に従事する者であり、例えば組織の従業員(正社員、派遣社員、期間従業員等)である。組織には、営利法人(例えば企業等)、非営利法人(例えば、協同組合、財団法人等)、公的法人(例えば地方公共団体等)等が含まれる。「管理者」には、管理対象者のレポートライン上の人物(例えば上司、ライン長等)、人事管理者等が含まれる。なお、情報処理システム1における「管理対象者」は、他の管理対象者の「管理者」ともなりうる。
【0031】
情報処理システム1が扱うデータベースには、組織データベースと、求職者データベースとが含まれる。組織データベースは、組織の関係者のみがアクセス可能であり、組織の外部に対してデータの公開及び提供がなされない従業員データベースを含むものである。組織データベースには、管理者及び管理対象者が登録されている。
【0032】
組織データベースに登録された管理対象者の情報(以下、「管理対象者登録情報」)には、例えば、管理対象者の氏名、性別、年齢、社員コード、連絡先、所属、雇用形態、勤務地、職務、スキル、資格、学歴、職歴、経験職種、経験役職、管理対象者が設定した組織内における目標、目標に対する管理者からの評価、管理対象者が組織に属する前の情報(採用時情報)、管理対象者のコンディション、エンゲージメント(例えばeNPS)、管理対象者の適正又は性格、管理対象者の面談履歴(面談者、発言内容など)、管理対象者の勤怠情報(残業時間、年休取得数など)等の人事情報が含まれる。採用時情報には、採用時のオファーポジション、年収、採用担当面接官、採用時評価、適性検査結果、リファレンスチェック情報等が含まれる。なお、採用時情報以外の情報は、組織に属してからの情報(採用後情報)である。
【0033】
また、組織データベースには、組織登録情報が登録されている。組織登録情報には、組織全体の構成人員、組織構造(部門構成)、部署毎の構成人員、部署構造等の情報が含まれる。
【0034】
求職者データベースは、組織内の組織データベースとは異なる、求人サービスの利用者である求人者に公開されたデータベースであり、典型的には組織の外部に設けられる。求職者データベースには、組織外の求職者が登録されている。
【0035】
求職者データベースに登録された求職者の情報(以下、「求職者登録情報」)には、求職者の履歴書、職務経歴書、その他のプロフィール情報等が含まれる。「履歴書」は、主に求職者のプロフィール、現況、学歴、職歴、希望の労働条件等が記載された文書であり、「職務経歴書」は、レジュメとも呼ばれ、求職者が求人者に対して、自身のこれまでの職務に関する経歴、経験、スキル、資格等を伝える文書である。
【0036】
<受付部112>
受付部112は、管理者端末20、管理対象者端末30又は求職者端末40からの入力を受け付けるように構成される。具体的には、受付部112は、管理者端末20から、人材名及び職務情報の少なくとも一方を含む入力情報を受け付ける。人材名は、組織データベースに含まれる管理対象者の氏名である。職務情報は、職務に関連する語句を含んだ単語又は文(自然言語)である。職務に関連する語句には、例えば、事業内容、職種、ポジション(役職)、取り扱う商材等の語句が含まれる。
【0037】
受付部112は、入力情報として、人材名及び職務情報の少なくとも一方のベース情報に加えて、経験役職、経験職種、スキル等の付加情報を受け付けてもよい。また、受付部112は、例えば、複数のキーワード型のタグをオブジェクトとして管理者端末20に提示し、管理者端末20によって選択されたタグに関連付けられたキーワードを入力情報として受け付けてもよい。タグには、例えば、経験役職を表すタグ、経験職種を表すタグ、スキルを表すタグ等が含まれる。これらのタグは、例えば、管理対象者登録情報が組織データベースに登録される際、又は管理対象者登録情報が更新される際に、管理対象者登録情報から抽出される単語に基づいて、制御部11によって自動で管理対象者登録情報に付与される。
【0038】
さらに、受付部112は、管理者端末20から入力されたベース情報と関連するタグを初期状態で選択済とされた初期タグとして提示してもよい。例えば、ベース情報が人材名の場合、受付部112は、入力された人材(管理対象者)を組織データベースから検索し、当該管理対象者の管理対象者登録情報に付されているタグを初期タグとして設定する。また、例えば、ベース情報が職務情報の場合、受付部112は、職務情報から職務に関するワードを抽出し、当該ワードと関連するタグを初期タグとして設定する。職務に関するワードとタグとの関係は、例えばテーブル、タグリスト等の関係定義情報の中で予め設定されている。
【0039】
受付部112は、管理者端末20から入力された職務情報を人材名に変換したものを入力情報として受け付けてもよい。また、受付部112は、管理者端末20から入力された人材名を職務情報に変換したものを入力情報として受け付けてもよい。職務情報から人材名への変換は、例えば、職務情報から抽出されたワード、又は職務情報に関連するタグを検索条件として、組織データベースから該当するタグが付された管理対象者を検索し、検索された管理対象者の氏名を人材名とすることで実現される。また、人材名から職務情報への変換は、例えば、人材名に該当する管理対象者の登録情報に含まれる職務に関する情報(具体的には、職務の項目に記載された語句)を職務情報とすることで実現される。
【0040】
図6は、入力情報の受付画面PDの一例を示す図である。受付画面PDは、ベース情報入力領域BAと、付加情報入力領域OAと、ポジション表示領域PAとを含む。
【0041】
ベース情報入力領域BAは、ベース情報(人材名又は職務情報)を入力する領域である。ベース情報が入力される前の状態では、受付画面PDには、ベース情報入力領域BAのみが表示される。ベース情報入力領域BAは、第1選択ボタンB11と、第2選択ボタンB12と、入力フィールドIFと、抽出ボタンB13とを含む。
【0042】
第1選択ボタンB11は、職務情報(人材イメージ)をベース情報として入力フィールドIFに入力する際に選択される。第2選択ボタンB12は、人材名(社員)をベース情報として入力フィールドIFに入力する際に選択される。
図6の例では、第1選択ボタンB11と第2選択ボタンとは、互いに排他的なラジオボタンで構成されている。すなわち、ユーザは、第1選択ボタンB11及び第2選択ボタンB12のいずれか一方のみを選択可能である。入力フィールドIFは、ユーザがベース情報(人材名又は職務情報)を入力するフィールドである。付加情報入力領域OAと、ポジション表示領域PAとが表示される。
【0043】
付加情報入力領域OAは、複数のタグ表示領域TAを含む。タグ表示領域TAは、付加情報を入力するためのタグTGを項目(カテゴリ)ごとに表示した領域である。各タグ表示領域TAには、複数のタグTGと、タグ追加ボタンB14とが表示される。タグTGは、ユーザが入力操作することで、選択状態(
図6では網掛けで表示)と非選択状態とに切り替わる。ベース情報入力領域BAで抽出ボタンB13が入力操作された直後(つまり付加情報入力領域OAが表示された直後)では、複数のタグTGのうち、受付部112によって設定された(抽出された)初期タグが選択状態とされる。ユーザは、タグ追加ボタンB14の入力操作によって、新たなタグTGを追加することができる。タグTGの追加は、例えば、予め用意されたタグリストから追加するタグを選択することで実行されてもよいし、任意のキーワード(自然言語)の入力を受け付け、当該キーワードを予め用意されたタグに変換することで実行されてもよい。
【0044】
ポジション表示領域PAは、第1生成ボタンB15と、ポジション情報表示フィールドPFとを含む。第1生成ボタンB15が入力操作されると、ベース情報入力領域BAに入力されたベース情報、及び付加情報入力領域OAで選択されたタグに紐付けられたキーワード(付加情報)が入力情報として受付部112によって受け付けられる。ポジション情報表示フィールドPFには、後述する情報作成部113によって作成されたポジション情報(
図6の例では職務内容)が表示される。
【0045】
図7は、入力情報の受付画面PDの別の例を示す図である。
図7の受付画面PDは、ポジション入力領域PIAと、第2生成ボタンB21と、ポジション表示領域PAとを含む。
【0046】
ポジション入力領域PIAは、ポジション入力フィールドIFPと、人材名入力フィールドIFHとを含む。ポジション入力フィールドIFPは、管理者端末20からポジション名(職務情報の一例)の入力を受け付ける。ポジション入力フィールドIFPにポジション名が入力されると、受付部112は、入力されたポジション名に対応するポジションに在職している管理対象者の氏名を、人材名入力フィールドIFHに人材名(
図7では「社員」)として表示させる。複数の管理対象者が同一のポジションに在職している場合、又は入力されたポジション名に対応するポジションが複数存在する場合は、受付部112は、例えばプルダウン式のUIで複数の候補を提示することで、候補の中から1つの人材名を管理者端末20からユーザに選択させる。
【0047】
人材名入力フィールドIFHに人材名が入力された状態で第2生成ボタンB21が入力操作されると、ポジション情報表示フィールドPFに、後述する情報作成部113によって作成されたポジション情報が表示される。
図7の受付画面PDでは、ポジション情報表示フィールドPFには、募集条件として、部署名P1(関連組織の一例)、概要P2、募集要件P3、職務・責任P4(職務内容の一例)、及びスキルP5が表示される。
【0048】
<情報作成部113>
情報作成部113は、受付部112が受け付けた入力情報と、例えば記憶部12に記憶された参照情報とに基づいて、関連組織、募集要件、及び職務内容の少なくとも1つを募集条件として含むポジション情報を作成するように構成される。「関連組織」とは、ポジションを募集する組織である。「募集要件」とは、例えば、募集するポジションに必要な経験、スキル等である。「職務内容」とは、募集するポジションにおける具体的な職務の内容、職務の責任等である。募集条件は、さらに、募集役職を含んでもよい。
【0049】
情報作成部113は、受付部112が受け付けた入力情報のうち、ベース情報(人材名及び職務情報の少なくとも一方)と、ベース情報から変換又は抽出された二次情報(例えばタグによる付加情報)との双方を用いてポジション情報を作成してもよいし、二次情報のみを用いてポジション情報を作成してもよい。
【0050】
参照情報は、入力情報と募集条件との相関関係を含む情報である。参照情報は、受付部112が受け付けた入力情報を入力として、募集条件(ポジション情報の少なくとも一部)を出力可能なように構築された推定器である。
【0051】
参照情報は、入力情報を入力としポジション情報を出力とすることが可能なように学習されたポジション情報作成モデルであるとよい。この場合、情報作成部113は、入力情報をポジション情報作成モデルに入力し、ポジション情報作成モデルにポジション情報を出力させる。これにより、入力情報から的確なポジション情報(募集条件)を生成することができる。
【0052】
ポジション情報作成モデルは、入力情報(人材名、職務情報、又はこれらを変換した二次情報)を入力とし、募集条件を含むポジション情報を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、ポジション情報作成モデルは、入力情報と、それに対応するポジション情報のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、ポジション情報作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、情報作成部113は、入力情報を入力とし、当該入力情報に基づいてポジション情報を作成する指示を含むプロンプトをポジション情報作成モデルに入力し、ポジション情報をポジション情報作成モデルに出力させる。また、情報作成部113は、ポジション情報の作成・出力指示と入力情報とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の入力情報のサンプルと、それに対応する1以上のポジション情報のサンプルとを挿入したプロンプトをポジション情報作成モデルに入力してもよい。
【0053】
ポジション情報は、スキルを募集要件として含むとよい。スキルは、予め用意されたスキルリストに登録されたスキルワードから選択される。これにより、規格化されたスキルに伴う人材検索が可能となるため、人材検索の効率が向上する。また、組織の内外を問わずに、スキルを用いた人材検索をシームレスに実行しやすくなる。スキルリストには、複数のスキルワードが登録されている。スキルワードは、例えば、求職者のデータベースで用いられる職種辞書、スキル辞書、社内用語辞書等を参照して生成される。スキルは、例えば、
図7に示されるように、ポジション情報表示フィールドPFに、オブジェクトの一種であるタグTGとして表示される。
【0054】
ポジション情報の生成時に参照されるスキルリスト(組織内スキルリスト)に含まれるスキルワードは、組織外の求職者データベースにおいて参照される求職者用スキルリスト(組織外スキルリスト)に含まれる同一又は類似のスキルワードと関連付けられるとよい。スキルワードの類似判断は、例えばベクトルデータ等の特徴量による比較、同義語、類義語、表記ゆれワード等が登録されたデータベースの参照、学習モデル(大規模言語モデル)による判定等によって行われる。求職者用スキルリストは、求職者登録情報に付されるスキルワードが登録されたスキルリストである。これにより、管理対象者と求職者との双方を対象とした人材の検索を適切に、かつ効率的に行うことができる。
【0055】
ポジション情報の募集条件は、文章(自然言語)で構成されてもよいし、タグ化されたキーワードで構成されてもよいし、文章とキーワードとの組み合わせで構成されてもよい。例えば、募集条件は、
図6に示される付加情報入力領域OAに含まれる、経験役職、経験職種、スキル等のタグTGのみで構成されてもよい。すなわち、情報作成部113は、受付部112が受け付けたベース情報と参照情報とに基づいて、募集要件(経験、スキル等)を表す複数のキーワードの組み合わせを募集条件として含むポジション情報を作成してもよい。この場合、
図6の入力フィールドIFにベース情報が入力された状態で抽出ボタンB13が入力操作されると、情報作成部113が募集要件を構成するタグTGを生成し、これらのタグTGを選択状態で表示させる。情報作成部113が生成するタグTGは、管理対象者登録情報に付与されているタグのリストから選択されたものであってもよいし、ポジション情報作成モデルが独自に付与したもの(独自に生成したタグワード)であってもよい。
【0056】
ユーザは、付加情報入力領域OAに表示されたタグTGの選択/非選択を切り替えることで、募集要件を直接編集することができる。また、ユーザは、タグ追加ボタンB14の入力操作によって、新たなタグTGを追加することができる。タグTGの追加は、例えば、予め用意されたタグリストから追加するタグを選択することで実行されてもよいし、任意のキーワード(自然言語)の入力を受け付け、当該キーワードを予め用意されたタグに変換することで実行されてもよい。
【0057】
情報作成部113は、ベース情報から生成した募集要件に基づいて、募集要件以外の他の募集条件(関連組織、職務内容等)を二次生成してもよい。
図6の例では、第1生成ボタンB15が入力操作されることで、情報作成部113は、付加情報入力領域OAに提示した募集要件(選択されたタグTG)に基づいて、職務内容を生成し、ポジション情報表示フィールドPFに当該職務内容を表示させる。
【0058】
情報作成部113が作成したポジション情報は、記憶部12に記憶されているデータベース(例えば、組織データベース)に登録される。ポジション情報は、管理部114、求人票作成部115、検索部116等によって適宜参照される。
【0059】
<管理部114>
管理部114は、情報作成部113が作成したポジション情報と、組織データベースに含まれる組織又は管理対象者に関する組織情報とを関連付けて管理するための関連付け情報を生成するように構成される。組織情報には、上述した、組織登録情報と、管理対象者登録情報とが含まれる。管理部114が生成したポジション情報は、記憶部12に記憶されているデータベース(例えば、組織データベース)に登録される。関連付け情報には、ポジション情報と組織登録情報との関連性を示す第1関連付け情報と、ポジション情報と各管理対象者登録情報との関連性を示す第2関連付け情報とが含まれる。
【0060】
第1関連付け情報には、例えば、ポジション情報が対象とするポジション(募集ポジション)と、組織の現状とを関連付けて管理するための情報が含まれる。具体的には、第1関連付け情報は、ポジション情報が対象とするポジションの現任者、候補者、充足率、及び選考状況の少なくとも1つを含むとよい。これにより、生成されたポジション情報を、組織情報に紐づいた募集ポジションの情報と組み合わせて管理することができる。そのため、管理者がポジション情報を用いた募集の要否やタイミングを検討しやすくなる。
【0061】
図8は、管理者端末20に表示される募集状況表示画面RDの一例を示す図である。募集状況表示画面RDは、ポジションリストRLと、検索用入力フィールドSFと、追加ボタンB31とを含む。ポジションリストRLには、情報作成部113が作成した複数のポジション情報の第1関連付け情報がリスト表示される。具体的には、ポジションリストRLには、ポジション名PNと、現任メンバーMS1と、次期候補メンバーMS2と、選考状況SIとが項目として含まれる。
図8の例では、現任メンバーMS1、次期候補メンバーMS2及び選考状況SIが第1関連付け情報に相当する。
【0062】
ポジション名PNは、ポジション情報が対象とするポジションの名称である。現任メンバーMS1には、ポジションの現任者の情報と、現任充足率PR1とが含まれる。ポジションの現任者の情報は、例えば、管理対象者登録情報に含まれる顔画像FI1等のアイコンで表示される。現任者の情報(アイコン)は、例えば、組織データベースの組織情報から取得される。現任充足率PR1は、ポジションの定員数に対する現任者の数の割合である。100%未満の現任充足率PR1は、ポジションの不足を示す情報である。また、現任メンバーMS1には、不足している人員を示す空席アイコンFI2が顔画像FI1とともに表示される。不足している人員(空席アイコン)の数は、例えば、組織データベースの組織情報から取得されてもよいし、管理者の入力によって設定されてもよい。管理部114は、現任充足率PR1が100%のポジション情報と、現任充足率PR1が100%未満のポジション情報とで、表示形式(例えば、色、フォント、文字の大きさ、充足状態を示すアイコンの有無等)を変えてもよい。
【0063】
次期候補メンバーMS2には、ポジションの候補者の情報と、候補者充足率PR2とが含まれる。ポジションの候補者の情報は、例えば、管理対象者登録情報に含まれる顔画像FI1等のアイコンで表示される。候補者充足率PR2は、ポジションに設定された候補者数に対する、候補者として登録された管理対象者の数の割合である。また、次期候補メンバーMS2には、不足している候補者を示す空席アイコンFI2が顔画像FI1とともに表示される。候補者は、後述するように、管理部114によって候補者として提示された管理対象者であってもよいし、管理者が手動で選択した管理対象者であってもよい。管理部114は、候補者充足率PR2が100%のポジション情報と、候補者充足率PR2が100%未満のポジション情報とで、表示形式(例えば、色、フォント、文字の大きさ、充足状態を示すアイコンの有無等)を変えてもよい。
【0064】
選考状況SIには、ポジションに対する応募者数、選考を行っている応募者の数、内定を出している応募者の数、内定を承諾した応募者の数等が表示される。
図8の例では、現任充足率PR1が100%のポジション(人員が不足していないポジション)では、募集が不要であるため、応募者数等が「-」で表示されている。また、選考状況SIには、ポジションごとに表示切替ボタンB32が表示される。表示切替ボタンB32を押すことで、
図8の「エンジニア」ポジションのように、組織外の求人に対する募集状況と、組織内の公募に対する募集状況とがそれぞれ表示された展開状態と、
図8の「デザイナー」ポジションのように、組織外の求人に対する募集状況と組織内の公募に対する募集状況との合計が表示された折り畳み状態とが切り替わる。
【0065】
検索用入力フィールドSFは、特定の管理対象者を検索する際に、管理対象者の氏名を入力する欄である。管理部114は、検索用入力フィールドSFに入力された管理対象者が、現任又は次期候補となっているポジションを表示させる。
【0066】
追加ボタンB31が入力操作されると、ポジション情報の作成が開始される。すなわち、
図6又は
図7の受付画面PDが管理者端末20に表示され、受付部112による入力情報の受付が行われる。
【0067】
管理部114は、第1関連付け情報を統計的に表示させてもよい。
図9は、充足率の推移を示すグラフの一例を示す図である。
図9では、特定のポジション(例えば予め設定されたキーポジション)における時期ごとの充足率の変化が棒グラフとして示されている。管理部114は、この他に、職種別のポジションの充足率の比較、ポジションに対する社内公募数と応募率との比率の推移、募集求人数の推移等を表示させてもよい。
【0068】
第2関連付け情報は、ポジション情報が含む募集条件と、管理対象者の登録情報との一致の度合いを示すマッチング指標を含むとよい。これにより、ポジション情報が対象とするポジションへの候補者の選択、抽出等を、管理者が客観的な指標を用いて行うことができる。
【0069】
マッチング指標は、例えば、ポジション情報のベクトルデータと、管理者登録情報のベクトルデータとの類似度(例えばコサイン類似度)として算出される。ベクトルデータは、ポジション情報(特に募集条件)及び管理者登録情報それぞれを、形態素解析等による自然言語処理、カテゴリ変数のエンコーディング等の既知の手法によって定量化したベクトル値である。
【0070】
また、マッチング指標は、例えば、管理対象者に付与されたタグと、タグの重み付けスコアとに基づいて算出されてもよい。例えば、管理部114は、募集条件に含まれるタグに対応するタグが付された管理対象者に、当該タグに設定された重み付けスコアをマッチング指標として付与する。募集条件に含まれる複数のタグそれぞれに対応する複数のタグが付された管理対象者には、当該複数のタグそれぞれの重み付けスコアの合計がマッチング指標とされる。タグの重み付けスコアは、情報処理システム1の設定管理者等によって、タグごとに予め設定される。
【0071】
また、管理部114は、募集条件に含まれるタグと一致するタグの数によって、管理対象者のマッチング指標を算出してもよい。例えば、募集条件に含まれるタグの数が10の場合に、これらのタグのうち、8のタグと一致するタグが付された管理対象者のマッチング指標は、80%とされる。
【0072】
さらに、管理部114は、管理対象者登録情報と募集条件とをマッチング指標算出モデルに入力し、マッチング指標算出モデルにマッチング指標を出力させてもよい。マッチング指標算出モデルは、管理対象者登録情報と募集条件とを入力とし、マッチング指標を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、マッチング指標算出モデルは、管理対象者登録情報及び募集条件と、それに対応するマッチング指標のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、マッチング指標算出モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、管理部114は、管理対象者登録情報と募集条件とを入力とし、当該管理対象者登録情報と当該募集条件とに基づいてマッチング指標を作成する指示を含むプロンプトをマッチング指標算出モデルに入力し、マッチング指標をマッチング指標算出モデルに出力させる。また、管理部114は、マッチング指標の算出・出力指示と管理対象者登録情報及び募集条件とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上の管理対象者登録情報及び募集条件のサンプルと、それに対応する1以上のマッチング指標のサンプルとを挿入したプロンプトをマッチング指標算出モデルに入力してもよい。
【0073】
マッチング指標は、管理対象者の登録情報におけるカテゴリごとの一致の度合いを示すサブマッチング指標を含んでもよい。管理対象者登録情報におけるカテゴリには、例えば、経歴、職務、学歴、スキル等の項目が含まれる。例えば、「経歴」カテゴリのサブマッチング指標は、募集条件における経歴に関する情報(「経験」カテゴリに記載された事項)と、管理対象者登録情報の経歴に関する情報との一致の度合いを示す。サブマッチング指標は、マッチング指標と同様の手順で算出される。例えば、サブマッチング指標は、ポジション情報の該当カテゴリの内容のベクトルデータと、管理者登録情報の該当カテゴリの内容のベクトルデータとの類似度として算出される。なお、マッチング指標は、複数のサブマッチング指標の平均値として算出されてもよい。
【0074】
さらに、管理部114は、マッチング指標を含む第2関連付け情報に基づいて、組織データベースに含まれる管理対象者の中から、ポジション情報が対象とするポジションへの候補者を管理者に提示するとともに、候補者のポジション情報に対するマッチング指標を管理者端末20に表示させるとよい。これにより、管理対象者の中から抽出された候補者から、マッチング指標に基づいて管理者が適切な人材を選択することができるため、管理者の人材検索の手間が削減される。例えば、管理部114は、マッチング指標が予め定めた閾値(例えば50%)を超える管理対象者を候補者として管理者端末20に表示させる。
【0075】
図10は、管理者端末20に表示される候補者リストCLの一例を示す図である。候補者リストCLには、候補者ごとに、基本情報BIと、マッチング指標MIと、選択ボタンB41とが表示される。基本情報BIには、候補者の顔画像、氏名、所属等が含まれる。選択ボタンB41が入力操作されると、該当する候補者(管理対象者)が、「ポジション候補」として選択される。ポジション候補は、後述する組織内公募の対象者である。管理部114は、例えば、マッチング指標MIの高い順に、候補者を優先表示(例えばリスト上方へ表示)させる。
【0076】
管理部114は、管理者端末20から入力された、管理対象者の絞り込み条件によって候補者を絞り込んで提示してもよい。絞り込み条件は、管理対象者登録情報に特定のタグ、キーワード、数値等が含まれるか否かを判定する条件である。例えば、「リーダー」タグを有する、という絞り込み条件が設定されると、管理部114は、「リーダー」タグが付されている、絞り込み条件を充足する管理対象者のみを候補者として提示する(つまり、候補者リストCLに表示する)。また、管理部114は、マッチング指標の範囲(下限値)、又は各サブマッチング指標の範囲(下限値)に基づく絞り込み条件によって候補者を絞り込んでもよい。
【0077】
さらに、管理部114は、サブマッチング指標が設定されている複数のカテゴリのうち、管理者が選択した優先カテゴリのサブマッチング指標の大きさに基づいて、候補者の優先表示度を設定してもよい。例えば、管理者端末20によって「経歴」が優先カテゴリとして選択された場合、管理部114は、「経歴」のサブマッチング指標が大きい順に候補者を管理者端末20に表示させる。特に、管理部114は、スキルにおけるサブマッチング指標の大きい順に候補者を管理者端末20に表示させるとよい。これにより、スキルを重視した人材検索が行いやすくなる。また、管理部114は、指定された(優先表示度を決定する)サブマッチング指標、又は全てのサブマッチング指標を候補者リストCLに表示させてもよい。
【0078】
管理部114は、入力情報の入力を受け付ける画面と、管理対象者の中から抽出された候補者を表示させる画面とを同時に管理者端末20に表示させてもよい。
図11は、入力情報の受付画面PDのさらに別の例を示す図である。
図11の受付画面PDは、
図7の受付画面PDの右領域に、候補者リストCLを表示する領域を設けたものである。候補者リストCLには、ポジション情報表示フィールドPFに表示されるポジション情報(募集条件)に対応する候補者(例えば、マッチング指標が閾値を超える管理対象者)が表示される。
【0079】
管理部114は、候補者リストCLが表示された状態で、募集条件の修正を受け付けてもよい。例えば、管理部114は、
図11の受付画面PDにおいて、部署名P1、概要P2、募集要件P3、又は職務・責任P4の文章に対する編集、スキルP5における各タグTGに対する選択又は解除の入力等を受け付けてもよい。管理部114は、修正された募集条件に基づいて、関連付け情報(マッチング指標等)を更新する。また、管理部114は、更新した関連付け情報に基づいて、候補者リストCLを更新して表示させる。そのため、受付画面PDにおいて募集条件の修正がされると、即時的に候補者リストCLが更新される。
【0080】
また、候補者リストCLの各管理対象者のテキスト又はアイコン(例えば、氏名、所属部署等のテキスト、顔画像など)に対する入力操作により、管理部114は、当該管理対象者の詳細情報(管理者対象情報に含まれる情報)を管理者端末20に表示させる。
【0081】
管理部114は、マッチング指標を含む第2関連付け情報に基づいて、ポジション情報における募集条件の修正を管理者に提示するとよい。例えば、管理部114は、複数の管理対象者のマッチング指標の代表値(最大値、平均値、中央値等)が一定値以上となるように、緩和した募集条件の内容を提示する。また例えば、管理部114は、マッチング指標が予め定めた目標値以上の管理対象者の人数が、予め定めた閾値を超えるように、緩和した募集条件の内容を提示する。募集条件の緩和は、例えば、必要なスキルの削除、経験年数の低減、想定年収のレンジの拡張等である。これにより、マッチング指標が高い管理対象者が多くなるように、又はマッチング指標の最大値が高くなるように、管理対象者が募集条件を修正することができる。募集条件の修正内容は、例えば、候補者リストCLとともに、管理者端末20に表示される。
【0082】
また、管理部114は、マッチング指標の代表値と募集条件とを募集条件修正モデルに入力し、募集条件修正モデルに募集条件の修正事項(又は修正された募集条件)を出力させてもよい。マッチング指標の代表値は、複数の管理対象者(全ての管理対象者、又は絞り込みされた管理対象者)のマッチング指標の分布における最大値、平均値、中央値等である。募集条件修正モデルは、マッチング指標の代表値と募集条件とを入力とし、募集条件の修正事項を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、募集条件修正モデルは、マッチング指標の代表値及び募集条件と、それに対応する募集条件の修正事項(又は修正された募集条件)のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。また、募集条件修正モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、管理部114は、マッチング指標の代表値と募集条件とを入力とし、当該代表値と当該募集条件とに基づいて募集条件を修正する指示を含むプロンプトを募集条件修正モデルに入力し、修正された募集条件を募集条件修正モデルに出力させる。また、管理部114は、募集条件の修正・出力指示とマッチング指標の代表値及び募集条件とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上のマッチング指標の代表値及び募集条件のサンプルと、それに対応する1以上の修正された募集条件のサンプルとを挿入したプロンプトを募集条件修正モデルに入力してもよい。
【0083】
管理部114は、募集条件の修正の提示後、管理者端末20から募集条件の修正を受け付ける。また、管理部114は、提示していない募集条件の修正や、募集条件の追加(例えば、スキル等のタグの追加、想定年収レンジの設定など)等を受け付けてもよい。管理部114は、修正された募集条件を含むポジション情報をデータベースに登録する。
【0084】
関連付け情報は、ポジション情報が含む募集条件と、組織外の求職者が登録された求職者データベースに含まれる求職者の登録情報との一致の度合いを示すマッチング指標をさらに含むとよい。管理部114は、求職者のマッチング指標を含む関連付け情報に基づいて、求職者の中から、ポジション情報で募集されるポジションへの候補者を管理者に提示するとよい。これにより、求職者の中から抽出された候補者から、マッチング指標に基づいて管理者が適切な人材をスカウトすることができるため、管理者の人材検索の手間が削減される。例えば、管理部114は、マッチング指標が予め定めた閾値(例えば50%)を超える求職者を候補者として管理者端末20に表示させる。また、管理部114は、求職者から抽出された候補者のポジション情報に対するマッチング指標を管理者端末20に表示させるとよい。
【0085】
管理部114は、管理対象者から抽出された候補者(つまり組織内候補者)と、求職者から抽出された候補者(つまり組織外候補者)とを同時に管理者に提示してもよい。また、管理部114は、組織内候補者を表示した候補者リストCLとともに、組織外候補者の人数を管理者端末20に表示させてもよい。
【0086】
管理部114は、求職者のマッチング指標に基づいて、ポジション情報における募集条件の修正を管理者に提示してもよい。例えば、管理部114は、複数の求職者のマッチング指標の代表値(最大値、平均値、中央値等)が一定値以上となるように、緩和した募集条件の内容を提示する。また例えば、管理部114は、マッチング指標が予め定めた目標値以上の求職者の人数が、予め定めた閾値を超えるように、緩和した募集条件の内容を提示する。求職者のマッチング指標に基づく募集条件の修正手順は、管理対象者のマッチング指標に基づく募集条件の修正手順と同じである。
【0087】
管理部114は、管理対象者に対し、当該管理対象者の登録情報に対するマッチング指標が予め定めた閾値を超えるポジション情報を提示するとよい。すなわち、管理部114は、マッチング指標が条件を満たす管理対象者の管理対象者端末30に、当該マッチング指標に対応するポジション情報を表示又は通知させる。これにより、管理対象者が自身に適正のある募集ポジションを知ることができるため、管理対象者による募集ポジションへの応募を促すことができる。
【0088】
図12は、管理対象者端末30に表示される社内公募サジェスト画面PSの一例を示す図である。社内公募サジェスト画面PSは、例えば、管理対象者の個人ページ(各管理対象者の登録情報の入力、表示及び編集を行う画面)内に表示される。社内公募サジェスト画面PSは、社内公募リストPLと、一覧表示ボタンB51とを含む。
【0089】
社内公募リストPLには、個人ページを閲覧している(つまり、情報処理システム1のサービスにログインしている)管理対象者のマッチング指標が予め定めた閾値(例えば50%)を超えるポジション情報が、第2関連付け情報(マッチング指標)とともにリスト表示される。個人ページは、例えば管理対象者登録情報を閲覧及び管理するダッシュボード等である。社内公募リストPLには、例えば、ポジション情報のポジション名と、マッチング指標と、イメージ画像(イメージアイコン)とが表示される。管理対象者が、リストの中から任意のポジション情報を選択操作すると、当該ポジション情報への応募画面、又は当該ポジション情報(募集条件)の詳細が管理対象者端末30に表示される。なお、マッチング指標の表示形式は、数字に限定されず、マッチング指標の大きさを表すゲージ、バー、グラフ等の図形であってもよい。
【0090】
応募画面は、選択されたポジション情報に対応する応募ポジションへの応募を受け付ける画面である。管理部114は、応募画面において、例えば、応募者の基本情報(氏名、ID、メールアドレス、所属部署等)と、後述する人材管理文書との入力を受け付ける。
【0091】
また、一覧表示ボタンB51が入力操作されると、社内公募リストPLに含まれない(つまりマッチング指標が閾値を超えない)ポジション情報も含まれる、管理対象者が閲覧可能な全てのポジション情報を表示する一覧画面が管理対象者端末30に表示される。管理対象者は、一覧画面において、ポジション情報の絞り込み、検索等を実行することができる。
【0092】
管理部114は、管理対象者登録情報に基づいて、当該管理対象者の人材管理文書を作成してもよい。人材管理文書は、複数の文書構成要素で構成される。文書構成要素は、管理対象者登録情報に含まれるキーワードである第1文書構成要素と、管理対象者登録情報に基づいて作成された文章を含む第2文書構成要素とを含む。
【0093】
管理対象者登録情報からの第1文書構成要素の抽出は、管理対象者登録情報と第1文書構成要素との相関関係を含む第1参照情報を参照することで行われる。第1参照情報としては、例えば、抽出項目リストが用いられる。抽出項目リストには、例えば、部署、職務・・・等の項目ごとの候補(サンプル)が記載され、管理部114は、各項目に対応するキーワードを登録情報から抽出し、第1文書構成要素とする。したがって、第1文書構成要素は、複数のキーワードを含みうる。
【0094】
また、第1参照情報として、管理対象者登録情報を入力とし、第1文書構成要素を出力とするように学習(機械学習又はファインチューニング)された学習モデルであるキーワード抽出モデルが用いられてもよい。
【0095】
第2文書構成要素は、管理対象者登録情報に含まれるキーワードを用いて新たに作成された文章を含む。第2文書構成要素は、管理対象者登録情報に含まれる文章の要約、管理対象者登録情報に含まれるキーワードを用いて再構築された文章、又は管理対象者登録情報に含まれるキーワードを用いて新たに構築された文章である。
【0096】
管理対象者登録情報に含まれる文章の要約の作成は、管理対象者登録情報と第2文書構成要素(要約)との相関関係を含む第2参照情報を参照することで行われる。第2参照情報としては、例えば、管理対象者登録情報を入力とし、第2文書構成要素を出力とするように学習された学習モデルである要約作成モデルが用いられる。
【0097】
図13は、人材管理文書MDの一例を示す図である。人材管理文書MDには、ヘッダHDと、複数の文書構成要素(第1文書構成要素DC1及び第2文書構成要素DC2)とが含まれる。ヘッダHDには、管理者対象者の氏名、顔写真、所属等が記載される。
【0098】
文書構成要素には、管理対象者の組織における職務要約が含まれるとよい。「職務要約」は、管理対象者の組織内での職務の経歴を記述したものである。職務要約には、例えば所定期間ごとに、部署、役割又は職種、業務内容、成果又は実績等が記述される。また、職務要約には、管理対象者の性格、特徴、コンディション等の属性の時期的変化を示す時系列データが含まれてもよい。
【0099】
管理部114は、所定期間の職務要約が指定された表示領域内に収まるように、職務要約を作成するとよい。これにより、管理者端末20に表示される画面を移動(スクロール)させる操作を減らしつつ、管理者が職務経歴をより容易に把握することができる。「所定期間」は、人材管理文書の作成者(編集者)によって設定可能であり、例えば、現在から3年前である。所定期間を現在から比較的近い過去までの期間とすることで、優先度の低い古い情報の人材管理文書への反映が抑制される。「指定された表示領域」は、例えば、管理者端末20又は管理対象者端末30の画面に1ページで表示可能な領域である。管理部114は、指定された表示領域に収まるように、項目の数、文字の大きさ、情報量等を調整する。
【0100】
文書構成要素には、管理対象者が組織に属する前の情報が含まれるとよい。例えば、管理部114は、管理対象者登録情報に含まれる管理対象者が組織に属する前の情報(採用時の情報)を要約した第2文書構成要素DC2を生成し、人材管理文書に配置する。
【0101】
文書構成要素には、管理対象者の属性情報に関するタグが含まれるとよい。「管理対象者の属性情報」とは、例えば、管理対象者のポジション、経歴、経験、スキル、資格等を示す情報である。管理部114は、例えば、管理対象者登録情報に含まれるキーワード又は第1文書構成要素のうち、予め指定した属性情報を表すものをタグ化する。具体的には、管理部114は、予め複数のタグを記述したタグリストを用意し、当該タグリストの中から管理対象者登録情報又は文書構成要素に対応するタグワードを抽出し、管理対象者登録情報又は文書構成要素をタグ化する。ここで、タグリストとは、一以上のタグワードが記載されたリストである。
図13の例では、「経験/スキル」の項目に、経験職種及び保有スキルを示すタグTGが含まれている。タグTGは、求職者登録情報に付与されるタグと共通のものであるとよい。
【0102】
<求人票作成部115>
求人票作成部115は、情報作成部113が作成したポジション情報(管理者によって修正されたポジション情報を含む)に基づいて、組織内向けの求人票及び/又は組織外向けの求人票を作成するように構成される。求人票は、募集するポジション名、仕事内容・労働条件(年収、職種、業種、勤務地等)、応募資格、アピールポイント等の複数の項目を含む文書である。また、求人票には、求人のタイトル、見出し、求人者(組織)の情報(会社規模(売上、従業員数等)、業種など)等、これら以外の他の項目が含まれてもよい。
【0103】
具体的には、求人票作成部115は、ポジション情報を学習モデルである求人票作成モデルに入力し、求人票作成モデルにポジション情報が対象とするポジションに対応した求人票を出力させる。これにより、応募ポジションに対する応募者を募集するための求人票を作成する工数が削減できるとともに、ポジション情報に応じた適切な求人票を作成することができる。求人票作成部115が作成した求人票は、ポジション情報と関連付けられて、データベースに登録される。
【0104】
求人票作成部115は、求人票作成モデルに、求人票としての第1求人票と第2求人票とを出力させるとよい。ここで、第2求人票に含まれる情報又は当該情報が公開される範囲は、第1求人票に含まれる情報又は当該情報が公開される範囲とは異なる。これにより、募集の対象者に応じた複数の種類の求人票を、1つのポジション情報から作成することができるため、応募ポジションへの募集効率が高められる。
【0105】
また、求人票作成部115は、求人票作成モデルに、組織データベースに含まれる管理対象者を対象とする組織内公募用の求人票(第1求人票)を出力させるとよい。これにより、ポジション情報から、社内公募用の求人票を作成することができるため、募集ポジションへの管理対象者からの応募、又は募集ボジションに適した管理対象者とのマッチングを効率的に促進させることができる。
【0106】
さらに、求人票作成部115は、求人票作成モデルに、組織外の求職者が登録された求職者データベース組織に含まれる求職者を対象とする外部向けの求人票(第2求人票)を出力させるとよい。これにより、ポジション情報から、外部向けの求人票を作成することができるため、募集ポジションへの求職者からの応募、又は募集ボジションに適した求職者とのマッチングを効率的に促進させることができる。
【0107】
第1求人票の作成及び第2求人票の作成は、例えば、管理者端末20からの指示に基づいて実行される。管理者端末20において第1求人票の作成指示が入力されると、求人票作成部115は、第1求人票を作成する。また、管理者端末20において第2求人票の作成指示が入力されると、求人票作成部115は、第2求人票を作成する。求人票作成部115は、例えば、管理者端末20に、第1求人票の作成を指示するためのオブジェクト(例えばボタン)と、第2求人票の作成を指示するためのオブジェクトとを含む選択画面を表示させる。求人票作成部115は、いずれかのオブジェクトに対する入力操作によって、第1求人票又は第2求人票の作成指示を受け付ける。
【0108】
第1求人票は、第2求人票よりも公開範囲(閲覧可能な対象者の範囲)が狭い。例えば、第1求人票は、組織内、又は組織内の一部の対象者のみに公開され、第2求人票は、組織内と組織外とに公開される。
【0109】
また、第1求人票と第2求人票とでは、記載される項目が異なる。例えば、第1求人票には、組織の紹介は記載されないが、第2求人票には、組織の紹介が記載される。第1求人票には、想定年収の直接の記載がなく、替わりに年収のグレードやレンジが記載可能であるが、第2求人票には想定年収が直接記載される。第1求人票には、必要な組織内のグレード(職級等)、及び関連部署(配属先)が記載可能であるが、第2求人票にはこれらの記載は含まれない。第1求人票には、必要なスキルが組織内のスキルリストと連携して記載可能であるが、第2求人票では、必要なスキルは自由記述される。第1求人票には、リスキリングの文脈として、身につくスキルが組織内のスキルリストと連携して記載可能であるが、第2求人票では、このような記載は含まれない。第1求人票には、レポートラインが記載されるが、第2求人票には、レポートラインは記載されない。
【0110】
さらに、第1求人票と第2求人票とでは、使用されるワード、情報等も異なる。例えば、第1求人票では、募集要件、責務等の項目において、組織内用語(組織で独自に用いられるワード)、組織外に公開されていない情報等が含まれ得る。一方、第2求人票では、組織内用語は使用されず、また、組織外に公開されている情報のみが含まれる。
【0111】
求人票作成モデルは、ポジション情報(募集条件)を入力とし、ポジション情報が対象とするポジションに対応した求人票を出力とするように学習された学習モデルである。つまり、求人票作成モデルは、ポジション情報と、それに対応する求人票のデータとを教師データとして学習した学習モデルである。
【0112】
求人票作成モデルは、第1求人票を出力するように学習された第1求人票作成モデルと、第2求人票を出力するように学習された第2求人票作成モデルとを含んでもよい。この場合、求人票作成部115は、第1求人票を作成する場合は、ポジション情報を第1求人票作成モデルに入力し、第2求人票を作成する場合は、ポジション情報を第2求人票作成モデルに入力する。また、求人票作成モデルは、1つのポジション情報の入力により、第1求人票と第2求人票とを出力するように学習されてもよい。
【0113】
また、求人票作成モデルは、大規模言語モデルを含む生成AIであってもよい。この場合、求人票作成部115は、ポジション情報を入力とし、当該ポジション情報に基づいて求人票(第1求人票及び/又は第2求人票)を作成する指示を含むプロンプトを求人票作成モデルに入力し、求人票を求人票作成モデルに出力させる。また、求人票作成部115は、求人票の作成・出力指示とポジション情報とに加え、入力及び出力のサンプルとして、例えば、1以上のポジション情報のサンプルと、それに対応する1以上の求人票のサンプルとを挿入したプロンプトを求人票作成モデルに入力してもよい。
【0114】
さらに、求人票作成部115は、作成した求人票に基づいて、管理対象者又は求職者に対するスカウト文書を作成してもよい。求人票作成部115は、例えば、求人票を入力とし、スカウト文書を出力とするように学習されたスカウト文書作成モデルに、求人票を入力することでスカウト文書を作成する。スカウト文書の作成は、例えば、管理者端末20によるスカウト文書の作成指示(スカウト文書の送信先の入力)に基づいて実行される。スカウト文書の対象者は、例えば、
図10の候補者リストCLから選択することができる。
【0115】
<検索部116>
検索部116は、組織データベースを対象に、任意の管理対象者を検索するように構成される。検索部116は、通常のキーワード、数値、タグ等の検索条件に基づく検索に加えて、ポジション情報に含まれる募集条件を検索条件とした、組織データベースからの受付部112が受け付けた入力情報(人材名、職務情報又はこれらを変換した二次情報)に関連する管理対象者の検索を実行する。これにより、管理者が入力情報を入力することによって、募集条件を満たす管理対象者を検索することができるため、募集ポジションに適切な管理対象者を効率よく検索できる。
【0116】
検索部116は、入力情報から情報作成部113によって作成された募集条件を一定以上満たす(例えば、マッチング指標が閾値を超える)管理対象者を検索結果として表示させる。また、検索部116は、検索結果において、各管理対象者のマッチング指標及び/又はサブマッチング指標を表示させるとよい。
【0117】
図14は、管理者端末20に表示される検索結果リストSLの一例を示す図である。検索結果リストSLには、検索された管理対象者ごとに、基本情報BIと、マッチング指標MIと、検出ワード表示欄DFとが表示される。基本情報BIには、管理対象者の顔画像、氏名、所属、ポジション、ラベル等が含まれる。ラベルは、スキル、パフォーマンス等の属性を示す情報である。
【0118】
検出ワード表示欄DFには、管理対象者登録情報のうち、入力情報(検索ワード)と一致するワードが含まれている項目と、該当するワード又はワードを含む文章とが表示される。また、検出ワード表示欄DFにおいて、入力情報(
図14の例では「プロダクトデザイナー」及び「新規事項」)と一致するワードは、強調表示(例えば着色、太字化等)される。したがって、検索部116は、受付部112が受け付けた入力情報から作成された募集条件に基づいて管理対象者を検索しつつ、入力情報と一致するワードを管理対象者登録情報から抽出して表示させる。また、検索部116は、例えば、マッチング指標MIの高い順に、管理対象者を優先表示(例えばリスト上方へ表示)させる。なお、マッチング指標の表示形式は、数字に限定されず、マッチング指標の大きさを表すゲージ、グラフ等の図形であってもよい。
【0119】
管理者は、検索結果リストSLに含まれる任意の管理対象者を選択することで、当該管理対象者に対するスカウト文書の作成及び送信を行うことができる。
【0120】
検索部116は、チャット形式によって、入力情報又は検索条件と、検索の指示との入力を逐次的に受け付けてもよい。検索部116は、例えば、検索結果とチャットを行う領域とを並べて管理者端末20に表示させる。
【0121】
図15は、管理者端末20に表示される検索画面SDの一例を示す図である。検索画面SDは、情報表示画面ISと、チャット画面CSとを含む。情報表示画面ISは、チャット画面CSへ入力された指示に対する処理結果(例えば
図14の検索結果リストSL)を表示する領域である。
【0122】
チャット画面CSは、検索部116が種々の入力を管理者端末20から受け付けるとともに、その応答を表示する領域である。チャット画面CSは、情報表示画面ISと左右に並んで(具体的には情報表示画面ISの右側に)、情報表示画面ISと同時に表示される。チャット画面CSには、管理者端末20によって管理者が入力したユーザメッセージM1と、ユーザメッセージM1に対する応答メッセージM2とが表示されるメッセージ表示領域MFと、管理者がメッセージを入力する入力欄IFとが含まれる。
【0123】
検索部116は、ユーザが入力したユーザメッセージM1をプロンプトとして人工知能部120のチャットモデル(大規模言語モデルを含む生成AI)に入力し、チャットモデルに応答メッセージM2を出力させる。ここで、チャットモデルは、ユーザからのチャット形式でのメッセージに対して、適切な応答を返すことができる言語モデルである。このチャットモデルは、例えば、ポジション情報作成モデルを含む。
【0124】
情報表示画面ISは、チャット画面CSにおけるユーザメッセージM1(ユーザからの入力)に含まれる指示に基づいて、制御部11の各部による処理が行われた結果(処理結果)が表示される。
図15の例では、入力情報(又は検索条件)として「新規事業」の入力が最初のユーザメッセージM1によって実行される。これに伴い、「新規事業」から作成されたポジション情報に該当する(マッチング指標が高い)管理対象者が情報表示画面ISに表示されるとともに、検索件数が応答メッセージM2として表示される。さらに、2つめのユーザメッセージM1によって、入力情報にさらに「プロダクトデザイナー」の追加(つまり絞り込み)が行われる。これに伴い、新たな入力情報による管理対象者の再検索が実行され、情報表示画面ISが更新されるとともに、新たな検索件数が応答メッセージM2として表示される。
【0125】
なお、検索部116は、求職者データベースを対象に、任意の求職者を検索するように構成されてもよい。検索部116は、通常のキーワード、数値、タグ等の検索条件に基づく検索に加えて、ポジション情報に含まれる募集条件を検索条件とした、組織データベースからの受付部112が受け付けた入力情報(人材名、職務情報又はこれらを変換した二次情報)に関連する求職者の検索を実行する。また、検索部116は、求職者の検索においても管理対象者の検索と同様のチャット形式によって、入力情報又は検索条件と、検索の指示との入力を逐次的に受け付けてもよい。
【0126】
また、管理者は、検索部116による求職者の検索結果に含まれる任意の求職者を選択することで、当該求職者に対するスカウト文書の作成及び送信を行うことができる。
【0127】
さらに、検索部116は、組織データベースと外部の求職者データベースとの双方を対象に、ポジション情報に含まれる募集条件を検索条件として、組織データベース及び求職者データベースの双方から入力情報に関連する管理者対象者及び求職者を検索してもよい。すなわち、検索部116は、募集条件に基づいて管理者対象者と求職者とを同時に検索してもよい。この場合、検索結果には、管理者対象者及び求職者の双方が含まれる。
【0128】
<人工知能部120>
人工知能部120は、各機能部から入力を受け付け、指示された出力を返すように構成されている。なお、サーバ装置10が各機能部において使用する人工知能は、共通のものであってもよいし、機能部毎に個別に用意されたものであってもよい。
【0129】
人工知能部120は、GPT(Generative Pretrained Transformer、GPT-1、GPT-2、GPT-3を含む)、BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)、BART(Bidirectional and Auto-regressive Transformer)等を含むトランスフォーマ(Transformer)や再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network(RNN))等の言語モデル等を備えるAI(Artificial Intelligence)であって、生成AIを含む。
【0130】
言語モデルは、機械学習アルゴリズムによる学習モデルの一例である。機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークを利用した深層学習(ディープラーニング)等が挙げられる。人工知能部120は、上記のアルゴリズムを適宜適用することができる。
【0131】
人工知能部120は、教師あり学習、教師なし学習、又は自己教師あり学習等の学習方法によって構築された学習済みモデルを有する。教師あり学習では、教師データ(学習データ)を用いて機械学習を行う。教師データは、学習用の入力データ及び出力データ(正解データ)のペアで構成される。また、言語モデルは、特定のタスクのために訓練されたものだけでなく、幅広いタスクに対して汎用的に用いることができる汎用モデルであってもよい。
【0132】
人工知能部120は、人工知能として、膨大なデータを学習した大規模言語モデル(Large Language Models(LLM))のような汎用的な自然言語処理の学習モデルを含む。このような汎用的な学習モデルは、One-shot LearningやFew-shot Learning等により、ファインチューニングなしで様々なタスクに対応可能な言語モデルを含む。また、汎用的な学習モデルは、Zero-shot Learningによっても、様々なタスクに対応可能である。制御部11の各機能部において用いられる人工知能は、それぞれ別個の学習モデルであってもよいし、共通した汎用的な学習モデルであってもよい。
【0133】
人工知能部120に含まれる学習モデルは、追加の学習を行うことが可能である。例えば、人工知能部120は、作成されたポジション情報が、管理者等によって修正されたか否かを学習する。つまり、人工知能部120は、学習モデルが作成したポジション情報に対するフィードバックとして、ポジション情報に実際の修正結果をラベル付けした教師データセットを用いて、追加の学習を行い、ファインチューニングされる。これにより、学習モデルから出力されるポジション情報が最適化される。
【0134】
<表示部>
管理者端末20の表示部211、管理対象者端末30の表示部311及び求職者端末40の表示部411は、それぞれ、サーバ装置10から送信されてきた画面データが示す画面を表示する。
【0135】
<操作受付部>
管理者端末20の操作受付部212は、管理者端末20を利用するユーザ(管理者)による操作を受け付ける。管理対象者端末30の操作受付部312は、管理対象者端末30を利用するユーザ(管理対象者)による操作を受け付ける。求職者端末40の操作受付部412は、求職者端末40を利用するユーザ(求職者)による操作を受け付ける。
【0136】
3.情報処理方法
本節では、サーバ装置10の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、サーバ装置10の各部が、各ステップとしてコンピュータにより実行される。
【0137】
この情報処理方法には、第1実施形態と、第2実施形態とが含まれる。第1実施形態の情報処理方法は、受付ステップと、情報作成ステップと、管理ステップと、求人票作成ステップとを備える。受付ステップでは、人材名及び職務情報の少なくとも一方を入力情報として受け付ける。情報作成ステップでは、入力情報と参照情報とに基づいて、関連組織、募集要件、及び職務内容の少なくとも1つを募集条件として含むポジション情報を作成する。管理ステップでは、ポジション情報と、組織データベースに含まれる組織又は管理対象者に関する組織情報とを関連付けて管理するための関連付け情報を生成する。求人票作成ステップでは、ポジション情報を学習モデルである求人票作成モデルに入力し、求人票作成モデルにポジション情報が対象とするポジションに対応した求人票を出力させる。
【0138】
図16は、情報処理システム1によって実行される第1実施形態の情報処理(ポジション情報に基づく求人票の作成処理)の流れを示すアクティビティ図である。以下では、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、情報処理を説明する。
【0139】
ポジション情報に基づく求人票の作成処理は、管理者が管理者端末20から入力情報を入力することから開始される(アクティビティA101)。サーバ装置10は、管理者端末20から送信された入力情報を受け付ける(アクティビティA102)。続いて、サーバ装置10は、入力情報に基づいてポジション情報を作成する(アクティビティA103)。
【0140】
ポジション情報の作成後、サーバ装置10は、ポジション情報に基づいて関連付け情報を生成する(アクティビティA104)。続いて、サーバ装置10は、生成した関連付け情報を管理者端末20に出力する(アクティビティA105)。これにより、管理者端末20に関連付け情報が表示される(アクティビティA106)。なお、関連付け情報(マッチング指標等)は、管理対象者端末30にも出力される。
【0141】
管理者は、管理者端末20において、表示された関連付け情報を参照してポジション情報に対する、組織内向け及び/又は組織外向けの求人票の作成を指示する(アクティビティA107)。サーバ装置10は、求人票の作成指示を受けて、ポジション情報に基づいた求人票を作成する(アクティビティA108)。求人票の作成後、サーバ装置10は、求人票を管理者端末20に送信する(アクティビティA109)。これにより、管理者端末20に求人票が表示される(アクティビティA110)。なお、求人票は、管理対象者端末30及び/又は求職者端末40にも出力される。
【0142】
第2実施形態の情報処理方法は、受付ステップと、情報作成ステップと、管理ステップと、検索ステップとを備える。受付ステップでは、人材名及び職務情報の少なくとも一方を入力情報として受け付ける。情報作成ステップでは、入力情報と参照情報とに基づいて、関連組織、募集要件、及び職務内容の少なくとも1つを募集条件として含むポジション情報を作成する。管理ステップでは、ポジション情報と、組織データベースに含まれる組織又は管理対象者に関する組織情報とを関連付けて管理するための関連付け情報を生成する。検索ステップでは、募集条件を検索条件として、組織データベースから入力情報に関連する管理対象者を検索する。
【0143】
図17は、情報処理システム1によって実行される第2実施形態の情報処理(管理対象者の検索処理)の流れを示すアクティビティ図である。以下では、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、情報処理を説明する。
【0144】
管理対象者の検索処理は、管理者が管理者端末20から入力情報を入力することから開始される(アクティビティA201)。サーバ装置10は、管理者端末20から送信された入力情報を受け付ける(アクティビティA202)。続いて、サーバ装置10は、入力情報に基づいてポジション情報を作成する(アクティビティA203)。
【0145】
ポジション情報の作成後、サーバ装置10は、ポジション情報に基づいて関連付け情報を生成する(アクティビティA204)。続いて、サーバ装置10は、ポジション情報に含まれる募集条件を検索条件として、管理対象者を検索する(アクティビティA205)。その後、サーバ装置10は、管理対象者の検索結果を関連付け情報(マッチング指標)とともに管理者端末20に出力する(アクティビティA206)。これにより、管理者端末20に管理対象者の検索結果が関連付け情報とともに表示される(アクティビティA207)。
【0146】
4.作用
本実施形態の作用をまとめると、次の通りとなる。すなわち、例えば、募集するポジションに在籍している人材名、又は募集するポジションに関する職務情報を入力することで、必要な募集条件を含むポジション情報が効率よく作成できる。また、ポジション情報の組織データベースに対する関連付け情報が生成されることで、作成されたポジション情報に対する状況把握、必要なアクションの実行等の管理が容易となる。
【0147】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0148】
5.その他
上記実施形態では、サーバ装置10が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ装置10に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、種々の情報やプログラムは、ブロックチェーン技術等を用いて複数の外部装置に分散して記憶されてもよい。特に、人工知能部120は、サーバ装置10の外部構成であってもよい。その場合、外部構成である人工知能部120は、サーバ装置10の各機能部から入力を受け付け、指示された出力をサーバ装置10に返すように構成される。
【0149】
情報作成部113が使用する参照情報は、必ずしも学習されたモデルでなくてもよい。例えば、参照情報は、職務情報から抽出される特徴量(ベクトルデータ)と、ポジション情報に含まれる項目との相関関係が記述された、テーブル、関数、単純アルゴリズム等であってもよい。これらの参照情報は、例えば、実際の不特定多数のポジション情報から職務情報を抽出し、記録することで構築される。
【0150】
本実施形態の態様は、情報処理システム1に限定されず、情報処理方法であっても、プログラムであってもよい。情報処理方法は、情報処理システム1が実行する各ステップを備える。プログラムは、コンピュータに、情報処理システム1の各ステップを実行させる。
【0151】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0152】
(1)情報処理システムであって、プロセッサを備え、前記プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成され、受付ステップでは、人材名及び職務情報の少なくとも一方を含む入力情報を受け付け、ここで、前記人材名は、組織に従事する管理対象者が登録された組織データベースに含まれる前記管理対象者の氏名であり、前記職務情報は、職務に関連する語句を含んだ単語又は文であり、情報作成ステップでは、前記入力情報と参照情報とに基づいて、関連組織、募集要件、及び職務内容の少なくとも1つを募集条件として含むポジション情報を作成し、ここで、前記参照情報は、前記入力情報と前記募集条件との相関関係を含み、管理ステップでは、前記ポジション情報と、前記組織データベースに含まれる前記組織又は前記管理対象者に関する組織情報とを関連付けて管理するための関連付け情報を生成する、情報処理システム。
【0153】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記参照情報は、前記入力情報を入力とし前記ポジション情報を出力とすることが可能なように学習されたポジション情報作成モデルであり、前記情報作成ステップでは、前記入力情報を前記ポジション情報作成モデルに入力し、前記ポジション情報作成モデルに前記ポジション情報を出力させる、情報処理システム。
【0154】
(3)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記ポジション情報は、スキルを前記募集要件として含み、前記スキルは、予め用意されたスキルリストに登録されたスキルワードから選択される、情報処理システム。
【0155】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記関連付け情報は、前記ポジション情報が対象とするポジションの現任者、候補者、充足率、及び選考状況の少なくとも1つを含む、情報処理システム。
【0156】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記関連付け情報は、前記ポジション情報が含む前記募集条件と、前記管理対象者の登録情報との一致の度合いを示すマッチング指標を含む、情報処理システム。
【0157】
(6)上記(5)に記載の情報処理システムにおいて、前記管理ステップでは、前記関連付け情報に基づいて、前記組織データベースに含まれる前記管理対象者の中から、前記ポジション情報が対象とするポジションへの候補者を提示するとともに、前記候補者の前記ポジション情報に対する前記マッチング指標を表示させる、情報処理システム。
【0158】
(7)上記(5)又は(6)に記載の情報処理システムにおいて、前記管理ステップでは、前記関連付け情報に基づいて、前記ポジション情報における前記募集条件の修正を提示する、情報処理システム。
【0159】
(8)上記(5)から(7)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記管理ステップでは、前記管理対象者に対し、当該管理対象者の前記登録情報に対する前記マッチング指標が予め定めた閾値を超える前記ポジション情報を提示する、情報処理システム。
【0160】
(9)上記(5)から(8)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記関連付け情報は、前記ポジション情報が含む前記募集条件と、組織外の求職者が登録された求職者データベースに含まれる前記求職者の登録情報との一致の度合いを示すマッチング指標を含み、前記管理ステップでは、前記関連付け情報に基づいて、前記求職者の中から、前記ポジション情報で募集されるポジションへの候補者を提示する、情報処理システム。
【0161】
(10)上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、さらに次のステップを実行するように構成され、求人票作成ステップでは、前記ポジション情報を学習モデルである求人票作成モデルに入力し、前記求人票作成モデルに前記ポジション情報が対象とするポジションに対応した求人票を出力させる、情報処理システム。
【0162】
(11)上記(10)に記載の情報処理システムにおいて、前記求人票作成ステップでは、前記求人票作成モデルに、前記求人票としての第1求人票と第2求人票とを出力させ、ここで、前記第2求人票に含まれる情報又は当該情報が公開される範囲は、前記第1求人票に含まれる情報又は当該情報が公開される範囲とは異なる、情報処理システム。
【0163】
(12)上記(10)又は(11)に記載の情報処理システムにおいて、前記求人票作成ステップでは、前記求人票作成モデルに、前記組織データベースに含まれる前記管理対象者を対象とする組織内公募用の前記求人票を出力させる、情報処理システム。
【0164】
(13)上記(11)から(13)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記求人票作成ステップでは、前記求人票作成モデルに、組織外の求職者が登録された求職者データベース組織に含まれる前記求職者を対象とする外部向けの前記求人票を出力させる、情報処理システム。
【0165】
(14)上記(1)から(13)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記プロセッサは、さらに次のステップを実行するように構成され、検索ステップでは、前記募集条件を検索条件として、前記組織データベースから前記入力情報に関連する前記管理対象者を検索する、情報処理システム。
【0166】
(15)上記(14)に記載の情報処理システムにおいて、前記関連付け情報は、前記ポジション情報が含む前記募集条件と、前記管理対象者の登録情報との一致の度合いを示すマッチング指標を含み、前記マッチング指標は、前記管理対象者の前記登録情報におけるカテゴリごとの一致の度合いを示すサブマッチング指標を含む、情報処理システム。
【0167】
(16)情報処理方法であって、上記(1)から(15)のいずれか1つに記載の情報処理システムが実行する各ステップを備える、情報処理方法。
【0168】
(17)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)から(15)のいずれか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0169】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0170】
1 :情報処理システム
2 :通信回線
10 :サーバ装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :通信バス
20 :管理者端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :通信部
24 :入力部
25 :出力部
26 :通信バス
30 :管理対象者端末
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :入力部
35 :出力部
36 :通信バス
40 :求職者端末
41 :制御部
42 :記憶部
43 :通信部
44 :入力部
45 :出力部
46 :通信バス
111 :基本表示制御部
112 :受付部
113 :情報作成部
114 :管理部
115 :求人票作成部
116 :検索部
120 :人工知能部
211 :表示部
212 :操作受付部
311 :表示部
312 :操作受付部
411 :表示部
412 :操作受付部
【要約】
【課題】効率よく募集条件を作成し、管理することができる情報処理システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、プロセッサを備える。プロセッサは、次の各ステップを実行するように構成される。受付ステップでは、人材名及び職務情報の少なくとも一方を含む入力情報を受け付ける。人材名は、組織に従事する管理対象者が登録された組織データベースに含まれる管理対象者の氏名であり、職務情報は、職務に関連する語句を含んだ単語又は文である。情報作成ステップでは、入力情報と参照情報とに基づいて、関連組織、募集要件、及び職務内容の少なくとも1つを募集条件として含むポジション情報を作成する。参照情報は、入力情報と募集条件との相関関係を含む。管理ステップでは、ポジション情報と、組織データベースに含まれる組織又は管理対象者に関する組織情報とを関連付けて管理するための関連付け情報を生成する。
【選択図】
図1