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▶ 岡本 凉子の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】体洗い具
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/02 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
A47K7/02 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2024013014
(22)【出願日】2024-01-31
【審査請求日】2024-01-31
(31)【優先権主張番号】P 2023101389
(32)【優先日】2023-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503394866
【氏名又は名称】岡本 凉子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 凉子
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-041677(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2012-0000071(KR,U)
【文献】登録実用新案第3185867(JP,U)
【文献】特開2010-246870(JP,A)
【文献】登録実用新案第3193419(JP,U)
【文献】国際公開第02/043545(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3165966(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 7/00- 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形の上の生地と下の生地の間に、前記上下の生地より面積の広いメッシュ生地を介在させ、前記メッシュ生地の対向する二辺に、折方向が異なるタックまたはギャザーを有し、前記メッシュ生地の周縁は前記上下の生地の周縁と重なり合う位置にあり、前記上下の生地と前記メッシュ生地の周縁は縫合されていることを特徴とする体洗い具。
【請求項2】
矩形の上の生地と下の生地の間に、前記上下の生地より面積の広いメッシュ生地を介在させ、前記メッシュ生地の全周部にわたってタックまたはギャザーを有し前記メッシュ生地の周縁は前記上下の生地の周縁と重なり合う位置にあり、前記上下の生地と前記メッシュ生地の周縁は縫合されていることを特徴とする体洗い具。
【請求項3】
前記上の生地および前記下の生地の、少なくとも一方の対向する二辺の適所に、折方向が異なるタック部を設けていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の体洗い具。
【請求項4】
前記上の生地、または、前記下の生地の左右に補助布を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の体洗い具。







【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形の上下の生地の間にメッシュ生地を介在させ、体を洗う際の体洗い具の動きにより泡を生み出し続けることのできる体洗い具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
肌を擦らずに洗浄剤をよく泡立てて洗うことが肌に良いと周知されるにつれて、体洗い具や泡立具に効果的に泡を立てる工夫がなされてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-41677号公報
【文献】特開2007-97880号公報
【文献】特開2019-17727号公報
【0004】
特許文献1は、泡立具であり、外側の袋体の中に袋体の生地よりも硬く弾力性を有するメッシュ生地を備え周縁を縫着したもので、メッシュ生地の硬さにより様々な方向に自由に折り曲げることはできず、対向する二辺に一方向に複数のヒダが形成されている。
【0005】
泡立てる際には、ヒダが形成されている両端の辺を其々手で持って揉むとヒダが弛みメッシュ生地が動き、泡が発生する。もう一方の両端を同様に揉んでも、硬さのあるメッシュ生地でヒダが形成されて板状となり、弛みがないので揉み難い。ヒダが形成された両端の辺を其々両方の手に持って揉む動作により泡を生み出す泡立具であるが、効率良く泡が発生することは期待できない。
【0006】
特許文献2は、樹脂製ネットを結束して概略ボール状に丸く形成した泡立て具を袋体
で覆った身体洗浄具であり、泡立て具はボール状に結束されているので、外部から揉む
動作を加えて発生した分だけの量の泡を使用することのできる身体洗浄具である。
【0007】
特許文献3は、合成繊維の二枚の布体間にメッシュ布を介在させた泡立て具であり、布体に、布体の一部を折り曲げて折り山の近くを折山に沿って縫ったピンタックの突出部や、フリルを縫着することで空隙を作り、泡立てる際に空気を取り込み易い構造にして、外部から揉む動作を行なうことにより泡を発生させ、発生した分だけの量の泡を得る泡立て具である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の体洗い具や泡立て具は、外部から揉む動作を加えることにより泡を発生させる
仕組みであるため、体洗い具の場合は体を洗い始めて間もなく発生させた泡は消費されて無くなり、続けて泡を得るために洗浄剤を足して泡立ての動作をくり返しているのが現状である。また、洗顔等に用いられる泡立て具は、総じて短時間に効率よく泡を生み出し難く、たっぷりの泡で顔を包む理想とされる洗顔ができ難しいのが現実である。
【0009】
そこで、本発明では、手の揉む動作で泡を生み出すのではなく、上下の生地の間に、メッシュ生地を上下の生地より広く用いて介在させ、更に、上下の生地の間に立体的な空間を成して、体を洗う際の洗い具の動きにより上下の生地の間でメッシュ生地同士が擦れ合い、体を洗う間中泡を生み出し続けて泡切れを起こさず、泡立て用としても効率よく多量の泡を生みだし、使用後は濯ぎ性が良く乾燥し易く清潔に保つことが容易な体洗い具の提案を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の体洗い具は、矩形の上の生地と下の生地の間に、前記上下の生地より面積の広いメッシュ生地を介在させ、前記メッシュ生地の対向する二辺に、折方向が異なるタックまたはギャザーを有し、前記メッシュ生地の周縁は前記上下の生地の周縁と重なり合う位置にあり、前記上下の生地と前記メッシュ生地の周縁は縫合されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の体洗い具は、矩形の上の生地と下の生地の間に、前記上下の生地より面積の広いメッシュ生地を介在させ、前記メッシュ生地の全周部に亘ってタックまたはギャザーを有し前記メッシュ生地の周縁は前記上下の生地の周縁と重なり合う位置にあり、前記上下の生地と前記メッシュ生地の周縁は縫合されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の体洗い具は、前記上の生地および前記下の生地の、少なくとも一方の対向する二辺の適所に、折方向が異なるタック部を設けていることを特徴とする。
【0013】
本発明の体洗い具は、前記上の生地、または、前記下の生地の左右に補助布を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
泡が生み出される仕組みは、適度に水を含んだ洗い具に洗浄剤を塗付して揉むと、洗浄剤が水に溶けながら石けん水となって洗い具全体に行き渡り、繊維の孔に膜を張り生地同士の擦れ合いで、生地の空隙に有る空気を内包して泡が生み出される。
【0015】
本発明の洗い具は、上の生地と下の生地の間に、上下の生地より広いメッシュ生
地を介在させ、メッシュ生地の周縁部には、対向する辺に折方向が異なるタックや、ギャザーを設け、周縁は同じ位置に重ね合わせて縫合される。
【0016】
タック部について、メッシュ生地の対向する辺に設けるタック部の折方向を異なる方向にするのは、タック部が捩れてメッシュ生地を立体的で弛みのある状態になすためであり、対向する辺のタック部の折方向が同じであると、タック部が平坦となり、体を洗う際の洗い具の動きに対応し難く、泡の発生も劣るからである。
【0017】
メッシュ生地は不規則に重なり合った状態で上下の生地に押圧されており、この状態では、体を洗う際の洗い具の動きでメッシュ生地同士が自由に動いて擦れ合い、十分な量の泡を生み出し続ける機能を果たすことは難しい。
【0018】
そこで、上下布による押圧を軽減するために、上の生地および下の生地の、少なくとも一方の、対向する二辺の適所に折方向が異なるタック部を設けると、タックの折り山の高さの分の生地の面積が広くなり、更に、対向するタック部の折方向が異なるので、生地の中央部に向かってタック部が捩れ、タック部のヒダは解消して生地は外側に向かって膨らみ、上下生地の間に空間が形成される。
【0019】
上下生地の間に空間が形成されると、メッシュ生地は上下の生地の圧から開放されて弾力を持ち、周縁部に設けたタック部の折り目は中央部に近くなるにつれて解消され、ギャザーには元より折り目は無いので、メッシュ生地間に空隙が形成されて不規則に重なり合った弛み部が形成され、体を洗う際には、洗い具の動きによりメッシュ生地の弛み部が動いて、空気を取り込み、メッシュ生地同士の擦れ合いを盛んにして泡を生成し、体を洗う間中泡を生み続けることが可能となる。
【0020】
また、メッシュ生地の面積を広く用いることにより、石けん水の吸着面積が広くなり
洗浄剤がメッシュ生地の表面に保持されて無駄に垂れて流れることがないので、少ない量の洗浄剤で効率良く泡を生み出す。実際に、全身を洗う際の洗浄剤の消費量についての数人の男性の試用では、プッシュ式容器のボデイソープの場合、通常3プッシュ使っていたのが、1プッシュで一度泡立てると十分な泡を得て最後まで泡が途切れずに快適であるとの感想を全員から得られた。
【0021】
上下の生地とメッシュ生地とは物性が異なるので、使用中に接着して一体となることはなく、体を洗う際の体洗い具の動きで、上下の生地とメッシュ生地の間でも生地同士の擦れ合いが継続的に起きて泡の生成に奏功する。
【0022】
上の生地、または、下の生地の左右に、1つの補助布の左右を取り付けて全体を輪状
にすると、腕や手の動きが不自由な人が、体に輪状の本発明の体洗い具を通すことで、
肩や腕に留まり誤って洗い具を取り落とすことがなくなり、不自由な方の手に補助布を
巻くなどして固定し、もう一方の手で補助布を操ることで体洗い具の位置を移動させて
自分で洗えなかった体の部分を洗うことが可能となる。
【0023】
上の生地、または、下の生地の左右に、補助布を其々取り付けて、肩から背中側に垂らして補助布の両端を左右の手で持つことが可能である形態にすると、洗い具が背中に当たり、背中を万遍なく洗うことができる。
【0024】
上の生地と下の生地は、同一の生地を用いてもよいが、異なった肌触りの生地を用い
ると、一つの体洗い具で二種類の感触を使い分けることができる。
【0025】
本発明の体洗い具の吊り下げ部を角部に設けることにより、洗い具の水が効率よく落
て速やかに乾燥する。長方形の場合は、長軸の中央の端部に取り付けてもよい。洗い具内のメッシュ生地は全体に孔を有しており、メッシュ生地の重なり合いや、上生地や下生地の間には多くの空隙を形成するので、濯ぎ性が良く、乾燥性にも優れて清潔に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第一実施形態例の、メッシュ生地の対向する二辺に折方向が異なるタック部を有して上の生地とメッシュ生地の一部を切り欠いた外観の概略図。
図2図1の上の生地を切り欠いた部分のメッシュ生地タック部の端面部拡大図。
図3図1の上の生地を外した状態で、下の生地にメッシュ生地を縫着した正面の画像。
図4図3画像の斜視画像。
図5】第二実施形態例の、メッシュ生地の四辺の向かい合う辺に、折方向が異なるタック部を有し、上の生地とメッシュ生地の一部を切り欠いた外観の概略図。
図6図5の上の生地を外した状態で、下の生地にメッシュ生地を縫着した正面の画像。
図7図6の画像の斜視画像。
図8図5の上の生地を外した状態で、下の生地にメッシュ生地の四辺にギャザーを有したメッシュ生地を縫着した正面の画像。
図9図8の画像の斜視画像。
図10】第三実施形態例の、上の生地の対向する二辺に折方向が異なるタック部を設けた正面の概略図。
図11図10タック部の端面部の一部拡大図。
図12図10線A―Aの断面図。
図13】第四実施形態例の、左右に1つの補助布を有する体洗い具の概略図。 (洗い具部分は図10と同様であるために縫合部6は省略)
図14】左右に其々1つの補助布を有する体洗い具の概略図。 (洗い具部分は図10と同様であるために縫合部6は省略)
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の第一実施形態例の体洗い具1で、上の生地2と下の生地3の間に上下の生地より面積が広いメッシュ生地4を介在させ、メッシュ生地の対向する二辺に、折方向が異なるタック部4-2を設けており、重ねた生地の周縁は同じ位置で重なり合い縫合6されている。上の生地2を切り欠き2-1、メッシュ生地4が見え、メッシュ生地4を切り欠き4-1、下の生地3が見える。
【0028】
図2では、メッシュ生地4の端部を摘んで一方に倒したタック部4-2の端面の拡大図であり、タック部4-2の巾は10mm~15mmが好ましく、タック部4-2の数は任意で設けてよい。メッシュ生地4は、上の生地2で覆われて端部は縫合6され、メッシュ生地4のタック部4-2の端部は縫合6により固定されている。
【0029】
図3図4図6から図9の画像は、メッシュ生地4を、様々な形状で上下の生地の間に介在させた際のメッシュ生地4の状態を表わすために、上の生地2を省いて下の生地3にメッシュ生地4を縫着して画像で表したものである。実際は、上の生地2に覆われて周縁は縫合6されるので、其々の斜視画像に見られる垂直方向に形成された盛り上がり状の立体は押圧されて、メッシュ生地4は不規則に重なりあって上下の生地の間に介在する。
【0030】
図3の画像は、図1の上の生地2を省いて、メッシュ生地4の横幅を上下の布の横幅の二倍にして、メッシュ生地4の対向する二辺で、折方向が異なるタック部4-2を、下の生地3に縫着した正面の画像で、タック部4-2は、縫着された端部から中央に向かうにつれて、其々のタック部4-2の折り線が捩れて交差しタックのヒダの形は残らない。
【0031】
図4の斜視画像では、捩れたタック部4-2は垂直方向に立ち上がり、タック部4-2の中央部分ではメッシュ生地4の立体的な弛み部4-6を成している。タック部4-2が立体的になることにより、洗い具の動きと共にメッシュ生地4が動き易くなり、空気を取り込み、メッシュ生地4同士の擦れ合いが起きて泡の発生に奏功する。タック部4-2の折方向を同じにすると、タック部4-2は平面的となり洗い具の動きにより空気の取り込みや、メッシュ生地4同士の擦れ合いも起き難いので泡の発生において劣ることになる。
【0032】
図5は、本発明の第二実施形態例で、下の生地3の上にメッシュ生地4を重ね、メッシュ生地4の四辺の対向する其々の二辺で折方向が異なるタック部4-2を設けて上の生地2を重ね、周縁は同じ位置に揃い縫合6されている。図では、上の生地2を切り欠き2-1、メッシュ生地4の三辺にタック部4-2が見え、メッシュ生地4の一部を切り欠いて4-1、下の生地3がみえる。
【0033】
図6は、図5の例で、メッシュ生地4の縦幅と横幅を其々上下の布の二倍の広さにして構成したもので、正面の中央部ではタック部4-2の折り山部4-3も折り谷部4-4も解消されており、図7の斜視画像では、中央部は垂直方向に盛り上がり、その周囲には、メッシュ生地の弛み部4-6が不規則に重なり合っている。また、メッシュ生地4の四辺の対向する其々の二辺で折方向を同じにしたタック部4-2を設けた場合も、隣同士の辺のタック部4-2が交差して、中央部では互いのタック部4-2のヒダの形は残らず、図6図7の画像と同様の結果となる。
【0034】
図8の画像では、図6のタック部4-2をギャザーに変えて構成したもので、正面の画像の中央部では、図6と同様にギャザーの形は解消されており、図9の斜視画像においても、中央部は図7と同じく垂直方向に盛り上がり、その周囲は、メッシュ生地4の弛み部4-6が不規則に重なり合っている。
【0035】
以上の画像から、第一実施形態例の、一組の向かい合う辺のみにタック部4-2を形成する場合は、メッシュ生地4の幅を広くとり全体に弛み部4-6が形成されるほどタック部4-2の数を増やすと、体洗い具1の動きに対応してメッシュ生地4同士の擦れ合いが生じて泡を生みだし続けることができる。
【0036】
第二実施形態例では、メッシュ生地4を、上下の生地より縦横とも広く用いて、メッシュ生地4の四辺に、タック部4-2やギャザー部4-5を設けると、メッシュ生地4は不規則に重なり合い弛み部4-6が全体にバランス良く形成されるので、体洗い具のどの様な動きにも対応して、空気を取り込み、擦れ合いを起こして泡を生み出すことができる。
【0037】
この場合、タック部4-2の折り方向の規制は不要であり、タック部4-2とギャザー部4-5を組み合わせて設けても同様の効果を得ることができる。
【0038】
メッシュ生地4の広さは、上下の生地より縦横とも広く用いて、上下の生地の面積の1.5
倍から4倍くらいが適当であり、複数枚用いてもよい。メッシュ生地4の厚さは、15デニールから30デニールが適当で、曲がり易く適度な弾性があり、体を洗う際に抵抗なく体に添い易いので適している。厚さの異なる組み合わせで用いても、複数枚用いてもよい。
【0039】
周縁を縫合6する方法は、図1図5とも上の生地2とメッシュ生地4と下の生地3を重ねた周縁を縫合6した例だが、他に、三枚が重なった周縁を紐状の別布で包み別布の端部を縫合6する方法や、上の生地2または、下の生地3のどちらかの周囲を広く設けて、広く設けた部分で周縁を包み、包んだ生地の端部を縫合6する方法でもよい。
【0040】
また、布を重ねる順番を、下の生地から上の生地そしてメッシュ生地の順として、先ず周縁の三辺を縫合6した後、メッシュ生地が内側になる様に表側に返したて、残りの1辺は、端部を内側に折り曲げて縫合6する方法でもよく、周縁全体をロックミシンで処理してもよい。それらの縫合の方法を、周縁の部位によって使い分けてもよい。
【0041】
上の生地2と下の生地3は、同じものでもよいし、異なる肌触りの生地を用いても良い。
【0042】
洗い具1の角部には吊り下げ部8を設けておりフックに吊り下げることができる。
体洗い具1の大きさは、矩形の一辺が100mm~300mmで、形は正方形でも長方形でもよく、又、同等の広さをもつ楕円形等の他の形でも良い。小型のものは、お子さま用や、洗顔やシャンプーの際の泡立て用としても使用できる。
【0043】
図10は、本発明の第三実施形態例で、上の生地2の対向する上下の辺の中央部に、折方向が異なるタック部2-2を設けたものであり、タック部2-2の巾は10mm~15mmが好ましく、タック部2-2の数は任意で設けてよい。図11は、上の生地2のタック部2-2の端部の拡大図であり、端部は縫着6されタック部2-2の端部は固定されている。
【0044】
折方向が異なるタック部2―2には捩れが生じて中央部ではタック部2-2は解消され、上の生地2は外側に向かって膨らみを形成してメッシュ生地4の介在空間を広げる。
【0045】
図12が示すようにメッシュ生地4の介在空間が広がることにより、押圧されて不規則に重なり合っていたメッシュ生地4の間に空隙9が形成され、泡立てる際には空気を取り込み易く、メッシュ生地が動き易くなって生地同士の擦れ合いが促進され泡の発生に奏功し、洗浄剤を塗付して一度泡立てると、体を洗う動きに対応して重なり合って弾力性をもつメッシュ生地4が動き、泡を生み出し続けて快適に使用することができる。
【0046】
タック部2-2は、上の生地2と下の生地3の両方に設けてもよく、設ける位置は左右の辺でも上下の辺でも、その両方に設けてもよい。又、一つの辺に複数カ所設けてもよい。上の生地2か下の生地3の一方にだけタック部2-2を設ける場合は、タックの深さに使用する分の生地の巾を広く設けて辺の生地の長さを補い、周縁では上下の布地とメッシュ生地4が揃って重なり合うように調整する。
【0047】
図13は、図10と同じく上の生地2には折方向の異なるタック部2-2を有し、上の生地2、または、下の生地3の左右に、1500mm~2000mmほどの長さの補助布11の両端を取り付けたものである。全体が円形の体洗い具となるので、体に通すと肩や腕で留まって取落とすことがなく、不自由な方の腕や手に補助布11を巻くなどして固定し、動き易い方の手で補助布11を持って洗い具部分を操ることによって、腕や手の動きが不自由な方の体洗い具として便利である。補助布11の材料は、上の生地や下の生地と同様の生地を用いてもよく、他の生地や紐を用いてもよい。下の生地3を補助布11として伸長し円形に形成してもよい。
【0048】
図14は、図10と同じく上の生地2には折方向の異なるタック部2-2を有し、上の生地2、または、下の生地3の左右に、其々500mmほどの長さの補助布11を設け、体洗い具部分を背中に当てて其々の補助布11の端部を両手に持つと、洗い具で背中を万遍なく洗うことができて便利である。補助布11は、下の生地3を左右に伸長しても良く、また、別の生地や紐を用いてもよい。
【0049】
本発明は上記実施形態に限られたものではなく、適宜変更が可能である。
体洗い具に用いる生地は、レーヨン等の半合成繊維、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステル等の合成繊維等、泡立ちに適した繊維の生地が望ましい
【符号の説明】
【0050】
1 第一実施形態例の体洗い具
2 上の生地
2-1 上の生地の切欠き部
2-2 上の生地のタック部
2-3 上の生地のタック部の折り山部
2-4 上の生地のタック部の折り谷部
3 下の生地
4 メッシュ生地
4-1 メッシュ生地の切欠き部
4-2 メッシュ生地のタック部
4-3 メッシュ生地のタック部の折り山部
4-4 メッシュ生地のタック部の折り谷部
4-5 メッシュ生地のギャザー部
4-6 メッシュ生の弛み部
5 第二実施形態例の、上の生地とメッシュ生地の一部を切り欠いた外観の概略図。
6 縫合部
7 第三実施形態例の、生地にタック部を有する正面の概略図。
8 吊り下げ部
9 空隙
10 第四実施形態例の、洗い具の左右に補助布を有する体洗い具の概略図
11 補助布

【要約】
【課題】従来の体洗い具は、洗浄剤を塗付して手で揉んで泡を生みだす構成のために、体を洗う際には、泡切れをおこし何度も洗浄剤を付けて泡立てを繰り返しながら体を洗うのが常であった。
【解決手段】上下の生地の間にメッシュ生地をバランスよく重なり合うように介在させ、上下の生地の間に空間を設けることにより、体を洗いながらメッシュ生地同士の擦れ合いが起きて泡の発生が継続する体洗い具であり、更に、体洗い具の左右に補助布を設けて、背中を洗い易くしたり、手や体の動きが不自由な方が自分で体を洗える体洗い具とし、濯ぎ性や乾燥性にも優れ清潔に保ち易い体洗い具を提供する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14