(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-14
(45)【発行日】2024-05-22
(54)【発明の名称】実火災訓練装置
(51)【国際特許分類】
G09B 9/00 20060101AFI20240515BHJP
【FI】
G09B9/00 M
(21)【出願番号】P 2024022664
(22)【出願日】2024-02-19
【審査請求日】2024-02-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500561931
【氏名又は名称】JFEプロジェクトワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【氏名又は名称】前島 幸彦
(74)【代理人】
【識別番号】100194283
【氏名又は名称】村上 大勇
(72)【発明者】
【氏名】岡田 康生
(72)【発明者】
【氏名】関根 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博志
(72)【発明者】
【氏名】西本 奏
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-034024(JP,A)
【文献】特開2000-298424(JP,A)
【文献】特開2009-155814(JP,A)
【文献】特開2022-019405(JP,A)
【文献】特開2013-161030(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111524409(CN,A)
【文献】国際公開第2012/081697(WO,A1)
【文献】特開2023-174029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56,
17/00-19/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼を生じさせることにより発煙をする燃焼部と、訓練対象者を収容する空間である訓練室とが略矩形体形状の内部空間を有する本体部に設けられ、前記訓練対象者に対して火災訓練を行わせるために用いられる実火災訓練装置であって、
前記本体部は、略矩形体形状の内部空間を有する複数のブロックが連結されて構成され
、
複数の前記ブロックの各々は、複数の前記ブロックが配置された方向の一端側において形成された開口と、当該開口の周りで前記ブロックの外周を囲むフランジ部と、を具備し、
隣接する前記ブロックは、前記フランジ部同士が固定されることによって、連結されたことを特徴とする実火災訓練装置。
【請求項2】
複数の前記ブロックの各々はISO規格又はJIS規格で定められた仕様のコンテナを基にして構成されたことを特徴とする請求項1に記載の実火災訓練装置。
【請求項3】
複数の前記ブロックは全て共通の前記仕様とされたコンテナを基にして構成されたことを特徴とする請求項2に記載の実火災訓練装置。
【請求項4】
前記フランジ部同士は、前記フランジ部間を封止するシール材を間に介在させた状態で固定されたことを特徴とする請求項
1又は2に記載の実火災訓練装置。
【請求項5】
前記シール材は、ガラス繊維、又はニトリルゴムを含むことを特徴とする請求項
4に記載の実火災訓練装置。
【請求項6】
前記燃焼部は、複数の前記ブロックのうちの一つのみにおいて形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の実火災訓練装置。
【請求項7】
前記本体部には、燃焼による発煙を前記本体部から吸引して処理する発煙処理部が接続される排気口が形成され、
前記排気口は、複数の前記ブロックのうち、前記燃焼部が形成されたブロック以外のブロックに形成されたことを特徴とする請求項
6に記載の実火災訓練装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実際の火災現場を模した環境下で訓練を行わせる実火災訓練装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実際の火災と同様に木材等を燃焼させて濃煙を発生させた環境下で訓練を行わせるための実火災訓練装置が用いられている。こうした実火災訓練装置の構造は、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
図3は、特許文献1に記載された実火災訓練装置9の構造を簡略化して示す透視斜視図である。この実火災訓練装置9においては、図中水平方向を長手方向(x方向)とする略矩形体形状の内部空間を有する本体部90が用いられる。本体部90の図中右側(x方向正側)の端部付近には、燃焼台21が設置され、この上で可燃対象物Aが着火されて燃焼する。この領域の左側には、板状の煙調整フラッパー(煙区画板)22が本体部90の上側の領域のみを仕切るように本体部90の内側に設置される。訓練対象者Hは、本体部90の図中左側に連結された前室30から本体部90の図中左側の端面に形成された扉23を通ってこの本体部90内に侵入することができる。
【0004】
図3の構造において、訓練対象者Hは右側の煙調整フラッパー22と左側の扉23の間に位置し、所望の訓練作業をすることができる。この際、燃焼が発生しているのは煙調整フラッパー22よりも右側となるため、本体部90の内部の空間は、煙調整フラッパー22を境界として、その右側(x方向正側)が燃焼部90A、左側(x方向負側)が訓練室90Bとなる。本体部90においては、訓練室90Bにおける扉23の近くの天井には排気口24が設けられ、排気口24を介して排煙処理部40が連結されている。この構造により、濃煙Sは煙調整フラッパー22の下側を通って燃焼部90Aから訓練室90Bの天井側を図中左側に向けて流れる。
【0005】
また、燃焼部90Aから煙調整フラッパー22を越流した高温の濃煙Sは、排気口24から排気されるまで訓練室90Bの上層に滞留する。このため、訓練室90Bにおいては、濃煙Sによって視界が遮られる上側の高温層と、下側における視界がクリアな低温層の圧力がつり合って中性帯が保持される。このため、燃焼部90A内の温度は燃焼に伴って極めて高くなるのに対して、訓練室90Bの下側の低温層においては、訓練対象者Hが活動できる程度の温度となる。一方、訓練対象者Hは煙調整フラッパー22の下側から越流する濃煙Sを目視することができるため、例えば濃煙Sに含まれる可燃性ガスが高温によって自燃するフラッシュオーバー(急激な爆発的燃焼)の前兆となるロールオーバー(天井等の高い場所に集まった未燃焼の過熱状態のガスが急激に燃え広がる現象)の発生を確認することができる。このため、安全かつより実践的な訓練を行わせることができる。
【0006】
本体部90の上側に設置された排煙処理部40は、前記のように本体部90の天井に設置された排気口24を介して訓練室90Bと連結され、濃煙Sを排気して無害化する。濃煙Sは排煙処理部40において例えば完全燃焼することによって無害化されて外気に排出される。
【0007】
ここで、上記の構成を実現するためには、少なくとも本体部90の内部には燃焼部90Aと、訓練対象者Hが活動できる訓練室90Bを設けることが必要であるため、本体部90は大型となる。このため、このような本体部90は、鋼板で構成された、例えばISO規格の40ft(フィート)コンテナ(外寸長さ約12m、幅2.4m、高さ2.6m又は2.9m)を基にして、これに煙調整フラッパー22等を設置して構成される。これによって、本体部90自身を安価とし、かつその機械的強度等を容易に確保することができる
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一方、このような大型のコンテナを用いた場合には、実火災訓練装置の設置に際しては、この大型のコンテナを運搬する作業が必要となった。このため、このような運搬が容易ではない地域(例えばこのコンテナを運搬するトレーラーの走行が困難である地域や、このコンテナを運搬する船舶が停泊できない地域)においては、この実火災訓練装置を設置することは容易ではなく、こうした地域での設置に際しては、特殊な運搬手段を準備することが必要となり、この場合にはこの実火災訓練装置の設置は特に高コストとなった。
【0010】
また、上記の実火災訓練装置において、使用に際して劣化・損傷した部分は交換が必要となる。この際、本体部90において最も損傷が大きいのは、燃焼部90A及びその周辺である。この場合、劣化・損傷が発生した際には、本体部(コンテナ)自身を交換する作業が必要になるが、この際には、前記の設置時と同様に大型のコンテナを運搬する作業が必要になり、この作業も高コストとなった。
【0011】
このため、設置や保守の作業を含めて安価である実火災訓練装置が望まれた。
【0012】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明の実火災訓練装置は、燃焼を生じさせることにより発煙をする燃焼部と、訓練対象者を収容する空間である訓練室とが略矩形体形状の内部空間を有する本体部に設けられ、前記訓練対象者に対して火災訓練を行わせるために用いられる実火災訓練装置であって、前記本体部は、略矩形体形状の内部空間を有する複数のブロックが連結されて構成され、複数の前記ブロックの各々は、複数の前記ブロックが配置された方向の一端側において形成された開口と、当該開口の周りで前記ブロックの外周を囲むフランジ部と、を具備し、隣接する前記ブロックは、前記フランジ部同士が固定されることによって、連結されている。
複数の前記ブロックの各々はISO規格又はJIS規格で定められた仕様のコンテナを基にして構成されていてもよい。
複数の前記ブロックは全て共通の前記仕様とされたコンテナを基にして構成されていてもよい。
前記フランジ部同士は、前記フランジ部間を封止するシール材を間に介在させた状態で固定されていてもよい。
前記シール材は、ガラス繊維、又はニトリルゴムを含んでもよい。
前記燃焼部は、複数の前記ブロックのうちの一つのみにおいて形成されていてもよい。
前記本体部には、燃焼による発煙を前記本体部から吸引して処理する発煙処理部が接続される排気口が形成され、前記排気口は、複数の前記ブロックのうち、前記燃焼部が形成されたブロック以外のブロックに形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上のように構成されているので、設置や保守の作業を含めて安価である実火災訓練装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態に係る実火災訓練装置の構造を示す透視斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る実火災訓練装置において用いられるブロックの正面図(a)、側面図(b)、斜視図(c)である。
【
図3】従来の実火災訓練装置の構造を示す透視斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態に係る実火災訓練装置について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る実火災訓練装置1の構造を示す透視斜視図であり、
図3に対応する。ここでは、
図3における燃焼台21等と訓練対象者Hは同様であるため、これらについての記載は省略されている。この実火災訓練装置1においても、本体部10の内部が煙調整フラッパー22で区分されることによって燃焼部10Aと訓練室10Bが形成されるが、使用される本体部10の構成が前記の実火災訓練装置9における本体部90と異なる。ただし、本体部10がISO規格やJIS規格のコンテナを用いて構成される点については同様であり、その内部において燃焼部10Aと訓練室10Bが形成される点についても同様である。
【0017】
この本体部10は、同様の構成を具備する第1ブロック11Aと第2ブロック11Bが連結されて構成される。
図2に示されたようにx軸(図中左右方向)、y軸(図中紙面と交差する方向)、z軸(図中上下方向)をとった場合において、
図2(a)は第1ブロック11Aの正面図(x方向正側からみた図)であり、
図2(b)はその側面図(y方向負側からみた図)、
図2(c)はその斜視図である。
【0018】
図1に示されるように、実際には第1ブロック11Aにおけるx方向負側の端面には扉23があり、扉23の近くの天井面(z方向正側の面)には排気口24が設けられ、x方向正側の端面は除去されている。一方、第2ブロック11Bにおいては煙調整フラッパー22が設けられるが、ここでは扉23がなく、x方向正側の端面は除去されていない。このような排気口24、煙調整フラッパー22が形成される前の状態では第1ブロック11Aと第2ブロック11Bは同一の形状を呈し、
図2においてはこの共通の形態が示されている。このため、
図2に示された構造体において、第1ブロック11Aにおいては開口11AAの対面に扉23があり、第2ブロック11Bにおいては開口11AAの対面は
図1におけるx方向正側の内面(壁面)となる。
図2におけるx、y、zは、この構造が第1ブロック11Aであるものとして
図1に対応して記載されている。
【0019】
前記の本体部90は40ftコンテナを基にされていたのに対し、この第1ブロック11Aは、x方向における長さがその半分である20ftコンテナ(ISO規格品又はJIS規格品)を基にして構成され、
図2(c)に示されるように、その長さ20ftに対応した方向(x方向)の一端側(第1ブロック11Aにおいてはx方向正側の壁面)が除去されて開口11AAが形成される。なお、このように第1ブロック11A(11B)は規格品のコンテナを基にして構成されるため、その表面は鋼板で構成され、この鋼板としては例えば波型鋼板等が用いられるが、
図1、2においてはこの表面は平面であるものとして単純化されて記載されている。
【0020】
図2(a)(c)に示されるように、この開口11AAの周囲にリブ状のフランジ部101が形成されている。フランジ部101には、これをx方向で貫通する固定用孔部101Aが配列して形成されている。
図1において、第1ブロック11Aと第2ブロック11Bの開口11AA、フランジ部101同士を連結させ、これらの間を密封するために、この際にフランジ部101間にシール材を介在させることができる。その後、両側の固定用孔部101Aにボルトを貫通させてナットを螺合することで、
図1の形態で、第1ブロック11Aと第2ブロック11Bを連結し、前記の本体部90と略同一の長さの本体部10を形成することができる。なお、第1ブロック11Aのフランジ部101には、これを固定用孔部101A以外にも、第1ブロック11Aと第2ブロック11Bを同様に連結できる限りにおいて、例えばクレーン等を用いて第1ブロック11Aを運搬する際に使用するための構造を適宜形成することができる。
【0021】
この際、シール材としては、一定のシール性及び耐熱性のある材料を適宜用いることができる。例えば、ガラス繊維を含むもの、あるいはガラス繊維を製織したものを用いることができる。あるいは、フランジ部に塗布することが可能である液状であり、後で硬化(定形化)させることができるシール材を用いることもできる。このような液状の材料としては、耐熱性の高いゴム系の材料、例えばニトリルゴム系のもの等を用いることができる。
【0022】
なお、
図1において、フランジ部101は下側において突出しているが、この形態は適宜設定が可能である。例えば、第1ブロック、第2ブロックの下面側においてはフランジ部を設けない、あるいはフランジ部の周囲を掘り下げた上でその中にフランジ部を形成することにより、下側においてこのような突出部が形成されず、本体部の設置を容易とすることもできる。いずれの場合も、このように開口の外側のフランジ部を用いてブロック同士を連結する場合には、特に訓練室内に連結に伴う突起部が構成されず、訓練を行わせる上での障害物が形成されないため、好ましい。
【0023】
また、前室30は同様のコンテナを用いて構成する必要はないが、前室30と第1ブロック11Aとの間の連結も第1ブロック11Aと第2ブロック11Bの間の連結と同様の構造によって行うことができる。この場合には、上記の実火災訓練装置1を設置(構築)するに際しては、例えば、(1)第2ブロック11B(コンテナ)を設置し、第2ブロック11B中に煙調整フラッパー22等を設置する、(2)第1ブロック11A(コンテナ)を設置して第2ブロック11Bと連結する、(3)第1ブロック11A(コンテナ)に排気口24、排煙処理部40等を設置する、(4)前室30を第1ブロック11Aと連結する、という工程を実施することができる。
【0024】
このように、本体部10を、共通の構成を具備する第1ブロック11Aと第2ブロック11Bを組み合わせて構成すれば、この実火災訓練装置1を設置するに際しては、前記の本体部10(あるいは上記の連結後の本体部10)の半分の長さの20ftコンテナを運搬すればよい。このため、従来の40ftコンテナを運搬することが容易ではなかった地域における運搬を容易に行わせることができる。あるいは、運搬に要するコストが大幅に低下する。特に、40ftコンテナを道路上で運搬するに際しては、その長さに起因してカーブを曲がることができないために運搬ができない場合があったのに対し、20ft(以下の)コンテナを用いた場合には、このような状況は発生しにくくなる。コンテナを船舶で運搬する場合においても、同様に運搬が容易となる。
【0025】
また、前記のとおり、使用に際しての劣化・損傷が顕著に発生するのは本体部10における燃焼部10A周辺である。この場合、この実火災訓練装置1においては、第1ブロック11Aは交換せずに、第2ブロック11Bのみを交換して対処することができる。このため、保守・修理作業のコストも低下させることができる。
【0026】
このため、保守・修理作業等のコストも含めて、この実火災訓練装置1を低コスト化することができる。
【0027】
なお、上記の例では、本体部10のサイズが40ftコンテナに対応するものとし、20ftコンテナを元にした2つのブロック(第1ブロック11A、第2ブロック11B)が組み合わせて用いられるものとした。しかしながら、例えば10ftコンテナからなるブロックが4つ組み合わされて用いられる構成とすることもできる。この場合には、実火災訓練装置の組立時において最も大きな構成要素であるコンテナの運搬が更に容易であり、作業を低コスト化できる。すなわち、組み合わせるブロック(コンテナ)のサイズ(仕様)、数は適宜設定が可能である。この場合、前記の例ではブロックの一方の側においてのみフランジ部が形成されたのに対し、両側に他のブロックが連結されるブロックに対しては、両側にフランジ部・開口が形成される。
【0028】
また、このように組み合わされる複数のブロック(コンテナ)が同一仕様である必要はなく、例えば20ftコンテナと10ftコンテナとを組み合わせてもよい。ただし、同一仕様のものを複数用いて部品を共通化することによって、特にこの実火災訓練装置を安価にすることができる。また、仕様が異なるコンテナは高さが異なる場合があるが、この場合においてもブロック同士を連結することができるように、各々のブロックにおける連結部を設定することができる。
【0029】
また、前記のように、本体部の中で損傷が激しいのは燃焼部であるため、最も交換の頻度が高いのは燃焼部を含むブロックである。このため、このようなブロックの組み合わせの境界は、燃焼部を含むブロックの交換が効率的に行われるように設定することが好ましい。この場合、燃焼部は単一のブロックにおいてのみ形成されるようにすることが好ましい。また、例えば
図2のように訓練室10Bを燃焼部10Aよりも大きく(長く)設定し、前記のように20ftコンテナと10ftコンテナを組み合わせる場合、燃焼部10Aを構成する側のブロックを10ftコンテナで構成することも可能である。
【0030】
あるいは、排気口24が形成されて排煙処理装置40が接続されたブロックと燃焼部が形成されたブロックを別体とすれば、燃焼部を含むブロックを交換する際に、排煙処理装置40の接続をそのままにした状態で作業を行うことができるため、特に好ましい。
【0031】
すなわち、組み合わせるブロック(コンテナ)の仕様、数は適宜設定ができる。いずれの場合においても、単体の大きなコンテナを用いる場合と比べて、設置、保守が容易となり、この実火災訓練装置を安価とすることができる。また、本体部の内部の構造は、
図1等に記載された構造に限定されず、少なくとも燃焼部と訓練室が本体部の内部に設けられる実火災訓練装置であれば、上記の構成は有効である。
【0032】
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0033】
1、9 実火災訓練装置
10、90 本体部
10A、90A 燃焼部
10B、90B 訓練室
11A 第1ブロック
11AA 開口
11B 第2ブロック
21 燃焼台
22 煙調整フラッパー(煙区画板)
23 扉
24 排気口
30 前室
40 排煙処理部
101 フランジ部
101A 固定用孔部
A 可燃対象物
F 炎
H 訓練対象者
S 濃煙
【要約】
【課題】設置や保守の作業を含めて安価である実火災訓練装置を得る。
【解決手段】この実火災訓練装置1においても、本体部10の内部が煙調整フラッパー22で区分されることによって燃焼部10Aと訓練室10Bが形成される。この本体部10は、同様の構成を具備する第1ブロック11Aと第2ブロック11Bが連結されて構成される。従来の本体部は40ftコンテナを基にされていたのに対し、この第1ブロック11A、第2ブロック11Bは、20ftコンテナ(ISO規格品又はJIS規格品)を基にして構成され、その一部が除去されて開口が形成される。この開口の周囲にリブ状のフランジ部101が形成されている。
【選択図】
図1