(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06T 17/00 20060101AFI20240516BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240516BHJP
G01B 11/24 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
G06T17/00
G06T19/00 A
G01B11/24 B
(21)【出願番号】P 2019180216
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-05-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142664
【氏名又は名称】熊谷 昌俊
(72)【発明者】
【氏名】右田 幸司
(72)【発明者】
【氏名】関根 聖史
【審査官】鈴木 圭一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-212193(JP,A)
【文献】特開2002-230082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 17/00
G06T 19/00
G01B 11/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の施設内の空間をセンサにより計測したデータに基づき生成した3次元の空間データを取得する取得部と;
前記取得部によって取得された前記空間データに対し、前記施設内に設置する設備の情報を3次元モデル化した設備情報が設定された3Dモデル情報を生成する生成部と;
前記生成部によって生成された前記3Dモデル情報を外部装置へ提供する提供部と;
を具備し、
前記設備情報は、照明装置の情報を3次元モデル化した情報であって、
前記生成部は、
前記空間データに対し、前記照明装置の照明態様を3次元モデル化した前記設備情報が設定された前記3Dモデル情報を生成すること
を
備え、
前記取得部は、
前記センサにより計測した前記空間に前記設備が設置された後の前記空間データである設置後データを取得し、
前記提供部は、
前記設置後データに含まれる前記設備の位置と、前記生成部によって生成された前記3Dモデル情報に含まれる前記設備の位置とを比較した比較情報を前記外部装置へ提供することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、
前記外部装置によって前記空間データおよび前記設備情報を仮想空間に表示する前記3Dモデル情報を生成すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、
前記設備情報に基づいて、前記外部装置に対するユーザの操作に応じた前記設備の動作を前記仮想空間に表示する前記3Dモデル情報を生成すること
を特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成部は、
前記設備情報に基づいて、前記空間データに配置された前記設備を前記仮想空間に表示する前記3Dモデル情報を生成すること
を特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、
前記空間データに基づいて、前記外部装置によって前記設備情報を前記空間において拡張現実として表示する前記3Dモデル情報を生成すること
を特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、
ユーザから所定の設備を前記空間データに配置する要求を受け付けた場合、配置することを要求された設備に関する設備情報を前記空間データに設定した前記3Dモデル情報を生成し、
前記提供部は、
前記3Dモデル情報に基づいて、前記空間データに配置した前記設備に応じた設備費用を算出し、算出した前記設備費用の情報を前記ユーザに提供すること
を特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記生成部は、
前記空間データに対し、前記空間の利用時に設置される付帯設備の情報を3次元モデル化した付帯設備情報が設定された3Dモデル情報を生成すること
を特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、3Dスキャナにより物体をスキャンすることで得られる形状データに基づいて、物体の3Dモデルを作成する装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、比較的小さな物体の外観を3Dモデル化するものであり、ユーザの利便性を向上させる点でさらなる改善の余地があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザの利便性を向上させることができる情報処理装置および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る情報処理装置は、取得部と、生成部と、提供部とを具備する。前記取得部は、所定の施設内の空間をセンサにより計測したデータに基づき生成した3次元の空間データを取得する。前記生成部は、前記取得部によって取得された前記空間データに対し、前記施設内に設置する設備の情報を3次元モデル化した設備情報が設定された3Dモデル情報を生成する。前記提供部は、前記生成部によって生成された前記3Dモデル情報を外部装置へ提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、空間データ情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理システムにおいて実行される3Dモデル情報の提供処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理システムにおいて実行される設備の遠隔制御処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理システムにおいて実行される設備のシミュレーション操作処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1は、取得部31と、生成部32と、提供部33とを具備する。取得部31は、所定の施設B内の空間SPをセンサ10により計測したデータに基づき生成した3次元の空間データを取得する。生成部32は、取得部31によって取得された空間データに対し、施設B内に設置する設備51の情報を3次元モデル化した設備情報42が設定された3Dモデル情報を生成する。提供部33は、生成部32によって生成された3Dモデル情報を外部装置100へ提供する。設備情報は、照明装置の情報を3次元モデル化した情報であって、生成部は、空間データに対し、照明装置の照明態様を3次元モデル化した設備情報が設定された3Dモデル情報を生成する。さらに、取得部は、センサにより計測した空間に設備が設置された後の空間データである設置後データを取得し、提供部は、設置後データに含まれる設備の位置と、生成部によって生成された3Dモデル情報に含まれる設備の位置とを比較した比較情報を外部装置へ提供する。
【0009】
以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、設備情報42は、照明装置の情報を3次元モデル化した情報である。生成部32は、空間データに対し、照明装置の照明態様を3次元モデル化した設備情報42が設定された3Dモデル情報を生成する。
【0010】
以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、生成部32は、外部装置100によって空間データおよび設備情報42を仮想空間に表示する3Dモデル情報を生成する。
【0011】
以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、生成部32は、設備情報42に基づいて、外部装置100に対するユーザの操作に応じた設備51の動作を仮想空間に表示する3Dモデル情報を生成する。
【0012】
以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、生成部32は、設備情報42に基づいて、空間データに配置された設備51を仮想空間に表示する3Dモデル情報を生成する。
【0013】
以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、生成部32は、空間データに基づいて、外部装置100によって設備情報42を空間SPにおいて拡張現実として表示する3Dモデル情報を生成する。
【0014】
以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、生成部32は、ユーザから所定の設備51を空間データに配置する要求を受け付けた場合、配置することを要求された設備51に関する設備情報42を空間データに設定した3Dモデル情報を生成する。提供部33は、3Dモデル情報に基づいて、空間データに配置した設備51に応じた設備費用を算出し、算出した設備費用の情報をユーザに提供する。
【0015】
以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、取得部31は、空間SPに設備51が設置された後の空間データである設置後データを取得する。提供部33は、設置後データと、生成部32によって生成された3Dモデル情報とを比較した比較情報を提供する。
【0016】
以下で説明する実施形態に係る情報処理装置1において、生成部32は、空間データに対し、空間SPの利用時に設置される付帯設備の情報を3次元モデル化した付帯設備情報が設定された3Dモデル情報を生成する。
【0017】
以下、図面を参照して、実施形態に係る管理システムについて説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0018】
(実施形態)
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの概要について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理システムSの概要を示す図である。
図1に示す情報処理システムSは、例えば、所定の施設B内における空間SPの3次元データ化し、3次元データ化された空間SPの空間データに、同じく3次元データ化された設備の3Dモデルを設定した3Dモデル情報を生成するシステムである。また、情報処理システムSでは、生成した3Dモデル情報を各種外部装置100へ提供することで、様々なサービスを実現する。
【0019】
所定の施設Bは、内部の空間SPが比較的大きな建物であり、例えば、テレビ局や、劇場、学校、商業施設等である。空間SPは、例えばテレビ局におけるスタジオや、倉庫、通路等である。なお、施設Bにおいて、空間SPは、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0020】
空間SPは、備蓄物を保管する場所であり、例えば、倉庫である。なお、空間SPは、備蓄物のみが保管される場所であってもよく、備蓄物および備蓄物以外が混在して保管される場所であってもよい。なお、空間SPは、施設内に存在してもよく、施設外の離れた場所に存在してもよい。また、施設Bは、複数の空間SPを有してもよい。
【0021】
また、上記した設備とは、空間SPに設置される各種設備であり、例えば、照明装置や、テレビ局のスタジオにおけるスタジオセット、劇場における美術セット等である。つまり、ここでいう設備は、空間SPに後付け可能な設備であり、例えば、階段等の空間SPに元々備わっている設備等を除いたものである。また、設備は、例えば、施設B内に配設された通信ネットワーク等であってもよい。
【0022】
ここで、
図1に示すように、情報処理システムSは、情報処理装置1と、センサ10と、各種の外部装置100とを含む。なお、情報処理システムSの詳細な構成については、
図2で後述する。
【0023】
情報処理システムSでは、まず、施設B内の空間SPに設けられたセンサ10により空間SPの3次元形状を示すデータを計測する(ステップS1)。例えば、センサ10は、3Dスキャナや、カメラであり、例えば、バトンを有する吊物装置に設置されたり、空間SPの床面、または治具を用いて床面から離間した位置に設置されたりする。そして、センサ10は、計測したデータを情報処理装置1へ送信する。
【0024】
つづいて、情報処理装置1は、センサ10により計測したデータに基づいて空間SPの3次元の空間データを生成する(ステップS2)。具体的には、情報処理装置1は、1つの施設Bにおける複数の空間SPそれぞれに設けられたセンサ10によって計測したデータを結合した空間データを生成する。つまり、1つの施設Bに対して1つの空間データを生成する。なお、1つの施設Bに含まれる複数の空間SPそれぞれの空間データを生成してもよい。また、情報処理装置1は、空間データを生成する他のサーバ装置等から空間データを取得してもよい。つまり、情報処理装置1は、空間データを自身で生成して取得してもよく、他のサーバ装置から取得してもよい。
【0025】
つづいて、情報処理装置1は、取得(生成)した空間データに対し、施設B内に設置する設備の情報を3次元モデル化した設備情報を設定して3Dモデル情報を生成する(ステップS3)。設備情報は、例えば、カタログ等が取得した設備の寸法情報に基づいて生成される情報であって、空間データの大きさに対応した3次元モデルの情報である。なお、設備が照明装置の場合、設備情報には、照射範囲や、照射強度(光量)、色温度等の照明態様が3次元モデル化された情報が含まれてもよい。
【0026】
つづいて、情報処理装置1は、生成した3Dモデル情報を各種の外部装置100へ提供する。例えば、情報処理装置1は、外部装置100へ3Dモデル情報を提供することで、外部装置100を所持するユーザは、3Dモデル情報により、作業支援や、3Dモデリング、拡張現実(AR:Augmented Reality)、シミュレーション、仮想現実(VR:virtual reality)等のサービスを実現する。
【0027】
例えば、上記したサービスにおいて、3Dモデル情報を用いることで、空間SPに実際に行かなくても、設備の搬入ルートの確認や、設備のメンテナンス、設備の遠隔操作等を行うことができたり、3Dモデル情報を用いて、空間データ上の所望の位置を仮想視点とすることで、例えば、設備である照明装置を背面から見ながら照明装置を遠隔操作したり、照明装置の最適な設置位置をシミュレーションしたりできるが、かかる点の詳細については後述する。
【0028】
このように、実施形態に係る情報処理装置1は、情報処理方法を実行して、3Dモデル情報の生成および提供を行うことで、外部装置100を所持するユーザは3Dモデル情報を共有でき、様々なサービスを利用することができる。すなわち、実施形態に係る情報処理方法によれば、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0029】
さらに、実施形態に係る情報処理装置1は、3Dモデル情報を外部装置100の表示部に表示し、表示した3Dモデル情報に対するユーザの設備操作を受け付けることで、設備を操作する。例えば、情報処理装置1は、設備操作に基づいて、空間SPに設置された設備を実際に遠隔操作したり、あるいは、3次元モデルの設備を空間データ上でシミュレーションによる操作を行ったりできる。なお、かかる点の詳細については後述する。
【0030】
このように、実施形態に係る情報処理装置1では、3Dモデル情報に基づいて、設備を操作することで、作業員等が実際に現地に行って操作する必要性がなくなったり、シミュレーションによる操作で予め設備の操作を予習できたりする。すなわち、実施形態に係る情報処理装置1によれば、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0031】
さらに、上記したように、実施形態に係る情報処理システムSでは、空間SPに設置された吊物装置にセンサ10が設置される。これにより、例えば、吊物装置のバトンの昇降位置が変更された場合であっても、センサ10により再度データ計測を行うことで、常に最新のバトン位置における空間データ(3Dモデル情報)を生成することができる。従って、実施形態に係る情報処理システムSによれば、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0032】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数のセンサ10と、設備管理装置50と、設備51と、複数の外部装置100とを含む。また、情報処理システムSにおいて、情報処理装置1と、複数のセンサ10と、設備管理装置50と、設備51と、複数の外部装置100とは、所定のネットワークNを介して通信可能に接続される。なお、情報処理装置1は、設備管理装置50や、設備51、外部装置100と別体で構成される場合を示したが、設備管理装置50や、設備51と一体的に、もしくは、外部装置100と一体的に構成されてもよい。
【0033】
情報処理装置1は、例えば、3Dモデル情報等の各種情報を外部装置100へ提供するサーバ装置である。また、情報処理装置1は、例えば、外部装置100からの指示に基づいて、設備51を遠隔操作することもできる。例えば、情報処理装置1は、設備51を制御するための制御信号を設備管理装置50へ送信することで、設備51を制御する。あるいは、情報処理装置1は、設備管理装置50を介さずに、直接設備51を制御してもよい。
【0034】
センサ10は、空間SPの3次元形状を示すデータを計測するセンサであり、例えば、3Dスキャナや、カメラである。また、センサ10は、施設B内の空間SPに設置された構造物に設置される。構造物は、例えば、空間SPの床面や、空間SPに配置される設備51である。また、設備51は、例えば、バトンを具備する吊物装置である。
【0035】
具体的には、センサ10は、設備51である吊物装置に設置される場合、吊物装置において昇降する昇降部(バトンや、バトンに吊られた照明装置等)に設置されることが好ましい。これにより、バトンの昇降位置が変わった場合に、昇降位置に応じたデータを計測することができる。つまり、センサ10は、吊物装置の昇降部の昇降により異なる位置で空間SPにおける3次元形状を示すデータを計測する。そして、かかる場合、情報処理装置1は、センサ10が異なる位置で計測した複数のデータに基づき3Dモデル情報を生成する。
【0036】
また、センサ10は、任意のタイミングでデータ計測を行うことができる。例えば、センサ10は、所定間隔で定期的にデータ計測を行ってもよく、ユーザから指示があった場合にデータ計測を行ってもよい。また、情報処理システムSは、例えば、カメラ等の空間SPの状況を検出するセンサ(状況検出センサの一例)を具備し、センサ10は、状況検出センサによって空間SPの状況変化が検出された場合、データ計測を行う。これにより、例えば、後述する付帯設備が変わったり、設備である吊物装置の昇降位置が変わったりした場合に、データ計測を行うことで、常に最新の空間SPのデータを計測することができる。なお、センサ10によって複数個所で空間SPの3次元形状を示すデータを計測し情報処理装置1に送信してもよい。この場合、センサ10は空間SPに常設せず、一つのセンサ10を複数個所に移動させてデータ計測を行うことができる。また、情報処理装置1はセンサ10から送信された複数の計測データを結合し一つの空間データを取得するようにしてもよい。
【0037】
設備管理装置50は、設備51の動作を制御する。例えば、設備管理装置50は、所定の操作卓に対するユーザの操作に従って設備51を制御したり、情報処理装置1から受信した信号に基づいて設備51を制御したりする。設備51は、空間SPに設置される各種設備であり、例えば、照明装置や、テレビ局のスタジオにおけるスタジオセット、劇場における美術セット等である。つまり、ここでいう設備は、空間SPに後付け可能な設備であり、例えば、階段等の空間SPに元々備わっている設備等を除いたものである。
【0038】
外部装置100は、ユーザが所持する端末装置である。例えば、外部装置100は、例えば、PC(Personal Computer)や、スマートフォン、タブレット、デジタルカメラ等の端末装置である。また、外部装置100は、メガネ型のVRデバイスであってもよい。
【0039】
次に、
図3を用いて、実施形態に係る情報処理装置1の構成例について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す機能ブロック図である。
【0040】
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを具備する。
【0041】
通信部2は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。例えば、通信部2は、所定のネットワークNを介してセンサ10や、設備管理装置50、設備51、外部装置100との間で各種情報を送受信する。
【0042】
制御部3は、取得部31、生成部32、提供部33、受付部34および操作制御部35を具備する。記憶部4は、空間データ情報41、設備情報42を記憶する。
【0043】
ここで、情報処理装置1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0044】
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部3の生成部32、提供部33、受付部34および操作制御部35として機能する。
【0045】
また、制御部3の生成部32、提供部33、受付部34および操作制御部35の少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0046】
また、記憶部4は、たとえば、RAMやフラッシュメモリに対応する。RAMやフラッシュメモリは、空間データ情報41や、設備情報42、各種プログラムの情報等を記憶することができる。なお、情報処理装置1は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
【0047】
記憶部4に記憶された空間データ情報41は、後述する取得部31が取得する空間データの情報である。
図4は、空間データ情報41の一例を示す図である。
図4に示すように、空間データ情報41には、「施設ID」、「施設種別」および「空間データ」といった項目が含まれる。
【0048】
「施設ID」は、空間データの施設を識別する識別情報である。「施設種別」は、施設の種別を示す情報である。「空間データ」は、空間データを示す情報である。
【0049】
記憶部4に記憶された設備情報42は、設備管理装置50から取得した各種設備に関する情報である。例えば、設備管理装置50は、製造メーカ等が管理するサーバ、PC等であって、に予め設備に関する情報が登録される。
図5は、設備情報42の一例を示す図である。
図5に示すように、設備情報42には、「設備ID」、「設備種別」および「詳細情報」といった項目が含まれる。
【0050】
「設備ID」は、設備51を識別する識別情報である。「設備種別」は、設備51の種別を示す情報である。「詳細情報」は、製造メーカ等によって予め登録された設備51の詳細に関する情報である。「詳細情報」には、設備51の情報が3次元モデル化された情報であり、例えば、設備51の寸法情報に基づいた3次元形状の情報や、照明装置においては、照射範囲や、照射強度(光量)、色温度等といった照明態様が3次元モデル化された情報が含まれる。また、「詳細情報」には、設備51を空間SPに設置する場合の設備費用の情報が含まれる。
【0051】
次に、制御部3の各機能(取得部31、生成部32、提供部33、受付部34および操作制御部35)について説明する。
【0052】
取得部31は、空間データを取得する。具体的には、取得部31は、センサ10によって計測された空間SPの3次元形状を示すデータを所定のソフトウェアにより処理することで、空間データを生成(取得)する。なお、取得部31は、空間データを生成する他のサーバ装置から空間データを取得してもよい。取得部31は、取得した空間データを空間データ情報41として記憶部4に記憶する。
【0053】
生成部32は、取得部31が取得した空間データに対し、施設B内に設置する設備51の情報を3次元モデル化した設備情報42が設定された3Dモデル情報を生成する。例えば、生成部32は、ユーザの要求に応じた3Dモデル情報を生成する。
【0054】
例えば、生成部32は、空間データに対し、設備51を3次元モデル化して設定する。具体的には、生成部32は、ユーザから設備51を空間データに配置する要求を受け付けた場合、配置することを要求された設備51の設備情報42を空間データに設定した3Dモデル情報を生成する。これにより、例えば、外部装置100において、設備51の配置等を空間データ上でシミュレーションできる。また、生成部32は、例えば、設備51が照明装置である場合、照明装置の照明態様を3次元モデル化して設定する。これにより、例えば、照明装置の照明態様を空間データ上でシミュレーションできるため、設備51を空間SPに施工した際のイメージを顧客が容易に把握できる。
【0055】
また、生成部32は、外部装置100によって空間データおよび設備情報42を仮想空間に表示する3Dモデル情報を生成する。例えば、生成部32は、設備情報42に基づいて、空間データに配置された設備51を仮想空間に表示する3Dモデル情報を生成する。これにより、例えば、VRゴーグル等の外部装置100を装着したユーザが、仮想空間である空間データに設置された設備情報42を見ることができる。つまり、ユーザは、あたかも空間SPにいて実際に設備51を見ているような感覚になるため、設備51を空間SPに施工した際の設備51の位置や大きさ等のイメージを顧客が容易に把握できる。
【0056】
さらに、生成部32は、設備情報42に基づいて、外部装置100に対するユーザの操作に応じた設備51の動作を仮想空間に表示する3Dモデル情報を生成する。これにより、例えば、ユーザの操作に応じて仮想空間において設備51を移動させたり、設備51の電源をオンして稼働させたりできる。また、仮想空間において設備51を移動させたりできるため、例えば、設備51を搬入する搬入業者が搬入ルートを容易に決定できるようになる。
【0057】
また、生成部32は、空間データに基づいて、外部装置100によって設備情報42を空間SPにおいて拡張現実として表示する3Dモデル情報を生成する。これにより、例えば、故障した設備51を修理する作業者等に対して、外部装置100の画面に映った設備51の画像上に復旧手順等の設備情報42を拡張現実として重畳させることで、作業者がマニュアル本等を携帯する必要がなくなるため、作業者の負担を軽減できる。
【0058】
また、生成部32は、空間データに対し、空間の利用時に設置される付帯設備の情報を3次元モデル化した付帯設備情報が設定された3Dモデル情報を生成する。付帯設備は、例えば、テレビ局のスタジオセットや、劇場の美術セット等といった空間SPを利用する際に一時的に設置される設備である。これにより、例えば、スタジオセット等が配置された空間データ上で、設備51である照明装置を配置することで、照明装置の光がスタジオセットにどのように照射されるかなどを容易に確認することができる。
【0059】
また、生成部32は、ユーザによって指定された空間データにおける所定の位置を仮想視点とする3Dモデル情報を生成する。例えば、生成部32は、設備51の配置位置を仮想視点とする3Dモデル情報を生成する。例えば、生成部32は、設備51である照明装置の位置を仮想視点とし、照明装置から照射方向を見た状態を仮想的に示した3Dモデル情報を生成する。これにより、ユーザは、照明装置から照射方向を見ながら設備51の配置位置を確認したり、照射態様を確認したりできる。
【0060】
また、生成部32は、例えば、設備51が設置される空間SPを展望可能な他空間に仮想視点を設定し、かかる仮想視点から空間SPを見た状態を仮想的に示した3Dモデル情報を生成する。これにより、ユーザは、他空間から空間SPに設置された設備51を見た画像を見ることができる。この結果、例えば、ユーザは、施設B外にいるにもかかわらず、他空間から空間SPを見た画像に基づいて設備51を操作できる。
【0061】
提供部33は、生成部32によって生成された3Dモデル情報を外部装置100へ提供する。また、提供部33は、例えば、3Dモデル情報に基づいて、空間データに配置した設備情報42に応じた設備費用を算出し、算出した設備費用の情報をユーザ(外部装置100)に提供する。
【0062】
また、提供部33は、空間SPに設備51が設置された後の空間データである設置後データと、生成部32によって生成された3Dモデル情報とを比較した比較情報を提供する。これにより、シミュレーションした3Dモデル情報の設備51の位置と、実際に設置された設備51の位置とを比較し、設置位置に差異がないかをユーザが確認できる。
【0063】
受付部34は、ユーザから外部装置100を介して各種要求を受け付ける。例えば、受付部34は、ユーザから3Dモデル情報の提供要求を受け付ける。受付部34は、提供要求を受け付けた場合、提供部33から3Dモデル情報が提供される。また、受付部34は、3Dモデル情報を提供したユーザから、設備情報42の配置に関して追加や、削除、変更等の更新要求を受け付ける。受付部34は、更新要求を受け付けた場合、生成部32は、更新要求に基づいて空間データにおける設備情報の配置を更新し、提供部33を介して更新した3Dモデル情報をユーザへ提供する。また、受付部34は、3Dモデル情報を外部装置100の表示部等に表示し、表示された3Dモデル情報に対するユーザの設備操作を受け付ける。受付部34は、設備操作を受け付けた場合には、操作制御部35へ通知する。
【0064】
例えば、受付部34は、設備51である照明装置から照射方向を見た状態を仮想的に示した3Dモデル情報を表示し、かかる3Dモデル情報に対する設備操作を受け付ける。これにより、操作制御部35が設備操作に応じて設備51を遠隔操作することで、ユーザは照明装置の位置から照射方向を見ながら照明装置を遠隔操作することができる。
【0065】
また、例えば、受付部34は、設備51が設置される空間SPを展望可能な他空間に設定した仮想視点から空間SPを見た状態を仮想的に示した3Dモデル情報を表示し、かかる3Dモデル情報に対する設備操作を受け付ける。これにより、操作制御部35が設備操作に応じて設備51を遠隔操作することで、ユーザは、あたかも他空間から空間SP見ているような感覚で設備51を遠隔操作できる。
【0066】
操作制御部35は、受付部34が設備操作を受け付けた場合、設備操作に基づいて設備51を操作する。操作制御部35は、例えば、設備操作に基づいて、空間SPに実際に配置された設備51を遠隔操作する。また、操作制御部35は、例えば、設備操作に基づいて、3次元モデルの設備51を空間データ上でシミュレーションによる操作を行う。
【0067】
例えば、操作制御部35は、設備操作に基づいて、センサ10を操作してデータを再計測する。そして、取得部31は、再計測したデータに基づいて空間データを取得し、生成部32は、かかる空間データに基づいて3Dモデル情報を更新する。これにより、設備51や付帯設備の位置等が変更された場合に、作業者がセンサ10を設置してデータ計測を行う必要がないため、作業者の負担を軽減できる。
【0068】
次に、
図6~
図8を用いて、実施形態に係る情報処理システムSにおいて実行される処理の流れについて説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理システムSにおいて実行される3Dモデル情報の提供処理の流れを示すシーケンス図である。
図7は、実施形態に係る情報処理システムSにおいて実行される設備51の遠隔制御処理の流れを示すシーケンス図である。
図8は、実施形態に係る情報処理システムSにおいて実行される設備51のシミュレーション操作処理の流れを示すシーケンス図である。
【0069】
まず、
図6を用いて、3Dモデル情報の提供処理の流れについて説明する。
【0070】
図6に示すように、センサ10は、施設Bの空間SPの3次元形状のデータを計測する(ステップS101)。
【0071】
つづいて、センサ10は、計測したデータを情報処理装置1へ送信する(ステップS102)。
【0072】
つづいて、情報処理装置1は、センサ10から受信したデータをソフトウェアにより処理することで、空間SPの3次元の空間データを生成する(ステップS103)。
【0073】
つづいて、情報処理装置1は、生成した空間データに対して、施設Bに設置される設備51の情報が3次元モデル化された設備情報42を設定することで、3Dモデル情報を生成する(ステップS104)。なお、ステップS104において生成される3Dモデル情報は、空間データに対して、設備情報42を視覚的に表示可能な状態の情報であり、換言すれば、仮に、ステップS104における3Dモデル情報を表示するならば、空間データのみが表示され、空間データに設定したい設備情報42を選択するための一覧等が表示された状態である。
【0074】
つづいて、情報処理装置1は、外部装置100に対して生成した3Dモデル情報を提供する(ステップS105)。つづいて、情報処理装置1は、外部装置100から3Dモデル情報の更新要求、例えばユーザからの所定の設備51を空間データに配置する要求を受信する(ステップS105)。かかる更新要求には、空間データに設定したい設備情報42の情報が含まれる。
【0075】
つづいて、情報処理装置1は、外部装置100から受信した更新要求に応じた3Dモデル情報を生成する(ステップS107)。つづいて、情報処理装置1は、生成した3Dモデル情報を提供することで更新を行い(ステップS108)、処理を終了する。
【0076】
次に、
図7を用いて、設備51の遠隔制御処理の流れについて説明する。
【0077】
まず、外部装置100は、情報処理装置1に対して3Dモデル情報の取得要求を送信する(ステップS201)。
【0078】
つづいて、情報処理装置1は、外部装置100に対して3Dモデル情報を送信する(ステップS202)。なお、ステップS202で送信される3Dモデル情報は、空間SPに実際に設置された設備51の情報が空間データ上に表示された情報である。
【0079】
つづいて、外部装置100は、3Dモデル情報を表示部に表示する(ステップS203)。
【0080】
つづいて、外部装置100は、3Dモデル情報に対するユーザの設備操作を受け付け、受け付けた設備操作の情報を情報処理装置1へ送信する(ステップS204)。
【0081】
つづいて、情報処理装置1は、設備操作に基づいて、例えば、設備管理装置50を介して、空間SPに実際に設置された設備51を遠隔操作し(ステップS205)、処理を終了する。
【0082】
次に、
図8を用いて、シミュレーション操作処理の流れについて説明する。
【0083】
まず、外部装置100は、情報処理装置1に対して3Dモデル情報の取得要求を送信する(ステップS301)。
【0084】
つづいて、情報処理装置1は、外部装置100に対して3Dモデル情報を送信する(ステップS302)。なお、ステップS302で送信される3Dモデル情報は、空間SPに実際に設置された設備51の情報が空間データ上に表示された情報であってもよく、空間データ上でのみ仮想的に表示された情報であってもよい。
【0085】
つづいて、外部装置100は、3Dモデル情報を表示部に表示する(ステップS303)。
【0086】
つづいて、外部装置100は、3Dモデル情報に対するユーザの設備操作を受け付け、受け付けた設備操作の情報を情報処理装置1へ送信する(ステップS204)。
【0087】
つづいて、情報処理装置1は、設備操作に基づいて、当該設備操作を3Dモデル情報に反映した3Dモデル情報を生成する(ステップS305)。
【0088】
つづいて、情報処理装置1は、反映後の3Dモデル情報を外部装置100へ送信し、(ステップS306)、設備操作に応じた設備51の動作を空間データ上で表示させて、処理を終了する。
【0089】
上述したように、実施形態に係る実施形態に係る情報処理装置1は、取得部31と、生成部32と、提供部33とを具備する。取得部31は、所定の施設B内の空間SPをセンサ10により計測したデータに基づき生成した3次元の空間データを取得する。生成部32は、取得部31によって取得された空間データに対し、施設B内に設置する設備51の情報を3次元モデル化した設備情報42が設定された3Dモデル情報を生成する。提供部33は、生成部32によって生成された3Dモデル情報を外部装置100へ提供する。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0090】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0091】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
10 センサ
31 取得部
32 生成部
33 提供部
34 受付部
35 操作制御部
41 空間データ情報
42 設備情報
50 設備管理装置
51 設備
100 外部装置
S 情報処理システム