(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240516BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 303
G06F3/12 326
G06F3/12 389
B41J29/00 E
(21)【出願番号】P 2023503731
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(86)【国際出願番号】 JP2022007109
(87)【国際公開番号】W WO2022185987
(87)【国際公開日】2022-09-09
【審査請求日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2021034214
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】加藤 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】福島 経介
(72)【発明者】
【氏名】金光 重中
(72)【発明者】
【氏名】塚本 康史
(72)【発明者】
【氏名】伊ヶ崎 明彦
【審査官】佐藤 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-13550(JP,A)
【文献】特開2015-57744(JP,A)
【文献】特開2010-86488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーコン発信機を備えた複数の画像形成装置と、
ビーコン受信機を備えた複数のユーザー端末装置と、
マッピング処理装置とを備え、
前記複数の画像形成装置は、それぞれ、デバイスIDを含むビーコン信号を前記ビーコン発信機で発信し、
前記複数のユーザー端末装置は、それぞれ、(a)当該ユーザー端末装置を現在使用中のユーザーのユーザーIDを特定し、(b)所定周辺エリア内に存在する画像形成装置から発信された前記ビーコン信号を前記ビーコン受信機で受信し、(c)受信した前記ビーコン信号における前記デバイスIDと前記ユーザーIDとを関連付けるマッピング情報を、前記マッピング処理装置に送信し、
前記マッピング処理装置は、(a)前記複数のユーザーについての前記マッピング情報を受信し、(b)前記複数のユーザーについての前記マッピング情報に基づいて、前記マッピング情報によって前記複数の画像形成装置における各画像形成装置に関連付けられているユーザーを特定し、(c)前記画像形成装置に対して、特定した前記ユーザーを関連付けたマップデータを生成すること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記複数のユーザー端末装置は、それぞれ、(a)前記マップデータを取得し、(b)前記マップデータに基づき、当該ユーザー端末装置を現在使用中のユーザーのユーザーIDに関連付けられている前記デバイスIDの前記画像形成装置を特定し、(c)特定した前記画像形成装置にプリントジョブ要求を送信し、
前記画像形成装置は、前記プリントジョブ要求を受信すると、前記プリントジョブ要求により指定されたプリントジョブを実行し、プリント生成物を出力すること、
を特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記複数のユーザー端末装置は、それぞれ、(a)前記マップデータを取得し、(b)前記マップデータに基づくマップ画像を表示することを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記マップ画像は、前記画像形成装置の設置位置に対応する位置に当該画像形成装置のアイコン画像を有することを特徴とする請求項3記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記マッピング処理装置は、前記複数のユーザー端末装置のうちの1つであることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある画像形成システムでは、携帯端末装置が、周辺の画像形成装置を検出し、周辺の画像形成装置の位置情報を取得し、当該携帯端末装置の現在位置および周辺の画像形成装置の位置情報に基づいて、当該携帯端末装置および周辺の画像形成装置を含むマップ画像を生成している(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、従業員などに固定的な座席を割り当てずに従業員が出社してから自己の作業場所を決めて作業をするフリーアドレス型のオフィスが導入されている。
【0005】
フリーアドレス型のオフィスでは、固定的な座席を割り当てられていないため、従業員(ユーザー)の現在位置を特定することが困難なことがある。上述の画像形成システムでは、ユーザーは、周辺の画像形成装置の位置をマップ画像で把握することができるものの、他のユーザーの現在の作業場所を把握することは困難である。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、任意の場所で作業可能なオフィスにおいて、ユーザーの現在の作業場所の周辺にある画像形成装置を把握可能にする画像形成システムおよびマッピング処理プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成システムは、ビーコン発信機を備えた複数の画像形成装置と、ビーコン受信機を備えた複数のユーザー端末装置と、マッピング処理装置とを備える。前記複数の画像形成装置は、それぞれ、デバイスIDを含むビーコン信号を前記ビーコン発信機で発信する。前記複数のユーザー端末装置は、それぞれ、(a)当該ユーザー端末装置を現在使用中のユーザーのユーザーIDを特定し、(b)所定周辺エリア内に存在する画像形成装置から発信された前記ビーコン信号を前記ビーコン受信機で受信し、(c)受信した前記ビーコン信号における前記デバイスIDと前記ユーザーIDとを関連付けるマッピング情報を、前記マッピング処理装置に送信する。そして、前記マッピング処理装置は、(a)前記複数のユーザーについての前記マッピング情報を受信し、(b)前記複数のユーザーについての前記マッピング情報に基づいて、前記マッピング情報によって前記複数の画像形成装置における各画像形成装置に関連付けられているユーザーを特定し、(c)前記画像形成装置に対して、特定した前記ユーザーを関連付けたマップデータを生成する。
【0008】
本発明に係るマッピング処理プログラムは、コンピューターを、(a)複数のユーザー端末装置から複数のユーザーについてのマッピング情報を受信し、(b)前記複数のユーザーについての前記マッピング情報に基づいて、前記マッピング情報によって複数の画像形成装置における各画像形成装置に関連付けられているユーザーを特定し、(c)前記画像形成装置に対して、特定した前記ユーザーを関連付けたマップデータを生成するマッピング処理部として機能させる。そして、前記マッピング情報は、前記ユーザー端末装置の所定周辺エリア内に存在する画像形成装置から発信され当該ユーザー端末装置により受信されたビーコン信号における当該画像形成装置のデバイスIDと当該ユーザー端末装置を現在使用中のユーザーのユーザーIDとを関連付ける情報である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、任意の場所で作業可能なオフィスにおいて、ユーザーの現在の作業場所の周辺にある画像形成装置を把握可能にする画像形成システムおよびマッピング処理プログラムが得られる。
【0010】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1におけるユーザー端末装置および画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1および
図2に示す画像形成システムにおけるマッピング情報の収集について説明する図である。
【
図4】
図4は、
図1および
図2に示す画像形成システムにおいて収集されたマッピング情報に基づくマップ画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成を示す図である。
図2は、
図1におけるユーザー端末装置および画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すシステムでは、例えばフリーアドレス型のオフィスにおいて、複数のユーザー101-1~101-M(M>1)が、ユーザー端末装置1-1~1-Mをそれぞれ使用している。また、このシステムでは、例えばフリーアドレス型のオフィスにおいて、複数の画像形成装置2-1~2-N(N>1)(複合機、プリンターなど)が設置されている。
【0015】
各ユーザー101-i(i=1,・・・,M)の作業場所は、固定されておらず、日々変化する可能性がある。このシステムでは、各ユーザー端末装置1-iは、例えば、ユーザー101-iに割り当てられた、持ち運び可能なノート型パーソナルコンピューターなどである。他方、各画像形成装置2-iは、通常移動せず、固定的に配置されている。
【0016】
ここで、ユーザー端末装置1-1~1-Mおよび画像形成装置2-1~2-Nは、イントラネットなどといったネットワークに接続されており、そのネットワークを介して互いにデータ通信を行うことができる。
【0017】
各ユーザー端末装置1-iは、ビーコン受信機11、ネットワークインターフェイス12、表示装置13、入力装置14、記憶装置15、演算処理装置16などを備える。
【0018】
ビーコン受信機11は、画像形成装置2-1~2-Nのビーコン発信機22に対応するビーコン受信機である。つまり、ビーコン受信機11は、ビーコン発信機22により所定の無線通信規格(BLE、ブルートゥース(登録商標)など)で発信されるビーコン信号を受信可能な無線通信装置である。
【0019】
ネットワークインターフェイス12は、無線LAN(Local Area Network)または有線LANのネットワークインターフェイスであり、上述のネットワークに接続される。
【0020】
表示装置13は、ユーザーに対して操作画面などを表示する液晶ディスプレイなどといった内部装置である。入力装置14は、ユーザー操作を検出するタッチパネルなどといった内部装置である。
【0021】
記憶装置15は、フラッシュメモリー、ハードディスクドライブなどといった不揮発性記憶装置であって、マッピング処理プログラム15aなどのプログラムやデータを記憶している。
【0022】
演算処理装置16は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを有するコンピューター、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などであり、ROMや記憶装置15からプログラムをRAMにロードしCPUで実行することで、各種処理部として動作する。
【0023】
ここでは、演算処理装置16は、図示せぬドライバープログラムを実行することで、ドライバー16aとして動作し、マッピング処理プログラム15aを実行することで、マッピング処理部16bとして動作する。
【0024】
ドライバー16aは、画像形成装置2-j(j=1,・・・,N)用のドライバーであり、ネットワークインターフェイス12でジョブ要求を画像形成装置2-jへ送信し、ジョブ要求により指定されたジョブを画像形成装置2-jに実行させる。
【0025】
マッピング処理部16bは、親機機能と子機機能とを備える。
【0026】
子機機能は、(a)当該ユーザー端末装置1-iを現在使用中のユーザー101-iのユーザーIDを特定し、(b)所定周辺エリア内に存在する画像形成装置2-jから発信されたビーコン信号をビーコン受信機11で受信し、(c)受信したビーコン信号におけるデバイスIDとユーザーIDとを関連付けるマッピング情報を、マッピング処理装置に送信する。
【0027】
親機機能は、(a)複数のユーザー101-1~101-Mについてのマッピング情報を受信し、(b)複数のユーザー101-1~101-Mについてのマッピング情報に基づいて、そのマッピング情報によって複数の画像形成装置2-1~2-Nにおける各画像形成装置2-jに関連付けられているユーザーを特定し、(c)各画像形成装置2-jに対して、特定したユーザーを関連付けたマップデータを生成する。
【0028】
この実施の形態では、ユーザー端末装置1-1~1-Mのうちの1つが、親機機能を実行し、マッピング処理装置として動作する。なお、画像形成装置2-1~2-Nのうちの1つをマッピング処理装置としてもよいし、ユーザー端末装置1-1~1-Mおよび画像形成装置2-1~2-Nとは異なるサーバーを、マッピング処理装置としてもよい。
【0029】
また、各ユーザー端末装置1-iにおいて、マッピング処理部16bは、(a)ネットワークインターフェイス12を使用して、マッピング処理装置からマップデータを取得し、(b)そのマップデータに基づき、当該ユーザー端末装置1-iを現在使用中のユーザー101-iのユーザーIDに関連付けられているデバイスIDの画像形成装置2-jを特定し、(c)特定した画像形成装置2-jをプリントジョブ要求の宛先としてドライバー16aに設定し、ドライバー16aで、その画像形成装置2-jにプリントジョブ要求を送信する。
【0030】
また、各ユーザー端末装置1-iにおいて、マッピング処理部16bは、取得したマップデータに基づくマップ画像を生成し、そのマップ画像を表示装置13に表示する。
【0031】
その際、マップ画像は、画像形成装置2-jの設置位置に対応する位置における当該画像形成装置2-jのアイコン画像、および当該画像形成装置2-jのアイコン画像に関連付けたユーザー1-iのアイコン画像を有するようにしてもよい。つまり、その場合、画像形成装置2-jの設置位置の位置関係に対応する位置関係で、マップ画像において画像形成装置2-jが示され、ユーザーは、どのユーザーがどの画像形成装置2-jの周辺にいるかを簡単に視認できる。
【0032】
なお、図示せぬリソース管理サーバー(アクティブディレクトリサーバーなど)が、各ユーザー101-iについてユーザーIDとユーザー名などの属性情報とを互いに関連付けるユーザー登録データ、および、各画像形成装置2-jについてデバイスIDとデバイス名などの属性情報とを互いに関連付けるデバイス登録データをデータベースで管理し、要求に応じて、ユーザーIDやデバイスIDに対応するユーザー名やデバイス名などの属性情報を提供するようにしてもよい。そして、その場合、マップ画像は、アイコン画像とともに、ユーザー名やデバイス名などの属性情報を示すようにしてもよい。また、そのリソース管理サーバーは、各画像形成装置2-jの設置位置の位置情報を上述の属性情報として管理していてもよい。また、各画像形成装置2-jのデバイス属性情報については、リソース管理サーバーで管理せずに、各画像形成装置2-jが、自己のデバイス属性情報を管理情報ベース(Management information base)として管理し、SNMP(Simple Network Management Protocol)で提供可能としてもよい。
【0033】
図3は、
図1および
図2に示す画像形成システムにおけるマッピング情報の収集について説明する図である。
図4は、
図1および
図2に示す画像形成システムにおいて収集されたマッピング情報に基づくマップ画像の一例を示す図である。
【0034】
例えば
図3に示すように、デバイス名MFPxx1の画像形成装置2-1の周辺エリア(ビーコン信号の受信可能エリア)に、ユーザー名USER_Aのユーザー101-Pのユーザー端末装置1-Pが配置されており、デバイス名MFPxx2の画像形成装置2-2の周辺エリアに、ユーザー名USER_Bのユーザー101-C1のユーザー端末装置1-C1およびユーザー名USER_Cのユーザー101-C2のユーザー端末装置1-C2が配置されており、デバイス名MFPxx3の画像形成装置2-3の周辺エリアに、ユーザー名USER_Cのユーザー101-C3のユーザー端末装置1-C2が配置されており、デバイス名MFPxx4の画像形成装置2-4の周辺エリアに、ユーザー名USER_Dのユーザー101-C3のユーザー端末装置1-C3およびユーザー名USER_Eのユーザー101-C4のユーザー端末装置1-C4が配置されている場合において、ユーザー端末装置1-Pがマッピング処理装置に指定されているとき、以下のように、マッピング情報が収集される。
【0035】
つまり、ユーザー端末装置1-Pは、自己のマッピング情報として、ユーザー101-PのユーザーIDと画像形成装置2-1のデバイスIDとを関連付けるマッピング情報を生成する。ユーザー端末装置1-C1は、ユーザー101-C1のユーザーIDと画像形成装置2-2のデバイスIDとを関連付けるマッピング情報を生成してユーザー端末装置1-Pに送信する。ユーザー端末装置1-C2は、ユーザー101-C2のユーザーIDと画像形成装置2-2のデバイスIDとを関連付けるマッピング情報およびユーザー101-C2のユーザーIDと画像形成装置2-3のデバイスIDとを関連付けるマッピング情報を生成してユーザー端末装置1-Pに送信する。ユーザー端末装置1-C3は、ユーザー101-C3のユーザーIDと画像形成装置2-4のデバイスIDとを関連付けるマッピング情報を生成してユーザー端末装置1-Pに送信する。ユーザー端末装置1-C4は、ユーザー101-C4のユーザーIDと画像形成装置2-4のデバイスIDとを関連付けるマッピング情報を生成してユーザー端末装置1-Pに送信する。
【0036】
そして、
図3に示す状況の場合、例えば
図4に示すようなマップ画像201が生成され表示される。その際、上述のようにして、ユーザーIDおよびデバイスIDに対応するユーザー名およびデバイス名が特定され、マップ画像201において、各画像形成装置2-jおよび各ユーザー101-iを示すアイコンとともに、対応するユーザー名およびデバイス名が表示される。
【0037】
これにより、ユーザーは、各画像形成装置2-jを基準点として、各ユーザーがどの辺りにいるかを特定でき、所望のユーザーの現在位置を把握できる。
【0038】
また、
図2において、画像形成装置2は、プリント装置などの内部装置21、ビーコン発信機22、ネットワークインターフェイス23、およびコントローラー24を備える。
【0039】
内部装置21は、プリント装置である場合、プリントジョブ要求により指定されたプリント画像データに基づく画像をプリント用紙に(例えば電子写真方式で)プリントする内部装置である。
【0040】
ビーコン発信機22は、ブルートゥース(登録商標)などの所定の近距離無線通信規格でデータ通信を行う内部装置であり、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)で、当該画像形成装置2に固有なデバイスIDを含むビーコン信号を発信する。
【0041】
ネットワークインターフェイス23は、無線LAN、有線LANなどのネットワークインターフェイスであり、上述のネットワークに接続され、そのネットワークを介して他の装置(ユーザー端末装置1-iなど)とデータ通信を行う内部装置である。
【0042】
コントローラー24は、コンピューター、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを有し、ジョブ要求を受け付け、ジョブ要求により指定されたジョブを、内部装置21を使用して実行する。例えば、コントローラー24は、プリントジョブ要求を受信すると、そのプリントジョブ要求により指定されたプリントジョブを、内部装置21としてのプリント装置を使用して実行し、プリント生成物を出力する。
【0043】
また、コントローラー24は、ビーコン発信機22を制御し、当該画像形成装置2に固有なデバイスIDを含むビーコン信号を、所定の送信強度(例えば2m離れた位置での電波強度-30dBm、10m離れた位置での電波強度-16dBmなど)および所定の送信頻度(例えば30秒に1回、1分に1回、5分に1回など)で、ビーコン発信機22に繰り返し送信させる。なお、送信強度および送信頻度は、編集可能な設定値で指定される。周辺エリアのサイズは、送信強度に応じて決定されるため、画像形成装置2-1~2-Nの台数Nや画像形成装置2-1~2-Nのうち互いに隣接する2台間の平均距離や最大距離などに応じて、送信強度ひいては周辺エリアのサイズを設定するようにしてもよい。
【0044】
次に、上記画像形成システムの動作について説明する。
【0045】
(a)マッピング情報の収集
【0046】
各ユーザー101-iは、作業開始前にユーザー端末装置1-iを操作して自己のユーザーIDを入力してログインする。そのユーザー端末装置1-iのマッピング処理部16bは、そのユーザーIDを、当該ユーザー端末装置1-iを現在使用しているユーザーのユーザーIDとして特定する。
【0047】
次に、マッピング処理部16bは、ビーコン受信機11により、画像形成装置2-jから発信されたビーコン信号が受信されているか否かを判定し、ビーコン信号が受信されている場合には、そのビーコン信号に含まれているデバイスIDを特定する。
【0048】
そして、周辺エリアの画像形成装置2-jのデバイスIDが特定されると、マッピング処理部16bは、そのデバイスIDと上述のユーザーIDとを関連付けるマッピング情報を、ネットワークインターフェイス12でマッピング処理装置(ここでは、ユーザー端末装置1-P)に送信する。
【0049】
ユーザー端末装置1-Pのマッピング処理部16bは、そのマッピング情報を受信すると、図示せぬ不揮発性記憶装置に記憶する。その際、マッピング情報に含まれるユーザーIDについてのマッピング情報が記憶されている場合には、そのマッピング情報が、受信されたマッピング情報で更新される。
【0050】
(b)マップデータの生成
【0051】
ユーザー101-iは、マップ画像の表示や、プリントジョブ要求の送信宛先設定などのためにマップデータを取得したい場合、ユーザー端末装置1-iに対して所定のユーザー操作を行う。ユーザー端末装置1-iのマッピング処理部16bは、そのユーザー操作が入力装置14で検出されると、ネットワークインターフェイス12でマッピングデータ送信要求をマッピング処理装置(ここでは、ユーザー端末装置1-P)に送信する。
【0052】
ユーザー端末装置1-Pのマッピング処理部16bは、ネットワークインターフェイス23で、そのマッピングデータ送信要求を受信すると、現時点で上述の記憶装置に記憶されているマッピング情報を統合して、マッピングデータ(画像形成装置2-1~2-Nについて各画像形成装置2-j(デバイスID)に関連付けられているユーザー101-i(ユーザーID)のリスト)を生成し、ネットワークインターフェイス23で、そのマッピングデータをそのユーザー端末装置1-iに送信する。
【0053】
ユーザー端末装置1-iのマッピング処理部16bは、ネットワークインターフェイス12で、そのマッピングデータを受信すると、そのマッピングデータに基づいて、(a)当該ユーザー101-iのユーザーIDに関連付けられているデバイスIDの画像形成装置2-jを特定し、特定した画像形成装置2-jを、プリントジョブ要求の送信宛先に設定し、(b)また、必要に応じて、例えば
図4に示すようなマップ画像を生成し、表示装置13に表示する。
【0054】
以上のように、上記実施の形態によれば、複数の画像形成装置2-1~2-Nは、それぞれ、デバイスIDを含むビーコン信号をビーコン発信機22で発信する。複数のユーザー端末装置1-1~1-Mは、それぞれ、(a)当該ユーザー端末装置1-iを現在使用中のユーザー101-iのユーザーIDを特定し、(b)所定周辺エリア内に存在する画像形成装置2-jから発信されたビーコン信号をビーコン受信機11で受信し、(c)受信したビーコン信号におけるデバイスIDとユーザーIDとを関連付けるマッピング情報を、マッピング処理装置に送信する。そして、マッピング処理装置は、(a)そのユーザー101-1~101-Mについてのマッピング情報を受信し、(b)そのユーザー101-1~101-Mについてのマッピング情報に基づいて、そのマッピング情報によって複数の画像形成装置2-1~2-Nにおける各画像形成装置2-jに関連付けられているユーザーを特定し、(c)各画像形成装置2-jに対して、特定したユーザーを関連付けたマップデータを生成する。
【0055】
これにより、任意の場所で作業可能なオフィスにおいて、ユーザーの現在の作業場所の周辺にある画像形成装置2-jを把握可能となる。ひいては、ユーザー端末装置1-iは、ユーザーの周辺にある画像形成装置2-jを特定できるとともに、ユーザーは、他のユーザーのおおまかな現在位置(どの画像形成装置2-jの周辺にいるか)を特定することができる。
【0056】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、例えば、画像形成システムに適用可能である。