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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】ライト
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20240516BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240516BHJP
【FI】
F21V23/00 140
F21Y115:10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022576282
(86)(22)【出願日】2021-01-20
(86)【国際出願番号】 JP2021001921
(87)【国際公開番号】W WO2022157868
(87)【国際公開日】2022-07-28
【審査請求日】2023-05-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509101088
【氏名又は名称】ボクシーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 暁
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0327349(US,A1)
【文献】特開2010-044950(JP,A)
【文献】特開2019-061774(JP,A)
【文献】特開2015-041438(JP,A)
【文献】特開2017-212118(JP,A)
【文献】特開2020-115437(JP,A)
【文献】特開2018-142399(JP,A)
【文献】特開2012-199259(JP,A)
【文献】特開2013-069559(JP,A)
【文献】特開2010-238572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00 - 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子と、
前記複数の発光素子が所定の間隔で配置される第1面と、前記第1面と第2面を連通する開口とを有する第1基板と、
前記第1基板の第2面側に設けられ、通信手段が搭載された第2基板と、
前記第2基板に設けられるアンテナと、を備え、
前記通信手段は、オンオフ操作に応じて前記オンオフ操作の情報を外部に発信し、
前記アンテナは、前記第1基板の開口を通じて、前記第1基板の第1面の交差方向に延在し、
前記第1基板は、前記複数の発光素子の発光部及び前記第2基板との接続部用の開口以外が、金属製のパネルで覆われている、ライト。
【請求項2】
複数の発光素子と、
前記複数の発光素子が所定の間隔で配置される第1面と前記第1面の反対の第2面を有する第1基板と、
前記第1基板の第2面側に設けられ、通信手段が搭載された第2基板と、
前記第1基板の第1面に設けられるアンテナと、を備え、
前記通信手段は、オンオフ操作に応じて前記オンオフ操作の情報を外部に発信し、
前記アンテナは、前記第1基板の第1面の交差方向に延在し、
前記第1基板は、前記複数の発光素子の発光部及び前記第2基板との接続部用の開口以外が、金属製のパネルで覆われている、ライト。
【請求項3】
前記複数の発光素子は、前記第1基板の第1面側に、周方向に所定の間隔で放射状に配置されている、請求項1または2に記載のライト。
【請求項4】
前記複数の発光素子は、複数列に配置されている、請求項2に記載のライト。
【請求項5】
前記アンテナが前記開口に挿入され配置された状態で、前記アンテナの周囲に前記第1基板の前記第2面側から前記第1基板の第1面側に空気が抜ける空間が形成されている、
請求項1に記載のライト。
【請求項6】
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられる遮熱材を備える、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のライト。
【請求項7】
前記通信手段は、通信モジュールを含み、
前記通信モジュールは、前記第2基板の第1基板には接しない面に配置されている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のライト。
【請求項8】
電源回路を備え、
前記電源回路は、前記第1基板及び/又は前記第2基板に全部又は一部が搭載されている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のライト。
【請求項9】
第3基板を備え、
前記第3基板は、前記第2基板に対して所定の間隔を隔てて配置され、
前記電源回路は、前記第1基板、前記第2基板及び/又は前記第3基板に全部又は一部が搭載されている、請求項8に記載のライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光素子を用いたライトに関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子を用いたライトとしてLEDランプが、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1において開示されたLEDランプは、発光素子としてLED素子が用いられ、省電力化のために、人の存在を検知して点灯制御を行う人感センサーを内蔵したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-99337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された技術は、人感センサーとして周波数が24GHzの電磁波の発信回路と、反射してくる電磁波の受信回路と、検知信号となる人体の移動速度に対応する周波数帯のドップラー信号の発信回路が実装されるものであり、この人感センサーの検知信号によって人の存在の有無を検出してライトの点灯消灯の制御を行うものであり、ライトの点灯操作や消灯操作が行われたことを示す情報は発信しないものである。このため、実際にライトの点灯操作や消灯操作が行われたことは、例えば、遠隔地においてはわからなかった。
【0005】
そこで、本開示は、点灯消灯の操作の情報を発信するライトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために以下によって把握される。
(1)本発明のライトは、複数の発光素子と、前記複数の発光素子が所定の間隔で配置される第1面と、前記第1面と第2面を連通する開口とを有する第1基板と、前記第1基板の第2面側に設けられ、通信手段が搭載された第2基板と、前記第2基板に設けられるアンテナと、を備え、前記通信手段は、オンオフ操作に応じて前記オンオフ操作の情報を外部に発信し、前記アンテナは、前記第1基板の開口を通じて、前記第1基板の第1面の交差方向に延在する。
(2)本発明のライトは、複数の発光素子と、前記複数の発光素子が所定の間隔で配置される第1面と前記第1面の反対の第2面を有する第1基板と、前記第1基板の第2面側に設けられ、通信手段が搭載された第2基板と、前記第1基板の第1面に設けられるアンテナと、を備え、前記通信手段は、オンオフ操作に応じて前記オンオフ操作の情報を外部に発信し、前記アンテナは、前記第1基板の第1面の交差方向に延在する。
(3)上記(1)において、前記複数の発光素子は、前記第1基板の第1面側に、周方向に所定の間隔で放射状に配置されている。
(4)上記(2)において、前記複数の発光素子は、複数列に配置されている。
(5)上記(1)において、前記アンテナが前記開口に挿入され配置された状態で、前記アンテナの周囲に前記第1基板の前記第2面側から前記第1基板の第1面側に空気が抜ける空間が形成されている。
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記第1基板は、前記複数の発光素子の発光部及び前記第2基板との接続部用の開口以外が、金属製のパネルで覆われている。
(7)上記(1)から(6)のいずれかにおいて、前記第1基板と前記第2基板との間に設けられる遮熱材を備える。
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記通信手段は、通信モジュールを含み、前記通信モジュールは、前記第2基板の第1基板には接しない面に配置されている。
(9)上記(1)から(8)のいずれかにおいて、電源回路を備え、前記電源回路は、前記第1基板及び/又は前記第2基板に全部又は一部が搭載されている。
(10)上記(9)において、第3基板を備え、前記第3基板は、前記第2基板に対して所定の間隔を隔てて配置され、前記電源回路は、前記第1基板、前記第2基板及び/又は前記第3基板に全部又は一部が搭載されている。
(11)上記(10)において、前記第2基板と前記第3基板を接続するコネクタを備える。
(12)上記(1)から(11)のいずれかにおいて、前記第2基板は、サーバに管理されている調光の設定を受信し、調光を制御するステップを実行するプログラムが搭載されている。
(13)上記(1)から(12)のいずれかにおいて、前記ライトは、電球タイプ又は蛍光灯タイプを含む。
(14)本発明のシステムは、上記(1)から(13)のいずれかに記載のライトと、サーバと、を備えたシステムであって、前記第2基板は、前記サーバに点灯状況を送信し、前記サーバは点灯状況をもとに定められたルールに基づいて利用者に通知を行う。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、点灯消灯の操作の情報を発信するライトを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係るライトの概要を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るライトを用いた通信の概要を示す図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るライトの基板構成の例を示す図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るライトの発光素子の配置の例を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態に係るライトの第2基板の概要を示す図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るライトの第2基板の概要を示す図である。
図7】本発明の第1実施形態に係るライトの第3基板の概要を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るライトの概要を示す図である。
図9】本発明の第2実施形態に係るライトの基板構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施形態について詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係るライト1の概要を示す図である。
図1に示すライト1は、電球タイプの場合を示しており、筐体2と、筐体2の下端側に
設けられた口金3と、カバー4と、を有している。
【0011】
筐体2は、例えば、アルミニウムのように熱伝導性が良好な金属などで形成されていることが望ましく、このようにすることによって筐体2が放熱性を有するヒートシンクの役割を果たすことになる。
【0012】
口金3は、E17やE26などの標準的なサイズにより設けることが望ましい。これにより、標準的なソケットに取り付けることができる。
【0013】
カバー4は、透光性の良好なガラスなどにより形成されることが望ましい。光を照射したい方向に合わせてカバー4の内面に散乱剤を塗布してもよい。
【0014】
ライト1の内部には、第1基板10と、第2基板20と、第3基板30と、を備えている。基板の構成は、図1に示すように3つに分かれていることに限定されず、1つであってもよく、複数であってもよい。例えば、第1基板10と第2基板20を1つの基板で構
成するようにしてもよい。また、第1基板10と第2基板20を3つ以上の基板で構成するようにしてもよい。また、第3基板30を備えないようにしてもよい。
【0015】
第1基板10の第1面11は、カバー4の側に向けて設けられており、複数の発光素子13が所定の間隔で配置されている。第1基板10は、第1面11の反対の第2面12を有し、第1面11と第2面12を連通する開口14を中央付近に有している。
【0016】
第2基板20は、第1基板10の第2面12の側に設けられている。第2基板20には、通信手段24が搭載され、アンテナ23が設けられている。アンテナ23は、第1基板10の開口14を通じて、第1基板10の第1面11の交差方向に延在するように設けられている。
【0017】
図1に示すように、第1基板10及び第2基板20は、筐体2に支持されるように設置してもよい。このようにすることにより、第1基板10及び第2基板20の熱を筐体2によって外部に効率良く放射することができる。
【0018】
通信手段24は、オンオフ操作に応じてオンオフ操作の情報を外部に発信する。オンオフ操作により、発光素子13の点灯及び消灯がされるため、ライト1の点灯及び消灯の操作の情報が外部に発信されることになる。
【0019】
図2は、本発明の実施形態に係るライト1を用いた通信の概要を示す図である。
ライト1は、アンテナ23を有し、アンテナ23は、電波の送信及び受信を行う。これによりライト1は、外部との通信が可能に構成されている。図1に示すように、ライト1はSIM27を有している。これにより、図2に示すように、ライト1は、基地局50を介したモバイルデータ通信(2G、3G、LTEなど)が行えるようになっている。
【0020】
アンテナ23から発信される電波を基地局50が受信し、基地局50が受信した電波は信号に変換されてネットワーク60と接続され、ネットワーク60を介してサーバ70と接続される。このようにして、ライト1とサーバ70の間で通信ができるように構成されている。
【0021】
サーバ70が発信した情報の信号は、ネットワーク60を介して基地局50に伝達されて、基地局50で電波に変換されて放射され、ライト1のアンテナ23で受信される。このように、ライト1とサーバ70は、片方向及び双方向の通信ができるようになっている。
【0022】
また、ネットワーク60を介して利用者端末80が接続されており、ライト1、サーバ70と利用者端末80がネットワーク60を介して通信ができるようにしてもよい。利用者端末80は、パソコンやスマートフォンなどの情報端末である。
【0023】
図3は、本発明の実施形態に係るライト1の基板構成の例を示す図である。
第1基板10と第2基板20は、接続部15で接続されている。これにより、第1基板10と第2基板20は、電気的に接続されて、電力の供給や制御信号の送受信が行われる。接続部15はケーブルで形成されるようにしてもよく、あるいは、ケーブルを使用しないでコネクタのみで接続するようにしてもよい。
【0024】
第1基板10の第1面11には、複数の発光素子13が所定の間隔で配置されており、第1基板10は、複数の発光素子13の発光部13a及び第2基板20との接続部15用の孔17a以外が、金属製のパネル16、パネル17で覆われている。金属製のパネル16が、第1基板10の第1面11を覆い、金属製のパネル17が、第1基板10の第2面12を覆っている。金属製のパネル16には、発光素子13の発光部13aに対応した孔16aが設けられている。
【0025】
発光素子13は、電気信号を光信号に変換する電子部品である。例えば、小さな基板の上にLED素子を乗せて電極を繋ぎ、樹脂コーティングされたチップLEDなどがある。この場合、発光部13aはLED素子である。発光素子13は、チップLEDに限定されるものではなく、例えば、レーザーダイオードなどであってもよい。
【0026】
金属製のパネル16、パネル17は、アルミニウムなどの熱伝導が良好な金属などで形成されていることが望ましい。これにより、発光素子13において発生する熱を効率良く放熱することができる。
【0027】
金属製のパネル16、パネル17は、図示しない金属製の部材で接続されるようにして、熱が伝達されるようにしてもよい。また、金属製のパネル16、パネル17は、筐体2と接触するように構成してもよい。これにより、第1基板10の熱が、金属製のパネル16、パネル17を介して筐体2に伝わり、外気により効率良く冷却することができる。
【0028】
ライト1は、第1基板10と第2基板20との間に設けられる遮熱材29を備えるように構成してもよい。これにより、発光素子13において発生する熱を第2基板20の側に伝達させないようにする。遮熱材29には、接続部15を通すための孔29aを設けてもよい。また、遮熱材29は、パネル17に取り付けてもよい。
【0029】
通信手段24は、通信モジュール25を含み、図3に示すとおり、通信モジュール25は、第2基板20の第1基板10には接しない面に配置されている。すなわち、図3において、通信手段24は、第2基板20の裏面22に配置されている。このようにすることで、通信モジュール25が、発光素子13が発生する熱の影響を受けにくくしている。
【0030】
通信モジュール25は、ライト1の点灯消灯の情報を取得し、この情報を重畳した信号を生成してアンテナ23に送り、アンテナ23から電波として発信される。また、図3に示すように、第2基板20の表面21には、SIM27が実装されている。これによって、図2に示すように、基地局50を介したモバイルデータ通信(2G、3G、LTEなど)が可能になっている。
【0031】
図3において、アンテナ23が開口14に挿入され配置された状態で、アンテナ23の周囲に第1基板10の第2面12の側から第1基板10の第1面11の側に空気が抜ける空間が形成されている。開口14は、第1基板10、金属製のパネル16、パネル17及び遮熱材29を貫通して設けられている。アンテナ23は開口14に挿入されて設けられており、その周囲に開口14の空間がある。これにより、第1基板10の第2面12の側から矢印Aのように空気が流れ、第1基板10及び第2基板20の周囲の熱を効果的に放熱することができる。
【0032】
ライト1は、電源回路を備え、電源回路は、第1基板10及び/又は第2基板20に全部又は一部が搭載されているようにしてもよい。すなわち、電源回路は、全て第1基板10に搭載されていてもよく、全て第2基板20に搭載されていてもよく、あるいは、第1基板10、第2基板20に分割して搭載されていてもよい。電源は、口金3によりソケットを介して外部より供給される。
【0033】
また、ライト1は、第3基板30を備え、電源回路は、第1基板10、第2基板20及び/又は第3基板30に全部又は一部が搭載されているようにしてもよい。すなわち、電源回路は、全て第1基板10に搭載されていてもよく、全て第2基板20に搭載されていてもよく、全て第3基板30に搭載されていてもよく、あるいは、第1基板10、第2基板20、第3基板30の2つ又は3つに分割して搭載されていてもよい。
【0034】
このように、電源回路を第1基板10、第2基板20及び/又は第3基板30に最適に搭載することで、スペースの効率化を図ることができ、ライト1の小型化を図ることができる。
【0035】
図3は、ライト1が、電源回路が搭載された第3基板30を備えている場合を示しており、第3基板30は、第2基板20に対して所定の間隔Bを隔てて配置されている。ライト1において、電源回路が発光素子13と同様に熱源になる。第3基板30を、第2基板20に対して所定の間隔Bを隔てて配置することで、通信モジュール25が、電源回路が発生する熱の影響を受けにくくしている。
【0036】
図3に示すように、第2基板20と第3基板30は、お互いを電気的に接続するコネクタ26、32を備えている。第2基板20はコネクタ26を備え、第3基板30はコネクタ32を備えており、コネクタ26とコネクタ32が嵌合して電気的に接続される。このようにケーブルを介することなくコネクタ26、32で直接接続することによって、ライト1の小型化を図ることができる。
【0037】
図3に示すように、第1基板10は、金属製のパネル16、パネル17で覆われているが、第2基板20又は第3基板30は、パネルで覆われていない構成にしてもよい。第2基板20、第3基板30は、第1基板10の発光素子13のように、広い範囲に熱の発生源を配置するようにしなくてもよいからである。
【0038】
図4は、本発明の実施形態に係るライト1の発光素子13の配置の例を示す図である。
発光素子13は、第1基板10の第1面11の側に、周方向に所定の間隔で放射状に配置されている。ライト1が照射方向に均一に光を照射する目的で使用する場合には、発光素子13は、周方向に所定の間隔で均一に配置されるようにしてもよい。
【0039】
また、複数の発光素子13は、1列のみに配置されていてもよいが、複数列に配置されているようにしてもよい。ライト1の大きさや照射する範囲、照射する光の強さなどによって、配置する列の数を決定してもよい。図4において、2列に配置されているが、これに限定されず、3列あるいはそれ以上であってもよい。
【0040】
図4において、発光素子13は円周上に配置されているが、これに限定されず、例えば、6角形や8角形などの多角形の頂点上や辺上に配置されていてもよい。発光素子13の配置は、ライト1の形状や使用目的に合わせて適宜配置が選択される。
【0041】
図4に示すように、第1基板10の第1面11は、複数の発光素子13の発光部13a以外が、金属製のパネル16で覆われている。また、中央付近には開口14が設けられている。
【0042】
図5図6は、本発明の実施形態に係るライト1の第2基板20の概要を示す図である。
図5は、第2基板20の表面21を示し、図6は、第2基板20の裏面22を示している。
【0043】
図5において、第2基板20の表面21には、アンテナ23が中央付近に設けられており、その外側にSIM27が配置されている。
【0044】
第1基板10の第2面12と第2基板20の表面21は、接続部15により電気的に接続されている。第1基板10の第2面12は、接続部15用の孔17a以外が、金属製のパネル17で覆われている。
【0045】
図6において、第2基板20の裏面22には、通信手段24に含まれる通信モジュール25と第3基板30に接続されるコネクタ26が配置されている。
【0046】
図7は、本発明の実施形態に係るライト1の第3基板30の概要を示す図である。
第3基板30は、筐体2に包まれるように取り付けられている。筐体2が金属などの導電性材料で形成されている場合には、使用上の安全を確保するために、図示しない絶縁材料で形成されたケースを介して取り付けるようにしてもよい。
【0047】
第3基板30は、電源回路31が配置されており、発光素子13と同様に熱源となる要素である。電源回路31の半導体部品などで発生した熱は、特に筐体2がアルミニウムのように熱伝導性が良好な金属などで形成されている場合には、筐体2へと熱伝達で伝わり、輻射により外部に効率良く放熱される。
【0048】
第3基板30には、第2基板20のコネクタ26と電気的に接続されるコネクタ32が設けられている。
【0049】
第2基板20は、アンテナ23から受信する電波強度をチェックし、電波強度を取得するようにしてもよい。そして、電波強度が弱い場合には送信のリトライを行い、確実な通信を行うようにすることができるようにしてもよい。
【0050】
ライト1は、2.4GHz帯の周波数を用いて半径10~100mの範囲内に位置するBluetooth(登録商標)などの近距離通信を搭載した機器との間で電波を受信したり送信したりするように構成してもよい。すなわち、ライト1が、Bluetoothなどの近距離通信の受信手段(受信機)を備え、更に、発信手段(発信機)を備えるようにしてもよい。このようにすることで、基地局50、ネットワーク60、サーバ70を介さずに、スマートフォンやBluetoothなどの近距離通信を搭載した機器によって、ライト1の明るさをコントロールしたり、様々な設定をしたりすることができる。また、基地局50、ネットワーク60、サーバ70を介さずに、ライト1から点灯消灯状況の情報を、スマートフォンや近距離通信を搭載した専用機器などに送信することができる。
【0051】
また、ライト1は、その製造番号を取得して、外部に発信できるようにしてもよい。ライト1の製造番号とSIM27の番号の対応関係のテーブルを準備しておき、SIM27がデータとして保有するSIM27の番号を取得して、これからライト1の製造番号を取得するようにしてもよい。そして、ライト1は、SIM27の番号を外部に発信できるようにしてもよい。あらかじめライト1の製造番号と設置場所のデータベースを準備することで、電波強度とライト1の製造番号又はSIM27の番号を取得して、該当するライト1の設置場所とその設置場所における電波強度がわかり、その電波強度が不十分な場合に適切な処置を行うことができる。例えば、設置場所への室内アンテナの設置、設置場所の変更、ライト1の修理、交換などである。
【0052】
ライト1は、電波強度、製造番号の他に、電球内の温度、連続点灯時間、過去の点灯時間などを取得して、送信するようにしてもよい。すなわち、ライト1は、電球内(ライト1内)の温度を測定して取得する手段、ライト1の点灯、消灯の日付、時刻、時間を測定して取得する手段、これらの手段により取得した温度、時間のデータを記憶する手段及びこれらのデータを発信する手段を有するようにしてもよい。データを発信する手段は、通信手段24、アンテナ23やBluetoothなどの近距離通信の発信手段であってもよい。これにより、ライト1の稼働状況をより詳細に把握して発信することができ、この稼働状況のデータを様々な目的に利用することができる。
【0053】
例えば、「点灯して30分間が経過。電球内温度は68℃で正常。無線電波強度は-107dbmで弱い。前回の点灯時間は35分間。電球は正常に機能しているが、点灯を検知できないリスクがある。」との分析をして、電波強度が弱いことに対する処置を行うことができる。
【0054】
同様に、「点灯して5時間が経過。電球内温度は32.6℃。無線電波強度は-70dbmで良好。前回の点灯持続時間は305分間。電球内温度が低いため、LED照明が故障している可能性がある。電球の交換が必要。」との分析をして、ライト1の交換をする処置を行うことができる。このように、ライト1の故障の確認に利用することができる。
【0055】
更に、「点灯の直後。電球内温度が0℃で、室内温度は0℃または氷点下と推定。無線電波強度は良好(79dmb)、前回の点灯持続時間は228分間。空調が壊れている?電気代を節約している?外で使用?などの状況にあり、安否確認で利用している場合、要対応。」との分析をして、ライト1の使用者に何等かの異常が生じている可能があることを察知して、適切な対応を行うことができる。このように、ライト1を使用者の安否確認に利用することができる。
【0056】
第2基板20は、図1に示すサーバ70に管理されている調光の設定を受信し、調光を制御するステップを実行するプログラムが搭載されているようにしてもよい。このため、第2基板20は、このプログラム及び受信した調光の設定を記憶する記憶部と、受信した調光の設定を用いてこのプログラムを実行するマイクロプロセッサと、を備えるようにしてもよい。記憶部には、ROM、RAM、あるいはフラッシュメモリ等の半導体メモリを使用してもよい。
【0057】
サーバ70にライト1の調光の設定をしてライト1に送信しておくことで、ライト1がその調光の設定を受信して記憶部に記憶する。記憶した調光の設定に基づいて、マイクロプロセッサがプログラムを実行し、記憶した調光の設定に基づいてライト1の調光を制御するようにする。遠隔地に設置されたサーバ70からライト1の調光を制御するのと同じ効果となり、設置場所、時間、季節、天候などに応じたライト1の適切な調光を行うことができる。調光の内容は、例えば、ライト1の点灯・消灯、ライト1が照射する光の明るさを調節する照度、光の色を調節する調色などであってもよい。
【0058】
例えば、無人店舗においてライト1を使用する場合に、無人店舗の営業時間は点灯し、営業時間外は消灯するように設定する。また、営業時間において、昼間の時間は、照度を抑えた設定にし、夜間は明るい照度に設定する。この設定は季節により変えることも可能であり、例えば、夏は昼間の設定を長くして夜間の設定を短くし、冬は昼間の設定を短くして夜間の設定を長くし、春と秋はこの中間にする。この設定は、無人店舗の設置場所によって変えるようにしてもよい。ビルの中に設置された店舗の場合は、日照を受けないので昼と夜の設定の違いが小さく設定し、屋外に設置された店舗の場合は日照を受けるため昼と夜の設定の違いを大きく設定する。
【0059】
また、夏は涼しさを演出するために寒色系の光(青みがかった光、白い光)に調光し、冬は暖かさを演出するために暖色系の光(赤みがかった光)にするなど、ライト1が照射する光の色の設定、すなわち調色をするようにしてもよい。
【0060】
第2基板20の記憶部に記憶されたプログラムには、設置場所の環境に応じたライト1の調光の設定が含まれているようにしてもよい。すなわち、ライト1が、設置された場所の環境のデータを入手し、これらのデータも用いてマイクロプロセッサがプログラムを実行し、記憶した調光の設定に基づいてライト1の調光を制御するようにしてもよい。設置された場所の環境のデータとしては、例えば、明るさや温度などがある。これらのデータを用いて、ライト1を点灯又は消灯し、ライト1が照射する光の明るさを調節し、光の色を調節する調色をするようにしてもよい。
【0061】
また、ライト1から点灯の情報を送信してサーバ70が受信し、これに対する返信としてサーバ70から調光の設定を送信してライト1が受信し、ライト1がその設定に基づいた調光を制御するようにしてもよい。定期的にライト1から点灯の情報を送信するようにしておけば、サーバ70からも定期的に調光の設定を送信することができる。
【0062】
ライト1を用いて、ライト1と、サーバ70と、を備え、第2基板20は、サーバ70に点灯状況を送信し、サーバ70は点灯状況をもとに定められたルールに基づいて利用者が使用する利用者端末80に通知を行うシステムを構築してもよい。
【0063】
このようにすることで、遠隔地にいる利用者がライト1の点灯状況、すなわち点灯しているか、消灯しているか、その点灯状況が継続している時間などの情報を得ることができる。
【0064】
例えば、あらかじめ、夜間などの所定の時間にライト1の点灯の情報を入手した場合にはサーバ70から利用者端末80に点灯の情報を送信する、とのルールが設定されている場合には、所定の時間にライト1が点灯したとの情報がサーバ70から利用者端末80に送信される。この情報により利用者は、夜間に人がいない場所において、通常であれば消灯してるはずのライト1が点灯したことを知り、不審者のその場所への侵入などの異常を察知して、適切な対応をすることができる。このように、ライト1を防犯に利用することができる。
【0065】
ライト1に、人感センサーを設けることで、監視をしている場所に人が侵入した場合にこれを人感センサーが検知し、この検知情報に基づいてライト1を点灯させることがきる。この点灯の情報をライト1からサーバ70に送信し、あらかじめ設定されたルールに基づいてサーバ70から利用者端末80に点灯の情報を送信することで、利用者に通知することができる。これにより、ライト1による遠隔監視を行うことができる。
【0066】
また、例えば、トイレに設置されたライト1について、あらかじめ、一定期間点灯しない場合にはサーバ70から利用者端末80に点灯の情報を送信する、とのルールが設定されている場合には、トイレのライト1が一定期間点灯していないとの情報がサーバ70から利用者端末80に送信される。この情報により利用者は、日常的に使用されるはずのトイレのライト1が一定期間点灯していないことを知り、その家の住民に異常が生じている可能性があることを察知して、適切な対応をすることができる。このように、ライト1を安否確認に利用することができる。
【0067】
ライト1は、図1において電球タイプであるように示されているが、これに限定されず、電球タイプ又は蛍光灯タイプを含む他のタイプの照明装置であってもよい。
【0068】
ライト1の形状は断面が丸形状に限定されず、例えば、正方形や六角形などの多角形であってもよく、楕円形であってもよい。また、第1基板10、第2基板20、パネル16、17は円形に限定されず、例えば、正方形や六角形などの多角形であってもよく、楕円形であってもよい。
【0069】
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係るライト1の概要を示す図である。
図9は、本発明の第2実施形態に係るライト1の基板構成の例を示す図である。
図8図9により第2実施形態に係るライト1について説明する。以下、第2実施形態に係るライト1が、第1実施形態に係るライト1と異なる内容についてのみ説明する。
【0070】
図8に示すように、第2実施形態に係るライト1において、アンテナ23は第1基板10に設けられており、アンテナ23が第2基板20に設けられている第1実施形態に係るライト1とは、この点で異なるものである。
【0071】
図9において、第1基板10の第1面11にアンテナ23が設けられており、第1基板10の第1面11を覆うパネル16には、アンテナ23を通す孔16bが設けられている。アンテナ23は、第1基板10の第1面11の交差方向に延在する。
【0072】
第1基板10の第2面12には、アンテナ23に電気的に接続されたアンテナ端子18が設けられており、このアンテナ端子18と第2基板20がアンテナ接続部19によって電気的に接続されている。これにより、第1基板10に設けられたアンテナ23と第2基板20に設けられた通信手段24に含まれる通信モジュール25の間で通信信号の伝達が可能となる。そして、通信手段24は、オンオフ操作に応じてオンオフ操作の情報を外部に発信可能となる。
【0073】
アンテナ接続部19はケーブルで形成してもよく、あるいは、ケーブルを使用しないでコネクタのみで接続するようにしてもよい。また、アンテナ接続部19を別に設けないで、接続部15によってアンテナ23と第2基板20を電気的に接続してもよい。この場合、接続部15は、ケーブルで形成してもよく、あるいは、ケーブルを使用しないでコネクタのみで接続するようにしてもよい。
【0074】
アンテナ接続部19を通すために、第1基板10の第2面12を覆うパネル17には孔17bが設けられ、遮熱材29には孔29bが設けられている。また、アンテナ23の周囲に、空気が通る孔を設けてもよい。
【0075】
以上、具体的に説明したように、本発明によれば、点灯消灯の操作の情報を発信するライト1及びシステムを提供することができる。
【0076】
以上、具体的な実施形態に基づいて本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を実施しても良い。
【0077】
このように、本発明は、具体的な実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形や改良を施したものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0078】
1 ライト
2 筐体
3 口金
4 カバー
10 第1基板
11 第1面
12 第2面
13 発光素子
14 開口
15 接続部
16 パネル
16a 孔
16b 孔
17 パネル
17a 孔
17b 孔
18 アンテナ端子
19 アンテナ接続部
20 第2基板
21 表面
22 裏面
23 アンテナ
24 通信手段
25 通信モジュール
26 コネクタ
27 SIM
29 遮熱材
29a 孔
29b 孔
30 第3基板
31 電源回路
32 コネクタ
50 基地局
60 ネットワーク
70 サーバ
80 利用者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9