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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】テープ貼着装置
(51)【国際特許分類】
   B42C 9/02 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
B42C9/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020108284
(22)【出願日】2020-06-23
(65)【公開番号】P2022002888
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】511016316
【氏名又は名称】株式会社メタルクリエイション
(74)【代理人】
【識別番号】100126310
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】浦谷 尚宏
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-047993(JP,A)
【文献】特開平06-286928(JP,A)
【文献】実開平03-047156(JP,U)
【文献】特開2002-096575(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42B 2/00- 9/06
B42C 1/00-99/00
B42D 1/00-25/485
G09F 1/00- 5/04
A47G 1/00- 1/24
B65H 37/00-37/06
B44C 5/00- 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状部材の縁部に帯状の縁飾テープを貼着するテープ貼着装置において、
搬送方向に沿って所定の離間を有して連続される複数のシート状部材を押圧しながら水平搬送する搬送部と、
回転リールに支持されたテープロールより一連の縁飾テープを供給するテープ供給部と、
前記搬送部にて搬送されるシート状部材の縁部に前記テープ供給部より供給された縁飾テープを貼着ローラにて圧接して貼着する貼着部と、
前記貼着部にてシート状部材の縁部に貼着された縁飾テープを隣接するシート状部材の離間で切断する切断部と、を具備してなり、
前記テープ供給部は、前記貼着部にてシート状部材の縁部に縁飾テープが貼着されながら前記搬送部にてシート状部材が搬送されることで、該シート状部材の縁部に貼着された縁飾テープに引っ張られて前記回転リールが従動回転され、前記テープロールより一連の縁飾テープが連続して繰り出され、
前記切断部は、シート状部材の搬送方向に対して平行な回転軸を有するカッター刃が回転可能に設けられ、隣接するシート状部材の離間毎に前記カッター刃が垂直回転されることで、一連の縁飾テープからシート状部材に貼着された縁飾テープが切り離される、
ことを特徴とするテープ貼着装置。
【請求項2】
前記貼着部は、前記貼着ローラにて一つ以上のシート状部材の縁部に縁飾テープが常に圧接されている前記請求項1に記載のテープ貼着装置。
【請求項3】
前記貼着部は、前記貼着ローラとして、シート状部材の縁部に側方より弾性変形しながら押圧してシート状部材の縁端面に沿って縁飾テープを折り曲げる垂直ローラが設けられる請求項1又は請求項2に記載のテープ貼着装置。
【請求項4】
前記テープ供給部は、前記テープロールより繰り出される縁飾テープの貼着面に糊を塗布する糊付部が設けられる請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のテープ貼着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ貼着装置の技術に関し、より詳細には、シート状部材の縁部に帯状の縁飾テープを貼着するテープ貼着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、方形の色紙や紙製重箱の身部や蓋部を構成する長尺状の枠体等のように、シート状部材の縁部に装飾や補強用のための帯状の縁飾テープが貼着されたものが知られている。かかるシート状部材の縁部に縁飾テープをズレないように手作業で張り付けるには熟練を要し、目的とする製品の大量生産が困難であることから、複数のシート状部材の縁部に帯状の縁飾テープを連続して貼着するテープ貼着装置の構成が公知となっている。
【0003】
従来のテープ貼着装置としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されるように、搬送部にてシート状部材を縁部に沿う方向に搬送しながら、搬送経路中に設けられた貼着部に向けてテープ供給部のテープロールより一連の縁飾テープを繰り出し、貼着部の貼着部位にてシート状部材と縁飾テープとを合流させるようにして両者を自動的に張り合わせつつ、切断部にて所定のタイミングで縁飾テープを切断するようにした構成が公知である。
【0004】
しかしながら、上述した従来のテープ貼着装置では、貼着部にてシート状部材の縁部の貼着開始位置と縁飾テープの前端とが位置合わせされた状態で貼着が開始され、テープ供給部のテープロールより繰り出された一連の縁飾テープが所定長さで切断された後に、シート状部材の縁部の貼着終了位置と縁飾テープの後端とを合致させて貼着を終了する構成が採用されていた。そのため、シート状部材の縁端の所定位置に縁飾テープを正確に貼着させるためには、縁飾テープを繰り出すタイミングや縁飾テープを切断するタイミングの制御するための機構等が必要であったため、装置構成が複雑となり、仕様が異なるシート状部材の変更が困難で生産性に劣るという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平3-104695号公報
【文献】実開平4-60461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明では、テープ貼着装置に関し、前記従来の課題を解決するもので、簡易な構成で仕様が異なるシート状部材に対しても生産性よく容易に貼着加工できるテープ貼着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
すなわち、請求項1においては、シート状部材の縁部に帯状の縁飾テープを貼着するテープ貼着装置において、搬送方向に沿って所定の離間を有して連続される複数のシート状部材を押圧しながら水平搬送する搬送部と、回転リールに支持されたテープロールより一連の縁飾テープを供給するテープ供給部と、前記搬送部にて搬送されるシート状部材の縁部に前記テープ供給部より供給された縁飾テープを貼着ローラにて圧接して貼着する貼着部と、前記貼着部にてシート状部材の縁部に貼着された縁飾テープを隣接するシート状部材の離間で切断する切断部と、を具備してなり、前記テープ供給部は、前記貼着部にてシート状部材の縁部に縁飾テープが貼着されながら前記搬送部にてシート状部材が搬送されることで、該シート状部材の縁部に貼着された縁飾テープに引っ張られて前記回転リールが従動回転され、前記テープロールより一連の縁飾テープが連続して繰り出され、前記切断部は、シート状部材の搬送方向に対して平行な回転軸を有するカッター刃が回転可能に設けられ、隣接するシート状部材の離間毎に前記カッター刃が垂直回転されることで、一連の縁飾テープからシート状部材に貼着された縁飾テープが切り離されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記貼着部は、前記貼着ローラにて一つ以上のシート状部材の縁部に縁飾テープが常に圧接されているものである。
【0010】
請求項3においては、前記貼着部は、前記貼着ローラとして、シート状部材の縁部に側方より弾性変形しながら押圧してシート状部材の縁端面に沿って縁飾テープを折り曲げる垂直ローラが設けられるものである。
【0012】
請求項4においては、前記テープ供給部は、前記テープロールより繰り出される縁飾テープの貼着面に糊を塗布する糊付部が設けられるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、簡易な構成で仕様が異なるシート状部材に対しても生産性よく容易に貼着加工できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例に係るテープ貼着装置の全体的な構成を示した側面図である。
図2】同じく図1のテープ貼着装置の平面図である。
図3】シート状部材の加工過程を示した図である。
図4】搬送部の側面図である。
図5】テープ供給部及び切断部の平面図である。
図6】テープ供給部の側面図である。
図7】貼着部及び切断部の側面図である。
図8】テープ貼着装置を用いたシート状部材の貼着加工の過程を示した図。
図9】同じくテープ貼着装置を用いたシート状部材の貼着加工の過程を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、発明を実施するための形態を説明する。
【0016】
まず、本実施例のテープ貼着装置1の全体構成について、以下に概説する。なお、以下の実施例において、図1の矢印X方向をテープ貼着装置1の前後方向、矢印Y方向をテープ貼着装置1の上下方向、図2の矢印Z方向をテープ貼着装置1の左右方向とする。
【0017】
図1及び図2に示すように、本実施例のテープ貼着装置1は、シート状部材10の縁部に帯状の縁飾テープ11を貼着する貼着装置として構成されており、具体的には、所定寸法に裁断されたシート状部材10を所定のタイミングで供給するシート供給部2と、搬送方向に沿って複数のシート状部材10・10・・・を水平搬送する搬送部3と、一連の縁飾テープ11を供給するテープ供給部4と、搬送部3にて搬送されるシート状部材10の縁部にテープ供給部4より供給された縁飾テープ11を貼着する貼着部5と、貼着部5にてシート状部材10の縁部に貼着された縁飾テープ11を切断する切断部6と、搬送部3にて搬送されたシート状部材10を機外に搬出する搬出部7等とで構成されている。
【0018】
図3に示すように、シート状部材10としては、本実施例では一例として、複数の方形状の色紙片10a・10a・・・が連続(本実施例では4連)された長尺状の紙製部材として形成されている(図3(a))。シート状部材10は、本実施例のテープ貼着装置1にてシート状部材10の長辺の両縁部に縁飾テープ11が貼着され(図3(b))、余剰の縁飾テープ11が切除されることで中間品へと加工される(図3(c))。そして、かかる状態のシート状部材10が複数の色紙片10a・10a・・・に切断された後(図3(d))、さらにテープ貼着装置1にて紙片10aの残りの両縁部に縁飾テープ11が貼着され(図3(e))、同様に余剰の縁飾テープ11が切除されることで、全周縁部に縁飾テープ11が貼着された最終製品である色紙10bへと加工される(図3(f))。
【0019】
図1及び図2に示したように、シート供給部2は、装置最前方位置に配設されており、多数積層されたシート状部材10のうち、最下位のシート状部材10を搬送方向(図1において紙面左側から紙面右側)に供給する供給装置として構成されている。シート供給部2は、シート状部材10を積層保持するシート保持部20が設けられており、シート保持部20の下方位置に配設された送出コンベア21が駆動されることで、シート保持部20に保持されたシート状部材10が最下位のものから一枚ずつ順に搬送方向に沿って所定の離間を有して連続して供給される。
【0020】
図1図2及び図4に示すように、搬送部3は、装置中央位置に前後方向に沿って配設されており、上述したシート供給部2より供給されたシート状部材10を押圧しながら搬送方向に沿って所定の離間を有して連続して水平搬送する搬送装置として構成されている。具体的には、搬送部3は、シート状部材10が載置される搬送コンベア30と、搬送コンベア30の上方位置に配設されシート状部材10と上方より接触して押圧する押圧コンベア31等とが前後方向に沿って設けられている。
【0021】
搬送コンベア30は、前後方向に沿って無端状のベルト30aが回転可能に張設されており、ベルト30aは、駆動モータ32と動力伝達可能に接続された駆動プーリ30bに巻装されるとともに、ベルト面が前後方向に水平となるように配設されたテールプーリ30c及びヘッドプーリ30dに巻装されている。テールプーリ30c及びヘッドプーリ30dの間には、複数のキャリアローラ30e・30e・・・がベルト30aの裏面に当接して配設されており、キャリアローラ30e・30e・・・にてベルト30aが下方に撓むことがないように支持されている。
【0022】
押圧コンベア31は、前後方向に沿って無端状のベルト31aが搬送コンベア30のベルト30aと連動して逆方向に回転可能に張設されており、ベルト31aは、上述した駆動モータ32と動力伝達可能に接続された駆動プーリ31bに巻装されるとともに、ベルト面が前後方向に水平となるように配設されたテールプーリ31c及びヘッドプーリ31dに巻装されている。テーププーリ31c及びヘッドプーリ31dの間には、複数のインパクトローラ31e・31e・・・がベルト31aの裏面に当接して下方に向けて付勢するように配設されており、インパクトローラ31e・31e・・・にて付勢された状態で上述したベルト30aにベルト31aが当接されている。
【0023】
搬送部3は、搬送コンベア30のベルト30aの上方位置にて押圧コンベア31のベルト31aが対向するように配設されており、ベルト30a及びベルト31aが連動して逆方向に回転駆動される。シート供給部2より供給されたシート状部材10は、ベルト30a及びベルト31aの隙間に送り込まれ、ベルト30aに載置された状態でベルト31aにて上方より押圧されてベルト30a及びベルト31aに挟持され、ベルト30a及びベルト31aの側縁より長辺の両縁部が側方に突出された状態で水平搬送される。
【0024】
図1図2図5及び図6に示すように、テープ供給部4は、搬送部3の左右両側方位置にそれぞれ配設されており、テープロール12より一連の縁飾テープ11を貼着面(裏面)に糊を塗布しながら供給するテープ供給装置として構成されている。テープ供給部4は、テープロール12を支持する回転リール40が配設されており、回転リール40が回転してテープロール12より繰り出された縁飾テープ11が、転換プーリ41にて貼着面(裏面)を下方に向けた水平状態から貼着面(裏面)を側方に向けた垂直状態へと転換された後、コーナープーリ42を介して垂直状態のまま貼着部5へと供給される。
【0025】
回転リール40及び転換プーリ41の間には、縁飾テープ11の貼着面(裏面)に糊を塗布する糊付部43が設けられている。糊付部43は、貼着用糊が収容された糊タンク44内に糊付けローラ45が浸漬されており、上述した駆動モータ32と動力伝達可能に接続された駆動プーリ45aを介して糊付けローラ45が回転されることで削板46にて糊面に均等圧で糊が塗布される。テープロール12より繰り出された縁飾テープ11は、糊付けローラ45の糊面に裏面が当接されることで糊が転写され、糊が塗布されたまま貼着部5へと供給される。
【0026】
テープ供給部4には、テープロール12より繰り出された縁飾テープ11に張力(テンション)を付与して、回転リール40の回転負荷(トルク)を調整するバックテンション付与機構47が設けられている。バックテンション付与機構47としては、公知の構成を採用することができ、本実施例では一例として、回転リール40の回転軸40aにパッド47aを押し当てるパッド式機構が採用されており、調整ノブ47bを回動させてパッド47aの押し当て強度を調整することで、回転軸40aの回転負荷が制御される。このようにバックテンション付与機構47にて回転軸40aの回転負荷を調整することで、縁飾テープ11に弛みや波打ちが生じない程度の張力(テンション)を付与して、テープロール12より縁飾テープ11を安定して繰り出すことができる。
【0027】
図1図2図5及び図7に示すように、貼着部5は、搬送部3の左右両側方位置にそれぞれ配設されており、搬送部3にて搬送されるシート状部材10の縁部にテープ供給部4より供給された縁飾テープ11を貼着する貼着装置として構成されている。具体的には、貼着部5は、前方位置に搬送方向に沿って配設される規制ガイド50と、シート状部材10の縁部に押圧する貼着ローラとしての垂直ローラ51及び水平ローラ52等とが設けられている。
【0028】
規制ガイド50は、上下に離間を有して配置される一対の長板状部材が設けられており、搬送部3にて搬送されるシート状部材10の縁部が規制ガイド50の離間を通過する位置に配設されている。このように規制ガイド50が設けられることで、後述するように垂直ローラ51にてシート状部材10が押圧される際にシート状部材10の縁部が変形したり、縁飾テープ11の貼着位置がずれたりするのを防止することができる。
【0029】
垂直ローラ51は、規制ガイド50の外側位置に搬送方向に沿って所定の離間を有して直列に配設されており、本実施例では複数(本実施例では3個)の垂直ローラ51・51・・・が設けられている。垂直ローラ51は、上下方向に回転軸を有するスポンジ状のローラ部材より形成され、搬送部3にて搬送されるシート状部材10の縁部に側方より弾性変形しながら押圧して、シート状部材10の搬送に伴って従動回転されるように構成されている。
【0030】
垂直ローラ51の素材としては、形状追随性からスポンジ状部材が好ましいが、ゴム、エラストマー等適度な弾性力及び摩擦力を有するものでもよい。スポンジ状部材であれば、簡単かつ安価な材料で、シート状部材10や縁飾テープ11を傷付けることなく適度な反力で押し返して滑らかに貼着させることができる。
【0031】
水平ローラ52は、垂直ローラ51の後方位置に搬送方向に沿って垂直ローラ51・51・・・と直列に配設されており、本実施例では一つの水平ローラ52が設けられている。水平ローラ52は、左右方向に回転軸を有する上下に配列された一対のローラ部材より形成され、搬送部3にて搬送されるシート状部材10の縁部に上下方向より押圧して、シート状部材10の搬送に伴って従動回転される。
【0032】
規制ガイド50、垂直ローラ51及び水平ローラ52は、装置本体に対して左右方向の位置を変更可能に配設された支持プレート53上に載置されており、さらに、この支持プレート53に対して規規制ガイド50、垂直ローラ51及び水平ローラ52が相対位置を変更可能に固定されている。このように規制ガイド50、垂直ローラ51及び水平ローラ52が位置変更可能に配設されることで、例えば、長さや幅等の仕様が異なるシート状部材10を加工する場合であっても、搬送部3に対する相対位置を変動させるだけで容易に対応することができる。
【0033】
貼着部5では、搬送方向最上流位置の垂直ローラ51とシート状部材10の縁部との間に、テープ供給部4より供給された一連の縁飾テープ11が貼着面(裏面)を外側に向けて挟み込まれ、弾性変形した垂直ローラ51にてシート状部材10の縁部に側方より押圧されることで、シート状部材10の縁端面に沿って上下面方向に折り曲げられながら圧接され、また、搬送方向最下流位置の水平ローラ52にてシート状部材10の縁部の上下面に上下方向より圧接されることで、シート状部材10の縁部を包むように貼着される。
【0034】
図1図2図5及び図7に示したように、切断部6は、貼着部5の後方位置で搬送部3の左右両側方位置にそれぞれ配設されており、貼着部5にてシート状部材10の縁部に貼着された縁飾テープ11を隣接するシート状部材10・10の離間で切断する切断装置として構成されている。切断部6は、シート状部材10の搬送方向に対して平行な回転軸を有するカッター刃60が搬送方向に対して直交する方向に回転可能に設けられており、搬送コンベア30のベルト30aの上方位置に配設された検出センサ61にて隣接するシート状部材10・10の離間が検出されると、駆動モータ62としてのサーボモータにてカッター刃60が垂直回転され、一連の縁飾テープ11からシート状部材10に貼着された縁飾テープ11が切り離される。
【0035】
図1及び図2に示したように、搬出部7は、装置最後方位置に配設されており、搬送部3の搬送コンベア30と搬送方向に沿って連続する搬出コンベア70が設けられており、搬送コンベア30より排出されたシート状部材10が搬出コンベア70に載置されて機外に搬出される。
【0036】
次に、本実施例のテープ貼着装置1を用いたシート状部材10の貼着加工について、以下に詳述する。なお、以下の説明では、シート状部材10の一方の縁部への貼着加工について説明するが、他方の縁部への貼着加工についても同様である。
【0037】
図8及び図9に示すように、シート供給部2より所定のシート状部材10が搬送部3に供給されると、ベルト30a及びベルト31aの隙間にシート状部材10が送り込まれ、ベルト31aにて上方より押圧されてベルト30a及びベルト31aに挟持された状態で水平搬送される(図8(a))。
【0038】
貼着部5では、搬送部3にて搬送されるシート状部材10が規制ガイド50を通過すると、搬送方向最上流位置の垂直ローラ51とシート状部材10の縁部との間に、テープ供給部4より供給された一連の縁飾テープ11が貼着面(裏面)を外側に向けて挟み込まれ、弾性変形した垂直ローラ51がシート状部材10の縁部に側方より押圧することで、シート状部材10の縁端面に沿って縁飾テープ11が上下面方向に折り曲げられながら圧接される(図8(b))。
【0039】
そして、搬送部3にてシート状部材10が搬送方向下流側へと搬送されることで、順次隣接する垂直ローラ51にてシート状部材10の縁端面に沿って縁飾テープ11が圧接され、搬送方向最下流位置の水平ローラ52にてシート状部材10の縁部の上下面に上下方向より縁飾テープ11が圧接されることで、シート状部材10の縁部に縁飾テープ11が貼着される(図9(a))。
【0040】
この時、テープ供給部4では、貼着部5(垂直ローラ51及び水平ローラ52)にて、シート状部材10の縁部に縁飾テープ11が貼着されながら搬送部3にてシート状部材10が搬送されることで、シート状部材10の縁部に貼着された縁飾テープ11に引っ張られて回転リール40が従動回転され、テープロール12より一連の縁飾テープ11が連続して繰り出されて貼着部5へと供給される。
【0041】
なお、搬送部3にて搬送されるシート状部材10が貼着部5を通過する際には、垂直ローラ51又は水平ローラ52にて一つ以上のシート状部材10の縁部に縁飾テープ11が常に圧接されている。このように、垂直ローラ51及び水平ローラ52シート状部材10の縁部に縁飾テープ11が圧接されていることで、テープ供給部4にてテープロール12より一連の縁飾テープ11を確実に繰り出して貼着部5へと安定して供給することができる。
【0042】
次いで、切断部6では、搬送コンベア30のベルト30aの上方位置に配設された検出センサ61にて所定のシート状部材10と一つ下流側位置のシート状部材10との離間が検出されると、カッター刃60が垂直回転されて、一連の縁飾テープ11から一つ下流側位置のシート状部材10に貼着された縁飾テープ11が切り離される(図9(a))。そして、更に搬送部3にて所定のシート状部材10が搬送方向下流側へと搬送されて、検出センサ61にて所定のシート状部材10と一つ上流側位置のシート状部材10との離間が検出されると、同様にカッター刃60が垂直回転されて、一連の縁飾テープ11から所定のシート状部材10に貼着された縁飾テープ11が切り離される(図9(b))。
【0043】
このようにして、縁飾テープ11が貼着加工されたシート状部材10は、搬送部3より搬出部7を介して機外に搬出され、シート状部材10の前後に突出した余剰の縁飾テープ11・10がそれぞれ切除されることで中間品へと加工される(図3(c)参照)。
【0044】
以上のように、本実施例のテープ貼着装置1は、シート状部材10の縁部に帯状の縁飾テープ11を貼着するテープ貼着装置1において、搬送方向に沿って所定の離間を有して連続される複数のシート状部材10・10・・・を押圧しながら水平搬送する搬送部3と、回転リール40に支持されたテープロール12より一連の縁飾テープ11を供給するテープ供給部4と、搬送部3にて搬送されるシート状部材10の縁部にテープ供給部4より供給された縁飾テープ11を垂直ローラ51及び水平ローラ52にて圧接して貼着する貼着部5と、貼着部5にてシート状部材10の縁部に貼着された縁飾テープ11を隣接するシート状部材10・10の離間で切断する切断部6と、を具備してなり、テープ供給部4は、貼着部5にてシート状部材10の縁部に縁飾テープ11が貼着されながら搬送部3にてシート状部材10が搬送されることで、シート状部材10の縁部に貼着された縁飾テープ11に引っ張られて回転リール40が従動回転され、テープロール12より一連の縁飾テープ11が連続して繰り出されるため、簡易な構成で仕様が異なるシート状部材10に対しても生産性よく容易に貼着加工できるのである。
【0045】
すなわち、本実施例のテープ貼着装置1は、搬送部3によるシート状部材10の搬送と連動して、シート状部材10の縁部に貼着された縁飾テープ11が引っ張られることで、自動的にテープロール12より一連の縁飾テープ11が連続して繰り出され、シート状部材10の縁部に貼着してから一連の縁飾テープ11を切断するものであるため、従来の構成と比べて、縁飾テープ11を繰り出すタイミングや縁飾テープ11を事前に切断するタイミングを制御するための複雑な機構が不要であり、複数のシート状部材10に対して生産性よく連続して貼着加工することができる。また、仕様が異なるシート状部材10に対しても、貼着部5の貼着ローラ(垂直ローラ51及び水平ローラ52)や切断部6の配置を調整するだけで容易に対応することができる。
【0046】
また、本実施例の貼着部5は、貼着ローラとして、シート状部材10の縁部に側方より弾性変形しながら押圧してシート状部材10の縁端面に沿って縁飾テープ11を折り曲げる垂直ローラ51が設けられるため、垂直ローラ51とシート状部材10の縁部との間に縁飾テープ11を挟み込んだ状態で搬送部3にてシート状部材10を搬送する際に、垂直ローラ51の反発力にてシート状部材10や縁飾テープ11を傷付けることなく、シート状部材10の縁端の形状に合わせて縁飾テープ11を滑らかに貼着させることができる。
【0047】
また、本実施例の切断部6は、シート状部材10の搬送方向に対して平行な回転軸を有するカッター刃60が回転可能に設けられ、隣接するシート状部材10・10の離間毎にカッター刃60が垂直回転されることで、一連の縁飾テープ11からシート状部材10に貼着された縁飾テープ11が切り離されるものであるため、簡易な構成で縁飾テープ11を確実に切断して切り離すことができ、生産性よく貼着加工することができる。
【0048】
また、本実施例のテープ供給部4は、テープロール12より繰り出される縁飾テープ11の貼着面に糊を塗布する糊付部43が設けられるため、糊付部43にて一連の縁飾テープ11に糊を塗布した後に貼着部5へと連続して供給することができ、生産性よく貼着加工することができる。
【0049】
なお、テープ貼着装置1の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0050】
すなわち、上述した実施例のテープ貼着装置1では、シート状部材10として複数の色紙片10a・10a・・・が連続された長尺状の紙製部材を用いて貼着加工する構成について説明したが、かかるシート状部材10の形状等についてはこれに限定されず、例えば、色紙用台紙である方形状の紙製部材(図3(d)等参照)や、紙製重箱の身部や蓋部を構成する長尺状の枠体等をシート状部材10として用いることができる。
【0051】
また、上述した実施例のテープ貼着装置1では、搬送部3の左右両側方位置にシール供給部4、貼着部5及び切断部6がそれぞれ配設され、シート状部材10の両縁部に同時に貼着加工が行われる構成について説明したが、各部の配置構成はこれに限定されず、例えば、搬送部3の一方側にのみシール供給部4、貼着部5及び切断部6が配設されるか、又は一方のシール供給部4、貼着部5及び切断部6のみ駆動可能として、シート状部材10の一方の縁部にのみ貼着加工が行われるように構成されてもよい。
【0052】
また、上述した実施例のテープ貼着装置1では、テープ供給部4においてバックテンション付与機構47としてパッド式機構を採用した構成について説明したが、かかるバックテンション付与機構47の構成はこれに限定されず、例えば、テンションアームや回転センサ等で検知した縁飾テープ11のテンションに基づいて、回転軸40aに連結したサーボモータ等を駆動させて回転負荷を制御する機構等を採用してもよい。
【0053】
また、上述した実施例のテープ貼着装置1では、貼着部5において貼着ローラとしてシート状部材10の縁部に押圧する垂直ローラ51及び水平ローラ52が設けられる構成について説明したが、貼着ローラの構成としてはこれに限定されず、例えば、水平ローラの代わりに、ローラ面にスリットが凹設された垂直ローラ等のようにシート状部材10の縁部に上下方向より当接するローラ面を有する垂直ローラが別途設けられてもよい。また、貼着ローラ(垂直ローラ51及び水平ローラ52)が図示せぬバネなどの弾性部材によって搬送部3の側に付勢されるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 テープ貼着装置
2 シート供給部
3 搬送部
4 テープ供給部
5 貼着部
6 切断部
7 搬出部
10 シート状部材
11 縁飾テープ
12 テープロール
20 シート保持部
21 送出コンベア
30 搬送コンベア
30a コンベアベルト
30b 駆動プーリ
30c テールプーリ
31 押圧コンベア
32 駆動モータ
40 回転リール
41 転換プーリ
42 コーナープーリ
43 糊付部
44 糊タンク
45 糊付けローラ
46 削板
50 規制ガイド
51 垂直ローラ(貼着ローラ)
52 水平ローラ(貼着ローラ)
53 支持プレート
60 切断刃
61 検出センサ
62 駆動モータ
70 搬出コンベア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9