(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】自己ロック組織アンカー
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
A61B17/04
(21)【出願番号】P 2021536730
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 US2019068009
(87)【国際公開番号】W WO2020139776
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-12-08
(32)【優先日】2018-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317008300
【氏名又は名称】4テック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】グリフィン、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】オゴーマン、イアン
【審査官】近藤 裕之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0093096(US,A1)
【文献】特開2017-060800(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03284412(EP,A1)
【文献】国際公開第2016/189391(WO,A2)
【文献】国際公開第2018/035378(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ちょうど2つのワイヤー端(24A,24B)を有する金属ワイヤー(22,122,222,322,422,622)を有する組織アンカー(20,70,120,220,270,320,420,520A,520B,620)であって、
前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)は:
直線状アンカーシャフト部(26,276)と、
組織連結部(31,131,231,331,431,631)を定める形状であり、該組織連結部(31,131,231,331,431,631)は、前記直線状アンカーシャフト部(26,276)の遠位端(30)から延び、前記直線状アンカーシャフト部(26,276)が、前記組織連結部(31,131,231,331,431,631)と前記のちょうど2つのワイヤー端(24A,24B)のうちの第1のもの(24A)との間に前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)に沿って配置されるようになっており、
当該組織アンカー(20,70,120,220,270,320,420,520A,520B,620)は、前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)の前記組織連結部(31,131,231,331,431,631)が、拘束されていない状態であって、前記組織連結部(31,131,231,331,431,631)がいかなる外力によっても拘束されていない前記の拘束されていない状態にあるときに:
(a) 前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)の前記組織連結部(31,131,231,331,431,631)が、前記のちょうど2つのワイヤー端(24A,24B)のうちの第2のもの(24B)を含む尾端部(32,132,232,332,
432)を定める形状であるように構成されており
、
当該組織アンカー(20,70,120,220,270,320,420,520A,520B,620)
はさらに、前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)の前記組織連結部(31,131,231,331,431,631)が前記の拘束されていない状態にあるときに:
(b) 前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)の前記組織連結部(31,131,231,331,431,631)が、前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)に沿って第1ループ端長手方向部(40A,340A,640A)および第2ループ端長手方向部(40B,340B,640B)においてそれ自体と交差してループ部(44,344,644)を定めるように構成されて
おり、該ループ部(44,344,644)は概して、前記直線状アンカーシャフト部(26,276)のアンカーシャフト軸(48)と75~90度の角度(α)をなすループ部平面(46)を定め、
(c) 前記第1ループ端長手方向部(40A,340A,640A)が、前記第2ループ端長手方向部(40B,340B,640B)より、前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)に沿って前記第1ワイヤー端(24A)に近いように構成されて
おり、
(d) 前記第1ループ端長手方向部(40A,340A,640A)と前記第1ワイヤー端(24A)との間の最大絶対距離(D1)が、前記第2ループ端長手方向部(40B,340B,640B)と前記第1ワイヤー端(24A)との間の最大絶対距離(D2)より大きいように構成されて
おり、かつ、
(e)前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)が、単一のループ部(44,344,644)のみを定めるように構成されて
おり、かつ、
当該組織アンカー(20,70,120,220,270,320,420,520A,520B,620)は:
前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)の前記組織連結部(31,131,231,331,431,631)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記ループ部(44,344,644)が開ループ部の形状であり、該開ループ部では、前記第1ループ端長手方向部(40A,340A,640A)および前記第2ループ端長手方向部(40B,340B,640B)が互いに機械的に接触しておらず、かつ、
前記直線状アンカーシャフト部(26,276)の近位端(28)が前記ループ部平面(46)から離れるように前記アンカーシャフト軸(48)に沿って引かれるときに、前記第1ループ端長手方向部(40A,340A,640A)および前記第2ループ端長手方向部(40B,340B,640B)が互いに機械的に接触するようになるように構成されている、
前記組織アンカー(20,70,120,220,270,320,420,520A,520B,620)。
【請求項2】
前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)の前記組織連結部(31,131,231,331,431,631)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記アンカーシャフト軸(48)が、空間(54)であって、前記ループ部(44,344,644)によって囲まれ、かつ、前記ループ部(44,344,644)によって定められた前記空間(54)を通過しないように当該組織アンカー(20,70,120,220,270,320,420,520A,520B,620)が構成されている、請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項3】
前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)の前記組織連結部(31,131,231,331,431,631)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)が、前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)に沿って前記第1ループ端長手方向部(40A,340A,640A)および前記第2ループ端長手方向部(40B,340B,640B)においてちょうど1回それ自体と交差するように当該組織アンカー(20,70,120,220,270,320,420,520A,520B,620)が構成されている、請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項4】
前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)が、前記直線状アンカーシャフト部(26,276)の近位端(28)の近位にいかなるループ部も定める形状ではない、請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項5】
前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)の前記組織連結部(31,131,231,331,431,631)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記尾端部(32,132,232,332,
432)が概して、前記ループ部平面(46)にある、請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項6】
前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)の前記組織連結部(31,131,231,331,431,631)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記尾端部(32,132,232,332,
432)のいかなる部分も前記直線状アンカーシャフト部(26,276)と平行ではない、請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項7】
前記ワイヤー(222,322,422,622)の前記組織連結部(231,331,431,631)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記尾端部(32,232,332,
432)が少なくとも1つの直線部(256,356)を定める形状であるように当該組織アンカー(220,270,320,420,520A,520B,620)が構成されている、請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項8】
ファブリック(560)をさらに有し、該ファブリック(560)は、前記第1ループ端長手方向部(40A,340A,640A)または前記第2ループ端長手方向部(40B,340B,640B)を含む前記ワイヤー(322)の一部を覆う、請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項9】
前記ワイヤー(122,422,622)の前記組織連結部(131,431,631)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記尾端部(132,432)が少なくとも1つの尾端部湾曲部(454)を定める形状であるように当該組織アンカー(120,420,620)が構成されている、請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項10】
前記直線状アンカーシャフト部(26,276)の近位端(28)が、前記のちょうど2つのワイヤー端(24A,24B)のうちの前記の第1のもの(24A)にある、請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項11】
前記直線状アンカーシャフト部(26,276)の近位端(28)が、前記のちょうど2つのワイヤー端(24A,24B)のうちの前記の第1のもの(24A)にある、請求項1~
9のいずれか一項に記載の組織アンカー。
【請求項12】
前記ワイヤー(22,122,222,322,422)の前記組織連結部(31,131,231,331,431)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記ワイヤー(22,122,222,322,422)の前記組織連結部(31,131,231,331,431)が第1ループ端湾曲部(50,350)を定める形状であり、該第1ループ端湾曲部(50,350)に沿って前記第1ループ端長手方向部(40A,340A)が配置されるように当該組織アンカー(20,70,120,220,270,320,420,520A,520B)が構成されている、請求項1~
10のいずれか一項に記載の組織アンカー。
【請求項13】
ちょうど2つのワイヤー端(24A,24B)を有する金属ワイヤー(322,422)を有する組織アンカー(320,420,520A,520B)であって、
前記ワイヤー(322,422)は:
直線状アンカーシャフト部(26)と、
組織連結部(331,431)を定める形状であり、該組織連結部(331,431)は、前記直線状アンカーシャフト部(26)の遠位端(30)から延び、前記直線状アンカーシャフト部(26)が、前記組織連結部(331,431)と前記のちょうど2つのワイヤー端(24A,24B)のうちの第1のもの(24A)との間に前記ワイヤー(322,422)に沿って配置されるようになっており、
当該組織アンカー(320,420,520A,520B)は、前記ワイヤー(322,422)の前記組織連結部(331,431)が、拘束されていない状態であって、前記組織連結部(331,431)がいかなる外力によっても拘束されていない前記の拘束されていない状態にあるときに:
(a) 前記ワイヤー(322,422)の前記組織連結部(331,431)が、前記のちょうど2つのワイヤー端(24A,24B)のうちの第2のもの(24B)を含む尾端部(332,432)を定める形状であるように構成されており、
当該組織アンカー(320,420,520A,520B)はさらに、前記ワイヤー(322,422)の前記組織連結部(331,431)が前記の拘束されていない状態にあるときに:
(b) 前記ワイヤー(322,422)の前記組織連結部(331,431)が、前記ワイヤー(322,422)に沿って第1ループ端長手方向部(340A)および第2ループ端長手方向部(340B)においてそれ自体と交差してループ部(344)を定めるように構成されており、該ループ部(344)は概して、前記直線状アンカーシャフト部(26)のアンカーシャフト軸(48)と75~90度の角度(α)をなすループ部平面(46)を定め、
(c) 前記第1ループ端長手方向部(340A)が、前記第2ループ端長手方向部(340B)より、前記ワイヤー(322,422)に沿って前記第1ワイヤー端(24A)に近いように構成されており、
(d) 前記第1ループ端長手方向部(340A)と前記第1ワイヤー端(24A)との間の最大絶対距離(D1)が、前記第2ループ端長手方向部(340B)と前記第1ワイヤー端(24A)との間の最大絶対距離(D2)より大きいように構成されており、かつ、
(e)前記ワイヤー(322,422)が、単一のループ部(344)のみを定めるように構成されており、
前記ワイヤー(322,422)の前記組織連結部(331,431)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記ワイヤー(322,422)の前記組織連結部(331,431)が第1ループ端湾曲部(350)を定める形状であり、該第1ループ端湾曲部(350)に沿って前記第1ループ端長手方向部(340A)が配置されるように当該組織アンカー(320,420,520A,520B)が構成されており、かつ、
前記直線状アンカーシャフト部(26)の近位端(28)が前記ループ部平面(46)から離れるように前記アンカーシャフト軸(48)に沿って引かれるときに、前記ワイヤー(322,422)が、前記第2ループ端長手方向部
(340B)にて、前記ワイヤー(322,422)の前記第1ループ端湾曲部(350)において前記第1ループ端長手方向部
(340A)にはまり込むように当該組織アンカー(320,420,520A,520B)が構成されている、
前記組織アンカー
(320,420,520A,520B)。
【請求項14】
前記ワイヤー(322,422)の前記組織連結部(331,431)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記ループ部(344)が開ループ部の形状であり、該開ループ部では、前記第1ループ端長手方向部(340A)および前記第2ループ端長手方向部(340B)が互いに機械的に接触しておらず、かつ、
前記直線状アンカーシャフト部(26)の近位端(28)が前記ループ部平面(46)から離れるように前記アンカーシャフト軸(48)に沿って引かれるときに、前記第1ループ端長手方向部(340A)および前記第2ループ端長手方向部(340B)が互いに機械的に接触するようになる
ように当該組織アンカー(320,420,520A,520B)が構成されている、
請求項13に記載の組織アンカー。
【請求項15】
前記ワイヤー(322,422)の前記組織連結部(331,431)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記第1ループ端湾曲部(350)の内側湾曲表面(358)が、前記第2ループ端長手方向部(340B)に沿って前記ワイヤー(322,422)の半径の80%~120%に等しい曲率半径を有するように当該組織アンカー(320,420,520A,520B)が構成されている、請求項13に記載の組織アンカー。
【請求項16】
前記第1ループ端湾曲部(50,350)が、前記直線状アンカーシャフト部(26,276)の前記遠位端(30)から直接延びている、請求項13に記載の組織アンカー。
【請求項17】
前記ワイヤー(622)の前記組織連結部(631)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記ワイヤー(622)の前記組織連結部(631)が第1ループ端直線部(623A)を定める形状であり、該第1ループ端直線部(623A)に沿って前記第1ループ端長手方向部(640A)が配置されるように当該組織アンカー(620)が構成されている、請求項1~
10のいずれか一項に記載の組織アンカー。
【請求項18】
前記ワイヤー(622)の前記組織連結部(631)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記ワイヤー(622)の前記組織連結部(631)が第2ループ端直線部(623B)を定める形状であり、該第2ループ端直線部(623B)に沿って前記第2ループ端長手方向部(640A)が配置されるように当該組織アンカー(620)が構成されている、請求項17に記載の組織アンカー。
【請求項19】
前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)の前記組織連結部(31,131,231,331,431,631)が前記の拘束されていない状態にあるときに、前記ループ部(44,344,644)がちょうど1のターンを含むように当該組織アンカー(20,70,120,220,270,320,420,520A,520B,620)が構成されている、請求項1~
10のいずれか一項に記載の組織アンカー。
【請求項20】
アンカーヘッド(33)をさらに有し、かつ、該アンカーヘッド(33)は、前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)の前記直線状アンカーシャフト部(26,276)に連結され、かつ、前記ワイヤー(22,122,222,322,422,622)の前記直線状アンカーシャフト部(26,276)を支持する、請求項1~
10のいずれか一項に記載の組織アンカー。
【請求項21】
請求項1~
10のいずれか一項に記載の組織アンカーを有するシステム(10)であって、当該システム(10)はさらに、前記組織アンカー(20,70,120,220,270,320,420,520A,520B,620)に取り付けられたテザー(52)を有する、前記システム(10)。
【請求項22】
前記組織アンカー(20,70,120,220,270,320,420,520A,520B,620)が第1組織アンカーであり、かつ、当該システム(10)がさらに、第2組織アンカー(38)を有し、該第2組織アンカー(38)は、前記第1組織アンカーとは分離しており、かつ、前記第1組織アンカーとは別個のものであり、かつ、前記テザー(52)によって前記第1組織アンカーに連結されている、請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、本願の譲受人に譲渡され、かつ、参照によって本明細書に組み込まれる、米国仮出願第62/784,670号からの優先権を主張する。
【0002】
出願の分野
本発明は、概して組織アンカーに関し、かつ、具体的には心臓部位における埋め込み用の組織アンカーに関する。
【背景技術】
【0003】
出願の背景
組織アンカーは、ペースメーカー電極のリード線または縫合糸等の要素を、骨または軟部組織等の組織に係留(anchoring;アンカリング・固定)するために用いられる。Gilmoreらへの国際公開第2016/087934号公報(参照によってその全体が本明細書に組み込まれる)には、組織アンカーであって、シャフトと、組織連結用要素と、可撓性の細長い引張り部材とを含む前記組織アンカーについて記載されている。組織連結用要素はワイヤーを含んでおり、該ワイヤーは、組織アンカーが拘束されていない(すなわち、直線状の状態からコイル巻きの状態へと拡張する)ときは、いくつかの応用例では1より多いコイル回転を有する開ループコイルの形状である。引張り部材は、開ループコイル上の部位に固定された(fixed)遠位部と、シャフトの少なくとも一部に沿って延びる長手方向セグメントを有する近位部と、交差部とを含んでおり、該交差部は、(i)引張り部材に沿って遠位部と近位部との間に配置されており、かつ、(ii)組織アンカーが拡張するときに開ループの少なくとも一部と交差する(cross)。該組織アンカーは、組織アンカーが拡張するときに、シャフトの少なくとも一部と引張り部材の近位部の長手方向セグメントとの間の相対的軸方向運動を可能にするように構成されている。いくつかの応用例については、組織アンカーのヘッドが通路を定める形状であり、該通路には可撓性の細長い引張り部材の近位部がスライド可能に配置されている。可撓性の細長い引張り部材はロック用ストッパー(locking stopper)を有し、該ロック用ストッパーは、可撓性の細長い引張り部材の近位または交差部に軸方向に固定されている。ロック用ストッパーおよび通路は、通路のサイズおよび形状が、通路を通り越えるようなロック用ストッパーの近位方向の移動を防止するようなサイズならびに形状である。ロック用ストッパーは、可撓性の細長い引張り部材によって開ループに加えられ得る総荷重を制限し、そのことによって開ループに対する過剰で不要な負担を減少させる。可撓性の細長い引張り部材によって加えられる追加の荷重(張力)が、アンカー全体を引っ張り、かつ、開ループにわたって加えられる荷重をさらに増加させない。
【0004】
МcGuckin,Jr.らへの米国特許出願公開第2003/0093096号公報には、中心部と該中心部から延びる末端部を有する細長いストランドを有する、手術用具の挿入から生じる血管の穴(vessel aperture)を閉鎖するためのクリップ装置について記載されている。中心部から遠く離れた末端部の先端は、それが直面する組織を保持する形状である。末端部は、ストランドが拘束されていない配置にあるときに、末端部が中心部に対して丸まり、それが係合した組織を保持することを引き起こそうとする記憶特性を有する。
【0005】
Kleshinskiらへの米国特許第8,398,672号明細書には、血管、または、その他の身体通路内に医療用埋め込みデバイスを係留するための技術について記載されている。アンカー送達システムは、医療用埋め込みデバイスに接続された1つ以上の拡張可能なアンカーを収容する。アンカーは、医療用埋め込みデバイスが身体内の所望の位置に配置されるまで拡張していない構成で収容されたままであり、かつ、その後、アンカーは身体壁を通って進み、ここでは各アンカーはアンカーシャフトから外側に拡張する。1つの構成では、各アンカーは、圧縮可能な閉ループとして形成され、該圧縮可能な閉ループは、アンカーシャフトから外側に延び、かつ、アンカーシャフトを渡り、かつ、アンカーシャフトを越えて延びるように折り返す。アンカーを進めるために、トリガーリングユニットに駆動シャフトが接続され、該トリガーリングユニットは、駆動されたときに、駆動シャフトがアンカーシャフトを、アンカーが身体壁を通って進むような方向に駆動させることを引き起こす。
【0006】
Gоldfarbらへの米国特許出願公開第2002/0013571号公報には、心臓弁逆流(とりわけ僧帽弁逆流)を治療するための弁尖の把持、ならびに、任意選択的な再位置決め、および、固定のための技術について記載されている。かかる把持は、典型的には非外傷性であり、多数の利益を提供するであろう。例えば、非外傷性の把持は、弁尖への損傷を伴わずに、弁尖に対するデバイスの再位置決め、および、弁尖自体の再位置決めを可能にするであろう。しかしながら、いくつかの場合には、弁尖に穴をあける把持、もしくは、そうでなければ弁尖に永久に影響を及ぼす把持を含むことが必要であるか、または、所望されるであろう。これらの場合のいくつかでは、把持ステップは固定を含む。
図24および25を参照して説明される1つの実施形態では、アンカーは、環状に湾曲したワイヤーから構成される。ワイヤーは、ステンレス鋼、ニチノール、もしくは、その他の形状記憶ワイヤー、高分子または類似の材料であってもよい。環の中心には、結合材によって縫合糸が取り付けられる。ワイヤーは第1端および第2端を有し、第1端は環の上に配置され、かつ、第2端は環の下に配置される。この構成は、アンカーが縫合糸によって弁尖表面に対して密接して引かれるときに、環のための支持を提供する。アンカーは、弁尖の固定のために用いられてもよい。アンカーワイヤーが可撓性材料で構成されるとき、アンカーは、針内へのローディングのために押し潰され得る。
【0007】
Benderらへの米国特許出願公開第2014/0275756号公報には、組織もしくは解剖学的構造の構成物を、その他の組織もしくは解剖学的構造との位置的関係もしくは力関係を変更するために圧縮し、切断し、切開し、再構成し、再構築し、取り付け、支持し、再度位置決めし、または、変更するための技術について記載されている。
図9Cおよび9C’を参照して説明される1つの実施形態では、アンカーであって、その遠位先端に予め形成されたコイルは有さないが、その代わりに送達部材の端部における造作部によって遠位コイルがオーダーメイドで形成された前記アンカーが提供される。
図9C’は、組織において所定の位置にあり、かつ、近位尾部(これもまた、送達部材によって形成される)を含むアンカーを描いている。
【0008】
Lundらへの米国特許出願公開第2009/0112052号公報には、患者の恥骨後隙に配置するためのインプラントについて記載されている。
図8は、アンカーを用いて骨盤内筋膜に係留されたインプラントの斜視図であり、かつ、
図9は、配備可能な(deplоyable;配置可能な・展開可能な)部材またはアンカーの1つの実施形態の斜視図である。
【発明の概要】
【0009】
出願の概要
本発明の実施形態は、配備(deployment;配置・展開)ツール内では拡張していない概して細長い構成で心腔(cardiac chamber)へと送達可能である、組織アンカーを提供する。当該組織アンカーは、標的部位における心臓組織壁に係留されるように構成されており、一旦当該組織アンカーが配備されると、引張力(tensile force)が当該組織アンカー(したがって、心臓組織壁)に加えられ得、隣接する心臓組織に対して標的部位における心臓組織壁を動かすようになっている。いくつかの応用例については、かかる動きは、三尖弁または僧帽弁等の心臓弁の幾何学的形状を変更する。
【0010】
本発明のある実施形態では、組織アンカーが提供され、当該組織アンカーは金属ワイヤーを有し、該金属ワイヤーは、第1および第2ワイヤー端を有し、かつ、直線状アンカーシャフト部および組織連結部(直線状アンカーシャフト部の遠位端から延びる)を定める形状であり、直線状アンカーシャフト部が組織連結部と第1ワイヤー端との間にワイヤーに沿って配置されるようになっている。当該組織アンカーは、組織連結部が拘束されていない状態にあるときに:
・ 組織連結部が、ワイヤーの第2端を含む尾端部を定める形状であるように構成されており、
・ ワイヤーの組織連結部が、ワイヤーに沿って第1および第2ループ端長手方向部においてそれ自体と交差してループ部を定めるように構成されており、該ループ部は概して、直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸と75~90度の角度をなすループ部平面を定め、
・ 第1ループ端長手方向部が、第2ループ端長手方向部よりワイヤーに沿って第1ワイヤー端に近いように構成されており、かつ、
・ 第1ループ端長手方向部と第1ワイヤー端との間の最大絶対距離が、第2ループ端長手方向部と第1ワイヤー端との間の最大絶対距離より大きいように構成されている。
【0011】
いくつかの応用例については、当該組織アンカーは、直線状アンカーシャフト部の近位端がループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って引かれるときに、第1ループ端長手方向部と第2ループ端長手方向部との間の機械的接触が、ループ部をロックし、かつ、加えられた張力の結果としてループ部が直線状になることを防止するように構成されている。典型的には、上記の引くことは、当該組織アンカーに連結されたテザーを用いて実行される。
【0012】
本発明のその他の実施形態では、直線状アンカーシャフト部と組織連結部を有する組織アンカーが提供される。当該組織アンカーは、組織連結部が拘束されていない状態(該状態では、組織連結部がいかなる外力によっても拘束されていない)にあるときに:
・ 組織連結部が、細長い中間部とフォーク状遠位部を定める形状であるように構成されており、該細長い中間部は、直線状アンカーシャフト部の遠位端から延び、かつ、該フォーク状遠位部は、中間部の遠位端から延び、かつ、2つのタインを定め、かつ、
・ 当該組織アンカーのタイン通過部が、2つのタインの間を通るように構成されており、該タイン通過部は、直線状アンカーシャフト部および/または中間部によって定められる。
【0013】
いくつかの応用例については、当該組織アンカーは、組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、中間部がそれ自体または2つのタインのいずれとも機械的に接触しないように構成されている。直線状アンカーシャフト部の近位端が、2つのタインによって概して定められるタイン平面から離れるように直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸に沿って引かれるときに、中間部は、中間部および/または2つのタインのうちの少なくとも1つと機械的に接触するようになる。
【0014】
したがって、本発明の発明概念1によれば、ちょうど2つのワイヤー端を有するワイヤーを含む組織アンカーが提供され、
該ワイヤーは:
直線状アンカーシャフト部と、
組織連結部を定める形状であり、該組織連結部は、直線状アンカーシャフト部の遠位端から延び、直線状アンカーシャフト部が、組織連結部とちょうど2つのワイヤー端のうちの第1のものとの間にワイヤーに沿って配置されるようになっており、
当該組織アンカーは、ワイヤーの組織連結部が、拘束されていない状態であって、組織連結部がいかなる外力によっても拘束されていない前記の拘束されていない状態にあるときに:
(a) ワイヤーの組織連結部が、尾端部を定める形状であるように構成されており、該尾端部は、ちょうど2つのワイヤー端部のうちの第2のものを含み、
(b) ワイヤーの組織連結部が、ワイヤーに沿って第1および第2ループ端長手方向部においてそれ自体と交差してループ部を定めるように構成されており、該ループ部は概して、直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸と75~90度の角度をなすループ部平面を定め、
(c) 第1ループ端長手方向部が、第2ループ端長手方向部よりワイヤーに沿って第1ワイヤー端に近いように構成されており、かつ、
(d) 第1ループ端長手方向部と第1ワイヤー端との間の最大絶対距離が、第2ループ端長手方向部と第1ワイヤー端との間の最大絶対距離より大きいように構成されている。
【0015】
発明概念2。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、アンカーシャフト軸が、空間であって、ループ部によって囲まれ、かつ、ループ部によって定められた前記空間を通過しないように当該組織アンカーが構成されている、発明概念1に記載の組織アンカー。
【0016】
発明概念3。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤーがワイヤーに沿って第1および第2ループ端長手方向部においてちょうど1回それ自体と交差するように当該組織アンカーが構成されている、発明概念1に記載の組織アンカー。
【0017】
発明概念4。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤーが単一のループ部のみを定めるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念1に記載の組織アンカー。
【0018】
発明概念5。ワイヤーが、直線状アンカーシャフト部の近位端の近位にいかなるループ部も定める形状ではない、発明概念1に記載の組織アンカー。
【0019】
発明概念6。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ループ部が開ループ部の形状であり、該開ループ部では第1および第2ループ端長手方向部が互いに機械的に接触しておらず、かつ、
直線状アンカーシャフト部の近位端がループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って引かれるときに、第1および第2ループ端長手方向部が互いに機械的に接触するようになる
ように当該組織アンカーが構成されている、
発明概念1に記載の組織アンカー。
【0020】
発明概念7。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、尾端部が概してループ部平面にある、発明概念1に記載の組織アンカー。
【0021】
発明概念8。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、尾端部のいかなる部分も、直線状アンカーシャフト部と平行ではない、発明概念1に記載の組織アンカー。
【0022】
発明概念9。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、尾端部が少なくとも1つの直線部を定める形状であるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念1に記載の組織アンカー。
【0023】
発明概念10。第1ループ端長手方向部または第2ループ端長手方向部を含むワイヤーの一部を覆うファブリックをさらに含む、発明概念1に記載の組織アンカー。
【0024】
発明概念11。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、尾端部が少なくとも1つの尾端部湾曲部を定める形状であるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念1に記載の組織アンカー。
【0025】
発明概念12。直線状アンカーシャフト部の近位端が、ちょうど2つのワイヤー端のうちの第1のものにある、発明概念1に記載の組織アンカー。
【0026】
発明概念13。直線状アンカーシャフト部の近位端が、ちょうど2つのワイヤー端のうちの第1のものにある、発明概念1~11のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0027】
発明概念14。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤーの組織連結部が第1ループ端湾曲部を定める形状であり、該第1ループ端湾曲部に沿って第1ループ端長手方向部が配置されるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念1~12のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0028】
発明概念15。直線状アンカーシャフト部の近位端がループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って引かれるときに、ワイヤーが、第2ループ端長手方向部にて、ワイヤーの第1ループ端湾曲部において第1ループ端長手方向部にはまり込むように当該組織アンカーが構成されている、発明概念14に記載の組織アンカー。
【0029】
発明概念16。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、第1ループ端湾曲部の内側湾曲表面が、第2ループ端長手方向部に沿ってワイヤーの半径の80%~120%に等しい曲率半径を有するように当該組織アンカーが構成されている、発明概念14に記載の組織アンカー。
【0030】
発明概念17。第1ループ端湾曲部が、直線状アンカーシャフト部の遠位端から直接延びている、発明概念14に記載の組織アンカー。
【0031】
発明概念18。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤーの組織連結部が第1ループ端直線部を定める形状であり、該第1ループ端直線部に沿って第1ループ端長手方向部が配置されるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念1~12のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0032】
発明概念19。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤーの組織連結部が第2ループ端直線部を定める形状であり、該第2ループ端直線部に沿って第2ループ端長手方向部が配置されるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念18に記載の組織アンカー。
【0033】
発明概念20。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ループ部がちょうど1のターンを含むように当該組織アンカーが構成されている、発明概念1~12のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0034】
発明概念21。アンカーヘッドをさらに含み、該アンカーヘッドは、ワイヤーの直線状アンカーシャフト部に連結され、かつ、ワイヤーの直線状アンカーシャフト部を支持する、発明概念1~12のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0035】
発明概念22。発明概念1~12のいずれか1つに記載の組織アンカーを含むシステムであって、当該システムはさらに、組織アンカーに取り付けられたテザーを含む、前記システム。
【0036】
発明概念23。組織アンカーが第1組織アンカーであり、かつ、当該システムがさらに、第2組織アンカーを含み、該第2組織アンカーは、第1組織アンカーとは分離しており、かつ、第1組織アンカーとは別個のものであり、かつ、テザーによって第1組織アンカーに連結されている、発明概念22に記載のシステム。
【0037】
本発明の発明概念24によれば、方法がさらに提供され、当該方法は:
心腔へと、配備ツール内にある状態で、組織アンカーを送達することを含み、該組織アンカーは、ちょうど2つのワイヤー端を有する金属ワイヤーを含み、該ワイヤーは、直線状アンカーシャフト部と、配備ツール内で拡張していない概して細長い構成にある組織連結部を定める形状であり、該組織連結部は、直線状アンカーシャフト部の遠位端から延び、直線状アンカーシャフト部が、組織連結部とちょうど2つのワイヤー端のうちの第1のものとの間にワイヤーに沿って配置されるようになっており;
拡張していない概して細長い構成にあるワイヤーの組織連結部を、心臓組織壁を通して心臓組織壁の第1の側から心臓組織壁の第2のいっそう遠い側へと送達することを含み;かつ、
配備ツールから組織アンカーを解放することを含み:
(a) ワイヤーの直線状アンカーシャフト部が、心臓組織壁内に少なくとも部分的に配置されるようになっており、
(b) ワイヤーの組織連結部が、心臓組織壁の第2のいっそう遠い側の外側に配置されるようになっており、組織連結部は、ちょうど2つのワイヤー端のうちの第2のものを含む尾端部を定める形状であり、
(c) ワイヤーの組織連結部が、ワイヤーに沿って第1および第2ループ端長手方向部においてそれ自体と交差して、組織アンカーを心臓組織壁に係留するループ部を定めるようになっており、ループ部は概して、直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸と75~90度の角度をなすループ部平面を定め、
(d) 第1ループ端長手方向部が、第2ループ長手方向部より、ワイヤーに沿って第1ワイヤー端に近いようになっており、かつ、
(e) 第1ループ端長手方向部と第1ワイヤー端との間の最大絶対距離が、第2ループ端長手方向部と第1ワイヤー端との間の最大絶対距離より大きいようになっている。
【0038】
発明概念25。直線状アンカーシャフト部の近位端が、ちょうど2つのワイヤー端のうちの第1のものにある、発明概念24に記載の方法。
【0039】
発明概念26。配備ツールから組織アンカーを解放した後に、ループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことによって組織アンカーに張力を加えることをさらに含む、発明概念24に記載の方法。
【0040】
発明概念27。配備ツールから組織アンカーを解放することが、ループ部が開ループ部の形状であり、該開ループ部では第1および第2ループ端長手方向部が互いに機械的に接触しないように配備ツールから組織アンカーを解放することを含み、かつ、
ループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことが、第1および第2ループ端長手方向部が互いに機械的に接触することをもたらす、
発明概念26に記載の方法。
【0041】
発明概念28。配備ツールから組織アンカーを解放することが、ワイヤーの組織連結部が第1ループ端湾曲部を定める形状であって、該第1ループ端湾曲部に沿って第1ループ端長手方向部が配置されるように配備ツールから組織アンカーを解放することを含み、かつ、
ループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことが、ワイヤーを、第2ループ端長手方向部にて、ワイヤーの第1ループ端湾曲部において第1ループ端長手方向部にはめ込む、
発明概念26に記載の方法。
【0042】
発明概念29。配備ツールから組織アンカーを解放することが、第1ループ端湾曲部の内側湾曲表面が、第2ループ端長手方向部に沿ってワイヤーの半径の80%~120%に等しい曲率半径を有するように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念28に記載の方法。
【0043】
発明概念30。第1ループ端湾曲部が、直線状アンカーシャフト部の遠位端から直接延びている、発明概念28に記載の方法。
【0044】
発明概念31。ループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことが、心臓組織壁の第2の遠い側にループ部をしっかりと引き寄せる、発明概念26に記載の方法。
【0045】
発明概念32。ループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことが、組織アンカーに取り付けられたテザーを引くことを含む、発明概念26に記載の方法。
【0046】
発明概念33。組織アンカーが第1組織アンカーであり、かつ、当該方法が第2組織アンカーを埋め込むことをさらに含み、該第2組織アンカーは、第1組織アンカーとは分離しており、かつ、第1組織アンカーとは別個のものであり、かつ、テザーによって第1組織アンカーに連結されている、発明概念32に記載の方法。
【0047】
発明概念34。心臓組織壁が心筋組織壁であり、かつ、拡張していない概して細長い構成にあるワイヤーの組織連結部を、心臓組織壁を通して送達することが、ワイヤーの組織連結部を、臓側心膜と壁側心膜との間の囲心腔(pericardial cavity)の中へと、概して壁側心膜に沿って、かつ、壁側心膜に対して、壁側心膜を貫通することなく心筋組織壁を通して送達することを含む、発明概念24に記載の方法。
【0048】
発明概念35。配備ツールから組織アンカーを解放することが、アンカーシャフト軸が、空間であって、ループ部によって囲まれ、かつ、ループ部によって定められた前記空間を通過しないように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念24に記載の方法。
【0049】
発明概念36。配備ツールから組織アンカーを解放することが、ワイヤーが、ワイヤーに沿って第1および第2ループ端長手方向部においてちょうど1回それ自体と交差するように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念24に記載の方法。
【0050】
発明概念37。配備ツールから組織アンカーを解放することが、ワイヤーが、単一のループ部のみを定めるように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念24に記載の方法。
【0051】
発明概念38。ワイヤーが、直線状アンカーシャフト部の近位端の近位にいかなるループ部も定める形状ではない、発明概念24に記載の方法。
【0052】
発明概念39。配備ツールから組織アンカーを解放することが、ワイヤーの組織連結部が第1ループ端直線部を定める形状であり、該第1ループ端直線部に沿って第1ループ端長手方向部が配置されるように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念24に記載の方法。
【0053】
発明概念40。配備ツールから組織アンカーを解放することが、ワイヤーの組織連結部が第2ループ端直線部を定める形状であり、該第2ループ端直線部に沿って第2ループ端長手方向部が配置されるように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念39に記載の方法。
【0054】
発明概念41。配備ツールから組織アンカーを解放することが、尾端部が概してループ部平面にあるように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念24に記載の方法。
【0055】
発明概念42。配備ツールから組織アンカーを解放することが、尾端部のいかなる部分も直線状アンカーシャフト部と平行ではないように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念24に記載の方法。
【0056】
発明概念43。配備ツールから組織アンカーを解放することが、尾端部が少なくとも1つの直線部を定める形状であるように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念24に記載の方法。
【0057】
発明概念44。配備ツールから組織アンカーを解放することが、尾端部が少なくとも1つの尾端部湾曲部を定める形状であるように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念24に記載の方法。
【0058】
発明概念45。組織アンカーがさらにファブリックを含み、該ファブリックは、第1ループ端長手方向部または第2ループ端長手方向部を含むワイヤーの一部を覆う、発明概念24に記載の方法。
【0059】
発明概念46。配備ツールから組織アンカーを解放することが、ループ部がちょうど1のターンを含むように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念24に記載の方法。
【0060】
発明概念47。組織アンカーがさらにアンカーヘッドを含み、該アンカーヘッドは、ワイヤーの直線状アンカーシャフト部に連結され、かつ、ワイヤーの直線状アンカーシャフト部を支持する、発明概念24に記載の方法。
【0061】
本発明の発明概念48によれば、ちょうど2つのワイヤー端を有する金属ワイヤーを含む組織アンカーがまださらに提供され、
該ワイヤーは、
直線状アンカーシャフト部と、
組織連結部を定める形状であり、該組織連結部は、直線状アンカーシャフト部の遠位端から延び、直線状アンカーシャフト部が、組織連結部とちょうど2つのワイヤー端のうちの第1のものとの間にワイヤーに沿って配置されるようになっており、
当該組織アンカーは、ワイヤーの組織連結部が、拘束されていない状態であって、組織連結部がいかなる外力によっても拘束されていない前記の拘束されていない状態にあるときに:
(a) ワイヤーの組織連結部が、ちょうど2つのワイヤー端のうちの第2のものを含む尾端部を定める形状であるように構成されており、かつ、
(b) ワイヤーの組織連結部が、ワイヤーに沿って第1および第2ループ端長手方向部においてそれ自体と交差してループ部を定めるように構成されており、該ループ部は概して、直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸と75~90度の角度をなすループ部平面を定め、かつ、
当該組織アンカーは、直線状アンカーシャフト部の近位端がループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って引かれるときに、第1および第2ループ端長手方向部の間の機械的接触が、ループ部をロックし、かつ、直線状アンカーシャフト部に加えられる張力の結果としてループ部が直線状になることを防止するように構成されている。
【0062】
発明概念49。直線状アンカーシャフト部の近位端が、ちょうど2つのワイヤー端の第1のものにある、発明概念48に記載の組織アンカー。
【0063】
発明概念50。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、アンカーシャフト軸が、空間であって、ループ部によって囲まれ、かつ、ループ部によって定められた前記空間を通過しないように当該組織アンカーが構成されている、発明概念48に記載の組織アンカー。
【0064】
発明概念51。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ループ部が開ループ部の形状であり、該開ループ部では第1および第2ループ端長手方向部が互いに機械的に接触しておらず、かつ、
直線状アンカーシャフト部の近位端がループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って引かれるときに、第1および第2ループ端長手方向部が互いに機械的に接触するようになる、
ように当該組織アンカーが構成されている、
発明概念48に記載の組織アンカー。
【0065】
発明概念52。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤーがワイヤーに沿って第1および第2ループ端長手方向部においてちょうど一回それ自体と交差するように当該組織アンカーが構成されている、発明概念48に記載の組織アンカー。
【0066】
発明概念53。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤーが単一のループ部のみを定めるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念48に記載の組織アンカー。
【0067】
発明概念54。ワイヤーが、直線状アンカーシャフト部の近位端の近位にいかなるループ部も定める形状ではない、発明概念48に記載の組織アンカー。
【0068】
発明概念55。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、尾端部が概してループ部平面にある、発明概念48に記載の組織アンカー。
【0069】
発明概念56。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるとき、尾端部のいかなる部分も、直線状アンカーシャフト部と平行ではない、発明概念48に記載の組織アンカー。
【0070】
発明概念57。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、尾端部が少なくとも1つの直線部を定める形状であるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念48に記載の組織アンカー。
【0071】
発明概念58。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、尾端部が少なくとも1つの尾端部湾曲部を定める形状であるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念48に記載の組織アンカー。
【0072】
発明概念59。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤーの組織連結部が第1ループ端湾曲部を定める形状であり、該第1ループ端湾曲部に沿って第1ループ端長手方向部が配置されるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念48~58のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0073】
発明概念60。直線状アンカーシャフト部の近位端がループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って引かれるときに、ワイヤーが、第2ループ端長手方向部にて、ワイヤーの第1ループ端湾曲部において第1ループ端長手方向部にはまり込み、そのことによってループ部をロックするように当該組織アンカーが構成されている、発明概念59に記載の組織アンカー。
【0074】
発明概念61。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、第1ループ端湾曲部の内側湾曲表面が、第2ループ端長手方向部に沿ってワイヤーの半径の80%~120%に等しい曲率半径を有するように当該組織アンカーが構成されている、発明概念59に記載の組織アンカー。
【0075】
発明概念62。第1ループ端湾曲部が、直線状アンカーシャフト部の遠位端から直接延びている、発明概念59に記載の組織アンカー。
【0076】
発明概念63。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤーの組織連結部が第1ループ端直線部を定める形状であり、該第1ループ端直線部に沿って第1ループ端長手方向部が配置されるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念48~58のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0077】
発明概念64。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤーの組織連結部が第2ループ端直線部を定める形状であり、該第2ループ端直線部に沿って第2ループ端長手方向部が配置されるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念63に記載の組織アンカー。
【0078】
発明概念65。ファブリックをさらに含み、該ファブリックは、第1ループ端長手方向部または第2ループ端長手方向部を含むワイヤーの一部を覆う、発明概念48~58のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0079】
発明概念66。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ループ部がちょうど1のターンを含むように当該組織アンカーが構成されている、発明概念48~58のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0080】
発明概念67。アンカーヘッドをさらに含み、該アンカーヘッドは、ワイヤーの直線状アンカーシャフト部に連結され、かつ、ワイヤーの直線状アンカーシャフト部を支持する、発明概念48~58のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0081】
発明概念68。発明概念48~58のいずれか1つに記載の組織アンカーを含むシステムであって、当該システムはさらに、組織アンカーに取り付けられたテザーを含む、前記システム。
【0082】
発明概念69。組織アンカーが第1組織アンカーであり、かつ、当該システムがさらに、第2組織アンカーを含み、該第2組織アンカーは、第1組織アンカーとは分離しており、かつ、第1組織アンカーとは別個のものであり、かつ、テザーによって第1組織アンカーに連結されている、発明概念68に記載のシステム。
【0083】
本発明の発明概念70によれば、方法が追加的に提供され、当該方法は:
心腔へと、配備ツール内にある状態で、組織アンカーを送達することを含み、該組織アンカーは、ちょうど2つのワイヤー端を有する金属ワイヤーを含み、該ワイヤーは、直線状アンカーシャフト部と、配備ツール内で拡張していない概して細長い構成にある組織連結部を定める形状であり、該組織連結部は、直線状アンカーシャフト部の遠位端から延び、直線状アンカーシャフト部が、組織連結部とちょうど2つのワイヤー端のうちの第1のものとの間にワイヤーに沿って配置されるようになっており;
拡張していない概して細長い構成にあるワイヤーの組織連結部を、心臓組織壁を通して心臓組織壁の第1の側から心臓組織壁の第2のいっそう遠い側へと送達することを含み;かつ、
配備ツールから組織アンカーを解放することを含み:
(a) ワイヤーの直線状アンカーシャフト部が、心臓組織壁内に少なくとも部分的に配置されるようになっており、
(b) ワイヤーの組織連結部が、心臓組織壁の第2のいっそう遠い側の外側に配置されるようになっており、組織連結部は、ちょうど2つのワイヤー端のうちの第2のものを含む尾端部を定める形状であり、
(c) ワイヤーの組織連結部が、ワイヤーに沿って第1および第2ループ端長手方向部においてそれ自体と交差してループ部を定めるようになっており、該ループ部が心臓組織壁に組織アンカーを係留し、かつ、該ループ部が概して、直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸と75~90度の角度をなすループ部平面を定めるようになっており、かつ、
配備ツールから組織アンカーを解放した後、ループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことによって組織アンカーに張力を加えることを含み、第1および第2のループ端長手方向部の間の機械的接触が、ループ部をロックし、かつ、直線状アンカーシャフト部に加えられた張力の結果としてループ部が直線状になることを防止するようになっている。
【0084】
発明概念71。直線状アンカーシャフト部の近位端が、ちょうど2つのワイヤー端のうちの第1のものにある、発明概念70に記載の方法。
【0085】
発明概念72。配備ツールから組織アンカーを解放することが、ループ部が開ループ部の形状であり、該開ループ部では第1および第2ループ端長手方向部が互いに機械的に接触しないように配備ツールから組織アンカーを解放することを含み、かつ、
ループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことが、第1および第2ループ端長手方向部が互いに機械的に接触することをもたらす、
発明概念70に記載の方法。
【0086】
発明概念73。配備ツールから組織アンカーを解放することが、ワイヤーの組織連結部が第1ループ端湾曲部を定める形状であり、該第1ループ端湾曲部に沿って第1ループ端長手方向部が配置されるように配備ツールから組織アンカーを解放することを含み、かつ、
ループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことが、ワイヤーを、第2ループ端長手方向部にて、ワイヤーの第1ループ端湾曲部において第1ループ端長手方向部にはめ込み、そのことによってループ部をロックする、
発明概念70に記載の方法。
【0087】
発明概念74。配備ツールから組織アンカーを解放することが、第1ループ端湾曲部の内側湾曲表面が、第2ループ端長手方向部に沿ってワイヤーの半径の80%~120%に等しい曲率半径を有するように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念73に記載の方法。
【0088】
発明概念75。第1ループ端湾曲部が、直線状アンカーシャフト部の遠位端から直接延びている、発明概念73に記載の方法。
【0089】
発明概念76。ループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことが、心臓組織壁の第2の遠い側にループ部をしっかりと引き寄せる、発明概念70に記載の方法。
【0090】
発明概念77。ループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことが、組織アンカーに取り付けられたテザーを引くことを含む、発明概念70に記載の方法。
【0091】
発明概念78。組織アンカーが第1組織アンカーであり、かつ、当該方法が第2組織アンカーを埋め込むことをさらに含み、該第2組織アンカーは、第1組織アンカーとは分離しており、かつ、第1の組織アンカーとは別個のものであり、かつ、テザーによって第1組織アンカーに連結されている、発明概念77に記載の方法。
【0092】
発明概念79。心臓組織壁が心筋組織壁であり、かつ、拡張していない概して細長い構成にあるワイヤーの組織連結部を、心臓組織壁を通して送達することが、ワイヤーの組織連結部を、臓側心膜と壁側心膜との間の囲心腔の中へと、概して壁側心膜に沿って、かつ、壁側心膜に対して、壁側心膜を貫通することなく心筋組織壁を通して送達することを含む、発明概念70に記載の方法。
【0093】
発明概念80。組織アンカーがさらにアンカーヘッドを含み、該アンカーヘッドは、ワイヤーの直線状アンカーシャフト部に連結され、かつ、ワイヤーの直線状アンカーシャフト部を支持する、発明概念70に記載の方法。
【0094】
本発明の発明概念81によれば、組織アンカーがまだ追加的に提供され、当該組織アンカーは:
直線状アンカーシャフト部と、
組織連結部を含み、
当該組織アンカーは、組織連結部が、拘束されていない状態であって、組織連結部がいかなる外力によっても拘束されていない前記の拘束されていない状態にあるときに:
(a) 組織連結部が、(i)直線状アンカーシャフト部の遠位端から延びる細長い中間部と、(ii)中間部の遠位端から延び、かつ、2つのタインを定めるフォーク状遠位部を定める形状であるように構成されており、かつ、
(b) 当該組織アンカーのタイン通過部が、2つのタインの間を通るように構成されており、該タイン通過部は、直線状アンカーシャフト部および中間部からなる部分の群のうちの少なくとも1つによって定められる。
【0095】
発明概念82。タイン通過部が直線状アンカーシャフト部によって定められる、発明概念81に記載の組織アンカー。
【0096】
発明概念83。タイン通過部が中間部によって定められる、発明概念81に記載の組織アンカー。
【0097】
発明概念84。組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、当該組織アンカーのちょうど1つのタイン通過部が2つのタインの間を通るように当該組織アンカーが構成されている、発明概念81に記載の組織アンカー。
【0098】
発明概念85。組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、2つのタインが概して、直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸と60~90度の角度をなすタイン平面を定めるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念81に記載の組織アンカー。
【0099】
発明概念86。組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、中間部が少なくとも部分的に湾曲しているように当該組織アンカーが構成されている、発明概念81に記載の組織アンカー。
【0100】
発明概念87。ファブリックをさらに含み、該ファブリックは組織連結要素を少なくとも部分的に覆う、発明概念81に記載の組織アンカー。
【0101】
発明概念88。当該組織アンカーが単一の金属ワイヤーを含み、該単一の金属ワイヤーは、直線状アンカーシャフト部および組織連結部を定める形状である、発明概念81~87のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0102】
発明概念89。直線状アンカーシャフト部の近位端がワイヤーの近位端と一致する、発明概念88に記載の組織アンカー。
【0103】
発明概念90。当該組織アンカーが2つの金属ワイヤーを含み、該2つの金属ワイヤーは、一緒になって直線状アンカーシャフト部および組織連結部を定める形状であり、かつ、
組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、2つの金属ワイヤーが:
直線状アンカーシャフト部の少なくとも一部および中間部の少なくとも一部に沿って互いに並んで延び、かつ、
フォーク状遠位部に沿って互いに分離しており、2つのワイヤーが各々2つのタインを定める
ように当該組織アンカーが構成されている、
発明概念81~87に記載の組織アンカー。
【0104】
発明概念91。2つの金属ワイヤーが、直線状アンカーシャフト部に少なくとも部分的に沿って、かつ、中間部に少なくとも部分的に沿って、互いに固定されている、発明概念90に記載の組織アンカー。
【0105】
発明概念92。直線状アンカーシャフト部の近位端が2つのワイヤーのうちの少なくとも1つの近位端と一致する、発明概念90に記載の組織アンカー。
【0106】
発明概念93。組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、中間部がそれ自体または2つのタインのうちのいずれとも機械的に接触しておらず、かつ、
直線状アンカーシャフト部の近位端が、2つのタインによって概して定められたタイン平面から離れるように直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸に沿って引かれるときに、中間部が、中間部および2つのタインのうちの少なくとも1つからなる群より選択される少なくとも1つと機械的に接触するようになる
ように当該組織アンカーが構成されている、
発明概念81~87のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0107】
発明概念94。直線状アンカーシャフト部の近位端がタイン平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って引かれるときに、中間部が、組織連結部が2つのタインに分岐する接合点において組織連結部と機械的に接触するようになるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念93に記載の組織アンカー。
【0108】
発明概念95。アンカーヘッドをさらに含み、該アンカーヘッドは、直線状アンカーシャフト部に連結され、かつ、直線状アンカーシャフト部を支持する、発明概念81~87のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0109】
発明概念96。発明概念81~87のいずれか1つに記載の組織アンカーを含むシステムであって、当該システムはさらに、組織アンカーに取り付けられたテザーを含む、前記システム。
【0110】
発明概念97。組織アンカーが第1組織アンカーであり、かつ、当該システムがさらに、第2組織アンカーを含み、該第2組織アンカーは、第1組織アンカーとは分離しており、かつ、第1組織アンカーとは別個のものであり、かつ、テザーによって第1組織アンカーに連結されている、発明概念96に記載のシステム。
【0111】
本発明の発明概念98によれば、方法がまた提供され、当該方法は:
心腔へと、配備ツール内にある状態で、組織アンカーを送達することを含み、該組織アンカーは、直線状アンカーシャフト部と、配備ツール内で拡張していない概して細長い構成にある組織連結部を含み;
拡張していない概して細長い構成にあるワイヤーの組織連結部を、心臓組織壁を通して心臓組織壁の第1の側から心臓組織壁の第2のいっそう遠い側へと送達することを含み;かつ、
配備ツールから組織アンカーを解放することを含み:
(a) 直線状アンカーシャフト部が、心臓組織壁内に少なくとも部分的に配置されるようになっており、
(b) 組織連結部が、心臓組織壁の第2のいっそう遠い側の外側に配置されるようになっており、組織連結部は、(i)直線状アンカーシャフト部の遠位端から延びる細長い中間部、および、(ii)中間部の遠位端から延び、かつ、2つのタインを定めるフォーク状遠位部の形状であり、かつ、
(c) 組織アンカーのタイン通過部が、2つのタインの間を通るように構成されており、該タイン通過部は、直線状アンカーシャフト部および中間部からなる部分の群の少なくとも1つによって定められる。
【0112】
発明概念99。配備ツールから組織アンカーを解放することが、タイン通過部が直線状アンカーシャフト部によって定められるように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念98に記載の方法。
【0113】
発明概念100。配備ツールから組織アンカーを解放することが、タイン通過部が中間部によって定められるように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念98に記載の方法。
【0114】
発明概念101。配備ツールから組織アンカーを解放することが、組織アンカーのちょうど1つのタイン通過部が2つのタインの間を通るように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念98に記載の方法。
【0115】
発明概念102。組織アンカーが単一の金属ワイヤーを含み、該単一の金属ワイヤーは、直線状アンカーシャフト部および組織連結部を定める形状である、発明概念98に記載の方法。
【0116】
発明概念103。直線状アンカーシャフト部の近位端がワイヤーの近位端と一致する、発明概念102に記載の方法。
【0117】
発明概念104。組織アンカーが2つの金属ワイヤーを含み、該2つの金属ワイヤーは、一緒になって直線状アンカーシャフト部および組織連結部を定める形状であり、かつ、
配備ツールから組織アンカーを解放することが、2つの金属ワイヤーが:
直線状アンカーシャフト部の少なくとも一部および中間部の少なくとも一部に沿って互いに並んで延び、かつ、
フォーク状遠位部に沿って互いに分離しており、2つのワイヤーが各々2つのタインを定めるようになるように、配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、
発明概念98に記載の方法。
【0118】
発明概念105。2つの金属ワイヤーが、直線状アンカーシャフト部に少なくとも部分的に沿って、かつ、中間部に少なくとも部分的に沿って、互いに固定されている、発明概念104に記載の方法。
【0119】
発明概念106。直線状アンカーシャフト部の近位端が2つのワイヤーのうちの少なくとも1つの近位端と一致する、発明概念104に記載の方法。
【0120】
発明概念107。配備ツールから組織アンカーを解放することが、2つのタインが概して、直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸と60~90度の角度をなすタイン平面を定めるように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念98に記載の方法。
【0121】
発明概念108。配備ツールから組織アンカーを解放することが、中間部が少なくとも部分的に湾曲しているように配備ツールから組織アンカーを解放することを含む、発明概念98に記載の方法。
【0122】
発明概念109。配備ツールから組織アンカーを解放した後で、2つのタインによって概して定められたタイン平面から離れるように直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことによって組織アンカーに張力を加えることをさらに含む、発明概念98に記載の方法。
【0123】
発明概念110。配備ツールから組織アンカーを解放することが、中間部がそれ自体または2つのタインのうちのいずれとも機械的に接触しないように配備ツールから組織アンカーを解放することを含み、かつ、
タイン平面から離れるように直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことが、中間部が、中間部および2つのタインのうちの少なくとも1つからなる群より選択される少なくとも1つの要素と機械的に接触するようになることをもたらす、
発明概念109に記載の方法。
【0124】
発明概念111。タイン平面から離れるように直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことが、中間部が、組織連結部が2つのタインに分岐する接合点において組織連結部と機械的に接触するようになることをもたらす、発明概念110に記載の方法。
【0125】
発明概念112。タイン平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことが、心臓組織壁の第2の遠い側にタインをしっかりと引き寄せる、発明概念109に記載の方法。
【0126】
発明概念113。タイン平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことが、組織アンカーに取り付けられたテザーを引くことを含む、発明概念109に記載の方法。
【0127】
発明概念114。組織アンカーが第1組織アンカーであり、かつ、当該方法が第2組織アンカーを埋め込むことをさらに含み、該第2組織アンカーは、第1組織アンカーとは分離しており、かつ、第1組織アンカーとは別個のものであり、かつ、テザーによって第1組織アンカーに連結されている、発明概念113に記載の方法。
【0128】
発明概念115。心臓組織壁が心筋組織壁であり、かつ、拡張していない構成にある組織連結部を、心臓組織壁を通して送達することが、組織連結部を、臓側心膜と壁側心膜との間の囲心腔の中へと、概して壁側心膜に沿って、かつ、壁側心膜に対して、壁側心膜を貫通することなく心筋組織壁を通して送達することを含む、発明概念98に記載の方法。
【0129】
発明概念116。組織アンカーがさらにファブリックを含み、該ファブリックは、組織連結要素を少なくとも部分的に覆う、発明概念98に記載の方法。
【0130】
発明概念117。組織アンカーがさらにアンカーヘッドを含み、該アンカーヘッドは、直線状アンカーシャフト部に連結され、かつ、直線状アンカーシャフト部を支持する、発明概念98に記載の方法。
【0131】
本発明の発明概念118によれば、ちょうど2つのワイヤー端を有する金属ワイヤーを含む組織アンカーがさらに提供され、
該ワイヤーは:
直線状アンカーシャフト部を定める形状であり、該直線状アンカーシャフト部は、(i)ちょうど2つのワイヤー端のうちの第1のものに近位端を有し、かつ、(ii)遠位端を有し、かつ、
組織連結部を定める形状であり、該組織連結部は、直線状アンカーシャフト部の遠位端から延び、かつ、
当該組織アンカーは、ワイヤーの組織連結部が、拘束されていない状態であって、組織連結部がいかなる外力によっても拘束されていない前記の拘束されていない状態にあるときに:
(a) ワイヤーの組織連結部が、ちょうど2つのワイヤー端のうちの第2のものを含む尾端部を定める形状であるように構成されており、
(b) ワイヤーの組織連結部が、ワイヤーに沿って第1および第2ループ端長手方向部においてそれ自体と交差してループ部を定めるように構成されており、該ループ部は概して、直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸と75~90度の角度をなすループ部平面を定め、
(c) 第1ループ端長手方向部が、第2ループ端長手方向部よりワイヤーに沿って第1ワイヤー端に近いように構成されており、かつ、
(d) 第1ループ端長手方向部と第1ワイヤー端との間の最大絶対距離が、第2ループ端長手方向部と第1ワイヤー端との間の最大絶対距離より大きいように構成されている。
【0132】
発明概念119。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、アンカーシャフト軸が、空間であって、ループ部によって囲まれ、かつ、ループ部によって定められた前記空間を通過しないように当該組織アンカーが構成されている、発明概念118に記載の組織アンカー。
【0133】
発明概念120。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ループ部が開ループ部の形状であり、該開ループ部では第1および第2ループ端長手方向部が互いに機械的に接触しておらず、かつ、
直線状アンカーシャフト部の近位端がループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って引かれるときに、第1および第2ループ端長手方向部が互いに機械的に接触するようになる
ように当該組織アンカーが構成されている、
発明概念118に記載の組織アンカー。
【0134】
発明概念121。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、尾端部が概してループ部平面にある、発明概念118に記載の組織アンカー。
【0135】
発明概念122。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、尾端部が少なくとも1つの直線部を定める形状であるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念118に記載の組織アンカー。
【0136】
発明概念123。当該組織アンカーが、ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、尾端部が少なくとも1つの尾端部湾曲部を定める形状であるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念118に記載の組織アンカー。
【0137】
発明概念124。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤーの組織連結部が第1ループ端湾曲部を定める形状であり、該第1ループ端湾曲部に沿って第1ループ端長手方向部が配置されるように当該組織アンカーが構成されている、発明概念118~123のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0138】
発明概念125。直線状アンカーシャフト部の近位端がループ部平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って引かれるときに、ワイヤーが、第2ループ端長手方向部にて、ワイヤーの第1ループ端湾曲部において第1ループ端長手方向部にはまり込むように当該組織アンカーが構成されている、発明概念124に記載の組織アンカー。
【0139】
発明概念126。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、第1ループ端湾曲部の内側湾曲表面が、第2ループ端長手方向部に沿ってワイヤーの半径の80%~120%に等しい曲率半径を有するように当該組織アンカーが構成されている、発明概念124に記載の組織アンカー。
【0140】
発明概念127。第1ループ端湾曲部が、直線状アンカーシャフト部の遠位端から直接延びている、発明概念124に記載の組織アンカー。
【0141】
発明概念128。ファブリックをさらに含み、該ファブリックは、第1ループ端長手方向部または第2ループ端長手方向部を含むワイヤーの一部を覆う、発明概念118~123のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0142】
発明概念129。ワイヤーの組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、ループ部がちょうど1のターンを含むように当該組織アンカーが構成されている、発明概念118~123のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0143】
発明概念130。アンカーヘッドをさらに含み、該アンカーヘッドは、ワイヤーの直線状アンカーシャフト部に連結され、かつ、ワイヤーの直線状アンカーシャフト部を支持する、発明概念118~123のいずれか1つに記載の組織アンカー。
【0144】
発明概念131。発明概念118~123のいずれか1つに記載の組織アンカーを含むシステムであって、当該システムがさらに、組織アンカーに連結されたテザーを含む、前記システム。
【0145】
本発明は、図面を考慮して、その実施形態の以下の詳細な説明からいっそう完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【
図1A】
図1Aは、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された組織アンカーの概略図である。
【
図1B】
図1B~Cは、本発明の応用例による、
図1Aの組織アンカーの金属ワイヤーの2つのビューの概略図である。
【
図1C】
図1B~Cは、本発明の応用例による、
図1Aの組織アンカーの金属ワイヤーの2つのビューの概略図である。
【
図1D】
図1Dは、本発明の応用例による、組織アンカーとテザーを有するシステムの概略図である。
【
図2】
図2Aは、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された別の組織アンカーの概略図である。
図2Bは、本発明の応用例による、
図2Aの組織アンカーの金属ワイヤーの概略図である。
【
図3】
図3Aは、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成されたまだ別の組織アンカーの概略図である。
図3Bは、本発明の応用例による、
図3Aの組織アンカーの金属ワイヤーの概略図である。
図3Cは、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された別の組織アンカーの概略図である。
【
図4】
図4Aは、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された静止した組織アンカーの概略図である。
図4Bは、本発明の応用例による、
図4Aの組織アンカーの金属ワイヤーの概略図である。
【
図5】
図5Aは、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された別の組織アンカーの概略図である。
図5Bは、本発明の応用例による、
図5Aの組織アンカーの金属ワイヤーの概略図である。
【
図6A】
図6Aおよび6Bは、本発明の各々の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された組織アンカーの金属ワイヤーの概略図である。
【
図6B】
図6Aおよび6Bは、本発明の各々の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された組織アンカーの金属ワイヤーの概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された別の組織アンカーの金属ワイヤーの概略図である。
【
図8】
図8は、本発明の応用例による、心筋組織壁を通して
図2A~Bの組織アンカーを配備する方法の概略図である。
【
図9A】
図9Aおよび9Bは各々、本発明の各々の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された追加的な組織アンカーの概略図である。
【
図9B】
図9Aおよび9Bは各々、本発明の各々の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された追加的な組織アンカーの概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された別の組織アンカーの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0147】
応用例の詳細な説明
図1Aは、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された組織アンカー20の概略図である。組織アンカー20は金属ワイヤー22を有し、該金属ワイヤー22は、ちょうど2つのワイヤー端(第1ワイヤー端24Aおよび第2ワイヤー端24B)を有する。ワイヤー22は、
・ 直線状アンカーシャフト部26を定める形状であり、該直線状アンカーシャフト部26は、(i)近位端28と(ii)遠位端30を有し、かつ、
・ 組織連結部31を定める形状であり、該組織連結部31は、直線状アンカーシャフト部26の遠位端30から延び、直線状アンカーシャフト部26が、組織連結部31と第1ワイヤー端24Aとの間にワイヤー22に沿って配置されるようになっている。
【0148】
典型的には、組織アンカー20は、アンカーヘッド33をさらに有し、該アンカーヘッド33は、直線状アンカーシャフト部26に連結され、かつ、直線状アンカーシャフト部26を支持する。任意選択的には、アンカーヘッド33は、図示されているように、遠位および近位カラー34Aおよび34Bのような1つ以上のカラー34を有する。代替的には、アンカーヘッド33は、単一のカラー34のみを有するか、いかなるカラー34も有しない。任意選択的には、アンカーヘッド33は封止要素36をさらに有し、該封止要素36は、心臓組織壁を通して切開口の中へとアンカーヘッド33と一緒に挿入されるサイズおよび形状である。封止要素36は、アンカーヘッド33の少なくとも一部に沿って、拡張可能な組織アンカー20の埋め込みの完了の際には切開口に残っている。封止要素36は、止血を促進して切開口の封止を提供するように構成されている。いくつかの応用例については、封止要素36は、金属、または、治癒および止血が起こった後で崩壊する生体吸収性高分子のような高分子を有する。いくつかの応用例については、封止要素36は、国際公開第2019/089262号公報および/または2018年2月9日付けで出願の米国仮出願第62/628,457号(両方とも、本願の譲受人に譲渡されており、かつ、参照によって本明細書に組み込まれる)に記載の技術を実装する。
【0149】
いくつかの応用例については、
図1A(および、その他の図面のうちのいくつか)に示されているように、直線状アンカーシャフト部26の近位端28は、第1ワイヤー端24Aにある。代替的には、直線状アンカーシャフト部26の近位端28は、必要な変更を加えて組織アンカー270に関して
図3Cを参照して以下に記載されるように、第1ワイヤー端24Aと一致しない。
【0150】
図1Aをまだ参照し、かつ、本発明の応用例によるワイヤー22の2つのビューの概略図である
図1B~Cを追加的に参照する。ワイヤー22は典型的には、上記のようにアンカーヘッド25に連結されるが、図の簡潔さのために
図1B~Cにはアンカーヘッド25は示されていない。
図1A~C(および、以下に記載の
図1D)は、拘束されていない状態にある組織連結部31を示しており、該拘束されていない状態では、組織連結部31はいかなる外力によっても拘束されていない(直線状アンカーシャフト部26は、ただそれがアンカーヘッド33によって拘束されるから直線状であるように構成されていてもよく、代替的には、アンカーヘッド33によって拘束されない場合でさえ直線状であるように構成されていてもよいことが注目される)。
【0151】
組織アンカー20は、組織連結部31が
図1A~Cに示されるように拘束されていない状態にあるときに:
・ ワイヤー22の組織連結部31が、第2ワイヤー端24Bを含む尾端部32を定める形状であるように構成されており、
・ ワイヤー22の組織連結部31が、ワイヤー22に沿って第1および第2ループ部40Aおよび40Bにおいてそれ自体と交差して、ループ部44を定めるように構成されており、該ループ部44は概して、直線状アンカーシャフト部26のアンカーシャフト軸48と75~90度(例えば、90度)の角度α(アルファ)をなすループ部平面46を定め、
・ 第1ループ長手方向部40Aが、第2ループ長手方向部40Bよりワイヤー22に沿って第1ワイヤ端24Aに(したがって、典型的には直線状アンカーシャフト部26の近位端28に)近いように構成されており、かつ、
・ 第1ループ端長手方向部40Aと第1ワイヤー端24Aとの間の最大絶対距離D1が、第2ループ端長手方向部40Bと第1ワイヤー端24Aとの間の最大絶対距離D2より大きい(したがって、さらに、典型的には、第1ループ端長手方向部40Aと直線状アンカーシャフト部26の近位端28との間の最大絶対距離が、第2ループ端長手方向部40Bと直線状アンカーシャフト部26の近位端28との間の最大絶対距離より大きい)ように構成されている。
【0152】
図8を参照して以下に記載されるように、組織アンカー20は、配備ツール内にある状態で心腔へと送達される。組織連結部31は、
図8を参照して以下に記載されるように、配備ツール内では拡張していない概して細長い構成にて、心臓組織壁を通して壁の第1の側から壁の第2の側へと送達される。組織連結部31はさらに、
図8を参照して以下に記載されるように、配備の際、心臓組織壁の第2の側で拡張するように構成されている。
【0153】
組織アンカー20は、直線状アンカーシャフト部26の近位端28が、ループ部平面46から離れるようにアンカーシャフト軸48に沿って引かれるときに、第1および第2ループ端長手方向部40Aおよび40Bの間の機械的接触が、ループ部44をロックし、かつ、加えられた張力の結果としてループ部44が直線状になることを防止するように構成されている。典型的には、上記の引くことは、以下に記載されるように、組織アンカー20(例えば、アンカーヘッド33)に連結されたテザー52を用いて実行される(第1および第2ループ端長手方向部40Aおよび40Bの間の機械的接触は、直接的であってもよく、
図6A~Bを参照して以下に記載されるようにコーティングまたはファブリック560を介していてもよい)。
【0154】
典型的には、組織アンカー20は、
図1A~Cに示されているように、ワイヤー22の組織連結部31が拘束されていない状態にあるときに、アンカーシャフト軸48が、空間54(ループ部44によって囲まれ、かつ、ループ部44によって定められる)を通過しないように構成されている。
【0155】
典型的には、組織アンカー20は、
図1A~Cに示されているように、ワイヤー22の組織連結部31が拘束されていない状態にあるときに、ループ部44がちょうど1のターンを含むように構成されている。代替的には、ループ部44は、1より多いターンを含む(構成は図示せず)。
【0156】
いくつかの応用例については、組織アンカー20は、ワイヤー22の組織連結部31が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤー22が、ワイヤー22に沿って第1および第2ループ端長手方向部40Aおよび40Bにおいてちょうど1回それ自体と交差するように構成されている。
【0157】
いくつかの応用例については、組織アンカー20は、ワイヤー22の組織連結部31が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤー22が、単一のループ部のみを定めるように構成されている。
【0158】
いくつかの応用例については、
図1A~Cに示されているように、ワイヤー22の組織連結部31が拘束されていない状態にあるときに、尾端部32は概してループ部平面46にあり、したがって係留を補助するであろう。
【0159】
いくつかの応用例については、ワイヤー22の組織連結部31が拘束されていない状態にあるときに、尾端部32のいかなる部分も直線状アンカーシャフト部26と平行ではない。
【0160】
いくつかの応用例については、
図1A~Cに示されているように、組織アンカー20は、ワイヤー22の組織連結部31が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤー22が、第1ループ端湾曲部50を定める形状であるように構成されており、該第1ループ端湾曲部50に沿って第1ループ端長手方向部40Aが配置される。代替的には、組織アンカー20は、ワイヤー22の組織連結部31が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤー22が、第1ループ端直線部を定める形状であるように構成されており、該第1ループ端直線部に沿って第1ループ端長手方向部40Aが配置される(
図7を参照して以下に記載される金属ワイヤー622のように);この場合、ワイヤー22は任意選択的には、第2ループ端湾曲部を定める形状であってもよく、該第2ループ端湾曲部に沿って第2ループ端長手方向部40Bが配置され(構成は図示せず)、または、ワイヤー22は、第2ループ端湾曲部を定める形状でなくてもよい(
図7を参照して以下に記載される金属ワイヤー622のように)。
【0161】
いくつかの応用例については、ワイヤー22は、直線状アンカーシャフト部26の近位端28の近位にいかなるループ部も定める形状ではない。
【0162】
いくつかの応用例については、組織アンカー20と、組織アンカー20(例えば、アンカーヘッド33(例えば、アンカーヘッド33の遠位端34A))に取り付けられたテザー52を有するシステム10が提供される。したがって、テザー52は典型的には、アンカーヘッド33を介して直線状アンカーシャフト部26に間接的に連結される。いくつかの応用例については、システム10はさらに、第2組織アンカー38を有し、該第2組織アンカー38は、組織アンカー20とは分離しており、かつ、組織アンカー20とは別個のものである。典型的には、第2組織アンカー38は、テザー52によって組織アンカー20に連結可能であるか、連結されている。いくつかの応用例については、第2組織アンカー38は、図示されているようにステント39を有する。代替的には、第2組織アンカー38は、本技術分野で知られているらせん状の組織アンカー;組織アンカー20と同一もしくは類似である別の組織アンカー;本技術分野で知られている組織アンカー;または、参照によって以下で組み込まれる特許出願公報および/もしくは特許に記載の組織アンカーのいずれかのような、別のタイプの組織アンカーを有する。
【0163】
いくつかの応用例については、ワイヤー22の組織連結部31が拘束されていない状態にあるときに、ループ部44は開ループ部の形状であり、該開ループ部では、第1および第2ループ端長手方向部40Aおよび40Bは、互いに機械的に接触していない(直接的にも、
図6A~Bを参照して以下に記載されるコーティングもしくはファブリック560を介しても)(これらの応用例では、ループ部44は、たとえ第1および第2ループ端長手方向部40Aおよび40Bが互いに機械的に接触していないとしても、ワイヤー22がそれ自体に向かって戻るように湾曲し、かつ、それ自体と交差して空間54を定めるという意味において、「開ループ部」であると考えられる)。これらの応用例については、組織アンカー20は、直線状アンカーシャフト部26の近位端28がループ部平面46から離れるようにアンカーシャフト軸48に沿って引かれるときに、第1および第2ループ端長手方向部40Aおよび40Bが互いに機械的に接触するようになる(直接的、または、
図6A~Bを参照して以下に記載されるコーティングまたはファブリック560を介して)ように構成されている。
【0164】
その他の応用例については、ワイヤー22の組織連結部31が拘束されていない状態にあるときに(すなわち、直線状アンカーシャフト部26の近位端28がループ部平面46から離れるようにアンカーシャフト軸48に沿って引かれる前でさえ)、ループ部44は閉ループ部の形状であり、該閉ループ部では、第1および第2ループ端長手方向部40Aおよび40Bは、互いに機械的に接触する(直接的、または、
図6A~Bを参照して以下に記載されるコーティングまたはファブリック560を介して)。
【0165】
請求の範囲を含む本願で用いられるとき、用語「ループ部」は、開ループ部および閉ループ部の両方をその範囲内に含む。
【0166】
ここで
図1Dを参照すると、該図は、本発明の応用例による、組織アンカー70とテザー52を有するシステム60の概略図である。以下に記載されるものを除いて、システム60はシステム10と同一であり、かつ、組織アンカー70は、
図1A~Cを参照して上記された組織アンカー20と同一であり、かつ、同様の参照数字は同様の部分に言及する。
【0167】
図1Aを参照して上記された組織アンカー20とは異なり、テザー52は、直線状アンカーシャフト部26に直接的に連結されることによって組織アンカー70に連結される。組織アンカー70は、アンカーヘッド33を有しない。したがって、テザー52は典型的には、直線状アンカーシャフト部26に直接的に連結される。いくつかの応用例については、システム60と同様、システム10はさらに、第2組織アンカー38(組織アンカー70とは分離しており、かつ、組織アンカー70とは別個のものである)を有する。典型的には、第2組織アンカー38は、テザー52によって組織アンカー70に連結可能であるか、連結されている。
【0168】
ここで
図2Aを参照すると、該図は、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された組織アンカー120の概略図である。
図2Bもまた参照すると、該図は、本発明の応用例による、組織アンカー120の金属ワイヤー122の概略図である。以下に記載のものを除いて、組織アンカー120は、
図1A~Cを参照して上記された組織アンカー20と同一であり、かつ、同様の参照数字は同様の部分に言及する。組織アンカー120はまた、
図1Dを参照して上記された組織アンカー70の特徴を実装してもよい。
【0169】
ワイヤー122の組織連結部131が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤー122の組織連結部131の尾端部132は、少なくとも1つの第1ループ端湾曲部154を定める形状である。いくつかの応用例については、アンカーシャフト軸48とアンカーシャフト軸48から最も遠い第1ループ端湾曲部154上の点との間の距離は、アンカーシャフト軸48とアンカーシャフト軸48から最も遠いループ部44上の点との間の距離の40%~150%(例えば、60%~100%)に等しい。この配置構成は、組織アンカー120によって提供される係留にバランスを加えるであろう。
【0170】
ここで
図3Aを参照すると、該図は、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された組織アンカー220の概略図である。
図3Bもまた参照すると、該図は、本発明の応用例による、組織アンカー220の金属ワイヤー222の概略図である。以下に記載にものを除いて、組織アンカー220は、
図1A~Cを参照して上記された組織アンカー20と同一であり、かつ、同様の参照数字は同様の部分に言及する。組織アンカー220はまた、
図1Dを参照して上記された組織アンカー70の特徴を実装してもよい。
【0171】
ワイヤー222の組織連結部231が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤー222の組織連結部231の尾端部232は、少なくとも1つの直線部256を定める形状である。直線部256は典型的には、第2のワイヤー端24Bへと延びる。いくつかの応用例については、アンカーシャフト軸48とアンカーシャフト軸48から最も遠い直線部256上の点(例えば、第2ワイヤー端24B)との間の距離は、アンカーシャフト軸48とアンカーシャフト軸48から最も遠いループ部44上の点との間の距離の40%~150%(例えば、60%~100%)に等しい。この配置構成は、組織アンカー220によって提供される係留にバランスを加えるであろう。
【0172】
ここで
図3Cを参照すると、該図は、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された組織アンカー270の概略図である。以下に記載のものを除いて、組織アンカー270は、
図3A~Bを参照して上記された組織アンカー220と同一であり、かつ、同様の参照数字は同様の部分に言及する。本明細書に記載の組織アンカーはいずれも、必要な変更を加えて、組織アンカー270の特徴を実装してもよい。
【0173】
この構成では、組織アンカー270のワイヤー222の直線状アンカーシャフト部276の近位端28は、第1ワイヤー端24Aと一致しない;その代わりに、第1ワイヤー端24Aは、ワイヤー222に沿って直線アンカーシャフト部276の近位端28の近位にある。例えば、ワイヤー222は、
図3Cに示されているように、第1ワイヤー端24Aと直線状アンカーシャフト部276の近位端28との間で少なくとも部分的に湾曲していてもよく(例えば、アンカーシャフト軸48から離れるように曲がっていてもよく)、かつ/または、第1ワイヤー端24Aと直線状アンカーシャフト部276の近位端28との間で1つ以上の鋭角を定めてもよい(構成は図示せず)。
【0174】
ここで
図4Aを参照すると、該図は、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された組織アンカー320の概略図である。
図4Bもまた参照すると、該図は、本発明の応用例による、組織アンカー320の金属ワイヤー322の概略図である。以下に記載のものを除いて、組織アンカー320は、
図1A~Cを参照して上記された組織アンカー20と同一であり、かつ、同様の参照数字は同様の部分に言及する。組織アンカー320はまた、
図1Dを参照して上記された組織アンカー70の特徴を実装してもよい。
【0175】
図4A~Bに示されているように、ワイヤー322の組織連結部331が拘束されていない状態にあるときに:
・ ワイヤー322の組織連結部331は、第2ワイヤー端24Bを含む尾端部332を定める形状であり、
・ ワイヤー22の組織連結部331は、ワイヤー322に沿って第1および第2ループ端長手方向部340Aおよび340Bにおいてそれ自体と交差してループ部344を定め、該ループ部344は概して、直線状アンカーシャフト部26のアンカーシャフト軸48と75~90度(例えば、90度)の角度をなすループ部平面346を定め、
・ 第1ループ端長手方向部340Aは、第2ループ端長手方向部340Bより、ワイヤー322に沿って第1ワイヤー端24Aに近く、かつ、
・ 第1ループ端長手方向部340Aと第1ワイヤー端24Aとの間の最大絶対距離D1は、第2ループ端長手方向部340Bと第1ワイヤー端24Aとの間の最大絶対距離D2より大きい。
【0176】
ワイヤー322の組織連結部331が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤー322は第1ループ端湾曲部350を定める形状であり、該第1ループ端湾曲部350に沿って第1ループ端長手方向部340Aが配置される。組織アンカー320は、直線状アンカーシャフト部26の近位端28がループ部平面46から離れるようにアンカーシャフト軸48に沿って引かれるときに、ワイヤー322が、第2ループ端長手方向部340Bにて、ワイヤー22の第1ループ端湾曲部350において第1ループ端長手方向部340Aにはまり込むように構成されている。このはまり込みは、ループ部344をロックし、かつ、ループ部344が直線状になることを防止する。
【0177】
いくつかの応用例については、組織アンカー320は、ワイヤー322の組織連結部331が拘束されていない状態にあるときに、第1ループ端湾曲部350の内側湾曲表面358が、第2ループ端長手方向部340Bに沿ってワイヤー322の半径の80%~120%(例えば、90%~110%(例えば、100%))に等しい曲率半径rCを有するように構成されている。いくつかの応用例については、第1ループ端湾曲部350は、直線状アンカーシャフト部26の遠位端30から直接延びている。
【0178】
典型的には、ワイヤー322がワイヤー22の第1ループ端湾曲部350において第1ループ端長手方向部340Aにはめ込まれるとき、第1ループ端湾曲部350の内側湾曲表面358は、第1ループ端長手方向部340Aにおいてワイヤー322の少なくとも180度を囲む。例えば、内側湾曲表面358は、
図4A~Bに示されているように、180度、または、それよりわずかに多く囲んでもよく、以下に記載の
図5A~Bに示されているように、少なくとも200度を囲んでもよい。
図4A~B、5A~Bおよび6A~Bに示されている構成は、
図4A~Bおよび6A~Bに示されている小さいの方の囲みの程度を実装してもよく、
図5A~Bに示されている大きい方の囲みの程度を実装してもよい。
【0179】
いくつかの応用例については、ワイヤー322の組織連結部331が拘束されていない状態にあるとき、尾端部332は、少なくとも1つの直線部356を定める形状である。直線部356は典型的には、第2ワイヤー端24Bへと延びる。
【0180】
ここで
図5Aを参照すると、該図は、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された組織アンカー420の概略図である。
図5Bもまた参照すると、該図は、本発明の応用例による、組織アンカー420の金属ワイヤー422の概略図である。以下に記載のものを除いて、組織アンカー420は、
図4A~Bを参照して上記された組織アンカー320と同一であり、かつ、同様の参照数字は同様の部分に言及する。組織アンカー420はまた、
図1Dを参照して上記された組織アンカー70の特徴を実装してもよい。
【0181】
ワイヤー422の組織連結部431が拘束されていない状態にあるときに、ワイヤー422の組織連結部431の尾端部432は、少なくとも1つの尾端部湾曲部454を定める形状である。
【0182】
ここで
図6Aおよび6Bを参照すると、該図は、本発明の各々の応用例による、心臓組織壁に係留されるように各々構成された組織アンカー520Aおよび520Bの金属ワイヤー322の概略図である。以下に記載のものを除き、組織アンカー520Aおよび520Bは、
図4A~Bを参照して上記された組織アンカー320と同一であり、かつ、同様の参照数字は同様の部分に言及する。組織アンカー520Aおよび520Bの特徴はまた、必要な変更を加えて、本明細書に記載のその他の組織アンカーと組み合わされて実装されてもよい。
【0183】
組織アンカー520Aおよび520Bはさらに、ファブリック560を有し、該ファブリック560は、第1ループ端長手方向部340A(
図6Aに示されている組織アンカー520A)または第2ループ端長手方向部340B(
図6Bに示されている組織アンカー520B)を含む金属ワイヤー322の一部を覆う。ファブリック560は、第2ループ端長手方向部340Bが第1ループ端湾曲部350に対して前後に動く場合に(例えば、第1ループ端湾曲部350によって定められた湾曲部において)、ワイヤー322の金属の浸食を防止することを補助するであろう。
【0184】
図7を参照すると、該図は、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された組織アンカー620の金属ワイヤー622の概略図である。以下に記載のものを除いて、組織アンカー620は、
図1A~Cを参照して上記された組織アンカー20と同一であり、かつ、同様の参照数字は同様の部分に言及する。組織アンカー620はまた、
図1Dを参照して上記された組織アンカー70の特徴、または、必要な変更を加えて本明細書に記載のその他の組織アンカーのいずれかの特徴を実装してもよく;例えば、組織アンカー620はアンカーヘッド33を有してもよい。ワイヤー622の組織連結部631の尾端部432は、少なくとも1つの尾端部湾曲部454を定める形状であるものとして示されているが、代替的には、尾端部432は、
図1A~D、3A~C、4A~Bおよび6A~Bに示されているように、いかなる尾端部湾曲部も定めない。
【0185】
組織アンカー620は、ワイヤー622の組織連結部631が拘束されていない状態にあるときに、(a)ワイヤー622の組織連結部631がワイヤー622に沿って第1および第2ループ端長手方向部640Aおよび640Bにおいてそれ自体と交差してループ部644を定め、かつ、(b)組織連結部631が次の項目を定める形状であるように構成されており、該項目は:
・ 第1ループ端直線部623A(該第1ループ端直線部623Aに沿って、第1ループ端長手方向部640Aが配置される)、および/または、
・ 第2ループ端直線部623B(該第2ループ端直線部623Bに沿って、第2ループ端長手方向部640Bが配置される)である。
【0186】
ループ部644のワイヤー622は、ループ部平面より上から(すなわち、第1ワイヤー端24Aとは反対側のループ部平面の側から)見たときに、第1ループ端直線部623Aから第2ループ端直線部623Bへと時計回りにループするものとして
図7に示されていることが注目される。ワイヤー622はまた、反時計回りにループしてもよい。同様に、
図1A~D、2A~B、3A~C、4A~B、5A~Bおよび6A~Bに示されている組織アンカーのループ部のワイヤーは、ループ部平面より上から見たときに、第1ループ端直線部から第2ループ端直線部へと反時計回りにループするものとして示されている;これらのワイヤーはまた、時計回りにループしてもよい。
【0187】
ここで
図8を参照すると、該図は、本発明の応用例による、心筋組織壁160を通して組織アンカー120を配備する方法の概略図である。
図8においては、組織アンカー120が心筋組織壁を通して配備されることが示されているが、組織アンカー120はまた、卵円窩において、または、卵円窩ではないところで、その他の心臓組織壁(例えば、心房中隔)を通して配備されていてもよく、その他の非心臓組織壁を通して配備されていてもよい。実際、本明細書に記載の組織アンカーは、任意の数の身体の位置であって、それが組織の中または組織の後ろに、かかる組織を隣接する組織に対して移動させる目的で係留することが所望される前記の任意の数の身体の位置において配備されていてもよい。
図8は組織アンカー120の配備を示しているが、本明細書に記載のその他のアンカーが同様に配備されてもよい。
【0188】
組織アンカー120は、配備ツール内にある状態で標的部位(例えば、心腔)へと送達され、組織連結部131は、配備ツール内では拡張していない概して細長い構成にある。配備ツールは、中空針を有していてもよい。心腔は、右心房164(図示されているような)であってもよく、右心室166(構成は図示せず)であってもよく、左心房(構成は図示せず)であってもよく、左心室(構成は図示せず)であってもよい。ワイヤー122の組織連結部131は、拡張していない概して細長い構成にて、心臓組織壁を通して心臓組織壁の第1の側から心臓組織壁の第2のいっそう遠い側へと送達される。1つの応用例では、心筋組織壁160の第1の側および臓側心膜182(心外膜の一部)を通して穴をあけるのに中空針が用いられ、右冠状動脈(RCA)178のような脈管構造を回避する。いくつかの応用例については、配備ツールは、その後、心臓組織壁の第2のいっそう遠い側を越えて、臓側心膜182と壁側心膜184との間の囲心腔180の中へとさらに方向付けられ、壁側心膜184および線維性心膜186に穴をあけることを注意深く回避する。当該方法のこれらのステップの実行は
図8に示されていないが、これらのステップは、Tоbisらへの国際公開第2018/035378号公報(参照により本明細書に組み込まれる)に記載の技術を用いて、その
図6A~Cを参照して実行されてもよい。
【0189】
図8に示されているように、組織アンカー120は、ワイヤー122の直線状アンカーシャフト部26が、心臓組織壁内に少なくとも部分的に配置され、かつ、ワイヤー122の組織連結部131が、心臓組織壁の第2のいっそう遠い側の外側(任意選択的には、
図8に示されているように囲心腔180内)で拡張し、かつ、上記の形状をとり、そのことによって組織アンカー120を心筋組織壁160に係留するように、配備ツールから解放される。
【0190】
一旦組織アンカー120が標的部位において心筋組織壁160に係留されると、ループ部を含む拡張した組織連結部131は、ループ部平面46から離れるようにアンカーシャフト軸48に沿って直線状アンカーシャフト部26の近位端28を引くことにより組織アンカー120に張力を加えることによって、標的部位において心筋組織壁160の第2のいっそう遠い側に(典型的には、臓側心膜182を介して)しっかりと引き寄せられる。張力は、したがって、組織連結部131(したがって、心筋組織160)に加えられ、それによって標的部位における心筋組織壁160を隣接する心臓組織に対して移動させる。いくつかの応用例については、かかる移動は、三尖弁または僧帽弁のような近くの心臓弁の幾何学的形状を変更させるという利益を有し得る。典型的には、張力はテザー52を用いて加えられる。
【0191】
ここで
図9Aおよび9Bを参照すると、該図は、本発明の各々の応用例による、心臓組織壁に係留されるように各々構成された組織アンカー720Aおよび720Bの概略図である。
【0192】
図10もまた参照すると、該図は、本発明の応用例による、心臓組織壁に係留されるように構成された組織アンカー820の概略図である。
【0193】
組織アンカー720A、720Bおよび820は:
・ 直線状アンカーシャフト部726A、726Bおよび826を各々有し;かつ、
・ 組織連結部731A、731Bおよび831を各々有する。
【0194】
組織アンカー720A、720Bおよび820は、組織連結部731A、731Bおよび831が各々、
図9A~Bおよび10に示されているように、各々の拘束されていない状態(該拘束されていない状態では、組織連結部がいかなる外力によっても拘束されていない)にあるときに:
・ 組織連結部731A、731Bおよび831が、(i)各々の直線状アンカーシャフト部726A、726Bおよび830の各々の遠位端730A、730Bおよび830から延びる各々の細長い中間部735A、735Bおよび830を定める形状であり、かつ、(ii)各々のフォーク状遠位部737A、737Bおよび837を定める形状であるように構成されており、該フォーク状遠位部737A、737Bおよび837は、各々の中間部735A、735Bおよび835の各々の遠位端741A、741Bおよび841から延び、かつ、各々2つのタイン743A、743B、843を定め、かつ、
・ 各々の組織アンカー720A、720Bおよび820の各々のタイン通過部745A、745Bおよび845Bが、各々の2つのタイン743A、743Bおよび843の間を通るように構成されている。
【0195】
いくつかの応用例については、各々の組織アンカー720Aおよび820について
図9Aおよび10に示されているように、直線状アンカーシャフト部726Aおよび826によってタイン通過部745Aおよび845が各々定められる。その他の応用例については、組織アンカー720Bについて
図9Bに示されているように、中間部735Bによってタイン通過部745Bが定められる。代替的には、タイン通過部は、直線状アンカーシャフト部によって部分的に定められ、かつ、中間部によって部分的に定められる(構成は図示せず)。組織アンカー820は、代替的には、タイン通過部845が、
図9Bに示されている構成と同様に、中間部835によって定められるような形状であってもよい(構成は図示せず)。
【0196】
いくつかの応用例について、組織アンカーはそれぞれ、組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、
図9A~Bおよび10に示されているように、組織アンカーのちょうど1つのタイン通過部が2つのタインの間を通るように構成されている。
【0197】
いくつかの応用例については、組織アンカーはそれぞれ、組織連結部が拘束されていない状態にあるときに、2つのタインが概して、直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸749(
図9Aにおいて組織アンカー720Aについてラベル付けされているが、組織アンカー720Bおよび820に等しく適用される)と60~90度(例えば、75~90度)の角度をなすタイン平面747を定めるように構成されている。
【0198】
いくつかの応用例については、組織アンカー720A、720Bおよび820は、組織連結部731A、731Bおよび831が拘束されていない状態にあるときに、中間部735A、735Bおよび835が少なくとも部分的に湾曲するように構成されている。
【0199】
いくつかの応用例については、組織アンカー720A、720Bおよび820はさらに、例えば
図6A~Bを参照してファブリック560に関して記載されたように、組織連結要素を少なくとも部分的に覆うファブリックを有する。
【0200】
図9A~Bを参照する。いくつかの応用例については、組織アンカー720Aおよび720Bはそれぞれ、単一の金属ワイヤー722を有し、該単一の金属ワイヤー722は、直線状アンカーシャフト部726A,726Bおよび組織連結部731A,731Bを定める形状である。これらの応用例のいくつかについては、直線状アンカーシャフト部726A,726Bの近位端728は、ワイヤー722の近位端724と一致する。代替的には、直線状アンカーシャフト部726A,726Bの近位端728は、必要な変更を加えて、組織アンカー270に関して
図3Cを参照して上記されたように、ワイヤー722の近位端724と一致しない。
【0201】
図10を参照する。いくつかの応用例については、組織アンカー820は2つの金属ワイヤー822Aおよび822Bを有し、該2つの金属ワイヤー822Aおよび822Bは、一緒になって直線状アンカーシャフト部826および組織連結部831を定める形状である。組織アンカー820は、組織連結部831が拘束されていない状態にあるときに、
図10に示されているように、2つの金属ワイヤー822Aおよび822Bが:
・ 直線状アンカーシャフト部826の少なくとも一部に沿って、かつ、中間部835の少なくとも一部に沿って、互いに並んで延びるように構成されており、かつ、
・ フォーク状遠位部837に沿って互いに分離し、2つのワイヤー822Aおよび822Bが各々2つのタイン843を定めるように構成されている。
【0202】
典型的には、必ずしも必要ではないが、2つの金属ワイヤー822Aおよび822Bは、直線状アンカーシャフト部826に少なくとも部分的に沿って、かつ、中間部835に少なくとも部分的に沿って、互いに固定される。
【0203】
いくつかの応用例については、直線状アンカーシャフト部826の近位端828は、2つのワイヤー822Aおよび822Bのうちの少なくとも1つの近位端824Aおよび/または824Bと一致する(例えば、
図10に示されているように、両方の近位端724Aおよび724Bと一致する)。代替的には、直線状アンカーシャフト部826の近位端828は、必要な変更を加えて、組織アンカー270に関して
図3Cを参照して上記されたように、2つのワイヤー822Aおよび822Bのうちの少なくとも1つの近位端824Aおよび/または824Bと一致しない。
【0204】
図9A~Bおよび10を再び参照する。いくつかの応用例については、組織アンカー720A、720Bおよび820は:
・ 組織連結部731A、731Bおよび831が拘束されていない状態にあるときに、中間部735A、735Bおよび835が各々、それら自体または各々2つのタイン743A、743Bおよび843のいずれともと機械的に接触しないように構成されており(直接的にも、コーティングもしくは上述の任意選択的なファブリックを介しても)、かつ、
・ 直線状アンカーシャフト部726A、726Bおよび826の近位端728,828が各々タイン平面747から離れるようにアンカーシャフト軸749に沿って引かれるときに、中間部735A、735Bおよび835が各々、中間部735A、735Bおよび835の各々(すなわち、中間部の異なる長手方向部)、ならびに、各々2つのタイン743A、743Bおよび843からなる群より選択される少なくとも1つの要素と機械的に接触するようになるように構成されている(直接的、または、コーティングもしくは上述の任意選択的なファブリックを介して)。
【0205】
これらの応用例のいくつかについては、組織アンカー720A、720Bおよび820は、直線状アンカーシャフト部726A、726Bおよび826の近位端728,828が各々、タイン平面747から離れるようにアンカーシャフト軸749に沿って引かれるときに、中間部735A、735Bおよび835が各々、各々の組織連結部731A、731Bおよび831と、各々の接合部751A、751Bおよび851(該接合部において組織連結部が2つのタインに分岐する)において機械的に接触するようになるように構成されている。
【0206】
図9A~Bおよび10をまだ参照する。典型的には、組織アンカー720A、720Bおよび820はそれぞれ、アンカーヘッドをさらに有し、該アンカーヘッドは、直線状アンカーシャフト部に連結され、かつ、直線状アンカーシャフト部を支持する。アンカーヘッドは、
図1Aを参照して上記されたアンカーヘッド33の特徴のいずれかを実装してもよい。代替的には、組織アンカーは、
図1Dを参照して組織アンカー70に関して上記されたように、アンカーヘッドを有しない。
図1Aおよび1Dを参照して上記されたように、組織アンカー720A、720Bおよび820のうちの1つ、ならびに、テザー、ならびに、任意選択的には第2組織アンカーを有する組織アンカーシステムが提供されてもよい。
【0207】
いくつかの応用例については、組織アンカー720A、720Bおよび820は概して、必要な変更を加えて、組織アンカー20について
図8を参照して上記されたように配備される。組織アンカーは、配備ツール内にある状態で心腔へと送達され、組織連結部は、拡張していない概して細長い構成にある。組織連結部は、拡張していない概して細長い構成にて、心臓組織壁を通して心臓組織壁の第1の側から心臓組織壁の第2のいっそう遠い側へと送達される。組織アンカーは、ワイヤーの直線状アンカーシャフト部が心臓組織壁内に少なくとも部分的に配置され、組織連結部が心臓組織壁の第2のいっそう遠い側の外側(任意選択的には、
図8に示されているように囲心腔180内)に配置され、かつ、組織アンカーのタイン通過部が2つのタインの間を通過するように配備ツールから解放される。
【0208】
典型的には、組織アンカーが配備ツールから解放された後、2つのタインによって概して定められたタイン平面から離れるように直線状アンカーシャフト部のアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことによって、組織アンカーに張力が加えられる。
【0209】
いくつかの応用例については、組織アンカーは、中間部がそれ自体または2つのタインのいずれとも機械的に接触しない(直接的にも、コーティングもしくは上述の任意選択的なファブリックを介しても)ように配備ツールから解放される。タイン平面から離れるように直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことは、中間部が中間部および2つのタインのうちの少なくとも1つからなる群より選択される少なくとも1つの要素と機械的に接触することをもたらす。例えば、タイン平面から離れるように直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことは、中間部が組織連結部と接合部(該接合部において組織連結部が2つのタインに分岐する)において機械的に接触することをもたらしてもよい。
【0210】
典型的には、タイン平面から離れるようにアンカーシャフト軸に沿って直線状アンカーシャフト部の近位端を引くことは、心臓組織壁の第2の遠い側にタインをしっかりと引き寄せる(典型的には、臓側心膜182を介して)。
【0211】
いくつかの応用例については、心臓組織壁は心筋組織壁であり、かつ、組織連結部は、拡張していない概して細長い構成にて、心筋組織壁を通して、臓側心膜と壁側心膜との間の囲心腔の中へと、概して壁側心膜に沿って、かつ、壁側心膜に対して、壁側心膜を貫通することなく送達される。
【0212】
本発明の範囲は、本願の譲受人に譲渡され、かつ、参照によって本明細書に組み込まれる以下の出願に記載された実施形態を含む。いくつかの応用例については、以下の出願の1つ以上に記載された技術および装置が、本明細書に記載の技術および装置と組み合わされる:Maisanoらへの米国特許第8,475,525号明細書; Maisanoらへの米国特許第8,961,596号明細書; Maisanoらへの米国特許第8,961,594号明細書; 国際公開第2011/089601号公報; Maisanoらへの米国特許第9,241,702号明細書; 2013年1月9日付けで出願の米国仮出願第61/750,427号; 2013年3月14日付けで出願の米国仮出願第61/783,224号; 2013年10月30日付けで出願の米国仮出願第61/897,491号; 2013年10月30日付けで出願の米国仮出願第61/897,509号; Gilmoreらへの米国特許第9,307,980号明細書; 国際公開第2014/108903号公報; 国際公開第2014/141239号公報; 2014年6月19日付けで出願の米国仮出願第62/014,397号; 国際公開第2015/063580号公報; 米国特許出願公開第2015/0119936号公報; 2014年12月2日付けで出願の米国仮出願第62/086,269号; 2015年3月11日付けで出願の米国仮出願第62/131,636号; 2015年5月28日付けで出願の米国仮出願第62/167,660号; 国際公開第2015/193728号公報; 国際公開第2016/087934号公報; 米国特許出願公開第2016/0235533号公報; 米国特許出願公開第2016/0242762号公報; 国際公開第2016/189391号公報; 米国特許出願公開第2016/0262741号公報; 2016年8月18日付けで出願の米国仮出願第62/376,685号; 2017年2月8日付けで出願の米国仮出願第62/456,206号; 2017年2月8日付けで出願の米国仮出願第62/456,202号; 2017年3月1日付けで出願の米国仮出願第62/465,410号; 2017年3月1日付けで出願の米国仮出願第62/465,400号; 2017年6月8日付けで出願の米国仮出願第62/516,894号; 2017年7月10日付けで出願の米国仮出願第62/530,372号; 国際公開第2018/035378号公報; 2017年10月10日付けで出願の米国仮出願第62/570,226号; 2017年10月31日付けで出願の米国仮出願第62/579,281号; 2017年12月8日付けで出願の米国仮出願第62/596,658号; 国際公開第2018/148364号公報; 米国特許出願公開第2018/0221148号公報; 2018年2月9日付けで出願の米国仮出願第62/628,457号; 国際公開第2018/160456号公報; 米国特許出願公開第2018/0249993号公報; 2018年6月8日付けで出願のPCT/US18/036609; 米国特許出願公開第2018/0353297号公報; 国際公開第2019/013994号公報; 2018年8月7日付けで出願のPCT/US2018/045523; 国際公開第2019/074815号公報; 国際公開第2019/089262号公報;および、国際公開第2019/157116号公報。
【0213】
本特許出願に参照によって組み込まれた特許および特許出願公報は、本願と一体となる部分であると考えられるべきである(ただし、任意の用語が、本明細書において明示的または暗示的になされた定義とは相反する様式でこれらの組み込まれた特許および特許出願公報において定義されている程度においては、本明細書における定義のみが考慮されるべきである)。
【0214】
本発明は、具体的に示され、かつ、上記されたものに限定されないことが当業者によって把握されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記の種々の特徴の組み合わせ、および、部分的組み合わせの両方、ならびに、上記の説明を読んだ当業者が想起する先行技術にはないその変形および修正を含む。