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特許7489125高性能太陽電池、アレイ、およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】高性能太陽電池、アレイ、およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20240516BHJP
【FI】
H01L31/04 570
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022168206
(22)【出願日】2022-10-20
(62)【分割の表示】P 2019551910の分割
【原出願日】2017-12-11
(65)【公開番号】P2023002693
(43)【公開日】2023-01-10
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】62/432,289
(32)【優先日】2016-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519206531
【氏名又は名称】エムパワー テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オカンダン,ムラト
(72)【発明者】
【氏名】クルツ-キャンパ,ジョセ,ルイス
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-343995(JP,A)
【文献】特開2015-196163(JP,A)
【文献】実開昭59-042055(JP,U)
【文献】特開2009-043872(JP,A)
【文献】特開2015-211154(JP,A)
【文献】特開2012-019094(JP,A)
【文献】特開昭59-098480(JP,A)
【文献】特開2009-283940(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0043254(US,A1)
【文献】特開2011-238717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/04-31/056
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターコネクトされた光電池セルのアレイであって、
電気的に直列に接続された複数の第1の光電池セルの第1のストリングと、
電気的に直列に接続された複数の第2の光電池セルの第2のストリングであって、前記第1のストリングと電気的に並列に接続された、第2のストリングと、
を含み、
前記アレイは、可撓性絶縁層および/または可撓性絶縁・導電性複合層上に設けられており、
前記複数の第1の光電池セルの各々は第1の形状を有し、前記複数の第2の光電池セルの各々は前記第1の形状とは異なる第2の形状を有し、
その異なる形状により、前記アレイを柔軟にすることができる、
インターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項2】
前記複数の第1の光電池セルの各々は、ほぼ第1の表面積を有し、前記複数の第2の光電池セルの各々は、前記第1の表面積とは異なるほぼ第2の表面積を有する、請求項1に記載のアレイ。
【請求項3】
2つより多い方向に可撓である、請求項1に記載のアレイ。
【請求項4】
前記第1のストリングによって発生された電圧は、前記第2のストリングによって発生された電圧とほぼ同じである、請求項1に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項5】
前記第1の光電池セルおよび前記第2の光電池セルの各々の表面積は、約100μm~約3000mmである、請求項1に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項6】
前記第1の光電池セルおよび前記第2の光電池セルの各々の表面積は、約0.1mm~約100mmである、請求項5に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項7】
前記第1の光電池セルおよび前記第2の光電池セルの各々によって生成される電流は、約1.1A未満である、請求項1に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項8】
前記第1の光電池セルおよび前記第2の光電池セルの各々によって生成される電流は、約50mA未満である、請求項7に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項9】
前記第1の光電池セルおよび前記第2の光電池セルの各々は、集電金属を通る電力損失を前記第1の光電池セルおよび前記第2の光電池セルの各々から利用可能な全電力の約10%未満に制限するのに必要な集電金属の量のみをほぼ含む、請求項1に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項10】
インターコネクトされた光電池セルのアレイであって、
電気的に直列に接続された複数の第1の光電池セルの第1のストリングと、
電気的に直列に接続された複数の第2の光電池セルの第2のストリングであって、前記第1のストリングと電気的に並列に接続された、第2のストリングと、
を含み、
前記アレイは、可撓性絶縁層および/または可撓性絶縁・導電性複合層上に設けられており、
前記複数の第1の光電池セルのうちの少なくとも1つは、前記複数の第1の光電池セルのうちの別のものとは異なる形状を有し、前記複数の第2の光電池セルのうちの少なくとも1つは、前記複数の第2の光電池セルのうちの別のものとは異なる形状を有し、
その異なる形状により、前記アレイを柔軟にすることができる、
インターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項11】
前記複数の第1の光電池セルの各々は、ほぼ第1の表面積を有し、前記複数の第2の光電池セルの各々は、前記第1の表面積とは異なるほぼ第2の表面積を有する、請求項10に記載のアレイ。
【請求項12】
2つより多い方向に可撓である、請求項10に記載のアレイ。
【請求項13】
前記第1のストリングによって発生された電圧は、前記第2のストリングによって発生された電圧とほぼ同じである、請求項10に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項14】
前記第1の光電池セルおよび前記第2の光電池セルの各々の表面積は、約100μm~約3000mmである、請求項10に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項15】
前記第1の光電池セルおよび前記第2の光電池セルの各々の表面積は、約0.1mm~約100mmである、請求項14に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項16】
前記第1の光電池セルおよび前記第2の光電池セルの各々によって生成される電流は、約1.1A未満である、請求項10に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項17】
前記第1の光電池セルおよび前記第2の光電池セルの各々によって生成される電流は、約50mA未満である、請求項16に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項18】
前記第1の光電池セルおよび前記第2の光電池セルの各々は、集電金属を通る電力損失を前記第1の光電池セルおよび前記第2の光電池セルの各々から利用可能な全電力の約10%未満に制限するのに必要な集電金属の量のみをほぼ含む、請求項10に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイ。
【請求項19】
インターコネクトされた光電池セルのアレイを製造する方法であって、
光電池力ウェハをメタライゼーション処理するステップと、
前記ウェハを伸縮性キャリアに接着するステップと、
レーザを使用して前記ウェハから個々の光電池セルを個別化するステップであって、前記個々のセルが複数の形状および/または向きを有するステップと、
前記個々のセルの互いに対する相対的な向きを維持しながら前記個々のセルを分離するステップと、
可撓性絶縁層および/または可撓性絶縁・導電性複合層を前記ウェハに追加するステップと、
前記個々のセルを電気的にインターコネクトするステップと、
前記アレイを前記キャリアから取り外すステップと、を含み、
前記アレイの個々のセルは、前記相対的な向きのままである、
製造方法。
【請求項20】
レーザを使用する前記ステップは、前記セルをメタライゼーションする前に実行される、請求項19に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイを製造する方法。
【請求項21】
前記レーザは、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)または垂直外部共振器面発光レーザ(VECSEL)を含む、請求項19に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイを製造する方法。
【請求項22】
前記分離するステップが、前記伸縮性キャリアを延伸するステップを含む、請求項19に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイを製造する方法。
【請求項23】
前記分離するステップの後のセル間の距離は、約5μm~250μmである、請求項19に記載のインターコネクトされた光電池セルのアレイを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年12月9日に出願された「高性能太陽電池、アレイ、およびその製造方法」と題された米国仮特許出願第62/432,289号の出願の優先権およびその利益を主張するものであり、その明細書および特許請求の範囲は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の背景
本発明は、高性能太陽電池構造、そのようなセルから作られたアレイ、およびそのようなデバイスおよびシステムを生成するための高スループットで低コストの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
以下の考察は、いくつかの刊行物および参考文献を参照することがあることに留意されたい。本明細書におけるそのような刊行物の考察は、科学的原理のより完全な背景のために与えられており、そのような刊行物が特許性の決定を目的とする先行技術であることの承認として解釈されるべきではない。
【0004】
従来の太陽電池は、一般的に、光生成キャリアを収集し、それらを外部回路に輸送して有用な仕事を生み出すために使用されるドープ接合およびオーミックコンタクトを用いて製造される。太陽電池に対してトンネル接合を使用することは、金属-絶縁体-半導体(MIS)セルまたは多接合化合物半導体セルにおけるトンネル接合と同様に、当該技術分野において周知である。従来のセルは通常、セル上に形成されたメタライゼーション層上に溶接された金属トレースを使用してインターコネクトされ、セルごとに生成される高電流および低電圧に適応し、望ましくない抵抗性損失を防止するために各セル内におよびセル間に大量の材料を通常必要とする。
【0005】
太陽電池上への金属トレースの堆積プロセスは、典型的にはスクリーン印刷、インクジェット印刷、電気メッキ、もしくは真空堆積プロセス、またはこれらのステップのいくつかの組み合わせを含む。不透明な金属層によって生じる遮光損失を減らすために、フロント-バックコンタクトセルのためのこれらのラインを横方向寸法においてできるだけ細くするための著しい努力がなされている。これらの層が形成され、他の金属層がセル上に溶接されると、半導体と金属層との間の熱膨張率の差が、セルおよびアレイ構造の故障を招く可能性のある望ましくない機械的応力および弱点を引き起こす。使用される金属の量はまた、構造全体にかなりの質量を追加し、これはシステム重量がプラットフォームの性能にとって極めて重要である航空宇宙などの用途にとっては望ましくない結果である。
【0006】
セルをストリング、サブアレイ、そして最終的にパネルに組み立てるのに、現在多数のステップが関係する。通常、これらの組立体は一緒に積層されて、トップカバー層およびバックカバー層、トップ用のガラスおよびバック用のポリマー層を有する最終製品を形成する。両方の層がガラスまたは両方ともポリマーであるいくつかの構成もある。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、電気的に直列に接続された複数の第1の光電池セルの第1のストリングと、電気的に直列に接続された複数の第2の光電池セルの第2のストリングであって、第1のストリングと電気的に並列に接続された、第2のストリングとを含み、複数の第1のセルの各々は第1の形状を有し、複数の第2のセルの各々は第2の形状を有する、インターコネクトされた光電池セルのアレイである。複数の第1のセルの各々は、好ましくはほぼ第1の表面積を有し、複数の第2のセルの各々は、好ましくはほぼ第2の表面積を有する。第1の表面積は、好ましくは第2の表面積とは異なる。アレイは、好ましくは2つより多い方向に可撓である。第1のストリングによって発生された電圧は、好ましくは、第2のストリングによって発生された電圧とほぼ同じである。複数のセルの各々の表面積は、好ましくは約100μm~約3000mm、より好ましくは約0.1mm~約100mmである。複数のセルの各々によって生成される電流は、好ましくは約1.1A未満、より好ましくは約50mA未満である。各セルは、好ましくは、集電金属を通る電力損失を各セルから利用可能な全電力の約10%未満に制限するのに必要な集電金属の量のみをほぼ含む。
【0008】
本発明はまた、電気的に直列に接続された複数の第1の光電池セルの第1のストリングと、電気的に直列に接続された複数の第2の光電池セルの第2のストリングであって、第1のストリングと電気的に並列に接続された第2のストリングとを含み、複数の第1のセルのうちの少なくとも1つは、複数の第1のセルのうちの別のものとは異なる形状を有し、複数の第2のセルのうちの少なくとも1つは、複数の第2のセルのうちの別のものとは異なる形状を有するインターコネクトされた光電池セルのアレイである。複数の第1のセルの各々は、好ましくはほぼ第1の表面積を有し、複数の第2のセルの各々は、好ましくはほぼ第2の表面積を有する。第1の表面積は、好ましくは第2の表面積とは異なる。アレイは、好ましくは2つより多い方向に可撓である。第1のストリングによって発生された電圧は、好ましくは、第2のストリングによって発生された電圧とほぼ同じである。複数のセルの各々の表面積は、好ましくは約100μm~約3000mm、より好ましくは約0.1mm~約100mmである。複数のセルの各々によって生成される電流は、好ましくは約1.1A未満、より好ましくは約50mA未満である。各セルは、好ましくは、集電金属を通る電力損失を各セルから利用可能な全電力の約10%未満に制限するのに必要な集電金属の量のみをほぼ含む。
【0009】
本発明はまた、インターコネクトされた光電池セルのアレイを製造する方法であって、光電池力ウェハを部分的に加工するステップと、ウェハを伸縮性キャリアに接着するステップと、レーザを使用してウェハから個々の光電池セルを個別化(分離;singulate)するステップであって、個々のセルが複数の形状および/または向きを有するステップと、個々のセルの互いに対する相対的な向きを維持しながら個々のセルを分離するステップと、個々のセルを電気的にインターコネクトするステップと、アレイをキャリアから取り外すステップとを含み、アレイの個々のセルは、相対的な向きのままである、方法である。レーザを使用するステップは、好ましくは、セルを金属化する前に実行される。レーザは、オプションで、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)または垂直外部共振器面発光レーザ(VECSEL)を含む。分離するステップは、好ましくは基板を延伸するステップを含む。分離ステップの後のセル間の距離は、好ましくは約5μm~250μmである。本方法は、取り外すステップの前に、可撓性絶縁層および/または可撓性絶縁・導電性複合層をウェハに追加するステップをオプションでさらに含む。
【0010】
本発明の目的、利点と新規な構成、およびさらなる適用範囲は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明に部分的に記載され、また以下の試験時に部分的に当業者に明らかとなるか、または本発明の実施によって習得することができる。本発明の目的および利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘された手段および組み合わせによって実現され達成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれてその一部を形成する添付の図面は、本発明の実施形態の実施を例示し、その説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。図面は、本発明の特定の実施形態を例示する目的のためだけのものであり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0012】
図1】長方形および複合形状の太陽電池のアレイを示す。
図2】基本的なマイクロセル構造およびインターコネクトの断面の概略図を示す。
図3】インターコネクトを形成するために金属1のみが使用される図1の構造の代替実施形態を示す。
図4】太陽電池製造ツールおよびソーラーウェハを使用してセルおよびアレイを作製するための本発明の一実施形態のプロセスフローを示す。
図5】マイクロエレクトロニクス製造ツールおよび集積回路(IC)ウェハを使用してセルおよびアレイを作製するための本発明の一実施形態のプロセスフローを示す。
図6】正方形または擬似正方形の太陽光電池(PV)ウェハを使用するプロセスフロー、および太陽電池アレイを生成するためのプロセスステップを示す。
図7】マイクロ太陽電池のインターコネクトの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
太陽電池構造に対するいくつかの有益な改善は、標準的なドープ接合よりもトンネル接合の使用、および追加の組み立てステップを必要とせずにパネルまたは他のシステムに直接結合可能な、高電圧を生成するサブアレイ内に多数のセルを製造することができる処理ステップの統合によって提供される。トンネル接合によって提供される利点のいくつかは、高ドープ接合部でのキャリア再結合の排除、薄いトンネル酸化物および非接合領域周辺の他のパッシベーション酸化物によってパッシベーションされた表面での表面再結合速度の減少、製造プロセスにおける高価な金属(例えば銀)の削減から生じたコストの減少、ならびに単純化されたより速いプロセスフローおよび改善された電力熱係数(従来のSiセルの-0.4%/℃と比較して約-0.2%/℃)である。製造プロセスの一実施形態は、好ましくは、ソーラーウェハを使用するプロセスフローのために、ウェハ全体の周りに酸化および窒化ケイ素を堆積させることによって開始する。集積回路プロセスウェハおよびツールが利用されるとき、能動デバイス(アクティブデバイス)は、好ましくは、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)ウェハのデバイス層内に、またはアモルファスシリコンなどの内部分離層を内蔵したウェハ上に形成される。トンネル接合が形成される領域は、好ましくは、窒化ケイ素/酸化ケイ素のパッシベーションスタックをパターニングおよびエッチングすることによって画定される。このパターニングは、標準的なリソグラフィ技術およびエッチングによって、マスクの形成およびドライもしくはウェットエッチングなどの印刷ベースの技術によって、またはエッチング液の直接印刷によって、または絶縁層のレーザ除去によって実行することができる。トンネル接合は、ラピッドサーマルプロセス(RTP)酸化によるトンネル層の成長、炉酸化、プラズマ化学気相成長(PECVD)による堆積、またはスパッタリングなどの任意の方法によって形成することができる。形成されるトンネル層は、好ましくは、キャリアがアクティブセル材料(シリコン)からコンタクト材料内へとトンネルすることを可能にする1nm~3nmの範囲の二酸化シリコン(SiO)または例えば酸化アルミニウム(Al)もしくは非ドープアモルファスシリコンなどの他の絶縁膜を含む。コンタクト材料は、通常、基板シリコン内に正しい種類のバンド湾曲を生じさせるために、金属および/またはドープされたシリコンと基板シリコンとの間の仕事関数の差に基づいて選択される。この誘導されたバンド湾曲は、一方の種類のキャリア(例えば、電子)をコンタクトに向かって引き寄せ、他方の種類(この例では、正孔)をコンタクトから押し出す。キャリアがコンタクト材料へとトンネルして出ていくにつれて、より多くのキャリアがコンタクトに向かって引きつけられる濃度勾配が形成される。コンタクト材料は、薄い金属スタックとして堆積された、ドープされたポリシリコン(n型およびp型)、アルミニウム、チタン、タングステン、透明導電性酸化物(例えば、酸化インジウムスズ-ITO)もしくは他の金属、またはこれらの材料の組み合わせであり得る。堆積は、異なるコンタクト(n型およびp型)用のシャドーマスクを使用する真空堆積法、インクジェット印刷、またはスクリーン印刷によって行うことができる。より高精度の幾何学的形状を画定することを可能にする通常のリソグラフィ法も利用することができる。しかしながら、これらのステップは、前述の方法よりも費用がかかる。次いで、ポリイミドまたは酸化物などの絶縁層を、好ましくは、第1の金属層の上に堆積させる。この層内のコンタクトホールは、好ましくは、印刷ベースの方法(例えば、インクジェット印刷ポリイミド、またはインクジェット印刷マスク)によって、または感光性絶縁層もしくはイメージ層を使用する標準的なリソグラフィ法によって形成される。次いで、第2の層の金属(金属2)を、好ましくは印刷法またはリソグラフィ法(例えば、リフトオフまたはマスキング/エッチングベース)によって堆積させパターニングする。他の絶縁層は、好ましくはこの金属層の上に堆積され、それは窒化ケイ素およびポリイミドまたは単にポリマー層(例えば、ポリイミド)とすることができ、コンタクトパッドは印刷による直接パターニングを使用して、またはリソグラフィ法によって画定される。
【0014】
次いで、好ましくは印刷法またはリソグラフィ法によって、ウェハの、メタライゼーション面とは反対側の面にパターンを形成することが好ましい。窒化ケイ素/酸化ケイ素パッシベーションをエッチングし、シリコンをエッチングして個々のセルを個別化する。より薄いシリコン層が望まれる場合には、入射光をトラップするために表面をテクスチャ化することもできる研磨またはエッチング方法によってシリコンを薄くすることができ、その後トレンチ(溝)パターニングステップが実行される。二酸化ケイ素/窒化ケイ素またはアモルファスシリコン/窒化ケイ素または窒化ケイ素のパッシベーション層が堆積され、それは側壁(およびシリコンが薄化された場合には全表面領域)をパッシベーションする。この層の厚さは、好ましくは最大量の光がシリコンに入ることを可能にするために最良の反射防止特性を達成するように最適化される。エッチングステップは、好ましくは全ての個々のセルを分離し、得られたデバイスが柔軟で、変形可能であり、そして大型セルと比較して取り扱いに対して非常に頑丈であることを可能にする。
【0015】
個々のセルの分離は、ステルスダイシングなどのレーザベースの方法を使用して、好ましくはシリコンを完全に除去するか、または機械的負荷によるその後のシリコン領域の機械的分離を伴う亀裂発生領域の形成によっても実施できる。機械的負荷は、適切な光学素子を用いた、ファイバレーザ、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)、または垂直外部共振器面発光レーザ(VECSEL)などの集束光源を使用することによって生成することができる。集束レーザスポットによって生成された高温の局所領域は、その後、エアジェットまたは液体ジェットなどによって急速に冷却され、それによって分離前面を伝播する所望の熱駆動の機械的負荷が生成される。このプロセスは、好ましくは、スループット(処理能力)とプロセス品質の両方を改善する高速印刷プロセスと同様の高速マシンビジョンシステムによって制御される。(半導体グレードの円形ウェハ、または光電池の正方形/擬似正方形または任意の形状のウェハであり得る)シリコンウェハは、好ましくは伸縮性キャリアに取り付けられ、その後上述のレーザ照射ステップが実行される。機械的分離の場合、伸縮性キャリアは、好ましくは個々の領域を引き離すように引き伸ばされて、セル間に5~250μmの好ましい分離を生じさせる。個々の領域が分離されると、個々のセルの側壁を上記のようにしてパッシベーションするか、またはそのまま残すことができる。次に、追加の可撓性絶縁層を好ましくはメタライゼーション面上のデバイスに設け、金属層を上記のように形成し、これは、金属2の層の代わりに、またはまた追加の配線層とすることができる。
【0016】
上記のプロセスでは、セルを任意の形状、大きさ、および向きに切断することができる。従来技術では、レーザ切断されたセルは、続いてキャリアから取り除かれ、積層され、そしてタブ・ストリンガ機などのモジュールストリング技術を用いて所望のストリングまたはモジュール構成に組み立てられる。同様の技術を用いて製造された半導体デバイス(例えば、集積回路、ダイオード、コンデンサ、および抵抗器)は、例えば、ピックアンドプレース技術を用いて、キャリアから取り除かれる。それらはその後、別々に使用され、一緒には接続されない。対照的に、本発明の実施形態では、個々のセルが切断され分離された後、それらは好ましくは、例えば粘着性または接着性基板上にセルを作製することによって、互いに対して同じ向きにとどまる。次いで、それらは、好ましくは相対的な向きを維持しながらインターコネクトされ、したがって、この向きは、好ましくは最終モジュールまたはアレイ構成に望ましいセルの形状およびサイズの同じ向きである。したがって、1つ以上の典型的な組み立てステップが回避され、組み立てのための時間と費用が削減される。
【0017】
分離ステップで形成される領域の形状および機械的特徴は、本発明の実施形態の機械的および電気的弾力を高めることができる。六角形、三角形、または(異なる形状の組み合わせを含む)他の形状などの個々のセル形状は、セルおよび/または他の電子部品のアセンブリが多方向に曲がることおよび撓むことを可能にし、オプションでまた好ましい位置において、それは撓んだときにアレイが機械的な損傷を受けることを防止する。これとは対照的に、正方形または長方形のセルを使用することが可能であったが、それは2方向にのみ好ましい曲げを提供する。これは特定の用途には適しているが、3軸以上の曲げを可能にするより高度な形状や形状の組み合わせほど有効ではない。図1は、この能力を提供する様々な形状および組み合わされた複合形状アレイの概略図である。コモン電圧を生成するために様々な類似または異なる形状のアレイ素子を組み合わせることによって、低電流で高電圧のサブアレイは、太陽電池の従来の直列の組み合わせにおける電流ミスマッチによって生じるであろう性能の不利益を招くことなく、任意の方法で他のサブアレイと組み合わせることができる。太陽電池が一般的に(表面積の変動に起因して、またはたとえそれらが同じ表面積を有していたとしても製造のばらつきのために)1%の電流出力変動を有すると仮定すると、数mA~数十mAを生成する本発明の小さなセルでは、このような変動は、典型的には数アンペア(例えば9A)の電流を生成する従来技術の典型的なより大きなセルから生じるものよりもはるかに小さい(約3桁少ない)損失となる。このような損失を避けるために、現在使用されているセルはテストされ、出力ごとにソートされているため、それらを一致させることができる。損失が減少したことと、サブアレイが他のサブアレイと並列に接続されていることの両方のために、本発明はこのステップを必要とせず、製造時間とコストを削減する。
【0018】
例えば、三角素子の組み合わせを直列に接続してコモン電圧(例えば1Vまたは6V)に到達させ、そのサブアレイを、所望の平衡出力を提供する同じ電圧でグループ化された、三角形、六角形、または五角形の別のサブアレイと並列に配置することができる。コモン電圧に到達させるためのインターコネクトされたセルの各サブアレイは、全てのセルがほぼ同じ電流を生成するように、実質的に同じ面積を備えることが好ましい。しかしながら、セルは、同じかまたは異なる形状または向きを有してもよい。そして、上述したように、たとえセルが全く同じ表面積でなくても(そしてそのような差が典型的な製造上のばらつきよりも大きいとしても)、そのような面積差による損失は、典型的なより大きなセルの場合に生じる損失よりはるかに小さい。コモン電圧(並列)接続ステップでは、1つのサブアレイ内の各セルの表面積は、異なるサブアレイ内のセルの各々の面積とは非常に異なる可能性がある。任意の形状およびサイズのセルの組み合わせにより、本発明のアレイは相乗的に機械的柔軟性を向上させ、同じまたはより高い効率で機械的および電気的信頼性を向上させることができるので、固定された太陽電池素子ならびにアレイサイズおよび形状の制限なしに様々な形状をインターコネクトし、所望の領域(面積)を覆うこの能力は、従来の太陽電池サイズよりも小さい領域(面積)における従来の太陽電池インターコネクトアプローチを越える重要な利点である。
【0019】
プロセスフローで形成された金属1および金属2の層の回路接続は、高密度ネットワーク内の高性能セルのアレイをインターコネクトし、デバイスおよびプロセスの変動、遮光、ならびに動作中の損傷に対する堅牢性を提供する。直列および並列ネットワークで多数のセルを接続する結果として形成される高電圧は、この構造でより薄い金属層を利用することを相乗的に可能にし、それは材料コストを削減するだけでなく、重量が非常に重要な用途(例えば、航空宇宙)において重要な利点でもある。例えば、従来技術の典型的な高効率太陽電池の場合、各セル上の典型的な集電ラインのサイズは、幅が約400μm~50μm、厚さが約20μm~500μmである。あるいはまた、直径250μm~500μmの丸いラインが一般的に使用される。これらのセル間のインターコネクトは、通常、幅数mm~1cm、厚さ数百ミクロンである。対照的に、本発明の実施形態は、各セル上に約1μm~10μmの厚さおよび約10μm~100μmの幅の集電金属を有する各セル上の集電体ライン、ならびに厚さ約1ミクロン~20ミクロンおよび幅5ミクロン~500ミクロンのインターコネクトを含む。したがって、本発明で使用される金属の量は、現在必要とされている量よりも100倍以上少なくすることができる。さらに、従来技術の大型セルはそれぞれ約0.5Vを生成する。本発明の直列/並列構成で小型セルを組み合わせることによって、従来技術の大型セルと同じ表面積を有するセルは50V程度生成することができる。これは、太陽電池の同じ面積に対して生成される電流が、同じ電力量で比較したとき約100倍少ないことを意味する。これにより、既存のシステムの約10,000分の1の抵抗損失となり、より少ない集電金属の使用が可能になる。非貴金属である商品金属(銅など)および少量の商品金属を使用できることは、特にコストが重要な基準となる用途(例えば、実用規模の商業用および住宅用の屋上およびビル用の一体型太陽光発電)において別の利点となる。コンタクト面上のメタライゼーションパターンを注意深く設計することにより、遮光されない直接的な光入力面に加えて、セルの表面から最大量の光をセルに入射させることが可能になる。この特徴は、メタライゼーション面が不透明材料によってブロックされているかまたは不透明材料内に埋め込まれている用途では有益ではないが、コンタクト面に透明または半透明の層が存在する他の用途では、追加の電力出力を提供するために、この追加のレベルのエネルギーを集めることができる。従来のフロント-バックコンタクトセルは、完全に金属化された裏面を有するので、そのような利点はそれらのセル構成では利用できない。透明または半透明のバックシートおよびインターコネクト基板の場合、レーザ駆動プロセスを使用して、太陽電池上の金属と、絶縁層および導電トレースによって形成されるインターコネクト基板上にある金属トレースとの間に横方向寸法が約5μmから50μm~100μmの点状の接合部を形成することができる。金属層は、好ましくはセルおよびインターコネクト基板上の両方で薄い(約1μm未満から約5~10μm)ので、レーザ駆動点溶接部を形成するのに必要なエネルギー量は、従来の厚肉金属レーザ溶接で溶接部を作成するために必要なエネルギーレベルと比較して非常に小さい。これにより、このプロセスに対してVCSELおよびVECSELなどの半導体レーザの集束アレイを使用することが可能になり、これらは他のレーザ源よりもはるかに効率的で信頼性が高い。これらのデバイスは、高出力の光ファイバケーブルを介して高出力の外部レーザ光源を配線する必要があることよりむしろ、プロセスツール内の小さな移動ヘッドに埋め込むことができ、電気接続によって直接駆動することができる。
【0020】
図2は、マイクロスケールトンネル接合セルおよびこれらのセルおよびアレイの処理中に形成されたインターコネクトネットワークの概略図である。トンネル接合を形成するために使用されるメタライゼーション層は、好ましくは薄いトンネル絶縁体層の周りにのみ残されるか、あるいはまた細長い構造として局所的インターコネクト内に形成することができる。次いで、これらの領域は、好ましくは、金属1および金属2の層によってさらにインターコネクトされ、完全なネットワークを形成する。ポリイミドまたは他の類似の層は、構造に追加の安定性および柔軟性を提供し、ポリイミド層の開口部はまた、これらのセルおよびアレイが一体化されるシステムで、はんだ、導電性エポキシ、または他の電気的接続が形成されることを可能にする。
【0021】
図3は、金属1の層のみが個々のセル間のインターコネクトを形成するために使用される構造の代替実施形態の概略図である。
【0022】
図4は、セルおよびアレイを作製するための太陽電池製造ツールおよびウェハを使用するプロセスフローを示す。このプロセス実施形態は、構造全体の周りの酸化および窒化物堆積によって開始する。次に、接合部を形成するための領域を、窒化物/酸化物スタックをパターニングおよびエッチングしてベアシリコンを露出させることによって、または窒化物/酸化物スタックを除去してベアシリコンを露出させる他の技術によって画定する。次に、トンネル絶縁体(熱成長または堆積された酸化物、アルミナなど)がこれらの開口領域内に形成される。次に、n型トンネル接合を形成する金属(例えば、タングステンまたはn型の高濃度ドープポリシリコン)がn型コンタクト領域および他の領域上に堆積されインターコネクトを形成する。必要に応じて直列抵抗を低減するために、同じ特徴を有する別の金属を上部に堆積させることができる。次に、p型トンネル接合を形成する金属(例えば、アルミニウムまたはp型の高濃度ドープポリシリコン)がp型コンタクト領域および他の領域上に堆積されインターコネクトを形成する。必要に応じて直列抵抗を低減するために、同じ特徴を有する別の金属を上部に堆積させることができる。インターコネクトの残りの部分は、好ましくは絶縁体および他の金属(好ましくは、はんだ付け可能な金属または金属スタック)を堆積し、パターニングすることによって形成される。最終的なインターコネクトのパッシベーションは、好ましくは別の絶縁体(例えば、これもまた機械的支持および可撓性を提供するポリイミド)を堆積し、セルアレイを別の回路に接続するためのパッド開口部をパターニングすることによって達成される。個々のセルは、好ましくはウェハの光入力面上にマスクをパターニングし、シリコンを貫通するエッチングをし、ウェハのその面上にパッシベーション膜(二酸化ケイ素/窒化ケイ素、アモルファスシリコン/窒化物または窒化物)をメタライゼーション面スタックの材料と適合する温度で堆積することによって個別化される。必要ならば、より薄くより軽い構造を提供するためにトレンチを画定する前に、研磨、研削、またはエッチングによってシリコンを薄くすることができる。
【0023】
図5は、セルおよびアレイを作製するための集積回路製造ツールおよびウェハを使用したプロセスフローを示す。プロセスステップの大部分はソーラーツールのプロセスフローと共通しているが、シリコン・オン・インシュレータまたは内部分離層ウェハが使用されるため、いくつかの違いがある。トレンチがデバイス層内にエッチングされ、酸化物/窒化物パッシベーションが成長または堆積され、ポリシリコン充填およびCMPが、トンネル絶縁体およびコンタクト形成ステップの前に行われる。セルのインターコネクトのためのメタライゼーションスタックは、ソーラープロセスフローと同様にして実行される。デバイス層がハンドル層から分離されるか、またはハンドル層が除去されて、ウェハの種類に応じて埋め込み誘電体またはベアシリコン表面が露出される。追加の酸化物および窒化物パッシベーション層が堆積される。トレンチパターンは印刷またはリソグラフィによって画定され、個々のセルを個別化するためにトレンチがエッチングされる。これらの処理工程を容易にするために、ウェハを一時的にキャリアウェハに結合することができ、それによってこれらのステップに対して標準的な取り扱い手順を使用することが可能になる。プロセスの完了後、セルアレイ(クーポン)をキャリアウェハから分離する。この層は、1つの連続したシートとして使用することも、システムの用途要件や統合ニーズに応じてさらに細かく分割することもできる。
【0024】
図6は、ソーラーPV出発ウェハ(正方形または擬似正方形)およびハイスループットPVプロセスツールを用いたプロセスフローを示す。処理は、好ましくはソーラーPV産業の擬似正方形または正方形ウェハから開始し、これらは単結晶または多結晶とすることができる。絶縁層、二酸化ケイ素/窒化ケイ素積層体もしくは他の絶縁材料またはそのような層の組み合わせは、好ましくは基板全体をパッシベーションする。コンタクト領域は、好ましくは同じ表面上にエッチングされ、シリコンを露出させる。これらの領域は、好ましくはトンネル誘電体として機能する薄い(5~30オングストローム)絶縁層で被覆される。これは、SiO、窒化ケイ素、アモルファスシリコン、Al、他の適切な誘電体またはそれらの組み合わせとすることができる。次いで、n型コンタクト材料およびp型コンタクト材料(金属、高濃度ドープポリシリコン、またはそれらの組み合わせ)を、好ましくは対応するコンタクト位置に堆積し、パターニングする。その後、基板は、好ましくは次のプロセスステップを容易にするために、剛性または可撓性のある一時的なキャリアに取り付けられる。その後、個々のセルは、好ましくはエッチング、機械的ダイシング、またはレーザダイシング方法を用いて分離される。その後、セルの側壁は、オプションで、適切な誘電体層または層の組み合わせを使用してパッシベーションすることができる。その後、可撓性誘電体が、好ましくはコンタクト層を有する表面に設けられ、この層内にコンタクト開口部が形成される。あるいはまた、コンタクトは、基板に取り付ける前に可撓性誘電体層内に形成される。その後、好ましくはシャドーマスクを介したスパッタリング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、堆積、リソグラフィックパターニングおよびエッチングなどの堆積およびパターニング方法によって、金属トレースをデバイス上に形成する。上述のように、可撓性誘電体層は、インターコネクト基板を形成するための所望の金属トレースも含み、構造全体のための電気接続を提供することができ、それは、次いで導電性エポキシ、はんだおよび/またはレーザプロセス駆動点溶接によってセル上の導電領域に接続される。その後、製造されたデバイスは、キャリアから取り外され、必要ならば所望の形状に切断される。
【0025】
本発明の実施形態では、(オプションで横寸法1mm以下程度の)非常に多数の小型セルが、通常24,000mm程度である従来の太陽電池のインターコネクト方法とは非常に異なる方法でインターコネクトされる。本発明のセルは、好ましくは面積が、約100μm~約3000mm、より好ましくは約0.01mm~約625mm、さらにより好ましくは約1mm~約50mmである。同様に、本発明の実施形態では、各セルによって生成される電流は、好ましくは約1.1A未満、より好ましくは約0.25A未満、さらにより好ましくは約20mA未満である。既存の実施では、太陽電池は通常、公称モジュール電圧を達成するために直列にインターコネクトされている。次に、インバータまたは他の次のステージの電力処理コンポーネントに接続するストリング電圧を達成するために、これらのモジュールは直列にインターコネクトされる。本発明のマイクロセルでは、セルは小さい並列でインターコネクトされてより小さいサブセットを形成し、これはより高いシステム信頼性、遮光許容度、大規模セルでは実現不可能な部品の変動または故障に対する堅牢性をもたらす種々の直列-並列の組み合わせでさらにインターコネクトされる。例えば、典型的な既存のシステムでは、大型の太陽電池が直列に接続されているので、1つのセルのみの部分的な遮光でさえも、そのセルのそのサブストリング全体によって生じる電流および電圧を低下させる。サブストリングは通常、例えばバイパスダイオードを使用することによってオフにされ、その結果、ストリングの残りの部分はフルパワーで動作し続けることができる。しかしながら、これは、遮光されたセルが数秒以内に150℃~200℃の温度に達し得、遮光物(障害物)が除去されるまでその温度のままであり得るというホットスポットの問題を排除しない。対照的に、本発明のセルは比較的小さく、好ましくは各サブアレイに直列に配置されるセルの数がより少なく、密集した低電流ネットワーク構成で配置されるので、たとえ多数のより小さいセルが遮光され得たとしても、サブアレイ内の遮光されていないセルは、依然としてより低い電流とわずかに低い電圧で電力を供給できる。電流が非常に小さく、電力を集めるために利用可能な多くの他の経路があるので、遮光されたセルの過熱は問題にならず、それによってシステムの信頼性が向上する。(並列に接続されている)他のサブアレイは、全電流で電力を生成し続けることができる。したがって、高密度で低レベルのネットワーク構成では、局所的な変動を平均化することができ、その結果、システムの効率が向上する。例えば、図7に示すように、マイクロ太陽電池927は、別のマイクロ太陽電池と直列に接続されて「2直列」構成を形成する。次にこのユニットを複製して並列に接続して次の「2並列」セットを形成し、次にそれを3回複製して次の「3直列」セットを形成するように接続し、次にそれを4回複製して並列に接続して次の「4並列」セットを形成する。これらのユニットは、電圧、電流、および面積範囲の点で所望のシステム構成に到達するために複数回繰り返される。これらのインターコネクトは、プロセスにおいて一度に製造されるため、製造が大幅に簡素化され、コストが削減され、信頼性が向上する。
【0026】
本明細書および特許請求の範囲において、「約」または「およそ」は、引用された数値の20%以内を意味することに留意されたい。本明細書で使用されるとき、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「官能基」への言及は、1つ以上の官能基を指し、そして「方法」への言及は、当業者によって理解および認識されるであろう均等のステップおよび方法への言及などを含む。
【0027】
開示された実施形態を特に参照して本発明を詳細に説明してきたが、他の実施形態も同じ結果を達成することができる。本発明の変形および修正は当業者には明らかであり、そのような修正および均等物を全て網羅することが意図される。上記に引用された全ての特許および刊行物の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7