(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】トラップ装置
(51)【国際特許分類】
F16T 1/22 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
F16T1/22 C
(21)【出願番号】P 2023036296
(22)【出願日】2023-03-09
【審査請求日】2023-03-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000137889
【氏名又は名称】株式会社ミヤワキ
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100176304
【氏名又は名称】福成 勉
(72)【発明者】
【氏名】吉川 成雄
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特公昭54-017967(JP,B1)
【文献】特開2022-050957(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0088316(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16T 1/22
F16K 31/18-31/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気を含む流体から復水を排出するトラップ装置であって、
前記流体の流入部、前記復水の流出部、および前記流入部から導入される前記流体を収容する収容室を有するケーシングと、
前記ケーシングの前記収容室に収容され、当該収容室内の前記復水の量に応じて上下動可能なフロートと、
を備え、
前記フロートは、当該フロートの下面が前記ケーシングの底壁内面と平行となるように下方を向く第1姿勢、または、前記フロートの前記下面が前記ケーシングの前記底壁内面および側壁内面に対して斜めとなるように斜め下方を向く第2姿勢の何れかの姿勢をもって前記収容室に収容されているとともに、前記姿勢を維持した状態で前記収容室内を上下動可能であり、
前記ケーシングは、前記流出部と前記収容室とを連通する連通路と、
前記フロートの前記姿勢が前記第1姿勢である場合に前記ケーシングの前記底壁内面から前記収容室に向けて上方に突出形成され、前記フロートの前記姿勢が前記第2姿勢である場合に前記ケーシングの前記側壁内面から前記収容室に向けて斜め上方に突出形成される弁座と、前記連通路における前記収容室側の端部であって、前記弁座の先端部で前記収容室に開口する弁孔と、をさらに有し、
前記弁座における前記弁孔の開口周辺は、前記フロートの
前記下面と平行であって、前記フロートが下降端に位置する状態で当該フロートの前記下面と面接触可能な平面で構成されており、
前記フロートは、六面体の外観形状を有するように形成されるとともに、上下方向の高さ中心よりも重心が下方にオフセットするように設けられた錘を有する、
トラップ装置。
【請求項2】
前記フロートは、内部に中空部を有し、
前記錘は、前記中空部に面する内壁面の内の下内壁面に固定されている、
請求項1に記載のトラップ装置。
【請求項3】
前記フロートは、
当該フロートの外面の内の前記開口周辺の前記平面の部分との接触領域を除く部分にリブを有する、
請求項1または請求項2に記載のトラップ装置。
【請求項4】
前記フロートは、正六面体の外観形状を有する、
請求項1または請求項2に記載のトラップ装置。
【請求項5】
前記フロートは、それぞれが六面体の外観形状を有し、互いに接合された複数のピースを有する、
請求項1または請求項2に記載のトラップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気が流通する配管設備から復水を排出するのに用いられるトラップ装置に関し、特にフロートにレバーが連結されていないレバーフリータイプのトラップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気が流通する配管設備では、当該配管設備から復水(ドレン)を排出するスチームトラップ等のトラップ装置が設けられる。トラップ装置には、ケーシング内に収容されたフロートにレバーが連結されていないレバーフリータイプのものが含まれる(特許文献1等)。従来技術に係るトラップ装置について、
図9を用いて説明する。
【0003】
図9に示すように、従来技術に係るトラップ装置9は、ケーシング90と、フロート91と、スクリーン93と、エアベント94とを備える。ケーシング90は、フロート91が矢印Cのように上下動可能な収容室90aを有する。また、ケーシング90は、蒸気や復水が流入される流入部90b、および復水が流出される流出部90cと、収容室90aに開口する弁孔90eとを有する。弁孔90eは、ケーシング90の側壁内面における下端部分から斜め上向きに突出形成されたパイプ状部分(弁座90i)の先端部で収容室90aに開口されている。弁座90iにおける弁孔90eの開口周囲は、フロート91の外面91aと接触する。弁孔90eは、内部連通路90hにより流出部90cに接続されている。さらに、ケーシング90は、フロート91が下降端まで下降した際にフロート91を保持するバルブホルダ90jも有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、
図9を用いて説明した従来技術に係るトラップ装置9では、製造コストの上昇をおさえながら閉弁時のシール性を確保すること、および耐久性を確保することが困難である。即ち、従来技術に係るトラップ装置9では、球形状のフロート91が採用されているため、弁孔90eの開口を閉弁する際の弁座90iとフロート91の外面91aとの接触が線接触となっている。また、フロート91は、上下動に際して姿勢が拘束されず回転を伴う場合もある。このため、トラップ装置9では、高い真球度のフロート91を用いることが閉弁時のシール性を確保する上で必須の条件となり、製造コストの上昇を招いてしまう。
【0006】
また、従来技術に係るトラップ装置9では、フロート91が下降してきて弁座90iに接触する場合に、上述のようにフロート91の外面91aが弁座90iに線接触することとなるため、当該接触部分が磨滅し易い。フロート91の外面91aの一部が磨滅してしまった場合には、弁孔90eの開口をフロート91で完全に閉じることができず、耐久性という観点からも問題を生じる。
【0007】
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、製造コストの上昇を抑えながら使用期間の長短にかかわらず閉弁時における高いシール性を確保することができるトラップ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るトラップ装置は、蒸気を含む流体から復水を排出するトラップ装置であって、ケーシングとフロートとを備える。前記ケーシングは、前記流体の流入部、前記復水の流出部、および前記流入部から導入される前記流体を収容する収容室を有する。前記フロートは、前記ケーシングの前記収容室に収容され、当該収容室内の前記復水の量に応じて上下動可能である。
前記フロートは、当該フロートの下面が前記ケーシングの底壁内面と平行となるように下方を向く第1姿勢、または、前記フロートの前記下面が前記ケーシングの前記底壁内面および側壁内面に対して斜めとなるように斜め下方を向く第2姿勢の何れかの姿勢をもって前記収容室に収容されているとともに、前記姿勢を維持した状態で前記収容室内を上下動可能である。
【0009】
本態様に係るトラップ装置において、前記ケーシングは、前記流出部と前記収容室とを連通する連通路と、前記フロートの前記姿勢が前記第1姿勢である場合に前記ケーシングの前記底壁内面から前記収容室に向けて上方に突出形成され、前記フロートの前記姿勢が前記第2姿勢である場合に前記ケーシングの前記側壁内面から前記収容室に向けて斜め上方に突出形成される弁座と、前記連通路における前記収容室側の端部であって、前記弁座の先端部で前記収容室に開口する弁孔と、をさらに有する。
【0010】
本態様に係るトラップ装置において、前記弁座における前記弁孔の開口周辺は、前記フロートの前記下面と平行であって、前記フロートが下降端に位置する状態で当該フロートの前記下面と面接触可能な平面で構成されている。
【0011】
また、本態様に係るトラップ装置において、前記フロートは、六面体の外観形状を有するように形成されるとともに、上下方向の高さ中心よりも重心が下方にオフセットするように設けられた錘を有する前記フロートは、六面体の外観形状を有するように形成されるとともに、上下方向の高さ中心よりも重心が下方にオフセットするように設けられた錘を有する。
【0012】
上記態様に係るトラップ装置では、弁座における上記開口周辺の部分が平面に形成され、フロートが下降端まで下降した状態で当該フロートの下面が弁座の前記平面の部分(平面部分)に面接触することで閉弁される。よって、上記態様に係るトラップ装置では、フロートにおける下面と弁座における上記平面部分との平行度を確保するだけで閉弁時における高いシール性を確保することができ、従来技術に係るトラップ装置のように高い真球度が必要とされる球形状のフロートを備える場合に比べて、製造コストの抑制が可能である。
【0013】
また、上記態様に係るトラップ装置では、弁孔の開口を閉弁するのに際してフロートの下面と弁座の上記平面部分とが面接触するので、フロートの下面および弁座の上記平面部分のそれぞれに入力される荷重が分散され、フロートの下面および弁座の上記平面部分の磨滅を小さく抑えることができる。よって、上記態様に係るトラップ装置では、長期に使用しても閉弁時の高いシール性を維持することができる。
【0014】
また、上記態様に係るトラップ装置では、フロートが錘を有することで高さ中心よりも重心が下方にオフセットするように形成されているので、収容室内の復水の量に応じてフロートが下降して行く際には、錘が設けられた側を下方に向けた姿勢が維持される。よって、フロートにおける下面が弁座における上記平面部分に対して平行な状態を維持しながらフロートを下降させることが可能である。これより、フロートが下降端まで下降した状態で、フロートの下面と弁座の上記平面部分とを確実に面接触させることができ、閉弁時の高いシール性を確保することができる。
【0015】
上記態様に係るトラップ装置において、前記フロートは、内部に中空部を有し、前記錘は、前記中空部に面する内壁面の内の下内壁面に固定されている、としてもよい。
【0016】
上記態様に係るトラップ装置では、錘がフロートの下内壁面に固定されているので、錘の表面がフロートの外面に現れることがなく、フロートの上下動や、弁座の上記平面部分との面接触に影響を及ぼすことがない。よって、上記態様に係るトラップ装置では、高い信頼性を確保することができる。
【0017】
上記態様に係るトラップ装置において、前記フロートは、当該フロートの外面の内の前記開口周辺の前記平面の部分との接触領域を除く部分にリブを有する、としてもよい。
【0018】
上記態様に係るトラップ装置では、フロートにおける下面の一部(弁座の上記平面部分との接触領域)を除く部分にリブが設けられているので、収容室に導入される蒸気などからの圧力に対してもフロートの変形や破損を抑制することができる。即ち、上記態様に係るトラップ装置では、外面が6つの平面で構成される六面体のフロートを採用することで上記のような効果を得ながら、フロートの変形や破損を抑制して正確な動作が確保される。
【0019】
上記態様に係るトラップ装置において、前記フロートは、正六面体の外観形状を有する、としてもよい。
【0020】
上記態様に係るトラップ装置では、正六面体の外観形状を有するフロートを備えるので、同じ体積および同じ肉厚の球形状のフロートを備える場合に比べて、フロートの寸法(縦横方向および高さ方向の各寸法)を略20%小さくすることができる。そして、フロートのサイズ縮小に伴って、ケーシングのサイズについても従来技術よりも小さくすることができる。
【0021】
上記態様に係るトラップ装置において、前記フロートは、それぞれが六面体の外観形状を有し、互いに接合された複数のピースを有する、としてもよい。
【0022】
上記態様に係るトラップ装置では、複数のピースを接合することにより形成されたフロートを採用するので、ピースの組み合わせ態様によって種々の六面体形状(正六面体、一方向に長い六面体、一方向に扁平な六面体など)を構成することができる。よって、上記のように複数のピースを接合することでフロートを構成する場合には、要求仕様に応じたトラップ装置を形成するのに優位である。
【0023】
また、上記態様に係るトラップ装置では、複数のピースを接合して1つのフロートが構成されるため、内部に各ピースの壁によって構成される仕切壁が形成される。よって、上記態様に係るトラップ装置では、フロートがさらに高い剛性を有することで、収容室に導入される蒸気の圧力に対する耐性を確保するのにさらに優位である。
【発明の効果】
【0024】
上記の各態様に係るトラップ装置では、製造コストの上昇を抑えながら使用期間の長短にかかわらず閉弁時における高いシール性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るトラップ装置の構成を示す断面図である。
【
図2】トラップ装置が備えるフロートの構成を示す展開斜視図である。
【
図3】(a)はフロートの側面を示す側面図、(b)はフロートの下面を示す下面図である。
【
図4】フロートを構成する各ピースの内部構造を示す断面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係るトラップ装置の構成を示す断面図である。
【
図7】フロートを構成する各ピースの構成を示す断面図である。
【
図8】(a)は変形例1に係るトラップ装置が備えるフロートの構成を示す断面図、(b)は変形例2に係るトラップ装置が備えるフロートの構成を示す側面図である。
【
図9】従来技術に係るトラップ装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一例であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
【0027】
[第1実施形態]
1.トラップ装置1の全体構成
本発明の第1実施形態に係るトラップ装置1は、蒸気を含む流体から復水を排出するトラップ装置である。トラップ装置1の全体構成について、
図1を用いて説明する。
【0028】
図1に示すように、トラップ装置1は、ケーシング10と、フロート20と、スクリーン30と、エアベント40と、エアベントプラグ50とを備える。ケーシング10は、流入部10bと、流出部10cと、収容部10aと、ベント室10dと、内部連通路(連通路)10hと、弁座10iとを有する。流入部10bは、蒸気を含む流体が流入する部位であり、X方向左向きに開口されている。該開口にはスチーム配管等が接続される。流出部10cは、空気や復水が流出する部位であり、X方向右向きに開口されている。該開口にはドレン配管等が接続される。収容室10aは、流入部10bを通り導入された流体(蒸気、復水)が収容される部位であって、流入部10bに連通されている。
【0029】
ベント室10dは、エアベント40の一部を収容する部位であって、流出部10cと連通されている。ベント室10dは、収容室10aの上方に形成されており、上部開口がエアベントプラグ50で塞がれている。内部連通路10hは、ケーシング10における側壁内および底壁内の各一部に設けられており、収容室10aと流出部10cとを連通する。
【0030】
なお、ケーシング10は、Z方向上部のボディ11とZ方向下部のボトムカバ12とを気密接合することで構成されている。このため、ボディ11とボトムカバ12との接合部分での収容室10aおよび内部連通路10hの気密性は確保されている。
【0031】
本実施形態において、弁座10iは、ケーシング10の内底面(底壁内面)10fからZ方向上方の収容室10aに向けて突設形成されている。弁座10iには、内部連通路10hにおける収容室10a側の端部であって、弁座10iの先端部で収容室10aに開口する弁孔10eが設けられている。なお、本実施形態では、弁座10iにおける弁孔10eの開口周辺が平面で形成されている(弁座10iの平面部分)。
【0032】
フロート20は、正六面体の外観形状を有する。フロート20は、収容室10a内において矢印Aで示すように上下動可能に収容されている。フロート20の上下動の下降端は、該フロート20の下面が弁座10iにおける上記平面部分に面接触する位置である。なお、フロート20は、ケーシング10の側壁内面10gに対して僅かな隙間を空けて摺動するサイズ(Z方向に直交する方向のサイズ)で形成されている。
【0033】
スクリーン30は、流体の導入経路における流入部10bと収容室10aとの間に設けられている。スクリーン30は、収容室10aへのゴミやスケールの侵入を抑制する。エアベント40は、通気初期の段階などにおいて、収容室10a内などに溜まった空気を流出部10cへと排出する。
【0034】
2.フロート20の詳細構造
フロート20の詳細構造について、
図2および
図3を用いて説明する。
【0035】
図2に示すように、フロート20は、それぞれが正六面体の外観形状を有し、互いに接合(矢印B1、B2)された8つのピース201~208によって構成されている。
図2および
図3(a)に示すように、8つのピース201~208のそれぞれは、一部の外面にリブ201r,202r,203r,204r,205r,206r,207r,208rが形成されている。リブ201r,202r,203r,204r,205r,206r,207r,208rは、これらが形成された外面の他の部分よりも外方に突出するように形成されている。
【0036】
なお、8つのピース201~208では、互いの接合に係る接合面201b,202c,203a,204b,205c,208cにはリブは形成されていない。また、
図3(a)、(b)に示すように、フロート20の下面20bを構成するピース203,204,207,208の各下面203b,204c,207b,208dにもリブは形成されていない。本実施形態では、フロート20における下面20bが、フロート20が下降端まで下降した際に、弁座10iにおける上記平面部分に面接触する。
【0037】
図2および
図3(a)に示すように、各ピース201~208のリブ201r,202r,203r,204r,205r,206r,207r,208rは、これらが形成された正方形の外面201a、202a、202b、204a、205a、205b,206a,206b,206c,207a,208a,208bの対角線上に沿って延びるようにX字形状をもって形成されている。
【0038】
ここで、ピース201~208同士の接合方法については特に限定はないが、例えば溶接や接着剤などを行うことができる。
【0039】
それぞれが正六面体の8つのピース201~208を接合することによって構成されたフロート20は、正六面体(立方体)の外観形状を有し、X方向の寸法W1とY方向の寸法W2とが等しい。なお、
図3(a)に示すように、フロート20の下面20bにはリブが形成されていないため、フロート20のZ方向の寸法は寸法W1,W2よりもリブの分だけ小さいが、本実施形態では、このような形状のフロート20についても正六面体の外観形状を有するものとする。
【0040】
3.ピース201~208の内部構造
フロート20を構成するピース201~208の内部構造について、
図4を用いて説明する。なお、
図4では、8つのピース201~208の内のピース205~208を抜き出して図示しているが、ピース201~204についても、同様の内部構造を有する。
【0041】
図4に示すように、ピース205~208のそれぞれは、内部に中空部205s,206s,207s,208sを有する。各ピース205~208における中空部205s,206s,207s,208sのそれぞれは、立方体または直方体の空間である。
【0042】
ピース205~208の内のピース207,208の各中空部207s,208sには、錘207w,208wが収容されている。Z方向上方のピース205,206の各中空部205s,206sには錘は収容されていない。なお、
図4では、図示を省略しているが、Z方向下方のピース203,204の各中空部にも錘が収容されており、Z方向上方のピース201,202の各中空部には錘は収容されていない。
【0043】
図4に戻って、ピース207,208の各錘207w,208wは、中空部207s,208sに面する内壁面の内のZ方向下側の内壁面(下内壁面)に接合されている。なお、ピース207,208の各下内壁面に対する錘207w,208wの接合方法については、特に限定はないが、収容室10a内に導入される流体の温度に対しても接合状態が維持可能な方法(例えば、溶接など)を採用することが必要となる。
【0044】
フロート20におけるZ方向の高さ(リブを除く。)をH1とする。この場合に、高さH1の中間にX方向に延びる仮想線L1を仮定する。そして、フロート20の重心P1を通り、仮想線L1に平行な仮想線L2を仮定する。この場合に、仮想線L2は仮想線L1よりもZ方向下側にオフセットした状態となる。これは、ピース203,204,207,208の中空部における下部に錘を配設することによる。
【0045】
なお、本実施形態では、ピース203,204,207,208の中空部に錘を収容し、ピース201,202,205,206の中空部には錘を収容しない構成を採用したが、全てのピース201~208にピース207,208と同様の形態で錘を収容することとしてもよい。また、各ピースにおける錘は、必ずしもピースの外殻を構成する部位と別部材とする必要はない。例えば、各ピースにおけるZ方向下部の外殻を他の部分に比べて厚肉とし、厚肉化した分を錘とすることも可能である。
【0046】
4.ケーシング10における収容室10aの形状および寸法
ケーシング10における収容室10aの形状および寸法について、
図5を用いて説明する。
【0047】
図5に示すように、ケーシング10における収容室10aは、X-Y断面において、X方向の寸法がW3、Y方向の寸法がW4の矩形状に形成されている。本実施形態では、X方向の寸法X3とY方向の寸法W4とが等しく、収容室10aにおける横断面(X-Y断面)が正方形となっている。
【0048】
寸法W3,W4は、
図3(b)に示した寸法W1,W2よりも大きく設定されており、収容室10a内の復水の量に応じたフロート20の上下動を許容するサイズとなっている。その一方、寸法W3,W4は、フロート20が上下動する際にZ方向(紙面に直交する方向)に対するフロート20の傾きが抑制できるように設定されている。例えば、寸法W3,W4は、寸法W1,W2よりも1mm~10mm程度大きく設定されている。
【0049】
5.効果
本実施形態に係るトラップ装置1では、弁座10iにおける弁孔10eの開口周辺の部分が平面に形成され、フロート20の下降によって当該フロート20の下面(所定の面)20bが前記平面の弁座10iの平面部分に面接触することで閉弁される。よって、トラップ装置1では、フロート20における下面20bと弁座10iにおける平面部分との平行度を確保するだけで閉弁時における高いシール性を確保することができ、従来技術に係るトラップ装置9のように高い真球度が必要とされる球形状のフロート91を備える場合に比べて、製造コストの抑制が可能である。
【0050】
また、トラップ装置1では、弁孔10eの開口を閉弁するのに際してフロート20の下面20bと弁座10iの平面部分とが面接触するので、フロート20の下面20bおよび弁座10iの平面部分のそれぞれに入力される荷重が分散され、フロート20の下面20bおよび弁座10iの平面部分の磨滅を小さく抑えることができる。よって、トラップ装置1では、長期に使用しても閉弁時の高いシール性を維持することができる。
【0051】
また、トラップ装置1では、フロート20が錘207w,208wを有することで高さ中心(仮想線L1)よりも重心P1がZ方向下方にオフセットするように形成されているので、収容室10a内の復水の量に応じてフロート20が下降して行く際には、錘207w,208wが設けられた側をZ方向下方に向けた姿勢が維持される。よって、フロート20における下面20bが弁座10iにおける平面部分に対して平行な状態を維持しながらフロート20を下降させることが可能である。これより、フロート20の下降時には、フロート20の下面20bと弁座10iの平面部分とを確実に面接触させることができ、閉弁時の高いシール性を確保することができる。
【0052】
また、本実施形態に係るトラップ装置1では、錘207w,208wがフロート20を構成するピース207,208における中空部207s,208sに面する下内壁面に固定されているので、錘207w,208wの表面がフロート20の外面に現れることがなく、フロート20の上下動や、弁座10iの平面部分との面接触に影響を及ぼすことがない。よって、トラップ装置1では、高い信頼性を確保することができる。
【0053】
また、本実施形態に係るトラップ装置1では、フロート20における下面20bを除く部分にリブ201r,202r,203r,204r,205r,206r,207r,208rが設けられているので、収容室10aに導入される蒸気などからの圧力に対してもフロート20の変形や破損を抑制することができる。即ち、トラップ装置1では、外面が6つの平面で構成される六面体のフロート20を採用することで上記のような効果を得ながら、フロート20の変形や破損を抑制して正確な動作が確保される。
【0054】
また、本実施形態に係るトラップ装置1では、一例として正六面体の外観形状を有するフロート20を備えるので、同じ体積および同じ肉厚の球形状のフロート(例えば、
図9のフロート91)を備える場合に比べて、フロート20の寸法(寸法W1,W2およびZ方向の寸法)を小さくすることができる。即ち、球形状のフロート91と正六面体形状のフロート20において、体積が同じであるとし、フロート91の外径をD、フロート20の一辺の長さ(リブ201r,202r,203r,204r,205r,206r,207r,208rを除く長さ)をXとするとき、次の関係を満たす。
(4π/3)×(D/2)
3=X
3・・(1)
上記数式1より、DとXとの関係は次のようになる。
0.806D=X・・(2)
上記数式2より、フロート91の肉厚とフロート20の肉厚とが等しいとする場合に、同じ容積の内空間を確保するには、正六面体形状のフロート20の一辺の寸法W1,W2を球形状のフロート91の外径寸法Dよりも約20%小さくできる。よって、トラップ装置1では、フロート20のサイズ(寸法W1,W2およびZ方向の高さ寸法)を従来技術のような球形状のフロート91の外径寸法Dよりも小さくでき、これに伴ってケーシング10のサイズも小さくすることができる。
【0055】
また、本実施形態に係るトラップ装置1では、複数のピース201~208を接合することにより形成されたフロート20を採用するので、ピース201~208の組み合わせ態様によって種々の六面体形状(正六面体、一方向に長い六面体、一方向に扁平な六面体など)を構成することができる。よって、本実施形態のように複数のピース201~208を接合することでフロート20を構成する場合には、要求仕様に応じたトラップ装置1を形成するのに優位である。
【0056】
また、トラップ装置1では、複数のピース201~208を接合して1つのフロート20が構成されるため、フロート20の内部に各ピース201~208の壁によって構成される仕切壁が形成される。よって、トラップ装置1では、フロート20がさらに高い剛性を有することで、収容室10aに導入される蒸気の圧力に対する耐性を確保するのにさらに優位である。
【0057】
以上のように、本実施形態に係るトラップ装置1では、製造コストの上昇を抑えながら使用期間の長短にかかわらず閉弁時における高いシール性を確保することができる。
【0058】
[第2実施形態]
1.トラップ装置1の全体構成
本発明の第2実施形態に係るトラップ装置100も、蒸気を含む流体から復水を排出するトラップ装置である。トラップ装置100の全体構成について、
図6を用いて説明する。なお、本実施形態に係るトラップ装置100は、上記第1実施形態に係るトラップ装置1に対して、収容室100a内におけるフロート120の姿勢と、弁座110iの形成形態のみが異なり、他の構成は同じである。よって、以下では、上記第1実施形態に係るトラップ装置1との差異部分を主に説明する。
【0059】
図6に示すように、トラップ装置100は、ケーシング110と、フロート120と、スクリーン30と、エアベント40と、エアベントプラグ50とを備える。ケーシング110は、流入部110bと、流出部110cと、収容部110aと、ベント室110dと、内部連通路(連通路)110hと、弁座110iとを有する。そして、ケーシング110は、ボディ111とボトムカバ112とが接合されて構成されている。
【0060】
本実施形態に係るトラップ装置100では、弁座110iが、ケーシング110の内底面(底壁内面)110fのX方向端部であって側壁内面110gのZ方向下端の部分から斜め方向上方に向けて突設形成されている。弁座110iに弁孔110eが設けられ、弁座110iにおける弁孔110eの開口周辺が平面で形成されている点については、上記第1実施形態と同じである。
【0061】
フロート120は、正六面体の外観形状を有する。フロート120は、上記第1実施形態のフロート20とは収容室110a内での姿勢が異なる。具体的には、フロート120は、上記第1実施形態のフロート20を
図6の紙面に直交する方向に延びる軸廻りに略45°回転した姿勢を有する。ただし、フロート120のサイズについては、ケーシング110の収容室110aのサイズ(Z方向に直交する方向でのサイズ)に合わせて設定されている。
【0062】
フロート120は、斜め下方を向く下面120bが下降時において弁座110iの平面部分に対して面接触するように構成されている。なお、フロート120は、
図6に示す姿勢を保った状態で矢印Bのように収容室110a内を上下動するが、上下動の下降端は、該フロート120の下面120bが弁座110iにおける平面部分に面接触し、且つ、バルブホルダ110jで保持される位置である。バルブホルダ110jは、ケーシング110の底壁内面110fから収容室110aのZ方向上方に向けて突出形成された部位である。
【0063】
なお、フロート120についても、ケーシング110の側壁内面110gに対して僅かな隙間を空けて摺動するサイズ(Z方向に直交する方向のサイズ)で形成されている。
【0064】
2.フロート120の詳細構造
フロート120は、上記第1実施形態と同様に、それぞれが正六面体の外観形状を有する8つのピースを接合することで構成されている。フロート120の内部構造について、
図7を用いて説明する。なお、
図7では、8つのピースの内の4つのピース125~128だけを図示しているが、紙面の手前側または奥側に同様の構成を有する4つのピースが接合されている。
【0065】
図7に示すように、ピース125,127には、他のピースとの接合面を除く外面にリブ125r,127rが形成されている。ピース126,128には、他のピースとの接合面およびフロート120の下面120bとなる面を除く外面にリブ126r,128rが形成されている。各リブ125r,126r,127r,128rは、これらが形成された外面の他の部分よりも外方に突出するように形成されている。
【0066】
なお、各リブ125r,126r,127r,128rは、上記第1実施形態と同様に、これらが形成された正方形の外面の対角線に沿って延びるようにX字形状をもって形成されている。
【0067】
次に、ピース125~128の内部構造について説明する。
【0068】
図7に示すように、ピース125~128のそれぞれは、内部に中空部125s,126s,127s,128sを有する。各ピース125~128における中空部125s,126s,127s,128sのそれぞれは、立方体または直方体の空間である。
【0069】
ピース125~128の内のピース128の各中空部128sには、錘128wが収容されている。Z方向上方に位置するピース125~127の各中空部125s,126s,127sには錘は収容されていない。なお、
図7では、図示を省略しているが、紙面に直交する方向に配された残りの4つのピースにおいても、同様の構成を有する。
【0070】
ピース128の錘128wは、中空部128sのZ方向下側の部分に配置され、中空部128sに面する内壁面に接合されている。ピース128の内壁面に対する錘128wの接合方法についても、収容室110a内に導入される流体の温度に対しても接合状態が維持可能な方法(例えば、溶接など)を採用することが必要となる。
【0071】
フロート120におけるZ方向の高さをH2とする。この場合に、高さH2の中間にX方向に延びる仮想線L3を仮定する。そして、フロート120の重心P2を通り、仮想線L3に平行な仮想線L4を仮定する。この場合に、仮想線L4は仮想線L3よりもZ方向下側にオフセットした状態となる。これは、ピース128の中空部128sにおける下部に錘128wを配設することによる。
【0072】
なお、本実施形態では、ピース125~127の中空部125s,126s,127sには錘を収容しない構成を採用したが、ピース125~127を含む全てのピースにピース128と同様の形態で錘を収容することとしてもよい。また、各ピースにおける錘は、必ずしもピースの外殻を構成する部位と別部材とする必要はない。例えば、各ピースにおける中空部に面する外殻の内のZ方向下部に相当する部分を他の部分に比べて厚肉とし、厚肉化した分を錘とすることも可能である。
【0073】
本実施形態に係るトラップ装置100は、収容室110a内におけるフロート120の姿勢と、ケーシング110における弁座110iの形成形態とが上記第1実施形態とは異なるが、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
さらに、本実施形態に係るトラップ装置100では、フロート120の下面120bをZ方向に直交する面に平行な面ではなく、
図6の紙面に直交する方向に延びる軸廻りに略45°回転した方向に広がる面としているので、復水の量に応じて弁孔110eが閉弁された状態から開弁する際に必要となる浮力を小さく抑えることができる。即ち、フロート120の姿勢を
図6に示すように略45°傾けた姿勢とすることにより、開弁時に必要とされるZ方向の力を、(1/√2)に小さくすることができる。
【0075】
なお、本実施形態に係るトラップ装置100では、上記第1実施形態に係るトラップ装置1に対して、フロート120の姿勢を
図6の紙面に直交する方向の延びる軸廻りに回転させた姿勢をとることとしたが、さらにZ軸廻りに回転させた姿勢をとることもできる。この場合においても、弁座110iの平面部分がフロート120の下面120bに面接触できるように平行に形成すればよい。
【0076】
[変形例1]
変形例1に係るトラップ装置の構成について、
図8(a)を用いて説明する。なお、
図8(a)では、トラップ装置の構成の内、上記第1実施形態との差異点であるフロート220だけを抜き出して図示している。
図8(a)で図示を省略した構成については、上記第1実施形態と同様であり、以下での説明を省略する。
【0077】
図8(a)に示すように、本変形例に係るトラップ装置が備えるフロート220は、単一のピースによって構成されている。即ち、上記第1実施形態では、8つのピース201~208を接合することで正六面体のフロート20を構成することとしたが、本変形例では、1つのピースだけでフロート220が構成されている。
【0078】
フロート220は、閉弁時に弁座の平面部分に面接触する下面220bを除く外面にリブ220rが形成されている。なお、リブ220rの形成形態については、上記第1実施形態の各ピース201~208のリブ201r,202r,203r,204r,205r,206r,207r,208rと同様にX字形状としてもよいし、他の形状を採用することも可能である。
【0079】
フロート220は、内部に中空部220sを有する。そして、中空部220sには、錘220wが収容されている。錘220wは、中空部220sに面する内壁面に内のZ方向下側に位置する下内壁面に固定されている。なお、本変形例においても、錘220wは、必ずしもフロート220の外殻を構成する部位と別部材とする必要はない。例えば、フロート220におけるZ方向下部の外殻を他の部分に比べて厚肉とし、増肉した分を錘とすることも可能である。
【0080】
本変形例に係るトラップ装置でも、上記第1実施形態に係るトラップ装置1と同様の効果を得ることができる。
【0081】
[変形例2]
変形例2に係るトラップ装置の構成について、
図8(b)を用いて説明する。なお、
図8(b)では、トラップ装置の構成の内、上記第1実施形態との差異点であるフロート320だけを抜き出して図示している。
図8(b)で図示を省略した構成については、上記第1実施形態と同様であり、以下での説明を省略する。
【0082】
図8(b)に示すように、フロート320は、上記第1実施形態に係るトラップ装置1と同様のフロート20と、錘321とを備える。錘321は、フロート20の下面20bに固定されている。そして、錘321の下面であるフロート320の下面320bは、閉弁時に弁座の平面部分と面接触可能なように平面で構成されている。
【0083】
以上説明のように、本変形例に係るトラップ装置では、フロート20の外面に錘321を接合してフロート320を構成している点で上記第1実施形態とは異なるが、上記第1実施形態に係るトラップ装置1と同様の効果を得ることができる。また、本変形例のフロート320は、外付けの錘321を有するので、製造が容易であり製造コストの低減を図ることができる。
【0084】
なお、本変形例の構造を上記変形例1に適用することも可能である。また、本変形例のフロート320のように錘321を外付けする構成を上記第2実施形態のフロート120に適用することも可能である。
【0085】
[その他の変形例]
上記第1実施形態、上記第2実施形態、および上記変形例1,2では、スクリーン30、エアベント40、およびエアベントプラグ50を備えるトラップ装置1,100を採用したが、本発明では、スクリーン30、エアベント40、およびエアベントプラグ50は必須の構成ではない。
【0086】
上記第1実施形態、上記第2実施形態、および上記変形例1,2では、外面の一部にそれぞれX字形状をしたリブ201r,202r,203r,204r,205r,206r,207r,208r,220rを有するフロート20,120,220,320を採用することとしたが、本発明では、リブの形状はX字形状に限定されるものではない。例えば、フロートの外面における外辺に沿って延びる直線状のリブや、平面視円形のリブなどを採用することもできる。
【0087】
また、上記第1実施形態、上記第2実施形態、および上記変形例1,2では、各ピース201~208,125~128およびフロート220の具体的な形成方法については言及しなかったが、種々の方法で形成することができる。例えば、金属板材同士を溶接や接着剤などで接合することで形成してもよいし、AM法(Aditive Manufacturing法)を用いて形成してもよい。
【0088】
また、上記第1実施形態、上記第2実施形態、および上記変形例1では、正六面体のフロート20,120,220を採用することとしたが、本発明では、Z方向に長い直方体やZ方向に扁平な直方体など種々の六面体のフロートを採用することができる。
【0089】
また、上記第1実施形態、上記第2実施形態、および上記変形例1,2では、弁孔10e,110eの開口と流出部10c,110cとを内部連通路10h,110hで繋ぐこととしたが、本発明では、必ずしもこれに限定を受けない。例えば、ケーシング10,110の外に配設されたパイプなどで弁孔の開口と流出部とを繋いでもよい。
【符号の説明】
【0090】
1,100 トラップ装置
10,110 ケーシング
10i,110i 弁座
20,120,220,320 フロート
20b,120c,220b,320b 下面
125~128,201~208 ピース
125r,126r,127r,128r,201r,202r,203r,204r,205r,206r,207r,208r リブ
125s,126s,127s,128s,205s,206s,207s,208s 中空部
128w,207w,208w,220w,321 錘
【要約】
【課題】製造コストの上昇を抑えながら使用期間の長短にかかわらず閉弁時における高いシール性を確保することができるトラップ装置を提供する。
【解決手段】トラップ装置は、ケーシングとフロート20とを備える。ケーシングは、蒸気を含む流体が導入される収容室を有する。フロート20は、上下動可能にケーシングの収容室内に収容されている。フロート20は、複数のピース205~208が接合されることで構成されている。各ピース205~208は、内部に中空部205s,206s,207s,208sを有する。そして、下方に位置するピース207,208の中空室207s,208sには、当該中空室207s,208sに面する下内壁面に固定された錘207w,208wが収容されている。フロート20の重心P1は、Z方向の高さ中心L1よりもZ方向下方にオフセットされている。
【選択図】
図4