(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】情報処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
H04W 24/06 20090101AFI20240516BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20240516BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20240516BHJP
【FI】
H04W24/06
H04W84/18
H04W4/38
(21)【出願番号】P 2024028840
(22)【出願日】2024-02-28
【審査請求日】2024-02-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000137889
【氏名又は名称】株式会社ミヤワキ
(74)【代理人】
【識別番号】110004303
【氏名又は名称】弁理士法人三協国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉川 成雄
【審査官】米倉 明日香
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-147646(JP,A)
【文献】特開2020-99000(JP,A)
【文献】特開2018-191283(JP,A)
【文献】特開2020-141196(JP,A)
【文献】特開2023-74148(JP,A)
【文献】特開2013-128227(JP,A)
【文献】特開2020-14059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムの構築を支援する情報処理装置における情報処理方法であって、
前記通信システムは、複数の測定装置とサーバ装置とを備え、前記複数の測定装置のそれぞれがスチームトラップの測定データをフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて前記サーバ装置に送信するものであり、
前記情報処理装置が有するコンピュータは、
前記サーバ装置を介して前記複数の測定装置に検証処理の実行を指示し、
前記検証処理は、前記リレー機能を用いて前記サーバ装置に所定の検証用データを送信する処理であり、
前記サーバ装置が受信した前記検証用データを送信した第1測定装置を示す情報と、前記複数の測定装置のうちの前記第1測定装置とは異なる第2測定装置を示す情報と、を互いに異なる態様で出力する、
情報処理方法。
【請求項2】
更に、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置が設置されている施設の地図を示す地図画像を取得し、
前記出力では、前記地図画像における前記第1測定装置の設置位置に所定の第1画像を表示するとともに、前記地図画像における前記第2測定装置の設置位置に前記第1画像とは異なる第2画像を表示した画像を出力する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記検証用データは、前記リレー機能を用いて当該検証用データを転送した一以上の測定装置を当該検証用データの転送順に記憶したリストを含み、
前記出力では、更に、前記第1測定装置から前記検証用データに含まれる前記リストが示す前記一以上の測定装置のそれぞれを前記転送順に経由して前記サーバ装置に至る経路を示す情報を出力する、
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記検証処理の実行を指示してから所定時間が経過した時点において前記第2測定装置が存在する場合、
前記複数の測定装置及び前記サーバ装置の設置位置を示す設置情報を取得し、
前記サーバ装置及び前記複数の測定装置のうち、前記第2測定装置よりも前記サーバ装置側に設置されている装置群を特定し、
前記装置群の中で前記第2測定装置の最も近くに設置されている近接装置を特定し、
前記近接装置と前記リレー機能を有する一以上の通信装置のそれぞれと前記第2測定装置とが地図上で所定距離未満の間隔で設置されるように、前記一以上の通信装置の設置位置を決定し、
前記一以上の通信装置の設置位置を示す情報を更に出力する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記複数の測定装置及び前記サーバ装置は、所定の施設に設置され、
前記施設は、複数行且つ複数列に並ぶ複数のエリアに区画され、
前記設置情報は、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置のそれぞれが設置されているエリアの行番号及び列番号を、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置のそれぞれの設置位置として示し、
前記一以上の通信装置の設置位置は、前記一以上の通信装置のそれぞれが設置されているエリアの行番号及び列番号によって示される、
請求項4に記載の情報処理方法。
【請求項6】
通信システムの構築を支援する情報処理装置であって、
前記通信システムは、複数の測定装置とサーバ装置とを備え、前記複数の測定装置のそれぞれがスチームトラップの測定データをフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて前記サーバ装置に送信するものであり、
前記サーバ装置を介して前記複数の測定装置に検証処理の実行を指示する指示部
を備え、
前記検証処理は、前記リレー機能を用いて前記サーバ装置に所定の検証用データを送信する処理であり、
前記サーバ装置が受信した前記検証用データを送信した第1測定装置を示す情報と、前記複数の測定装置のうちの前記第1測定装置とは異なる第2測定装置を示す情報と、を互いに異なる態様で出力する出力部、
を更に備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の測定装置のそれぞれによるスチームトラップの測定データをサーバ装置に送信する通信システムの構築を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気配管系を備えたプラント及び工場等の施設においては、熱交換又は放熱等によって配管系内に復水(ドレン)が生じることがある。この復水を配管系内に滞留させると運転効率が低下する原因となる。このため、一般には、配管系の適所にスチームトラップを設置し、このスチームトラップによって復水を配管系の外部に排出するようにしている。
【0003】
経年劣化又は作動不良等によってスチームトラップのシール性能が損なわれると、蒸気配管系内の蒸気がスチームトラップを介して外部に漏出し、無駄な蒸気損失を招くこととなる。このため、定期的に、下記特許文献1等に開示のような検査器を用いて、スチームトラップの温度及び振動を測定し、これらの測定データと、閾値等の必要情報とに基づいて、各スチームトラップの作動状態を診断する作業が行われる。
【0004】
しかし、大規模な施設では数千個から数万個のスチームトラップが設置されている場合がある。この場合、作業者による手作業での各スチームトラップの作動状態の診断には多大な時間を要する。このため、各スチームトラップに当該スチームトラップの作動状態を測定する測定装置を常設し、当該測定装置から定期的にサーバ装置に測定データを無線送信し、サーバ装置において、各スチームトラップの作動状態を診断する通信システムを採用する施設も存在する。
【0005】
上記通信システムには、一般的に、サーバ装置、測定装置及び中継装置の三種類の装置を用いる所謂ルーティッド型メッシュネットワークの構成が採用されている。具体的には、近距離間に設置されている複数の測定装置をグループ化し、グループ毎に遠距離無線通信可能な中継装置を設ける。そして、各中継装置が、各グループに属する複数の測定装置から測定データを受信し、当該受信した測定データを集約し、一以上の他のグループの中継装置を介して又は介さずに、サーバ装置に転送する。
【0006】
近年では、ルーティッド型メッシュネットワークの構成における中継装置の設置及び電力に要するコストを軽減するため、上記通信システムに、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いた構成を採用することが注目されている。具体的には、各測定装置が前記リレー機能を用いて自身の測定データ及び他の測定装置から受信した測定データを他の測定装置へ転送することを繰り返し、中継装置を介さずに測定データをサーバ装置まで送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、既存の通信システムをルーティッド型メッシュネットワークの構成からフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いた構成に変更することは容易ではない。例えば、サーバ装置及び複数の測定装置を地図上において互いに通信可能な距離内となるように設置したにも関わらず、一部の測定装置の測定データがサーバ装置まで転送されない場合がある。具体的には、測定装置の近傍に配管、ドア又は壁等の電波の伝搬を妨害する障害物が存在する場合、又は近接する測定装置との高低差が大きい場合等、近接する測定装置まで電波を伝搬させるのに必要な立体的な距離が、測定装置の通信可能な距離を超えている場合である。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みて成されたものであり、複数の測定装置のそれぞれが、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、測定データを損失なくサーバ装置まで転送できるように設置されているか否かを適切に把握することができる情報処理方法及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、通信システムの構築を支援する情報処理装置における情報処理方法であって、前記通信システムは、複数の測定装置とサーバ装置とを備え、前記複数の測定装置のそれぞれがスチームトラップの測定データをフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて前記サーバ装置に送信するものであり、前記情報処理装置が有するコンピュータは、前記サーバ装置を介して前記複数の測定装置に検証処理の実行を指示し、前記検証処理は、前記リレー機能を用いて前記サーバ装置に所定の検証用データを送信する処理であり、前記サーバ装置が受信した前記検証用データを送信した第1測定装置を示す情報と、前記複数の測定装置のうちの前記第1測定装置とは異なる第2測定装置を示す情報と、を互いに異なる態様で出力する。
【0011】
本態様では、サーバ装置が受信した検証用データを送信した第1測定装置を示す情報と、第1測定装置とは異なる第2測定装置を示す情報と、が互いに異なる態様で出力される。このため、本態様によれば、出力された情報を参照することによって、複数の測定装置のうちの第1測定装置が前記リレー機能を用いて測定データを損失なくサーバ装置まで転送できるように設置されていること、及び、残りの第2測定装置が前記リレー機能を用いて測定データを損失なくサーバ装置まで転送できるように設置されていないことを適切に把握することができる。
【0012】
上記態様において、更に、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置が設置されている施設の地図を示す地図画像を取得し、前記出力では、前記地図画像における前記第1測定装置の設置位置に所定の第1画像を表示するとともに、前記地図画像における前記第2測定装置の設置位置に前記第1画像とは異なる第2画像を表示した画像を出力してもよい。
【0013】
本態様によれば、出力された画像を参照することで、第1測定装置及び第2測定装置の設置位置を直感的に把握することができる。
【0014】
上記態様において、前記検証用データは、前記リレー機能を用いて当該検証用データを転送した一以上の測定装置を当該検証用データの転送順に記憶したリストを含み、前記出力では、更に、前記第1測定装置から前記検証用データに含まれる前記リストが示す前記一以上の測定装置のそれぞれを前記転送順に経由して前記サーバ装置に至る経路を示す情報を出力してもよい。
【0015】
本態様によれば、出力された前記経路を示す情報を参照することで、前記リレー機能を用いて、第1測定装置の測定データを前記経路でサーバ装置まで損失なく転送できることを直感的に把握することができる。
【0016】
上記態様において、前記検証処理の実行を指示してから所定時間が経過した時点において前記第2測定装置が存在する場合、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置の設置位置を示す設置情報を取得し、前記サーバ装置及び前記複数の測定装置のうち、前記第2測定装置よりも前記サーバ装置側に設置されている装置群を特定し、前記装置群の中で前記第2測定装置の最も近くに設置されている近接装置を特定し、前記近接装置と前記リレー機能を有する一以上の通信装置のそれぞれと前記第2測定装置とが地図上で所定距離未満の間隔で設置されるように、前記一以上の通信装置の設置位置を決定し、前記一以上の通信装置の設置位置を示す情報を更に出力してもよい。
【0017】
本態様によれば、更に出力された情報が示す設置位置に一以上の通信装置を設置することで、近接装置と、一以上の通信装置のそれぞれと、第2測定装置と、を地図上において所定距離未満の間隔で設置できる。この場合、第2測定装置の測定データ及び第2測定装置まで転送された測定データが一以上の通信装置を介して近接装置まで損失なく転送される可能性を向上することができる。これにより、地図上において第2測定装置が近接装置から所定距離以上離れて設置されている場合であっても、第2測定装置の測定データが損失なくサーバ装置まで転送される可能性を向上することができる。
【0018】
このように、本態様によれば、第2測定装置が前記リレー機能を用いて測定データを損失なくサーバ装置まで転送できるように、第2測定装置の設置位置に応じた一以上の通信装置の設置を適切に提示することができる。
【0019】
上記態様において、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置は、所定の施設に設置され、前記施設は、複数行且つ複数列に並ぶ複数のエリアに区画され、前記設置情報は、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置のそれぞれが設置されているエリアの行番号及び列番号を、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置のそれぞれの設置位置として示し、前記一以上の通信装置の設置位置は、前記一以上の通信装置のそれぞれが設置されているエリアの行番号及び列番号によって示されてもよい。
【0020】
本態様によれば、複数の測定装置、サーバ装置及び一以上の通信装置のそれぞれが設置されている位置を、エリアの行番号及び列番号によって直感的に把握することができる。
【0021】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、通信システムの構築を支援する情報処理装置であって、前記通信システムは、複数の測定装置とサーバ装置とを備え、前記複数の測定装置のそれぞれがスチームトラップの測定データをフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて前記サーバ装置に送信するものであり、前記サーバ装置を介して前記複数の測定装置に検証処理の実行を指示する指示部を備え、前記検証処理は、前記リレー機能を用いて前記サーバ装置に所定の検証用データを送信する処理であり、前記サーバ装置が受信した前記検証用データを送信した第1測定装置を示す情報と、前記複数の測定装置のうちの前記第1測定装置とは異なる第2測定装置を示す情報と、を互いに異なる態様で出力する出力部、を更に備える。
【0022】
この態様によれば、上記情報処理方法と同様の作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数の測定装置のそれぞれが、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、測定データを損失なくサーバ装置まで転送できるように設置されているか否かを適切に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】出力部が出力する画像の一例を示す図である。
【
図6】通信環境検証処理を示すフローチャートである。
【
図7】出力部が出力する画像の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。尚、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0026】
<システムの構成>
先ず、複数の測定装置1のそれぞれがスチームトラップの測定データをフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いてサーバ装置2に送信する通信システム100の構成例について説明する。
図1は、通信システム100の全体構成を示す図である。通信システム100は、複数の測定装置1と、サーバ装置2と、を備えて構成される。
【0027】
複数の測定装置1及びサーバ装置2は、Bluetooth(登録商標) Mesh ネットワーク等のフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を有する通信回路を備え、所謂フラッド型ネットワークを構成する。
【0028】
複数の測定装置1は、蒸気配管系を備えたプラント及び工場等の施設における配管系の適所に設置された複数のスチームトラップのそれぞれに常設(設置)される。各測定装置1は、設置先のスチームトラップの作動状態を測定する。各測定装置1は、測定した作動状態を示す測定データと、送信先の装置を示す情報(以降、宛先情報)と、送信元の装置を示す情報(以降、送信元情報)等を含むパケットを、フラッド型ネットワークのリレー機能を用いて、一以上の測定装置1を介して又は介さずにサーバ装置2まで転送する。
【0029】
フラッド型メッシュネットワークとは、洪水型メッシュネットワークとも呼ばれ、メッシュ状に設置された各装置(以降、ノード)が、洪水のようにデータを逐次他のノードに伝達するネットワークである。具体的には、フラッド型メッシュネットワークに属する各ノードは、リレー機能を有している。リレー機能とは、送信対象のデータと当該データの送信先の宛先情報とを含むパケットをブロードキャストし、更に、他のノードがブロードキャストしたパケットを受信し、当該受信したパケットを更にブロードキャスト(転送)する機能である。
【0030】
尚、キャッチボールのように、特定の複数のノード間でパケットの送受信が繰り返されると、パケットが宛先まで到達しない。これを回避するため、リレー機能では、一度受信したパケットは一時的に記憶(キャッシュ)される。また、リレー機能では、当該記憶されているパケットと同じパケットが受信された場合、その受信されたパケットは、ブロードキャストされずに破棄される。
【0031】
例えば、
図1の実線太矢印部は、左下端の測定装置1が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、サーバ装置2にパケットを送信した場合に、左下端の測定装置1から送信されたパケットが、複数のノードでブロードキャストされ、サーバ装置2まで伝達される例を示している。一方、
図1の破線太矢印部は、サーバ装置2が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、左下端の測定装置1にパケットを送信した場合に、サーバ装置2から送信されたパケットが、複数のノードでブロードキャストされ、左下端の測定装置1まで伝達される例を示している。
【0032】
サーバ装置2は、複数の測定装置1と同じ施設内に設置される。サーバ装置2は、施設に設置されている複数のスチームトラップ、複数の測定装置1及びサーバ装置2に関する情報を管理する。具体的には、サーバ装置2は、施設に設置されている複数のスチームトラップ、複数の測定装置1及びサーバ装置2の識別情報、設置位置、メーカ及び機種等が記載された管理台帳を記憶している。また、サーバ装置2は、複数の測定装置1及びサーバ装置2が設置されている施設の地図を示す画像(以降、地図画像)を記憶している。
【0033】
サーバ装置2は、複数の測定装置1のそれぞれから受信したパケットに含まれる測定データ等に基づき、各測定装置1の設置先のスチームトラップの作動状態を診断する。サーバ装置2は、各測定装置1の設置先のスチームトラップの識別情報と、当該診断の結果を示す診断データと、当該診断に用いられた測定データと、を対応付けて記憶することで、複数のスチームトラップの作動状態を管理する。
【0034】
サーバ装置2は、更に、Bluetooth(登録商標)、Ethernet(登録商標)等の任意の通信方式に対応した通信回路を備え、後述する情報処理装置3等の外部装置と通信可能に構成されている。
【0035】
尚、サーバ装置2は、所定のクラウドサーバと通信を行うことによって、複数の測定装置1のそれぞれから受信したパケットに含まれる測定データ等に基づいて、各測定装置1の設置先のスチームトラップの作動状態を診断する構成であってもよい。また、サーバ装置2は、所定のクラウドデータベースと通信を行うことによって、複数のスチームトラップの作動状態を管理する構成であってもよい。
【0036】
<情報処理装置3の構成>
次に、本発明の実施形態に係る情報処理装置3について説明する。
図2は、情報処理装置3の構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、対象の施設において上記の通信システム100と同様の通信環境が構築されているか否かを検証する処理(以降、通信環境検証処理)を行う。情報処理装置3は、例えば、ノートパソコン、タブレット端末又はスマートフォン等の移動自在な情報処理装置によって構成される。ただし、情報処理装置3は、移動自在な情報処理装置に限らず、例えば、デスクトップパソコン等の据え置き型の情報処理装置によって構成してもよい。
【0037】
具体的には、情報処理装置3は、操作部33、表示部34、記憶部35、通信部36、インターフェイス部(以降、IF部)37及び制御部31(コンピュータ)を備えている。
【0038】
操作部33は、作業者が各種の情報を入力するためのキーボード又はマウス等によって構成されている。表示部34は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を用いて構成されている。尚、タッチパネル式ディスプレイを使用することにより、操作部33と表示部34とを一体として構成してもよい。
【0039】
記憶部35は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等の書き換え可能な任意の記憶装置を用いて構成されている。
【0040】
通信部36は、Bluetooth(登録商標)、Ethernet(登録商標)等の任意の通信方式に対応した通信回路を用いて構成され、サーバ装置2等の外部装置と通信を行う。
【0041】
IF部37は、SDカード又はUSBメモリ等のフラッシュメモリが着脱自在に接続される入出力端子等によって構成されている。IF部37は、自身にフラッシュメモリが接続された状態で、当該フラッシュメモリと制御部31との間で情報を入出力する。尚、情報処理装置3にIF部37を備えないようにしてもよい。
【0042】
制御部31は、CPU等を備えたコンピュータによって構成されている。制御部31は、
図2の実線矩形部に示すように、CPUが所定のプログラムを実行することによって実現される機能として、取得部311、検証部312(指示部)及び出力部313を有している。
【0043】
取得部311は、対象の施設に設置されている複数の測定装置1及びサーバ装置2の設置位置を示す情報(以降、設置情報)及び地図画像を取得する。
【0044】
具体的には、取得部311は、通信部36を用いて、対象の施設に設置されているサーバ装置2と通信を行うことにより、サーバ装置2から設置情報及び地図画像を取得する。設置情報を記憶しているフラッシュメモリがIF部37に接続されている場合、取得部311が、IF部37を用いて、当該フラッシュメモリに記憶されている設置情報を取得するようにしてもよい。同様に、地図画像を記憶しているフラッシュメモリがIF部37に接続されている場合、取得部311が、IF部37を用いて、当該フラッシュメモリに記憶されている地図画像を取得するようにしてもよい。
【0045】
図3は、設置情報91の一例を示す図である。
図3に示すように、設置情報91は、対象の施設に設置されている複数の測定装置1のそれぞれの設置位置(例えば、X1、Y1)、識別情報(ID)(例えば、M1)、メーカ(例えば、ミヤワキ)、機種(例えば、MR1)及び通信距離(例えば、D1)を含む。同様に、設置情報91は、対象の施設に設置されているサーバ装置2の設置位置(例えば、X0、Y0)、識別情報(ID)(例えば、SV)、メーカ(例えば、A社)、機種(例えば、SV1)及び通信距離(例えば、D1)を含む。
【0046】
設置情報91に含まれる複数の測定装置1及びサーバ装置2の設置位置は、複数の測定装置1及びサーバ装置2が設置されている施設を複数行且つ複数列に並ぶ複数のエリアARに区画した場合における、各測定装置1が設置されているエリアARの行番号及び列番号によって示される。
【0047】
図4は、地図画像92の一例を示す図である。例えば、
図4に示す地図画像92は、
図3に示す12台の測定装置1及び1台のサーバ装置2が設置されている施設の地図を示す画像である。当該地図画像92では、当該施設を10行且つ10列に並ぶ100個のエリアARに区画した例を示している。尚、本実施形態では、説明の便宜上、エリアARは、1辺が10mの正方形であるものとするが、エリアARの形状はこれに限らない。
【0048】
例えば、
図3のID「M1」の測定装置1の設置位置「X1、Y1」は、当該測定装置1が、列番号「X1」及び行番号「Y1」のエリアAR(
図4)に設置されていることを示している。同様に、
図3のID「SV」のサーバ装置2の設置位置「X0、Y0」は、サーバ装置2が、列番号「X0」及び行番号「Y0」のエリアAR(
図4)に設置されていることを示している。
【0049】
設置情報91に含まれる測定装置1の通信距離は、当該測定装置1が備える通信回路が前記リレー機能を用いて通信可能な距離の上限値を示している。同様に、設置情報91に含まれるサーバ装置2の通信距離は、当該サーバ装置2が備える通信回路が前記リレー機能を用いて通信可能な距離の上限値を示している。
【0050】
例えば、
図4は、設置位置「X8、Y6」及びID「M8」の測定装置1が前記リレー機能を用いて通信可能な領域である、当該設置位置からエリアARの1辺の2.5倍(25m)に相当する通信距離「D1」以下の領域CM1を、地図画像92に表示した例を示している。
【0051】
同様に、
図4は、設置位置「X5、Y2」及びID「M4」の測定装置1が前記リレー機能を用いて通信可能な領域である、当該設置位置からエリアARの1辺の3倍(30m)に相当する通信距離「D2」以下の領域CM2を、地図画像92に表示した例を示している。また、
図4は、設置位置「X6、Y8」及びID「M6」の測定装置1が前記リレー機能を用いて通信可能な領域である、当該設置位置からエリアARの1辺の2倍(20m)に相当する通信距離「D3」以下の領域CM3を、地図画像92に表示した例を示している。
【0052】
図2に参照を戻す。検証部312は、対象の施設に設けられた複数の測定装置1のそれぞれが、前記リレー機能を用いて測定データを損失なくサーバ装置2まで転送できるように設置されているか否かを検証する。
【0053】
具体的には、検証部312は、サーバ装置2を介して複数の測定装置1に検証処理の実行を指示する。検証処理は、前記リレー機能を用いてサーバ装置2に所定の検証用データを送信する処理である。
【0054】
詳しくは、検証部312は、通信部36を用いて、対象の施設に設置されているサーバ装置2に対し、検証処理の実行指示を複数の測定装置1に送信するよう指示する。当該指示に応じて、サーバ装置2は、当該複数の測定装置1のそれぞれを対象に、前記リレー機能を用いて、検証処理の実行指示を示すデータと、当該データの送信先である対象の測定装置1を示す宛先情報と、当該データの送信元であるサーバ装置2を示す送信元情報と、を含むパケットをブロードキャストする。
【0055】
検証処理の実行指示を示すデータを含むパケットを受信した測定装置1は、当該パケットに含まれているデータが示す検証処理の実行指示にしたがって検証処理を実行する。検証処理において、測定装置1は、前記リレー機能を用いて、所定の検証用データと、当該検証用データの送信先であるサーバ装置2を示す宛先情報と、当該検証用データの送信元である自身を示す送信元情報と、を含むパケットをブロードキャストする。
【0056】
また、測定装置1は、検証用データ、サーバ装置2を示す宛先情報及び他の測定装置1を示す送信元情報を含むパケットを受信した場合も、前記リレー機能を用いて当該パケットをブロードキャストする。これにより、測定装置1が送信した検証用データを含むパケットは、一以上の測定装置1を介してサーバ装置2まで転送される又は一以上の測定装置1を介さずにサーバ装置2に送信される。
【0057】
尚、検証用データには、前記リレー機能を用いて当該検証用データを転送した一以上の測定装置1を当該検証用データの転送順に記憶したリストが含まれる。例えば、測定装置1は、前記リレー機能を用いて、検証用データ、サーバ装置2を示す宛先情報及び他の測定装置1を示す送信元情報を含むパケットをブロードキャストするときに、当該検証用データに含まれるリストに自身の識別情報を追加する。
【0058】
サーバ装置2は、検証用データを含むパケットを受信すると、当該パケットに含まれる検証用データ及び送信元情報を情報処理装置3に送信する。
【0059】
情報処理装置3では、通信部36がサーバ装置2から検証用データ及び送信元情報を受信すると、検証部312は、当該検証用データ及び送信元情報を取得する。そして、検証部312は、当該送信元情報が示す測定装置1は、前記リレー機能を用いて測定データを損失なくサーバ装置2まで転送できるように設置されている測定装置1(以降、第1測定装置)であると判定する。
【0060】
一方、検証部312は、取得部311が取得した設置情報91が示す複数の測定装置1のうちの第1測定装置とは異なる測定装置1は、前記リレー機能を用いて測定データを損失なくサーバ装置2まで転送できるように設置されていない測定装置1(以降、第2測定装置)であると判定する。
【0061】
出力部313は、検証部312による検証の結果を示す情報を出力する。具体的には、出力部313は、検証部312による検証の結果、第1測定装置であると判定された測定装置1を示す情報と、第2測定装置であると判定された測定装置1を示す情報と、を互いに異なる態様で出力する。
【0062】
例えば、出力部313は、取得部311が取得した地図画像92における第1測定装置の設置位置に所定の画像(以降、第1画像)を表示するとともに、当該地図画像92における第2測定装置の設置位置に、第1画像とは異なる画像(以降、第2画像)を表示した画像を出力する。
【0063】
更に、出力部313が、検証部312が取得した送信元情報及び検証用データを参照して、送信元情報が示す第1測定装置から、検証用データに含まれるリストが示す一以上の測定装置1のそれぞれを転送順に経由してサーバ装置2に至る経路を示す情報を出力するようにしてもよい。この場合、出力された経路を示す情報を参照することで、前記リレー機能を用いて、第1測定装置の測定データを当該経路でサーバ装置2まで損失なく転送できることを直感的に把握することができる。
【0064】
図5は、出力部313が出力する画像の一例を示す図である。例えば、取得部311によって
図3に示す設置情報91及び
図4に示す地図画像92が取得されたとする。この場合に、検証部312によって、設置情報91に含まれるID「M1」~「M5」、ID「M7」、及びID「M9」~「M12」の10台の測定装置1が第1測定装置であると判定されたとする。また、検証部312によって、設置情報91に含まれる12台の測定装置1のうち、当該10台の第1測定装置とは異なるID「M6」及び「M8」の2台の測定装置1が第2測定装置であると判定されたとする。
【0065】
図5は、上記の場合に出力部313が出力した、地図画像92(
図4)における上記の10台の第1測定装置の設置位置に白い丸を示す第1画像G1を表示するとともに、上記の2台の第2測定装置の設置位置に黒い丸を示す第2画像G2を表示した画像92aを示している。これにより、第1測定装置及び第2測定装置のそれぞれの設置位置を、直感的に把握することができる。
【0066】
また、
図5は、上記の場合に、出力部313が、検証部312が取得した上記の10個の第1測定装置のそれぞれを示す送信元情報及び当該送信元情報とともに取得された検証用データを参照して、上記の10個の第1測定装置のそれぞれについて、第1測定装置から検証用データに含まれるリストが示す一以上の測定装置1のそれぞれを転送順に経由してサーバ装置2に至る経路を示す、矢印を示す第3画像G3を更に表示した例を示している。
【0067】
例えば、
図5では、ID「M9」の第1測定装置から、ID「M7」、「M5」、「M4」、「M10」、「M1」の5個の測定装置1のそれぞれを転送順に経由してサーバ装置2に至る経路を示す第3画像G3が表示されている。また、ID「M2」の第1測定装置から、ID「M3」、「M12」、「M11」、「M5」、「M4」、「M10」、「M1」の7個の測定装置1のそれぞれを転送順に経由してサーバ装置2に至る経路を示す第3画像G3が表示されている。
【0068】
尚、
図5では、上記の2つの経路において重複している、ID「M5」の測定装置1から、ID「M4」、「M10」、「M1」の3個の測定装置1を経由してサーバ装置2に至る経路が一本の経路として表示されている。しかし、出力部313による経路を示す情報の表示態様はこれに限らない。例えば、出力部313が、複数の経路で重複している経路を示す画像を互いに離間して(ずらして)個別に表示するようにしてもよいし、各測定装置1についての経路を示す文字列を、各測定装置1の設置位置の近傍に表示するようにしてもよい。
【0069】
尚、出力部313による、検証の結果を示す情報の出力先は、表示部34、記憶部35、通信部36及びIF部37のうちの少なくとも一つであればよい。つまり、出力部313は、検証の結果を示す情報を表示部34に表示してもよいし、検証の結果を示す情報を記憶部35に記憶してもよい。また、出力部313は、通信部36を制御して、検証の結果を示す情報をクラウドサーバ等の外部装置に送信してもよい。また、フラッシュメモリがIF部37に接続されている場合、出力部313は、IF部37を用いて当該フラッシュメモリに検証の結果を示す情報を記憶してもよい。この場合、対象の施設の管理者が利用するパソコン等の情報処理端末において、当該フラッシュメモリに記憶されている検証の結果を示す情報を参照できる。
【0070】
<通信環境検証処理>
次に、情報処理装置3において行われる通信環境検証処理について説明する。
図6は、通信環境検証処理を示すフローチャートである。
【0071】
制御部31は、所定のタイミングで通信環境検証処理を開始する。所定のタイミングは、例えば、対象の施設の管理者等のユーザが、操作部33を用いて通信環境検証処理を開始するための所定の操作を行ったタイミングである。所定のタイミングは、これに限らず、通信部36が、サーバ装置2等の外部装置から通信環境検証処理の開始を要求する情報を受信したタイミングであってもよい。
【0072】
通信環境検証処理が開始されると、取得部311は、対象の施設に設置されている複数の測定装置1及びサーバ装置2の設置位置を示す設置情報91及び地図画像92をサーバ装置2から取得する(ステップS11)。そして、検証部312は、サーバ装置2を介して複数の測定装置1に検証処理の実行を指示する(ステップS12)。
【0073】
ステップS12が実行されてから所定時間(例えば6秒)が経過するまでの間に(ステップS13でNO)、サーバ装置2が検証用データ及び送信元情報を含むパケットを受信して、通信部36がサーバ装置2から当該検証用データ及び送信元情報を受信するまで(ステップS14でNO)、検証部312は、待機する。
【0074】
ステップS12が実行されてから前記所定時間(例えば6秒)が経過するまでの間に(ステップS13でNO)、サーバ装置2が検証用データ及び送信元情報を含むパケットを受信して、通信部36がサーバ装置2から当該検証用データ及び送信元情報を受信したとする(ステップS14でYES)。この場合、検証部312は、当該検証用データ及び送信元情報を取得し、当該送信元情報が示す測定装置1は第1測定装置であると判定する(ステップS15)。
【0075】
ステップS12が実行されてから前記所定時間(例えば6秒)が経過すると(ステップS13でYES)、検証部312は、ステップS11で取得した設置情報91及び地図画像92が示す複数の測定装置1のうちの、ステップS14で第1測定装置であると判定された測定装置1とは異なる測定装置1は、第2測定装置であると判定する(ステップS16)。
【0076】
ステップS16の後、出力部313は、ステップS14で第1測定装置であると判定された測定装置1を示す情報と、ステップS16で第2測定装置であると判定された測定装置1を示す情報と、を互いに異なる態様で出力する(ステップS17)。これにより、制御部31は、通信環境検証処理を終了する。
【0077】
尚、制御部31が、通信環境検証処理を実行した回数が所定回数(例えば50回)になるまで、又は、所定のタイミングで通信環境検証処理を開始してから所定の検証時間(例えば300秒)が経過するまで、通信環境検証処理を繰り返し行うようにしてもよい。
【0078】
以上のように、本実施形態によれば、サーバ装置2が受信した検証用データを送信した第1測定装置を示す情報と、対象の施設に設けられている複数の測定装置1のうちの第1測定装置とは異なる第2測定装置を示す情報と、が互いに異なる態様で出力される。このため、出力された情報を参照することによって、前記複数の測定装置1のうちの第1測定装置が前記リレー機能を用いて測定データを損失なくサーバ装置2まで転送できるように設置されていること、及び、残りの第2測定装置が前記リレー機能を用いて測定データを損失なくサーバ装置2まで転送できるように設置されていないことを適切に把握することができる。
【0079】
上記態様は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を上記態様に限定する趣旨ではない。例えば、以下に示すように変形してもよい。
【0080】
(1)
図6に示す通信環境検証処理のステップS16において第2測定装置であると判定された測定装置1が存在する場合、前記リレー機能を有する一以上の通信装置を設置することを提案するように情報処理装置3を構成してもよい。本構成は、例えば以下のようにして構成することができる。
【0081】
制御部31は、
図2の破線矩形部に示すように、CPUが所定のプログラムを実行することによって実現される機能として、更に、決定部314を有する。
【0082】
検証部312は、更に、ステップS16(
図6)において第2測定装置であると判定した測定装置1を対象にして、取得部311が取得した設置情報91(
図3)に基づいて、近接装置が処理対象の測定装置1(以降、対象装置)から所定の通信距離(所定距離)以上離れて設置されているか否かの判定を行う。
【0083】
近接装置とは、サーバ装置2及び複数の測定装置1のうちの対象装置よりもサーバ装置2側のエリアARに設置されている装置群の中で、対象装置の最も近くに設置されている装置(サーバ装置2又は測定装置1)である。対象装置よりもサーバ装置2側のエリアARとは、対象装置が設置されているエリアARよりも、列番号及び行番号のうちの少なくとも一つが小さいエリアARである。
【0084】
例えば、上記の実施形態で説明した具体例と同様に、通信環境検証処理のステップS11(
図6)において、取得部311が
図3に示す設置情報91及び
図4に示す地図画像92を取得したとする。また、ステップS16(
図6)において、設置情報91に含まれるID「M8」、「M6」の2台の測定装置1が第2測定装置であると判定されたものとする。この場合、検証部312は、設置情報91に含まれるID「M8」、「M6」の2台の測定装置1のそれぞれを対象装置として、設置情報91(
図3)に基づいて、近接装置が対象装置から所定距離以上離れて設置されているか否かの判定を行う。
【0085】
ID「M8」の測定装置1を対象装置とする判定では、検証部312は、
図4に示すように、当該対象装置よりもサーバ装置2側のエリアARに設置されているサーバ装置2及びID「M1」~「M7」、「M9」~「M12」の11台の測定装置1を、当該対象装置よりもサーバ装置2側のエリアARに設置されている装置群として特定する。そして、検証部312は、当該装置群の中で対象装置に最も近くに設置されているID「M9」の測定装置1を近接装置として特定する。
【0086】
図3に示すように、ID「M8」の測定装置1が設置されているエリアARでの通信距離は、「D1」(25m)である。
図4に示すように、対象装置であるID「M8」の測定装置1が設置されている列番号「X8」及び行番号「Y6」のエリアARと、近接装置であるID「M9」の測定装置1が設置されている列番号「X9」及び行番号「Y4」のエリアARと、の距離は、「D1」(25m)未満である。したがって、検証部312は、ID「M8」の測定装置1を対象装置とする判定では、近接装置が対象装置から所定の通信距離以上離れて設置されていないと判定する。
【0087】
同様にして、ID「M6」の測定装置1を対象装置とする判定では、検証部312は、
図4に示すように、当該対象装置よりもサーバ装置2側のエリアARに設置されている装置群の中で対象装置に最も近くに設置されているID「M8」の測定装置1を近接装置として特定する。
【0088】
図3に示すように、ID「M6」の測定装置1が設置されているエリアARでの通信距離は、「D3」(20m)である。
図4に示すように、対象装置であるID「M6」の測定装置1が設置されている列番号「X6」及び行番号「Y8」のエリアARと、近接装置であるID「M8」の測定装置1が設置されている列番号「X8」及び行番号「Y6」のエリアARと、の距離は、「D3」(20m)以上である。したがって、検証部312は、ID「M6」の測定装置1を対象装置とする判定では、近接装置が対象装置から所定の通信距離以上離れて設置されていると判定する。
【0089】
決定部314は、検証部312によって近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されていると判定された測定装置1(対象装置)については、近接装置とリレー機能を有する一以上の通信装置のそれぞれと当該測定装置とが地図上で所定の通信距離(所定距離)未満の間隔で設置されるように、一以上の通信装置の設置位置を決定する。
【0090】
上記の具体例では、決定部314は、検証部312によって近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されていると判定されたID「M6」の測定装置1について、リレー機能を有する一以上の通信装置の設置位置を決定する。
【0091】
図7は、出力部313が出力する画像92bの変形例を示す図である。例えば、決定部314は、ID「M6」の測定装置1について、当該測定装置1よりもサーバ装置2側で最も近い近接装置であるID「M8」の測定装置1と、一以上の通信装置と、当該ID「M6」の測定装置1と、が所定の通信距離「D3」(20m)未満の間隔で設置されるようにするため、列番号「X7」及び行番号「Y7」のエリアARに、ID「C1」の一台の通信装置を設置することを決定する。
【0092】
出力部313は、更に、検証部312が第2測定装置であると判定した測定装置1のそれぞれを対象にして行った判定の結果を示す情報を出力する。また、出力部313は、決定部314が決定した一以上の通信装置の設置位置を示す情報を出力する。
【0093】
具体的には、検証部312が第2測定装置であると判定した測定装置1のそれぞれを対象にして行った判定において、近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されていると判定された測定装置1が存在しなかったとする。この場合、出力部313は、ステップS17(
図6)で出力する情報に、第2測定装置であると判定された測定装置1が、地図上では、測定データを損失なくサーバ装置2まで転送できるように設置されていることを示す情報(例えば、文字列(テキスト)「地図上では、ID「M8」及び「M6」の測定装置の設置位置に問題はありません。」)を追記する。
【0094】
一方、上記具体例のように、検証部312が第2測定装置であると判定した測定装置1のそれぞれを対象にして行った判定において、近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されていると判定された測定装置1が存在したとする。この場合、出力部313は、ステップS17(
図6)で出力する情報に、当該測定装置1について決定部314が決定した一以上の通信装置の設置位置を示す情報を追記する。
【0095】
例えば、
図7は、出力部313が、近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されていると判定されたID「M6」の測定装置1について決定部314が決定したID「C1」の通信装置の設置位置を示す情報として、網掛けの三角形を示す画像G4を、ステップS17で出力する画像(
図5)におけるID「C1」の通信装置の設置位置「X7、Y7」に追記した画像92bを示している。
【0096】
尚、
図7に示すように、出力部313が、更に、決定部314が決定した一以上の通信装置の設置を提案する文字列(テキスト)H1を、ステップS17で出力する画像(
図5)に追記するようにしてもよい。
【0097】
本変形実施形態によれば、出力部313が出力した画像92b(
図7)を参照して、一以上の通信装置を設置することで、第2測定装置と判定された測定装置1と、一以上の通信装置のそれぞれと、第2測定装置と判定された測定装置1の近接装置と、を地図上において所定距離未満の間隔で設置できる。この場合、第2測定装置の測定データ及び第2測定装置まで転送された測定データが一以上の通信装置を介して近接装置まで損失なく転送される可能性を向上することができる。これにより、地図上において第2測定装置が近接装置から所定距離以上離れて設置されている場合であっても、第2測定装置の測定データが損失なくサーバ装置2まで転送される可能性を向上することができる。
【0098】
このように、本変形実施形態によれば、第2測定装置と判定された測定装置1が前記リレー機能を用いて測定データを損失なくサーバ装置2まで転送できるように、第2測定装置と判定された測定装置1の設置位置に応じた一以上の通信装置の設置を、適切に提示することができる。
【0099】
(2)上記実施形態及び変形実施形態では、測定装置1、サーバ装置2及び一以上の通信装置の設置位置を、当該設置位置を含むエリアARの列番号及び行番号で示す例について説明した。しかし、測定装置1、サーバ装置2及び一以上の通信装置の設置位置は、これに限らず、緯度、経度及び高度等を用いて示すようにしてもよい。
【0100】
(3)各測定装置1及びサーバ装置2がフラッドメッシュ型ネットワークのリレー機能を用いて通信可能な距離の上限値を、設置位置によらない特定の距離(例えば、30m)に定めて、各測定装置1及びサーバ装置2の通信距離を設置情報91(
図3)に含めないようにしてもよい。また、設置情報91(
図3)に、各測定装置1及びサーバ装置2のメーカを含めないようにしてもよい。また、設置情報91(
図3)に、各測定装置1及びサーバ装置2の機種を含めないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 :測定装置
2 :サーバ装置
3 :情報処理装置
91 :設置情報
92 :地図画像
100 :通信システム
311 :取得部
312 :検証部(指示部)
313 :出力部
314 :決定部
AR :エリア
G1 :第1画像
G2 :第2画像
【要約】
【課題】複数の測定装置のそれぞれが、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いてスチームトラップの測定データを損失なくサーバ装置まで転送できるように設置されているか否かを適切に把握する。
【解決手段】複数の測定装置のそれぞれがスチームトラップの測定データをフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いてサーバ装置に送信する通信システムの構築を支援する情報処理装置における情報処理方法であって、情報処理装置が有するコンピュータは、サーバ装置を介して複数の測定装置に検証処理の実行を指示し、検証処理はリレー機能を用いてサーバ装置に所定の検証用データを送信する処理であり、サーバ装置が受信した検証用データを送信した第1測定装置を示す情報と、複数の測定装置のうちの第1測定装置とは異なる第2測定装置を示す情報と、を互いに異なる態様で出力する。
【選択図】
図7