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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】肝臓特異的調節性核酸配列
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/11 20060101AFI20240516BHJP
   C12N 15/86 20060101ALI20240516BHJP
   C12N 15/864 20060101ALI20240516BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240516BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20240516BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240516BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240516BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20240516BHJP
   A61P 7/04 20060101ALI20240516BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20240516BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240516BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240516BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20240516BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
C12N15/11 Z ZNA
C12N15/86 Z
C12N15/864 100Z
C12N5/10
C12P21/02 C
A61K31/7088
A61K48/00
A61K35/76
A61P7/04
A61P3/06
A61P43/00 105
A61P1/16
A61P31/12
A61P35/00
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2021527948
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 GB2019053267
(87)【国際公開番号】W WO2020104782
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】1818816.9
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520063510
【氏名又は名称】アスクバイオ・ユーケー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ロバーツ
(72)【発明者】
【氏名】フアン・マヌエル・イグレシアス
(72)【発明者】
【氏名】ホルヘ・オマール・ジャニェス-クニャ
(72)【発明者】
【氏名】ニコル・キッペン
(72)【発明者】
【氏名】ロス・フレイザー
(72)【発明者】
【氏名】ケイティ・ベイカー
【審査官】上條 のぶよ
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-506456(JP,A)
【文献】特表2011-517955(JP,A)
【文献】特表2001-500376(JP,A)
【文献】特表2004-500880(JP,A)
【文献】Blood,Vol. 123, No. 20,2014年,p.3195-3199
【文献】Gene Therapy,2008年,Vol.16,p. 43-51
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/11
C12N 15/86
C12N 15/864
C12N 5/10
C12P 21/02
A61K 31/7088
A61K 48/00
A61K 35/76
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- CRE0018(配列番号1)又はその機能的バリアント;
- CRE0042(配列番号2)又はその機能的バリアント;
- CRE0051(配列番号3)又はその機能的バリアント;
- CRE0058(配列番号4)又はその機能的バリアント;
- CRE0065(配列番号5)又はその機能的バリアント;
- CRE0066(配列番号7)又はその機能的バリアント;
- CRE0068(配列番号10)又はその機能的バリアント;及び
- CRE0074(配列番号11)又はその機能的バリアント
からなる群から選択される2つ以上の作動可能に連結したシス調節エレメント(CRE)を含む、合成肝臓特異的シス調節モジュール(CRM)であって、
前記機能的バリアントは参照配列と少なくとも90%同一である配列を含む、合成肝臓特異的シス調節モジュール(CRM)
【請求項2】
前記CREの3つ以上、4つ以上、5つ以上、又は6つ以上を含む、請求項1に記載の合成肝臓特異的CRM。
【請求項3】
- CRE0051及びCRE0058;
- CRE0051及びCRE0042;
- CRE0051、CRE0058、及びCRE0065;
- CRE0051、CRE0058、及びCRE0066;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066;
- CRE0018、CRE0051、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066
- CRE0051、CRE0065、及びCRE0066;
- CRE0051、CRE0074、及びCRE0058;
- CRE0051、CRE0074、CRE0058、及びCRE0065;
- CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066;
- CRE0058及びCRE0065;
- CRE0068及びCRE0042;
- CRE0058、CRE0065、及びCRE0066;
- CRE0074、CRE0058、及びCRE0065;並びに
- CRE0074、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066
からなる群から選択される、並びに/又は
- CRE0018、CRE0077(配列番号19)、CRE0074、CRE0058、CRE0065;
- CRE0068、CRE0042;
- CRE0051、CRE0058;
- CRE0051、CRE0042;
- CRE0065、CRE0051、CRE0083.1(配列番号21);
- CRE0018、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;
- CRE0012(配列番号14)、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;
- CRE0051、CRE0058、CRE0018;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0018;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0012;
- CRE0047(配列番号15)、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;
- CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0001(配列番号12);
- CRE0051、CRE0058、CRE0065;及び
- CRE0051、CRE0066.2(配列番号8)
からなる群から選択される、並びに/又は
CRE0051、CRE0066.2;CRE0065、CRE0051、CRE0083.1;CRE0065、CRE0066.2;CRE0066、CRE0066;CRE0065、CRE0066;CRE0074、CRE0058、CRE0065.1(配列番号6);CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065.1;CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065.1;CRE0078、CRE0074、CRE0058、CRE0065.1;CRE0074、CRE0074、CRE0065;CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0074、CRE0058;CRE0018、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0058、CRE0065;CRE0012、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0012;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0018;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0001;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0077;CRE0051、CRE0058、CRE0018;CRE0047、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0077、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0078、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0078、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0074、CRE0058;CRE0077、CRE0074、CRE0058;CRE0078(配列番号20)、CRE0074、CRE0058;CRE0051、CRE0058;CRE0068、CRE0042;CRE0051、CRE0058、CRE0066;CRE0051、CRE0065、CRE0066;CRE0018、CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0018、CRE0077、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0018、CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0018、CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065;及びCRE0051、CRE0042
からなる群から選択される、並びに/又は
- CRE0018、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0012;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;及び
- CRE0051、CRE0042
からなる群から選択される、CRE又はそれらの機能的バリアントの組合せを含み、
前記機能的バリアントは参照配列と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項1又は2に記載の合成肝臓特異的CRM。
【請求項4】
前記CRE又はそれらの機能的バリアントが、記載されている順序でCRMに存在するか、又は前記CRE又はそれらの機能的バリアントが、記載されている順序でCRMに存在し且つ互いに隣接している、請求項3に記載の合成肝臓特異的CRM。
【請求項5】
- CRE0051又はその機能的バリアント;
- CRE0058又はその機能的バリアント;
- CRE0065又はその機能的バリアント;
- CRE0066又はその機能的バリアント、及び
- CRE0074又はその機能的バリアント
からなる群から選択される2つ、3つ、4つ、又はそれよりも多くのCREを含み、前記機能的バリアントは参照配列と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項1に記載の合成肝臓特異的CRM。
【請求項6】
- CRE0001(配列番号12)又はその機能的バリアント;
- CRE0005(配列番号13)又はその機能的バリアント;
- CRE0012(配列番号14)又はその機能的バリアント;
- CRE0047(配列番号15)又はその機能的バリアント;
- CRE0048(配列番号16)又はその機能的バリアント;
- CRE0056(配列番号17)又はその機能的バリアント;
- CRE0062(配列番号18)又はその機能的バリアント;
- CRE0077(配列番号19)又はその機能的バリアント;
- CRE0078(配列番号20)又はその機能的バリアント;
- CRE0083.1(配列番号21)又はその機能的バリアント;及び
- CRE0089(配列番号22)又はその機能的バリアント
からなる群から選択される1つ又は複数のCREを更に含み、前記機能的バリアントは参照配列と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項1又は5に記載の合成肝臓特異的CRM。
【請求項7】
CRM_SP0109(配列番号117)、CRM_SP0112(配列番号119)、CRM_SP0113(配列番号120)、CRM_SP0121(配列番号123)、CRM_SP0124(配列番号124)、CRM_SP0127(配列番号125)、CRM_SP0127A1(配列番号126)、CRM_SP0127V1(配列番号127)、CRM_SP0127V2(配列番号128)、CRM_SP0128(配列番号129)、CRM_SP0131(配列番号130)、CRM_SP0132(配列番号131)、CRM_SP0133(配列番号132)、CRM_SP0239(配列番号137)、CRM_SP0240(配列番号138)、CRM_SP0241(配列番号139)、CRM_SP0242(配列番号140)、CRM_SP0243(配列番号141)、CRM_SP0244(配列番号142)、CRM_SP0246(配列番号143)、CRM_SP0247(配列番号144)、CRM_SP0248(配列番号145)、CRM_SP0249(配列番号146)、CRM_SP0250(配列番号147)、CRM_SP0251(配列番号148)、CRM_SP0253(配列番号150)、CRM_SP0254(配列番号151)、CRM_SP0255(配列番号152)、CRM_SP0256(配列番号153)、CRM_SP0257(配列番号154)、CRM_SP0258(配列番号155)、CRM_SP0265(配列番号158)、CRM_SP0266(配列番号159)、CRM_SP0267(配列番号160)、CRM_SP0268(配列番号161)、CRM_SP0269(配列番号162)、CRM_SP0270(配列番号163)、CRM_SP0271(配列番号164)、CRM_SP0272(配列番号165)、CRM_SP0273(配列番号166)、CRM_SP0368(配列番号167)、CRM_SP0373(配列番号168)、CRM_SP0378(配列番号169)、CRM_SP0379(配列番号170)、CRM_SP0380(配列番号171)、CRM_SP0381(配列番号172)、CRM_SP0384(配列番号173)、CRM_SP0396(配列番号175)、CRM_SP0397(配列番号176)、CRM_SP0398(配列番号177)、CRM_SP0403(配列番号179)、CRM_SP0404(配列番号180)、CRM_SP0405(配列番号181)、CRM_SP0406(配列番号182)、CRM_SP0407(配列番号183)、CRM_SP0409(配列番号184)、CRM_SP0411(配列番号185)、CRM_SP0412(配列番号186)、CRM_SP0413(配列番号187)、又はそれらのいずれかの機能的バリアント
からなる群から選択されるCRMを含み、前記機能的バリアントは参照配列と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的CRM。
【請求項8】
CRM_SP0239、CRM_SP0244、CRM_SP0265、又はCRM_SP0412を含み、及び/又は500個以下のヌクレオチドのヌクレオチド長を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的CRM。
【請求項9】
a)プロモーターエレメントに作動可能に連結した請求項1から8のいずれか一項に記載のCRM;或いは
b)CRE0059(配列番号26)若しくはその機能的バリアント又はCRE0006(配列番号25)若しくはその機能的バリアントから選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、以下のCRE又はその機能的バリアント:
- CRE0018又はその機能的バリアント;
- CRE0042又はその機能的バリアント;
- CRE0051又はその機能的バリアント;
- CRE0058又はその機能的バリアント;
- CRE0065又はその機能的バリアント;
- CRE0066又はその機能的バリアント;
- CRE0068又はその機能的バリアント;及び
- CRE0074又はその機能的バリアント
の少なくとも1つであって、前記機能的バリアントは参照配列と少なくとも90%同一である配列を含む、CRE又はその機能的バリアント
を含む合成肝臓特異的プロモーター。
【請求項10】
CRE0051、CRE0066.2;CRE0065、CRE0051、CRE0083.1;CRE0065、CRE0066.2;CRE0066、CRE0066;CRE0065、CRE0066;CRE0074、CRE0058、CRE0065.1;CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065.1;CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065.1;CRE0078、CRE0074、CRE0058、CRE0065.1;CRE0074、CRE0074、CRE0065;CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0074、CRE0058;CRE0018、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0058、CRE0065;CRE0012、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0012;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0018;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0001;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0077;CRE0051、CRE0058、CRE0018;CRE0047、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0077、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0078、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0078、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0074、CRE0058;CRE0077、CRE0074、CRE0058;CRE0078、CRE0074、CRE0058;CRE0051、CRE0058;CRE0068、CRE0042;CRE0051、CRE0058、CRE0066;CRE0051、CRE0065、CRE0066;CRE0018、CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0018、CRE0077、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0018、CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0018、CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065;及びCRE0051、CRE0042
からなる群から選択されるCRE又はそれらの機能的バリアントの組合せを含み、前記機能的バリアントは参照配列と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項9のa)に記載の合成肝臓特異的プロモーター。
【請求項11】
前記CRE又はそれらの機能的バリアントが、記載されている順序でCRMに存在するか、又は前記CRE又はそれらの機能的バリアントが、記載されている順序でCRMに存在し且つ互いに隣接している、請求項10に記載の合成肝臓特異的プロモーター。
【請求項12】
プロモーターエレメントが、CRE0006(配列番号25)、CRE0059(配列番号26)、CRE0052(配列番号23)、CRE0079(配列番号24)、CRE0073(配列番号27)、又はCRE0073.1(配列番号28)、又はそれらのいずれかの機能的バリアントから選択され、前記機能的バリアントは参照配列と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項9のa)、10、又は11に記載の合成肝臓特異的プロモーター。
【請求項13】
CRE0051、CRE0066.2;CRE0065、CRE0051、CRE0083.1;CRE0065、CRE0066.2;CRE0066、CRE0066;CRE0065、CRE0066;CRE0074、CRE0058、CRE0065.1;CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065.1;CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065.1;CRE0078、CRE0074、CRE0058、CRE0065.1;CRE0074、CRE0074、CRE0065;CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0074、CRE0058;CRE0018、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0018;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0058、CRE0065;CRE0012、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0012;CRE0001、CRE0018;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0018;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0001;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0077;CRE0077、CRE0018;CRE0051、CRE0058、CRE0018;CRE0005、CRE0018;CRE0018、CRE0001;CRE0047、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0077、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0078、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0078、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0051、CRE0074、CRE0058;CRE0077、CRE0074、CRE0058;CRE0078、CRE0074、CRE0058;CRE0051;CRE0051、CRE0058;CRE0048、CRE0042;CRE0068、CRE0042;CRE0056、CRE0042;CRE0062、CRE0042;CRE0051、CRE0058、CRE0066;CRE0051、CRE0065、CRE0066;CRE0018、CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0018、CRE0077、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0018、CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;CRE0018、CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065;CRE0051、CRE0018;CRE0051、CRE0042;及びCRE0042
からなる群から選択される個々のCRE若しくはその機能的バリアント又はCRE若しくはそれらの機能的バリアントの組合せを含み、前記機能的バリアントは参照配列と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項9のb)に記載の合成肝臓特異的プロモーター。
【請求項14】
前記CRE又はそれらの機能的バリアントが、記載されている順序で存在するか、又は前記CRE又はそれらの機能的バリアントが、記載されている順序で存在し且つ互いに隣接している、請求項13に記載の合成肝臓特異的プロモーター。
【請求項15】
SP0109(配列番号189)、SP0112(配列番号191)、SP0113(配列番号192)、SP0121(配列番号195)、SP0124(配列番号196)、SP0127(配列番号197)、SP0127A1(配列番号198)、SP0127V1(配列番号199)、SP0127V2(配列番号200)、SP0128(配列番号201)、SP0131(配列番号202)、SP0132(配列番号203)、SP0133(配列番号204)、SP0239(配列番号209)、SP0240(配列番号210)、SP0241(配列番号211)、SP0242(配列番号212)、SP0243(配列番号213)、SP0244(配列番号214)、SP0246(配列番号215)、SP0247(配列番号216)、SP0248(配列番号217)、SP0249(配列番号218)、SP0250(配列番号219)、SP0251(配列番号220)、SP0253(配列番号222)、SP0254(配列番号223)、SP0255(配列番号224)、SP0256(配列番号225)、SP0257(配列番号226)、SP0258(配列番号227)、SP0265(配列番号230)、SP0266(配列番号231)、SP0267(配列番号232)、SP0268(配列番号233)、SP0269(配列番号234)、SP0270(配列番号235)、SP0271(配列番号236)、SP0272(配列番号237)、SP0273(配列番号238)、SP0368(配列番号239)、SP0373(配列番号240)、SP0378(配列番号241)、SP0379(配列番号242)、SP0380(配列番号243)、SP0381(配列番号244)、SP0384(配列番号245)、SP0396(配列番号247)、SP0397(配列番号248)、SP0398(配列番号249)、SP0403(配列番号251)、SP0404(配列番号252)、SP0405(配列番号253)、SP0406(配列番号254)、SP0407(配列番号255)、SP0409(配列番号256)、SP0411(配列番号257)、SP0412(配列番号258)、及びSP0413(配列番号259)、又はそれらのいずれかの機能的バリアント
からなる群から選択され、前記機能的バリアントは参照配列と少なくとも90%同一である配列を含む、請求項9から14のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的プロモーター。
【請求項16】
700個以下のヌクレオチドの長さを有し、及び/或いはTBGプロモーターの活性の少なくとも25%、50%、75%又は100%である肝臓特異的プロモーター活性を呈し、及び/或いは非肝臓細胞において、CMV-IEの50%、10%又は1%以下である活性を呈する、請求項9から15のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的プロモーター。
【請求項17】
発現産物をコードする配列に作動可能に連結された請求項9から16のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的プロモーターを含む発現カセット。
【請求項18】
発現産物をコードする配列が、治療用タンパク質をコードする導入遺伝子である、請求項17に記載の発現カセット。
【請求項19】
請求項1から8のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的CRM、請求項9から16のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的プロモーター、又は請求項17若しくは18に記載の発現カセットを含むベクター。
【請求項20】
ウイルスベクターである、請求項19に記載のベクター。
【請求項21】
遺伝子治療ベクターである、請求項19又は20に記載のベクター。
【請求項22】
AAVベクターである、請求項20又は21に記載のベクター。
【請求項23】
請求項19から22のいずれか一項に記載のベクターを含むビリオン。
【請求項24】
請求項1から8のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的CRM、請求項9から16のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的プロモーター、請求項17若しくは18に記載の発現カセット、請求項19から22のいずれか一項に記載のベクター、又は請求項23に記載のビリオンを含む医薬組成物。
【請求項25】
請求項1から8のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的CRM、請求項9から16のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的プロモーター、請求項17若しくは18に記載の発現カセット、請求項19から22のいずれか一項に記載のベクター、又は請求項23に記載のビリオンを含む細胞。
【請求項26】
肝臓細胞である、請求項25に記載の細胞。
【請求項27】
治療に使用するための、請求項1から8のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的CRM、請求項9から16のいずれか一項に記載の合成肝臓特異的プロモーター、請求項17若しくは18に記載の発現カセット、請求項19から22のいずれか一項に記載のベクター、請求項23に記載のビリオン、請求項24に記載の医薬組成物、又は請求項25若しくは26に記載の細胞。
【請求項28】
ex vivoで発現産物を産生するための方法であって、請求項17又は18に記載の発現カセットを肝臓細胞に提供する工程、及び発現産物を、前記発現産物をコードする配列から発現させる工程を含む方法。
【請求項29】
ex vivoで肝臓細胞にて治療用遺伝子を発現させる方法であって、請求項17若しくは18に記載の発現カセット、請求項19から22のいずれか一項に記載のベクター、又は請求項23に記載のビリオンを前記肝臓細胞に導入する工程を含み、肝臓特異的発現カセット、ベクター、又はビリオンは、請求項9から16のいずれか一項に記載のプロモーターに作動可能に連結した治療用遺伝子を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子の肝臓特異的発現を増強することが可能な調節性核酸配列、特に肝臓特異的シス調節エレメント、シス調節モジュール、プロモーター、及び他のそのような核酸配列に関する。本発明は、そのような肝臓特異的調節性核酸配列を含む発現コンストラクト、ベクター、及び細胞、並びにそれらを使用するための方法にも関する。肝臓特異的調節性核酸配列は、遺伝子治療適用に特に有用であるが、バイオプロセス及びバイオテクノロジー等の他の分野でも有用であることが見出されている。
【背景技術】
【0002】
以下の考察は、読者による本開示の理解を支援するために提供されており、従来技術の内容又は関連性に関するいかなる承認も構成しない。
【0003】
遺伝子治療を含む多数の分野では、所望の細胞、組織、又は臓器内でタンパク質又は核酸発現産物を産生するように遺伝子の発現を駆動することが可能な調節性核酸配列を提供することが望まれている。
【0004】
肝臓での発現は、代謝、止血、及び感染からの防御に関与する多数のタンパク質の合成を含む体内の幅広い範囲の必須機能に関与しているため、特に興味深い。多数の疾患が肝臓での遺伝子発現の妨害に関連することを考慮すると、肝臓での導入遺伝子の発現が治療用発現産物の産生を可能にする遺伝子治療戦略の開発は非常に興味深い。遺伝子の異常発現に関連付けられる肝臓疾患の例としては、血友病(血友病A又は血友病Bを含む)、家族性高コレステロール血症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、α-アンチトリプシン欠損症、肝炎ウイルス感染、非ウイルス性肝炎、肝臓がん、及び種々の他の肝臓疾患(非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及びアルコール関連肝疾患(ARLD)等)が挙げられる。
【0005】
肝臓疾患を治療するために遺伝子治療を使用する際の大きな課題は、肝臓特異的な(肝特異的としても公知)治療的遺伝子発現を提供する能力である。DNA又はウイルスベクターを肝実質、肝動脈、又は門脈に注入することにより、哺乳動物肝細胞を標的にすることが公知である。また、アデノウイルスベクターは、主に肝臓を標的とすることがマウスにて報告されている。しかしながら、アデノウイルスベクターは、他の組織、特に肺及び骨格筋にも感染し、「オフターゲット」効果に結び付く。アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)又はレンチウイルスベクターの一部の形態は、肝細胞を優先的に形質導入するが、この場合もオフターゲット効果が生じる。
【0006】
したがって、肝臓特異的な様式で遺伝子発現を調節するための系を提供することが望まれている。理想的には、そのような系は、肝臓に対して高度に特異的であり(それにより、非標的組織でのオフターゲット発現が回避又は最小化される)、強力でもあり、すなわちそのような系は肝臓にて高い発現レベルを駆動する。シス作用性調節エレメントの使用は、特異性及び活性を両方とも提供することが提案されている。典型的には、これは、シス調節エンハンサー配列、すなわちシスで作用してプロモーターの活性を増加させる核酸配列に関する。エンハンサーは、典型的には、それらの方向性に関わらず活性であり、一部の場合ではプロモーターから最大で数キロベース離れた距離で作用することができるが、典型的には、それよりもずっとプロモーターに近い場合でも作用する。
【0007】
遺伝子を肝臓特異的に発現させるための種々のエンハンサー配列が、文献に記載されている。国際公開第95/011308号及び国際公開第01/098482号では、プロモーター及び導入遺伝子に連結された肝細胞特異的アポリポタンパク質E-肝細胞制御領域エンハンサーを含む遺伝子治療ベクターが記載されている。文献には他の肝臓特異的コンストラクトも提案されており、例えば、AATプロモーター及びアルブミンエンハンサー若しくはB型肝炎エンハンサー、又はアポリポタンパク質Eエンハンサーエレメントの2つのタンデムコピーに連結されたアルコールデヒドロゲナーゼ6(ADH6)基本プロモーターが挙げられる。国際公開第2009/130208号には、それらの長さが比較的短いために有利であると記載されている種々の肝臓特異的調節エレメントが記載されている。遺伝子治療ベクターに占める調節性配列の割合を最小限に抑えるためには、短い長さの調節性配列が望ましい。これは、AAVベクター等、容量(ペイロード)が限られている遺伝子治療ベクターにとって特に重要である。
【0008】
当技術分野には、肝臓特異的遺伝子発現を駆動することができる調節性核酸の必要性が依然として存在する。特に、所望の遺伝子(例えば、遺伝子治療の文脈における治療用導入遺伝子)を肝臓特異的に発現させるための発現コンストラクト及びベクターに組み込むことができるそのようなエレメントを含む肝臓特異的調節性配列(例えば、シス調節エレメント及び最小プロモーターエレメント又は近位プロモーターエレメント)並びに肝臓特異的シス調節モジュール及びプロモーターに対する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際公開第95/011308号
【文献】国際公開第01/098482号
【文献】国際公開第2009/130208号
【文献】欧州特許出願第18207027.6号
【文献】米国特許第4,683,195号
【非特許文献】
【0010】
【文献】Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel、2000年、Wiley and son Inc社、米国議会図書館)
【文献】Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第三版(Sambrookら、2001年、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク:Cold Spring Harbor Laboratory Press社)
【文献】Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait編、1984年)
【文献】Nucleic Acid Hybridization (Harries及びHiggins編、1984年)
【文献】Transcription and Translation (Hames及びHiggins編、1984年)
【文献】Culture of Animal Cells (Freshney、Alan R. Liss, Inc.社、1987年)
【文献】Immobilized Cells and Enzymes (IRL Press社、1986年)
【文献】Perbal、A Practical Guide to Molecular Cloning (1984年)
【文献】Methods in Enzymologyシリーズ(Abelson及びSimon主編集、Academic Press, Inc.社、ニューヨーク)、特に154巻及び155巻(Wuら編)並びに185巻「Gene Expression Technology」(Goeddel編)
【文献】Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells (Miller及びCalos編、1987年、Cold Spring Harbor Laboratory)
【文献】Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology (Mayer及びWalker編、Academic Press社、ロンドン、1987年)
【文献】Handbook of Experimental Immunology、I~IV巻(Weir及びBlackwell編、1986年)
【文献】Manipulating the Mouse Embryo (Cold Spring Harbor Laboratory Press社、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州、1986年)
【文献】Hellman及びFried、Nat Protoc.、2007年;2巻(8号):1849~1861頁
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【文献】Alam及びCook、「Reporter Genes: Application to the Study of Mammalian Gene Transcription」、ANALYTICAL BIOCHEMISTRY 188巻、245~254頁(1990年)
【発明の概要】
【0011】
本発明の第1の態様では、
- CRE0018(配列番号1)又はその機能的バリアント;
- CRE0042(配列番号2)又はその機能的バリアント;
- CRE0051(配列番号3)又はその機能的バリアント;
- CRE0058(配列番号4)又はその機能的バリアント;
- CRE0065(配列番号5)又はその機能的バリアント;
- CRE0066(配列番号7)又はその機能的バリアント;
- CRE0068(配列番号10)又はその機能的バリアント;及び
- CRE0074(配列番号11)又はその機能的バリアント
からなる群から選択される2つ以上の作動可能に連結したシス調節エレメント(CRE)を含む合成肝臓特異的シス調節モジュール(CRM)が提供される。
【0012】
一部の実施形態では、合成肝臓特異的CRMは、上記CREの3つ以上、4つ以上、5つ以上、又は6つ以上を含む。下記でより詳細に考察されるように、こうしたCREは、合成肝臓特異的プロモーターに存在するCRMの活性に寄与することを見出した。
【0013】
一部の実施形態では、本発明の合成肝臓特異的CRMは、
- CRE0051及びCRE0058;
- CRE0051及びCRE0042;
- CRE0051、CRE0058、及びCRE0065;
- CRE0051、CRE0058、及びCRE0066;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066;
- CRE0018、CRE0051、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066;
- CRE0051、CRE0065、及びCRE0066;
- CRE0051、CRE0074、及びCRE0058;
- CRE0051、CRE0074、CRE0058、及びCRE0065;
- CRE0058及びCRE0065;
- CRE0068及びCRE0042;
- CRE0058、CRE0065、及びCRE0066;
- CRE0074、CRE0058、及びCRE0065;
- CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066;並びに
- CRE0074、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066
からなる群から選択されるCRE又はそれらの機能的バリアントの組合せを含む。
【0014】
本明細書で開示されているCRE又はそれらの機能的バリアントの組合せのいずれにおいても、記載されているCREは、任意の順序で存在してもよい。一部の場合では好ましい一部の実施形態では、CREは、記載されている順序で(すなわち、作動可能に連結したプロモーターエレメント又は遺伝子に対するそれらの位置に関して上流から下流への順序で)存在する。
【0015】
本明細書で開示されているCRE又はそれらの機能的バリアントの組合せのいずれにおいても、記載されているCREの一部又は全ては、好適には、CRMにおいて互いに隣接して(すなわち、介在するCRE又は他の調節エレメントが一切なく)配置されていてもよい。CREは、臨接していてもよく又は臨接していなくてもよい(すなわち、CREは、互いに直ちに隣接して配置されていてもよく、又はスペーサー若しくは他の配列によって隔てられていてもよい)。一部の好ましい実施形態では、CRE又はそれらの機能的エレメントは、記載されている順序で提供されており、互いに隣接している。例えば、合成肝臓特異的調節性核酸は、CRE0058のすぐ上流にCRE0051を含んでいてもよい等である。CREは、臨接していてもよく又は臨接していなくともよい。一部の実施形態では、CREの一部又は全ては、臨接していることが好ましい。
【0016】
上述の組合せCREを含むCRMは、好適なプロモーターエレメントと組み合わせると、著しい肝臓特異的エンハンサー活性を提供することを見出した。CREが記載されている順序で存在し、互いに隣接している場合、特に高レベルの活性が観察された。したがって、それらは、典型的には高レベルの肝臓特異的プロモーター活性と相関する、一部の好ましいCRE「モチーフ」を表す。
【0017】
一部の実施形態では、本発明の合成肝臓特異的CRMは、
- CRE0051又はその機能的バリアント;
- CRE0058又はその機能的バリアント;
- CRE0065又はその機能的バリアント;
- CRE0066又はその機能的バリアント;及び
- CRE0074又はその機能的バリアント
からなる群から選択される2つ、3つ、4つ、又はそれよりも多くのCREを含む。
【0018】
一部の実施形態では、本発明の合成肝臓特異的CRMは、
- CRE0001(配列番号12)又はその機能的バリアント;
- CRE0005(配列番号13)又はその機能的バリアント;
- CRE0012(配列番号14)又はその機能的バリアント;
- CRE0047(配列番号15)又はその機能的バリアント;
- CRE0048(配列番号16)又はその機能的バリアント;
- CRE0056(配列番号17)又はその機能的バリアント;
- CRE0062(配列番号18)又はその機能的バリアント;
- CRE0077(配列番号19)又はその機能的バリアント;
- CRE0078(配列番号20)又はその機能的バリアント;
- CRE0083.1(配列番号21)又はその機能的バリアント;及び
- CRE0089(配列番号22)又はその機能的バリアント
からなる群から選択される1つ又は複数のCREを更に含む。
【0019】
本発明の一部の好ましい実施形態では、合成肝臓特異的CRMは、
- CRE0051、CRE0058;
- CRE0018、CRE0077、CRE0074、CRE0058、CRE0065;
- CRE0068、CRE0042;
- CRE0051、CRE0042;
- CRE0065、CRE0051、CRE0083.1;
- CRE0018、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;
- CRE0012、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;
- CRE0051、CRE0058、CRE0018;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0018;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0012;
- CRE0047、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066;
- CRE0051、CRE0074、CRE0058、CRE0065、CRE0066;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0001;
- CRE0051、CRE0058、CRE0065;
- CRE0051、CRE0066.2;及び
- CRE0047、CRE0001
からなる群から選択されるCRE又はそれらの機能的バリアントの組合せを含む。
【0020】
好ましくは、上記CREは、記載されている順序で合成肝臓特異的CRMに存在する。上記のように、そのような合成肝臓特異的CRMでは、記載されているCRE又はそれらの機能的エレメントの一部又は全ては、好適には、互いに隣接していてもよい。CREは、臨接していてもよく又は臨接していなくともよい。こうしたCREの組合せを含むCRMは、好適なプロモーターエレメントと組み合わせると、高レベルの肝臓特異的エンハンサー活性を提供することを見出した。
【0021】
本発明の一部の好ましい実施形態では、合成肝臓特異的CRMは、
- CRE0018、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066(すなわち、SP0239に由来するCRE);
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0012(すなわち、SP0244に由来するCRE);
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066(すなわち、SP0265に由来するCRE);及び
- CRE0051、CRE0042(すなわち、SP0412に由来するCRE)
からなる群から選択されるCRE又はそれらの機能的バリアントの組合せを含む。
【0022】
この場合も、CREは、好ましくは、記載されている順序で存在し、好ましくは互いに隣接して配置されている。また、CREは、臨接していてもよい。こうしたCREの組合せを含むCRMは、好適なプロモーターエレメントと組み合わせると高レベルの肝臓特異的エンハンサー活性を提供することが見出されており、特に興味深い。
【0023】
本発明の一部の実施形態では、合成肝臓特異的CRMは、CRM_SP0109、CRM_SP0112、CRM_SP0113、CRM_SP0121、CRM_SP0124、CRM_SP0127、CRM_SP0127A1、CRM_SP0127V1、CRM_SP0127V2、CRM_SP0128、CRM_SP0131、CRM_SP0132、CRM_SP0133、CRM_SP0239、CRM_SP0240、CRM_SP0241、CRM_SP0242、CRM_SP0243、CRM_SP0244、CRM_SP0246、CRM_SP0247、CRM_SP0248、CRM_SP0249、CRM_SP0250、CRM_SP0251、CRM_SP0253、CRM_SP0254、CRM_SP0255、CRM_SP0256、CRM_SP0257、CRM_SP0258、CRM_SP0265、CRM_SP0266、CRM_SP0267、CRM_SP0268、CRM_SP0269、CRM_SP0270、CRM_SP0271、CRM_SP0272、CRM_SP0273、CRM_SP0368、CRM_SP0373、CRM_SP0378、CRM_SP0379、CRM_SP0380、CRM_SP0381、CRM_SP0384、CRM_SP0396、CRM_SP0397、CRM_SP0398、CRM_SP0403、CRM_SP0404、CRM_SP0405、CRM_SP0406、CRM_SP0407、CRM_SP0409、CRM_SP0411、CRM_SP0412、CRM_SP0413、CRM_SP0107、CRM_SP0111、CRM_SP0115、CRM_SP0116、CRM_SP0155、CRM_SP0158、CRM_SP0163、CRM_SP0236、CRM_SP0252、CRM_SP0259、CRM_SP0264、CRM_SP0388、及びCRM_SP0399、又はこれらのいずれかの機能的バリアントからなる群から選択されるCRMを含む。好適には、上記CRMの任意の機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的CRMと少なくとも70%同一、より好ましくは参照合成肝臓特異的CRMと少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。こうしたCRMに対応する配列及び配列番号は、実施例1に示されている。
【0024】
本発明の一部の実施形態では、合成肝臓特異的CRMは、CRM_SP0399、CRM_SP0405、CRM_SP0379、CRM_SP0381、CRM_SP0384、CRM_SP0412、CRM_SP0112、CRM_SP0239、CRM_SP0243、CRM_SP0413、CRM_SP0163、CRM_SP0382、CRM_SP0383、CRM_SP0241、CRM_SP0255、CRM_SP0249、CRM_SP0247、CRM_SP0265、CRM_SP0406、CRM_SP0373、CRM_SP0155、CRM_SP0380、CRM_SP0244、CRM_SP0111、CRM_SP0258、CRM_SP0268、CRM_SP0250、CRM_SP0242、CRM_SP0109、及びCRM_SP0259、又はこれらのいずれかの機能的バリアントからなる群から選択されるCRMを含む。好適には、上記CRMの任意の機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的CRMと少なくとも70%同一、より好ましくは参照合成肝臓特異的CRMと少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。この群は、非常に高レベルの活性を呈する合成肝臓特異的CRMを含む。
【0025】
本発明の一部の実施形態では、合成肝臓特異的CRMは、CRM_SP0239、CRM_SP0244、CRM_SP0259 CRM_SP0265、及びCRM_SP0412、又はそれらの任意の機能的バリアントからなる群から選択されるCRMを含む。この群は、非常に高レベルの活性を呈する合成肝臓特異的プロモーターに由来するCRMの好ましいサブセットを含む。好適には、上記CRMの任意の機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的CRMと少なくとも70%同一、より好ましくは、参照合成肝臓特異的CRMと少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。
【0026】
本発明の第2の態様では、
a)プロモーターエレメント(好ましくは最小プロモーター又は肝臓特異的近位プロモーター)に作動可能に連結した第1の態様によるCRM、或いは
b)以下のCRE若しくはそれらの機能的バリアント:
- CRE0018若しくはその機能的バリアント;
- CRE0042若しくはその機能的バリアント;
- CRE0051若しくはその機能的バリアント;
- CRE0058若しくはその機能的バリアント;
- CRE0065若しくはその機能的バリアント;
- CRE0066若しくはその機能的バリアント;
- CRE0068若しくはその機能的バリアント;及び
- CRE0074若しくはその機能的バリアント
の少なくとも1つであって、CRE0059若しくはその機能的バリアント又はCRE0006若しくはその機能的バリアントから選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結したCRE若しくはそれらの機能的バリアントの少なくとも1つ
を含む合成肝臓特異的プロモーターが提供される。
【0027】
群a)の合成肝臓特異的プロモーターに使用するための好適なプロモーターエレメントは、本明細書で考察されている。非限定的な例として、プロモーターエレメントは、CRE0006、CRE0059、CRE0052、CRE0079、CRE0073、及びCRE0073.1、又はそれらの任意の機能的バリアントから選択することができる。
【0028】
一部の実施形態では、b)の合成肝臓特異的プロモーターは、CRE0059若しくはその機能的バリアント又はCRE0006若しくは機能的バリアントから選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、記載されているシス調節エレメント又はそれらの機能的バリアントの少なくとも2つを含む。言い換えれば、b)の合成肝臓特異的プロモーターは、CRE0059又はCRE0006(又はそれらの機能的バリアント)から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した第1の態様によるCRMを含むことができる。
【0029】
一部の実施形態では、本発明の合成肝臓特異的プロモーターは、プロモーターエレメントに作動可能に連結した、表1に示されている通りのCRE又はそれらの機能的バリアントの組合せの1つを含む。
【0030】
【表1A】
【0031】
【表1B】
【0032】
この場合も、CREは、好ましくは、記載されている順序で存在し、好ましくは、互いに隣接して配置されている。CREは、臨接していてもよい。
【0033】
表1には、好適なプロモーターエレメント(例えば、最小プロモーター又は肝臓特異的近位プロモーター)と組み合わせると高レベルの肝臓特異的活性を提供することが見出されているCRE0018、CRE0042、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066、CRE0068、及びCRE0074から選択される2つ以上のCREの組合せが示されている。また、CRE又はそれらの機能的バリアントのこうした組合せは、本発明の第1の態様によるCRMの一部の好ましい実施形態を表す。最後の7行には、プロモーターエレメントCRE0059又はCRE0006と組み合わせると高レベルの肝臓特異的活性を提供することが見出されているCRE0018、CRE0042、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066、CRE0068、及びCRE0074から選択される少なくとも1つのCREを含む少なくとも2つのCREの組合せが示されている。これらは、本発明による追加の好ましいCRMを表す。
【0034】
一部の実施形態では、合成肝臓特異的プロモーターは、CRE0006若しくはその機能的バリアント又はCRE0059若しくはその機能的バリアントから選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した、表2に示されている通りの個々のCRE若しくはそれらの機能的バリアントの1つ又はCRE若しくはそれらの機能的エレメントの組合せを含む。
【0035】
【表2A】
【0036】
【表2B】
【0037】
この場合も、CREは、好ましくは、記載されている順序で存在し、好ましくは互いに隣接している。CREは、臨接していてもよい。プロモーターエレメントはCREの下流にあり、典型的には、近位CREに隣接している。プロモーターエレメントは、隣接するCREと臨接していてもよく、又はスペーサーにより隔てられていてもよい。
【0038】
表2には、好適には、本発明の一部の実施形態によるプロモーターエレメントCRE0006又はCRE0059(又はそれらの機能的バリアント)と作動可能に連結して提供することができるCRE0018、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066、CRE0042、CRE0068、及びCRE0074(又はそれらの機能的バリアント)から選択される種々の個々のCRE又はCREの組合せが示されている。
【0039】
一部の実施形態では、合成肝臓特異的プロモーターは、下記の表3に示されている通りのプロモーターエレメント又はその機能的バリアントに作動可能に連結したCRE又はそれらの機能的バリアントの組合せの1つを含む。
【0040】
【表3A】
【0041】
【表3B】
【0042】
この場合も、CREは、好ましくは、記載されている順序で存在し、好ましくは互いに隣接している。CREは、臨接していてもよい。プロモーターエレメントはCREの下流にあり、典型的には、近位CREに隣接している。プロモーターエレメントは、隣接するCREと臨接していてもよく、又はスペーサーにより隔てられていてもよい。
【0043】
更なる態様では、表4に示されている通りのプロモーターエレメント又はその機能的バリアントに作動可能に連結した以下のCRE若しくはそれらの機能的バリアントの1つ又はCRE若しくはそれらの機能的バリアントの組合せを含む合成肝臓特異的プロモーターが提供される。
【0044】
【表4】
【0045】
この場合も、CREは、好ましくは、記載されている順序で存在し、好ましくは、互いに隣接している。CREは、臨接していてもよい。プロモーターエレメントはCREの下流にあり、典型的には、近位CREに隣接している。プロモーターエレメントは、隣接するCREと臨接していてもよく、又はスペーサーにより隔てられていてもよい。
【0046】
表4には、高レベルの肝臓特異的活性を提供することが見出されている、CRE及びプロモーターエレメントの更なる例示的な組合せが提供されている。したがって、これらは、追加の、目的の合成肝臓特異的プロモーターを表す。
【0047】
本発明の一部の実施形態では、合成肝臓特異的プロモーターは、SP0109、SP0112、SP0113、SP0121、SP0124、SP0127、SP0127A1、SP0127V1、SP0127V2、SP0128、SP0131、SP0132、SP0133、SP0239、SP0240、SP0241、SP0242、SP0243、SP0244、SP0246、SP0247、SP0248、SP0249、SP0250、SP0251、SP0253、SP0254、SP0255、SP0256、SP0257、SP0258、SP0265、SP0266、SP0267、SP0268、SP0269、SP0270、SP0271、SP0272、SP0273、SP0368、SP0373、SP0378、SP0379、SP0380、SP0381、SP0384、SP0396、SP0397、SP0398、SP0403、SP0404、SP0405、SP0406、SP0407、SP0409、SP0411、SP0412、SP0413、SP0107、SP0111、SP0115、SP0116、SP0155、SP0158、SP0163、SP0236、SP0252、SP0259、SP0264、SP0388、及びSP0399、又はそれらの任意の機能的バリアントからなる群から選択されるプロモーターを含む。好適には、上記プロモーターの任意の機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的プロモーターと少なくとも70%同一、より好ましくは、参照合成肝臓特異的プロモーターと少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。こうしたプロモーターに対応する配列及び配列番号は、実施例1に示されている。
【0048】
本発明の一部の実施形態では、合成肝臓特異的プロモーターは、SP0109、SP0112、SP0113、SP0121、SP0124、SP0127、SP0127A1、SP0127V1、SP0127V2、SP0128、SP0131、SP0132、SP0133、SP0239、SP0240、SP0241、SP0242、SP0243、SP0244、SP0246、SP0247、SP0248、SP0249、SP0250、SP0251、SP0253、SP0254、SP0255、SP0256、SP0257、SP0258、SP0265、SP0266、SP0267、SP0268、SP0269、SP0270、SP0271、SP0272、SP0273、SP0368、SP0373、SP0378、SP0379、SP0380、SP0381、SP0384、SP0396、SP0397、SP0398、SP0403、SP0404、SP0405、SP0406、SP0407、SP0409、SP0411、SP0412、SP0413、SP0107、SP0111、SP0115、SP0116、SP0155、SP0158、SP0163、SP0236、SP0252、SP0259、SP0264、SP0388、及びSP0399、又はそれらの任意の機能的バリアントからなる群から選択されるプロモーターを含む。好適には、上記プロモーターの任意の機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的プロモーターと少なくとも70%同一、より好ましくは、参照合成肝臓特異的プロモーターと少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。こうしたプロモーターに対応する配列及び配列番号は、実施例1に示されている。
【0049】
本発明の一部の実施形態では、合成肝臓特異的プロモーターは、SP0399、SP0405、SP0379、SP0381、SP0384、SP0412、SP0112、SP0239、SP0243、SP0413、SP0163、SP0382、SP0383、SP0241、SP0255、SP0249、SP0247、SP0265、SP0406、SP0373、SP0155、SP0380、SP0244、SP0111、SP0258、SP0268、SP0250、SP0242、SP0109、SP0259、SP0266、SP0158、SP0398、SP0253、SP0254、SP0257、SP0269、SP0409、SP0127A1、SP0270、SP0378、SP0403、SP0236、SP0248、SP0251、SP0411、SP0271、SP0132、SP0368、SP0246、SP0404、及びSP0116、又はそれらの任意の機能的バリアントからなる群から選択されるプロモーターを含む。好適には、上記プロモーターの任意の機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的プロモーターと少なくとも70%同一、より好ましくは、参照合成肝臓特異的プロモーターと少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。この群は、比較的高レベルの活性を有する合成肝臓特異的プロモーターを含む。
【0050】
本発明の一部の実施形態では、合成肝臓特異的プロモーターは、SP0399、SP0405、SP0379、SP0381、SP0384、SP0412、SP0112、SP0239、SP0243、SP0413、SP0163、SP0382、SP0383、SP0241、SP0255、SP0249、SP0247、SP0265、SP0406、SP0373、SP0155、SP0380、SP0244、SP0111、SP0258、SP0268、SP0250、SP0242、SP0109、及びSP0259、又はそれらの任意の機能的バリアントからなる群から選択されるプロモーターを含む。好適には、上記プロモーターの任意の機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的プロモーターと少なくとも70%同一、より好ましくは、参照合成肝臓特異的プロモーターと少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。この群は、高レベルの活性を有する合成肝臓特異的プロモーターを含む。
【0051】
本発明の一部の実施形態では、合成肝臓特異的プロモーターは、SP0239、SP0244、SP0259、SP0265、及びSP0412、又はそれらの任意の機能的バリアントからなる群から選択されるプロモーターを含む。この群は、高レベルの活性を有する合成肝臓特異的プロモーターの特に好ましいサブセットを含む。SP0412及びSP0265(又はそれらのいずれかの機能的バリアント)は、それらの長さが短いこと(それぞれ283及び381個のヌクレオチド)を考慮すると、特に興味深い。また、SP0239及びSP0244のin vivo活性は、LP1プロモーターと比較して高いことが確認された。
【0052】
一部の実施形態によると、合成肝臓特異的プロモーターは、以下のもの:
- CRE0018、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066、CRE0052(すなわち、SP0239に由来するCRE及びプロモーターエレメント);
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0012、CRE0006(すなわち、SP0244に由来するCRE及びプロモーターエレメントCRE);
- CRE0047、CRE0001、CRE0006(すなわち、SP0265に由来するCRE及びプロモーターエレメント);
- CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066、CRE0052(すなわち、SP0265に由来するCRE及びプロモーターエレメント);及び
- CRE0051、CRE0042、CRE0059(すなわち、SP0412に由来するCRE及びプロモーターエレメント)
から選択されるCRE(又はそれらの任意の機能的バリアント)及びプロモーターエレメント(又はそれらの任意の機能的バリアント)の組合せを含む。
【0053】
合成肝臓特異的プロモーターSP0109、SP0121、SP0113、及びSP0380は、本明細書で開示されている他の合成肝臓特異的プロモーターよりも、非肝臓(HEK293)細胞にていくらかより高い発現を示すことが見出された。したがって、非肝臓細胞での発現が低レベルであることが特に重要である一部の実施形態では、こうしたプロモーター又はそれらの機能的バリアントはあまり望ましくない場合がある。そのような場合、非肝臓(HEK293)細胞にて非常に低い発現を示す合成肝臓特異的プロモーターが特に好ましい場合がある。
【0054】
本発明の一部の実施形態では、合成肝臓特異的プロモーターは、700以下のヌクレオチド、例えば、600、500、450、400、350、300、250、200、150、100、75、70、68、又はそれよりも少数のヌクレオチド長を有する。
【0055】
更なる態様では、本発明は、CRE0006又はその機能的バリアントを含む合成肝臓特異的プロモーターを提供する。CRE0006は、作動可能に連結したCREを一切伴わずに提供されてもよく(すなわち、合成肝臓特異的プロモーターは、CRE0006から本質的になる)、又は作動可能に連結したCREと共に提供されてもよい。驚くべきことに、CRE0006は、それ自体が活性肝臓特異的プロモーターであり(すなわち、作動可能に連結した調節性配列が一切存在しない。実施例3のSP0154に関する結果を参照)、並びに1つ又は複数の肝臓特異的CRE(例えば、上記で考察されている通りの)と組み合わせると高レベルの活性を提供することが見出された。したがって、本発明は、CRE0006又はその機能的バリアントからなる合成肝臓特異的プロモーターも提供する。また、本発明は、CRE0006又はその機能的バリアントを含むプロモーターエレメントであって、任意選択で、400以下のヌクレオチド、好ましくは350以下のヌクレオチド、より好ましくは300以下のヌクレオチド、より好ましくは280以下のヌクレオチド長を有するプロモーターエレメントを提供する。本発明は、CRE0006又はその機能的バリアントからなるプロモーターエレメントも提供する。
【0056】
更なる態様では、本発明は、CRE0059又はその機能的バリアントを含む合成肝臓特異的プロモーターを提供する。CRE0059は、驚くべきことに、1つ又は複数の肝臓特異的CRE(例えば、上記で考察されている通りの)と組み合わせると、高レベルの活性を提供することが見出された。また、本発明は、CRE0059又はその機能的バリアントを含むプロモーターエレメントであって、350以下のヌクレオチド、より好ましくは300以下のヌクレオチド、より好ましくは250以下のヌクレオチド、より好ましくは230以下のヌクレオチド長を有するプロモーターエレメントを提供する。本発明は、CRE0059又はその機能的バリアントからなるプロモーターエレメントも提供する。
【0057】
更なる態様では、本発明は、CRE0079又はその機能的バリアントを含む合成肝臓特異的プロモーターを提供する。CRE0079は、驚くべきことに、1つ又は複数の肝臓特異的CRE(例えば、上記で考察されている通りの)と組み合わせると、高レベルの活性を提供することが見出された。また、本発明は、CRE0079又はその機能的バリアントを含むプロモーターエレメントであって、200以下のヌクレオチド、好ましくは150以下のヌクレオチド、より好ましくは100以下のヌクレオチド長を有するプロモーターエレメントを提供する。本発明は、CRE0079又はその機能的バリアントからなるプロモーターエレメントも提供する。
【0058】
更なる態様では、本発明は、CRE0073又はその機能的バリアントを含む合成肝臓特異的プロモーターを提供する。CRE0073は、驚くべきことに、1つ又は複数の肝臓特異的CRE(例えば、上記で考察されている通りの)と組み合わせると、高レベルの活性を提供することが見出された。また、本発明は、CRE0073又はその機能的バリアントを含むプロモーターエレメントであって、300以下のヌクレオチド、より好ましくは250以下のヌクレオチド、より好ましくは200以下の、より好ましくは190以下のヌクレオチド長を有するプロモーターエレメントを提供する。本発明は、CRE0073又はその機能的バリアントからなるプロモーターエレメントも提供する。
【0059】
更なる態様では、本発明は、CRE0073.1又はその機能的バリアントを含む合成肝臓特異的プロモーターを提供する。CRE0073.1は、驚くべきことに、1つ又は複数の肝臓特異的CRE(例えば、上記で考察されている通りの)と組み合わせると、高レベルの活性を提供することが見出された。また、本発明は、CRE0073.1又はその機能的バリアントを含むプロモーターエレメントであって、180以下のヌクレオチド、より好ましくは170以下のヌクレオチド長を有するプロモーターエレメントを提供する。本発明は、CRE0073.1又はその機能的バリアントからなるプロモーターエレメントも提供する。
【0060】
更なる態様では、本発明は、CRE0040又はその機能的バリアントを含む合成肝臓特異的プロモーターを提供する。CRE0040は、驚くべきことに、1つ又は複数の肝臓特異的CRE(例えば、上記で考察されている通りの)と組み合わせると、高レベルの活性を提供することが見出された。また、本発明は、CRE0040又はその機能的バリアントを含むプロモーターエレメントであって、400以下のヌクレオチド、より好ましくは325以下のヌクレオチド、より好ましくは275以下のヌクレオチド、より好ましくは250以下のヌクレオチド長を有するプロモーターエレメントを提供する。本発明は、CRE0040又はその機能的バリアントからなるプロモーターエレメントも提供する。
【0061】
本発明の一部の実施形態では、本発明の合成肝臓特異的CRM及び/又は合成肝臓特異的プロモーターは、CR0077又はその機能的バリアントもCR0078又はその機能的バリアントも含まない。
【0062】
本発明の一部の実施形態では、本発明の合成肝臓特異的CRM及び/又は合成肝臓特異的プロモーターは、CRE0052又はその機能的バリアントを含まない。
【0063】
本発明の更なる態様では、CRE0018、CRE0042、CRE0058、CRE0065、CRE0066、CRE0068、CRE0074、CRE0001、CRE0005、CRE0012、CRE0047、CRE0048、CRE0056、CRE0062、CRE0077、CRE0078、CRE0083.1、及びCRE0089、又はそれらの任意の機能的バリアントからなる群から選択されるCREが提供される。一部の好ましい実施形態では、CRE0018、CRE0042、CRE0058、CRE0065、CRE0066、CRE0068、及びCRE0074、又はそれらの任意の機能的バリアントからなる群から選択されるCREが提供される。更なる態様では、上記CRE又はそれらの機能的バリアントの任意の1つ又は複数を含む合成肝臓特異的CRM又は合成肝臓特異的プロモーターが提供される。
【0064】
本発明の更なる態様では、発現産物、好適には遺伝子、例えば導入遺伝子をコードする配列に作動可能に連結した本発明の合成肝臓特異的プロモーターを含む発現カセットが提供される。
【0065】
更なる態様では、本発明による合成肝臓特異的CRM、合成肝臓特異的プロモーター、又は発現カセットを含むベクターが提供される。一部の実施形態では、ベクターは発現ベクターである。一部の実施形態では、ベクターはウイルスベクターである。一部の実施形態では、ベクターは、遺伝子治療ベクター、好適には、AAVベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、又はレンチウイルスベクターである。AAVベクターは特に興味深い。
【0066】
更なる態様では、本発明によるベクター、好適にはウイルスベクターを含むビリオン(ウイルス粒子)が提供される。
【0067】
更なる態様では、本発明による合成肝臓特異的CRM、合成肝臓特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、又はビリオンを含む医薬組成物が提供される。
【0068】
更なる態様では、療法に、すなわち医学的状態又は疾患、好適には異常な遺伝子発現、任意選択で肝臓における異常な遺伝子発現に関連付けられる状態又は疾患の予防又は治療に使用するための、本発明による合成肝臓特異的調節性CRM、合成肝臓特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、ビリオン、又は医薬組成物が提供される。好適には、この使用は、遺伝子治療のためのものであり、好ましくは異常な遺伝子発現を伴う疾患の治療に使用するためのものである。好適には、遺伝子治療は、治療用発現産物を肝臓にて発現させることを含む。
【0069】
更なる態様では、本明細書に記載の通りの合成肝臓特異的CRM、合成肝臓特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、又はビリオンを含む細胞が提供される。一部の実施形態では、細胞は、真核細胞であり、任意選択で哺乳動物細胞であり、任意選択でヒト細胞である。好適には、細胞は肝臓細胞であってもよいが、任意選択で、細胞はヒト肝臓細胞である。合成肝臓特異的CRM、合成肝臓特異的プロモーター、発現カセットは、ベクターに存在してもよく、又は細胞のゲノムに存在してもよい。
【0070】
更なる態様では、本明細書で考察されているような医学的状態又は疾患を治療するための医薬組成物の製造に使用するための、本明細書に記載の通りの合成肝臓特異的CRM、合成肝臓特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、ビリオン、又は医薬組成物が提供される。
【0071】
更なる態様では、発現産物を産生するための方法であって、本発明の合成肝臓特異的発現カセットを肝臓細胞に提供する工程、及び合成肝臓特異的発現カセットに存在する遺伝子を発現させる工程を含む方法が提供される。本方法は、in vitro若しくはex vivoであってもよく、又はin vivoであってもよい。一部の実施形態では、本方法はバイオプロセス法である。
【0072】
更なる態様では、治療用導入遺伝子を肝臓細胞にて発現させるための方法であって、本明細書に記載されている通りの合成肝臓特異的発現カセット、ベクター、又はビリオンを肝臓細胞へと導入する工程を含む方法が提供される。
【0073】
更なる態様では、それを必要とする対象、好ましくはヒトの療法のための方法であって、
- 本発明によるプロモーターに作動可能に連結した治療用産物をコードする配列を含む、本明細書に記載されている通りの発現カセット、ベクター、ビリオン、又は医薬組成物を対象に投与する工程、及び
- 上記対象の肝臓にて治療量の治療用産物を発現させる工程
を含む方法が提供される。
【0074】
一部の実施形態では、本方法は、
- 治療用産物をコードする遺伝子を含む、本明細書に記載されている通りの発現カセット、ベクター、ビリオン、又は医薬組成物を対象の肝臓へと導入する工程、及び
- 上記対象の肝臓にて治療量の治療用産物を発現させる工程
を含む。
【0075】
好適には、本方法は、本明細書に記載されている通りのベクター、ビリオン、又は医薬組成物を対象に投与する工程を含む。一部の好ましい実施形態では、ベクターは、ウイルス遺伝子治療ベクター、好ましくはAAVベクターである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1】本発明による合成肝臓特異的プロモーターの概略図であり、CREエンハンサーエレメントが共に示されている図である。
図2】公知の肝臓特異的プロモーターLP1並びに遍在性CMV-IEプロモーター及びCBAプロモーターにより駆動される発現レベルと比べた、肝臓由来細胞株Huh7において種々の合成肝臓特異的プロモーターにより駆動されたルシフェラーゼレポータータンパク質の発現レベルのグラフを示す。本明細書で使用されるCBA(ニワトリベータアクチン)プロモーターは、CMV最初期エンハンサー+ニワトリベータアクチン近位プロモーター+イントロンを含む。
図3】本発明による更なる合成プロモーターの概略図であり、CREエンハンサーエレメントが共に示されている図である。こうしたプロモーターは、図1のプロモーターに対応するが、「V1」(LVR_CRE0077_V1)、「V2」(又はLVR_CRE0078_V2)、及び「A1」(又はLVR_CRE0051_AMBP)CREエンハンサーが追加されている。
図4a】LVR_127合成肝臓特異的プロモーターのバリアント、すなわちLVR_127のみにより、並びにLVR_127プロモーターのすぐ上流に追加されたA1、V1、及びV2 CREエンハンサーエレメントを有するLVR_127により駆動された、Huh7細胞におけるルシフェラーゼレポータータンパク質の発現レベルを示すグラフである。この場合も、LP1、CMV-IE、及びCBAプロモーターとの比較が示されている。
図4b】LVR_131合成肝臓特異的プロモーターのバリアント、すなわちLVR_131のみにより、並びにLVR_131プロモーターのすぐ上流に追加されたA1、V1、及びV2 CREエンハンサーエレメントを有するLVR_131により駆動された、Huh7細胞におけるルシフェラーゼレポータータンパク質の発現レベルを示すグラフである。この場合も、LP1、CMV-IE、及びCBAプロモーターとの比較が示されている。
図4c】LVR_132合成肝臓特異的プロモーターのバリアント、すなわちLVR_132のみにより、並びにLVR_132プロモーターのすぐ上流に追加されたA1、V1、及びV2 CREエンハンサーエレメントを有するLVR_132により駆動された、Huh7細胞におけるルシフェラーゼレポータータンパク質の発現レベルを示すグラフである。この場合も、LP1、CMV-IE、及びCBAプロモーターとの比較が示されている。
図4d】LVR_133合成肝臓特異的プロモーターのバリアント、すなわちLVR_133のみにより、並びにLVR_133プロモーターのすぐ上流に追加されたA1、V1、及びV2 CREエンハンサーエレメントを有するLVR_133により駆動された、Huh7細胞におけるルシフェラーゼレポータータンパク質の発現レベルを示すグラフである。この場合も、LP1、CMV-IE、及びCBAプロモーターとの比較が示されている。
図5】LVR_127、LVR_131、LVR_132、及びLVR_133合成肝臓特異的プロモーター並びに図4a図4dに関して示されている通りのそれらのバリアントにより駆動された、HEK-293細胞(すなわち、非肝臓由来細胞)におけるルシフェラーゼレポータータンパク質の発現レベルを示すグラフである。この場合も、LP1、CMV-IE、及びCBAプロモーターとの比較が示されている。
図6】LVR_127、LVR_131、LVR_132、及びLVR_133合成肝臓特異的プロモーター並びに図4a図4dに関して示されている通りのそれらのバリアントにより駆動された、HeLa細胞(すなわち、非肝臓由来細胞)におけるルシフェラーゼレポータータンパク質の発現レベルを示すグラフである。この場合も、LP1、CMV-IE、及びCBAプロモーターとの比較が示されている。
図7A】本発明の実施形態による合成肝臓特異的プロモーターの概略図であり、CREエンハンサーエレメントが共に示されている図である。
図7B】本発明の実施形態による合成肝臓特異的プロモーターの概略図であり、CREエンハンサーエレメントが共に示されている図である。
図7C】本発明の実施形態による合成肝臓特異的プロモーターの概略図であり、CREエンハンサーエレメントが共に示されている図である。
図8】(図8A)本発明の実施形態によるプロモーターの、TBGの活性に対して正規化されたHuh7細胞における平均活性を示す図である。100の相対活性は、TBGの活性と等しい。エラーバーは平均の標準誤差である。エラーバーが存在しない場合、結果は単一の実験からのものである。プロモーターは、相対活性の観点で配置されており、最も高い相対活性を有するプロモーターが最初に示されている。プロモーターは、実施例3で規定されている「群1」のメンバーである。 (図8B図8Aに提示されているプロモーターのHEK293における平均発現を示す図である。各プロモーターの異なる実験の平均相対活性が示されている。エラーバーが存在しない場合、結果は単一の実験からのものである。特異性は、図8Aに提示されているプロモーターの全てではないが大部分について試験及び確認されている。
図9】(図9A)本発明の実施形態によるプロモーターの、TBGの活性に対して正規化されたHuh7細胞における平均活性を示す図である。100の相対活性は、TBGの活性と等しい。エラーバーは平均の標準誤差である。エラーバーが存在しない場合、結果は単一の実験からのものである。プロモーターは、相対活性の観点で配置されており、最も高い相対活性を有するプロモーターが最初に示されている。プロモーターは、実施例3で規定されている「群1」のメンバーである。 (図9B図9Aに提示されているプロモーターのHEK293における平均発現を示す図である。各プロモーターの異なる実験の平均相対活性が示されている。エラーバーが存在しない場合、結果は単一の実験からのものである。特異性は、図9Aに提示されているプロモーターの全てではないが大部分について試験及び確認されている。
図10】(図10A)本発明の実施形態によるプロモーターの、TBGの活性に対して正規化されたHuh7細胞における平均活性を示す図である。100の相対活性は、TBGの活性と等しい。エラーバーは平均の標準誤差である。エラーバーが存在しない場合、結果は単一の実験からのものである。プロモーターは、相対活性の観点で配置されており、最も高い相対活性を有するプロモーターが最初に示されている。プロモーターは、実施例3で規定されている「群2」のメンバーである。プロモーターの一部は、実施例3で規定されている「群1」のメンバーでもある。 (図10B図10Aに提示されているプロモーターのHEK293における平均発現を示す図である。各プロモーターの異なる実験の平均相対活性が示されている。エラーバーが存在しない場合、結果は単一の実験からのものである。特異性は、図10Aに提示されているプロモーターの全てではないが大部分について試験及び確認されている。
図11】(図11A)本発明の実施形態によるプロモーターの、TBGの活性に対して正規化されたHuh7細胞における平均活性を示す図である。100の相対活性は、TBGの活性と等しい。エラーバーは平均の標準誤差である。エラーバーが存在しない場合、結果は単一の実験からものものである。プロモーターは、相対活性の観点で配置されており、最も高い相対活性を有するプロモーターが最初に示されている。 (図11B)プロモーターエレメントCRE0006(SP0154)及びCRE0040(SP0235)のみを含有する2つのプロモーターの平均活性を示す図である。 (図11C図11Aに提示されているプロモーターのHEK293における平均発現を示す図である。各プロモーターの異なる実験の平均相対活性が示されている。エラーバーが存在しない場合、結果は単一の実験からのものである。特異性は、図11Aに提示されているプロモーターの全てではないが大部分について試験及び確認されている。
図12】(図12A)肝臓特異的プロモーターの大規模プール(群「全て」)、少なくとも2つの「コア」CREを含むプロモーター(「群1」)、及びCRE0059又はCRE0006から選択されるプロモーターエレメントに作動可能に連結した少なくとも1つの「コア」CREを含むプロモーター(「群2」)の平均相対活性を示す図である。「群1」(n=49)の平均相対活性は、群「全て」(n=217)の平均相対活性よりも約2倍高い。加えて、「群2」(n=20)の平均相対活性は、群「全て」(n=217)の平均相対活性よりも約3倍高い。エラーバーは、平均の標準誤差である。 (図12B)群「全て」、「群1」、及び「群2」の各々毎に、そのサイズ(塩基対の)で除算された各プロモーターの相対活性の平均値を示す図である。群「全て」と比較した「群1」及び「群2」の性能の向上は、プロモーターのサイズを考慮した場合でさえ存続する。これは、「群1」及び「群2」の性能が群「全て」と比較して優れているのは、群間のプロモーターサイズの差異によるものではないことを示す。
図13】(図13A)特定数のCRE(任意のCRE)を有するプロモーターの平均活性と比較した、特定数のコアCREを有するプロモーターの平均活性を示す図である。1、2、3、又は4つのコアCREエレメントの存在は、1、2、3、又は4つの任意のCREエレメントを有するプロモーターと比較して、活性の増加に関連付けられる。コアCREは、CRE0018(配列番号1)、CRE0042(配列番号2)、CRE0051(配列番号3)、CRE0058(配列番号4)、CRE0065(配列番号5)、CRE0066(配列番号7)、CRE0068(配列番号10)、及びCRE0074(配列番号11)からなる群である。 (図13B)特定数のCRE(任意のCRE)を有するプロモーターのサイズに対する平均活性と比較した、特定数のコアCREを有するプロモーターのサイズ(塩基対での)に対する平均活性を示す図である。1、2、3、又は4つのコアCREエレメントの存在は、1、2、3、又は4つの任意のCREエレメントを有するプロモーターと比較して、サイズ(bp)に対する活性の増加に関連付けられる。これは、特定数の任意のCREを含むプロモーターと比較して、特定数のコアCREを含むプロモーターの活性がより高いことは、プロモーターサイズの差異によるものではないことを示す。
図14】異なるプロモーターにより駆動された、マウスにおける平均in vivoルシフェラーゼ発現を示す図である。発現レベルは、平均生物発光強度総フラックス(1秒当たりの光子数)として示されている。エラーバーは平均の標準誤差である。動物に生理食塩水のみを注射しても(n=10)、ルシフェラーゼ生物発光は検出されない。LP1プロモーターに作動可能に連結したルシフェラーゼを含むコンストラクトを動物に注射すると(n=9)、ルシフェラーゼ生物発光が検出される。肝臓特異的プロモーターの一部の活性を試験するため、SP0244プロモーター(n=8)及びSP0239プロモーター(n=10)に作動可能に連結したルシフェラーゼを含む等価なコンストラクトを動物に注射する。プロモーターSP0244及びSP0239は、対照LP1よりも高いルシフェラーゼ発現を示した。
図15】(図15A)任意の2つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051及びCRE0058の組合せを含むプロモーターの平均相対活性を示す図である。 (図15B)任意の2つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051及びCRE0058の組合せを含むプロモーターのサイズ(塩基対での)に対する平均相対活性を示す図である。これは、任意の2つの肝臓特異的CREを含むプロモーターと比較して、CREであるCRE0051及びCRE0058を含むプロモーターの性能が優れているのは、プロモーターサイズの差異によるものではないことを示す。
図16】(図16A)任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051、CRE0058、及びCRE0065の組合せを含むプロモーターの平均相対活性を示す図である。 (図16B)任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051、CRE0058、及びCRE0065の組合せを含むプロモーターのサイズ(塩基対での)に対する平均相対活性を示す図である。これは、任意の3つの肝臓特異的CREを含むプロモーターと比較して、CREであるCRE0051、CRE0058、及びCRE0065を含むプロモーターの性能が優れているのは、プロモーターサイズの差異によるものではないことを示す。
図17】(図17A)任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051、CRE0058、及びCRE0066の組合せを含むプロモーターの平均相対活性を示す図である。 (図17B)任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051、CRE0058、及びCRE0066の組合せを含むプロモーターのサイズ(塩基対での)に対する平均相対活性を示す図である。これは、任意の3つの肝臓特異的CREを含むプロモーターと比較して、CREであるCRE0051、CRE0058、及びCRE0066を含むプロモーターの性能が優れているのは、プロモーターサイズの差異によるものではないことを示す。
図18】(図18A)任意の4つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066の組合せを含むプロモーターの平均相対活性を示す図である。 (図18B)任意の4つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066の組合せを含むプロモーターのサイズ(塩基対での)に対する平均相対活性を示す図である。これは、任意の4つの肝臓特異的CREを含むプロモーターと比較して、CREであるCRE0051、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066を含むプロモーターの性能が優れているのは、プロモーターサイズの差異によるものではないことを示す。
図19】(図19A)任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051、CRE0065、及びCRE0066の組合せを含むプロモーターの平均相対活性を示す図である。 (図19B)任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051、CRE0065、及びCRE0066の組合せを含むプロモーターのサイズ(塩基対での)に対する平均相対活性を示す図である。これは、任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを含むプロモーターと比較して、シス調節エレメントCRE0051、CRE0065、及びCRE0066を含むプロモーターの性能が優れているのは、プロモーターサイズの差異によるものではないことを示す。
図20】(図20A)任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051、CRE0058、及びCRE0074の組合せを含むプロモーターの平均相対活性を示す図である。 (図20B)任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051、CRE0058、及びCRE0074の組合せを含むプロモーターのサイズ(塩基対での)に対する平均相対活性を示す図である。これは、任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを含むプロモーターと比較して、シス調節エレメントCRE0051、CRE0058、及びCRE0074を含むプロモーターの性能が優れているのは、プロモーターサイズの差異によるものではないことを示す。
図21】(図21A)任意の4つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051、CRE0058、CRE0065、及びCRE0074の組合せを含むプロモーターの平均相対活性を示す図である。 (図21B)任意の4つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0051、CRE0058、CRE0065、及びCRE0074の組合せを含むプロモーターのサイズ(塩基対での)に対する平均相対活性を示す図である。これは、任意の4つの肝臓特異的シス調節エレメントを含むプロモーターと比較して、シス調節エレメントCRE0051、CRE0058、CRE0065、及びCRE0074を含むプロモーターの性能が優れているのは、プロモーターサイズの差異によるものではないことを示す。
図22】(図22A)任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0058、CRE0065、及びCRE0066の組合せを含むプロモーターの平均相対活性を示す図である。 (図22B)任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0058、CRE0065、及びCRE0066の組合せを含むプロモーターのサイズ(塩基対での)に対する平均相対活性を示す図である。これは、任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを含むプロモーターと比較して、シス調節エレメントCRE0058、CRE0065、及びCRE0066を含むプロモーターの性能が優れているのは、プロモーターサイズの差異によるものではないことを示す。
図23】(図23A)任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0058、CRE0065、及びCRE0074の組合せを含むプロモーターの平均相対活性を示す図である。 (図23B)任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを有する群「全て」のプロモーターと比較した、シス調節エレメントCRE0058、CRE0065、及びCRE0074の組合せを含むプロモーターのサイズ(塩基対での)に対する平均相対活性を示す図である。これは、任意の3つの肝臓特異的シス調節エレメントを含むプロモーターと比較して、シス調節エレメントCRE0058、CRE0065、及びCRE0074を含むプロモーターの性能が優れているのは、プロモーターサイズの差異によるものではないことを示す。
図24】(図24A)HNF1AのPWMを示す図である。(図24B)HNF1BのPWMを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0077】
CRE及びそれらの機能的バリアント:
本明細書には、肝臓特異的プロモーターの構築に使用することができる種々のCREが開示されている。こうしたCREは、一般に、ゲノムプロモーター及びエンハンサー配列に由来するが、本明細書では、それらの天然ゲノム環境とは非常に異なる文脈で使用される。一般に、CREは、それらが通常関連付けられている遺伝子の発現を制御する非常により大きなゲノム調節性ドメインの小さな部分を構成する。驚くべきことに、こうしたCREは、その多くが非常に小型であり、それらの通常環境から単離することができ、種々の合成プロモーターを構築するために使用する場合、肝臓特異的調節活性を保持することができることを見出した。これは驚くべきことである。なぜなら、ゲノムにおける複雑で「三次元」の天然の文脈から調節性配列を取り出すと、著しい活性喪失がもたらされることが多いため、所与のCREが、それらの天然環境から取り出されても観察された活性レベルを保持することを予想する理由はないからである。こうしたCREの多数の組合せを試験し、最小プロモーター及び近位プロモーターと組み合わせると、肝臓特異的プロモーター活性の増強に非常に効果的であることを見出した。本発明のCREの配列は、活性の実質的な喪失を引き起こすことなく変更することできることが留意されるべきである。したがって、下記で考察されているCREの機能的バリアントは、CREの活性に著しく有害である修飾が回避される限り、CREの配列を修飾することにより調製することができる。本開示で提供される情報を考慮すれば、機能的バリアントを提供するためのCREの修飾は、難しいものではない。更に、本開示は、任意の所与のCREバリアントの機能性を簡単に評価するための方法論を提供する。各CREの機能的バリアントは、下記で考察されている。
【0078】
本発明によるある特定のCREのサイズが比較的小さいことは、ベクターの最小量のペイロードしか占有せずに、CRE、より具体的にはCREを含有するプロモーターをベクターに提供することが可能になるため有利である。これは、AAVベースのベクター等、容量が限定的であるベクターにCREを使用する場合、特に重要である。
【0079】
CRE0018、CRE0051、CRE0042、CRE0058、CRE0065、CRE0066、CRE0068、及びCRE0074(又はそれらの機能的バリアント)は、種々に組み合わせたそれらの存在が、非常に活性な肝臓特異的プロモーターと一貫して相関することが示されたため、本発明にとって特に興味深い。したがって、こうしたエレメントの2つを含む組合せは、特に有意義である。更に、こうしたCREの1つとプロモーターエレメントCRE0006及びCRE0059との組合せは、非常に活性な肝臓特異的プロモーターと一貫して相関することが示された。理論に束縛されることは望まないが、こうしたCREは、肝臓特異的プロモーター活性の増強に特に効果的であり、多くの場合、CRM/プロモーターに組み合わせると相乗的に作用することができると考えられる。
【0080】
CRE0001、CRE0005、CRE0012、CRE0047、CRE0048、CRE0056、CRE0062、CRE0077、CRE0078、CRE0083.1、及びCRE0089(又はそれらの機能的バリアント)の存在も、程度はより低いものの、高い肝臓特異的活性と相関することを見出した。そのため、一部の場合では、こうしたCREの1つ又は複数の存在が好ましい。理論に束縛されることは望まないが、こうしたCREは、肝臓特異的プロモーター活性の増強にいくらか効果的であり、CRM/プロモーターにおいて、上記で言及されているCREの1つ又は複数と組み合わせると相乗的に作用し得ると考えられる。
【0081】
下記である程度詳細に考察されているように、本発明のCREは、特定の肝臓特異的TFBSを含む。一般に、CREの機能的バリアントでは、こうした肝臓特異的TFBSが依然として機能的であることが望まれる。当業者であれば、TFBS配列は変化しても機能を保持することができることを熟知している。それを考慮すると、典型的には、TFBSの配列は、典型的にはある度合いのバリエーションが存在するコンセンサス配列により説明される。TFBSに生じるバリエーションに関する更なる情報は、所与のヌクレオチドがコンセンサス配列の所与の位置に典型的に見出される頻度を表す位置重み行列(PWM)を使用して説明することができる。TFコンセンサス配列及び関連する位置重み行列の詳細は、例えば、Jaspar又はTransfacデータベース(http://jaspar genereg.net/ 及び http://gene-regulation.com/pub/databases.html)に見出すことができる。この情報により、当業者であれば、CRE機能性を保持し、一部の場合ではそれを増加させる様式で、CREの任意の所与のTFBSの配列を修飾することが可能である。例として、下記に示されている通りのCRE0079に見出されるHNF1のTFBSを考慮する場合、CRE0079におけるHNF1のTFBSは、配列GTTAATTTATAAC(配列番号98)を有する。HNF1のPMWは図24に示されている(HNF1は、2つのサブファミリーメンバーHNF1A及びHNF1Bを有し、TFBS PWMは非常に類似している。HNF1Aアイソフォーム及びHNF1Bアイソフォームの両方のPWMは、それぞれ図24A及び図24Bに示されている)。これを考慮すれば、当業者は、所望のTFに結合する能力を維持させながら、HNF1のTFBSをどのように修飾し得るかについての十分な指針を有する。例えば、Jaspar系は、所与のPWMに対するその類似性に基づき推定TFBSをスコア化することになる。更に、CREをJASPARデータベースの全てのPWMに対して走査して、全てのTFBSを識別/分析することができる。もちろん、当業者であれば、追加の指針を文献に見出すことができ、更に、日常的な実験作業を使用して、任意のバリアントCREにおける推定TFBSに対するTF結合を確認することができる。この例ではHNF1を考察したが、当業者であれば、本明細書で言及されている他のTF及びTFBSについても同じく考察することができる。CREのTFBS内であっても、機能を保持しつつCREに著しい配列修飾をなすことができることは明らかであろう。
【0082】
CRE0018及びその機能的バリアント:
CRE0018は、配列番号1に示されている通りの配列を有する。
【0083】
CRE0018の機能的バリアントは、CRE0018とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを実質的に非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0084】
一部の実施形態では、CRE0018の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0018の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0018の代わりに置換されたCRE0018の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくはその活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0018を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0239を例として考えると、SP0239のCRE0018を、CRE0018の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0085】
一部の実施形態では、CRE0018の機能的バリアントは、CRE0018と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含む。CRE0018に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、IRF、NF1、HNF3、HBLF、RXRa、EF-C、NF1、及びc/EBPである。したがって、CRE0018の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0018に存在するのと同じ順序で、すなわちIRF、NF1、HNF3、HBLF、RXRa、EF-C、NF1、及び次いでc/EBPの順序で存在する。CREがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0086】
一部の実施形態では、CRE0018の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:CTTTCACTTTC(IRF)、TCGCCAA(NF1)、TGTGTAAACA(HNF3)、TGTAAACAATA(HBLF)、CTGAACCTTTACCC(RXRa)、GTTGCCCGGCAAC(EF-C)、CAGGTCTGTGCCAAG(NF1)、TGCCAAGTGTTTG(c/EBP)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 9(表9)を参照)。これらは、CRE0018と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0087】
本発明の一部の実施形態では、CRE0018の機能的バリアントは、以下の配列:
CTTTCACTTTCTCGCCAA-Na-TGTGTAAACAATA-Nb-CTGAACCTTTACCC-Nc-GTTGCCCGGCAAC-Nd-CAGGTCTGTGCCAAGTGTTTG(配列番号268)又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Na、Nb、Nc、及びNdは、任意選択のスペーサー配列を表す。Naは、存在する場合、任意選択で、10~20ヌクレオチド、好ましくは13~17ヌクレオチド、より好ましくは15ヌクレオチド長を有する。Nbは、存在する場合、任意選択で、1~10ヌクレオチド、好ましくは1~5ヌクレオチド、より好ましくは1ヌクレオチド長を有する。Ncは、存在する場合、任意選択で、1~10ヌクレオチド、好ましくは1~5ヌクレオチド、より好ましくは1ヌクレオチド長を有する。Ndは、存在する場合、任意選択で、1~10ヌクレオチド長を有し、好ましくは2~8ヌクレオチド長、より好ましくは3ヌクレオチド長である。
【0088】
一部の実施形態では、CRE0018の機能的バリアントは、好適には、配列番号1と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号1と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0018の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号1とハイブリダイズする配列を含む。
【0089】
本発明の一部の実施形態では、シス調節エンハンサーエレメントは、配列番号1又はその機能的バリアントからなる。
【0090】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号1の相補的配列及び逆相補的配列又はそれらの機能的バリアントは、本発明の範囲内に入る。配列番号1又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0091】
一部の好ましい実施形態では、CRE0018又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、200個以下のヌクレオチド、150個以下のヌクレオチド、125個以下のヌクレオチド、又は103個以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0092】
CRE0042及びその機能的バリアント:
CRE0042は、配列番号2に示されている通りの配列を有する。
【0093】
CRE0042の機能的バリアントは、CRE0042とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを実質的に非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0094】
一部の実施形態では、CRE0042の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0042の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0042の代わりに置換されたCRE0042の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0042を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0239を例として考えると、SP0380のCRE0042を、CRE0042の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0095】
一部の実施形態では、CRE0042の機能的バリアントは、CRE0042と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含む。CRE0042に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、HNF-3、C/EBP、HNF-4、及びC/EBPである。したがって、CRE0042の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0042に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF-3、C/EBP、HNF-4、及び次いでC/EBPの順序で存在する。シス調節エレメントがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0096】
一部の実施形態では、CRE0042の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:GTTCAAACATG(HNF-3)、CTAATACTCTG(C/EBP)、TGCAAGGGTCAT(HNF-4)、及びTTACTCAACA(C/EBP)、及びそれらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(配列番号はTable 10(表10)を参照)。これらは、CRE0042と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0097】
本発明の一部の実施形態では、CRE0042の機能的バリアントは、以下の配列:
GTTCAAACATG-Na-CTAATACTCTG-Nb-TGCAAGGGTCAT-Nc-TTACTCAACA(配列番号269)又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Na、Nb、及びNcは、任意選択のスペーサー配列を表す。Naは、存在する場合、任意選択で、10~20ヌクレオチド、好ましくは1~5ヌクレオチド、より好ましくは2ヌクレオチド長を有する。Nbは、存在する場合、任意選択で、1~10ヌクレオチド、好ましくは2~6ヌクレオチド、より好ましくは4ヌクレオチド長を有する。Ncは、存在する場合、任意選択で、8~23ヌクレオチド、好ましくは10~20ヌクレオチド、より好ましくは15ヌクレオチド長を有する。
【0098】
一部の実施形態では、CRE0042の機能的バリアントは、好適には、配列番号2と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号2と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0042の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号2にハイブリダイズする配列を含む。
【0099】
本発明の一部の実施形態では、シス調節エンハンサーエレメントは、CRE0042又はその機能的バリアントからなる。
【0100】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号2の相補的配列及び逆相補的配列又はそれらの機能的バリアントは、本発明の範囲内に入る。配列番号2又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0101】
一部の好ましい実施形態では、CRE0042又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、100以下のヌクレオチド、又は80以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0102】
CRE0051及びその機能的バリアント:
CRE0051(A1又はアルファmic/bikとしても知られる)は、配列番号3に示されている通りの配列を有する。
【0103】
CRE0051の機能的バリアントは、CRE0051と異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを実質的に非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0104】
一部の実施形態では、CRE0051の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0051の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0051の代わりに置換されたCRE0051の機能的バリアントを含む肝臓プロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する。例えば、プロモーターSP0373を例として考えると、SP0239のCRE0051を、CRE0051の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0105】
一部の実施形態では、CRE0051の機能的バリアントは、CRE0051と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含む。CRE0051に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、HNF1、HNF4、HNF3、HNF1、及びHNF3である。したがって、CRE0051の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0051に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF1、HNF4、HNF3、HNF1、次いでHNF3の順序で存在する。シス調節エレメントがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0106】
一部の実施形態では、CRE0051の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:GTTAATTTTTAAA(HNF1)、GTGGCCCTTGG(HNF4)、TGTTTGC(HNF3)、TGGTTAATAATCTCA(HNF1)、次いでACAAACA(HNF3)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 11(表11)を参照)。これらは、CRE0051と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0107】
本発明の一部の実施形態では、CRE0051の機能的バリアントは、以下の配列:
GTTAATTTTTAAA-Na-GTGGCCCTTGG-Nb-TGTTTGC-Nc-TGGTTAATAATCTCA-Nd-ACAAACA(配列番号270)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Na、Nb、Nc、及びNdは、任意選択のスペーサー配列を表す。Naは、存在する場合、任意選択で、10~26ヌクレオチド、好ましくは14~22ヌクレオチド、より好ましくは18ヌクレオチド長を有する。Nbは、存在する場合、任意選択で、8~22ヌクレオチド、好ましくは12~20ヌクレオチド、より好ましくは16ヌクレオチド長を有する。Ncは、存在する場合、任意選択で、1~10ヌクレオチド、好ましくは1~5ヌクレオチド、より好ましくは2ヌクレオチド長を有する。Ndは、存在する場合、任意選択で、1~13ヌクレオチド長を有し、好ましくは2~9ヌクレオチド長、より好ましくは5ヌクレオチド長である。
【0108】
一部の実施形態では、CRE0051の機能的バリアントは、好適には、配列番号3と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号3と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、配列番号3の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号3にハイブリダイズする配列を含む。
【0109】
本発明の一部の実施形態では、シス調節エンハンサーエレメントは、配列番号3又はその機能的バリアントからなる。
【0110】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号3の相補的配列及び逆相補的配列又はそれらの機能的バリアントは、本発明の範囲内に入る。配列番号3又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0111】
一部の好ましい実施形態では、CRE0051又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、又は100以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0112】
CRE0058及びその機能的バリアント:
CRE0058は、配列番号4に示されている通りの配列を有する。
【0113】
CRE0058の機能的バリアントは、CRE0058とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0114】
一部の実施形態では、CRE0058の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0058の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0058の代わりに置換されたCRE0058の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0058を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0373を例として考えると、SP0373のCRE0058を、CRE0058の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0115】
一部の実施形態では、CRE0058(配列番号4)の機能的バリアントは、CRE0058と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0058に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、HNF4及びc/EBPである。したがって、CRE0058の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0058に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF4、次いでc/EBPの順序で存在する。シス調節エレメントがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0116】
一部の実施形態では、CRE0058の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:CGCCCTTTGGACC(HNF4)及びGACCTTTTGCAATCCTGG(c/EBP)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 12(表12)を参照)。これらは、CRE0058と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0117】
本発明の一部の実施形態では、CRE0058の機能的バリアントは、以下の配列:
GCGCCCTTTGGACCTTTTGCAATCCTGG(配列番号271)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。
【0118】
一部の実施形態では、CRE0058の機能的バリアントは、好適には、配列番号4と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号4と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0058の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号4にハイブリダイズする配列を含む。
【0119】
本発明の一部の実施形態では、シス調節エンハンサーエレメントは、配列番号4又はその機能的バリアントからなる。
【0120】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号4の相補的配列及び逆相補的配列又はそれらの機能的バリアントは、本発明の範囲内に入る。配列番号4又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も本発明の範囲内に入る。
【0121】
一部の好ましい実施形態では、CRE0058又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、120以下のヌクレオチド、80以下のヌクレオチド、60以下のヌクレオチド、又は40以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0122】
CRE0065及びその機能的バリアント:
CRE0065(LVR_CRE0065_APOA1としても知られる)は、配列番号5に示されている通りの配列を有する。
【0123】
CRE0065の機能的バリアントは、CRE0065と異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0124】
一部の実施形態では、CRE0065の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0065の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0065の代わりに置換されたCRE0065の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0065を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0239を例として考えると、SP0239のCRE0065を、CRE0065の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0125】
一部の実施形態では、CRE0065の機能的バリアントは、CRE0065と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0065に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、RXRアルファ、HNF3、及びHNF3である。したがって、CRE0065の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0065に存在するのと同じ順序で、すなわちRXRアルファ、HNF3、次いでHNF3の順序で存在する。シス調節エレメントがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0126】
一部の実施形態では、CRE0065の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:ACTGAACCCTTGACCCCTGCCCT(RXRアルファ)、CTGTTTGCCC(HNF3)、及びCTATTTGCCC(HNF3)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 13(表13)を参照)。これらは、CRE0065と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0127】
本発明の一部の実施形態では、CRE0065の機能的バリアントは、以下の配列:
ACTGAACCCTTGACCCCT-Na-CTGTTTGCCC-Nb-TATTTGCCC(配列番号272)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Na及びNbは、任意選択のスペーサー配列を表す。Naは、存在する場合、任意選択で、14~30ヌクレオチド、好ましくは18~26ヌクレオチド、より好ましくは22ヌクレオチド長を有する。Nbは、存在する場合、任意選択で、1~10ヌクレオチド、好ましくは2~6ヌクレオチド、より好ましくは4ヌクレオチド長を有する。
【0128】
一部の実施形態では、CRE0065の機能的バリアントは、好適には、配列番号5と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号5と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0065の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号5にハイブリダイズする配列を含む。
【0129】
本発明の一部の実施形態では、シス調節エンハンサーエレメントは、配列番号5又はその機能的バリアントからなる。
【0130】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号5の相補的配列及び逆相補的配列又はそれらの機能的バリアントは、本発明の範囲内に入る。配列番号5又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も本発明の範囲内に入る。
【0131】
一部の好ましい実施形態では、CRE0065又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、90以下のヌクレオチド、又は72以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0132】
CRE0065.1及びその機能的バリアント:
CRE0065.1(LVR_CRE0065_APOA1_v1としても知られる)は、配列番号6に示されている通りの配列を有する。CRE0065.1は、CRE0065全体及び3'末端の追加の34個のヌクレオチドを含む。CRE0065.1は、CRE0065のより長い機能的等価物であるとみなすことができる。
【0133】
CRE0065.1の機能的バリアントは、CRE0065.1とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0134】
一部の実施形態では、CRE0065.1の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0065.1の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0065.1の代わりに置換されたCRE0065.1の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0065.1を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0127A1を例として考えると、SP0127A1のCRE0065.1を、CRE0065.1の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0135】
一部の実施形態では、CRE0065.1の機能的バリアントは、CRE0065.1と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0065.1に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、RXRアルファ、HNF3、HNF3、及びHNF4である(すなわち、CRE0065.1は、CRE0065と比較して追加のHNF4 TFBSを含む)。したがって、CRE0065.1の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0065.1に存在するのと同じ順序で、すなわちRXRアルファ、HNF3、HNF3、次いでHNF4の順序で存在する。シス調節エレメントがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0136】
一部の実施形態では、CRE0065.1の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:ACTGAACCCTTGACCCCTGCCCT(RXRアルファ)、CTGTTTGCCC(HNF3)、CTATTTGCCC(HNF3)、及びTGATCCTTGAACTCT(HNF4)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 14(表14)を参照)。これらは、CRE0065.1と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0137】
本発明の一部の実施形態では、CRE0065.1の機能的バリアントは、以下の配列:
ACTGAACCCTTGACCCCT-Na-CTGTTTGCCC-Nb-TATTTGCCC-Nc-TGATCCTTGAACTCT(配列番号273)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Na、Nb、及びNcは、任意選択のスペーサー配列を表す。Naは、存在する場合、任意選択で、14~30ヌクレオチド、好ましくは18~26ヌクレオチド、より好ましくは22ヌクレオチド長を有する。Nbは、存在する場合、任意選択で、1~10ヌクレオチド、好ましくは2~6ヌクレオチド、より好ましくは4ヌクレオチド長を有する。Ncは、存在する場合、任意選択で、9~25ヌクレオチド、好ましくは13~21ヌクレオチド、より好ましくは17ヌクレオチド長を有する。
【0138】
一部の実施形態では、CRE0065.1の機能的バリアントは、好適には、配列番号6と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号6と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0065.1の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号6にハイブリダイズする配列を含む。
【0139】
本発明の一部の実施形態では、シス調節エンハンサーエレメントは、CRE0065.1又はその機能的バリアントからなる。
【0140】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号6又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号6又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も本発明の範囲内に入る。
【0141】
一部の好ましい実施形態では、CRE0065.1又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、又は106以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0142】
CRE0066及びその機能的バリアント:
CRE0066(Enh_18XSとしても知られる)は、配列番号7に示されている通りの配列を有する。
【0143】
CRE0066の機能的バリアントは、CRE0066とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0144】
一部の実施形態では、CRE0066の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0066の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0066の代わりに置換されたCRE0066の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0066を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0239を例として考えると、SP0239のCRE0066を、CRE0066の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0145】
一部の実施形態では、CRE0066の機能的バリアントは、CRE0066と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0066に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、HNF4G及びFOS::JUNである。したがって、CRE0066の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0066に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF4G、次いでFOS::JUNの順序で存在する。シス調節エレメントがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0146】
一部の実施形態では、CRE0066の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:GCAGGGCAAAGTGCA(HNF4G)及びGATGACTCAG(FOS::JUN)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(配列番号はTable 15(表15)を参照)。これらは、CRE0066と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0147】
本発明の一部の実施形態では、CRE0066(配列番号7)の機能的バリアントは、以下の配列:
GCAGGGCAAAGTGCA-Na-GATGACTCAG(配列番号274)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Naは、任意選択のスペーサー配列を表す。Naは、存在する場合、任意選択で、10~28ヌクレオチド、好ましくは14~24ヌクレオチド、より好ましくは19ヌクレオチド長を有する。
【0148】
一部の実施形態では、CRE0066の機能的バリアントは、好適には、配列番号7と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号7と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0066の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号7にハイブリダイズする配列を含む。
【0149】
本発明の一部の実施形態では、シス調節エンハンサーエレメントは、CRE0066又はその機能的バリアントからなる。
【0150】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号7又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号7又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も本発明の範囲内に入る。
【0151】
一部の好ましい実施形態では、CRE0066又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、100以下のヌクレオチド、又は87以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0152】
CRE0066.2及びその機能的バリアント:
CRE0066.2(LVR_CRE0066_v2又はEnh_18Sとしても知られる)は、配列番号8に示されている通りの配列を有する。CRE0066.2は、CRE0066全体を含み、3'末端に追加の81個のヌクレオチドを有する。CRE0066.2は、CRE0066のより長い機能的バリアントであるとみなすことができる。
【0153】
CRE0066.2の機能的バリアントは、CRE0066.2とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0154】
一部の実施形態では、CRE0066.2の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0066.2の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0066.2の代わりに置換されたCRE0066.2の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0066.2を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0109を例として考えると、SP0109のCRE0066.2を、CRE0066.2の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0155】
CRE0066.2は、CRE0066と同じ肝臓特異的TFBSのTFBSを含有し、したがって関連TFBSの好ましい存在及び位置に関して同じ考慮事項が該当する。
【0156】
一部の実施形態では、CRE0066.2の機能的バリアントは、好適には、配列番号8と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号8と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0066.2の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号8にハイブリダイズする配列を含む。
【0157】
本発明の一部の実施形態では、シス調節エンハンサーエレメントは、配列番号8又はその機能的バリアントからなる。
【0158】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号8又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号8又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も本発明の範囲内に入る。
【0159】
CRE0066.1及びその機能的バリアント:
CRE0066.1(LVR_CRE0066_v1又はEnh_18としても知られる)は、配列番号9に示されている通りの配列を有する。CRE0066.1は、CRE0066及びCRE0066.2の両方の全体を含み、CRE0066と比較して3'末端に追加の154個のヌクレオチドを有する。CRE0066.1は、CRE0066及びCRE0066.2の各々より長い機能的バリアントであるとみなすことができる。
【0160】
CRE0066.1の機能的バリアントは、CRE0066.1とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0161】
一部の実施形態では、CRE0066.1の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0066.1の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0066.1の代わりに置換されたCRE0066.1の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0066.1を含む参照プロモーターと比較して)。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0162】
CRE0066.1は、CRE0066と同じ肝臓特異的TFBSのTFBSを含有し、したがって関連TFBSの好ましい存在及び位置に関して同じ考慮事項が該当する。
【0163】
一部の実施形態では、CRE0066.1の機能的バリアントは、好適には、配列番号9と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号9と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0066.1の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号9にハイブリダイズする配列を含む。
【0164】
本発明の一部の実施形態では、シス調節エンハンサーエレメントは、配列番号9又はその機能的バリアントからなる。
【0165】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号9又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号9又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も本発明の範囲内に入る。
【0166】
CRE0068及びその機能的バリアント:
CRE0068は、配列番号10に示されている通りの配列を有する。
【0167】
CRE0068の機能的バリアントは、CRE0068とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0168】
一部の実施形態では、CRE0068の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0068の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0068の代わりに置換されたCRE0068の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0068を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0379を例として考えると、SP0379のCRE0068を、CRE0068の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0169】
一部の実施形態では、CRE0068の機能的バリアントは、CRE0068と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0068に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、HNF-4、HNF-1/HNF-3、及びSP1である。したがって、CRE0068の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0068に存在するのと同じ順序で、すなわち上記の順序で存在する。シス調節エレメントがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0170】
一部の実施形態では、CRE0068の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:TTCCTGCTCTTTGTCCC(HNF4)、AGACTAATATTTGCC(HNF-1/HNF-3)、及びATGGGGGAGGGACAG(SP1)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 16(表16)を参照)。これらは、CRE0068と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0171】
本発明の一部の実施形態では、CRE0068の機能的バリアントは、以下の配列:
TTCCTGCTCTTTGTCCC-Na-AGACTAATATTTGCC-Nb-ATGGGGGAGGGACAG(配列番号275)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Na及びNbは、任意選択のスペーサー配列を表す。Naは、存在する場合、任意選択で、4~20ヌクレオチド、好ましくは8~16ヌクレオチド、より好ましくは12ヌクレオチド長を有する。Nbは、存在する場合、任意選択で、10~30ヌクレオチド、好ましくは15~25ヌクレオチド、より好ましくは20ヌクレオチド長を有する。
【0172】
一部の実施形態では、CRE0068の機能的バリアントは、好適には、配列番号10と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号10と少なくとも80%、90%、95%又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0068の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号10にハイブリダイズする配列を含む。
【0173】
本発明の一部の実施形態では、シス調節エンハンサーエレメントは、CRE0068又はその機能的バリアントからなる。
【0174】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号10又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号10又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も本発明の範囲内に入る。
【0175】
一部の好ましい実施形態では、CRE0068又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、又は100以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0176】
CRE0074及びその機能的バリアント:
CRE0074(SEPP1としても知られる)は、配列番号11に示されている通りの配列を有する。
【0177】
CRE0074の機能的バリアントは、CRE0074とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0178】
一部の実施形態では、CRE0068の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0074の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0074の代わりに置換されたCRE0074の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0074を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0379を例として考えると、SP0268のCRE0074を、CRE0074の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0179】
一部の実施形態では、CRE0074の機能的バリアントは、CRE0074と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0074に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、HNF4及びFoxO1aである。したがって、CRE0074の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0074に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF4、次いでFoxO1aの順序で存在する。シス調節エレメントがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0180】
一部の実施形態では、CRE0074の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:AACATTGAACTTTGGACTA(HNF4)及びGTAAACAA(FoxO1a)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 17(表17)を参照)。これらは、CRE0074と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0181】
本発明の一部の実施形態では、CRE0074の機能的バリアントは、以下の配列:
AACATTGAACTTTGGACTA-Na-GTAAACAA(配列番号276)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Naは、任意選択のスペーサー配列を表す。Naは、存在する場合、任意選択で、7~23ヌクレオチド、好ましくは11~19ヌクレオチド、より好ましくは15ヌクレオチド長を有する。
【0182】
一部の実施形態では、CRE0074の機能的バリアントは、好適には、配列番号11と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号11と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、配列番号11の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号11にハイブリダイズする配列を含む。
【0183】
本発明の一部の実施形態では、シス調節エンハンサーエレメントは、配列番号11又はその機能的バリアントからなる。
【0184】
CRE0074又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号11又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号11又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も本発明の範囲内に入る。
【0185】
一部の好ましい実施形態では、CRE0074又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、100以下のヌクレオチド、80以下のヌクレオチド、又は61以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0186】
CRE0001及びその機能的バリアント:
CRE0001は、配列番号12に示されている通りの配列を有する。
【0187】
CRE0001の機能的バリアントは、CRE0001とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0188】
一部の実施形態では、CRE0001の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0001の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0001の代わりに置換されたCRE0001の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0001を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0250を例として考えると、SP0250のCRE0001を、CRE0001の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0189】
一部の実施形態では、CRE0001の機能的バリアントは、CRE0001と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0001に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、HNF-4、HNF-1、HNF-3、及びHNF-4である。したがって、CRE0018の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0018に存在するのと同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在する。CREがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流の方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0190】
一部の実施形態では、CRE0001の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:TCCAAAGTCCAAA(HNF-4)、TGTTAATAATTAATA(HNF-1)、CAATAAACATCA(HNF-3)、TTCCCTTTGAACCTT(HNF-4)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 18(表18)を参照)。これらは、CRE0018と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0191】
本発明の一部の実施形態では、CRE0001の機能的バリアントは、以下の配列:
TCCAAAGTCCAAA-Na-TGTTAATAATTAATA-Nb-CAATAAACATCA-Nc-TTCCCTTTGAACCTT(配列番号277)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Na、Nb、及びNcは、任意選択のスペーサー配列を表す。Naは、存在する場合、任意選択で、1~10ヌクレオチド、好ましくは2~6ヌクレオチド、より好ましくは3ヌクレオチド長を有する。Nbは、存在する場合、任意選択で、1~10ヌクレオチド、好ましくは2~6ヌクレオチド、より好ましくは3ヌクレオチド長を有する。Ncは、存在する場合、任意選択で、11~31ヌクレオチド、好ましくは16~26ヌクレオチド、より好ましくは21ヌクレオチド長を有する。
【0192】
一部の実施形態では、CRE0001の機能的バリアントは、好適には、配列番号12と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号12と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0001の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号12にハイブリダイズする配列を含む。
【0193】
本発明の一部の実施形態では、シス調節エンハンサーエレメントは、配列番号12又はその機能的バリアントからなる。
【0194】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号12又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号12又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0195】
一部の好ましい実施形態では、CRE0001又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、400以下のヌクレオチド、300以下のヌクレオチド、250以下のヌクレオチド、又は201以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0196】
CRE0005及びその機能的バリアント:
CRE0005は、配列番号13に示されている通りの配列を有する。
【0197】
CRE0005の機能的バリアントは、CRE0005とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0198】
一部の実施形態では、CRE0005の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0005の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0005の代わりに置換されたCRE0005の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0005を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0256を例として考えると、SP0256のCRE0005を、CRE0005の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。.肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0199】
CRE0005のバイオインフォマティクス分析は、CRE0005が、公知の肝臓特異的TFBSを一切含有していないと考えられることを明らかにした。それにも関わらず、本発明者らは、CRE0005がそれにも関わらずプロモーターの肝臓特異的活性に寄与すると決定した。理論に束縛されることは望まないが、これは、肝臓特異的TFBSを含有する他のCREと協同的に相互作用してそれらの活性を増強するためである可能性がある。
【0200】
一部の実施形態では、CRE0005の機能的バリアントは、配列番号13と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号13と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0005の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号13にハイブリダイズする配列を含む。
【0201】
本発明の一部の実施形態では、CREは、配列番号13又はその機能的バリアントからなる。
【0202】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号13又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号13又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0203】
一部の好ましい実施形態では、CRE0005又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、400以下のヌクレオチド、325以下のヌクレオチド、275以下のヌクレオチド、又は232以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0204】
CRE0012及びその機能的バリアント:
CRE0012は、配列番号14に示されている通りの配列を有する。
【0205】
CRE0012の機能的バリアントは、CRE0012とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0206】
一部の実施形態では、CRE0012の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0012の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0012の代わりに置換されたCRE0012の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0012を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0243を例として考えると、SP0243のCRE0012を、CRE0012の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0207】
一部の実施形態では、CRE0012の機能的バリアントは、CRE0012と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0012に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、HNF-4、HNF-3、HNF-3、及びC/EBPである。したがって、CRE0012の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0012に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF-4、HNF-3、HNF-3、及び次いでC/EBPの順序で存在する。CREがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0208】
一部の実施形態では、CRE0012の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:AAGTCCAAAGGTAGA(HNF-4)、GAGTCAACATGA(HNF-3)、AAATGTTGACTG(HNF-3)、及びGGTTGCTTAAT(C/EBP)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 19(表19)を参照)。これらは、CRE0012と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0209】
本発明の一部の実施形態では、CRE0012の機能的バリアントは、以下の配列:
AAGTCCAAAGGTAGA-Na-GAGTCAACATGA-Nb-AAATGTTGACTG-Nc-GGTTGCTTAAT(配列番号278)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Na、Nb、及びNcは、任意選択のスペーサー配列を表す。Naは、存在する場合、任意選択で、23~43ヌクレオチド、好ましくは28~38ヌクレオチド、より好ましくは33ヌクレオチド長を有する。Nbは、存在する場合、任意選択で、38~58ヌクレオチド、好ましくは42~53ヌクレオチド、より好ましくは48ヌクレオチド長を有する。Ncは、存在する場合、任意選択で、8~28ヌクレオチド、好ましくは13~23ヌクレオチド、より好ましくは18ヌクレオチド長を有する。
【0210】
一部の実施形態では、CRE0012の機能的バリアントは、好適には、配列番号14と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号14と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0012の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号14にハイブリダイズする配列を含む。
【0211】
本発明の一部の実施形態では、CREは、配列番号14又はその機能的バリアントからなる。
【0212】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号14又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号14又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0213】
一部の好ましい実施形態では、CRE0012又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、400以下のヌクレオチド、300以下のヌクレオチド、250以下のヌクレオチド、又は200以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0214】
CRE0047及びその機能的バリアント:
CRE0047は、配列番号15に示されている通りの配列を有する。
【0215】
CRE0047の機能的バリアントは、CRE0047とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0216】
一部の実施形態では、CRE0047の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0047の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0047の代わりに置換されたCRE0047の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0047を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0258を例として考えると、SP0258のCRE0047を、CRE0047の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0217】
一部の実施形態では、CRE0047の機能的バリアントは、CRE0047と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0047に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、HNF-3及びC/EBPである。したがって、CRE0047の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSを両方とも含む。好ましくは、TFBSは、CRE0047に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF-3及び次いでC/EBPの順序で存在する。CREがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0218】
一部の実施形態では、CRE0047の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:GCAATGTTTGCCCAT(HNF-3)、TGTTTGCCCAT(C/EBP)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 20(表20)を参照)。これらは、CRE0047と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0219】
本発明の一部の実施形態では、CRE0047の機能的バリアントは、以下の配列:
GCAATGTTTGCCCAT(配列番号279)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含む。
【0220】
一部の実施形態では、CRE0047の機能的バリアントは、好適には、配列番号15と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号15と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0047の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号15にハイブリダイズする配列を含む。
【0221】
本発明の一部の実施形態では、CREは、配列番号15又はその機能的バリアントからなる。
【0222】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号15又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号15又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0223】
一部の好ましい実施形態では、CRE0047又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、100以下のヌクレオチド、50以下のヌクレオチド、又は35以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0224】
CRE0048及びその機能的バリアント:
CRE0048は、配列番号16に示されている通りの配列を有する。
【0225】
CRE0048の機能的バリアントは、CRE0048とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0226】
一部の実施形態では、CRE0048の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0048の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0048の代わりに置換されたCRE0048の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0048を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0378を例として考えると、SP0378のCRE0048を、CRE0048の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0227】
CRE0048のバイオインフォマティクス分析は、CRE0048が、公知の肝臓特異的TFBSを一切含有していないと考えられることを明らかにした。それにも関わらず、本発明者らは、CRE0005がそれにも関わらずプロモーターの肝臓特異的活性に寄与すると決定した。理論に束縛されることは望まないが、これは、肝臓特異的TFBSを含有する他のCREと協同的に相互作用してそれらの活性を増強するためである可能性がある。
【0228】
本発明の一部の実施形態では、CRE0048の機能的バリアントは、配列番号16と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号16と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0048の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号16にハイブリダイズする配列を含む。
【0229】
本発明の一部の実施形態では、CREは、配列番号16又はその機能的バリアントからなる。
【0230】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号16又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号16又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0231】
一部の好ましい実施形態では、CRE0048又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、又は92以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0232】
CRE0056及びその機能的バリアント:
CRE0056は、配列番号17に示されている通りの配列を有する。
【0233】
CRE0056の機能的バリアントは、CRE0056とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0234】
一部の実施形態では、CRE0056の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0056の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0056の代わりに置換されたCRE0056の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0056を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0380を例として考えると、SP0380のCRE0056を、CRE0056の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0235】
一部の実施形態では、CRE0056の機能的バリアントは、CRE0056と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0056に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、HNF-4及びHNF-3である。したがって、CRE0056の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSを両方とも含む。好ましくは、TFBSは、CRE0056に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF-4及び次いでHNF-3の順序で存在する。CREがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0236】
一部の実施形態では、CRE0056の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:ACTGAACCCTTGACCCCTGCCCT(HNF-4)及びTGCCCACTCTATTTGCCCAGCC(HNF-3)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 21(表21)を参照)。これらは、CRE0056と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0237】
本発明の一部の実施形態では、CRE0056の機能的バリアントは、以下の配列:
ACTGAACCCTTGACCCCTGCCCT-Na-TGCCCACTCTATTTGCCCAGCC(配列番号280)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Naは、任意選択のスペーサー配列を表す。Naは、存在する場合、任意選択で、12~32ヌクレオチド、好ましくは17~27ヌクレオチド、より好ましくは22ヌクレオチド長を有する。
【0238】
一部の実施形態では、CRE0056の機能的バリアントは、好適には、配列番号17と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号17と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0056の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号17にハイブリダイズする配列を含む。
【0239】
本発明の一部の実施形態では、CREは、配列番号17又はその機能的バリアントからなる。
【0240】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号17又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号17又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0241】
一部の好ましい実施形態では、CRE0056又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、200以下のヌクレオチド、150個以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、100以下のヌクレオチド、又は79以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0242】
CRE0062及びその機能的バリアント:
CRE0062は、配列番号18に示されている通りの配列を有する。
【0243】
CRE0062の機能的バリアントは、CRE0062とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0244】
一部の実施形態では、CRE0062の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0062の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0062の代わりに置換されたCRE0062の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0062を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0381を例として考えると、SP0381のCRE0062を、CRE0062の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0245】
一部の実施形態では、CRE0062の機能的バリアントは、CRE0062と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0062に存在する肝臓特異的TFBSは、それらが存在する順に列挙すると、HNF-4、HNF-4、及びHNF-3である。したがって、CRE0062の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0062に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF-4、HNF-4、及び次いでHNF-3の順序で存在する。CREがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0246】
一部の実施形態では、CRE0062の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:AGATTCCAAAGTTCA(HNF-4)、ACCAAAGTTCAGA(HNF-4)、GTTATTTACAA(HNF-3)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 22(表22)を参照)。これらは、CRE0062と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0247】
本発明の一部の実施形態では、CRE0062の機能的バリアントは、以下の配列:
AGAGATTCCAAAGTTCA-Na-ACCAAAGTTCAGA-Nb-GTTATTTACAA(配列番号281)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Na及びNbは、任意選択のスペーサー配列を表す。Naは、存在する場合、任意選択で、1~13ヌクレオチド、好ましくは2~8ヌクレオチド、より好ましくは3ヌクレオチド長を有する。Nbは、存在する場合、任意選択で、1~18ヌクレオチド、好ましくは3~13ヌクレオチド、より好ましくは8ヌクレオチド長を有する。
【0248】
一部の実施形態では、CRE0062の機能的バリアントは、好適には、配列番号18と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号18と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0062の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号18にハイブリダイズする配列を含む。
【0249】
本発明の一部の実施形態では、CREは、配列番号18又はその機能的バリアントからなる。
【0250】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号18又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号18又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0251】
一部の好ましい実施形態では、CRE0062又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、100以下のヌクレオチド、又は85以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0252】
CRE0077及びその機能的バリアント:
CRE0077は、配列番号19に示されている通りの配列を有する。
【0253】
CRE0077の機能的バリアントは、CRE0077とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0254】
一部の実施形態では、CRE0077の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0077の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0077の代わりに置換されたCRE0077の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0077を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0405を例として考えると、SP0405のCRE0077を、CRE0077の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0255】
一部の実施形態では、CRE0077(配列番号19)の機能的バリアントは、CRE0077と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0077に存在する肝臓特異的TFBSは、順に(5'から3'への)列挙すると、HNF3、HNF3、HNF1、HNF3、及びHNF3である。したがって、CRE0077の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSの全てを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0077に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF3、HNF3、HNF1、HNF3、次いでHNF3の順序で存在する。シス調節エレメントがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。隣接TFBS間にスペーサー配列が提供されていてもよい。一部の実施形態では、TFBSは、好適には、それらが依然として機能的である限り、すなわち重複する配列が両方ともそれぞれのTFに結合することができる限り、重複していてもよい。
【0256】
一部の実施形態では、CRE0077の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:AGCAAATATTT(HNF3)、AAATATTTGTGG(HNF3)、GGTTATGGATTAACT(HNF1)、CTGTTTGCCC(HNF3)、CTATTTGCCC(HNF3)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 23(表23)を参照)。これらは、CRE0077と同じ順序で、すなわち上記に示されている順序で存在してもよい。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が存在し、典型的にはそこからある度合いの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0257】
本発明の一部の実施形態では、CRE0077の機能的バリアントは、以下の配列:
AGCAAATATTTGTGGTTATGGATTAACT-Na-CTGTTTGCCC-Nb-CTATTTGCCC(配列番号282)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含み、
配列中、Na及びNbは、任意選択のスペーサー配列を表す。スペーサー配列Na及びNbは、存在する場合、好適には0~10ヌクレオチド長である。任意選択で、Naは、2~8ヌクレオチド長、好ましくは3~6ヌクレオチド長、より好ましくは4ヌクレオチド長である。任意選択で、Nbは、2~8ヌクレオチド長、好ましくは2~6ヌクレオチド長、より好ましくは3ヌクレオチド長である。
【0258】
本発明の一部の実施形態では、CRE0077の機能的バリアントは、配列番号19と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号19と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0077の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号19にハイブリダイズする配列を含む。
【0259】
本発明の一部の実施形態では、CREは、配列番号19又はその機能的バリアントからなる。
【0260】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号19又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号19又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0261】
一部の好ましい実施形態では、CRE0077又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、100以下のヌクレオチド、75以下のヌクレオチド、又は56以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0262】
CRE0078及びその機能的バリアント:
CRE0078は、配列番号20に示されている通りの配列を有する。
【0263】
CRE0078の機能的バリアントは、CRE0078とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0264】
一部の実施形態では、CRE0078の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0078の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0078の代わりに置換されたCRE0078の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0078を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0270を例として考えると、SP0270のCRE0078を、CRE0078の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0265】
一部の実施形態では、CRE0078(配列番号20)の機能的バリアントは、CRE0078と同じ肝臓特異的転写因子(TF)の転写因子結合部位(TFBS)を含むことが好ましい。CRE0078に存在する肝臓特異的TFBSは、順に列挙すると、HNF-4、c/EBP、HNF3、及びHNF3である。したがって、CRE0078の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0078に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF4、c/EBP、HNF3、及びHNF3の順序で存在する。シス調節エレメントがプロモーター及び遺伝子に関連付けられる場合、この順序は、好ましくは、上流から下流への方向(すなわち、転写開始部位(TSS)の遠位からTSSに対して近位への方向)であるとみなされる。一部の実施形態では、TFBSは重複しているが、依然として機能的であり、すなわち重複する配列は、両方ともそれぞれのTFに結合することができる。
【0266】
一部の実施形態では、CRE0078の機能的バリアントは、以下のTFBS配列:CGCCCTTTGGACC(HNF4)、GACCTTTTGCAATCCTGG(c/EBP)、CTGTTTGCT(HNF3)、GTGTTTGCTG(HNF3)、それらに相補的な配列、又はそれぞれのTFに結合する能力を維持する、こうしたTFBS配列の機能的バリアントを含む(TFBS配列番号はTable 24(表24)を参照)。TFBSに関連付けられる配列変動性が存在し、所与のTFBSには、典型的にはコンセンサス配列が多重配列アラインメントに基づいて規定され、典型的にはそこからある度合いのコンセンサス配列からの逸脱が存在することは当技術分野で周知である。
【0267】
本発明の一部の実施形態では、CRE0078の機能的バリアントは、以下の配列:CGCCCTTTGGACCTTTTGCAATCCTGGAGCAAACAGCAAACAC(配列番号283)、又はそれと少なくとも70%、80%、90%、95%、若しくは99%同一である配列を含む。
【0268】
本発明の一部の実施形態では、CRE0078の機能的バリアントは、配列番号20と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号20と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0078の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号20にハイブリダイズする配列を含む。
【0269】
本発明の一部の実施形態では、CREは、配列番号20又はその機能的バリアントからなる。
【0270】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号20又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号20又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0271】
一部の好ましい実施形態では、CRE0078又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、100以下のヌクレオチド、75以下のヌクレオチド、又は45以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0272】
CRE0083.1及びその機能的バリアント:
CRE0083.1は、配列番号21に示されている通りの配列を有する。
【0273】
CRE0083.1の機能的バリアントは、CRE0083.1とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0274】
一部の実施形態では、CRE0083.1の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0083.1の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0083.1の代わりに置換されたCRE0083.1の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0083.1を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0112を例として考えると、SP0112のCRE0083.1を、CRE0083.1の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0275】
CRE0083.1のバイオインフォマティクス分析は、CRE0083.1が、公知の肝臓特異的TFBSを一切含有していないと考えられることを明らかにした。それにも関わらず、本発明者らは、CRE0005がそれにも関わらずプロモーターの肝臓特異的活性に寄与すると決定した。理論に束縛されることは望まないが、これは、肝臓特異的TFBSを含有する他のCREと協同的に相互作用してそれらの活性を増強することによるためである可能性がある。
【0276】
本発明の一部の実施形態では、CRE0083.1の機能的バリアントは、配列番号21と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号21と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0083.1の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号21にハイブリダイズする配列を含む。
【0277】
本発明の一部の実施形態では、CREは、配列番号21又はその機能的バリアントからなる。
【0278】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号21又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号21又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0279】
一部の好ましい実施形態では、CRE0083.1又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、250以下のヌクレオチド、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、又は112以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0280】
CRE0089及びその機能的バリアント:
CRE0089は、配列番号22に示されている通りの配列を有する。
【0281】
CRE0089の機能的バリアントは、CRE0089とは異なるが、肝臓特異的CREとしての活性を実質的に保持する配列を有する調節エレメントである。当業者であれば、必要とされる転写因子(TF)に結合し発現を増強するその能力を保持しつつCREの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。機能的バリアントは、CREを非機能的にしない限り、参照CREと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0282】
一部の実施形態では、CRE0089の機能的バリアントは、CRM又はプロモーターにおいてCRE0089の代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCREであるとみなすことができる。例えば、CRE0089の代わりに置換されたCRE0089の機能的バリアントを含むプロモーターは、好ましくは、その活性の80%、より好ましくはその活性の90%、より好ましくはその活性の95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(CRE0089を含む参照プロモーターと比較して)。例えば、プロモーターSP0139を例として考えると、SP0139のCRE0089を、CRE0089の機能的バリアントと置き換えることができ、プロモーターは、その活性を実質的に保持する。活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0283】
CRE0083のバイオインフォマティクス分析は、CRE0083が、公知の肝臓特異的TFBSを一切含有していないと考えられることを明らかにした。それにも関わらず、本発明者らは、CRE0005がそれにも関わらずプロモーターの肝臓特異的活性に寄与すると決定した。理論に束縛されることは望まないが、これは、肝臓特異的TFBSを含有する他のCREと協同的に相互作用してそれらの活性を増強するためである可能性がある。
【0284】
本発明の一部の実施形態では、CRE0089の機能的バリアントは、配列番号22と少なくとも70%同一、より好ましくは配列番号22と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。それに加えて又はその代わりに、CRE0089の機能的バリアントは、好適には、ストリンジェントな条件下で配列番号22にハイブリダイズする配列を含む。
【0285】
本発明の一部の実施形態では、CREは、配列番号22又はその機能的バリアントからなる。
【0286】
CRE又はその機能的バリアントは、二本鎖ポリヌクレオチドのいずれの鎖に提供されていてもよく、いずれの方向性で提供されていてもよいことが留意されるであろう。そのため、配列番号22又はその機能的バリアントの相補的配列及び逆相補的配列は、本発明の範囲内に入る。配列番号22又はその機能的バリアントによる配列を含む一本鎖核酸も、本発明の範囲内に入る。
【0287】
一部の好ましい実施形態では、CRE0089又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなり、250以下のヌクレオチド、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、又は102以下のヌクレオチド長を有するCREが提供される。
【0288】
プロモーターエレメント及びその機能的バリアント:
本明細書には、合成肝臓特異的プロモーターの構築に使用することができる種々のプロモーターエレメントが開示されている。こうしたプロモーターエレメントは、最小プロモーター又は肝臓特異的近位プロモーターのいずれかである。本発明のCRE及びCRMは、幅広い範囲の好適な最小プロモーター又は肝臓特異的近位プロモーターと組み合わせて使用することができ、一部の近位プロモーターは、CRE又はCRMと相乗的に作用して、肝臓特異的プロモーターの活性に著しく寄与することを見出した。加えて、本明細書で開示される一部の肝臓特異的近位プロモーターは、追加のCRE又はCRM配列が存在しない場合でさえ、顕著なレベルの活性を示すことを見出した(最も注目すべきは、近位プロモーターCRE0006及びCRE0059)。
【0289】
プロモーターエレメントの機能的バリアントとしては、参照プロモーターエレメントとは異なるが、肝臓特異的プロモーターエレメントとしての活性を実質的に保持する配列が挙げられる。当業者であれば、RNAポリメラーゼIIを動員し、該当する場合は、肝臓特異的転写因子(TF)に結合して発現を増強させるその能力を保持しつつ、プロモーターエレメントの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。プロモーターエレメントの機能的バリアントは、プロモーターエレメントを非機能的にしない限り、参照プロモーターエレメントと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0290】
一部の実施形態では、プロモーターエレメントの機能的バリアントは、プロモーターにおける参照プロモーターエレメントの代わりに置換しても、その活性を実施的に保持するプロモーターエレメントであるとみなすことができる。例えば、所与のプロモーターエレメントの機能的バリアントを含む肝臓特異的プロモーターは、好ましくはその活性の少なくとも80%、より好ましくはその活性の少なくとも90%、より好ましくはその活性の少なくとも95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(非修飾プロモーターエレメントを含む参照プロモーターと比較して)。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0291】
好適には、プロモーターエレメントの機能的バリアントは、参照プロモーターエレメントと有意なレベルの配列同一性を保持する。好適には、機能的バリアントは、参照プロモーターエレメントと少なくとも70%同一、より好ましくは、参照プロモーターエレメントと少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。
【0292】
近位プロモーターであるプロモーターエレメントの場合、機能的バリアントは、参照プロモーターエレメントに結合する肝臓特異的TFのTFBSを保持することが好ましい(PWMに関する上記の考察はここでも同様に該当する)。好ましくは、TFBSは、参照プロモーターエレメントと同じ順序で実質的に同じ位置に保持される。更に、プロモーターエレメントの機能的バリアントの転写開始部位(TSS)の配列は、一般に、実質的に変更されていないことが好ましい。
【0293】
活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0294】
本発明で使用されるプロモーターエレメントは、天然であってもよく(すなわち、天然に存在する遺伝子プロモーターから得られるか又は由来する)、又は合成であってもよい(すなわち、天然に存在しない)。
【0295】
CRE0006及びその機能的バリアント:
CRE0006は、配列番号25に示されている通りの配列を有する。
【0296】
上記で考察されているように、CRE0006の機能的バリアントは、肝臓特異的プロモーターエレメントとして作用するCRE0006の能力を実質的に保持する。例えば、CRE0006の機能的バリアントが、肝臓特異的プロモーターSP0241又はSP0244において置換する場合、この修飾体は、その活性の少なくとも80%、より好ましくはその活性の少なくとも90%、より好ましくはその活性の少なくとも95%、更により好ましくはSP0241又はSP0244の活性の100%を保持する。好適には、CRE0006の機能的バリアントは、配列番号25と少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%同一性を有する配列を含む。
【0297】
CRE0006は、近位プロモーターであり、TSSの上流に肝臓特異的TFのTFBSを含む。CRE0006に存在する肝臓特異的TFBSは、順に列挙すると、HNF4、RXRa、HNF4、c/EBP、及びHNF3である(詳細はTable 25(表25)を参照)。したがって、CRE0006の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0006に存在する順序で、すなわちHNF4、c/EBP、HNF3、及びHNF3の順序で存在する。一部の実施形態では、TFBSは重複しているが、依然として機能的であり、すなわち重複する配列は両方とも、それぞれのTFに結合することができる。
【0298】
一部の実施形態では、CRE0006の機能的バリアントは、配列番号25と少なくとも70%同一であり(好ましくは、配列番号25と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一であり)、HNF4、RXRa、HNF4、c/EBP、及びHNF3のTFBSを含有し、好ましくは、Table 25(表25)に示されているものと少なくとも80%、90%、95%、又は完全に同一であるTSS配列を上記TFBSの下流に含有する配列を含む。
【0299】
一部の実施形態では、CRE0006の機能的バリアントは、配列番号25と少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%同一性を有し、以下のTFBS:25~37位又はその付近のHNF4;73~83位又はその付近のRXRa;74~86位又はその付近のHNF4;123~136位又はその付近のc/EBP;及び129~137位又はその付近のHNF3を更に含み、Table 25(表25)に示されているものと少なくとも80%、90%、95%、又は完全に同一であるTSS配列を166~196位又はその付近に含み、位置は配列番号25を参照して付番されている配列を含む。本文脈において「位又はその付近」は、好適には、配列番号25を参照して、記載されている位置の10、5、4、3、2、又は1個のヌクレオチド以内であることを意味する。好適なTFBS配列はTable 25(表25)に示されているが、代替的なTFBS配列を使用してもよい。
【0300】
一部の好ましい実施形態では、CRE0006又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなるプロモーターは、400以下のヌクレオチド、350以下のヌクレオチド、325以下のヌクレオチド、300以下のヌクレオチド、又は279以下のヌクレオチド長を有する。
【0301】
CRE0059及びその機能的バリアント:
CRE0059は、配列番号26に示されている通りの配列を有する。
【0302】
上記で考察されているように、CRE0059の機能的バリアントは、肝臓特異的プロモーターエレメントとして作用するCRE00059の能力を実質的に保持する。例えば、CRE0059の機能的バリアントが肝臓特異的プロモーターSP0412又はSP0380において置換する場合、この修飾体は、その活性の少なくとも80%、より好ましくはその活性の少なくとも90%、より好ましくはその活性の少なくとも95%、更により好ましくはSP0412又はSP0380の活性の100%を保持する。好適には、CRE0059の機能的バリアントは、配列番号26と少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%同一性を有する配列を含む。
【0303】
CRE0059は、近位プロモーターであり、肝臓特異的TF、即ちHNF1のTFBSをTSSの上流に含む。したがって、CRE0059の機能的バリアントは、好ましくは、HNF1のTFBSをTSSの上流に含む。
【0304】
一部の実施形態では、CRE0059の機能的バリアントは、配列番号26と少なくとも70%同一であり(好ましくは、配列番号26と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一であり)、HNF1のTFBSを含有し、好ましくは、Table 27(表27)に示されているものと少なくとも80%、90%、95%、又は完全に同一であるTSS配列を上記TFBSの下流に含有する配列を含む。
【0305】
一部の実施形態では、CRE0059の機能的バリアントは、配列番号26と少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%の同一性を有し、24~36位又はその付近にHNF3のTFBSを更に含み、Table 27(表27)に示されているものと少なくとも80%、90%、95%、又は完全に同一であるTSS配列を73~93位又はその付近に含み、位置は配列番号26を参照して付番されている配列を含む。本文脈において「位又はその付近」は、好適には、配列番号26を参照して、記載されている位置の10、5、4、3、2、又は1ヌクレオチド以内であることを意味する。好適なTFBS配列は、Table 27(表27)に示されているが、代替的なTFBS配列を使用してもよい。
【0306】
一部の好ましい実施形態では、CRE0059又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなるプロモーターは、200個以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、110以下のヌクレオチド、又は95以下のヌクレオチド長を有する。
【0307】
CRE0073及びその機能的バリアント:
CRE0073は、配列番号27に示されている通りの配列を有する。
【0308】
上記で考察されているように、CRE0073の機能的バリアントは、肝臓特異的プロモーターエレメントとして作用するCRE0073の能力を実質的に保持する。例えば、CRE0073の機能的バリアントが、肝臓特異的プロモーターSP0249又はSP0116において置換する場合、この修飾体は、その活性の少なくとも80%、より好ましくはその活性の少なくとも90%、より好ましくはその活性の少なくとも95%、更により好ましくはSP0249又はSP0116の活性の100%を保持する。好適には、CRE0073の機能的バリアントは、配列番号27と少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%同一性を有する配列を含む。
【0309】
CRE0073は近位のプロモーターであり、肝臓特異的TFのTFBSをTSSの上流に含む。CRE0073に存在する肝臓特異的TFBSは、順に列挙すると、HNF3、C/EBP、HNF1、及びC/EBPである(詳細はTable 28(表28)を参照)。したがって、CRE0073の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0073に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF3、C/EBP、HNF1、及び次いでC/EBPの順序で存在する。一部の実施形態では、TFBSは重複しているが、依然として機能的であり、すなわち重複する配列は両方とも、それぞれのTFに結合することができる。
【0310】
一部の実施形態では、CRE0073の機能的バリアントは、配列番号27と少なくとも70%同一であり(好ましくは、配列番号27と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一であり)、HNF3、C/EBP、HNF1、及びC/EBPのTFBSを含有し、好ましくは、Table 28(表28)に示されているものと少なくとも80%、90%、95%、又は完全に同一であるTSS配列を上記TFBSの下流に含有する配列を含む。
【0311】
一部の実施形態では、CRE0073の機能的バリアントは、配列番号27と少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%同一性を有し、以下のTFBS:36~42位又はその付近のHNF3;38~49位又はその付近のC/EBP;66~83位又はその付近のHNF1;75~86位又はその付近のC/EBP;及び129~137又はその付近のHNF3を更に含み、Table 28(表28)に示されているものと少なくとも80%、90%、95%、又は完全に同一であるTSS配列を138~156位又はその付近に含み、位置は配列番号27を参照して付番されている配列を含む。本文脈において「位又はその付近」は、好適には、配列番号27を参照して、記載されている位置の10、5、4、3、2、又は1個のヌクレオチド以内であることを意味する。好適なTFBS配列は、Table 28(表28)に示されているが、代替的なTFBS配列を使用してもよい。
【0312】
CRE0073.1は、CRE0073の例示的な機能的バリアントである。CRE0073.1は、CRE0073と比較して、22個のヌクレオチドが5'末端から欠失されている。CRE0073.1は、それ以外は同一であり、CRE0073と比べて同じ相対位置に同じTFBSを含む。
【0313】
一部の好ましい実施形態では、CRE0073又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなるプロモーターは、300以下のヌクレオチド、250以下のヌクレオチド、200以下のヌクレオチド、175以下のヌクレオチド、又は164以下のヌクレオチド長を有する。
【0314】
CRE0040及びその機能的バリアント:
CRE0040は、配列番号29に示されている通りの配列を有する。
【0315】
上記で考察されているように、CRE0040の機能的バリアントは、肝臓特異的プロモーターエレメントとして作用するCRE0040の能力を実質的に保持する。例えば、CRE0040の機能的バリアントが、肝臓特異的プロモーターSP0254又はSP0252において置換する場合、この修飾体は、その活性の少なくとも80%、より好ましくはその活性の少なくとも90%、より好ましくはその活性の少なくとも95%、更により好ましくはSP0254又はSP0252の活性の100%を保持する。好適には、CRE0040の機能的バリアントは、配列番号29と少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%同一性を有する配列を含む。
【0316】
CRE0040は、近位プロモーターであり、肝臓特異的TFのTFBSをTSSの上流に含む。CRE0040に存在する肝臓特異的TFBSは、順に列挙すると、C/EBP及びHNF1である(詳細はTable 30(表30)を参照)。したがって、CRE0040の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0040に存在するのと同じ順序で、すなわちC/EBP及び次いでHNF1の順序で存在する。
【0317】
一部の実施形態では、CRE0040の機能的バリアントは、配列番号29と少なくとも70%同一であり(好ましくは、配列番号29と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一であり)、C/EBP及びHNF1のTFBSを含有し、好ましくは、Table 30(表30)に示されているものと少なくとも80%、90%、95%、又は完全に同一であるTSS配列を上記TFBSの下流に含有する配列を含む。
【0318】
一部の実施形態では、CRE0040の機能的バリアントは、配列番号29と少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%同一性を有し、以下のTFBS:39~52位又はその付近のC/EBP;120~140位又はその付近のHNF1を更に含み、Table 30(表30)に示されているものと少なくとも80%、90%、95%、又は完全に同一であるTSS配列を172~201位又はその付近に含み、位置は配列番号29を参照して付番されている配列を含む。本文脈において「位又はその付近」は、好適には、配列番号29を参照して、記載されている位置の10、5、4、3、2、又は1個のヌクレオチド以内であることを意味する。好適なTFBS配列は、Table 30(表30)に示されているが、代替的なTFBS配列を使用してもよい。
【0319】
一部の好ましい実施形態では、CRE0006又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなるプロモーターは、400以下のヌクレオチド、350以下のヌクレオチド、300以下のヌクレオチド、275以下のヌクレオチド、又は240以下のヌクレオチド長を有する。
【0320】
CRE0079及びその機能的バリアント:
CRE0079は、配列番号24に示されている通りの配列を有する。
【0321】
上記で考察されているように、CRE0079の機能的バリアントは、肝臓特異的プロモーターエレメントとして作用するCRE0079の能力を実質的に保持する。例えば、CRE0079の機能的バリアントが、肝臓特異的プロモーターSP0271又はSP0272において置換する場合、この修飾体は、その活性の少なくとも80%、より好ましくはその活性の少なくとも90%、より好ましくはその活性の少なくとも95%、更により好ましくはSP0271又はSP0272の活性の100%を保持する。好適には、CRE0079の機能的バリアントは、配列番号24と少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%同一性を有する配列を含む。
【0322】
CRE0079は、近位プロモーターであり、肝臓特異的TFのTFBSをTSSの上流に含む。CRE0079に存在する肝臓特異的TFBSは、順に列挙すると、HNF4、HNF1、及びC/EBPである(詳細はTable 26(表26)を参照)。したがって、CRE0079の機能的バリアントは、好ましくは、こうしたTFBSを含む。好ましくは、TFBSは、CRE0079に存在するのと同じ順序で、すなわちHNF4、HNF1、及び次いでC/EBPの順序で存在する。
【0323】
一部の実施形態では、CRE0079の機能的バリアントは、配列番号24と少なくとも70%同一であり(好ましくは、配列番号24と少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一であり)、HNF4、HNF1、及びC/EBPのTFBSを含有し、好ましくは、Table 24(表24)に示されているものと少なくとも80%、90%、95%、又は完全に同一であるTSS配列を上記TFBSの下流に含有する配列を含む。
【0324】
一部の実施形態では、CRE0079の機能的なバリアントは、配列番号24と少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%同一性を有し、以下のTFBS:43~55位又はその付近のHNF4;138~150位又はその付近のHNF1;162~175位又はその付近のC/EBPを更に含み、Table 26(表26)に示されているものと少なくとも80%、90%、95%、又は完全に同一であるTSS配列を206~219位又はその付近に含み、位置は配列番号24を参照して付番されている配列を含む。本文脈において「位又はその付近」は、好適には、配列番号24を参照して、記載されている位置の10、5、4、3、2、又は1個のヌクレオチド以内であることを意味する。好適なTFBS配列は、Table 26(表26)に示されているが、代替的なTFBS配列を使用してもよい。
【0325】
一部の好ましい実施形態では、CRE0079又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなるプロモーターは、400以下のヌクレオチド、325以下のヌクレオチド、275以下のヌクレオチド、250以下のヌクレオチド、又は226以下のヌクレオチド長を有する。
【0326】
CRE0052及びその機能的バリアント:
CRE0052は、配列番号23に示されている通りの配列を有する。
【0327】
上記で考察されているように、CRE0052の機能的バリアントは、肝臓特異的プロモーターエレメントとして作用するCRE0052の能力を実質的に保持する。例えば、CRE0052の機能的バリアントが、肝臓特異的プロモーターSP0239又はSP0265において置換する場合、この修飾体は、その活性の少なくとも80%、より好ましくはその活性の少なくとも90%、より好ましくはその活性の少なくとも95%、更により好ましくはSP0239又はSP0265の活性の100%を保持する。
【0328】
好適には、CRE0052の機能的バリアントは、配列番号23と少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%同一性を有する配列を含む。
【0329】
一部の好ましい実施形態では、CRE0052又はその機能的バリアントを含むか又はそれからなるプロモーターは、200以下のヌクレオチド、150以下のヌクレオチド、125以下のヌクレオチド、100以下のヌクレオチド、又は76以下のヌクレオチド長を有する。
【0330】
他のプロモーターエレメント:
本発明で使用することができる他の肝臓特異的近位プロモーターの非限定的な例としては、これらに限定されないが、以下のものが挙げられる:ApoA-Iプロモーター、ApoA-IIプロモーター、ApoA-IVプロモーター、ApoBプロモーター、ApoC-1プロモーター、ApoC-IIプロモーター、ApoC-IIIプロモーター、ApoEプロモーター、アルブミンプロモーター、α-フェトプロテインプロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PCK1)プロモーター、ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ2(PCK2)プロモーター、トランスサイレチン(TTR)プロモーター、α-アンチトリプシン(AAT又はSERPINA1)プロモーター、TK(チミジンキナーゼ)プロモーター、ヘモペキシンプロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼ6プロモーター、コレステロール7アルファ-25ヒドロキシラーゼプロモーター、第IX因子プロモーター、α-ミクログロブリンプロモーター、SV40プロモーター、CMVプロモーター、ラウス肉腫ウイルス-L TRプロモーター、及びHBVプロモーター。もちろん、こうしたプロモーターに由来する最小プロモーターも使用することができる。
【0331】
合成肝臓特異的CRM及びその機能的バリアント:
本明細書には、合成肝臓特異的プロモーターの構築に使用することができる種々の合成肝臓特異的CRMが開示されている。本発明のCRMは、上記で考察されているように、幅広い範囲の好適な最小プロモーター又は肝臓特異的近位プロモーターと組み合わせて使用することができる。
【0332】
CRMの機能的バリアントとしては、参照CRMエレメントとは異なるが、肝臓特異的CRMとしての活性を実質的に保持する配列が挙げられる。当業者であれば、好適な肝臓特異的転写因子(TF)を動員し、それにより発現を増強させるその能力を保持しつつCRMの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。CRMの機能的バリアントは、CRMを実質的に非機能的にしない限り、参照CRMと比較して、置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0333】
一部の実施形態では、CRMの機能的バリアントは、プロモーターにおいて参照CRMの代わりに置換しても、その活性を実質的に保持するCRMであるとみなすことができる。例えば、所与のCRMの機能的バリアントを含む肝臓特異的プロモーターは、好ましくはその活性の少なくとも80%、より好ましくはその活性の少なくとも90%、より好ましくはその活性の少なくとも95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する(非修飾CRMを含む参照プロモーターと比較して)。
【0334】
好適には、CRMの機能的バリアントは、参照CRMと有意なレベルの配列同一性を保持する。好適には、機能的バリアントは、参照CRMと少なくとも70%同一、より好ましくは、参照CRMと少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。
【0335】
活性の保持は、参照プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、置換CREを含むが他の点では同一のプロモーターと、等価な条件下で比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0336】
所与のCRMの機能的バリアントは、一部の実施形態では、参照CRMに存在するCREの1つ又は複数の機能的バリアントを含んでいてもよい。例えば、所与のCRMの機能的バリアントは、参照CRMに存在するCREの1、2、3、4、5、又は6つの機能的バリアントを含んでいてもよい。CREの機能的バリアントは、上記で考察されている。
【0337】
所与のCRMの機能的バリアントは、一部の実施形態では、参照CRMと同じ組合せのCREを含んでいてよいが、CREは、参照CRMとは異なる順序で存在してもよい。通常は、CREは、参照CRMと同じ順序で存在する(したがって、CRMの機能的バリアントは、好適には、参照CRMに示されているものと同じ順列のCREを含む)ことが好ましい。
【0338】
所与のCRMの機能的バリアントは、一部の実施形態では、参照CRMに存在するものに対して1つ又は複数の追加のCREを含んでいてもよい。追加のCREは、参照CRMに存在するCREの上流に、参照CRMに存在するCREの下流に、及び/又は参照CRMに存在するCREの間に提供されていてもよい。追加のCREは、本明細書で開示されているCREであってもよく、又は他のCREであってもよい。一般に、所与のCRMの機能的バリアントは、同じCRE(又はそれらの機能的バリアント)を含み、追加のCREを含まないことが好ましい。
【0339】
所与のCRMの機能的バリアントは、参照CRMと比較して1つ又は複数の追加の調節エレメントを含んでいてもよい。例えば、追加の調節エレメントは、CRMを実質的に非機能性にしない限り、誘導性又は抑制性エレメント、境界制御エレメント、インスレーター、遺伝子座制御領域、応答エレメント、結合部位、末端反復のセグメント、応答部位、安定化エレメント、不安定化エレメント、及びスプライシングエレメント等を含んでいてもよい。
【0340】
所与のCRMの機能的バリアントは、隣接するCRE間に追加のスペーサーを含んでいてもよく、又は1つ若しくは複数のスペーサーが参照CRMに存在する場合、上記1つ若しくは複数のスペーサーは、参照CRMよりも長くてもよく若しくは短くてもよい。
【0341】
本発明による合成肝臓特異的プロモーターを提供するために、本明細書で開示されている通りのCRM又はその機能的バリアントを、任意の好適なプロモーターエレメントと組み合わせることができることは明らかであろう。
【0342】
多くの場合、特にベクター(例えば、AAV等のウイルスベクター)の容量が限られている状況で使用するためには、より短いプロモーター配列が好ましい。したがって、一部の実施形態では、合成肝臓特異的CRMは、500以下のヌクレオチド、例えば、450、400、350、300、250、200、150、100、75、60、50、又はそれよりも少数のヌクレオチド長を有する。
【0343】
合成肝臓特異的プロモーター及びそれらの機能的バリアント:
種々の合成肝臓特異的プロモーターが本明細書で開示されている。
【0344】
参照合成肝臓特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的プロモーターとは異なる配列を含むが、肝臓特異的プロモーター活性を実質的に保持するプロモーターである。当業者であれば、好適な肝臓特異的転写因子(TF)を動員するその能力、及びRNAポリメラーゼIIを動員して、作動可能に連結した配列(例えば、オープンリーディングフレーム)の肝臓特異的発現を提供するその能力を保持しつつ、合成肝臓特異的プロモーターの配列を変化させることが可能であることを理解するであろう。合成肝臓特異的プロモーターの機能的バリアントは、置換、欠失、及び/又は挿入が、参照プロモーターと比較して合成肝臓特異的プロモーターを実質的に非機能的にしない限り、参照プロモーターと比較して置換、欠失、及び/又は挿入を含んでいてもよい。
【0345】
したがって、一部の実施形態では、合成肝臓特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照プロモーターの肝臓特異的プロモーター活性を実質的に保持するバリアントであるとみなすことができる。例えば、合成肝臓特異的プロモーターの機能的バリアントは、好ましくは参照プロモーターの活性の少なくとも70%、好ましくはその活性の少なくとも80%、より好ましくはその活性の少なくとも90%、より好ましくはその活性の少なくとも95%、更により好ましくはその活性の100%を保持する。
【0346】
合成肝臓特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的プロモーターとの有意なレベルの配列類似性を保持することが多い。一部の実施形態では、機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的プロモーターと少なくとも70%同一、より好ましくは、参照合成肝臓特異的プロモーターと少なくとも80%、90%、95%、又は99%同一である配列を含む。
【0347】
機能的バリアントの活性は、参照合成肝臓特異的プロモーターの制御下における好適なレポーターの発現を、等価な条件下で推定上の機能的バリアントと比較することにより評価することができる。肝臓特異的プロモーター活性を評価するための好適なアッセイは、本明細書に、例えば実施例2及び実施例3に開示されている。
【0348】
所与の合成肝臓特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的プロモーターに存在する1つ又は複数のCREの機能的バリアントを含んでいてもよい。例えば、所与のCRMの機能的バリアントは、参照CRMに存在する1、2、3、4、5、又は6つのCREを含んでいてもよい。CREの機能的バリアントは、上記で考察されている。
【0349】
所与の合成肝臓特異的プロモーターの機能的バリアントは、そのプロモーターエレメントの機能的バリアントを含んでいてもよく、又は参照合成肝臓特異的プロモーターと比較して異なるプロモーターエレメントを含んでいてもよい。
【0350】
所与の合成肝臓特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的プロモーターと同じCREを含んでいてもよいが、CREは、参照合成肝臓特異的プロモーターとは異なる順序で存在してもよい。
【0351】
所与の合成肝臓特異的プロモーターの機能的バリアントは、参照合成肝臓特異的プロモーターに存在するものに対して1つ又は複数の追加のCREを含んでいてもよい。追加のCREは、参照CRMに存在するCREの上流に、参照合成肝臓特異的プロモーターに存在するCREの下流に、及び/又は参照合成肝臓特異的プロモーターに存在するCREの間に提供されていてもよい。追加のCREは、本明細書で開示されているCREであってもよく、又は他のCREであってもよい。
【0352】
所与のCRMの機能バリアントは、参照CRMと比較して1つ又は複数の追加の調節エレメントを含んでいてもよい。例えば、追加の調節エレメントは、プロモーターを実質的に非機能性にしない限り、誘導性エレメント、イントロンエレメント、境界制御エレメント、インスレーター、遺伝子座制御領域、応答エレメント、結合部位、末端反復のセグメント、応答部位、安定化エレメント、不安定化エレメント、及びスプライシングエレメント等を含んでいてもよい。
【0353】
所与の合成肝臓特異的プロモーターの機能的バリアントは、隣接するCREとプロモーターエレメントと間に追加のスペーサーを含んでいてもよく、又は1つ若しくは複数のスペーサーが参照肝臓特異的プロモーターに存在する場合、上記1つ若しくは複数のスペーサーは、参照肝臓特異的プロモーターよりも長くてもよく若しくは短くてもよい。
【0354】
本発明の合成肝臓特異的プロモーターは、本発明のCRM及び追加の調節性配列を含んでいてもよいことは明らかであろう。例えば、それらは、プロモーターを実質的に非機能性にしない限り、1つ又は複数の追加のCRM、誘導性又は抑制性エレメント、境界制御エレメント、インスレーター、遺伝子座制御領域、応答エレメント、結合部位、末端反復のセグメント、応答部位、安定化エレメント、不安定化エレメント、及びスプライシングエレメント等を含んでいてもよい。
【0355】
本発明の好ましい合成肝臓特異的プロモーターは、TBGプロモーターの活性の少なくとも15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、350%、又は400%である肝臓特異的プロモーター活性を呈する。一部の実施形態では、本発明の合成肝臓特異的プロモーターは、LP1プロモーターの活性の少なくとも100%、好ましくはLP1プロモーターの活性の150%、200%、300%、又は500%のレベルの肝臓特異的導入遺伝子発現を促進するために好適である。多くの場合、より高いレベルのプロモーター活性が好ましいが、常にそうであるとは限らず、したがって一部の場合では、より適度なレベルの発現が好ましい場合がある。TBGと比較した本発明の所与の合成肝臓特異的プロモーターの活性は、2つのプロモーターがそれ以外は等価な発現コンストラクト及び等価な条件下で提供される場合、合成肝臓特異的プロモーターの制御下におけるレポーター遺伝子の肝臓特異的発現を、TBGプロモーターの制御下における同じレポーターの発現と比較することにより評価することができる。
【0356】
一部の実施形態では、本発明の合成肝臓特異的プロモーターは、対象の肝臓又は肝細胞における遺伝子(例えば、治療用遺伝子又は目的の遺伝子)の発現を、公知の肝臓特異的プロモーター、好適にはLP-1プロモーターと比べて、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも500%、少なくとも1000%、又はそれよりも大きく増加させることができる。
【0357】
本発明の好ましい合成肝臓特異的プロモーターは、非肝臓細胞(例えば、HEK293細胞)において、CMV-IEと比較して50%以下、好ましくはCMV-IEの25%以下、より好ましくはCMV-IEの10%以下、一部の場合ではCMV-IEの5%以下、又はCMV-IEの1%以下の活性を呈する。
【0358】
多くの場合、特にベクター(例えば、AAV等のウイルスベクター)の容量が限られている状況で使用するには、より短いプロモーター配列が好ましい。したがって、一部の実施形態では、合成肝臓特異的プロモーターは、700以下のヌクレオチド、例えば、600、500、450、400、350、300、250、200、150、100、75、70、68、又はそれよりも少数のヌクレオチド長を有する。
【0359】
特に好ましい合成肝臓特異的プロモーターは、短く、高レベルの活性を呈する、両方であるものである。
【0360】
合成肝臓特異的発現カセット:
また、本発明は、発現産物、好適には遺伝子(例えば、導入遺伝子)をコードする配列に作動可能に連結した本発明の合成肝臓特異的プロモーターを含む合成肝臓特異的発現カセットを提供する。
【0361】
遺伝子は、典型的には、ポリペプチド(タンパク質)又はRNA等の所望の遺伝子発現産物をコードする。遺伝子は、全長cDNA若しくはゲノムDNA配列であってもよく、又は少なくともある程度の所望の生物学的活性を有するそれらの任意の断片、サブユニット、若しくは変異体であってもよい。
【0362】
遺伝子がタンパク質をコードする場合、それは、本質的に任意のタイプのタンパク質であってもよい。非限定的な例として、タンパク質は、酵素、抗体、若しくは抗体断片(例えば、モノクローナル抗体)、ウイルスタンパク質(例えば、REP-CAP、REV、VSV-G、若しくはRD114)、治療用タンパク質、又は毒性タンパク質(例えば、カスパーゼ3、カスパーゼ8、若しくはカスパーゼ9)であってもよい。
【0363】
本発明の一部の好ましい実施形態では、遺伝子は、治療用発現産物、好ましくは、任意選択で肝臓における、異常な遺伝子発現に関連付けられる疾患又は状態の治療に使用するために好適な治療用ポリペプチドをコードする。治療用発現産物は、タンパク質、例えば、凝固因子(例えば、第IX因子若しくは第VIII因子)、サイトカイン、成長因子、抗体若しくはナノボディ、ケモカイン、血漿因子、インスリン、エリスロポエチン、リポタンパク質リパーゼ、又は毒性タンパク質等の、例えば、分泌性タンパク質であってもよい。或いは、治療用発現産物は、siRNA又はmiRNA等のRNAであってもよい。本発明での使用が予想される治療用発現産物(及びそれらをコードする配列)の非網羅的なリストには、以下のものが含まれる:第VIII因子、第IX因子、第VII因子、第X因子、フォンビルブランド因子、エリスロポエチン(EPO)、インターフェロン-a、インターフェロン-B、インターフェロン-y、インターロイキン1(IL-1)、インターロイキン2(IL-2)、インターロイキン3(IL-3)、インターロイキン4(IL-4)、インターロイキン5(IL-5)、インターロイキン6(IL-6)、インターロイキン7(IL-7)、インターロイキン8(IL-8)、インターロイキン9(IL-9)、インターロイキン10(IL-10)、インターロイキン11(IL-11)、インターロイキン12(IL-12)、ケモカイン(C-X-Cモチーフ)リガンド5(CXCL5)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、幹細胞因子(SCF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、単球走化性タンパク質-1(MCP-1)、腫瘍壊死因子(TNF)、アファミン(AFM)、a1-アンチトリプシン、a-ガラクトシダーゼA、α-L-イドロニダーゼ、ATP7b、オルニチントランスカルバモイラーゼ、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、リポタンパク質リパーゼ、芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ(AADC)、ATPアーゼ筋小胞体/小胞体Ca2+輸送2(ATP2A2、ATPase Sarcoplasmic/Endoplasmic Reticulum Ca2+ Transporting 2)、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CTFR)、グルタミン酸デカルボキシラーゼ65kDaタンパク質(GAD65)、グルタミン酸デカルボキシラーゼ67kDaタンパク質(GAD67)、リポタンパク質リパーゼ(LPL)、神経成長因子(NGF)、ニュールツリン(NTN)、ポルホビリノーゲンデアミナーゼ(PBGD)、サルコグリカンアルファ(SGCA)、可溶性fms様チロシンキナーゼ-1(sFLT-1)、アポリタンパク質、低密度リポタンパク質受容体(LDL-R)、アルブミン、グルコース-6-ホスファターゼ、抗体、ナノボディ、アプタマー、抗ウイルスドミナントネガティブタンパク質、及びそれらの機能的断片、サブユニット、又は変異体。好ましくは、タンパク質は、霊長類タンパク質、より好ましくはヒトタンパク質である。
【0364】
本発明の一部の実施形態では、合成肝臓特異的発現カセットは、遺伝子編集に有用な遺伝子、例えば、メガヌクレアーゼ、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターに基づくヌクレアーゼ(TALEN、transcription activator-like effector-based nuclease)、又はクラスター化された規則正しい間隔を持つ短いパリンドロームリピート(clustered regularly interspaced short palindromic repeats)系(CRISPR-Cas)等の部位特異的クレアーゼをコードする遺伝子を含む。好適には、部位特異的ヌクレアーゼは、切断(典型的には、部位特異的二本鎖切断)を行ない、次いで非相同末端結合(NHEJ)又は相同性依存性修復(HDR、homology dependent repair)により修復して所望の編集をもたらすことにより所望の標的ゲノム遺伝子座を編集するように構成されている。編集は、機能不全である遺伝子の部分的若しくは完全な修復であってもよく、又は機能的な遺伝子のノックダウン若しくはノックアウトであってもよい。
【0365】
好適には、合成肝臓特異的発現カセットは、リボソーム結合部位、開始コドン、終止コドン、及び転写終結配列の1つ又は複数、好ましくは全てを提供又はコードする配列を含む。好適には、発現カセットは、転写後調節エレメントをコードする核酸を含む。好適には、発現カセットは、ポリAエレメントをコードする核酸を含む。
【0366】
ベクター及びウイルス粒子:
本発明は、本発明による合成肝臓特異的CRM、合成肝臓特異的プロモーター、又は発現カセットを含むベクターを更に提供する。
【0367】
本発明の一部の実施形態では、ベクターは、プラスミドである。そのようなプラスミドは、1つ又は複数の選択可能なマーカー、1つ又は複数の複製起点、及び多重クローニング部位等の、様々な他の機能的核酸配列を含んでいてもよい。本発明の一部の実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。
【0368】
本発明の一部の実施形態では、ベクターは、真核細胞にて発現させるための発現ベクターである。真核生物発現ベクターの例としては、これらに限定されないが、Stratagene社から入手可能なpW-LNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1、及びpSG;Amersham Pharmacia Biotech社から入手可能なpSVK3、pBPV、pMSG、及びpSVL;並びにClontech社から入手可能なpCMVDsRed2-express、pIRES2-DsRed2、pDsRed2-Mito、pCMV-EGFPが挙げられる。多数の他のベクターが周知であり、市販されている。哺乳動物細胞の場合、アデノウイルスベクター、pSV及びpCMVシリーズのベクターは、特に周知の非限定的な例である。限定ではないが、酵母組込みプラスミド(YIp)及び酵母複製プラスミド(YRp)を含む多数の周知の酵母発現ベクターが存在する。植物の場合、アグロバクテリウム属(agrobacterium)のTiプラスミドが例示的な発現ベクターであり、また、植物ウイルスは、好適な発現ベクター、例えば、タバコモザイクウイルス(TMV)、ジャガイモウイルスX、及びササゲモザイクウイルスを提供する。
【0369】
一部の好ましい実施形態では、ベクターは、遺伝子治療ベクターである。種々の遺伝子治療ベクターが当技術分野で公知であり、AAVベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、及びレンチウイルスベクターに言及することができる。ベクターが遺伝子治療ベクターである場合、ベクターは、好ましくは、治療用産物、好適には治療用タンパク質をコードする、本発明の合成肝臓特異的プロモーターに作動可能に連結した核酸配列を含む。治療用タンパク質は、分泌性タンパク質であってもよい。分泌性タンパク質の非限定的な例は上記で考察されており、例示的な分泌性治療用タンパク質としては、第VIII因子又は第IX因子等の凝固因子、インスリン、エリスロポイエチン、リポタンパク質リパーゼ、抗体又はナノボディ、成長因子、サイトカイン、ケモカイン、血漿因子、毒性タンパク質等が挙げられる。
【0370】
本発明の一部の実施形態では、ベクターは、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、又はアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター等のウイルスベクターである。一部の好ましい実施形態では、ベクターは、AAVベクターである。一部の好ましい実施形態では、AAVは、肝臓形質導入に好適な血清型を有する。一部の実施形態では、AAVは、AAV2、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、又はそれらの誘導体からなる群から選択される。AAVベクターは、好ましくは、AAV形質導入の制限ステップの1つ(すなわち、一本鎖AAVから二本鎖AAVへの変換)を克服するために自己相補的二本鎖AAVベクター(scAAV)として使用されるが、一本鎖AAVベクター(ssAAV)の使用も本明細書に包含される。本発明の一部の実施形態では、AAVベクターはキメラであり、これは、AAV2のITR及びAAV5のカプシドタンパク質等の、少なくとも2つのAAV血清型に由来する成分を含むことを意味する。
【0371】
本発明は、上記に記載の通りのベクターを含む組換えビリオン(ウイルス粒子)を更に提供する。
【0372】
医薬組成物:
本発明のベクター又はビリオンは、薬学的に許容される賦形剤、すなわち1つ又は複数の薬学的に許容される担体物質及び/又は添加剤、例えば、緩衝剤、担体、賦形剤、安定剤等を有する医薬組成物に製剤化することができる。医薬組成物は、キットの形態で提供することができる。
【0373】
したがって、本発明の更なる態様は、本明細書に記載されるベクター又はビリオンを含む医薬組成物を提供する。
【0374】
治療用及び他の方法及び使用:
また、本発明は、疾患、好ましくは、任意選択で肝臓における、異常な遺伝子発現に関連付けられる疾患(例えば、遺伝性肝臓疾患)の治療に使用するための、本発明の種々の態様による合成肝臓特異的CRM、合成肝臓特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、ビリオン、又は医薬組成物を提供する。肝臓における異常な遺伝子発現に関連付けられる種々の疾患は、上記で考察されており、これらに限定されないが、血友病(血友病A又は血友病Bを含む)、家族性高コレステロール血症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、フェニルケトン尿症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、グリコーゲン蓄積症、α1-アンチトリプシン欠損症、遺伝性ヘモクロマトーシス、チロシン血症1型、アルギニノコハク酸尿症、肝炎ウイルス感染、非ウイルス性肝炎、肝臓がん、遺伝性胆汁うっ滞、ウィルソン病、及び種々の他の肝臓疾患(非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、アルコール関連肝疾患(ARLD)、及びリソソーム蓄積症等)が挙げられる。血友病A又は血友病Bを治療するための使用は、本発明の好ましい実施形態である。
【0375】
また、本発明は、本明細書で言及されている任意の状態又は疾患を治療するための医薬組成物の製造に使用するための、本発明の種々の態様による合成肝臓特異的CRM、合成肝臓特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、ビリオンを提供する。
【0376】
本発明は、本発明の種々の態様による合成肝臓特異的CRM、合成肝臓特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、ビリオンを含む細胞を更に提供する。好適には、細胞は真核細胞である。真核細胞は、好適には、真菌細胞(例えば、酵母細胞)、動物(後生動物)細胞(例えば、哺乳動物細胞)、又は植物細胞であってもよい。或いは、細胞は、原核細胞であってもよい。
【0377】
本発明の一部の実施形態では、細胞は、ex vivoに、例えば細胞培養中に存在する。本発明の他の実施形態では、細胞は、組織又は多細胞生物の一部であってもよい。
【0378】
好ましい実施形態では、細胞は、肝臓細胞(肝細胞)であり、ex vivoに存在してもよく又はin vivoに存在してもよい。肝臓細胞は、初代肝臓細胞であってもよく、又は肝臓由来細胞株、例えば不死化細胞株の細胞であってもよい。細胞は、肝臓組織環境内(例えば、動物の肝臓内)に存在してもよく、又は肝臓組織から単離されていてもよく、例えば、細胞培養に存在してもよい。好適には、細胞は、ヒト細胞である。
【0379】
本発明による肝臓特異的CRM、合成肝臓特異的プロモーター、発現カセット、又はベクターは、細胞のゲノムに挿入されていてもよく、又はエピソーム性であってもよい(例えば、エピソームベクターに存在していてもよい)。
【0380】
更なる態様では、本発明は、発現産物を産生するための方法であって、本発明による合成肝臓特異的発現カセット(好ましくは、上記に示されている通りのベクター中にある)を、細胞、好ましくは肝臓細胞に提供する工程、及び合成肝臓特異的発現カセットに存在する遺伝子を発現させる工程を含む方法を提供する。本方法は、好適には、遺伝子の発現に好適な条件下で上記肝臓細胞を維持する工程を含む。これは、培養中に、好適な培養条件下で細胞又は細胞を含む組織をインキュベートする工程を含んでいてもよい。もちろん、発現は、in vivoにおいて、例えば、対象の肝臓の1つ又は複数の細胞においてであってもよい。
【0381】
好適には、本方法は、合成肝臓特異的発現カセットを肝臓細胞へと導入する工程を含む。肝臓細胞をトランスフェクトするための幅広い範囲の方法が、当技術分野で周知である。肝臓細胞をトランスフェクトするための好ましい方法は、合成肝臓特異的発現カセットを含むウイルスベクター、例えばAAVベクターを細胞に形質導入する工程である。
【0382】
当業者であれば、本発明の種々の態様による合成肝臓特異的CRM、合成肝臓特異的プロモーター、発現カセット、ベクター、又はビリオンを遺伝子治療に使用することができることは明らかであろう。したがって、遺伝子治療におけるそのような核酸コンストラクトの使用は、本発明の一部を形成する。
【0383】
したがって、本発明は、一部の実施形態では、対象の遺伝子治療、好ましくは治療用遺伝子の肝臓特異的発現による遺伝子治療に使用するための、本開示による発現カセット、ベクター、又はビリオンを提供する。治療は、肝臓細胞から治療用産物を分泌させることによる、疾患、好適には、肝臓における異常な遺伝子発現を伴う疾患(例えば、血友病A又は血友病B)の治療を含んでいてもよい。
【0384】
また、本発明は、治療用導入遺伝子を肝臓細胞にて発現させるための方法であって、本発明による発現カセット又はベクターを肝臓細胞へと導入する工程を含む方法を提供する。肝臓細胞は、in vivoであってもよく、又はex vivoであってもよい。
【0385】
また、本発明は、その必要のある対象、好ましくはヒトの遺伝子治療のための方法であって、
- 治療用産物をコードする遺伝子を含む本発明の合成肝臓特異的発現カセット、ベクター、ビリオン、又は医薬組成物を対象に投与する(好適には、対象の肝臓へと導入する)工程
を含む方法を提供する。
【0386】
本方法は、好適には、上記対象の肝臓において治療量の治療用産物を遺伝子から発現させる工程を含む。
【0387】
好適な治療用産物をコードする遺伝子は、上記で考察されている。しかしながら、特に、血友病を治療するための第VIII因子及び第IX因子等の治療用タンパク質に言及することができる。
【0388】
本方法は、好適には、本発明によるベクター又はビリオンを対象に投与する工程を含む。好適には、ベクターは、ウイルス遺伝子治療ベクター、例えば、AAVベクターである。
【0389】
一部の実施形態では、本方法は、ウイルス遺伝子治療ベクターを全身投与する工程を含む。全身投与は、経腸(例えば、経口、舌下、及び直腸)であってもよく、又は非経口(例えば、注射)であってもよい。好ましい注射経路としては、静脈内、筋肉内、皮下、動脈内、関節内、髄腔内、及び皮内注射が挙げられる。
【0390】
一部の実施形態では、ウイルス遺伝子治療ベクターは、1つ若しくは複数の追加の治療剤と、又は細網内皮系によるベクターのクリアランスを防止するように設計されている1つ若しくは複数の飽和剤と、同時に又は順次に投与してもよい。
【0391】
ベクターがAAVベクターである場合、ベクターの投与量は、1×1010gc/kg~1×1015gc/kg又はそれよりも多くてもよく、好適には1×1012gc/kg~1×1014gc/kg、好適には5×1012gc/kg~5×1013gc/kgであってもよい。
【0392】
一般に、それを必要とする対象は、哺乳動物、好ましくは霊長類、より好ましくはヒトである。典型的には、それを必要とする対象は、疾患に特徴的な症状を提示するであろう。本方法は、典型的には、治療量の治療用産物を発現させることにより、それを必要とする対象により提示される症状を改善する工程を含む。
【0393】
in vitro及びin vivoにおいて治療用遺伝子を標的細胞にて発現させるための遺伝子治療プロトコールは、当技術分野で周知であり、本明細書では詳細に考察しないものとする。手短に言えば、遺伝子治療プロトコールとしては、プラスミドDNAベクター(ネイキッド又はリポソーム中)又はウイルスベクターの筋肉内注射、間質注射、気道での滴下注入、内皮への塗布、肝実質内投与、及び静脈又は動脈内投与(例えば、肝動脈内、肝静脈内)が挙げられる。標的細胞に対するDNAのアベイラビリティを増強するための種々のデバイスが開発されている。単純な手法は、標的細胞を、関連ベクターを含有するカテーテル又は移植可能材料と物理的に接触させることであるが、より複雑な手法では、ジェット注入デバイス等を使用することができる。哺乳動物肝臓細胞への遺伝子導入は、ex vivo手順及びin vivo手順を両方とも使用して実施される。ex vivo手法は、典型的には、肝臓細胞を採取すること、好適な発現ベクターによりin vitro形質導入すること、続いて形質導入した肝細胞を肝臓へと再導入することを必要とする。in vivo遺伝子移入は、DNA又はウイルスベクターを肝実質、肝動脈、又は門脈へと注射することにより達成される。
【0394】
一部の好ましい実施形態によると、上記に示されている方法は、血友病、例えば血友病A又は血友病Bを有する対象を治療するために使用することができる。したがって、本発明は、血友病A又は血友病Bを有する対象を治療するための方法であって、
- 好適な凝固因子(特に、血友病Aの場合は第VIII因子又は血友病Bの場合は第IX因子)をコードする遺伝子を含む本発明の合成肝臓特異的発現カセット、ベクター、ビリオン、又は医薬組成物を対象に投与する(好適には、対象の肝臓へと導入する)工程、及び
- 上記対象の肝臓にて治療量の凝固因子を発現させる工程
を含む方法を提供する。
【0395】
一部の場合では、合成肝臓特異的発現カセットは、遺伝子治療ベクター、好適にはAAVベクター中に提供されている。
【0396】
好ましくは、本方法は、血友病A又は血友病Bの症状を緩和又は改善するために、好適な量の関連する凝固因子を対象の肝臓にて発現させる工程を含む。
【0397】
追加の物質:
本発明の一部の実施形態では、CRM又は合成肝臓特異的プロモーターは、CR0077(又はその機能的バリアント)及びCR0078(又はその機能的バリアント)を両方ともは含まない。本発明の一部の実施形態では、CRE、CRM、又は合成肝臓特異的プロモーターが、CR0077又はCR0078(又はそれらの機能的バリアント)のいずれかを含む場合、それは、CR0077(又はその機能的バリアント)及びCR0078(又はその機能的バリアント)からなる群から選択される更なるCREを含まない。本発明の一部の実施形態では、CRM又は合成肝臓特異的プロモーターは、CR0077(若しくはその機能的バリアント)又はCR0078(若しくはその機能的バリアント)からなる群から選択される1つよりも多くのCREを含まない。
【0398】
本発明の一部の実施形態では、CRE、CRM、又は合成肝臓特異的プロモーターは、CR0077又はその機能的バリアントも、CR0078又はその機能的バリアントも含まない。
【0399】
本発明の一部の実施形態では、CRM又は合成肝臓特異的プロモーターは、配列GGACTTAGCCCCTGTTTGCTCCTCCGATAACTGGGGTGACCTTGGTTAATATTCACCA(配列番号284)も、GCCCCTGTTTGCTCCTCCGATAACTGGGGTGACCTTGGTTAATATTCACCA(配列番号285)も、それらのいずれの機能的バリアントも含まない。こうした配列は、SEPRINA1プロモーターの部分である。
【0400】
本発明の一部の実施形態では、CRM又は合成肝臓特異的プロモーターが、CR0077又はCR0078(又はそれらのいずれかの機能的バリアント)のいずれかを含む場合、それは、配列番号284も、配列番号285も(又はそれらのいずれの機能的バリアントも)含有しない。したがって、一部の実施形態では、CRM又は合成肝臓特異的プロモーターは、配列V1、V2、配列番号284、及び配列番号285の1つ以下を含有する。
【0401】
本発明の一部の実施形態では、CRM又は合成肝臓特異的プロモーターは、以下のエレメント:LVR_CRE0080_PROC、LVR_CRE0081_APOA1、LVR_CRE0061_APOB、LVR_CRE0082_APOC4、配列番号284、及び配列番号285、又はそれらの任意の機能的バリアントの2つ以下を含む。本発明の一部の実施形態では、CRM又は合成肝臓特異的プロモーターは、上記エレメント又はそれらの任意の機能的バリアントの1つ以下を含む。本発明の一部の実施形態では、CRM又は合成肝臓特異的プロモーターは、上記エレメント又はそれらの任意の機能的バリアントをいずれも含まない。LVR_CRE0080_PROC及びLVR_CRE0081_APOA1は、CR0077の成分であり、LVR_CRE0061_APOB、LVR_CRE0082_APOC4は、CR0078の成分である(更なる詳細は、Table 7(表7)及びTable 8(表8)を参照)。
【0402】
本発明の一部の実施形態では、合成肝臓特異的プロモーターは、CRE0052最小プロモーターも、その機能的バリアントも含まない。
【0403】
本発明の一部の実施形態では、CRM又は合成肝臓特異的プロモーターは、欧州特許出願第18207027.6号に開示されている配列を含まない。
【0404】
上記で考察されているこうした放棄事項及び実施形態の配列の任意の機能的バリアントは、例えば、参照配列のいずれかと60%、70%、80%、90%、95%、又は99%同一性を有する配列を有してもよい。
【0405】
定義及び基本事項:
本発明の種々の実施形態の製作及び使用を下記で詳細に考察するが、本発明は、幅広く様々な具体的な文脈で具現化することができる多数の適用可能な発明概念を提供することが理解されるべきである。本明細書で考察されている具体的な実施形態は、本発明を製作及び使用するための具体的な様式の例示に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0406】
本明細書における本発明の背景に関する考察は、本発明の文脈を説明するために含まれている。これは、参照されている物質のいずれかが、特許請求の優先日の時点で、任意の国において発表されていたか、公知であったか、又は一般知識の一部であったことを認めるものとみなされるべきではない。
【0407】
本開示の全体にわたって、種々の刊行物、特許、及び公開特許明細書は、識別のための引用により参照される。本明細書で引用されている文書は全て、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。特に、本明細書で具体的に参照されているそのような文書の教示又は部分は、参照により組み込まれる。
【0408】
本発明の実施には、別様の指示がない限り、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDNA、及び免疫学の従来技術が使用されることになり、それらは当技術分野の技術範囲内にある。そのような技術は、文献にて十分に説明されている。例えば、以下の文献を参照されたい:Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel、2000年、Wiley and son Inc社、米国議会図書館);Molecular Cloning: A Laboratory Manual、第三版(Sambrookら、2001年、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク:Cold Spring Harbor Laboratory Press社);Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait編、1984年);米国特許第4,683,195号;Nucleic Acid Hybridization (Harries及びHiggins編、1984年);Transcription and Translation (Hames及びHiggins編、1984年);Culture of Animal Cells (Freshney、Alan R. Liss, Inc.社、1987年);Immobilized Cells and Enzymes (IRL Press社、1986年);Perbal、A Practical Guide to Molecular Cloning (1984年);Methods in Enzymologyシリーズ(Abelson及びSimon主編集、Academic Press, Inc.社、ニューヨーク)、特に154巻及び155巻(Wuら編)並びに185巻「Gene Expression Technology」(Goeddel編);Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells (Miller及びCalos編、1987年、Cold Spring Harbor Laboratory);Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology (Mayer及びWalker編、Academic Press社、ロンドン、
1987年);Handbook of Experimental Immunology、I~IV巻(Weir及びBlackwell編、1986年);及びManipulating the Mouse Embryo (Cold Spring Harbor Laboratory Press社、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州、1986年)。
【0409】
本発明の理解を容易にするために、幾つかの用語が下記で定義又は説明されている。本明細書で使用される用語は、本発明に関連する分野の当業者により一般的に理解される意味を有する。「a(1つの)」、「an(1つの)」、及び「the(その)」等の用語は、単数の実体のみを指すことを意図したものではなく、説明のためにその特定の例を使用することができる基本的クラスも含む。本明細書の用語は、本発明の具体的な実施形態を説明するために使用されるが、それらの使用法は、特許請求の範囲で画定される場合を除いて、本発明を限定するものではない。
【0410】
「シス調節エレメント」又は「CRE」という用語は、当業者に周知の用語であり、エンハンサー、プロモーター、インスレーター、又はサイレンサー等の、隣り合う(すなわち、シスの)遺伝子の転写を調節又はモジュレートすることができる核酸配列を意味する。CREは、それらが調節する遺伝子の近傍に見出される。CREは、典型的には、TFに結合することにより遺伝子転写を調節する。すなわち、CREは、TFBSを含む。単一のTFは、多数のCREに結合することができ、したがって多数の遺伝子の発現(多面発現)を制御する。CREは、常にという訳ではないが通常は、それらが調節する遺伝子の転写開始部位(TSS)の上流に位置する。「エンハンサー」は、それらが作動可能に付随する遺伝子の転写を増強(すなわち、上方制御)するCREであり、それらが調節する遺伝子の上流、下流、及びイントロン内にさえ見出すことができる。複数のエンハンサーが協同的な様式で作用して、1つの遺伝子の転写を調節する場合がある。この文脈における「サイレンサー」は、遺伝子の転写を防止又は下方制御するように作用するリプレッサーと呼ばれる、TFに結合するCREに関する。「サイレンサー」という用語は、メッセンジャーRNAの3'非翻訳領域にある、そのmRNA分子の翻訳を抑制するタンパク質に結合する領域を指す場合もあるが、この使用法は、CREの説明におけるその使用とは異なる。一般に、本発明のCREは、肝臓特異的エンハンサーエレメント(肝臓特異的CRE又は肝臓特異的CREエンハンサー等と呼ばれることが多い)である。本文脈では、CREは、転写開始部位(TSS)から1500個以下のヌクレオチド、より好ましくはTSSから1000個以下のヌクレオチド、より好ましくはTSSから500個以下のヌクレオチド、好適にはTSSから250、200、150、又は100個、又はそれよりも少数のヌクレオチドだけ離れて位置することが好ましい。。本発明のCREは、好ましくは長さが比較的短く、好ましくは250又はそれよりも少数のヌクレオチド長であり、例えば、本発明のCREは、200、175、150、90、80、70、60、又は50、又はそれよりも少数のヌクレオチド長であってもよい。本発明のCREは、典型的には、最小プロモーター又は近位プロモーターであってもよい作動可能に連結したプロモーターエレメントと組み合わせて提供される。本発明のCREは、プロモーターエレメントの肝臓特異的活性を増強する。
【0411】
「シス調節モジュール」又は「CRM」という用語は、通常は2つ以上のCREを含む機能的調節性核酸モジュールを意味し、CREは、本発明では典型的には肝臓特異的エンハンサーであり、したがってCRMは合成肝臓特異的調節性核酸である。したがって本出願では、CRMは、典型的には複数の肝臓特異的CREを含む。典型的には、CRM内の複数のCREは一緒に作用して(例えば、相加的に又は相乗的に)、CRMを含むプロモーターが作動可能に付随した遺伝子の転写を増強する。CRM内のCREのシャッフル(すなわち、並べ替え)、反転(すなわち、方向性の逆転)、及び間隔の変更にはかなりの範囲が存在する。したがって、本発明のCRMの機能的バリアントとしては、とりわけ、それら内のCREがシャッフル及び/若しくは反転されている、並びに/又はCRE間の間隔が変更されている、参照CRMのバリアントが挙げられる。
【0412】
本明細書で使用される場合、「プロモーター」という語句は、一般に、転写しようとする核酸配列の上流に位置し、転写が生じるのに必要である、すなわち転写を開始させるDNAの領域を指す。プロモーターは、それらの制御下にあるコード配列の転写の適切な活性化又は抑制を可能にする。プロモーターは、典型的には、複数のTFが認識及び結合する特定の配列を含有する。TFはプロモーター配列に結合し、遺伝子のコード領域からRNAを合成する酵素であるRNAポリメラーゼの動員をもたらす。多数の多様なプロモーターが当技術分野で公知である。
【0413】
「合成プロモーター」という用語は、本明細書で使用される場合、自然界には存在しないプロモーターに関する。本文脈では、この用語は、典型的には、最小(若しくはコア)プロモーター又は肝臓特異的近位プロモーター(プロモーターエレメント)に作動可能に連結した本発明のCRE及び/又はCRMを含む。本発明のCRE及び/又はCRMは、合成プロモーターに作動可能に連結した遺伝子の肝臓特異的転写を増強する役目を果たす。合成プロモーターの一部は、天然に存在してもよいが(例えば、プロモーターの最小プロモーター又は1つ若しくは複数のCRE)、完全な実体としての合成プロモーターは、天然には存在しない。
【0414】
本明細書で使用される場合、「最小プロモーター」(「コアプロモーター」としても公知)は、それ自体では不活性であるかほとんど不活性であるが、他の転写調節エレメントと組み合わせると転写を媒介することができる短いDNAセグメントを指す。最小プロモーター配列は、原核生物遺伝子及び真核生物遺伝子を含む種々の異なる供給源に由来してもよい。最小プロモーターの例は上記で考察されており、ドーパミンベータヒドロキシラーゼ遺伝子最小プロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)最初期遺伝子最小プロモーター(CMV-MP)、及びヘルペスチミジンキナーゼ最小プロモーター(MinTK)が挙げられる。最小プロモーターは、典型的には、転写開始部位(TSS)及びすぐ上流のエレメント、RNAポリメラーゼIIの結合部位、並びに基本転写因子結合部位(TATAボックスであることが多い)を含む。また、最小プロモーターは、TSSの下流に幾つかのエレメントを含んでいてもよいが、それらは、典型的には、機能性がほとんど無い追加の調節エレメントを有する。
【0415】
本明細書で使用される場合、「近位プロモーター」は、主調節エレメントを含有する傾向がある遺伝子上流の近位配列を伴う最小プロモーターに関する。多くの場合、近位プロモーターは、TSSの上流およそ250塩基対に延在し、特定のTFBSを含む。また、近位プロモーターは、TSSの下流にある1つ又は複数の調節エレメント、例えばUTR又はイントロンを含んでいてもよい。本件の場合、近位プロモーターは、好適には、本発明の1つ又は複数のCRE又はCRMと組み合わせることができる天然に存在する肝臓特異的近位プロモーターであってもよい。しかしながら、近位プロモーターは、合成であってもよい。
【0416】
本明細書で使用される場合、「プロモーターエレメント」は、上記で定義されている最小プロモーター又は近位プロモーターのいずれかを指す。本発明の文脈では、プロモーターエレメントは、典型的には、本発明の合成肝臓特異的プロモーターを提供するために、1つ又は複数のCREと組み合わされている。
【0417】
本発明の文脈における、CRE、CRM、プロモーターエレメント、プロモーター、又は他の核酸コンストラクトの「機能的バリアント」は、例えば、肝臓特異的CRE、肝臓特異的CRM、又は肝臓特異的プロモーターとして参照配列と同じように機能する能力を保持する参照配列のバリアントである。そのような機能的バリアントの代替用語には、「生物学的等価物」又は「等価物」が挙げられる。
【0418】
肝臓特異的エンハンサーとして機能する所与のCREの能力は、原理的には、参照配列に結合する同じ肝臓特異的TFに結合する配列の能力により決定されることが理解されるであろう。したがって、ほとんどの場合、CRE又はCRMの機能的バリアントは、参照CRE又はCRMと同じTFのほとんど又は全てのTFBSを含有することになる。機能的バリアントのTFBSは、参照CRE又はCRMと同じ相対位置(すなわち、順序及び基本位置)に存在することが好ましいが、必須ではない。また、機能的バリアントのTFBSは、参照配列と方向性が同じであることが好ましいが、必須ではない(TFBSは、一部の場合では、参照配列の配列と比べて方向性が逆転して、例えば逆相補体として存在してもよいことが留意されるであろう)。また、機能的バリアントのTFBSは、参照配列と同じ鎖に存在することが好ましいが、必須ではない。したがって、好ましい実施形態では、機能的バリアントは、同じTFのTFBSを、参照配列と同じ順序で、同じ位置に、同じ方向性で、及び同じ鎖に含む。TFBS間にある配列(一部の場合では、スペーサー配列等と呼ばれる)は、CRE又はCRMの機能にそれほど影響を及ぼさないことも理解されるであろう。そのような配列は、典型的には、かなり様々であってもよく、それらの長さは変更することができる。しかしながら、好ましい実施形態では、機能的バリアントの間隔(すなわち、隣接するTFBS間の距離)は、参照配列における間隔と実質的に同じである(例えば、20%よりも大きくは変化せず、好ましくは10%よりも大きくは変化せず、より好ましくはほぼ同じである)。一部の場合では、CREの機能的バリアントは、逆の方向性で存在してもよく、例えば、上記に記載のCRE又はそのバリアントの逆相補体であってもよいことは明らかであるだろう。。
【0419】
機能的バリアントと参照配列との間の配列同一性レベルも、機能性保持の指標であり得る。CREのTFBSにおける高レベルの配列同一性は、一般に、スペーサー配列(配列保存のいかなる必要性もほとんど又は全くない)における配列同一性よりも高度に重要である。しかしながら、機能的TFBSの配列はコンセンサス配列と正確に一致する必要がないことを考慮すると、TFBS内でさえ、かなりの度合いの配列変動性が許容され得ることが理解されるであろう。
【0420】
所与の機能的バリアントのTFBSに結合する1つ又は複数のTFの能力は、これらに限定されないが、電気移動度シフトアッセイ(EMSA)、結合アッセイ、クロマチン免疫沈降(ChIP)、及びChIP-配列決定(ChIP-seq)を含む、当技術分野で公知の任意の関連手段により決定することができる。好ましい実施形態では、所与の機能的バリアントに結合する1つ又は複数のTFの能力は、EMSAにより決定される。EMSAを実施するための方法は、当技術分野で周知である。好適な手法は、上記で引用されているSambrookらに記載されている。この手順を説明する関連論文は多数が、例えばHellman及びFried、Nat Protoc.、2007年;2巻(8号):1849~1861頁が入手可能である。
【0421】
「肝臓特異的」又は「肝臓特異的発現」は、シス調節エレメント、シス調節モジュール、又はプロモーターが、肝臓(又は肝臓由来細胞)における遺伝子の発現を、他の組織(例えば、脾臓、筋肉、心臓、肺、及び脳)と比較して選択的又は優勢的な様式で増強又は駆動する能力を指す。遺伝子の発現は、mRNA又はタンパク質の形態であってもよい。好ましい実施形態では、肝臓特異的発現は、他の(すなわち、非肝臓)組織又は細胞での発現が無視できる程度であることであり、すなわち発現は高度に肝臓特異的である。
【0422】
肝臓特異的CRE、CRM、又はプロモーターとして機能するCRE、CRM、又はプロモーターの能力は、当業者であれば容易に評価することができる。したがって、当業者であれば、上記に記載されている特定のCRE、CRM、又はプロモーターのいずれのバリアントが依然として機能的であり得るか(すなわち、上記で定義されている機能的バリアントであるか)を容易に決定することができる。例えば、評価しようとする任意の所与のCRMは、最小プロモーターに作動可能に連結していてもよく(例えば、CMV-MPの上流に位置してもよく)、遺伝子(典型的にはレポーター遺伝子)の肝臓特異的発現を駆動するシス調節エレメントの能力が測定される。或いは、CREのバリアントを、参照CREの代わりに合成肝臓特異的プロモーターにおいて置換してもよく、上記修飾プロモーターにより駆動される肝臓特異的発現に対する効果を決定し、非修飾形態と比較することができる。同様に、肝臓特異的発現を駆動するCRM又はプロモーターの能力は、当業者であれば容易に評価することができる(例えば、下記の実施例に記載の通りに)。参照プロモーターのバリアントにより駆動される遺伝子の発現レベルを、参照配列により駆動される発現レベルと比較することができる。一部の実施形態では、バリアントプロモーターにより駆動される肝臓特異的発現レベルが、参照プロモーターにより駆動される発現レベルの少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも100%である場合、バリアントは、依然として機能的であると言うことができる。肝臓特異的発現増強を評価するための好適な核酸コンストラクト及びレポーターアッセイは容易に構築することができ、好適な方法論は、下記に示されている例に挙げられている。
【0423】
遺伝子(例えば、治療用遺伝子又はレポーター遺伝子)の発現が肝臓由来細胞にて選択的に又は優勢的に生じる肝臓特異性を識別することができる。例えば、発現のレベルが他のタイプの細胞(すなわち、非肝臓由来細胞)よりも肝臓由来細胞において著しくより大きい場合、発現は選択的又は優勢的であると規定することができる。例えば、肝臓由来細胞での発現は、好適には、非肝臓細胞よりも少なくとも5倍高く、好ましくは非肝臓細胞よりも少なくとも10倍高く、一部の場合では、50倍又はそれよりも高い場合がある。便宜上、肝臓特異的発現は、好適には、肝細胞株(例えば、Huh7細胞及び/又はHepG2細胞等の肝臓由来細胞株)又は肝臓初代細胞での発現レベルを、腎臓由来細胞株(例えば、HEK-293)、子宮頸部組織由来細胞株(例えば、HeLa)、及び/又は肺由来細胞株(例えば、A549)での発現レベルと比較することにより実証することができる。
【0424】
本発明の合成肝臓特異的プロモーターは、好ましくは、CMV-IE等の非組織特異的プロモーターと比較して、非肝臓由来細胞、好適にはHEK-293、HeLa、及び/又はA549細胞において発現の低減を呈する。本発明の合成肝臓特異的プロモーターは、好ましくは、非肝臓由来細胞(好適には、HEK-293、HeLa、及び/又はA549細胞)において、CMV-IEプロモーターの50%以下、好適には25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、又は1%以下の活性を有する。一般に、非肝臓由来細胞での発現を最小限に抑えることが好ましいが、一部の場合では、それは必要ではない場合がある。一部の実施形態では、本発明の合成肝臓特異的プロモーターは、非肝臓由来細胞(例えば、HEK-293、HeLa、及び/又はA549細胞)において、LP1プロモーターの50%又はそれよりも低いレベルの遺伝子発現を促進するのに好適である。
【0425】
本発明の合成肝臓特異的プロモーターは、好ましくは、対象の肝臓における発現を促進するために、例えば、導入遺伝子、好ましくは治療用導入遺伝子の肝臓特異的発現を駆動するために好適である。本発明の好ましい合成肝臓特異的プロモーターは、肝臓特異的導入遺伝子発現の促進に好適であり、TBGプロモーターの活性の少なくとも15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、350%、又は400%である肝臓細胞での活性を有する。一部の実施形態では、本発明の合成肝臓特異的プロモーターは、LP1プロモーターの活性の少なくとも100%、好ましくはLP1プロモーターの活性の150%、200%、300%、又は500%のレベルの肝臓特異的導入遺伝子発現の促進に好適である。そのような肝臓特異的発現は、好適には、肝臓由来細胞、例えば、Huh7細胞、及び/又はHepG2細胞、又は初代肝臓細胞(好適には初代ヒト肝細胞)にて決定される。
【0426】
また、本発明の合成肝臓特異的プロモーターは、肝臓由来細胞(例えば、Huh7細胞及び/又はHepG2細胞)でのCMV-IEと比較して少なくとも150%の、好ましくは、肝臓由来細胞でのCMV-IEプロモーターの少なくとも200%のレベルでの遺伝子の肝臓特異的発現を促進することができる可能性がある。
【0427】
「核酸」という用語は、本明細書で使用される場合、典型的には、本質的にヌクレオチドで構成される任意の長さのオリゴマー又はポリマー(好ましくは、直鎖状ポリマー)を指す。ヌクレオチド単位は、一般的に、複素環塩基、糖基、及び修飾又は置換リン酸基を含む少なくとも1つの、例えば、1つ、2つ、又は3つのリン酸基を含む。複素環塩基としては、とりわけ、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)、及びウラシル(U)等の、プリン塩基及びピリミジン塩基が挙げられ、これらは、天然に存在する核酸に、他の天然に存在する塩基に(例えば、キサンチン、イノシン、ヒポキサンチン)、並びに化学的又は生化学的に修飾された(例えば、メチル化された)非天然又は誘導体化塩基に広く存在する。糖基としては、とりわけ、好ましくは、天然に存在する核酸に共通のリボース及び/若しくは2-デオキシリボース、又はアラビノース、2-デオキシアラビノース等のペントース(ペントフラノース)基、スレオース、又はヘキソース糖基、並びに修飾又は置換糖基が挙げられる。本明細書で意図されているような核酸としては、天然に存在するヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、又はそれらの混合物を挙げることができる。修飾ヌクレオチドは、修飾複素環塩基、修飾糖部分、修飾リン酸基、又はそれらの組合せを含んでいてもよい。リン酸基又は糖の修飾を導入して、安定性、酵素分解に対する耐性、又は幾つかの他の有用な特性を向上させることができる。「核酸」という用語は、更に好ましくは、特にhnRNA、pre-mRNA、mRNA、cDNA、ゲノムDNA、増幅産物、オリゴヌクレオチド、及び合成(例えば、化学的に合成された)DNA、RNA、又はDNA RNAハイブリッドを含む、DNA、RNA、及びDNA RNAハイブリッド分子を包含する。核酸は、天然に存在してもよく、例えば、自然界に存在してもよく又は自然界から単離されていてもよく、或いは天然に存在しなくともよく、例えば、組換えであってもよく、すなわち組換えDNA技術により産生されてもよく、及び/又は部分的若しくは全体が化学的若しくは生化学的に合成されてもよい。「核酸」は、二本鎖、部分的に二本鎖、又は一本鎖であってもよい。一本鎖の場合、核酸は、センス鎖であってもよく又はアンチセンス鎖であってもよい。加えて、核酸は、環状であ
ってもよく又は直鎖状であってもよい。
【0428】
「同一性」及び「同一である」等の用語は、2つのポリマー分子間、例えば、2つのDNA分子間等の2つの核酸分子間の配列類似性を指す。配列アラインメント及び配列同一性の決定は、例えば、Tatusova及びMadden、1999年(FEMS Microbiol Lett、174巻:247~250頁)により記載の「Blast 2 sequences」アルゴリズム等、Altschulら、1990年(J Mol Biol、215巻:403~10頁)により最初に記載されたBasic Local Alignment Search Tool(BLAST)を使用して行うことができる。
【0429】
比較のために配列をアラインするための方法は、当技術分野で周知である。種々のプログラム及びアラインメントアルゴリズムは、以下の文献に記載されている:例えば、Smith及びWaterman (1981年) Adv. Appl. Math.、2巻:482頁;Needleman及びWunsch(1970年)J. Mol. Biol.、48巻:443頁;Pearson及びLipman(1988年)Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、85巻:2444頁;Higgins及びSharp(1988年) Gene、73巻:237~44頁;Higgins及びSharp(1989年)CABIOS、5巻:151~3頁;Corpetら(1988年)Nucleic Acids Res.、16巻:10881~90頁;Huangら(1992年)Comp. Appl. Biosci.、8巻:155~65頁;Pearsonら(1994年) Methods Mol. Biol.、24巻:307~31頁;Tatianaら(1999年)FEMS Microbiol. Lett.、174巻:247~50頁。配列アラインメント法及び相同性計算の詳細な考察は、Altschulら(1990年)J. Mol. Biol.、215巻:403~10頁に見出すことができる。
【0430】
国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のBasic Local Alignment Search Tool(BLAST(商標); Altschulら(1990年))は、幾つかの配列分析プログラムと併せて使用するために、国立バイオテクノロジー情報センター(ベテスダ、メリーランド州)を含む幾つかの供給元から及びインターネットで入手可能である。このプログラムを使用して配列同一性を決定する方法に関する説明は、BLAST(商標)の「ヘルプ」セクションからインターネットで入手可能である。核酸配列を比較するため、BLAST(商標)(Blastn)プログラムの「Blast 2 sequences」機能は初期設定パラメーターを使用して用いることができる。参照配列との類似性が更により大きな核酸配列は、この方法で評価すると、より大きな同一性パーセンテージを示すことになる。典型的には、配列同一性パーセンテージは、配列の長さ全体にわたって計算される。
【0431】
例えば、グローバル最適化アラインメントは、好適には、以下のスコアリングパラメーター:一致スコア:+2、不一致スコア:-3;ギャップペナルティ:ギャップオープン5、ギャップエクステンション2を用いてNeedleman-Wunschアルゴリズムにより見出される。得られた最適なグローバルアラインメントの同一性パーセンテージは、好適には、アラインメントの完全長に対するアラインされた塩基数の比に100を掛けることにより算出され、アラインメント長は一致及び不一致の両方を含む。
【0432】
「ハイブリダイズする」という用語は、ハイブリダイゼーションプロセスにおいて2つの少なくとも部分的に相補的なヌクレオチド配列のアニーリングを意味する。ハイブリダイゼーションが生じることを可能にするために、一般には、相補的核酸分子を熱的に又は化学的に変性させて、二本鎖を2つの一本鎖へと融解させ、及び/又は一本鎖核酸からヘアピン若しくは他の二次構造を除去する。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、温度、塩濃度、及びハイブリダイゼーション緩衝液組成等の条件により影響を受ける。従来のハイブリダイゼーション条件は、例えば、Sambrook(2001年)Molecular Cloning:Laboratory Manual、第三版、Cold Spring Harbour Laboratory Press社、CSH、ニューヨークに記載されているが、当業者であれば、数多くの異なるハイブリダイゼーション条件を、核酸配列の公知又は予想される相同性及び/又は長さの関数として設計することができる。ハイブリダイゼーションの高ストリンジェンシー条件としては、高温並びに/又は低ナトリウム/塩濃度(塩としては、例えば、NaCl及びクエン酸Na中のナトリウムが挙げられる)、並びに/又はハイブリダイゼーション緩衝液へのホルムアミドの包含、並びに/又はハイブリダイゼーション緩衝液中のSDS(ドデシル硫酸ナトリウム界面活性剤)等の化合物の濃度の低下、並びに/又はハイブリダイゼーション緩衝液からの硫酸デキストラン若しくはポリエチレングリコール(分子密集を促進する)等の化合物の排除が挙げられる。非限定的な例として、ストリンジェントなハイブリダイゼーションの代表的な塩条件及び温度条件は、65℃での1×SSC、0.5%SDSである。略語SSCは、核酸ハイブリダイゼーション溶液で使用される緩衝液を指す。1リットルの20×(20倍濃縮物)ストックSSC緩衝溶液(pH 7.0)は、175.3gの塩化ナトリウム及び88.2gのクエン酸ナトリウムを含有する。ハイブリダイゼーションを達成するための代表的な期間は12時間である。
【0433】
「転写因子結合部位」(TFBS)という用語は、当技術分野で周知である。本明細書には、種々の特定のTFBS配列が開示されている。当業者であれば、意図されているTFと結合する限り、代替的なTFBS配列を使用することができることは明らかであろう。本明細書に開示されている種々のTFBSのコンセンサス配列は、当技術分野で公知であり、当業者であれば、この情報を容易に使用して代替的TFBSを決定することができる。更に、所与の推定配列に結合するTFの能力は、当業者であれば実験的に容易に決定することができる(例えば、EMSA、及び当技術分野で周知であり本明細書で考察されている他の手法による)。
【0434】
「コンセンサス配列」の意味は、当技術分野で周知である。本出願では、文脈が別様に指示しない限り、コンセンサス配列には以下の表記法が使用される。以下の例示的なDNA配列:
A[CT]N{A}YR
を考慮すると、Aは、Aがその位置に常に見出されることを意味し、[CT]は、その位置にあるC又はTのいずれかを表し、Nは、その位置にある任意の塩基を表し、{A}は、A以外の任意の塩基がその位置に見出されることを意味する。Yは、任意のピリミジンを表し、Rは任意のプリンを表す。
【0435】
「合成」は、本出願では、自然界には生じない核酸分子を意味する。本発明の合成核酸発現コンストラクトは、典型的には組換え技術により人工的に産生される。そのような合成核酸は、天然に存在する配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、イントロン、及び他のそのような調節性配列)を含有してもよいが、それらは、天然に存在しない文脈で存在する。例えば、合成遺伝子(又は遺伝子の部分)は、典型的には、自然界では臨接していない1つ又は複数の核酸配列(キメラ配列)を含有し、並びに/又は置換、挿入、及び欠失、及びそれらの組合せを包含してもよい。
【0436】
「相補的」又は「相補性」は、本明細書で使用される場合、2つの核酸配列のワトソン-クリック型塩基対合を指す。例えば、配列5'-AGT-3'は、相補的配列3'-TCA-5'に結合する。2つの核酸配列間の相補性は、塩基の一部のみがそれらの相補体に結合する「部分的」であってもよく、又は配列中の全ての塩基がその相補的塩基に結合するような完全なものであってもよい。核酸鎖間の相補性の度合いは、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率及び強度に著しい影響を及ぼす。
【0437】
「トランスフェクション」は、本出願では、核酸を細胞内へと意図的に導入する任意のプロセスを幅広く指し、ウイルスベクター及び非ウイルスベクターの導入を網羅し、形質転換、形質導入、並びに類似の用語及びプロセスを含む。例としては、これらに限定されないが、以下のものが挙げられる:ウイルスベクターによるトランスフェクション;プラスミドベクターによる形質転換;エレクトロポレーション(Frommら(1986年)Nature 319巻:791~3頁);リポフェクション(Feignerら(1987年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84巻:7413~7頁);マイクロインジェクション(Muellerら(1978年)Cell 15巻:579~85頁);アグロバクテリウム媒介性移入(Fraleyら(1983年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80巻:4803~7頁);直接DNA取込み;ウイスカー媒介性形質転換(whiskers-mediated transformation);及び微粒子銃(Kleinら(1987年)Nature 327巻:70頁)。
【0438】
本明細書で使用される場合、「導入遺伝子」という語句は、外因性核酸配列を指す。一例では、導入遺伝子は、工業的に又は薬学的に有用な化合物をコードする遺伝子であるか、又は望ましい形質をコードする遺伝子である。更に別の例では、導入遺伝子は、アンチセンス核酸配列をコードし、アンチセンス核酸配列の発現は、標的核酸配列の発現を阻害する。導入遺伝子は、好ましくは、治療用産物、例えばタンパク質をコードする。
【0439】
「ベクター」という用語は、当技術分野で周知であり、本明細書で使用される場合、本発明による核酸配列をその中に挿入することができる核酸分子、例えば、二本鎖DNAを指す。ベクターは、好適には、挿入された核酸分子を好適な宿主細胞へと輸送するために使用される。ベクターは、典型的には、挿入核酸分子の転写を可能にし、好ましくは、転写物のポリペプチドへの翻訳を可能にする必要なエレメントを全て含有する。ベクターは、典型的には、必要なエレメントを全て含有するため、ベクターが宿主細胞に存在すると、ベクターは、宿主染色体DNAと無関係に又はそれと同時に複製することができ、ベクター及びその挿入核酸分子の幾つかのコピーを生成することができる。本発明のベクターは、エピソームベクターであってもよく(すなわち、宿主細胞のゲノムに組み込まれない)、又は宿主細胞ゲノム内に組み込まれるベクターであってもよい。この定義は、非ウイルスベクター及びウイルスベクターを両方とも含む。非ウイルスベクターとしては、これらに限定されないが、プラスミドベクター(例えば、pMA-RQ、pUCベクター、bluescriptベクター(pBS)、及びpBR322、又は細菌配列を欠如するそれらの誘導体(ミニサークル))トランスポゾンベースのベクター(例えば、PiggyBac(PB)ベクター又はSleeping Beauty(SB)ベクター)等が挙げられる。人工染色体(細菌(BAC)、酵母(YAC)、又はヒト(HAC))等のより大きなベクターを使用すると、より大きなインサートに対応することができる。ウイルスベクターは、ウイルスに由来し、これらに限定されないが、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、又は肝炎ウイルスベクター等が挙げられる。必ずという訳ではないが、典型的には、ウイルスベクターは、複製に不可欠なウイルス遺伝子がウイルスベクターから排除されているため、所与の細胞において増殖する能力を喪失しているため複製欠損である。しかしながら、一部のウイルスベクターは、例えばがん細胞等の所与の細胞において特異的に複製するように構成することもでき、典型的には、(がん)細胞特異的(腫瘍)溶解を誘発するために使用される。ビロソームは、ウイルスエレメント及び非ウ
イルスエレメントを両方とも含むベクターの非限定的な例であり、特に、リポソームと不活化HIVウイルス又はインフルエンザウイルスとの組合せである(Yamadaら、2003年)。別の例は、カチオン性脂質と混合されたウイルスベクターを包含する。
【0440】
用語「作動可能に連結した」、「作動可能に接続された」、又は等価表現は、本明細書で使用される場合、エレメントが機能的に接続され、意図された様式で互いに相互作用することができるような、種々の核酸エレメントの互いに対する配置を指す。そのようなエレメントとしては、限定ではないが、プロモーター、CRE(例えば、エンハンサー又は他の調節エレメント)、ポリアデニル化配列、1つ又は複数のイントロン及び/又はエクソン、並びに発現させようとする目的の遺伝子のコード配列を挙げることができる。核酸配列エレメントは、適切に配向されているか又は作動可能に連結している場合、一緒に作用して互いの活性をモジュレートし、最終的には発現産物の発現レベルに影響を及ぼすことができる。モジュレートするとは、特定のエレメントの活性レベルを増加、減少、又は維持することを意味する。他のエレメントに対する各エレメントの位置は、各エレメントの5'末端及び3'末端の点で、又はそれらの位置が別のエレメント若しくは位置(TSS若しくはプロモーターエレメント等)の上流であるか若しくは下流にあるかの点で現すことができ、任意の特定のエレメント間の距離は、エレメント間の介在性ヌクレオチド又は塩基対の数により参照することができる。当業者であれば理解するように、「作動可能に連結した」は、機能的活性を示唆し、必ずしも天然の位置的連結に関するものではない。実際に、核酸発現カセットに使用される場合、CREは、典型的には、プロモーターエレメントのすぐ上流に位置することになるが(これは基本的には該当するが、核酸発現カセット内の位置の限定又は除外として解釈されるべきでは全くない)、これは、in vivoでは該当しなくてもよく、例えば、調節エレメント配列であって、天然ではそれが転写に影響を及ぼす遺伝子の下流に存在する調節エレメント配列は、プロモーターの上流に位置する場合と同様に機能することができる。したがって、特定の実施形態によると、調節エレメントの調節効果又は増強効果は、位置非依存性であってもよい。
【0441】
「スペーサー配列」又は「スペーサー」は、本明細書で使用される場合、2つの機能的な核酸配列(例えば、TFBS、CRE、CRM、プロモーターエレメント等)を隔てる核酸配列である。機能的核酸配列(例えば、シス調節エレメント)が、所望のように機能することを妨げない限り(例えば、これは、「スペーサー配列」又は「スペーサー」が、サイレンサー配列を含み、所望の転写因子の結合等を妨げる場合に起こり得る)、本質的に任意の配列を有することができる。典型的には、「スペーサー配列」又は「スペーサー」は、隣接する機能的核酸配列を互いに離間するためにのみ存在するため、非機能的である。一部の実施形態では、スペーサーは、75、50、40、30、30、又は10個、若しくはそれよりも少数のヌクレオチドの長さを有してもよい。
【0442】
「薬学的に許容される」という用語は、本明細書で使用される場合、当技術分野と一致し、医薬組成物の他の成分と適合性であり、そのレシピエントに有害ではないことを意味する。
【0443】
「治療有効量」及び類似の語句は、例えば、所望の特定の薬理学的効果を提供して肝臓にて治療用遺伝子を発現させる、対象における用量又は血漿濃度を意味する。治療有効量は、そのような投与量が当業者により治療有効量であるとみなされたとしても、本明細書に記載の状態の治療に常に有効であるとは限らない。治療有効量は、投与経路及び剤形、対象の年齢及び体重、並びに/又は治療しようとする疾患若しくは状態に基づいて様々であり得る。
【0444】
「治療」又は「治療する」という用語は、疾患又は状態の1つ又は複数の徴候、症状、又は影響を、低減、改善、又は排除することを指す。
【0445】
対象への物質の「投与」は、物質を対象へと導入又は送達して、その意図されている機能を実施するための任意の経路を含む。投与は、経口、鼻腔内、眼内、点眼、非経口(静脈内、筋肉内、腹腔内、又は皮下)、又は局所を含む任意の好適な経路により実施することができる。投与は、自己投与及び他者による投与を含む。
【0446】
「個体」、「対象」、及び「患者」という用語は、互換的に使用され、治療を必要とする疾患又は状態を有する任意の個々の対象を指す。本開示の目的のための対象は、霊長類、好ましくは、ヒト、又はイヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヤギ、若しくはウシ等の別の哺乳動物であってもよい。
【実施例
【0447】
(実施例1)
配列
以下の配列は、本開示に関連する。
【0448】
【表5A】
【0449】
【表5B】
【0450】
【表6】
【0451】
【表7】
【0452】
【表8】
【0453】
【表9】
【0454】
【表10】
【0455】
【表11】
【0456】
【表12】
【0457】
【表13】
【0458】
【表14】
【0459】
【表15】
【0460】
【表16】
【0461】
【表17】
【0462】
【表18】
【0463】
【表19】
【0464】
【表20】
【0465】
【表21】
【0466】
【表22】
【0467】
【表23】
【0468】
【表24】
【0469】
【表25】
【0470】
【表26】
【0471】
【表27】
【0472】
【表28】
【0473】
【表29】
【0474】
【表30】
【0475】
【表31A】
【0476】
【表31B】
【0477】
【表31C】
【0478】
【表31D】
【0479】
【表31E】
【0480】
【表31F】
【0481】
【表31G】
【0482】
【表32A】
【0483】
【表32B】
【0484】
【表32C】
【0485】
【表32D】
【0486】
【表32E】
【0487】
【表32F】
【0488】
【表32G】
【0489】
【表32H】
【0490】
【表32I】
【0491】
【表32J】
【0492】
【表32K】
【0493】
【表32L】
【0494】
【表33A】
【0495】
【表33B】
【0496】
(実施例2)
物質及び方法
プロモーターは、Synpromics社の独自プラットフォームPROMPT(登録商標)を使用して設計し、GeneArt(登録商標)により合成した。これには、マイクロアレイ及びNGSデータセットを含む肝臓遺伝子発現データセットを分析して候補遺伝子を特定すること、及び科学文献を再検討して肝臓細胞において非常に高レベルで発現される遺伝子を特定することが含まれていた。シス調節エレメントの選択及び分析を実施した。CRE内のTFBSを特定した。
【0497】
本明細書で考察される、最小/近位プロモーターに連結したCRMを含む合成プロモーターを、pUC19と本質的に同一の特性を有する骨格を有するベクターに、ルシフェラーゼレポーター遺伝子とそれに続くSV40後期ポリAシグナルの上流にクローニングした。DNA調製物を、Huh7(肝細胞がん細胞株)、HeLa(子宮頸がん由来の不死細胞株)、又はHEK293(ヒト胎児腎臓細胞)のいずれかにトランスフェクトして、転写活性を評価した。Huh-7細胞は、JCRB細胞バンク(JCRB0403)から入手し、HeLa及びHEK293は、ECACC細胞バンクから入手した。細胞株は全て、細胞バンクの推奨に従って成長及び維持した。
【0498】
トランスフェクションは、FuGene HDトランスフェクション試薬(Promega社 #E2311)を1:1.1のDNA:FuGene HD比で使用して、48ウェルプレートにて三重重複で実施した。トランスフェクションの24時間後にルシフェラーゼ活性を測定した。細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、100μlのPassive Lysis緩衝液(Promega社 #E194A)で溶解し、-80℃で一晩保管した。ルシフェラーゼ活性を、10μlのライセートにおいて、製造業者の指針に従ってLuciferase Reporter 1000アッセイ系(Promega社 #E4550)を使用し、96ウェル平底白色ソリッドマイクロプレートFluoroNuncプレート(Thermo Fisher社 #236105)を使用して定量化し、発光を、FLUOstarOmegaプレートリーダー(BMG Labtech社)機で定量化した。
【0499】
上記のルシフェラーゼ法は、当技術分野の従来法であり、類似の技法は、文献に、例えば、Alam及びCook、「Reporter Genes: Application to the Study of Mammalian Gene Transcription」、ANALYTICAL BIOCHEMISTRY 188巻、245~254頁(1990年)に広範に記載されている。
【0500】
考察及び結果
大規模ゲノムデータセットのバイオインフォマティクス分析は、肝臓特異的遺伝子発現の増強に有用であると予想されるシス調節エレメント(CRE)の発見に結び付いた。4つの合成肝臓特異的プロモーターを設計するために、上位12個のCREを選択した。こうしたプロモーターを、それぞれ、LVR_127、LVR_131、LVR_132、及びLVR_133と名付けた。こうしたプロモーターの構造は、各プロモーターに存在するCRE及び最小/近位プロモーターエレメントを含め、図1に示されている。
【0501】
こうしたプロモーターの配列はTable 32(表32)に示されており、こうしたプロモーターに含まれるCRMは、Table 31(表31)に示されている。こうしたCRM/プロモーターの構成部分(CRE)の配列はTable 5(表5)に示されており、こうしたCRMに作動可能に連結させた最小/近位プロモーターはTable 6(表6)に示されている。プロモーターLVR_127、LVR_131、LVR_132の場合、CREの種々の組合せを含むCRM(Table 31(表31))を、最小プロモーターLVR_CRE0052_G6PC(Table 6(表6)を参照)の上流に配置した。LVR_133の場合、CRMを、SERPINA7近位プロモーター(LVR_CRE0079_SERPINA7、Table 6(表6)を参照)の上流に配置した。
【0502】
こうした合成プロモーターが肝臓細胞において発現を駆動する能力を、遍在性CMV_IE及びCBAプロモーターに対して、また公知の肝臓特異的プロモーターLP1に対してベンチマークした。こうしたプロモーターの配列は、Table 14(表14)に示されている。3つの複製物の平均を示すこの実験の結果は、図2に示されている。バーは、標準偏差を示す。
【0503】
本発明による合成プロモーターは全て、Huh7細胞ではLP1プロモーターよりも高い活性を示した(図2)。こうしたプロモーターを非肝臓由来のHEK293細胞及びHeLa細胞にて対抗スクリーニングしたところ、遍在的に活性なプロモーターであるCMV_IE及びCBAと比較して無視できる程度の活性を示した(図5及び図6を参照)。これは、LVR_127、LVR_131、LVR_132、及びLVR_133プロモーターが、肝臓細胞株における活性に関して高度に特異的であることを示す。
【0504】
その後、以下のCRE LVR_CRE0080_PROC、LVR_CRE0081_APOA1、LVR_CRE0061_APOB、及びLVR_CRE0082_APOC4を使用してバイオインフォマティクス予測に基づき、2つの候補エンハンサーを設計した。こうした合成エンハンサーを、それぞれ「V1」(又はLVR_CRE0077_V1、配列番号19)及び「V2」(又はLVR_CRE0078_V2、配列番号20)と命名した(図3)。こうした候補エンハンサーの効果を、以前に記載されているLVR_127、LVR_131、LVR_132、及びLVR_133肝臓特異的プロモーターにそれらを付加することにより試験した。また、本明細書では「A1」(又はLVR_CRE0051_AMBP、配列番号3)と命名されている公知のヒトアルファ(1)-ミクログロブリン/ビクニン前駆体(AMBP)エンハンサー(Rouetら、1992年)を、LVR_127、LVR_131、LVR_132、及びLVR_133肝臓特異的プロモーターに付加した。追加のエンハンサーエレメントを有するこうした新しいプロモーターを、LVR_127、LVR_131、LVR_132、及びLVR_133肝臓特異的プロモーターについて以前に記載されているようにHuh7細胞で試験した。
【0505】
図4a図4dに示されているように、V1エンハンサー又はV2エンハンサーのいずれか1つを付加すると、LVR_127、LVR_132、及びLVR_133のプロモーター活性が著しく増強された。観察された唯一の例外は、LVR_131とV2との組合せだった。更に、V1エンハンサー配列及びV2エンハンサー配列を付加しても、プロモーター肝臓特異性は保持された。これは、プロモーターをHEK293細胞及びHeLa細胞において対抗スクリーニングして確認した(図5)。
【0506】
SYNP_LVR_131ファミリーのプロモーター(配列番号202及び配列番号230~配列番号232)、特にSYNP_LVR_131_A1(配列番号230)は、特に強力であると考えられる。したがって、こうしたプロモーター並びにこうしたプロモーターが含むCRM(配列番号130及び配列番号158~160、特に配列番号158)及びそれらの機能的バリアントは、特に興味深い。しかしながら、本発明による合成プロモーターは全て、強力且つ肝臓特異的であると考えられる。
【0507】
具体的に例示されているCRM及びプロモーターに使用されているCREは、再配置(例えば、シャッフル又は反転)されてもよく、肝臓特異的プロモーター活性は保持されることになることが予想される。更に、CRE、CRM、及びプロモーターの配列は、肝臓特異的プロモーター活性を保持しつつ大幅に変更することができることが予想される。一般に、CRE内のTFBSは、機能を維持するためには、CREが同じTFに依然として結合することができる程度に、好ましくは参照CREと同じ順序及び近似する間隔で保存されているべきである。一般に、本開示のCRE(すなわち、エンハンサー)自体は、自己完結型の調節性単位であり、機能を喪失することなく、移動させることができ、及び/又は方向性を変更することができる。当業者であれば、本明細書に記載の方法論を使用して、CRE、CRM、又はプロモーターに対するいかなる変更の効果も容易に決定することができる(例えば、絶対的な観点で、又は参照CRE、CRM、若しくはプロモーターと比較して)。更に、CREは、肝臓特異的発現を駆動するために他のプロモーターに組み込むことができる(特に、幅広い有用性を有すると考えられるV1及びV2だけでなく、本明細書に開示されている他のCREも)。
【0508】
要約すると、こうした新しい合成プロモーター及びエンハンサーは、肝臓特異的遺伝子発現による遺伝子治療のための、及び肝臓特定遺伝子治療を設計するための価値のあるツールである。
【0509】
(実施例3)
大規模ゲノムデータセットのバイオインフォマティクス分析及び文献分析は、肝臓特異的遺伝子発現の増強に有用であると予想される追加のシス調節エレメント(CRE)の識別に結び付いた。こうしたCREを、更なる肝臓特異的プロモーターの設計に使用した。
【0510】
得られた肝臓特異的プロモーター(すなわち、Table 32(表32)に示されているプロモーターの全て)の活性を、本質的に実施例2に記載されている通りの物質及び方法を使用してHuh7細胞において試験した。しかしがら、TBGがLP1よりも高いより一貫したin vitro発現を示すことが見出されたため、この場合は、肝臓特異的プロモーターの活性をプロモーターTBGの活性と比較した。
【0511】
また、肝臓細胞に対する肝臓特異的プロモーターの特異性を、実施例2に記載の物質及び方法を使用し、非肝臓HEK293細胞を使用して試験した。肝臓特異的プロモーターの活性は、CMV-IEの活性と比較して現されている(TBG及びLP1は肝臓特異的であり、したがってHEK293細胞では特に活性ではない)。HEK293細胞で試験した肝臓特異的プロモーターの特異性を示すグラフの「相対活性」は、CMV-IEの活性に対する比として現される表記プロモーターの活性であり、1はCMV-IEと同じ活性であり、1よりも高い場合はCMV-IEと比較して活性がより高く、1を下回る場合はCMV-IEと比較して活性がより低い。
【0512】
活性
本発明によるプロモーターの平均活性は、図8A図9A図10A、及び図11Aに示されている。異なる実験の平均相対活性が各プロモーターについて示されており、各実験はそれ自体が技術的反復の平均値である。エラーバーは平均の標準誤差である。エラーバーが存在しない場合、データは単一の実験からのものである。Huh7細胞で試験した肝臓特異的プロモーターの活性を示すこうしたグラフの「相対活性」は、TBGの活性のパーセンテージとして現されている表記プロモーターの活性である(すなわち、100はTBGと同じ活性であり、100よりも高い場合はTBGと比較して活性がより高く、100を下回る場合はTBGと比較して活性がより低い)。TBGは、極めて強力な肝臓特異的プロモーターであり、したがって、TBGよりも低い発現を示すプロモーターでも、依然として極めて有用であり得ることが留意されるべきである。特に、TBGよりも短いが、依然として高レベルの活性(例えば、TBGの活性の15%、より好ましくは25%、50%、若しくは75%、又はそれよりも高い)を示すプロモーターが特に興味深い。
【0513】
本発明の合成肝臓特異的プロモーターは全て、肝臓細胞にて非常に活性であることを見ることができる。
【0514】
プロモーターエレメントCRE0006(SP0154)及びCRE0040(SP0235)のみを含む2つのプロモーターの平均活性が、比較として図11Bに示されている。
【0515】
図11Bは、プロモーターエレメントCRE0006のみを含有するSP0154の活性を示す。SP0154は、TBGと比較して比較的低い活性を有するが、これは、追加のCREを一切欠如することを考慮すれば、実際には驚くほど高い活性である。しかしながら、追加のCREを、プロモーターSP0155(CRE0006及びCRE0001)、SP0158(CRE0006及びCRE0005)、並びにSP0163(CRE0006及びCRE0012)等、プロモーターエレメントCRE0006と組み合わせると、得られる合成肝臓特異的プロモーターの活性は、図11Aに示されているように、それぞれ5倍、3倍、及び6倍に増加する。同様に、プロモーターエレメントCRE0006を、プロモーターSP259(CRE0006とCRE0001及びCRE0047との組合せ)等、CREの組合せと組み合わせると、図11Aに示されているように、得られる合成プロモーターの活性は、4倍に増加する。これは、個々のCREであるCRE0001、CRE0005、CRE0012、並びにCRE0001及びCRE0047の組合せが、CRE0006等のプロモーターエレメントに付加されると、大幅な増強活性を提供することができることを示す。
【0516】
また、図11Bは、プロモーターエレメントCRE0040のみを含有するSP0235の活性を示す。SP0235は最小限の相対活性を有する。しかしながら、追加のCREを、プロモーターSP0236及びSP264(両方ともCRE0040及びCRE0018を含有する)等、プロモーターエレメントCRE0040と組み合わせると、図11Aに示されているように、得られる合成プロモーターの活性は、約50倍に増加する。同様に、プロモーターエレメントCRE0040を、プロモーターSP0252(CRE0040とCRE0018及びCRE0077との組合せ)等、複数のCREの組合せと組み合わせると、図11Aに示されているように、得られる合成プロモーターの活性は、約40倍に増加する。これは、個々のCREであるCRE0018、並びにCRE0018及びCRE0077の組合せが、CRE0040等のプロモーターエレメントに付加されると、大幅な増強活性を提供することができることを示す。
【0517】
図11Aでは、プロモーターSP0236及びSP0264は、同じCRE及びプロモーターエレメントを含有するが、SP0236はコンセンサスコザック配列を有しておらず、その一方でSP0264はコンセンサスコザック配列を有する。コンセンサスコザック配列の存在は、プロモーターの活性に影響を及ぼすとは考えられない。
【0518】
肝臓特異性
CMV-IEと比較したHEK293細胞におけるプロモーター活性は、図8B図9B図10B、及び図11Cに示されている。異なる実験の平均相対活性が、各プロモーターについて示されている。エラーバーが存在しない場合、結果は単一の実験からのものである。全てではないが、大部分のプロモーターの特異性を、実験的に試験した。本発明によるプロモーターの多くは、HEK293細胞での活性がCMV-IEの活性の50%未満であることより示されるように、HEK293細胞では発現が低い。プロモーターの大部分は、HEK293細胞での活性がCMV-IEの活性の10%未満であり、これは、それらの活性が非常に肝臓特異的であることを示している。
【0519】
高性能CRE及びプロモーターエレメントの同定
肝臓特異的遺伝子発現の増強に有用であると予想されるCRE及び/又はプロモーターエレメントの種々の組合せを含む200個より多いプロモーターの大規模群を作製した(これには、実施例3で使用した合成プロモーターの全て並びに追加の肝臓特異的プロモーター及び肝臓特異的CREが含まれていた)。こうしたプロモーターは、種々のCREによる発現に対してなされた寄与を評価するのに有用な肝臓特異的プロモーターの大規模群である。プロモーターのこの大規模群は、図12A及び図12Bでは「全て」と呼ばれている。
【0520】
この群を分析して、高レベルの肝臓特異的発現と特に強く相関する個々のCRE及びCREの群を同定した。
【0521】
全ての試験したプロモーターの群のうち、CRE0018、CRE0042、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066、CRE0068、及びCRE0074からなる群から選択される2つ以上の作動可能に連結した「コア」CREを含む肝臓特異的プロモーターの特定のサブセットが、高レベルの活性と特に良好に相関することが見出された。この好ましいプロモーターの群は、図12A及び図12Bでは「群1」と呼ばれている。
【0522】
加えて、プロモーターエレメントCRE0059及びCRE0006の1つに作動可能に連結した上述のコアCREの少なくとも1つを含む肝臓特異的プロモーターの更なるサブセットが、高い活性と特に良好に相関することが見出された。この好ましいプロモーターの群は、図12A及び図12Bでは「群2」と呼ばれている。一部のプロモーターは「群1」及び「群2」の両方に入ることが留意されるべきである(すなわち、それらは、2つ以上のコアCRE及びCRE0059又はCRE0006のいずれかを含有する)。
【0523】
「群1」及び「群2」のプロモーターの活性が特に高いことを示すために、群「全て」(n=217)、「群1」(n=49)、及び「群2」(n=20)の平均相対活性が、図12Aに示されている(なお、「全て」は、「群1」及び「群2」のプロモーターに加えて追加のプロモーターを含有する)。この図から見ることができるように、「群1」の平均相対活性は、群「全て」の平均相対活性より約2倍高い。加えて、「群2」の平均相対活性は、群「全て」の平均相対活性より約3倍高い。各プロモーターの相対活性をそのサイズ(塩基対での)で除算しても「群1」及び「群2」は依然として群「全て」よりも性能が優れているため、これは群間の長さの差異による結果ではないと考えられる。各々の群のこの値の平均は、図12Bに示されている。
【0524】
理論により束縛されることは望まないが、「群1」及び「群2」の優れた性能は、コアCREの1つ又は複数及び好ましいプロモーターエレメントの存在のためである可能性がある。全ての試験したプロモーターの群(群「全て」)において、各プロモーターに存在するCREの数を計数した。加えて、各プロモーターに存在するコアCREの数を計数した。この場合もコアCREは、CRE0018、CRE0042、CRE0051、CRE0058、CRE0065、CRE0066、CRE0068、及びCRE0074である。任意のCREに対する、特定数のコアCREを有するプロモーターの平均活性を算出した。これは図13Aに示されている。この図は、プロモーターにおける指定数のコアCREの存在が、CREが任意のCREである指定数のCREを有するプロモーターと比較した活性増加に関連付けられることを示す。これは、サイズに対する活性の比較が図13Bに示されているように同様の傾向を示しているため、指定数のコアCREを含有するプロモーターの群と、指定数の任意のCREを有するプロモーターの群との間のサイズの差異によるものではない。
【0525】
「群2」(少なくとも1つのコアCRE及び好ましいプロモーターエレメントを含むプロモーター)の平均相対活性が、「群1」(少なくとも2つのコアCREを含むプロモーター)と比較してより高いことから見ることができるように、1つ又は複数のコアCREをCRE0059又はCRE0006等の好ましいプロモーターエレメントと組み合わせると、得られる合成プロモーターの活性は更により高い。
【0526】
プロモーターのコアCREの群内のCREの種々のサブセットの存在も、高レベルの活性と関連付けられる。例えば、図15A及び図15Bに見ることができるように、CRE0051及びCRE0058を両方とも含むプロモーター(n=25)の平均活性及びサイズ(塩基対での)に対する平均活性は、2つのCREを有する、群「全て」に由来するプロモーター(n=50)の平均活性よりも高い。同様に、図16A及び図16Bに見ることができるように、CRE0051、CRE0058、及びCRE0065を含むプロモーター(n=15)の平均活性及びサイズ(塩基対での)に対する平均活性は、3つのCREを有する、群「全て」に由来するプロモーター(n=19)の平均活性よりも高い。図17A及び図17Bに見ることができるように、CRE0051、CRE0058、及びCRE0066を含むプロモーター(n=8)の平均活性及びサイズ(塩基対での)に対する平均活性は、3つのCREを有する、群「全て」に由来するプロモーター(n=19)の平均活性よりも高い。図18A及び図18Bに見ることができるように、CRE0051、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066を含むプロモーター(n=7)の平均活性及びサイズ(塩基対での)に対する平均活性は、4つのCREを有する、群「全て」に由来するプロモーター(n=15)の平均活性よりも高い。図19A及び図19Bに見ることができるように、CRE0051、CRE0065、及びCRE0066を含むプロモーター(n=19)の平均活性及びサイズ(塩基対での)に対する平均活性は、3つのCREを有する、群「全て」に由来するプロモーター(n=19)の平均活性よりも高い。図20A及び図20Bに見ることができるように、CRE0051、CRE0058、及びCRE0074を含むプロモーター(n=6)の平均活性及びサイズ(塩基対での)に対する平均活性は、3つのCREを有する、群「全て」に由来するプロモーター(n=19)の平均活性よりも高い。図21A及び図21Bに見ることができるように、CRE0051、CRE0058、CRE0065、及びCRE0074を含むプロモーター(n=4)の平均活性及びサイズ(塩基対での)に対する平均活性は、4つのCREを有する、群「全て」に由来するプロモーター(n=15)の平均活性よりも高い。図22A及び図22Bに見ることができるように、CRE0058、CRE0065、及びCRE0066を含むプロモーター(n=19)の平均活性及びサイズ(塩基対での)に対する平均活性は、3つのCREを有する、群「全て」に由来するプロモーター(n=50)の平均活性よりも高い。最後に、図23A及び図23Bに見ることができるように、CRE0058、CRE0065、及びCRE0074を含むプロモーター(n=14)の平均活性及びサイズ(塩基対での)に対する平均活性は、2つのCREを有する、群「全て」に由来するプロモーター(n=19)の平均活性よりも高い。全体として、CREの上述の組合せの存在は、より高い活性に関連付けられる。サイズ(塩基対での)に対して活性を正規化することにより、CREの上述の組合せを含むプロモーター性能が同様に優れていることが明らかであるため、これは、群間のサイズの差異によるものではない。
【0527】
(実施例4)
AAV産生
本発明によるプロモーターのサブセットの活性をin vivoで試験した。この研究に含まれていた合成プロモーターは、LVR-239(SP0239)、LVR-244(SP0244)、及び陽性対照であるLP1だった。使用したレポーター遺伝子は、fLUC-T2A-EGFP、すなわちT2Aシグナル(双方向自己切断性ペプチド)を介してmEGFP(変異体緑色蛍光タンパク質)に融合されたfLUC(ホタルルシフェラーゼ)だった。pAAV_SYNP_Luc-T2A-GFPデスティネーションベクターは、pAAV ZsGreen1(Clontech社から購入)に由来し、ZsGreen1レポーターを、Luc-T2A-GFPデュアルレポーターに置き換えた。DNAプラスミドは全て、製造業者の使用説明書に従ってQIAGENプラスミドメガキット(Qiagen社 #12181、ドイツ)を使用して調製した。
【0528】
HEK293T細胞を、組織培養処理された145mm培養皿(Greiner Bio-One Ltd社 #639160、英国)にて、10%(v/v)ウシ胎児血清(Sigma社 #F7524、英国)で補完されたダルベッコ変法イーグル培地、高グルコース、GlutaMAXサプリメント(Gibco(Life Technologies)社 #61965-059、UK)で培養し、37℃及び5%CO2でインキュベートした。細胞培養用の他の試薬は、Invitrogen社-英国から購入し、プラスチック製品は、Life Technologies社から購入した。
【0529】
この研究で使用したAAVベクターは全て、AAV9カプシドにシュードタイプ化されていた。HEK293T細胞を、レポーター遺伝子が、ウイルス増殖を可能にするヘルパー機能をコードするプラスミド(pDG9)と共に異なるプロモーターにより制御されていたプラスミドを同時トランスフェクトしたプロデューサー細胞として使用した。(1ug/ul)のストック濃度のポリエチレンイミン(PEI)(Sigma-Aldrich社 #764604、英国)をモル比1:3(DNA:PEI)で使用してHEK293T細胞をトランスフェクトした。
【0530】
AAV精製及び滴定
トランスフェクションの72時間後に、細胞を溶解し、粗ライセートを濾過し、次いでPOROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVレジン(Thermo Scientific社、#A36739)を含有するHPLCカラムで、AKTAprime plus(高速液体クロマトグラフィーHPLC装置(GE Healthcares社、#11001313)を使用して精製した。
【0531】
ベクターゲノムの数は、Luna(登録商標)Universal qPCR Master Mix(NEB社 #M3003、英国)の製造業者の使用説明書に従って、QuantStudio(商標)3システムリアルタイムPCR(Thermo Fisher Scientific社、英国)を用いて、フォワードプライマー(ACGCTGGGCTACTTGATC-配列番号265)、リバースプライマー(CGAGGAGGAGCTATTCTTG-配列番号266)、及びプローブ(TTTCGGGTCGTGCTCATG-配列番号267)を有するLUCカセットを標的とするqPCR滴定により決定し、QuantStudio設計及び分析ソフトウェアV1.4.1によりデータを分析した。
【0532】
動物手順
非近交系の6週齢CD1雄マウスを、Charles River社-英国から購入した。マウスを1週間隔離して維持し、次いで閉鎖型換気ケージに移し、最小疾患施設(minimal-disease facility)で維持した。マウスを、5匹マウス/ケージでケージに入れ、体重に対して正規化し、餌及び水を自由に摂取させた。新しく収容したマウスには、実験を実施する前に更に1週間の順応期間を与えた。この研究は、法定内務省推奨(statutory Home Office recommendation);規制、倫理、及び事前許可手続き(regulatory, ethics, and licensing procedures)及び動物(科学的手順)法1986(Animals (Scientific Procedures) Act 1986)に基づき、University College Londonの組織内指針に従って実施した。
【0533】
動物注射
AAVを、医療用空気(21%酸素)(Abbotts Laboratories社、英国)中で加温チャンバー(Thermo Fisher Scientific社、英国)に供給された2%~4%イソフルランで麻酔をかけた8週齢の若年成体雄CD1マウスに投与した。インスリン注射器:27G1/2インチ、1.0ml(Fisher Scientific社、英国)を使用して、マウスの外側尾静脈に静脈内注射した。各マウスに、最終容積が200μlの生理食塩溶液中1マウス当たり8E+10個AAVウイルスゲノムのAAVベクター用量を注射した。次いで、マウスをケージに戻す前にマウスが平熱に戻ることを可能にした。
【0534】
生物発光画像化
マウスを、毎週、全身生物発光画像化に供した。必要に応じて、医療用空気(21%酸素)中で供給された2%~4%イソフルランでマウスに麻酔をかけ、300μlの15mg/mL D-ルシフェリンカリウム塩(Syd Labs社 #MB000102、米国)をインスリン注射器(Fisher Scientific社、英国)を使用して腹腔内注射した。D-ルシフェリンストックは、生理食塩水(Gibco社 #14190-094、英国)で調製した。5分後に、冷却電荷結合デバイスカメラ(IVIS Lumina II機、Perkin Elmer社、英国)を使用してマウスを1秒~10秒間画像化した。目的の領域(ROI)を、IVIS Lumina Living image 4.5.5(Perkin Elmer社)を使用して測定し、1ステラジアン当たり1平方センチメートル当たり1秒当たりの光子(光子/秒/cm2/sr)として現した。
【0535】
データ
この研究の結果は、図13Bに示されている。結果は、各群の試験した動物全てについて、ルシフェラーゼ生物発光強度総フラックス(1秒当たりの光子数)の平均として現されている。エラーバーは平均の標準誤差である。
【0536】
群「生理食塩水」(n=10)では、動物に生理食塩水のみを注射した。ルシフェラーゼ生物発光は検出されない。この群は陰性対照であり、プロモーターに作動可能に連結したルシフェラーゼが注射されなければ、ルシフェラーゼ生物発光が検出されないことを示す。
【0537】
群「LP1」(n=9)では、動物に、LP1プロモーターに作動可能に連結したルシフェラーゼを注射した。ルシフェラーゼ生物発光は検出される。この群は陽性対照であり、ルシフェラーゼは、LP1プロモーターの制御下で発現され、検出することができることを示す。
【0538】
本発明による肝臓特異的プロモーターの活性を試験するため、動物に、2つのプロモーターに作動可能に連結したルシフェラーゼを含むコンストラクトを注射した。群「SP0244」(n=8)では、ルシフェラーゼは、SP0244プロモーターに作動可能に連結している。群「SP0239」(n=10)では、ルシフェラーゼは、SP0239プロモーターに作動可能に連結している。
【0539】
図13Bから見ることができるように、群「SP0244」及び「SP0239」は、群「LP1」よりも高い生物発光強度を示す。プロモーターSP0244及びSP0239はin vivoで高い活性を示し、それらの活性は、LP1の活性よりも高い。
【0540】
この実験は、実施例3で得られたin vitro結果が、in vivoで得られた結果と相関することを実証している。更に、コアCREの存在と好ましいプロモーターエレメント(CRE0006及びCRE0059)との間に関係性が存在することを示す実施例3に提示されているデータと一致して、in vivoで高発現を示すプロモーターSP0239は、上記で考察されている「群1」のメンバーであり、5つのコアCREを含む。これも高発現を示すプロモーターSP0244は、「群1」及び「群2」の両方のメンバーであり、3つのコアCRE及び好ましいプロモーターエレメント、即ちCRE0006を含む。このデータは、コアCREの存在、及びコアCREと好ましいプロモーターエレメントとの組合せが、in vitroでの高発現だけでなく、in vivoでの高発現にも関連付けられることを示す。
【0541】
療法設定において所望のレベルの肝臓特異的発現を提供するのに非常に有用であり得る、様々な強度を示す一連の肝臓特異的プロモーターが、本発明により提供される。
【0542】
本発明は、幾つかの特定の実施形態と併せて説明及び例示されているが、当業者であれば、本明細書に図示、説明、及び特許請求されている通りの本発明の原理から逸脱することなく変更及び改変をなすことができることを理解するであろう。本発明は、それらの趣旨又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化することができる。記載されている実施形態は、あらゆる点で例示であり、限定ではないとみなされる。
【0543】
pAAV_SYNP_Luc_2A_GFP
AGCGCCCAATACGCAAACCGCCTCTCCCCGCGCGTTGGCCGATTCATTAATGCAGCTGGCACGACAGGTTTCCCGACTGGAAAGCGGGCAGTGAGCGCAACGCAATTAATGTGAGTTAGCTCACTCATTAGGCACCCCAGGCTTTACACTTTATGCTTCCGGCTCGTATGTTGTGTGGAATTGTGAGCGGATAACAATTTCACACAGGAAACAGCTATGACCATGATTACGAATTGCCTGCAGGCAGCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGCCCGGGCAAAGCCCGGGCGTCGGGCGACCTTTGGTCGCCCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGAGAGGGAGTGGCCAACTCCATCACTAGGGGTTCCTATCGATATCAAGCTTGGTACCGAGTCTGATCGTAGCGGCCGCCACCATGGAAGATGCCAAAAACATTAAGAAGGGCCCAGCGCCATTCTACCCACTCGAAGACGGGACCGCCGGCGAGCAGCTGCACAAAGCCATGAAGCGCTACGCCCTGGTGCCCGGCACCATCGCCTTTACCGACGCACATATCGAGGTGGACATTACCTACGCCGAGTACTTCGAGATGAGCGTTCGGCTGGCAGAAGCTATGAAGCGCTATGGGCTGAATACAAACCATCGGATCGTGGTGTGCAGCGAGAATAGCTTGCAGTTCTTCATGCCCGTGTTGGGTGCCCTGTTCATCGGTGTGGCTGTGGCCCCAGCTAACGACATCTACAACGAGCGCGAGCTGCTGAACAGCATGGGCATCAGCCAGCCCACCGTCGTATTCGTGAGCAAGAAAGGGCTGCAAAAGATCCTCAACGTGCAAAAGAAGCTACCGATCATACAAAAGATCATCATCATGGATAGCAAGACCGACTACCAGGGCTTCCAAAGCATGTACACCTTCGTGACTTCCCATTTGCCACCCGGCTTCAACGAGTACGACTTCGTGCCCGAGAGCTTCGACCGGGACAAAACCATCGCCCTGATCATGAACAGTAGTGGCAGTACCGGATTGCCCAAGGGCGTAGCCCTACCGCACCGCACCGCTTGTGTCCGATTCAGTCATGCCCGCGACCCCATCTTCGGCAACCAGATCATCCCCGACACCGCTATCCTCAGCGTGGTGCCATTTCACCACGGCTTCGGCATGTTCACCACGCTGGGCTACTTGATCTGCGGCTTTCGGGTCGTGCTCATGTACCGCTTCGAGGAGGAGCTATTCTTGCGCAGCTTGCAAGACTATAAGATTCAATCTGCCCTGCTGGTGCCCACACTATTTAGCTTCTTCGCTAAGAGCACTCTCATCGACAAGTACGACCTAAGCAACTTGCACGAGATCGCCAGCGGCGGGGCGCCGCTCAGCAAGGAGGTAGGTGAGGCCGTGGCCAAACGCTTCCACCTACCAGGCATCCGCCAGGGCTACGGCCTGACAGAAACAACCAGCGCCATTCTGATCACCCCCGAAGGGGACGACAAGCCTGGCGCAGTAGGCAAGGTGGTGCCCTTCTTCGAGGCTAAGGTGGTGGACTTGGACACCGGTAAGACACTGGGTGTGAACCAGCGCGGCGAGCTGTGCGTCCGTGGCCCCATGATCATGAGCGGCTACGTTAACAACCCCGAGGCTACAAACGCTCTCATCGACAAGGACGGCTGGCTGCACAGCGGCGACATCGCCTACTGGGACGAGGACGAGCACTTCTTCATCGTGGACCGGCTGAAGAGCCTGATCAAATACAAGGGCTACCAGGTAGCCCCAGCCGAACTGGAGAGCATCCTGCTGCAACACCCCAACATCTTCGACGCCGGGGTCGCCGGCCTGCCCGACGACGATGCCGGCGAGCTGCCCGCCGCAGTCGTCGTGCTGGAACACGGTAAAACCATGACCGAGAAGGAGATCGTGGACTATGTGGCCAGCCAGGTTACAACCGCCAAGAAGCTGCGCGGTGGTGTTGTGTTCGTGGACGAGGTGCCTAAAGGACTGACCGGCAAGTTGGACGCCCGCAAGATCCGCGAGATTCTCATTAAGGCCAAGAAGGGCGGCAAGATCGCCGTGGGATCCGGAGAGGGCAGAGGAAGTCTTCTAACATGCGGTGACGTGGAGGAGAATCCCGGCCCTATGGTGAGCAAGGGCGAGGAGCTGTTCACCGGGGTGGTGCCCATCCTGGTCGAGCTGGACGGCGACGTAAACGGCCACAAGTTCAGCGTGTCCGGCGAGGGCGAGGGCGATGCCACCTACGGCAAGCTGACCCTGAAGTTCATCTGCACCACCGGCAAGCTGCCCGTGCCCTGGCCCACCCTCGTGACCACCCTGACCTACGGCGTGCAGTGCTTCAGCCGCTACCCCGACCACATGAAGCAGCACGACTTCTTCAAGTCCGCCATGCCCGAAGGCTACGTCCAGGAGCGCACCATCTTCTTCAAGGACGACGGCAACTACAAGACCCGCGCCGAGGTGAAGTTCGAGGGCGACACCCTGGTGAACCGCATCGAGCTGAAGGGCATCGACTTCAAGGAGGACGGCAACATCCTGGGGCACAAGCTGGAGTACAACTACAACAGCCACAACGTCTATATCATGGCCGACAAGCAGAAGAACGGCATCAAGGTGAACTTCAAGATCCGCCACAACATCGAGGACGGCAGCGTGCAGCTCGCCGACCACTACCAGCAGAACACCCCCATCGGCGACGGCCCCGTGCTGCTGCCCGACAACCACTACCTGAGCACCCAGTCCAAGCTGAGCAAAGACCCCAACGAGAAGCGCGATCACATGGTCCTGCTGGAGTTCGTGACCGCCGCCGGGATCACTCTCGGCATGGACGAGCTGTACAAGTAATGAATCGATGGTCTCTACGAGTAATAGACGCCCAGTTGAATTCCTTCGAGCAGACATGATAAGATACATTGATGAGTTTGGACAAACCACAACTAGAATGCAGTGAAAAAAATGCTTTATTTGTGAAATTTGTGATGCTATTGCTTTATTTGTAACCATTATAAGCTGCAATAAACAAGTTAACAACAACAATTGCATTCATTTTATGTTTCAGGTTCAGGGGGAGGTGTGGGAGGTTTTTTAAAGCAAGTAAAACCTCTACAAATGTGGTAAAATCGATAAGGATCCGTCGACAGATCTAGGAACCCCTAGTGATGGAGTTGGCCACTCCCTCTCTGCGCGCTCGCTCGCTCACTGAGGCCGGGCGACCAAAGGTCGCCCGACGCCCGGGCTTTGCCCGGGCGGCCTCAGTGAGCGAGCGAGCGCGCAGCTGCCTGCAGGCAGCTTGGCACTGGCCGTCGTTTTACAACGTCGTGACTGGGAAAACCCTGGCGTTACCCAACTTAATCGCCTTGCAGCACATCCCCCTTTCGCCAGCTGGCGTAATAGCGAAGAGGCCCGCACCGATCGCCCTTCCCAACAGTTGCGCAGCCTGAATGGCGAATGGCGCCTGATGCGGTATTTTCTCCTTACGCATCTGTGCGGTATTTCACACCGCATACGTCAAAGCAACCATAGTACGCGCCCTGTAGCGGCGCATTAAGCGCGGCGGGTGTGGTGGTTACGCGCAGCGTGACCGCTACACTTGCCAGCGCCCTAGCGCCCGCTCCTTTCGCTTTCTTCCCTTCCTTTCTCGCCACGTTCGCCGGCTTTCCCCGTCAAGCTCTAAATCGGGGGCTCCCTTTAGGGTTCCGATTTAGTGCTTTACGGCACCTCGACCCCAAAAAACTTGATTTGGGTGATGGTTCACGTAGTGGGCCATCGCCCTGATAGACGGTTTTTCGCCCTTTGACGTTGGAGTCCACGTTCTTTAATAGTGGACTCTTGTTCCAAACTGGAACAACACTCAACCCTATCTCGGGCTATTCTTTTGATTTATAAGGGATTTTGCCGATTTCGGCCTATTGGTTAAAAAATGAGCTGATTTAACAAAAATTTAACGCGAATTTTAACAAAATATTAACGTTTACAATTTTATGGTGCACTCTCAGTACAATCTGCTCTGATGCCGCATAGTTAAGCCAGCCCCGACACCCGCCAACACCCGCTGACGCGCCCTGACGGGCTTGTCTGCTCCCGGCATCCGCTTACAGACAAGCTGTGACCGTCTCCGGGAGCTGCATGTGTCAGAGGTTTTCACCGTCATCACCGAAACGCGCGAGACGAAAGGGCCTCGTGATACGCCTATTTTTATAGGTTAATGTCATGATAATAATGGTTTCTTAGACGTCAGGTGGCACTTTTCGGGGAAATGTGCGCGGAACCCCTATTTGTTTATTTTTCTAAATACATTCAAATATGTATCCGCTCATGAGACAATAACCCTGATAAATGCTTCAATAATATTGAAAAAGGAAGAGTATGAGTATTCAACATTTCCGTGTCGCCCTTATTCCCTTTTTTGCGGCATTTTGCCTTCCTGTTTTTGCTCACCCAGAAACGCTGGTGAAAGTAAAAGATGCTGAAGATCAGTTGGGTGCACGAGTGGGTTACATCGAACTGGATCTCAACAGCGGTAAGATCCTTGAGAGTTTTCGCCCCGAAGAACGTTTTCCAATGATGAGCACTTTTAAAGTTCTGCTATGTGGCGCGGTATTATCCCGTATTGACGCCGGGCAAGAGCAACTCGGTCGCCGCATACACTATTCTCAGAATGACTTGGTTGAGTACTCACCAGTCACAGAAAAGCATCTTACGGATGGCATGACAGTAAGAGAATTATGCAGTGCTGCCATAACCATGAGTGATAACACTGCGGCCAACTTACTTCTGACAACGATCGGAGGACCGAAGGAGCTAACCGCTTTTTTGCACAACATGGGGGATCATGTAACTCGCCTTGATCGTTGGGAACCGGAGCTGAATGAAGCCATACCAAACGACGAGCGTGACACCACGATGCCTGTAGCAATGGCAACAACGTTGCGCAAACTATTAACTGGCGAACTACTTACTCTAGCTTCCCGGCAACAATTAATAGACTG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図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
図6
図7A
図7B-1】
図7B-2】
図7C
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【配列表】
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