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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】梱包材及び梱包方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
B65D81/05 400
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019009051
(22)【出願日】2019-01-23
(65)【公開番号】P2020117261
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-01-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】716004512
【氏名又は名称】一般社団法人サステイナビリティ技術設計機構
(74)【代理人】
【識別番号】100108121
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 雄毅
(72)【発明者】
【氏名】原田 幸明
(72)【発明者】
【氏名】原 龍雄
(72)【発明者】
【氏名】金城 果歩
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特許第6326534(JP,B1)
【文献】特表2017-531604(JP,A)
【文献】特開平09-095359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/00-81/17
B65D 30/00-33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック製のシート部材を接着して、気体を収納する気体収納部を備える梱包材において、
前記梱包材は、2枚のシート部材を接着して形成される前記気体収納部(第1の気体収納部と記す。)内に別の小さい2枚のシート部材を接着して形成される前記気体収納部(第2の気体収納部と記す。)と、充満させる気体を挿入する注気口を有する注入部材とを備え、
前記第2の気体収納部に被梱包材を収納し、
前記第1の気体収納部と第2の気体収納部とが気体を収納し、
記注入部材が、前記第1の気体収納部及び前記第2の気体収納部を形成するそれぞれのシート部材の間に挿入された2枚のプラスチック製フィルム部材で連絡路と弁手段を形成し、
前記梱包材の外部から気体を、前記第1の気体収納部及び前記第2の気体収納部に対して、
前記注入部材に形成された前記連絡路から、前記第2の気体収納部に第2の注気口を通して挿入し、かつ、前記第1の気体収納部に第1の注気口を通して挿し、
前記弁手段が、挿入した気体により気体の逆流を防止する、
ことを特徴とする梱包材。
【請求項2】
請求項1に記載の梱包材において、
前記連絡路が、前記第1の気体収納部に通じる第1の連絡路と、前記第2の気体収納部に通じる第2の連絡路とを、別個に独立して有する、ことを特徴とする梱包材
【請求項3】
請求項1又は2に記載の梱包材において、
前記第1の気体収納部に開閉可能な封止部を備える、
ことを特徴とする梱包材。
【請求項4】
梱包材で被梱包材を収納する梱包方法において、
請求項1又は2に記載の梱包材に被梱包材を収納した後で、前記梱包材に気体を収納させて前記第1及び前記第2の気体収納部を充満させる、
ことを特徴とする梱包方法。
【請求項5】
請求項4に記載の梱包方法において、
前記第1の気体収納部に開閉可能な封止部を備える、
ことを特徴とする梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体又は液体の流体を収納して、被梱包材の保護のため緩衝材として、および、簡易な収納材として用いられる梱包材及びこの梱包材を用いる梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医薬品を入れるための容器、医薬品容器は一般に、中身が詰められた後、その中身が漏れず、かつ、できるだけ外部からの、菌又は有害なごみの侵入を防止するために適当な封止材で塞がれる梱包材、収納袋が提供されている。この梱包材は、ゴム等のエラストマー材で形成されたものが典型的であり、中身を詰める担当者の元へ、一般に容器とは別に、適当な包装具の中に梱包されて提供される。この梱包材はすぐに使用されるので、1次袋の中に包装する作業は一般に、周囲の雰囲気の中で行われる。1次袋は空気の遮断性が良く、ポリエチレン(PE)または薄い金属膜等をラミネートしたシート部材である。1次袋は、真空中に置かれることなく熱溶着される。1次袋はそれ自体が2次袋に挿入されてもよい。
【0003】
または、このような包装システムの梱包材には欠点がある。プラスチック製の梱包材が互いにくっつきやすい。このため、使用が時間の経過につれて、外部からの菌の侵入、空気中の湿気により医薬品等が変質することがある。特に、注射器のガスケット、ニードルガード等、他のエラストマー部品については、菌で汚れて使用できないことがあるという問題が生ずる。
【0004】
また、これらの包装システムに、いわゆる逆止弁を設けているものがある。いわゆる弁手段は、設けた逆止弁が空気を充満させるだけで自然と弁手段が作用し、空気の充満が停止するとともに、空気の逆流を防止して、空気を用いる緩衝機能を備えた梱包材として利用することができる。
しかしながら、単に弁手段を設けたのでは、繰り返し使用できなという問題が生ずる。さらに、従来の弁手段を供給し、配設しても一つの逆止弁に複数の気体収納部に空気を充満させることができないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-291917号公報
【文献】特表2017-531604号公報
【文献】特開2012-061249号公報
【文献】特開2017-165454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、輸送、製造が容易であり、かつ、気体を供給して、被梱包材を保護するとともに、繰り返し開閉できることで、空気中の水分による湿気、酸素による変質からの保護に対応できる緩衝機能を備える梱包材を提供することである。
さらに、上述した緩衝機能を備える梱包材を用いて、被梱包材を梱包する梱包方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の梱包材は、プラスチック製のシート部材を接着して、気体を収納する気体収納部を備える梱包材であって、前記気体収納部(第1の気体収納部と記す。)内に第2の気体収納部と、充満させる気体を挿入する注気口とを備え、前記第2の気体収納部に被梱包材を収納し、前記第1の気体収納部と第2の気体収納部とが気体を収納し、前記注気口が前記第1の気体収納部と第2の気体収納部に、前記梱包材の外部から気体を挿入する。
また、本発明の梱包材は、前記注気口が、前記シート部材の2枚の間に挿入された2枚のプラスチック製フィルム部材で弁手段を形成している。
また、本発明の梱包材は、前記第1の気体収納部に開閉可能な封止部を備える。
また、本発明の梱包材は、前記注気口が、第1の気体収納部と第2の気体収納部とに気体を充満させ、前記弁手段が、充満した気体により気体の逆流を防止する。
また、本発明の梱包材は、前記弁手段が、第1の気体収納部と第2の気体収納部とで別々に作用する。
さらに、本発明の梱包方法は、前記梱包材に被梱包材を収納した後で、前記梱包材に気体を収納させて第1及び第2の気体収納部を充満させる。
【発明の効果】
【0008】
上記課題を解決する手段により、本発明の梱包材は、様々な大きさの直方体、その他の形状を有する被梱包材を安定に保護する梱包材を提供することができる。また、使用の際にその場で空気を注入することができるため、梱包材自体の保管、輸送が容易に行えるものである。
さらに、本発明の梱包方法は、様々な大きさの直方体、その他の形状を有する被梱包材を安定に保護する梱包方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の梱包材の構成を示す概略図である。
図2】本発明の梱包材の一つの実施形態、とくに、注入部材の構成を示す概略図である。
図3】本発明の梱包材の一つの実施形態、とくに、端部の構成を示す概略図である。
図4】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
図5】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
図6】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
図7】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成で、エアーを押し出す状態を示す写真である。
図8】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
図9】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
図10】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
図11】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成で、封止部を有する状態を示す写真である。
図12】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
図13】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
図14】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成で、簀巻きの状態を示す写真である。
図15】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
図16】本発明の梱包材の一つの実施形態の構成で、パッケージ構造の状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の梱包部材の構成を示す概略図である。
本発明の梱包材1は、第1のシート部材31と第2のシート部材32を重ねて周縁部を熱溶着又は接着剤等で接着させて袋状になっていて、第1の気体収納部(以下、「エアー収納部」と記す。)41を形成している。図1の太い破線部分は、接着部分を示している。ただし、注入部材5のある部分も接着しているが、エアーの通気部分までは接着してない。
さらに、その第1のエアー収納部41の中に第2のエアー収納部42を備えている。第2のエアー収納部42は、梱包材1の第1のシート部材31又は第2のシート部材32に接着している。または、熱又は接着剤でなくとも、接着性のテープで張り付けてもよいし、両面の接着性テープで、張り付けてもよい。
この梱包材1には、端部からエアーを供給し、充満させる注入部材5を備えている。本発明の梱包材1は、注入部材5の端部にある注入口51から空気(以下、「エアー」と記す。)を供給し、流通路52を通過して注気口53経由して、第1のエアー収納部41、第2のエアー収納部42にエアーを供給する。
【0011】
また、梱包材1には、エアーを注入する注入部材5のある位置と対向する端部は、接着せずに、使用者によって端部を封止する封止部34を設ける。この場合、この封止部34は、シール部材341で、必要において、その都度に開放したり、密閉したりすることができる。
【0012】
梱包材1に供給するエアーは、エアーポンプからのエアーガンでも、手押しの空気入れでもよい。通常は、薄いシート状になっているから、多数枚数を重ねてストックしても場所をとることはない。
本発明の梱包材1と注入部材5とは、溶着されている。ただし、エアーを注入口51から第1のエアー収納部41、第2のエアー収納部42に供給するために、注入口51、流通路52自体は溶着されてないで、中空状態にある。
また、注入部材5から通路を通りエアーを送り込み注気する注気口53の部分には逆止弁6が設けられていて、第1のエアー収納部41内部に侵入するように設けている。なお、同様に、第2のエアー収納部42内部に侵入するように設けている注入部材5には注気口53の部分には逆止弁6が設けられている。
注気口53の先端が第1のエアー収納部41と第2のエアー収納部42内部に入っていることで、注気口53からエアーを注気すると、同時に、第1のエアー収納部41と第2のエアー収納部42にエアーを充満させることができる。しかも、注気口53の先端は、第1のエアー収納部41と第2のエアー収納部42に注気するための出口が注気口531、532の2つ設けられている。
【0013】
図2は、本発明の梱包材の一つの実施形態、とくに、注入部材5の構成を示す概略図である。
注入部材5は、エアーを注入して、内部に送り込むための入口に当たる注入口11と、注入されたエアーを第1のエアー収納部41へ通す第1の連絡路521と、注入されたエアーを第2のエアー収納部1へ通す第2の連絡路522とがあり、これら連絡口が第1のエアー収納部41と第2のエアー収納部42へ通じている。注気口53の第1の連絡路521と第2の連絡路522とは、注入するエアーに対して独立して別個に設けられている。なお、図中の矢印は、エアーの流れを示している。
さらに、第1の連絡路521と第2の連絡路522には逆止弁53を設けることができる。
逆止弁53は、逆止弁作用が形成されている部材・装置そのものを直接設けてもよいし、2枚又は1枚のプラスチックフィルムを設けて逆止弁作用を機能させたものであってもよい。この場合、注気口53・連絡路52を形成するためのプラスチック製の第1のフィルム501と第2のフィルム502とによって形成される。このプラスチック製フィルムによって形成された注気口53によってエアーがエアー収納部41、42に充満されてゆく。エアーの注入は、一方のフィルムに設けた注入口51からストロー、または、先端を細くした中空部材を差し込んで行なう。エアーの充満した第1のエアー収納部41と第2のエアー収納部42ではエアーの注入する圧力を受けて押し上げられる。
さらに、エアーを充満させていくと、注入部材5を形成するフィルム501、502が押し上げられて梱包材1を形成するプラスチックフィルム製のシート部材31,32に密着することで、注気口53、さらに、連絡路52が狭まってくる。その結果、自制式にエアーの注入は抑えられて一定の量のエアーが充満したところで停止する。エアーが充填した後は、可撓性の高いプラスチックフィルムによる注気口53、さらに、連絡路52を形成する第1のフィルム501又は第2のフィルム502がシート部材31、32等に押圧されて内部から塞がっており、第1のエアー収納部41と第2のエアー収納部42のエアーは漏れていくことがない。
【0014】
プラスチック製のシート部材31、32を接着して袋を形成し、その内部にエアーを封入してなる空気緩衝材では、エアーの封入に逆止弁6を使用していた。つまり、接着する場合の一つである熱溶着では、熱溶着可能なプラスチック製のシート部材31、32の中央部を貫いて溶着を防止するための剥離剤等を印刷・塗布したものを2枚重ね、両側縁を熱溶着したシート部材に挟み込んで、逆止弁6は使用されている。また、逆止弁6は、熱溶着する前に逆止弁6を、シート部材31、32上に配設しておくものであってもよい。
また、接着する場合の一つである接着剤であれば、それぞれ必要な部分に接着剤を塗布し、圧力を負荷して接着させることができる。
また、2枚のプラスチックフィルムは圧力で重なり合い流路をふさぐことができれば、2枚の両辺がつながって注入方向に穴を持つ筒状、もしくは注入方向と横穴状のものでよい。
また、逆止弁6における逆止性能からいっても、この弁は内外の圧力差で2枚のフィルムが押されてエアーの流路を閉ざしているだけであるから、機械的な歪が加わったりすると開いて、エアーが漏れたりすることない。しかも、本発明の梱包材1は、逆止弁6を用いることなく、注入部材5に可撓性の高いプラスチックフィルムを用いることで、充満したエアーの圧力によって逆止弁61、62が注気口53、さらに、連絡路52を形成する他の第1のプラスチックフィルム31に押圧されてエアーの漏れを防止することができる。本発明の梱包材1は、単独で独立した逆止弁6を用いることなく、単に可撓性のプラスチックフィルムを用いることでこれを達成することができる。
【0015】
図3は、本発明の梱包材の一つの実施形態、とくに、開閉可能な端部の構成を示す概略図である。
また、梱包材1の周縁部は、接着し、外気の外への漏洩を防止している。また、注気口53に対応する端部位置には、封止部34を設けて、人の力で開閉できるようにしてもよい。
この封止部34には、梱包材1の端部を開いて被梱包材9を挿入し、シール部材341によって一旦梱包材1の端部を閉状態とした後、注気部材5によりエアーを第1及び第2エアー収納部41,42に、それぞれの第1の注気口531と第2の注気口532からそれぞれの供給し、エアーを充満させる。こうすることで、第1及び第2エアー収納部41,42は密閉状態が保たれたままで、エアーにより、被梱包材9を固定すると共にエアーで被梱包材9を囲み、緩衝効果と密閉効果により被梱包材9の安全性、品質性が保たれる。
図3に示すように、注気口53を有する注気部材5は、連絡路52が一つであっても複数の注気口531、532を有する形態と、注入部51が一つであっても複数の連絡路521、522と複数の注気口531、532とを有する形態がある。どちらの形態であっても、注気部材5の複数の注気口531、532にあっては、2枚の柔軟なフィルムによって、逆止弁6の逆止機能を備え、エアーの漏洩を防止することができる。
シール部材341は、凹凸形状の1対で形成されていて、嵌合する凹状、あるいは凸状の形状を有し、凸状が凹状の部材に嵌合して、エアーの漏洩を防止する封止部材が形成される。シール部材341は、ライン状の2本の気密部材を設けた樹脂製のファスナ素材を端部34に溶着し、このファスナ素材を気密状に嵌合させるスライダを備えて構成されている。
【0016】
図4は、本発明の梱包材の構成を示す概略図である。
被梱包材9は、封止部34のある第1のエアー収納部41と第2のエアー収納部42に配置・保存される。エアー収納部41は、被梱包材9となる非保護物を外気から遮断し、外気の混入を防ぐ、もしくは、外気への漏出を防ぐものである。エアー収納部42は、エアー収納部42を膨らませることによりエアー収納部41に内接し、他方で非保護物を移動できないように固定するものである。
【0017】
図5は、本発明の梱包材の構成を示す概略図である。
注入部材5は、二つの連絡路を用いた共通注入部材型が好ましいが、それぞれのエアー注入部に各々の注入部材を設けてもよい。
図5は、(a)は吹き込むための注気口53の共通型と、(b)は吹き込むための注気口53の分離型を示している。
(a)に示すように、エアーの注入する機能を共通にした共通型の注入部材5は、第1及び第2エアー収納部41,42のそれぞれに、先端の一部である第1の注気口531と第2の注気口532からエアーを注入する。そのうえで、第1の注気口531と第2の注気口532がそれぞれ備える逆止弁によりエアーの漏洩を防止することができる。
また、(b)に示すように、エアーの注入する機能を分離した分離型の注入部材5は、第1及び第2エアー収納部41,42のそれぞれに挿入した注入部材5が、それぞれの第1の注気口531と第2の注気口532からエアーを注入する。この分離型でも、第1の注気口531と第2の注気口532がそれぞれ備える逆止弁によりエアーの漏洩を防止することができる。
梱包材のシート部材31,32及びフィルム部材51、52は、ポリエチレンやポリプロピレンなどヒートシール性を有するフィルムと、ポリアミドやフッ素樹脂、シリコン等のフィルムとをラミネートしたものである。プラスチックフィルムの片面に、ヒートシール性のある材質が現れるようにしたのは、梱包材1本体を製袋するために、内側の表面同士を接着する必要があるからである。また、本発明の梱包材1を構成するプラスチックフィルムは、ポリアミドやフッ素樹脂、シリコン等のフィルムを挟んで、その両表面に、ポリエチレンやポリプロピレンなどヒートシール性を有するフィルムをラミネートする構成としてもよい。
【0018】
図6は、本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
本発明の梱包材は、(a)に示すように筒状の注入部材を用いていたが、(b)に示すように、封止部34に注入孔55を設けても、エアーの漏れを防止する逆止弁と同様の効果を得ることができる。
図7は、本発明の梱包材の一つの実施形態の構成で、エアーを押し出す状態を示す写真である。
さらに、注入孔55の繋がった部分を指でつまんでしわを寄せることで、ゆっくり空気を押し出すことができる。
【0019】
図8は、本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
被梱包材9を入れる第2の気体収納部42は、外部より高い気圧を有する陽圧である必要はなく、圧力的には大気と繋がってもよい。また、その方が出口の注入部51の部分が加圧された第1の気体収納部41で押さえられ被梱包材9が外に出ないようにして保護することができる。
図9は、本発明の梱包材の更なる実施形態の構成を示す概略図である。
外袋の第1の気体収納部41の内側であって、小さいために第2の気体収納部42の外側と第1の気体収納部41の内側が接着で接着させる。その梱包材1に逆止弁機能を有する注入部材5と第1及び第2のフィルム501、502を設けて、エアーを注入する。これによって、加圧で膨らんだ第1の気体収納部41で
第2の気体収納部42の内側の被梱包材9が抑えられ、保護される。
【0020】
図10は、本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
図11は、本発明の梱包材の一つの実施形態の構成で、封止部を有する状態を示す写真である。
外袋の第1の気体収納部41と内側の第2の気体収納部42に、シール部材で封止部34を設ける。これによって、被梱包材9の出し入れが可能になり、梱包材1を繰り返し使用することができる。
【0021】
図12は、本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
外袋の第1の気体収納部41の封止部の直下から二重の封止膜をそれぞれの第1の気体収納部41と第2の気体収納部42に面からつけることで、第1の気体収納部41と第2の気体収納部42に封止部34の締結部と第1の気体収納部41と第2の気体収納部42の締結部の隙間にできる空隙からの外部への流出を封止弁と同じ効果で止めることができる。その部分に管を設け、エアーの出し入れ口にしてもよい。
【0022】
図13は、本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
図14は、本発明の梱包材の一つの実施形態の構成で、簀巻きの状態を示す写真である。
第1の気体収納部41は被梱包材9を円筒状に包み込むことのできる大きさであり、かつ逆止弁作用を持つ第1及び第2のフィルム501、502のフィルムと注入口51を有している。被梱包材9を第1の気体収納部41に簀巻き状にくるみ、図14に表すようにバンドなどで簀巻きが解けることのないようにし、注入口51から空気を入れ膨らませることで、被梱包材9の円筒状周囲および円筒の上部と下部に第1の気体収納部41をエアーで膨らませ、被梱包材9の固定および衝撃緩衝ができる。図14はこの方式により携帯電話機を梱包した例である。
【0023】
図15は、本発明の梱包材の一つの実施形態の構成を示す概略図である。
図16は、本発明の梱包材の一つの実施形態の構成で、パッケージ構造の状態を示す写真である。
円筒型の上部と下部が内側に突起をもったドーナッツを長くした円筒状構造で、被梱包材9を包み込むパッケージ構造にすることで、保護することができる、突起構造は第1の気体収納部41に空気を送り込まない状態では変形可能でその内側に被梱包材9を出し入れすることは容易であるが、空気を送り込むことにより膨張し被梱包材9をパッケージの中に閉じ込める。それにより円筒部と突起部で被梱包材9を包み込み、固定および衝撃緩衝ができる。
【符号の説明】
【0024】
1 梱包材
3 シート部材
31 第1のシート部材
32 第2のシート部材
33 接着部
34 封止部
341 シール部材
4 気体収納部
41 第1の気体収納部
42 第2の気体収納部
5 注入部材
501 第1のフィルム
502 第2のフィルム
51 注入部
52 連絡路
53 注気口
531 第1の注気口
532 第2の注気口
55 注入孔
6 逆止弁
9 被梱包材

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16