(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】高速充填・施栓システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B67B 1/04 20060101AFI20240516BHJP
B65B 1/04 20060101ALI20240516BHJP
B65B 3/04 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
B67B1/04
B65B1/04
B65B3/04
(21)【出願番号】P 2023532611
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 CN2021141147
(87)【国際公開番号】W WO2022143448
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-07-28
(31)【優先権主張番号】202011639655.5
(32)【優先日】2020-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512051365
【氏名又は名称】楚天科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TRUKING TECHNLLOGY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李抗
(72)【発明者】
【氏名】李新華
(72)【発明者】
【氏名】許敏一
(72)【発明者】
【氏名】易波
(72)【発明者】
【氏名】王志文
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-240492(JP,A)
【文献】特開昭63-218096(JP,A)
【文献】特開平05-246492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67B 1/04
B65B 1/04
B65B 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送装置(1)と、栓搬送装置(2)と、充填装置(3)と、第1の施栓装置(4)と、第2の施栓装置(5)と、ゴム栓(9)を第1の施栓装置(4)及び第2の施栓装置(5)に移送するためのゴム栓移送装置(6)とを含み、
前記充填装置(3)、第1の施栓装置(4)、第2の施栓装置(5)、ゴム栓移送装置(6)、及び栓搬送装置(2)は、搬送装置(1)の搬送方向に沿って順次配置され、
前記ゴム栓移送装置(6)は、第1のゴム栓位置決め通路(63)が設けられた第1の施栓板(61)と、第2のゴム栓位置決め通路(66)が設けられた第2の施栓板(62)と、第1の施栓板(61)及び第2の施栓板(62)を回転させて第1のゴム栓位置決め通路(63)と第2のゴム栓位置決め通路(66)との間の距離を調整するための偏心軸アセンブリとを含み、
前記栓搬送装置(2)の下方に、栓押し込み部材(7)が設けられていることを特徴とする、高速充填・施栓システム。
【請求項2】
前記偏心軸アセンブリは、偏心して配置された第1の回転軸(64)と第2の回転軸(65)を含み、前記第1の回転軸(64)は前記第1の施栓板(61)に接続され、前記第2の回転軸(65)は前記第2の施栓板(62)に接続され、
前記第1の回転軸(64)は中空であり、前記第2の回転軸(65)は前記第1の回転軸(64)内に設けられる、または前記第2の回転軸(65)は中空であり、前記第1の回転軸(64)は前記第2の回転軸(65)内に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の高速充填・施栓システム。
【請求項3】
前記ゴム栓移送装置(6)は、駆動軸(60)をさらに含み、
前記駆動軸(60)と前記第2の回転軸(65)の両方には第1の連結ロッド(68)が設けられ、駆動軸(60)上の第1の連結ロッド(68)の両端に第2の連結ロッド(69)がヒンジ結合され、前記第2の連結ロッド(69)の端部、第2の回転軸(65)上の第1の連結ロッド(68)の端部、及び前記第1の回転軸(64)はヒンジ結合されており、2つの前記第1の連結ロッド(68)及び2つの前記第2の連結ロッド(69)は、平行四辺形の連結ロッド機構を構成し、
または、前記駆動軸(60)と前記第1の回転軸(64)の両方には第1の連結ロッド(68)が設けられ、駆動軸(60)上の第1の連結ロッド(68)の両端に第2の連結ロッド(69)がヒンジ結合され、前記第2の連結ロッド(69)の端部、第1の回転軸(64)上の第1の連結ロッド(68)の端部、及び前記第2の回転軸(65)はヒンジ結合されており、2つの前記第1の連結ロッド(68)及び2つの前記第2の連結ロッド(69)が、平行四辺形の連結ロッド機構を構成することを特徴とする、請求項2に記載の高速充填・施栓システム。
【請求項4】
前記第1の施栓板(61)と前記第2の施栓板(62)との間に接続ピン(611)が設けられ、前記接続ピン(611)に弾性部材(612)が外嵌され、前記弾性部材(612)の両端は、それぞれ前記第1の施栓板(61)及び前記第2の施栓板(62)に当接することを特徴とする、請求項3に記載の高速充填・施栓システム。
【請求項5】
保護カバー(613)をさらに含み、前記接続ピン(611)及び弾性部材(612)は前記保護カバー(613)内に設けられることを特徴とする、請求項4に記載の高速充填・施栓システム。
【請求項6】
前記偏心軸アセンブリは、偏心して配置された第1の回転軸(64)と第2の回転軸(65)を含み、前記第1の回転軸(64)は前記第1の施栓板(61)に接続され、前記第2の回転軸(65)は前記第2の施栓板(62)に接続され、前記第1の回転軸(64)及び/または前記第2の回転軸(65)はスライド機構(67)に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の高速充填・施栓システム。
【請求項7】
前記栓押し込み部材(7)は、第1のゴム栓位置決め通路(63)に対応する第1の栓押し込み部材(71)と、第2のゴム栓位置決め通路(66)に対応する第2の栓押し込み部材(72)とを含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の高速充填・施栓システム。
【請求項8】
前記充填装置(3)は、搬送装置(1)の搬送方向に沿って往復移動可能な充填ニードル座(34)と、充填ニードル座(34)に設けられた充填ニードル(35)とを含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の高速充填・施栓システム。
【請求項9】
搬送装置(1)により容器(8)を搬送する、工程S1と、
充填装置(3)により容器(8)を充填する、工程S2と、
充填装置(3)による2列以上の容器(8)への充填を完了した後、第2の施栓装置(5)により前列の容器(8)を施栓するとともに、第1の施栓装置(4)により後列の容器(8)を施栓する、工程S3と、
を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の高速充填・施栓システムの充填・施栓方法。
【請求項10】
工程S2では、充填装置(3)が搬送装置(1)に沿って移動して、各列の容器(8)をそれぞれ充填することを特徴とする、請求項9に記載の充填・施栓方法。
【請求項11】
工程S3は、具体的には、
第1の回転軸(64)は第1の施栓板(61)を回転させて第1のゴム栓位置決め通路(63)を第1の栓押し込み部材(71)の上方に移動させ、第2の回転軸(65)は第2の施栓板(62)を回転させて第2のゴム栓位置決め通路(66)を第2の栓押し込み部材(72)の上方に移動させ、このとき、第1のゴム栓位置決め通路(63)と第2のゴム栓位置決め通路(66)とは近接している、工程S3.1と、
第1の栓押し込み部材(71)によりゴム栓(9)を第1のゴム栓位置決め通路(63)内に押し込み、第2の栓押し込み部材(72)により別のゴム栓(9)を第2のゴム栓位置決め通路(66)に押し込む、工程S3.2と、
第1の回転軸(64)は第1の施栓板(61)を回転させて第1のゴム栓位置決め通路(63)を第1の施栓装置(4)の下方に移動させ、第2の回転軸(65)は第2の施栓板(62)を回転させて第2のゴム栓位置決め通路(66)を第2の施栓装置(5)の下方に移動させ、このとき、第1のゴム栓位置決め通路(63)と第2のゴム栓位置決め通路(66)とは離間している、工程S3.3と、
第1の施栓装置(4)及び第2の施栓装置(5)により、下方のゴム栓(9)を容器(8)内にそれぞれ押し込む、工程S3.4と、
を含むことを特徴とする、請求項9に記載の充填・施栓方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年12月31日に出願された中国特許出願第202011639655.5号(発明名称が「高速充填・施栓システム及び方法」である)に基づき、その優先権を主張するものであり、当該中国特許出願全体の内容が本出願の一部として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、食品、医薬品の包装装置及び方法に関し、特に高速充填・施栓システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
従来の充填・施栓システムでは、容器搬送装置の片側に充填装置と施栓装置が固定されており、まず、充填装置により容器を充填し、その後、施栓装置により充填された容器を施栓する。充填工程よりも閉栓工程に要する時間が短いため、充填装置による1列目の容器への充填を完了し、2列目の容器に切り替えて充填する際には、施栓装置による1列目の容器の施栓が完了するまで待つ必要があり、システムの生産効率に影響を及ぼす。また、一部の充填・施栓システムでは、充填装置と施栓装置の両方が容器の搬送方向に移動する必要があり、その過程で充填や施栓を待つ容器もタクト搬送されている。充填・施栓工程では、移動機構による協働が必要であり、充填・施栓作業には充填装置、施栓装置と容器の正確な位置決め及び協働が必要となるため、容器の充填・施栓作業中に位置決めずれが発生しやすく、動作安定性を確保ことは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の欠点を克服し、構造が簡単で、生産効率が高く、動作安定性に優れる高速充填・施栓システムを提供することである。
【0005】
本発明は、さらに、上記高速充填・施栓システムの充填・施栓方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の技術的課題を解決するために、本発明は以下の技術的手段を採用する。
【0007】
搬送装置と、栓搬送装置と、充填装置と、第1の施栓装置と、第2の施栓装置と、ゴム栓を第1の施栓装置及び第2の施栓装置に移送するためのゴム栓移送装置を含む、高速充填・施栓システムである。前記充填装置、第1の施栓装置、第2の施栓装置、ゴム栓移送装置、及び栓搬送装置は、搬送装置に沿って順次配置され、前記ゴム栓移送装置は、第1のゴム栓位置決め通路が設けられた第1の施栓板と、第2のゴム栓位置決め通路が設けられた第2の施栓板と、第1の施栓板及び第2の施栓板を回転させて第1のゴム栓位置決め通路と第2のゴム栓位置決め通路との間の距離を調整するための偏心軸アセンブリとを含み、前記栓搬送装置の下方に栓押し込み部材が設けられている。
【0008】
上記の技術的手段のさらなる改良としては、次のようなものがある。
【0009】
前記偏心軸アセンブリは、偏心して配置された第1の回転軸と第2の回転軸を含み、前記第1の回転軸は前記第1の施栓板に接続され、前記第2の回転軸は前記第2の施栓板に接続され、前記第1の回転軸は中空であり、前記第2の回転軸は前記第1の回転軸内に設けられる、または前記第2の回転軸は中空であり、前記第1の回転軸は前記第2の回転軸内に設けられる。
【0010】
前記ゴム栓移送装置は、駆動軸をさらに含み、前記駆動軸と前記第2の回転軸の両方には第1の連結ロッドが設けられ、駆動軸上の第1の連結ロッドの両端に第2の連結ロッドがヒンジ結合され、前記第2の連結ロッドの端部、第2の回転軸上の第1の連結ロッドの端部、及び前記第1の回転軸はヒンジ結合されており、2つの前記第1の連結ロッド及び2つの前記第2の連結ロッドは、平行四辺形の連結ロッド機構を構成する。または、前記駆動軸と前記第1の回転軸の両方には第1の連結ロッドが設けられ、駆動軸上の第1の連結ロッドの両端に第2の連結ロッドがヒンジ結合され、前記第2の連結ロッドの端部、第1の回転軸上の第1の連結ロッドの端部、及び前記第2の回転軸はヒンジ結合されており、2つの前記第1の連結ロッド及び2つの前記第2の連結ロッドは、平行四辺形の連結ロッド機構を構成する。
【0011】
前記第1の施栓板と前記第2の施栓板との間に接続ピンが設けられ、前記接続ピンに弾性部材が外嵌されており、前記弾性部材の両端は、それぞれ前記第1の施栓板及び前記第2の施栓板に当接する。
【0012】
保護カバーをさらに含み、前記接続ピン及び弾性部材は前記保護カバー内に設けられる。
【0013】
前記偏心軸アセンブリは、偏心して配置された第1の回転軸と第2の回転軸を含み、前記第1の回転軸は前記第1の施栓板に接続され、前記第2の回転軸は前記第2の施栓板に接続され、前記第1の回転軸及び/または前記第2の回転軸はスライド機構に設けられている。
【0014】
前記栓押し込み部材は、第1のゴム栓位置決め通路に対応する第1の栓押し込み部材と、第2のゴム栓位置決め通路に対応する第2の栓押し込み部材とを含む。
【0015】
前記充填装置は、搬送装置に沿って往復移動可能な充填ニードル座と、充填ニードル座に設けられた充填ニードルとを含む。
【0016】
搬送装置により容器を搬送する、工程S1と、
充填装置により容器を充填する、工程S2と、
充填装置による2列以上の容器への充填を完了した後、第2の施栓装置により前列の容器を施栓するとともに、第1の施栓装置により後列の容器を施栓する、工程S3と、
を含む、上記高速充填・施栓システムの充填・施栓方法である。
【0017】
上記の技術的手段のさらなる改良としては、次のようなものがある。
【0018】
工程S2では、充填装置が搬送装置に沿って移動して、各列の容器をそれぞれ充填する。
【0019】
工程S3は、具体的には、
第1の回転軸は第1の施栓板を回転させて第1のゴム栓位置決め通路を第1の栓押し込み部材の上方に移動させ、第2の回転軸は第2の施栓板を回転させて第2のゴム栓位置決め通路を第2の栓押し込み部材の上方に移動させ、このとき、第1のゴム栓位置決め通路と第2のゴム栓位置決め通路とは近接している、工程S3.1と、
第1の栓押し込み部材によりゴム栓を第1のゴム栓位置決め通路内に押し込み、第2の栓押し込み部材により別のゴム栓を第2のゴム栓位置決め通路に押し込む、工程S3.2と、
第1の回転軸は第1の施栓板を回転させて第1のゴム栓位置決め通路を第1の施栓装置の下方に移動させ、第2の回転軸は第2の施栓板を回転させて第2のゴム栓位置決め通路を第2の施栓装置の下方に移動させ、このとき、第1のゴム栓位置決め通路と第2のゴム栓位置決め通路とは離間している、工程S3.3と、
第1の施栓装置及び第2の施栓装置により、下方のゴム栓を容器内にそれぞれ押し込む、工程S3.4と、
を含む。
【発明の効果】
【0020】
従来技術と比較して、本発明は以下の利点を有する。本発明に開示される高速充填・施栓システムは、第1の施栓装置及び第2の施栓装置を備え、2列の容器を同時に施栓して施栓効率を向上させ、さらにシステムの生産効率を向上させることができる。ゴム栓移送装置は、同時に2列のゴム栓を栓搬送装置から第1の施栓装置、第2の施栓装置の下方まで迅速かつ正確に移送することができ、システム中の充填装置、第1の施栓装置、第2の施栓装置は搬送装置に沿って移動する必要がなく、単に搬送装置が容器を間欠的に搬送するため、充填装置、各施栓装置と容器の正確な位置合わせに有利であり、システムの安定動作が保証される。
【0021】
本発明に開示される高速充填・施栓システムの充填・施栓方法では、充填装置による2列以上の容器への充填を完了した後、第2の施栓装置により前列の容器を施栓するとともに、第1の施栓装置により後列の容器を施栓するため、システムの生産効率の向上に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の高速充填・施栓システムの栓装着後の構造を示す模式図である。
【
図2】本発明の高速充填・施栓システムがゴム栓を移送する際の模式図である。
【
図3】本発明におけるゴム栓移送装置の第1の実施例の栓装着後の構造を示す模式図である。
【
図4】本発明におけるゴム栓移送装置の第1の実施例の施栓待機時の構造を示す模式図である。
【
図5】本発明におけるゴム栓移送装置の第1の実施例の栓装着後の伝動構造を示す模式図である。
【
図6】本発明におけるゴム栓移送装置の第2の実施例の施栓待機時の伝動構造を示す模式図である。
【
図7】本発明におけるゴム栓移送装置の第2の実施例の栓装着後の構造を示す模式図である。
【
図8】本発明におけるゴム栓移送装置の第2の実施例の施栓待機時の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面及び具体的な実施例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
【0024】
実施例1
図1~
図6に、本発明の高速充填・施栓システムの一実施例が示される。本実施例の高速充填・施栓システムは、搬送装置1と、栓搬送装置2と、充填装置3と、第1の施栓装置4と、第2の施栓装置5と、ゴム栓9を第1の施栓装置4及び第2の施栓装置5に移送するためのゴム栓移送装置6とを含み、充填装置3、第1の施栓装置4、第2の施栓装置5、ゴム栓移送装置6、及び栓搬送装置2は、搬送装置1に沿って順次配置され、ゴム栓移送装置6は、第1のゴム栓位置決め通路63が設けられた第1の施栓板61と、第2のゴム栓位置決め通路66が設けられた第2の施栓板62と、第1の施栓板61及び第2の施栓板62を回転させて第1のゴム栓位置決め通路63と第2のゴム栓位置決め通路66との間の距離を調整するための偏心軸アセンブリとを含み、第1のゴム栓位置決め通路63は第1の施栓装置4に対応し、第2のゴム栓位置決め通路66は第2の施栓装置5に対応し、栓搬送装置2の下方には、栓押し込み部材7が設けられている。
【0025】
前記充填・施栓システムには、第1の施栓装置4及び第2の施栓装置5が設置され、2列の容器8を同時に施栓して施栓効率を向上させ、さらにシステムの生産効率を向上させることができる。ゴム栓移送装置6は、同時に2列のゴム栓9を栓搬送装置2から第1の施栓装置、第2の施栓装置5の下方まで迅速かつ正確に移送することができ、システム中の充填装置3、第1の施栓装置4、第2の施栓装置5は搬送装置1に沿って移動する必要がなく、単に搬送装置1が容器8を間欠搬送するまたはタクト搬送するため、充填装置3、各施栓装置と容器8の正確な位置合わせに有利であり、システムの安定動作が保証される。
【0026】
また、本実施例では、偏心軸アセンブリは、偏心して配置された第1の回転軸64と第2の回転軸65を含み、第1の回転軸64は第1の施栓板61に接続され、第2の回転軸65は第2の施栓板62に接続され、第1の回転軸64は中空であり、第2の回転軸65は第1の回転軸64内に設けられている。第1の回転軸64は第1の施栓板61を回転させ、第2の回転軸65は第2の施栓板62を回転させる。2つの回転軸は偏心して配置されているため、第1のゴム栓位置決め通路63と第2のゴム栓位置決め通路66との間の距離は周期的に増減し、第1のゴム栓位置決め通路63と第2のゴム栓位置決め通路66が近接している場合には、栓を装着しやすくなり、離間している場合には、第1の施栓装置4、第2の施栓装置5による施栓が可能となる。このような偏心軸アセンブリは、全体の構造がコンパクトで、占有スペースが少ない。もちろん、他の実施例において、第2の回転軸65が中空であり、第1の回転軸64が第2の回転軸65内に設けられてもよく、同様に本発明の目的を達成することができる。
【0027】
さらに、本実施例では、ゴム栓移送装置6は、駆動軸60をさらに含み、駆動軸60と第2の回転軸65の両方には第1の連結ロッド68が設けられ、駆動軸60上の第1の連結ロッド68の両端に第2の連結ロッド69がヒンジ結合され、第2の連結ロッド69の端部、第2の回転軸65上の第1の連結ロッド68の端部、及び第1の回転軸64はヒンジ結合されており、2つの第1の連結ロッド68及び2つの第2の連結ロッド69は、平行四辺形の連結ロッド機構を構成する。偏心配置された第1の回転軸64と第2の回転軸65の同期回転は、1本の駆動軸60及び平行四辺形の連結ロッド機構によって実現でき、駆動部品点数の削減、構造の簡素化、コストダウンに有利である。もちろん、他の実施例において、第2の回転軸65が中空であり、第1の回転軸64が第2の回転軸65内に設けられ、それに対応して、駆動軸60と第1の回転軸64の両方には第1の連結ロッド68が設けられ、駆動軸60上の第1の連結ロッド68の両端に第2の連結ロッド69がヒンジ結合され、第2の連結ロッド69の端部、第1の回転軸64上の第1の連結ロッド68の端部、及び第2の回転軸65はヒンジ結合されており、2つの第1の連結ロッド68及び2つの第2の連結ロッド69は、平行四辺形の連結ロッド機構を構成する場合も、同様に本発明の目的を達成することができる。
【0028】
さらに、本実施例では、第1の施栓板61と第2の施栓板62との間に接続ピン611が設けられ、前記接続ピン611に弾性部材612が外嵌されており、弾性部材612の両端は、それぞれ第1の施栓板61及び第2の施栓板62に当接する。回転駆動部品が1組しかないため、第1の施栓板61と第2の施栓板62との間の回転駆動力の伝達を容易にするために接続ピン611が設置され、接続ピン611には弾性部材612が外嵌されることで、第1の施栓板61と第2の施栓板62との柔軟な接続が実現され、安定かつスムーズな回転動作が確保され、構造が簡単で信頼性が高い。好ましくは、接続ピン611及び弾性部材612は、摩擦による粒子がシステムの清浄な環境を汚染するのを防ぐために、保護カバー613内に配置することができる。
【0029】
さらに、本実施例では、栓押し込み部材7は、第1のゴム栓位置決め通路63に対応する第1の栓押し込み部材71と、第2のゴム栓位置決め通路66に対応する第2の栓押し込み部材72とを含む。第1の栓押し込み部材71と第2の栓押し込み部材72により同時に押し込むことで、栓装着工程の速度を速くし、効率をさらに向上させるのに有利である。
【0030】
好ましい技術的手段として、本実施例では、ゴム栓移送装置6がゴム栓9を第1の施栓装置4及び第2の施栓装置5の下方まで正確に搬送できるため、第1の施栓装置4及び第2の施栓装置5は、搬送装置1に沿って移動する必要がなく、上下に移動するだけでよいため、第1の施栓装置4及び第2の施栓装置5と容器8の正確な位置決め及び協働を確保するのに有利である。
【0031】
好ましい技術的手段として、本実施例では、充填装置3は、搬送装置1の搬送方向に沿って往復動可能な充填ニードル座34と、充填ニードル座34に設けられた充填ニードル35とを含む。すなわち、充填ニードル座34により、充填ニードル35を搬送装置1に沿って往復移動させることができ、施栓装置により容器8を施栓すると、充填装置3は後続の他の列の容器8を充填することができ、システムの生産効率をさらに向上させるのに有利である。もちろん、他の実施例において、充填装置3では、充填ニードル35のみが上下に移動してもよく、充填ニードル座34は移動しないため、充填装置3と容器8の正確な位置決め及び協働を確保するのに有利である。
【0032】
実施例2
図7~
図8に、本発明の高速充填・施栓システムの別の実施例が示される。本実施例の高速充填・施栓システムは基本的に実施例1と同様であるが、次の点が異なる。本実施例では、偏心軸アセンブリは、偏心して配置された第1の回転軸64と第2の回転軸65を含み、第1の回転軸64は第1の施栓板61に接続され、第2の回転軸65は第2の施栓板62に接続され、第1の回転軸64はスライド機構67に設けられている。すなわち、第1の回転軸64と第2の回転軸65との間の偏心距離は、スライド機構67により調整可能であり、仕様の異なる容器の充填・施栓に対応できるが、設備容積が大きくなり、占有面積が大きくなるという欠点がある。もちろん、他の実施例において、第2の回転軸65をスライド機構67に設置し、または第1の回転軸64と第2の回転軸65をそれぞれスライド機構67に設置してもよい。
【0033】
本実施例の充填・施栓システムの充填・施栓方法は、
搬送装置1により容器8を搬送する、工程S1と、
充填装置3により容器8を充填する、工程S2と、
充填装置3による2列以上の容器8への充填を完了した後、第2の施栓装置5により前列の容器8を施栓するとともに、第1の施栓装置4により後列の容器8を施栓する、工程S3とを含む。
【0034】
前記施栓方法では、充填装置3による2列以上の容器8への充填を完了した後、第2の施栓装置5により前列の容器8を施栓するとともに、第1の施栓装置4により後列の容器8を施栓するため、システムの生産効率の向上に有利である。
【0035】
さらに、本実施例では、工程S2では、充填ニードル座34により、充填ニードル35を搬送装置1の搬送方向に沿って往復移動させ、後続の他の列の容器8を充填することで、システムの生産効率をさらに向上させるのに有利である。
【0036】
さらに、本実施例では、工程S3は、具体的には、
第1の回転軸64は第1の施栓板61を回転させて第1のゴム栓位置決め通路63を第1の栓押し込み部材71の上方に移動させ、第2の回転軸65は第2の施栓板62を回転させて第2のゴム栓位置決め通路66を第2の栓押し込み部材72の上方に移動させ、このとき、第1のゴム栓位置決め通路63と第2のゴム栓位置決め通路66とは近接している、工程S3.1と、
第1の栓押し込み部材71によりゴム栓9を第1のゴム栓位置決め通路63内に押し込み、第2の栓押し込み部材72により別のゴム栓9を第2のゴム栓位置決め通路66に押し込む、工程S3.2と、
第1の回転軸64は第1の施栓板61を回転させて第1のゴム栓位置決め通路63を第1の施栓装置4の下方に移動させ、第2の回転軸65は第2の施栓板62を回転させて第2のゴム栓位置決め通路66を第2の施栓装置5の下方に移動させ、このとき、第1のゴム栓位置決め通路63と第2のゴム栓位置決め通路66とは離間している、工程S3.3と、
第1の施栓装置4及び第2の施栓装置5により、下方のゴム栓9を容器8内にそれぞれ押し込む、工程S3.4と、
を含む。この工程は自動化の度合いが高く、同時に2列のゴム栓9を第1の施栓装置4、第2の施栓装置5の下方まで迅速かつ正確に移送することができ、第1の栓押し込み部材71、第2の栓押し込み部材72は搬送装置1に沿って移動する必要がなく、上下に移動するだけでよいため、ゴム栓9のゴム栓位置決め通路への進入効率の向上に有利である。
【0037】
以上、本発明を好ましい実施例をもとに開示したが、本発明を限定するものでない。当業者であれば、本発明の技術的手段から逸脱しない範囲内で、以上に開示された技術的内容を使用して、本発明の技術的手段に対して多くの可能な変更及び修正を行うことができ、または同等の変更に相当する実施例に修正することができる。従って、本発明の技術的手段から逸脱しない限り、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に対して行われたあらゆる簡単な修正、同等の変更及び改造は、依然として本発明の技術的手段の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0038】
1... 搬送装置、2... 栓搬送装置、3... 充填装置、34... 充填ニードル座、35... 充填ニードル、4... 第1の施栓装置、5... 第2の施栓装置、6... ゴム栓移送装置、60... 駆動軸、61... 第1の施栓板、611... 接続ピン、612... 弾性部材、613... 保護カバー、62... 第2の施栓板、63... 第1のゴム栓位置決め通路、64... 第1の回転軸、65... 第2の回転軸、66... 第2のゴム栓位置決め通路、67... スライド機構、68... 第1の連結ロッド、69... 第2の連結ロッド、7... 栓押し込み部材、71... 第1の栓押し込み部材、72... 第2の栓押し込み部材、8... 容器、9... ゴム栓。