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  • 特許-ソケットレンチ用ハンドル 図1
  • 特許-ソケットレンチ用ハンドル 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】ソケットレンチ用ハンドル
(51)【国際特許分類】
   B25B 13/02 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
B25B13/02 M
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019097170
(22)【出願日】2019-05-07
(65)【公開番号】P2020183023
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】519185797
【氏名又は名称】出口 英男
(72)【発明者】
【氏名】出口 英男
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】特許第4360927(JP,B2)
【文献】特開2002-178271(JP,A)
【文献】特開2006-035419(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0025060(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0158924(US,A1)
【文献】実開平01-092385(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に抜け防止用の鋼球を取り付けた正円形の一部分の形状であり円弧形状のハンドル主体にアダプターを該アダプターに設けた組付け孔に前記ハンドル主体を貫通、摺接させて成り、前記ハンドル主体の断面形を前記組付け孔の孔形とほぼ一致する正円形に1つ以上のU字状の溝を設けた形状とするとともに、円弧形状のハンドルの曲がりに沿った前記組付け孔の形状とし、アダプターの挿入体が円弧形状のハンドルの中心点方向と反対側を向く形状としたソケットレンチ用ハンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソケットを駆動するためにハンドル主体にスライド可能なアダプターを取り付けた(ソケットと共にソケットレンチを構成する)ソケットレンチ用ハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
ソケットを駆動するハンドルとして、T型スライドハンドル、T型ハンドル、クランクハンドル、スピーダーハンドル、ラチェットハンドルなどが公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許4360927
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、軽量で単純な構造の工具としてはT型スライドハンドルを用いるのが一般的であった。しかしながら、アダプターをハンドルの中央位置とした操作時にボルトまたはナットの回転抵抗が少なくない状態時に手操作にて連続的に回転させるためにはハンドルの外周側に力を加える必要があるが、この場合に力を加える指がハンドルから離れやすく操作し辛いという問題があった。
【0005】
また、従来のT型スライドハンドルでは、ハンドルを片側にスライドさせた状態でハンドルを持って、途切れの無いソケット駆動力を発揮させる操作が難しかった。
【0006】
さらに、従来のT型スライドハンドルでは、ハンドル主体が棒状であるためにハンドルを握った状態において、接続したソケット部を操作対象のボルトまたはナットへ導き辛かった。
【0007】
本発明は、ソケットやユニバーサルジョイントやエキステンションバーと組み合わせて利用可能で、ラチェットハンドルと比較すると軽量で単純な構造でありながら、ボルトまたはナットの状態によるソケット駆動抵抗の違いに対応した連続的なソケット駆動操作が容易なハンドルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
両端に抜け防止用の鋼球を取り付けた円弧形状のハンドル主体にアダプターを該アダプターに設けた組付け孔に前記ハンドル主体を貫通、摺接させて成り、前記ハンドル主体の断面形を前記組付け孔の孔形とほぼ一致する正円形以外の形状とするとともに、円弧形状のハンドルの曲がりに沿った前記組付け孔の形状とし、アダプターの挿入体が円弧形状のハンドルの中心点方向と反対側を向く形状とする。
【0009】
なお、ここでいうハンドル主体の断面形とアダプターに設けた組付け孔は両者を組み合わせた場合にハンドル主体周側面に沿って回動することを防止する形状であれば良い。もしくはハンドル主体に溝を設け、係止球によりアダプターがハンドル主体周側面に沿って回動することを防止してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明においては、アダプターをハンドルの中央位置とした場合の操作時にボルトまたはナットを回転させるために必要なトルクが低トルク(ハンドルの回転慣性で連続回転できる状態)から中トルク(ハンドルに指で力を与え続けることで連続回転できる状態)まで、指のかける位置を連続的に変化させやすく、指がハンドルの内周側から外周側いずれにおいても離れにくく操作がし易い。
【0011】
また、ソケットとユニバーサルジョイントとエキステンションバーを組み合わせて用い、アダプターをハンドル主体の一端側に移動させた状態とすることで、クランクハンドルやスピーダーハンドルに似た使用方法が可能となる。この場合はボルトまたはナットを回転させるための必要トルクが変動する状態や必要トルクが高い状態であっても、連続的なソケット駆動操作(ボルトまたはナットなどの締め付け操作や緩め動作など)が容易に可能となる。
【0012】
これらのことから、ボルトまたはナットを回転させるための必要なトルクが低い状態から高い状態、また回転させるためのトルクが変動する状態においても、このソケットレンチ用ハンドルにより操作が容易で効率的なソケット駆動操作が可能となる。
【0013】
さらに、ハンドル主体が円弧形状であるために、アダプターをハンドル主体の中央位置や片側にスライドさせた状態のいずれにおいても、ガングリップタイプのハンドルのような保持方法が可能となり、ハンドル主体を握った状態にて、接続したソケット部を操作対象のボルトまたはナットへ導き易い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る一部欠截正面図。
図2】ハンドル主体を断面で示した図1の側面図。
【符号の説明】
【0015】
1 ハンドル主体
2 アダプター
3 組付け孔
4 抜け防止用の鋼球
5 係止球
6 5が係離する受止穴
7 収納穴
8 コイルばね
9 挿入体
10 係止球
11 ソケット
図1
図2