(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】イージーロックP字型クランプ
(51)【国際特許分類】
F16B 2/10 20060101AFI20240516BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20240516BHJP
H02G 3/32 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
F16B2/10 E
B64C1/00 A
H02G3/32
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019205994
(22)【出願日】2019-11-14
【審査請求日】2022-11-10
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジンフン
(72)【発明者】
【氏名】ソ, ジンソン
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-233491(JP,A)
【文献】特開2000-205211(JP,A)
【文献】特開平09-009462(JP,A)
【文献】西独国実用新案公開第20306224(DE,U)
【文献】中国特許第101344190(CN,B)
【文献】特表2013-501900(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02936037(FR,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0230627(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0053477(US,A1)
【文献】特開2006-280096(JP,A)
【文献】米国特許第05593125(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 2/00-2/26
B64C 1/00
H02G 3/22-3/40
F16L 3/00-3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線束(20)を構造物(18)に固定するためのクランプアセンブリ(16)であって、
第1の端部(30)、並びに、
表面(38)及びラッチ壁部(40)を有する斜面アセンブリ(36)を有する第2の端部(34)
を含む、基部(26)と
、
第1の端部(44)
、及び、
固定壁部(54)を有する第2の端部(52)
を含
む、ストラップ(42)であって、
前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)が、前記基部(26)の前記第1の端部(
30)に枢動可能に結合されて、前記基部(26)と前記ストラップ(42)とが互いに対して相対的にそれを中心として回転する回転軸(50)を含むヒンジ部(48)が形成される
、ストラップ(42)と
を備え、
前記表面(38)から前記回転軸(50)への径方向の距離(56)が、前記表面(38)が前記ストラップ(42)の前記第2の端部(52)から遠ざかる方向(58)へと延びるにつれて減少し、従って、前記ストラップの前記第2の端部(52)が、前記表面(38)と接触し、当該表面(38)と接触したまま当該表面(38)に沿って摺動すると、前記ストラップ(42)の前記第2の端部(52)が、前記第1の端部(44)に向かう方向(60)に弾性的に曲がり、
前記第2の端部(52)が前記表面(38)を超えてそれより先へ動かされると、前記ストラップ(42)の前記第2の端部(52)は、前記第1の端部(44)から遠ざかる方向(66)に弾性的に曲がり、前記第2の端部(52)の前記固定壁部(54)が、前記基部(26)の前記第2の端部(52)の前記ラッチ壁部(40)と隣接する関係となり、前記ストラップ(42)と前記基部(26)とは、閉じられて固定されたポジション(68)で配置され
、
前記クランプアセンブリ(16)は、互いに離間している、前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)の第2の末端(80)の第1の壁部(94)と、前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)の前記第2の末端(80)の第2の壁部(96)と、により画定されたスロット(92)をさらに含み、前記基部(26)の前記第2の端部(34)は、タブ(90)を画定する、クランプアセンブリ(16)。
【請求項2】
前記ストラップ(42)の前記第2の端部(52)は、脚部材(64)及び頭部(62)をさらに含み、前記脚部材(64)は、前記頭部(62)を前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)に接続し、
前記脚部材(64)は、前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)の幅寸法(D1)よりも狭くかつ前記頭部の幅寸法(D2)よりも狭い幅寸法(D)を有し、
前記固定壁部(54)は、前記頭部(62)により画定され、前記脚部材(64)から遠ざかる方向(70)に延在する、請求項1に記載のクランプアセンブリ(16)。
【請求項3】
前記ストラップ(42)及び前記基部(26)が、前記閉じられ
て固定されたポジション(68)になると、前記ストラップ(42)及び前記基部(26)が、前記ストラップ(42)と前記基部(26)との間を通る中央軸(72)を画定する、請求項1又は2に記載のクランプアセンブリ(16)。
【請求項4】
前記基部(26)の前記第2の端部(34)がスロット(74)を画定する、請求項1から3のいずれか一項に記載のクランプアセンブリ(16)。
【請求項5】
前記ストラップ(42)及び前記基部(26)が前記閉じられ
て固定されたポジション(68)にあると、前記ストラップ(42)の第1の端部(44)は、前記スロット(74)の中に配置された突出部(82)をさらに画定し、前記スロット(74)は、前記回転軸(50)から第1の径方向の距離(R)に配置された、前記基部(26)の前記第2の端部(34)の第1の壁部(86)と、前記回転軸(50)から第2の径方向の距離(R1)に配置された、前記基部(26)の前記第2の端部(34)の第2の壁部(88)と、により画定され、前記第1の径方向の距離(R)は、前記第2の径方向の距離(R1)よりも長い、請求項4に記載のクランプアセンブリ(16)。
【請求項6】
前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)の
前記第1の壁部(94)と、前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)の
前記第2の壁部(96)とは、前記ストラップ(42)と前記基部(26)との間を通る中央軸(72)から延びる径方向(100)に対して直交する方向(98)に互いに離間しており、前記ストラップ(42)及び前記基部(26)が前記閉じられて固定されたポジション(68)となると、前記タブ(90)が、前記スロット(92)の中に配置される、請求項
1に記載のクランプアセンブリ(16)。
【請求項7】
配線束(20)を構造物(18)に固定するためのクランプアセンブリ(16)であって、
基部(26)であって、
第1の端部(30)、及び、
スロット(74)を画定する前記基部(26)の第2の端部(34)
を含む、基部(26)と、
ストラップ(42)であって、
前記ストラップ(42)の第1の端部(44)の第1の末端(78)を含み、前記第1の末端(78)は、前記基部(26)の前記第1の端部(30)に枢動可能に結合されて、回転軸(50)を含むヒンジ部(48)が形成され、前記回転軸(50)を中心として、前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)の第2の末端(80)と前記基部(26)の前記第2の端部(34)とは、開かれたポジションと閉じられて固定されたポジション(68)との間で互いに相対的に動かされる、ストラップ(42)と
を備え、
前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)の前記第2の末端(80)が突出部(82)を画定し、
前記閉じられ
て固定されたポジション(68)では、前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)及び前記基部(26)が、前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)と前記基部(26)との間を通る中央軸(72)を画定し、前記突出部(82)は前記スロット(74)の中に配置され、
前記スロット(74)は、前記基部(26)の前記第2の端部(34)の第1の壁部(86)により画定され、前記回転軸(50)から第1の径方向の距離(R)に配置されており、かつ、前記回転軸(50)から第2の径方向の距離(R1)に配置された、前記基部(26)の前記第2の端部(34)の第2の壁部(88)により画定されており、
前記第1の径方向の距離(R)は、前記第2の径方向の距離(R1)よりも長
く、
前記クランプアセンブリ(16)は、互いに離間している、前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)の前記第2の末端(80)の第1の壁部(94)と、前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)の前記第2の末端(80)の第2の壁部(96)と、により画定されたスロット(92)をさらに含み、前記基部(26)の前記第2の端部(34)は、タブ(90)を画定する、クランプアセンブリ(16)。
【請求項8】
前記ストラップ(42)は第2の端部(52)をさらに含み、前記第2の端部(52)は、頭部(62)を前記ストラップ(42)の前記第1の端部(44)に接続する脚部材(64)を含む、請求項
7に記載のクランプアセンブリ(16)。
【請求項9】
前記基部(26)の前記第2の端部(34)は、表面(38)及びラッチ壁部(40)を有する斜面アセンブリ(36)をさらに含み、
前記ストラップ(42)の前記第2の端部(52)の前記頭部(62)は固定壁部(54)を有する、請求項
8に記載のクランプアセンブリ(16)。
【請求項10】
前記表面(38)から前記回転軸(50)への径方向の距離(R)は、前記表面(38)が前記ストラップ(42)の前記第2の端部(52)から遠ざかる方向(58)へと延びるにつれて減少し、従って、前記ストラップ(42)の前記第2の端部(52)の前記頭部(62)が前記表面(38)と接触し、当該表面(38)と接触したまま当該表面(38)に沿って摺動すると、前記ストラップ(42)の前記第2の端部(52)が、前記第1の端部(44)に向かう方向(60)に弾性的に曲がる、請求項
9に記載のクランプアセンブリ(16)。
【請求項11】
前記第2の端部(52)が前記表面(38)を超えてそれより先へと動かされると、前記ストラップ(42)の前記第2の端部(52)は、前記第1の端部(44)から遠ざかる方向(66)に弾性的に曲がり、前記ストラップ(42)の前記第2の端部(52)の前記頭部(62)の前記固定壁部(54)が、前記基部(26)の前記第2の端部(34)の前記ラッチ壁部(40)と隣接する関係となり、前記ストラップ(42)と前記基部(26)とが、前記閉じられて固定されたポジション(68)となる、請求項
10に記載のクランプアセンブリ(16)。
【請求項12】
前記第1の壁部(94)と前記第2の壁部(96)とは、前記中央軸(72)から延びる径方向(100)と直交する方向(98)に互いに離間しており、従って、前記ストラップ(42)及び前記基部(26)が前記閉じられて固定されたポジション(68)となると、前記タブ(90)が、前記スロット(92)の中に配置される、請求項
7に記載のクランプアセンブリ(16)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はクランプアセンブリに関し、特に、配線束を構造物に固定するクランプアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
クランプアセンブリは、配線の束を構造物に固定し当該固定物に対して配線の束の経路を定めることを目的として、配線の束を捕捉するために利用されている。構造物は、アセンブリの製造と関連付けられている可能性があり、これにより、アセンブリ内の様々な位置への通信信号及び/又は制御信号の伝送が必要となる。このような通信信号及び/又は制御信号の伝送は、例えば、航空機の稼働時に必要であり、従って、配線の束の固定及び経路決定は、航空機の製造において重要である。航空機を組み立てる際の配線の束の固定及び経路決定には時間及びコストが掛かる。
【0003】
航空機といったアセンブリの製造プロセスの間には、取付作業員は、航空機の内部での様々な制限を経て配線の束を固定して経路決定し、時間的に効率良く労力が最小となる有益なやり方でそれを行う必要がある。例えば、クランプアセンブリを手動で開閉出来ることによって、取付作業員は、製造中にクランプアセンブリの開閉を遂行するツールを利用する必要なく、時間及びコストを節約することが可能となる。クランプアセンブリを手動で開閉出来ると、取付作業員には、このタスクを実行するための労力が最小となる追加的な選択肢も存在しうる。制限された空間内でツールを利用しようと試行することは、取付作業員にとっては、上記労力が最小となる選択肢を制限することになりうる。さらに、製造中にクランプアセンブリを開閉するためのツールを利用する必要が無くなると、より短い労働時間が必要となり、これにより、航空機の製造のためのコストが節約されることになる。
【0004】
さらに、稼働時の配線束による配線束の制限のために、ストラップとクランプアセンブリの基部との信頼性の高い固定を提供するという必要性が絶えず存在する。さらに、クランプアセンブリを固定した状態で配線束を捕捉する際にストラップと基部との間の径方向及び/又は横方向の移動を防止するために、クランプアセンブリのストラップ及び基部に関して追加的な径方向の補強及び横方向の補強を与えるという必要性が存在する。捕捉された配線束に関する径方向の補強、及び横方向、即ち配線束が延在する方向における補強によって、クランプアセンブリのストラップと基部との間の所望の開口部の形状の維持が支援される。ストラップと基部との間の所望の形状を維持することによって、例えば、航空機の構造の内部での配線のための配線の基準及び規定に準拠した、配線束の設置が容易になる。クランプアセンブリの中に捕捉された配線束が配置された状態で、クランプアセンブリのストラップと基部との間の開口部の形状が維持されることによって、配線要件を満たす際の最適化が与えられ、これにより、配線束の設置の再工事に関連する出来事及びコストが減らされる。
【発明の概要】
【0005】
一例には、配線束を構造物に固定するためのクランプアセンブリが含まれ、上記クランプアセンブリは基部を含み、基部は、第1の端部と、表面及びラッチ壁部を有する斜面アセンブリとを有する第2の端部と、を含む。クランプアセンブリはストラップを含み、ストラップは第1の端部を含み、ストラップの第1の端部が、基部の第1の端部に枢動可能に結合されて、基部とストラップとが互いに対して相対的にそれを中心として回転する回転軸を含むヒンジ部が形成される。ストラップは、固定壁部を有する第2の端部をさらに含む。表面から回転軸への径方向の距離が、表面がストラップの第2の端部から遠ざかる方向へと延びるにつれて減少し、従って、ストラップの第2の端部が表面と接触し、当該表面と接触したまま当該表面に沿って摺動すると、ストラップの第2の端部が、第1の端部に向かう方向に弾性的に曲がる。第2の端部が表面を超えてそれより先へ動かされると、ストラップの第2の端部が、第1の端部から遠ざかる方向に弾性的に曲がり、第2の端部の固定壁部が、基部の第2の端部のラッチ壁部と隣接する関係となり、ストラップと基部とが、閉じた固定されたポジションで配置される。
【0006】
一例には、配線束を構造物に固定するためのクランプアセンブリが含まれ、上記クランプアセンブリは基部を含み、基部は、第1の端部と、スロットを画定する基部の第2の端部と、を含む。クランプアセンブリはストラップを含み、ストラップは、ストラップの第1の端部の第1の末端を含み、第1の末端は、基部の第1の端部に枢動可能に結合されて、回転軸を含むヒンジ部が形成され、回転軸を中心として、ストラップの第1の端部の第2の末端と基部の第2の端部とは、開かれたポジションと閉じられて固定されたポジションとの間で、互いに対して相対的に動かされる。ストラップの第1の端部の第2の末端が、突出部を画定する。閉じられて固定されたポジションでは、ストラップの第1の端部及び基部が、ストラップの第1の端部と基部との間を通る中央軸を画定し、
突出部が、スロットの中に配置される。スロットは、基部の第2の端部の第1の壁部により画定され、回転軸から第1の径方向の距離に配置されており、かつ、回転軸から第2の径方向の距離に配置された、基部の第2の端部の第2の壁部により画定される。第1の径方向の距離は、第2の径方向の距離よりも長い。
【0007】
一例には、配線束を構造物に固定するためのクランプアセンブリが含まれ、上記クランプアセンブリは基部を含み、基部は、第1の端部、及び、タブを画定する基部の第2の端部を含む。クランプアセンブリはストラップをさらに含み、ストラップは、第1の端部の第1の末端を含み、基部の第1の末端は、ストラップの第1の端部の第1の末端に枢動可能に結合されて、回転軸を含むヒンジ部が形成され、回転軸を中心として、ストラップの第2の末端と基部の第2の端部とは、開かれたポジションと閉じられて固定されたポジションとの間で、互いに対して相対的に動かされる。ストラップの第1の端部の第2の末端がスロットを画定し、スロットは、互いに離間している、ストラップの第1の端部の第2の末端の第1の壁部と、ストラップの第1の端部の第2の末端の第2の壁部と、によって画定される。閉じられた固定されたポジションでは、ストラップの第1の端部及び基部が、ストラップの第1の端部と基部の間を通る中央軸を画定し、タブが、スロットの中に配置される。第1の壁部と第2の壁部とは、中央軸から延びる径方向と直交する方向に互いに離間している。
【0008】
前述の特徴、機能及び利点は、様々な実施形態において個別に実現可能であり、又は、以下の説明及び図面を参照してさらなる詳細が理解され得る、さらに別の実施形態において組み合わされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図1の航空機の内部で配線束を構造物に固定して当該配線束の経路を定めるクランプアセンブリの上方からの平面図である。
【
図3】
図2に符号「3」として丸で囲まれ指定されている、構造物に配線束を固定するクランプアセンブリの拡大された部分的な斜視図である。
【
図4】配線束が無く又は配線束が構造物に固定されていない状態での、
図3のクランプアセンブリの分解斜視図である。
【
図5】組み立てられた
図4のクランプアセンブリの、側方からの斜視図である。
【
図6】閉じられて固定されたポジションで固定された
図5のクランプアセンブリである。
【
図7A】
図2で示されるクランプアセンブリの対称軸7-7に沿った、部分的な断面による斜視図であり、クランプアセンブリは開かれたポジションにある。
【
図7B】
図2で示されるクランプアセンブリの対称軸7-7に沿った、部分的な断面による斜視図であり、クランプアセンブリは、閉じられて固定されるポジションへと動かされつつある。
【
図7C】
図2で示されるクランプアセンブリの対称軸7-7に沿った、部分的な断面による斜視図であり、クランプアセンブリは、閉じられて固定されたポジションで配置されている。
【
図8】
図6のクランプアセンブリの線8-8に沿った断面の斜視図である。
【
図9】配線束が無い状態で閉じられて固定されたポジションにある、
図2のクランプアセンブリの線9-9に沿った断面図である。
【
図10】
図6のクランプアセンブリの、下方からの拡大された斜視図であり、径方向の補強構成及び横方向の補強構成が、閉じられて固定されたポジションにあるクランプアセンブリと係合している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、航空機10が、製造段階で配線が敷設される製造されたアセンブリの一例として示されている。航空機10は、航空機10の内部で固定されかつ航空機10の内部の様々な位置へと経路が定められる配線束の敷設を利用している。配線束は、航空機10の複数部分の至る所に延在しており、これにより、例えば胴体12及び翼14の内部で、通信信号及び/又は制御信号の伝送が必要となる。
図2及び
図3で分かるように、クランプアセンブリ16は、航空機10の内部に配置された構造物18に固定されており、必要に応じて、航空機10のあらゆるところで配線束20の経路を定めることを容易にする。クランプアセンブリ16は、配線束20を構造物18に固定しており、クランプアセンブリ16により捕捉される配線22の数及び大きさは、航空機10の内部の特定の位置についての配線の必要性に従って変わりうる。結果的に、縮小されたバージョンによるクランプアセンブリ16が、より小さな配線束20と共に採用され、拡大されたバージョンによるクランプアセンブリ16が、より大きな配線束20と共に採用される。
【0011】
構造物18への配線束20の堅固な固定部を作成し、航空機10の内部で所望のポジションで配線22を維持し、しかも配線束20のぴったりと締まった固定部を有しておらず、従って、配線束20の中の配線22に対して不要な摩損又は損傷が影響を与えないことが望まれている。クランプアセンブリの中で配線束20の上記の適切な収容を行うことは、或る特定の配線束20のためのクランプアセンブリ16の大きさを適切に寸法設定することによって達成され、幾つかの例では、
図3で分かるクッションカラーアセンブリ24といった、クランプアセンブリ16の中で配線22をぐるりと取り囲むクッションを提供することによって達成される。クッションカラーアセンブリ24は、配線束20のためのよりピッタリとした適合が提供可能であり、クランプアセンブリ16の中に配置されたときに配線22を所望のポジションに維持する僅かにより小さな寸法を有しうる。クッションカラーアセンブリ24は、クランプアセンブリ16の中に配置されたときに僅かにより大きな寸法を有する、配線束20に対する保護クッション適合部も提供しうる。
【0012】
図4~
図6を参照すると、航空機10の内部の構造物18に配線束20を固定するためのクランプアセンブリ16が示されている。クランプアセンブリ16は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリフェニレン、非結晶性熱可塑性ポリエーテルイミド、熱安定化ナイロン、又は他の適切な材料といった、非導電性の熱可塑性ポリマーの幅広い材料のうちの1つで構成される。クランプアセンブリ16は基部26を含み、基部26は、
図2及び
図3で分かるように、構造物18へのクランプアセンブリ16の固定のために基部26を構造物18に載置するための第1の側面28を含んでいる。固定は、各種のファスナを利用して達成されうる。本例では、ボルト29が、クランプアセンブリを構造物18に固定するために採用されている。
【0013】
クランプアセンブリ16は、上述したように基部26を含んでおり、基部26は第1の端部30を含み、基部26の第2の端部34は、
図7A~
図7Cで分かるように、表面38を有する斜面アセンブリ36を有する。さらに、斜面アセンブリ36は、
図7A、
図7B、及び
図8で分かるようにラッチ壁部40を有する。クランプアセンブリ16はストラップ42をさらに含み、ストラップ42は、第1の端部44を含んでおり、ストラップの第1の端部44は、基部26の第1の端部30に枢動可能に結合されており、回転軸50を含むヒンジ部48が形成され、回転軸50を中心として、基部26とストラップ42とが互いに対して相対的に回転する。本例では、基部26の第1の端部30は、
図4で分かるように、ヒンジフランジ32を有し、ストラップ42の第1の端部44はヒンジピン46を有し、ヒンジピン46が、互いに離間した2つの構成要素であるヒンジピン46を有していることが示されている。ヒンジ部48の係合を有する、基部26及びストラップ42の本構成によって、取付作業員には、クランプアセンブリ16の中に配線束20を配置するために、開かれたポジションと閉じられて固定されたポジションとの間でクランプアセンブリ16を動かし、クランプアセンブリ16の中で配線束20を捕捉し、さらに詳細に検討するようにストラップ42と基部26とを互いに対して相対的に動かして、閉じられた固定されたポジションに置き、本例では構造物18に固定されたクランプアセンブリ16を用いて、当該クランプアセンブリ16の中で配線束20を固定する際に安心感が与えられる。
【0014】
クランプアセンブリ16のストラップ42は、
図4、
図5、及び
図8で分かるように、固定壁部54を有する第2の端部52をさらに有する。固定壁部54は、ここでより詳細に検討するように、第2の端部52の頭部62によって画定され、脚部材64の対向側面に配置されていて、脚部材64から遠ざかる方向70に延在している。
図7Aで分かるように、斜面アセンブリ36の表面38から回転軸50への径方向の距離56は、表面38がストラップ42の第2の端部52から遠ざかる方向58へと延びるにつれて減少し、径方向の距離56よりも短い径方向の距離57となる。表面38が方向58へと延びるにつれて回転軸50からの距離が減少するという表面38の構成の結果として、表面38と接触しているストラップ42の第2の端部52は、
図7A及び
図7Bで分かるように、表面38と接触したまま表面38に沿って摺動し、その結果、ストラップの第2の端部52が、第1の端部44に向かう方向60に弾性的に曲がる。
【0015】
本例では、第2の端部52は、頭部62及び脚部材64を含み、頭部62は、脚部材64により、ストラップ42の第1の端部44に接続している。第2の端部52が表面38を超えてそれより先へ動かされると、このことは、本例では
図7で分かるように、表面38を超えてそれより先へと頭部62を移動させることを含んでいるのだが、表面38は
図5で分かるようにタブ延在部39に沿って延在しており、このタブ延在部39は、
図7Aで分かるように、斜面アセンブリ36の主要部37から延在している。
図8で分かるように、斜面アセンブリ36の2つの離間したタブ延在部39は、上述したように互いに離間しており、双方が、各タブ延在部39に沿って延在する表面38を含んでおり、この表面38上を頭部62が摺動する。頭部62が一旦斜面アセンブリ36の両タブ延在部39の表面38を超えてそれより先へと摺動して上記表面38と接触しなくなると、表面38はもはや抵抗を与えず、
図7Cで分かるように、第2の端部52及び脚部材64が、頭部62と共に弾性的に曲がって、ストラップ42の第1の端部44から遠ざかる方向66へと戻って弾性的に曲がり、
図4及び
図8で分かるように、頭部62により画定される第2の端部52の固定壁部54が、
図5及び
図8で分かるように、基部26の第2の端部34の斜面アセンブリ36のタブ延在部39に配置されたラッチ壁部40と隣接する関係となる。固定壁部54とラッチ壁部40とが隣接するポジションとなると、ストラップ42と基部26とは、
図6、および
図8~
図10で分かるように、閉じられて固定されたポジション68で配置されている。脚部材64及び頭部62が方向66へと戻って曲がり、固定壁部54とラッチ壁部40とが隣接するポジションとなると、第1の端部44と第2の端部52とが引っ張り合い、これによりさらに、固定壁部54からの張力の成分がラッチ壁部40に向かって押すことで、固定壁部54による閉じられて固定されたポジション68が保証される。さらに、ストラップ42と基部26とが、閉じられて固定されたポジション68となると、ストラップ42及び基部26が、
図4、
図6、
図8~
図10で分かるように、ストラップ42と基部26との間を通る中央軸72を画定する。
【0016】
このように固定壁部54をラッチ壁部40と隣接する関係にすることは、脚部材64と、頭部62と、ストラップ42の第1の端部44との寸法の関係により容易となる。脚部材64は、ストラップ42の第1の端部44の幅寸法D1よりも狭い幅寸法Dを有しており、これにより、脚部材64には、ストラップ42の第1の端部44に対してより大きな柔軟性が与えられ、頭部62が斜面アセンブリ36の表面38に沿って移動する間に脚部材64が弾性的に曲がること、及び、頭部62が斜面アセンブリ36のタブ延在部39の表面38を超えてそれより先へ進んだときに脚部材64が反対方向に弾性的に曲がることが容易になり、固定壁部54とラッチ壁部40とを隣接し合う関係で配置することが可能となる。脚部材64の幅寸法Dはまた、頭部62の幅寸法D2よりも狭く、従って、頭部62が、互いに離間したタブ延在部39の表面38を超えてそれより先へ進むと、頭部62は、固定壁部54を移動させてラッチ壁部40と隣接する関係に置くことが可能となり、ここで、脚部材64は、
図8で分かるように、タブ延在部39間の距離D3よりも狭い幅寸法Dを有する。本構成によって、ツールを利用せずに、ストラップ42の第2の端部52の脚部材64及び頭部62を単に曲げることで、クランプアセンブリ16の取付作業員のための簡素な固定部が提供される。クランプアセンブリ16が一旦、閉じられた固定されたポジション68で係合されると、クランプアセンブリ16は、信頼性高く配線束20を補足して固定する。万が一、取付作業員がクランプアセンブリ16を開く必要がある場合には、取付作業員は簡単に手動で固定壁部54を摺動させてラッチ壁部40との隣接関係を解消し、これにより、取付作業員は、ストラップ42の第2の端部52を、基部26の第2の端部34から離して簡単に摺動させて、ツールの利用を要せずにクランプアセンブリ16を開くことが可能となる。
【0017】
図4及び
図10を参照すると、クランプアセンブリ16は、第1の端部30を含んでおり、基部26の第2の端部34が、スロット74を画定し、本例では第2のスロット76を画定する。第2のスロット76は、
図4で分かるように、スロット74から離間して配置されている。ストラップ42は、第1の端部44の第1の末端78を含み、第1の末端78が、基部26の第1の端部30に枢動可能に結合されて、回転軸50を含むヒンジ部48が形成され、回転軸50を中心として、ストラップ42の第1の端部44の第2の末端80と、基部26の第2の端部34とが、
図5で分かる開かれたポジションと、
図6で分かる、閉じられて固定されたポジション68との間で、回転軸50の周りを互いに対して相対的に動かされうる。
【0018】
ストラップ42の第1の端部44の第2の末端80によって突出部82が画定され、本例では、第2の末端80によって、突出部82から離れている第2の突出部84が画定される。
図10で分かる、閉じられて固定されたポジション68において、ストラップ42の第1の端部44及び基部26が、ストラップ42の第1の端部44と基部26との間を通る中央軸72を画定し、突出部82がスロット74の中に配置され、同様に(図示されない)第2の突出部84が、第2のスロット76の中に配置される。
【0019】
第2のスロット76は、スロット74と同様に構成されて構造化されている。スロット74は、
図10で分かるように、基部26の第2の端部34の第1の壁部86により画定されて、回転軸50から第1の径方向の距離Rに配置されており、かつ、回転軸50から第2の径方向の距離R1に配置された、基部26の第2の端部34の第2の壁部88により画定されている。第1の径方向の距離Rは、第2の径方向の距離R1よりも長く、第1の壁部86と第2の壁部88との間での突出部82の径方向の制限を与える。スロット74と同様の構成を有する第2のスロット76により、第2のスロット76も、第2の突出部84の径方向の制限を与える。スロット74及び第2のスロット76は、突出部82及び第2の突出部84それぞれのために制限を与え、これにより、ストラップ42のための径方向の補強部が提供され、
図6で分かるような、本例のクランプアセンブリ16のための環状の開口部73の構成の維持が容易となる。径方向の補強部は、第1の端部44に抗する力を印加するより大きな寸法の配線束20を捕捉することで、ストラップ42の第1の端部44に印加される径方向の力に対して抵抗し、ここで、配線束はクランプアセンブリ16で捕捉されており、クランプアセンブリは、閉じられて固定されたポジション68で配置されている。径方向の補強部は、より大きな大きさの配線束20によって印加される力に抵抗して、環状形状73を維持することを促進し、本例では、閉じられて固定されたポジション68でクランプアセンブリ16の形状を保つことを要求する要件又は規定に配線の敷設が準拠することを促進する。
【0020】
クランプアセンブリ16は、先に述べたように基部26を含み、基部26は、
図4で分かるような第1の端部30を含み、基部26の第2の端部34がタブ90を画定する。ストラップ42は、第1の端部44の第1の末端78を含み、第1の末端78が、基部26の第1の端部30に枢動可能に結合されて、回転軸50を含むヒンジ部48が形成され、この回転軸50を中心として、ストラップ42の第1の端部44の第2の末端80と基部26の第2の端部34とが、
図5に見られる開かれたポジションと、
図6に見られる、閉じられて固定されたポジション68との間で、互いに対して相対的に動きうる。
【0021】
図10で分かるように、ストラップ42の第1の端部44の第2の末端80がスロット92を画定し、スロット92は、互いに離間している、ストラップ42の第1の端部44の第2の末端80の第1の壁部94と、ストラップ42の第1の端部44の第2の末端80の第2の壁部96と、によって画定される。閉じられた固定されたポジション68において、ストラップ42の第1の端部44及び基部26は、ストラップ42の第1の端部44と、スロット92の中に配置されたタブ90と、の間を通る中央軸72を画定する。第1の壁部94と第2の壁部96とは、中央軸72から延びる径方向100と直交する方向98に、互いに離間している。タブ90が、第1の壁部94と第2の壁部96との間に配置されると、ストラップ42の第1の端部44には、クランプアセンブリ16を貫通して延在する配線束20に沿った方向にクランプアセンブリ16に印加される如何なる力に抗する際にも横方向の補強が与えられる。上記横方向の補強によって、本例では、
図6で分かる環状開口部73の構成の維持が促進され、本例では環状開口部73の形状といった、クランプアセンブリ16の形状を保つための配線の要件又は規定への準拠が促進される。
【0022】
さらに、本開示は、以下の条項に係る実施形態を含む。
【0023】
条項1.配線束(20)を構造物(18)に固定するためのクランプアセンブリ(16)であって、
第1の端部(30)、並びに、
表面(38)及びラッチ壁部(40)を有する斜面アセンブリ(36)を有する第2の端部(34)
を含む、基部(26)と、
ストラップ(42)であって、
第1の端部(44)を含み、
ストラップ(42)の第1の端部(44)が、基部(26)の第1の端部(44)に枢動可能に結合されて、基部(26)とストラップ(42)とが互いに対して相対的にそれを中心として回転する回転軸(50)を含むヒンジ部(48)が形成される、第1の端部(44)、及び、
固定壁部(54)を有する第2の端部(52)
を含む、ストラップ(42)と
を備え、
表面(38)から回転軸(50)への径方向の距離(56)が、表面(38)がストラップ(42)の第2の端部(52)から遠ざかる方向(58)へと延びるにつれて減少し、従って、ストラップの第2の端部(52)が、表面(38)と接触し、当該表面(38)と接触したまま当該表面(38)に沿って摺動すると、ストラップ(42)の第2の端部(52)が、第1の端部(44)に向かう方向(60)に弾性的に曲がり、
第2の端部(52)が表面(38)を超えてそれより先へ動かされると、ストラップ(42)の第2の端部(52)は、第1の端部(44)から遠ざかる方向(66)に弾性的に曲がり、第2の端部(52)の固定壁部(54)が、基部(26)の第2の端部(52)のラッチ壁部(40)と隣接する関係となり、ストラップ(42)と基部(26)とは、閉じられて固定されたポジション(68)で配置される、クランプアセンブリ(16)。
【0024】
条項2.ストラップ(42)の第2の端部(52)は、脚部材(64)及び頭部(62)をさらに含み、脚部材(64)は、頭部(62)をストラップ(42)の第1の端部(44)に接続し、脚部材(64)は、ストラップ(42)の第1の端部(44)の幅寸法(D1)よりも狭くかつ頭部の幅寸法(D2)よりも狭い幅寸法(D)を有し、固定壁部(54)は、頭部(62)により画定され、脚部材(64)から遠ざかる方向(70)に延在する、条項1に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0025】
条項3.ストラップ(42)及び基部(26)が、閉じられた固定されたポジション(68)になると、ストラップ(42)及び基部(26)が、ストラップ(42)と基部(26)との間を通る中央軸(72)を画定する、条項1又は2に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0026】
条項4.基部(26)の第2の端部(34)は、スロット(74)を画定する、条項1から3のいずれか一項に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0027】
条項5.ストラップ(42)及び基部(26)が、閉じられて固定されたポジション(68)にあると、ストラップ(42)の第1の端部(44)は、スロット(74)の中に配置された突出部(82)をさらに画定し、スロット(74)は、回転軸(50)から第1の径方向の距離(R)に配置された、基部(26)の第2の端部(34)の第1の壁部(86)と、回転軸(50)から第2の径方向の距離(R1)に配置された、基部(26)の第2の端部(34)の第2の壁部(88)と、により画定され、第1の径方向の距離(R)は、第2の径方向の距離(R1)よりも長い、条項4に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0028】
条項6.基部(26)の第2の端部(34)は、タブ(90)をさらに画定する、条項1から3のいずれか一項に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0029】
条項7.ストラップ(42)の第1の端部(44)はスロット(92)を画定し、ストラップ(42)の第1の端部(44)の第1の壁部(94)と、ストラップ(42)の第1の端部(44)の第2の壁部(96)とは、ストラップ(42)と基部(26)との間を通る中央軸(72)から延びる径方向(100)に対して直交する方向(98)に互いに離間しており、ストラップ(42)及び基部(26)が、閉じられて固定されたポジション(68)となると、タブ(90)が、スロット(92)の中に配置される、条項6に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0030】
条項8.配線束(20)を構造物(18)に固定するためのクランプアセンブリ(16)であって、
基部(26)であって、
第1の端部(30)、及び、
スロット(74)を画定する前記基部(26)の第2の端部(34)
を含む、基部(26)と、
ストラップ(42)であって、
ストラップ(42)の第1の端部(44)の第1の末端(78)を含み、第1の末端(78)は、基部(26)の第1の端部(30)に枢動可能に結合されて、回転軸(50)を含むヒンジ部(48)が形成され、回転軸(50)を中心として、ストラップ(42)の第1の端部(44)の第2の末端(80)と基部(26)の第2の端部(34)とは、開かれたポジションと閉じられて固定されたポジション(68)との間で互いに相対的に動かされる、ストラップ(42)と
を備え、
ストラップ(42)の第1の端部(44)の第2の末端(80)が突出部(82)を画定し、
閉じられて固定されたポジション(68)では、ストラップ(42)の第1の端部(44)及び基部(26)が、ストラップ(42)の第1の端部(44)と基部(26)との間を通る中央軸(72)を画定し、突出部(82)は、スロット(74)の中に配置され、
スロット(74)は、基部(26)の第2の端部(34)の第1の壁部(86)により画定され、回転軸(50)から第1の径方向の距離(R)に配置されており、かつ、回転軸(50)から第2の径方向の距離(R1)に配置された、基部(26)の第2の端部(34)の第2の壁部(88)により画定されており、
第1の径方向の距離(R)は、第2の径方向の距離(R1)よりも長い、クランプアセンブリ(16)。
【0031】
条項9.ストラップ(42)は、第2の端部(52)をさらに含み、第2の端部(52)は、頭部(62)をストラップ(42)の第1の端部(44)に接続する脚部材(64)を含む、条項8に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0032】
条項10.基部(26)の第2の端部(34)は、表面(38)及びラッチ壁部(40)を有する斜面アセンブリ(36)をさらに含み、ストラップ(42)の第2の端部(52)の頭部(62)は固定壁部(54)を有する、条項8又は9に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0033】
条項11.表面(38)から回転軸(50)への径方向の距離(R)は、表面(38)がストラップ(42)の第2の端部(52)から遠ざかる方向(58)へと延びるにつれて減少し、従って、ストラップ(42)の第2の端部(52)の頭部(62)が表面(38)と接触し、当該表面(38)と接触したまま当該表面(38)に沿って摺動すると、ストラップ(42)の第2の端部(52)が、第1の端部(44)に向かう方向(60)に弾性的に曲がる、条項10に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0034】
条項12.第2の端部(52)が表面(38)を超えてそれより先へと動かされると、ストラップ(42)の第2の端部(52)は、第1の端部(44)から遠ざかる方向(66)に弾性的に曲がり、ストラップ(42)の第2の端部(52)の頭部(62)の固定壁部(54)が、基部(26)の第2の端部(34)のラッチ壁部(40)と隣接する関係となり、ストラップ(42)と基部(26)とは、閉じられて固定されたポジション(68)となる、条項11に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0035】
条項13.互いに離間している、ストラップ(42)の第1の端部(44)の第2の末端(80)の第1の壁部(94)と、ストラップ(42)の第1の端部(44)の第2の末端(80)の第2の壁部(96)と、により画定されたスロット(92)をさらに含み、基部(26)の第2の端部(34)は、タブ(90)を画定する、条項8から12のいずれか一項に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0036】
条項14.第1の壁部(94)と第2の壁部(96)とは、中央軸(72)から延びる径方向(100)と直交する方向(98)に互いに離間しており、従って、ストラップ(42)及び基部(26)が、閉じられて固定されたポジション(68)となると、タブ(90)が、スロット(92)の中に配置される、条項13に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0037】
条項15.配線束(20)を構造物(18)に固定するためのクランプアセンブリ(16)であって、
基部(26)であって、
第1の端部(30)、及び、
タブ(90)を画定する基部(26)の第2の端部(34)
を含む、基部(26)と、
ストラップ(42)であって、
第1の端部(44)の第1の末端(78)を含み、基部(26)の第1の端部(30)は、ストラップ(42)の第1の端部(44)の第1の末端(78)に枢動可能に結合されて、回転軸(50)を含むヒンジ部(48)が形成され、回転軸(50)を中心として、ストラップ(42)の第2の端部(52)と基部(26)の第2の端部(34)とは、開かれたポジションと閉じられて固定されたポジション(68)との間で、互いに対して相対的に動かされる、ストラップ(42)と
を備え、
ストラップ(42)の第1の端部(44)の第2の末端(80)が、スロット(92)を画定し、スロット(92)は、互いに離間している、ストラップ(42)の第1の端部(44)の第2の末端(80)の第1の壁部(94)と、ストラップ(42)の第1の端部(44)の第2の末端(80)の第2の壁部(96)と、により画定されており、
閉じられた固定されたポジション(68)では、ストラップ(42)の第1の端部(44)及び基部(26)が、ストラップ(42)の第1の端部(44)と基部(26)との間を通る中央軸(72)を画定し、タブ(90)が、スロット(92)の中に配置され、
第1の壁部(94)と第2の壁部(96)とは、中央軸(72)から延びる径方向(100)と直交する方向(8)に互いに離間している、クランプアセンブリ(16)。
【0038】
条項16.第2の端部(52)は、頭部(62)をストラップ(42)の第1の端部(44)に接続する脚部材(64)を含み、
基部(26)の第2の端部(34)は、表面(38)及びラッチ壁部(40)を有する斜面アセンブリ(36)をさらに含み、
ストラップ(42)の第2の端部(52)の頭部(62)は固定壁部(54)を有する、条項15に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0039】
条項17.表面(38)から回転軸(50)への径方向の距離(R)は、表面(38)がストラップ(42)の第2の端部(52)から遠ざかる方向(58)へと延びるにつれて減少し、従って、ストラップ(42)の第2の端部(52)の頭部(62)が表面(38)と接触し、当該表面(38)と接触したまま当該表面(38)に沿って摺動すると、頭部(62)及びストラップ(42)の第2の端部(52)の脚部材(64)が、第1の端部(44)に向かう方向(60)に弾性的に曲がる、条項16に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0040】
条項18.ストラップ(42)の第2の端部(52)の頭部(62)が、表面(38)を超えてそれより先へと動かされると、頭部(62)、及び、ストラップ(42)の第2の端部(52)の脚部材(64)は、第1の端部(44)から遠ざかる方向(66)に弾性的に曲がり、ストラップ(42)の第2の端部(52)の頭部(62)の固定壁部(54)が、基部(26)の第2の端部(34)のラッチ壁部(40)と隣接する関係となり、ストラップ(42)と基部(26)とは、閉じられて固定されたポジション(68)となる、条項17に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0041】
条項19.基部(26)の第2の端部(34)はスロット(74)を画定する、条項15から18のいずれか一項に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0042】
条項20.ストラップ(42)の第1の端部(44)の第2の末端(80)は、閉じられて固定されたポジション(68)において基部(26)の第2の端部(34)のスロット(74)の中に配置される突出部(82)をさらに含み、
スロット(74)は、回転軸(50)から第1の径方向の距離(R)に配置された、基部(34)の第2の端部(34)の第1の壁部(86)により画定され、回転軸(50)から第1の径方向の距離(R)に配置されており、
スロット(74)は、回転軸(50)から第2の径方向の距離(R1)に配置された、基部(26)の第2の端部(34)の第2の壁部(88)により画定されており、第1の径方向の距離(R)は、第2の径方向の距離(R1)よりも長い、条項19に記載のクランプアセンブリ(16)。
【0043】
様々な実施形態について先に記載してきたが、本開示はそれらに限定されることを意図するものではない。開示されている実施形態に対しては、添付の特許請求の範囲内でさらに変更が行われうる。