(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
H01H 25/00 20060101AFI20240516BHJP
H01H 25/06 20060101ALI20240516BHJP
H01H 9/16 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
H01H25/00 H
H01H25/06 B
H01H9/16 G
H01H9/16 A
(21)【出願番号】P 2020059453
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2023-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000220491
【氏名又は名称】東京測定器材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】土井 雄貴
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-018774(JP,A)
【文献】特開2012-230901(JP,A)
【文献】特開2018-206503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 25/00
H01H 25/06
H01H 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の支持軸を有するケースと、
前記支持軸に回転可能に支持され、前記支持軸の軸方向一端部の径方向外側に配置された操作部と、
前記支持軸の軸方向他方側に配置された回路基板と、
前記支持軸と一体に形成され、前記支持軸の内部に配置された固定部と、
前記固定部に固定され、前記回路基板に接続された振動アクチュエータと、
を備え
、
前記固定部は、
前記支持軸の内部に設けられ、前記振動アクチュエータを固定する固定本体部と、
前記固定本体部と前記支持軸とを連結する連結部と、
を含んで構成されている操作装置。
【請求項2】
前記固定部は、前記支持軸の軸心部に設けら
れている請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記支持軸の軸方向一方側に設けられた標示部材と、
前記回路基板に設けられた光源と、
を備え、
前記支持軸の軸方向から見て、前記光源が、前記支持軸の径方向内側で且つ前記固定部と重ならない位置に配置されており、
前記光源によって発光された光により前記標示部材が照射される請求項
1に記載の操作装置。
【請求項4】
前記支持軸の内部には、前記光源によって発光された光を前記標示部材へ導く導光部材が設けられている請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記操作部が、前記支持軸の軸方向に移動可能に支持されると共に、前記支持軸の軸方向他方側へ押圧操作可能に構成されている請求項1~請求項
3の何れか1項に記載の操作装置。
【請求項6】
筒状の支持軸を有するケースと、
前記支持軸に回転可能に支持され、前記支持軸の軸方向一端部の径方向外側に配置された操作部と、
前記支持軸の軸方向他方側に配置された回路基板と、
前記支持軸と一体に形成され、前記支持軸の内部に配置された固定部と、
前記固定部に固定され、前記回路基板に接続された振動アクチュエータと、
前記支持軸の軸方向一方側に設けられた標示部材と、
前記回路基板に設けられた光源と、
を備え、
前記支持軸の軸方向から見て、前記光源が、前記支持軸の径方向内側で且つ前記固定部と重ならない位置に配置されており、
前記光源によって発光された光により前記標示部材が照射される操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の操作装置では、ケースにロータが回転可能に支持されると共に、操作ノブ(操作部)がロータのシャフト部に一体回転可能に連結されている。また、ケースには、基板が設けられており、基板には、照明用のLEDが設けられている。さらに、ケースには、パネルが固定されており、パネルによって基板が視認不能に構成されている。
【0003】
ここで、操作装置の利便性を向上するために、操作ノブに振動を加えて操作者に対して触感感覚を付与する、所謂ハプティックス機能を有する装置がある。そして、上記操作装置において、ハプティックス機能を適用する場合には、振動アクチュエータを基板に設ける構成にすることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記操作装置において、振動アクチュエータを基板に設けた構成では、振動アクチュエータによって発生した振動が、主としてケースやパネルに伝達され、操作ノブへの振動伝達効率が低くなるという問題がある。これに対して、振動アクチュエータを操作ノブに設ける構成にすることで、振動アクチュエータにより発生する振動を操作ノブに直接伝達することができる。これにより、操作ノブへの振動伝達効率を向上することができる。
【0006】
しかしながら、振動アクチュエータを操作ノブに設ける構成の場合には、操作ノブの回転操作時に、振動アクチュエータが操作ノブと共に回転する。このため、振動アクチュエータに電力を供給するための摺動接点を基板に設ける必要がある。これにより、コストアップになる可能性がある。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮して、コストアップを抑制しつつ、操作部への振動伝達効率を向上することができる操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、筒状の支持軸を有するケースと、前記支持軸に回転可能に支持され、前記支持軸の軸方向一端部の径方向外側に配置された操作部と、前記支持軸の軸方向他方側に配置された回路基板と、前記支持軸と一体に形成され、前記支持軸の内部に配置された固定部と、前記固定部に固定され、前記回路基板に接続された振動アクチュエータと、を備え、前記固定部は、前記支持軸の内部に設けられ、前記振動アクチュエータを固定する固定本体部と、前記固定本体部と前記支持軸とを連結する連結部と、を含んで構成されている操作装置である。
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記固定部は、前記支持軸の軸心部に設けられている操作装置である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記支持軸の軸方向一方側に設けられた標示部材と、前記回路基板に設けられた光源と、を備え、前記支持軸の軸方向から見て、前記光源が、前記支持軸の径方向内側で且つ前記固定部と重ならない位置に配置されており、前記光源によって発光された光により前記標示部材が照射される操作装置である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記支持軸の内部には、前記光源によって発光された光を前記標示部材へ導く導光部材が設けられている操作装置である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記操作部が、前記支持軸の軸方向に移動可能に支持されると共に、前記支持軸の軸方向他方側へ押圧操作可能に構成されている操作装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、コストアップを抑制しつつ、操作部への振動伝達効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施の形態に係る操作装置を示す平面図である。
【
図2】
図1に示される操作装置の縦断面図(
図1の2-2線断面図)である。
【
図3】
図1に示される操作装置の縦断面図(
図1の3-3線断面図)である。
【
図4】
図1に示されるダイヤルカバーをダイヤル本体から取外した状態における操作装置の分解斜視図である。
【
図6】
図5に示されるケースの支持筒部の上端部を一部破断した状態で示す斜視図である。
【
図7】(A)は、
図4に示される第1インジケータレンズのケースへの組付け前の状態を示す斜視図であり、(B)は、
図4に示される第2インジケータレンズのケースへの組付け前の状態を示す斜視図である。
【
図8】
図2に示されるダイヤル本体の支持筒部への組付状態を示す上側から見た平面図である。
【
図9】
図4に示される標示用レンズを拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係る操作装置10について説明する。この操作装置10は、例えば、図示しない各種工作機械に組付けられて、当該工作機械の操作部として構成されている。
【0016】
図1~
図3に示されるように、操作装置10は、全体として、略段付き円柱状に形成されている。そして、以下の説明では、操作装置10の軸方向一方側(
図2及び
図3の矢印A方向側)を操作装置10の上側とし、操作装置10の軸方向他方側(
図2及び
図3の矢印B方向側)を操作装置10の下側としている。そして、以下の説明において、上下の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、操作装置10の上下方向を示すものとする。
【0017】
操作装置10は、操作装置10の下部を構成するパネル部材12と、パネル部材12の内部に収容されたケースユニット20及び回路基板60と、操作装置10の上端側の部分を構成するダイヤルユニット40と、を含んで構成されている。また、操作装置10は、所謂ハプティックス機能を有する装置として構成されている。具体的には、操作装置10は、「振動アクチュエータ」としての振動モータ80を有している。さらに、操作装置10は、ダイヤルユニット40を照明させるための照明構造90を有している。
【0018】
操作装置10では、ダイヤルユニット40の上部が、パネル部材12よりも上側へ突出されて、工作機械の外側へ操作可能に露出されている。そして、操作装置10では、ダイヤルユニット40を操作装置10の軸線AL回りに回転させる回転操作と、ダイヤルユニット40を下側へ押圧させる押圧操作と、の2つの操作が可能に構成されている。以下、操作装置10の各構成について説明する。
【0019】
(パネル部材12について)
図2~
図4に示されるように、パネル部材12は、下側へ開放された略有底円筒状に形成されている。パネル部材12の外周部には、複数(本実施の形態では、3箇所)のリテーナ14が固定されており、リテーナ14は、パネル部材12の周方向に等間隔毎の配置されている。そして、パネル部材12が、リテーナ14によって工作機械に組付けられて、操作装置10が工作機械に固定されている。
【0020】
パネル部材12の上壁には、中心部において、上側へ開放された支持凹部12Aが形成されており、支持凹部12Aは、略有底円筒状に形成され、パネル部材12の上壁から下側へ突出されている。また、支持凹部12Aの底壁には、支持孔部12Bが貫通形成されている。パネル部材12の上壁には、支持凹部12Aの径方向外側において、照明用孔部12Cが貫通形成されており、照明用孔部12Cは、パネル部材12の周方向に沿った長孔状に形成されている。また、パネル部材12の上壁には、複数(本実施の形態では、3箇所)のパネル側固定ボス12D(
図3参照)が形成されている(
図3では、1箇所のパネル側固定ボス12Dのみ図示している)。パネル側固定ボス12Dは、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成され、パネル部材12の上壁から下側へ突出されると共に、パネル部材12の周方向に等間隔毎に配置されている。
【0021】
パネル部材12の下側には、カバー16が設けられており、カバー16は、上下方向を板厚方向とする略円板状に形成されている。カバー16には、パネル部材12のパネル側固定ボス12Dに対応する位置において、3箇所のカバー側固定ボス16Aが形成されている。カバー側固定ボス16Aは、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、カバー16から上側へ延出されており、カバー側固定ボス16Aの内部が、上下方向に貫通している。そして、ネジSCが、カバー側固定ボス16A内に下側から挿入され、パネル側固定ボス12Dに螺合されて、カバー16がパネル部材12の開口部を閉塞した状態でパネル部材12に固定されている。なお、カバー16の固定状態では、カバー16のカバー側固定ボス16A及びパネル部材12のパネル側固定ボス12Dが、後述するケース22及び回路基板60を挟み込んでいる。
【0022】
パネル部材12の上面には、インジケータ収容部12Eが形成されており、インジケータ収容部12Eは、比較的底の浅い、上側へ開放された略円環凹状に形成されている。インジケータ収容部12Eの内部には、インジケータ部材18が配置されている。インジケータ部材18は、一例として、無色透明のガラス材によって構成されると共に、上下方向を板厚方向とする円環板状に形成されている。そして、インジケータ部材18の下面がインジケータ収容部12Eの底面に両面テープによって貼着されている。
【0023】
インジケータ部材18は、照明部18Aを有している。そして、インジケータ部材18の表面における照明部18A以外の部分に印刷が施されて、照明部18Aが形成されている。照明部18Aは、平面視で、パネル部材12の周方向に沿った曲線状に形成されると共に(
図1参照)、上下方向においてパネル部材12の照明用孔部12Cと対向配置されている。
【0024】
(ケースユニット20について)
ケースユニット20は、ケース22と、ロータ30と、プッシュサポート32と、第1インジケータレンズ34と、第2インジケータレンズ36と、を含んで構成されている。
【0025】
<ケース22について>
図2~
図6に示されように、ケース22は、全体として上側へ開放された有底円筒状に形成されて、パネル部材12の内部に配置されている。ケース22の底壁の外周側部分には、パネル部材12のパネル側固定ボス12Dに対応する位置において、3箇所のケース側固定ボス22Aが形成されている。ケース側固定ボス22Aは、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ケース22の底壁から上側へ突出しており、ケース側固定ボス22Aの内部が、上下方向に貫通している。そして、前述したネジSCが、ケース側固定ボス22A内に挿入されて、ケース22が、後述する回路基板60及びパネル部材12によって上下方向に挟み込まれている(
図3参照)。
【0026】
ケース22の外周側壁は、2重壁構造を成している。すなわち、ケース22の外周側壁は、第1外周壁22Bと、第1外周壁22Bの径方向内側に配置された第2外周壁22Cと、によって構成されている。そして、第1外周壁22Bの下端部と第2外周壁22Cの下端部とが、複数の支持壁22D(
図5参照)によって連結されている。この支持壁22Dは、平面視で、ケース22の径方向に延在されると共に、ケース22の周方向に等間隔毎に配置されている。なお、複数の支持壁22Dは、ケース22の周方向全体に形成されておらず、前述したインジケータ部材18の照明部18Aに対応する位置に形成されている。
【0027】
そして、ケース22における第1外周壁22Bと第2外周壁22Cとの間の空間が、後述する第1インジケータレンズ34及び第2インジケータレンズ36の導光部38を収容するためのレンズ収容部22Eとして構成されている。また、第1外周壁22B、第2外周壁22C、周方向に隣り合う支持壁22Dによって囲まれた空間が、レンズ挿入孔22F(
図5参照)として構成されている。
【0028】
ケース22の底壁には、中央部において、「支持軸」としての支持筒部22Gが形成されている。支持筒部22Gは、上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ケース22の底壁から上側へ突出している。支持筒部22Gの内部には、後述する振動モータ80を固定する固定部23が設けられている。固定部23の構成については後述する。
【0029】
支持筒部22Gの上端部には、径方向内側へ張り出された一対の張出部22Hが形成されており、一対の張出部22Hは、支持筒部22Gの周方向に180度離間して配置されている。一方の張出部22Hには、上側へ開放された凹状の第1軸受部22J1が形成されており、他方の張出部22Hには、上側へ開放された凹状の第2軸受部22J2が形成されている。第1軸受部22J1及び第2軸受部22J2は、平面視で円形状に形成されており、第1軸受部22J1の内径が、第2軸受部22J2の内径よりも小さく設定されている。
【0030】
ケース22の底壁には、支持筒部22Gの径方向外側において、一対の配置孔22Kが貫通形成されており、配置孔22Kは、平面視で略矩形状に形成されて、ケース22の周方向に180度離間して配置されている。さらに、ケース22の底壁には、複数(本実施の形態では、3箇所)の支持ボス22Lが形成されている。支持ボス22Lは、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、ケース22の底壁から上側へ突出されると共に、ケース22の周方向に等間隔毎に配置されている。
【0031】
支持ボス22Lには、圧縮コイルスプリングとして構成されたリターンスプリング24(
図3参照)が装着されている。リターンスプリング24の下端部は、ケース22の底壁に係止され、リターンスプリング24の上端部が、後述するプッシュサポート32に係止されている。
【0032】
ケース22の底壁には、上側へ開放され且つ下側へ突出された収容凹部22Mが形成されている。収容凹部22Mには、圧縮コイルスプリングとして構成された節度スプリング26(
図3参照)が収容されている。また、収容凹部22Mには、球状のボール28(
図3参照)が収容されており、ボール28は、節度スプリング26の上側に配置されている。さらに、ケース22の底壁には、複数(本実施の形態では、3箇所)の係合爪22Pが形成されており、係合爪22Pは、ケース22の底壁から上側へ突出されると共に、ケース22の周方向に等間隔毎に配置されている。
【0033】
<ロータ30について>
図2及び
図3に示されるように、ロータ30は、下側へ開放された比較的底の浅い有底円筒状に形成されている。ロータ30の上壁には、ロータ側挿通孔30Aが貫通形成されている。そして、ケース22における支持筒部22Gの下端部がロータ側挿通孔30A内を挿通した状態で、ロータ30がケース22の内部に回転可能に収容されている。また、ロータ30の下端側の外周部には、径方向外側へ張出されたフランジ30Bが形成されており、フランジ30Bが、ケース22の係合爪22P(
図3では、不図示)と係合して、ロータ30の上側への移動が制限されている。フランジ30Bの下面には、前述したボール28に対応する位置において、複数の節度山30Cが形成されており、この節度山30Cはロータ30の周方向に沿って配置されている。そして、前述したボール28が、隣り合う節度山30Cの間に配置されている。
【0034】
<プッシュサポート32について>
プッシュサポート32は、上下方向を板厚方向とする円環板状に形成されて、ロータ30の内部に配置されている。プッシュサポート32には、ケース22の支持ボス22Lに対応する位置において、孔部32Aが貫通形成されている。そして、支持ボス22Lが孔部32A内に相対移動可能に挿入されており、前述したリターンスプリング24の上端部がプッシュサポート32の下面に係止されている。これにより、リターンスプリング24の付勢力によって、プッシュサポート32が上側へ付勢されて、ロータ30の上壁に当接している。
【0035】
<第1インジケータレンズ34及び第2インジケータレンズ36について>
図2~
図4、及び
図7に示されるように、第1インジケータレンズ34は、複数(本実施の形態では、13個)の導光部38と、複数の導光部38を連結する第1連結部34Aと、を含んで構成されている。また、第1インジケータレンズ34は、無色透明の透光性を有する樹脂材によって構成されている。
【0036】
導光部38は、上下方向に延在された略矩形柱状に形成されており、複数の導光部38が、導光部38の幅方向に所定の間隔を空けて配置されている。具体的には、隣り合う導光部38の間隔が、ケース22におけるレンズ挿入孔22Fの一つ置きの間隔と一致している。また、導光部38の下端部は、挿入部38Aとして構成されている。さらに、導光部38の上端側部分には、厚み方向一方側へ突出された突起38Bが形成されている。なお、第1インジケータレンズ34では、第1インジケータレンズ34の長手方向両端部、及び長手方向中央部に配置された、導光部38において、突起38Bが省略されている。
【0037】
第1連結部34Aは、導光部38の幅方向に延在された略矩形棒状に形成されて、導光部38の上端側部分の厚み方向他方側部分に一体に形成されている。また、第1インジケータレンズ34のケース22への組付前の状態では、第1インジケータレンズ34は、導光部38の幅方向に直線状に延在されている(
図7(A)参照)。
【0038】
そして、第1インジケータレンズ34が、ケース22に組付けられて、ケース22のレンズ収容部22E内に収容されている。具体的には、第1連結部34Aが、平面視で円弧状に屈曲されて、導光部38の挿入部38Aが、ケース22のレンズ挿入孔22F内に挿入されている。また、このときには、第1インジケータレンズ34の導光部38が、ケース22の周方向に並ぶ一つ置きのレンズ挿入孔22Fに対応して配置されている。また、第1インジケータレンズ34のケース22への組付状態では、導光部38の突起38Bの下面が、ケース22の第2外周壁22Cの上面に当接しており、導光部38の第1連結部34Aの下面が、ケース22の第1外周壁22Bの上面に当接している。さらに、第1インジケータレンズ34における導光部38の上端部が、パネル部材12の照明用孔部12C内に挿入されて、導光部38が、インジケータ部材18の照明部18Aの下側に近接して配置されている。
【0039】
第2インジケータレンズ36は、以下に示す点を除いて、第1インジケータレンズ34と同様に形成されている。すなわち、第2インジケータレンズ36では、第1インジケータレンズ34で用いた複数(本実施の形態では、12個)の導光部38を有しており、これら導光部38が、第2連結部36Aによって連結されている。
【0040】
第2連結部36Aは、導光部38の幅方向に延在された略矩形棒状に形成されて、第2連結部36Aが、導光部38の上端側部分の厚み方向他方側部分に一体に形成されている。また、第2インジケータレンズ36では、第2連結部36Aが第1インジケータレンズ34の第1連結部34Aよりも上側に配置されている。さらに、第2インジケータレンズ36においても、第2インジケータレンズ36のケース22への組付前の状態では、第2インジケータレンズ36が、導光部38の幅方向に直線状に延在されている(
図7(B)参照)。
【0041】
そして、第2インジケータレンズ36が、ケース22に組付けられて、ケース22のレンズ収容部22E内に収容されている。具体的には、第2連結部36Aが、平面視で円弧状に屈曲されて、第2インジケータレンズ36の導光部38が、第1インジケータレンズ34の隣り合う導光部38の間に挿入されている。また、第2インジケータレンズ36のケース22への組付状態では、導光部38の挿入部38Aが、ケース22のレンズ挿入孔22F内に挿入され、導光部38の突起38Bの下面が、ケース22の第2外周壁22Cの上面に当接し、導光部38の第2連結部36Aの下面が、第1インジケータレンズ34の第1連結部34Aの上面に当接している。さらに、第2インジケータレンズ36における導光部38の上端部が、パネル部材12の照明用孔部12C内に挿入されて、導光部38が、インジケータ部材18の照明部18Aの下側に近接して配置されている。
【0042】
(ダイヤルユニット40について)
図1~
図4に示されるように、ダイヤルユニット40は、操作装置10の軸線AL回りに回転操作可能に、且つ下側へ押圧操作可能に、ケース22の支持筒部22Gに装着されている。このダイヤルユニット40は、ダイヤル本体42と、意匠プレートユニット43(広義には、「意匠部」として把握される要素である)と、ダイヤルキャップ48(広義には、「蓋部」として把握される要素である)と、ダイヤルカバー50と、リングカバー52と、を含んで構成されている。そして、ダイヤル本体42及びダイヤルカバー50が、本発明の「操作部」に対応している。
【0043】
<ダイヤル本体42について>
図2~
図4、及び
図8に示されるように、ダイヤル本体42は、全体として上下方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。ダイヤル本体42は、内筒42Aと、外筒42Bと、を含んで構成され、外筒42Bが、内筒42Aの上部に対して径方向外側に配置されている。また、内筒42Aと外筒42Bとの間には、複数(本実施の形態では、6箇所)の筒連結部42Cが形成されている。筒連結部42Cは、ダイヤル本体42の径方向に延在されて、内筒42Aと外筒42Bとを連結している。さらに、筒連結部42Cは、ダイヤル本体42の周方向に所定の間隔を空けて配置されている。
【0044】
そして、ケース22の支持筒部22Gが内筒42Aの内部に挿入され、ダイヤル本体42が、支持筒部22Gに、軸線AL回りに回転可能に且つ上下方向に移動可能に支持されている。また、この状態では、内筒42Aが、パネル部材12の支持孔部12B内を挿通しており、外筒42Bの下端部の一部が、パネル部材12の支持凹部12Aの開口部内に配置されている。
【0045】
内筒42Aの下端側の部分には、複数(本実施の形態では、4箇所)の係合爪42Dが形成されており、係合爪42Dが、パネル部材12における支持孔部12Bの下側の周縁部に係合している。これにより、ダイヤル本体42の上側への移動が制限されている。内筒42Aの下端部には、下側へ開放された係合溝42Eが形成されている。そして、ロータ30の係合部(図示省略)が係合溝42E内に下側から挿入されて、ロータ30及び内筒42Aがダイヤル本体42の周方向に係合している。これにより、ロータ30及び内筒42Aが一体回転可能に構成されている。
【0046】
また、ダイヤル本体42の下端部は、ロータ30のロータ側挿通孔30A内を挿通して、プッシュサポート32の上側に隣接している。これにより、ダイヤル本体42(ダイヤルユニット40)が、プッシュサポート32によって下側から支持されて、初期位置(
図2及び
図3に示される位置)に配置されている。一方、ダイヤル本体42(ダイヤルユニット40)の下側への押圧操作時には、ダイヤル本体42がプッシュサポート32と共に下側へ移動して、リターンスプリング24がさらに圧縮変形する構成になっている。
【0047】
また、内筒42Aにおける上端側の開口部の内周部には、後述する意匠プレートユニット43を受けるための受け部42Fが形成されている。受け部42Fは、断面視で、上側及び内筒42Aの径方向内側へ開放された凹状に形成されて、内筒42Aの周方向全周に亘って形成されている。さらに、外筒42Bには、後述するダイヤルカバー50を組付けるための複数(本実施の形態では、2箇所)の係合爪42Gが形成されており、係合爪42Gは、外筒42Bの周方向において180度離間して配置されている。
【0048】
<意匠プレートユニット43について>
図2及び
図3に示されるように、意匠プレートユニット43は、サポートプレート44と、「標示部材」としての標示プレート46と、を含んで構成されている。
【0049】
サポートプレート44は、プレート本体44Aを有しており、プレート本体44Aは、上下方向を板厚方向とし且つ円環板状に形成されている。そして、プレート本体44Aが、ダイヤル本体42の受け部42Fの内部に収容されている。
【0050】
また、サポートプレート44は、一対の第1軸部44B1及び第2軸部44B2を有している。第1軸部44B1及び第2軸部44B2は、上下方向を軸方向とする円柱状に形成され、プレート本体44Aから下側へ延出されている。第1軸部44B1は、ケース22の第1軸受部22J1と対を成し、第2軸部44B2は、ケース22の第2軸受部22J2と対を成しており、第1軸部44B1の直径が、第2軸部44B2の直径よりも小さく設定されている。そして、第1軸部44B1が、第1軸受部22J1内に上下方向に相対移動可能に挿入されており、第2軸部44B2が、第2軸受部22J2内に上下方向に相対移動可能に挿入されている。このため、サポートプレート44が、ケース22の周方向において支持筒部22Gと係合して、サポートプレート44の回転がケース22(支持筒部22G)によって制限されている。すなわち、ダイヤルユニット40が回転操作されたときには、ダイヤル本体42が、サポートプレート44に対して相対回転する構成になっている。
【0051】
プレート本体44Aの上面には、外周部において、上側へ突出されたリブ44Cが形成されており、リブ44Cは、プレート本体44Aの周方向に沿って延在されると共に、プレート本体44Aの周方向全周に亘って形成されている。また、サポートプレート44がダイヤル本体42の受け部42Fに収容された状態において、リブ44Cが、ダイヤル本体42の上面よりも上側に突出しないように、リブ44Cの突出高さが設定されている。
【0052】
標示プレート46は、サポートプレート44の上面に設けられると共に、リブ44Cの径方向内側に配置されている。この標示プレート46は、無色透明の透光性を有する樹脂材(本実施の形態では、一例としてポリカーボネート)によって構成されると共に、上下方向を厚み方向とした円形シート状に形成されている。そして、標示プレート46の外周部の下面が、プレート本体44Aの上面に両面テープによって貼着されている。また、標示プレート46の中央部は、標示エリア46A(
図1のハッチングが施された部分を参照)として構成されており、標示エリア46Aには、図示しないシンボルマークが形成されている。具体的には、標示エリア46Aのシンボルマーク以外の部分に、印刷等が施されて、標示エリア46Aにシンボルマークが形成されている。
【0053】
<ダイヤルキャップ48について>
ダイヤルキャップ48は、無色透明の樹脂材によって構成されると共に、上下方向を板厚方向とする円板状に形成されている。そして、ダイヤルキャップ48の外周部の下面が、ダイヤル本体42の内筒42A及び外筒42Bの上面に両面テープによって貼着されている。これにより、ダイヤル本体42の受け部42Fがダイヤルキャップ48によって閉塞されて、意匠プレートユニット43の上側への移動がダイヤルキャップ48によって制限されている。つまり、上下方向において意匠プレートユニット43がダイヤル本体42と一体移動可能に構成されており、ダイヤル本体42の押圧操作時には、意匠プレートユニット43が、ダイヤル本体42と一体に、ケース22の支持筒部22Gに対して上下方向に相対移動する構成になっている。なお、ダイヤルキャップ48は、意匠プレートユニット43の上側に近接して配置されており、ダイヤルキャップ48と意匠プレートユニット43との間には、所定の隙間が形成されている。
【0054】
ダイヤルキャップ48の中央部(詳しくは、標示プレート46の標示エリア46Aと上下方向に対向配置される部分)は、レンズ部48Aとして構成されており、標示プレート46のシンボルマークがレンズ部48Aを介して視認可能に構成されている。
【0055】
<ダイヤルカバー50について>
図1~
図3に示されるように、ダイヤルカバー50は、下側へ開放された略有底円筒状に形成されている。ダイヤルカバー50の上壁には、円形の露出孔50Aが貫通形成されている。そして、ダイヤルカバー50が、ダイヤル本体42の外筒42Bに外装されて、係合爪42Gと爪嵌合されて、ダイヤル本体42に固定されている。ダイヤルカバー50の上壁には、上側へ開放された凹部50Bが形成されており、凹部50Bは、平面視で円形状に形成されている。
【0056】
<リングカバー52について>
リングカバー52は、略円環板状に形成されて、ダイヤルカバー50の凹部50B内に収容されている。そして、リングカバー52の下面が、凹部50Bの上面に両面テープによって貼着されている。さらに、前述したダイヤルキャップ48が、リングカバー52の径方向内側に配置されて、外部に露出されている。
【0057】
(回路基板60について)
図2~
図4に示されるように、回路基板60は、上下方向を板厚方向とする略円板状に形成されている。回路基板60は、ケース22の底壁とカバー16との間に配置されて、ケース22の底壁及びカバー16のカバー側固定ボス16Aによって上下方向に挟み込まれた状態に固定されている。なお、回路基板60には、ネジSCが挿通される挿通孔60Aが貫通形成されている。
【0058】
回路基板60の上面の外周部には、複数(本実施の形態、27個)のインジケータ用光源62が実装されている。インジケータ用光源62は、LED(light emitting diode)によって構成されて、発光した光を上側へ照射するように構成されている。複数のインジケータ用光源62は、ケース22のレンズ挿入孔22F内にそれぞれ配置されている。すなわち、複数のインジケータ用光源62は、第1インジケータレンズ34及び第2インジケータレンズ36の導光部38に対応した位置に配置されて、対応する導光部38の真下にそれぞれ配置されている。これにより、インジケータ用光源62が発光することにより、発光した光が、導光部38を透過して、インジケータ部材18の照明部18Aを照射する構成になっている。
【0059】
また、回路基板60には、制御部70が電気的に接続されており、制御部70は、ダイヤルユニット40の回転操作を検知して、各々のインジケータ用光源62の点灯又は消灯を制御するようになっている。これにより、制御部70の制御によって、各々のインジケータ用光源62が点灯又は消灯することで、インジケータ部材18の照明部18Aが、所定の範囲(長さ)で照明されるようになっている。
【0060】
また、回路基板60の上面には、一対のタクトスイッチ66が実装されている。タクトスイッチ66は、ケース22の配置孔22K内に配置されると共に、プッシュサポート32の下側に隣接している。そして、ダイヤルユニット40の押圧操作時には、プッシュサポート32がタクトスイッチ66を押圧して、タクトスイッチ66が操作装置10の押圧操作を検出するようになっている。
【0061】
(ケース22の固定部23について)
図2、
図3、
図5、及び
図6に示されるように、固定部23は、前述したケース22の支持筒部22Gに一体に形成されて、支持筒部22Gの内部に配置されている。固定部23は、「固定本体部」としての固定筒部23Aと、固定筒部23A及び支持筒部22Gを連結する複数(本実施の形態では、4箇所)の「連結部」としての連結リブ23Bと、を含んで構成されている。
【0062】
固定筒部23Aは、上側へ開放された略有底円筒状に形成されて、支持筒部22Gの軸心部に配置されている。また、固定筒部23Aの上部が、ダイヤル本体42の外筒42B及びダイヤルカバー50の径方向内側に配置されている。固定筒部23Aには、スリット23Cが形成されている。スリット23Cは、固定筒部23Aの底壁において径方向に延在されると共に、固定筒部23Aの側壁を径方向に貫通している。また、固定筒部23Aの内周面には、上下方向に延在された複数(本実施の形態では、4箇所)の固定リブ23Dが形成されている。複数の固定リブ23Dは、固定筒部23Aの周方向に等間隔に配置されている。
【0063】
連結リブ23Bは、固定筒部23Aの周方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されて、固定筒部23Aから径方向外側へ延出されると共に、支持筒部22Gに接続されている。これにより、固定筒部23Aが、連結リブ23Bによって支持筒部22Gに連結されている。複数の連結リブ23Bは、固定筒部23Aの周方向において、等間隔に配置されている。具体的には、連結リブ23Bが、固定リブ23Dに対して固定筒部23Aの径方向外側に配置されている。これにより、支持筒部22G内における固定筒部23Aの径方向外側の空間が、連結リブ23Bによって4箇所の挿通孔23E1~23E4に区画されている。
【0064】
そして、スリット23Cが、挿通孔23E1側へ開放されている。また、平面視において、前述した第1軸受部22J1が形成された張出部22Hが挿通孔23E4に重なって配置されており、第2軸受部22J2が形成された張出部22Hが挿通孔23E2に重なって配置されている。なお、連結リブ23Bの上面は、固定筒部23Aの上面と面一に配置されており、連結リブ23Bの下面は、固定筒部23Aの下面と面一に配置されている。
【0065】
(振動モータ80について)
図2、
図3、及び
図8に示されるように、振動モータ80は、全体として上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されている。そして、振動モータ80のモータ本体81が、固定筒部23A内に上側から嵌入して、振動モータ80が固定筒部23Aに固定されている。また、振動モータ80の回転軸82は、モータ本体81から上側へ突出しており、固定筒部23Aよりも上側に配置されている。さらに、回転軸82には、ウエイト83が設けられており、ウエイト83は、回転軸82の径方向外側に偏心した位置に配置されている。これにより、振動モータ80が駆動することで、振動モータ80によって発生した振動が、固定筒部23A及び連結リブ23Bを介して支持筒部22Gに伝達される構成になっている。
【0066】
また、振動モータ80には、電力供給用の一対のリード線84が設けられている。一対のリード線84は、モータ本体81の下端部から下側へ延出し、固定筒部23Aのスリット23C内を挿通して、回路基板60に接続されている。これにより、振動モータ80が制御部70に電気的に接続されて、制御部70の制御によって振動モータ80が駆動する構成になっている。
【0067】
(照明構造90について)
図2~
図4、
図8、及び
図9に示されるように、照明構造90は、「導光部材」としての標示用レンズ92と、「光源」としての標示用光源94と、を含んで構成されている。
【0068】
<標示用レンズ92について>
標示用レンズ92は、ケース22の支持筒部22Gの内部に配置されて、ケース22に組付けられている。標示用レンズ92は、無色透明の透光性を有する樹脂材(本実施の形態では、一例としてポリカーボネート)で形成されている。標示用レンズ92は、一対のレンズ本体92Aと、レンズ本体92Aを連結する一対のレンズ連結部92Bと、を含んで構成されている。
【0069】
レンズ本体92Aは、平面視で、支持筒部22Gの軸線ALを中心とする略扇形柱状に形成されて、上下方向に延在されている。そして、一方のレンズ本体92Aが、支持筒部22Gの挿通孔23E1内を挿通しており、他方のレンズ本体92Aが、支持筒部22Gの挿通孔23E3内を挿通している。また、レンズ本体92Aの挿通孔23E1,23E3内の挿通状態では、レンズ本体92Aの上端部が、固定部23よりも上側へ突出しており、レンズ本体92Aの下部が、固定部よりも下側へ突出している。これにより、一対のレンズ本体92Aが軸線ALを挟んで対向して配置されている。
【0070】
一対のレンズ連結部92Bは、レンズ本体92Aの上端部からレンズ本体92Aの対向方向に延出されて、一対のレンズ本体92Aを連結している。また、レンズ連結部92Bの長手方向中間部には、下側へ突出し且つ上側へ開放された略U字形に屈曲された屈曲部92Cが形成されている。そして、一方のレンズ連結部92Bの屈曲部92Cが挿通孔23E2内に上側から挿入されており、他方のレンズ連結部92Bの屈曲部92Cが挿通孔23E4内に上側から挿入されている。
【0071】
レンズ連結部92Bの屈曲部92Cには、長手方向中間部において、係合爪92D(広義には、係合部として把握される要素である)が形成されており、係合爪92Dは、屈曲部92Cから上側へ延出した矩形柱状に形成されている。係合爪92Dは、一対のレンズ本体92Aの対向方向に対して直交する方向に弾性変形可能に構成されている。そして、係合爪92Dの上端部がケース22の張出部22Hの下端部に上下方向に係合している。これにより、標示用レンズ92の上側への移動が制限されて、標示用レンズ92が固定部23に固定されている。
【0072】
また、レンズ本体92Aの上端部には、押え部92Eが形成されている。押え部92Eは、上下方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されて、レンズ本体92Aの対向方向側へ突出している。また、押え部92Eは、振動モータ80のモータ本体81とウエイト83との間に配置されて、モータ本体81の上側への移動を制限している。
【0073】
<標示用光源94について>
一対の標示用光源94は、回路基板60の上面に実装されて、標示用レンズ92のレンズ本体92Aの下側に配置されている。つまり、一対の標示用光源94は、平面視で、支持筒部22Gの挿通孔23E1及び挿通孔23E3と重なる位置に配置されている。換言すると、一対の標示用光源94は、平面視で、固定部23と重ならない位置に配置されている。標示用光源94は、LED(light emitting diode)によって構成されて、発光した光を上側へ照射するように構成されている。これにより、標示用光源94によって発光された光が、標示用レンズ92のレンズ本体92Aによって上側へ導かれて、標示プレート46の標示エリア46Aを照射するようになっている。よって、標示エリア46A内のシンボルマークが照明される構成になっている。
【0074】
(作用及び効果)
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0075】
上記のように、構成された操作装置10では、ダイヤル本体42がケース22の支持筒部22Gに回転可能に支持されている。また、操作装置10は、振動モータ80を有している。そして、振動モータ80が制御部70によって駆動すると、振動モータ80によって発生した振動が、ダイヤル本体42及びダイヤルカバー50に伝達される。これにより、操作者に対して触感感覚を付与することができる。
【0076】
ここで、ケース22の支持筒部22Gに、固定部23が一体に形成されており、固定部23は、支持筒部22Gの内部に設けられている。そして、振動モータ80が固定部23に固定されている。これにより、コストアップを抑制しつつ、振動モータ80によって発生された振動を、効率よくダイヤル本体42及びダイヤルカバー50に伝達することができる。
【0077】
すなわち、操作者に対して触感感覚を付与するために、振動モータ80を操作装置10に設ける場合には、例えば、振動モータ80を回路基板60に設ける構成が考えられる(以下、この構成の装置を比較例1の操作装置という)。ここで、回路基板60は、ケース22と共に、パネル部材12とカバー16とによって挟み込まれている。このため、比較例1の操作装置では、振動モータ80によって発生した振動が主としてパネル部材12及びケース22に伝達される。そして、パネル部材12に伝達された振動が、操作装置を固定する工作機械に伝達される。一方、ケース22に伝達された振動が、支持筒部22Gを介して、ダイヤル本体42及びダイヤルカバー50に伝達される。このように、比較例1の操作装置では、振動モータ80がパネル部材12及びケース22に分散されるため、振動モータ80のダイヤル本体42への振動伝達効率が低くなる。
【0078】
一方、振動モータ80のダイヤル本体42への振動伝達効率を高くするために、ダイヤル本体42に振動モータ80を設ける構成が考えられる(以下、この構成の装置を比較例2の操作装置という)。ここで、ダイヤル本体42は、ケース22の支持筒部22Gに回転可能に支持されている。このため、比較例2の操作装置では、ダイヤル本体42の回転操作時に、振動モータ80もダイヤル本体42と共に回転する。これにより、比較例2の操作装置では、振動モータ80と回路基板60との間に摺動接点等を設けて、両者を接続する必要がある。その結果、比較例2の操作装置では、操作装置10のコストアップを招く可能性がある。
【0079】
これに対して、本実施の形態の操作装置10では、上述のように、固定部23が、ケース22の支持筒部22Gに一体に形成されると共に、支持筒部22Gの内部に設けられている。そして、振動モータ80が固定部23に固定されている。このため、振動モータ80によって発生した振動を、固定部23によって支持筒部22G(ケース22)に直接的に伝達して、支持筒部22Gに支持されたダイヤル本体42及びダイヤルカバー50を振動させることができる。すなわち、上記比較例1の操作装置と比べて、振動モータ80の振動がパネル部材12側へ伝達される割合を小さくすることができる。これにより、振動モータ80のダイヤル本体42及びダイヤルカバー50への振動伝達効率を向上することができる。
【0080】
また、振動モータ80は、ケース22の支持筒部22Gに形成された固定部23に固定されている。このため、ダイヤル本体42の回転時に振動モータ80が回転することを回避することができる。これにより、上記比較例2の操作装置のように、摺動接点を設けることなく、振動モータ80を回路基板60に接続することができる。したがって、操作装置10のコストアップを抑制できる。以上により、操作装置10によれば、コストアップを抑制しつつ、ダイヤル本体42及びダイヤルカバー50への振動伝達効率を向上することができる。
【0081】
また、固定部23は、支持筒部22Gの軸心部に設けられた固定筒部23Aと、固定筒部23Aと支持筒部22Gとを連結する連結リブ23Bと、を含んで構成されている。そして、振動モータ80が、固定筒部23Aに固定されており、複数の連結リブ23Bが、固定筒部23Aの周方向に等間隔に並んで配置されている。これにより、支持筒部22Gの周方向において、振動モータ80によって発生する振動を、偏りなく(バランスよく)支持筒部22Gに伝達することができると共に、偏りなく(バランスよく)ダイヤル本体42に伝達することができる。
【0082】
また、支持筒部22Gの上側には、標示プレート46が設けられており、支持筒部22Gの下側には、標示用光源94が設けられている。そして、平面視で、標示用光源94が、支持筒部22Gの径方向内側で且つ固定部23と重ならない位置に配置されている。これにより、固定部23が、標示用光源94によって発光された光を遮ることなく、振動モータ80を支持筒部22Gの内部で固定することができる。
【0083】
また、支持筒部22Gの内部には、標示用レンズ92が設けられており、標示用光源94によって発光された光が、標示用レンズ92によって標示プレート46へ導かれる。これにより、標示プレート46を良好に照明することができる。
【0084】
また、標示用レンズ92には、押え部92Eが形成されており、押え部92Eが、振動モータ80のモータ本体81とウエイト83との間に配置されている。これにより、振動モータ80のモータ本体81の上側への移動を標示用レンズ92によって制限することができる。したがって、振動モータ80の固定部23への固定状態を良好に維持することができる。
【0085】
また、標示用レンズ92の係合爪92Dが、ケース22の支持筒部22Gの張出部22Hの下端部に係合されて、標示用レンズ92の上側への移動が制限されている。このため、意匠プレートユニット43のサポートプレート44を支持するための張出部22Hを活用して、標示用レンズ92の組付状態を良好に維持することができる。
【0086】
また、ダイヤル本体42が、支持筒部22Gに上下方向に移動可能に支持されている。すなわち、ダイヤル本体42が、回転操作可能に且つ押圧操作可能に構成されている。これにより、回転操作可能に且つ押圧操作可能に構成されたダイヤル本体42に対しても、振動モータ80の振動を良好に伝達することができる。
【0087】
なお、本実施の形態では、ダイヤル本体42がケース22の支持筒部22Gに回転可能に且つ軸方向に移動可能に支持されているが、ダイヤル本体42を支持筒部22Gに回転可能に支持する構成にしてもよい。すなわち、操作装置10を回転操作のみ可能な装置と構成してもよい。
【0088】
また、本実施の形態では、ダイヤル本体42とダイヤルカバー50とが別体に構成されて、ダイヤルカバー50がダイヤル本体42に組付けられている。これに代えて、ダイヤル本体42及びダイヤルカバー50を一体に形成してもよい。
【0089】
また、本実施の形態では、ケース22の支持筒部22G内に標示用レンズ92が設けられているが、標示用レンズ92を省略してもよい。すなわち、標示用光源94によって発光された光を、標示プレート46に直接照射するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0090】
10 操作装置
22 ケース
22G 支持筒部(支持軸)
23 固定部
23A 固定筒部(固定本体部)
23B 連結リブ(連結部)
42 ダイヤル本体(操作部)
42A 内筒
42B 外筒
46 標示プレート(標示部材)
50 ダイヤルカバー(操作部)
60 回路基板
80 振動モータ(振動アクチュエータ)
92 標示用レンズ(導光部材)
94 標示用光源(光源)