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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】パワーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240516BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20240516BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020109510
(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公開番号】P2022006924
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000233273
【氏名又は名称】株式会社 日立パワーデバイス
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】上川 将行
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-050395(JP,A)
【文献】特開2003-077945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレートと、
前記ベースプレート上に配置された基板と、
前記基板上に配置されたパワー半導体チップと、
相互接続配線となる板状のリードフレームと、
前記ベースプレートに接続されて、前記基板と前記パワー半導体チップと前記リードフレームを内包するケースと、
前記ケース内に充填されて、前記基板と前記パワー半導体チップと前記リードフレームを封止する封止樹脂と、を備え、
前記リードフレームの少なくとも一部は前記リードフレームを湾曲させることで形成された上に凸の形状を有しており、前記上に凸の形状の頂部に前記リードフレームを上下に貫通する開口が設けられていることを特徴とするパワーモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のパワーモジュールにおいて、
前記開口は、略円形の開孔、略矩形のスリット、切り欠きのいずれかであることを特徴とするパワーモジュール。
【請求項3】
請求項2に記載のパワーモジュールにおいて、
前記リードフレームの前記開口近傍に突出部が設けられていることを特徴とするパワーモジュール。
【請求項4】
請求項3に記載のパワーモジュールにおいて、
前記突出部は、前記開口を設けることによる前記リードフレームの電気抵抗値上昇分を補償する抵抗値補償部であることを特徴とするパワーモジュール。
【請求項5】
請求項1に記載のパワーモジュールにおいて、
前記開口は、前記基板と前記パワー半導体チップを接続するリードフレームに設けられていることを特徴とするパワーモジュール。
【請求項6】
請求項1に記載のパワーモジュールにおいて、
前記パワー半導体チップを複数備え、
前記開口は、前記複数のパワー半導体チップ同士を接続するリードフレームに設けられていることを特徴とするパワーモジュール。
【請求項7】
請求項1に記載のパワーモジュールにおいて、
前記ケースに配置された主端子を備え、
前記開口は、前記主端子と前記パワー半導体チップを接続するリードフレームに設けられていることを特徴とするパワーモジュール。
【請求項8】
請求項1に記載のパワーモジュールにおいて、
前記ケースに配置された電極端子を備え、
前記開口は、前記基板と前記電極端子を接続するリードフレームに設けられていることを特徴とするパワーモジュール。
【請求項9】
請求項1に記載のパワーモジュールにおいて、
前記ケース内に前記封止樹脂を充填する際、前記リードフレームの下方に発生する気泡を当該気泡の浮力により前記リードフレームの前記上に凸の形状に沿って前記開口に導き、前記開口を介して前記封止樹脂の表面に排出することを特徴とするパワーモジュール。
【請求項10】
ベースプレートと、
前記ベースプレート上に配置された基板と、
前記基板上に配置されたパワー半導体チップと、
相互接続配線となる板状のリードフレームと、
前記ベースプレートに接続されて、前記基板と前記パワー半導体チップと前記リードフレームを内包するケースと、
前記ケース内に充填されて、前記基板と前記パワー半導体チップと前記リードフレームを封止する封止樹脂と、を備え、
前記リードフレームの少なくとも一部は上に凸の形状を有しており、前記上に凸の形状の頂部に前記リードフレームを上下に貫通する開口が設けられ、かつ、前記開口近傍に突出部が設けられていることを特徴とするパワーモジュール。
【請求項11】
請求項10に記載のパワーモジュールにおいて、
前記突出部は、前記開口を設けることによる前記リードフレームの電気抵抗値上昇分を補償する抵抗値補償部であることを特徴とするパワーモジュール。
【請求項12】
請求項10に記載のパワーモジュールにおいて、
前記上に凸の形状は、前記リードフレームが前記頂部から異なる二方向に傾斜を有することで形成されていることを特徴とするパワーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーモジュールの構造に係り、特に、モジュール内部の相互接続配線に板状のリードフレームを用いるパワーモジュールに適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパワーモジュールは、パワー半導体チップを搭載した絶縁基板をベース板にはんだ付けし、パワー半導体チップの電極面と絶縁基板やケースに取り付けられた金属回路層や金属ターミナルをアルミワイヤによるワイヤボンディングで配線する構造が一般的である。
【0003】
しかしながら、ワイヤボンド構造の場合、大容量化に伴って多数のワイヤを接続する必要がある。そこで、近年では、リードフレームのインナーリード部分をパワー半導体チップの直上まで延ばし、パワー半導体チップ表面に直接はんだで接合する内部配線構造が普及しつつある。
【0004】
多数のワイヤを1本の金属リードへ置き換えることで、パッケージ内部配線の省スペース化や接合強度の向上、内部配線抵抗や自己インダクタンスの低減、さらにはパワー半導体チップの配線接合部に対する長期信頼性の向上等、多くのメリットを享受できる。
【0005】
本技術分野の背景技術として、例えば、特許文献1のような技術がある。特許文献1には「基板と、前記基板上に配置された半導体素子と、前記半導体素子の上面に接続され、電気回路を形成する電極板と、少なくとも前記半導体素子と前記電極板とが埋め込まれた封止樹脂と、を備えた半導体装置であって、前記電極板は、前記半導体素子の上面に接合された接合部と、前記接合部から前記基板に対して平行な方向に延びる配線部とを有し、前記配線部は、少なくとも1つの側縁部と、前記側縁部よりも内側に配された内側部とを有し、前記配線部の下面と前記基板との距離が、前記内側部よりも少なくとも1つの前記側縁部において大きい、半導体装置」が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には「基板上に配置された半導体素子と、前記半導体素子同士、前記半導体素子と外部端子、または前記基板と前記外部端子を接続するための2以上の接続部を有する板状の電極板と、前記電極板の隣り合う前記接続部間の前記基板面側に、凸型で傾斜が設けられた樹脂成形部と、前記接続部の周辺を封止する封止樹脂部と、を備えたパワーモジュール」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2019/194272号
【文献】特開2019-197842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したリードフレームのインナーリード部分をパワー半導体チップ表面に直接はんだで接合する内部配線構造を採用した場合、樹脂封止の際、リードフレームが水平に配置され、かつモールド樹脂の流れが遅い箇所では樹脂に含まれる空気が気泡となって滞留し、その状態で硬化した場合には樹脂中のボイドとなり、パワーモジュールの絶縁性や長期信頼性が低下する可能性がある。
【0009】
上記特許文献1には、主端子60の短手方向の両側縁部をセラミック基板10から離れる方向に屈曲させて、断面がV字状になるように形成する構成(図3等)や、さらに主端子60の中央のもっとも低い部分(V字の頂点部)に開口を設けてV字の頂点部の水平に近い微小部分に気泡が残存するのを防止する構成(図6等)が記載されている。
【0010】
特許文献1のように、主端子60の断面がV字状になる形状、すなわち下に凸の形状では、樹脂中の気泡が二方向に分離して樹脂表面側に移動するため、微小な気泡が樹脂中に残存する恐れがある。
【0011】
また、上記特許文献2には、底面が凸型のV字断面を有する樹脂成形部601、602を設けた構成(図2等)とすることで、製造の際に下面に入り込んだ気泡がその場にとどまることなく端部に向かって移動し、外部に排出されることが記載されている。
【0012】
特許文献1と同様に、特許文献2の樹脂成形部601、602も下に凸の形状であるため、微小な気泡が樹脂中に残存し、ボイドとなる可能性がある。
【0013】
そこで、本発明の目的は、モジュール内部の相互接続配線に板状のリードフレームを用いるパワーモジュールにおいて、樹脂封止の際に発生する気泡によるボイドの生成を抑制可能な信頼性の高いパワーモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明は、ベースプレートと、前記ベースプレート上に配置された基板と、前記基板上に配置されたパワー半導体チップと、相互接続配線となる板状のリードフレームと、前記ベースプレートに接続されて、前記基板と前記パワー半導体チップと前記リードフレームを内包するケースと、前記ケース内に充填されて、前記基板と前記パワー半導体チップと前記リードフレームを封止する封止樹脂と、を備え、前記リードフレームの少なくとも一部は前記リードフレームを湾曲させることで形成された上に凸の形状を有しており、前記上に凸の形状の頂部に前記リードフレームを上下に貫通する開口が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、モジュール内部の相互接続配線に板状のリードフレームを用いるパワーモジュールにおいて、樹脂封止の際に発生する気泡によるボイドの生成を抑制可能な信頼性の高いパワーモジュールを実現することができる。
【0016】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例1に係るパワーモジュールの概略構成を示す断面図である。
図2図1のA部拡大図(斜視図)である。
図3】本発明の作用効果を概念的に示す図である。
図4図1の変形例を示す図である。(変形例1)
図5図1の変形例を示す図である。(変形例2)
図6図1の変形例を示す図である。(変形例3)
図7】本発明の実施例2に係るリードフレームを示す図である。
図8図7の変形例を示す図である。(変形例4)
図9図7の変形例を示す図である。(変形例5)
図10図7の変形例を示す図である。(変形例6)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
【実施例1】
【0019】
図1から図6を参照して、本発明の実施例1に係るパワーモジュールについて説明する。図1は、本実施例のパワーモジュール1の概略構成を示す断面図である。図2は、図1のA部拡大図であり、形状を分かり易くするために斜視図で示している。図3は、本発明の作用効果を概念的に示す図である。また、図4から図6は、図1の3つの変形例(変形例1-変形例3)を示す図である。
【0020】
本実施例のパワーモジュール1は、図1に示すように、パワー半導体チップや回路基板を内包する樹脂製のケース2を備えている。ケース2は、パワーモジュール1の保護カバーの役割を果たしている。
【0021】
また、パワーモジュール1は、金属製のベースプレート3と、ベースプレート3上に配置された基板6,12と、基板6,12上に配置されたパワー半導体チップ11,16と、相互接続配線となる複数の板状のリードフレーム17を備えている。
【0022】
ケース2は、図示しない接着剤やネジ等によりベースプレート3に接続固定されて、基板6,12とパワー半導体チップ11,16と複数のリードフレーム17を内包する。
【0023】
基板6は、絶縁層7と、絶縁層7の上面(表面)に配置された金属回路層8と、絶縁層7の下面(裏面)に配置された金属層9から構成されており、はんだ10により金属層9とベースプレート3を接合することで、ベースプレート3上に配置されている。また、はんだ10により金属回路層8とパワー半導体チップ11を接合することで、パワー半導体チップ11が基板6上に配置される。
【0024】
同様に、基板12は、絶縁層13と、絶縁層13の上面(表面)に配置された金属回路層14と、絶縁層13の下面(裏面)に配置された金属層15から構成されており、はんだ10により金属層15とベースプレート3を接合することで、ベースプレート3上に配置されている。また、はんだ10により金属回路層14とパワー半導体チップ16を接合することで、パワー半導体チップ16が基板12上に配置される。
【0025】
なお、本実施例では、パワーモジュール1に内蔵されるパワー半導体チップとして、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を前提に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、ダイオードやパワーMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)等にも適用可能である。
【0026】
従って、パワー半導体チップ11とパワー半導体チップ16は、いずれもIGBTであってもよく、パワー半導体チップ11はIGBTであり、パワー半導体チップ16はダイオードであるような場合にも本発明を適用することができる。
【0027】
パワー半導体チップ11とパワー半導体チップ16は、いずれもはんだ10により共通のリードフレーム17に接合されている。リードフレーム17は1枚の板状の配線であり、パワー半導体チップ11とパワー半導体チップ16同士を相互に接続する相互接続配線として機能する。なお、ベースプレート3の上面からパワー半導体チップ11の上面までの高さと、ベースプレート3の上面からパワー半導体チップ16の上面までの高さは略同じであり、パワー半導体チップ11とパワー半導体チップ16同士を接続するリードフレーム17は、略水平に配置される。
【0028】
また、基板6上の金属回路層8は、電極端子5と電気的に接続された別のリードフレーム17とはんだ10により接合されている。電極端子5は、ケース2に配置されたセンス端子や制御端子、補助端子等の外部端子である。
【0029】
パワー半導体チップ11とパワー半導体チップ16に接続されたリードフレーム17は、はんだ10により基板12上の金属回路層14に接合され、さらに主端子4と電気的に接続された別のリードフレーム17に接続されている。主端子4は、ケース2に配置された入出力端子等の外部端子である。
【0030】
ケース2内には、基板6,12とパワー半導体チップ11,16とリードフレーム17を封止する封止樹脂19が充填されている。
【0031】
ここで、パワー半導体チップ16と基板12上の金属回路層14間のリードフレーム17は、図1のA部に示すように、上に凸の形状を有しており、さらに上に凸の形状の頂部にリードフレーム17を上下に貫通する開口部18が設けられている。
【0032】
この開口部18は、図2に示すように、略円形の開孔としてリードフレーム17に設けられている。なお、上記の上に凸の形状は、図2のようにリードフレーム17を湾曲させて形成してもよく、図1のようにリードフレーム17が頂部から異なる二方向に傾斜を有するように成形してもよい。
【0033】
図3を用いて、本発明の作用効果を説明する。上述したように、リードフレーム17(インナーリード)をパワー半導体チップ11,16の表面に直接はんだ10で接合する場合、樹脂封止の際に、リードフレーム17の下部側、特にリードフレーム17が水平に配置され、なおかつ封止樹脂19の流れが遅い箇所のリードフレーム17の下部側では樹脂に含まれる空気が気泡21となって滞留し、その状態で硬化した場合には樹脂中のボイドとなり、パワーモジュールの絶縁性や長期信頼性が低下する可能性がある。
【0034】
そこで、本実施例のパワーモジュール1では、図3に示すように、リードフレーム17に上に凸の形状を設け、さらにその上に凸の形状の頂部にリードフレーム17を上下に貫通する開口部18を設けることで、ケース2内に封止樹脂19を充填する際、リードフレーム17の下方に発生する気泡21を気泡21自体の浮力により上に凸の形状に沿って開口部18に導き、開口部18を介して封止樹脂19の表面に排出する。
【0035】
これにより、樹脂封止の際に発生する気泡21によるボイドの生成を抑制することができる。
【0036】
なお、図1では、リードフレーム17の上に凸の形状及び開口部18を、基板12上の金属回路層14とパワー半導体チップ16を接続するリードフレーム17に設けているが、図4に示す変形例1のように、パワー半導体チップ11とパワー半導体チップ16を接続するリードフレーム17に上に凸の形状及び開口部18を設けてもよい。
【0037】
これにより、複数のパワー半導体チップ同士間の封止樹脂19の絶縁性及び長期信頼性を担保することができる。
【0038】
また、図5に示す変形例2のように、パワー半導体チップ16と主端子4を接続するリードフレーム17に上に凸の形状及び開口部18を設けてもよく、図6に示す変形例3のように、基板6上の金属回路層8と電極端子5を接続するリードフレーム17に設けてもよい。
【0039】
パワーモジュール1の構造設計段階でのシミュレーションや不良解析結果に基づいて、ボイドが生成し易い箇所のリードフレーム17に選択的に凸の形状及び開口部18を設けることも可能である。
【実施例2】
【0040】
図7から図10を参照して、本発明の実施例2に係るパワーモジュールについて説明する。図7から図10は、リードフレーム17に設けられる上に凸の形状及び開口のバリエーションを示している。図7は、本実施例の上に凸の形状及び切り欠き22を示す図である。また、図8から図10は、図7の3つの変形例(変形例4-変形例6)を示す図である。
【0041】
図7に示すように、リードフレーム17に設けられる開口は、切り欠き22であってもよい。実施例1の図2に示す略円形の開孔(開口部18)に替えて、切り欠き22を設けることで、より簡便にリードフレーム17に開口を形成することができる。
【0042】
また、図7のように切り欠き22を設けた場合、リードフレーム17の電気抵抗値が上昇し、パワーモジュール1の動作に支障を生じる場合が考えられる。その場合は、図8に示すように、切り欠き22の近傍に突出部23を設けてもよい。この突出部23は、切り欠き22を設けることによるリードフレーム17の電気抵抗値上昇分を補償する抵抗値補償部となる。
【0043】
同様に、図9に示すように、開口部18(略円形の開孔)の近傍に突出部23を複数設けてもよい。この複数の突出部23は、開口部18を設けることによるリードフレーム17の電気抵抗値上昇分を補償する抵抗値補償部となる。
【0044】
また、開口部18(略円形の開孔)や切り欠き22に替えて、図10に示すように、略矩形のスリット24を設けることも可能である。
【0045】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記の実施例は本発明に対する理解を助けるために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1…パワーモジュール
2…ケース
3…ベースプレート
4…主端子(入出力端子)
5…電極端子(センス端子,制御端子,補助端子)
6,12…基板
7,13…絶縁層
8,14…金属回路層
9,15…金属層
10…はんだ
11,16…パワー半導体チップ
17…リードフレーム
18…開口部
19…封止樹脂
20…樹脂表面
21…気泡
22…切り欠き
23…突出部(抵抗値補償部)
24…スリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10