(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】振動子ユニットおよび超音波プローブ
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20240516BHJP
【FI】
A61B8/00
(21)【出願番号】P 2020130588
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000189486
【氏名又は名称】上田日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芝田 宏靖
(72)【発明者】
【氏名】市川 政宏
【審査官】後藤 昌夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/077675(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0032004(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の振動子と、
複数の前記振動子のそれぞれに送信信号を出力する送信回路と、
複数の前記振動子のそれぞれから出力される振動子信号を合成する合成回路と、
前記合成回路から出力される合成信号を伝送する合成信号端子を含む振動子ユニットコネクタと、を備え、
前記合成回路は、
複数の前記振動子のそれぞれから出力される振動子信号を整相加算し、当該整相加算によって得られた信号を前記合成信号として出力する整相加算回路を含み、
前記振動子ユニットコネクタは、
超音波画像を表示する装置本体に無線接続されるプローブ本体ユニットに着脱自在であり、
前記プローブ本体ユニットは、
前記合成信号をディジタル信号に変換し、
ディジタル信号に変換された前記合成信号に対する信号処理
であって、超音波画像を生成するための信号処理を実行し、当該信号処理が施された前記合成信号を前記装置本体に無線部を介して送信することを特徴とする振動子ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の振動子ユニット
であって、
前記振動子ユニットコネクタは、
前記送信回路に対する制御信号を伝送する制御端子を備えることを特徴とする振動子ユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の振動子ユニットであって、
前記合成回路から出力される前記合成信号の信号数は、前記振動子の個数よりも少ないことを特徴とする振動子ユニット。
【請求項4】
超音波画像を表示する装置本体に無線接続されるプローブ本体ユニットと、
前記プローブ本体ユニットに着脱自在であり、複数の振動子を含む振動子ユニットと、を備え、
前記振動子ユニットは、
複数の前記振動子のそれぞれに送信信号を出力する送信回路と、
複数の前記振動子のそれぞれから出力される振動子信号を合成する合成回路と、
前記合成回路から出力される合成信号を伝送する第1合成信号端子を含む振動子ユニットコネクタと、を備え、
前記合成回路は、
複数の前記振動子のそれぞれから出力される振動子信号を整相加算し、当該整相加算によって得られた信号を前記合成信号として出力する整相加算回路を含み、
前記プローブ本体ユニットは、
前記合成信号をディジタル信号に変換するA/D変換回路と、
ディジタル信号に変換された前記合成信号に対する信号処理
であって、超音波画像を生成するための信号処理を実行する信号処理部と、
当該信号処理が施された前記合成信号を前記装置本体に送信する無線部と、
前記合成信号を伝送する第2合成信号端子を含む本体部コネクタと、を備え、
前記振動子ユニットコネクタが、前記本体部コネクタに着脱自在であり、前記振動子ユニットコネクタが前記本体部コネクタに装着されているときに、前記第1合成信号端子と前記第2合成信号端子とが接触することを特徴とする超音波プローブ。
【請求項5】
請求項
4に記載の超音波プローブ
であって、
前記振動子ユニットコネクタは、前記送信回路に対する制御信号を伝送する第1制御端子を備え、
前記プローブ本体ユニットは、前記制御信号を出力する制御部を備え、
前記本体部コネクタは、前記制御信号を伝送する第2制御端子を備え、
前記振動子ユニットコネクタが前記本体部コネクタに装着されているときに、前記第1制御端子と前記第2制御端子とが接触することを特徴とする超音波プローブ。
【請求項6】
請求項
4または請求項
5に記載の超音波プローブであって、
前記合成回路から出力される前記合成信号の信号数は、前記振動子の個数よりも少ないことを特徴とする超音波プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動子ユニットおよび超音波プローブに関し、特に、超音波プローブの回路構成および構造に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置が広く用いられている。超音波診断装置は、超音波プローブから被検体に超音波を送信し、被検体で反射した超音波を超音波プローブで受信する。超音波プローブは、受信された超音波に基づく信号を超音波診断装置の装置本体に出力する。装置本体は、超音波プローブから出力された信号に基づいて被検体内の超音波画像を生成し、超音波画像を表示する。
【0003】
超音波プローブは複数の振動子を備えており、複数の振動子に供給される信号の遅延時間を調整することで、超音波プローブから送信される超音波の方向や焦点が制御され、超音波が走査される。超音波プローブには、超音波プローブから送信される超音波の走査方法に応じて、リニア型、セクタ型、コンベックス型等、様々な種類がある。リニア型の超音波プローブでは、超音波のビームが同一方位に向けられた状態で直線状に超音波のビームが走査される。セクタ型の超音波プローブでは、送信点を固定として所定範囲で方位を変化させて超音波のビームが走査される。コンベックス型の超音波プローブでは、送信点を弧状に移動させながら、かつ、送信点の移動と共に所定範囲で方位を変化させて超音波のビームが走査される。
【0004】
種類が異なる超音波プローブでは複数の振動子が配列される態様が異なっている。そのため、一般の超音波診断装置では、異なる種類の超音波プローブが装置本体に付け換え可能となっている。ユーザは、超音波の走査方法に応じて適切な超音波プローブを選択し、装置本体に取り付けて超音波診断を行う。
【0005】
以下の特許文献1には、本願発明に関連する技術として、複数種の超音波プローブおよび複数種のプローブケーブルを選択的に利用する技術が記載されている。この文献には、プローブケーブルの容量成分を検出し、プローブケーブルから装置本体への信号の伝送特性を調整することが記載されている。また、以下の特許文献2には、プローブヘッドがプローブケーブルを介して装置本体に接続される超音波診断装置が記載されている。この文献には、プローブヘッド内に整相加算回路を設けることで、プローブケーブルを細くすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2008-264121号公報
【文献】特開2005-40418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年では、超音波プローブと装置本体とが無線接続された超音波診断装置が開発されている。このような超音波診断装置に用いられる無線超音波プローブには、複数の振動子の他、信号処理回路や無線回路、さらには、これらの回路に電源電力を供給する電源回路が搭載されている。そのため、無線超音波プローブは、プローブケーブルによって装置本体に接続される通常の超音波プローブよりも高価である。さらに、ユーザは、超音波の走査方法に応じた複数種の超音波プローブを予め用意しておく必要があり、超音波診断装置を維持するための費用が増加してしまう。そのため、簡単で安価な構成によって超音波プローブの種類を変更できることが望まれている。
【0008】
本発明の目的は、簡単な構成によって超音波プローブの種類を変更することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数の振動子と、複数の前記振動子のそれぞれに送信信号を出力する送信回路と、複数の前記振動子のそれぞれから出力される振動子信号を合成する合成回路と、前記合成回路から出力される合成信号を伝送する合成信号端子を含む振動子ユニットコネクタと、を備え、前記合成回路は、複数の前記振動子のそれぞれから出力される振動子信号を整相加算し、当該整相加算によって得られた信号を前記合成信号として出力する整相加算回路を含み、前記振動子ユニットコネクタは、超音波画像を表示する装置本体に無線接続されるプローブ本体ユニットに着脱自在であり、前記プローブ本体ユニットは、前記合成信号をディジタル信号に変換し、ディジタル信号に変換された前記合成信号に対する信号処理であって、超音波画像を生成するための信号処理を実行し、当該信号処理が施された前記合成信号を前記装置本体に無線部を介して送信することを特徴とする。
【0010】
望ましくは、前記振動子ユニットコネクタは、前記送信回路に対する制御信号を伝送する制御端子を備える。
【0011】
望ましくは、前記合成回路から出力される前記合成信号の信号数は、前記振動子の個数よりも少ない。
【0013】
また、本発明は、超音波画像を表示する装置本体に無線接続されるプローブ本体ユニットと、前記プローブ本体ユニットに着脱自在であり、複数の振動子を含む振動子ユニットと、を備え、前記振動子ユニットは、複数の前記振動子のそれぞれに送信信号を出力する送信回路と、複数の前記振動子のそれぞれから出力される振動子信号を合成する合成回路と、前記合成回路から出力される合成信号を伝送する第1合成信号端子を含む振動子ユニットコネクタと、を備え、前記合成回路は、複数の前記振動子のそれぞれから出力される振動子信号を整相加算し、当該整相加算によって得られた信号を前記合成信号として出力する整相加算回路を含み、前記プローブ本体ユニットは、前記合成信号をディジタル信号に変換するA/D変換回路と、ディジタル信号に変換された前記合成信号に対する信号処理であって、超音波画像を生成するための信号処理を実行する信号処理部と、当該信号処理が施された前記合成信号を前記装置本体に送信する無線部と、前記合成信号を伝送する第2合成信号端子を含む本体部コネクタと、を備え、前記振動子ユニットコネクタが、前記本体部コネクタに着脱自在であり、前記振動子ユニットコネクタが前記本体部コネクタに装着されているときに、前記第1合成信号端子と前記第2合成信号端子とが接触することを特徴とする。
【0014】
望ましくは、前記振動子ユニットコネクタは、前記送信回路に対する制御信号を伝送する第1制御端子を備え、前記プローブ本体ユニットは、前記制御信号を出力する制御部を備え、前記本体部コネクタは、前記制御信号を伝送する第2制御端子を備え、前記振動子ユニットコネクタが前記本体部コネクタに装着されているときに、前記第1制御端子と前記第2制御端子とが接触する。
【0015】
望ましくは、前記合成回路から出力される前記合成信号の信号数は、前記振動子の個数よりも少ない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡単な構成によって超音波プローブの種類を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図3】プローブ本体ユニットの構成を示す図である。
【
図4】制御部および信号処理部が演算デバイスによって一体的に構成されたプローブ本体ユニットの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、本発明の実施形態に係る超音波診断装置10の構成が示されている。超音波診断装置10は、無線超音波プローブ12および装置本体14を備えている。無線超音波プローブ12は、振動子ユニット16およびプローブ本体ユニット18を備えている。超音波診断が行われるときは、振動子ユニット16が被検体に当接するように無線超音波プローブ12がユーザの手によって支持される。
【0020】
無線超音波プローブ12は、振動子ユニット16から被検体に超音波を送信し、被検体で反射した超音波を振動子ユニット16で受信する。振動子ユニット16は受信した超音波に基づく受信信号を生成し、プローブ本体ユニット18は受信信号に応じた信号を装置本体14に無線送信する。装置本体14は、プローブ本体ユニット18から無線送信された信号を受信し、その信号に基づいて被検体内の超音波画像を生成し、ディスプレイに超音波画像を表示する。
【0021】
後述するように、振動子ユニット16は複数の振動子および周辺回路を備えている。複数の振動子は、無線超音波プローブ12の種類に応じた態様で振動子ユニット16に配列されている。周辺回路は、各振動子に送信信号を出力して各振動子に超音波を送信させ、超音波を受信した複数の振動子から出力される各振動子信号に対する処理を実行する。本実施形態に係る無線超音波プローブ12では、振動子ユニット16がプローブ本体ユニット18に着脱自在となっており、振動子ユニット16が交換可能となっている。振動子の配列が異なる複数種の振動子ユニット16のうち、超音波の走査方法に応じたものをユーザが選択し、その選択した振動子ユニット16をプローブ本体ユニット18に装着することで、走査方法に応じて無線超音波プローブ12の種類が変更される。
【0022】
図2には、振動子ユニット16の構成が示されている。振動子ユニット16は、振動子制御部20、送信回路22-1~22-N、送受切り換え回路24、振動子アレイ26、受信回路30-1~30-N、整相加算回路32および振動子ユニットコネクタ34を備えている。ここでNは2以上の整数である。振動子制御部20、送信回路22-1~22-N、送受切り換え回路24、受信回路30-1~30-Nおよび整相加算回路32が上記の周辺回路に相当する。
【0023】
振動子制御部20は、振動子ユニット16の全体的な制御を行う。振動子アレイ26は、無線超音波プローブ12の種類(セクタ型、リニア型、コンベックス型等)に応じた態様で配列されたN個の振動子28を備えている。送受切り換え回路24は、振動子アレイ26から超音波を送信するときは、送信回路22-1~22-Nのそれぞれを、振動子アレイ26における対応する振動子28に接続する。送受切り換え回路24は、振動子アレイ26で超音波を受信するときは、振動子アレイ26が備えるN個の振動子28のそれぞれを、受信回路30-1~30-Nのうち対応するものに接続する。
【0024】
振動子ユニットコネクタ34は、第1制御端子36、第1合成信号端子38および第1電源端子40を備えている。第1制御端子36は振動子制御部20に接続されている。振動子制御部20は、プローブ本体ユニット18との間で、第1制御端子36を介して制御信号を送受信する。第1合成信号端子38は整相加算回路32に接続されている。第1電源端子40には、プローブ本体ユニット18から電源電力が供給される。第1電源端子40に供給された電源電力は、振動子制御部20、送信回路22-1~22-N、送受切り換え回路24、受信回路30-1~30-Nおよび整相加算回路32に供給される。
【0025】
振動子ユニット16の動作について説明する。送信回路22-1~22-Nは、振動子制御部20の制御に応じて、送受切り換え回路24を介して送信信号をN個の振動子28に出力する。N個の振動子28は、送信信号に応じた超音波を被検体に送信する。被検体で反射した超音波は、N個の振動子28で受信される。N個の振動子28は、受信した超音波を電気信号である振動子信号に変換し、送受切り換え回路24を介して、受信回路30-1~30-Nにそれぞれ出力する。受信回路30-1~30-Nのそれぞれは、振動子信号の大きさ等を調整して、整相加算回路32に出力する。
【0026】
整相加算回路32は、受信回路30-1~30-Nから出力されたN個の振動子信号を合成する合成回路として動作する。具体的には、整相加算回路32は、受信回路30-1~30-Nから出力されたN個の振動子信号を整相加算し、合成信号、すなわち受信信号を生成し第1合成信号端子38に出力する。ここで、整相加算とは、特定の方向から受信された超音波に基づくN個の振動子信号が強め合うように、各振動子信号の遅延時間を調整して加算する処理をいう。
【0027】
送信回路22-1~22-Nのそれぞれが送信信号の遅延時間を制御することで、振動子アレイ26から送信される超音波のビームが形成され、超音波ビームが走査される。また、整相加算回路32による整相加算によって、超音波ビームの方向から到来した超音波に基づく各振動子信号が強め合うように加算され、超音波ビームの方向から到来した超音波に応じた受信信号が整相加算回路32から出力される。
【0028】
図3には、プローブ本体ユニット18の構成が示されている。プローブ本体ユニット18は制御部50、本体部コネクタ52、A/D変換回路64、信号処理部66、無線部68および電源回路70を備えている。制御部50は、プログラムを実行することで動作するプロセッサによって構成されてよい。また、信号処理部66は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等、再構成可能なハードウエアで構成されてよい。
【0029】
本体部コネクタ52は、第2制御端子54、第2合成信号端子60および第2電源端子62を備えている。第2制御端子54は制御部50に接続されている。第2合成信号端子60はA/D変換回路64に接続されている。第2電源端子62は電源回路70に接続されている。電源回路70はバッテリを備えていてよい。上記の振動子ユニットコネクタ34(
図2)は、本体部コネクタ52に着脱自在である。振動子ユニットコネクタ34が、本体部コネクタ52に装着されることで、第1制御端子36と第2制御端子54とが接触し、第1制御端子36と第2制御端子54とが電気的に接続される。また、第1合成信号端子38と第2合成信号端子60とが接触し、第1合成信号端子38と第2合成信号端子60とが電気的に接続される。さらに、第1電源端子40と第2電源端子62とが接触し、第1電源端子40と第2電源端子62とが電気的に接続される。
【0030】
プローブ本体ユニット18の動作について説明する。電源回路70は、制御部50、A/D変換回路64、信号処理部66および無線部68に電源電力を供給する他、第2電源端子62を介して振動子ユニット16に電源電力を供給する。
【0031】
制御部50は、第2制御端子54および第1制御端子36を介して、振動子ユニット16が備える振動子制御部20に制御信号を送信する。これによって、振動子ユニット16が備える振動子制御部20は、適切な遅延時間を持たせて送信信号を送信するように各送信回路22-1~22-Nを制御する。なお、振動子制御部20は、必要に応じて、第2制御端子54および第1制御端子36を介して制御部50に別の制御信号を送信してもよい。
【0032】
A/D変換回路64は、振動子ユニット16から第1合成信号端子38および第2合成信号端子60を介して出力された受信信号をディジタル信号に変換し、信号処理部66に出力する。信号処理部66は、超音波画像を生成するための信号処理を受信信号に対して施した超音波診断信号(信号処理が施された受信信号)を生成し、制御部50に出力する。制御部50は、超音波診断信号を無線部68に出力し、無線部68に超音波診断信号を無線送信させる。無線部68は、制御部50の制御に応じて超音波診断信号を装置本体14に無線送信する。装置本体14は、超音波診断信号を受信し、超音波診断信号に応じた超音波画像をディスプレイに表示する。
【0033】
なお、無線部68は、装置本体14から無線送信された制御信号を受信し、制御部50に出力してもよい。制御部50は、制御信号に応じた処理を実行してもよい。このように無線部68は、プローブ本体ユニット18と装置本体14との間での無線信号の伝送を可能にし、プローブ本体ユニット18を装置本体14に無線接続する。
【0034】
制御部50および信号処理部66は、
図4に示されているように、演算デバイス72によって一体的に構成されてもよい。演算デバイス72は、プログラムを実行することで動作するプロセッサによって構成されてよい。
【0035】
本実施形態に係る無線超音波プローブ12では、振動子ユニット16が、各送信回路22-1~22-Nに対する制御信号を伝送する第1制御端子36、整相加算回路32から出力される受信信号を伝送する第1合成信号端子38、および電源電力を伝送する第1電源端子40を含む振動子ユニットコネクタ34を備えている。プローブ本体ユニット18は、制御信号を伝送する第2制御端子54、受信信号を伝送する第2合成信号端子60、および電源電力を伝送する第2電源端子62を含む本体部コネクタ52を備えている。振動子ユニットコネクタ34および本体部コネクタ52によって、振動子ユニット16がプローブ本体ユニット18に対して着脱自在となっている。
【0036】
無線超音波プローブ12の種類を変更するときは、種類に合わせて振動子ユニット16を付け換えればよい。また、整相加算回路32から出力される受信信号の信号数は振動子の個数Nよりも少なく、本実施形態では受信信号は1つである。そのため、振動子ユニットコネクタ34および本体部コネクタ52の構造が簡単となる。したがって、簡単で安価な構成によって、種類の変更が可能な無線超音波プローブ12が実現される。また、振動子ユニット16が故障した場合であっても、振動子ユニット16のみを交換することができるため、無線超音波プローブ12のメンテナンスが容易かつ安価となる。
【符号の説明】
【0037】
10 超音波診断装置、12 無線超音波プローブ、14 装置本体、16 振動子ユニット、18 本体ユニット、20 振動子制御部、22-1~22-N 送信回路、24 送受切り換え回路、26 振動子アレイ、28 振動子、30-1~30-N 受信回路、32 整相加算回路、34 振動子ユニットコネクタ、36 第1制御端子、38 第1合成信号端子、40 第1電源端子、50 制御部、52 本体部コネクタ、54 第2制御端子、60 第2合成信号端子、62 第2電源端子、64 A/D変換回路、66 信号処理部、68 無線部、70 電源回路、72 演算デバイス。