(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】乗降支援装置及び乗降支援方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20240516BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240516BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G08G1/16 A
(21)【出願番号】P 2020138655
(22)【出願日】2020-08-19
【審査請求日】2023-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】金子 庸平
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-086930(JP,A)
【文献】特開2018-127154(JP,A)
【文献】特開2020-111226(JP,A)
【文献】特開2014-085869(JP,A)
【文献】特開2008-158578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配車リクエストに応じて配車された配車車両に乗員が乗降する際の、前記配車車両の停車位置を制御するコンピュータを備える乗降支援装置であって、
前記コンピュータは、
前記乗員に身体障害者が含まれることを示すデータを取得し、
乗降する前記乗員のために設けられる、車道と歩道との境界から前記配車車両の歩道側の側面までの乗降スペースを、前記乗員に身体障害者が含まれない場合よりも大きくする位置を、前記配車車両の乗降位置として設定し、
前記配車車両とは異なる車両である支援車両を特定し、
前記乗降スペースの前方または後方の位置を、前記支援車両の目標停車位置として設定し、
前記乗降位置を前記配車車両に送信し、前記目標停車位置を前記支援車両に送信する
ことを特徴とする乗降支援装置。
【請求項2】
前記コンピュータは、
前記乗降スペースを遮ることができる車幅を有する車両を前記支援車両として特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の乗降支援装置。
【請求項3】
前記コンピュータは、
前記支援車両から、前記支援車両が前記目標停車位置に停車した信号を受信した場合に、前記身体障害者が前記配車車両から乗降することを許可する信号を前記配車車両に送信する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の乗降支援装置。
【請求項4】
前記コンピュータは、
前記支援車両が前記目標停車位置に停車してから、前記身体障害者が乗降を完了するまでの間、前記支援車両の移動を禁止する信号を前記支援車両に送信する
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の乗降支援装置。
【請求項5】
前記コンピュータは、
前記配車車両が前記乗降位置に停車する予定停車時刻を取得し、
前記乗降位置から所定距離範囲内の、前記配車車両とは異なる他車両の配車計画を取得し、
前記予定停車時刻から所定時間内に、前記乗降位置から所定距離範囲内に配車計画を有する他車両のなかから前記支援車両を特定する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の乗降支援装置。
【請求項6】
前記コンピュータは、
前記支援車両が前記目標停車位置に停車し、前記配車車両の乗員が前記配車車両への乗降を完了するまで前記目標停車位置で待機するように前記支援車両の配車計画を変更し、
変更した前記支援車両の配車計画を、前記支援車両に送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の乗降支援装置。
【請求項7】
前記コンピュータは、
変更した前記支援車両の配車計画を承認するか否かを確認する通知を、前記支援車両の配車を予約したユーザが所持する端末装置に送信し、
前記端末装置から、変更した前記支援車両の配車計画を承認する通知を受信した場合、変更した前記支援車両の配車計画を前記支援車両に送信する
ことを特徴とする、請求項6に記載の乗降支援装置。
【請求項8】
前記コンピュータは、
前記予定停車時刻から所定時間内に、前記乗降位置から所定距離範囲内に配車計画を有する他車両がない場合、前記乗降位置から所定距離範囲内の空車車両を前記支援車両として特定する
ことを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の乗降支援装置。
【請求項9】
前記コンピュータは、
前記予定停車時刻から所定時間内に、前記乗降位置から所定距離範囲内に配車計画を有する他車両の各々の乗員の情報を取得し、前記予定停車時刻から所定時間内に、前記乗降位置から所定距離範囲内に配車計画を有する他車両のなかから、乗員に身体障害者が含まれない車両を前記支援車両として特定する
ことを特徴とする請求項5~8のいずれか1項に記載の乗降支援装置。
【請求項10】
前記コンピュータは、
前記乗降スペースの前方の位置よりも後方の位置を優先して、前記目標停車位置として設定する
ことを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の乗降支援装置。
【請求項11】
配車リクエストに応じて配車された配車車両に乗員が乗降する際の、前記配車車両の停車位置を制御するコンピュータ
による乗降支援方法であって、
前記コンピュータは、
前記乗員に身体障害者が含まれることを示すデータを取得し、
乗降する前記乗員のために設けられる、車道と歩道との境界から前記配車車両の歩道側の側面までの乗降スペースを、前記乗員に身体障害者が含まれない場合よりも大きくする位置を、前記配車車両の乗降位置として設定し、
前記配車車両とは異なる車両である支援車両を特定し、
前記乗降スペースの前方または後方の位置を、前記支援車両の目標停車位置として設定し、
前記乗降位置を、前記配車車両に送信し、前記目標停車位置を、前記支援車両に送信する
ことを特徴とする乗降支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗降支援装置及び乗降支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、身体障害者がより快適に降車することができる位置に車両を容易に駐車させることができる駐車支援装置が開示されている。この駐車支援装置は、車両に身体障害者が乗車している場合、身体障害者が乗車していない場合に比べて、身体障害者が降車する車両の側面側の降車スペースが大きくなる位置に車両を駐車させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の駐車支援装置は、身体障害者が駐車場(駐車可能スペース)に駐車された車両から降車する場合を想定しており、身体障害者が車道上に停車されたタクシーなどの配車車両に乗降する場合を想定していない。身体障害者が車道上に停車された車両に乗降する場合に、車両の側面側の乗降スペースを大きく設定すると、歩道と車道の境界線から、停車した車両の側面との間隔が広くなる。そのため、自転車やバイクなどの軽車両が乗降スペースを通過しようとして、乗降スペースに侵入してしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、停車時の乗降スペースが大きく設定された車両が車道上に停車する場合に、軽車両が乗降スペースを通過することを抑制できる乗降支援装置及び乗降支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る乗降支援装置は、配車リクエストに応じて配車された配車車両に乗員が乗降する際の、配車車両の停車位置を制御するコンピュータを備える。この乗降支援装置のコンピュータは、乗員に身体障害者が含まれることを示すデータを取得し、乗降する乗員のために設けられる、車道と歩道との境界から配車車両の歩道側の側面までの乗降スペースを、乗員に身体障害者が含まれない場合よりも大きくする位置を、配車車両の乗降位置として設定する。そして、配車車両とは異なる車両である支援車両を特定し、乗降スペースの前方または後方の位置を、支援車両の目標停車位置として設定し、乗降位置を配車車両に送信し、目標停車位置を前記支援車両に送信する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、停車時の乗降スペースが大きく設定された車両が車道上に停車する場合に、軽車両が乗降スペースを通過することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る乗降支援装置を含む配車システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の乗降スペース、乗降位置及び目標停車位置について説明するための図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係る乗降支援装置による乗降支援の処理手順を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態に係る乗降支援装置による支援車両を特定するための処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態に係る乗降支援装置が作成する配車提案の一例を説明する図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2実施形態に係る乗降支援装置による乗降支援の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[第1実施形態]
以下、本発明を適用した第1実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
[配車システムの構成例]
図1を参照して、本実施形態に係る乗降支援装置を含む配車システムの構成例を説明する。本実施形態に係る配車システム10は、ユーザが車両の配車を依頼する配車リクエストに応じて車両を配車するシステムである。
【0011】
配車システム10は、サーバ20と、配車車両40と、支援車両50と、配車システム10により提供される配車サービスのユーザが所持するユーザ端末60とを主体に構成されている。なお本実施形態では、乗降支援装置24はサーバ20に搭載される。
【0012】
サーバ20は、無線または有線のネットワークを介して、配車車両40、支援車両50及びユーザ端末60と通信する。なお、ネットワークは、例えばインターネットであり、4G/LTEや5Gなどのモバイル通信機能を利用するものであってもよい。
【0013】
サーバ20は、ユーザ端末60から送信された配車リクエストに応じた配車を行うための処理(「配車処理」と呼ぶ)と、配車車両40の乗員に身体障害者が含まれる場合に、乗員の乗降を支援するための処理(「乗降支援処理」と呼ぶ)を行うコントローラ(情報処理ユニット)である。サーバ20の設置場所は特に限定されないが、例えばサーバ20は、配車車両40及び支援車両50を運用する事業者の管理センタに設置される。サーバ20は、通信装置21と、記憶装置22と、マイクロプロセッサとを備えるコンピュータである。マイクロプロセッサが有する情報処理機能及び演算処理機能のうち、配車処理に係る機能を配車装置23と呼び、乗降支援処理に係る機能を乗降支援装置24と呼ぶ。
【0014】
通信装置21は、ネットワークアダプタなどのハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、ネットワークなどを介した有線または無線の通信を実現できるように構成されている。
【0015】
通信装置21は、ネットワークを介して配車車両40、支援車両50、支援車両候補54及びユーザ端末60との間で通信を行う。なお、通信装置21は、例えば、4G/LTEなどのモバイル通信機能を備えたデバイスであってもよいし、Wifi(登録商標)通信機能を備えたデバイスであってもよい。
【0016】
記憶装置22は、配車サービスに必要な各種の情報やデータベースを格納する。記憶装置22は、例えば、配車装置23により作成された配車車両40の配車計画を記憶する。また、記憶装置22は、配車車両40の走行ルートを演算するための地図情報を保有する地図データベース、配車車両40から取得された車両情報を管理する車両データベース、ユーザ端末60から取得したユーザ情報を管理するユーザデータベースなどを格納する。
【0017】
[配車装置の構成]
配車装置23は、サーバ20のマイクロプロセッサが有する情報処理機能及び演算処理機能のなかの、配車処理に係る機能を指す。配車装置23は、ユーザ端末60から受信した配車リクエストを取得し、車両データベースから車両の情報を取得し、取得した情報に基づいて、ユーザに配車する配車車両40を決定する。配車リクエストには、少なくともユーザが希望する乗降地の情報が含まれる。なお、配車リクエストには、乗員に身体障害者が含まれるか否かの情報が含まれてもよい。配車装置23は、メモリ(
図1では図示を省略)などに記憶されている様々なコンピュータプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる各種の命令を実行する。
【0018】
配車装置23は、配車車両40の配車計画を作成し、配車車両40の走行ルートを演算する。配車計画には、ユーザの乗降地、配車車両40が乗降地に停車する予定停車時刻等が含まれている。配車装置23は、作成した配車計画及び演算した走行ルートを、配車車両40に送信し、配車車両40の配車計画を配車車両40のユーザが所持するユーザ端末60に送信する。
【0019】
[乗降支援装置の構成]
乗降支援装置24は、サーバ20のマイクロプロセッサが有する情報処理機能及び演算処理機能のなかの、乗降支援処理に係る機能を指す。乗降支援装置24は、配車リクエストに応じて配車された配車車両40に乗員が乗降する際の、配車車両40の停車位置を制御するための処理を行う。
【0020】
乗降支援装置24は、配車車両40の乗員に身体障害者が含まれる場合に、配車車両40が車道上に停車する際の停車位置を設定する。また、乗降支援装置24は、配車車両40の乗員に身体障害者が含まれる場合に、配車車両40の乗員の乗降を支援するための支援車両50を特定し、特定した支援車両50の停車位置を設定する。
【0021】
乗降支援装置24は、メモリ(
図1では図示を省略)などに記憶されている様々なコンピュータプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる各種の命令を実行する。プログラムを実行することにより、乗降支援装置24は、サーバ20が備える複数の機能のなかの、乗降支援処理に係る機能を実現する。
【0022】
乗降支援装置24は、情報取得部241と、乗降位置設定部242と、支援車両特定部243と、目標停車位置設定部244と、送信部245とを備えている。
【0023】
なお、本実施形態では、汎用のコンピュータにインストールされるソフトウェアによってサーバ20が備える複数の情報処理回路を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、乗降支援装置24を、サーバ20とは異なる個別のサーバにより構成してもよい。また、乗降支援装置24は、配車車両40に搭載されてもよい。
【0024】
情報取得部241は、配車リクエストに基づいて、配車車両40の乗員の情報を取得し、配車車両40の乗員に身体障害者が含まれるか否かを判断する。情報取得部241は、例えば、ユーザデータベースを参照して、配車リクエストを送信したユーザが予め登録したユーザ情報を取得する。ユーザ情報には、例えば障害者手帳の手帳番号のような、ユーザが身体障害者であることを示す情報が含まれる。なお、ユーザ情報には、車いす使用の有無などの情報が含まれてもよい。また、情報取得部241は、配車リクエスト又は配車車両40に搭載されたカメラなどのセンサから、配車車両40の乗員に身体障害者が含まれることを示す情報を取得してもよい。あるいは、ユーザが配車リクエストを送信する際に乗員に身体障害者が含まれるであることをユーザに申告してもらってもよい。
【0025】
乗降位置設定部242は、配車車両40の乗員に身体障害者が含まれる場合に、配車車両40の停車位置を乗降位置P4として設定する。
図2を参照して、乗降位置P4の設定方法を説明する。
【0026】
図2では、配車車両40の乗員に車いすを使用する身体障害者が含まれる場合に、配車車両40が、乗員を乗降させるために車道上に停車する。この際、車いすを使用する身体障害者がスムーズに配車車両40に乗降するためには、車道と歩道との境界から配車車両40の歩道側の側面までの乗降スペースAを十分に確保する必要がある。
【0027】
したがって、配車車両40は、配車車両40の乗員に身体障害者が含まれない場合よりも乗降スペースAを大きくする位置に停車する必要がある。乗降位置設定部242は、乗降スペースAを十分に確保するために、車道と歩道との境界から配車車両40の歩道側の側面までの距離が距離Daとなる位置を、配車車両40の乗降位置P4として設定する。距離Da(乗降スペースAの幅)は、車いすの全長よりも長く設定される。距離Daは、例えば、1.2mに設定される。
【0028】
配車車両40が乗降位置P4に停車すると、自転車やバイクなどの軽車両70が乗降スペースAを通過しようとして、乗降スペースAに侵入してしまう場合がある。そこで、乗降支援装置24は、配車システム10が管理する、配車車両40とは異なる配車車両(以下において、「他車両」という。)のなかから支援車両50を特定し、乗降スペースAの前方または後方に支援車両50を停車させるための処理を行う。
【0029】
支援車両特定部243は、配車車両40の乗員に身体障害者が含まれる場合に、配車車両40の乗員の乗降を支援するための支援車両50を特定する。支援車両特定部243は、乗降スペースAを遮ることができる車幅を有する他車両を、支援車両50として特定する。支援車両特定部243が支援車両50を特定するための具体的な処理内容は、
図4を参照して後述する。
【0030】
目標停車位置設定部244は、支援車両50の停車位置を、目標停車位置P5に設定する。目標停車位置P5は、
図2に示すように、乗降スペースAの後方の位置であって、支援車両50が乗降スペースAを遮るように停車するような位置に設定される。なお、
図2では、乗降スペースAの後方の位置に目標停車位置P5を設定したが、目標停車位置設定部244は、乗降スペースAの前方の位置であって、支援車両50が乗降スペースAを遮るように停車するような位置に目標停車位置P5を設定してもよい。
【0031】
目標停車位置設定部244は、車道と歩道との境界から支援車両50の歩道側の側面までの距離が距離Dbとなるような位置を目標停車位置P5として設定する。距離Dbは、距離Daよりも短く、軽車両が乗降スペースAに侵入することを妨げることが可能な長さに設定される。距離Dbは、例えば、0.3mに設定される。目標停車位置設定部244は、乗降スペースAの前方よりも後方を優先して目標停車位置P5を設定する。目標停車位置設定部244は、乗降スペースAの後方に支援車両50を停車させることが困難な場合、例えば乗降スペースAの後方が停車禁止スペースであるような場合には、目標停車位置P5を乗降スペースAの前方に設定する。なお、乗降スペースAの後方に支援車両50を停車させる場合、支援車両50の前端から配車車両40の後端までの距離は、例えば、0.5m~2.0mであることが望ましい。これにより、軽車両が乗降スペースAに侵入することを妨ぐことができる。
【0032】
送信部245は、配車車両40の乗降支援に必要な情報を、通信装置21を介して配車車両40、支援車両50及びユーザ端末60に送信する。送信部245は、例えば、乗降位置P4の情報を、配車車両40に送信する。送信部245は、例えば、配車計画、走行ルート及び目標停車位置P5の情報を、支援車両50に送信する。送信部245は、例えば、支援車両候補54の配車提案を、支援車両候補54のユーザが所持するユーザ端末60に送信する。配車提案については、
図5を用いて後述する。
【0033】
[配車車両の構成]
配車車両40は、ユーザが指定する目的地(ユーザの行き先)までの移動手段を提供する乗り物であって、運転者が乗車して全て又は主要な運転操作を行う手動運転車両でもよく、運転者の有無に関わらず車両が自律的に走行する自動運転車両でもよい。配車システム10には、複数台の配車車両が登録されているものとする。第1実施形態では、配車車両40は、運転者が乗車しない自動運転車両として説明する。
【0034】
配車車両40は、通信装置41と、車両ECU(Electronic Control Unit)42と、GPS受信機43とを備える。
【0035】
通信装置41は、通信装置21、通信装置51及び通信装置61と同様の構成を備えており、ネットワークを介してサーバ20と通信する。通信装置41は、例えば、配車計画、走行ルート及び乗降位置P4などの所定の情報をサーバ20から取得する。通信装置41は、車両情報、GPS受信機43によって取得された位置情報などの所定の情報をサーバ20に送信する。
【0036】
車両ECU42は、配車車両40の走行を制御するためのコンピュータである。車両ECU42は、サーバ20からの指令に基づいて各種のアクチュエータ(例えば、ブレーキアクチュエータ、アクセルアクチュエータ、ステアリングアクチュエータなど)を制御する。
【0037】
[支援車両の構成]
支援車両50は、配車車両40の乗員に身体障害者が含まれる場合に、配車システム10が管理する配車車両40とは異なる配車車両のなかから、乗降支援装置24によって特定される。支援車両50は、通信装置51と、車両ECU52と、GPS受信機53とを備える。なお、支援車両50は、乗降スペースAを遮ることができる車幅を有する。具体的には、支援車両50は、乗降スペースAの幅と同等又は乗降スペースAの幅よりも広い車幅を有する。
【0038】
通信装置51は、通信装置21、通信装置41及び通信装置61と同様の構成を備えており、ネットワークを介してサーバ20と通信する。通信装置51は、例えば、配車計画、目標停車位置P5などの所定の情報をサーバ20から取得する。通信装置51は、車両情報、GPS受信機53によって取得された位置情報などの所定の情報をサーバ20に送信する。車両ECU52は車両ECU42と同様であるため、説明を省略する。
【0039】
[ユーザ端末の構成]
ユーザ端末60は、通信装置61と、コントローラ62と、GPS受信機63と、入力部64と、表示部65とを備える。ユーザ端末60は、例えば、スマートフォン、タブレットなどである。また、ユーザ端末60は、ウェアラブル型の装置であってもよい。
【0040】
通信装置61は、通信装置21、通信装置41及び通信装置51と同様の構成を備えており、ネットワークを介してサーバ20と通信する。通信装置61は、例えば、配車計画及び配車提案などの所定の情報を、サーバ20から取得する。通信装置61は、例えば、配車リクエスト及びGPS受信機63によって取得されたユーザ端末60の位置情報、配車提案を承認するか否かなどの所定の情報を、サーバ20に送信する。
【0041】
コントローラ62は、通信装置61、GPS受信機63、入力部64、表示部65と接続されている。コントローラ62には、通信装置61、GPS受信機63、入力部64からの情報が入力され、コントローラ62からは通信装置61、表示部65への情報が出力される。なお、コントローラ62は、CPU、メモリ、及び入出力部を備える汎用のマイクロコンピュータである。
【0042】
表示部65は、配車システム10によって配車される配車車両40の情報や、配車車両40と待ち合わせる乗車地に関する情報等を表示する。配車車両40の情報及び乗車地に関する情報は、通信装置61により、ネットワークを介してサーバ20から取得する。また、表示部65は、後述する乗降支援装置24によって作成された配車提案を表示する。
【0043】
入力部64は、配車システム10に対するユーザからの各種の指示に対応するユーザの操作を受け付ける。入力部64は、例えば、表示部65によって提示した配車提案をユーザが承認するか否かの回答を受け付ける。
【0044】
次に、
図3及び
図4を参照し、第1実施形態に係る乗降支援装置24の動作の流れを説明する。
【0045】
まず、
図3のステップS10において、情報取得部241は、配車車両40の乗員の情報を取得する。ステップS11に進み、情報取得部241は、配車車両40の乗員に身体障害者が含まれるか否かを判定する。配車車両40の乗員に身体障害者が含まれる場合には、ステップS11で肯定判定され、ステップS12に進む。一方、配車車両40の乗員に身体障害者が含まれない場合には、ステップS11で否定判定され、乗降支援装置24は
図3の処理を終了する。
【0046】
ステップS12において、乗降位置設定部242は、配車車両40の停車位置を乗降位置P4として設定する。ステップS13に進み、送信部245は、設定した乗降位置P4の情報を、配車車両40に送信する。
【0047】
図3のステップS14に進み、支援車両特定部243は、支援車両50を特定する処理を実行する。
図4を参照して、支援車両50の特定方法を説明する。
【0048】
[支援車両の特定方法]
図4のステップS1401において、支援車両特定部243は、配車車両40が乗降位置P4に停車する予定停車時刻を取得する。ステップS1402に進み、支援車両特定部243は、乗降位置P4から所定距離範囲内の、配車車両40とは異なる他車両の配車計画を取得する。
【0049】
ステップS1403に進み、支援車両特定部243は、予定停車時刻から所定時間内に、乗降位置P4から所定距離範囲内に停車する配車計画又は乗降位置P4から所定距離範囲内を通過する配車計画を有する他車両があるか否かを判定する。配車車両40の予定停車時刻を13:00、所定時間を10分、所定距離を1kmとした場合を例に説明する。この場合、支援車両特定部243は、12:50~13:10に、乗降位置P4から1km以内に停車する配車計画又は乗降位置P4から1km以内を通過する配車計画を有する他車両があるか否かを判定する。
【0050】
予定停車時刻から所定時間内に、乗降位置P4から所定距離範囲内に配車計画を有する他車両がある場合には、ステップS1403で肯定判定され、ステップS1404に進む。一方、予定停車時刻から所定時間内に、乗降位置P4から所定距離範囲内に配車計画を有する他車両がない場合には、ステップS1403で否定判定され、ステップS1409に進む。
【0051】
ステップS1404において、支援車両特定部243は、予定停車時刻から所定時間内に、乗降位置P4から所定距離範囲内に配車計画を有する他車両のなかから、乗降位置P4に最も近い位置に停車する又は通過する配車計画を有し、配車提案をユーザに確認していない車両を、支援車両候補54として抽出する。支援車両特定部243は、前記予定停車時刻から所定時間内に、前記乗降位置から所定距離範囲内に配車計画を有する他車両の乗員の情報を取得し、乗員に身体障害者が含まれない車両を支援車両候補54として抽出する。なお、支援車両候補54は、配車リクエストに応じて配車され、ユーザの乗車地に向かって走行中の車両であってもよく、既にユーザを乗車させ、ユーザの降車地に向かって走行中の車両であってもよい。以降の説明では、支援車両特定部243は、配車リクエストに応じて配車され、他車両のユーザの乗車地に向かって走行中の他車両を、支援車両候補54として抽出したものとする。
【0052】
ステップS1405に進み、支援車両特定部243は、支援車両候補54の配車計画を、配車車両40の乗降地に停車し、配車車両40の乗員が配車車両40の乗降を完了するまで、配車車両40の乗降地に待機するように変更する。例えば、支援車両特定部243は、支援車両候補54のユーザの乗車地を、配車車両40のユーザの乗降地と同じに位置になるように、支援車両候補54の配車計画を変更する。
【0053】
ステップS1406に進み、支援車両特定部243は、変更した支援車両候補54の配車計画を承認するか否かを、支援車両候補54のユーザに確認する配車提案を作成する。ここで、
図5を参照して、配車提案の例を説明する。支援車両特定部243は、支援車両候補54の配車計画を変更した場合に、支援車両候補54のユーザが現在地から乗車地に移動するための所要時間と、支援車両候補54が乗車地で待機する待機時間を演算し、配車提案とする。また、支援車両特定部243は、支援車両候補54のユーザの現在地から、変更後の乗車地までの案内ルートを演算し、配車提案とする。送信部245は、作成した配車提案を、支援車両候補54のユーザが所持するユーザ端末60に送信する。
【0054】
表示部65は、受信した配車提案を表示する。入力部64は、支援車両候補54のユーザが配車提案を承認するか否かの回答を受け付け、サーバ20に送信する。
【0055】
ステップS1407に進み、支援車両特定部243は、支援車両候補54のユーザが配車提案を承認したか否かを判定する。ユーザ端末60から配車提案を承認する信号を受信した場合、すなわち支援車両候補54のユーザが配車提案を承認した場合には、ステップS1407で肯定判定され、ステップS1411に進む。一方、配車提案を承認する信号を受信しない場合、すなわち支援車両候補54のユーザが配車提案を承認しない場合には、ステップS1407で否定判定され、ステップS1408に進む。
【0056】
ステップS1408において、支援車両特定部243は、ステップS1403で肯定的に判定された全ての他車両の配車提案がステップS1407で否認されたか否かを判定する。ステップS1408で肯定判定される場合、ステップS1409に進む。一方、ステップS1408で否定判定される場合、ステップS1404に戻る。
【0057】
ステップS1409において、支援車両特定部243は、乗降位置P4から所定距離範囲内の空車車両を探索する。なお、ステップS1409において空車車両を探索する場合の所定距離範囲は、ステップS1403における所定距離範囲と同じに設定されてもよく、ステップS1403における所定距離範囲とは異なるように設定されてもよい。
【0058】
ステップS1410に進み、支援車両特定部243は、乗降位置P4から所定距離範囲内の空車車両があるか否かを判定する。乗降位置P4から所定距離範囲内の空車車両がある場合には、ステップS1410で肯定判定され、ステップS1411に進む。一方、乗降位置P4から所定距離範囲内の空車車両がない場合には、ステップS1410で否定判定され、ステップS1402に戻る。空車車両とは、配車システム10に登録されている配車車両のうちの配車計画を有していない車両である。
【0059】
ステップS1411において、支援車両特定部243は、支援車両候補54又は空車車両を、支援車両50として特定し、
図3のステップS15に進む。支援車両特定部243は、空車車両を支援車両50として特定する場合は、乗降位置P4から所定距離範囲内の、乗降位置P4に最も近い位置にいる空車車両を支援車両50として特定する。
【0060】
図3のステップS15において、支援車両特定部243は、支援車両50の配車計画を決定する。支援車両特定部243は、支援車両候補54を支援車両50として特定した場合は、ステップS1405で変更した支援車両候補54の配車計画を、支援車両50の配車計画とする。一方、空車車両を支援車両50として特定した場合は、配車車両40の乗降地に停車し、配車車両40の乗員が配車車両40の乗降を完了するまで、配車車両40の乗降地に待機するような配車計画を作成し、支援車両50の配車計画とする。支援車両特定部は、支援車両50の走行ルートを演算する。送信部245は、支援車両50の配車計画及び走行ルートを、支援車両50に送信する。
【0061】
図3のステップS16に進み、目標停車位置設定部244は、支援車両50の停車位置を、目標停車位置P5に設定する。ステップS17に進み、送信部245は、設定した目標停車位置P5の情報を、支援車両50に送信し、
図3の処理を終了する。
【0062】
[第1実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係る乗降支援装置は、乗員に身体障害者が含まれることを示すデータを取得し、乗降する乗員のために設けられる、車道と歩道との境界から前記配車車両の歩道側の側面までの乗降スペースを、乗員に身体障害者が含まれない場合よりも大きくする位置を、配車車両の乗降位置として設定する。この際、配車車両とは異なる車両である支援車両を特定する。そして、乗降スペースの前方または後方の位置を、支援車両の目標停車位置として設定し、乗降位置を配車車両に送信し、目標停車位置を前記支援車両に送信する。
【0063】
これにより、身体障害者が乗降する車両の乗降スペースが大きく設定された場合に、乗降スペースの前方または後方に支援車両を停車させることができ、自転車やバイクなどの軽車両が乗降スペースを通過することを抑制できる。よって、乗降中の身体障害者と軽車両の接触事故の発生を抑制できる。また、身体障害者が配車車両を乗降する際に、乗降スペース内に侵入してきた軽車両が乗降スペースを通過するまで待機する時間が削減され、身体障害者がスムーズに配車車両を乗降できる。
【0064】
本実施形態に係る乗降支援装置は、前記乗降スペースを遮ることができる車幅を有する車両を前記支援車両として特定する。これにより、乗降スペースの前方または後方に支援車両を停車した場合に、自転車やバイクなどの軽車両が乗降スペースを通過することを抑制できる。
【0065】
本実施形態に係る乗降支援装置は、配車車両が乗降位置に停車する予定停車時刻を取得し、乗降位置から所定距離範囲内の、配車車両とは異なる他車両の配車計画を取得する。そして、予定停車時刻から所定時間内に、乗降位置から所定距離範囲内に配車計画を有する他車両のなかから支援車両を特定する。これにより、身体障害者が乗降する乗降位置の近くに配車計画を有し、身体障害者が乗降する間の待機時間が短い車両を優先的に支援車両として特定でき、支援車両の走行コストと支援車両の乗員の待機時間を低減できる。
【0066】
本実施形態に係る乗降支援装置は、支援車両が目標停車位置に停車し、配車車両の乗員が配車車両への乗降を完了するまで目標停車位置で待機するように支援車両の配車計画を変更し、変更した支援車両の配車計画を、支援車両に送信する。これにより、身体障害者が乗降する車両の乗降スペースが大きく設定された場合に、乗降スペースの前方または後方に支援車両を停車させることができ、自転車やバイクなどの軽車両が乗降スペースを通過することを抑制できる。よって、乗降中の身体障害者と軽車両の接触事故の発生を抑制できる。また、身体障害者が配車車両を乗降する際に、乗降スペース内に侵入してきた軽車両が乗降スペースを通過するまで待機する時間が削減され、身体障害者がスムーズに配車車両を乗降できる。
【0067】
本実施形態に係る乗降支援装置は、変更した前記支援車両の配車計画を承認するか否かを確認する通知を、前記支援車両の配車を予約したユーザが所持する端末装置に送信し、
前記端末装置から、変更した前記支援車両の配車計画を承認する通知を受信した場合、変更した前記支援車両の配車計画を前記支援車両に送信する。これにより、身体障害者が乗降する車両の乗降スペースが大きく設定された場合に、乗降スペースの前方または後方に支援車両を停車させることができ、自転車やバイクなどの軽車両が乗降スペースを通過することを抑制できる。よって、乗降中の身体障害者と軽車両の接触事故の発生を抑制できる。また、身体障害者が配車車両を乗降する際に、乗降スペース内に侵入してきた軽車両が乗降スペースを通過するまで待機する時間が削減され、身体障害者がスムーズに配車車両を乗降できる。
【0068】
本実施形態に係る乗降支援装置は、予定停車時刻から所定時間内に、乗降位置から所定距離範囲内に配車計画を有する他車両がない場合、乗降位置から所定距離範囲内の空車車両を支援車両として特定する。これにより、身体障害者が配車車両に乗降する乗降位置の近くに配車計画を有する他車両がない場合でも、身体障害者が配車車両に乗降する乗降位置の近くの車両を支援車両として特定でき、支援車両の走行コストを抑制できる。
【0069】
本実施形態に係る乗降支援装置は、予定停車時刻から所定時間内に、乗降位置から所定距離範囲内に配車計画を有する他車両の乗員の情報を取得し、前記予定停車時刻から所定時間内に、前記乗降位置から所定距離範囲内に配車計画を有する他車両のなかから、乗員に身体障害者が含まれない車両を支援車両として特定する。この場合、支援車両を目標停車位置に停車する際に、支援車両の乗員が乗降するための乗降スペースを大きく設定する必要がない。したがって、配車車両の乗降スペースを自転車やバイクなどの軽車両が通過することを抑制できる位置に支援車両を停車できる。
【0070】
本実施形態に係る乗降支援装置は、乗降スペースの前方の位置よりも後方の位置を優先して、目標停車位置として設定する。これにより、身体障害者が乗降する車両の乗降スペースが大きく設定された場合に、乗降スペースの前方または後方に支援車両を停車させることができ、自転車やバイクなどの軽車両が乗降スペースを通過することを抑制できる。よって、乗降中の身体障害者と軽車両の接触事故の発生を抑制できる。また、身体障害者が配車車両を乗降する際に、乗降スペース内に侵入してきた軽車両が乗降スペースを通過するまで待機する時間が削減され、身体障害者がスムーズに配車車両を乗降できる。
【0071】
本実施形態に係る乗降支援装置24は、支援車両候補54の配車提案を1案のみ作成して、支援車両候補54のユーザが所持するユーザ端末60に送信したが、配車提案を複数案作成して、支援車両候補54のユーザが所持するユーザ端末60に送信してもよい。例えば、支援車両特定部243は、支援車両候補54のユーザの乗車地を、配車車両40のユーザの乗降地とするように、支援車両候補54の配車計画を変更する第1の配車提案を作成する。
【0072】
支援車両候補54のユーザが乗車後に、配車車両40のユーザの乗降地まで走行し、配車車両40の乗員の乗降が完了するまで、配車車両40のユーザの乗降地で待機するように、支援車両候補54の配車計画を変更する第2の配車提案を作成する。この場合、支援車両特定部243は、第1及び第2の配車提案をリストにして支援車両候補54のユーザが所持するユーザ端末60に送信し、どちらか一方の配車提案を支援車両候補54のユーザに選択させ、配車提案を承認するか否かを確認してもよい。
【0073】
[第2実施形態]
以下、本発明を適用した第2実施形態について図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0074】
本実施形態に係る配車システム10の構成は、第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
【0075】
図6を参照して、第2実施形態に係る乗降支援装置24の動作の流れを説明する。本実施形態に係る乗降支援方法では、
図3に示すステップS10~17と同様な処理を実行する。その後、配車車両40及び支援車両50の制御に関する処理を、
図6のステップS21~25により実行する。
【0076】
ステップS21において、情報取得部241は、支援車両50が目標停車位置P5に停車した信号を支援車両50から受信する。ステップS22に進み、送信部245は、目標停車位置P5からの移動を禁止する信号を支援車両50に送信し、ステップS23に進む。
【0077】
ステップS23において、送信部245は、配車車両40の乗員の乗降を許可する信号を、配車車両40に送信する。配車車両40は、配車車両40のドアをアンロックし、配車車両40の乗員の乗降を許可する。なお、送信部245は、配車車両40の乗員の乗降を許可する信号を、配車車両40のユーザが所持するユーザ端末に送信してもよい。
【0078】
ステップS24に進み、情報取得部241は、配車車両40の乗員が乗降を完了した信号を配車車両40から受信する。ステップS25に進み、送信部245は、支援車両50の移動を許可する信号を支援車両50に送信し、
図6の処理を終了する。
【0079】
[第2実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係る乗降支援装置は、支援車両から、支援車両が目標停車位置に停車した信号を受信した場合に、身体障害者が配車車両から乗降することを許可する信号を配車車両に送信する。これにより、支援車両が乗降スペースの前方または後方に確実に停車している状態で、身体障害者が配車車両の乗降を開始できる。よって、軽車両が乗降スペースを通過することが抑制された状態で、身体障害者が配車車両の乗降を開始できる。
【0080】
また、本実施形態に係る乗降支援装置は、支援車両が目標停車位置に停車してから、身体障害者が乗降を完了するまでの間、支援車両の移動を禁止する信号を支援車両に送信する。これにより、身体障害者が配車車両を乗降している間は、支援車両が乗降スペースの前方または後方に確実に停車している状態となる。よって、身体障害者が配車車両に乗降している途中で、軽車両が乗降スペースを通過することが抑制することができる。
【0081】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【符号の説明】
【0082】
24 乗降支援装置
40 配車車両
50 支援車両
A 乗降スペース
P4 乗降位置
P5 目標停車位置