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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】レンズ鏡筒及びカメラ装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20240516BHJP
   G03B 17/04 20210101ALI20240516BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20240516BHJP
【FI】
G02B7/04 D
G03B17/04
G02B7/02 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020144089
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039189
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】平林 浩一
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-028295(JP,A)
【文献】特開2015-018003(JP,A)
【文献】特開2017-040797(JP,A)
【文献】特開2001-108883(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0128365(US,A1)
【文献】国際公開第2014/115760(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 - 7/16
G03B 17/04 -17/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1枚のレンズを収容し、光軸方向に沿って伸縮可能なレンズ鏡筒であって、
前記光軸方向に沿って延びる第1の軸方向溝と、周方向に沿って延びる第1の周方向溝とが形成された内周面を有する操作リングと、
前記操作リングの半径方向内側に配置される固定筒であって、後端部から前端部まで周方向に沿って次第に前記光軸方向の位置が前方に変化するように延びる貫通カム溝が周壁に形成され、前記光軸方向に沿って延びる第2の軸方向溝が内周面に形成された固定筒と、
前記固定筒の半径方向内側に配置され、周方向に沿って延びる第2の周方向溝が内周面に形成された回転筒と、
前記回転筒の半径方向内側に配置される直動筒と
を備え、
前記固定筒は、半径方向外側に向かって突出し、前記操作リングの前記第1の周方向溝に係合して前記第1の周方向溝の内部で移動可能な第1の係合片を有し、
前記回転筒は、
半径方向外側に向かって突出し、前記固定筒の前記貫通カム溝を通って前記操作リングの前記第1の軸方向溝に係合して前記貫通カム溝の内部及び前記第1の軸方向溝の内部で移動可能な作動ピンと、
前記作動ピンの外径よりも大きな外径で半径方向外側に突出するボス部であって、前記作動ピンが固定されるボス部と
を有し、
前記直動筒は、
半径方向外側に向かって突出し、前記固定筒の前記第2の軸方向溝に係合して前記第2の軸方向溝の内部で移動可能なスライダ突起と、
半径方向外側に向かって突出し、前記回転筒の前記第2の周方向溝に係合して前記第2の周方向溝の内部で移動可能な第2の係合片と
を有する、
レンズ鏡筒。
【請求項2】
前記固定筒の前記貫通カム溝の半径方向内側には、前記回転筒の前記ボス部を移動可能に収容し、前記貫通カム溝に沿って延びるボス溝が形成される、請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
前記固定筒の前記ボス溝には、前記回転筒の前記ボス部を保持可能な保持部が形成される、請求項2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記保持部は、前記ボス溝の終端に位置している、請求項3に記載のレンズ鏡筒。
【請求項5】
前記固定筒の内周面には、前記固定筒の後縁部から前記光軸方向に延びて前記貫通カム溝の前記後端部に接続する第1の連絡溝が形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項6】
前記固定筒の前記第1の連絡溝は前記第2の軸方向溝としても機能する、請求項5に記載のレンズ鏡筒。
【請求項7】
前記操作リングの内周面には、前記操作リングの後縁部から前記光軸方向に延びて前記第1の周方向溝の端部に接続する第2の連絡溝が形成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒。
【請求項8】
前記固定筒の前記貫通カム溝の前記前端部の終端部と前記第1の係合片との間の前記光軸周りの角度は、前記操作リングの前記第1の軸方向溝と前記第2の連絡溝との間の前記光軸周りの角度と等しい、請求項7に記載のレンズ鏡筒。
【請求項9】
リアカバーと、
フロントカバーと、
請求項1から8のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒と、
前記リアカバーと前記フロントカバーとによって形成される空間に配置されるフレームであって、前記レンズ鏡筒が固定されるフレームと
を備え、
前記操作リングは、半径方向外側に突出する突出部を有し、
前記フロントカバーは、前記回転筒の前記作動ピンが前記固定筒の前記貫通カム溝の前記前端部に位置しているときに前記操作リングの前記突出部に当接して前記操作リングの回転を規制するストッパを有する、
カメラ装置。
【請求項10】
リアカバーと、
フロントカバーと、
請求項8に記載のレンズ鏡筒と、
前記リアカバーと前記フロントカバーとによって形成される空間に配置されるフレームであって、前記レンズ鏡筒が固定されるフレームと
を備え、
前記操作リングは、半径方向外側に突出する突出部を有し、
前記フロントカバーは、前記回転筒の前記作動ピンが前記固定筒の前記貫通カム溝の前記前端部の前記終端部の手前に位置しているときに前記操作リングの前記突出部に当接して前記操作リングの回転を規制するストッパを有する、
カメラ装置。
【請求項11】
前記フロントカバーの前記ストッパは、前記フロントカバーを前記リアカバーに取り付ける際に、前記フレームに固定された前記レンズ鏡筒の前記操作リングに接触して前記操作リングを回転させる傾斜面を有する、請求項9又は10に記載のカメラ装置。
【請求項12】
前記操作リングの前記突出部は、前記フロントカバーの前記ストッパの前記傾斜面に接触する傾斜面を有する、請求項11に記載のカメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒及びカメラ装置に係り、特に少なくとも1枚のレンズを収容し、光軸方向に沿って伸縮可能なレンズ鏡筒を備えたカメラ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の筒体を移動及び回転させることにより光軸方向への伸縮を可能にしたレンズ鏡筒を備えたカメラが知られている。このようなレンズ鏡筒における筒体の移動及び回転のためには、カム機構が用いられることが一般的であるが、レンズ鏡筒に用いられるカム機構の1つとして、外側の筒体の周壁にカム溝を形成し、内側の筒体から延びる作動ピンをこのカム溝に沿って移動させることで内側の筒体の移動及び回転を制御するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、カム溝内を摺動する作動ピンには、筒体の移動及び回転の際に大きな力が作用することがあり、場合によっては作動ピンが折れてしまうことも考えられる。作動ピンが折れると、レンズ鏡筒の伸縮ができなくなるため、カメラ装置の故障を招くことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-244613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、筒体の移動及び回転を制御する作動ピンが破損しにくい構造を有するレンズ鏡筒を提供することを第1の目的とする。
【0006】
また、本発明は、故障が生じにくいカメラ装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、本発明の第1の態様によれば、筒体の移動及び回転を制御する作動ピンが破損しにくい構造を有するレンズ鏡筒が提供される。このレンズ鏡筒は、少なくとも1枚のレンズを収容し、光軸方向に沿って伸縮できるように構成される。上記レンズ鏡筒は、上記光軸方向に沿って延びる第1の軸方向溝と、周方向に沿って延びる第1の周方向溝とが形成された内周面を有する操作リングと、上記操作リングの半径方向内側に配置される固定筒と、上記固定筒の半径方向内側に配置され、周方向に沿って延びる第2の周方向溝が内周面に形成された回転筒と、上記回転筒の半径方向内側に配置される直動筒とを備える。上記固定筒の周壁には、後端部から前端部まで周方向に沿って次第に上記光軸方向の位置が前方に変化するように延びる貫通カム溝が形成され、上記固定筒の内周面には、光軸方向に沿って延びる第2の軸方向溝が内周面に形成される。上記固定筒は、半径方向外側に向かって突出し、上記操作リングの上記第1の周方向溝に係合して上記第1の周方向溝の内部で移動可能な第1の係合片を有する。上記回転筒は、半径方向外側に向かって突出し、上記固定筒の上記貫通カム溝を通って上記操作リングの上記第1の軸方向溝に係合して上記貫通カム溝の内部及び上記第1の軸方向溝の内部で移動可能な作動ピンと、上記作動ピンの外径よりも大きな外径で半径方向外側に突出するボス部とを有する。上記ボス部には上記作動ピンが固定される。上記直動筒は、半径方向外側に向かって突出し、上記固定筒の上記第2の軸方向溝に係合して上記第2の軸方向溝の内部で移動可能なスライダ突起と、半径方向外側に向かって突出し、上記回転筒の上記第2の周方向溝に係合して上記第2の周方向溝の内部で移動可能な第2の係合片とを有する。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、故障が生じにくいカメラ装置が提供される。このカメラ装置は、リアカバーと、フロントカバーと、上述したレンズ鏡筒と、上記リアカバーと上記フロントカバーとによって形成される空間に配置されるフレームとを備える。上記フレームには、上記レンズ鏡筒が固定される。上記操作リングは、半径方向外側に突出する突出部を有する。上記フロントカバーは、上記回転筒の上記作動ピンが上記固定筒の上記貫通カム溝の上記前端部に位置しているときに上記操作リングの上記突出部に当接して上記操作リングの回転を規制するストッパを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態におけるカメラ装置を示す斜視図である。
図2図2は、図1のカメラ装置におけるレンズ鏡筒を前方に繰り出しつつ、フロントカバーを取り外した状態を示す斜視図である。
図3図3は、図1のカメラ装置が沈胴状態にあるときの縦断面図である。
図4図4は、図1のカメラ装置が撮影状態にあるときの縦断面図である。
図5図5は、図1のカメラ装置のレンズ鏡筒の操作リング、固定筒、第1の回転筒、及び第1の直動筒を示す分解斜視図である。
図6図6は、図1のカメラ装置のレンズ鏡筒の第2の回転筒、第2の直動筒、及び可動レンズ筒を示す分解斜視図である。
図7A図7Aは、図5の操作リングを模式的に示す側面図である。
図7B図7Bは、図5の固定筒を模式的に示す側面図である。
図7C図7Cは、図5の第1の回転筒を模式的に示す側面図である。
図7D図7Dは、図5の第1の直動筒を模式的に示す側面図である。
図7E図7Eは、図5の第2の回転筒を模式的に示す側面図である。
図7F図7Fは、図5の第2の直動筒を模式的に示す側面図である。
図8図8は、図1のカメラ装置の沈動状態における操作リングの背面図である。
図9図9は、図1のカメラ装置の固定筒を模式的に示す縦断面図である。
図10図10は、図1のカメラ装置の第1の回転筒を模式的に示す縦断面図である。
図11図11は、図1のカメラ装置におけるフロントカバーを示す斜視図である。
図12図12は、図1のカメラ装置の沈胴状態におけるフロントカバーとレンズ鏡筒の操作リングとの関係を模式的に示す背面図である。
図13図13は、図1のカメラ装置の電源が入り撮影が可能となるときのフロントカバーとレンズ鏡筒の操作リングとの関係を模式的に示す背面図である。
図14図14は、図1のカメラ装置の撮影状態におけるフロントカバーとレンズ鏡筒の操作リングとの関係を模式的に示す背面図である。
図15図15は、図1のカメラ装置のレンズ鏡筒を組み立てる途中の状態を示す斜視図である。
図16図16は、図1のカメラ装置のレンズ鏡筒を組み立てる途中の状態を示す平面図である。
図17図17は、図7Bに示す固定筒のボス溝の一部を拡大して示す模式図である。
図18図18は、図1のカメラ装置のレンズ鏡筒を組み立てる途中の状態を示す平面図である。
図19図19は、図1のカメラ装置を組み立てる途中の状態を示す斜視図である。
図20図20は、図1のカメラ装置を組み立てる途中の状態を示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るカメラ装置の実施形態について図1から図20を参照して詳細に説明する。図1から図20において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図1から図20においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。以下の説明では、特に言及がない場合には、「第1」や「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用されているだけであり、特定の順位や順番を表すものではない。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態におけるカメラ装置1を示す斜視図である。本実施形態におけるカメラ装置1は、撮影後に自動的に現像が行われる写真フィルムを用いるカメラ(インスタントカメラ)であるが、本発明はこのようなインスタントカメラ以外にも適用できることは言うまでもない。なお、本実施形態では、便宜的に、図1における+X方向を「前」又は「前方」といい、-X方向を「後」又は「後方」ということとする。
【0012】
図1に示すように、カメラ装置1は、フロントカバー2と、フロントカバー2の後方に装着されるリアカバー3と、内部にレンズユニットを収容したレンズ鏡筒4とを備えている。フロントカバー2にはファインダ窓5が形成されており、このファインダ窓5に隣接してフラッシュ窓6が配置されている。また、ファインダ窓5の-Z方向側にはレリーズボタン7が配置されている。フロントカバー2とリアカバー3の上部には、フロントカバー2とリアカバー3の間でY方向に延びる排出スリット8が形成されている。この排出スリット8から撮影後に現像された写真フィルムが排出されるようになっている。
【0013】
本実施形態におけるレンズ鏡筒4は光軸方向に伸縮可能な構造となっている。図1に示す状態のレンズ鏡筒4は光軸方向(X方向)に最も縮んだ状態となっている。レンズ鏡筒4が図1に示す状態にあるときをカメラ装置1の「沈胴状態」ということとする。図2は、レンズ鏡筒4を光軸方向P(X方向)に最大限繰り出し、フロントカバー2を取り外した状態を示している。レンズ鏡筒4が図2に示す状態にあるときをカメラ装置1の「撮影状態」ということとする。
【0014】
図3は、沈胴状態のカメラ装置1の縦断面図、図4は、撮影状態のカメラ装置1の縦断面図である。図3及び図4においては、理解を容易にするために一部の構成要素を簡略化して示している。図2から図4に示すように、フロントカバー2とリアカバー3との間に形成される空間には、直方体状の枠体80が収容されている。この枠体80の内部には写真フィルムなどが収容されている。
【0015】
図2から図4に示すように、レンズ鏡筒4は、ユーザの手により回転可能な操作リング10と、操作リング10の半径方向内側に配置され、枠体80に例えばネジ81(図2参照)などにより固定される固定筒20と、固定筒20の半径方向内側に配置される第1の回転筒30と、第1の回転筒30の半径方向内側に配置される第1の直動筒40と、第1の直動筒40の半径方向内側に配置される第2の回転筒50と、第2の回転筒50の半径方向内側に配置される第2の直動筒60と、第2の直動筒60の半径方向内側に配置される可動レンズ筒70とを含んでいる。本実施形態においては、可動レンズ筒70の内部に1対のレンズ71,72を含むレンズユニット73が収容されている。レンズユニット73の前方には開閉自在のバリア74が配置されている。なお、レンズ鏡筒4に含まれるレンズの枚数については2枚に限られるものではない。
【0016】
図5は、レンズ鏡筒4の操作リング10、固定筒20、第1の回転筒30、及び第1の直動筒40を示す分解斜視図、図6は、レンズ鏡筒4の第2の回転筒50、第2の直動筒60、及び可動レンズ筒70を示す分解斜視図である。以下、レンズ鏡筒4を構成するこれらの部材について説明する。
【0017】
図7Aは、操作リング10を模式的に示す側面図である。図5及び図7Aに示すように、操作リング10の内周面には、操作リング10の後縁部から+X方向に延びる3つの軸方向溝11(第1の軸方向溝)と、周方向に沿って延びる3つの周方向溝12(第1の周方向溝)と、操作リング10の後縁部から+X方向に延びて周方向溝12の端部に接続する3つの連絡溝13(第2の連絡溝)とが形成されている。3つの軸方向溝11、3つの周方向溝12、及び3つの連絡溝13は、それぞれ周方向に沿って等間隔で配置されている。本実施形態では、それぞれの周方向溝12は軸周りに約90度の角度範囲にわたって形成されている。なお、図5に示すように、操作リング10の外周面には滑り止めのための凹凸14が形成されている。
【0018】
図8は、操作リング10を模式的に示す背面図である。図7A及び図8に示すように、操作リング10の後縁部の外周面には3つの凹部15A,15B,15Cが形成されている。また、操作リング10の後縁部には半径方向外側に突出する突出部16が設けられている。この突出部16にも凹部15Dが形成されている。図7Aに示すように、突出部16は、後述するフロントカバー2のストッパに当接する端面17と、端面17の+X方向側に位置する傾斜面18とを有している。なお、カメラ装置1には、操作リング10の回転角度を検出可能な接触センサや光センサなど(図示せず)が設けられている。
【0019】
図7Bは、固定筒20を模式的に示す側面図である。図5及び図7Bに示すように、固定筒20は、外周面から半径方向外側に向かって突出する3つの係合片21(第1の係合片)を有している。これらの係合片21は周方向に沿って等間隔で配置されている。それぞれの固定筒20の係合片21の光軸方向(X方向)に沿った幅(以下、軸方向幅という)は、操作リング10の周方向溝12の軸方向幅よりわずかに小さい程度であり、固定筒20の係合片21は、操作リング10の周方向溝12に係合して周方向溝12の内部を周方向に移動できるようになっている。この固定筒20の係合片21と操作リング10の周方向溝12との係合により、操作リング10は、固定筒20に対して軸方向位置を変えることなく固定筒20に対して相対的に回転できるようになっている。
【0020】
操作リング10を固定筒20に組み付ける際には、固定筒20の係合片21の周方向位置を操作リング10の連絡溝13の周方向位置に合わせ、操作リング10を固定筒20の前方から-X方向に移動させることによって、固定筒20の係合片21を操作リング10の連絡溝13の内部で軸方向(X方向)に移動させて周方向溝12の端部に移動させることができる。この状態で、操作リング10を固定筒20に対して回転させることによって、固定筒20の係合片21と操作リング10の周方向溝12とを係合させることができる。
【0021】
図5及び図7Bに示すように、固定筒20には、周壁を貫通して延びる3つの貫通カム溝22が形成されている。これらの貫通カム溝22は周方向に沿って等間隔で配置されている。それぞれの貫通カム溝22は、後端部22Aと、前端部22Bと、後端部22Aと前端部22Bとを接続する中間部22Cとを含んでいる。貫通カム溝22の中間部22Cは、後端部22Aから前端部22Bに向かって周方向に沿って次第にX方向の位置が前方に変化するように延びている。
【0022】
図9は、固定筒20を模式的に示す縦断面図である。図5図7B、及び図9に示すように、貫通カム溝22の半径方向内側には、貫通カム溝の軸方向幅よりも大きな軸方向幅を有するボス溝27が貫通カム溝22に沿って形成されている。このボス溝27は、貫通カム溝22の後端部22Aに対応する後端部27Aと、貫通カム溝22の前端部22Bに対応する前端部27Bと、貫通カム溝22の中間部22Cに対応する中間部27Cとを含んでいる。
【0023】
また、固定筒20の内周面には、固定筒20の後縁部から+X方向に延びて貫通カム溝22の後端部22A及びボス溝27に接続する3つの連絡溝23(第1の連絡溝)と、固定筒20の後縁部から+X方向に延びる3つの軸方向溝24(第2の軸方向溝)とが形成されている。3つの連絡溝23及び3つの軸方向溝24は、それぞれ周方向に沿って等間隔で配置されている。
【0024】
図7Cは、第1の回転筒30を模式的に示す側面図、図10は、第1の回転筒30を模式的に示す縦断面図である。図5図7C、及び図10に示すように、第1の回転筒30は、前方筒部36と後方筒部37とを含んでいる。また、第1の回転筒30は、外周面から半径方向外側に向かって突出する3つの円筒状の作動ピン31を有している。これらの作動ピン31は周方向に沿って等間隔で配置されている。この作動ピン31は、後方筒部37の前縁近傍で半径方向外側に突出するボス部38に取り付けられている。このボス部38の外径は、作動ピン31の外径よりも大きい。このように、作動ピン31よりも大きな外径で突出するボス部38に作動ピン31が固定されているため、作動ピン31の強度がボス部38によって補強される。したがって、後述するように貫通カム溝22の内部を摺動する際に作用する力によって作動ピン31が破損してしまうことを防止することができる。
【0025】
それぞれの作動ピン31の外径は、固定筒20の貫通カム溝22の軸方向幅及び操作リング10の軸方向溝11の周方向に沿った幅(以下、周方向幅という)よりわずかに小さい程度であり、それぞれの作動ピン31は、固定筒20の貫通カム溝22を通って操作リング10の軸方向溝11に係合している。ボス部38の外径は、固定筒20のボス溝27の軸方向幅よりわずかに小さい程度であり、また、固定筒20の連絡溝23の周方向幅より小さい。これにより、ボス部38は、固定筒20の連絡溝23を通ってボス溝27に移動でき、またボス溝27の内部を移動できるようになっている。なお、以下では、作動ピン31及びボス部38をまとめて「作動部」ということがある。
【0026】
このような構成により、第1の回転筒30の作動ピン31は、固定筒20の貫通カム溝22に係合して固定筒20の貫通カム溝22の内部を貫通カム溝22に沿って移動できるとともに、操作リング10の軸方向溝11に係合して操作リング10の軸方向溝11の内部を軸方向に沿って移動できるようになっている。この第1の回転筒30の作動ピン31と操作リング10の軸方向溝11との係合により、ユーザが操作リング10を固定筒20に対して回転させると、第1の回転筒30が操作リング10とともに固定筒20に対して回転する。このとき、第1の回転筒30の作動ピン31と固定筒20の貫通カム溝22との係合により、第1の回転筒30の回転に伴って、第1の回転筒30が貫通カム溝22の形状に沿って固定筒20に対して光軸方向に移動する。このように、ユーザが操作リング10を固定筒20に対して回転させると、第1の回転筒30が固定筒20に対して回転するとともに+X方向に繰り出すようになっている。なお、第1の回転筒30の作動ピン31が固定筒20の貫通カム溝22に沿って移動する際には、第1の回転筒30のボス部38は固定筒20のボス溝27の内部を移動する。このように、固定筒20のボス溝27によってボス部38が固定筒20に干渉しない構造となっている。
【0027】
第1の回転筒30の内周面には、周方向に沿って延びる3つの周方向溝32(第2の周方向溝)と、第1の回転筒30の後端部から+X方向に延びて周方向溝32の端部に接続する3つの連絡溝33と、第1の回転筒30の後縁部から+X方向に延びる3つの軸方向溝34とが形成されている。また、第1の回転筒30は、内周面から半径方向内側に向かって突出する3つの係合片35を有している。3つの周方向溝32、3つの連絡溝33、3つの軸方向溝34、及び3つの係合片35は、それぞれ周方向に沿って等間隔で配置されている。
【0028】
図7Dは、第1の直動筒40を模式的に示す側面図である。図5及び図7Dに示すように、第1の直動筒40は、外周面から半径方向外側に向かって突出する3つの係合片41(第2の係合片)を有している。これらの係合片41は周方向に沿って等間隔で配置されている。それぞれの係合片41の軸方向幅は、第1の回転筒30の周方向溝32の軸方向幅よりわずかに小さい程度であり、それぞれの係合片41は、第1の回転筒30の周方向溝32に係合している。これにより、第1の直動筒40の係合片41は、第1の回転筒30の周方向溝32の内部を周方向に移動できるようになっている。この第1の直動筒40の係合片41と第1の回転筒30の周方向溝32との係合により、第1の直動筒40は、第1の回転筒30に対してX方向の位置を変えることなく第1の回転筒30に対して相対的に回転できるようになっている。
【0029】
第1の直動筒40は、後縁部から半径方向外側に向かって突出する6つのスライダ突起42,43を有している。スライダ突起42及びスライダ突起43はそれぞれ周方向に沿って等間隔で配置されている。それぞれのスライダ突起42の周方向幅は、固定筒20の軸方向溝24の周方向幅よりわずかに小さい程度であり、それぞれのスライダ突起42は、固定筒20の軸方向溝24に係合している。これにより、第1の直動筒40のスライダ突起42は、軸方向溝24の内部を軸方向に移動できるようになっている。また、それぞれのスライダ突起43の周方向幅は、固定筒20の連絡溝23の周方向幅よりわずかに小さい程度であり、それぞれの第1の直動筒40のスライダ突起43は、固定筒20の連絡溝23に係合している。これにより、スライダ突起43は、連絡溝23の内部を軸方向に移動できるようになっている。このように、第1の直動筒40のスライダ突起42と固定筒20の軸方向溝24との係合及び第1の直動筒40のスライダ突起43と固定筒20の連絡溝23との係合により、第1の直動筒40は、固定筒20に対して回転することなくX方向に移動できるようになっている。
【0030】
第1の直動筒40には、周壁を貫通して延びる3つの貫通カム溝44が形成されている。これらの貫通カム溝44は周方向に沿って等間隔で配置されている。それぞれの貫通カム溝44は、後端部44Aと、前端部44Bと、後端部44Aと前端部44Bとを接続する中間部44Cとを含んでいる。貫通カム溝22の中間部44Cは、後端部44Aから前端部44Bに向かって周方向に沿って次第にX方向の位置が前方に変化するように延びている。
【0031】
また、第1の直動筒40の内周面には、第1の直動筒40の後縁部から+X方向に延びて貫通カム溝44の後端部44Aに接続する3つの連絡溝45と、固定筒20の後縁部から+X方向に延びる3つの軸方向溝46とが形成されている。さらに、第1の直動筒40の外周面には、周方向に沿って延びる3つの周方向溝47と、第1の直動筒40の前縁部から-X方向に延び周方向溝47に接続する3つの連絡溝48とが形成されている。3つの連絡溝45、3つの軸方向溝46、3つの周方向溝47、及び3つの連絡溝48は、それぞれ周方向に沿って等間隔で配置されている。
【0032】
第1の直動筒40を第1の回転筒30に組み付ける際には、第1の直動筒40の係合片41の周方向位置を第1の回転筒30の連絡溝33の周方向位置に合わせる。このとき、第1の回転筒30の係合片35の周方向位置が第1の直動筒40の連絡溝48の周方向位置と一致する。そして、第1の回転筒30を第1の直動筒40の前方から-X方向に移動させることによって、第1の回転筒30の係合片35を第1の直動筒40の連絡溝48の内部で軸方向(X方向)に移動させて周方向溝47の端部に移動させることができる。このとき、第1の直動筒40の係合片41は、第1の回転筒30の連絡溝33を通って周方向溝32の端部に移動している。この状態で、第1の回転筒30を第1の直動筒40に対して回転させることによって、第1の直動筒40の係合片41と第1の回転筒30の周方向溝32とを係合させるとともに、第1の回転筒30の係合片35と第1の直動筒40の周方向溝47とを係合させることができる。
【0033】
図7Eは、第2の回転筒50を模式的に示す側面図である。図6及び図7Eに示すように、第2の回転筒50は、外周面から半径方向外側に向かって突出する3つの円筒状の作動ピン51を有している。これらの作動ピン51は周方向に沿って等間隔で配置されている。それぞれの作動ピン51の外径は、第1の直動筒40の貫通カム溝44の軸方向幅及び第1の回転筒30の軸方向溝34の周方向幅よりわずかに小さい程度であり、それぞれの作動ピン51は、第1の直動筒40の貫通カム溝44を通って第1の回転筒30の軸方向溝34に係合している。
【0034】
このような構成により、第2の回転筒50の作動ピン51は、第1の直動筒40の貫通カム溝44に係合して第1の直動筒40の貫通カム溝44の内部を貫通カム溝44に沿って移動できるとともに、第1の回転筒30の軸方向溝34に係合して第1の回転筒30の軸方向溝34の内部を軸方向に沿って移動できるようになっている。この第2の回転筒50の作動ピン51と第1の回転筒30の軸方向溝34との係合により、第1の回転筒30が固定筒20に対して回転すると、第2の回転筒50が第1の回転筒30とともに固定筒20に対して回転する。このとき、第2の回転筒50の作動ピン51と第1の直動筒40の貫通カム溝44との係合により、第2の回転筒50の回転に伴って、第2の回転筒50が貫通カム溝44の形状に沿って第1の直動筒40に対して光軸方向(X方向)に移動する。このように、ユーザの操作により第1の回転筒30が固定筒20に対して回転すると、第2の回転筒50が第1の直動筒40に対して回転するとともに+X方向に繰り出すようになっている。
【0035】
第2の回転筒50の内周面には、6つのカム溝52と、第2の回転筒50の後縁部から+X方向に延びてカム溝52の後端部に接続する6つの連絡溝53とが形成されている。6つのカム溝52及び6つの連絡溝53は、それぞれ周方向に沿って等間隔で配置されている。それぞれのカム溝52は、後端部から前端部に向かって周方向に沿って次第にX方向の位置が前方に変化するように延びている。また、第2の回転筒50は、内周面から半径方向内側に向かって突出する3つの係合片54を有している。これらの係合片54は周方向に沿って等間隔で配置されている。
【0036】
図7Fは、第2の直動筒60を模式的に示す側面図である。図6及び図7Fに示すように、第2の直動筒60は、外周面から半径方向外側に向かって突出する3つの係合突起61を有している。これらの係合突起61は周方向に沿って等間隔で配置されている。それぞれの係合突起61の周方向幅は、第1の直動筒40の軸方向溝46の周方向幅よりわずかに小さい程度であり、それぞれの係合突起61は、第1の直動筒40の軸方向溝46に係合している。これにより、第2の直動筒60の係合突起61は、第1の直動筒40の軸方向溝46の内部を軸方向に移動できるようになっている。この第2の直動筒60の係合突起61と第1の直動筒40の軸方向溝46との係合により、第2の直動筒60は、第1の直動筒40に対して回転することなくX方向に移動できるようになっている。
【0037】
第2の直動筒60には、周壁を貫通しつつ後縁部から+X方向に延びる6つの軸方向溝62が形成されている。また、第2の直動筒60の外周面には、周方向に沿って延びる3つの周方向溝63と、第2の直動筒60の前縁部から-X方向に延び周方向溝63に接続する3つの連絡溝64とが形成されている。6つの軸方向溝62、3つの周方向溝63、及び3つの連絡溝64は、それぞれ周方向に沿って等間隔で配置されている。
【0038】
第2の直動筒60を第2の回転筒50に組み付ける際には、第2の回転筒50の係合片54の周方向位置を第2の直動筒60の連絡溝64に合わせ、第2の回転筒50を第2の直動筒60の前方から-X方向に移動させることによって、第2の回転筒50の係合片54を第2の直動筒60の連絡溝64の内部で軸方向(X方向)に移動させて周方向溝63の端部に移動させることができる。この状態で、第2の回転筒50を第2の直動筒60に対して回転させることによって、第2の回転筒50の係合片54と第2の直動筒60の周方向溝63とを係合させることができる。
【0039】
図6に示すように、可動レンズ筒70は、外周面から半径方向外側に向かって突出する6つの円筒状の作動ピン75を有している。これらの作動ピン75は周方向に沿って等間隔で配置されている。それぞれの作動ピン75の外径は、第2の直動筒60の軸方向溝62の周方向幅及び第2の回転筒50のカム溝52の軸方向幅よりわずかに小さい程度であり、それぞれの作動ピン75は、第2の直動筒60の軸方向溝62を通って第2の回転筒50のカム溝52に係合している。
【0040】
このような構成により、可動レンズ筒70の作動ピン75は、第2の回転筒50のカム溝52に係合して第2の回転筒50のカム溝52の内部をカム溝52に沿って移動できるとともに、第2の直動筒60の軸方向溝62に係合して第2の直動筒60の軸方向溝62の内部を軸方向に沿って移動できるようになっている。この可動レンズ筒70の作動ピン75と第2の直動筒60の軸方向溝62との係合により、可動レンズ筒70が第2の直動筒60とともに回転するようになっている。また、可動レンズ筒70の作動ピン75と第2の回転筒50のカム溝52との係合により、可動レンズ筒70が第2の回転筒50に対して回転すると、可動レンズ筒70が第2の回転筒50のカム溝52の形状に沿って第2の回転筒50に対して光軸方向に移動するようになっている。
【0041】
以上のような構成によれば、図1に示すカメラ装置1の沈胴状態において、ユーザが操作リング10を固定筒20に対して回転させる操作を行うと、第1の回転筒30が固定筒20に対して回転するとともに+X方向に繰り出し、第2の回転筒50が第1の回転筒30に対して回転するとともに+X方向に繰り出し、さらに可動レンズ筒70が第2の回転筒50に対して回転するとともに+X方向に繰り出す。
【0042】
図11は、フロントカバー2を示す斜視図である。図11に示すように、フロントカバー2は、略中央に円形の開口90が形成された主面板91を有している。この主面板91には、-X方向に延びる2つの支柱92A,92Bが立設されており、これらの支柱92A,92Bには、支柱92A,92Bを中心として回転可能なラッチ部材93A,93Bが取り付けられている。これらのラッチ部材93A,93Bは、先端部にローラ94A,94Bを有しており、例えばねじりコイルバネ95A,95Bによって図11における反時計方向に付勢されている。また、フロントカバー2の主面板91には、-X方向に延びるストッパ96が設けられている。
【0043】
カメラ装置1が沈胴状態にあるときは、図1に示すように、すべての筒20,30,40,50,60,70が操作リング10の内部に収容されており、これらの筒20,30,40,50,60,70の軸方向位置は略同一となっている。図12は、この状態におけるフロントカバー2と操作リング10との関係を模式的に示す背面図である。図12に示すように、沈胴状態においては、ねじりコイルバネ95Aによる付勢力によってラッチ部材93Aのローラ94Aが操作リング10の凹部15Aに嵌まっており、多少の力を加えただけでは操作リング10がフロントカバー2に対して回転しないようになっている。
【0044】
この沈胴状態において、ユーザがねじりコイルバネ95Aによる付勢力を超える力で操作リング10を図12における反時計回り(以下、この回転方向を繰出回転方向という)に回転させると、ラッチ部材93Aのローラ94Aが操作リング10の凹部15Aから抜け出し、操作リング10の外周面を摺動する。そして、上述したように、操作リング10の回転に伴って、第1の回転筒30が固定筒20に対して回転するとともに+X方向に繰り出し、第2の回転筒50が第1の回転筒30に対して回転するとともに+X方向に繰り出し、さらに可動レンズ筒70が第2の回転筒50に対して回転するとともに+X方向に繰り出す。
【0045】
操作リング10を回転し続けると、図13に示すように、やがてラッチ部材93Aのローラ94Aが操作リング10の凹部15Bに嵌まり込むとともに、ラッチ部材93Bのローラ94Bが突出部16の凹部15Dに嵌まり込む。これにより、ユーザは操作リング10の回転中にクリック感を得ることができる。カメラ装置1の内部に設けられたセンサ(図示せず)は、この位置の操作リング10を検出し、カメラ装置1の電源を投入して撮影状態とする。
【0046】
図13に示す状態では、ねじりコイルバネ95A,95Bによる付勢力によってラッチ部材93A,93Bのローラ94A,94Bがそれぞれ操作リング10の凹部15B,15Dに嵌まっているため、多少の力を加えただけでは操作リング10はフロントカバー2に対して回転しない。ユーザがこれらの付勢力を超える力で操作リング10をさらに繰出回転方向に回転させると、ラッチ部材93A,93Bのローラ94A,94Bがそれぞれ操作リング10の凹部15B,15Dから抜け出し、ラッチ部材93Aのローラ94Aがさらに操作リング10の外周面を摺動する。そして、上述したように、操作リング10の回転に伴って、第1の回転筒30が固定筒20に対して回転するとともに+X方向に繰り出し、第2の回転筒50が第1の回転筒30に対して回転するとともに+X方向に繰り出し、さらに可動レンズ筒70が第2の回転筒50に対して回転するとともに+X方向に繰り出す。
【0047】
操作リング10を回転し続けると、図14に示すように、やがてラッチ部材93Aのローラ94Aが操作リング10の凹部15Cに嵌まり込む。これにより、ユーザは操作リング10の回転中にクリック感を得ることができる。このとき、図2に示すように、レンズ鏡筒4が+X方向に最大限繰り出した撮影状態となる。
【0048】
この撮影状態においては、図14に示すように、フロントカバー2のストッパ96が操作リング10の突出部16の端面17(図7A及び図8参照)に当接するようになっている。したがって、ユーザがさらに操作リング10を繰出回転方向に回転しようとしても、操作リング10の突出部16の端面17がフロントカバー2のストッパ96に当接しているため、操作リング10の繰出方向へのさらなる回転が規制される。このように、本実施形態では、フロントカバー2のストッパ96によって操作リング10の回転を所定の位置で規制することができるので、第1の回転筒30の作動ピン31の移動を所定の位置までに制限することができる。
【0049】
撮影状態から沈胴状態にする場合には、操作リング10を繰出回転方向とは反対方向に回転させる。この操作リング10の回転に伴って、可動レンズ筒70が第2の回転筒50に対して回転するとともに-X方向に移動し、第2の回転筒50が第1の回転筒30に対して回転するとともに-X方向に移動し、さらに第1の回転筒30が固定筒20に対して回転するとともに-X方向に移動する。このような動作により最終的には図1に示す沈胴状態となる。
【0050】
上述したレンズ鏡筒4を組み立てる際には、上述したように、第2の回転筒50を第2の直動筒60の前方から-X方向に移動させることによって、第2の回転筒50の係合片54を第2の直動筒60の連絡溝64の内部でX方向に移動させて周方向溝63の端部に移動させる。この状態で、第2の回転筒50を第2の直動筒60に対して回転させることによって、第2の回転筒50の係合片54と第2の直動筒60の周方向溝63とを係合させる。
【0051】
そして、第2の直動筒60を第2の回転筒50に対して回転させることにより、第2の直動筒60の軸方向溝62の周方向位置と第2の回転筒50の連絡溝53の周方向位置とを合わせる。この状態で、可動レンズ筒70の作動ピン75が第2の直動筒60の軸方向溝62及び第2の回転筒50の連絡溝53に挿入されるように、可動レンズ筒70を第2の直動筒60の後方から第2の直動筒60の半径方向内側に収容する。この状態の第2の直動筒60と第2の回転筒とをまとめて「前方筒部品」ということとする。
【0052】
また、作動ピン31が取り付けられていない状態の第1の回転筒30を用意し、第1の回転筒30を第1の直動筒40の前方から-X方向に移動させることによって、第1の回転筒30の係合片35を第1の直動筒40の連絡溝48の内部でX方向に移動させて周方向溝47の端部に移動させる。この状態で、第1の回転筒30を第1の直動筒40に対して回転させることによって、第1の直動筒40の係合片41と第1の回転筒30の周方向溝32とを係合させるとともに、第1の回転筒30の係合片35と第1の直動筒40の周方向溝47とを係合させる。この状態の第1の直動筒と第1の回転筒30とをまとめて「後方筒部品」ということとする。
【0053】
そして、第2の回転筒50の作動ピン51の周方向位置と第1の直動筒40の連絡溝45の周方向位置が一致し、第2の直動筒60の係合突起61の周方向位置と第1の直動筒40の軸方向溝46の周方向位置とが一致するように、第1の直動筒40を第1の回転筒30に対して回転させる。この状態で、後方筒部品を前方筒部品の前方から-X方向に移動させることによって、前方筒部品を後方筒部品の半径方向内側に収容する。この状態の第1の回転筒30、第1の直動筒40、第2の回転筒50、及び第2の直動筒60をまとめて「筒組立体」ということとする。図15は、この筒組立体100を示している。
【0054】
次に、図16に示すように、筒組立体100の第1の回転筒30のボス部38の周方向位置と固定筒20の連絡溝23の周方向位置とを合わせ、第1の回転筒30のボス部38が固定筒20の連絡溝23に挿入されるように、筒組立体100を固定筒20の後方から固定筒20の半径方向内側に収容する。第1の回転筒30のボス部38を固定筒20の連絡溝23の前端部まで移動させた後、筒組立体100を回転させると、第1の回転筒30のボス部38が固定筒20のボス溝27に沿って移動し、貫通カム溝22を通してボス部38の一部が見える状態となる。この状態であれば、固定筒20の貫通カム溝22の半径方向外側から作動ピン31をボス部38に取り付けることが可能である。このボス部38への作動ピン31の取付は、例えばネジ止めや圧入などにより行うことができる。このように、本実施形態においては、第1の回転筒30の作動部の一部(ボス部38)を固定筒20の連絡溝23を通じてボス溝27に導入できるようになっている。
【0055】
ここで、図17は、固定筒20のボス溝27の前端部27Bを拡大して示す模式図である。図17に示すように、固定筒20のボス溝27の前端部27Bの軸方向幅W1は、第1の回転筒30のボス部38の外径よりもわずかに大きくなっており、ボス溝27の内部をボス部38が移動できるようになっている。本実施形態では、ボス溝27の終端部28の軸方向幅W2が、前端部27Bの軸方向幅W1よりも狭くなっており、ボス部38の外径と略同一になっている。このため、ボス部38をボス溝27の終端部28に移動させると、ボス部38がボス溝27の終端部28に嵌まり、ボス部38がこの位置に保持される。このように、本実施形態におけるボス溝27の終端部28は、第1の回転筒30のボス部38を保持可能な保持部として機能する。
【0056】
したがって、ボス部38に作動ピン31を取り付ける際には、図18に示すように、ボス部38をボス溝27の終端部28まで移動させることにより、ボス部38の位置を保持した状態で作動ピン31をボス部38に取り付ける。このように、本実施形態では、ボス部38を保持した状態で作動ピン31をボス部38に取り付けることができるので、作動ピン31の取付作業が容易である。また、上記のような保持部を終端部28とすることで、レンズ鏡筒の伸縮時のボス部及び作動ピンの移動に保持部が干渉することを防止することができる。
【0057】
なお、本実施形態における固定筒20の連絡溝23は、上述したように第1の直動筒40のスライダ突起43が係合する第2の軸方向溝としても機能する。このように、固定筒20の連絡溝23を第2の軸方向溝としても利用することで、固定筒20の製造工程を減らすことができ、製造コストを低減することができる。
【0058】
そして、図19に示すように、筒組立体100を収容した固定筒20を枠体80にネジ81などを用いて固定する。この固定筒20に操作リング10を取り付けるために、図19に示すように、第1の回転筒30の作動ピン31を固定筒20の貫通カム溝22の前端部22Bの終端部まで移動させて、可動レンズ筒70、第2の回転筒50、及び第1の回転筒30を+X方向に繰り出した状態とする。これは以下に述べるような理由による。
【0059】
図8に示す角度θ1、すなわち、操作リング10の軸方向溝11と連絡溝13との間の光軸P周りの角度は、図19に示す角度θ2、すなわち固定筒20の貫通カム溝22の前端部22Bの終端部と係合片21との間の光軸P周りの角度と等しくなっている。したがって、図19に示すように、第1の回転筒30の作動ピン31を固定筒20の貫通カム溝22の前端部22Bの終端部まで移動させたときに、第1の回転筒30の作動ピン31が操作リング10の軸方向溝11に挿入可能になるとともに、固定筒20の係合片21が操作リング10の連絡溝13に挿入可能となる。この状態で操作リング10を固定筒20の前方から-X方向に移動させることによって、固定筒20の係合片21を操作リング10の連絡溝13の内部でX方向に移動させて周方向溝12の端部に移動させる。そして、操作リング10を固定筒20に対して回転させることによって、固定筒20の係合片21と操作リング10の周方向溝12とを係合させる。図2はこのような状態を示している。このように、本実施形態においては、固定筒20の係合片21を操作リング10の連絡溝13を通じて操作リング10の周方向溝12に導入できるようになっている。
【0060】
図2に示す状態のリアカバー3にフロントカバー2を装着する。上述したように、フロントカバー2の主面板91には、操作リング10の回転を規制するためのストッパ96が設けられているが、図20に示すように、このストッパ96は傾斜面97を有している。フロントカバー2をリアカバー3に取り付ける際には、このストッパ96の傾斜面97が操作リング10の突出部16の傾斜面18に接触するようになっており、フロントカバー2が押し込まれると、フロントカバー2のストッパ96の傾斜面97によって操作リング10に対して上方に力が作用して操作リング10が回転する。フロントカバー2のリアカバー3への装着が完了すると、操作リング10の突出部16の端面17がフロントカバー2のストッパ96に当接した状態、すなわち図14に示す撮影状態となる。このように、本実施形態では、フロントカバー2のリアカバー3への取付の完了とともに、操作リング10を適切な位置に回転させることが可能である。
【0061】
本実施形態では、上述した操作リング10の突出部16の端面17がフロントカバー2のストッパ96に当接した状態では、第1の回転筒30の作動ピン31が固定筒20の貫通カム溝22の前端部22Bの終端部の手前に位置するようになっている。このように、本実施形態では、第1の回転筒30の作動ピン31の移動が固定筒20の貫通カム溝22の前端部22Bの終端部の手前までに制限されている。
【0062】
上述したように、本実施形態では、第1の回転筒30の作動ピン31が固定筒20の貫通カム溝22の前端部22Bの終端部に位置しているときに、操作リング10を固定筒20に取り付けることができる。逆に、この状態では操作リング10を固定筒20から取り外すことができる。しかしながら、上述したように、第1の回転筒30の作動ピン31の移動が固定筒20の貫通カム溝22の前端部22Bの終端部の手前までに制限されているため、操作リング10が固定筒20から脱落してしまうことが防止される。
【0063】
なお、フロントカバー2のストッパ96の傾斜面97が接触する操作リング10の部分は必ずしも傾斜面でなくてもよいが、操作リング10を滑らかに回転させるために、図20に示すように、フロントカバー2のストッパ96の傾斜面97が接触する部分を傾斜面(傾斜面18)にすることが好ましい。
【0064】
なお、本明細書において使用した用語「前方」、「後方」、「上方」、その他の位置関係を示す用語は、図示した実施形態との関連において使用されているのであり、装置の相対的な位置関係によって変化するものである。
【0065】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【0066】
以上述べたように、本発明の第1の態様によれば、筒体の移動及び回転を制御する作動ピンが破損しにくい構造を有するレンズ鏡筒が提供される。このレンズ鏡筒は、少なくとも1枚のレンズを収容し、光軸方向に沿って伸縮できるように構成される。上記レンズ鏡筒は、上記光軸方向に沿って延びる第1の軸方向溝と、周方向に沿って延びる第1の周方向溝とが形成された内周面を有する操作リングと、上記操作リングの半径方向内側に配置される固定筒と、上記固定筒の半径方向内側に配置され、周方向に沿って延びる第2の周方向溝が内周面に形成された回転筒と、上記回転筒の半径方向内側に配置される直動筒とを備える。上記固定筒の周壁には、後端部から前端部まで周方向に沿って次第に上記光軸方向の位置が前方に変化するように延びる貫通カム溝が形成され、上記固定筒の内周面には、光軸方向に沿って延びる第2の軸方向溝が内周面に形成される。上記固定筒は、半径方向外側に向かって突出し、上記操作リングの上記第1の周方向溝に係合して上記第1の周方向溝の内部で移動可能な第1の係合片を有する。上記回転筒は、半径方向外側に向かって突出し、上記固定筒の上記貫通カム溝を通って上記操作リングの上記第1の軸方向溝に係合して上記貫通カム溝の内部及び上記第1の軸方向溝の内部で移動可能な作動ピンと、上記作動ピンの外径よりも大きな外径で半径方向外側に突出するボス部とを有する。上記ボス部には上記作動ピンが固定される。上記直動筒は、半径方向外側に向かって突出し、上記固定筒の上記第2の軸方向溝に係合して上記第2の軸方向溝の内部で移動可能なスライダ突起と、半径方向外側に向かって突出し、上記回転筒の上記第2の周方向溝に係合して上記第2の周方向溝の内部で移動可能な第2の係合片とを有する。
【0067】
このような構成によれば、作動ピンよりも大きな外径で突出するボス部に作動ピンが固定されているため、作動ピンの強度がボス部によって補強される。したがって、貫通カム溝の内部を摺動する際に作用する力によって作動ピンが破損してしまうことを防止することができる。
【0068】
上記固定筒の上記貫通カム溝の半径方向内側には、上記回転筒の前記ボス部を移動可能に収容し、上記貫通カム溝に沿って延びるボス溝が形成されていることが好ましい。このようなボス溝を固定筒に形成することにより、回転筒のボス部が固定筒に干渉することを防止することができる。
【0069】
上記固定筒の上記ボス溝には、上記回転筒の上記ボス部を保持可能な保持部が形成されていることが好ましい。このような保持部によってボス部を保持した状態で作動ピンをボス部に取り付けることができるので、作動ピンの取付作業が容易になる。
【0070】
また、レンズ鏡筒の伸縮時のボス部及び作動ピンの移動に干渉しないように、上記保持部は、上記ボス溝の終端に位置していることが好ましい。
【0071】
上記固定筒の内周面には、上記固定筒の後縁部から上記光軸方向に延びて上記貫通カム溝の上記後端部に接続する第1の連絡溝が形成されていてもよい。このような第1の連絡溝を形成することにより、回転筒のボス部を固定筒の第1の連絡溝を通じて貫通カム溝に導入することができる。
【0072】
上記固定筒の上記第1の連絡溝は上記第2の軸方向溝としても機能し得る。第1の連絡溝を第2の軸方向溝としても機能させることで、固定筒の製造工程を減らすことができ、製造コストを低減することができる。
【0073】
上記操作リングの内周面には、上記操作リングの後縁部から上記光軸方向に延びて上記第1の周方向溝の端部に接続する第2の連絡溝が形成されていてもよい。このような第2の連絡溝を形成することにより、固定筒の第1の係合片を操作リングの第2の連絡溝を通じて操作リングの第1の周方向溝に導入することができる。
【0074】
本発明の第2の態様によれば、故障が生じにくいカメラ装置が提供される。このカメラ装置は、リアカバーと、フロントカバーと、上述したレンズ鏡筒と、上記リアカバーと上記フロントカバーとによって形成される空間に配置されるフレームとを備える。上記フレームには、上記レンズ鏡筒が固定される。上記操作リングは、半径方向外側に突出する突出部を有する。上記フロントカバーは、上記回転筒の上記作動ピンが上記固定筒の上記貫通カム溝の上記前端部に位置しているときに上記操作リングの上記突出部に当接して上記操作リングの回転を規制するストッパを有する。
【0075】
このようなカメラ装置は、上述したように筒体の移動及び回転を制御する作動ピンが破損しにくい構造を有するレンズ鏡筒を用いているため、故障が生じにくい。また、フロントカバーのストッパによって操作リングの回転を所定の位置で規制することができるので、回転筒の作動ピンの移動を所定の位置までに制限することができる。
【0076】
上記固定筒の上記貫通カム溝の上記前端部の終端部と上記第1の係合片との間の上記光軸周りの角度は、上記操作リングの上記第1の軸方向溝と上記第2の連絡溝との間の上記光軸周りの角度と等しくてもよい。この場合には、回転筒の作動ピンを固定筒の貫通カム溝の前端部の終端部に移動させたときに、回転筒の作動ピンが操作リングの第1の軸方向溝に挿入可能となるとともに、固定筒の第1の係合片が操作リングの第2の連絡溝に挿入可能となる。この状態で操作リングを固定筒に挿入し、回転させることで、固定筒の第1の係合片と操作リングの第1の周方向溝とを係合させることができる。
【0077】
本発明の第3の態様によれば、故障が生じにくいカメラ装置が提供される。このカメラは、リアカバーと、フロントカバーと、上述のレンズ鏡筒と、上記リアカバーと上記フロントカバーとによって形成される空間に配置されるフレームとを備える。上記フレームには、上記レンズ鏡筒が固定される。上記操作リングは、半径方向外側に突出する突出部を有する。上記フロントカバーは、上記回転筒の上記作動ピンが上記固定筒の上記貫通カム溝の上記前端部の上記終端部の手前に位置しているときに上記操作リングの上記突出部に当接して上記操作リングの回転を規制するストッパを有する。
【0078】
このようなカメラ装置は、上述したように筒体の移動及び回転を制御する作動ピンが破損しにくい構造を有するレンズ鏡筒を用いているため、故障が生じにくい。また、フロントカバーのストッパによって操作リングの回転を所定の位置で規制することができるので、回転筒の作動ピンの移動を所定の位置までに制限することができる。特に、回転筒の作動ピンの移動が固定筒の貫通カム溝の前端部の終端部の手前までに制限される。上述のように、回転筒の作動ピンが固定筒の貫通カム溝の前端部の終端部に位置しているときは、操作リングが固定筒から着脱可能となるが、回転筒の作動ピンの移動が固定筒の貫通カム溝の前端部の終端部の手前までに制限されるため、操作リングが固定筒から脱落してしまうことを防止することができる。
【0079】
上記フロントカバーの上記ストッパは、上記フロントカバーを上記リアカバーに取り付ける際に、上記フレームに固定された上記レンズ鏡筒の上記操作リングに接触して上記操作リングを回転させる傾斜面を有していてもよい。フロントカバーのストッパの傾斜面が操作リングに接触することにより、フロントカバーの取付時の移動に伴って、フロントカバーのストッパの傾斜面から操作リングに力が作用し、操作リングを回転させることができる。これにより、フロントカバーの取付の完了とともに、操作リングを適切な位置に回転させることが可能となる。
【0080】
上記操作リングの上記突出部は、上記フロントカバーの上記ストッパの上記傾斜面に接触する傾斜面を有していてもよい。このように、フロントカバーのストッパの傾斜面が操作リングの突出部の傾斜面と接触させることで操作リングを滑らかに回転させることができる。
【符号の説明】
【0081】
1 カメラ装置
2 フロントカバー
3 リアカバー
4 レンズ鏡筒
10 操作リング
11 軸方向溝(第1の軸方向溝)
12 周方向溝(第1の周方向溝)
13 連絡溝(第2の連絡溝)
16 突出部
17 端面
18 傾斜面
20 第1の固定筒
21 係合片(第1の係合片)
22 貫通カム溝
22A 後端部
22B 前端部
22C 中間部
23 連絡溝(第1の連絡溝及び第の軸方向溝)
24 軸方向溝(第2の軸方向溝)
25 絞り部
26 後方筒部
27 ボス溝
28 終端部(保持部)
30 第1の回転筒
31 作動ピン(作動部)
32 周方向溝(第2の周方向溝)
33 連絡溝
34 軸方向溝
35 係合片
36 前方筒部
37 後方筒部
38 ボス部
40 第1の直動筒
41 係合片(第2の係合片)
42,43 スライダ突起
44 貫通カム溝
45 連絡溝
46 軸方向溝
47 周方向溝
48 連絡溝
49 後縁フランジ部
49A フランジ基部
49B 延出部
50 第2の回転筒
51 作動ピン
52 カム溝
53 連絡溝
54 係合片
60 第2の直動筒
61 係合突起
62 軸方向溝
63 周方向溝
64 連絡溝
70 可動レンズ筒
71,72 レンズ
73 レンズユニット
75 作動ピン
80 枠体
81 ネジ
91 主面板
93A,93B ラッチ部材
94A,94B ローラ
95A,95B ねじりコイルバネ
96 ストッパ
97 傾斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20