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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】撮像装置および撮像システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/78 20230101AFI20240516BHJP
【FI】
H04N25/78
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020566167
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 JP2019049818
(87)【国際公開番号】W WO2020149095
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】P 2019004168
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 智希
(72)【発明者】
【氏名】竹中 恭一
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-259407(JP,A)
【文献】特開平07-046129(JP,A)
【文献】特開2006-121615(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/30 - 5/33
23/11
23/20 -23/30
25/00
25/20 -25/61
25/615-25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1群の電流源および第2群の電流源を含む複数の電流源と、
故障検出モードにおいて、第1相のランプ電圧を生成するために、前記第1群の電流源を構成する複数の電流源を第1グループおよび第2グループに分けたときの前記第1グループに属する複数の電流源の駆動と、前記第2群の電流源に属する複数の電流源の駆動とを制御するとともに、第2相のランプ電圧を生成するために、前記第1グループに属する複数の電流源の駆動と、前記第2グループに属する1つの電流源の駆動と、前記第2群の電流源に属する複数の電流源の駆動とを制御する制御部と
を備えた
撮像装置。
【請求項2】
撮像モードにおいて画素信号をセンサ画素における受光量に応じた値に切り替え、前記故障検出モードにおいて画素信号を固定値に切り替える切り換え部と、
前記故障検出モードにおいて、前記画素信号と、前記第1グループに属する複数の電流源と、前記第2群の電流源に属する複数の電流源とによって生成された前記第1相のランプ電圧との比較を行うとともに、前記画素信号と、前記第1グループに属する複数の電流源と、前記第2グループに属する1つの電流源と、前記第2群の電流源に属する複数の電流源とによって生成された前記第2相のランプ電圧との比較を行い、これらの比較の結果を出力する出力部と
を更に備えた
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記故障検出モードにおいて、前記比較結果に基づいて、前記第2群の電流源のうちの少なくとも1つの電流源の故障を検出する故障検出部を更に備えた
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1群の電流源の駆動を制御する第1群のシフトレジスタと、
前記第2群の電流源の駆動を制御する第2群のシフトレジスタと、
前記第1群のシフトレジスタの最後段のQ端子と、制御信号が入力される配線とに接続された入力端子と、前記第2群のシフトレジスタの最前段が接続された出力端子とを有するロジック回路と
を含んで構成されている
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
第1群の電流源および第2群の電流源を含む複数の電流源と、
故障検出モードにおいて、第1相のランプ電圧を生成するために、前記第1群の電流源を構成する複数の電流源を第1グループおよび第2グループに分けたときの前記第1グループに属する複数の電流源の駆動と、前記第2群の電流源に属する複数の電流源の駆動とを制御するとともに、第2相のランプ電圧を生成するために、前記第1グループに属する複数の電流源の駆動と、前記第2グループに属する1つの電流源の駆動と、前記第2群の電流源に属する複数の電流源の駆動とを制御する制御部と、
前記第1相のランプ電圧と前記第2相のランプ電圧とに基づいて、前記第2群の電流源のうちの少なくとも1つの電流源の故障を検出する故障検出部と
を備えた
撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置および撮像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサに搭載されるADC(Analog Digital Converter)として、シングルスロープ型ADCがある。このシングルスロープ型ADCでは、ランプ電圧発生器として、DAC(Digital Analog Converter)が用いられることが多い。DACアーキテクチャの一例として、数百の電流源を有する電流セグメント型のDACがある。電流セグメント型のDACでは、数百の電流源を選択的にオンオフ制御することにより生成した電流を抵抗に流すことにより、ランプ電圧が得られる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-39299号公報
【発明の概要】
【0004】
DACの故障が許容されない用途では、数百の電流源に故障がないかテストすることが必要となる。このテストは、一般的には、イメージセンサの出荷時に行われる。従来では、このテストは、個々の電流源から得られた電圧を外部の検査装置に入力することによりに行われていた。しかし、個々の電流源から得られた電圧を外部の検査装置に入力するようにした場合には、寄生RCの影響や、測定精度を高めるための処理などにより、テスト時間が長時間化する傾向にある。従って、テスト時間を短縮することの可能な撮像装置および撮像システムを提供することが望ましい。
【0005】
本開示の一実施の形態に係る撮像装置は、第1群の電流源および第2群の電流源を含む複数の電流源と、第1相のランプ電圧を生成するために、第1群の電流源の駆動を制御するとともに、第2相のランプ電圧を生成するために、第1群の電流源と、第2群の電流源のうちの少なくとも1つの電流源との駆動を制御する制御部とを備えている。
【0006】
本開示の一実施の形態に係る撮像装置では、第1相のランプ電圧を生成するために第1群の電流源の駆動が制御され、第2相のランプ電圧を生成するために第1群の電流源と、第2群の電流源のうちの少なくとも1つの電流源との駆動が制御される。これにより、例えば、第1相のランプ電圧と第2相のランプ電圧とに基づいて、第2群の電流源のうちの少なくとも1つの電流源の故障を検出することが可能となる。その結果、外部の検査装置を用いなくても、撮像装置の故障を検出することが可能となる。また、外部の検査装置を用いる必要がないことから、寄生RCの影響や、測定精度を高めるための処理などを省略することも可能となる。
【0007】
本開示の一実施の形態に係る撮像システムは、第1群の電流源および第2群の電流源を含む複数の電流源と、第1相のランプ電圧を生成するために、第1群の電流源の駆動を制御するとともに、第2相のランプ電圧を生成するために、第1群の電流源と、第2群の電流源のうちの少なくとも1つの電流源との駆動を制御する制御部とを備えている。撮像システムは、さらに、第1相のランプ電圧と第2相のランプ電圧とに基づいて、第2群の電流源のうちの少なくとも1つの電流源の故障を検出する故障検出部を備えている。
【0008】
本開示の一実施の形態に係る撮像システムでは、第1相のランプ電圧と第2相のランプ電圧とに基づいて、第2群の電流源のうちの少なくとも1つの電流源の故障を検出する故障検出部が設けられている。これにより、外部の検査装置を用いなくても、撮像装置の故障を検出することが可能となる。また、外部の検査装置を用いる必要がないことから、寄生RCの影響や、測定精度を高めるための処理などを省略することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施形態に係る撮像装置の回路構成例を表す図である。
図2図1の撮像装置を3つの基板を積層して構成した例を表す図である。
図3図2のセンサ画素の回路構成例を表す図である。
図4図1のDACの回路構成例を表す図である。
図5図4のDACの出力波形例を表す図である。
図6図4の第1シフトレジスタの回路構成例を表す図である。
図7図6の第1シフトレジスタを備えたDACの出力波形例を表す図である。
図8図4の第1シフトレジスタの回路構成例を表す図である。
図9図8の第1シフトレジスタを備えたDACの出力波形例を表す図である。
図10図4のDACにおける故障判定の手順の一例を表す図である。
図11図1の撮像装置の回路構成の一変形例を表す図である。
図12】上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置を備えた撮像システムの概略構成の一例を表す図である。
図13】上記実施の形態およびその変形例に係る撮像装置を備えた撮像システムの概略構成の一例を表す図である。
図14図12図13の撮像システムにおける撮像手順の一例を表す図である。
図15】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図16】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。

1.実施の形態(撮像装置)…図1図10
2.変形例(撮像装置)…図11
3.適用例(撮像システム)…図12図14
4.応用例(移動体)…図15図16
【0011】
<1.実施の形態>
[構成]
本開示の一実施形態に係る撮像装置1について説明する。図1は、撮像装置1の回路構成例を表したものである。図2は、撮像装置1を3つの基板を積層して構成した例を表したものである。撮像装置1は、列並列ADC搭載のCMOSイメージセンサである。撮像装置1は、光電変換素子を含む複数のセンサ画素11が行列状(マトリックス状)に2次元配置されてなる画素アレイ部10を備えている。センサ画素11は、例えば、図2図3に示したように、画素回路112および読み出し回路122によって構成されている。
【0012】
画素回路112は、例えば、フォトダイオードPDと、フォトダイオードPDと電気的に接続された転送トランジスタTRと、転送トランジスタTRを介してフォトダイオードPDから出力された電荷を一時的に保持するフローティングディフュージョンFDとを有している。フォトダイオードPDは、光電変換を行って受光量に応じた電荷を発生する。フォトダイオードPDのカソードが転送トランジスタTRのソースに接続されており、フォトダイオードPDのアノードが基準電位線(例えばグラウンド)に接続されている。転送トランジスタTRのドレインがフローティングディフュージョンFDに接続され、転送トランジスタTRのゲートは画素駆動線12に接続されている。
【0013】
各画素回路112において、フローティングディフュージョンFDは、対応する読み出し回路122の入力端に接続されている。読み出し回路122は、例えば、リセットトランジスタRSTと、選択トランジスタSELと、増幅トランジスタAMPとを有している。リセットトランジスタRSTのソース(読み出し回路122の入力端)がフローティングディフュージョンFDに接続されており、リセットトランジスタRSTのドレインが電源線VDDおよび増幅トランジスタAMPのドレインに接続されている。リセットトランジスタRSTのゲートは画素駆動線12に接続されている。増幅トランジスタAMPのソースが選択トランジスタSELのドレインに接続されており、増幅トランジスタAMPのゲートがリセットトランジスタRSTのソースに接続されている。選択トランジスタSELのソース(読み出し回路22の出力端)が垂直信号線13に接続されており、選択トランジスタSELのゲートが画素駆動線12に接続されている。
【0014】
転送トランジスタTRは、転送トランジスタTRがオン状態となると、フォトダイオードPDの電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。リセットトランジスタRSTは、フローティングディフュージョンFDの電位を所定の電位にリセットする。リセットトランジスタRSTがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位を電源線VDDの電位にリセットする。選択トランジスタSELは、読み出し回路122からの画素信号の出力タイミングを制御する。増幅トランジスタAMPは、画素信号として、フローティングディフュージョンFDに保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する。つまり、増幅トランジスタAMPは、画素信号として、センサ画素11における受光量の応じた電圧の信号を生成する。増幅トランジスタAMPは、ソースフォロア型のアンプを構成しており、フォトダイオードPDで発生した電荷のレベルに応じた電圧の画素信号を出力する。増幅トランジスタAMPは、選択トランジスタSELがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位を増幅して、その電位に応じた電圧を、垂直信号線13を介してカラム信号処理回路40に出力する。
【0015】
なお、選択トランジスタSELが、電源線VDDと増幅トランジスタAMPとの間に設けられていてもよい。この場合、リセットトランジスタRSTのドレインが電源線VDDおよび選択トランジスタSELのドレインに接続されている。選択トランジスタSELのソースが増幅トランジスタAMPのドレインに接続されており、選択トランジスタSELのゲートが画素駆動線12に接続されている。増幅トランジスタAMPのソース(読み出し回路22の出力端)が垂直信号線13に接続されており、増幅トランジスタAMPのゲートがリセットトランジスタRSTのソースに接続されている。
【0016】
撮像装置1は、3つの基板(第1基板110、第2基板120、第3基板130)を備えている。撮像装置1は、3つの基板(第1基板110、第2基板120、第3基板130)を貼り合わせて構成された3次元構造の撮像装置である。第1基板110、第2基板120、第3基板130は、この順に積層されている。
【0017】
第1基板110は、半導体基板111上に、光電変換を行う複数の画素回路112を有する基板である。複数の画素回路112は、第1基板110上に行列状に設けられている。第2基板120は、半導体基板121上に、画素回路112から出力された電荷に基づく画素信号を出力する読み出し回路122を画素回路112ごとに1つずつ有する基板である。第2基板120は、行方向に延在する複数の画素駆動線12と、列方向に延在する複数の垂直信号線13とを有している。第3基板130は、半導体基板131上に、画素信号を処理するロジック回路を有する基板である。ロジック回路は、例えば、垂直駆動回路20、水平駆動回路30、カラム信号処理回路40、電圧供給部50、水平出力線47、システム制御回路60および故障検出部70を有している。つまり、撮像装置1は、垂直駆動回路20、水平駆動回路30、カラム信号処理回路40、電圧供給部50、水平出力線47、システム制御回路60および故障検出部70を備えている。ロジック回路は、画素回路112ごとのデジタル値を外部に出力する。
【0018】
システム制御回路60は、マスタークロックに基づいて、垂直駆動回路20、水平駆動回路30、カラム信号処理回路40および電圧供給部50などの動作の基準となるクロック信号や制御信号などを生成し、垂直駆動回路20、水平駆動回路30、カラム信号処理回路40および電圧供給部50などに対して与える。
【0019】
垂直駆動回路20は、例えば、シフトレジスタなどによって構成され、複数の画素駆動線12を介して、複数のセンサ画素11の行走査の制御を行う。
【0020】
カラム信号処理回路40は、例えば、垂直駆動回路20によって選択された行の各センサ画素11から出力される画素信号に対して、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling:CDS)処理を施す。カラム信号処理回路40は、例えば、撮像モードにおいて、CDS処理を施すことにより、画素信号の信号レベルを抽出し、各センサ画素11の受光量に応じた画素データを保持する。カラム信号処理回路40は、例えば、故障検出モードにおいて、CDS処理を施すことにより、ランプ電圧の信号レベルを抽出し、ランプ電圧の信号レベルに応じた画素データを保持する。カラム信号処理回路40は、例えば、垂直信号線13毎に1つずつ設けられた複数のADC(アナログ-デジタル変換回路)40aを有している。カラム信号処理回路40は、例えば、撮像モードにおいては、各センサ画素11から列毎に出力されるアナログの画素信号をデジタル信号に変換して出力する。カラム信号処理回路40は、例えば、故障検出モードにおいては、DAC51から出力されるアナログのランプ信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0021】
ADC40aは、ランプ波形の電圧(ランプ電圧Vref)とカウンタ値が一対一の対応を取りながら変化することで垂直信号線13の電位(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。ADC40aは、ランプ電圧Vrefの電圧の変化を時間の変化に変換するものであり、その時間をある周期(クロック)で数えることでデジタル値に変換する。
【0022】
ADC40aは、例えば、比較器41、カウンタ(図中、CNTと記している)42、転送スイッチ43およびメモリ44を有している。比較器41は、本開示の「出力部」の一具体例に相当する。
【0023】
比較器41は、撮像モードにおいて、画素アレイ部10のn列目の各センサ画素11から出力される画素信号に応じた垂直信号線13の信号電圧Vsigと、電圧供給部50から供給されるランプ波形の電圧(ランプ電圧Vref)とを比較する。比較器41は、例えば、ランプ電圧Vrefが信号電圧Vsigよりも大なるときに"H"レベルを出力し、ランプ電圧Vrefが信号電圧Vsig以下のときに"L"レベルを出力する。撮像モードにおいては、垂直信号線13の電圧Vsigは、センサ画素11における受光量に応じた値となっている。
【0024】
また、比較器41は、故障検出モードにおいて、垂直信号線13の信号電圧Vsigと、電圧供給部50から供給されるランプ波形の電圧(ランプ電圧Vref)との比較を行い、その比較の結果を出力する。比較器41は、例えば、ランプ電圧Vrefが信号電圧Vsigよりも大なるときに"H"レベルを出力し、ランプ電圧Vrefが信号電圧Vsig以下のときに"L"レベルを出力する。故障検出モードにおいては、垂直信号線13の電圧Vsigは、一定の電圧に固定される。なお、電圧Vsigが、電源線VDDの電圧(電源電圧Vdd)であってもよい。
【0025】
カウンタ42は、システム制御回路60から与えられる制御信号CS2による制御の下に、システム制御回路60からクロックCKがDAC51と同時に与えられ、当該クロックCKに同期してカウントを行う。カウンタ42は、例えば、比較器41での比較動作の開始から、比較器41の出力が反転するまでの期間の間、クロックCKのカウントを行う。
【0026】
転送スイッチ43は、システム制御回路60から与えられる制御信号CS3による制御の下に、カウンタ42のカウント動作が完了した時点でオン(閉)状態となって当該カウンタ42のカウント結果をメモリ44に転送する。このようにして、各センサ画素11から垂直信号線13を経由して列毎に供給されるアナログ信号が、ADC40aにおける比較器41およびカウンタ42の各動作により、Nビットのデジタル信号に変換されてメモリ44に格納される。
【0027】
カラム信号処理回路40は、さらに、例えば、垂直信号線13ごとに1つずつ割り当てられた複数のスイッチ45を有している。各スイッチ45は、本開示の「切り換え部」の一具体例に相当する。各スイッチ45は、システム制御回路60から与えられる制御信号CS4に基づいて、固定電圧(例えば電源電圧Vdd)が印加される配線と各垂直信号線13とを継断する。各スイッチ45は、例えば、撮像モードにおいて、各スイッチ45をオフすることにより、各垂直信号線13の画素信号をセンサ画素11における受光量に応じた値にする。各スイッチ45は、例えば、故障検出モードにおいて、各スイッチ45をオンすることにより、各垂直信号線13の画素信号を固定値(例えば電源電圧Vdd)にする。カラム信号処理回路40は、さらに、例えば、複数のスイッチ46を有している。各スイッチ46は、システム制御回路60から与えられる制御信号CS4に基づいて、互いに隣接する2つの垂直信号線13同士を継断する。各スイッチ46は、例えば、撮像モードにおいて、各スイッチ45をオフすることにより、各垂直信号線13の画素信号を互いに分離する。各スイッチ46は、例えば、故障検出モードにおいて、各スイッチ45をオンすることにより、各垂直信号線13の画素信号を互いに等しくする。
【0028】
水平駆動回路30は、シフトレジスタなどによって構成され、カラム信号処理回路40におけるADC40aの列アドレスや列走査の制御を行う。この水平駆動回路30による制御の下に、ADC40aの各々でAD変換されたNビットのデジタル信号は順に水平出力線47に読み出され、当該水平出力線47を経由して撮像データとして出力される。
【0029】
電圧供給部50は、時間が経過するにつれてレベルが傾斜状に変化する、いわゆるランプ(RAMP)波形の電圧(ランプ電圧Vref)を生成する手段として、例えばDAC(デジタル-アナログ変換回路)51を有している。DAC51は、システム制御回路60から与えられる制御信号CS1による制御の下に、当該システム制御回路60から与えられるクロックCKに基づいてランプ電圧Vrefを生成してカラム信号処理回路40のADC40aに対して供給する。
【0030】
図4は、DAC51の回路構成例を表したものである。図5は、DAC51の出力波形例を表したものである。DAC51は、第1電流源51a、第2電流源51b、第1シフトレジスタ51c、第2シフトレジスタ51dおよび抵抗51eを有している。抵抗51eは、配線51fに直列に接続されている。第1シフトレジスタ51cは、本開示の「制御部」の一具体例に相当する。
【0031】
第1電流源51aは、第1シフトレジスタ51cによる制御に基づいて、階段状のランプ波形の電圧を生成する。第1電流源51aは、複数の電流源Aを含んで構成されたNビットの電流源DACである。複数の電流源Aは、スイッチを介して配線51fに並列に接続されている。図4には、複数の電流源Aとして、電流源Ao,A1,A2,…,Ai,…A2m-3,A2m-2,A2m-1が例示されている。図4中の各電流源Ao,A1,A2,…,Ai,…,A2m-3,A2m-2,A2m-1の傍らには、各電流源Ao,A1,A2,…,Ai,…,A2m-3,A2m-2,A2m-1の電流値が示されている。
【0032】
第2電流源51bは、第2シフトレジスタ51dによる制御に基づいて、第1電流源51aによって生成された階段状のランプ波形の電圧を、段差の小さなランプ波形の電圧に補正する。第2電流源51bは、電流源Aと比べて電流値の小さな複数の電流源Bを含んで構成されたMビットの電流源DACである。複数の電流源Bは、スイッチを介して配線51gに並列に接続されている。配線51gは、配線51fに接続されている。図4には、複数の電流源Bとして、電流源B1,B2,…,Bnが例示されている。図4中の各電流源B1,B2,…,Bnの傍らには、各電流源B1,B2,…,Bnの電流値が示されている。
【0033】
配線51gにおいて、配線51gと配線51fとの接続箇所と、抵抗51eとの間に、DAC51の出力端子51hが接続されている。これにより、抵抗51eは、第1電流源51aおよび第2電流源51bから供給された電流(ランプ電流)を電圧(ランプ電圧)に変換するI-V変換器として機能する。
【0034】
第1電流源51aおよび第2電流源51bは、撮像モードにおいて、第1シフトレジスタ51cおよび第2シフトレジスタ51dによる制御によって、第1相波形の電圧と、第2相波形の電圧とを生成する。第1相波形の電圧は、例えば、n列目の各センサ画素11のフローティングディフュージョンFDが所定の電位にリセットされたときのフローティングディフュージョンFDの電位を各垂直信号線13から読み出す際に生成される。第2相波形の電圧は、例えば、n列目の各センサ画素11のフローティングディフュージョンFDが所定の電位にリセットされた後、フォトダイオードPDからフローティングディフュージョンFDに転送されることにより、フローティングディフュージョンFDに蓄積された電荷のレベルに応じた電圧を各垂直信号線13から読み出す際に生成される。撮像モードにおいて、第1相波形の電圧は、第1電流源51aを構成する複数の電流源Aと、第2電流源51bを構成する複数の電流源Bとによって生成される。
【0035】
第1電流源51aおよび第2電流源51bは、故障検出モードにおいて、第1シフトレジスタ51cおよび第2シフトレジスタ51dによる制御によって、例えば、図5に示したような、第1相波形の電圧と、第2相波形の電圧とを生成する。このように、本実施の形態では、第1電流源51aおよび第2電流源51bは、故障検出モードにおいても、撮像モードと同様に、第1相波形の電圧と、第2相波形の電圧とを生成する。ただし、第1相波形の電圧および第2相波形の電圧の用途は、撮像モードと故障検出モードとにおいて互いに異なっている。従って、故障検出モードにおける第1相波形および第2相波形と、撮像モードにおける第1相波形および第2相波形とは互いに異なっている。
【0036】
故障検出モードにおいて、第1相波形の電圧は、第1電流源51aを構成する複数の電流源Aを2つのグループ(第1グループ、第2グループ)に分けたときの一方のグループ(第1グループ)に属する複数の電流源Aと、第2電流源51bに属する複数の電流源Bとによって生成される。第1グループに属する複数の電流源Aが、本開示の「第1群の電流源」の一具体例に相当する。第2グループに属する複数の電流源Aが、本開示の「第2群の電流源」の一具体例に相当する。
【0037】
第2相波形の電圧は、第1電流源51aを構成する複数の電流源Aを2つのグループ(第1グループ、第2グループ)に分けたときの一方のグループ(第1グループ)に属する複数の電流源Aと、第2グループに属する1つの電流源A(図中のテスト対象電流源Atest)と、第2電流源51bに属する複数の電流源Bとによって生成される。従って、故障検出モードにおいて、第2相波形の電圧の波高値は、第1相波形の電圧の波高値と比べて、テスト対象電流源Atestによって生成された電圧分(ΔVref)だけ高くなっている。
【0038】
ここで、比較器41に第1相波形の電圧が入力されたときの比較器41の出力と、第2相波形の電圧が入力されたときの比較器41の出力とを対比する。図5に示したように、第1相波形において比較器41での比較動作の開始から、比較器41の出力が反転するまでの期間をT1とし、第2相波形において比較器41での比較動作の開始から、比較器41の出力が反転するまでの期間をT2とする。このとき、期間T2は、テスト対象電流源Atestによって生成された電圧分(ΔVref)に対応する期間ΔTだけ長くなっている。期間ΔTは、カウンタ42で、デジタル値Dtestに変換される。
【0039】
図6は、第1シフトレジスタ51cの回路構成例を表したものである。図6には、上述の第1グループに属する各電流源Aの故障を検出するモード(以下、「第1故障検出モード」と称する。)のときの状態が例示されている。第1シフトレジスタ51cは、第1相のランプ電圧を生成するために、上述の第1グループに属する各電流源Aの駆動を制御するとともに、第2相のランプ電圧を生成するために、上述の第1グループに属する各電流源Aと、上述の第2グループに属する複数の電流源Aのうちの少なくとも1つの電流源Aとの駆動を制御する。第1シフトレジスタ51cは、例えば、上述の第1グループに属する各電流源Aの駆動を制御する複数のシフトレジスタSRと、上述の第2グループに属する各電流源Aの駆動を制御する複数のシフトレジスタSRとを有している。
【0040】
図6には、上述の第1グループを制御する複数のシフトレジスタSRとして、シフトレジスタSRo,SR1,…,SRm-1が例示されており、上述の第2グループを制御する複数のシフトレジスタSRとして、シフトレジスタSRm,SRm+1,…,SR2m-1が例示されている。シフトレジスタSRo,SR1,…,SRm-1では、上述の第1グループに接続された各スイッチのオンオフを制御する各Q端子の出力Qo,Q1,…,Qm-1が制御信号So,S1,…,Sm-1および制御信号IN2によって制御される。32個のシフトレジスタSRm,SRm+1,…,SR2m-1では、上述の第2グループに接続された各スイッチのオンオフを制御する各Q端子の出力Qm,Qm+1,…,Q2m-1が制御信号Sm,Sm+1,…,S2m-1およびロジック回路Loの出力によって制御される。上述の第1グループに属する各電流源Aの駆動を制御する複数のシフトレジスタSRの最前段(例えばSR0)には、制御信号IN2が入力される配線が接続されている。
【0041】
第1シフトレジスタ51cは、さらに、上述の第1グループを制御する複数のシフトレジスタSRにおける最後段(例えばSRm-1)と、上述の第2グループを制御する複数のシフトレジスタSRにおける最前段(例えばSRm)との間に、ロジック回路Loを有している。ロジック回路Loは、例えば、マルチプレクサ回路である。マルチプレクサ回路の一方の入力端子が上述の第1グループを制御する複数のシフトレジスタSRにおける最後段(例えばSRm-1)のQ端子に接続されており、マルチプレクサ回路の他方の入力端子が、制御信号IN1が入力される配線に接続されている。マルチプレクサ回路の出力端子が、上述の第2グループを制御する複数のシフトレジスタSRにおける最前段(例えばSRm)に接続されている。
【0042】
Q端子の出力が0(“L”レベル)の場合、第1電流源51aのスイッチはオンし、Q端子の出力が1(“H”レベル)の場合、第1電流源51aのスイッチはオフする。XS端子に1(“H”レベル)が入力されると、Q端子の出力が1(“H”レベル)となる。XS端子に0(“L”レベル)が入力されると、Q端子の出力が0(“L”レベル)となる。
【0043】
システム制御回路60は、第1故障検出モードのときであって、かつ、第1相波形生成モードのときには、上述の第1グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSR0~SRm-1)の各々のQ端子から、1(“H”レベル)が出力されるように、上述の第1グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSR0~SRm-1)を制御する。これにより、上述の第1グループからの電圧出力がオフする。
【0044】
システム制御回路60は、第1故障検出モードのときであって、かつ、第1相波形生成モードのときには、上述の第2グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSRm~SR2m-1)の各々に対してクロックCKを入力するごとに、Q端子からの出力が0(“L”レベル)から1(“H”レベル)に順次切り替わるように、上述の第2グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSRm~SR2m-1)を制御する。これにより、上述の第2グループから、ランプ電圧(図7の第1相波形の電圧)が出力される。
【0045】
システム制御回路60は、第1故障検出モードのときであって、かつ、第2相波形生成モードのときには、上述の第1グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSR0~SRm-1)からシフトレジスタSRtestを選択し、シフトレジスタSRtestのQ端子から0(“L”レベル)が出力されるようにシフトレジスタSRtestを制御する。システム制御回路60は、さらに、シフトレジスタSRtestを除く第1グループを制御する複数のシフトレジスタSRのQ端子から1(“H”レベル)が出力されるように、第1グループを制御する複数のシフトレジスタSRを制御する。これにより、第2相波形には、シフトレジスタSRtestに対応する電流源(テスト対象電流源Atest)からの電圧出力(図7の第2相波形の底の部分)が含まれ得る。
【0046】
システム制御回路60は、第1故障検出モードのときであって、かつ、第2相波形生成モードのときには、上述の第2グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSRm~SR2m-1)の各々に対してクロックCKを入力するごとに、Q端子からの出力が0(“L”レベル)から1(“H”レベル)に順次切り替わるように、上述の第1グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSRm~SR2m-1)を制御する。これにより、上述の第2グループから、ランプ電圧(図7の第2相波形の底以外の部分)が出力される。
【0047】
図8は、第1シフトレジスタ51cの回路構成例を表したものである。図8には、上述の第2グループに属する各電流源Aの故障を検出するモード(以下、「第2故障検出モード」と称する。)のときの状態が例示されている。
【0048】
システム制御回路60は、第2故障検出モードのときであって、かつ、第1相波形生成モードのときには、上述の第2グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSRm~SR2m-1)の各々のQ端子から、1(“H”レベル)が出力されるように、上述の第2グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSRm~SR2m-1)を制御する。これにより、上述の第2グループからの電圧出力がオフする。
【0049】
システム制御回路60は、第2故障検出モードのときであって、かつ、第1相波形生成モードのときには、上述の第1グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSR0~SRm-1)の各々に対してクロックCKを入力するごとに、Q端子からの出力が0(“L”レベル)から1(“H”レベル)に順次切り替わるように、上述の第1グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSR0~SRm-1)を制御する。これにより、上述の第1グループから、ランプ電圧(図9の第1相波形の電圧)が出力される。
【0050】
システム制御回路60は、第2故障検出モードのときであって、かつ、第2相波形生成モードのときには、上述の第2グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSRm~SR2m-1)からシフトレジスタSRtestを選択し、シフトレジスタSRtestのQ端子から0(“L”レベル)が出力されるようにシフトレジスタSRtestを制御する。システム制御回路60は、さらに、シフトレジスタSRtestを除く第2グループを制御する複数のシフトレジスタSRのQ端子から1(“H”レベル)が出力されるように、第2グループを制御する複数のシフトレジスタSRを制御する。これにより、第2相波形には、シフトレジスタSRtestに対応する電流源(テスト対象電流源Atest)からの電圧出力(図9の第2相波形の底の部分)が含まれ得る。
【0051】
システム制御回路60は、第2故障検出モードのときであって、かつ、第2相波形生成モードのときには、上述の第1グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSR0~SRm-1)の各々に対してクロックCKを入力するごとに、Q端子からの出力が0(“L”レベル)から1(“H”レベル)に順次切り替わるように、上述の第1グループを制御する複数のシフトレジスタSR(例えばSR0~SRm-1)を制御する。これにより、上述の第1グループから、ランプ電圧(図9の第2相波形の底以外の部分)が出力される。
【0052】
比較器41は、第1故障検出モードのときであって、かつ第1相波形生成モードのときには、固定値の信号電圧Vsigと、上述の第2グループに属する各電流源A(例えばAm~A2m-1)によって生成されたランプ波形の電圧(ランプ電圧Vref)との比較を行い、その比較の結果を出力する。比較器41は、第1故障検出モードのときであって、かつ第2相波形生成モードのときには、固定値の信号電圧Vsigと、上述の第2グループに属する各電流源A(例えばAm~A2m-1)、および上述の第1グループに属する複数の電流源Aのうちの少なくとも1つの電流源A(テスト対象電流源Atest)によって生成されたランプ波形の電圧(ランプ電圧Vref)との比較を行い、その比較の結果を出力する。
【0053】
比較器41は、第2故障検出モードのときであって、かつ第1相波形生成モードのときには、固定値の信号電圧Vsigと、上述の第1グループに属する各電流源A(例えばSR0~SRm-1)によって生成されたランプ波形の電圧(ランプ電圧Vref)との比較を行い、その比較の結果を出力する。比較器41は、第2故障検出モードのときであって、かつ第2相波形生成モードのときには、固定値の信号電圧Vsigと、上述の第1グループに属する各電流源A、および上述の第2グループに属する複数の電流源Aのうちの少なくとも1つの電流源A(テスト対象電流源Atest)によって生成されたランプ波形の電圧(ランプ電圧Vref)との比較を行い、その比較の結果を出力する。
【0054】
故障検出部70は、故障検出モードにおいて、DAC51の故障の有無を判定する。故障検出部70は、ロジック回路の出力(デジタル値Dtest)が上限値D1と下限値D2の範囲内にあるか否かを判定する。その結果、デジタル値Dtestが上限値D1と下限値D2の範囲内にある場合には、故障検出部70は、テスト対象電流源Atestは故障していないと判定する(Pass判定)。デジタル値Dtestが上限値D1と下限値D2の範囲外にある場合には、故障検出部70は、テスト対象電流源Atestは故障していると判定する(Fail判定)。故障検出部70は、判定結果を外部に出力する。
【0055】
故障検出部70は、第1故障検出モードにおいて、比較器41による比較結果(デジタル値Dtest)に基づいて、上述の第1グループに属する複数の電流源Aのうちの少なくとも1つの電流源Aの故障を検出する。故障検出部70は、第2故障検出モードにおいて、比較器41による比較結果(デジタル値Dtest)に基づいて、上述の第2グループに属する複数の電流源Aのうちの少なくとも1つの電流源Aの故障を検出する。
【0056】
[動作]
次に、図10を参照して、本実施形態に係る撮像装置1における故障検出動作について説明する。まず、撮像装置1は、第1故障検出モードに設定する。続いて、撮像装置1は、テスト対象電流源Atestを電流源A0に設定して、第1相のランプ波形の電圧と、第2相のランプ波形の電圧とを形成する(ステップS101)。このとき、撮像装置1は、ロジック回路の出力(デジタル値Dtest)が上限値D1と下限値D2の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS102)。その結果、デジタル値Dtestが上限値D1と下限値D2の範囲内にある場合には、撮像装置1は、テスト対象電流源Atestは故障していないと判定する(Pass判定)(ステップS103)。デジタル値Dtestが上限値D1と下限値D2の範囲外にある場合には、故障検出部70は、テスト対象電流源Atestは故障していると判定する(Fail判定)(ステップS104)。
【0057】
次に、撮像装置1は、電流源Am-1のテストが終わっているか否かを判定する(ステップS105)。電流源Am-1のテストが終わっていない場合には、撮像装置1は、テスト対象電流源Atestを切り替える(ステップS106)。その後、撮像装置1は、ステップS102を実行する。撮像装置1は、テスト対象電流源Atestを電流源A1,A2,…と、順次切り替えてテストしていく。電流源Am-1のテストが終わっている場合には、撮像装置1は、テスト対象電流源Atestを電流源Amに設定して、第1相のランプ波形と、第2相のランプ波形とを形成する(ステップS107)。
【0058】
このとき、撮像装置1は、ロジック回路の出力(デジタル値Dtest)が上限値D1と下限値D2の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS108)。その結果、デジタル値Dtestが上限値D1と下限値D2の範囲内にある場合には、撮像装置1は、テスト対象電流源Atestは故障していないと判定する(Pass判定)(ステップS109)。デジタル値Dtestが上限値D1と下限値D2の範囲外にある場合には、故障検出部70は、テスト対象電流源Atestは故障していると判定する(Fail判定)(ステップS110)。
【0059】
次に、撮像装置1は、電流源A2m-1のテストが終わっているか否かを判定する(ステップS111)。電流源A2m-1のテストが終わっていない場合には、撮像装置1は、テスト対象電流源Atestを切り替える(ステップS112)。その後、撮像装置1は、ステップS102を実行する。撮像装置1は、テスト対象電流源Atestを電流源Am+1,Am+2,…と、順次切り替えてテストしていく。電流源A2m-1のテストが終わっている場合には、撮像装置1は、判定結果を出力する(ステップS113)。
【0060】
[効果]
次に、本実施形態に係る撮像装置1の効果について説明する。
【0061】
イメージセンサに搭載されるADCとして、シングルスロープ型ADCがある。このシングルスロープ型ADCでは、ランプ電圧発生器として、DACが用いられることが多い。DACアーキテクチャの一例として、数百の電流源を有する電流セグメント型のDACがある。電流セグメント型のDACでは、数百の電流源を選択的にオンオフ制御することにより生成した電流を抵抗に流すことにより、ランプ電圧が得られる。
【0062】
DACの故障が許容されない用途では、数百の電流源に故障がないかテストすることが必要となる。このテストは、一般的には、イメージセンサの出荷時に行われる。従来では、このテストは、個々の電流源から得られた電圧を外部の検査装置に入力することによりに行われていた。しかし、個々の電流源から得られた電圧を外部の検査装置に入力するようにした場合には、寄生RCの影響や、測定精度を高めるための処理などにより、テスト時間が長時間化する傾向にある。
【0063】
一方、本実施の形態では、第1相のランプ電圧と第2相のランプ電圧との比較結果に基づいて、一方のグループの電流源Aのうちの少なくとも1つの電流源Aの故障が検出される。これにより、外部の検査装置を用いなくても、撮像装置の故障を検出することが可能となる。また、外部の検査装置を用いる必要がないことから、寄生RCの影響や、測定精度を高めるための処理などを省略することも可能となる。その結果、テスト時間を短縮することができる。
【0064】
<2.変形例>
上記実施の形態では、故障検出部70が撮像装置1に内蔵されていたが、例えば、図11に示したように、故障検出部70と同様の機能を有する故障検出部2が撮像装置1とは別個に設けられていてもよい。
【0065】
上記実施の形態およびその変形例では、第1電流源51aを構成する複数の電流源Aが2つのグループに分けられたが、3つ以上のグループに分けられてもよい。また、上記実施の形態およびその変形例では、テスト対象電流源Atestの出力が第2相波形に含まれていたが、第1相波形に含まれていてもよい。
【0066】
<3.適用例>
図12は、上記実施の形態に係る撮像装置1を備えた撮像システム3の概略構成の一例を表したものである。
【0067】
撮像システム3は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、スマートフォンやタブレット型端末等の携帯端末装置などの電子機器である。撮像システム3は、例えば、上記実施の形態に係る撮像装置1、DSP回路141、フレームメモリ142、表示部143、記憶部144、操作部145および電源部146を備えている。撮像システム3において、上記実施の形態に係る撮像装置1、DSP回路141、フレームメモリ142、表示部143、記憶部144、操作部145および電源部146は、バスライン147を介して相互に接続されている。
【0068】
上記実施の形態に係る撮像装置1は、入射光に応じた画像データ(出力信号Vout)を出力する。上記実施の形態に係る撮像装置1は、さらに、DAC51の故障判定を行い、その判定結果を出力する。DSP回路141は、上記実施の形態に係る撮像装置1から出力される出力信号Voutを処理する信号処理回路である。フレームメモリ142は、DSP回路141により処理された画像データを、フレーム単位で一時的に保持する。表示部143は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパ
ネル型表示装置からなり、上記実施の形態に係る撮像装置1で撮像された動画又は静止画を表示する。記憶部144は、上記実施の形態に係る撮像装置1で撮像された動画又は静止画の画像データを、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体に記録する。操作部145は、ユーザによる操作に従い、撮像システム3が有する各種の機能についての操作指令を発する。電源部146は、上記実施の形態に係る撮像装置1、DSP回路141、フレームメモリ142、表示部143、記憶部144および操作部145の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0069】
図13は、上記変形例に係る撮像装置1および故障検出部2を備えた撮像システム4の概略構成の一例を表したものである。
【0070】
撮像システム4は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、スマートフォンやタブレット型端末等の携帯端末装置などの電子機器である。撮像システム4は、例えば、上記変形例に係る撮像装置1、DSP回路141、フレームメモリ142、表示部143、記憶部144、操作部145、電源部146および上記変形例に係る故障検出部2を備えている。撮像システム3において、上記変形例に係る撮像装置1、DSP回路141、フレームメモリ142、表示部143、記憶部144、操作部145、電源部146および故障検出部2は、バスライン147を介して相互に接続されている。
【0071】
上記変形例に係る撮像装置1は、入射光に応じた画像データ(出力信号Vout)を出力する。上記変形例に係る故障検出部2は、さらに、DAC51の故障判定を行い、その判定結果を出力する。DSP回路141は、上記変形例に係る撮像装置1から出力される出力信号Voutを処理する信号処理回路である。フレームメモリ142は、DSP回路141により処理された画像データを、フレーム単位で一時的に保持する。表示部143は、例えば、液晶パネルや有機ELパネル等のパネル型表示装置からなり、上記変形例に係る撮像装置1で撮像された動画又は静止画を表示する。記憶部144は、上記実施の形態に係る撮像装置1で撮像された動画又は静止画の画像データを、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体に記録する。操作部145は、ユーザによる操作に従い、撮像システム3が有する各種の機能についての操作指令を発する。電源部146は、上記実施の形態に係る撮像装置1、DSP回路141、フレームメモリ142、表示部143、記憶部144および操作部145の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0072】
次に、撮像システム3,4における撮像手順の一例について説明する。
【0073】
図14は、撮像システム3,4における撮像動作のフローチャートの一例を表す。ユーザは、操作部145を操作することにより撮像開始を指示する(ステップS201)。すると、操作部145は、撮像指令を撮像装置1に送信する(ステップS202)。撮像システム3において、撮像装置1は、撮像指令を受けると、DAC51の故障判定を行う(ステップS203)。撮像システム4においては、故障検出部2が、DAC51の故障判定を行う(ステップS203)。DAC51に故障がない場合には、撮像装置1は、所定の撮像方式での撮像を実行する(ステップS204)。
【0074】
撮像装置1は、撮像により得られた画像データをDSP回路141に出力する。ここで、画像データとは、フローティングディフュージョンFDに一時的に保持された電荷に基づいて生成された画素信号の全画素分のデータである。DSP回路141は、撮像装置1から入力された画像データに基づいて所定の信号処理(例えばノイズ低減処理など)を行う(ステップS205)。DSP回路141は、所定の信号処理がなされた画像データをフレームメモリ142に保持させ、フレームメモリ142は、画像データを記憶部144に記憶させる(ステップS206)。このようにして、撮像システム3,4における撮像が行われる。
【0075】
本適用例では、上記各実施の形態およびその変形例に係る撮像装置1が撮像システム3,4に適用される。これにより、撮像装置1が故障したことをユーザが知らない状態で撮像装置1が使用され続けることがなくなるので、撮像装置1の故障が許容されない用途においても、撮像装置1を用いることができる。
【0076】
本適用例では、撮像前にDAC51の故障判定が行われていたが、撮像装置1の出荷時にDAC51の故障判定が行われてもよい。
【0077】
<4.応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0078】
図15は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0079】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図15に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0080】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0081】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0082】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0083】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0084】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0085】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0086】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0087】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検出した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0088】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図15の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0089】
図16は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0090】
図16では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0091】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0092】
なお、図16には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0093】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0094】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0095】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0096】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0097】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031、撮像部12101ないし12104に適用され得る。撮像部12031、撮像部12101ないし12104に本開示に係る技術を適用することにより、撮像部12031、撮像部12101ないし12104に対する故障の心配の少ない車両制御システムを低コストで実現することができる。
【0098】
以上、実施の形態およびその変形例、適用例および応用例を挙げて本開示を説明したが、本開示は実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0099】
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
第1群の電流源および第2群の電流源を含む複数の電流源と、
第1相のランプ電圧を生成するために、前記第1群の電流源の駆動を制御するとともに、第2相のランプ電圧を生成するために、前記第1群の電流源と、前記第2群の電流源のうちの少なくとも1つの電流源との駆動を制御する制御部と
を備えた
撮像装置。
(2)
撮像モードにおいて画素信号をセンサ画素における受光量に応じた値に切り替え、故障検出モードにおいて画素信号を固定値に切り替える切り換え部と、
前記故障検出モードにおいて、前記画素信号と、前記第1群の電流源によって生成されたランプ電圧との比較を行うとともに、前記画素信号と、前記第2群の電流源によって生成されたランプ電圧との比較を行い、これらの比較の結果を出力する出力部と
を更に備えた
(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記故障検出モードにおいて、前記比較結果に基づいて、前記第2群の電流源のうちの少なくとも1つの電流源の故障を検出する故障検出部を更に備えた
(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記制御部は、
前記第1群の電流源の駆動を制御する第1群のシフトレジスタと、
前記第2群の電流源の駆動を制御する第2群のシフトレジスタと、
前記第1群のシフトレジスタの最後段のQ端子と、制御信号が入力される配線とに接続された入力端子と、前記第2群のシフトレジスタの最前段が接続された出力端子とを有するロジック回路と
を含んで構成されている
(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の撮像装置。
(5)
第1群の電流源および第2群の電流源を含む複数の電流源と、
第1相のランプ電圧を生成するために、前記第1群の電流源の駆動を制御するとともに、第2相のランプ電圧を生成するために、前記第1群の電流源と、前記第2群の電流源のうちの少なくとも1つの電流源との駆動を制御する制御部と、
前記第1相のランプ電圧と前記第2相のランプ電圧とに基づいて、前記第2群の電流源のうちの少なくとも1つの電流源の故障を検出する故障検出部と
を備えた
撮像システム。
【0100】
本開示の一実施の形態に係る撮像装置および撮像システムによれば、外部の検査装置を用いずに撮像装置の故障を検出することができ、それに伴い、寄生RCの影響や、測定精度を高めるための処理などを省略することができるようにしたので、テスト時間を短縮することができる。なお、本開示の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されず、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【0101】
本出願は、日本国特許庁において2019年1月15日に出願された日本特許出願番号第2019-004168号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0102】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図11
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図16