(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】パターン修正方法
(51)【国際特許分類】
G03F 1/72 20120101AFI20240516BHJP
G03F 1/32 20120101ALI20240516BHJP
G03F 1/54 20120101ALI20240516BHJP
G03F 1/80 20120101ALI20240516BHJP
【FI】
G03F1/72
G03F1/32
G03F1/54
G03F1/80
(21)【出願番号】P 2021128463
(22)【出願日】2021-08-04
【審査請求日】2021-10-13
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】302003244
【氏名又は名称】株式会社エスケーエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】川原 未佑
(72)【発明者】
【氏名】田中 千恵
(72)【発明者】
【氏名】森山 久美子
【合議体】
【審判長】秋田 将行
【審判官】松川 直樹
【審判官】山村 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-112018(JP,A)
【文献】特開平3-181945(JP,A)
【文献】特開昭50-66449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F1/00-1/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板上に第1材料を含む第1パターン形成部によってパターンが既に形成され
一連の製造工程により一旦完成品として製造され、前記パターンとの位置関係が既知である転写露光用アライメントマークまたは長寸測定用マークが形成されたフォトマスクに対して新たに所望のパターンを修正するパターン修正方法であって、
前記フォトマスクの前記パターンが形成された面に、エッチングストッパー膜、および、前記第1材料と同一金属系の第2材料を含む第2パターン形成部をこの順に成膜する成膜工程と、
前記第2パターン形成部の全面を覆うように前記フォトマスクの表面にフォトレジスト膜を形成するフォトレジスト膜形成工程と、
前記フォトレジスト膜に対して描画装置で描画してフォトレジストパターンを形成するパターン形成工程と、
前記フォトレジストパターンをマスクとして前記第2パターン形成部の一部を除去する第1除去工程と、
前記第1除去工程において除去されなかった前記第2パターン形成部、または、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記エッチングストッパー膜を除去するエッチングストッパー膜除去工程と、を含み、
前記パターン形成工程において、
前記透明基板上に前記第1パターン形成部によるパターン形成時に同時に形成されている描画用アライメントマークを基準として前記フォトレジスト膜に対して前記描画装置で描画を行う、または、
前記成膜工程と前記フォトレジスト膜形成工程との間において作成した描画用アライメントマークと、当該描画用アライメントマークとは異なるマークであって、修正前のパターンに形成されている転写露光用アライメントマークまたは長寸測定用マークと、の位置関係および傾きのずれに基づいて前記描画装置による描画位置を補正して描画を行う、パターン修正方法。
【請求項2】
前記第1材料および前記第2材料は、Cr系金属化合物、Si系化合物、または金属シリサイド化合物である、請求項1に記載のパターン修正方法。
【請求項3】
前記フォトマスクを平面視した場合に、前記第1除去工程において除去されなかった前記第2パターン形成部の一部が前記第1パターン形成部に隣接するように、前記パターン形成工程において前記フォトレジストパターンを形成する、請求項1または2に記載のパターン修正方法。
【請求項4】
前記フォトマスクを平面視した場合に、前記第1除去工程において除去されなかった前記第2パターン形成部の一部が前記第1パターン形成部に隣接しないように、前記パターン形成工程において前記フォトレジストパターンを形成する、請求項1または2に記載のパターン修正方法。
【請求項5】
前記第1パターン形成部は、遮光性を有する第1遮光膜であり、
前記第2パターン形成部は、遮光性を有する第2遮光膜である、請求項1から4のいずれか1項に記載のパターン修正方法。
【請求項6】
前記パターン形成工程では、前記フォトマスクを平面視した場合に、少なくとも前記第1遮光膜と重なる前記フォトレジスト膜の一部を除去するように前記フォトレジストパターンを形成し、
前記第1除去工程は、前記パターン形成工程と、前記エッチングストッパー膜除去工程との間で行われ、
前記エッチングストッパー膜除去工程では、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記エッチングストッパー膜を除去し、
前記エッチングストッパー膜除去工程の後に、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記第1遮光膜の一部を除去する第2除去工程をさらに含む、請求項5に記載のパターン修正方法。
【請求項7】
前記第1パターン形成部は、半透過膜と、前記半透過膜と前記透明基板との間の領域の一部の領域に配置された、遮光性を有する第1遮光膜、または位相シフト膜とを含み、
前記第2パターン形成部は、遮光性を有する第2遮光膜である、請求項1から4のいずれか1項に記載のパターン修正方法。
【請求項8】
前記パターン形成工程では、前記フォトマスクを平面視した場合に、少なくとも前記第1遮光膜または前記位相シフト膜と重なる前記フォトレジスト膜の一部を除去するように前記フォトレジストパターンを形成し、
前記第1除去工程は、前記パターン形成工程と、前記エッチングストッパー膜除去工程との間で行われ、
前記エッチングストッパー膜除去工程では、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記エッチングストッパー膜を除去し、
前記エッチングストッパー膜除去工程の後に、
前記フォトレジストパターンをマスクとして前記半透過膜の一部を除去する第2除去工程と、
前記フォトレジストパターンをマスクとして前記第1遮光膜または前記位相シフト膜の一部を除去する第3除去工程と、をさらに含む、請求項7に記載のパターン修正方法。
【請求項9】
前記第1パターン形成部は、位相シフト膜を含み、
前記第2パターン形成部は、位相シフト膜、または、遮光性を有する第2遮光膜を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のパターン修正方法。
【請求項10】
前記パターン形成工程では、前記フォトマスクを平面視した場合に、少なくとも前記位相シフト膜と重なる前記フォトレジスト膜の一部を除去するように前記フォトレジストパターンを形成し、
前記第1除去工程は、前記パターン形成工程と、前記エッチングストッパー膜除去工程との間で行われ、
前記エッチングストッパー膜除去工程では、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記エッチングストッパー膜を除去し、
前記エッチングストッパー膜除去工程の後に、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記位相シフト膜の一部を除去する第2除去工程をさらに含む、請求項9に記載のパターン修正方法。
【請求項11】
前記第1パターン形成部は、透明基板上に形成された半透過膜または位相シフト膜と、前記半透過膜または前記位相シフト膜の前記透明基板側とは反対側の表面の一部の領域に第2エッチングストッパー膜を介して積層された遮光性を有する第1遮光膜とを含み、
前記第2パターン形成部は、遮光性を有する第2遮光膜を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のパターン修正方法。
【請求項12】
前記パターン形成工程では、前記フォトマスクを平面視した場合に、少なくとも前記第1遮光膜と重なる前記フォトレジスト膜の一部を除去するように前記フォトレジストパターンを形成し、
前記第1除去工程は、前記パターン形成工程と、前記エッチングストッパー膜除去工程との間で行われ、
前記エッチングストッパー膜除去工程では、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記エッチングストッパー膜を除去し、
前記エッチングストッパー膜除去工程の後に、
前記フォトレジストパターンをマスクとして前記第1遮光膜の一部を除去する第2除去工程と、
前記フォトレジストパターンをマスクとして前記第2エッチングストッパー膜の一部を除去する第3除去工程と、
前記フォトレジストパターンをマスクとして前記半透過膜または前記位相シフト膜の一部を除去する第4除去工程と、をさらに含む、請求項11に記載のパターン修正方法。
【請求項13】
前記第1パターン形成部は、
前記第1材料および前記第2材料とは異なる第3材料を含み、前記透明基板上に形成された、半透過膜または位相シフト膜と、
前記半透過膜または前記位相シフト膜の前記透明基板側とは反対側の表面の一部の領域に積層された、遮光性を有する第1遮光膜と、を含み、
前記第2パターン形成部は、遮光性を有する第2遮光膜である、請求項1から4のいずれか1項に記載のパターン修正方法。
【請求項14】
前記パターン形成工程では、前記フォトマスクを平面視した場合に、少なくとも前記第1遮光膜と重なる前記フォトレジスト膜の一部を除去するように前記フォトレジストパターンを形成し、
前記第1除去工程は、前記パターン形成工程と、前記エッチングストッパー膜除去工程との間で行われ、
前記エッチングストッパー膜除去工程では、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記エッチングストッパー膜を除去し、
前記エッチングストッパー膜除去工程の後に、
前記フォトレジストパターンをマスクとして前記第1遮光膜の一部を除去する第2除去工程と、
前記フォトレジストパターンをマスクとして前記半透過膜または前記位相シフト膜の一部を除去する第3除去工程と、をさらに含む、請求項13に記載のパターン修正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターンが既に形成されたフォトマスクのパターンを修正するパターン修正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、既に使用されている作製済みのフォトマスク、すなわち、既にパターンが形成されたフォトマスクのパターンを修正する技術が知られている。既にパターンが形成されているフォトマスクのパターンを修正することによって、新たにフォトマスクを作製するよりも安価にフォトマスクを作製することができる。例えば、特許文献1には、CVD(Chemical Vapor Deposition)を用いてフォトマスクのパターンを修正する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、一度に修正できる面積が小さいため、大規模なパターン修正をするために時間を要してしまうという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、一度に大規模なパターン修正を行うことができるパターン修正方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るパターン修正方法は、透明基板上に第1材料を含む第1パターン形成部によってパターンが既に形成されたフォトマスクに対して新たにパターンを修正するパターン修正方法であって、前記フォトマスクの前記パターンが形成された面に、エッチングストッパー膜、および、前記第1材料と同一金属系の第2材料を含む第2パターン形成部をこの順に成膜する成膜工程と、前記第2パターン形成部の全面を覆うように前記フォトマスクの表面にフォトレジスト膜を形成するフォトレジスト膜形成工程と、前記フォトレジスト膜に対して描画装置で描画してフォトレジストパターンを形成するパターン形成工程と、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記第2パターン形成部の一部を除去する第1除去工程と、前記第1除去工程において除去されなかった前記第2パターン形成部、または、前記フォトレジストパターンをマスクとして前記エッチングストッパー膜を除去するエッチングストッパー膜除去工程と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、一度に大規模なパターン修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1に係るパターン修正方法によってパターンを修正する対象のフォトマスクの一例を示す平面図である。
【
図3】本発明の実施形態1に係るパターン修正方法によってパターンを修正したい箇所を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態1に係るパターン修正方法の一例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施形態1に係るパターン修正方法を説明するための図である。
【
図6】本発明の実施形態1に係るパターン修正方法によって修正された後のパターン形成領域Aを示す図である。
【
図7】実施形態1の本変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスクにおける1つのパターン形成領域を拡大した図である。
【
図9】上記変形例のパターン修正方法によってパターンを修正した後のパターン形成領域を示す図である。
【
図11】上記変形例のパターン修正方法によってパターンを修正した後のパターン形成領域の他の一例を示す図である。
【
図12】上記変形例のパターン修正方法によってパターンを修正した後のパターン形成領域の更なる他の一例を示す図である。
【
図13】実施形態1の他の変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスクにおける1つのパターン形成領域を拡大した図である。
【
図15】上記変形例のパターン修正方法によってパターンを修正した後のパターン形成領域を示す図である。
【
図17】上記変形例の他のパターン修正方法を説明するための図である。
【
図18】上記変形例の他のパターン修正方法を説明するための図である。
【
図19】実施形態1の他の変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスクにおける1つのパターン形成領域を拡大した図である。
【
図21】上記変形例のパターン修正方法によってパターンを修正した後のパターン形成領域を示す図である。
【
図23】実施形態1の他の変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスクにおける1つのパターン形成領域を拡大した図である。
【
図24】上記変形例におけるパターン修正方法を説明するための図である。
【
図25】上記変形例におけるパターン修正方法を説明するための図である。
【
図26】上記変形例におけるパターン修正方法により修正した後のフォトマスクの平面図である。
【
図27】実施形態1の他の変形例におけるパターン修正方法を説明するための図である。
【
図28】上記変形例におけるパターン修正方法を説明するための図である。
【
図29】実施形態1の他の変形例におけるパターン修正方法を説明するための図である。
【
図30】上記変形例におけるパターン修正方法を説明するための図である。
【
図31】実施形態1の他の変形例におけるパターン修正方法を説明するための図である。
【
図32】上記変形例におけるパターン修正方法を説明するための図である。
【
図33】本発明の実施形態2に係るパターン修正方法によってパターンを修正する対象のフォトマスクの一例を示す平面図である。
【
図35】本発明の実施形態2に係るパターン修正方法によってパターンを修正したい箇所を示す図である。
【
図36】本発明の実施形態2に係るパターン修正方法の一例を示すフローチャートである。
【
図37】本発明の実施形態2に係るパターン修正方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態では、透明基板上に遮光膜によってパターンが既に形成されたフォトマスクに対して新たにパターンを修正するパターン修正方法の一実施形態について説明する。本明細書において、「パターンが既に形成されたフォトマスク」とは、透明基板上にパターンが形成されたフォトマスクであって、一連の製造工程により一旦完成品として製造されたフォトマスクであり、例えば、既に使用されているフォトマスクであってもよい。
【0010】
図1は、本実施形態におけるパターン修正方法によってパターンを修正する対象のフォトマスクの一例としてのフォトマスク10の構成を示す平面図である。
図2は、
図1に示す領域D1の拡大図であり、1つのパターン形成領域Aを拡大した図である。
【0011】
図1に示すように、フォトマスク10は、透明基板2上に複数のパターン形成領域Aが形成されている。透明基板2は、合成石英ガラスなどの基板によって構成されている。透明基板2は、露光工程の露光光に含まれる代表波長に対し95%以上の透過率を有する。上記露光光の代表波長は、例えばi線、h線またはg線、あるいはそれらの混合光であってもよいが、これらに限定されない。
【0012】
パターン形成領域Aには、
図2に示すように、透明基板2上に光が透過しない(すなわち、遮光性を有する)材料(以下では、第1材料と呼称する)を含む第1遮光膜11(第1パターン形成部)によってパターン(以降では、第1パターンとも称する)が形成されている。第1遮光膜11は、光学濃度OD値は2.7以上が適しており、例えば、クロム膜を用いることができる。なお、露光時の迷光の発生を防ぐために、第1遮光膜11の両面には、反射防止膜が積層されて形成されていてもよい。
【0013】
パターン形成領域Aにおいて、第1遮光膜11が形成されていない領域は、光を透過する透光部12となっている。本実施形態では、1つのパターン形成領域Aに円形の第1遮光膜11が形成されている例について説明する。フォトマスク10には、
図1に示すように、透明基板2の四隅に、フォトマスク10に第1遮光膜11をパターニングする際にフォトマスク10の位置決めの基準として設けられたアライメントマーク4が形成されている。
【0014】
図3は、本実施形態におけるパターン修正方法によってパターンを修正したい箇所を示す図である。本実施形態では、
図3に示すように、第1遮光膜11によって形成される円の内側に隣接する領域D2、および、上記円の中央に位置し第1遮光膜11とは隣接しない領域D3に新たに遮光部を形成するようにパターンを修正する例について説明する。なお、本実施形態では、1つのパターン形成領域Aについて説明するが、他のパターン形成領域Aについても、必要に応じてそれぞれのパターンを修正する。
【0015】
図4は、本実施形態におけるパターン修正方法の一例を示すフローチャートである。
図5は、本実施形態におけるパターン修正方法を説明するための図である。
図5に示す各図は、第1遮光膜11によって形成される円の中心を通り、透明基板2の表面に対して垂直な面で切断した断面図である。
図4および
図5に示すように、本実施形態におけるパターン修正方法では、まず、透明基板2上に第1遮光膜11によって第1パターンが既に形成されたフォトマスク10を準備する(ステップS1)。
【0016】
次に、フォトマスク10における第1パターンが形成された面に、エッチングストッパー膜21、および、上記第1材料と同一金属系の第2材料を含む第2遮光膜22(第2パターン形成部)をこの順に成膜する(ステップS2、成膜工程)。本明細書では、本発明のパターン修正方法においてパターンを修正する際に用いられる部材であって、修正後にフォトマスクのパターンとして用いられる部材を「第2パターン形成部」と呼称する。エッチングストッパー膜21および第2遮光膜22は、例えば、スパッタ法、蒸着法などにより成膜される。第1材料は、第1金属元素(例えば、Cr、Niなど)および第1非金属元素からなる材料であり、第2材料は、上記第1金属元素および上記第1非金属元素とは異なる第2非金属元素からなる材料である。エッチングストッパー膜21は、第2遮光膜22をエッチングするための溶剤によってエッチングされない材料によって構成される。エッチングストッパー膜21として、例えば、チタン、ニッケル、モリブデンシリサイドなどを用いることができる。
【0017】
その後、第2遮光膜22を含むフォトマスク10の全面にフォトレジスト膜23を形成する(ステップS3、フォトレジスト膜形成工程)。換言すれば、第2遮光膜22の全面を覆うようにフォトマスク10の表面にフォトレジスト膜23を形成する。フォトレジスト膜23は、例えば、塗布法、スプレイ法などにより形成される。
【0018】
次に、フォトレジスト膜23に対して描画装置で描画し、その後現像することによりフォトレジストパターンを形成する(ステップS4、パターン形成工程)。具体的には、
図3に示す領域D2および領域D3に対応する第2遮光膜22のみが、後述する第1除去工程において除去されないようにフォトレジストパターンを形成する。現像は、パドル法、浸漬法、スプレイ法、スピン法などにより行われる。
【0019】
本実施形態におけるステップS4では、フォトマスク10の透明基板2上に第1遮光膜11による第1パターンの形成時に同時に形成されているアライメントマーク4を基準として、フォトマスク10の位置決めを行ったあと、描画装置で描画を行う。換言すれば、アライメントマーク4を基準としてフォトレジスト膜23に対して描画装置で描画を行う。これにより、新たに追加するパターンを追加する位置を高精度に制御することができる。なお、追加のパターンの形成位置の精度が必要でない場合は、アライメントマーク4によるフォトマスク10の位置決めを行う必要はない。
【0020】
次に、ステップS4において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第2遮光膜22の一部を除去する(ステップS5、第1除去工程)。これにより、ステップS2で成膜した第2遮光膜22のうち、
図3に示す領域D2および領域D3に対応する第2遮光膜22以外の第2遮光膜22が除去される。ステップS4では、第2遮光膜22をエッチングする溶剤としてエッチングストッパー膜21を溶解しない溶剤を用いることにより、第2遮光膜22のみがエッチングされ除去される。
【0021】
次に、残存しているフォトレジスト膜23を除去する(ステップS6)。フォトレジスト膜23の除去は、例えば、パドル法、アッシング法、またはレジスト剥離液への浸漬によって行うことができる。最後に、ステップS5において除去されなかった第2遮光膜22をマスクとしてエッチングストッパー膜21を除去する(ステップS7、エッチングストッパー膜除去工程)。これにより、フォトマスク10に元々形成されていた第1遮光膜11を残したまま、第2遮光膜22により新たに遮光部が追加されたフォトマスクを作製することができる。
【0022】
図6は、本実施形態におけるパターン修正方法によって修正された後のパターン形成領域Aを示す図である。
図6に示すように、パターン修正後のパターン形成領域Aでは、
図3に示す領域D2および領域D3に第2遮光膜22が形成されている。領域D2に第2遮光膜22が形成されることにより、パターン修正前に第1遮光膜11によって形成されていた遮光領域の面積を広くすることができる。換言すれば、フォトマスク10を平面視した場合に第1遮光膜11によって形成されていた遮光領域の幅を広くすることができる。また、領域D3に第2遮光膜22が形成されることにより、遮光領域を追加で形成することができる。
【0023】
以上のように、本実施形態におけるパターン修正方法では、既存のフォトマスク10の全面に対して、エッチングストッパー膜21、および、第1遮光膜11を構成する第1材料からなる第2遮光膜22を製膜して、第2遮光膜22をフォトリソグラフィ法によりパターニングする。当該構成により、フォトマスク10の全面において第2遮光膜22を追加パターニングすることができる。すなわち、本実施形態におけるパターン修正方法は、一度に大規模なパターン修正を行うことができる。その結果、既にパターンが形成されているフォトマスクのパターンに対して短時間でパターン修正を行うことができる。
【0024】
また、本実施形態におけるパターン修正方法では、第1遮光膜11を構成する材料である上記第1材料と同一の金属系の材料で構成される第2遮光膜22によって遮光領域を追加で形成する。これにより、修正後のフォトマスク10を洗浄する際に、修正前のフォトマスク10と同じ洗浄液を用いることができる。第1遮光膜11および第2遮光膜22を構成する材料(すなわち、上記第1材料および上記第2材料)は、Cr系金属化合物、Si系化合物、金属シリサイド化合物などの公知の材料から選択することができる。例えば、第1遮光膜11および第2遮光膜22を構成する材料は、金属Cr、Cr酸化物、Cr窒化物、Cr炭化物、Cr酸化窒化物、Cr窒化炭化物、Cr酸化炭化物、Cr酸化窒化炭化物のうちのいずれか1種以上を含有させたCr系金属化合物とすることができる。
【0025】
さらに、本実施形態におけるパターン修正方法では、特許文献1の技術のようなCVDを用いた場合に発生する膜剥がれが発生する虞がない。また、特許文献1の技術のようなCVDを用いた場合、所望の領域以外にレーザが照射されてしまい所望の領域以外にも遮光部が形成されてしまうため、当該遮光部を整形しつつ除去する必要がある。これに対して本実施形態におけるパターン修正方法では、描画装置を用いて第2遮光膜22のパターニングを行うため、高精度でパターンを追加することができ、不要な遮光部の除去を行う必要がない。
【0026】
なお、本実施形態のパターン修正方法では、ステップS4(パターン形成工程)において、アライメントマーク4を基準として、フォトマスク10の位置決めを行ったあと、描画装置で描画を行う構成であった。しかしながら、フォトマスク10には、アライメントマーク4が形成されていない場合がある。この場合は、以下のようにして、フォトマスク10の位置決めを行ってもよい。
【0027】
まず、ステップS3(フォトレジスト膜形成工程)の前に、第2遮光膜22にアライメントマークを作製する。そして、作製したアライメントマークと、修正前のフォトマスク10にもともと形成されている対象パターンとの位置関係および傾きのずれを求め、当該位置関係およびずれに基づいてステップS4における描画装置による描画位置を補正する。上記対象パターンは、修正前のフォトマスク10において形成されている位置が既知であるパターンであれば特に限定されるものではなく、例えば、転写露光用アライメントマーク、長寸測定用のマークなどを用いることができる。
【0028】
当該構成によれば、フォトマスク10にアライメントマーク4が形成されていない場合においても、新たに作製したアライメントマークを用いて描画装置によって描画する位置を補正することができるので、高精度に追加パターンを形成することができる。
【0029】
本実施形態におけるパターン修正方法によって修正されたフォトマスクは、透明基板2上に第1遮光膜11によって第1パターンが既に形成されたフォトマスクに対して新たにパターンを追加したフォトマスクであり、(1)上記第1パターンと、(2)透明基板2上にフォトマスクを平面視した場合に上記第1パターンと隣接するように形成されたパターンであって、エッチングストッパー膜21と、第2遮光膜22とによって形成された遮光領域のパターン(第2パターン)と、(3)フォトマスクを平面視した場合に上記第1パターンと隣接しないように形成されたパターンであって、エッチングストッパー膜21と、第2遮光膜22とによって形成されたパターン(第2パターン)と、を有する。
【0030】
<変形例1>
実施形態1では、予め第1遮光膜11によって第1パターンが既に形成されたフォトマスクに、新たに第2遮光膜22による遮光部を形成するパターン修正方法について説明したが、本発明はこれに限られない。本発明の一態様では、第1パターンが遮光膜以外の膜によって形成されているフォトマスクを対象とすることができる。詳細について、
図7~10を参照しながら説明する。
【0031】
図7は、本変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスク10における1つのパターン形成領域Aを拡大した図である。
図8は、
図7に示すA-A線矢視断面図である。本変形例における修正対象となるフォトマスク10は、トップ型のフォトマスクである。
図9は、本変形例のパターン修正方法によってパターンを修正した後のパターン形成領域Aを示す図である。
図10は、
図9に示すB-B線矢視断面図である。
【0032】
本変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスク10は、
図7および
図8に示すように、パターン形成領域Aにおいて、第1パターン形成部としての、第1遮光膜11と、照射された光の一部を透過する半透過膜13とによってパターン(第1パターン)が形成されている。より詳細には、
図8に示すように、パターン形成領域Aの一部に第1遮光膜11が形成されており、第1遮光膜11の透明基板2側とは反対側の領域、およびパターン形成領域Aのうち第1遮光膜11が形成されていない領域の一部の領域に半透過膜13が形成されている。換言すれば、パターン形成領域Aの一部に半透過膜13が形成されており、半透過膜13と透明基板2との間の一部に第1遮光膜11が配置されている。当該構成となっていることにより、パターン修正の対象となるフォトマスク10は、フォトマスク10を平面視した場合に半透過膜13と第1遮光膜11とが重畳している領域が遮光領域となっており、半透過膜13のみの領域が半透過領域となっているハーフトーンマスクとなっている。
【0033】
次に、上記の構成を有するフォトマスク10のパターン修正方法について説明する。まず、フォトマスク10における第1パターンが形成された面に、エッチングストッパー膜21、および、半透過膜13を構成する材料(第1材料)と同一金属系の第2材料を含む第2遮光膜22(第2パターン形成部)をこの順に成膜する(成膜工程)。
【0034】
その後、第2遮光膜22を含むフォトマスク10の全面にフォトレジスト膜を形成する(フォトレジスト膜形成工程)。換言すれば、第2遮光膜22の全面を覆うようにフォトマスク10の表面にフォトレジスト膜を形成する。
【0035】
次に、フォトレジスト膜に対して描画装置で描画し、その後現像することによりフォトレジストパターンを形成する(パターン形成工程)。具体的には、新たに遮光領域を追加したい領域に対応する領域の第2遮光膜22のみが後述する第1除去工程において除去されないようにフォトレジストパターンを形成する。
【0036】
次に、形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第2遮光膜22の一部を除去する(第1除去工程)。第1除去工程では、第2遮光膜22をエッチングする溶剤としてエッチングストッパー膜21を溶解しない溶剤を用いることにより、第2遮光膜22のみがエッチングされ除去される。
【0037】
次に、残存しているフォトレジスト膜を除去する。最後に、第1除去工程において除去されなかった第2遮光膜22をマスクとしてエッチングストッパー膜21を除去する(エッチングストッパー膜除去工程)。これにより、
図9および
図10に示すように、第1遮光膜11および半透過膜13によってフォトマスク10に元々形成されていた第1パターンを残したまま、第2遮光膜22により新たに遮光領域が追加されたフォトマスクを作製することができる。
【0038】
図11は、本変形例のパターン修正方法によってパターンを修正した後のパターン形成領域Aの他の一例を示す図である。
図11に示すように、本発明の一態様では、フォトマスク10を平面視した場合に第2遮光膜22の一部が第1パターンの一部(より詳細には、第1パターンのうち第1遮光膜11が形成されている領域の一部)に重畳するように、第2遮光膜22を形成してもよい。これにより、フォトマスク10における遮光領域の形状を変更することができる。
【0039】
図12は、本変形例のパターン修正方法によってパターンを修正した後のパターン形成領域Aの更なる他の一例を示す図である。
図12に示すように、本発明の一態様では、フォトマスク10を平面視した場合に第1遮光膜11および半透過膜13によって形成されていた第1パターンの全領域を含むように第2遮光膜22を形成してもよい。これにより、フォトマスク10における遮光領域の面積を広くすることができる。ただし、この場合、修正前のフォトマスク10が有していた半透過効果は消失する。
【0040】
なお、本変形例では、第1パターン形成部としての、第1遮光膜11と、半透過膜13とによってパターン(第1パターン)が形成されているフォトマスクに対してパターンを修正する方法について説明したが、本発明の一態様では、第1遮光膜11に代えて位相シフト膜を用いたフォトマスクに対しても同様にパターン修正を行ってもよい。
【0041】
<変形例2>
上記で説明した各パターン修正方法は、第1パターンが位相シフト膜によって形成されているフォトマスクに対しても行うことができる。位相シフト膜は、透過率が1~15%程度であり、かつ、位相を反転(またはシフト)させる効果を持つ半透過膜であり、位相シフト効果により解像度が向上する。ただし、
図12に示す例のように、フォトマスク10を平面視した場合に位相シフト膜によって形成された第1パターンの全領域を含むように第2遮光膜22を形成した場合は、修正前のフォトマスク10が有していた位相シフト効果は消失する。
【0042】
なお、第1パターンが位相シフト膜によって形成されているフォトマスク10に対して修正を行う場合において、第2遮光膜22に代えて位相シフト膜を用いて修正を行ってもよい。これにより、位相シフト効果を有する領域の形状を変更させることができる。ただし、
図12に示す例のように、フォトマスク10を平面視した場合に位相シフト膜によって形成された第1パターンの全領域を含むように位相シフト膜を形成した場合は、フォトマスク10を平面視したときに位相シフト膜が重畳する領域では位相シフト効果が消失し、新たに形成した位相シフト膜のみが存在する領域においてのみ位相シフト効果が得られるフォトマスク(すなわち、エッジ強調型のフォトマスク)となる。
【0043】
<変形例3>
変形例1では、トップ型のハーフトーンマスクのパターンを修正する方法について説明したが、本発明はこれに限られない。本発明の一態様のパターン修正方法は、ボトム型のハーフトーンマスクに対しても適用することができる。詳細について、
図13~16を参照しながら説明する。
【0044】
図13は、本変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスク10における1つのパターン形成領域Aを拡大した図である。
図14は、
図13に示すC-C線矢視断面図である。
図15は、本変形例のパターン修正方法によってパターンを修正した後のパターン形成領域Aを示す図である。
図16は、
図15に示すE-E線矢視断面図である。
【0045】
本変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスク10は、
図13および
図14に示すように、パターン形成領域Aにおいて、第1パターン形成部としての、第1遮光膜11と、照射された光の一部を透過する半透過膜13とによってパターン(第1パターン)が形成されている。より詳細には、
図14に示すように、パターン形成領域Aの一部に半透過膜13が形成されており、半透過膜13の透明基板2側とは反対側の層の一部にエッチングストッパー膜14および第1遮光膜11がこの順で積層されている。当該構成となっていることにより、本変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスク10は、フォトマスク10を平面視した場合に半透過膜13と第1遮光膜11とが重畳している領域が遮光領域となっており、半透過膜13のみの領域が半透過領域となっているハーフトーンマスクとなっている。半透過膜13と第1遮光膜11とは、同一金属系の材料にて構成されている。
【0046】
次に、上記の構成を有するフォトマスク10のパターン修正方法について説明する。まず、フォトマスク10における第1パターンが形成された面に、エッチングストッパー膜21、および、第1遮光膜11および半透過膜13を構成する材料(第1材料)と同一金属系の第2材料を含む第2遮光膜22(第2パターン形成部)をこの順に成膜する(成膜工程)。
【0047】
その後、第2遮光膜22を含むフォトマスク10の全面にフォトレジスト膜を形成する(フォトレジスト膜形成工程)。換言すれば、第2遮光膜22の全面を覆うようにフォトマスク10の表面にフォトレジスト膜を形成する。
【0048】
次に、フォトレジスト膜に対して描画装置で描画し、その後現像することによりフォトレジストパターンを形成する(パターン形成工程)。具体的には、新たに遮光領域を追加したい領域に対応する領域の第2遮光膜22のみが後述する第1除去工程において除去されないようにフォトレジストパターンを形成する。
【0049】
次に、形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第2遮光膜22の一部を除去する(第1除去工程)。第1除去工程では、第2遮光膜22をエッチングする溶剤としてエッチングストッパー膜21を溶解しない溶剤を用いることにより、第2遮光膜22のみがエッチングされ除去される。
【0050】
次に、残存しているフォトレジスト膜を除去する。最後に、第1除去工程において除去されなかった第2遮光膜22をマスクとしてエッチングストッパー膜21を除去する(エッチングストッパー膜除去工程)。これにより、
図15および
図16に示すように、第1遮光膜11および半透過膜13によってフォトマスク10に元々形成されていた第1パターンを残したまま、第2遮光膜22により新たに遮光領域が追加されたフォトマスクを作製することができる。
【0051】
なお、本変形例では、第1パターン形成部としての、第1遮光膜11と、半透過膜13とによってパターン(第1パターン)が形成されているフォトマスクに対してパターンを修正する方法について説明したが、本発明の一態様では、第1遮光膜11に代えて位相シフト膜を用いたフォトマスクに対しても同様にパターン修正を行ってもよい。位相シフト膜は、露光光の位相をシフトする機能を有し、単独膜により露光光に位相が反転する(すなわち位相シフト角が略180°)性質を有する。ただし、ここでいう「略180°」とは、180°±20°を意味し、露光光の干渉効果が十分に得られる露光光の位相差をいう。
【0052】
また、本発明の一態様では、第1遮光膜11に代えて位相シフト膜を用いたフォトマスクに対してパターン修正を行う場合に、第2遮光膜22に代えて露光光を一部透過する半透過膜を用いてもよい。この場合、位相シフト膜の透過率を3~15%とすることが好ましい。また、本発明の一態様では、第1遮光膜11に代えて半透過膜を用いたフォトマスクに対して、第2遮光膜22に代えて位相シフト膜を用いてパターン修正を行ってもよい。この場合、半透過膜は、露光光に対する透過率が10~70%であり、位相シフト角が0.1°~20°であることが好ましい。
【0053】
次に、
図13および
図14に示すボトム型のハーフトーンマスクであるフォトマスク10に対して、新たに遮光領域を追加するとともに、もともと第1遮光膜11によって遮光領域となっていた領域の一部を半透過領域に変更するように修正するパターン修正方法について、
図17および
図18を参照しながら説明する。
図17および
図18は、当該パターン修正方法を説明するための図である。
図17および
図18に示す各図は、
図13に示すD-D線矢視断面図に対応する。
【0054】
当該パターン修正方法では、
図17に示すように、透明基板2上に第1遮光膜11と半透過膜13とエッチングストッパー膜14とによってパターン(第1パターン)が形成されたフォトマスク10を準備する(ステップS11)。次に、フォトマスク10における第1パターンが形成された面に、エッチングストッパー膜21、および、上記第1材料を含む第2遮光膜22(第2パターン形成部)をこの順に成膜する(ステップS12、成膜工程)。その後、第2遮光膜22を含むフォトマスク10の全面にフォトレジスト膜23を形成する(ステップS13、フォトレジスト膜形成工程)。換言すれば、第2遮光膜22の全面を覆うようにフォトマスク10の表面にフォトレジスト膜23を形成する。
【0055】
次に、フォトレジスト膜23に対して描画装置で描画し、その後現像することによりフォトレジストパターンを形成する(ステップS14、パターン形成工程)。具体的には、新たに遮光領域に変更したい領域に対応する第2遮光膜22のみが、後述する第1除去工程において除去されないようにフォトレジストパターンを形成する。
【0056】
次に、ステップS14において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第2遮光膜22の一部を除去する(ステップS15、第1除去工程)。ステップS15では、第2遮光膜22をエッチングする溶剤としてエッチングストッパー膜21を溶解しない溶剤を用いることにより、第2遮光膜22のみがエッチングされ除去される。
【0057】
次に、
図18に示すように、ステップS14において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、エッチングストッパー膜21の一部を除去する(ステップS16)。次に、ステップS14において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第1遮光膜11の一部を除去する(ステップS17)。その後、ステップS14において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、エッチングストッパー膜14の一部を除去する(ステップS18)。最後に、残存しているフォトレジスト膜23を除去する(ステップS19)。
【0058】
上記の方法により、新たに第2遮光膜22によって新たに遮光領域を追加するとともに、フォトマスクを平面視したときにもともと第1遮光膜11によって遮光領域となっていた領域の一部において半透過膜13が露出させることにより遮光領域の一部を半透過領域に変更することができる。
【0059】
<変形例4>
変形例3では、同一金属系の材料にて構成されている、半透過膜13および第1遮光膜11と、半透過膜13および第1遮光膜11との間に配置されたエッチングストッパー膜14とにより構成されたボトム型のハーフトーンマスクのパターンを修正する方法について説明したが、本発明はこれに限られない。本発明の一態様のパターン修正方法は、他の構成を有するボトム型のハーフトーンマスクに対しても適用することができる。詳細について、
図19~22を参照しながら説明する。
【0060】
図19は、本変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスク10における1つのパターン形成領域Aを拡大した図である。
図20は、
図19に示すF-F線矢視断面図である。
図21は、本変形例のパターン修正方法によってパターンを修正した後のパターン形成領域Aを示す図である。
図22は、
図21に示すG-G線矢視断面図である。
【0061】
本変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスク10は、
図19および
図20に示すように、第1パターン形成部としての、第1遮光膜11と、照射された光の一部を透過する半透過膜13とによってパターン(第1パターン)が形成されている。より詳細には、
図20に示すように、パターン形成領域Aの一部に半透過膜13が形成されており、半透過膜13の透明基板2側とは反対側の層に第1遮光膜11が積層されている。当該構成となっていることにより、本変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスク10は、フォトマスク10を平面視した場合に半透過膜13と第1遮光膜11とが重畳している領域が遮光領域となっており、半透過膜13のみの領域が半透過領域となっているハーフトーンマスクとなっている。第1遮光膜11と半透過膜13とは異なる金属系の材料で構成されている。例えば、第1遮光膜11は、Cr系の材料で構成されており、半透過膜13は第3材料としてのMoSiにて構成されている。
【0062】
次に、上記の構成を有するフォトマスク10のパターン修正方法について説明する。まず、フォトマスク10における第1パターンが形成された面に、エッチングストッパー膜21、および、第2遮光膜22(第2パターン形成部)をこの順に成膜する(成膜工程)。
【0063】
その後、第2遮光膜22を含むフォトマスク10の全面にフォトレジスト膜を形成する(フォトレジスト膜形成工程)。換言すれば、第2遮光膜22の全面を覆うようにフォトマスク10の表面にフォトレジスト膜を形成する。
【0064】
次に、フォトレジスト膜に対して描画装置で描画し、その後現像することによりフォトレジストパターンを形成する(パターン形成工程)。具体的には、新たに遮光領域を追加したい領域に対応する領域の第2遮光膜22のみが後述する第1除去工程において除去されないようにフォトレジストパターンを形成する。
【0065】
次に、形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第2遮光膜22の一部を除去する(第1除去工程)。第1除去工程では、第2遮光膜22をエッチングする溶剤としてエッチングストッパー膜21を溶解しない溶剤を用いることにより、第2遮光膜22のみがエッチングされ除去される。
【0066】
次に、残存しているフォトレジスト膜を除去する。最後に、第1除去工程において除去されなかった第2遮光膜22をマスクとしてエッチングストッパー膜21を除去する(エッチングストッパー膜除去工程)。これにより、
図21および
図22に示すように、第1遮光膜11および半透過膜13によってフォトマスク10に元々形成されていた第1パターンを残したまま、第2遮光膜22により新たに遮光領域が追加されたフォトマスクを作製することができる。
【0067】
<変形例5>
本変形例では、実施形態1において説明した遮光領域を追加する修正行うとともに、もともとフォトマスクに形成されていた遮光領域を小さくする修正を行うパターン修正方法について説明する。
図23は、本変形例におけるパターン修正の対象となるフォトマスク10における1つのパターン形成領域Aを拡大した図である。
図24および
図25は、本変形例におけるパターン修正方法を説明するための図である。
図24および
図25に示す各図は、
図23に示すH-H線矢視断面図に対応する。
【0068】
図23に示すように、本変形例における修正対象となるフォトマスク10のパターン形成領域Aには、第1遮光膜11によってT字型の第1パターンが形成されている。
【0069】
本変形例におけるパターン修正方法では、
図24に示すように、透明基板2上に第1遮光膜11によってパターン(第1パターン)が形成されたフォトマスク10を準備する(ステップS21)。次に、フォトマスク10における第1パターンが形成された面に、エッチングストッパー膜21、および、上記第1材料を含む第2遮光膜22(第2パターン形成部)をこの順に成膜する(ステップS22、成膜工程)。その後、第2遮光膜22を含むフォトマスク10の全面にフォトレジスト膜23を形成する(ステップS23、フォトレジスト膜形成工程)。換言すれば、第2遮光膜22の全面を覆うようにフォトマスク10の表面にフォトレジスト膜23を形成する。
【0070】
次に、フォトレジスト膜23に対して描画装置で描画し、その後現像することによりフォトレジストパターンを形成する(ステップS24、パターン形成工程)。具体的には、新たに遮光領域を追加したい領域、および、パターン修正後において第1遮光膜11による遮光領域のうちパターン修正後においても遮光領域として残す領域に対応するフォトレジスト膜23のみが残るようにフォトレジストパターンを形成する。本変形例では、もともと第1遮光膜11によって遮光領域となっている領域のうち透光領域に変更したい領域のフォトレジスト膜23を除去する。換言すれば、フォトマスク10を平面視した場合に、少なくとも第1遮光膜11、並びに、ステップS22において形成されたエッチングストッパー膜21および第2遮光膜22と重なるフォトレジスト膜23の一部を除去するようにフォトレジストパターンを形成する。
【0071】
次に、ステップS24において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第2遮光膜22の一部を除去する(ステップS25、第1除去工程)。ステップS25では、第2遮光膜22をエッチングする溶剤としてエッチングストッパー膜21を溶解しない溶剤を用いることにより、第2遮光膜22のみがエッチングされ除去される。
【0072】
次に、
図25に示すように、ステップS24において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、エッチングストッパー膜21の一部を除去する(ステップS26)。次に、ステップS24において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第1遮光膜11の一部を除去する(ステップS27、第2除去工程)。最後に、残存しているフォトレジスト膜23を除去する(ステップS28)。
【0073】
図26は、上記の方法により修正した後のフォトマスクの平面図である。
図26では、修正前の第1遮光膜11を一点鎖線で示している。
図26に示すように、上記の方法により修正することにより、新たに第2遮光膜22によって新たに遮光領域を追加するとともに、フォトマスクを平面視したときにもともと第1遮光膜11によって形成されていた遮光領域を小さくすることができる。
【0074】
なお、本変形例におけるパターン修正方法は、第1パターンが位相シフト膜によって構成されている場合にも適用することができる。
【0075】
<変形例6>
本変形例では、変形例1において説明したトップ型のフォトマスクに対して、遮光領域を追加する修正行うとともに、もともとフォトマスクに形成されていた第1パターンを小さくする修正を行うパターン修正方法について、
図27および
図28を参照しながら説明する。
図27および
図28は、本変形例におけるパターン修正方法を説明するための図である。
【0076】
本変形例におけるパターン修正方法では、
図27に示すように、まず、透明基板2上に第1遮光膜11および半透過膜13によってパターン(第1パターン)が形成されたフォトマスク10を準備する(ステップS31)。次に、フォトマスク10における第1パターンが形成された面に、エッチングストッパー膜21、および、上記第1材料を含む第2遮光膜22(第2パターン形成部)をこの順に成膜する(ステップS32、成膜工程)。その後、第2遮光膜22を含むフォトマスク10の全面にフォトレジスト膜23を形成する(ステップS33、フォトレジスト膜形成工程)。換言すれば、第2遮光膜22の全面を覆うようにフォトマスク10の表面にフォトレジスト膜23を形成する。
【0077】
次に、フォトレジスト膜23に対して描画装置で描画し、その後現像することによりフォトレジストパターンを形成する(ステップS34、パターン形成工程)。具体的には、新たに遮光領域を追加したい領域、パターン修正後において第1遮光膜11による遮光領域のうちパターン修正後においても遮光領域として残す領域、および半透過膜13によって半透過領域となっていた領域のうち遮光領域に変更したい領域に対応するフォトレジスト膜23のみが残るようにフォトレジストパターンを形成する。本変形例では、もともと第1遮光膜11または半透過膜13によって遮光領域または半透過領域となっている領域のうち透光領域に変更したい領域のフォトレジスト膜23を除去する。換言すれば、フォトマスク10を平面視した場合に、少なくとも第1遮光膜11、半透過膜13、並びに、ステップS32において形成されたエッチングストッパー膜21および第2遮光膜22と重なるフォトレジスト膜23の一部を除去するようにフォトレジストパターンを形成する。
【0078】
次に、ステップS34において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第2遮光膜22の一部を除去する(ステップS35、第1除去工程)。ステップS35では、第2遮光膜22をエッチングする溶剤としてエッチングストッパー膜21を溶解しない溶剤を用いることにより、第2遮光膜22のみがエッチングされ除去される。
【0079】
次に、
図28に示すように、ステップS34において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、エッチングストッパー膜21の一部を除去する(ステップS36)。次に、ステップS34において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、半透過膜13の一部を除去する(ステップS37、第2除去工程)。次に、ステップS34において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第1遮光膜11の一部を除去する(ステップS38、第3除去工程)。最後に、残存しているフォトレジスト膜23を除去する(ステップS39)。
【0080】
上記の方法により、新たに第2遮光膜22によって新たに遮光領域を追加でき、フォトマスクを平面視したときにもともと第1遮光膜11によって形成されていた遮光領域を小さくすることができ、さらに、半透過膜13によって形成されていた半透過領域の一部を遮光領域に変更させることができる。ただし、本変形例では、修正前のフォトマスク10が有していた半透過効果は消失する。
【0081】
<変形例7>
本変形例では、変形例3において説明したボトム型のフォトマスクに対して、遮光領域を追加する修正行うとともに、もともとフォトマスクに形成されていた第1パターンを小さくする修正を行うパターン修正方法について、
図29および
図30を参照しながら説明する。
【0082】
本変形例におけるパターン修正方法では、
図29に示すように、まず、透明基板2上に第1遮光膜11、半透過膜13およびエッチングストッパー膜14によってパターン(第1パターン)が形成されたフォトマスク10を準備する(ステップS41)。次に、フォトマスク10における第1パターンが形成された面に、エッチングストッパー膜21、および、上記第1材料を含む第2遮光膜22(第2パターン形成部)をこの順に成膜する(ステップS42、成膜工程)。その後、第2遮光膜22を含むフォトマスク10の全面にフォトレジスト膜23を形成する(ステップS43、フォトレジスト膜形成工程)。換言すれば、第2遮光膜22の全面を覆うようにフォトマスク10の表面にフォトレジスト膜23を形成する。
【0083】
次に、フォトレジスト膜23に対して描画装置で描画し、その後現像することによりフォトレジストパターンを形成する(ステップS44、パターン形成工程)。具体的には、新たに遮光領域を追加したい領域、パターン修正後において第1遮光膜11による遮光領域のうちパターン修正後においても遮光領域として残す領域、および半透過膜13によって半透過領域となっていた領域のうち遮光領域に変更したい領域に対応するフォトレジスト膜23のみが残るようにフォトレジストパターンを形成する。本変形例では、もともと第1遮光膜11または半透過膜13によって遮光領域または半透過領域となっている領域のうち透光領域に変更したい領域のフォトレジスト膜23を除去する。換言すれば、フォトマスク10を平面視した場合に、少なくとも第1遮光膜11、半透過膜13、並びに、ステップS42において形成されたエッチングストッパー膜21および第2遮光膜22と重なるフォトレジスト膜23の一部を除去するようにフォトレジストパターンを形成する。
【0084】
次に、ステップS44において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第2遮光膜22の一部を除去する(ステップS45、第1除去工程)。ステップS45では、第2遮光膜22をエッチングする溶剤としてエッチングストッパー膜21を溶解しない溶剤を用いることにより、第2遮光膜22のみがエッチングされ除去される。
【0085】
次に、
図30に示すように、ステップS44において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、エッチングストッパー膜21の一部を除去する(ステップS46、エッチングストッパー膜除去工程)。次に、ステップS44において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第1遮光膜11の一部を除去する(ステップS47、第2除去工程)。次に、ステップS44において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、エッチングストッパー膜14の一部を除去する(ステップS48、第3除去工程)。次に、ステップS44において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、半透過膜13の一部を除去する(ステップS49、第4除去工程)。最後に、残存しているフォトレジスト膜23を除去する(ステップS50)。
【0086】
上記の方法により、新たに第2遮光膜22によって新たに遮光領域を追加でき、フォトマスクを平面視したときにもともと第1遮光膜11によって形成されていた遮光領域を小さくすることができ、さらに、半透過膜13によって形成されていた半透過領域の一部を遮光領域に変更させることができる。ただし、本変形例では、修正前のフォトマスク10が有していた半透過効果は消失する。
【0087】
<変形例8>
本変形例では、変形例4において説明したボトム型のフォトマスクに対して、遮光領域を追加する修正行うとともに、もともとフォトマスクに形成されていた第1パターンを小さくする修正を行うパターン修正方法について、
図31および
図32を参照しながら説明する。
【0088】
本変形例におけるパターン修正方法では、
図31に示すように、透明基板2上に第1遮光膜11および半透過膜13によってパターン(第1パターン)が形成されたフォトマスク10を準備する(ステップS51)。次に、フォトマスク10における第1パターンが形成された面に、エッチングストッパー膜21、および、上記第1材料を含む第2遮光膜22(第2パターン形成部)をこの順に成膜する(ステップS52、成膜工程)。その後、第2遮光膜22を含むフォトマスク10の全面にフォトレジスト膜23を形成する(ステップS53、フォトレジスト膜形成工程)。換言すれば、第2遮光膜22の全面を覆うようにフォトマスク10の表面にフォトレジスト膜23を形成する。
【0089】
次に、フォトレジスト膜23に対して描画装置で描画し、その後現像することによりフォトレジストパターンを形成する(ステップS54、パターン形成工程)。具体的には、新たに遮光領域を追加したい領域、パターン修正後において第1遮光膜11による遮光領域のうちパターン修正後においても遮光領域として残す領域、および半透過膜13によって半透過領域となっていた領域のうち遮光領域に変更したい領域に対応するフォトレジスト膜23のみが残るようにフォトレジストパターンを形成する。本変形例では、もともと第1遮光膜11または半透過膜13によって遮光領域または半透過領域となっている領域のうち透光領域に変更したい領域のフォトレジスト膜23を除去する。換言すれば、フォトマスク10を平面視した場合に、少なくとも第1遮光膜11、半透過膜13、並びに、ステップS52において形成されたエッチングストッパー膜21および第2遮光膜22と重なるフォトレジスト膜23の一部を除去するようにフォトレジストパターンを形成する。
【0090】
次に、ステップS54において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第2遮光膜22の一部を除去する(ステップS55、第1除去工程)。ステップS55では、第2遮光膜22をエッチングする溶剤としてエッチングストッパー膜21を溶解しない溶剤を用いることにより、第2遮光膜22のみがエッチングされ除去される。
【0091】
次に、
図32に示すように、ステップS54において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、エッチングストッパー膜21の一部を除去する(ステップS56、エッチングストッパー膜除去工程)。次に、ステップS54において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、第1遮光膜11の一部を除去する(ステップS57、第2除去工程)。次に、ステップS54において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、半透過膜13の一部を除去する(ステップS58、第3除去工程)。最後に、残存しているフォトレジスト膜23を除去する(ステップS59)。
【0092】
上記の方法により、新たに第2遮光膜22によって新たに遮光領域を追加でき、フォトマスクを平面視したときにもともと第1遮光膜11によって形成されていた遮光領域を小さくすることができ、さらに、半透過膜13によって形成されていた半透過領域の一部を遮光領域に変更させることができる。ただし、本変形例では、修正前のフォトマスク10が有していた半透過効果は消失する。
【0093】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0094】
実施形態1では、予め第1遮光膜11によってパターンが既に形成されたフォトマスクに、新たに第2遮光膜22による遮光部を形成するパターン修正方法について説明した。これに対して、本実施形態のパターン修正方法は、遮光膜に透過部が形成されることによりパターンが形成されているフォトマスクに、新たに透過部を形成する方法について説明する。
【0095】
図33は、本実施形態におけるパターン修正方法によってパターンを修正する対象のフォトマスクの一例としてのフォトマスク30の構成を示す平面図である。
図34は、
図33に示す領域D4の拡大図であり、1つのパターン形成領域Aを拡大した図である。
【0096】
図33に示すように、フォトマスク30は、透明基板2上に複数のパターン形成領域Aが形成されている。パターン形成領域Aには、
図34に示すように、透明基板2上に遮光膜41が成膜されており、当該遮光膜41に透光部42がパターニングされている。本実施形態では、1つのパターン形成領域Aに円形の透光部42が形成されている例について説明する。
【0097】
図35は、本実施形態におけるパターン修正方法によってパターンを修正したい箇所を示す図である。本実施形態では、
図35に示すように、透光部42によって形成される円の中央に位置する領域D5に新たに透光部を形成するようにパターンを修正する例について説明する。
【0098】
図36は、本実施形態におけるパターン修正方法の一例を示すフローチャートである。
図37は、本実施形態におけるパターン修正方法を説明するための図である。
図36および
図37に示すように、本実施形態におけるパターン修正方法では、まず、遮光膜41に透光部42がパターニングされることによってパターンが既に形成されたフォトマスク30を準備する(ステップS11)。
【0099】
次に、フォトマスク30におけるパターンが形成された面に、フォトレジスト膜51を形成する(ステップS12)。次に、フォトレジスト膜51に対して描画装置で描画し、その後現像することによりフォトレジストパターンを形成する(ステップS13)。具体的には、
図35に示す領域D5に対応する遮光膜41のみが、後述するステップS14において除去されるようにフォトレジストパターンを形成する。
【0100】
本実施形態におけるステップS13では、フォトマスク30の透明基板2に予め形成されているアライメントマーク4を基準として、フォトマスク30の位置決めを行ったあと、描画装置で描画を行う。これにより、新たに追加する透過部の追加位置を高精度に制御することができる。なお、追加の透過部の形成位置の精度が必要でない場合は、アライメントマーク4によるフォトマスク30の位置決めを行う必要はない。
【0101】
次に、ステップS13において形成したフォトレジストパターンをマスクとして、遮光膜41の一部を除去する(ステップS14)。その結果、新たに透光部45を形成することができる。
【0102】
最後に、残存しているフォトレジスト膜51を除去する(ステップS15)。これにより、予め形成されていた透光部42に追加して、新たに透光部45が形成されたフォトマスクを作製することができる。
【0103】
上述の各実施形態では、ポジ型のフォトレジスト膜を用いてパターンの修正を行う態様について説明したが本発明はこれに限られない。本発明の一態様では、ネガ型のフォトレジスト膜を用いてパターンの修正を行ってもよい。
【0104】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0105】
2 透明基板
4 アライメントマーク
10 フォトマスク
11 第1遮光膜(第1パターン形成部)
13 半透過膜(第1パターン形成部)
14、21 エッチングストッパー膜
21 エッチングストッパー膜
22 第2遮光膜(第2パターン形成部)
23 フォトレジスト膜