(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-15
(45)【発行日】2024-05-23
(54)【発明の名称】エリア特定システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20240516BHJP
【FI】
G06Q30/0241
(21)【出願番号】P 2021518368
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(86)【国際出願番号】 JP2020018152
(87)【国際公開番号】W WO2020226107
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】P 2019088125
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】中川 智尋
(72)【発明者】
【氏名】堂面 拓也
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一也
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/047063(WO,A1)
【文献】特開2018-160138(JP,A)
【文献】清水智弘、ほか2名,屋外広告物による視覚的影響の分析,地理情報システム学会 講演論文集,地理情報システム学会,2007年10月20日,第16号,p.371-374
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報媒体から提示される情報を当該情報として認識可能なエリアを特定するエリア特定システムであって、
前記情報媒体が設けられる位置を示す媒体位置情報を取得する媒体位置情報取得部と、
前記情報媒体の属性及び当該情報媒体から提示される情報の内容の少なくとも何れかに係るエリア特定用情報を取得するエリア特定用情報取得部と、
前記媒体位置情報取得部によって取得された媒体位置情報、及び前記エリア特定用情報取得部によって取得されたエリア特定用情報に基づいて前記エリアを特定する特定部と、
を備え
、
前記エリア特定用情報取得部は、前記エリア特定用情報として、前記情報媒体の能力を示す情報を取得し、
前記情報媒体は、ディスプレイを含み、
前記エリア特定用情報取得部は、前記情報媒体の能力を示す情報として、ディスプレイの視野角及び輝度の少なくとも何れかを示す情報を取得するエリア特定システム。
【請求項2】
情報媒体から提示される情報を当該情報として認識可能なエリアを特定するエリア特定システムであって、
前記情報媒体が設けられる位置を示す媒体位置情報を取得する媒体位置情報取得部と、
前記情報媒体の属性及び当該情報媒体から提示される情報の内容の少なくとも何れかに係るエリア特定用情報を取得するエリア特定用情報取得部と、
前記媒体位置情報取得部によって取得された媒体位置情報、及び前記エリア特定用情報取得部によって取得されたエリア特定用情報に基づいて前記エリアを特定する特定部と、
を備え
、
前記エリア特定用情報取得部は、前記エリア特定用情報として、前記情報媒体の能力を示す情報を取得し、
前記情報媒体は、スピーカを含み、
前記エリア特定用情報取得部は、前記情報媒体の能力を示す情報として、スピーカの音声出力の指向性及び出力可能音量の少なくとも何れかを示す情報を取得するエリア特定システム。
【請求項3】
情報媒体から提示される情報を当該情報として認識可能なエリアを特定するエリア特定システムであって、
前記情報媒体が設けられる位置を示す媒体位置情報を取得する媒体位置情報取得部と、
前記情報媒体の属性及び当該情報媒体から提示される情報の内容の少なくとも何れかに係るエリア特定用情報を取得するエリア特定用情報取得部と、
前記媒体位置情報取得部によって取得された媒体位置情報、及び前記エリア特定用情報取得部によって取得されたエリア特定用情報に基づいて前記エリアを特定する特定部と、
を備え
、
前記情報媒体は、ディスプレイを含み、
前記エリア特定用情報取得部は、前記エリア特定用情報として、前記ディスプレイによって表示される物のサイズを示す情報を取得するエリア特定システム。
【請求項4】
情報媒体から提示される情報を当該情報として認識可能なエリアを特定するエリア特定システムであって、
前記情報媒体が設けられる位置を示す媒体位置情報を取得する媒体位置情報取得部と、
前記情報媒体の属性及び当該情報媒体から提示される情報の内容の少なくとも何れかに係るエリア特定用情報を取得するエリア特定用情報取得部と、
前記媒体位置情報取得部によって取得された媒体位置情報、及び前記エリア特定用情報取得部によって取得されたエリア特定用情報に基づいて前記エリアを特定する特定部と、
を備え
、
前記情報媒体は、スピーカを含み、
前記エリア特定用情報取得部は、前記エリア特定用情報として、前記スピーカから出力される音声に係る情報を取得するエリア特定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報媒体から提示される情報を当該情報として認識可能なエリアを特定するエリア特定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建造物又は山等が見えるエリアを障害物の位置及び形状等を考慮して算出する、いわゆる、可視マップを生成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋外に掲示される広告の広告枠を販売する際には、広告をどれだけの人が見るかが重要になる。その一つの指標として、例えば、広告が見えるエリアをどれだけの人が通行したかを用いることが考えられる。エリアにおける人の通行量を推計するためには、広告が見えるエリアを特定することが必要となる。当該エリアの特定のために可視マップの生成の技術を用いることが考えられる。しかしながら、可視マップは、建造物又は山等を物理的に見ることができるエリアを示すものに過ぎない。そのため、可視マップに示されるエリアの位置にいる人が広告を見ることができたとしても、広告を適切に広告と認識できるとは限らない。また、同様の問題は、広告が音声によって行われる場合にも生じ得る。
【0005】
本発明の一実施形態は、上記に鑑みてなされたものであり、広告等の情報が適切に認識可能なエリアを特定することができるエリア特定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係るエリア特定システムは、情報媒体から提示される情報を当該情報として認識可能なエリアを特定するエリア特定システムであって、情報媒体が設けられる位置を示す媒体位置情報を取得する媒体位置情報取得部と、情報媒体の属性及び当該情報媒体から提示される情報の内容の少なくとも何れかに係るエリア特定用情報を取得するエリア特定用情報取得部と、媒体位置情報取得部によって取得された媒体位置情報、及びエリア特定用情報取得部によって取得されたエリア特定用情報に基づいてエリアを特定する特定部と、を備える。
【0007】
本発明の一実施形態に係るエリア特定システムでは、エリアの特定は、情報媒体の属性及び当該情報媒体から提示される情報の内容の少なくとも何れかに係るエリア特定用情報に基づいて行われる。従って、広告等の情報が適切に認識可能なエリアを特定することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、広告等の情報が適切に認識可能なエリアを特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るエリア特定システムの構成を示す図である。
【
図2】エリア特定システムによって特定されるエリアの例を示す図である。
【
図3】エリア特定システムによって特定されるエリアの例を示す図である。
【
図4】視認可能エリアの候補となる候補エリアの例を示す図である。
【
図5】障害物情報を用いた視認可能エリアの特定を説明するための図である。
【
図6】音響到達エリアの候補となる候補エリアの例を示す図である。
【
図7】障害物情報を用いた音響到達エリアの特定を説明するための図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るエリア特定システムで実行される処理を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態に係るエリア特定システムのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面と共に本発明に係るエリア特定システムの実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1に本実施形態に係るエリア特定システム10を示す。エリア特定システム10は、情報媒体から提示される情報を当該情報として認識可能なエリアを特定するシステム(装置)である。本実施形態では、情報媒体から提示される情報は、広告である。広告は、例えば、ディスプレイ及びスピーカを備える情報媒体(広告媒体)である装置から、画像(映像)及び音声として出力される。なお、当該装置は、ディスプレイ及びスピーカの何れか一方を備えるものであってもよい。即ち、広告は、画像及び音声の何れか一方として出力されてもよい。当該装置は、街中のビル等の屋外に位置決めされて固定的に設けられる。即ち、エリア特定システム10は、屋外において提示される広告を、そのエリアに位置している人が当該広告として視覚的又は聴覚的に認識可能なエリアを特定する。広告として認識可能であるとは、単に当該広告が物理的に見えたり聴こえたりするのではなく、当該広告の内容を適切に把握できることをいう。当該エリアは、通行人が通ることができる通行路等である。
【0012】
広告の認識可能なエリアは、広告を提示する装置の属性(特性)及び広告(コンテンツ)自体によって変化する。エリア特定システム10は、それらを考慮して適切にエリアを特定する。
【0013】
エリア特定システム10によって特定されるエリアは、当該広告あるいは当該広告を行う装置が設けられる広告枠の評価に用いられる。広告又は広告枠の価値は、どれだけの人が広告を参照し得るか、例えば、上記のエリアの通行量によって決まる。エリア特定システム10は、エリアの特定に加えて、後述するように広告を認識可能な人の数として通行量を推計することとしてもよい。
【0014】
エリア特定システム10は、例えば、サーバ装置によって実現される。また、エリア特定システム10は、複数のサーバ装置、即ち、コンピュータシステムによって実現されてもよい。エリア特定システム10は、端末20から送信される情報を受信して、受信した情報に基づいて通行量を推計する。
【0015】
端末20は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)測位機能等の自端末20の測位機能を有しており、自端末20の位置を示す位置情報を取得する。取得される位置情報は、例えば、自端末20の位置の緯度及び経度を示す情報である。但し、位置情報は、緯度及び経度以外の情報であってもよい。なお、端末20による測位は、GPS測位以外にも、無線LAN(例えば、Wi-Fi(登録商標))又はビーコン等の電波を用いた従来の方法、あるいは携帯電話基地局の電波を用いた従来の方法によって行われてもよい。端末20は、取得した位置情報をエリア特定システム10に送信する。
【0016】
引き続いて、本実施形態に係るエリア特定システム10の機能を説明する。
図1に示すようにエリア特定システム10は、媒体位置情報取得部11と、エリア特定用情報取得部12と、障害物情報取得部13と、特定部14と、推計部15とを備えて構成される。
【0017】
媒体位置情報取得部11は、情報媒体が設けられる位置を示す媒体位置情報を取得する機能部である。媒体位置情報取得部11は、媒体位置情報として、例えば、情報媒体である装置40が設けられる位置の緯度、経度及び高度を示す情報を取得する。また、媒体位置情報取得部11は、媒体位置情報として、情報媒体が設けられる方向(どの向きに広告が出力されるか)を示す情報を取得してもよい。例えば、媒体位置情報取得部11は、エリア特定システム10の管理者による入力操作を受け付ける等して媒体位置情報を取得する。媒体位置情報取得部11は、取得した媒体位置情報を特定部14に出力する。
【0018】
エリア特定用情報取得部12は、情報媒体の属性及び当該情報媒体から提示される情報の内容の少なくとも何れかに係るエリア特定用情報を取得する機能部である。エリア特定用情報は、特定するエリアに影響を及ぼし得る要素についての情報である。エリア特定用情報は、広告を提示する情報媒体に係る情報と、広告(提示される情報)に係る情報とを含み得る。エリア特定用情報取得部12は、エリア特定用情報として、情報媒体の能力を示す情報を取得してもよい。エリア特定用情報取得部12は、具体的には以下のエリア特定用情報を取得する。
【0019】
情報媒体がディスプレイを備えており、広告が画像によるものを含む場合、エリア特定用情報取得部12は、それらに係るエリア特定用情報を取得する。例えば、エリア特定用情報取得部12は、ディスプレイに係る情報として、ディスプレイのサイズを示す情報を取得してもよい。あるいは、エリア特定用情報取得部12は、ディスプレイの能力を示す情報として、ディスプレイの視野角及び輝度を示す情報を取得してもよい。なお、エリア特定用情報取得部12は、ディスプレイの視野角を示す情報及びディスプレイの輝度を示す情報の何れかを取得してもよい。このように情報媒体である装置(筐体)40の物理的属性を示す情報が、エリア特定用情報とされてもよい。
【0020】
エリア特定用情報取得部12は、ディスプレイによって表示される物のサイズを示す情報を取得してもよい。例えば、エリア特定用情報取得部12は、広告(コンテンツ)内の文字、キャラクター、ロゴ等のサイズを示す情報を取得する。
【0021】
情報媒体がスピーカを備えており、広告が音声によるものを含む場合、エリア特定用情報取得部12は、それらに係るエリア特定用情報を取得する。例えば、エリア特定用情報取得部12は、スピーカの能力(音響出力性能)を示す情報として、スピーカの音声出力の指向性及び出力可能音量を示す情報を取得してもよい。なお、エリア特定用情報取得部12は、スピーカの音声出力の指向性を示す情報及びスピーカの音声出力の出力可能音量を示す情報の何れかを取得してもよい。スピーカの指向性は、例えば、音声が出力される方向及び角度である。スピーカの音声出力の出力可能音量は、スピーカが音声出力することができる最大音量(許容入力音量)である。
【0022】
エリア特定用情報取得部12は、スピーカから出力される音声に係る情報を取得してもよい。例えば、エリア特定用情報取得部12は、音声出力される広告(コンテンツ)の音量(コンテンツとしてどの程度の音量を出力するものであるか、再生音量)を示す情報を取得する。エリア特定用情報取得部12は、上述したエリア特定用情報のうち一部のみを取得することとしてもよい。
【0023】
例えば、エリア特定用情報取得部12は、エリア特定システム10の管理者による入力操作を受け付ける等してエリア特定用情報を取得する。なお、上記の広告(コンテンツ)に係る情報(例えば、表示される物のサイズ)については、エリア特定システム10の管理者等によって予め広告毎の情報が判断されて当該情報が生成されてもよい。あるいは、エリア特定用情報取得部12が、広告を解析してエリア特定用情報を生成して取得することとしてもよい。エリア特定用情報取得部12は、取得したエリア特定用情報を特定部14に出力する。
【0024】
障害物情報取得部13は、情報媒体が設けられる位置周辺の障害物を示す障害物情報を取得する機能部である。障害物は、広告を認識するための障害となる物体であり、例えば、情報媒体が設けられる位置周辺のビル等の建造物である。障害物情報取得部13は、障害物情報として、例えば、建造物の位置の緯度、経度及び標高を示す情報、建造物の形状及び建造物の高さを示す情報を取得する。例えば、障害物情報取得部13は、エリア特定システム10の管理者による入力操作を受け付ける等して障害物情報を取得する。障害物情報取得部13は、取得した障害物情報を特定部14に出力する。
【0025】
特定部14は、媒体位置情報取得部11によって取得された媒体位置情報、及びエリア特定用情報取得部12によって取得されたエリア特定用情報に基づいてエリアを特定する機能部である。特定部14は、障害物情報取得部13によって取得された障害物情報にも基づいてエリアを特定する。
【0026】
ここで特定されるエリアを説明する。
図2に示すように、本実施形態では、特定部14は、広告を認識可能なエリアとして、複数のメッシュ31によって構成されるエリア30(エリア30a,30b…の総称)を特定する。メッシュ31は、推計対象のエリア30を含む地域を矩形に区切ったものである。メッシュ31の大きさは、予め設定されており、例えば、一辺が7mの正方形である。また、メッシュ31の大きさは、一辺が15m又は30mの正方形であってもよい。
【0027】
図2(a)に示すエリア30は、情報媒体である装置40から表示される画像が視覚的に認識可能な視認可能エリア30aである。
図2(b)に示すエリア30は、情報媒体である装置40から出力される音声が聴覚的に認識可能な音響到達エリア30bである。特定部14は、それぞれのエリア30a,30bを特定してもよい。また、
図3に示すように特定部14は、それぞれのエリア30a,30bの両方に含まれるメッシュ31から構成される視聴エリア30c、あるいはそれぞれのエリア30a,30bの少なくとも何れか含まれるメッシュ31から構成されるエリア30dを特定してもよい。なお、特定部14によって特定されるエリア30は、上記のメッシュ31単位でなくてもよく、任意の形状及びサイズのエリアであってもよい。
【0028】
特定部14は、具体的には以下のようにエリア30を推計する。特定部14は、媒体位置情報取得部11から媒体位置情報を、エリア特定用情報取得部12からエリア特定用情報を、障害物情報取得部13から障害物情報をそれぞれ入力する。特定部14は、入力した各情報に基づいてエリア30を推計する。
【0029】
特定するエリア30が、視認可能エリア30aである場合、特定部14は、以下のようにエリアを推定する。
図4に示すように特定部14は、入力した情報に基づいて扇型の領域32aを設定し、当該扇型の領域32aを含むメッシュ31を視認可能エリア30aの候補となる候補エリア33aとして設定する。扇形の領域32aの中心角の位置(緯度及び経度)は、媒体位置情報によって示される、情報媒体である装置40が設けられる位置(緯度及び経度)である。また、扇形の領域32aの中心角の中心の方向D(扇形が向く方向D)は、媒体位置情報によって示される、装置40が設けられる方向である。
【0030】
扇形の領域32aの半径Rは、エリア特定用情報によって示されるディスプレイのサイズ及び輝度によって設定される値である。例えば、特定部14は、サイズ及び輝度に基づいて半径Rを算出するための式又は対応表を予め記憶しておき、それに基づいて半径Rを算出して設定する。サイズ及び輝度それぞれが大きくなるほど広告を認識しやすくなるため、半径Rは大きくされる。また、半径Rは、エリア特定用情報によって示される広告内の文字、キャラクター、ロゴ等のサイズに応じて変更されてもよい。これらのサイズも大きくなるほど広告を認識しやすくなるため、半径Rは大きくされる。例えば、半径Rの算出には、下記の式を利用してもよい。
R[m]=文字サイズ[m]×250
扇形の領域32aの中心角Aは、エリア特定用情報によって示されるディスプレイの視野角である。
【0031】
特定部14は、候補エリア33aとしたメッシュ31のそれぞれについて、障害物によって視線が遮られないかを判断する。例えば、特定部14は、
図5に示すように媒体位置情報によって示される装置40が設けられる位置とメッシュ31中の人の位置とを結ぶ人の視線が、障害物情報によって障害物50によって遮られないかを判断する。装置40が設けられる位置は、より具体的には、ディスプレイの中心の位置とすることができる。メッシュ31中の人の位置は、メッシュ31の中心に人が立っていた場合における予め設定される人の身長を想定した目の位置である。なお、地上の鉄道路線の駅のプラットフォーム、高速道路、ビル等、地上からの高度が発生する場所を視聴可能エリアとして特定する場合には、当該場所の高度を人の身長に加えたうえで、視線が遮られないかを判定してもよい。この場合、同一のメッシュに対して、高度毎に視聴エリアとして含めるか否かを判定してもよい。
【0032】
特定部14は、例えば、視線が通過するメッシュ31における視線の高度を算出して、算出した高度と当該メッシュ31の障害物50の高さとを比較して、視線上に障害物50があるか否かを判断する。障害物50の高さの方が視線の高度よりも高い場合、特定部14は、視線が障害物50によって遮られると判断し、障害物50の高さの方が視線の高度よりも低い場合、特定部14は、視線が障害物50によって遮られないと判断する。特定部14は、視線が障害物50によって遮られるとされたメッシュ31を候補エリア33aから除外する。特定部14は、候補エリア33aから除外されなかったメッシュ31を、視認可能エリア30aを構成するメッシュ31と特定する。
【0033】
特定するエリア30が、音響到達エリア30bである場合、特定部14は、以下のようにエリアを推定する。
図6に示すように特定部14は、入力した情報に基づいて扇型の領域32bを設定し、当該扇型の領域32bを含むメッシュ31を音響到達エリア30bの候補となる候補エリア33bとして設定する。扇形の領域32bの中心角の位置(緯度及び経度)は、媒体位置情報によって示される、情報媒体である装置40が設けられる位置(緯度及び経度)である。また、扇形の領域32bの中心角の中心の方向D(扇形が向く方向D)は、エリア特定用情報取得部12によって示される、スピーカの音声出力の指向性に基づいて定められる。
【0034】
扇形の領域32aの半径Rは、エリア特定用情報によって示されるスピーカの音声出力の出力可能音量によって設定される値である。例えば、特定部14は、出力可能音量に基づいて半径Rを算出するための式又は対応表を予め記憶しておき、それに基づいて半径Rを算出して設定する。出力可能音量が大きくなるほど広告を認識しやすくなるため、半径Rは大きくされる。また、半径Rは、エリア特定用情報によって示される広告の音量に応じて変更されてもよい。広告の音量も大きくなるほど広告を認識しやすくなるため、半径Rは大きくされる。扇形の領域32bの中心角Aは、エリア特定用情報によって示されるスピーカの音声出力の指向性に基づいて定められる。
【0035】
特定部14は、候補エリア33bとしたメッシュ31のそれぞれについて、障害物に基づいて候補エリア33bからの除外を行う。例えば、特定部14は、
図7に示すように候補エリア33bとしたメッシュ31のそれぞれについて、メッシュ31内の障害物50の面積を算出する。特定部14は、メッシュ31内の障害物50の占める面積と、予め設定される閾値とを比較して、面積が閾値を超えるメッシュ31を候補エリア33bから除外する。これは、障害物50が一定以上の面積を占めるメッシュ31では、装置40からの音声が遮られることを想定したものである。特定部14は、候補エリア33bから除外されなかったメッシュ31を、音響到達エリア30bを構成するメッシュ31と特定する。
【0036】
特定部14は、上記のように特定したエリア30を示す情報を推計部15に出力する。エリア30を示す情報は、例えば、エリア30を構成するメッシュ31を示す情報である。なお、エリア30の特定に用いられるとした上記の各情報が、エリア30の特定に全て用いられる必要はなく、少なくとも何れかの情報が用いられればよい。また、取得された情報が用いられていれば、上記以外の特定方法でエリア30が特定されてもよい。
【0037】
推計部15は、特定部14によって特定されたエリア30に基づいて、情報媒体から提示される情報を当該情報として認識可能な人の数を推計する機能部である。具体的には、推計部15は、エリア30内に位置する人の数を推計(推定、算出)する。上述したようにエリア30内に位置する人は、装置40から提示される広告を認識することができる。推計部15は、当該人の数として、所定の時間帯での人の通行量を推計してもよい。
【0038】
推計部15は、特定部14からエリア30を示す情報を入力する。推計部15は、端末20から送信される位置情報を、端末20を所持するユーザの位置を示す位置情報として受信する。推計部15は、入力したエリア30を示す情報、及び受信した位置情報に基づいて、エリア30内に位置する人の数を推計する。位置情報に基づくエリア30内に位置する人の数の推計は、従来の方法を含む任意の方法によって行われ得る。
【0039】
推計部15は、推計したエリア30内に位置する人の数を示す情報を出力する。当該情報の出力は、例えば、推計部15が備える表示装置に対して行われてもよいし、他の装置又はモジュール等に対して行われてもよい。推計部15によって推計された人の数を用いることで広告又は広告枠の評価の評価を行うことができる。以上が、本実施形態に係るエリア特定システム10の機能である。
【0040】
引き続いて、
図8のフローチャートを用いて、本実施形態に係るエリア特定システム10で実行される処理(エリア特定システム10が行う動作方法)を説明する。本処理では、媒体位置情報取得部11によって、情報媒体である、広告を提示する装置40が設けられる位置を示す媒体位置情報が取得される(S01)。また、エリア特定用情報取得部12によって、装置40の属性及び装置40から提示される情報の内容の少なくとも何れかに係るエリア特定用情報が取得される(S02)。また、障害物情報取得部13によって、装置40が設けられる位置周辺の障害物を示す障害物情報が取得される(S03)。なお、S01~S03の情報が取得される処理は、必ずしも上記の順番で行われる必要はなく、以下のエリア30の特定までに行われていれば、どのような順番で行われてもよい。
【0041】
続いて、特定部14によって、媒体位置情報、エリア特定用情報及び障害物情報に基づいて、装置40から提示される広告を当該広告として認識可能なエリア30が特定される(S04)。続いて、推計部15によって、端末20から位置情報が受信されて取得される(S05)。続いて、推計部15によって、推計したエリア30内に位置する人の数、即ち、装置40から提示される広告を視聴可能な人の数が推計されて出力される(S06)。以上が、本実施形態に係るエリア特定システム10で実行される処理である。
【0042】
本実施形態では、エリア30の特定は、エリア特定用情報に基づいて行われる。従って、単に広告が見えたり聴こえたりするのではなく、広告を提示する装置40の属性及び広告の内容の少なくとも何れかに基づいて、広告が適切に認識可能なエリア30を特定することができる。
【0043】
また、広告を提示する装置40が、ディスプレイ又はスピーカを含む場合には、エリア特定用情報は上述したものとすることができる。この構成によれば、装置40の能力、あるいは広告のコンテンツに応じて、適切かつ確実にエリア30を特定することができる。但し、エリア特定用情報は、本実施形態の具体例に限られず、広告を提示する装置40の属性及び広告の内容の少なくとも何れかに基づいたものであればどのようなものであってもよい。
【0044】
また、本実施形態のように障害物情報にも基づいてエリア30を特定してもよい。この構成によれば、ビル等の建造物が、装置40の周囲にある場合であっても、適切にエリア30を特定することができる。但し、障害物情報を用いずにエリア30を特定してもよい。
【0045】
また、本実施形態のように特定されたエリア30に基づいて、装置40から提示される広告を当該広告として認識可能な人の数を推計することとしてもよい。この構成によれば、特定したエリア30に基づいた広告又は広告枠の評価等まで行うことができる。但し、エリア特定システム10は、上記の人の数までの推計を行う必要はなく、他の装置等によって人の数の推計が行われてもよい。その場合、エリア特定システム10は、特定したエリア30を示す情報を当該他の装置等に出力する。また、エリア特定システム10によって特定されたエリア30は、上記の人の数の推計以外に用いられてもよい。
【0046】
上述した実施形態では、エリア特定システム10によって特定されるエリアは、広告に係るものであるとした。しかしながら、エリア特定システム10によって特定されるエリアは、広告に係るものである必要はなく、任意の情報媒体から提示される任意の情報に係るものであってもよい。
【0047】
また、本実施形態では、情報媒体は、ディスプレイ及びスピーカ等を備える装置40であることとしたが、このような装置40に限られず、情報を提示するものであればどのようなものであってもよい。
【0048】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0049】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)又は送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0050】
例えば、本開示の一実施の形態におけるエリア特定システム10は、本開示の方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図9は、本開示の一実施の形態に係るエリア特定システム10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のエリア特定システム10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。また、本実施形態に係る端末20も本説明と同様のハードウェア構成を有していてもよい。
【0051】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。エリア特定システム10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0052】
エリア特定システム10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0053】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のエリア特定システム10における各機能は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0054】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、エリア特定システム10における各機能は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0055】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0056】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0057】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、上述のエリア特定システム10における各機能は、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0058】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0059】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0060】
また、エリア特定システム10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0061】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0062】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0063】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0064】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0065】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0066】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0067】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0068】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0069】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。
【0070】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0071】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。
【0072】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0073】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0074】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0075】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0076】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0077】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0078】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…エリア特定システム、11…媒体位置情報取得部、12…エリア特定用情報取得部、13…障害物情報取得部、14…特定部、15…推計部、20…端末、1001…プロセッサ、1002…メモリ、1003…ストレージ、1004…通信装置、1005…入力装置、1006…出力装置、1007…バス。